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特表2024-531748パワーダイオードおよびパワーダイオードを製造するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】パワーダイオードおよびパワーダイオードを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/861 20060101AFI20240822BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20240822BHJP
   H01L 21/329 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
H01L29/91 D
H01L29/06 301G
H01L29/06 301V
H01L29/91 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516686
(86)(22)【出願日】2022-08-25
(85)【翻訳文提出日】2024-03-14
(86)【国際出願番号】 EP2022073669
(87)【国際公開番号】W WO2023041300
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】21196866.4
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523380173
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビターレ,ボルフガング-アマデウス
(72)【発明者】
【氏名】ナイダ,セラム
(57)【要約】
カソード側(4)と、カソード側(4)の反対側のアノード側(5)とを有するウェハを備えるパワーダイオード(1)が提供され、第1の導電型のベース層(2)と、ウェハのアノード側に設けられた第1の導電型とは異なる第2の導電型のアノード領域(6)と、ウェハのカソード側(4)とアノード側(5)との間に設けられた終端領域(7)とを有し、終端領域(7)は、アノード領域(6)を横方向に囲み、終端領域(7)は、第2の導電型の第1のポケット(8)と、第2の導電型の少なくとも2つの第2のポケット(9)とを備え、第1のポケット(8)は、横方向においてアノード領域(6)と少なくとも2つの第2のポケット(9)との間に設けられ、第1のポケット(8)は、少なくとも2つの第2のポケット(9)の各々の第2の最大ドーピング濃度よりも小さい第1の最大ドーピング濃度を有する。さらに、パワーダイオード(1)を製造するための方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソード側(4)と、前記カソード側の反対側のアノード側(5)とを有するウェハを備えるパワーダイオード(1)であって、前記パワーダイオード(1)が、
第1の導電型のベース層(2)と、
前記ウェハの前記アノード側に設けられた前記第1の導電型とは異なる第2の導電型のアノード領域(6)と、
前記ウェハの前記カソード側(4)と前記アノード側(5)との間に設けられた終端領域(7)と
を有し、
前記終端領域(7)が、前記アノード領域(6)を横方向に囲み、
前記終端領域(7)が、前記第2の導電型の第1のポケット(8)と、前記第2の導電型の少なくとも2つの第2のポケット(9)とを備え、
前記第1のポケット(8)が、横方向において前記アノード領域(6)と前記少なくとも2つの第2のポケット(9)との間に設けられ、
前記第1のポケット(8)が、前記少なくとも2つの第2のポケット(9)の各々の第2の最大ドーピング濃度よりも小さい第1の最大ドーピング濃度を有し、
前記第1のポケット(8)、前記2つの第2のポケット(9)、および前記アノード領域(6)が、横方向に互いに離間している、
パワーダイオード(1)。
【請求項2】
前記第1のポケット(8)および前記少なくとも2つの第2のポケット(9)が各々、前記アノード領域(6)を横方向に完全に囲む、
請求項1に記載のパワーダイオード(1)。
【請求項3】
前記アノード領域(6)および前記少なくとも2つの第2のポケット(9)が各々、第1のドープ領域(15)および第2のドープ領域(16)を備え、
前記第1のドープ領域(15)の最大ドーピング濃度が、前記第2のドープ領域(16)の最大ドーピング濃度よりも高い、
請求項1または2に記載のパワーダイオード(1)。
【請求項4】
前記第1のドープ領域(15)が、前記アノード側(5)から前記ウェハ内の第1の深さまで垂直方向に延在し、
前記第2のドープ領域(16)が、前記アノード側から前記ウェハ内の第2の深さまで垂直方向に延在し、
前記第1の深さが、前記第2の深さよりも大きい、
請求項3に記載のパワーダイオード(1)。
【請求項5】
前記アノード領域(6)の幅が、横方向において、前記第1のポケット(8)の幅よりも大きく、前記少なくとも2つの第2のポケット(9)の各々の幅よりも大きい、
請求項1~4のいずれか1項に記載のパワーダイオード(1)。
【請求項6】
前記第1のポケット(8)の幅が、横方向において、前記少なくとも2つの第2のポケット(9)の各々の幅よりも大きい、
請求項1~5のいずれか1項に記載のパワーダイオード(1)。
【請求項7】
前記パワーダイオード(1)が、
カソード電極(10)と、
アノード電極(11)と
をさらに備え、
前記カソード電極(10)が前記カソード側(4)から前記ウェハ上に設けられ、
前記アノード電極(11)が前記アノード領域(6)上に設けられる、
請求項1~6のいずれか1項に記載のパワーダイオード(1)。
【請求項8】
前記アノード電極(11)が、平面視で前記アノード領域(6)の前記第2のドープ領域(16)と完全に重なる、
請求項3および7に記載のパワーダイオード(1)。
【請求項9】
前記第1のポケット(8)の前記第1の最大ドーピング濃度が、前記少なくとも2つの第2のポケット(9)の各々の前記第2の最大ドーピング濃度よりも少なくとも1桁小さい、
請求項1~8のいずれか1項に記載のパワーダイオード(1)。
【請求項10】
カソード側(4)と、前記カソード側(4)の反対側のアノード側(5)とを有するウェハを備えるパワーダイオード(1)を製造するための方法であって、前記方法が、
第2の導電型とは異なる第1の導電型のベース層(2)を設けることと、
各ゾーンが前記ウェハ内の第1の最大ドーピング濃度を有するように、前記ウェハ内の前記アノード側(5)から前記第2の導電型の第1のドーパントを導入することによって、アノード領域ポケット(12)と少なくとも3つのゾーンとを生成することと、
第2の最大ドーピング濃度を有するアノード領域(6)および少なくとも2つの第2のポケット(9)とが生成されるように、前記アノード領域ポケット(12)および前記少なくとも3つのゾーンのうちの少なくとも2つに前記第2の導電型の第2のドーパントを導入することと
を含み、
第2のドーパントが導入されない前記ゾーンが、前記アノード領域(6)と、前記少なくとも2つの第2のポケット(9)との間に配置され、第1のポケット(8)を形成し、
前記第1の最大ドーピング濃度が前記第2の最大ドーピング濃度よりも小さく、
前記第1のポケット(8)、前記2つの第2のポケット(9)、および前記アノード領域(6)が、横方向に互いに離間している、
方法。
【請求項11】
前記第1のドーパントを導入する前に、前記アノード側(5)に少なくとも4つの開口部(14)を有する第1のマスク(13)を適用し、
前記第2のドーパントを導入する前に、前記第1のマスク(13)よりも1つ少ない開口部を有する第2のマスク(17)を、前記第1のマスク(13)に適用し、前記第2のマスク(17)が、前記アノード領域ポケット(12)に最も近い前記ゾーンを覆う、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のマスク(13)が酸化物マスクである、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記アノード領域(6)および前記少なくとも2つの第2のポケット(9)の前記生成後に前記第1のマスク(13)を除去する、
請求項11または12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記アノード領域(6)および前記少なくとも2つの第2のポケット(9)の前記生成後に、カソード電極(10)およびアノード電極(11)を製造する、
請求項10~13のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
米国特許出願公開第2015/0303268号明細書は、ダイオードおよび電力変換デバイスに関する。米国特許出願公開第2020/0295178号明細書は、半導体デバイスおよび半導体デバイスの製造方法に関する。特開2000114550号公報は、ダイオードおよび電力変換器に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本開示の実施形態は、改善された効率を有するパワーダイオードに関する。本開示のさらなる実施形態は、パワーダイオードを製造するための方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0003】
これは、独立請求項の主題によって達成される。さらなる実施形態は、以下の説明における従属請求項から明らかである。
【0004】
第1の態様は、パワーダイオードに関する。ここで、および以下では、「パワー」という用語は、例えば、100ボルトを超える、例示的には1000ボルトを超える電圧を処理するためのパワーダイオードを指す。
【0005】
第1の態様の実施形態によれば、パワーダイオードは、第1の導電型のベース層を有する、カソード側とカソード側とは反対のアノード側とを有するウェハを備える。例えば、ウェハ、例示的にはベース層は、半導体材料を含むか、または半導体材料からなる。半導体材料は、例示的には、シリコン、または炭化ケイ素(SiC:silicon carbide)などのワイドバンドギャップ材料をベースとする。また、第1の導電型は、例えば、n導電型である。例えば、ベース層はドーパントを含み、ドーパントはn型ドーパントである。
【0006】
ベース層の最大ドーピング濃度は、例えば、5×1012cm-3以上5×1014cm-3以下である。例示的には、ベース層は均一なドーピング濃度を有する。
【0007】
ベース層は、例えば、主延伸面を有する。例えば、横方向は主延伸面に平行に整列し、垂直方向は主延伸面に垂直に整列する。
【0008】
さらに、ベース層は、アノード側に面する第1の主面と、カソード側に面する第2の主面とを備える。
【0009】
例えば、パワーダイオードは、ベース層の第2の主面上に設けられた第1の導電型のバッファ層を備える。例えば、バッファ層は、シリコンをベースとすることができる半導体材料を含むか、または半導体材料からなる。例示的には、ベース層の半導体材料とバッファ層の半導体材料とは同じである。例えば、バッファ層はさらなるドーパントを含む。
【0010】
例えば、バッファ層の最大ドーピング濃度は、ベース層の最大ドーピング濃度よりも高い。バッファ層の最大ドーピング濃度は、例えば、ベース層の最大ドーピング濃度よりも少なくとも1桁高い。
【0011】
例えば、バッファ層は、カソード電極と電気的に接触するように構成される。例えば、カソード電極は金属を含むか、または金属からなる。この場合、カソード電極は、バッファ層に直接接触する金属層から形成される。例えば、カソード電極は、第2の主面においてバッファ層を完全に覆う。カソード電極は、例示的には、外部と接触可能に構成される。
【0012】
第1の態様の実施形態によれば、パワーダイオードは、アノード側のウェハに設けられた第1の導電型とは異なる第2の導電型のアノード領域を備える。例えば、アノード領域、すなわちアノード領域の上面は、ベース層の第2の主面と同一平面上で終端する。すなわち、例示的には、アノード領域は、垂直方向においてベース層の第2の主面を超えて突出しない。
【0013】
第2の導電型は、例示的には、p導電型である。例えば、アノード領域はドーパントを含み、ドーパントはp型ドーパントである。
【0014】
例えば、アノード領域は、アノード電極と電気的に接触するように構成される。例えば、アノード電極は金属を含むか、または金属からなる。この場合、アノード電極は、アノード領域に直接接触する金属層で形成される。例えば、アノード電極は、横方向においてアノード領域を超えて突出しない。アノード電極は、例示的には、外部と接触可能に構成される。
【0015】
第1の態様の実施形態によれば、パワーダイオードは、ウェハのカソード側とアノード側との間に設けられた終端領域を備える。例示的には、終端領域は、カソード側からアノード側に延在する。例えば、終端領域、すなわち終端領域の上面は、ベース層の第2の主面と同一平面上で終端する。
【0016】
第1の態様の実施形態によれば、終端領域は、アノード領域を横方向に囲んでいる。例えば、終端領域とアノード領域とは、横方向からの平面視において互いに重ならない。「平面視」は、例えばアノード側に面する、垂直方向の方向に対応する。
【0017】
第1の態様の実施形態によれば、終端領域は、第2の導電型の第1のポケットと、第2の導電型の少なくとも2つの第2のポケットとを備える。例えば、第1のポケットは、アノード側からカソード側に向かってウェハ内に延在する。同様に、少なくとも2つの第2のポケットは、アノード側からカソード側に向かってウェハ内に延在する。例えば、第1のポケットおよび第2のポケットは、カソード側から各々離間している。第1のポケットおよび少なくとも2つの第2のポケット、すなわちそれらの上面は、例示的には、ベース層の第2の主面と同一平面上で終端する。
【0018】
第1の態様の実施形態によれば、第1のポケットは、横方向においてアノード領域と少なくとも2つの第2のポケットとの間に設けられる。
【0019】
第1の態様の実施形態によれば、第1のポケットは、少なくとも2つの第2のポケットの各々の第2の最大ドーピング濃度よりも小さい第1の最大ドーピング濃度を有する。
【0020】
例えば、第1の最大ドーピング濃度は、5×1015cm-3以上5×1018cm-3以下である。また、第2の最大ドーピング濃度は、例えば、5×1015cm-3以上1×1019cm-3以下である。
【0021】
例えば、オフ状態では、パワーダイオードは、第1の主面と第2の主面との間に垂直に印加される印加電圧を遮断する。
【0022】
しかしながら、パワーダイオードのエッジ領域では、漂遊電界が出現し、望ましくない破壊を引き起こす可能性がある。例えば、終端領域により、漂遊電界は、パワーダイオードのアノード領域からエッジ領域にかけて横方向に減衰する。
【0023】
また、第1のポケットにより、この電界をより低減することができる。また、電力散逸を低減することができる。さらに、印加電圧を遮断したまま、第1のポケットにより終端領域の幅を小さくすることができる。
【0024】
パワーダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、少なくとも2つの第2のポケットは、横方向に互いに離間している。例示的には、少なくとも2つの第2のポケットは、互いに直接接触せず、横方向の平面視で互いに重ならない。
【0025】
パワーダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、第1のポケットおよび少なくとも2つの第2のポケットは、横方向に互いに離間している。すなわち、例示的には、第1のポケットおよび直接隣接する第2のポケットは、互いに直接接触せず、横方向の平面視において互いに重ならない。
【0026】
パワーダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、第1のポケットおよび少なくとも2つの第2のポケットは各々、アノード領域を横方向に完全に囲む。
【0027】
第1のポケットおよび少なくとも2つの第2のポケットは、アノード領域を枠状に囲む。ここで、および以下では、枠状とは、第1のポケットおよび少なくとも2つの第2のポケットがアノード領域を横方向に完全に囲み、独立してそれらの形状を形成することを意味する。
【0028】
アノード領域は、例えば、平面視において、長円形、円形、または矩形などの多角形を有する。多角形の場合、多角形のエッジを丸めることができる。第1のポケットおよび少なくとも2つの第2のポケットの形状は、例えば同じである。形状の直径またはエッジ長さは、例示的には、第1のポケットから第2のポケットの外側の第2のポケットまで増加する。
【0029】
パワーダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、アノード領域および少なくとも2つの第2のポケットは各々、第1のドープ領域および第2のドープ領域を備える。例えば、第1のドープ領域は第1のドーパントを含み、第2のドープ領域は第2のドーパントを含む。例えば、第1のドーパントと第2のドーパントとは同じである。第1ドーパントおよび第2ドーパントは、例示的には、p型ドーパントである。
【0030】
パワーダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、第1のドープ領域の最大ドーピング濃度は、第2のドープ領域の最大ドーピング濃度よりも高い。例示的には、第1のドープ領域の最大ドーピング濃度は第1の最大ドーピング濃度に等しく、第2のドープ領域の最大ドーピング濃度は第2の最大ドーピング濃度に等しい。
【0031】
パワーダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、第1のドープ領域は、アノード側からウェハ内の第1の深さまで垂直方向に延在する。例えば、第1のドープ領域は、垂直方向においてベース層のアノード側からカソード側に向かう方向に延在し、第1のドープ領域はカソード側に離間される。
【0032】
例えば、第1の深さは、5μm以上15μm以下である。
パワーダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、第2のドープ領域は、アノード側からウェハ内の第2の深さまで垂直方向に延在する。例えば、第2のドープ領域は、アノード側からカソード側への方向に垂直方向に延在し、第2のドープ領域はカソード側に離間される。
【0033】
例えば、第2の深さは2μm以下である。
パワーダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、第1の深さは第2の深さよりも大きい。例えば、横方向において、第1のドープ領域の幅は、第2のドープ領域の幅よりも大きい。すなわち、第2のドープ領域は、例示的には、第1のドープ領域に埋め込まれる。ここで、および以下では、埋め込まれるとは、ベース層に面する第2のドープ領域の外面が、第1のドープ領域によって完全に覆われていることを意味する。
【0034】
パワーダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、アノード領域の幅は、横方向において、第1のポケットの幅よりも大きく、少なくとも2つの第2のポケットの各々の幅よりも大きい。幅は各々、横方向の対応する要素の最小範囲によって定義される。
【0035】
例えば、第1のポケットの幅は、アノード領域の幅の25%以下である。
パワーダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、第1のポケットの幅は、横方向において、少なくとも2つの第2のポケットの各々の幅よりも大きい。
【0036】
例えば、少なくとも2つの第2のポケットの幅は、第1のポケットの幅の25%以下である。
【0037】
パワーダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、パワーダイオードはカソード電極とアノード電極とをさらに備え、カソード電極はカソード側からウェハ上に設けられ、アノード電極はアノード領域上に設けられる。
【0038】
パワーダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、アノード電極は、平面視でアノード領域の第2のドープ領域と完全に重なる。さらに、アノード電極は、アノード領域の第2のドープ領域と直接接触している。
【0039】
パワーダイオードの少なくとも1つの実施形態によれば、第1のポケットの第1の最大ドーピング濃度は、少なくとも2つの第2のポケットの各々の第2の最大ドーピング濃度よりも少なくとも1桁小さい。
【0040】
第2の態様は、パワーダイオードを製造するための方法に関する。例示的には、本方法は、本明細書で上述したパワーダイオードを製造する。したがって、パワーダイオードに関連して開示されたすべての特徴は、方法に関連しても開示され、逆もまた同様である。
【0041】
方法の第2の態様の実施形態によれば、第2の導電型とは異なる第1の導電型のベース層が設けられる。
【0042】
例えば、カソード側から第1の導電型のバッファ層が生成される。
方法の第2の態様の実施形態によれば、アノード領域ポケットおよび少なくとも3つのゾーンが、各ゾーンがウェハ内に第1の最大ドーピング濃度を有するように、アノード側からウェハ内に第2の導電型の第1のドーパントを導入することによって生成される。
【0043】
第1のドーパントは、例えばイオン注入または堆積プロセスのうちの少なくとも1つによって、ウェハ、例えばベース層の上または中に組み込まれ、その後に拡散プロセスが行われてもよい。
【0044】
方法の第2の態様の実施形態によれば、第2の最大ドーピング濃度を有するアノード領域および少なくとも2つの第2のポケットが生成されるように、第2の導電型の第2のドーパントがアノード領域ポケットおよび少なくとも3つのゾーンに導入される。
【0045】
第2のドーパントは、例えばイオン注入または堆積プロセスのうちの少なくとも1つによって、ウェハ、例えばベース層の上または中に組み込まれ、その後に拡散プロセスが行われてもよい。
【0046】
本方法の第2の態様の実施形態によれば、第2のドーパントが導入されないゾーンは、アノード領域と少なくとも2つの第2のポケットとの間に配置され、第1のポケットを形成する。
【0047】
方法の第2の態様の実施形態によれば、第1の最大ドーピング濃度は、第2の最大ドーピング濃度よりも小さい。
【0048】
本方法の少なくとも1つの実施形態によれば、少なくとも4つの開口部を有する第1のマスクが、第1のドーパントを導入する前にアノード側に適用される。例えば、1つの開口部は、製造されるアノード領域に対応する形状を有し、別の1つの開口部は、製造される第1のポケットに対応する形状を有し、他の開口部は、製造される第2のポケットに対応する形状を有する。
【0049】
本方法の少なくとも1つの実施形態によれば、第1のマスクよりも小さい1つの開口部を有する第2のマスクが、第2のドーパントを導入する前に第1のマスクに適用され、第2のマスクは、アノード領域ポケットに最も近いゾーンを覆う。すなわち、アノード領域および少なくとも2つの第2のポケットは各々、例えば、第1の最大ドーピング濃度の第1のドーパントおよび第2の最大ドーピング濃度の第2のドーパントを有する第1のドープ領域および第2のドープ領域を備える。第1のポケットは、例示的には、第1のドーパントを有する第1のドープ領域のみを備える。
【0050】
本方法の少なくとも1つの実施形態によれば、第1のマスクは酸化物マスクである。
本方法の少なくとも1つの実施形態によれば、第1のマスクは、アノード領域および少なくとも2つの第2のポケットの生成後に除去される。例えば、第1のマスクおよび第2のマスクは、アノード領域および少なくとも2つの第2のポケットの生成後に除去される。
【0051】
本方法の少なくとも1つの実施形態によれば、カソード電極およびアノード電極は、アノード領域および少なくとも2つの第2のポケットの生成後に製造される。
【0052】
以下、添付の図面に示される例示的な実施形態を参照して、実施形態をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】例示的な実施形態によるパワーダイオードの断面図を概略的に示す。
図2】例示的な実施形態によるパワーダイオードの平面図を概略的に示す。
図3】例示的なパワーダイオードのドーピング濃度、および例示的な実施形態によるパワーダイオードの終端領域を概略的に示す。
図4】例示的なパワーダイオードおよび例示的な実施形態によるパワーダイオードのスイッチング中のピーク電流密度を概略的に示す。
図5】例示的なパワーダイオードおよび例示的な実施形態によるパワーダイオードのスイッチング中のピーク電界を概略的に示す。
図6】例示的なパワーダイオードおよび例示的な実施形態によるパワーダイオードの電力密度を概略的に示す図である。
図7】例示的なパワーダイオードおよび例示的な実施形態によるパワーダイオードの動的電力散逸を概略的に示す。
図8】例示的な実施形態によるパワーダイオードを製造するための方法の方法ステップを概略的に示す。
図9】例示的な実施形態によるパワーダイオードを製造するための方法の方法ステップを概略的に示す。
図10】例示的な実施形態によるパワーダイオードを製造するための方法の方法ステップを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図面で使用される参照符号およびそれらの意味は、参照符号のリストに要約形式で列挙されている。原則として、同一の部品には、図中に同じ参照符号が付されている。
【0055】
パワーダイオード1は、アノード側5と、アノード側5の反対側のカソード側4とを有する、例えば半導体本体であるウェハを備える。ウェハは、第1の導電型のベース層2を備える。さらに、ベース層2は、アノード側5に面する第1の主面と、カソード側4に面する第2の主面とを有する。例えば、半導体本体は、半導体本体のカソード側4に設けられ、かつベース層2の第2の主面に電気的に接続された、第1の導電型のバッファ層3をさらに備える。
【0056】
バッファ層3およびベース層2の両方はn型ドーパントを含み、したがって、第1の導電型はn導電型である。バッファ層3の最大ドーピング濃度は、ベース層2の最大ドーピング濃度よりも高い。
【0057】
さらに、パワーダイオード1は、カソード側4から設けられたカソード電極10を備える。
【0058】
アノード側5には、第1の導電型とは異なる第2の導電型のアノード領域6がウェハに設けられている。アノード領域6は、アノード側5から垂直方向に第1の深さまでウェハ内に延在する第1のドープ領域15と、アノード側5から垂直方向に第2の深さまでウェハ内に延在する第2のドープ領域16とを備える。第1の深さは、第2の深さよりも大きい。
【0059】
また、アノード領域6の第1のドープ領域15の幅は、アノード領域6の第2のドープ領域16の幅よりも大きい。アノード領域6の第1のドープ領域15のベース層2から外方に面する上面、およびアノード領域6の第2のドープ領域16の上面は、互いに同一平面上で終端する。さらに、バッファ層3から外方に面するベース層2の上面および第2の主面は、互いに同一平面上で終端する。すなわち、上面および第2の主面は、横方向に延在する共通の平面内にある。
【0060】
第1のドープ領域15および第2のドープ領域16は両方ともp型ドーパントを含み、したがって第2の導電型はp導電型である。第1のドープ領域15の第1の最大ドーピング濃度は、第2のドープ領域16の第2の最大ドーピング濃度よりも小さい。例えば、第1のドープ領域15の最大ドーピング濃度は、第2のドープ領域16の第2の最大ドーピング濃度よりも少なくとも1桁小さい。
【0061】
例えば、第1の最大ドーピング濃度は5×1015cm-3~5×1018cm-3であり、第2の最大ドーピング濃度は5×1016cm-3~5×1019cm-3の間に含まれる。
【0062】
また、アノード領域6の第1の主面5側には、アノード電極11が設けられている。アノード電極11は、横方向においてアノード領域6を超えて突出しない。アノード電極11は、アノード領域6の第2のドープ領域16と直接電気的に接触しており、終端領域7の第2のドープ領域16とは電気的に接触していない。
【0063】
また、アノード電極11は、アノード領域6の第2のドープ領域16と横方向に完全に重なる。ここで、第2のドープ領域16は、横方向においてアノード電極11を超えて突出している。
【0064】
あるいは、アノード電極11がアノード領域6の第2のドープ領域16の上面を完全に覆うように、アノード電極11が横方向において第2のドープ領域16を超えて突出することが可能である。
【0065】
さらに、パワーダイオード1は、アノード側5からウェハ内に設けられる終端領域7を備える。終端領域7は、第2の導電型の第1のポケット8と、第2の導電型の2つの第2のポケット9とを備える。第1のポケット8は、第1の最大ドーピング濃度が第1の深さまで垂直方向に延在する第1のドーピング領域15のみを備える。2つの第2のポケット9は各々、同様に第1の深さまで垂直方向に延在する第1の最大ドーピング濃度を有する第1のドーピング領域15と、第2の深さまで垂直方向に延在する第2の最大ドーピング濃度を有する第2のドーピング領域16とを備える。すなわち、第1のポケット8の第1の最大ドーピング濃度は、2つの第2のポケット9の各々の第2の最大ドーピング濃度よりも小さい。
【0066】
2つの第2のポケット9の第1のドープ領域15の各幅は、2つの第2のポケット9の第2のドープ領域16の幅よりも大きい。さらに、第1のポケット8および2つの第2のポケット9の第1のドープ領域15の上面、および2つの第2のポケット9の第2のドープ領域16の上面は、互いに同一平面上で終端する。さらに、ベース層2の上面および第2の主面は、互いに同一平面上で終端する。
【0067】
横方向において、第1のポケット8は、アノード領域6と2つの第2のポケット9との間に設けられている。また、第1のポケット8、2つの第2のポケット9、およびアノード領域6は、横方向に互いに離間している。
【0068】
第1のポケット8は、第1のポケット8の領域内のピーク電界およびピーク電流密度を低減するのに役立つため、抵抗領域とも呼ばれる。
【0069】
終端領域7は、図2によれば、アノード領域6を横方向に完全に囲む。第1のポケット8および2つの第2のポケット9は、アノード領域6を枠状に完全に囲む。
【0070】
図3の上部に示されているドーピング濃度[cm-3]は、例示的なパワーダイオードを表す。例示的なパワーダイオードは終端領域7を備え、それは第1のドープ領域15および第2のドープ領域16を有する第2のポケット9のみを備える。
【0071】
対照的に、図3の下部に示されている例示的な実施形態によるパワーダイオード1の終端領域7[cm-3]は、第1のポケット8を備える。第1のポケット8は第1のドープ領域15のみを備える。また、第1のドープポケットの幅は、横方向において、第2のポケット9の各々の各幅よりも大きい。第2のポケット9間の距離は、パワーダイオード1のエッジ方向に大きくすることができる。
【0072】
図4による図では、第2の主面のレベルで図3によるドーピング濃度を有するパワーダイオード1のオン状態からオフ状態にスイッチング中のピーク電流密度J[kA/cm]を示している。x軸は、図3に示す側方延在部に対応する。第1の曲線K1は、特に図3の上部に示されている、例示的なパワーダイオード1のドーピング濃度に対応する。第2の曲線K2は、特に図3の下部に示されている、例示的な実施形態によるパワーダイオードのドーピング濃度に対応する。
【0073】
図5による図では、図4のピーク電流密度Jに対応するピーク電界E[V/cm]が示されている。
【0074】
図6による図には、図4および図5の図に対応する電力密度P[kW/cm]が示されている。
【0075】
図7の上部に示されている電力散逸[kW/cm]は、図3による例示的なパワーダイオードによる例示的なパワーダイオードを表す。
【0076】
対照的に、図7の下部に示されている電力散逸は、例えば図3の下部に示されている、例示的な実施形態によるパワーダイオード1を表す。
【0077】
図7による電力散逸は、図6の図の電力散逸に対応する。
図8図9および図10によるパワーダイオード1を製造するための方法は、第1のマスク13がベース層2の第2の主面に適用されることを含む。第1のマスク13は、4つの開口部14を有する。
【0078】
図8によれば、アノード領域ポケット12および3つのゾーンは、第2の主面の反対側にあるベース層2の第1の主面から、ベース層2内に第1の最大ドーピング濃度を有する第2の導電型の第1のドーパントを導入することによって生成される。すなわち、第1のドーパントは、ベース層2の第1のマスク13の開口部14を通って、第1の深さまで導入される。これは、第1の最大ドーピング濃度を有するアノード領域ポケット12および3つのゾーンをもたらす。
【0079】
第1のドーパントを導入するプロセスに応じて、第1のドーパントの濃度は、カソード側4の方向に連続的に減少することができる。すなわち、第1の最大ドーピング濃度は、それぞれのゾーンまたはポケットの上面の近くに位置する。
【0080】
続いて、図9によれば、第2のマスク17が第1のマスク13上に設けられ、第2のマスク17は、第1のマスク13よりも1つ少ない開口部14を有する。すなわち、第2のマスク17は3つの開口部14を有し、第2のマスク17の開口部14は各々、第1のマスク13の開口部14よりも小さい幅を有する。さらに、第2のマスク17は、アノード領域ポケット12に最も近いゾーンを覆う。
【0081】
さらに、アノード領域ポケット12内の第2のマスク17の開口部14、および3つのゾーンのうち2つを通って、第2の深さまで第2のドーパントが導入される。これにより、アノード領域6および2つの第2のポケット9は、第2の最大ドーピング濃度を有する。
【0082】
アノード領域6および2つの第2のポケット9の生成後、少なくとも1つのパッシベーション層を含むパッシベーション領域18が、1つの開口部14を備えるベース層2上に形成されてもよく、パッシベーション領域18の開口部14は、アノード領域6の第2のドープ領域16の上方に配置される。パッシベーション領域18の開口部14は、対応する第2のマスク17の開口部14よりも小さい。
【0083】
第3のマスク18の開口部14を介して、アノード電極11がアノード領域6の第2のドープ領域16上に堆積される。さらに、カソード電極10がカソード側4に堆積される。
【0084】
パッシベーション領域18、例えば少なくとも1つのパッシベーション層は、アノード電極11の形成後に、標準的なフォトリソグラフィ技術によって形成される。例示的には、アノード電極11は、ブランケット堆積、およびその後の標準的なフォトリソグラフィ技術によるエッチングによって形成される。
【符号の説明】
【0085】
参照符号
1 パワーダイオード
2 ベース層
3 バッファ層
4 カソード側
5 アノード側
6 アノード領域
7 終端領域
8 第1のポケット
9 第2のポケット
10 カソード電極
11 アノード電極
12 アノード領域ポケット
13 第1のマスク
14 開口部
15 第1のドープ領域
16 第2のドープ領域
17 第2のマスク
18 第3のマスク
K1 第1の曲線
K2 第2の曲線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソード側(4)と、前記カソード側の反対側のアノード側(5)とを有するウェハを備えるパワーダイオード(1)であって、前記パワーダイオード(1)が、
前記ウェハに含まれる第1の導電型のベース層(2)と、
前記ウェハの前記アノード側に設けられた前記第1の導電型とは異なる第2の導電型のアノード領域(6)と、
前記ウェハの前記カソード側(4)と前記アノード側(5)との間に設けられた終端領域(7)と
を有し、
前記終端領域(7)が、前記アノード領域(6)を横方向に囲み、
前記終端領域(7)が、前記第2の導電型の第1のポケット(8)と、前記第2の導電型の少なくとも2つの第2のポケット(9)とを備え、
前記第1のポケット(8)が、横方向において前記アノード領域(6)と前記少なくとも2つの第2のポケット(9)との間に設けられ、
前記第1のポケット(8)が、前記少なくとも2つの第2のポケット(9)の各々の第2の最大ドーピング濃度よりも小さい第1の最大ドーピング濃度を有し、
前記第1のポケット(8)、前記少なくとも2つの第2のポケット(9)、および前記アノード領域(6)が、横方向に互いに離間し、
前記第1のポケット(8)、前記少なくとも2つの第2のポケット(9)、および前記アノード領域(6)が、前記ベース層(2)内に設けられ、
前記ベース層(2)が、横方向において前記第1のポケット(8)、前記少なくとも2つの第2のポケット(9)、および前記アノード領域(6)の間に設けられる、
パワーダイオード(1)。
【請求項2】
前記第1のポケット(8)および前記少なくとも2つの第2のポケット(9)が各々、前記アノード領域(6)を横方向に完全に囲む、
請求項1に記載のパワーダイオード(1)。
【請求項3】
前記アノード領域(6)および前記少なくとも2つの第2のポケット(9)が各々、第1のドープ領域(15)および第2のドープ領域(16)を備え、
前記第1のドープ領域(15)の最大ドーピング濃度が、前記第2のドープ領域(16)の最大ドーピング濃度よりも高い、
請求項1または2に記載のパワーダイオード(1)。
【請求項4】
前記第1のドープ領域(15)が、前記アノード側(5)から前記ウェハ内の第1の深さまで垂直方向に延在し、
前記第2のドープ領域(16)が、前記アノード側から前記ウェハ内の第2の深さまで垂直方向に延在し、
前記第1の深さが、前記第2の深さよりも大きい、
請求項3に記載のパワーダイオード(1)。
【請求項5】
前記アノード領域(6)の幅が、横方向において、前記第1のポケット(8)の幅よりも大きく、前記少なくとも2つの第2のポケット(9)の各々の幅よりも大きい、
請求項1または2に記載のパワーダイオード(1)。
【請求項6】
前記第1のポケット(8)の幅が、横方向において、前記少なくとも2つの第2のポケット(9)の各々の幅よりも大きい、
請求項1または2に記載のパワーダイオード(1)。
【請求項7】
前記パワーダイオード(1)が、
カソード電極(10)と、
アノード電極(11)と
をさらに備え、
前記カソード電極(10)が前記カソード側(4)から前記ウェハ上に設けられ、
前記アノード電極(11)が前記アノード領域(6)上に設けられる、
請求項に記載のパワーダイオード(1)。
【請求項8】
前記アノード電極(11)が、平面視で前記アノード領域(6)の前記第2のドープ領域(16)と完全に重なる、
請求項7に記載のパワーダイオード(1)。
【請求項9】
前記第1のポケット(8)の前記第1の最大ドーピング濃度が、前記少なくとも2つの第2のポケット(9)の各々の前記第2の最大ドーピング濃度よりも少なくとも1桁小さい、
請求項1または2に記載のパワーダイオード(1)。
【請求項10】
カソード側(4)と、前記カソード側(4)の反対側のアノード側(5)とを有するウェハを備えるパワーダイオード(1)を製造するための方法であって、前記方法が、
第2の導電型とは異なる第1の導電型の前記ウェハに含まれるベース層(2)を設けることと、
各ゾーンが前記ウェハ内の第1の最大ドーピング濃度を有するように、前記ウェハ内の前記アノード側(5)から前記第2の導電型の第1のドーパントを導入することによって、アノード領域ポケット(12)と少なくとも3つのゾーンとを生成することと、
第2の最大ドーピング濃度を有するアノード領域(6)および少なくとも2つの第2のポケット(9)とが生成されるように、前記アノード領域ポケット(12)および前記少なくとも3つのゾーンのうちの少なくとも2つに前記第2の導電型の第2のドーパントを導入することと
を含み、
第2のドーパントが導入されない前記ゾーンが、前記アノード領域(6)と、前記少なくとも2つの第2のポケット(9)との間に配置され、第1のポケット(8)を形成し、
前記第1の最大ドーピング濃度が前記第2の最大ドーピング濃度よりも小さく、
前記第1のポケット(8)、前記少なくとも2つの第2のポケット(9)、および前記アノード領域(6)が、横方向に互いに離間し、
前記第1のポケット(8)、前記少なくとも2つの第2のポケット(9)、および前記アノード領域(6)が、前記ベース層(2)内に設けられ、
前記ベース層(2)が、横方向において前記第1のポケット(8)、前記少なくとも2つの第2のポケット(9)、および前記アノード領域(6)の間に設けられる、
方法。
【請求項11】
前記第1のドーパントを導入する前に、前記アノード側(5)に少なくとも4つの開口部(14)を有する第1のマスク(13)を適用し、
前記第2のドーパントを導入する前に、前記第1のマスク(13)よりも1つ少ない開口部を有する第2のマスク(17)を、前記第1のマスク(13)に適用し、前記第2のマスク(17)が、前記アノード領域ポケット(12)に最も近い前記ゾーンを覆う、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のマスク(13)が酸化物マスクである、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記アノード領域(6)および前記少なくとも2つの第2のポケット(9)の前記生成後に前記第1のマスク(13)を除去する、
請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記アノード領域(6)および前記少なくとも2つの第2のポケット(9)の前記生成後に、カソード電極(10)およびアノード電極(11)を製造する、
請求項10~12のいずれか1項に記載の方法。
【国際調査報告】