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特表2024-531708誘電体材料で被覆されたシートメタルによって形成された一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】誘電体材料で被覆されたシートメタルによって形成された一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット
(51)【国際特許分類】
   H01P 1/205 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
H01P1/205 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516350
(86)(22)【出願日】2022-04-26
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 SE2022050401
(87)【国際公開番号】W WO2023043350
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/118317
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【弁理士】
【氏名又は名称】小梶 晴美
(74)【代理人】
【識別番号】100199705
【弁理士】
【氏名又は名称】仙波 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(72)【発明者】
【氏名】フー, チュン
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ウェイトン
(72)【発明者】
【氏名】チャン, シュエユアン
【テーマコード(参考)】
5J006
【Fターム(参考)】
5J006HA21
5J006HA26
5J006JA01
5J006JA03
5J006JA07
5J006LA08
5J006LA21
5J006PA01
5J006PA10
(57)【要約】
一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)が、導電性材料のシェル(402)によって形成された内側キャビティ(401)と、内側キャビティ(401)中に備えられる、1つまたは複数のローパス共振器(411、412、413)および2つまたはそれ以上のバンドパス共振器(421、422、...426)とを備える。ローパス共振器およびバンドパス共振器(411、412、413、421、422、...426)は、電気めっきされたシートメタル材料によって一体に形成され、ローパス共振器およびバンドパス共振器(411、412、413、421、422、...426)の各々の一部分が、誘電体材料で被覆される。2つまたはそれ以上のバンドパス共振器(421、422、...426)は、内側キャビティ(401)の2つの側において構成され、したがって、少なくとも2つの共振器が、互いに対向するように位置合わせされる。一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)は、ローパス共振器(411、412、413)とバンドパス共振器(421、422、...426)との間の、内側キャビティ(401)中に構成される、電気めっきされたシートメタルの第1のセパレータ(430)と、内側キャビティ401の2つの側におけるバンドパス共振器間の、内側キャビティ(401)中に構成される、電気めっきされたシートメタルの第2のセパレータ(440)とをさらに備える。一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)は、フィルタ処理されるべき信号を受信するための入力ポート(450)と、フィルタ処理された信号を出力するための出力ポート(460)とをさらに備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性材料のシェル(402)によって形成された内側キャビティ(401)と、
前記内側キャビティ(401)中に備えられる、1つまたは複数のローパス共振器(411、412、413)および2つまたはそれ以上のバンドパス共振器(421、422、...426)であって、前記ローパス共振器および前記バンドパス共振器(411、412、413、421、422、...426)が、電気めっきされたシートメタル材料によって一体に形成され、前記ローパス共振器および前記バンドパス共振器(411、412、413、421、422、...426)の各々の一部分が、誘電体材料で被覆され、前記2つまたはそれ以上のバンドパス共振器(421、422、...426)が、前記内側キャビティ(401)の2つの側において構成され、したがって、少なくとも2つの共振器が、互いに対向するように位置合わせされる、1つまたは複数のローパス共振器(411、412、413)および2つまたはそれ以上のバンドパス共振器(421、422、...426)と、
前記ローパス共振器(411、412、413)と前記バンドパス共振器(421、422、...426)との間の、前記内側キャビティ(401)中に構成される、電気めっきされたシートメタルの第1のセパレータ(430)と、
前記内側キャビティ401の前記2つの側における前記バンドパス共振器間の、前記内側キャビティ(401)中に構成される、電気めっきされたシートメタルの第2のセパレータ(440)と、
フィルタ処理されるべき信号を受信するための入力ポート(450)と、
フィルタ処理された信号を出力するための出力ポート(460)と
を備える一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)。
【請求項2】
前記誘電体材料が、プラスチック、他のポリマー材料、またはセラミックである、請求項1に記載の一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)。
【請求項3】
前記一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)が、前記誘電体材料の第1の結合構造(470)をさらに備え、前記第1の結合構造(470)が、互いに対向する前記2つの共振器間に構成され、前記第1の結合構造(470)が、一方の共振器(425)の前記誘電体材料被覆部分に接続されるか、または両方の共振器(422、425)の前記誘電体材料被覆部分に接続される、請求項1または2に記載の一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)。
【請求項4】
前記誘電体材料の前記第1の結合構造(470)が、互いに対向する前記2つの共振器(422、425)の上部においてペーシングされ、したがって、前記2つの共振器(422、425)によって生成される電界の方向が反対であることの結果として、前記2つの共振器間の負結合が達成される、請求項3に記載の一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)。
【請求項5】
前記一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)が、第2の結合構造(611)をさらに備え、前記第2の結合構造(611)が、2つの共振器の下部においてペーシングされ、したがって、前記2つの共振器によって生成される電界の方向が同じであることの結果として、前記2つの共振器間の正結合が達成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の1つまたは複数の一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)を備えるマルチバンドフィルタユニット。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一項に記載の1つまたは複数の一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)を備えるアンテナユニット(912)。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか一項に記載の1つまたは複数の一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)を備える無線ユニット(910)。
【請求項9】
請求項1から5のいずれか一項に記載の1つまたは複数の一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)を備えるデバイス(900)。
【請求項10】
前記デバイスが、セルラ通信システムのための基地局またはマイクロ基地局である、請求項9に記載のデバイス(900)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の実施形態はフィルタに関する。詳細には、それらの実施形態は、誘電体材料で被覆されたシートメタルによって形成された一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(integrated low-pass and band-pass filter unit)に関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代(5G)通信では、2つのタイプの周波数範囲、周波数範囲1、すなわち、6GHzよりも小さい、サブ6GHzと、周波数範囲2、すなわち、24GHzを上回る、ミリメートル波とが規定されている。5G通信の発展に伴って、多入力多出力(MIMO)技術が、サブ6GHz基地局製品において広く使用されており、ここで、ある量のフィルタユニット(FU)がアンテナユニット(AU)または無線ユニット(RU)と一体化される必要がある。コストおよび空間節約を考慮して、FUは、通常、無線ユニットマザーボード、ローパスフィルタ(LPF)ボードまたはアンテナ電力スプリッタボード上にはんだ付けされ、これは、より小さいおよびより軽いFUが極めて需要があることを意味する。
【0003】
旧来の基地局ソリューションでは、メタルキャビティFUが、それらの高い品質(Q)値および電力ハンドリング性能のために、最も推奨される。5G高度無線システムでは、FUのサイズおよび重量が重要な問題点になる。セラミック導波路(CWG)フィルタ、特にCWGが、それらの高い性能、軽い重量、小さいサイズおよび容易な一体化により、5Gのための好ましいFUソリューションのうちの1つである。しかしながら、CWG FUの極めて多くの制限があり、たとえば、CWGフィルタのQ値がメタルキャビティフィルタよりも低い、CWGフィルタのサイズが、そのサイズがあまりに大きい場合、セラミック材料が破損しやすいので、CWGフィルタがボード上にはんだ付けされるときにひびが入るリスクを低減するために、制限される必要がある、高周波数抑制、すなわち、帯域外周波数減衰性能が比較的不十分である、などである。それらの制限により、CWGフィルタを使用することができる無線製品が制限される。
【発明の概要】
【0004】
本明細書の実施形態を発展させることの一部として、旧来のCWGフィルタおよびメタルFUに関する問題および制限が、さらに説明される。
【0005】
旧来のメタルFUは、良好な性能および信頼性を有する。しかしながら、旧来のメタルFUは、大きいサイズまたはボリュームおよびより高いコストを有し、MIMOシステムのための良好なソリューションではない。
【0006】
現在のCWGフィルタの問題のうちの1つは、帯域幅制限である。一方、広帯域無線製品が広帯域フィルタを必要とする。
【0007】
CWGフィルタのQ値はより低い。そのQ値を増加させるために、キャビティのサイズが増加されなければならず、これは、より小さいサイズの基本設計要望と矛盾する。
【0008】
CWG FUも、製造における制限ファクタを有し、これは、複雑な無線システムにおいて使用され得ない。CWG FUはまた、長期無線作業進行中に信頼できない。CWG FUは、常に、より良好な帯域外減衰を得るためにプリント回路板(PCB)LPFとはんだ付けされ、LPFは、多くの損失と、PCB上の2つの近い経路からの余分の結合とをもたらすことになる。
【0009】
シートメタルFUは、製造における良好な信頼性を有するが、シートメタルFUは、CWG FUと比較して、より不良な電力ハンドリング容量およびより大きいサイズを有する。シートメタルバンドパスフィルタ(BPF)が、通常、より良好な帯域外減衰を得るためにシートメタルLPFと組み合わせられ、シートメタルLPFは、PCB LPFと比較して、より小さい挿入損失を有する。
【0010】
したがって、改善された無線性能、電力ハンドリング容量および信頼性をもつ、ならびに同時に、低減されたサイズおよび重量をもつ、フィルタユニットを提供することが、本明細書の実施形態の目的である。
【0011】
一態様によれば、その目的は、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットによって達成される。一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットは、導電性材料のシェルによって形成された内側キャビティを備える。一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットは、内側キャビティ中に備えられる、1つまたは複数のローパス共振器および2つまたはそれ以上のバンドパス共振器をさらに備える。ローパス共振器およびバンドパス共振器は、電気めっきされたシートメタル材料によって一体に形成される。ローパス共振器およびバンドパス共振器の各々の一部分が、誘電体材料で被覆される。2つまたはそれ以上のバンドパス共振器は、内側キャビティの2つの側において構成され、したがって、少なくとも2つの共振器が、互いに対向するように位置合わせされる。
【0012】
一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットは、ローパス共振器とバンドパス共振器との間の、内側キャビティ中に構成される、電気めっきされたシートメタルの第1のセパレータと、内側キャビティの2つの側におけるバンドパス共振器間の、内側キャビティ中に構成される、電気めっきされたシートメタルの第2のセパレータとをさらに備える。
【0013】
一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットは、フィルタ処理されるべき信号を受信するための入力ポートと、フィルタ処理された信号を出力するための出力ポートとをさらに備える。
【0014】
本明細書のいくつかの実施形態によれば、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットは、誘電体材料の第1の結合構造をさらに備え得る。第1の結合構造は、互いに対向する2つの共振器間に構成され、第1の結合構造は、一方の共振器の誘電体材料被覆部分に接続されるか、または両方の共振器の誘電体材料被覆部分に接続され得る。
【0015】
言い換えれば、本明細書の実施形態によれば、フィルタの高いQファクタと小さいサイズとの間の矛盾を解決するために、誘電体材料で被覆されたシートメタルによって形成された一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットが提供される。
【0016】
本明細書の実施形態による、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットは、いくつかの利点、たとえば、以下を有する。
・ ボリュームが、旧来のメタルフィルタと比較して、より小さく、より軽い。誘電体材料、たとえばプラスチックを使用して、被覆シートメタル共振器が、共振器のサイズを低減するために共振器の共振周波数を効果的に低減することができる。次には、共振器を含んでいるキャビティのサイズが低減され、結果として、フィルタ全体のサイズが低減される。
・ 誘電体材料の誘電率が空気よりも高く、共振器の電界の一部分が、誘電体被覆境界における制約であり、したがって、単一のキャビティの最大電界強度が比較的より低く、これは、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットの電力ハンドリング容量を著しく改善することができる。
・ 一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットは、製造プロセスにおいて、押圧および曲げによって成形され得、次いで、共振器を覆うためにプラスチック射出成形が使用される。この製造プロセスは、メタルフィルタユニットを形成するためにはんだ付けすることまたは緊くねじで締めることを伴う旧来のプロセスと比較して、共振器の許容レベル、およびRF性能の一貫性を改善する。
・ 一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットにおいて、負結合(negative coupling)構造と正結合(positive coupling)構造の両方が導入され得る。互いに対向する2つのプラスチック被覆共振器の上側半分が、強い負結合を形成するためにプラスチックで充填され得る。負結合は、接続するプラスチックのサイズを調節することによってまたは負荷ねじ(loading screw)によって、自由に調節され得る。したがって、提案される結合構造は、相互結合が制御されることをより容易にする。負結合および正結合は、よりフレキシブルに確立、ルーティング、および配置され得る。
・ 一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットの設計は、無線性能の異なる仕様に応じてフレキシブルであり得る。ローパスおよびバンドパスの共振器の数が、無線性能要件に応じて調節され得る。
・ 一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットは、マクロ基地局のための設計において、よりフレキシブルであり、屋内の小さい基地局、および旧来のマクロ基地局のために使用され得、製造およびコストにおける利点を有する。
・ ローパスフィルタは、シートメタル上でバンドパスフィルタと一体化され、8GHz~18GHzにおける無線周波数信号のための強い抑制を提供することができる。
【0017】
したがって、本明細書の実施形態は、改善された無線性能、電力ハンドリング容量および信頼性をもつ、ならびに同時に、低減されたサイズおよび重量をもつ、フィルタユニットを提供する。
【0018】
本明細書の実施形態の例が、添付の図面を参照しながらより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1a】本明細書の実施形態による、ローパスフィルタおよびバンドパスフィルタのメタルシートの平面展開(flat expansion)の一例を示す図である。
図1b】本明細書の実施形態による、共振器のいくつかの例示的な形状を示す図である。
図2】本明細書の実施形態による、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットの例示的な本体の図である。
図3】本明細書の実施形態による、共振器の部分が誘電体材料で被覆された、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットの例示的な本体の図である。
図4a】本明細書の実施形態による、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットの例示的な構造の図である。
図4b図4に示されている一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットの上面図である。
図4c】本明細書の実施形態による、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットの例示的な構造の別の図である。
図4d】本明細書の実施形態による、図4cに示されている一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット中に配置された例示的な負荷ねじの図である。
図4e】本明細書の実施形態による、図4aに示されている一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット中に配置された別の例示的な負荷ねじの図である。
図5a】メタル共振器の単一のキャビティ中の電界の分布の簡略化された上面図である。
図5b】2つのシートメタル共振器間の負結合電界の分布の簡略化された上面図である。
図5c】2つのシートメタル共振器間の電界の分布の簡略化された側面図である。
図5d】2つのシートメタル共振器間の電界の分布の簡略化された側面図である。
図6】本明細書の実施形態による、正結合および負結合をもつ、互いに対向する2つの共振器の1つの例示的な構造を示す図である。
図7】本明細書の実施形態による、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットについてのSパラメータシミュレーション結果を示す図である。
図8】本明細書の実施形態による、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットについての帯域外高周波数抑制性能のシミュレーション結果を示す図である。
図9】本明細書の実施形態による、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットが実装され得るデバイスを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書の実施形態によれば、フィルタのQファクタとサイズとの間の矛盾を解決するために、ローパス機能およびバンドパス機能がシートメタル材料によって形成され、シートメタル材料の部分が誘電体材料により被覆された、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットが提供される。
【0021】
本明細書の実施形態による、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットは、1つまたは複数のローパス共振器を備えるローパスフィルタと、2つまたはそれ以上のバンドパス共振器を備えるバンドパスフィルタとを備える、本体を備える。ローパス共振器およびバンドパス共振器は、電気めっきされたシートメタル材料によって一体に形成される。本体のサイズを低減するために、メタルシート共振器の部分が誘電体材料で被覆され得る。
【0022】
図1aは、メタル材料のシート100によって一体に形成された、ローパス(LP)フィルタLP110およびバンドパス(BP)フィルタBP120の平面展開を示す。シートメタル材料は、電気めっきされたシートメタルであり得る。ローパスフィルタLP110およびバンドパスフィルタBP120は、シートメタルワイヤ切断、成形またはスタンピング処理によって形成され得る。
【0023】
図1は、例示のためのものにすぎず、メタルのシートによって一体に形成された、ローパスフィルタLP110およびバンドパスフィルタBP120の例示的な構造を示す。それが図1に示されており、ローパスフィルタLP110は3つのLP共振器111、112、113を備え、バンドパスフィルタBP120は6つのBP共振器121、122、123、124、125、126を備える。しかしながら、ローパス共振器およびバンドパス共振器の数および形状は、異なる適用シナリオに応じて変動し得る。共振器の数は、フィルタの性能に関係する。フィルタ共振器の数が多いほど、帯域外抑制が良好になるが、挿入損失が不良になる。図1bは、共振器のいくつかの例示的な形状を示す。
【0024】
ローパスフィルタLP110およびバンドパスフィルタBP120の平面メタルシートが、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットの本体を形成するために曲げられる。たとえば、ローパス共振器およびバンドパス共振器111、112、113、121、122、123、124、125、126の平面メタルシートが、製造における曲げ処理によって、図1に示されている位置131、132、133において曲げられ得る。
【0025】
図2は、曲げプロセスが、図1に示されているローパス共振器およびバンドパス共振器111、112、113、121、122、123、124、125、126の平面メタルシートに対して実施された後の、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットの本体200を示す。この例では、バンドパス共振器121、122、123、124、125、126は、図1に示されている曲げ位置132、133において実施された曲げ処理の後に、対称構造に形成された。6つのバンドパス共振器121、122、123、124、125、126は、2つの側において構成および位置合わせされ、各側が、3つの共振器を備える。図2からわかるように、互いに対向する位置合わせされた共振器の3つのペアがある。たとえば、BP共振器121とBP共振器126とは、互いに対向する位置合わせされた共振器のペアであり、BP共振器122とBP共振器125とは、互いに対向する位置合わせされた共振器のペアであり、BP共振器123とBP共振器124とは、互いに対向する位置合わせされた共振器のペアである。
【0026】
曲げ位置は、異なる適用シナリオに従って、図1に示されているもの以外の他の場所において選択され得る。その場合、バンドパス共振器121、122、123、124、125、126は、非対称構造に形成され得、たとえば、一方の側が2つの共振器を備え、他方の側が4つの共振器を備え、互いに対向する位置合わせされた共振器の2つのペアがある。曲げ位置は、自由に選択され得る。
【0027】
図3は、301によって示されている、ローパス共振器およびバンドパス共振器の各々の一部分が、誘電体材料で被覆される、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットの本体300を示す。誘電体材料は、プラスチック、他のポリマー材料またはセラミックであり得る。
【0028】
同じQ値の場合、周波数が低いほど、共振器の単一のキャビティのボリュームが大きくなる。共振器の共振周波数は、格納された電界のエネルギーが格納された磁界のエネルギーに等しい、周波数である。プラスチック被覆高誘電体材料は、電界エネルギーおよび磁界エネルギーを、大部分が共振器の近くに集中されるようにし、より低い周波数において電磁界エネルギーに等しくする。したがって、誘電体材料被覆シートメタル共振器を使用することは、共振器のサイズを低減するために共振器の共振周波数を効果的に低減することができる。その結果、共振器の単一のキャビティのサイズ、また、いくつかの単一のキャビティからなるフィルタユニット全体のサイズが、低減され得る。
【0029】
誘電体材料、たとえば、プラスチックの誘電率が空気よりも高いので、共振器によって生成される電界の一部分が、プラスチック境界内での制約である。したがって、共振器を含んでいる単一のキャビティの最大電界強度が比較的より低く、これは、フィルタユニットの電力ハンドリング容量を著しく改善することができる。
【0030】
1.8~10の誘電率をもつ材料が好ましい。実際の使用では、フィルタの挿入損失特性に基づいて、1000分の1よりも低い誘電損角(Dielectric Loss Angle)をもつ材料が好ましい。誘電損角は、誘電体材料における電界ベクトルと電気変位との間の位相差である。この位相差は、誘電体におけるエネルギー損失によって引き起こされる。
【0031】
本体300は、完全なフィルタを形成するためにシェル中に配置される。図4aは、本明細書の実施形態による、完全な一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット400の例示的な構造を示す。本体300、すなわち、誘電体材料被覆ローパス共振器およびバンドパス共振器は、導電性材料のシェル402によって形成された内側キャビティ401中に含まれている。シェル402は、形材(profile)と、曲げシートメタルと、平面シートメタルとの任意の組合せから作られ得る。
【0032】
本明細書の実施形態による、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット400は、内側キャビティ401と、内側キャビティ401中に備えられる、1つまたは複数のローパス共振器411、412、413および2つまたはそれ以上のバンドパス共振器421、422、...426とを備える。ローパス共振器およびバンドパス共振器411、412、413、421、...426は、電気めっきされたシートメタル材料によって一体に形成される。ローパス共振器およびバンドパス共振器411、412、413、421、...426の各々の一部分が、誘電体材料で被覆される。
【0033】
2つまたはそれ以上のバンドパス共振器421、...426は、内側キャビティ401の2つの側において構成され、したがって、少なくとも2つの共振器、たとえばバンドパス共振器422とバンドパス共振器425とが、互いに対向するように位置合わせされる。
【0034】
一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット400は、ローパス共振器411、412、413とバンドパス共振器421、...426との間の空間を分離するために、ローパス共振器411、412、413とバンドパス共振器421、...426との間の、内側キャビティ401中に構成される、電気めっきされたシートメタルの第1のセパレータ430をさらに備える。
【0035】
一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット400は、バンドパス共振器の2つの側間の空間を分離するために、キャビティ401の2つの側におけるバンドパス共振器間の、内側キャビティ401中に構成される、電気めっきされたシートメタルの第2のセパレータ440をさらに備える。
【0036】
一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット400は、フィルタ処理されるべき信号を受信するための入力ポート450と、フィルタ処理された信号を出力するための出力ポート460とをさらに備える。
【0037】
本明細書の実施形態によれば、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット400において負結合構造が導入され得る。たとえば、互いに対向する2つのプラスチック被覆共振器の上側半分が、強い負結合を形成するためにプラスチックで充填され得る。
【0038】
したがって、本明細書のいくつかの実施形態によれば、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット400は、誘電体材料の第1の結合構造470をさらに備え得る。第1の結合構造470は、互いに対向する2つのBP共振器間に、たとえばBP共振器422とBP共振器425との間に構成され得る。第1の結合構造470は、図4aに示されているように、両方の共振器の誘電体材料被覆部分に接続され得る。
【0039】
図4bは、第1のセパレータ430および第2のセパレータ440と負結合構造470とのより明瞭な図を与えるための、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット400の概略上面図である。
【0040】
第1の結合構造470はまた、2つの対向するBP共振器のうちの一方の誘電体材料被覆部分のみに接続され得、たとえば、第1の結合構造470は、図4cに示されているように、BP共振器425のみに接続される。
【0041】
負結合は、共振器の上部において起こる。したがって、第1の結合構造470は負結合構造である。負結合は、結合構造470のサイズおよび形状とともに変化する。したがって、負結合は、結合構造470のサイズおよび/または形状を調節することによって、自由に調節され得る。負結合は、図4dに示されているように結合構造470の中央に配置された負荷ねじ480、または図4eに示されているように結合構造470の側に配置された負荷ねじ490によっても調節され得る。
【0042】
誘電体材料の第1の結合構造470は、互いに対向する2つの共振器の上部においてペーシングされ、したがって、2つの共振器によって生成される電界の方向が反対であることの結果として、2つの共振器間の負結合が達成される。
【0043】
図5aは、単一のシートメタル共振器の単一のキャビティ中の電界の分布の簡略化された上面図である。矢印が、共振器によって生成される電界の方向を表す。概して、2つのシートメタル共振器間に負結合があるとき、1つのシートメタル共振器の単一のキャビティ中の電界の方向が、別のシートメタル共振器の別の単一のキャビティ中の電界の方向と反対でなければならない。図5bは、2つのシートメタル共振器間の負結合電界の典型的な分布の簡略化された上面図である。わかり得るように、2つの共振器によって生成される電界の方向が反対である。
【0044】
図5cは、2つのシートメタル共振器間の電界の分布の簡略化された側面図である。結合窓が共振器の上部にある。2つの共振器の結合の後に、2つの共振器の電界の方向が完全に反対である。この結合は負結合と呼ばれる。
【0045】
図5dは、2つのシートメタル共振器間の電界の分布の簡略化された側面図である。結合窓が共振器の下部にある。2つの共振器の結合の後に、2つの共振器の電界方向が同じである。この結合は正結合と呼ばれる。
【0046】
2つの共振器間で正結合が起こったとき、1つの共振器の1つの単一のキャビティ中の電界の方向が、概して、別の共振器の別の単一のキャビティ中の電界の方向と同じであることになる。プラスチック被覆位置が2つの共振器の下部にあるとき、共振器の結合は、正結合を作り出すことになり、結合強度が、結合窓の変化とともに変動する。図6は、共振器の下部に配置された正結合窓611と、共振器の上部に配置された負結合窓612との例示的な構造を示す。
【0047】
したがって、本明細書のいくつかの実施形態によれば、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット400は、第2の結合構造611をさらに備え得る。第2の結合構造611は、2つの共振器の下部においてペーシングされ得、したがって、2つの共振器によって生成される電界の方向が同じであることの結果として、2つの共振器間の正結合が達成される。
【0048】
正結合は、互いに対向する2つの共振器間の結合構造、または内側キャビティ401の同じ側における任意の2つの隣接共振器間の結合構造によって、達成され得る。概して、共振器の下部と上側との間で、たとえば、開いた窓構造611、誘電体材料の結合構造、直接メタルバー接続などが、すべて、正結合である。
【0049】
図7は、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット400の典型的な使用事例についての、Sパラメータのシミュレーション結果、入力対入力S11曲線、出力対入力S21曲線、および出力対出力S22曲線を示す図である。一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット400の構造から、フィルタが、バンドパスフィルタについて、2つの1次ゼロを生じる、第2の共振器と第5の共振器との間の負結合を作り出し、2つの2次ゼロを生じる、第1の共振器および第6の共振器における正結合を作り出すことがわかり得る。
【0050】
図8は、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット400の高周波数における帯域外抑制性能を示す図であり、これは、8Ghz~16Ghzの高周波数領域において-30dB超である。
【0051】
本明細書の実施形態による、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット400は、様々な電子デバイス、あるいは無線周波数信号をフィルタ処理することが必要とされる任意のデバイスまたは装置において、採用され得る。図9は、デバイス900のためのブロック図を示す。デバイス900は、アンテナユニット912、送信機、受信機またはその両方、すなわちトランシーバRx/Tx9140などを備え得る、無線ユニット910を備え得る。デバイス900は、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット400を備える。一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット400は、無線ユニット910中に、アンテナユニット912中に、またはトランシーバRx/Tx914中に備えられ得る。デバイス900は、他のユニットを備え得、ここで、メモリ920、処理ユニット930が示されている。デバイス900は、セルラ通信システムのための無線基地局またはマイクロ基地局、あるいは無線周波数信号をフィルタ処理するためのフィルタが必要とされる任意のデバイスであり得る。
【0052】
1つまたは複数の一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット400はまた、マルチバンドフィルタユニットを形成し、様々な電子デバイス、あるいは無線周波数信号をフィルタ処理することが必要とされる任意のデバイスまたは装置において採用され得る。
【0053】
要約すると、本明細書の実施形態によれば、誘電体材料で被覆されたシートメタルによって形成された一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット400が提供され、いくつかの利点、たとえば、以下を有する。
・ 一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット400を使用する無線ユニットについての低減されたサイズおよび重量。ボリュームが、旧来のメタルフィルタと比較して、より小さく、より軽い。誘電体材料、たとえばプラスチックを使用して、被覆シートメタル共振器が、共振器のサイズを低減するために共振器の共振周波数を効果的に低減することができる。次には、共振器を含んでいるキャビティのサイズが低減され、結果として、フィルタ全体のサイズが低減される。
・ フィルタのQ値とサイズとの間の設計矛盾を解決すること。
・ フィルタのサイズを低減しながら、より良好な信頼性を得ること。
・ 複雑なマルチバンドFUを実現すること。
・ 小さいサイズまたはボリュームでより良好な電力ハンドリング容量を得ること。誘電体材料の誘電率が空気よりも高く、共振器の電界の一部分が、誘電体被覆境界における制約であり、したがって、単一のキャビティの最大電界強度が比較的より低く、これは、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットの電力ハンドリング容量を著しく改善することができる。
・ PCB LPFと比較して、より良好な帯域外減衰を実現することおよびより良好な挿入損失を得ること。ローパスフィルタは、シートメタル上でバンドパスフィルタと一体化され、8GHz~18GHzにおける無線周波数信号のための強い抑制を提供することができる。広帯域幅およびより良好な調波減衰(harmonic attenuation)を得ることが容易。
・ フィルタのためのフレキシブルな組み立てソリューション、ならびに高レベル構築実践ソリューションを提供すること、たとえば、一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット400は、他の機能ユニットと接続するとき、PCB上にはんだ付けされるか、またはメタル部品によるねじ固定ソリューションを使用し得る。
・ 一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットは、製造プロセスにおいて、押圧および曲げによって成形され得、次いで、共振器を覆うためにプラスチック射出成形が使用され得る。この製造プロセスは、メタルフィルタユニットを形成するためにはんだ付けすることまたは緊くねじで締めることを伴う旧来のプロセスと比較して、共振器の許容レベル、およびRF性能の一貫性を改善する。
・ 一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットにおいて、負結合構造と正結合構造の両方が導入され得る。互いに対向する2つのプラスチック被覆共振器の上側半分が、強い負結合を形成するためにプラスチックで充填され得る。負結合は、接続するプラスチックのサイズを調節することによってまたは負荷ねじによって、自由に調節され得る。したがって、提案される結合構造は、相互結合が制御されることをより容易にする。負結合および正結合は、よりフレキシブルに確立、ルーティング、および配置され得る。
・ 一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットの設計は、無線性能の異なる仕様に応じてフレキシブルであり得る。ローパスおよびバンドパスの共振器の数が、無線性能要件に応じて調節され得る。
・ 適切なコストでの良好な性能。一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニットは、マクロ基地局のための設計において、よりフレキシブルであり、屋内の小さい基地局、および旧来のマクロ基地局のために使用され得、製造およびコストにおける利点を有する。
【0054】
本明細書で使用されるとき、「備える、含む(comprise)」または「備える、含む(comprising)」という単語は、非限定的、すなわち、「少なくとも~からなる(consist at least of)」を意味するとして解釈されるものとする。
【0055】
本明細書の実施形態は、上記で説明された好ましい実施形態に限定されない。様々な代替形態、変更形態および等価物が使用され得る。したがって、上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲によって規定される、本発明の範囲を限定するものとしてとられるべきでない。
図1a
図1b
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図5a
図5b
図5c
図5d
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-05-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性材料のシェル(402)によって形成された内側キャビティ(401)と、
前記内側キャビティ(401)中に備えられる、1つまたは複数のローパス共振器(411、412、413)および2つまたはそれ以上のバンドパス共振器(421、422、...426)であって、前記ローパス共振器および前記バンドパス共振器(411、412、413、421、422、...426)が、電気めっきされたシートメタル材料によって一体に形成され、前記ローパス共振器および前記バンドパス共振器(411、412、413、421、422、...426)の各々の一部分が、誘電体材料で被覆され、前記2つまたはそれ以上のバンドパス共振器(421、422、...426)が、前記内側キャビティ(401)の2つの側において構成され、したがって、少なくとも2つの共振器が、互いに対向するように位置合わせされる、1つまたは複数のローパス共振器(411、412、413)および2つまたはそれ以上のバンドパス共振器(421、422、...426)と、
前記ローパス共振器(411、412、413)と前記バンドパス共振器(421、422、...426)との間の、前記内側キャビティ(401)中に構成される、電気めっきされたシートメタルの第1のセパレータ(430)と、
前記内側キャビティ401の前記2つの側における前記バンドパス共振器間の、前記内側キャビティ(401)中に構成される、電気めっきされたシートメタルの第2のセパレータ(440)と、
フィルタ処理されるべき信号を受信するための入力ポート(450)と、
フィルタ処理された信号を出力するための出力ポート(460)と
を備える一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)。
【請求項2】
前記誘電体材料が、プラスチック、他のポリマー材料、またはセラミックである、請求項1に記載の一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)。
【請求項3】
前記一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)が、前記誘電体材料の第1の結合構造(470)をさらに備え、前記第1の結合構造(470)が、互いに対向する前記2つの共振器間に構成され、前記第1の結合構造(470)が、一方の共振器(425)の前記誘電体材料被覆部分に接続されるか、または両方の共振器(422、425)の前記誘電体材料被覆部分に接続される、請求項に記載の一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)。
【請求項4】
前記誘電体材料の前記第1の結合構造(470)が、互いに対向する前記2つの共振器(422、425)の上部においてペーシングされ、したがって、前記2つの共振器(422、425)によって生成される電界の方向が反対であることの結果として、前記2つの共振器間の負結合が達成される、請求項3に記載の一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)。
【請求項5】
前記一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)が、第2の結合構造(611)をさらに備え、前記第2の結合構造(611)が、2つの共振器の下部においてペーシングされ、したがって、前記2つの共振器によって生成される電界の方向が同じであることの結果として、前記2つの共振器間の正結合が達成される、請求項に記載の一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の1つまたは複数の一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)を備えるマルチバンドフィルタユニット。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一項に記載の1つまたは複数の一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)を備えるアンテナユニット(912)。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか一項に記載の1つまたは複数の一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)を備える無線ユニット(910)。
【請求項9】
請求項1から5のいずれか一項に記載の1つまたは複数の一体化ローパスおよびバンドパスフィルタユニット(400)を備えるデバイス(900)。
【請求項10】
前記デバイスが、セルラ通信システムのための基地局またはマイクロ基地局である、請求項9に記載のデバイス(900)。
【国際調査報告】