(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】穀物播種装置
(51)【国際特許分類】
A01C 7/12 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
A01C7/12 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516347
(86)(22)【出願日】2022-03-07
(85)【翻訳文提出日】2024-05-08
(86)【国際出願番号】 IB2022051982
(87)【国際公開番号】W WO2023041990
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】202141041951
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522431656
【氏名又は名称】アシュリン, アントニー
【氏名又は名称原語表記】ASHLYN, Antony
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】ナラヤンクティ, プラモッド
【テーマコード(参考)】
2B054
【Fターム(参考)】
2B054AA03
2B054AA14
2B054BA01
2B054BB01
2B054CA04
2B054DB04
2B054DB06
2B054DD07
2B054DD21
2B054DD29
2B054DE05
(57)【要約】
本開示は、種子植付装置に関し、穀物播種装置(100)を想定する。穀物播種装置(100)は、フレーム(102)に据え付けられた少なくとも1つの穀物播種ユニット(104)を備える。穀物播種ユニット(104)と、容器(108)と、ハウジング(106)に配置された分配機構(110)と、駆動シャフト(116)と、出口マニホールド(118)とを備える。分配機構(110)は、内側ドラム(112)およびドラムカバー(114)を含む。内側ドラム(112)には、第1の複数のスリット(113)が構成されている。ドラムカバー(114)には、第2の複数のスロット(115)が構成されている。内側ドラム(112)およびドラムカバー(114)を回転させて、スロット(115)を通して種子を出口マニホールド(118)に分配する。駆動シャフト(116)は、内側ドラム(112)およびドラムカバー(114)を回転させるために穀物分配機構(110)をPTOシャフトと連結する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀物播種装置(100)であって、前記穀物播種装置(100)は、
・フレーム(102)、
・前記フレーム(102)に据え付けられた少なくとも1つの穀物播種ユニット(104)であって、前記穀物播種ユニット(104)は、
○穀物容器(108)、
○前記穀物容器(108)に取り付けられたハウジング(106)、
○前記ハウジング(106)に配置された穀物分配機構(110)であって、前記穀物分配機構(110)は、前記穀物容器(108)と連通するように構成され、前記穀物分配機構(110)は、ドラムカバー(114)に収容された内側ドラム(112)を含み、前記内側ドラム(112)は、中に種子を受け入れるために上に構成された第1の複数のスリット(113)を有し、前記ドラムカバー(114)は、上に構成された第2の複数のスロット(115)を有し、前記内側ドラム(112)および前記ドラムカバー(114)の少なくとも1つは、回転されて前記スリット(113)と前記スロット(115)が整列するのを容易にし、通りながら種子を分配することを可能にするように構成される、穀物分配機構(110)、
○前記穀物分配機構(110)に結合された駆動シャフト(116)であって、前記駆動シャフト(116)は、原動機に接続され、前記原動機によって駆動されて前記内側ドラム(112)と前記外側ドラム(114)との間の相対的な回転を容易にするように構成される、駆動シャフト(116)、および
○前記穀物分配機構(110)によって分配された前記種子が通って落下することを可能にするための、前記ドラムカバー(114)と連通する出口マニホールド(118)を備える、穀物播種ユニット(104)、
を備える、穀物播種装置(100)。
【請求項2】
前記ドラムカバー(114)は、前記容器(108)からの種子の落下方向とは反対の方向に前記内側ドラム(112)に対して回転するように構成されている、請求項1に記載の穀物播種装置(100)。
【請求項3】
前記フレーム(102)は、動力取出シャフトが設けられた原動機を有する自走式機械による前記装置(100)の取り付けを容易にするように構成される、請求項1に記載の穀物播種装置(100)。
【請求項4】
前記原動機が携帯型内燃機関または電気機械である、請求項3に記載の穀物播種装置(100)。
【請求項5】
前記駆動シャフト(116)は、前記穀物分配機構(110)の前記内側ドラム(112)と前記ドラムカバー(114)との間の相対的な回転を容易にするために前記動力取出シャフトに結合されるように構成される、請求項3に記載の穀物播種装置(100)。
【請求項6】
前記出口マニホールド(118)は、前記植付領域に形成された丘の上を移動して、前記丘へ前記種子を落下するのを容易にするように構成されている、請求項1に記載の穀物播種装置(100)。
【請求項7】
前記穀物容器(108)から前記穀物分配機構(110)へ種子が通過するのを可能にするために、前記穀物容器(108)と前記穀物分配機構(110)との間にチャネル(122)が設けられる、請求項1に記載の穀物播種装置(100)。
【請求項8】
前記ドラムカバー(114)の各スロット(115)は、前記スロット(115)の比較的狭い動作可能な第2の端部(115B)に向かって先細になる広い動作可能な第1の端部(115A)を有する弓形構成によって画定される、請求項1に記載の穀物播種装置(100)。
【請求項9】
前記第1の複数のスリット(113)のサイズは、前記第2の複数のスロット(115)のサイズよりも相対的に大きい、請求項1に記載の穀物播種装置(100)。
【請求項10】
前記スリットの構成が、小判形、ダイヤモンド形、円形、卵形、および涙滴形からなる群から選択される、請求項9に記載の穀物播種装置。
【請求項11】
前記内側ドラム(112)は、前記スロットを通る所望の長さの種子の分配を容易にするために前記スロット(115)の寸法を変えるために、前記ドラムカバー(114)に対して所定の方向に回転されるように構成されている、請求項8に記載の穀物播種装置(100)。
【請求項12】
前記原動機の回転速度は、前記穀物の各落下間の距離を変化させるように変更されるように構成される、請求項1に記載の穀物播種装置(100)。
【請求項13】
前記穀物分配機構(110)は、前記穀物分配機構(110)を前記穀物播種ユニット(104)に固定するためのロック機構を含み、前記ロック機構は、前記内側ドラム(112)に嵌合されるように構成され、前記播種ユニット(104)の動作可能な内面に据え付けられた外側プレート(126)に取り付けられるようにさらに構成されたロックプレート(124)を有する、請求項1に記載の穀物播種装置(100)。
【請求項14】
前記内側ドラム(112)、前記ドラムカバー(114)、および前記ロックプレート(124)は、前記駆動シャフト(116)の通過を可能にするようにそれらの中心に構成されたボアを有する、請求項1に記載の穀物播種装置(100)。
【請求項15】
前記ドラムカバー(114)の弓形部分に隣接して設けられたラッピング機構(127)を含み、前記ラッピング機構(127)は、複数のローラ(128)と、前記ローラ(128)の上に配置され、前記種子が不用意に落下するのを防止するために前記ドラムカバー(114)の一部の周りを包み込むように構成されたコンベヤベルト(129)とを含む、請求項1に記載の穀物播種装置(100)。
【請求項16】
前記ドラムカバー(114)に回転可能に当接するように構成された剛毛ブラシ(132)を含み、前記ブラシ(132)は、中の前記スロット(115)を通って出てくる余剰穀物を押し出し、前記ドラムカバー(114)から余剰の種子を拭き取るように構成される、請求項1に記載の穀物播種装置(100)。
【請求項17】
前記穀物播種装置(100)は、複数の穀物播種ユニット(104)を有し、前記フレーム(102)は、複数の穀物播種ユニット(104)を支持するように構成され、前記穀物播種ユニット(104)は、前記フレームに嵌め込まれて、所定の距離で等間隔に配置された穀物播種ユニット(104)の列を画定し、前記所定の距離は、分配される種子間での所望する行間の距離に対応する、請求項1に記載の穀物播種装置(100)。
【請求項18】
複数の突起(120)が、前記播種デバイスが植付領域に沿って移動するときの丘および谷の形成を容易にするために、前記フレーム(102)の操作底部に構成される、請求項17に記載の穀物播種装置(100)のアセンブリ。
【請求項19】
前記突起(120)が、前記フレーム(102)の長さに沿って前記穀物播種ユニット(104)の間に散在している、請求項17に記載の穀物播種装置(100)のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、農業用装置の分野に関し、より具体的には種子植付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の本発明の背景情報は、本開示に関連するが、必ずしも従来技術ではない。
【0003】
通常、穀物や穀類、特にイネは、苗を移植したり、種子を散布したりして栽培される。苗を移植することは、播種デバイスの助けを借りてまたは手動で、特定の日数後に苗マットを作製して移植することを含むため、多大な労力を伴う。直接播種は、繰り返しの水たまりおよびその後の土壌劣化を回避するので、比較的有利である。さらに、少なくとも35~40%の水が節約され、それによって製造コストが削減される。さらに、エネルギー、燃料、労働不足、苦役、および種子がまた節約される。
【0004】
直接播種は、通常、播種ドリルまたは精密空気圧シーダの助けを借りて行われる。しかしながら、播種ドリルは、種子の喪失を回避するには非常に熟練した労働を必要とする。一方、精密空気圧シーダは、効率的な播種のために種子の形状を均一にする必要があるため、イネの種子、特に発芽した種子の播種には実用的ではない。さらに、発芽した種子を損傷なく取り扱うことは困難であるため、発芽した種子を播種することは、困難な作業である。従来の播種デバイス(上述)は、発芽した種子を処理するのに不十分であり、ほとんどの場合、種子を分配する間に種子を損傷することになり、それによって播種の全動作が無駄になる。さらに、ほとんどの播種デバイスは手動で操作される。さらに、従来の播種デバイスは、雑草を大幅に減らし、収量を増加させるために、圃場に丘および谷を系統立てて作り出すのに役立つ別のデバイスを必要とする。その結果、種子の植付に要する時間および労力が大幅に増大する。逆に、乾燥種子の散布は、発芽した種子を使用することができず、したがって、種子が成長する可能性を妨げる。
【0005】
したがって、前述の欠点を軽減する播種装置の必要性が感じられる。
目的
【0006】
本明細書における少なくとも1つの実施形態が満たす本開示の目的のいくつかは、以下の通りである。
【0007】
本開示の目的は、穀物播種装置を提供することである。
【0008】
本開示の他の目的は、発芽した種子を容易に取り扱うことができる穀物播種装置を提供することである。
【0009】
本開示のさらに別の目的は、圃場に丘および谷を作ることができ、それによって丘および谷を作るのに必要な時間、コストおよび労力を節約することができる穀物播種装置を提供することである。
【0010】
本開示のさらに別の目的は、いずれかの様々な長さの種子を分配することができる穀物播種装置を提供することである。
【0011】
本開示の別の目的は、繰り返される水溜まりおよびその後の土壌劣化を回避する穀物播種装置を提供することである。
【0012】
本開示のさらに別の目的は、水、生産コスト、エネルギー、燃料、労働不足、苦役、および種子を節約する穀物播種装置を提供することである。
【0013】
本開示のさらに別の目的は、苗の散布に熟練した労働を必要としない穀物播種装置を提供することである。
【0014】
本開示の他の目的および利点は、以下の説明からより明らかになるであろう。それは、本開示の範囲を限定することを意図したものではない。
【発明の概要】
【0015】
本開示は、穀物播種装置を想定している。穀物播種装置は、フレームと、フレームに据え付けられた少なくとも1つの穀物播種ユニットとを備える。穀物播種ユニットは、穀物容器と、穀物容器に取り付けられたハウジングと、ハウジングに配置された穀物分配機構と、穀物分配機構に結合された駆動シャフトとを備える。穀物分配機構は、穀物容器と連通するように構成される。穀物分配機構は、ドラムカバーに収容された内側ドラムを含む。内側ドラムは、中に種子を受け入れるように構成された第1の複数のスリットを有する。ドラムカバーは、その上に構成された第2の複数のスロットを有する。駆動シャフトは、内側ドラムと外側ドラムとの間の相対的な回転を容易にするために、原動機に接続され、原動機によって駆動されるように構成される。内側ドラムおよびドラムカバーの少なくとも1つは、スリットとスロットが整列するのを容易にして種子の分配を可能にするために回転されるように構成される。出口マニホールドは、穀物分配機構によって分配された種子が通って落下することを可能にするためにドラムカバーと連通するように構成される。
【0016】
好ましい実施形態では、ドラムカバーは、容器からの種子の落下方向とは反対の方向に内側ドラムに対して回転するように構成される。
【0017】
実施形態では、フレームは、動力取出シャフトが設けられた原動機を有する自走式機械への装置の取り付けを容易にするように構成される。駆動シャフトは、穀物分配機構の内側ドラムとドラムカバーとの間の相対的な回転を容易にするために動力取出シャフトに結合されるように構成される。
【0018】
別の実施形態では、原動機は電気機械である。さらに別の実施形態では、原動機は携帯型内燃機関である。
【0019】
さらに別の実施形態では、出口マニホールドは、植付領域に形成された丘の上を移動して、丘へ種子を落下するのを容易にするように構成される。
【0020】
実施形態では、穀物容器から穀物分配機構へ種子が通過するのを可能にするために、穀物容器と穀物分配機構との間にチャネルが設けられる。
【0021】
別の実施形態では、外側ドラムカバーの各スロットは、スロットの比較的狭い動作可能な第2の端部に向かって先細になる広い動作可能な第1の端部を有する弓形構成によって画定される。
【0022】
さらに別の実施形態では、第1の複数のスリットのサイズは、第2の複数のスロットのサイズよりも相対的に大きい。
【0023】
さらに別の実施形態では、スリットの構成は、小判形、ダイヤモンド形、円形、卵形、および涙滴形からなる群から選択される。
【0024】
実施形態では、内側ドラムは、スロットを通る所望の長さの種子の分配を容易にするためにスロットの寸法を変化させるために、ドラムカバーに対して所定の方向に回転されるように構成される。
【0025】
別の実施形態では、原動機の回転速度は、穀物の各落下間の距離を変化させるように変更されるように構成される。
【0026】
さらに別の実施形態では、穀物分配機構は、穀物分配機構を穀物播種ユニットに固定するためのロック機構を含む。ロック機構は、内側ドラムにおいて嵌合するように構成され、播種ユニットの動作可能な内面に据え付けられた外側プレートに取り付けられるようにさらに構成されたロックプレートを有する。
【0027】
さらに別の実施形態では、内側ドラム、ドラムカバー、およびロックプレートは、それらの中心に、駆動シャフトが通過することを可能にするように構成されたボアを有する。
【0028】
一実施形態では、装置は、ドラムカバーの弓形部分に隣接して設けられたラッピング機構を含む。ラッピング機構は、複数のローラと、ローラの上に配置されたコンベヤベルトとを含み、ドラムカバーの一部を包み込むように構成され、種子が不用意に落下するのを防止する。
【0029】
別の実施形態では、装置は、ドラムカバーに回転可能に当接するように構成された剛毛ブラシを含む。ブラシは、中のスロットを通って出てくる余分な穀物を押し、過剰な種子をドラムカバーから拭き取るように構成される。
【0030】
実施形態では、穀物播種装置は、複数の穀物播種ユニットを有する。フレームは、複数の穀物播種ユニットを支持するように構成される。穀物播種ユニットは、所定の距離だけ等間隔に配置された穀物播種ユニットの列を画定するようにフレームに嵌め込まれる。所定の距離は、分配される種子間での所望する行間の距離に対応する。
【0031】
実施形態では、播種デバイスが植付領域に沿って移動するときの丘および谷の形成を容易にするために、複数の突起がフレームの動作可能な底部に構成される。
【0032】
好ましい実施形態では、突起は、フレームの長さに沿って穀物播種ユニットの間に散在する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
今より、本開示の穀物播種装置について、添付の図面を用いて説明する。
【
図1】フレームに据え付けられた穀物播種装置の等角図を示す。
【
図2】
図1の装置の穀物播種ユニットの等角図を示す。
【
図3A】
図2の穀物播種ユニットの異なる断面図を示す。
【
図3B】
図2の穀物播種ユニットの異なる断面図を示す。
【
図4】
図3の穀物播種ユニットを通る穀物の流れを示す断面図を示す。
【
図5】
図2の穀物播種ユニットの穀物分配機構の分解図を示す。
【
図6】本開示の別の実施形態による装置の固定の適用の等角図を示す。
【
図7】本開示のスリットおよびスロットの例示的なパターンを示す。
【符号の説明】
【0034】
100 穀物播種装置
102 フレーム
104 穀物播種ユニット
106 ハウジング
108 穀物容器
110 穀物分配機構
112 内側ドラム
113 スリット
114 ドラムカバー
115 スロット
115A スロットの動作可能な第1の端部
115B スロットの動作可能な第2の端部
116 駆動シャフト
118 出口マニホールド
120 突起
122 チャネル
124 ロックプレート
125 スペーサ
126 外側プレート
127 ラッピング機構
128 ローラ
129 コンベヤベルト
132 剛毛ブラシ
134 トレイ
136 レール
【発明を実施するための形態】
【0035】
今より、本開示の実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0036】
実施形態は、本開示の範囲を当業者に十分にまた完全に伝えるために提示される。本開示の実施形態の完全な理解をもたらすために、特定の構成要素および方法に関する多数の詳細が記載されている。実施形態で提示される詳細は、本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではないということは、当業者にとって明らかであろう。いくつかの実施形態では、周知のプロセス、周知の装置構造、および周知の技術が詳細には説明されていない。
【0037】
本開示において使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、そのような用語は、本開示の範囲を限定するとみなされるべきではない。本開示で使用される場合、「a」「an」、および「the」の形式は、文脈が明らかにそうでないことを示唆しない限り、複数形も含むことが意図され得る。「comprises(含む)」、「comprising(含む)」、「including(含む)」、および「having(有する)」という用語は、オープンエンドの移行句であり、したがって、記載された特徴、要素、モジュール、ユニット、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を禁止しない。
【0038】
ある要素が別の要素に「据え付け」られていると言及されている場合、それは他の要素に直に接触していても、据え付けられていてもよい。
【0039】
今より、
図1~
図5を参照して、本開示の穀物播種装置100について説明する。穀物播種装置100は、特に発芽した種子の播種に用いられる。
【0040】
穀物播種装置100(以下、「装置100」と呼ぶ)は、動力取出PTOシャフトが設けられた原動機を有する自走式機械に取り付けられるように構成される。実施形態では、播種デバイスは、トラクタ、耕耘機、圃場の直接播種機、またはトレイ播種用途のための固定機構によって引き出される自走式機械である。別の実施形態では、原動機は、電気機械または携帯型内燃機関である。
【0041】
穀物播種装置100は、フレーム102と、フレーム102に据え付けられた少なくとも1つの穀物播種ユニット104とを備える。穀物播種ユニット104は、種子を貯蔵するための穀物容器108と、ハウジング106と、ハウジング106に配置された穀物分配機構110と、出口マニホールド118とを備える。穀物分配機構110は、穀物容器108と連通するように構成される。穀物分配機構110は、ドラムカバー114に収容された内側ドラム112を含む。内側ドラム112は、中に種子を受け入れるように構成された第1の複数のスリット113を有する。ドラムカバー114は、その上に構成された第2の複数のスロット115を有する。内側ドラム112およびドラムカバー114は、スリット113とスロット115が整列するのを容易にして種子の分配を可能にするために回転されるように構成される。出口マニホールド118は、ドラムカバー114と連通するように構成され、種子がそこを通って落下することを可能にするように構成される。
【0042】
好ましい実施形態では、ドラムカバー114は、容器108からの種子の落下方向とは反対の方向に内側ドラム112に対して回転するように構成される。
【0043】
フレーム102は、自走式機械への装置100の取り付けを容易にするように構成される。実施形態では、フレーム102は、自走式機械の動作可能な後端部に据え付けられるように構成される。
【0044】
装置100は、PTOシャフトに結合され、内側ドラム112とドラムカバー114との間の相対的な回転を容易にするために穀物分配機構110に結合される駆動シャフト116を含む。
【0045】
実施形態では、播種デバイスが植付領域に沿って移動するときの丘および谷の形成を容易にするために、複数の突起120がフレーム102の動作可能な底部に構成される。別の実施形態では、装置100は、出口マニホールド118が植付領域に形成された丘の上を移動して丘へ種子を落下するのを容易にするように移動するように構成される。実施形態では、フレーム102に構成された突起120の数は、フレーム102に据え付けられた穀物播種ユニット104の数に対応する。
【0046】
実施形態では、穀物容器108から穀物分配機構110へ種子が通過するのを可能にするために、穀物容器108と穀物分配機構110との間にチャネル122が設けられる。
【0047】
好ましい実施形態では、ドラムカバー114および内側ドラム112は、シリンダを形成するように構成される。実施形態では、ドラムカバー114の各スロット115は、スロットの動作可能な第2の端部に向かって先細になる広い動作可能な第1の端部を有する弓形構成によって画定される。好ましい実施形態では、第1の複数のスリット113は、第2の複数のスロット115のサイズよりも相対的に大きい。別の実施形態では、スリットの構成は、小判形、ダイヤモンド形、円形、卵形、および涙滴の形からなる群から選択され、そのうちのいくつかのみが
図7に示されており、黒い部分は薄くされており、スロット用の座とされる。
【0048】
内側ドラム112は、スロットを通る所望の長さの種子の分配を容易にするためにスロット115の寸法を変化させるために、ドラムカバー114に対して所定の方向に回転されるように構成される。例えば、内側ドラム112のスリット113がドラムカバー114のスロット115と整列するように、内側ドラム112が時計回りの方向に回転される場合、スロット115の寸法は、長い種子を分配することを可能にするように広がる。逆に、内側ドラム112を反時計回りの方向に回転させると、スロット115が狭くなり、スロットを通して短い穀物を分配することが可能になる。スロット115は、ドラムカバー114を時計回りまたは反時計回りのいずれかの方向に20度の所定の角度だけ回転させることによって選択することができる。
【0049】
一実施形態では、内側ドラム112および外側カバー114を比較的長くすることによって、内側ドラム112およびドラムカバー114の幅を単一の出口および複数の出口に対してカスタマイズすることができる。
【0050】
実施形態では、原動機の回転速度は、穀物の各落下間の距離を変化させるように変更されるように構成される。より具体的には、原動機が比較的遅い速度で回転される場合、駆動シャフト116も同じ遅い速度で回転され、それによってドラムカバー114に対して内側ドラム112を遅い速度で回転させる。その結果、種子の各々の落下の距離が短くなる。
【0051】
実施形態では、穀物分配機構110は、穀物分配機構110を穀物播種ユニット104に固定するためのロック機構(
図5に示す)を含む。ロック機構は、内側ドラム112において嵌合するように構成され、播種ユニット104の動作可能な内面に据え付けられた外側プレート126に取り付けられるようにさらに構成されたロックプレート124を含む。ロックプレート124および外側プレート126を内側ドラム112および播種ユニット104に取り付けるために、複数のばねおよび留め具が使用される。
【0052】
一実施形態では、内側ドラム112、ドラムカバー114、およびロックプレート124は、それらの中央部分に、駆動シャフト116が通過することを可能にするように構成されたボアを有する。実施形態では、駆動シャフト116はキー溝シャフトである。
【0053】
実施形態では、装置100は、ドラムカバー114の弓形部分に隣接して設けられたラッピング機構127を含む。ラッピング機構127は、複数のローラ128と、ローラ128上に配置されたコンベヤベルト129とを含み、コンベヤベルト129がドラムカバー114に当接するようにする。ラッピング機構127は、ドラムカバー114の一部を包み込むように構成され、ドラムカバー114のスロット115から種子が不用意に落下するのを防止する。一実施形態では、ローラ128は三角形の構成で配置され、一対のローラ128間のベルト128のセグメントはドラムカバー114に当接する。実施形態では、ベルト128はポリウレタン製である。
【0054】
一実施形態では、装置100は、ドラムカバー114に回転可能に当接するように構成された剛毛ブラシ132を含む。ブラシ132は、ブラシ132が回転すると、スロット115を通って出てくる余分な穀物を中に押し込み、同時に過剰な種子をドラムカバー114から拭き取るように構成される。
【0055】
実施形態では、ハウジング106は金属製のハウジングである。別の実施形態では、ハウジング106は、ポリマーのハウジング106である。
【0056】
本開示の装置100は、様々な種子の形状とは無関係に、イネ(水田の種子)などの発芽した種子を、いかなる損傷もなく播種することを可能にする。スリットは、長い穀物と短い穀物との間の選択を容易にするために、内側ドラム112とドラムカバー114との間の相対的な回転によって選択することができる。装置100は、バスマティ米などのイネの長い穀物の品種を扱うことができる。さらに、いかなる熟練した労働も頼みにしない、除草および水の節約を可能にする装置100によって、容易にされる丘および谷の形成。
【0057】
実施形態では、穀物播種装置100は、
図1に示すように、複数の穀物播種ユニット104を含む。フレームは、複数の穀物播種ユニット104を支持するように構成される。穀物播種ユニット104は、所定の距離だけ等間隔に配置された穀物播種ユニット104の列を画定するようにフレーム102に嵌め込まれる。所定の距離は、分配される種子間での所望する行間の距離に対応する。実施形態では、播種デバイスが植付領域に沿って移動するときの丘および谷の形成を容易にするために、複数の突起120がフレーム102の動作可能な底部に構成される。好ましい実施形態では、突起120は、フレーム102の長さに沿って穀物播種ユニット104の間に散在する。
【0058】
代替的な実施形態による装置100の固定的な適用が
図7に示されており、穀物播種ユニット104は、トレイ134上に据え付けられ、トレイ134はレール136上にスライド可能に据え付けられている。
【0059】
上記の実施形態の説明は、例示を目的として提示されたものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。特定の実施形態の個々の構成要素は、一般に、その特定の実施形態に限定されず、交換可能である。そのような変形は、本開示からの逸脱とみなされるべきではなく、そのようなすべての修正は、本開示の範囲内であるとみなされる。
技術的進歩
【0060】
本明細書で上述した本開示は、穀物播種装置の実現を含むがこれらに限定されないいくつかの技術的利点を有し、これは、
・発芽した種子を容易に取り扱うことができる、
・穀物を移植する際に必要とされる面倒な作業を排除し、土地の準備の作業を低減させる、
・より多い収量のために系統的な行および列の構造での種子の直接的な播種を容易にする、
・播種用途のためのいずれかの自走式機械と共に使用することができる、
・発芽した種子の播種を容易にして、作物の100%の成長を確実にする、
・比較的良好な時間および水の管理を容易にする、
・苦役を防止する、
・圃場に丘と谷を作ることができ、それによって丘と谷を作るのに必要な時間、コスト、および労力を節約することができる、また
・任意の様々な長さの種子を分配することができる。
【0061】
本明細書の実施形態ならびにその様々な特徴および有利な細部が、以下の説明において非限定的な実施形態を参照して説明される。本明細書の実施形態をいたずらに不明瞭にしないように、周知の構成要素および処理技術の説明は省略する。本明細書で使用される例は、本明細書の実施形態が実施され得る方法の理解を容易にすること、および当業者が本明細書の実施形態を実施することをさらに有効にすることのみを意図している。したがって、例は、本明細書の実施形態の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0062】
特定の実施形態の前述の説明は、本明細書の実施形態の一般的な性質を十分に明示するので、他者は、現在の知識を適用することにより、一般的な概念から逸脱することなくそのような特定の実施形態を様々な用途のために容易に修正および/または適合させることができ、したがって、そのような適合および修正は、開示された実施形態の均等物の意味および範囲内で理解されるべきであり、そのために意図される。本明細書で使用されている表現または用語は、説明のためのものであり、限定するためのものではないことを理解されたい。したがって、本明細書の実施形態を好ましい実施形態という観点で説明してきたが、当業者は、本明細書の実施形態が、本明細書に記載の実施形態の趣旨および範囲内で修正して実施することができるということを認識するであろう。
【0063】
「少なくとも」または「少なくとも1つ」という表現の使用は、所望の目的または結果の1つまたは複数を達成するための本開示の実施形態における使用であり得るような、1つまたは複数の要素または成分または量の使用を示唆する。
【0064】
本明細書に含まれているデバイス、材料、物品などのいずれかの論考は、本開示の文脈を提示することのみを目的としている。これらの事項のいずれかまたはすべてが、本出願の優先日より前のいずこかに存在しており、先行技術の基礎の一部を形成するか、または本開示に関連する分野の共通の一般知識であったということを認めるものと解釈されるべきではない。
【0065】
本明細書では、好ましい実施形態の構成要素および構成要素の部分をかなり強調してきたが、多くの実施形態を行うことができること、および本開示の原理から逸脱することなく好ましい実施形態に多くの変更を加えることができることが理解されよう。本開示の好ましい実施形態および他の実施形態におけるこれらの変更や他の変更は、本明細書の開示から当業者にとって明らかであり、それによって、前述の説明事項は、限定としてではなく、単に本開示の例示として解釈されるべきであることが明確に理解されるべきである。
【国際調査報告】