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特表2024-531721患者の腫瘍のネオアンチゲンをコードする二本鎖DNAプールを生成する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】患者の腫瘍のネオアンチゲンをコードする二本鎖DNAプールを生成する方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/31 20060101AFI20240822BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20240822BHJP
   C12N 15/113 20100101ALI20240822BHJP
   C12P 19/34 20060101ALI20240822BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240822BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240822BHJP
   A61K 39/00 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
C12N15/31 ZNA
C12N15/12
C12N15/113 Z
C12P19/34 A
A61P35/00
A61P29/00
A61K39/00 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516455
(86)(22)【出願日】2022-09-13
(85)【翻訳文提出日】2024-04-30
(86)【国際出願番号】 EP2022075374
(87)【国際公開番号】W WO2023036999
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】21196366.5
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21196390.5
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21196406.9
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524095579
【氏名又は名称】オンコディーエヌエー
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 彩夏
(74)【代理人】
【識別番号】100231647
【弁理士】
【氏名又は名称】千種 美也子
(72)【発明者】
【氏名】デティッフ,ジャン-ポール
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン フッフェル,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】マルカイルー,チャールズ
【テーマコード(参考)】
4B064
4C085
【Fターム(参考)】
4B064AF27
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA01
4C085AA03
4C085BB23
4C085DD51
4C085EE01
(57)【要約】
対応するRNA分子への転写のためのプロモーターの制御下にある腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをコードする1つのセグメントおよび翻訳されるRNA分子をペプチドに翻訳するためのセグメントを含む合成DNA分子。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対応するRNA分子への転写のためのプロモーターの制御下にある、腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをコードする1つのセグメント、および翻訳されるRNA分子のペプチドへの翻訳のためのセグメントを含む合成DNA分子。
【請求項2】
小胞領域で腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープを安定化および/または標的化および/または輸送するための配列および/またはコードされた腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをMHC分子にアドレスさせるための配列をコードするセグメントをさらに含む、請求項1に記載のDNA分子。
【請求項3】
翻訳エンハンサーをコードするセグメントおよび/または3’-UTRおよび/または3’ポリAテールセグメントおよび/または5’-UTRをさらに含む、請求項1または2に記載のDNA分子。
【請求項4】
1つの鎖あたり100ヌクレオチドから1つの鎖あたり約2500ヌクレオチドまで、好ましくは、1つの鎖あたり300ヌクレオチドから1つの鎖あたり約800ヌクレオチドまで、より好ましくは、1つの鎖あたり約400ヌクレオチドから1つの鎖あたり約700ヌクレオチドまで、さらにより好ましくは、1つの鎖あたり約500(または550)ヌクレオチドから1つの鎖あたり約650(または600)ヌクレオチドまでを含むサイズを有しおよび二本鎖である、請求項1~3のいずれか1項に記載のDNA分子。
【請求項5】
抗原をMHC分子にアドレスさせるためのペプチドの(第2の)部分をコードするセグメント、(ii)転写されるRNAの安定性を増大させるための、または転写されるRNAのタンパク質への翻訳を増大させるためのセグメント、および(iii)ポリAテールをコードするセグメントを含む、DNA分子。
【請求項6】
アンチセンスである、請求項5に記載のDNA分子、好ましくは請求項1~4のいずれか1項に記載のDNA分子をセンスDNA分子として塩基対形成するためのアンチセンスである、請求項5に記載のDNA分子。
【請求項7】
プロモーターの制御下で、腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをコードするDNA分子の化学合成を行う工程を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のDNA分子の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
(i) RNAへの転写のためのプロモーター、その翻訳のためのセグメントおよび腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープとインフレームで融合されるエンドソームにアドレスさせるための標的化配列、およびTリンパ球への提示のための、コードされた腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープを負荷するための配列をコードする遺伝要素の第1の部分、を含む第1の一本鎖DNA分子、および
(ii) Tリンパ球への提示のための、コードされた腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープの負荷のための配列をコードする遺伝要素の第2の部分をコードする第2の一本鎖DNA分子であって、該第2の一本鎖DNA分子はアンチセンスであり、および前記第1の部分および第2の部分は、Tリンパ球への提示のための腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープの負荷のための完全な配列を形成するものであって、前記第1の部分および第2の部分は、(少なくとも15の連続するヌクレオチドの)重複が存在し、特定の塩基対形成を可能にする、第2の一本鎖DNA分子
の化学合成を行う工程を含み、
前記方法は、(i)のDNA分子を(ii)のDNA分子とハイブリダイズさせる工程、およびプロモーター、翻訳エンハンサー、腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをインフレームで融合されるエンドソームにアドレスさせるための標的化配列、およびTリンパ球への提示のためのコードされた腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープの負荷のための配列をコードする遺伝要素をコードする二本鎖DNA分子を生成するために2つの分子を伸長する工程をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
(ii)のDNA分子が3’-UTRおよび/またはポリAテールをさらに含む、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
請求項1~5のいずれか1項に記載のDNA分子のプール、または請求項7~9のいずれか1項に記載の方法で得ることができるDNA分子のプールであって、前記DNA分子のプールは複数の異なる腫瘍ネオアンチゲンもしくは感染病原体由来の複数の異なるエピトープを含むものである、請求項1~5のいずれか1項に記載のDNA分子のプール、または請求項7~9のいずれか1項に記載の方法で得ることができるDNA分子のプール。
【請求項11】
請求項10に記載のDNA分子のプールであって、前記DNA分子のプールの複数のDNA分子が腫瘍ネオアンチゲンもしくは感染病原体由来のエピトープのRNAへの転写のための同一のプロモーターを有する、請求項10に記載のDNA分子のプール。
【請求項12】
請求項10または11に記載のDNA分子のプールであって、前記DNA分子のプールの複数のDNA分子が、腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをエンドソームに標的化するための配列をコードする同一の遺伝要素、および/または同一の翻訳エンハンサーおよび/またはTリンパ球への提示のためのコードされた腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープを負荷するための配列をコードする同一の遺伝要素および/または同一の3’-UTRを有する、請求項10または11に記載のDNA分子のプール。
【請求項13】
請求項1~4のいずれか1項に記載のDNA分子または請求項10~12のいずれか1項に記載のDNA分子のプールを生成する工程、およびDNA分子のRNA分子へのインビトロ転写を行う工程を含む、患者に影響を与えるがんに対するRNAワクチンの生成方法。
【請求項14】
RNA分子をワクチンに配合する工程をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
患者に影響を与えるがんまたは感染症の治療における使用のための、請求項14の方法によって得られるワクチン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、腫瘍ネオアンチゲンを生成するための、患者のゲノムから抽出された情報の使用に関する。特に、腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体(infectious agent)由来のエピトープをコードする1つのセグメントを含む合成DNA分子の発見に関する。このような合成DNA分子は、RNAワクチン、例えば患者の腫瘍の腫瘍ネオアンチゲンを含む個別化ワクチン、または感染病原体由来のエピトープを含むワクチンの鋳型として使用され得る。
【0002】
より具体的には、限定されるものではないが、本開示は、RNAワクチンに転写できるDNA分子の製造方法に関する。
【0003】
本開示はまた、本発明によるDNA分子のプールにも関する。
【0004】
本開示はまた、本発明によるDNA分子または本発明によるDNA分子のプールを生成する工程を含む、患者に影響を及ぼすがんに対するRNAワクチンの生成方法に関する。
【0005】
本開示はまた、本発明によるRNAワクチンの生成方法によって得られるワクチンにも関する。
【背景技術】
【0006】
特許文献1は、de novo遺伝子合成の方法を提供する。特に、この文献は大きな遺伝子ライブラリーや比較的長いオリゴヌクレオチド断片をエラーが少なく効率的に迅速に合成できる方法、装置、およびシステムを提供する。de novo遺伝子合成に使用される基板はシリコンである。
【0007】
特許文献2は、所定の核酸配列を提供すること、各前駆体二本鎖核酸断片は2本の鎖を有するものである、複数の前駆体二本鎖核酸断片を提供すること、を含む核酸アセンブリのための方法を提供するものであって、それぞれの二本鎖は、5’-A(Nx)T-3’または5’-G(Nx)T-3’の粘着末端配列を含み、Nはヌクレオチドであり、xはヌクレオチドAとTの間、またはGとCの間のヌクレオチドの数であり、xは1から10であり、および同じ粘着末端配列を含む前駆体二本鎖核酸断片が2つ以下である、方法を提供する。
【0008】
特許文献3は、オリゴ核酸を合成するための装置であって、プレートと、 メインチャネルを備えるものであって、メインチャネルはプレートの上面の開口部からプレート内に垂直に延びるものであり、およびメインチャネルの幅は0.5~2mmであり、およびメインチャネルに接続された複数のマイクロチャネルであって、複数のマイクロチャネルの各マイクロチャネルは、プレートの底面側の開口部からメインチャネル内に垂直に延びるものである、装置を提供する。
【0009】
特許文献4は、非常に正確で均一なポリヌクレオチドライブラリーを効率的にde novo合成するためのシステム、方法、および組成物を提供する。特に、特許文献4は、a)表面を含む構造を提供する工程、b)少なくとも1つのヌクレオシドを表面に付着したポリヌクレオチドに結合させる工程、c)表面に酸化溶液を堆積させる工程、d)洗浄溶剤を表面に付着させる工程であって、該洗浄溶剤は、ケトン、エステル、エーテル、炭化水素、またはそれらの機能的等価物を含む、工程、およびe)工程b~dを繰り返して複数のポリヌクレオチドを合成する工程、を含む、ポリヌクレオチド合成方法を提供する。
【0010】
特許文献5は、対象のほぼすべてのがんタンパク質またはその断片を生成するように体の細胞機構に安全に指示できるリボ核酸 (RNA)がんワクチンを提供する。この文献では、20個のエピトープまたは52個のエピトープを有するがんワクチンが例示されている。この文献には、エピトープのコンカテマーをコードするオープンリーディングフレームを有するmRNAがんワクチンが記載されている。
【0011】
特許文献6は、ワクチン核酸が所与の長さに対して最大の抗がん効果を有する、mRNAワクチンを用いて患者のがんを治療する方法を記載する。
【0012】
非特許文献1は、抗原をMHC分子に結合させることによる抗原提示の効率に言及するものであって、記載されているベクターはプロモーター、ポリAテール、および3’UTR配列を持っている。
【0013】
非特許文献2は、CMV、EBVおよびインフルエンザの32個のエピトープをコードするポリエピトープmRNA構築物のインビトロ転写であって、該mRNA構築物はDC-LAMPシグナル配列、3’-UTR配列およびポリA尾部を含む、インビトロ転写を記載する。
【0014】
特許文献7は、マラリアに対するワクチンのための方法および組成物であって、該ワクチンが、プラスミドまたはアデノウイルス発現ベクターを使用して産生されるいくつかの抗原のカクテルを含むことができる、方法および組成物を記載する。
【0015】
残念ながら、これらの文献はこれらの技術の利点を説明しているが、現在、患者の腫瘍から同定された腫瘍特異的抗原(ネオアンチゲン)または感染病原体由来のエピトープをコードするDNA分子、好ましくは200ヌクレオチドを超える長さの長いDNA分子、のde novo合成が存在しない。特に、複数の異なる腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをコードする複数のDNA分子をプール内で生成することを可能にする前記DNA分子をプール内で生成する方法は存在しない。実際、病気、例えばがんは、多数の疾患特異的抗原によって特徴付けられる場合がある。効率的な個別化RNAワクチンの製造は、患者において適切な免疫学的反応を誘発できる十分に多数の疾患特異的抗原、例えば腫瘍ネオアンチゲンを含むワクチンの開発にかかっている。現在、個別化ワクチンの有効性は高くなく、その理由の一部は、ワクチンに組み込むことができる個別化エピトープまたはネオアンチゲンの数が限られているという事実である。実際、最先端の個別化ワクチンは、エピトープのコンカテマーを有するオープンリーディングフレームをコードするDNAまたはRNAに基づく。DNAまたはRNAのサイズは、対応するプラスミドの最大サイズによって制限される。サイズが限定されているため、異なるエピトープを標的とする特異的なT細胞の産生を特徴とする大きな免疫応答を誘発するために必要な、非常に多数の異なるエピトープを組み込むことができない。最先端技術では、ワクチンの鋳型として使用できるコンカテマーエピトープを含むDNA断片のde novo産生についても言及されているが、そのようなde novo産生は200ヌクレオチド以下の長さを有する短いDNA断片の合成であって、これらの短いDNA断片は、複数のライゲーションによってさらに組み立てられるものによって制限される。したがって、最新技術による現在の方法におけるもう一つの重要な制限は、得られるDNA断片にエラーを導入する可能性がある複数のライゲーション工程の存在である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】US2015038373A1
【特許文献2】WO2016126987A1
【特許文献3】WO2016172377A1
【特許文献4】US2020222875
【特許文献5】EP3576751
【特許文献6】W02020/097291
【特許文献7】WO2018/183922
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Kreiter Sebastianら、The Journal of Immunology, Vol180, 2008, pp 309-318
【非特許文献2】Nielsenら、Journal ofImmunological Methods, Vol 360, 2010, pp 149-156)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをコードする1つのセグメントを含む合成DNA分子であって、好ましくは該DNA分子は200ヌクレオチド以上の長さを有し、プール内に存在する異なるDNA分子の数に制限なくDNA分子のプール内で生成することができるものである合成DNA分子、を処理する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明によれば、対応するRNA分子への転写のためのプロモーターの制御下にある腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをコードする1つのセグメントと、翻訳されるRNA分子のペプチドへの翻訳のためのセグメントとを含む合成DNA分子が提供される。
【0020】
本発明によれば、(i)抗原をMHC分子に対応させる(addressing)ためのペプチドの(第2の)部分をコードするセグメント、(ii)転写されるRNAの安定性を増加させるか、または転写されるRNAのタンパク質への翻訳を増加させるためのセグメント、および(iii)ポリAテールをコードするセグメント、を含む(相補的) DNA分子も提供される。詳細な説明でさらに説明するように、本発明による前記(相補的)DNA分子は、リバースプライマーとして使用され、1つのリバースプライマーのみを使用してプール内で複数の二本鎖DNA分子の生成を可能にする。
【0021】
本発明は、プロモーターの制御下で腫瘍ネオアンチゲンをコードするDNA分子の化学合成を行う工程を含む、本発明によるDNA分子の製造方法にも関する。
【0022】
本発明の別の対象は、本発明によるDNA分子のプール、または本発明による方法によって得られるDNA分子のプールであって、前記プールは、複数の異なる腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体に由来するエピトープを含む。実際、複数の異なる腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来の異なるエピトープを含む本発明によるDNA分子のプールは、該プール中に存在する異なるネオアンチゲンまたはエピトープの数に制限はない。結果として、本発明によるDNA分子のプールは、患者の無制限の数のネオアンチゲンを組み込むことができる患者の個別化ワクチンの鋳型として機能することができ、したがって、最適な免疫学的応答を誘発し、個別化ワクチンの高い有効性を保証することができる。
【0023】
本発明は、本発明によるDNA分子または本発明によるDNA分子のプールを生成する工程、およびDNA分子をRNA分子にインビトロ転写する工程を含む、患者に影響を及ぼすがんに対するRNAワクチンの生成方法にも関する。
【0024】
本発明は、本発明による工程によって得られるワクチンにも関する。
【0025】
従属請求項は、他の有利な実施形態について言及している。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は対応する転写されるRNAおよび翻訳されるポリヌクレオチドとともに異なる断片を含む、本発明によるDNA分子の模式図である。
図2図2は本発明によるDNA分子の様々なバリエーションを示す。
図3図3は2つの一本鎖DNA分子の重複領域を伴う本発明によるDNA分子を示す。
図4図4は第1および第2の一本鎖DNA分子間の部分的重複ハイブリダイゼーションを説明する模式図を示す。
図5図5は本発明によるDNA分子のプールを示す。
図6図6は本発明によるDNA分子の配列の一例を示す。
図7図7は本発明によるDNA分子の配列および対応するタンパク質配列の一例を示す。
図8図8はフォワード(forward)プライマーおよびリバース(reverse)プライマーとともに、本発明によるDNA分子の配列および対応するタンパク質配列の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図面では、同じ参照番号が同じまたは類似の要素に割り当てられている。
【0028】
本発明の他の特徴および利点は、非限定的な以下の説明から、また図面および実施例を参照することによって導き出されるであろう。
【0029】
図1は、本発明による合成DNA分子1.10は、対応するRNA分子1.20への転写のためのプロモーター1.11の制御下にある腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをコードする1つのセグメント1.13と、転写された前記RNA分子1.20のペプチド1.30への翻訳1.12のためのセグメントを備えることを示す模式図を示す。好ましくは、本発明による合成DNA分子1.10は、腫瘍ネオアンチゲンを1つだけまたは感染病原体由来のエピトープを1つだけをコードするセグメント1.13を含んでなる。
【0030】
好ましくは、DNA分子1.10 は一本鎖DNA分子として合成される。
【0031】
好ましくは、腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをコードするセグメント1.13は、21~504ヌクレオチド、好ましくは51~201ヌクレオチド、より好ましくは63~84ヌクレオチド、有利には81ヌクレオチドを含む配列であり、セグメント1.13は、患者の腫瘍の腫瘍ネオアンチゲンを都合よくコードする。
【0032】
図2は、本発明によるDNA分子1.10は、好ましくは、腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープを小胞領域または細胞表面にアドレス(addressing)および/または安定化および/または標的化および/または輸送するための配列をコードするセグメント2.11をさらに含むことを示す。好ましくは、DNA分子1.10は、コードされた腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをMHC分子に対応させるための配列をコードするセグメント2.21を含んでいる。有利には、DNA分子1.10は、翻訳エンハンサーをコードするセグメント2.31をさらに含む。
【0033】
好ましくは、DNA分子1.10は、3’-UTRおよび/または3’ポリAテールセグメント2.41および/または5’-UTRを含む。有利には、本発明によるDNA分子は、図1および図2に示されるDNA分子に限定されない。実際に、本発明によるDNA分子は、少なくともプロモーター1.11、翻訳用セグメント1.12、および腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをコードするセグメント1.13を含む。好ましくは、腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープを安定化するための、および/または小胞領域および/または細胞表面にそれを標的化および/または輸送するための配列をコードするセグメント2.11、および/またはコードされた腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをMHC分子にアドレスさせるための配列をコードするセグメント2.21、および/または翻訳エンハンサーおよび/または3’-UTRおよび/または3’ポリAテールセグメント2.41および/または5’-UTRをコードするセグメント2.31、またはセグメント2.11および/または2.21および/または2.31および/または2.41の任意の組み合わせをさらに含んでよい。本発明によれば、DNA分子の異なるセグメント1.11および/または1.12および/または2.11および/または1.13および/または2.21および/または2.31および/または2.41の5’から3’への連続順序は変化してもよく、図1図3に示されるDNA分子で示される連続順序に限定されない。有利には、本発明者らは、DNA分子1.10に付加された各DNAセグメント2.11および/または2.21および/または2.31および/または2.41が、腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープ1.13のペプチド発現をそれぞれ約5倍増加させることを見出した。
【0034】
有利には、対応するRNA分子への転写のためのプロモーターの制御下にある腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをコードする1つのセグメントおよび転写されるRNA分子をペプチドに翻訳するためのセグメントを含む合成DNA分子は、小胞領域における腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープを安定化および/または標的化および/または輸送するための配列をコードするセグメントをさらに含み、および好ましくはコードされた腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをMHC分子にアドレスさせるための配列をコードするセグメント、翻訳エンハンサーをコードするセグメント、および3’-UTRおよび/または3’ポリAテールセグメントおよび/または5’-UTRをさらに含む。
【0035】
あるいは、対応するRNA分子への転写のためのプロモーターの制御下にある腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをコードする1つのセグメントおよび転写される前記RNA分子をペプチドに翻訳するためのセグメントを含む合成DNA分子は、コードされた腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをMHC分子にアドレスさせるための配列をコードするセグメントをさらに含み、および好ましくは小胞領域における腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープを安定化および/または標的化および/または輸送するための配列をコードするセグメント、翻訳エンハンサーをコードするセグメント、および3’-UTRおよび/または3’ポリAテールセグメントおよび/または5’-UTRをさらに含む。
【0036】
あるいは、対応するRNA分子への転写のためのプロモーターの制御下にある腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをコードする1つのセグメントおよび転写される前記RNA分子をペプチドに翻訳するためのセグメントを含む合成DNA分子は、翻訳エンハンサーをコードするセグメントをさらに含み、および好ましくは小胞領域における腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープを安定化および/または標的化および/または輸送するための配列、コードされた腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをMHC分子にアドレスさせるための配列をコードするセグメントおよび3’-UTRおよび/または3’ポリAテールセグメントおよび/または5’-UTRをさらに含む。
【0037】
あるいは、対応するRNA分子への転写のためのプロモーターの制御下にある腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをコードする1つのセグメントおよび転写される前記RNA分子をペプチドに翻訳するためのセグメントを含む合成DNA分子は、3’-UTRおよび/または3’ポリAテールセグメントおよび/または5’-UTRをさらに含み、および好ましくは小胞領域における腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープを安定化および/または標的化および/または輸送するための配列、コードされた腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをMHC分子にアドレスさせるための配列、および翻訳エンハンサーをコードするセグメントをさらに含む。
【0038】
好ましくは、プロモーター1.11は、バクテリオファージRNAポリメラーゼプロモーターである。より好ましくは、プロモーター1.11は、T7 RNAポリメラーゼ、SP6 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ、Syn5 RNAポリメラーゼ、KP34RNAポリメラーゼのプロモーター配列を含むプロモーターの群に属する。さらにより好ましくは、本発明によると、T7 RNAポリメラーゼのプロモーター配列は、その配列全長にわたって配列番号1に対して少なくとも95%の同一性を有するT7RNAポリメラーゼに対する結合配列であり、SP6 RNAポリメラーゼのプロモーター配列は、その配列全長にわたって配列番号73に対して少なくとも95%の同一性を有するSP6RNAポリメラーゼに対する結合配列であり、T3 RNAポリメラーゼのプロモーター配列は、その配列全長にわたって配列番号74に対して少なくとも95%の同一性を有するT3RNAポリメラーゼに対する結合配列であり、Syn5 RNAポリメラーゼのプロモーター配列は、その配列全長にわたって配列番号75に対して少なくとも95%の同一性を有するSyn5RNAポリメラーゼに対する結合配列であり、KP34 RNAポリメラーゼのプロモーター配列は、その配列全長にわたって配列番号76(強プロモーター1)に対して、またはその配列全長にわたって配列番号77(強プロモーター2)に対して、またはその配列全長にわたって配列番号78(弱プロモーター)に対して、少なくとも95%の同一性を有するKP34RNAポリメラーゼに対する結合配列である。好ましくは、本発明によるプロモーター1.11は、その配列全長にわたって配列番号1に対して少なくとも95%の同一性を有するT7RNAポリメラーゼのプロモーター配列である。
【0039】
有利には、翻訳用セグメント1.12は、DNA分子1.10の5’UTR領域(コード領域の上流)に位置する翻訳エンハンサー配列である。DNA分子1.10のコード領域、コード部分は、図1図2および図3の灰色のボックスで表される。好ましくは、翻訳1.12のセグメントはヒトサイトメガロウイルス (CMV)エンハンサー、アルファまたはベータグロビンエンハンサー、EF-1アルファエンハンサー、サルウイルス40 (SV40)エンハンサー、PGK1プロモーター、HSD17B4プロモーター、ユビキチン Cプロモーター、およびベータアクチンプロモーターを含む翻訳エンハンサー/プロモーター配列の群から選択される翻訳エンハンサー/プロモーター配列である。より好ましくは、翻訳 1.12 のセグメントは、ベータグロビン翻訳エンハンサー配列である。好ましくは、該ベータグロビン翻訳エンハンサー配列は、その配列全長にわたって配列番号2に対して少なくとも95%の同一性を有する。
【0040】
好ましくは、腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープを小胞領域にアドレスおよび/または安定化および/または標的化および/または輸送するための配列をコードするセグメント2.11は、エンドソームプロセシングのためのシグナル配列、例えば、リソソーム関連膜タンパク質のシグナル配列(LAMP1またはLAMP2;例えば、配列番号3など)、あるいは樹状細胞(DC-LAMP)のシグナル配列、またはMHC-Iに結合させるための小胞コンパートメントにアドレスさせるための配列である。好ましくは、エンドソームプロセシングのためのシグナル配列であって、前記シグナル配列は、その配列全長にわたって配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を好ましくは有する。
【0041】
好ましくは、セグメント2.21は、コードされた腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをMHC分子にアドレスさせるための配列をコードしており、Tリンパ球に提示するための免疫プロセシングである。より好ましくは、セグメント2.21は、好ましくは配列全長にわたって配列番号5に対して少なくとも95%の同一性を有する、樹状細胞リソソーム関連膜糖タンパク質シグナル配列である。
【0042】
有利には、翻訳エンハンサーをコードするセグメント2.31は、DNA分子1.10の3’UTR領域(コード領域の下流)に優先的に位置する翻訳エンハンサーおよび/または翻訳安定化配列である。好ましくは、セグメント2.31は、βグロビン翻訳エンハンサー配列であり、βグロビン翻訳エンハンサーは、好ましくは、その配列全長にわたって配列番号6に対して少なくとも95%の同一性を有する。
【0043】
好ましくは、セグメント2.41は、少なくとも68ヌクレオチドの、好ましくは少なくとも100ヌクレオチドの3’ポリAテール配列である。
【0044】
好ましくは、DNA分子は、保存された配列要素に対応する3’および/または5’セグメント(3’および/または5’CSEセグメント)をさらに含み得る。これらの3’および/または5’CSEセグメントは、RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)によって有利に認識され、転写されるDNA分子のRNA増幅を可能にする。
【0045】
有利には、本発明によるDNA分子は、1つの鎖あたり100ヌクレオチドから1つの鎖あたり約2500ヌクレオチドまで、好ましくは、1つの鎖あたり300ヌクレオチドから1つの鎖あたり約800ヌクレオチドまで、より好ましくは、1つの鎖あたり約400ヌクレオチドから1つの鎖あたり約700ヌクレオチドまで、さらにより好ましくは、1つの鎖あたり約500(または550)ヌクレオチドから1つの鎖あたり約650(または600)ヌクレオチドまでのサイズを有する。
【0046】
図3は、本発明に従って、(相補的)DNA分子3.20が、(i)抗原(エピトープ1.13)をMHC分子にアドレスさせるためのペプチドのセグメント2.21の(第2の)部分をコードするセグメント、(ii)転写されるRNAの安定性を増大させるため、または転写されるRNAのタンパク質への翻訳を増大させるためのセグメント2.31、および(iii)ポリAテールをコードするセグメント2.41を含むことを示す。
【0047】
有利には、本発明によるアンチセンスであるDNA分子3.20は、好ましくはセンスDNA分子3.10と塩基対形成するためのものであって、前記DNA分子3.10は、対応するRNA分子への転写のためのプロモーターの制御下で、抗原またはエピトープをコードするセグメント1.13、その翻訳用のセグメント1.12、腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープを小胞領域にアドレスおよび/または安定化および/または標的化および/または輸送するための配列をコードするセグメント2.11およびTリンパ球に提示するための抗原を負荷(loading)するためのペプチドのセグメント2.21の(第1の)部分をコードするセグメントを含むものであって、ここで前記第1の部分と第2の部分は、Tリンパ球に提示するための抗原を負荷するための完全な配列2.21を形成するものであって、および、前記第1の部分および第2の部分は、センスおよびアンチセンスであり、DNA分子3.10とDNA分子3.20との塩基対形成を可能にする重複配列3.30が存在する。
【0048】
有利には、重複配列3.30は、少なくとも5ヌクレオチド、好ましくは少なくとも10ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも15ヌクレオチド、有利には少なくとも20ヌクレオチドおよび/または好ましくは最大100ヌクレオチド、より好ましくは最大75ヌクレオチド、有利には最大40ヌクレオチドの連続した配列である。好ましくは、重複配列3.30は、定常配列領域(constant sequence region)に位置する。本発明によれば、定常配列領域とは、本発明によるあらゆるDNA分子1.10に存在する配列領域を指す。
【0049】
好ましくは、重複配列は、その配列全長にわたって、配列番号5のうちのヌクレオチド30~52に対応する配列に対して少なくとも95%の同一性を有する配列である。
【0050】
好ましくは、本発明によるDNA分子の製造方法は、プロモーターの制御下で腫瘍ネオアンチゲンをコードするDNA分子の化学合成を行う工程を含む。
【0051】
好ましくは、化学合成は、シリコンベースのDNA書き込み技術(すなわち、US2018104664A1)を使用した一本鎖オリゴヌクレオチド合成である。
【0052】
好ましくは、本発明による方法は:
(i) RNAへの転写のためのプロモーター1.11、その翻訳のためのセグメント1.12および、腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープ1.13とインフレームで融合されるエンドソームにアドレスさせるための標的化配列2.11およびTリンパ球への提示のための、コードされた腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープを負荷するための配列をコードする遺伝要素2.21の第1の部分、を含む第1の一本鎖DNA分子、および
(ii) Tリンパ球への提示のための、コードされた腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープの負荷のための配列をコードする遺伝要素2.21の第2の部分をコードする第2の一本鎖DNA分子3.20であって、該第2の一本鎖DNA分子はアンチセンスであり、および前記第1の部分および第2の部分は、Tリンパ球への提示のための腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープの負荷のための完全な配列2.21を形成するものであって、前記第1の部分および第2の部分は、(少なくとも15の連続するヌクレオチドの)重複3.30が存在し、特定の塩基対形成を可能にする、第2の一本鎖DNA分子3.20、
の合成を行う工程を含む方法であって、
前記方法は、(i)のDNA分子を(ii)のDNA分子とハイブリダイズさせる工程、および、プロモーター1.11、翻訳イニシエーター(translational initiator)1.12、腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープ1.13をインフレームで融合されるエンドソームにアドレスさせるための標的化配列2.11およびTリンパ球への提示のためにコードされた腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープの負荷のための配列2.21をコードする遺伝要素をコードする二本鎖DNA分子を生成するために2つの分子を伸長する工程をさらに含む、方法。
【0053】
好ましくは、本発明による方法において、DNA分子(ii)は、3’-UTR2.31および/またはポリAテール2.41をさらに含む。
【0054】
図4はさらに、4.10において、第1の一本鎖DNA分子3.10は、第2の一本鎖DNA分子3.20の遺伝要素2.21の第2の部分に位置する配列4.12と重複する、遺伝要素2.21の第1の部分に位置する配列4.11を含むことを示す。第1の一本鎖DNA分子3.10は、腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープのセグメント1.13を含む。第1の一本鎖DNA分子3.10は、重複3.30を介して第2の一本鎖DNA分子3.20とハイブリダイズした(図4の4.20を参照)。次に、重複領域3.30から始まる伸長により、二本鎖DNA分子4.30の生成が可能になる。好ましくは、伸長は、一本鎖DNA分子3.10と3.20の両方を鋳型として使用して、DNAポリメラーゼによって実行される酵素を利用した工程である。
【0055】
有利には、本発明はまた、本発明によるDNA分子のプール、または本発明による方法によって得られるプールにも関するものであり、該プールは、複数の異なる腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープを含む。好ましくは、複数の腫瘍ネオアンチゲンの各腫瘍ネオアンチゲンは、患者の腫瘍において同定された特異的腫瘍抗原である。
【0056】
有利には、分子3.20は、分子3.10のプールと同一であり、相補的である。
【0057】
図5は、本発明によるDNA分子のプール5.10、または本発明による方法によって得られるプールを示す。有利には、プールは、第2の一本鎖DNA分子3.20の遺伝要素2.21の第2の部分に位置する配列4.12と重複する、遺伝要素2.21の第1の部分に位置する配列4.11を含む、第1の一本鎖DNA分子3.10を含む。第1の一本鎖DNA分子3.10は、腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをコードする配列1.13を有する。好ましくは、プールはまた、複数の異なる第1の一本鎖DNA分子、例えば3.10aおよび3.10bを含み、それぞれ第1の一本鎖DNA分子は第2および第3の特異的腫瘍ネオアンチゲン(または第2のおよび第3の感染病原体由来のエピトープ)1.13aおよび1.13bをコードするそれぞれの特異的配列を有する。好ましくは、配列1.13、1.13aおよび1.13bによってコードされる腫瘍ネオアンチゲンのアミノ酸配列は、対応する「参照」配列とそれぞれ少なくとも1アミノ酸異なるか、または前記アミノ酸配列は、患者の腫瘍にのみ存在し、患者の正常細胞、すなわち患者の末梢血単核球(PBMC)には存在しないオープンリーディングフレームからコードされるde novoアミノ酸配列である。複数の異なる第1の一本鎖DNA分子3.10aおよび3.10bはまた、第2の一本鎖DNA分子3.20の遺伝要素2.21の第2の部分に位置する配列4.12と重複する、遺伝要素2.21の第1の部分に位置する配列4.11を含む。プールはまた、第1の一本鎖DNA分子(例えば3.10、3.10aおよび/または3.10b)と第2の一本鎖DNA分子3.20との間でハイブリダイズした分子(例えば第1の一本鎖DNA分子3.10と第2の一本鎖DNA分子3.20との間のハイブリダイズした分子4.20)、および第1の一本鎖DNA分子3.10bと第2の一本鎖DNA分子3.20との間でハイブリダイズした分子5.30の複数のハイブリダイズした分子を含んでもよい。有利には、プールは複数の二本鎖DNA分子も含むものであって、各二本鎖DNA分子は、第1の一本鎖DNA分子(例えば3.10、3.10aまたは3.10b)とその相補配列に対応する配列の部分と、第2の一本鎖DNA分子3.20とその相補配列に対応する第2の部分とを含む。図5において、第1の一本鎖DNA分子3.10および第2の一本鎖DNA分子3.20を含む二本鎖DNA分子4.30と、第1の一本鎖DNA分子3.10bおよび第2の一本鎖DNA分子3.20を含む二本鎖DNA分子5.40が示される。好ましくは、本発明によるDNA分子のプールでは、プールの複数のDNA分子が、腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープのRNAへの転写のための同一のプロモーターを有する。
【0058】
本発明によれば、対応する「参照」配列は、患者の正常細胞、すなわちPBMCに由来するDNA配列データの予測ペプチド配列に相当する。
【0059】
より好ましくは、本発明によるDNA分子のプールにおいて、前記プールの複数のDNA分子は、腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープをエンドソームに標的化するための配列をコードする同一の遺伝要素および/または同一の翻訳エンハンサーおよび/またはTリンパ球への提示のためのコードされた腫瘍ネオアンチゲンまたはコードされた感染病原体由来のエピトープを負荷するための配列をコードする同一の遺伝要素および/または同一の3’-UTRを有する。
【0060】
有利には、本発明によるDNA分子のプールは、複数の第2の一本鎖DNA分子3.20を含むものであり、複数の第2の一本鎖DNA分子3.20の各第2の一本鎖DNA分子3.20は、同一のDNA配列を有する。
【0061】
好ましくは、複数の第2の一本鎖DNA分子3.20のうちの各第2の一本鎖DNA分子3.20は、その配列全長にわたって配列番号8に対して少なくとも95%の同一性を有する配列によって定義される。
【0062】
好ましくは、本発明によるDNA分子のプールは、複数の異なる腫瘍ネオアンチゲンまたは複数の異なる感染病原体由来のエピトープを含む複数の第1の一本鎖DNA分子を含む。
【0063】
有利には、第1の一本鎖DNA分子3.10と第2の一本鎖DNA分子3.20との間の重複配列3.30は、定常配列領域内の連続配列であることから、2つの部分的に重複し対になった鎖3.10と3.20の伸長によって二本鎖DNA分子のプールの生成を可能にする。
【0064】
有利には、第1の一本鎖DNA分子3.10、3.10a、および 3.10bは、複数の異なる腫瘍ネオアンチゲンまたは複数の異なる感染病原体由来のエピトープ、すなわち、第1の特異的腫瘍ネオアンチゲン1.13、第2の特異的腫瘍ネオアンチゲン1.13a、および/または第3の特異的腫瘍ネオアンチゲン1.13bをコードすることができる腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープのセグメント1.13についてのみが互いに異なる配列をそれぞれ有するDNA分子である。腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープのセグメント1.13を除いて、複数の第1の一本鎖DNA分子のうちの各第1の一本鎖DNA分子3.10の他のセグメント、例えば、RNAでの転写のためのプロモーター1.11、その翻訳のためのセグメント1.12、およびエンドソームにアドレスさせるための標的化配列2.11 およびTリンパ球に提示するためのコードされた腫瘍ネオアンチゲンまたは感染病原体由来のエピトープを負荷するための配列をコードする遺伝要素2.21の第1の部分は、実質的に同一である。
【0065】
有利には、腫瘍ネオアンチゲンをコードするセグメント、すなわち1.13、1.13aまたは1.13bは、対応するペプチドおよび/または腫瘍内にのみ存在し患者の正常細胞には存在しないオープンリーディングフレームでコードされる新規アミノ酸配列と比較して、アミノ酸配列に質的差異を有する腫瘍ネオアンチゲンを生成するものである。好ましくは、複数の異なる腫瘍ネオアンチゲンの各腫瘍ネオアンチゲンは、互いに少なくとも1つのアミノ酸だけ異なるアミノ酸配列によって定義される。
【0066】
本発明によれば、二本鎖DNA分子のプールは、それぞれ異なる腫瘍ネオアンチゲン(または感染病原体由来の異なるエピトープ)をコードする、少なくとも10個、好ましくは少なくとも20個、より好ましくは少なくとも40個、さらにより好ましくは少なくとも60個、有利には少なくとも100個の異なる二本鎖DNA分子を数えるものであり、二本鎖DNA分子が、別の二本鎖DNA分子によってコードされる別のネオアンチゲンのアミノ酸配列と少なくとも1つのアミノ酸配列が異なるアミノ酸配列を有する腫瘍ネオアンチゲンをコードする配列によって規定される場合、二本鎖DNA分子は二本鎖DNA分子のプールの別の二本鎖DNA分子とは異なるものである。当然、プールには同じ二本鎖DNA分子の複数のコピーが含まれる場合がある。
【0067】
有利には、複数の異なる腫瘍ネオアンチゲン中の各腫瘍ネオアンチゲンは、対応する参照配列のアミノ酸配列と比較して同一の変異を有するアミノ酸配列によって定義されるか、または患者の腫瘍のDNAにのみ存在し、患者の正常細胞(すなわちPBMC)由来のDNAには存在しない、de novoオープンリーディングフレームからコードされるde novoアミノ酸配列によって定義されるものであり、ここで同一の変異は、複数の異なる腫瘍ネオアンチゲン中の各ネオアンチゲンについて、アミノ酸配列内の異なる位置に位置する。例えば、第1の腫瘍ネオアンチゲンに関して、第1の変異が第1の腫瘍ネオアンチゲンのアミノ酸配列の実質的に中央に位置する場合、第2の腫瘍ネオアンチゲンに関して、同一の第1の変異が第2の腫瘍ネオアンチゲンのアミノ酸配列の実質的に前半部もしくは第1の四分の一、または後半部もしくは最後の四分の一に位置するものであり、腫瘍ネオアンチゲンの最初のアミノ酸は、腫瘍ネオアンチゲンのセグメント1.13の最初の5’コドンに対応する。
【0068】
好ましくは、二本鎖DNA分子のプールは、フォワードプライマー5.50およびリバースプライマー5.60を使用した PCR増幅によって増幅される。好ましくは、リバースプライマーは、本発明による配列番号79または配列番号80などの、DNA分子の3’末端まで伸長することができるオリゴヌクレオチドポリTである。
【0069】
好ましくは、二本鎖DNA分子のプールの生成と二本鎖DNA分子のプールの増幅は同じチューブを使用して実行されるため、同じ反応物(プライマーペア、ポリメラーゼ、dNTP、反応媒体)が使用され、最初に2つの鎖が伸長され、それぞれの鎖が他方の鎖を伸長させるための鋳型として機能し、次に、伸長した2本の鎖を分離し、低温で特異的プライマー(5.50, 5.60)の塩基対を形成させ、その後高温で伸長させながら、同時またはその後の方法で増幅させる。あるいは、最初の伸長、すなわち最初の伸長工程が完了した後に、プライマーを反応媒体に添加する。
【0070】
好ましくは、二本鎖DNA分子のプールには、アルファウイルス nsP1-4の非構造タンパク質など、RNA依存性ポリメラーゼによって認識されるセグメントも含まれる。実際に、二本鎖DNA分子のプールがRNAワクチンを生成するためにDNA分子からRNA分子へのインビトロ転写の鋳型として使用する場合、生成されたmRNAがトランス増幅(transamplification)、例えばコードされたRdRpに基づくトランス増幅、が可能であることが有用である。このようなRNAトランス増幅により、患者に投与されるmRNAワクチンの用量を減らすことができる。
【0071】
好ましくは、本発明はまた、本発明によるDNA分子または本発明によるDNA分子のプールを生成する工程、およびDNA分子のRNA分子へのインビトロ転写を行う工程を含む、患者に影響を与えるがんに対するRNAワクチンの生成方法にも関する。
【0072】
好ましくは、本発明によるRNAワクチンの生成方法は、RNA分子をワクチンに配合する(formulating)工程をさらに含む。
【0073】
有利には、本発明は、本発明によるRNAワクチンの生成方法によって得られるワクチンにも関連する。
好ましくは、本発明はまた、患者が罹患しているがんの治療に使用するための、本発明に従って得ることができるワクチンにも関する。
【実施例
【0074】
実施例1:患者の腫瘍の腫瘍ネオアンチゲンの同定。
【0075】
本発明者らは、患者の腫瘍サンプルからのDNAおよび患者の末梢血単核球(PBMC)からのDNAの全ゲノム配列決定を行った。腫瘍サンプルのRNASeqも実行された。腫瘍ネオアンチゲンの同定は、腫瘍のRNASeqからmRNAが特定されるオープンリーディングフレーム(ORF)に基づいて実現され、mRNAは、参照ペプチド配列と比較して、少なくとも1つの確認された差異を有する予測ペプチド配列を有する。参照ペプチド配列は、患者のPBMCのDNAからの全ゲノム配列決定データから同定されたオープンリーディングフレームに由来する予測ペプチド配列である。同定された差異は、参照ペプチド配列と比較して異なるアミノ酸による点突然変異、あるいは転座、欠失および/またはインデル、あるいは融合の結果である可能性がある。患者の腫瘍の腫瘍ネオアンチゲンを同定するための詳細なプロトコルは、特許出願EP21 196366.5に記載されている。
【0076】
実施例2:ネオアンチゲンのアミノ酸配列およびDNA配列の同定。
【0077】
本発明者らは、27アミノ酸のネオアンチゲンペプチド配列を同定した。ここで、参照ペプチド配列と比較して同定された差異は、ネオアンチゲンペプチド配列の27アミノ酸配列長の実質的に中央に位置するものである。
【0078】
ネオアンチゲンのペプチド配列は、オンラインツールを使用して核酸配列に変換される。このようなツールは、ヒトにおける最適な発現のためにコドンの使用を最適化し、RNAの二次構造の形成や核酸配列がRNAワクチンの鋳型として使用される場合に望ましくない免疫応答を減少させたり、望ましい免疫応答を増加させたりする。
【0079】
実施例3:複数の腫瘍ネオアンチゲンを含む本発明によるDNA分子のプールの合成。
【0080】
本発明者らは、シリコンベースのDNA書き込み技術(TWIST BioscienceのTwist Oligo Pools技術を参照)を使用して、実施例2で得られた複数の腫瘍ネオアンチゲンのDNA配列を含むプール内の一本鎖DNA分子を合成した。本発明によるDNA分子のプールでは、それぞれが297ヌクレオチド長の実質的に同じ配列である配列番号8を有する複数の第2の一本鎖DNA分子が合成されている。複数の60の異なる第1の一本鎖DNA分子もプール内で合成され、60の異なる第1の一本鎖DNA分子は実質的に配列番号13~配列番号72の配列を有するものであり、配列番号13~配列番号72の各配列は、291ヌクレオチド長の配列である。アンチセンスである第2の一本鎖DNA分子は、配列番号5のヌクレオチド30~52(センス/アンチセンス対形成のための配列)に対応する配列を有する重複を有する各第1の一本鎖DNA分子とハイブリダイズすることができる。
【0081】
実施例4:本発明によるDNA分子
【0082】
本発明に従って得られるDNA分子の配列の一例を、600ヌクレオチドのDNA配列を示す図6に示す。最初のヌクレオチド1から始まって、DNA分子は最適化されたT7 RNAポリメラーゼプロモーターセグメント(図6のDNA分子の配列中の太字の小文字)と、それに続くβグロビン翻訳エンハンサーセグメントの配列(小文字)を含む。次のセグメントは、ヒトLAMP-1シグナルペプチドをコードするセグメント(太字の小文字)に続き、27アミノ酸の腫瘍ネオアンチゲンをコードするセグメント(大文字)が続く。次のセグメントは、DC-Lampをコードするセグメント(小文字)である。DC-Lamp配列内には、第1の一本鎖DNA分子および第2の一本鎖DNA分子間の重複配列を表す重複配列(強調表示された大文字)が存在する。DC-Lamp配列の後に、翻訳と安定化の最適化のために3’UTRβグロビンセグメント(βグロビンUTR)(太字の小文字)が存在し、その後に70ヌクレオチドから最大105ヌクレオチドのポリAテールが続く。
【0083】
図7は、DNA分子の同じ配列を示しており、DNA配列のコードされた部分のアミノ酸配列がDNA配列に並置されている。
【0084】
図8図7と類似しており、第1の一本鎖DNA分子の5’から3’までの配列が表され(Forward Pr.)、一方、第1の一本鎖DNA分子とアンチセンスである第2の一本鎖DNA分子の5’から3’までの配列も表されている(Rev.Pr.) 。後続のPCR増幅で使用されるフォワードプライマー(PCR prim.)およびリバースプライマー(gc-T150)も示されている。
【0085】
実施例5:二本鎖DNA分子のプールの作成
【0086】
第1の一本鎖DNA分子と第2の一本鎖DNA分子との間でハイブリダイズしたDNA分子は、実施例3で得られる。これらのハイブリダイズしたDNA分子から、DNAポリメラーゼを使用して各鎖を伸長することにより、フェムトモル濃度レベルで二本鎖DNA分子を生成することができる。
【0087】
実施例6:二本鎖DNA分子のプールの増幅
【0088】
本発明によるRNAワクチンに組み込まれるRNA分子の生成を可能にし、その後のインビトロ転写に必要な十分に大量の二本鎖DNA分子の生成を可能にするため、実施例5で得られた二本鎖DNA分子のプールを増幅した。そうするために、本発明者らは、配列番号7に対応する配列を有するフォワードプライマーおよび配列番号79に対応する配列5’(T100)-GC-3’を有するリバースプライマーを使用して、二本鎖DNA分子のPCR増幅を13サイクル行った。
【0089】
PCR反応の成分は:
- 5x KAPA HiFi Fidelity バッファー(1x)、
- 各10mM dNTP ミックス、
- 10μM フォワードプライマー、
- 10μMリバースプライマー、
- 実施例4で得られたDNA分子のプール(20ng/ul)、
- KAPA HiFi HotStart DNAポリメラーゼ (1 U/ul) および、
- PCRグレードの水。
【0090】
PCR反応の条件は:
- 初期化変性(95℃で3分間)
- 変性(98℃で20秒)
- アニーリング(15 秒)
- 伸長(72℃で15秒)
- 最終伸長(72℃で1分間)。
【0091】
実施例7:二本鎖DNA分子のプールのインビトロ転写(In vitro transcription)
【0092】
実施例6で得られた二本鎖DNA分子の増幅されたプールをインビトロ転写して、対応するRNA分子のプールを生成する。
【0093】
本発明者らは、IVT後に増幅された二本鎖DNA分子のプールおよび対応するmRNA分子のプールが、DNAプールのDNA断片のサイズおよびRNAプールのRNA断片のサイズが、DNAプールおよびRNAプールの断片の予想される理論的サイズに一致する状態で、正しく生成されることを示している。さらに、本発明者らは、IVT前の各DNA分子の読み取りカウント比(read count ratio)が、IVT後に得られる対応する各RNA分子の読み取りカウント比と正の相関があることを示した。最後に、本発明者らは、DNA分子のプールのすべてのDNA分子がmRNA分子に正しく転写されたことを示した。
【0094】
本発明は、記載された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱することなく変形が可能であることを理解されたい。
【0095】
図面の用語
promoter プロモーター
translation 翻訳
epitope エピトープ
addressing アドレス
stability and/or enhancer 安定性および/またはエンハンサー
poly A tail ポリAテール
Optimized T7RNApol prom. 最適化T7RNAポリメラーゼプロモーター
β-globin transl. enhancer β-グロビン翻訳エンハンサー
Human LAMP-1 Sig. peptide ヒトLAMP-1シグナルペプチド
NEOANTIGEN ネオアンチゲン
OVERLAP 重複
3’ β-globin UTR 3’β-グロビンUTR
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【配列表】
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【国際調査報告】