(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】内視鏡ハンドルの廃棄可能部分、内視鏡ハンドル及び内視鏡
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
A61B1/00 714
A61B1/00 632
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515940
(86)(22)【出願日】2023-03-13
(85)【翻訳文提出日】2024-03-12
(86)【国際出願番号】 CN2023081138
(87)【国際公開番号】W WO2023226537
(87)【国際公開日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】202210577167.9
(32)【優先日】2022-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519272972
【氏名又は名称】湖南省華芯医療器械有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】周 震華
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA24
4C161DD02
4C161FF11
4C161FF30
4C161HH33
4C161JJ06
4C161JJ11
(57)【要約】
内視鏡ハンドルの廃棄可能部分(10)、内視鏡ハンドル及び内視鏡であって、該内視鏡ハンドルの廃棄可能部分(10)は、ハンドルの再利用可能部分(20)に取り外し可能に接続される接続部が設置されるハウジング(100)と、近位端がハウジング(100)の遠位端に取り付けられる挿入部(11)と、第1牽引糸(101)、第2牽引糸(102)及び第1突き合わせ接続部材(14)を含み、第1牽引糸(101)と第2牽引糸(102)が挿入部(11)内に収容され、第1牽引糸(101)及び第2牽引糸(102)の近位端が第1突き合わせ接続部材(14)に接続される第1伝動アセンブリと、を備え、ハウジング(100)の近位端の端面に直線型移動経路が形成され、直線型移動経路が近位端の端面の軸線方向に直交し、第1突き合わせ接続部材(14)が直線型移動経路に沿って移動できる。ハンドルの再利用可能部分(20)と1つの力伝達部材とを突き合わせ接続すればよく、従って、突き合わせ接続中に1つの力伝達部材を突き合わせ接続すればよく、それにより再利用可能部分(20)と廃棄可能部分(10)との突き合わせ接続中の操作難易度を低減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡ハンドルの廃棄可能部分であって、
ハンドルの再利用可能部分(20)に取り外し可能に接続される接続部が設置されるハウジング(100)と、
近位端が前記ハウジング(100)の遠位端に取り付けられる挿入部(11)と、
第1牽引糸(101)、第2牽引糸(102)及び第1突き合わせ接続部材(14)を含み、前記第1牽引糸(101)と第2牽引糸(102)が前記挿入部(11)内に収容され、且つ前記第1牽引糸(101)及び第2牽引糸(102)の遠位端が前記挿入部(11)の遠位端の能動湾曲部(12)に接続され、前記第1牽引糸(101)及び第2牽引糸(102)の近位端が前記第1突き合わせ接続部材(14)に接続される第1伝動アセンブリと、を備え、
前記ハウジング(100)の近位端の端面に直線型移動経路が形成され、前記直線型移動経路が前記近位端の端面の軸線方向に直交し、前記第1突き合わせ接続部材(14)が前記直線型移動経路に沿って移動できることを特徴とする内視鏡ハンドルの廃棄可能部分。
【請求項2】
前記ハウジング(100)の近位端の端面に前記直線型移動経路に適合する案内溝(13)が開設され、前記第1突き合わせ接続部材(14)が前記案内溝(13)内に摺動可能に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡ハンドルの廃棄可能部分。
【請求項3】
前記案内溝(13)の両端に第1貫通孔(131)及び第2貫通孔(132)がそれぞれ開設され、前記第1牽引糸(101)及び第2牽引糸(102)がそれぞれ前記第1貫通孔(131)及び第2貫通孔(132)内に穿設されることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡ハンドルの廃棄可能部分。
【請求項4】
前記案内溝(13)の両端にそれぞれ第1案内機構(151)及び第2案内機構(152)が更に設置され、前記第1牽引糸(101)及び第2牽引糸(102)がそれぞれ前記第1案内機構(151)及び第2案内機構(152)に周設され、且つそれぞれ前記第1貫通孔(131)及び第2貫通孔(132)内に穿設されることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡ハンドルの廃棄可能部分。
【請求項5】
前記ハウジング(100)の近位端に密封ハウジング(110)が取り外し可能に設置され、前記密封ハウジング(110)には前記案内溝(13)の形状に適合し且つ対応する収容溝(111)が開設され、前記密封ハウジング(110)が軸線方向に沿って前記第1突き合わせ接続部材(14)に当接されることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡ハンドルの廃棄可能部分。
【請求項6】
前記案内溝(13)の幅が前記収容溝(111)の幅よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載の内視鏡ハンドルの廃棄可能部分。
【請求項7】
内視鏡ハンドルであって、
請求項1~6のいずれか1項に記載の内視鏡ハンドルの廃棄可能部分及び内視鏡ハンドルの再利用可能部分(20)を備え、前記内視鏡ハンドルの廃棄可能部分が前記再利用可能部分(20)に取り外し可能に接続されることを特徴とする内視鏡ハンドル。
【請求項8】
前記再利用可能部分(20)の遠位端に前記第1突き合わせ接続部材(14)に突き合わせ接続可能に係合されるための第2突き合わせ接続部材(22)が設置され、前記第1突き合わせ接続部材(14)が前記第2突き合わせ接続部材(22)に取り外し可能に接続されることを特徴とする請求項7に記載の内視鏡ハンドル。
【請求項9】
前記第1突き合わせ接続部材(14)及び前記第2突き合わせ接続部材(22)のうちの一方が雄型接続部材であり、前記第1突き合わせ接続部材(14)及び前記第2突き合わせ接続部材(22)のうちの他方が雌型接続部材であることを特徴とする請求項8に記載の内視鏡ハンドルの再利用可能部分。
【請求項10】
請求項7~9のいずれか1項に記載の内視鏡ハンドルの再利用可能部分(20)及び前記内視鏡ハンドルの廃棄可能部分を備えることを特徴とする内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内視鏡の技術分野に属し、内視鏡ハンドルの廃棄可能部分、内視鏡ハンドル及び内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡は少なくとも照明、撮影機能を持つ挿入部を人体の自然な通路又は手術領域に開口した孔に伸び込むことにより人体の体腔環境を探知し、人体の外部に位置するハンドルを操作することにより内視鏡の挿入部の先端に位置する能動湾曲部分の湾曲角度を調整し、それにより所定の方向に偏向させて、人々がより広い可視角度範囲内に観察することに寄与する。
【0003】
また、一般的に内視鏡の挿入部に器具通路が更に設置され、人体の体腔環境の探知又は治療過程において、人体の内部組織の余分な滲出液を吸引する必要があり、滲出液が器具通路を介して体外に導出され、また、器具通路は更に、外部器具例えば生検鉗子を器具通路に沿って体腔に伸び込んで目標標的組織に到達した後、人体組織の一部を挟み取って生検検出を行うためのものである。
【0004】
従って、挿入部は人体に挿入された後、その外部及び内部の器具通路がひどく汚染されてしまい、一般的なやり方は挿入部をハンドル全体とともに廃棄することである。従って、コストが比較的高く、患者は高価な機材費用を支払うことが困難であり、また、上記コストの問題を解決するために、従来技術においてハンドルを廃棄可能部分及び再利用可能部分に分解するが、従来技術における廃棄可能部分と再利用可能部分との突き合わせ接続過程がより複雑で、医者の操作難易度を増加させるとともに、廃棄部分は新たな構造を設計する必要があり、且つ力伝達過程が複雑であるため、製造コストも比較的高い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は内視鏡ハンドルの廃棄可能部分を提供することであり、該内視鏡ハンドルの廃棄可能部分は、
ハンドルの再利用可能部分に取り外し可能に接続される接続部が設置されるハウジングと、
近位端が前記ハウジングの遠位端に取り付けられる挿入部と、
第1牽引糸、第2牽引糸及び第1突き合わせ接続部材を含み、前記第1牽引糸と第2牽引糸が前記挿入部内に収容され、且つ前記第1牽引糸及び第2牽引糸の遠位端が前記挿入部遠位端の能動湾曲部に接続され、前記第1牽引糸及び第2牽引糸の近位端が前記第1突き合わせ接続部材に接続される第1伝動アセンブリと、を備え、
前記ハウジングの近位端の端面に直線型移動経路が形成され、前記直線型移動経路が前記近位端の端面の軸線方向に直交し、前記第1突き合わせ接続部材が前記直線型移動経路に沿って移動できる。
【0006】
好ましくは、前記ハウジングの近位端の端面に前記直線型移動経路に適合する案内溝が開設され、前記第1突き合わせ接続部材が前記案内溝内に摺動可能に取り付けられる。
【0007】
好ましくは、前記案内溝の両端に第1貫通孔及び第2貫通孔がそれぞれ開設され、前記第1牽引糸及び第2牽引糸がそれぞれ前記第1貫通孔及び第2貫通孔内に穿設される。
【0008】
好ましくは、前記案内溝の両端にそれぞれ第1案内機構及び第2案内機構が更に設置され、前記第1牽引糸及び第2牽引糸がそれぞれ前記第1案内機構及び第2案内機構に周設され、且つそれぞれ前記第1貫通孔及び第2貫通孔内に穿設される。
【0009】
好ましくは、前記ハウジングの近位端に密封ハウジングが取り外し可能に設置され、前記密封ハウジングには前記案内溝の形状に適合し且つ対応する収容溝が開設され、前記密封ハウジングが軸線方向に沿って前記第1突き合わせ接続部材に当接される。
【0010】
好ましくは、前記案内溝の幅が前記収容溝の幅よりも小さい。
【0011】
本発明は内視鏡ハンドルを更に提供し、上記内視鏡ハンドルは内視鏡ハンドルの廃棄可能部分及び内視鏡ハンドルの再利用可能部分を備え、前記内視鏡ハンドルの廃棄可能部分が前記再利用可能部分に取り外し可能に接続される。
【0012】
好ましくは、前記再利用可能部分の遠位端に前記第1突き合わせ接続部材に突き合わせ接続可能に係合されるための第2突き合わせ接続部材が設置され、前記第1突き合わせ接続部材が前記第2突き合わせ接続部材に取り外し可能に接続される。
【0013】
好ましくは、前記第1突き合わせ接続部材及び前記第2突き合わせ接続部材のうちの一方が雄型接続部材であり、前記第1突き合わせ接続部材及び前記第2突き合わせ接続部材のうちの他方が雌型接続部材である。
【0014】
本発明は内視鏡を更に提供し、上記内視鏡ハンドルの再利用可能部分及び内視鏡ハンドルの廃棄可能部分を備える。
有益な効果は以下のとおりである。
【発明の効果】
【0015】
第1として、本発明では、操作者は突き合わせ接続過程においてハンドルの再利用可能部分を本発明における1つの力伝達部材即ち第1突き合わせ接続部材に突き合わせ接続する必要があるだけである。従って、突き合わせ接続中に1つの力伝達部材を突き合わせ接続する必要があるだけであり、それにより再利用可能部分と廃棄可能部分との突き合わせ接続中の操作難易度を低減する。
第2として、本発明では、本発明の廃棄可能部分に第1突き合わせ接続部材を設置することによりハウジングの近位端の端面に形成される直線型移動経路に沿って移動させる。従って、ハウジング内の軸方向空間を占有することがないとともに、第1突き合わせ接続部材がそれぞれ第1牽引糸及び第2牽引糸の近位端に接続されることにより閉じられた力伝達回路を形成する。従って、従来技術における複滑車などの構造を追加して安定化させる必要がなく、それにより従来技術を基に大量の部品を節約し、且つ本発明の廃棄可能部分は構造が簡単で、第1伝動アセンブリがハウジングの近位端の端面に位置する。従って、ハウジング内の占有空間が小さく、廃棄可能部分のハウジングの寸法を縮小するために条件を提供し、且つ使用される部品が少ないため、本発明はより低い生産加工コストを有するとともに、より高い組立効率を有し、生産能力の向上に寄与するとともに、患者の経済負担も軽減する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下に本発明の実施例又は従来技術の記述に必要な図面を簡単に説明するが、明らかに、以下に記載する図面は単に本発明の実施例の一例であって、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、更にこれらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【
図1】本発明の実施例に係る内視鏡ハンドルのA箇所を部分拡大した廃棄可能部分及び再利用可能部分の構造模式図である。
【
図2】本発明の実施例に係る内視鏡ハンドルのB箇所を部分拡大した廃棄可能部分の分解構造の内部模式図である。
【
図3】本発明の実施例に係る内視鏡ハンドルのC箇所を部分拡大した廃棄可能部分の分解構造の内部模式図である。
【
図4】本発明の実施例に係る内視鏡ハンドルのD箇所を部分拡大した廃棄可能部分の部分断面模式図である。
【
図5】本発明の実施例に係る内視鏡ハンドルのF箇所の部分拡大模式図である。
【
図6】本発明の実施例に係る内視鏡ハンドルのG箇所の部分拡大模式図である。
【
図7】本発明の実施例に係る内視鏡ハンドルの再利用可能部分の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の異なる特徴を実施するために、以下の説明において多くの異なる実施例又は例を提供する。以下の特定例において説明される素子及び配列方式は単に本発明を簡単に説明するためのものであって、例とされるものであり、本発明を制限するためのものではない。
【0018】
本発明の実施形態の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下に本発明の実施形態の図面を参照しながら、本発明の実施形態の技術案を明確且つ完全に説明し、当然ながら、説明される実施形態は本発明の実施形態の一部であり、実施形態の全部ではない。本発明の実施形態に基づいて、当業者が進歩性のある労働を必要とせずに取得する他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属する。従って、以下の図面において提供される本発明の実施形態の詳細な説明は特許請求する本発明の範囲を制限するように意図されるのではなく、本発明の選定された実施形態を示すだけである。本発明の実施形態に基づいて、当業者が進歩性のある労働を必要とせずに取得する他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0019】
本発明において、特に明確に規定及び限定しない限り、用語「取付」、「連結」、「接続」、「固定」などは広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、取り外し可能な接続、又は一体であってもよく、機械的接続、電気的接続であってもよく、直接連結、中間素子による間接連結、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。また、用語「第1」、「第2」、「第3」などは説明を区分するためのものであって、相対重要性を指示又は暗示するものと理解されるべきではない。
【0020】
本発明では、特に明確に規定及び限定しない限り、第1特徴が第2特徴の上又は下にあることは第1及び第2特徴が直接接触することを含んでもよく、第1及び第2特徴が直接接触せずにそれらの別の特徴により接触することを含んでもよい。且つ、第1特徴が第2特徴の上、上方及び上面にあることは第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上にあることを含み、又は第1特徴の水平高さが第2特徴よりも高いことを示すだけである。第1特徴が第2特徴の下、下方及び下面にあることは第1特徴が第2特徴の真下及び斜め下にあることを含み、又は第1特徴の水平高さが第2特徴よりも小さいことを示すだけである。
【0021】
また、本発明では、「近位端」と「遠位端」は本構造を使用環境において人体に対して操作する遠近位置であり、部材間の位置関係を説明しやすくするとともに、理解しやすくするためのものであり、同じ部材の場合、「近位端」と「遠位端」が該部材の相対位置関係であり、絶対的なものではなく、従って、本発明の本質から逸脱せずに、本発明を実現する原理に基づいて理解すべきである。
【0022】
図1に併せて参照されるように、本発明は内視鏡ハンドルの廃棄可能部分10を提供し、ハウジング100、挿入部11及び第1伝動アセンブリを備え、
前記ハウジング100は、ハンドルの再利用可能部分20に取り外し可能に接続される接続部が設置され、
具体的に、接続部は係着領域又は係着部材を設置することによりハンドルの再利用可能部分20に接続され、又は接続部と再利用可能部分20とを突き合わせ接続してから接続部材により廃棄可能部分10と再利用可能部分20とを接続し、該接続部材がねじ込みカラーであってもよい。
【0023】
前記挿入部11は、近位端が前記ハウジング100の遠位端に取り付けられ、遠位端に能動湾曲部12が設置され、能動湾曲部12の湾曲により人体の内部環境の異なる角度からの覗き込みを実現する。
【0024】
図2に併せて参照されるように、前記第1伝動アセンブリは、第1牽引糸101、第2牽引糸102及び第1突き合わせ接続部材14を含み、前記第1牽引糸101と第2牽引糸102が前記挿入部11内に収容され、且つ前記第1牽引糸101及び第2牽引糸102の遠位端が前記挿入部11の遠位端の能動湾曲部12に接続され、第1牽引糸101と第2牽引糸102が互いに逆の方向に同期して移動することにより能動湾曲部12の所定方向への偏向湾曲を実現し、
図1に示される。
【0025】
図2及び
図3に併せて参照されるように、本発明の内視鏡ハンドルの廃棄可能部分10において、前記第1牽引糸101及び第2牽引糸102の近位端が前記第1突き合わせ接続部材14に接続され、且つ前記ハウジング100の近位端の端面に直線型移動経路が形成され、前記直線型移動経路が前記近位端の端面の軸線方向に直交し、前記第1突き合わせ接続部材14が前記直線型移動経路に沿って移動できる。なお、第1牽引糸101及び第2牽引糸102、並びにそれらに接続される第1突き合わせ接続部材14が閉じられた力伝達回路を形成する。従って、第1突き合わせ接続部材14が直線型移動経路に沿って強制的に正方向に移動するとき、第1突き合わせ接続部材14が第1牽引糸101を引っ張って同期して移動させ、更に第2牽引糸102が同じ方向へ同期して移動するように動かし続け、それとは逆に、第1突き合わせ接続部材14が直線型移動経路に沿って強制的に逆方向に移動するとき、第1突き合わせ接続部材14が第2牽引糸102を引っ張って同期して移動させ、更に第1牽引糸101が同じ方向へ同期して移動するように動かし続ける。
【0026】
なお、前記直線型移動経路は構造例えば以下の実施形態により実現されてもよい。
前記ハウジング100の近位端の端面に前記直線型移動経路に適合する案内溝13が開設され、前記第1突き合わせ接続部材14が前記案内溝13内に摺動可能に取り付けられる。従って、案内溝13の形状は第1突き合わせ接続部材14が案内溝13内を摺動する経路を制限しており、具体的に、該案内溝13の形状は直溝であってもよく、円弧状溝又は他のタイプであってもよく、ここで具体的に限定せず、案内溝13の設置目的は第1突き合わせ接続部材14が直線型移動経路に沿って摺動しやすい軌跡を形成することであり、それと同時に第1突き合わせ接続部材14の取付も容易にする。更に、前記案内溝13の両端に第1貫通孔131及び第2貫通孔132がそれぞれ開設され、前記第1牽引糸101及び第2牽引糸102がそれぞれ前記第1貫通孔131及び第2貫通孔132内に穿設される。
【0027】
従来の構造に比べて、本発明は第1突き合わせ接続部材14を設置することによりハウジング100の近位端の端面に形成される直線型移動経路に沿って移動し、それにより内視鏡ハンドルの再利用可能部分20の駆動力を伝達し、その利点は以下のとおりである。
【0028】
第1として、操作者は突き合わせ接続過程においてハンドルの再利用可能部分20を本発明における1つの力伝達部材即ち第1突き合わせ接続部材14に突き合わせ接続する必要があるだけである。従って、突き合わせ接続中に1つの力伝達部材を突き合わせ接続する必要があるだけであり、且つ、第1突き合わせ接続部材14が強制的に移動するとき、直接に第1牽引糸101と第2牽引糸102が移動するように同期して動かす。従って、第1牽引糸101と第2牽引糸102がより高い同期移動効果を有するようにし、それにより再利用可能部分20と廃棄可能部分10との突き合わせ接続中の操作難易度を低減する。なお、従来技術において突き合わせ接続すべき力伝達部材が少なくとも2つあり、一般的に2本のプッシュロッドであり、これ以外に信号伝送のための信号コネクタ例えばType-Cコネクタを突き合わせ接続する必要もある。従って、廃棄可能部分10と再利用可能部分20との突き合わせ接続箇所がより多い場合、直接に突き合わせ接続の難易度係数の増加を引き起こし、且つ操作過程において不適切な付勢に起因してType-Cコネクタが損傷されやすく、このため、本発明では1つの力伝達部材を突き合わせ接続すればよく、突き合わせ接続の難易度を低減する。
【0029】
第2として、発明者が研究過程にわたって発見したことは、従来のハンドルの廃棄可能部分において、基本的に廃棄可能部分内のロッド本体及び再利用可能部分内のロッド本体により軸線方向に沿って突き合わせ接続する。従って、該突き合わせ接続過程が必ず2本のロッドの突き合わせ接続箇所に関わるため、突き合わせ接続の難易度を増加させてしまい、且つ、ロッド本体が軸線方向に沿って移動するとき、必ず廃棄可能部分の内部空間を占有するため、設計時にロッド本体の移動のために所定長さの空間を予備する必要があり、また、ロッド本体の安定化を実現するために、一般的に廃棄可能部分に複滑車構造が設置され、それによりロッド本体を引張安定状態にするが、このために追加した複滑車などの安定構造が必ず廃棄可能部分のハウジング100の内部空間を占有する必要がある。このため、金型製造及び離型プロセスの難易度を増加させてしまい、且つ追加したこの複滑車及びロッド本体により従来技術における廃棄可能部分全体の製造コストが本発明における廃棄可能部分10の製造コストよりも遥かに高くなり、これは内視鏡を使用する必要がある患者に大きな抵抗及び障害をもたらしてしまう。上記発明者が発見した技術的問題に対して設計した本発明は、本発明の廃棄可能部分10に第1突き合わせ接続部材14を設置することによりハウジング100の近位端の端面に形成される直線型移動経路に沿って移動させる。従って、ハウジング100内の軸方向空間を占有することがないとともに、第1突き合わせ接続部材14がそれぞれ第1牽引糸101及び第2牽引糸102の近位端に接続されることにより閉じられた力伝達回路を形成する。従って、従来技術における複滑車などの構造を追加して安定化させる必要がなく、それにより従来技術を基に大量の部品を節約し、且つ本発明の廃棄可能部分10は構造が簡単で、第1伝動アセンブリがハウジング100の近位端の端面に位置する。従って、ハウジング100内の占有空間が小さく、廃棄可能部分10のハウジング100の寸法を縮小するために条件を提供し、且つ使用される部品が少ないため、本発明はより低い生産加工コストを有するとともに、より高い組立効率を有し、生産能力の向上に寄与するとともに、患者の経済負担も軽減する。
【0030】
第1牽引糸101及び第2牽引糸102が第1貫通孔131及び第2貫通孔132を通ってから第1貫通孔131及び第2貫通孔132の壁面と直接摩擦する摩擦力を低減するために、本発明では、好ましくは、前記案内溝13の両端にそれぞれ第1案内機構151及び第2案内機構152が更に設置され、前記第1牽引糸101及び第2牽引糸102がそれぞれ前記第1案内機構151及び第2案内機構152に周設され、且つそれぞれ前記第1貫通孔131及び第2貫通孔132内に穿設される。具体的に、上記第1案内機構151と第2案内機構152はローラ構造であってもよく、そのロール軸が案内溝13の側壁に取り付けられ、第1牽引糸101及び第2牽引糸102が第1貫通孔131及び第2貫通孔132に貫入する前に前記第1案内機構151及び第2案内機構152に周設されるのであり、第1牽引糸101及び第2牽引糸102の力伝達方向を変える一方、第1牽引糸101及び第2牽引糸102を第1貫通孔131及び第2貫通孔132に貫入させるだけであり、第1牽引糸101及び第2牽引糸102のそれぞれと第1貫通孔131及び第2貫通孔132との摩擦力を低減する。当然ながら、他の実施例では、第1案内機構151と第2案内機構152は滑らかな円弧状面又はロッド本体であってもよく、その目的は第1牽引糸101及び第2牽引糸102と第1案内機構151及び第2案内機構152との摩擦力を低減することであり、また、案内作用を果たすことができる。ロッド本体により案内を行い及び摩擦を低減する場合、ロッド本体がハウジング100の近位端の端部に開設される径方向における取付孔150から挿入されて案内溝13内に固定され、第1牽引糸101及び第2牽引糸102がそれぞれロッド本体を巻き付いてから第1貫通孔131及び第2貫通孔132内に穿設されるようにする。
【0031】
更に、前記ハウジング100の近位端に密封ハウジング110が取り外し可能に設置され、前記密封ハウジング110には前記案内溝13の形状に適合し且つ対応する収容溝111が開設され、前記密封ハウジング110が軸線方向に沿って前記第1突き合わせ接続部材14に当接される。具体的に、密封ハウジング110に固定孔112が開設され、廃棄可能部分の近位端の端面に固定部103が設置され、ボルトにより密封ハウジング110を廃棄可能部分の近位端の端面に設置される固定部103に取り付ける。なお、密封ハウジング110の設置は第1突き合わせ接続部材14を上記廃棄可能部分10の軸線方向に沿って固定してその離脱を防止することに寄与する。従って、好適な実施例では、第1突き合わせ接続部材14はスライドブロック141及び突き合わせ接続ロッド142を含み、
図4に併せて参照されるように、前記突き合わせ接続ロッド142はスライドブロック141の軸線方向に沿って廃棄可能部分10の近位端まで延出し、且つ密封ハウジング110上の収容溝111から延出し、この実施例では、案内溝13の幅がスライドブロック141の幅に適合し、スライドブロック141が案内溝13の幅方向に沿って移動することを防止し、また、収容溝111の幅bが前記案内溝13の幅aよりも小さく、それにより密封ハウジング110がハウジング100の近位端に被せられた後、密封ハウジング110が第1突き合わせ接続部材14側の側壁に向かって軸線方向に沿ってスライドブロック141の近位端の壁面に当接されるようにする。従って、第1突き合わせ接続部材14が廃棄可能部分10の軸線方向に沿って離脱することを防止することができ、第1突き合わせ接続部材14のハウジング100における安定性を向上させ、案内溝13の方向に沿って移動できるだけである。なお、本発明では、第1突き合わせ接続部材14はスライドブロック141のみを含んでもよく、該スライドブロック141が雌型接続部材であり、ハンドルの再利用可能部分20にはそれに係合されるための雄型接続部材が設置され、それにより係合接続を実現する。
【0032】
また、本発明では、廃棄可能部分10の能動湾曲部分の4つの方向例えば
図5、6に示されるF1、F2、F3及びF4の4つの方向における湾曲を実現するために、廃棄可能部分10の近位端に2セットの前記第1伝動アセンブリを設置し、且つ前記ハウジング100の近位端の端面に2セットの直線型移動経路を形成し、2セットの第1突き合わせ接続部材14がそれぞれ形成された2セットの直線型移動経路を移動する。具体的に、廃棄可能部分10の近位端に2つの案内溝13が開設され、2つの案内溝13が互いに独立して設置され、且つハンドルの再利用可能部分20に2セットの第2突き合わせ接続部材22が対応して設置され、且つ2セットの第2突き合わせ接続部材22が互いに独立して駆動されてもよく、それにより能動湾曲部分の4つの方向における湾曲を実現する。
【0033】
上記内視鏡ハンドルの廃棄可能部分10によれば、本発明は内視鏡ハンドルを更に提供し、上記内視鏡ハンドルの廃棄可能部分10が前記ハンドルの再利用可能部分20に取り外し可能に取り付けられる。
【0034】
具体的に、前記内視鏡ハンドルの再利用可能部分20については、
前記再利用可能部分20の遠位端に前記第1突き合わせ接続部材14に突き合わせ接続可能に係合されるための第2突き合わせ接続部材22が設置され、前記第1突き合わせ接続部材14が前記第2突き合わせ接続部材22に取り外し可能に接続される。
【0035】
好ましくは、前記第1突き合わせ接続部材14及び前記第2突き合わせ接続部材22のうちの一方が雄型接続部材であり、前記第1突き合わせ接続部材14及び前記第2突き合わせ接続部材22のうちの他方が雌型接続部材である。更に、再利用可能部分20の遠位端に廃棄可能部分10の直線型移動経路に適合する別の直線型移動経路が設置され、具体的に、再利用可能部分20の遠位端に第2案内溝13が設置され、第2突き合わせ接続部材22は第2案内溝13内に取り付けられ、且つ第2案内溝13に沿って摺動する。
【0036】
図7に示すように、上記廃棄可能部分10における第1突き合わせ接続部材14の一実施例に対応して、第2突き合わせ接続部材22が雌型接続部材であり、第2突き合わせ接続部材22の中心には上記廃棄可能部分10における突き合わせ接続ロッド142が係合して接続される突き合わせ接続孔220が開設される。これにより、廃棄可能部分10と再利用可能部分20とを突き合わせ接続してから第2突き合わせ接続部材22により第1突き合わせ接続部材14を駆動して移動させ、それにより廃棄可能部分10における能動湾曲部分が所定の方向に沿って湾曲することを実現する。
【0037】
第2突き合わせ接続部材22を駆動する駆動力は再利用可能部分ハウジング200に位置するレバー21、又はサムホイール、又は他の駆動部材からのものである。
【0038】
本発明は内視鏡を更に提供し、上記内視鏡ハンドルの再利用可能部分20及び内視鏡ハンドルの廃棄可能部分10を備える。
【0039】
以上の説明は単に本発明の好適な実施例であり、本発明を制限するためのものではなく、本発明の主旨及び原則内に行われたいかなる修正、等価置換及び改良などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0040】
10 廃棄可能部分
101 第1牽引糸
102 第2牽引糸
103 固定部
100 ハウジング
110 密封ハウジング
111 収容溝
112 固定孔
11 挿入部
12 能動湾曲部
13 案内溝
131 第1貫通孔
132 第2貫通孔
14 第1突き合わせ接続部材
141 スライドブロック
142 突き合わせ接続ロッド
151 第1案内機構
152 第2案内機構
150 取付孔
20 再利用可能部分
21 レバー
200 再利用可能部分ハウジング
22 第2突き合わせ接続部材
220 突き合わせ接続孔
【手続補正書】
【提出日】2024-03-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡ハンドルの廃棄可能部分であって、
ハンドルの再利用可能部分(20)に取り外し可能に接続される接続部が設置されるハウジング(100)と、
近位端が前記ハウジング(100)の遠位端に取り付けられる挿入部(11)と、
第1牽引糸(101)、第2牽引糸(102)及び第1突き合わせ接続部材(14)を含み、前記第1牽引糸(101)と第2牽引糸(102)が前記挿入部(11)内に収容され、且つ前記第1牽引糸(101)及び第2牽引糸(102)の遠位端が前記挿入部(11)の遠位端の能動湾曲部(12)に接続され、前記第1牽引糸(101)及び第2牽引糸(102)の近位端が前記第1突き合わせ接続部材(14)に接続される第1伝動アセンブリと、を備え、
前記ハウジング(100)の近位端の端面に直線型移動経路が形成され、前記直線型移動経路が前記近位端の端面の軸線方向に直交し、前記第1突き合わせ接続部材(14)が前記直線型移動経路に沿って移動できることを特徴とする内視鏡ハンドルの廃棄可能部分。
【請求項2】
前記ハウジング(100)の近位端の端面に前記直線型移動経路に適合する案内溝(13)が開設され、前記第1突き合わせ接続部材(14)が前記案内溝(13)内に摺動可能に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡ハンドルの廃棄可能部分。
【請求項3】
前記案内溝(13)の両端に第1貫通孔(131)及び第2貫通孔(132)がそれぞれ開設され、前記第1牽引糸(101)及び第2牽引糸(102)がそれぞれ前記第1貫通孔(131)及び第2貫通孔(132)内に穿設されることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡ハンドルの廃棄可能部分。
【請求項4】
前記案内溝(13)の両端にそれぞれ第1案内機構(151)及び第2案内機構(152)が更に設置され、前記第1牽引糸(101)及び第2牽引糸(102)がそれぞれ前記第1案内機構(151)及び第2案内機構(152)に周設され、且つそれぞれ前記第1貫通孔(131)及び第2貫通孔(132)内に穿設されることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡ハンドルの廃棄可能部分。
【請求項5】
前記ハウジング(100)の近位端に密封ハウジング(110)が取り外し可能に設置され、前記密封ハウジング(110)には前記案内溝(13)の形状に適合し且つ対応する収容溝(111)が開設され、前記密封ハウジング(110)が軸線方向に沿って前記第1突き合わせ接続部材(14)に当接されることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡ハンドルの廃棄可能部分。
【請求項6】
前記案内溝(13)の幅が前記収容溝(111)の幅よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載の内視鏡ハンドルの廃棄可能部分。
【請求項7】
内視鏡ハンドルであって、
請求項1~6のいずれか1項に記載の内視鏡ハンドルの廃棄可能部分及び内視鏡ハンドルの再利用可能部分(20)を備え、前記内視鏡ハンドルの廃棄可能部分が前記再利用可能部分(20)に取り外し可能に接続されることを特徴とする内視鏡ハンドル。
【請求項8】
前記再利用可能部分(20)の遠位端に前記第1突き合わせ接続部材(14)に突き合わせ接続可能に係合されるための第2突き合わせ接続部材(22)が設置され、前記第1突き合わせ接続部材(14)が前記第2突き合わせ接続部材(22)に取り外し可能に接続されることを特徴とする請求項7に記載の内視鏡ハンドル。
【請求項9】
前記第1突き合わせ接続部材(14)及び前記第2突き合わせ接続部材(22)のうちの一方が雄型接続部材であり、前記第1突き合わせ接続部材(14)及び前記第2突き合わせ接続部材(22)のうちの他方が雌型接続部材であることを特徴とする請求項8に記載の内視鏡ハンドルの再利用可能部分。
【請求項10】
請求項
7に記載の内視鏡ハンドルの再利用可能部分(20)及び前記内視鏡ハンドルの廃棄可能部分を備えることを特徴とする内視鏡。
【国際調査報告】