(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】内視鏡ハンドルの廃棄可能部分、内視鏡ハンドル及び内視鏡
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
A61B1/00 714
A61B1/00 632
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515878
(86)(22)【出願日】2023-03-13
(85)【翻訳文提出日】2024-03-12
(86)【国際出願番号】 CN2023081133
(87)【国際公開番号】W WO2023226536
(87)【国際公開日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】202210575884.8
(32)【優先日】2022-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519272972
【氏名又は名称】湖南省華芯医療器械有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】周 震華
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161DD02
4C161FF11
4C161FF30
4C161HH33
4C161JJ06
4C161JJ11
(57)【要約】
内視鏡ハンドルの廃棄可能部分(10)、内視鏡ハンドル及び内視鏡であって、内視鏡の技術分野に適用され、該内視鏡ハンドルの廃棄可能部分(10)はハウジング(100)及び第1伝動アセンブリを備え、前記ハウジング(100)の近位端にハンドルの再利用可能部分(20)に取り外し可能に接続されるための接続部が設置され、前記第1伝動アセンブリは第1牽引糸(111)、第2牽引糸(112)及び第1突き合わせ接続部(13)を含み、ハウジング(100)の近位端の端面に第1円弧型移動経路が形成され、第1円弧型移動経路が近位端の端面の軸線方向に直交し、第1円弧型移動経路がハウジング(100)の近位端の端面の周りに位置し、第1突き合わせ接続部(13)が第1円弧型移動経路に沿って移動する。第1円弧型移動経路を用いれば同じ平面領域内に直線型移動経路よりも長い変位経路を提供することができ、それにより第1突き合わせ接続部(13)は第1牽引糸(111)と第2牽引糸(112)がより長い距離だけ移動できるように動かすようにし、更に能動湾曲部分(12)がより大きな湾曲角度を得るようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡ハンドルの廃棄可能部分であって、
近位端にハンドルの再利用可能部分(20)に取り外し可能に接続されるための接続部が設置されるハウジング(100)と、
近位端が前記ハウジング(100)の遠位端に取り付けられる挿入部(11)と、
第1牽引糸(111)、第2牽引糸(112)及び第1突き合わせ接続部(13)を含み、前記第1牽引糸(111)と第2牽引糸(112)が内視鏡の挿入部(11)内に収容され、且つ前記第1牽引糸(111)及び第2牽引糸(112)の遠位端が前記挿入部(11)の遠位端の能動湾曲部分(12)に接続され、前記第1牽引糸(111)及び第2牽引糸(112)の近位端が前記第1突き合わせ接続部(13)に接続される第1伝動アセンブリと、を備え、
前記ハウジング(100)の近位端の端面に第1円弧型移動経路が形成され、前記第1円弧型移動経路が前記近位端の端面の軸線方向に直交し、前記第1円弧型移動経路が前記ハウジング(100)の近位端の端面の周りに位置し、前記第1突き合わせ接続部(13)が前記第1円弧型移動経路に沿って移動することを特徴とする内視鏡ハンドルの廃棄可能部分。
【請求項2】
前記ハウジング(100)の近位端の端面に環状溝(101)が開設され、前記環状溝(101)の中心領域に回転輪(102)が回転可能に取り付けられ、前記回転輪(102)の外輪と前記環状溝(101)の環壁との間に円弧状案内溝(141)が形成され、前記第1突き合わせ接続部(13)が前記円弧状案内溝(141)内に摺動可能に設置されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡ハンドルの廃棄可能部分。
【請求項3】
前記回転輪(102)の外環壁面に収容溝(1022)が開設されることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡ハンドルの廃棄可能部分。
【請求項4】
前記円弧状案内溝(141)の両端に前記ハウジング(100)の近位端の端面の軸線方向に沿って第1貫通孔(104)及び第2貫通孔(105)が開設され、前記第1牽引糸(111)と第2牽引糸(112)がそれぞれ前記第1貫通孔(104)及び第2貫通孔(105)内に穿設されることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡ハンドルの廃棄可能部分。
【請求項5】
前記ハウジング(100)の近位端の端面に輪板が回転可能に取り付けられ、前記ハウジング(100)の近位端の端面の軸線方向に第1案内孔及び第2案内孔が開設され、前記第1案内孔と第2案内孔がそれぞれ前記輪板の外環壁の近傍に位置し、前記第1案内孔と第2案内孔との間の外環壁が前記第1円弧型移動経路を形成し、前記第1突き合わせ接続部(13)が前記輪板の外周壁に当接されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡ハンドルの廃棄可能部分。
【請求項6】
前記ハウジング(100)の近位端の端面に第1収容溝が開設され、前記第1突き合わせ接続部(13)が前記第1収容溝内に設置され、前記第1収容溝が円弧状であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡ハンドルの廃棄可能部分。
【請求項7】
前記第1突き合わせ接続部(13)にローラが設置され、前記ローラが前記第1収容溝の側壁に当接されることを特徴とする請求項6に記載の内視鏡ハンドルの廃棄可能部分。
【請求項8】
第2伝動アセンブリを更に備え、前記第2伝動アセンブリは第3牽引糸(113)、第4牽引糸(114)及び第2突き合わせ接続部(130)を含み、前記第3牽引糸(113)と第4牽引糸(114)が前記内視鏡の挿入部(11)内に収容され、且つ前記第3牽引糸(113)及び第4牽引糸(114)の遠位端が前記挿入部(11)の遠位端の能動湾曲部分(12)に接続され、前記第3牽引糸(113)及び第4牽引糸(114)の近位端が前記第2突き合わせ接続部(130)に接続され、
前記第1伝動アセンブリが前記第2伝動アセンブリに対向して設置され、
前記ハウジング(100)の近位端の端面に第2円弧型移動経路が更に開設され、前記第2突き合わせ接続部(130)が前記第2円弧型移動経路内に設置され、前記第2円弧型移動経路が円弧状であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡ハンドルの廃棄可能部分。
【請求項9】
内視鏡ハンドルであって、
請求項1~8のいずれか1項に記載の内視鏡ハンドルの廃棄可能部分(10)及び内視鏡ハンドルの再利用可能部分(20)を備え、前記廃棄可能部分(10)が前記再利用可能部分(20)に取り外し可能に接続され、
前記再利用可能部分(20)の遠位端に前記第1突き合わせ接続部(13)に突き合わせ接続されるための係合部が設置され、前記第1突き合わせ接続部(13)及び前記係合部のうちの一方が雄型接続部材であり、前記第1突き合わせ接続部(13)及び前記係合部のうちの他方が雌型接続部材であることを特徴とする内視鏡ハンドル。
【請求項10】
請求項9に記載の内視鏡ハンドルを備えることを特徴とする内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内視鏡の技術分野に属し、内視鏡ハンドルの廃棄可能部分、内視鏡ハンドル及び内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡は少なくとも照明、撮影機能を持つ挿入部を人体の自然な通路又は手術領域に開口した孔に伸び込むことにより人体の体腔環境を探知し、人体の外部に位置するハンドルを操作することにより内視鏡の挿入部の先端に位置する能動湾曲部分の湾曲角度を調整し、それにより所定の方向に偏向させて、人々がより広い可視角度範囲内に観察することに寄与する。
【0003】
また、一般的に内視鏡の挿入部に器具通路が更に設置される。人体の体腔環境の探知又は治療過程において、人体の内部組織の余分な滲出液を吸引する必要があり、滲出液が器具通路を介して体外に導出される。また、器具通路は更に、外部器具例えば生検鉗子を器具通路に沿って体腔に伸び込んで目標標的組織に到達した後、人体組織の一部を挟み取って生検検出を行うためのものである。
【0004】
従って、挿入部は人体に挿入された後、その外部及び内部の器具通路がひどく汚染されてしまう。一般的なやり方は挿入部をハンドル全体とともに廃棄することである。従って、コストが比較的高く、患者は高価な機材費用を支払うことが困難であり、また、上記コストの問題を解決するために、従来技術においてハンドルを廃棄可能部分及び再利用可能部分に分解するが、従来技術における廃棄可能部分と再利用可能部分との突き合わせ接続過程がより複雑で、医者の操作難易度を増加させるとともに、廃棄部分は新たな構造を設計する必要があり、且つ力伝達過程が複雑であるため、製造コストも比較的高い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は内視鏡ハンドルの廃棄可能部分を提供することであり、該内視鏡ハンドルの廃棄可能部分は、
近位端にハンドルの再利用可能部分に取り外し可能に接続されるための接続部が設置されるハウジングと、
近位端が前記ハウジングの遠位端に取り付けられる挿入部と、
第1牽引糸、第2牽引糸及び第1突き合わせ接続部を含み、前記第1牽引糸と第2牽引糸が前記内視鏡の挿入部内に収容され、且つ前記第1牽引糸及び第2牽引糸の遠位端が前記挿入部の遠位端の能動湾曲部分に接続され、前記第1牽引糸及び第2牽引糸の近位端が前記第1突き合わせ接続部に接続される第1伝動アセンブリと、を備え、
前記ハウジングの近位端の端面に第1円弧型移動経路が形成され、前記第1円弧型移動経路が前記近位端の端面の軸線方向に直交し、前記第1円弧型移動経路が前記ハウジングの近位端の端面の周りに位置し、前記第1突き合わせ接続部が前記第1円弧型移動経路に沿って移動する。
【0006】
好ましくは、前記ハウジングの近位端の端面に環状溝が開設され、前記環状溝の中心領域に回転輪が回転可能に取り付けられ、前記回転輪の外輪と前記環状溝の環壁との間に円弧状案内溝が形成され、前記第1突き合わせ接続部が前記円弧状案内溝内に摺動可能に設置される。
【0007】
好ましくは、前記回転輪の外環壁面に収容溝が開設される。
【0008】
好ましくは、前記円弧状案内溝の両端に前記ハウジングの近位端の端面の軸線方向に沿って第1貫通孔及び第2貫通孔が開設され、前記第1牽引糸と第2牽引糸がそれぞれ前記第1貫通孔及び第2貫通孔内に穿設される。
【0009】
好ましくは、前記ハウジングの近位端の端面に輪板が回転可能に取り付けられ、前記ハウジングの近位端の端面の軸線方向に第1案内孔及び第2案内孔が開設され、前記第1案内孔と第2案内孔がそれぞれ前記輪板の外環壁の近傍に位置し、前記第1案内孔と第2案内孔との間の外環壁が前記第1円弧型移動経路を形成し、前記第1突き合わせ接続部が前記輪板の外周壁に当接される。
【0010】
好ましくは、前記ハウジングの近位端の端面に第1収容溝が開設され、前記第1突き合わせ接続部が前記第1収容溝内に設置され、前記第1収容溝が円弧状である。
【0011】
好ましくは、前記第1突き合わせ接続部にローラが設置され、前記ローラが前記第1収容溝の側壁に当接される。
【0012】
好ましくは、前記内視鏡ハンドルの廃棄可能部分は、
第2伝動アセンブリを更に備え、前記第2伝動アセンブリは第3牽引糸、第4牽引糸及び第2突き合わせ接続部を含み、前記第3牽引糸と第4牽引糸が前記内視鏡の挿入部内に収容され、且つ前記第3牽引糸及び第4牽引糸の遠位端が前記挿入部の遠位端の能動湾曲部分に接続され、前記第3牽引糸及び第4牽引糸の近位端が前記第2突き合わせ接続部に接続され、
前記第1伝動アセンブリが前記第2伝動アセンブリに対向して設置され、
前記ハウジングの近位端の端面に第2円弧型移動経路が更に開設され、前記第2突き合わせ接続部が前記第2円弧型移動経路内に設置され、前記第2円弧型移動経路が円弧状である。
【0013】
内視鏡ハンドルであって、上記内視鏡ハンドルの廃棄可能部分及び内視鏡ハンドルの再利用可能部分を備え、前記廃棄可能部分が前記再利用可能部分に取り外し可能に接続され、
前記再利用可能部分の遠位端に前記第1突き合わせ接続部に突き合わせ接続されるための係合部が設置され、前記第1突き合わせ接続部及び前記係合部のうちの一方が雄型接続部材であり、前記第1突き合わせ接続部及び前記係合部のうちの他方が雌型接続部材である。
【0014】
内視鏡であって、上記内視鏡ハンドルを備える。
有益な効果は以下のとおりである。
【発明の効果】
【0015】
第1に、本発明では、第1円弧型移動経路を用いれば同じ平面領域内に直線型移動経路よりも長い変位経路を提供することができ、それにより第1突き合わせ接続部は第1牽引糸と第2牽引糸がより長い距離だけ移動できるように動かすようにし、更に能動湾曲部分がより大きな湾曲角度を得るようにする。
第2に、本発明では、回転輪をハウジングの近位端の端面に回転可能に設置しており、第1突き合わせ接続部が回転輪の外輪に沿って強制的に移動し、及び第1牽引糸と第2牽引糸が移動過程において回転輪に対して移動する場合、第1突き合わせ接続部、第1牽引糸及び第2牽引糸、並びに回転輪の摩擦力の作用によって回転輪を駆動して回転させ、従って、回転中の摩擦力が減少し、操作難易度を低減するとともに、摩擦力の減少が摩耗及び故障の低減に寄与する。
第3に、本発明では、従来技術に比べて、本発明の廃棄可能部分のハウジングに案内のための複滑車機構を設置する必要がなく、第1牽引糸及び第2牽引糸を除き、回転輪と第1突き合わせ接続部がいずれも廃棄可能部分のハウジングの近位端の端面に設置され、ハウジングの内部空間を占有しないため、廃棄可能部分のハウジングの内部空間を更に最適化することができ、それによりハウジングの体積を縮小し、又は、従来のハウジングの寸法が変化しない場合、カメラモジュールの線材又はFPC(フレキシブル回路基板)及び器具用配管などを容易に配置することができ、従って、本発明の廃棄可能部分は従来技術に比べて、大量の複滑車機構などの部品を節約し、生産コストをより低価にし、組立過程を更に減少させて容易且つ迅速にし、組立過程において第1牽引糸及び第2牽引糸に第1貫通孔及び第2貫通孔を貫通させて、回転輪を取付軸に取り付け、次に第1突き合わせ接続部を回転輪の外輪と前記環状溝の環壁との間に設置して円弧状案内溝を形成すればよく、組立工程が簡単で、部品が少なく、従って、生産能力及び生産効率の向上に寄与する。
第4に、本発明は従来技術に比べて、突き合わせ接続力伝動ユニット即ち第1突き合わせ接続部が1つのみあり、第1突き合わせ接続部により第1牽引糸と第2牽引糸とを接続することで閉じられた力駆動回路を形成し、第1突き合わせ接続部が強制的に移動するとき、直接に第1牽引糸と第2牽引糸が移動するように同期して動かし、従って、第1牽引糸と第2牽引糸がより高い同期移動効果を有するようにし、操作者は廃棄可能部分と再利用可能部分とを突き合わせ接続するとき、1つの力伝達部材即ち第1突き合わせ接続部を突き合わせ接続すればよく、それにより廃棄可能部分と再利用可能部分との突き合わせ接続の難易度を低減し、なお、従来技術において突き合わせ接続すべき力伝達部材が少なくとも2つあり、一般的に2本のプッシュロッドであり、これ以外に信号伝送のための信号コネクタ例えばType-Cコネクタを突き合わせ接続する必要もあり、従って、廃棄可能部分と再利用可能部分との突き合わせ接続箇所がより多い場合、直接に突き合わせ接続の難易度係数の増加を引き起こし、且つ操作過程において不適切な付勢に起因してType-Cコネクタが損傷されやすく、このため、本発明では1つの力伝達部材を突き合わせ接続すればよく、突き合わせ接続の難易度を低減する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下に本発明の実施例又は従来技術の記述に必要な図面を簡単に説明するが、明らかに、以下に記載する図面は単に本発明の実施例の一例であって、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、更にこれらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【
図1】本発明に係る廃棄可能部分及び再利用可能部分の分離状態の模式図である。
【
図2】本発明に係る廃棄可能部分の内部構造の第1模式図である。
【
図3】本発明に係る廃棄可能部分の内部構造の第2模式図である。
【
図4】本発明に係る廃棄可能部分の内部構造の第3模式図である。
【
図5】本発明に係る廃棄可能部分の実施例における2セットの伝動アセンブリの構造模式図である。
【
図6】本発明に係る廃棄可能部分の実施例における2セットの伝動アセンブリの内部構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の異なる特徴を実施するために、以下の説明において多くの異なる実施例又は例を提供する。以下の特定例において説明される素子及び配列方式は単に本発明を簡単に説明するためのものであって、例とされるものであり、本発明を制限するためのものではない。
【0018】
本発明の実施形態の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下に本発明の実施形態の図面を参照しながら、本発明の実施形態の技術案を明確且つ完全に説明する。当然ながら、説明される実施形態は本発明の実施形態の一部であり、実施形態の全部ではない。本発明の実施形態に基づいて、当業者が進歩性のある労働を必要とせずに取得する他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属する。従って、以下の図面において提供される本発明の実施形態の詳細な説明は特許請求する本発明の範囲を制限するように意図されるのではなく、本発明の選定された実施形態を示すだけである。本発明の実施形態に基づいて、当業者が進歩性のある労働を必要とせずに取得する他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0019】
本発明において、特に明確に規定及び限定しない限り、用語「取付」、「連結」、「接続」、「固定」などは広義に理解されるべきである。例えば、固定接続、取り外し可能な接続、又は一体であってもよく、機械的接続、電気的接続であってもよく、直接連結、中間素子による間接連結、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。また、用語「第1」、「第2」、「第3」などは説明を区分するためのものであって、相対重要性を指示又は暗示するものと理解されるべきではない。
【0020】
本発明では、特に明確に規定及び限定しない限り、第1特徴が第2特徴の上又は下にあることは第1及び第2特徴が直接接触することを含んでもよく、第1及び第2特徴が直接接触せずにそれらの別の特徴により接触することを含んでもよい。且つ、第1特徴が第2特徴の上、上方及び上面にあることは第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上にあることを含み、又は第1特徴の水平高さが第2特徴よりも高いことを示すだけである。第1特徴が第2特徴の下、下方及び下面にあることは第1特徴が第2特徴の真下及び斜め下にあることを含み、又は第1特徴の水平高さが第2特徴よりも小さいことを示すだけである。
【0021】
また、本発明では、「近位端」と「遠位端」は本構造を使用環境において人体に対して操作する遠近位置であり、部材間の位置関係を説明しやすくするとともに、理解しやすくするためのものであり、同じ部材の場合、「近位端」と「遠位端」が該部材の相対位置関係であり、絶対的なものではなく、従って、本発明の本質から逸脱せずに、本発明を実現する原理に基づいて理解すべきである。
【0022】
図1に併せて参照されるように、本発明は内視鏡ハンドルの廃棄可能部分10を提供し、ハウジング100、挿入部11及び第1伝動アセンブリを備える。
前記ハウジング100は、近位端にハンドルの再利用可能部分20に取り外し可能に接続されるための接続部が設置される。
前記挿入部11は、近位端が前記ハウジング100の遠位端に取り付けられ、遠位端に能動湾曲部分12が設置され、能動湾曲部分12が蛇骨ユニットを含み、各節の蛇骨ユニット間の相対回転により最終的に能動湾曲部分12の湾曲を実現する。
前記第1伝動アセンブリは、第1牽引糸111、第2牽引糸112及び第1突き合わせ接続部13を含み、前記第1牽引糸111と第2牽引糸112が前記内視鏡の挿入部11内に収容され、且つ前記第1牽引糸111及び第2牽引糸112の遠位端が前記挿入部11の遠位端の能動湾曲部分12に接続され、第1牽引糸111及び第2牽引糸112が互いに同期して逆の方向に沿って移動することにより能動湾曲部分12が所定の湾曲方向に沿って移動することを実現する。能動湾曲部分12の先端にカメラモジュールが設置されるため、能動湾曲部分12が所定の方向に沿って湾曲される場合、カメラモジュールを搬送して移動させ、レンズが目標位置の画像情報を収集する。更に、能動湾曲部分12の湾曲回転を実現するために、前記第1牽引糸111及び第2牽引糸112の近位端を前記第1突き合わせ接続部13に接続し、且つ前記ハウジング100の近位端の端面に第1円弧型移動経路が形成され、前記第1円弧型移動経路が前記近位端の端面の軸線方向に直交し、前記第1円弧型移動経路が前記ハウジング100の近位端の端面の周りに位置し、前記第1突き合わせ接続部13が前記第1円弧型移動経路に沿って移動する。なお、第1円弧型移動経路を用いれば同じ平面領域内に直線型移動経路よりも長い変位経路を提供することができる。具体的に、ハウジング100の近位端の端面が円形類似のものである場合、第1円弧型移動経路が近位端の端面の周りに形成されてもよく、それにより第1突き合わせ接続部13は第1牽引糸111と第2牽引糸112がより長い距離だけ移動できるように動かすようにし、更に能動湾曲部分12がより大きな湾曲角度を得るようにする。なお、本発明は従来技術に比べて、突き合わせ接続力伝動ユニット即ち第1突き合わせ接続部13が1つのみあり、第1突き合わせ接続部13により第1牽引糸111と第2牽引糸112とを接続することで閉じられた力駆動回路を形成し、第1突き合わせ接続部13が強制的に移動するとき、直接に第1牽引糸111と第2牽引糸112が移動するように同期して動かす。従って、第1牽引糸111と第2牽引糸112がより高い同期移動効果を有するようにし、操作者は廃棄可能部分10と再利用可能部分20とを突き合わせ接続するとき、1つの力伝達部材即ち第1突き合わせ接続部13を突き合わせ接続すればよく、それにより廃棄可能部分10と再利用可能部分20との突き合わせ接続の難易度を低減する。なお、従来技術において突き合わせ接続すべき力伝達部材が少なくとも2つあり、一般的に2本のプッシュロッドであり、これ以外に信号伝送のための信号コネクタ例えばType-Cコネクタを突き合わせ接続する必要もある。従って、廃棄可能部分10と再利用可能部分20との突き合わせ接続箇所がより多い場合、直接に突き合わせ接続の難易度係数の増加を引き起こし、且つ操作過程において不適切な付勢に起因してType-Cコネクタが損傷されやすい。このため、本発明では1つの力伝達部材を突き合わせ接続すればよく、突き合わせ接続の難易度を低減する。
【0023】
図2及び
図3に併せて参照されるように、本発明の実施例では、好ましくは、前記ハウジング100の近位端の端面に環状溝101が開設され、前記環状溝101の中心領域に回転輪102が回転可能に取り付けられ、前記回転輪102の外輪と前記環状溝101の環壁との間に円弧状案内溝141が形成され、前記第1突き合わせ接続部13が前記円弧状案内溝141内に摺動可能に設置される。なお、前記回転輪102の取付を実現するために、前記環状溝101の中心領域に取付軸103が突出して設置され、前記取付軸103が前記ハウジング100の近位端の端面に沿って凸設される柱体であってもよく、前記柱体が前記ハウジング100の近位端の端面と一体に設置され、回転輪102上の取付孔1021を該柱体を覆うようにして設置し、回転輪102が前記柱体の周りに回転でき、回転輪102と柱体との摩擦を低減するために、両者を取り付ける前に潤滑油などを塗布してもよい。また、前記取付軸103に回転テーブルが回転可能に設置され、前記回転輪102を前記回転テーブルに取り付けることにより回転輪102と取付軸103との摩擦を効果的に低減することができる。回転輪102及び第1突き合わせ接続部13がハウジング100の近位端の端面の軸線方向に沿って離脱するように制限するために、ハウジング100の近位端の端面にエンドハウジング14が更に取り外し可能に設置され、前記エンドハウジング14に円弧状案内溝141に適合する円弧状収容溝1022が開設され、前記円弧状収容溝1022の幅を前記円弧状案内溝141の幅よりも小さくすることにより第1突き合わせ接続部13が円弧状収容溝1022から離脱することを防止する。
【0024】
上記好適な実施例に対して説明すべきことは、回転輪102の外輪は直接に第1突き合わせ接続部13の移動経路が前記回転輪102の外輪に沿っての移動であるように限定するため、回転輪102がハウジング100の近位端の端面に回転不可能に固定設置される場合、第1突き合わせ接続部13が強制的に移動する際に必ず回転輪102の外輪と摩擦するとともに、第1牽引糸111と第2牽引糸112が移動過程において必ず回転輪102の外輪の壁面と摩擦する。このため、第1突き合わせ接続部13を強制的に移動させる駆動力を増加させる必要がある。従って、上記問題を解決するために、
図2及び
図3に併せて参照されるように、回転輪102をハウジング100の近位端の端面に回転可能に設置しており、第1突き合わせ接続部13が強制的に回転輪102の外輪に沿って移動し、及び第1牽引糸111と第2牽引糸112が移動過程において回転輪102に対して移動する場合、第1突き合わせ接続部13、第1牽引糸111及び第2牽引糸112、並びに回転輪102の摩擦力の作用によって回転輪102を駆動して回転させる。従って、回転中の摩擦力が減少し、操作難易度を低減するとともに、摩擦力の減少が摩耗及び故障の低減に寄与する。
【0025】
廃棄可能部分10の使用中の安定性を更に向上させるために、好ましくは、前記回転輪102の外環壁面に収容溝1022が開設され、第1牽引糸111と第2牽引糸112が収容溝1022に嵌め込まれてもよく、それにより第1突き合わせ接続部13と回転輪102が相対的に移動する際に受けた力が安定しない状態において回転輪102の軸線方向に沿って滑り出すことを防止する。
【0026】
図4に併せて参照されるように、前記円弧状案内溝141の両端に前記ハウジング100の近位端の端面の軸線方向に沿って第1貫通孔104及び第2貫通孔105が開設され、前記第1牽引糸111と第2牽引糸112がそれぞれ前記第1貫通孔104及び第2貫通孔105内に穿設される。従って、第1貫通孔104及び第2貫通孔105を設置することにより第1牽引糸111及び第2牽引糸112の力伝達方向を変え、従来技術に比べて、本発明の廃棄可能部分10のハウジング100に案内のための複滑車機構を設置する必要がなく、第1牽引糸111及び第2牽引糸112を除き、回転輪102と第1突き合わせ接続部13がいずれも廃棄可能部分10のハウジング100の近位端の端面に設置され、ハウジング100の内部空間を占有しないため、廃棄可能部分10のハウジング100の内部空間を更に最適化することによりハウジング100の体積を縮小することができ、又は、従来のハウジング100の寸法が変化しない場合、カメラモジュールの線材又はFPC(フレキシブル回路基板)及び器具用配管などを容易に配置することができ、従って、本発明の廃棄可能部分10は従来技術に比べて、大量の複滑車機構などの部品を節約し、生産コストをより低価にし、組立過程を更に減少させて容易且つ迅速にし、組立過程において第1牽引糸111及び第2牽引糸112に第1貫通孔104及び第2貫通孔105を貫通させて、回転輪102を取付軸103に取り付け、次に第1突き合わせ接続部13を回転輪102の外輪と前記環状溝101の環壁との間に設置して円弧状案内溝141を形成すればよく、組立工程が簡単で、部品が少なく、従って、生産能力及び生産効率の向上に寄与する。
【0027】
また、他の実施形態では、前記ハウジング100の近位端の端面に輪板が回転可能に取り付けられ、前記ハウジング100の近位端の端面の軸線方向に第1案内孔及び第2案内孔が開設され、前記第1案内孔と第2案内孔がそれぞれ前記輪板の外環壁の近傍に位置し、前記第1案内孔と第2案内孔との間の外環壁が前記第1円弧型移動経路を形成し、前記第1突き合わせ接続部13が前記輪板の外周壁に当接される。本実施例では、前記ハウジング100の近位端の端面に環状溝101を開設する必要がなく、直接に輪板をハウジング100の近位端の端面上の回転軸に取り付ければよく、輪板の外周壁面が直接に第1突き合わせ接続部13の移動経路を形成することを基に、輪板は1つの回転部材であってもよい。上記実施例における回転テーブルの構造と類似し、第1突き合わせ接続部13が輪板の外周壁面に沿って強制的に移動する場合、輪板が同時に回転して摩擦力を低減する。また、輪板が回転不可能に固定設置されてもよく、第1突き合わせ接続部13に回転部が設置され、該回転部がローラであってもよく、即ち第1突き合わせ接続部13が輪板の外周に当接されて強制的に移動する場合、第1突き合わせ接続部13がローラにより輪板の外周に転がり接続される。
【0028】
他の実施例では、前記ハウジング100の近位端の端面に第1収容溝が開設され、前記第1突き合わせ接続部13が前記第1収容溝内に設置され、前記第1収容溝が円弧状である。上記実施例との相違点は、本実施例では、上記実施例における輪板又は回転輪102ではなく前記第1収容溝により第1突き合わせ接続部13の移動経路を限定しており、輪板又は回転輪102が一般的に円柱形であるため、限定された第1突き合わせ接続部13の移動経路が円形円弧面又は扇形円弧面であるが、本実施例において採用される第1収容溝が円弧状であり、規則的な円弧形であるように限定されるのではなく、曲率半径の異なる円弧形であってもよく、又は円弧状の曲線である、ということである。
【0029】
従って、上記第1突き合わせ接続部13が強制的に移動するときの第1収容溝の溝壁と第1突き合わせ接続部13との摩擦力の問題を解決するために、前記第1突き合わせ接続部13にローラが設置され、前記ローラが前記第1収容溝の側壁に当接される。
【0030】
本発明は一実施形態を更に提供し、前記内視鏡ハンドルの廃棄可能部分10は、
第2伝動アセンブリを更に備え、前記第2伝動アセンブリは第3牽引糸113、第4牽引糸114及び第2突き合わせ接続部130を含み、前記第3牽引糸113と第4牽引糸114が前記内視鏡の挿入部11内に収容され、且つ前記第3牽引糸113及び第4牽引糸114の遠位端が前記挿入部11の遠位端の能動湾曲部分12に接続され、前記第3牽引糸113及び第4牽引糸114の近位端が前記第2突き合わせ接続部130に接続され、前記第1伝動アセンブリが前記第2伝動アセンブリに対向して設置され、前記ハウジング100の近位端の端面に第2円弧型移動経路が更に開設され、前記第2突き合わせ接続部130が前記第2円弧型移動経路内に設置され、前記第2円弧型移動経路が円弧状である。本実施形態の目的は、2セットの伝動アセンブリ即ち第1伝動アセンブリ及び第2伝動アセンブリ、並びに第1円弧型移動経路及び第2円弧型移動経路を設置しており、第1伝動アセンブリ及び第2伝動アセンブリにおける第1突き合わせ接続部13及び第2突き合わせ接続部130が第1円弧型移動経路及び第2円弧型移動経路で独立して動くことにより、能動湾曲部分12が前の実施例よりも多い湾曲方向を得るようにする、ということである。第2円弧型移動経路の形成は上記実施例における第1円弧型移動経路の形成方式に適合する。
【0031】
内視鏡ハンドルであって、上記内視鏡ハンドルの廃棄可能部分10及び内視鏡ハンドルの再利用可能部分20を備え、前記廃棄可能部分10が前記再利用可能部分20に取り外し可能に接続され、
前記再利用可能部分20の遠位端に前記第1突き合わせ接続部13に突き合わせ接続されるための係合部が設置され、前記第1突き合わせ接続部13及び前記係合部のうちの一方が雄型接続部材であり、前記第1突き合わせ接続部13及び前記係合部のうちの他方が雌型接続部材である。
図2、3、5及び6に示される実施例に併せて参照されるように、第1突き合わせ接続部13は雄型接続部材であり、摺動部131及び突き合わせ接続ロッド132を含み、突き合わせ接続ロッド132により前記再利用可能部分20の遠位端に設置される係合部に突き合わせ接続され、再利用可能部分20上の付勢部材を駆動することにより係合部が第1突き合わせ接続部13を駆動して第1円弧型移動経路に沿って移動させ、及び/又は第2突き合わせ接続部130を駆動して第2円弧型移動経路に沿って移動させるようにし、それにより能動湾曲部分12が所定方向に沿って転向することが実現される。
【0032】
本発明は内視鏡を更に提供し、前記内視鏡は上記内視鏡ハンドルを備える。
【0033】
以上の説明は単に本発明の好適な実施例であり、本発明を制限するためのものではなく、本発明の主旨及び原則内に行われたいかなる修正、等価置換及び改良などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0034】
10 廃棄可能部分
11 挿入部
12 能動湾曲部分
13 第1突き合わせ接続部
131 摺動部
132 突き合わせ接続ロッド
130 第2突き合わせ接続部
14 エンドハウジング
141 円弧状案内溝
101 環状溝
1021 取付孔
102 回転輪
1022 収容溝
103 取付軸
104 第1貫通孔
105 第2貫通孔
111 第1牽引糸
112 第2牽引糸
113 第3牽引糸
114 第4牽引糸
100 ハウジング
20 再利用可能部分
1000 円弧状案内溝
21 レバー
【国際調査報告】