(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】リパーゼ変異体及びその使用
(51)【国際特許分類】
C12N 9/20 20060101AFI20240822BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20240822BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20240822BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20240822BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20240822BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240822BHJP
C12P 1/00 20060101ALI20240822BHJP
C12N 15/55 20060101ALN20240822BHJP
【FI】
C12N9/20 ZNA
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P1/00 A
C12N15/55
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516402
(86)(22)【出願日】2021-10-13
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 CN2021123607
(87)【国際公開番号】W WO2023035357
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】202111065741.4
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516156282
【氏名又は名称】▲凱▼菜英生命科学技▲術▼(天津)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100158920
【氏名又は名称】上野 英樹
(72)【発明者】
【氏名】洪 浩
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ,ゲイジ
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 娜
(72)【発明者】
【氏名】焦 学成
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 芳
(72)【発明者】
【氏名】▲賈▼ 如
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 文敬
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
【Fターム(参考)】
4B064AD27
4B064CA21
4B064CB03
4B064CC24
4B064CD05
4B064CE10
4B064DA16
4B065AA26X
4B065AA41Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA31
(57)【要約】
リパーゼ変異体及びその使用を提供し、具体的には、配列番号1で示されるアミノ酸配列を基に、A262H、A338V、V364I、A158P/V及びI159Nからなる群より選択される1つ以上の突然変異が発生し、リパーゼ変異体は、親リパーゼと比べ、タンパク質構造及び機能が変更し、立体選択性が向上し、酵素の使用量がある程度低下し、後処理の難易度も低下して、工業化生産に適する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1を基に下記のアミノ酸突然変異が発生したリパーゼ変異体であって、
【表1】
又は、
アミノ酸配列が、突然変異が発生したアミノ酸配列における突然変異部位を有し、且つ突然変異が発生したアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するとともに、Pseudomonas putidaに由来し、且つリパーゼ活性を有するリパーゼ変異体である、
ことを特徴とするリパーゼ変異体。
【請求項2】
アミノ酸配列が、突然変異が発生したアミノ酸配列と90%以上の相同性を有するとともに、Pseudomonas putidaに由来し、且つリパーゼ活性を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のリパーゼ変異体。
【請求項3】
アミノ酸配列が、突然変異が発生したアミノ酸配列と95%以上の相同性を有するとともに、Pseudomonas putidaに由来し、且つリパーゼ活性を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のリパーゼ変異体。
【請求項4】
アミノ酸配列が、突然変異が発生したアミノ酸配列と99%以上の相同性を有するとともに、Pseudomonas putidaに由来し、且つリパーゼ活性を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のリパーゼ変異体。
【請求項5】
アミノ酸配列が、突然変異が発生したアミノ酸配列と99.5%以上の相同性を有するとともに、Pseudomonas putidaに由来し、且つリパーゼ活性を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のリパーゼ変異体。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のリパーゼ変異体をコードする、
ことを特徴とするDNA分子。
【請求項7】
請求項6に記載のDNA分子が連結されている、
ことを特徴とする組換プラスミド。
【請求項8】
前記組換プラスミドは、pET-21b(+)、pET-22b(+)、pET-3a(+)、pET-3d(+)、pET-11a(+)、pET-12a(+)、pET-14b、pET-15b(+)、pET-16b(+)、pET-17b(+)、pET-19b(+)、pET-20b(+)、pET-21a(+)、pET-23a(+)、pET-23b(+)、pET-24a(+)、pET-25b(+)、pET-26b(+)、pET-27b(+)、pET-28a(+)、pET-29a(+)、pET-30a(+)、pET-31b(+)、pET-32a(+)、pET-35b(+)、pET-38b(+)、pET-39b(+)、pET-40b(+)、pET-41a(+)、pET-41b(+)、pET-42a(+)、pET-43a(+)、pET-43b(+)、pET-44a(+)、pET-49b(+)、pQE2、pQE9、pQE30、pQE31、pQE32、pQE40、pQE70、pQE80、pRSET-A、pRSET-B、pRSET-C、pGEX-5X-1、pGEX-6p-1、pGEX-6p-2、pBV220、pBV221、pBV222、pTrc99A、pTwin1、pEZZ18、pKK232-8、pUC-18及びpUC-19からなる群より選択されるいずれか1つである、
ことを特徴とする請求項7に記載の組換プラスミド。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の組換プラスミドを含有する、
ことを特徴とする植物でない宿主細胞。
【請求項10】
原核細胞又は真核細胞であり、前記真核細胞が酵母細胞である、
ことを特徴とする請求項9に記載の宿主細胞。
【請求項11】
前記宿主細胞はコンピテント細胞である、
ことを特徴とする請求項9に記載の宿主細胞。
【請求項12】
前記コンピテント細胞は、大腸菌BL21細胞又は大腸菌W3110である、
ことを特徴とする請求項11に記載の宿主細胞。
【請求項13】
請求項1~5のいずれか1項に記載のリパーゼ変異体を利用して、式Iで示されるエステル系化合物の、式IIで示される酸系化合物及び式IIIで示されるアルコール系化合物への加水分解を触媒することを含み、
【化1】
ここで、R
1は、CH
3、CH
2CH
3、CH
2-CH
2CH
3又はCHCH
3CH
3から選択されるいずれか1つであり、
R
2、R
3、R
4及びR
5は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、CH
3又はCH
2CH
3から選択されるいずれか1つであり、
シクロヘキサン環に二重結合が存在するか、又は存在せず、存在する場合、二重結合は、R
3とR
4との間、R
5とR
6との間、R
7とR
8との間、及びR
9とR
10との間のいずれか1つ以上に形成される、
ことを特徴とするキラル化合物の調製方法。
【請求項14】
前記エステル系化合物は、
【化2】
のいずれか1つである、
ことを特徴とする請求項13に記載の調製方法。
【請求項15】
前記リパーゼ変異体は、15℃~30℃の温度で、式Iで示されるエステル系化合物の加水分解反応を触媒する、
ことを特徴とする請求項13に記載の調製方法。
【請求項16】
前記リパーゼ変異体の菌泥量とエステル系化合物との質量比は1:10~1:1である、
ことを特徴とする請求項13に記載の調製方法。
【請求項17】
反応系に、さらに、DMSO、アセトン、ジメチルテトラヒドロフラン、イソプロピルアルコール及びn-プロパノールからなる群より選択されるいずれか1つである有機溶媒を含有する、
ことを特徴とする請求項13に記載の調製方法。
【請求項18】
前記有機溶媒の前記反応系における体積百分含有量は5%~10%である、
ことを特徴とする請求項17に記載の調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工業用酵素の分野に関し、具体的には、リパーゼ変異体及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、キラル薬物合成の工業的応用に一般的に使用される方法として、化学触媒法及び酵素触媒法がある。化学触媒では、安価で、プロセスが成熟しており、比較的に大規模生産が容易であるアルカリ金属を触媒剤とするが、当該方法の反応には一定のランダム性があり、選択性が悪く、生成物に特異性がなく、副生成物が多く、収率が低い等の欠点がある。これに比べ、酵素法での触媒は、触媒条件が温和で、エコで環境に優しく、反応の副生成物が少なくなる等の利点を有する。例えば、酸、アルコール、エステル系キラル薬物を分割する時、一般的に化学方法を使用して、対応するメチルエステル、エチルエステル、又はプロピルエステル等のラセミ化合物を合成し、その後、リパーゼ又はエステラーゼを利用して立体選択的加水分解を行うことにより、単一鏡像体配座のキラルユニットを取得する。
【0003】
リパーゼは、動植物、微生物に広く存在する酵素であり、アンモノリシス、アルコリシス、エステル化、トランスエステル化、エステル類の逆合成等の反応を触媒することができる。一般的に使用されるリパーゼには、ブタ膵臓リパーゼ、カンジダ属リパーゼ、シュードモナス属リパーゼ及び毛カビ属リパーゼが含まれる(キラル薬物合成における生物触媒剤の使用[J].アミノ酸及び生体資源,2013,35(4):39-42)。例えば、出願開示番号がCN108642025Aである発明特許出願には、クモノスカビリパーゼ由来の変異体M8A、L10A、T9Aの1,3-位置選択性が野生型酵素よりも4.75倍向上したことが開示されている。当該変異体は、ヒト乳脂代替品の触媒反応に適用され、顕著な効果が得られた。
【0004】
微生物由来のリパーゼは、立体選択性が高く、触媒温度範囲が広く、形質転換効率が高く、副生成物が少ない等の利点があり、触媒キラルの分割、単一キラルアルコール系、アミン系及びエステル系等の有機合成中間体の調製に一般的に使用される(リパーゼの固定化及びそのキラル分割の研究進展[J].応用化工,2011,40(10):1823-1827)。例えば、除草剤(R)-α-フェノキシプロピル、抗炎症剤(S)-フェニルプロピルアルコールは、いずれもリパーゼの立体選択性によって単一の活性フェノキシプロピルに形質転換される。
【0005】
しかし、現在の既存の商業化リパーゼには、コストが高いという問題があり、工業的生産において、特に基質がラセミ化合物形態で存在する時、大多数の野生型リパーゼの立体選択性が悪く、単一配座基質を触媒する野生型の工業酵素を直接得ることはほとんど不可能であり、また、野生型酵素の多くには、触媒効率が低く、安定性が弱い等の欠点があるため、実際に広く利用可能な立体選択性の良いリパーゼは多くない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主な目的は、工業用リパーゼの立体選択性が低いという従来技術における問題を解決するために、リパーゼ変異体及びその使用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を実現するために、本発明の一態様によれば、リパーゼ変異体を提供し、当該リパーゼ変異体は、配列番号1を基に次のアミノ酸突然変異が発生したものであり、
【表1】
又はリパーゼ変異体のアミノ酸配列は、突然変異が発生したアミノ酸配列における突然変異部位を有し、且つ突然変異が発生したアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するとともに、当該リパーゼ変異体は、Pseudomonas putidaに由来し、且つリパーゼ活性を有する。
【0008】
さらに、リパーゼ変異体のアミノ酸配列は、突然変異が発生したアミノ酸配列との相同性が90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上であるとともに、当該リパーゼ変異体は、Pseudomonas putidaに由来し、且つリパーゼ活性を有する。
【0009】
上記目的を実現するために、本発明の第2態様によれば、上記リパーゼ変異体をコードするDNA分子を提供する。
【0010】
本発明の第3態様によれば、上記DNA分子が連結されている組換プラスミドを提供する。
【0011】
さらに、組換プラスミドは、pET-21b(+)、pET-22b(+)、pET-3a(+)、pET-3d(+)、pET-11a(+)、pET-12a(+)、pET-14b、pET-15b(+)、pET-16b(+)、pET-17b(+)、pET-19b(+)、pET-20b(+)、pET-21a(+)、pET-23a(+)、pET-23b(+)、pET-24a(+)、pET-25b(+)、pET-26b(+)、pET-27b(+)、pET-28a(+)、pET-29a(+)、pET-30a(+)、pET-31b(+)、pET-32a(+)、pET-35b(+)、pET-38b(+)、pET-39b(+)、pET-40b(+)、pET-41a(+)、pET-41b(+)、pET-42a(+)、pET-43a(+)、pET-43b(+)、pET-44a(+)、pET-49b(+)、pQE2、pQE9、pQE30、pQE31、pQE32、pQE40、pQE70、pQE80、pRSET-A、pRSET-B、pRSET-C、pGEX-5X-1、pGEX-6p-1、pGEX-6p-2、pBV220、pBV221、pBV222、pTrc99A、pTwin1、pEZZ18、pKK232-8、pUC-18及びpUC-19からなる群より選択されるいずれか1つである。
【0012】
本発明の第4態様によれば、上記のいずれか1つの組換プラスミドを含有する植物でない宿主細胞を提供する。
【0013】
さらに、宿主細胞は、原核細胞又は真核細胞であり、真核細胞が酵母細胞である。
【0014】
さらに、宿主細胞はコンピテント細胞である。
【0015】
さらに、コンピテント細胞は大腸菌BL21細胞又は大腸菌W3110である。
【0016】
本発明の第5態様によれば、キラル化合物の調製方法を提供し、当該調製方法は、上記のいずれか1つのリパーゼ変異体を利用して式Iで示されるエステル系化合物の、式IIで示される酸系化合物及び式IIIで示されるアルコール系化合物への加水分解を触媒することを含み、
【化1】
ここで、R
1は、CH
3、CH
2CH
3、CH
2-CH
2CH
3又はCHCH
3CH
3から選択されるいずれか1つであり、
R
2、R
3、R
4及びR
5は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、CH
3又はCH
2CH
3から選択されるいずれか1つであり、
シクロヘキサン環に二重結合が存在するか、又は存在せず、存在する場合、二重結合は、R
3とR
4との間、R
5とR
6との間、R
7とR
8との間及びR
9とR
10との間のいずれか1つ以上に形成される。
【0017】
さらに、エステル系化合物は、
【化2】
のいずれか1つである。
【0018】
さらに、リパーゼ変異体は、15℃~30℃の温度で、式Iで示されるエステル系化合物の加水分解反応を触媒する。
【0019】
さらに、リパーゼ変異体の菌泥量とエステル系化合物との質量比は1:10~1:1である。
【0020】
さらに、反応系に、さらに、DMSO、アセトン、ジメチルテトラヒドロフラン、イソプロピルアルコール及びn-プロパノールからなる群より選択されるいずれか1つである有機溶媒を含有する。
【0021】
さらに、有機溶媒の反応系における体積百分含有量は5%~10%である。
【発明の効果】
【0022】
本発明の技術的解決手段を適用すると、配列番号1で示されるアミノ酸配列を基に、合理的な設計及び数回の酵素進化・スクリーニングによって得られたリパーゼ変異体は、親リパーゼに比べ、タンパク質構造及び機能が変更し、実際の適用において、リパーゼ変異体の立体選択性が極めて大きく向上した。また、リパーゼ変異体の立体選択性が向上したため、酵素の使用量がある程度低下し、後処理の難易度も低下し、工業化生産に適する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
なお、本願における実施例及び実施例の特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わせることができ、以下、実施例を参照して本発明を詳細に説明する。
【0024】
背景技術に言及したように、既存の工業化用リパーゼの立体選択性が低く、この状況を改善するために、本発明は合理的な設計及び数回の酵素進化・スクリーニングによって、一連の立体選択性が向上したリパーゼ変異体を取得し、これを基に、出願人は本願の解決手段を提出した。
【0025】
典型的な実施例において、リパーゼ変異体を提供し、当該リパーゼ変異体のアミノ酸配列は、配列番号1で示されるアミノ酸配列に下記のように突然変異が発生して得られたものであり、
【表2】
又はリパーゼ変異体のアミノ酸配列は、突然変異が発生したアミノ酸配列における突然変異部位を有し、且つ突然変異が発生したアミノ酸配列と80%以上(好ましくは、90%以上、又は95%以上、又は99%以上、又は99.95%以上、又はさらには99.99%以上)の相同性を有するとともに、Pseudomonas putidaに由来し(即ち、上記表における変異体の種と同じ由来である)、且つリパーゼ活性を有する。
【0026】
上記リパーゼ変異体のアミノ酸配列は、配列番号1で示されるアミノ酸配列に突然変異が発生したものであり、関連する突然変異が発生した重要な部位は、A262、A338、V364、A158、I159、I245、L65、F66、S67、C68、R123、T160、V226、L234、T236、R237、P243、A244、 N263、H335、P336、G337、Y363及びL365のうちの1つ又は複数の部位を含むが、これらに限定されない。
【0027】
なお、発明者は、100種以上の異種由来の野生型リパーゼの当該タイプの基質(例えば、基質1)に対する触媒をスクリーニングして、選択性を触媒するe.e.値は、いずれも非常に低く(<5%)、それに対して、配列番号1のリパーゼ(Pseudomonas putidaに由来)を有する触媒反応のe.e.値が最もよいことを見出した。それにもかかわらず、そのe.e.値は、十分に理想的ではないため、配列番号1のリパーゼを基に進化を行うことが選択された。
【0028】
上記リパーゼ変異体は、配列番号1で示されるアミノ酸配列を基に合理的な設計及び数回の酵素進化・スクリーニングによって得られたものであり、タンパク質構造及び機能の変更が実現され、実際の適用において、リパーゼの立体選択性が極めて大きく向上した。また、リパーゼ変異体の立体選択性が向上したため、酵素の使用量がある程度低下し、後処理の難易度も低下し、工業化生産に適する。
【0029】
配列番号1のアミノ酸配列は、具体的には次のとおりである。
【化3】
【0030】
対応する核酸配列の配列番号2は次のとおりである。
【化4】
【0031】
上記の合理的な設計及び酵素進化・スクリーニングの具体的な方法又はステップは、以下に例示したものを含むが、これらに限定されない。
【0032】
まず、フループラスミドPCRの方式により、配列番号1に突然変異部位を導入し、変異体の活性及び選択性を検出し、活性及び選択性が向上した変異体を選択する。
【0033】
配列番号1をテンプレートとして、部位特異的突然変異プライマー(部位特異的突然変異部位は表1を参照)を設計して部位特異的突然変異手段を利用し、pET-22b(+)を発現キャリアとして、ターゲット遺伝子を持つ突然変異プラスミドを取得する。
【0034】
ここで、部位特異的突然変異とは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)等の方法によってターゲットDNA断片(ゲノムであっても、プラスミドであってもよい)に必要な変化(通常は、有利な方向を特徴付ける変化)を導入することをいい、塩基の添加、削除、部位突然変異等が含まれる。部位特異的突然変異は、DNAが発現するターゲットタンパク質の性状及び特徴を迅速で、高効率に向上させることができ、遺伝子研究作業における非常に有用な手段である。
【0035】
フループラスミドPCRを利用して部位特異的突然変異を導入する方法は簡単で効果的であり、現在よく使用されている手段である。その原理は、次のとおりである。突然変異部位を含む一対のプライマー(正方向、逆方向)及びテンプレートプラスミドをアニーリングした後、ポリメラーゼを用いて「循環伸長」させ、いわゆる循環伸長とは、ポリメラーゼがテンプレートにしたがってプライマーを一周伸長させ、プライマー5’端に戻ると終了してから、加熱・アニーリング・伸長を繰り返す循環を行い、この反応は、ローリングサークル増幅と異なって、複数のタンデムコピーを形成しない。正方向と逆方向プライマーの伸長生成物はアニーリング後、切り口付きの開環状プラスミドになるように対合される。伸長生成物をDpn I酵素切断し、元のテンプレートプラスミドが一般的な大腸菌に由来するため、damメチル化修飾されたものであり、Dpn Iに敏感で細断されるが、インビトロで合成された突然変異配列を持つプラスミドは、メチル化されていないため、切断されず、そのため、その後の形質転換に成功して、突然変異プラスミドのクローンを得ることができる。
【0036】
単一部位突然変異で性状が向上した変異体を取得したことを基に、有益なアミノ酸部位を組み合わせて、性状がより優れる変異体を得ることができる。
【0037】
活性及び鏡像体選択性が大幅に向上したリパーゼ変異体を得た後、誤りがちPCRの方法を使用してそれをランダム突然変異させ、品質の高い変異体ライブラリを構築し、適切なハイスループットスクリーニング方法を開発して、ライブラリをスクリーニングして、立体選択性が一層向上した変異体を取得する。
【0038】
誤りがちPCRとは、誤りがち条件でのPCR、即ちコピーしたDNA配列に誤りを生じやすいPCR技術をいい、ミスマッチPCR又は傾向誤りPCRとも呼ばれる。具体的には、低忠実度TaqDNAポリメラーゼを利用し且つPCR反応条件を変更することにより、DNAコピーの忠実度を低下させ、新しいDNA鎖の合成過程に塩基のミスマッチを増やし、それにより、増幅生成物に複数部位突然変異が発生するDNA配列変異をインビトロ誘導する方法である。
【0039】
誤りがちPCRは、現在のところ、最も簡単で、効果的な遺伝子のインビトロランダム突然変異生成技術であり、その原理は、次のとおりである。塩基の異性化によりミスマッチが可能になり、DNAを構成する4つの塩基は、いずれにも互変異性体が存在し、ここで、グアニン(G)、シトシン(C)及びチミン(T)の3つの酸素含有塩基は、ケトン型及びエノール型の2つの互変異性体を有する。アデニン(A)及びチミンの2つの窒素含有塩基は、アミン式、イミン式の2つの互変異性体を有する。G、C及びTは、主に、ケトン型構造で存在し、エノール型構造の割合は極めて低く、A及びTの2つの窒素含有塩基上の窒素原子は、主に、アミノ基(NH2)状態で存在し、イミノ基(NH)状態で存在する割合が極めて低い。異なる異性体間の水素原子位置の違い及び同じ位置の電子雲がずれる方向の違いにより、塩基の対合形態を変更することができ、こうすると、コピー後の子鎖にミスマッチが発生する可能性がある。例えば、チミンがケトン型構造で存在する場合、アデニンと対合し、エノール型構造で存在する場合、グアニンと対合し、こうすると、AがCに対合でき、TがGに対合できる不安定な塩基対が現れ、それによりミスマッチが発生する。
【0040】
既知のいくつかの耐熱DNAポリメラーゼにおいて、Taq DNAポリメラーゼのミスマッチ率が最も高い。Taq DNAポリメラーゼは、発見された耐熱DNAポリメラーゼのうち、活性が最も高い1つであって、5’-3’エキソヌクレアーゼ活性を有するが、3’-5’エキソヌクレアーゼ活性を有さないため、合成において、一部の単一ヌクレオチドのミスマッチに対して補正機能がなく、そのため3’-5’校正活性を有するDNAポリメラーゼよりもミスマッチが発生する確率が高い。濃度の異なる4つのdNTPの使用、Mn2+の添加、Mg2+濃度の向上等を含む様々な方法により、DNAポリメラーゼの忠実度を低下させることができる。いくつの突然変異生成方法により、DNA鎖を増幅させる塩基変異の機序が異なる。MnC12は、DNAポリメラーゼの突然変異生成因子であり、Mn2+を加えると、ポリメラーゼのテンプレートに対する特異性が低下して、ミスマッチ率が向上し、4つのdNTPs濃度のアンバランスによって塩基が誤って組み込まれる確率を向上させて、ミスマッチを実現することができ、Mg2+はTaq酵素を活性化する作用を有し、Mg2+濃度を正常の使用量を超えるまで高め、相補的でない塩基対を安定化させることができ、Taq DNAポリメラーゼの使用量の向上や各循環の伸長時間の増加により、ミスマッチ末端の伸長確率を高めることができ、開始テンプレートの濃度を低下させると、後のPCR循環の変異テンプレート割合が高くなる。
【0041】
誤りがちPCRに対して構築した変異体ライブラリをスクリーニングすることにより、活性及び鏡像体立体選択性が一層向上したリパーゼ変異体を取得する。また、活性及び鏡像体立体選択性が顕著に向上した突然変異を取得するために、飽和突然変異プライマーを設計して変異体をさらに進化させる。
【0042】
飽和突然変異は、ターゲットタンパク質のコード遺伝子を改変することにより、標的部位のアミノ酸がそれぞれ他の19種類のアミノ酸に置換された変異体を短時間内に取得する方法である。この方法は、タンパク質を指向改変する強力なツールであるだけでなく、タンパク質構造-機能関係研究の重要な手段でもある。飽和突然変異は、単一部位突然変異よりもより理想的な進化体をしばしば取得できる。部位特異的突然変異方法で解決できないこれらの問題は、飽和突然変異方法が得意とする独特な点である。
【0043】
上記のように、突然変異プラスミドを大腸菌細胞内に形質転換し、大腸菌内で過剰発現させる。その後、超音波で細胞を破砕する方法で粗酵素を取得する。リパーゼ誘導発現する最適条件は、0.06mMのIPTG、20℃で16h誘導発現させることである。
【0044】
本願のスクリーニングされた変異体は大量の実験によって検証され、ラセミ化合物形態で存在する基質が過度に形質転換されない場合、最終的に、当該酵素触媒反応のS型製品の立体選択性e.e.が最初の<5%から少なくとも80%以上まで向上したことを証明し、工業化生産のニーズを大きく満たした。
【0045】
本発明の典型的な実施形態において、さらに、上記いずれか1つのリパーゼ変異体をコードするDNA分子を提供する。コードされた上記リパーゼ変異体は、選択性が高いという長点を有する。
【0046】
本発明の典型的な実施形態において、さらに、上記DNA分子が連結されている組換プラスミドを提供する。当該DNA分子は、上記いずれか1つの選択性が高いリパーゼ変異体をコードすることができる。具体的な配列は、表1~表5の配列、又はこれらの配列と上記アミノ酸部位の変化を維持する前提で、他の部位のアミノ酸配列に置換、添加又は欠失の突然変異が発生したヌクレオチド配列から選択される。
【0047】
上記組換プラスミドのうち、上記リパーゼのDNA分子を発現するために使用できる任意の組換プラスミドは、いずれも本発明に適する。本発明の好ましい実施例において、組換プラスミドは、pET-22b(+)、pET-21b(+)、pET-3a(+)、pET-3d(+)、pET-11a(+)、pET-12a(+)、pET-14b、pET-15b(+)、pET-16b(+)、pET-17b(+)、pET-19b(+)、pET-20b(+)、pET-21a(+)、pET-23a(+)、pET-23b(+)、pET-24a(+)、pET-25b(+)、pET-26b(+)、pET-27b(+)、pET-28a(+)、pET-29a(+)、pET-30a(+)、pET-31b(+)、pET-32a(+)、pET-35b(+)、pET-38b(+)、pET-39b(+)、pET-40b(+)、pET-41a(+)、pET-41b(+)、pET-42a(+)、pET-43a(+)、pET-43b(+)、pET-44a(+)、pET-49b(+)、pQE2、pQE9、pQE30、pQE31、pQE32、pQE40、pQE70、pQE80、pRSET-A、pRSET-B、pRSET-C、pGEX-5X-1、pGEX-6p-1、pGEX-6p-2、pBV220、pBV221、pBV222、pTrc99A、pTwin1、pEZZ18、pKK232-8、pUC-18及びpUC-19からなる群より選択される1つである。
【0048】
本発明の典型的な実施形態において、さらに、上記のいずれか1つの組換プラスミドを含有する植物でない宿主細胞を提供する。具体的な宿主細胞は、原核細胞であっても、真核細胞であってもよく、好ましくは、真核細胞は酵母細胞である。より好ましくは、上記宿主細胞はコンピテント細胞であり、さらに好ましくは、コンピテント細胞は大腸菌BL21細胞又は大腸菌W3110である。
【0049】
本発明の典型的な実施形態において、さらに、キラル化合物の調製方法を提供し、当該調製方法は、前記いずれか1つのリパーゼ変異体を利用して、式Iで示されるエステル系化合物の、式IIで示される酸系化合物及び式IIIで示されるアルコール系化合物への加水分解を触媒することを含む。
【化5】
ここで、R
1は、CH
3、CH
2CH
3、CH
2-CH
2CH
3又はCHCH
3CH
3から選択されるいずれか1つであり、R
2、R
3、R
4及びR
5は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、CH
3又はCH
2CH
3から選択されるいずれか1つであり、シクロヘキサン環に二重結合が存在するか、又は存在せず、存在する場合、二重結合は、R
3とR
4との間、R
5とR
6との間、R
7とR
8との間及びR
9とR
10との間のいずれか1つ以上に形成される。
【0050】
好ましい実施例において、エステル系化合物は、
【化6】
のいずれか1つである。
【0051】
好ましい実施例において、リパーゼ変異体は、15℃~30℃の温度で、式Iで示されるエステル系化合物の加水分解反応を触媒する。
【0052】
好ましい実施例において、リパーゼ変異体の菌泥量とエステル系化合物との質量比は1:10~1:1である。異なる変異体の形質転換効率はある程度異なり、同じ形質転換e.e.値を達成するために使用される質量比も異なる。
【0053】
好ましい実施例において、反応系に、さらに、DMSO、アセトン、ジメチルテトラヒドロフラン、イソプロピルアルコール及びn-プロパノールからなる群より選択されるいずれか1つである有機溶媒を含有する。
【0054】
好ましい実施例において、有機溶媒の反応系における体積百分含有量は5%~10%であり、有機溶媒の体積百分含有量が当該範囲内にある場合、本願の変異体は、いずれも依然として高い立体選択性を有する。
【0055】
以下、具体的な実施例を参照して、本願の有益な効果をさらに説明する。なお、下記実施例に使用される基質には、下記のものが含まれる。
【化7】
【0056】
(実施例1)
基質1/基質2/基質3をそれぞれ10mg取り、反応系に、1mgの再懸濁したリパーゼ又はその変異体の菌泥、0.3MでpH7.5のKPB Buffer(K
2HPO4・3H
2O 54.91g、KH
2PO
4 8.08g、超純水を0.9L加えて溶解し、pHを7.5に調整した後に1Lに定容した)を順次加え、系が1000μLになるまで補充し、200rpm、30℃で、1h恒温反応させた。系に6Mの希塩酸を60μL加え、均一に混合して、反応を終了してから、n-ヘキサンを1mL加えて抽出し、十分に振り、12000rpmで2min遠心分離し、上層をサンプルフラスコに取り入れて正常相HPLCを行って、S型製品のe.e.値を検出した。一部の変異体反応特性は、下表1のとおりである。
【表3】
【0057】
S型製品の選択性e.e.の高さを*で表し、「-」で親及び親に相当する変異体の選択性が0~5%であることを表し、*は、e.e.が5%~10%であることを表し、**は、e.e.が15~20%であることを表し、***は、e.e.が20~50%であることを表し、****は、e.e.が50~80%であることを表し、*****はe.e.≧80%を表す。
【0058】
(実施例2)
基質1及び基質4をそれぞれ10mg取り、反応系に、1mgの再懸濁したリパーゼ又はその変異体の菌泥、及び0.3MでpH7.5のKPB Bufferを順次加え、系が1000μLになるまで補充し、200rpm、30℃で、1h恒温反応させた。系に6Mの希塩酸を60μL加え、均一に混合して、反応を終了してから、n-ヘキサンを1mL加えて抽出し、十分に振り、12000rpmで2min遠心分離し、上層をサンプルフラスコに取り入れて正常相HPLCを行って、S型製品のe.e.値を検出した。一部の変異体反応特性は、下表2のとおりである。
【表4】
【0059】
S型製品の選択性e.e.高さを*で表し、「-」で親の選択性が0~5%であることを表し、*は、e.e.が5%~10%であることを表し、**は、e.e.が15~20%であることを表し、***は、e.e.が20~50%であることを表し、****は、e.e.が50~80%であることを表し、*****はe.e.≧80%を表す。
【0060】
(実施例3)
基質1/基質2/基質3/基質4/基質5/基質6をそれぞれ10mg取り、反応系に、1mgの再懸濁したリパーゼ又はその変異体の菌泥、及び0.3MでpH7.5のKPB Bufferを順次加え、系が1000μLになるまで補充し、200rpm、30℃で、1h恒温反応させた。系に6Mの希塩酸を60μL加え、均一に混合して、反応を終了してから、n-ヘキサンを1mL加えて抽出し、十分に振り、12000rpmで2min遠心分離し、上層をサンプルフラスコに取り入れて正常相HPLCを行って、S型製品のe.e.値を検出した。一部の変異体反応特性は、下表3のとおりである。
【表5】
【0061】
S型製品の選択性e.e.高さを*で表し、「-」で親及び親に相当する変異体の選択性が0~5%であることを表し、*は、e.e.が5%~10%であることを表し、**は、e.e.が15~20%であることを表し、***は、e.e.が20~50%であることを表し、****は、e.e.が50~80%であることを表し、*****はe.e.≧80%を表す。
【0062】
(実施例4)
基質2/基質3/基質6をそれぞれ10mg/100mg/1g取り、反応系に、1mgの再懸濁したリパーゼ又はその変異体の菌泥、及び0.3MでpH7.5のKPB Bufferを順次加え、系が1000μLになるまで補充し、200rpm、30℃で、1h恒温反応させた。系に6Mの希塩酸を60μL加え、均一に混合して、反応を終了してから、n-ヘキサンを1mL加えて抽出し、十分に振り、12000rpmで2min遠心分離し、上層をサンプルフラスコに取り入れて正常相HPLCを行って、S型製品のe.e.値を検出した。比較的によい変異体を3つ選択して、10mgから100mgまで、さらに1gに段階的に増幅させ、S型製品のe.e.は、全部明らかに向上し、具体的な反応特性は、下表4に示すとおりである。
【表6】
【0063】
S型製品の選択性e.e.高さを*で表し、「-」で親の選択性が0~5%であることを表し、*は、e.e.が5%~10%であることを表し、**は、e.e.が15~20%であることを表し、***は、e.e.が20~50%であることを表し、****は、e.e.が50~80%であることを表し、*****はe.e.≧80%を表す。
【0064】
(実施例5)
基質2/基質5をそれぞれ10mg取り、反応系に、再懸濁したリパーゼ又はその変異体の菌泥、及び0.3MでpH7.5のKPB Bufferを順次加え、系が1000μLになるまで補充し、異なる反応温度15℃/20℃/30℃、200rpmで、1h反応させ、S型製品の選択性e.e.に対する温度の影響を考察した。
【0065】
また、系に、体積百分比が5%及び10%であるDMSO、アセトン、ジメチルテトラヒドロフラン、イソプロピルアルコール及びn-プロパノールをそれぞれ添加し、0.3MでpH7.5のKPB Bufferを加え、系が1000μLになるまで補充し、20℃で1h恒温反応させ、S型製品の選択性e.e.に対する異なる添加物の影響を考察した。
【0066】
上記系に6Mの希塩酸を60μL加え、均一に混合して、反応を終了してから、n-ヘキサンを1mL加えて抽出し、十分に振り、12000rpmで2min遠心分離し、上層をサンプルフラスコに取り入れて正常相HPLCを行って、S型製品のe.e.値を検出した。具体的な反応特性は、下表5に示すとおりである。
【表7】
【0067】
S型製品の選択性e.e.高さを*で表し、「-」で親の選択性が0~5%であることを表し、*は、e.e.が5%~10%であることを表し、**は、e.e.が15~20%であることを表し、***は、e.e.が20~50%であることを表し、****は、e.e.が50~80%であることを表し、*****はe.e.≧80%を表す。
【0068】
以上の説明から分かるように、本発明の上記実施例により、次のような技術効果が実現された。配列番号1で示されるリパーゼのアミノ酸配列に対する合理的な設計及び一連の進化・スクリーニングによって、構造及び機能が変更したリパーゼ変異体を取得し、これらのリパーゼ変異体が触媒反応に用いられる際に、S型製品を生成する立体選択性e.e.値が非常に顕著に向上し、それにより、酵素触媒方法を使用して選択性S型製品の生産がほぼできない最初の状況から、一定の形質転換率に制御すると、選択性が少なくとも80%より大きいS型製品を取得できることになり、工業化生産のニーズを大きく満たした。
【0069】
以上の説明は、本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を限定するものではなく、当業者にとって、本発明は様々な修正及び変更が可能である。本発明の精神と原則内で行われた任意の修正、等価置換、改良等は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【配列表】
【国際調査報告】