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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】フィールドデバイススイッチの監視
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/048 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
G05B19/048
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515917
(86)(22)【出願日】2022-05-26
(85)【翻訳文提出日】2024-03-12
(86)【国際出願番号】 US2022031058
(87)【国際公開番号】W WO2023055437
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】17/488,515
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515231553
【氏名又は名称】ローズマウント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツィングスハイム、ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】ラロシュ、ロブ
(72)【発明者】
【氏名】ディーデ、クルト
【テーマコード(参考)】
5H220
【Fターム(参考)】
5H220AA01
5H220BB09
5H220CC07
5H220CX01
5H220JJ12
5H220JJ26
5H220JJ47
(57)【要約】
工業プロセスフィールドデバイス(102)は、アクティブコンポーネント、スイッチ(120)と、スイッチモニタ(140)、及びコントローラ(108)を含む。前記アクティブコンポーネントは、プロセスパラメータを感知するように構成されるセンサ、又は工業プロセスを制御するように構成される制御デバイスであってもよい。スイッチ(120)は、第1の端子及び第2の端子(153、154)に電気的に接続されている。スイッチモニタ(140)は、スイッチ(120)の開状態又は閉状態を検出し、第1の状態出力、第2の状態出力、又はチャタリング状態出力を生成するように構成されている。チャター防止回路(200)は、前記チャタリング状態出力に基づいてチャター安定状態出力を出力する。コントローラ(108)は、スイッチ(120)を開状態又は閉状態に設定し、スイッチ(120)の現在状態及び状況の少なくとも一方を示す、前記第1の状態出力及び前記第2の状態出力、及び前記チャター安定状態出力のいずれか1つに基づく通知を生成するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスパラメータを感知するように構成されるセンサ、及び工業プロセスのプロセスを制御するように構成される制御デバイス、からなる群から選択されるアクティブコンポーネント、
第1の端子及び第2の端子に電気的に結合され、閉状態にあるときに前記第1の端子及び第2の端子を電気的に接続し、開状態にあるときに前記第1の端子及び第2の端子を電気的に切断するように構成されるスイッチ、
前記スイッチの電気的パラメータに基づいて状態出力を生成するように構成されるスイッチモニタであって、前記状態出力は、前記スイッチが前記開状態にあるときに前記スイッチの前記開状態を示す第1の状態出力、前記スイッチが前記閉状態にあるときに前記スイッチの前記閉状態を示す第2の状態出力、及び前記スイッチが前記閉状態にあるときに前記スイッチの前記閉状態を示すチャタリング状態出力であり、前記チャタリング状態出力は、前記第1の状態出力と第2の状態出力とを交互に行う信号を含む、スイッチモニタ、
前記スイッチの前記閉状態を示す前記チャタリング状態出力に基づいて、安定したDC電圧を有するチャター安定状態出力を出力するように構成される前記スイッチモニタのチャター防止回路、及び
前記スイッチを前記開状態及び閉状態の一方に設定し、前記スイッチの現在状態及び前記スイッチの状況の少なくとも一方を示す、前記第1の状態出力、前記第2の状態出力、及び前記チャター安定状態出力のうちのいずれか1つに基づく通知を生成するように構成されるコントローラ、
を含む、工業プロセスのフィールドデバイス。
【請求項2】
前記第1の状態出力及び前記第2の状態出力の一方は論理低電圧を含み、
前記第1の状態出力及び前記第2の状態出力の他方は論理高電圧を含み、
チャタリング状態の前記信号は、前記論理低電圧と前記論理高電圧との間で交番する電圧を含む、
請求項1に記載のフィールドデバイス。
【請求項3】
前記スイッチモニタは、
前記スイッチの前記第1の端子と第2の端子との間の電圧差又は前記スイッチを通る電流に基づいて差動電圧を出力するように構成される差動増幅器、及び
前記差動電圧に基づいて、前記第1の状態出力、前記第2の状態出力、及び前記チャタリング状態の信号のうちの1つを出力するように構成されるコンパレータ、を含む、請求項2に記載のフィールドデバイス。
【請求項4】
前記チャター防止回路は、前記第1の状態出力に基づいて、前記第1の状態出力を実質的に反映する第1の安定状態出力を出力し、前記第2の状態出力に基づいて、前記第2の状態出力を実質的に反映する第2の安定状態出力を出力するように構成されている、請求項3に記載のフィールドデバイス。
【請求項5】
前記コントローラは、スイッチ制御信号を使用して前記スイッチを前記開状態又は閉状態に設定し、
前記チャター防止回路は、前記スイッチ制御信号を受信するクリア(CLR)入力、前記状態出力を受信するクロック(CLK)入力、及び論理高電圧を受信するD入力を有するD型のフリップフロップを備え、
前記チャター安定状態出力、前記第1の安定状態出力、及び前記第2の安定状態出力は、前記状態出力に基づいて前記フリップフロップのQ出力において生成される、
請求項4に記載のフィールドデバイス。
【請求項6】
前記チャター防止回路は、前記Q出力及び前記状態出力に接続されたORゲートを含む、請求項5に記載のフィールドデバイス。
【請求項7】
前記コントローラは、前記第1の安定状態出力、前記第2の安定状態出力、及び前記チャター安定状態出力のうちのいずれか1つと、前記スイッチの意図された状態を示すスイッチ設定との比較に基づいて前記通知を生成する、請求項1に記載のフィールドデバイス。
【請求項8】
前記コントローラは、スイッチ制御信号を使用して前記スイッチを前記開状態又は閉状態に設定するように構成されており、
前記コントローラは、前記第1の安定状態出力、前記第2の安定状態出力、及び前記チャター安定状態出力のうちのいずれか1つと、前記スイッチ制御信号との比較に基づいて、前記通知を生成する、
請求項1に記載のフィールドデバイス。
【請求項9】
前記コントローラは、スイッチ制御信号を使用して前記スイッチを前記開状態又は閉状態に設定するように構成されており、
前記アクティブコンポーネントは、感知されたプロセスパラメータに対応するパラメータ出力を有する前記センサを含み、
前記コントローラは、前記スイッチ制御信号を使用して前記パラメータ出力に基づいて、前記スイッチを前記開状態及び閉状態の一方に設定するように構成されている、
請求項1に記載のフィールドデバイス。
【請求項10】
前記センサは、圧力センサ、レベルセンサ、流量センサ、及び温度センサからなる群から選択され、
デバイスは、前記パラメータ出力に基づいてパラメータ値を生成するように構成される測定回路を含み、
前記コントローラは、通信回路を使用して前記パラメータ値及び前記通知を遠隔位置に通信するように構成されている、
請求項9に記載のフィールドデバイス。
【請求項11】
前記コントローラは、スイッチ制御信号を用いて前記スイッチを前記開状態又は閉状態に設定するように構成されており、
前記アクティブコンポーネントは、アクチュエータ、弁、及びソレノイドからなる群から選択される前記制御デバイスを備え、
前記制御デバイスは、少なくとも2つの異なる状態を含み、
前記コントローラは、前記スイッチ制御信号を使用して、前記制御デバイスの前記状態に基づいて、前記スイッチを前記開状態及び閉状態の一方に設定するように構成されている、
請求項1に記載のフィールドデバイス。
【請求項12】
プロセスパラメータを感知するように構成されるセンサ、及び工業プロセスのプロセスを制御するように構成される制御デバイス、からなる群から選択されるアクティブコンポーネント、
第1の端子及び第2の端子に電気的に結合され、閉状態にあるときに前記第1の端子及び第2の端子を電気的に接続し、開状態にあるときに前記第1の端子及び第2の端子を電気的に切断するように構成されるスイッチ、
前記スイッチの電気的パラメータに基づいて状態出力を生成するように構成されるスイッチモニタであって、前記状態出力は、前記スイッチが前記開状態にあるときに前記スイッチの前記開状態を示す第1の状態出力、前記スイッチが前記閉状態にあるときに前記スイッチの前記閉状態を示す第2の状態出力、及び前記スイッチが前記閉状態にあるときに前記スイッチの前記閉状態を示すチャタリング状態出力であり、前記チャタリング状態出力は、前記第1の状態出力と第2の状態出力とを交互に行う信号を含む、スイッチモニタ、
前記スイッチの前記閉状態を示す前記チャタリング状態出力に基づいて、安定したDC電圧を有するチャター安定状態出力を出力するように構成される前記スイッチモニタのチャター防止回路、及び
前記スイッチを前記開状態及び閉状態の一方に設定し、前記スイッチの現在状態及び前記スイッチの状況の少なくとも一方を示す、前記第1の状態出力、前記第2の状態出力、及び前記チャター安定状態出力のうちのいずれか1つに基づく通知を生成するように構成されるコントローラ、
を含むフィールドデバイス、及び
前記第1の端子を介して前記スイッチに電気的に結合された外部デバイス、及び
前記第2の端子を介して前記スイッチに電気的に結合され、前記スイッチを介して前記外部デバイスに電力を供給するように構成される電源、を含み、
前記スイッチが前記閉状態にあるときに前記外部デバイスに電力が供給され、前記スイッチが前記開状態にあるときに前記外部デバイスから電力が遮断される、
工業プロセス制御システム。
【請求項13】
前記第1の状態出力及び前記第2の状態出力の一方は論理低電圧を含み、
前記第1の状態出力及び前記第2の状態出力の他方は論理高電圧を含み、及び
チャタリング状態の前記信号は、前記論理低電圧と前記論理高電圧との間で交番する電圧を含む、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記スイッチモニタは、前記スイッチの前記第1の端子と第2の端子との間の電圧差又は前記スイッチを通る電流に基づいて差動電圧を出力するように構成される差動増幅器、及び
前記差動電圧に基づいて、前記第1の状態出力、前記第2の状態出力、及び前記チャタリング状態の信号のうちの1つを出力するように構成されるコンパレータ、
を含む、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記チャター防止回路は、前記第1の状態出力に基づいて、前記第1の状態出力を実質的に反映する第1の安定状態出力を出力し、前記第2の状態出力に基づいて、前記第2の状態出力を実質的に反映する第2の安定状態出力を出力するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記コントローラは、スイッチ制御信号を使用して前記スイッチを前記開状態又は閉状態に設定し、
前記チャター防止回路は、前記スイッチ制御信号を受信するクリア(CLR)入力、前記状態出力を受信するクロック(CLK)入力、及び論理高電圧を受信するD入力を有するD型のフリップフロップを備え、
前記チャター安定状態出力、前記第1の安定状態出力、及び前記第2の安定状態出力は、前記状態出力に基づいて前記フリップフロップのQ出力において生成される、
請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記チャター防止回路は、前記Q出力及び前記状態出力に接続されたORゲートを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記コントローラは、前記第1の安定状態出力、前記第2の安定状態出力、及び前記チャター安定状態出力のうちのいずれか1つと、前記スイッチの意図された状態を示すスイッチ設定との比較に基づいて前記通知を生成する、請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
前記コントローラは、スイッチ制御信号を使用して前記スイッチを前記開状態又は閉状態に設定するように構成されており、
前記コントローラは、前記第1の安定状態出力、前記第2の安定状態出力、及び前記チャター安定状態出力のうちのいずれか1つと、前記スイッチ制御信号との比較に基づいて前記通知を生成する、
請求項12に記載のフィールドデバイス。
【請求項20】
工業プロセスフィールドデバイスを使用して外部デバイスを制御する方法であって、
工業プロセスのプロセスパラメータを感知すること、又はフィールドデバイスのアクティブコンポーネントを使用して前記工業プロセスを制御すること、
前記フィールドデバイスのコントローラによって生成されたスイッチ制御信号を使用して、前記フィールドデバイスのスイッチを、外部電源からの電力が外部デバイスから遮断されている開状態、又は、前記外部電源からの電力が前記外部デバイスに接続されている閉状態の一方に対応する現在状態に設定すること、
前記フィールドデバイスのスイッチモニタを使用して、前記スイッチの前記現在状態を示す電気的パラメータを検出すること、
前記スイッチモニタを使用して前記検出された電気的パラメータに基づいて、前記現在状態を示す状態出力を生成することであって、前記状態出力は、前記スイッチが前記開状態にあるときに前記スイッチの前記開状態を示す第1の状態出力、前記スイッチが前記閉状態にあるときに前記スイッチの前記閉状態を示す第2の状態出力、及び前記スイッチが前記閉状態にあるときに前記スイッチの前記閉状態を示すチャタリング状態出力であり、前記チャタリング状態出力は、前記第1の状態出力と第2の状態出力とを交互に行う信号を含む、こと、
前記スイッチモニタのチャター防止回路を用いて、前記スイッチの前記閉状態を示す前記チャタリング状態出力に基づいて、安定したDC電圧を有するチャター安定状態出力を生成すること、及び
前記コントローラを使用して、前記スイッチの前記現在状態、前記スイッチの状況、及びスイッチ設定に対応する前記スイッチの意図された状態に前記状態出力が整合しているかどうか、のうちの少なくとも1つを示す、前記第1の状態出力、前記第2の状態出力、及び前記チャター安定状態出力のうちのいずれか1つに基づく通知を生成すること、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、工業プロセス制御システムに関する。より具体的には、本開示の実施形態は、フィールドデバイスのスイッチの状態を監視するためのスイッチモニタを有する工業プロセスフィールドデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
工業環境においては、制御システムは、工業及び化学プロセスなどの現況を監視及び制御するために使用される。典型的には、前記制御システムは、前記工業プロセス内の重要な位置に分散され、プロセス制御ループによって制御システム内の制御回路に結合された工業プロセスフィールドデバイスを使用してこれらの機能を実行する。用語「フィールドデバイス」は、工業プロセスの測定、制御、及び/又は監視に使用される、現在知られている、又はまだ知られていないすべてのデバイスを含む、分散制御又はプロセス監視システムにおいて機能を実行する任意のデバイスを指す。
【0003】
典型的なフィールドデバイスは、1又は複数のセンサを使用するプロセスパラメータ監視及び測定、並びに/又は1又は複数の制御デバイスを使用するプロセス制御動作などの従来のフィールドデバイスのタスクを前記フィールドデバイスが実行することを可能にするデバイス回路を含む。例示的なセンサは、工業プロセスで使用される圧力センサ、レベルセンサ、温度センサ、及び他のセンサを含む。例示的な制御デバイスは、アクチュエータ、ソレノイド、弁、及び他の制御デバイスを含む。
【0004】
フィールドデバイスの前記デバイス回路はまた、センサ及び/又は制御デバイスを制御するために使用され、例えば4~20mAプロセス制御ループなどのプロセス制御ループを介してプロセス制御システム又は他の回路と通信するコントローラを含んでもよい。一部の設備では、前記プロセス制御ループは、調整された電流及び/又は電圧を前記フィールドデバイスに供給して前記フィールドデバイスに電力を供給するために使用される。前記プロセス制御ループはまた、感知されたプロセスパラメータに対応するプロセスパラメータ値などのデータを搬送することができる。このデータは、前記プロセス制御ループを介してアナログ信号として、又はデジタル信号として通信されてもよい。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、工業プロセスのフィールドデバイス、工業プロセス制御システム、及び工業プロセスフィールドデバイスを使用して外部デバイスを制御する方法を対象とする。前記フィールドデバイスの一実施形態は、アクティブコンポーネント、スイッチ、スイッチモニタ、及びコントローラ、を含む。前記アクティブコンポーネントは、プロセスパラメータを感知するように構成されるセンサ、又は前記工業プロセスのプロセスを制御するように構成される制御デバイスであってもよい。好ましくは、前記スイッチは、第1の端子及び第2の端子に電気的に結合され、閉状態にあるときに前記第1の端子及び第2の端子を電気的に接続し、開状態にあるときに前記第1の端子及び第2の端子を電気的に切断するように構成されている。前記スイッチモニタは、前記閉状態又は開状態に対応する前記スイッチの現在状態を検出し、前記現在状態を示す状態出力を生成するように構成されている。前記状態出力は、前記スイッチが前記開状態にあるときに前記スイッチの前記開状態を示す第1の状態出力、前記スイッチが前記閉状態にあり、前記スイッチが直流に接続されているときに前記スイッチの前記閉状態を示す第2の状態出力、及び前記スイッチが前記閉状態にあり、前記スイッチが交流に接続されているときに前記スイッチの前記閉状態を示すチャタリング状態出力である。前記スイッチモニタのチャター防止回路は、前記チャタリング状態出力に基づいて、安定したDC電圧を有するチャター安定状態出力を出力するように構成されている。前記コントローラは、前記スイッチを前記開状態又は閉状態に設定し、前記スイッチの前記現在状態及び/又は前記スイッチの状況を示す、前記第1の状態出力、前記第2の状態出力、及び前記チャター安定状態出力のいずれか1つに基づく通知を生成するように構成されている。
【0006】
前記工業プロセス制御システムの一実施形態は、上述のフィールドデバイス、外部デバイス、及び電源、を含む。前記外部デバイスは、前記第1の端子を介して前記スイッチと電気的に接続される。前記電源は、前記第2の端子を介して前記スイッチに電気的に結合され、前記スイッチを介して前記外部デバイスに電力を供給するように構成されている。前記スイッチが前記閉状態のときは前記外部デバイスに電力が供給され、前記スイッチが前記開状態のときは前記外部デバイスから電力が遮断される。
【0007】
前記方法の一実施形態では、工業プロセスのプロセスパラメータが感知されるか、又は前記工業プロセスが前記フィールドデバイスのアクティブコンポーネントを使用して制御される。前記フィールドデバイスのスイッチは、前記フィールドデバイスのコントローラによって生成されるスイッチ駆動信号を用いて、外部電源からの電力が前記外部デバイスから遮断される開状態、又は、前記外部電源からの電力が前記外部デバイスに接続される閉状態に対応する現在状態に設定される。前記スイッチの前記現在状態を示す電気的パラメータは、前記フィールドデバイスのスイッチモニタを使用して検出される。前記スイッチモニタを使用して、前記検出された電気的パラメータに基づいて、前記現在状態を示す状態出力が生成され、前記状態出力は、前記スイッチが前記開状態にあるときの前記スイッチの前記開状態を示す第1の状態出力、前記スイッチが前記閉状態にあり、前記電力が直流を含むときの前記スイッチの前記閉状態を示す第2の状態出力、及び前記スイッチが前記閉状態にあり、前記電力が交流を含むときの前記スイッチの前記閉状態を示すチャタリング状態出力である。前記スイッチモニタのチャター防止回路を用いて、前記スイッチの前記閉状態を示す前記チャタリング状態出力に基づいて、安定したDC電圧を有するチャター安定状態出力が生成される。前記コントローラを使用して、前記スイッチの前記現在状態及び/又は前記スイッチの状況を示す、前記第1の状態出力、前記第2の状態出力、及び前記チャター安定状態出力のいずれか1つに基づく通知が生成される。
【0008】
この発明の概要は、以下の詳細な説明でさらに説明される概念の選択を簡略化した形態で紹介するために提供される。この発明の概要は、特許請求される主題の重要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図しておらず、特許請求される主題の範囲を決定する際の補助として使用されることも意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態による、例示的なプロセス制御システムの簡略図である。
図2】本開示の実施形態による、例示的なプロセス制御システムの簡略図である。
図3】本開示の実施形態による、スイッチモニタ140の簡略ブロック図である。
図4】本開示の実施形態による、工業プロセスフィールドデバイスの例示的なスイッチモニタの回路図である。
図5】本開示の実施形態による、工業プロセスフィールドデバイスの例示的なスイッチモニタの回路図である。
図6】本開示の実施形態による、フィールドデバイスのスイッチに送達される交流電圧のチャート、及び工業プロセスフィールドデバイスの例示的なスイッチモニタによって生成される状態出力のチャートを示す。
図7】本開示の実施形態による、監視されているスイッチがそれぞれ20VDC電源及び250VAC電源によって電力供給されるときの、スイッチ制御信号と図3のスイッチモニタの状態出力との間の関係の一例を経時的に示すチャートである。
図8】本開示の実施形態による、監視されているスイッチがそれぞれ20VDC電源及び250VAC電源によって電力供給されるときの、スイッチ制御信号と図3のスイッチモニタの状態出力との間の関係の一例を経時的に示すチャートである。
図9】本開示の実施形態による、チャター防止回路を含むスイッチ監視回路の簡略化された回路図である。
図10】本開示の実施形態による、チャター防止回路の一例の簡略化された回路図である。
図11】D型フリップフロップの真理値表である。
図12図10のチャター防止回路の真理値表である。
図13】スイッチモニタ回路及びチャター防止回路の動作のシミュレーション例を示す一連のチャートである。
図14】本開示の実施形態による、工業プロセスフィールドデバイスを使用して外部デバイスを制御する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態は、添付の図面を参照して以下により完全に説明される。同一又は類似の参照符号を使用して識別される要素は、同一又は類似の要素を指す。しかしながら、本開示の様々な実施形態は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。
【0011】
本開示の実施形態は、一般に、工業プロセスフィールドデバイス、前記フィールドデバイスを含む工業プロセス制御システム、及び前記フィールドデバイスを使用して外部デバイスを制御する方法を対象とする。図1及び図2は、本開示の実施形態による、例示的なプロセス測定又は制御システム100の簡略図である。
【0012】
システム100は、工業プロセス104と相互作用してもよい工業プロセスフィールドデバイス102を含む。いくつかの実施形態では、プロセス104は、例えば、システム100によって処理される、パイプ105(図1)などのパイプを介して輸送される、及び/又はタンクに収容される流体などの材料を含む。前記材料のこの処理は、一般に、前記材料をより低い価値の状態から、石油、化学物質、紙、食品などのより価値のある有用な製品に変換する。例えば、石油精製所は、原油をガソリン、燃料油、及び他の石油化学物質に加工することができる工業プロセスを実行する。
【0013】
フィールドデバイス102は、フィールドデバイス102を制御するように構成されてもよいコンピュータ化された制御ユニット106と通信してもよい。制御ユニット106は、図1に示すように、システム100の制御室内など、前記フィールドデバイスから離れて配置されてもよい。
【0014】
制御ユニット106は、適切な物理通信リンク又は無線通信リンクを介してフィールドデバイス102に通信可能に結合されてもよい。例えば、前記制御ユニットは、制御ループ107を介して前記フィールドデバイスに結合されてもよい。制御ユニット106とフィールドデバイス102との間の通信は、従来のアナログ及び/又はデジタル通信プロトコルに従って制御ループ107を介して実行してもよい。いくつかの実施形態では、プロセス制御ループ107は、4~20ミリアンペアのプロセス制御ループを含み、プロセス変数は、プロセス制御ループ107を通って流れるループ電流I(図2)のレベルによって表されてもよい。例示的なデジタル通信技術は、HART(登録商標)通信規格などの二線式プロセス制御ループ107のアナログ電流レベルに変調されるデジタル信号を含む。フィールドバス及びプロフィバス通信プロトコルを含む、他の純粋なデジタルの技法も使用してもよい。制御ユニット106は、制御ループ107を介してフィールドデバイス102に電力を供給する電源を含んでもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、フィールドデバイス100は、図2の簡略図に示すように、コントローラ108、1又は複数のセンサ又は制御デバイス110の形態のアクティブコンポーネント、測定又は制御回路112、デジタル-アナログ変換器(DAC)114、通信回路115、及び/又は端子ブロック116を含む。コントローラ108は、デバイス100の非一時的な特許主題適格のコンピュータ可読媒体又はメモリ118にローカルに記憶されてもよい命令の実行に応答して、本明細書に記載の1又は複数の機能を実行するようにフィールドデバイス100のコンポーネントを制御する1又は複数のプロセッサ(すなわち、マイクロプロセッサ、中央処理装置など)を表してもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ108の前記プロセッサは、1又は複数のコンピュータベースのシステムのコンポーネントである。いくつかの実施形態では、コントローラ108は、本明細書に記載の1又は複数の機能を実行するためにデバイス100のコンポーネントを制御するために使用される、1又は複数の制御回路、マイクロプロセッサベースのシステム、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの1又は複数のプログラマブルハードウェアコンポーネントを含む。コントローラ108はまた、他の従来のフィールドデバイス回路を表してもよい。
【0016】
フィールドデバイス102は、図2のブロック110によって表される1又は複数のセンサを使用して、プロセス104の温度、レベル、圧力、流量、又は別のパラメータなどのプロセス104のパラメータを感知又は測定するために使用されてもよい。例示的なセンサ110は、圧力センサ、温度センサ、レベルセンサ、流量センサ、及び/又はプロセスパラメータを感知又は測定するために使用される他のセンサを含む。
【0017】
フィールドデバイス100はまた、図2のブロック110によって表される1又は複数の制御デバイスを使用してプロセス104の態様を制御するように構成されてもよい。例示的な制御デバイス110は、プロセスを制御するためにフィールドデバイスで使用されるアクチュエータ、ソレノイド、弁、及び他の従来のプロセス制御デバイスを含む。
【0018】
測定又は制御回路112は、センサ又は制御デバイス110と相互作用する回路を表す。例えば、回路112は、フィールドデバイスのコントローラ108による使用のためにセンサ110からの出力を変換する測定回路を含んでもよい。DAC114は、例えば、センサ110によって感知されたプロセスパラメータの値を示すようにループ電流Iを調整することによって、二線式プロセス制御ループ107を介してなど、通信回路115を使用して制御ユニット106に通信されるアナログ信号にデジタル信号を変換するためにコントローラ108によって使用されてもよい。回路112はまた、例えば、通信回路115を介してコントローラ108によって受信される制御ユニット106又は他の位置からのコマンドに応答してなど、制御デバイス110を制御するために使用されてもよい。
【0019】
本開示の実施形態は、スイッチ120を含むフィールドデバイス102を対象とする。スイッチ120は、端子ブロック116を介してなど、フィールドデバイス102の外部にある電源124及びデバイス126に電気的に結合してもよい。したがって、電源124及びデバイス126の実施形態は、フィールドデバイス102から分離されている。コントローラ108は、スイッチ120を制御して、電源124からデバイス126への電力を電気的に接続又は切断する。デバイス126の例示的な実施形態は、例えば、ポンプ、コンプレッサ、ソレノイド、又はシステム100での使用に適し得る別のデバイスを含む。
【0020】
スイッチ120は、任意の適切な形態をとる場合がある。例えば、スイッチ120は、ラッチングリレー又は別の適切なスイッチを含んでもよい。さらに、単一のスイッチ120のみが示されているが、フィールドデバイス102は、例えば端子ブロック116に結合されてもよく、コントローラ108によってそれぞれ制御される複数のスイッチ120を含んでもよいことが理解される。
【0021】
いくつかの実施形態では、コントローラ108は、スイッチ120がデバイス126を電源124からの電力に接続する閉状態と、スイッチ120がデバイス126を電源124から切断する開状態との間で、スイッチ120を選択的に設定(すなわち、制御、作動又はトグル)する。したがって、デバイス126は、スイッチ120が閉状態に設定されている間又はそれに応答して作動されてもよく、デバイス126は、スイッチ120が開状態に設定されていることに応答して停止される。いくつかの実施形態では、スイッチ120の状態の前記設定は、コントローラ108からのスイッチ駆動又は制御信号128に応答して生じる。
【0022】
いくつかの実施形態では、コントローラ108は、1又は複数の設定に基づいてプロセッサ実行命令に応答して、スイッチ120を開状態又は閉状態のいずれかに設定するように構成されている。前記設定及びプログラムされた命令は、設定130としてメモリ118に、制御ユニット106のメモリに記憶されてもよく、及び/又は別の適切な場所に記憶されてもよい。設定130は、閾値及び/又は他のスイッチ制御パラメータなどのユーザ定義の設定を含んでもよい。
【0023】
一実施形態では、コントローラ108は、センサ110によって検出される、感知されたパラメータ(例えば、圧力、レベル、流量、温度など)に応答して、スイッチ120を開状態又は閉状態に設定する。例えば、コントローラ108は、センサ110からのパラメータ出力に基づいて回路112からの感知されたパラメータ値出力を、ユーザ定義の閾値などの設定130と比較し、感知されたパラメータ値が閾値に対する所定の関係を満たすときに駆動信号128を使用してスイッチ120を所定の開状態又は閉状態に設定してもよい。
【0024】
あるいは、制御ユニット106は、前記感知されたパラメータ値をフィールドデバイス102から受信し、前記感知されたパラメータ値がユーザ定義の閾値などの設定130に対する所定の関係を満たすときに、スイッチ120を所望の状態に設定するように、制御ループ107を介してなどコントローラ108にコマンドを発行してもよい。コントローラ108は、次に、制御ユニット106からの前記コマンドに応答して、スイッチ120を前記所望の状態に設定するための駆動信号128を生成する。
【0025】
一例では、フィールドデバイス102は、タンク内のレベルを感知し、通信回路115を使用して前記感知されたレベルを制御ユニット106に通信するレベルセンサ110を含んでもよい。センサ110によって生成されたレベル出力が、閾値(例えば、設定130)を下回る感知されたレベルを示すとき、コントローラ108は、スイッチ120を閉状態に設定して外部ポンプ(デバイス126)を作動させ、追加の材料を前記タンク内に駆動するように、制御ユニット106によって構成されてもよく、又は指令されてもよい。センサ110によって感知されたレベルが、前記タンクが満杯であることを示すものなどの別の閾値レベル(設定130)に達した後、コントローラ108は、スイッチ120を開いて前記ポンプを非作動にするように構成されてもよく、又は指令されてもよい。
【0026】
別の実施形態では、コントローラ108は、スイッチ駆動信号128を使用して、制御デバイス110の状態に応じて、スイッチ120を開状態又は閉状態に設定する。あるいは、制御ユニット106は、制御デバイス110の状態に基づいて、スイッチ120を開状態又は閉状態のいずれかに設定するようにコントローラ108に対してコマンドを発行してもよい。ここで、制御デバイス110は、例えば、弁の開状態又は閉状態、アクチュエータ又はソレノイドの位置、又は制御デバイス110の別の状態など、少なくとも2つの異なる状態を含む。例えば、制御デバイス110が弁であり、デバイス126がポンプであるとき、コントローラ108は、前記弁が開いて前記ポンプを作動させ、前記弁を通る材料の流れを駆動するときにスイッチ120を閉状態に設定するように構成されてもよい、又は指令されてもよく、コントローラ108は、前記弁が閉じて前記ポンプを停止させるときにスイッチ120を開位置に設定するように構成されてもよい、又は指令されてもよい。
【0027】
スイッチ120は、意図された開状態又は閉状態を達成することで、適切に動作することが重要である。コントローラ108によって設定された所望の状態に入るためのスイッチ120の検出されない故障は、例えば、安全上の問題、規制上の問題、プロセス品質の問題、及び他の可能性のある問題を含む、プラントの停止並びに長時間のトラブルシューティング及び修理手段につながる多重の問題につながる可能性がある。例えば、コントローラ108が、流体をタンクに充填するポンプ(デバイス126)を停止させるためにスイッチ120を閉状態から開状態に遷移させるために駆動信号128を送信するが、スイッチ120が開状態に遷移しない場合、前記ポンプは動作し続けることがあり、その結果、他の潜在的な問題のある結果の中でも、前記流体が前記タンクから溢れることにつながり得る。そのようなスイッチの故障は、一般に、潜在的な損害を軽減するために直ちに注意を払う必要がある。残念なことに、工業システム内のフィールドデバイス102を十分な手動での監視を提供して、故障した、又は故障しているスイッチ120を識別することは、一般に時間と費用がかかりすぎる。
【0028】
本開示によるフィールドデバイス102の実施形態は、フィールドデバイス102のスイッチ120が意図したように動作していることを検証するために使用されてもよいスイッチモニタ140(図2)を含む。スイッチモニタ140は、図2に示すように、例えば端子ブロック116を介して電源124及びデバイス126に電気的に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、スイッチモニタ140は、直流(DC)若しくは20~60VDCなどのDC電圧、又は交流(AC)若しくは20~250VACなどのAC電圧を提供する電源124を取り扱うように構成されている。
【0029】
いくつかの実施形態では、スイッチモニタ140は、スイッチ120の現在状態(すなわち、開又は閉)を検出(例えば、感知又は測定)し、スイッチ120の現在状態を示す状態出力142を生成するように構成されている。コントローラ108は、状態出力142に基づいて通知144を生成するように構成されている。通知144は、例えば、通信回路115を使用して、有線(例えば、制御ループ107)又は無線通信リンクを使用して制御ユニット106又は別の場所に送信されてもよい。
【0030】
通知144の実施形態は、スイッチ120の現在状態、及び/又はスイッチ120が適切に動作しているか否か(すなわち、スイッチ120の状況)を示す。通知144は、任意の適切な形態をとることができる。例示的な通知144は、アラーム(可聴及び/又は可視)、すなわち、制御ユニット106のディスプレイなどのディスプレイ上に提示されるステータスレポート、プロセス制御ループ107を介して配信される通信又は設定などの無線又は有線通信リンクを介したアナログ又はデジタル通信又はメッセージ、又は別の通知を含むか、又はトリガする。例えば、通知144は、ループ電流Iを所定のレベル、又は各々が異なる通知を示す複数の所定のレベルのうちの1つに設定することによって、通信回路115を使用して送信されてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、コントローラ108は、状態出力142と、スイッチ駆動信号128に対応するスイッチの意図された状態との比較に基づいて通知144を生成し、これは、上述したように、感知されたパラメータ、コマンド、及び/又は制御デバイスの状態に基づいてスイッチ120の状態を設定する。この比較は、状態出力142とスイッチ駆動信号128とを比較し、その比較に基づいて信号148を出力するコンパレータ回路146を用いて行われてもよい。信号148は、スイッチ駆動信号128がスイッチ120を開状態に設定するように構成されており、状態出力142がスイッチ120が開状態にあることを示すときなど、スイッチ駆動信号128と状態出力142との間の対応関係を示してもよい。この場合、スイッチ120は正常に動作していると推定される。あるいは、信号148は、スイッチ駆動信号128がスイッチ120を開状態に設定するように構成されており、状態出力142がスイッチ120が閉状態にあることを示すときなど、スイッチ駆動信号128と状態出力142との間の競合を示してもよい。この場合、スイッチ120が不適切に動作していると推定される。通知144は、スイッチ120の適切な又は不適切な動作を示すために、信号148に応答してコントローラ108によって生成されてもよい。さらに、通知144は、スイッチ出力142によって示されるスイッチ120の現在状態、及び/又はスイッチ駆動信号128に対応するスイッチ120の意図された状態を示してもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、コントローラ108は、状態出力142とスイッチ設定150との比較に基づいて通知144を生成し、これは、例えば図2に示すようにメモリ118に記憶してもよい。スイッチ設定150は、スイッチ120の意図された又は所望の開状態又は閉状態を示す。したがって、スイッチ設定150は、一般に、スイッチ120の状態を設定するスイッチ駆動信号128に対応し、上述したように、感知されたパラメータ、制御デバイスの状態、及び/又はコマンドに基づいてもよい。コントローラ108は、スイッチ120が適切に動作していることを示すスイッチ設定150と状態出力142との間の対応関係、又はスイッチ120が不適切に動作していることを示すスイッチ設定150と状態出力142との間の競合があるかどうかを判定する。通知144は、スイッチ120の適切又は不適切な動作を示すためにコントローラ108によって生成される。さらに、通知144は、スイッチ出力142によって示されるスイッチ120の現在状態、及び/又はスイッチ設定150によって示されるスイッチ120の意図された状態を示してもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、スイッチモニタ140は、スイッチ120の現在状態(すなわち、開又は閉)を示す電気的パラメータを検出(すなわち、感知又は測定)し、前記検出された電気的パラメータに基づいて状態出力142を生成する回路を備える。本電気的パラメータの実施形態は、スイッチ120にわたる電圧(AC又はDC)、スイッチ120を通る電流(AC又はDC)、又は別の適切な電気的パラメータを含む。いくつかの実施形態では、スイッチモニタ140は、スイッチ120の現在状態を示す前記検出された電気的パラメータに基づいて状態出力142を生成する。
【0034】
いくつかの実施形態では、状態出力142は、2つの異なる電圧値に対応し、一方は、デジタル0値を表す固定された又は安定した論理又はデジタル低電圧であり、一方は、デジタル1値を表す固定された又は安定した論理又はデジタル高電圧である。これらの値の一方は、スイッチ120の開状態を表すために使用されてもよく、他方は、スイッチ120の閉状態を表すために使用される。この選択は、アプリケーション(例えば、常開対常閉スイッチアプリケーション)に依存し得る。本開示では、前記論理低電圧又はデジタル0値はスイッチ120の開状態を表すために使用され、前記論理高電圧又はデジタル1値はスイッチ120の閉状態を表す。
【0035】
図3は、本開示の実施形態による、スイッチモニタ140の簡略ブロック図である。一実施形態では、スイッチモニタ140は、差動151増幅器及びコンパレータ152を形成する回路を含む。前記差動増幅器は、図2に示すように、電源124に接続された端子ブロック116の端子であってもよいスイッチ120の端子153及び154と、付属デバイス126に対応する負荷とに接続され、端子153及び154間の電圧差、又はスイッチ120を通る電流に基づいて差動電圧155の出力を生成する。前記コンパレータは、一般に、前記差動増幅器からの出力を基準電圧と比較し、前記比較に基づいて状態出力142を生成する。
【0036】
図4及び図5は、本開示の実施形態による例示的なスイッチモニタ140A及び140Bの回路図である。例示的なスイッチモニタ140Aは、スイッチ120の両端の電圧(AC又はDC)に基づいて状態出力142を生成するように構成されており、例示的なスイッチモニタ140Bは、スイッチ120を通る電流I(AC又はDC)に基づいて状態出力142(すなわち、アナログ電圧)を生成するように構成されている。スイッチモニタ140A及び140Bは、それぞれ端子153及び154に接続されている。電源124は、一般に、AC又はDC電圧源156と、端子153に結合された抵抗158とによって表される。デバイス126は、端子154及び電圧源156又は電気的接地/共通部に電気的に結合される。
【0037】
いくつかの実施形態では、スイッチモニタ140Aの差動増幅器151は、電源124によって供給されるAC波形の負の波サイクル中にスイッチモニタ140Aが動作することを可能にする電圧整流器160を含む。例示的な一実施形態では、整流器160は、ダイオード162及びキャパシタ164を含む。ダイオード162は、電源124によって生成されるAC波形の負サイクル部分を遮断する。キャパシタ164は、AC波形の正サイクル中に充電され、ダイオード162が波形を遮断している間、AC波形の負サイクル中にゆっくりと減衰する。キャパシタ164は、AC波形の負サイクル中にAC波形の正サイクル中に達成される電圧充電を実質的に維持するように適切なサイズにされる。
【0038】
差動増幅器151は、電源電圧Vsに結合された正電源入力と、電気接地175に結合された負電源入力とを有する、抵抗器166、168、170及び172と、演算増幅器(オペアンプ)174とを含んでもよい。抵抗器166及び170と、抵抗器168及び172との比は、差動電圧出力155によって示される、スイッチ120の両端間及び端子153及び154との間の電圧差を検出するためにオペアンプ174の利得を設定する。抵抗器166、168、170及び172の抵抗は、高いAC/DC感知電圧を低電圧状態監視回路の動作範囲内にあるレベルまで低減するために、高抵抗である。
【0039】
スイッチモニタ140Aのコンパレータ152は、電源電圧Vsに結合された正電源入力と、電気接地175に結合された負電源入力とを有するオペアンプ178を含んでもよい。オペアンプ178は、差動電圧出力155によって示されるスイッチ120の両端の電圧差を、抵抗器180及び182によって形成される分圧器によって設定される閾値電圧と比較し、その比較に基づいて状態出力142を出力する。前記閾値電圧は、スイッチ120によって切り替えられる電圧の範囲内にわたって正しくトリガするように調整されてもよい。後述するような追加の回路を使用して、例えば、コントローラ108のマイクロプロセッサによる処理の前に出力142を処理してもよい、又は出力142を絶縁してもよい。
【0040】
図6は、スイッチ120に送達された電源124からのAC電圧と、図4の例示的なスイッチモニタ140Aによって生成された状態出力142とを比較する2つのチャートを示す。期間t~tの間、スイッチ120は開状態にあり、スイッチ120の両端の電圧は、電源124によって供給されるAC電圧を反映する。この例では、スイッチモニタ140Aは、スイッチ120の開状態のための論理低状態出力142を生成する。時間tにおいて、スイッチ120は閉じられている。これにより、電流がスイッチ120を通ってデバイス126に流れる。さらに、スイッチ120の両端の電圧は、実質的にゼロ近くに低下する。スイッチ120の両端の電圧のこの変化の結果、スイッチモニタ140Aは論理高状態出力142を生成する。
【0041】
例示的なスイッチモニタ140B(図5)は、スイッチ120を通る電流I(AC又はDC)に基づいて状態出力142を生成するように構成されている。スイッチ140Bは、図2に示すように、例えば端子ブロック116の端子であってもよい端子153及び154に結合された差動増幅器151を含む。スイッチモニタ140Bの差動増幅器151は、上述のように動作するダイオード162及びキャパシタ164によって形成される回路140Aの電圧整流器160を含んでもよい。
【0042】
スイッチモニタ140Bの差動増幅器は、抵抗器186、188、190及び192、及び電源電圧Vsに結合された正電源入力と、電気接地195に結合された負電源入力とを有するオペアンプ194、を含んでもよい。抵抗器186及び190と、抵抗器188及び192との比は、スイッチ120と直列の抵抗器196の両端の電圧差を検出するためにオペアンプ194の利得を設定する。抵抗器186、188、190及び192の抵抗は、高いAC/DC感知電圧を低電圧状態監視回路の動作範囲内にあるレベルまで低減するために、高抵抗である。オペアンプ194は、電流Iに応答して抵抗器196の両端の電圧に基づいて電圧差信号198を出力する。
【0043】
差動増幅器151のオペアンプ194からの信号198は、抵抗器196を通る電流に比例するアナログ電圧である。抵抗器196の既知の値及び状態出力142のアナログ電圧を使用して、コンパレータ152は信号198を処理し、それを基準と比較し、対応する状態出力142を生成してもよく、これはコントローラ108によって処理してもよい。追加の回路を使用して、例えば、コントローラ108のマイクロプロセッサによる処理の前に出力142を処理してもよい、又は出力142を絶縁してもよい。コントローラ108はまた、コンパレータ152として動作し、抵抗器196の値に基づいて差動増幅器151からの信号198を処理し、電流Iを決定してもよい。次に、電流Iを設定と比較して、スイッチ102(例えば、通常開スイッチ又は通常閉スイッチ)が開状態又は閉状態にあるかどうかを判定してもよい。
【0044】
上述のスイッチモニタ140の実施形態は、20~60VDCのDC電圧及び20~250VACのAC電圧など、電源124からの広範囲の入力電圧に対して単一の検出レベル状態出力142を提供するように動作する。コンパレータ152の閾値は、(例えば、端子153及び154にわたる)スイッチ120の両端の電圧(例えば、20~60VDC)の可能な範囲を検出するのに十分低く設定されなければならないので、スイッチモニタ140は、ノイズの影響及びAC結合の影響を受けやすい可能性がある。この結果、スイッチ120が閉じている(スイッチの両端に電圧がない)ときに、所望の固定された高出力ではなく状態出力142のデジタル出力チャタリング(すなわち、高状態と低状態との間の継続的な切り替え)がもたらされ得る。
【0045】
チャタリング状態出力142が結果としてもたらされる状況の一例について、図7及び図8を参照して説明する。図7及び図8は、スイッチ120がそれぞれ20VDC電源124及び250VAC電源124によって電力供給されているときの、スイッチ制御信号128(図2)と状態出力142との間の経時的な関係を示すチャートである。時間tにおいてスイッチ制御信号128が、20VDC電源によって電力供給されるスイッチ120の状態を開から閉に変化させるとき、スイッチ120の両端に電圧差がもはや存在せず、図7に示すように、時間tにおいて高論理電圧(デジタル1)状態出力142が結果としてもたらされる。
【0046】
しかしながら、スイッチ120が250VAC電源124によって電力供給されて、時間tにおいてスイッチ制御信号128がスイッチ120の状態を開から閉に変化させるとき、状態出力は、ノイズ(例えば、EMC、隣接するスイッチ又は電源からのAC結合など)の結果として、図8に示すように、時間tから始まって低論理電圧と高論理電圧との間でチャタリングする。状態出力142のこのチャタリングが発生すると、コントローラ108が、スイッチ120の状態の誤った読み取りを検出し、スイッチ故障の誤った通知144を発行する可能性がある。そのような誤った診断通知144は、プロセスのシャットダウン、故障通知を調査する時間及び費用の浪費、並びにフィールドデバイス102の性能の信頼性の低下などの深刻な悪影響をもたらす可能性がある。
【0047】
いくつかの実施形態では、スイッチモニタ140は、閉スイッチ及び特定のAC電圧電力状況下でチャタリング状態出力142を安定させるように動作する一方で、スイッチ120の他の電力及び状態の状況下で状態出力142を一般に通過又は再生する、チャター防止回路を含む。
【0048】
この変形例は、図9の簡略化された回路図に全体的に示されている。チャター防止回路200は、状態出力142を受信し、それに応答して安定状態出力142’を生成する。ここで、差動増幅器151及びコンパレータ152は、例えば図3図6を参照して上述したように実質的に動作し、感知された状況に応じて状態出力142を生成する。安定状態出力142’は、図2の状態出力142に置き換わり、上述のように、スイッチ120の現在状態を判定し、通知144を生成するためにコントローラ108によって使用される。
【0049】
スイッチ120が開状態にあるとき、スイッチ120が20~60VDC電源124に接続されているとき、又はチャタリング状態出力142を生成しない別のシナリオの下では、チャター防止回路200によって生成される安定状態出力142’は、一般に、状態出力142の安定状態出力を反映する。すなわち、安定状態出力は、状態出力142が固定された又は安定している論理低又は論理高電圧信号のいずれかであるときの状態出力を実質的に反映する。しかしながら、スイッチ120が閉じられ、250VACなどの20~250VACに結合され、状態出力142がチャタリングしているとき、チャタリング防止回路200によって生成された安定状態出力142’は、スイッチ120の閉状態に対する予期される正しい状態信号142の所望の論理電圧出力(例えば、固定された高論理電圧)に対応する。結果として、チャター防止回路200は、上述した不具合を修正し、フィールドデバイス102により誤診断通知144が発行される可能性を低減する。
【0050】
チャター防止回路200は、多数の形態をとることができる。回路200の一例が図10の簡略図に示されており、D型フリップフロップ204が用いられている。図11は、D型フリップフロップ204の真理値表である。
【0051】
図10に示すように、フリップフロップ204のD入力は、デジタル高電圧(VDD)にプルされる。前記スイッチモニタ140からの前記状態出力142により、前記フリップフロップ204のクロックピン(CLK)が駆動する。フリップフロップ204のクリアピン(CLR)は、スイッチ制御信号128を用いて回路200の出力をリセットするために使用される。これにより、フリップフロップ204のQ出力は、状態出力142において立ち上がりエッジを確認したときに高のままであることが可能になり、安定状態出力142’は、状態変化のたびにコントローラ108によって読み取られるので、パルスは、各測定の前に前記Q出力を論理又はデジタル低電圧にクリアする。
【0052】
動作中、コントローラ108がスイッチ120の状態を変更するために状態制御信号128(例えば、電圧パルス)を発行するとき、状態制御信号128はまた、前記CLR入力へのその接続に起因してフリップフロップ204のQ出力をクリアする。一実施形態では、始動時に、既知の状態出力142を確実にするための初期リセットスイッチ制御信号128が生成される。
【0053】
前記D入力は論理電圧高にプルされるので、前記Q出力は、状態出力142によって駆動される前記CLK入力上の立ち上がりエッジの存在に基づいて低に留まるか、又は高に遷移する。図12に示されている真理値表は、スイッチ120の閉状態状況及びスイッチの端子153及び154へのAC電力に起因して状態出力142(CLK入力)がチャタリング(図8)している場合、前記Q出力が高に遷移して高のままであり、それによってチャタリングが排除され、スイッチ120の閉状態を示すために所望の論理高電圧が生成されることを示す。
【0054】
いくつかの実施形態では、コントローラ108は、スイッチ制御信号又はパルス128を送信した後、安定状態出力142’を測定する前に、スイッチモニタ140及びチャター防止回路200が安定するのを可能にするために短時間待機する。
【0055】
いくつかの実施形態では、チャター防止回路は、フリップフロップ204からQ出力及び状態出力142を受信するORゲート206を含み、スイッチ120が最初に閉じられる状況の誤トリップを防止するように動作する。例えば、スイッチ120及びスイッチ120に供給される電力が最初に閉状態にある場合、状態出力142は論理高電圧になる。しかしながら、初期起動中、スイッチ制御信号128は論理低電圧へのQ出力をクリアし得、クロック入力(CLK)上に立ち上がりエッジは決して存在しないので、Qは論理低電圧のままであるが、スイッチ120が閉じられていることを示すためには論理高電圧でなければならない。前記Q出力及び状態出力142をORゲート206に供給することによって、この状況は解消され、最終安定状態出力142’はこの始動期間中、高のままであり、したがってスイッチ120の正しい状態を示す。
【0056】
図13は、電源124が負荷又はデバイス126に接続されたスイッチ120の端子153及び154にAC電力を供給するときのスイッチモニタ140及びチャター防止回路200の動作のシミュレーション例を示す一連のチャートを含む。スイッチの閉鎖中に閾値をトリップさせるために、寄生容量及びACノイズをシミュレーションに追加した。
【0057】
最初に、コントローラ108は、スイッチ制御信号又はパルス128を生成して、スイッチ120を開状態から閉状態に変化させる。前記スイッチのこの閉鎖は、スイッチ120を通る電流のプロットによって示されている。
【0058】
チャートによって示されるように、これらの事象は、チャタリングしているスイッチモニタ140からの状態出力142を結果としてもたらす。しかしながら、チャター防止回路200が状態出力142のチャタリングを除去する結果、固定された安定状態出力142’をもたらす。別のスイッチ制御信号又はパルス128がコントローラ128によって生成された直後に、スイッチ120が開かれ、状態出力142及び安定状態出力142’は論理低電圧に遷移する。
【0059】
本開示のさらなる実施形態は、本明細書に記載の1又は複数の実施形態に従って形成される工業プロセスフィールドデバイス102を使用して外部デバイス126を制御する方法を対象とする。図14は、本方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【0060】
本方法の210において、工業プロセス104のプロセスパラメータが感知されるか、又はプロセス104は、フィールドデバイス102のアクティブコンポーネント110を使用して制御される。したがって、前記アクティブコンポーネントは、上述したように、プロセスパラメータを感知するセンサ、又はプロセスを制御する制御デバイスの形態であってもよい。
【0061】
212において、フィールドデバイス102のスイッチ120は、外部電源124からの電力が外部デバイス126から切断される開状態、又は外部電源124からの電力が外部デバイス126に接続される閉状態のいずれかに対応する現在状態に設定される。いくつかの実施形態では、スイッチ120は、上述したように、フィールドデバイス102のコントローラ108によって生成されたスイッチ制御信号128に応答して現在状態に設定される。
【0062】
214において、フィールドデバイス102のスイッチモニタ140を使用して、スイッチ120の現在状態を示す電気的パラメータが検出(すなわち、感知又は測定)される。上述のように、本電気的パラメータの実施形態は、スイッチ120の両端の電圧(AC又はDC)と、スイッチ120を通る電流(AC又はDC)とを含む。
【0063】
216において、前記検出された電気的パラメータに基づく現在状態を示す状態出力142が、スイッチモニタ140を使用して生成される。状態出力142は、スイッチ120が開状態にあるときにスイッチ120の開状態を示す論理低電圧などの第1の状態出力、スイッチ120が閉状態にあり、電源124によって供給される電力が直流を含むときにスイッチ120の閉状態を示す論理高電圧などの第2の状態出力、スイッチ120が閉状態にあり、電力が交流を含むときのスイッチ120の閉状態を示すチャタリング状態出力である。
【0064】
218において、スイッチ120の閉状態を示すチャタリング状態出力に基づいて、スイッチモニタ140のチャター防止回路200によって、安定したDC電圧を有するチャター安定状態出力142’が生成される。
【0065】
220において、コントローラ108を使用して、第1の状態出力、第2の状態出力、及びチャター安定状態出力のいずれか1つに基づいて、通知が生成される。これらの状態出力の各々は、状態出力142に基づいて、チャター防止回路200によって生成されてもよい。上述したように、通知144は、スイッチ120の現在状態、及び/又はスイッチ120が適切に動作しているか否かを示してもよい。
【0066】
本開示の実施形態を好ましい実施形態を参照して説明したが、当業者は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく形態及び詳細に変更を加えることができることを認識するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2024-05-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスパラメータを感知するように構成されるセンサ、及び工業プロセスのプロセスを制御するように構成される制御デバイス、からなる群から選択されるアクティブコンポーネント、
第1の端子及び第2の端子に電気的に結合され、閉状態にあるときに前記第1の端子及び第2の端子を電気的に接続し、開状態にあるときに前記第1の端子及び第2の端子を電気的に切断するように構成されるスイッチ、
前記スイッチの電気的パラメータに基づいて状態出力を生成するように構成されるスイッチモニタであって、前記状態出力は、前記スイッチが前記開状態にあるときに前記スイッチの前記開状態を示す第1の状態出力、前記スイッチが前記閉状態にあるときに前記スイッチの前記閉状態を示す第2の状態出力、及び前記スイッチが前記閉状態にあるときに前記スイッチの前記閉状態を示すチャタリング状態出力であり、前記チャタリング状態出力は、前記第1の状態出力と第2の状態出力とを交互に行う信号を含む、スイッチモニタ、
前記スイッチの前記閉状態を示す前記チャタリング状態出力に基づいて、安定したDC電圧を有するチャター安定状態出力を出力するように構成される前記スイッチモニタのチャター防止回路、及び
前記スイッチを前記開状態及び閉状態の一方に設定し、前記スイッチの現在状態及び前記スイッチの状況の少なくとも一方を示す、前記第1の状態出力、前記第2の状態出力、及び前記チャター安定状態出力のうちのいずれか1つに基づく通知を生成するように構成されるコントローラ、
を含む、工業プロセスのフィールドデバイス。
【請求項2】
前記第1の状態出力及び前記第2の状態出力の一方は論理低電圧を含み、
前記第1の状態出力及び前記第2の状態出力の他方は論理高電圧を含み、
チャタリング状態の前記信号は、前記論理低電圧と前記論理高電圧との間で交番する電圧を含む、
請求項1に記載のフィールドデバイス。
【請求項3】
前記スイッチモニタは、
前記スイッチの前記第1の端子と第2の端子との間の電圧差又は前記スイッチを通る電流に基づいて差動電圧を出力するように構成される差動増幅器、及び
前記差動電圧に基づいて、前記第1の状態出力、前記第2の状態出力、及び前記チャタリング状態の信号のうちの1つを出力するように構成されるコンパレータ、を含む、請求項2に記載のフィールドデバイス。
【請求項4】
前記チャター防止回路は、前記第1の状態出力に基づいて、前記第1の状態出力を実質的に反映する第1の安定状態出力を出力し、前記第2の状態出力に基づいて、前記第2の状態出力を実質的に反映する第2の安定状態出力を出力するように構成されている、請求項3に記載のフィールドデバイス。
【請求項5】
前記コントローラは、スイッチ制御信号を使用して前記スイッチを前記開状態又は閉状態に設定し、
前記チャター防止回路は、前記スイッチ制御信号を受信するクリア(CLR)入力、前記状態出力を受信するクロック(CLK)入力、及び論理高電圧を受信するD入力を有するD型のフリップフロップを備え、
前記チャター安定状態出力、前記第1の安定状態出力、及び前記第2の安定状態出力は、前記状態出力に基づいて前記フリップフロップのQ出力において生成される、
請求項4に記載のフィールドデバイス。
【請求項6】
前記チャター防止回路は、前記Q出力及び前記状態出力に接続されたORゲートを含む、請求項5に記載のフィールドデバイス。
【請求項7】
前記コントローラは、前記第1の安定状態出力、前記第2の安定状態出力、及び前記チャター安定状態出力のうちのいずれか1つと、前記スイッチの意図された状態を示すスイッチ設定との比較に基づいて前記通知を生成する、請求項に記載のフィールドデバイス。
【請求項8】
前記コントローラは、スイッチ制御信号を使用して前記スイッチを前記開状態又は閉状態に設定するように構成されており、
前記コントローラは、前記第1の安定状態出力、前記第2の安定状態出力、及び前記チャター安定状態出力のうちのいずれか1つと、前記スイッチ制御信号との比較に基づいて、前記通知を生成する、
請求項に記載のフィールドデバイス。
【請求項9】
前記コントローラは、スイッチ制御信号を使用して前記スイッチを前記開状態又は閉状態に設定するように構成されており、
前記アクティブコンポーネントは、感知されたプロセスパラメータに対応するパラメータ出力を有する前記センサを含み、
前記コントローラは、前記スイッチ制御信号を使用して前記パラメータ出力に基づいて、前記スイッチを前記開状態及び閉状態の一方に設定するように構成されている、
請求項1に記載のフィールドデバイス。
【請求項10】
前記センサは、圧力センサ、レベルセンサ、流量センサ、及び温度センサからなる群から選択され、
デバイスは、前記パラメータ出力に基づいてパラメータ値を生成するように構成される測定回路を含み、
前記コントローラは、通信回路を使用して前記パラメータ値及び前記通知を遠隔位置に通信するように構成されている、
請求項9に記載のフィールドデバイス。
【請求項11】
前記コントローラは、スイッチ制御信号を用いて前記スイッチを前記開状態又は閉状態に設定するように構成されており、
前記アクティブコンポーネントは、アクチュエータ、弁、及びソレノイドからなる群から選択される前記制御デバイスを備え、
前記制御デバイスは、少なくとも2つの異なる状態を含み、
前記コントローラは、前記スイッチ制御信号を使用して、前記制御デバイスの前記状態に基づいて、前記スイッチを前記開状態及び閉状態の一方に設定するように構成されている、
請求項1に記載のフィールドデバイス。
【請求項12】
プロセスパラメータを感知するように構成されるセンサ、及び工業プロセスのプロセスを制御するように構成される制御デバイス、からなる群から選択されるアクティブコンポーネント、
第1の端子及び第2の端子に電気的に結合され、閉状態にあるときに前記第1の端子及び第2の端子を電気的に接続し、開状態にあるときに前記第1の端子及び第2の端子を電気的に切断するように構成されるスイッチ、
前記スイッチの電気的パラメータに基づいて状態出力を生成するように構成されるスイッチモニタであって、前記状態出力は、前記スイッチが前記開状態にあるときに前記スイッチの前記開状態を示す第1の状態出力、前記スイッチが前記閉状態にあるときに前記スイッチの前記閉状態を示す第2の状態出力、及び前記スイッチが前記閉状態にあるときに前記スイッチの前記閉状態を示すチャタリング状態出力であり、前記チャタリング状態出力は、前記第1の状態出力と第2の状態出力とを交互に行う信号を含む、スイッチモニタ、
前記スイッチの前記閉状態を示す前記チャタリング状態出力に基づいて、安定したDC電圧を有するチャター安定状態出力を出力するように構成される前記スイッチモニタのチャター防止回路、及び
前記スイッチを前記開状態及び閉状態の一方に設定し、前記スイッチの現在状態及び前記スイッチの状況の少なくとも一方を示す、前記第1の状態出力、前記第2の状態出力、及び前記チャター安定状態出力のうちのいずれか1つに基づく通知を生成するように構成されるコントローラ、
を含むフィールドデバイス、及び
前記第1の端子を介して前記スイッチに電気的に結合された外部デバイス、及び
前記第2の端子を介して前記スイッチに電気的に結合され、前記スイッチを介して前記外部デバイスに電力を供給するように構成される電源、を含み、
前記スイッチが前記閉状態にあるときに前記外部デバイスに電力が供給され、前記スイッチが前記開状態にあるときに前記外部デバイスから電力が遮断される、
工業プロセス制御システム。
【請求項13】
前記第1の状態出力及び前記第2の状態出力の一方は論理低電圧を含み、
前記第1の状態出力及び前記第2の状態出力の他方は論理高電圧を含み、及び
チャタリング状態の前記信号は、前記論理低電圧と前記論理高電圧との間で交番する電圧を含む、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記スイッチモニタは、前記スイッチの前記第1の端子と第2の端子との間の電圧差又は前記スイッチを通る電流に基づいて差動電圧を出力するように構成される差動増幅器、及び
前記差動電圧に基づいて、前記第1の状態出力、前記第2の状態出力、及び前記チャタリング状態の信号のうちの1つを出力するように構成されるコンパレータ、
を含む、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記チャター防止回路は、前記第1の状態出力に基づいて、前記第1の状態出力を実質的に反映する第1の安定状態出力を出力し、前記第2の状態出力に基づいて、前記第2の状態出力を実質的に反映する第2の安定状態出力を出力するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記コントローラは、スイッチ制御信号を使用して前記スイッチを前記開状態又は閉状態に設定し、
前記チャター防止回路は、前記スイッチ制御信号を受信するクリア(CLR)入力、前記状態出力を受信するクロック(CLK)入力、及び論理高電圧を受信するD入力を有するD型のフリップフロップを備え、
前記チャター安定状態出力、前記第1の安定状態出力、及び前記第2の安定状態出力は、前記状態出力に基づいて前記フリップフロップのQ出力において生成される、
請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記チャター防止回路は、前記Q出力及び前記状態出力に接続されたORゲートを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記コントローラは、前記第1の安定状態出力、前記第2の安定状態出力、及び前記チャター安定状態出力のうちのいずれか1つと、前記スイッチの意図された状態を示すスイッチ設定との比較に基づいて前記通知を生成する、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記コントローラは、スイッチ制御信号を使用して前記スイッチを前記開状態又は閉状態に設定するように構成されており、
前記コントローラは、前記第1の安定状態出力、前記第2の安定状態出力、及び前記チャター安定状態出力のうちのいずれか1つと、前記スイッチ制御信号との比較に基づいて前記通知を生成する、
請求項15に記載のフィールドデバイス。
【請求項20】
工業プロセスフィールドデバイスを使用して外部デバイスを制御する方法であって、
工業プロセスのプロセスパラメータを感知すること、又はフィールドデバイスのアクティブコンポーネントを使用して前記工業プロセスを制御すること、
前記フィールドデバイスのコントローラによって生成されたスイッチ制御信号を使用して、前記フィールドデバイスのスイッチを、外部電源からの電力が外部デバイスから遮断されている開状態、又は、前記外部電源からの電力が前記外部デバイスに接続されている閉状態の一方に対応する現在状態に設定すること、
前記フィールドデバイスのスイッチモニタを使用して、前記スイッチの前記現在状態を示す電気的パラメータを検出すること、
前記スイッチモニタを使用して前記検出された電気的パラメータに基づいて、前記現在状態を示す状態出力を生成することであって、前記状態出力は、前記スイッチが前記開状態にあるときに前記スイッチの前記開状態を示す第1の状態出力、前記スイッチが前記閉状態にあるときに前記スイッチの前記閉状態を示す第2の状態出力、及び前記スイッチが前記閉状態にあるときに前記スイッチの前記閉状態を示すチャタリング状態出力であり、前記チャタリング状態出力は、前記第1の状態出力と第2の状態出力とを交互に行う信号を含む、こと、
前記スイッチモニタのチャター防止回路を用いて、前記スイッチの前記閉状態を示す前記チャタリング状態出力に基づいて、安定したDC電圧を有するチャター安定状態出力を生成すること、及び
前記コントローラを使用して、前記スイッチの前記現在状態、前記スイッチの状況、及びスイッチ設定に対応する前記スイッチの意図された状態に前記状態出力が整合しているかどうか、のうちの少なくとも1つを示す、前記第1の状態出力、前記第2の状態出力、及び前記チャター安定状態出力のうちのいずれか1つに基づく通知を生成すること、
を含む、方法。
【国際調査報告】