(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】自動車両用の、特に自動車用の内燃機関
(51)【国際特許分類】
F01N 3/32 20060101AFI20240822BHJP
F02B 29/06 20060101ALI20240822BHJP
F02M 23/04 20060101ALI20240822BHJP
F02M 35/024 20060101ALI20240822BHJP
F02B 33/00 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
F01N3/32 B
F02B29/06 C
F02M23/04 E
F02M35/024 521F
F02M23/04 301A
F02B33/00 Z
F01N3/32 301D
F01N3/32 301Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516602
(86)(22)【出願日】2022-08-11
(85)【翻訳文提出日】2024-05-07
(86)【国際出願番号】 EP2022072591
(87)【国際公開番号】W WO2023046361
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】102021004774.5
(32)【優先日】2021-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100090583
【氏名又は名称】田中 清
(74)【代理人】
【識別番号】100098110
【氏名又は名称】村山 みどり
(72)【発明者】
【氏名】アドルフ・クレマー
(72)【発明者】
【氏名】シュテフェン・ロル
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック・ブリュネル
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・フェンツル
(72)【発明者】
【氏名】アンドレーアス・シャイブル
(72)【発明者】
【氏名】バスティアン・リュッツェル
【テーマコード(参考)】
3G005
3G091
【Fターム(参考)】
3G005EA16
3G005FA35
3G005GB15
3G005GB17
3G005GB27
3G005HA18
3G091AA02
3G091AA10
3G091BA01
3G091CA22
3G091HB06
3G091HB07
(57)【要約】
本発明は自動車両用の内燃機関(10)に関し、この内燃機関(10)は、空気が流通可能な吸気流路(16)を備え、この吸気流路(16)内に空気を圧縮するためのコンプレッサ(20)が配置されており、排ガスが流通可能な排ガス流路(24)を備え、また二次空気システム(52)を備えており、この二次空気システム(52)は、導入箇所(E)で排ガス流路(24)に、またコンプレッサ(20)の下流に配置されている分岐箇所(A1)で吸気流路(16)に流体的に接続されており、分岐箇所(A1)では、二次空気システム(52)により、コンプレッサ(20)によって圧縮された空気の少なくとも一部が吸気流路(16)から分岐可能であり、二次空気として導入箇所(E)で排ガス流路(24)に導入可能である。二次空気システム(52)は、コンプレッサ(20)の上流に配置されている第2の分岐箇所(A2)でも吸気流路(16)に流体的に接続されており、また二次空気ポンプ(54)を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両用の内燃機関(10)であって、空気が流通可能な吸気流路(16)を備え、前記吸気流路(16)内に前記吸気流路(16)を流通する前記空気を圧縮するためのコンプレッサ(20)が配置されるものであり、前記内燃機関(10)の排ガスが流通可能な排ガス流路(24)を備え、および二次空気システム(52)を備え、前記二次空気システム(52)は、少なくとも1つの導入箇所(E)で前記排ガス流路(24)に流体的に接続され、そして前記コンプレッサ(20)の下流に配置されている分岐箇所(A1)で前記吸気流路(16)に流体的に接続されるものであり、前記コンプレッサ(20)によって圧縮された前記空気の少なくとも一部が、前記分岐箇所(A1)で前記吸気流路(16)から分岐可能とされ、かつ二次空気として前記導入箇所(E)で前記排ガス流路(24)に導入可能とされる、前記内燃機関(10)において、
前記二次空気システム(52)は、前記コンプレッサ(20)の上流に配置される第2の分岐箇所(A2)でも前記吸気流路(16)に流体的に接続されるものであり、前記コンプレッサ(20)の上流で前記吸気流路(16)を流通する前記空気の少なくとも一部が、前記二次空気システム(52)によって前記第2の分岐箇所(A2)で前記吸気流路(16)から分岐可能とされ、かつ二次空気として前記導入箇所(E)で前記排ガス流路(24)に導入可能とされるものであり、および前記二次空気システム(52)は、二次空気ポンプ(54)を有しており、前記二次空気ポンプ(54)によって、前記第2の分岐箇所(A2)で分岐された前記空気が前記二次空気システム(52)を通って供給されて、前記導入箇所(E)へ供給されることを特徴とする、前記内燃機関(10)。
【請求項2】
前記二次空気システム(52)は分岐(Z1)を有し、前記分岐(Z1)は、前記第2の分岐箇所(A2)で前記吸気流路(16)に流体的に接続され、そして前記導入箇所(E)で前記排ガス流路(24)に流体的に接続されるものであり、前記分岐(Z1)内には前記二次空気ポンプ(52)が配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関(10)。
【請求項3】
前記分岐(Z1)において、前記二次空気ポンプ(52)の下流に戻止めバルブ(56)が配置されており、前記戻止めバルブ(56)は、前記二次空気ポンプ(52)の方向に閉じ、前記導入箇所(E)の方向に開くことを特徴とする、請求項2に記載の内燃機関(10)。
【請求項4】
前記二次空気システム(52)は、前記第1の分岐箇所(A1)で前記吸気流路(16)に流体的に接続され、そして合流箇所(M)で前記分岐(Z1)に流体的に接続される第2の分岐(Z2)を有していることを特徴とする、請求項2または3に記載の内燃機関(10)。
【請求項5】
前記第2の分岐(Z2)には、戻止めバルブ(58)が配置されており、前記戻止めバルブ(58)は、前記第1の分岐箇所(A1)の方向に開き、前記合流箇所(M)の方向に閉じることを特徴とする、請求項4に記載の内燃機関(10)。
【請求項6】
前記第2の分岐(Z2)には、前記第2の分岐(Z2)内に配置されている前記戻止めバルブ(58)の上流に追加のシャットオフバルブ(60)が配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の内燃機関(10)。
【請求項7】
前記合流箇所(M)は、前記第1の分岐(Z1)内に配置されている前記戻止めバルブ(56)の下流に配置されていることを特徴とする、請求項4から6のいずれか一項および請求項3に記載の内燃機関(10)。
【請求項8】
前記導入箇所(E)は、前記内燃機関(10)の燃焼室に割り当てられ、かつ前記内燃機関(10)のシリンダヘッドによって形成される排出チャネル内に配置されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の内燃機関(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の、自動車両用の、特に自動車用の内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車両用の、特に自動車用のそのような内燃機関は、たとえば、すでに公知のものとして特許文献1を参照することができる。この内燃機関は、空気が流通可能な吸気流路を有しており、この吸気流路内には、吸気流路を流通する空気を圧縮するためのコンプレッサが配置されている。さらに、この内燃機関は、内燃機関の排ガスが流通可能な排ガス流路ならびに二次空気システムを有し、この二次空気システムは、少なくとも1つの導入箇所で排ガス流路に流体的に接続されている。この二次空気システムは、コンプレッサの下流に配置されている分岐箇所で吸気流路に流体的に接続されている。この分岐箇所では、二次空気システムにより、コンプレッサによって圧縮された空気の少なくとも一部が吸気流路から分岐可能であり、二次空気システムに導入可能である。分岐箇所で吸気流路から分岐され、続いて二次空気システムに導入された空気は、この二次空気システムを流通することができ、二次空気システムによって導入箇所へガイドされ、導入箇所で排ガス流路に導入される。
さらに、特許文献2は、燃焼エンジンと、コンプレッサを有する外気系統と、排ガス後処理装置と、温度センサを有する排ガス系統とを備える内燃機関を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】DE102007057603A1
【特許文献2】DE102013226063A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、特に低排出作動を実現できるように、冒頭に述べた種類の内燃機関を改良することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1の特徴を有する内燃機関によって解決される。本発明の好適な発展形態を含む有利な構成は他の請求項に記載されている。
【0006】
請求項1の上位概念に記載された種類の内燃機関を改良して、特に低排出作動を実現できるようにするため、本発明によれば、二次空気システムが、コンプレッサの上流に配置されている第2の分岐箇所でも吸気流路に流体的に接続されている。この第2の分岐箇所では、二次空気システムによって、コンプレッサの上流で吸気流路を流通する空気の少なくとも一部を吸気流路から分岐させ、二次空気システムに導入することができる。第2の分岐箇所で排ガス流路から分岐され、二次空気システムに導入された空気は、この二次空気システムを流通して、二次空気システムによって導入箇所へ送られ、二次空気として排ガス流路に導入される。これにより、二次空気システムは、第1の分岐箇所でも、従ってコンプレッサの下流でも、また第2の分岐箇所でも、従ってコンプレッサの上流でも吸気流路から空気を分岐し、二次空気として導入箇所へガイドし、この導入箇所で排ガス流路に導入することができる。
【0007】
このとき、二次空気システムは、二次空気ポンプを有しており、この二次空気ポンプによって、第2の分岐箇所で分岐された空気を、二次空気システムを通って供給し、導入箇所の方へ供給し、特に排ガス流路に送り込むことができる。本発明により、特に有利かつ必要に応じた二次空気噴射を実現することができる。二次空気噴射とは、それぞれの分岐箇所で分岐させた空気を二次空気として、特に内燃機関の燃焼室を迂回して、または内燃機関のすべての燃焼室を迂回して、導入箇所で排ガス流路に導入できることを意味するものである。第1の分岐箇所において、従ってコンプレッサの下流で吸気流路から分岐される空気は、コンプレッサエアとも呼ばれる。本発明により、特に、例えば特定の時点以降、コンプレッサエアと、第2の分岐箇所で吸気流路から分岐した空気の両方を排ガス流路に導入すること、つまり排ガス流路に噴射することが可能になる。例えば、導入箇所は、排ガスチャネル内、特に排出チャネル内に配置されており、このことにより、特に有利に二次空気を排ガス流路に噴射することができる。例えば、導入箇所は、特に内燃機関のシリンダヘッドによって形成または画成されている排出チャネル内に配置されている。特に、内燃機関の複数の、特にすべての排ガスチャネル、特に排出チャネルは、それぞれの導入箇所を有することができ、その導入箇所において二次空気を排ガス流路に噴射することができる。本発明により、特に、燃焼エンジンとも呼ばれ、好ましくはピストン機関として構成されている内燃機関のすべての作動範囲において、有利に多量の二次空気を排ガス流路に導入することができ、従って内燃機関の特に低排出作動を実現することが可能になる。
【0008】
本発明のその他の利点、構成要件、および具体的事項は、好ましい実施例についての以下の説明から、ならびに図面を参照して、明らかとなる。上の記述で挙げた構成要件や構成要件組合せ、ならびに以下に図面の説明で挙げる、および/またはただ1つの図面に単独で示す構成要件や構成要件組合せは、それぞれ記載されている組合せとしてだけでなく、本発明の枠組みから外れることなくそれ以外の組合せでも、あるいは単独でも、適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】この図面は、二次空気システムを備える、自動車両用の、特に自動車用の内燃機関を唯一の図で模式的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この唯一の図は、自動車両用の、特に自動車用の内燃機関10を模式的に示したものである。内燃機関10は、シリンダブロックとも呼ばれるエンジンブロック12を有しており、このエンジンブロック12によって内燃機関10のシリンダ14が形成されている。それぞれのシリンダ14は、内燃機関10の燃焼運転中に燃焼過程が行われる各燃焼室を画定する。それぞれの燃焼過程から、結果的に内燃機関10の排ガスが生じる。内燃機関10は、空気が流通可能な吸気流路16を有しており、これによって、この吸気流路16を流通する空気が内燃機関10の燃焼室へ、そして燃焼室内にガイドされる。このとき、内燃機関は排ガスターボチャージャ18を有し、この排ガスターボチャージャ18は吸気流路16内に配置されたコンプレッサ20と、吸気流路16内に配置されたコンプレッサホイール22とを有している。このコンプレッサホイール22により、従ってコンプレッサ20により、吸気流路16を流通する空気を圧縮することができる。吸気流路16を流通する空気の圧縮は、過給とも呼ばれ、圧縮された空気はチャージエアとも呼ばれる。
【0011】
内燃機関10は、燃焼室の排ガス、従って内燃機関10の排ガスが流通可能である排ガス流路24も有している。このとき、排ガスターボチャージャ18は、排ガス流路24内に配置されているタービン26と、排ガス流路24内に配置されているタービンホイール28とを有しており、このタービンホイール28は、排ガス流路24を流通する排ガスによって駆動可能である。コンプレッサホイール22は、排ガスターボチャージャ18のシャフト30を介してタービンホイール28によって駆動可能であり、これにより、吸気流路16を流通する空気を圧縮することができる。吸込流路16内には、コンプレッサ20の上流、すなわちコンプレッサホイール22の上流にエアフィルタ32が配置されており、このエアフィルタ32によって吸気流路16を流通する空気が濾過される。さらに、吸気流路16内にはコンプレッサ20の下流および燃焼室の上流にスロットルフラップ34が配置されており、このスロットルフラップ34によって、それぞれの燃焼室に流入するそれぞれの空気量を調節することができる。
【0012】
コンプレッサ20には、分流空気循環ライン38を備える分流空気循環システム36が割り当てられており、分流空気循環ライン38は、接続箇所V1およびV2で流体的に吸気流路16に接続されている。分流空気循環ライン38によって、接続個所V1は、吸気流路16を流通する空気の少なくとも一部を吸気流路16から分岐させ、分流空気循環ライン38に導入することができる。分流空気循環ライン38に導入された空気は、分流空気循環ライン38を流通することができ、分流空気循環ライン38によって導入箇所V2へガイドされ、接続箇所V2で再び吸気流路16に流入することができる。接続箇所V2はエアフィルタ32の下流、かつコンプレッサホイール22の上流に配置されていることが分かり、このとき、接続箇所V1は、コンプレッサホイール22の下流、かつスロットルフラップ34の上流に配置されている。分流空気循環システム36は、さらに、分流空気循環バルブ40を備え、この分流空気循環バルブ40は分流空気循環ライン38内に配置されている。例えば、この分流空気循環バルブ40によって、分流空気循環ライン38を流通する空気の量を調節することができる。特に、分流空気循環バルブ40は、電気式分流空気循環バルブとして構成されている。
【0013】
タービン26は迂回装置42を有し、この迂回装置42は迂回ライン44を有している。迂回ライン44は、接続箇所V3および接続箇所V4で流体的に排ガス流路24に接続されている。迂回ライン44により、接続個所V3で、排ガス流路24を流通する排ガスの少なくとも一部を排ガス流路24から分岐させて、迂回ライン44に導入することができる。迂回ライン44に導入された排ガスは、迂回ライン44を流通することができ、迂回ライン44によって接続箇所V4へガイドされ、接続箇所V4で再び排ガス流路24に流入することができる。迂回ライン44を流通する排ガスは、タービン26を迂回し、従ってタービンホイール28を駆動しない。迂回ライン44は、バイパスまたはウェイストゲートとも呼ばれる。迂回装置42には、バイパスバルブまたはウエイストゲートバルブとも呼ばれ、迂回ライン44内に配置されている迂回バルブ46が含まれている。この迂回バルブ46によって、迂回ライン44を流通する排ガスの量を調節することができる。接続箇所V3はタービン26の上流、すなわちタービンホイール28の上流に配置されていることが分かり、このとき、接続箇所V4は、タービンホイール28の下流、すなわちタービン26の下流に配置されている。
【0014】
排ガス流路24には、さらに、排ガス後処理装置48が割り当てられており、この排ガス後処理装置48はタービン26の下流、特に接続箇所V4の下流に配置されている。この排ガス後処理装置48を内燃機関の排ガスが流通可能であり、それによって排ガスを後処理することができる。そのために、排ガス後処理装置は、例えば排ガス後処理要素50a~cを備えている。排ガス後処理要素50aは、例えば触媒コンバータとして、特に三元触媒コンバータとして構成されている。排ガス後処理要素50bは、例えば微粒子フィルタとして、特にガソリン微粒子フィルタ(OPF)として構成されている。排ガス後処理要素50cは、例えば触媒コンバータとして構成されている。特に、燃焼エンジンまたはエンジンとも呼ばれる内燃機関は、ガソリンエンジンとして構成されていてよい。
【0015】
内燃機関10は、二次空気システム52も有している。この二次空気システム52は、第1の分岐箇所A1で流体的に吸気流路16に接続されている。さらに、二次空気システム52は、導入箇所Eで排ガス流路24に流体的に接続されている。特に、燃焼室ごとに少なくとも1つ、またはちょうど1つの導入箇所Eが設けられていてもよく、この導入箇所Eで、二次空気システム52は流体的に排ガス流路24に接続されている。特に、導入箇所Eは、特に直接、排ガスチャネル内、特に排出チャネル内に配置されることが考えられる。例えば、排出チャネルは、内燃機関10のシリンダヘッドによって形成されており、すなわち画定されている。このシリンダヘッドは、エンジンブロック12とは別に構成され、エンジンブロック12に接続されている。特に、このシリンダヘッドは、それぞれの燃焼室の燃焼室ルーフを形成している。
【0016】
第1の分岐箇所A1は、コンプレッサ20の下流、従ってコンプレッサホイール22の下流に配置されていることが分かる。図に示されている実施例では、第1の分岐箇所A1が接続箇所V1の下流、かつスロットルフラップ34の上流に配置されている。二次空気システム52は、コンプレッサ20で圧縮された空気の少なくとも一部を分岐箇所A1で吸気流路から分岐させ、二次空気システム52の中に導入することができる。分岐箇所A1は、コンプレッサホイール22の下流に配置されているので、二次空気システム52によって分岐箇所A1で吸気流路16から分岐される空気は、コンプレッサエアとも呼ばれる。このコンプレッサエアは、二次空気システム52に流入することができ、二次空気システム52によってそれぞれの導入箇所Eへとガイドされ、それぞれの導入箇所Eで二次空気システム52から流出し、排ガス流路24に流入することができる。従って、コンプレッサエアは、二次空気としてそれぞれの導入箇所Eで排ガス流路24に導入され、すなわち噴射される。分岐箇所Aで吸気流路16から分岐し、コンプレッサエアまたは二次空気とも呼ばれる空気を、それぞれの導入箇所Eで排ガス流路24に導入することは、二次空気噴射とも呼ばれる。
【0017】
内燃機関10の特に低排出作動を実現できるようにするため、二次空気システム52は、第2の分岐箇所A2でも吸気流路16に流体的に接続されている。第2の分岐箇所A2は、コンプレッサ20の上流、従ってコンプレッサホイール22の上流、特に接続箇所V2の上流に配置されていることが分かる。二次空気システム52によって、第2の分岐箇所A2では、コンプレッサ20の上流で吸気流路16を流通する空気の少なくとも一部を吸気流路16から分岐させ、二次空気システム52の中に導入することができる。第2の分岐箇所A2で吸気流路16から分岐され、二次空気システム52に導入される空気は、プリコンプレッサエアとも呼ばれ、二次空気システム52によってそれぞれの導入箇所Eへとガイドされ、それぞれの導入箇所Eで、特にさらなる二次空気として排ガス流路24に導入され、特に噴射させることができる。コンプレッサエアとプリコンプレッサエアの両方とも、二次空気として使用されることが分かり、この二次空気は、それぞれの分岐箇所A1またはA2で吸気流路16から分岐され、それぞれの導入箇所Eで排ガス流路24に導入される。それぞれの導入箇所Eは、排ガス後処理装置48の上流に配置されている。図に示されている実施例では、それぞれの導入箇所Eがタービン26の上流、特に接続箇所V3の上流に配置されている。
【0018】
二次空気システム52は第1の分岐Z1を有し、この第1の分岐Z1は、第2の分岐箇所A2で流体的に吸気流路16に接続されており、それぞれの導入箇所Eで流体的に排ガス流路24に接続されている。二次空気システム52は、特に電気駆動可能な二次空気ポンプ54を有しており、この二次空気ポンプ54によって、第2の分岐箇所A2で分岐したプリコンプレッサエアが二次空気システム52を通って、特に第1の分岐Z1を通って送られ、それぞれの導入箇所Eの方へ供給可能であることが分かる。このとき、二次空気ポンプ54は、第1の分岐Z1内に配置されている。
【0019】
二次空気システム52は、さらに、第1の戻止めバルブ56を備え、この戻止めバルブ56は、第1の分岐Z1において二次空気ポンプ54の下流に配置されている。この戻止めバルブ56は、二次空気ポンプ54の方向に閉じることで、空気が分岐Z1を通って二次空気ポンプ54の方向に流れるのを回避する。しかし、この戻止めバルブ56はそれぞれの導入箇所Eの方向に開くので、戻止めバルブ56は、二次空気、特にプリコンプレッサエアが二次空気ポンプ54からそれぞれの導入箇所Eへと流れることを許容する。二次空気システム52は第2の分岐Z2を有しており、この第2の分岐Z2は、第1の分岐箇所A1で吸引流路16に流体的に接続されている。この第2の分岐Z2は、合流箇所Mで第1の分岐Z1に流体的に接続されている。合流箇所Mは、二次空気ポンプ54の下流、特に戻止めバルブ56の下流に配置されていることが分かる。従って、第2の分岐Z2は、コンプレッサエアが流通可能である。第2の分岐Z2には、二次空気システム52の第2の戻止めバルブ58が配置されている。第2の戻止めバルブ58は、合流箇所Mの方向に閉じ、分岐箇所Aの方向に開く。
【0020】
二次空気システム52は、さらに、戻止めバルブ56および58に追加して設けられているシャットオフバルブ60を備え、このシャットオフバルブ60は、第2の分岐Z2において、戻り止めバルブ58の上流、かつ分岐箇所A1の下流に配置されている。二次空気システム52は圧力センサ62を有しており、この圧力センサ62により、二次空気システム52において、特に合流箇所Mの下流にかかる圧力を検知可能である。さらに、二次空気システム52は、特に分岐Z1内に配置されているバルブ要素64を備えている。この場合、このバルブ要素64は、合流箇所Mの下流、特に圧力センサ62の下流に配置されている。このバルブ要素64は、例えば二次空気バルブ、とくに排ガスコンビネーションバルブである。例えば、バルブ要素64により、それぞれの導入箇所Eで排ガス流路24に導入される二次空気の量を調節することができる。合流箇所Mではコンプレッサエアとプリコンプレッサエアとを混合することができ、従って総二次空気を形成できることが分かり、バルブ要素64により、特に総二次空気量が調節可能であり、この総二次空気はそれぞれの導入箇所Eで排ガス流路24に導入可能であり、または導入される。1つの実施形態では、戻止めバルブ58が合流箇所Mの方向に開き、分岐箇所A1の方向に閉じ、従って、この戻り止めバルブ58は、例えば分岐箇所A1から合流箇所Mへの二次空気としてのコンプレッサエアの流れを許容するものであり、すなわち合流箇所Mから分岐箇所A1方向への空気の流れを遮断する。
【符号の説明】
【0021】
10 内燃機関
12 エンジンブロック
14 シリンダ
16 吸気流路
18 排ガスターボチャージャ
20 コンプレッサ
22 コンプレッサホイール
24 排ガス流路
26 タービン
28 タービンホイール
30 シャフト
32 エアフィルタ
34 スロットルフラップ
36 分流空気循環システム
38 分流空気循環ライン
40 分流空気循環バルブ
42 迂回装置
44 迂回ライン
46 迂回バルブ
48 排ガス後処理装置
50a~c 排ガス後処理要素
52 二次空気システム
54 二次空気ポンプ
56 戻止めバルブ
58 戻止めバルブ
60 シャットオフバルブ
62 圧力センサ
64 バルブ要素
A1 第1の分岐箇所
A2 第2の分岐箇所
E 導入箇所
M 合流箇所
V1 接続箇所
V2 接続箇所
V3 接続箇所
V4 接続箇所
Z1 第1の分岐
Z2 第2の分岐
【図】
【手続補正書】
【提出日】2024-05-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両用の内燃機関(10)であって、空気が流通可能な吸気流路(16)を備え、前記吸気流路(16)内に前記吸気流路(16)を流通する前記空気を圧縮するためのコンプレッサ(20)が配置されるものであり、前記内燃機関(10)の排ガスが流通可能な排ガス流路(24)を備え、および二次空気システム(52)を備え、前記二次空気システム(52)は、少なくとも1つの導入箇所(E)で前記排ガス流路(24)に流体的に接続され、そして前記コンプレッサ(20)の下流に配置されている
第1の分岐箇所(A1)で前記吸気流路(16)に流体的に接続されるものであり、前記コンプレッサ(20)によって圧縮された前記空気の少なくとも一部が、前記
第1の分岐箇所(A1)で前記吸気流路(16)から分岐可能とされ、かつ二次空気として前記導入箇所(E)で前記排ガス流路(24)に導入可能とされる、前記内燃機関(10)において、
前記二次空気システム(52)は、前記コンプレッサ(20)の上流に配置される第2の分岐箇所(A2)でも前記吸気流路(16)に流体的に接続されるものであり、前記コンプレッサ(20)の上流で前記吸気流路(16)を流通する前記空気の少なくとも一部が、前記二次空気システム(52)によって前記第2の分岐箇所(A2)で前記吸気流路(16)から分岐可能とされ、かつ二次空気として前記導入箇所(E)で前記排ガス流路(24)に導入可能とされるものであり、および前記二次空気システム(52)は、二次空気ポンプ(54)を有しており、前記二次空気ポンプ(54)によって、前記第2の分岐箇所(A2)で分岐された前記空気が前記二次空気システム(52)を通って供給されて、前記導入箇所(E)へ供給されることを特徴とする、前記内燃機関(10)。
【請求項2】
前記二次空気システム(52)は分岐(Z1)を有し、前記分岐(Z1)は、前記第2の分岐箇所(A2)で前記吸気流路(16)に流体的に接続され、そして前記導入箇所(E)で前記排ガス流路(24)に流体的に接続されるものであり、前記分岐(Z1)内には前記二次空気ポンプ(
54)が配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関(10)。
【請求項3】
前記分岐(Z1)において、前記二次空気ポンプ(
54)の下流に戻止めバルブ(56)が配置されており、前記戻止めバルブ(56)は、前記二次空気ポンプ(
54)の方向に閉じ、前記導入箇所(E)の方向に開くことを特徴とする、請求項2に記載の内燃機関(10)。
【請求項4】
前記二次空気システム(52)は、前記第1の分岐箇所(A1)で前記吸気流路(16)に流体的に接続され、そして合流箇所(M)で前記分岐(Z1)に流体的に接続される第2の分岐(Z2)を有していることを特徴とする、請求項2または3に記載の内燃機関(10)。
【請求項5】
前記第2の分岐(Z2)には、戻止めバルブ(58)が配置されており、前記戻止めバルブ(58)は、前記第1の分岐箇所(A1)の方向に
閉じ、前記合流箇所(M)の方向に
開くことを特徴とする、請求項4に記載の内燃機関(10)。
【請求項6】
前記第2の分岐(Z2)には、前記第2の分岐(Z2)内に配置されている前記戻止めバルブ(58)の上流に追加のシャットオフバルブ(60)が配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の内燃機関(10)。
【請求項7】
前記合流箇所(M)は、前記第1の分岐(Z1)内に配置されている
請求項3に記載の戻止めバルブ(56)の下流に配置されていることを特徴とする、請求項
4に記載の内燃機関(10)。
【請求項8】
前記導入箇所(E)は、前記内燃機関(10)の燃焼室に割り当てられ、かつ前記内燃機関(10)のシリンダヘッドによって形成される排出チャネル内に配置されていることを特徴とする、請求項1から
3のいずれか一項に記載の内燃機関(10)。
【国際調査報告】