(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】導体接続端子
(51)【国際特許分類】
H01R 13/514 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
H01R13/514
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516366
(86)(22)【出願日】2022-09-09
(85)【翻訳文提出日】2024-04-22
(86)【国際出願番号】 DE2022100667
(87)【国際公開番号】W WO2023041109
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】102021123890.0
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511051753
【氏名又は名称】ヴァーゴ・フェアヴァルトゥングスゲゼルシャフト・エムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,ミヒャエル
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087FF16
5E087JJ08
5E087MM05
5E087RR36
(57)【要約】
ハウジング(2)に配置された導体端子接続部を備えた導体接続端子(1)であって、ハウジング(2)は、少なくとも1つの導体挿入口(9)を有する導体挿入面として形成された第1の端面(3)および第1の端面(3)と反対側の第2の端面(4)、両方の側面(5、6)が、第1と第2の端面(3、4)を相互に連結する、第1の側面(5)および第1の側面(5)と反対側の第2の側面(6)、ならびに両方の端面(3、4)および両方の側面(5、6)を相互に連結する下面(7)および下面(7)と反対側の上面(8)、を有する。本発明によれば、少なくとも第1の側面(5)に、第1の形状嵌合要素(11)およびこの第1の形状嵌合要素(11)から離隔した第2の形状嵌合要素(12)が配置されており、この両方の形状嵌合要素(11、12)が2つの互いに異なる輪郭を有し、これらの輪郭が互いに相補的に形成されていることが企図されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(2)に配置される導体端子接続部を備えた導体接続端子(1)であって、前記ハウジング(2)が、
- 少なくとも1つの導体挿入口(9)を有する導体挿入面として形成された第1の端面(3)および前記第1の端面(3)と反対側の第2の端面(4)、
- 前記第1と前記第2の端面(3、4)を相互に連結する、第1の側面(5)および前記第1の側面(5)と反対側の第2の側面(6)、ならびに
- 前記第1の端面及び第2の端面(3、4)および前記第1の側面及び第2の側面(5、6)を相互に連結する下面(7)および前記下面(7)と反対側の上面(8)、
を有する、導体接続端子(1)において、
- 少なくとも前記第1の側面(5)に、第1の形状嵌合要素(11)および前記第1の形状嵌合要素(11)から離隔した第2の形状嵌合要素(12)が配置されており、
- 前記第1の形状嵌合要素及び第2の形状嵌合要素(11、12)が2つの互いに異なる輪郭を有し、前記輪郭が互いに相補的に形成されていることを特徴とする導体接続端子(1)。
【請求項2】
前記第1の形状嵌合要素及び第2の形状嵌合要素(11、12)が、少なくとも1つの第2の導体接続端子(1’)の少なくとも1つの相補的な第1の形状嵌合要素(11’)および少なくとも1つの第2の相補的な形状嵌合要素(12’)と相互作用するよう適合されていることを特徴とする、請求項1に記載の導体接続端子(1)。
【請求項3】
前記第1の形状嵌合要素及び第2の形状嵌合要素(11、12)が、前記端面(3、4)の間に延びている前記側面(5、6)の長手方向(L)を横切る方向に延びていることを特徴とする、請求項1または2に記載の導体接続端子(1)。
【請求項4】
- 前記第1の形状嵌合要素(11)が、前記側面から突出している凸部(111)として形成されていること、および
- 前記第2の形状嵌合要素(12)が、前記凸部(111)に対応している、または前記凸部(111)に相補的な凹部(121)として形成されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の導体接続端子(1)。
【請求項5】
前記第1の形状嵌合要素と前記第2の形状嵌合要素(11、12)の間に、前記導体接続端子(1)を固定するための固定部分(16)が配置されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の導体接続端子(1)。
【請求項6】
前記固定部分(16)が、溝状の凹部として形成されていることを特徴とする、請求項5に記載の導体接続端子。
【請求項7】
前記第2の側面(6)に、第3の形状嵌合要素(13)および前記第3の形状嵌合要素に対して相補的な第4の形状嵌合要素(14)が配置されており、前記長手方向を横切る方向で前記側面に平行に方向づけられた対称軸(S)に対して、前記第3の形状嵌合要素(13)が前記第1の形状嵌合要素(11)に点対称に、および前記第4の形状嵌合要素(14)が前記第2の形状嵌合要素(12)に点対称に配置されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の導体接続端子(1)。
【請求項8】
前記凹部(121)が、前記側面(5)に配置された2つの隆起して互いに離隔している突出片(15)によって形作られていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の導体接続端子(1)。
【請求項9】
前記第1の側面及び第2の側面(5、6)に、前記凹部(121)への前記凸部(111)の挿入を制限するストッパが設けられていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の導体接続端子(1)。
【請求項10】
前記突出片(15)が少なくとも部分的に互いに向かって楔形に延びており、かつ/または前記凸部(111)が楔形に形成されていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の導体接続端子(1)。
【請求項11】
前記凸部(111)の側部の少なくとも一方の側で、前記側面(5、6)上に境界壁(17)が配置されていることを特徴とする、請求項4から10のいずれか一項に記載の導体接続端子(1)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の少なくとも1つの第1の導体接続端子(1)および請求項1から10のいずれか一項に記載の少なくとも1つの第2の導体接続端子(1’)を備えた導体接続端子装置において、前記第1の導体接続端子(1)および前記第2の導体接続端子(1’)が、前記第1の導体接続端子(1)の前記第1の形状嵌合要素(11)と、前記第1の形状嵌合要素(11)に対して相補的な、前記第2の導体接続端子(1’)の前記第2の形状嵌合要素(12’)との噛み合い、および前記第1の導体接続端子(1)の前記第2の形状嵌合要素(12)と、前記第2の形状嵌合要素(12)に対して相補的な、前記第2の導体接続端子(1’)の前記第1の形状嵌合要素(11’)との噛み合いによって相互に連結されていることを特徴とする導体接続端子装置。
【請求項13】
前記第1の導体接続端子(1)の前記固定要素(16)と、前記第2の導体接続端子(1’)の固定要素(19’)とが、互いに反対の側に位置して円周方向のレセプタクル(20)を形成することを特徴とする、請求項12に記載の導体接続端子装置。
【請求項14】
2つより多くの導体接続端子(1、1’)が一続きに接続されることが可能であることを特徴とする、請求項12または13に記載の導体接続端子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジングに配置される導体端子接続部を備えた導体接続端子であって、このハウジングは、少なくとも1つの導体挿入口を有する導体挿入面として形成された第1の端面および第1の端面と反対側の第2の端面、ならびに第1と第2の端面を相互に連結する、第1の側面および第1の側面と反対側の第2の側面を有する、導体接続端子に関する。ハウジングはさらに、両方の端面および両方の長手面を相互に連結する下面および下面と反対側の上面を有する。
【背景技術】
【0002】
DE4003701A1は、噛み合う直線的な蟻継ぎ案内部によって組み立てられた2つの個々の柱状端子から成る接続端子を開示している。この蟻継ぎ案内部は、接続端子のハウジングの側壁に沿って、導体挿入方向を横切る方向に延びている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の基礎となる課題は、可能な限りさらに改良された導体接続端子と、それによって構成された、可能な限り機能性を拡張させた導体接続端子装置とを提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、請求項1の特徴を有する導体接続端子によって、または請求項12の特徴を有する導体接続端子装置によって解決される。有利な変形形態は、請求項2から11ならびに請求項13および14で説明されている。例示的実施形態は図に示されている。
【0005】
ハウジングに配置される導体端子接続部を備えた導体接続端子では、ハウジングは、少なくとも1つの導体挿入口を有する導体挿入面として形成された第1の端面および第1の端面と反対側の第2の端面、ならびに第1と第2の端面を相互に連結する、第1の側面および第1の側面と反対側の第2の側面を有し、ならびに両方の端面および両方の側面を相互に連結する下面および下面と反対側の上面を有し、本発明によって、少なくとも第1の側面に、第1の形状嵌合要素およびこの第1の形状嵌合要素から離隔した第2の形状嵌合要素が配置されており、この両方の形状嵌合要素が2つの互いに異なる輪郭を有し、これらの輪郭が互いに相補的に形成されており、つまり形状嵌合要素が互いに対して、これらの形状嵌合要素が互いに補い合う輪郭を有するように形成されており、これらの輪郭が、形状嵌合式に相互に接触し得るということが提案される。
【0006】
好ましい一実施形態では、これら両方の形状嵌合要素が、少なくとも1つの第2の導体接続端子の少なくとも1つの相補的な第1の形状嵌合要素および少なくとも1つの第2の相補的な形状嵌合要素と相互作用するよう適合されている。この実施形態により、有利な安定した形状嵌合式の連結がもたらされ、この連結により、本導体接続端子には少なくとも1つのさらなる第2の導体接続端子または他の部品、例えば固定要素が簡単に連結され得る。このために、第2の導体接続端子または他の部品は、本導体接続端子に対して相補的な形状嵌合要素を有する。異なる設計は、さらなる第2の導体接続端子または他の部品を正しい位置で連結することを可能にする。
【0007】
好ましい一実施形態では、形状嵌合要素が、端面の間に延びている側面の長手方向を横切る方向に延びている。これらの形状嵌合要素は、長手方向に対して少なくともほぼ垂直に方向づけられることが好ましい。これにより、例えば導体引張力が、この形状嵌合式連結部によって吸収され得ることが有利である。
【0008】
好ましい一実施形態では、第1の形状嵌合要素が、側面から突出している凸部として形成されており、かつ第2の形状嵌合要素が、この凸部に対して相補的な凹部として形成されている。従って、形状嵌合を生じさせるように凹部が凸部に合致する。これに関し、凸部がT字形のまたは鳩尾状の断面輪郭を有することが好ましく、凹部はそれに対して相補的なT字形のまたは鳩尾状の断面輪郭を有する。したがって、側面の平面に垂直な方向で、形状嵌合に用いられるアンダーカットが存在している。これにより、側面の平面に垂直な方向での形状嵌合も保証されることが有利である。2つの形状嵌合要素の異なる設計はまた、2つの導体接続端子の互いに対する方向非依存型の取り付けを可能にする。
【0009】
好ましい一実施形態では、第1と第2の形状嵌合要素の間に、導体接続端子を固定するための固定部分が配置されている。この固定部分を使って、導体接続端子が例えば取り付け板、支持レール、またはその類似物に固定される。この固定部分に、独立した固定要素、例えば係合脚が配置され得ることが好ましい。有利な一実施形態では、固定部分は、溝状の凹部として形成されている。この凹部は、トラフ状に、つまり半円形または半円筒形に形成されることが好ましい。この凹部は、側面の長手方向を横切る方向に、好ましくは高さの全体にわたって、または高さの一部のみにわたって延びている。この凹部は、均一に形成される必要はなく、凸部またはその類似物を有していてもよい。その代わりに固定部分が単に、限定的な窪み、例えば穴状の係合受け部として形成されていてもよい。
【0010】
好ましい一実施形態では、第2の側面に、第3の形状嵌合要素および第4の形状嵌合要素が配置されており、導体接続端子の長手方向を横切る方向で側面に平行に方向づけられた対称軸に対して、第3の形状嵌合要素は第1の形状嵌合要素に点対称に、および第4の形状嵌合要素は第2の形状嵌合要素に対称に、とりわけ点対称に配置されている。一方では第1と第3の形状嵌合要素が、他方では第2と第4の形状嵌合要素が、同一の断面輪郭を有することが好ましい。この形成形態により、本導体接続端子の両側にさらなる導体接続端子または他の部品、例えば固定要素が連結され得る。これに関し、様々に形成される形状嵌合要素の点対称の配置が、導体接続端子の互いへの方向非依存型の取り付けを可能にすることが有利である。これはとりわけ、導体接続端子が、両方の互いに反対側の端面に導体挿入口を有する場合に有利である。
【0011】
好ましい一実施形態では、凹部が、側面に配置された2つの隆起して互いに離隔している突出片によって形作られている。したがってこの凹部は、ハウジングの内部空間にまで達しているのではなく、側面上に形成されている。よって内部空間が縮小されないことが有利である。
【0012】
好ましい一実施形態では、側面に、凹部への凸部の挿入を制限するストッパが設けられている。これによりユーザにとっては、最終位置が規定された2つの導体接続端子または他の部品の簡単な取り付けが可能である。この最終位置では、両方のそれぞれの導体接続端子の底面が、共通の平面を構成する、つまり共通の平面に配置されることが有利であり、この共通の平面は、共通の載置面を形成し得る。
【0013】
有利な一実施形態では、これらの突出片が少なくとも部分的に互いに向かって楔形に延びており、かつ/または凸部が少なくとも部分的に楔形に形成されている。このような実施形態は、凹部に凸部をより容易にねじ込みまたは挿入できるので、ユーザに対し、簡略化された取り付けを可能にする。よって、この少なくとも部分的に楔形に延びている部分が、少なくとも挿入区間に存在している場合が有利である。突出片および凸部の楔形に延びている部分は、挿入深さを制限するためのストッパの形成にも役立ち得る。
【0014】
本発明のさらなる態様は、第1の導体接続端子および第2の導体接続端子を備えた導体接続端子装置である。第1の導体接続端子および第2の導体接続端子は、第1の導体接続端子の第1の形状嵌合要素と、この第1の形状嵌合要素に対して相補的な、第2の導体接続端子の第2の形状嵌合要素との噛み合い、および第1の導体接続端子の第2の形状嵌合要素と、この第2の形状嵌合要素に対して相補的な、第2の導体接続端子の第1の形状嵌合要素との噛み合いによって相互に連結されている。すなわち、これらの導体接続端子の一続きの整列方向に、特に安定した形状嵌合式の連結が生じており、この整列方向は、側面への実質的な垂線によって規定されている。一変形形態において、導体接続端子のそれぞれの側面にある第1と第2の形状嵌合要素が異なって形成されていれば、導体接続端子を互いに対して方向非依存的に取り付けて相互に連結できることが有利である。
【0015】
有利な一実施形態では、第1の導体接続端子の好ましくは溝状の凹部として形成された固定要素と、第2の導体接続端子の溝状の凹部として形成された固定要素とが、互いに反対の側に位置し、円周方向のレセプタクルを形成する。この円周方向のレセプタクルは少なくともほぼ閉じており、これに関し、これらの導体接続端子の側面が隣り合っている領域に細長い隙間が残ってもよいが、無理に残さなくてもよい。この円周方向のレセプタクルが、例えば係合脚、ネジ、または標識支持体の収容に適していることが有利である。
【0016】
有利な一実施形態では、2つより多くの導体接続端子が整列することが可能であり、これにより導体接続端子列を形成することが有利である。
本発明の意味において、不定の概念の「1つ」を数詞と理解してはならない。つまり、例えば1つの部品と言う場合、これは「少なくとも1つの部品」の意味で解釈されるべきである。角度表示が度でなされる場合には、この角度表示は360度(360°)の円の尺度に対してである。
【0017】
以下では、図に示した例示的実施形態に基づいて本発明をより詳しく解説する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1の実施形態での導体接続端子の3次元図である。
【
図2】係合脚を備えた第2の実施形態での、第1および第2の導体接続端子を備えた導体接続端子装置を示す図である。
【
図4】
図3の導体接続端子装置を部分断面Xと共に示す図である。
【
図6】
図3の切断線A-Aに沿った導体接続端子装置の断面図である。
【
図7】標識支持体を備えた第2の実施形態での、第1および第2の導体接続端子を備えた導体接続端子装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1では、導体接続端子1の第1の実施形態を示している。導体接続端子1は、第1の端面3および第1の端面3と反対側の(換言すれば、向かい合う)第2の端面4を備えたハウジング2を有する。両方の端面3、4は、第1の側面5および第1の側面5と反対側の第2の側面6を介して相互に連結されている。ハウジング2はさらに下面7および上面8を有し、上面8は下面7と反対の側にある。下面7および上面8は、両方の端面3、4および両方の側面5、6を相互に連結している。第1の端面3から第2の端面4へのまたはその逆への伸長が、導体接続端子1の長手方向Lを規定している。
【0020】
第1および第2の端面3、4にはそれぞれ少なくとも1つの導体挿入口9が配置されており、不図示の導電体が、この導体挿入口9を通って、導体接続端子1のハウジング2内に配置された詳しくは示していない導体接続部に入れられ得る。それぞれの導体接続部は、例えば、たわみ得るクランプバネを備えたスプリングクランプ端子として構築されており、このクランプバネ、つまりクランプバネの各々は、それぞれ例えばハウジング2の上面8に配置された操作レバー10によって作動し得る。
【0021】
図1で示すようにさらに、第1の側面5に2つの形状嵌合要素11、12を認識でき、第1の形状嵌合要素11は凸部111として形成されている。第2の形状嵌合要素12は凹部121を有する。凹部121は、例えば、第1の側面5から突き出ている2つの突出片15によって形成され得る。両方の形状嵌合要素は互いに相補的に形成されている。形状嵌合要素11、12は、長手方向Lに対して実質的に垂直に方向づけられた高さ方向Hに延びている。この形状嵌合要素11、12は、側面5の全高H1にわたってではなく、高さH1の一部だけに延びている。これに関し形状嵌合要素11、12は、例えば下面7に対しておよび上面8に対して離間している。この実施形態では、導体接続端子1と、さらなる導体接続端子との間の取り付け距離、または変位距離が、比較的短く保たれ得ることが有利である。
【0022】
これに加え、第1の形状嵌合要素11と第2の形状嵌合要素12の間には、例えば溝状の凹部として形成された固定要素16が配置されている。
見えていない第2の側面6には、同様に見えていない凸部131として形成された形状嵌合要素13および凹部141として形成された第4の形状嵌合要素14が設けられている。第3の形状嵌合要素13は第4の形状嵌合要素14に対して同様に相補的に形成されている。これに関し、第1の形状嵌合要素11は第3の形状嵌合要素13に対し、長手方向Lに垂直で側面5、6に平行に方向づけられた対称軸Sに関して点対称に配置されることが好ましい。さらに、第2の形状嵌合要素12は第4の形状嵌合要素14に対し、対称軸Sに関して点対称に配置されている。凸部111、131から距離をおいて、境界壁17が設けられており、境界壁17は凸部111、131と一緒に、さらなる導体接続端子の突出片15を収容するのに適したさらなる凹部18を形成している。この境界壁17により、簡単に、費用が増すことなく、凹部18の側方の境界部が達成され得る。
【0023】
これに加えて第2の側面6には、第3の形状嵌合要素13と第4の形状嵌合要素14の間に、例えば溝状の凹部として形成されたさらなる固定要素19が配置されている。
ハウジング2の下面7は、平らに作製され得ることが好ましく、かつ不図示の取り付け面での載置に役立つことが有利である。導体接続端子1を取り付け面に固定し得るよう、下面に窪みまたは係合フックを設けることも考えられる。
【0024】
図2~
図5は、第1の導体接続端子1および第2の導体接続端子1’を備えた本発明による導体接続端子装置の一実施形態を示しており、第1の導体接続端子1と第2の導体接続端子1’は実質的に同一に形成され得る。とりわけ、両方の導体接続端子1、1’はそれぞれ第1、第2、第3、および第4の形状嵌合要素11、12、13、14を有する。これに関し、第1の導体接続端子1の第1の形状嵌合要素11は、これに対して相補的な第2の導体接続端子1’の第4の形状嵌合要素14’と相互作用し、具体的には、形状嵌合要素11、14’は形状嵌合式に相互に連結される。第1の導体接続端子1の第2の形状嵌合要素12は、これに対して相補的な第2の導体接続端子1’の第3の形状嵌合要素13’と相互作用し、具体的には、形状嵌合要素11、14’は形状嵌合式に相互に連結される。第1および第2の導体接続端子1、1’は、形状嵌合要素11、14’、12、13’を高さ方向Hで互いに挿入にすることで相互に連結され、したがって第1および第2の導体接続端子1、1’は、長手方向Lに垂直かつ高さ方向Hに垂直(側面5、6の平面に垂直)に方向づけられた整列方向Aで、形状嵌合式に相互に連結される。この場合、両方の導体接続端子1、1’はその下面7、7’により、好ましくは共通の載置面を形成する。これは、例えば、一方または両方の側面5、6に、凹部121、141への凸部111、131の挿入を制限するストッパ28、29が設けられることで達成され得る。ストッパとして、例えば、側面5、6から突出している2つの相補的な凸部28、29が設けられ、この凸部28、29の各々に、高さ方向Hに垂直な、互いに整列させられるストッパ面が設けられる。
【0025】
図2ではさらに、第1の導体接続端子1および第2の導体接続端子1’の、それぞれ溝状の凹部として形成されており、かつ組み立てた状態では互いに向かい合う固定要素16’、19が、円周方向のほぼ閉じられたレセプタクル(換言すれば、受け部)20を形成していることが認識できる。レセプタクル20には、例えば、導体接続端子1、1’の下面7で突出する係合脚21が挿入され得る。導体接続端子装置を取り付け板に留めるため、導体接続端子の下面7で突出している係合脚21の端部が、例えば不図示の取り付け板の係合口に挿入されて、そこで係合され得る。
【0026】
図3および
図4はそれぞれ、第1の導体接続端子1および第2の導体接続端子1’から構成された導体接続端子装置の平面図を示している。とりわけ、互いに向かい合う固定要素16’、19から構成された円周方向のレセプタクル20が認識でき、このレセプタクル20は、少なくとも高さ方向Hの一区間にわたって好ましくは円形に形成されている。このために固定要素16’、19はそれぞれ半円形の溝状の凹部を有している。ただしレセプタクル20の円形とは違う断面形状、例えば正方形、長方形、または星形も考えられる。
【0027】
図5に示した一部分は、第1の導体接続端子1と第2の導体接続端子1’の形状嵌合式の連結をさらにまた明瞭にしている。第1の導体接続端子1の第1の形状嵌合要素11および第2の導体接続端子1’の第3の形状嵌合要素13’がそれぞれ、鳩尾状のまたはT字形の断面輪郭を有することがはっきり分かる。これに関し、側面5、6’から突き出ている凸部111、131’は、側面5、6’から距離をおいた領域でそれぞれ、長手方向に逆向きに突出する部分22を有し、これらの部分22は、突出片部分23を介して側面と連結している。このようにして、アンダーカットを有する輪郭が実現され、これらの輪郭が、第2の導体接続端子1’の対応している第4の形状嵌合要素14’および第1の導体接続端子1の対応している第2の形状嵌合要素12の相補的な収容輪郭と噛み合い得る。これに関し、形状嵌合要素11、12、13’、14’の輪郭は丸みを有することができる。
【0028】
図6の断面図は、第1の導体接続端子1と第2の導体接続端子1’の分割面を通る断面を、第2の導体接続端子1’の側面5’に向かって見た状態を示している。ここでは、第2の導体接続端子1’の第1の形状嵌合要素11’の凸部111’の断面および第1の導体接続端子1の第3の形状嵌合要素13の凸部131の断面が認識できる。凸部111’、131はそれぞれ、長手方向Lにおいて、第1の導体接続端子1のそれぞれの相補的な第4の形状嵌合要素14および第2の形状嵌合要素12の各々の2つの突出片15によって取り囲まれている。
【0029】
図6ではさらに、レセプタクル20に嵌め込まれて取り付けられる、好ましくは実質的に円筒形の基体24を備えた係合脚21が認識でき、基体24は一方の端に、第1の弾性偏向可能な係合フック25を有し、この係合フック25は、導体接続端子1、1’のハウジングにある相手側係合部分と係合するのに適している。もう一方の端では、係合脚21が、組み立てられた状態で導体接続端子装置の下面7、7’から突出する第2の好ましくは弾性偏向可能な係合フック26を有する。第2の係合フック26は、導体接続端子装置を、係合口を有する不図示の取り付け板に固定するのに適している。
【0030】
係合脚21は、導体接続端子装置の好ましくは下面7、7’から、差込方向Eで、レセプタクル20に嵌め込まれ、つまり挿入される。その際、係合脚21の基体24の、ハウジング段部と相互作用するストッパ27が、挿入深さを制限し、かつ係合脚の規定の位置を可能にする。ハウジング段部は、突出片15によって形作られ得ることが好ましい。
【0031】
このような導体接続装置は、形状嵌合要素11、12、13、14を介し、任意の数のさらなる導体接続端子1によって拡張され得る。これに関し、これらの導体接続端子は、いかなる場合も同一にまたは同様に形成される必要があるのではなく、例えば導体接続部の大きさ、形状、および/または種類において互いに相違し得る。単に、相互に連結すべき導体接続端子1に、互いに対応している形状嵌合要素11、12、13、14が存在しなければならないだけである。様々な導体接続端子1が、互いに方向非依存的に、互いへ取り付けられ得る。
【0032】
図7は、第1および第2の導体接続端子1、1’を備えた導体接続端子装置のさらなる一実施形態を示しており、ここで形成されているレセプタクル20には、不図示の標識を収容するための標識支持体30が嵌め込まれている。
【符号の説明】
【0033】
1 導体接続端子
1’ 第2の導体接続端子
2 ハウジング
3 第1の端面
4 第2の端面
5 第1の側面
6 第2の側面
6’ 第2の側面
7 下面
7’ 下面
8 上面
9 導体挿入口
10 操作レバー
10’ 操作レバー
11 第1の形状嵌合要素
11’ 第1の相補的な形状嵌合要素
12 第2の形状嵌合要素
12’ 第2の相補的な形状嵌合要素
13 第3の形状嵌合要素
13’ 第3の相補的な形状嵌合要素
14 第4の形状嵌合要素
14’ 第4の相補的な形状嵌合要素
15 突出片
16 固定要素
16’ 固定要素
17 境界壁
17’ 境界壁
18 さらなる凹部
19 固定要素
19’ 固定要素
20 レセプタクル
21 係合脚
22 突起部
23 突出片部分
24 基体
25 第1の係合フック
26 第2の係合フック
27 ストッパ
28 ストッパ
29 ストッパ
30 標識支持体
111 凸部
111’ 凸部
121 凹部
121’ 凹部
131 凸部
131’ 凸部
141 凹部
E 差込方向
H 高さ方向
L 長手方向
S 対称軸
【国際調査報告】