(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】パラキシレンの調製方法
(51)【国際特許分類】
C07C 1/02 20060101AFI20240822BHJP
B01J 29/48 20060101ALI20240822BHJP
B01J 29/46 20060101ALI20240822BHJP
B01J 29/40 20060101ALI20240822BHJP
C07C 15/08 20060101ALI20240822BHJP
C07C 6/00 20060101ALN20240822BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20240822BHJP
【FI】
C07C1/02
B01J29/48 M
B01J29/46 M
B01J29/40 M
C07C15/08
C07C6/00
C07B61/00 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516705
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2024-03-14
(86)【国際出願番号】 CN2021137211
(87)【国際公開番号】W WO2023045105
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】202111122218.0
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503190796
【氏名又は名称】中国科学院大▲連▼化学物理研究所
【氏名又は名称原語表記】DALIAN INSTITUTE OF CHEMICAL PHYSICS,CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 中民
(72)【発明者】
【氏名】于 政錫
(72)【発明者】
【氏名】楊 越
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4G169AA03
4G169AA08
4G169AA09
4G169BA07A
4G169BA07B
4G169BC17A
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4H006AA02
4H006AC12
4H006AC29
4H006BA07
4H006BA08
4H006BA09
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4H006BA19
4H006BA60
4H006BA71
4H006BA81
4H006BA82
4H006BB61
4H006BC10
4H006BC11
4H006BC18
4H006BC31
4H006BE41
4H006DA12
4H039CA41
4H039CK10
4H039CK90
(57)【要約】
本出願は、メタノール、ナフサ、CO
2を含有する原料を、触媒を含有する反応器に注入し、反応させ、パラキシレンを生成するというパラキシレンの調製方法を開示する。メタノールを加えることによって製品の分布を調整し、パラキシレンの選択率を大幅に向上させる。なお、芳香族炭化水素製品中のベンゼン及びトルエンを含有する成分を、反応システムに戻し、上記原料と共供給して反応させてパラキシレンを生成するため、原料のリサイクルが実現され、経済的効果が非常に高くなる。該方法は、プロセスがシンプルで、実行可能性が高く、パラキシレンの選択率と収率を大幅に向上させることができ、重要な応用価値を有し、CO
2の大規模利用のための新しい方法を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パラキシレンの調製方法であって、メタノール、ナフサ、CO
2を含有する原料を、触媒が入った反応器に通し、反応させ、パラキシレンを生成することを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記反応条件は、反応温度450~650℃、反応圧力0.1~3.5MPa、ナフサの重量空間速度0.1~5h
-1、CO
2の重量空間速度0.1~3h
-1、メタノールの重量空間速度0.1~5h
-1であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記反応条件は、反応温度500~600℃、反応圧力0.1~3MPa、ナフサの重量空間速度0.5~2h
-1、CO
2の重量空間速度0.5~2h
-1、メタノールの重量空間速度0.5~2h
-1であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
CO
2、ナフサ、メタノールの使用量の比は0.3~2:1:0.3~2であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
CO
2、ナフサ、メタノールの使用量の比は0.3~1.5:1:0.3~1.5であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
反応によって得られた混合物中のベンゼン及びトルエンを含有する成分を、得られた混合物から分離し、反応システムに戻し、前記触媒上で前記原料と共供給して反応させてパラキシレンを生成することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記触媒は、酸性モレキュラーシーブであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記酸性モレキュラーシーブは、HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブのシリカ/アルミナSi/Alは10~50であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブは、金属修飾されたHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブであることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記金属修飾に使用される金属は、La、Zn、Ga、Fe、Mo、及びCrのうちの少なくとも10つから選択されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブは、金属修飾及びシラン化試薬で修飾されたHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブであることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記シラン化試薬による修飾に使用されるシラン化試薬は、以下の化学式を有する化合物のうちの少なくとも1つから選択され、
【化2】
式中、R
1、R
2、R
3及びR
4は、C
1~
10アルキル基、C
1~
10アルコキシ基のうちの少なくとも1つからそれぞれ独立して選択されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記R
1、R
2、R
3及びR
4のうちの少なくとも1つはC
1~
10アルコキシ基から選択されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記シラン化試薬は、オルトケイ酸テトラエチル及び/又はオルトケイ酸テトラメチルから選択されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
反応前に、
触媒の調製は、HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブを金属塩溶液中に入れ、浸漬し、乾燥させ、焙焼して、前記金属修飾されたHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブを得るステップを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記浸漬条件は、浸漬温度60~100℃、浸漬時間2~10時間であることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブと金属塩溶液の固液比は1:20~1:1であることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記金属塩は、金属修飾に使用される金属に対応する可溶性金属塩であることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
反応前に、触媒の調製は、シラン化試薬を含有する材料を金属修飾されたHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブと接触処理させ、不活性ガスでパージし、焙焼して、前記金属修飾及びシラン化試薬で修飾されたHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブを得るステップを更に含むことを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
接触処理の温度は、250~450℃であることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記シラン化試薬の重量空間速度は0.02~0.5h
-1であることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記反応器は、固定床反応器、流動床反応器、又は移動床反応器であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、パラキシレンの調製方法、特にゼオライトモレキュラーシーブベースの触媒上でメタノール、ナフサ及びCO2の結合変換によってパラキシレンを調製する方法に関し、石油化学工業の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
現代工業の発展に伴い、主な温室効果ガスとしての二酸化炭素(CO2)の大気中の濃度が増加し、その結果、温室効果がますます顕著になっている。2020年、世界のCO2排出量は340億トンに達し、中国のCO2排出量は100億トンを超えた。2020年の第75回国連総会で、中国はCO2排出量が2030年までにピークに達するよう努力し、2060年までにカーボンニュートラルを達成するよう努力すべきだと提案した。従って、CO2の回収、固定、資源利用は世界各国の緊密な関心事となっている。資源の観点から見ると、CO2は世界で最も安価な炭素資源である。
【0003】
トリフェニルに代表される芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、パラキシレン)は基礎化学原料であるが、中でもパラキシレンは芳香族炭化水素の中で最もポピュラーな製品であり、市場規模が大きく輸入に大きく依存している。2019年のパラキシレンの生産量は1,346万トン、輸入量は1,594万トンに達し、海外依存率は52%となった。工業の面では、パラキシレンは主にナフサから触媒改質装置と芳香族炭化水素複合装置によって調製されるが、工程が多く、プロセスが複雑で、投資も巨額であり、従って、芳香族炭化水素の大部分はナフサから芳香族炭化水素への変換技術によるものである。ナフサ触媒改質によって生産される芳香族炭化水素は、石油系芳香族炭化水素の量の80%を占める。従って、CO2利用技術、特にCO2を芳香族炭化水素に変換する技術の開発を精力的に行うことは、経済的かつ社会的に重要な意義を持ち、中国の化学製品不足を解決できる一方で、芳香族炭化水素製品の市場規模が大きいため、大規模なCO2排出削減を実現できる。
【0004】
CN108160104Aは、二酸化炭素を水素化して芳香族炭化水素を調製するための触媒、その製造方法及び用途を開示し、機械的混合、粉砕混合、又はボールミル粉砕によって混合されたナノ金属酸化物とZSM-5モレキュラーシーブ触媒を使用すると、二酸化炭素水素化生成物のC5+含有量は80%に達し、芳香族炭化水素の選択率は70%以上に達する。CN107840778Aは、複合触媒の作用下で二酸化炭素水素化によって芳香族炭化水素を調製する方法を開示し、上記複合触媒は、第1成分としての鉄ベースの二酸化炭素水素化による低炭素オレフィン触媒と、主にオレフィンの芳香族化に機能する金属修飾又は未修飾のモレキュラーシーブと混合して構成され、該複合触媒の作用下で、CO2変換率は33%、C5+炭化水素の選択率は65%に達し、芳香族炭化水素がC5+炭化水素の63%を占める。研究によると、CO2は最初に金属酸化物の作用下で活性化され、次に水素との反応によって生成された中間成分がモレキュラーシーブの作用下で炭素鎖の成長、移動、環形成などのプロセスを経て芳香族炭化水素が生成されることがわかっている。上記の研究はいずれもCO2水素化によって液体炭化水素や芳香族炭化水素を調製するものであり、技術的指標に加えて、水素の供給源も工業利用を制限する重要な問題となっている。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、CO2を使用して芳香族炭化水素を調製するための新しい技術的ルートを提供し、すなわち、ナフサを原料として使用し、それをCO2と結合して芳香族炭化水素を調製することで、芳香族炭化水素の調製とCO2の大規模利用の新しい方法を提供する。
【0006】
本出願の第1態様によれば、パラキシレンの調製方法が提供される。該方法では、キシレンだけでなくベンゼンやトルエンも得ることができ、ベンゼンやトルエンも反応原料としてリサイクルすることができる。
【0007】
パラキシレンの調製方法であって、メタノール、ナフサ、CO2を含有する原料を、触媒を含有する反応器に注入し、反応させ、パラキシレンを生成する。
【0008】
任意選択的に、上記反応条件は、反応温度450~650℃、反応圧力0.1~3.5MPa、ナフサの重量空間速度0.1~5h-1、CO2の重量空間速度0.1~3h-1、メタノールの重量空間速度0.1~5h-1である。
【0009】
任意選択的に、上記反応条件は、反応温度500~600℃、反応圧力0.1~3MPa、ナフサの重量空間速度0.5~2h-1、CO2の重量空間速度0.5~2h-1、メタノールの重量空間速度0.5~2h-1である。
【0010】
任意選択的に、上記反応条件は、反応温度500~600℃、反応圧力0.1~1MPa、ナフサの重量空間速度0.5~2h-1、CO2の重量空間速度0.5~2h-1、メタノールの重量空間速度0.5~2h-1である。
【0011】
任意選択的に、反応温度は、450℃、480℃、500℃、520℃、550℃、570℃、600℃、620℃、650℃のうちの任意の値又は任意の2つの値の間の範囲の値から独立して選択される。
【0012】
任意選択的に、反応圧力は、0.1MPa、0.15MPa、0.2MPa、0.5MPa、1.0MPa、1.5MPa、2.0MPa、2.5MPa、3MPaのうちの任意の値又は任意の2つの値の間の範囲の値から独立して選択される。
【0013】
任意選択的に、ナフサの重量空間速度は、0.1h-1、0.2h-1、0.5h-1、0.7h-1、1h-1、1.2h-1、1.5h-1、2h-1、2.5h-1、3h-1、3.5h-1、4h-1、4.5h-1、5h-1のうちの任意の値又は任意の2つの値の間の範囲の値から独立して選択される。
【0014】
任意選択的に、CO2の重量空間速度は、0.1h-1、0.2h-1、0.5h-1、0.7h-1、1h-1、1.2h-1、1.5h-1、2h-1、2.5h-1、3h-1のうちの任意の値又は任意の2つの値の間の範囲の値から独立して選択される。
【0015】
任意選択的に、メタノールの重量空間速度は、0.1h-1、0.2h-1、0.5h-1、0.7h-1、1h-1、1.2h-1、1.5h-1、2h-1、2.5h-1、3h-1、3.5h-1、4h-1、4.5h-1、5h-1のうちの任意の値又は任意の2つの値の間の範囲の値から独立して選択される。
【0016】
任意選択的に、CO2、ナフサ及びメタノールの使用量の比は、0.3~2:1:0.3~2である。
【0017】
任意選択的に、CO2、ナフサ及びメタノールの使用量の比は、0.3~1.5:1:0.3~1.5である。
【0018】
任意選択的に、CO2、ナフサ及びメタノールの使用量の比は、0.5~1.0:1:0.5~1.0である。
【0019】
任意選択的に、CO2、ナフサ及びメタノールの使用量の比は1:3:2である。
【0020】
任意選択的に、CO2、ナフサ及びメタノールの使用量の比は0.8:1:0.6である。
【0021】
任意選択的に、CO2、ナフサ及びメタノールの使用量の比は0.8:1:1.2である。
【0022】
任意選択的に、CO2、ナフサ及びメタノールの使用量の比は1.5:1:1.5である。
【0023】
任意選択的に、反応によって得られた混合物中のベンゼン及びトルエンを含有する成分を、得られた混合物から分離し、反応システムに戻し、触媒上で原料と共供給して反応させてパラキシレンを生成する。
【0024】
本出願では、反応によって得られた混合物からベンゼンやトルエンを含有する成分を分離する、すなわち、副生成物中のベンゼンやトルエンを含有する成分を反応システムに戻すことにより、原料のリサイクルが可能となる。
【0025】
任意選択的に、上記触媒は、酸性モレキュラーシーブである。
【0026】
任意選択的に、上記酸性モレキュラーシーブは、HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブである。
【0027】
任意選択的に、上記HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブのシリカ/アルミナ比Si/Alは10~50である。
【0028】
任意選択的に、上記HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブシリカ/アルミナ比Si/Alは15である。
【0029】
本出願では、HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブのシリカ/アルミナ比は、触媒活性に影響を与える主な要因ではなく、一般的に使用されるシリカ/アルミナ比Si/Alを使用するだけで済む。
【0030】
任意選択的に、上記HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブは、金属修飾されたHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブである。
【0031】
任意選択的に、上記金属修飾に使用される金属は、La、Zn、Ga、Fe、Mo、及びCrのうちの少なくとも1つから選択される。
【0032】
任意選択的に、上記HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブは、金属修飾及びシラン化試薬で修飾されたHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブである。
【0033】
本出願では、金属修飾及びシラン化試薬で修飾されたHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブは、HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブへの金属修飾とその後のシラン化試薬による修飾を指す。
【0034】
任意選択的に、上記シラン化試薬による修飾に使用されるシラン化試薬は、以下の化学式を有する化合物のうちの少なくとも1つから選択され、
【化1】
式中、R
1、R
2、R
3及びR
4は、C
1~
10アルキル基、C
1~
10アルコキシ基のうちの少なくとも1つからそれぞれ独立して選択される。
【0035】
任意選択的に、上記R1、R2、R3及びR4のうちの少なくとも1つがC1~10アルコキシ基から選択される。
【0036】
任意選択的に、上記シラン化試薬は、オルトケイ酸テトラエチル及び/又はオルトケイ酸テトラメチルのうちの少なくとも1つから選択される。
【0037】
任意選択的に、反応前に、
触媒の調製は、HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブを金属塩溶液中に入れ、浸漬し、乾燥させ、焙焼して、上記金属修飾されたHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブを得るステップを更に含む。
【0038】
任意選択的に、上記金属修飾の方法は、HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブを金属塩溶液中に入れ、浸漬し、乾燥させ、焙焼して、前記金属修飾されたHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブを得るステップを更に含む。
【0039】
任意選択的に、上記浸漬条件は、浸漬温度60~100℃、浸漬時間2~10時間である。
【0040】
任意選択的に、上記浸漬条件は、浸漬温度70~90℃、浸漬時間4~8時間である。
【0041】
任意選択的に、浸漬温度は、60℃、65℃、70℃、75℃、80℃、85℃、90℃、95℃、100℃のうちの任意の値又は任意の2つの値の間の範囲の値から独立して選択される。
【0042】
任意選択的に、浸漬時間は、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間のうちの任意の値又は任意の2つの値の間の範囲の値から独立して選択される。
【0043】
任意選択的に、上記HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブと金属塩溶液の固液比は1:20~1:1である。
【0044】
固液比は、質量比を指す。
【0045】
任意選択的に、上記HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブと金属塩溶液の固液比は1:10~1:1である。
【0046】
任意選択的に、上記HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブと金属塩溶液の固液比は、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1のうちの任意の値又は任意の2つの値の間の範囲の値から独立して選択される。
【0047】
任意選択的に、上記金属塩は、金属修飾に使用される金属に対応する可溶性金属塩である。
【0048】
本出願では、可溶性金属塩は、金属修飾に使用される金属に対応する硝酸塩、硫酸塩などであり得る。それは、例えば、硝酸亜鉛、硝酸ガリウム、硝酸ランタン、硝酸クロムなどである。
【0049】
任意選択的に、金属修飾の方法では、乾燥条件は、空気雰囲気下で、100~150℃の条件下で乾燥することである。
【0050】
任意選択的に、金属修飾の方法では、焙焼条件は、空気雰囲気下で、500~700℃の条件下で焙焼することである。
【0051】
任意選択的に、反応前に、触媒の調製は、シラン化試薬を含有する材料を金属修飾されたHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブと接触処理させ、不活性ガスでパージし、焙焼して、上記金属修飾及びシラン化試薬で修飾されたHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブを得るステップを更に含む。
【0052】
任意選択的に、上記シラン化試薬による修飾の方法は、シラン化試薬を含有する材料を金属修飾されたHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブと接触処理させ、不活性ガスでパージし、焙焼して、上記金属修飾及びシラン化試薬で修飾されたHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブを得るステップを含む。
【0053】
任意選択的に、上記接触処理の温度は、250~450℃である。
【0054】
任意選択的に、上記接触処理の温度は、300~400℃である。
【0055】
任意選択的に、上記シラン化試薬の重量空間速度は0.02~0.5h-1である。
【0056】
任意選択的に、上記シラン化試薬の重量空間速度は0.05~0.4h-1である。
【0057】
任意選択的に、接触処理の温度は300℃である。
【0058】
任意選択的に、上記シラン化試薬の重量空間速度は0.2h-1である。
【0059】
任意選択的に、上記不活性ガスは、窒素、ヘリウム、アルゴンのうちの少なくとも1つから選択される。
【0060】
任意選択的に、接触処理の温度は、250℃、270℃、300℃、320℃、350℃、370℃、400℃、420℃、450℃のうちの任意の値又は任意の2つの値の間の範囲の値から独立して選択される。
【0061】
任意選択的に、上記シラン化試薬の重量空間速度は、0.02h-1、0.05h-1、0.1h-1、0.15h-1、0.2h-1、0.25h-1、0.3h-1、0.35h-1、0.4h-1、0.45h-1、0.5h-1のうちの任意の値又は任意の2つの値の間の範囲の値から独立して選択される。
【0062】
任意選択的に、上記シラン化試薬による修飾の方法では、焙焼条件は、焙焼のために400℃~650℃の温度で空気を注入することである。
【0063】
任意選択的に、上記反応器は、固定床反応器、流動床反応器、又は移動床反応器である。
【0064】
任意選択的に、上記ナフサは、水素化分解ナフサ、触媒分解ナフサ、ラフィネート、抜頭原油、及び石炭直接液化ナフサのうちの少なくとも1つから選択される。
【0065】
任意選択的に、上記ナフサの炭化水素の炭素数の分布範囲はC4~C12である。
【0066】
本出願の別の態様では、パラキシレンを調製するためのプロセスフローが更に提供され、それは以下を含む。ナフサ、CO2及びメタノールを含有する原料を反応システムに供給し、触媒と接触反応させて混合物Aを得て、混合物Aは第1分離システムに入り、分離によってC5+成分を得て、C5+成分は第2分離システムに入り、分離によってパラキシレンを得る。
【0067】
任意選択的に、C5+成分は第2分離システムに入り、分離によってベンゼンやトルエンを含有する成分を得て、ベンゼンやトルエンを含有する成分とナフサ、CO2及びメタノールを含有する原料を反応システムに共供給する。
【0068】
メタノール、ナフサ及びCO2を原料としてパラキシレンを調製するための触媒を調製する方法は、
【0069】
HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブを金属塩溶液中に入れ、浸漬し、乾燥させ、焙焼して、上記金属修飾されたHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブを得るステップを含む。
【0070】
メタノール、ナフサ及びCO2を原料としてパラキシレンを調製するための触媒を調製する方法は、
【0071】
(1)HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブを金属塩溶液中に入れ、浸漬し、乾燥させ、焙焼して、上記金属修飾されたHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブを得るステップと、
【0072】
(2)シラン化試薬を含有する材料を金属修飾されたHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブと接触処理させ、不活性ガスでパージし、焙焼して、上記金属修飾及びシラン化試薬で修飾されたHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブを得るステップとを含む。
【0073】
パラキシレンの調製方法であって、
触媒の調製ステップ(S1)であって、
HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブを金属塩溶液中に入れ、浸漬し、乾燥させ、焙焼して、上記金属修飾されたHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブを得るステップ(S1)と、
メタノール、ナフサ、CO2を含有する原料を、ステップ(S1)で調製された触媒を含有する反応器に注入し、反応させ、パラキシレンを生成するステップ(2)とを含む。
【0074】
任意選択的に、ステップ(s1)における触媒の調製ステップは、
シラン化試薬を含有する材料を金属修飾されたHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブと接触処理させ、不活性ガスでパージし、焙焼して、上記金属修飾及びシラン化試薬で修飾されたHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブを得るステップを更に含む。
【0075】
具体的な調製条件は、前述したとおりである。
【0076】
本出願では、特に明記しない限り、指定されたデータ範囲は範囲内の任意の値から選択され、範囲の端点値を含む。
【0077】
本出願では、C1~10アルキル基及びC1~10アルコキシ基におけるC1~10は、アルキル基又はアルコキシ基の総炭素数が1~10であることを指す。
【0078】
本出願が生み出す有益な効果は、以下のとおりである。
【0079】
1)本出願によって提供されるナフサとCO2の結合によってパラキシレンを調製する方法では、メタノールを加えることによって製品の分布を調整し、パラキシレンの選択率を大幅に向上させる。
【0080】
2)本出願によって提供されるナフサとCO2の結合によってパラキシレンを調製する方法では、原料にメタノールを加え、副生成物中のベンゼンやトルエンを含有する成分を反応システムに戻し、その結果、原料のリサイクルが実現され、経済的効果が非常に高くなる。
【0081】
3)本出願によって提供されるパラキシレンの調製方法では、プロセスがシンプルで、実行可能性が高く、パラキシレンの選択率と収率を大幅に向上させることができ、重要な応用価値を有し、CO2の大規模利用のための新しい方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【
図1】パラキシレンを調製するためのプロセスフローの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0083】
以下では、実施例を参照しながら本出願を詳細に説明するは、本出願は、これらの実施例に限定されない。
【0084】
特に明記しない限り、本出願の実施例における原料及び触媒はいずれも業ルートから購入し、処理せずに直接使用し、使用した機器と装置はメーカーが推奨する方法とパラメータを取り入れる。
【0085】
実施例では、固定床反応器の内径は1.5cmである。
【0086】
本出願によって提供されるパラキシレンの調製方法は、プロセスプロ―が
図1に示される。
【0087】
図1を参照すると、まず、ナフサ、CO
2及びメタノールを含有する原料を反応システムに供給し、ナフサ、CO
2及びメタノールを含有する原料を反応システム内で触媒と接触反応させ、混合物Aを得る。混合物Aは第1分離システムに入り、分離によって他の成分とC
5+成分を得る。C
5+成分は第2分離システムに入り、分離によってベンゼンやトルエンを含有する成分、パラキシレン、及び他のC
5+成分を得る。ベンゼンやトルエンを含有する成分をポンプで反応システムに戻し、パラキシレンを生成し、最後に、パラキシレンを分離する。
【0088】
本出願の実施例では、ナフサの種類は石炭直接液化ナフサであり、その具体的な組成は以下の表のとおりである。
【表0】
【0089】
実施例1 固定床用のHZSM-5成形モレキュラーシーブサンプルの調製
100gのHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブ原料粉末(南開大学催化剤厂、Si/Al=15)を、空気雰囲気下で、550℃で4時間焙焼した後、錠剤化して成形し、破砕し、篩い分けし、粒径40~60メッシュの成形モレキュラーシーブ粒子を得て、これをFX-HZSM-5と表記する。
【0090】
実施例2 固定床用の亜鉛修飾HZSM-5モレキュラーシーブの成形サンプルの調製
【0091】
100gのHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブ(南開大学催化剤厂、Si/Al=15)を10wt%硝酸亜鉛水溶液に入れ、HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブと硝酸亜鉛水溶液の質量比(すなわち、固液比)は1/10であり、80℃の条件で6時間浸漬し、水切りした後、空気雰囲気下で、120℃の条件下で4時間乾燥させ、その後、空気雰囲気下で、550℃で4時間焙焼した後に[Zn]HZSM-5モレキュラーシーブサンプルを得て、錠剤化して成形し、破砕し、篩い分けした後、粒径40~60メッシュの成形モレキュラーシーブ粒子を得て、これをFX-[Zn]HZSM-5と表記する。
【0092】
実施例3 固定床用のガリウム修飾HZSM-5モレキュラーシーブの成形サンプルの調製
100gのHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブ(南開大学催化剤厂、Si/Al=15)を10wt%硝酸ガリウム水溶液に入れ、HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブと硝酸ガリウム水溶液の質量比(すなわち、固液比)は1/10であり、80℃の条件で6時間浸漬し、水切りした後、空気雰囲気下で、120℃の条件下で4時間乾燥させ、その後、空気雰囲気下で、550℃で4時間焙焼した後に[Ga]HZSM-5モレキュラーシーブサンプルを得て、錠剤化して成形し、破砕し、篩い分けした後、粒径40~60メッシュの成形モレキュラーシーブ粒子を得て、これをFX-[Ga]HZSM-5と表記する。
【0093】
実施例4 固定床用のランタン修飾HZSM-5モレキュラーシーブの成形サンプルの調製
【0094】
100gのHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブ(南開大学催化剤厂、Si/Al=15)を10wt%硝酸ランタン水溶液に入れ、HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブと硝酸ランタン水溶液の質量比(すなわち、固液比)は1/10であり、90℃の条件で4時間浸漬し、水切りした後、空気雰囲気下で、120℃の条件下で4時間乾燥させ、その後、空気雰囲気下で、550℃で4時間焙焼した後に[La]HZSM-5モレキュラーシーブサンプルを得て、錠剤化して成形し、破砕し、篩い分けした後、粒径40~60メッシュの成形モレキュラーシーブ粒子を得て、これをFX-[La]HZSM-5と表記する。
【0095】
実施例5 固定床用の鉄修飾HZSM-5モレキュラーシーブの成形サンプルの調製
100gのHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブ(南開大学催化剤厂、Si/Al=15)を10wt%硝酸鉄水溶液に入れ、HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブと硝酸鉄水溶液の質量比(すなわち、固液比)は1/10であり、70℃の条件で8時間浸漬し、水切りした後、空気雰囲気下で、120℃の条件下で4時間乾燥させ、その後、空気雰囲気下で、550℃で4時間焙焼した後に[Fe]HZSM-5モレキュラーシーブサンプルを得て、錠剤化して成形し、破砕し、篩い分けした後、粒径40~60メッシュの成形モレキュラーシーブ粒子を得て、これをFX-[Fe]HZSM-5と表記する。
【0096】
実施例6 固定床用のクロム修飾HZSM-5モレキュラーシーブの成形サンプルの調製
100gのHZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブ(南開大学催化剤厂、Si/Al=15)を10wt%硝酸クロム水溶液に入れ、HZSM-5ゼオライトモレキュラーシーブと硝酸クロム水溶液の質量比(すなわち、固液比)は1/10であり、70℃の条件で8時間浸漬し、水切りした後、空気雰囲気下で、120℃の条件下で4時間乾燥させ、その後、空気雰囲気下で、550℃で4時間焙焼した後に[Cr]HZSM-5モレキュラーシーブサンプルを得て、錠剤化して成形し、破砕し、篩い分けした後、粒径40~60メッシュの成形モレキュラーシーブ粒子を得て、これをFX-[Cr]HZSM-5と表記する。
【0097】
実施例7 流動床用の亜鉛修飾HZSM-5の成形モレキュラーシーブサンプルの調製
実施例2で調製した100gの[Zn]HZSM-5モレキュラーシーブサンプルを、アルミニウム又はシリコンを含有する非晶質結合剤と混合し、噴霧乾燥して成形し、具体的なステップは、以下のとおりである。
【0098】
[Zn]HZSM-5モレキュラーシーブサンプル、擬ベーマイト、シリカゾル、キサンタンガム(バクテリアポリサッカライド)、及び水を均一に混合し、叩解し、ゴム粉砕し、及び脱泡した後にスラリーを得て、スラリー中の各成分の重量部は、以下のとおりである。
[Zn]HZSM-5 35重量部
Al2O3 20重量部
SiO2 45重量部
H2O 240重量部
キサンタンガム 1重量部
【0099】
得られたスラリーを噴霧乾燥して成形し、粒径分布20~100μmの微小球粒子サンプルを得て、微小球粒子サンプルをマッフル炉内で550℃で3時間焙焼した後、摩耗指数1.2の[Zn]HZSM-5の成形モレキュラーシーブを得て、これをFL-[Zn]HZSM-5と表記する。
【0100】
実施例8 メタノール、ナフサ及びCO
2の結合変換による芳香族炭化水素の調製の反応評価
マイクロ固定床反応装置でメタノール、ナフサ及びCO
2の結合変換による芳香族炭化水素の調製の反応を評価する。反応条件は、以下のとおりである。実施例1で調製した5グラムのFX-HZSM-5触媒を固定床反応器に入れ、まず、50mL/分の窒素で550℃で1時間処理する。次に、メタノール、ナフサ及びCO
2を共供給し、メタノール、ナフサ原料はマイクロフィードポンプで供給され、CO
2流量は質量流量計で制御され、原料CO
2:ナフサ:メタノール(質量比)=1:3:2であり、ナフサの重量空間速度は1.0h
-1であり、CO
2の重量空間速度は0.33h
-1であり、メタノールの重量空間速度は0.67h
-1、反応圧力は1MPaである。反応生成物をオンラインAgilent7890ガスクロマトグラフィーで分析し、30分間の反応後に分析用にサンプルを採取する。反応結果は、表1に示される。
【表1】
【0101】
実施例9 メタノール、ナフサ及びCO
2の結合変換による芳香族炭化水素の調製の反応評価
マイクロ固定床反応装置でメタノール、ナフサ及びCO
2の結合変換による芳香族炭化水素の調製の反応を評価する。反応条件は、以下のとおりである。実施例2で調製した5グラムのFX-[Zn]HZSM-5触媒を固定床反応器に入れ、まず、50mL/分の窒素で550℃で1時間処理する。次に、メタノール、ナフサ及びCO
2を共供給し、メタノール、ナフサ原料はマイクロフィードポンプで供給され、CO
2流量は質量流量計で制御され、原料CO
2:ナフサ:メタノール(質量比)=0.8:1:0.6であり、ナフサの重量空間速度は1.0h
-1であり、CO
2の重量空間速度は0.8h
-1であり、メタノールの重量空間速度は0.6h
-1、反応圧力は0.1MPaである。反応生成物をオンラインAgilent7890ガスクロマトグラフィーで分析し、30分間の反応後に分析用にサンプルを採取する。反応結果は、表2に示される。
【表2】
【0102】
実施例10 メタノール、ナフサ及びCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための触媒の調製及び反応評価
ナフサとCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための触媒は、マイクロ固定床反応装置でオンラインで調製される。オンライン触媒調製の条件は、以下のとおりである。実施例2で調製した5グラムのFX-[Zn]HZSM-5触媒を固定床反応器に入れ、まず、50mL/分の窒素で550℃で1時間処理し、その後、窒素雰囲気下で300℃まで冷却する。窒素雰囲気下(質量流量計で制御、100ml/分)、オルトケイ酸テトラエチルを反応器にポンプ注入し、オルトケイ酸テトラエチルの重量空間速度は0.2h-1、常圧である。60分間供給した後、供給を停止し、窒素でパージし、温度を550℃まで上げ、空気雰囲気下で4時間焙焼した後、ナフサとCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための固定床触媒を得て、これをFXNCC-1と名付ける。
【0103】
次に、窒素雰囲気下で温度を反応温度550℃に調整し、メタノール、ナフサ及びCO
2を共供給し、メタノール、ナフサ原料はマイクロフィードポンプで供給され、CO
2流量は質量流量計で制御され、原料CO
2:ナフサ:メタノール(質量比)=0.8:1:0.6であり、ナフサの重量空間速度は1.0h
-1であり、CO
2の重量空間速度は0.8h
-1であり、メタノールの重量空間速度は0.6h
-1、反応圧力は0.1MPaである。反応生成物をオンラインAgilent7890ガスクロマトグラフィーで分析し、30分間の反応後に分析用にサンプルを採取する。反応結果は、表3に示される。
【表3】
【0104】
実施例11 メタノール、ナフサ及びCO2の結合変換によってパラキシレンを調製するための触媒の調製及び反応評価
操作は、実施例10と同じであり、ナフサとCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製する固定床触媒を得て、これをFXNCC-1と名付ける。
【0105】
次に、窒素雰囲気下で温度を反応温度550℃に調整し、メタノール、ナフサ及びCO
2を共供給し、メタノール、ナフサ原料はマイクロフィードポンプで供給され、CO
2流量は質量流量計で制御され、原料CO
2:ナフサ:メタノール(質量比)=0.8:1:0.6であり、ナフサの重量空間速度は1.0h
-1であり、CO
2の重量空間速度は0.8h
-1であり、メタノールの重量空間速度は0.6h
-1、反応圧力は0.1MPaである。実施例10におけるメタノール、ナフサ及びCO
2の反応生成物におけるベンゼン、トルエンの組成に基づいて原料を調製し、マイクロフィードポンプで供給する(メタノール、ナフサ及びCO
2の反応生成物からベンゼンとトルエンを分離し、マイクロフィードポンプで固定床反応器にポンプで戻すのと同等)。反応生成物をオンラインAgilent7890ガスクロマトグラフィーで分析し、30分間の反応後に分析用にサンプルを採取する。反応結果は、表4に示される。
【表4】
【0106】
実施例12 メタノール、ナフサ及びCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための触媒の調製及び反応評価
ナフサとCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための触媒は、マイクロ固定床反応装置でオンラインで調製される。オンライン触媒調製の条件は、以下のとおりである。実施例3で調製した5グラムのFX-[Ga]HZSM-5触媒を固定床反応器に入れ、まず、50mL/分の窒素で550℃で1時間処理し、その後、窒素雰囲気下で300℃まで冷却する。窒素雰囲気下(質量流量計で制御、100ml/分)、オルトケイ酸テトラエチルを反応器にポンプ注入し、オルトケイ酸テトラエチルの重量空間速度は0.2h-1、常圧である。60分間供給した後、供給を停止し、窒素でパージし、温度を550℃まで上げ、空気雰囲気下で4時間焙焼した後、ナフサとCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための固定床触媒を得て、これをFXNCC-2と名付ける。
【0107】
次に、窒素雰囲気下で温度を反応温度550℃に調整し、メタノール、ナフサ及びCO
2を共供給し、メタノール、ナフサ原料はマイクロフィードポンプで供給され、CO
2流量は質量流量計で制御され、原料CO
2:ナフサ:メタノール(質量比)=0.8:1:0.6であり、ナフサの重量空間速度は1.0h
-1であり、CO
2の重量空間速度は0.8h
-1であり、メタノールの重量空間速度は0.6h
-1、反応圧力は0.1MPaである。反応生成物をオンラインAgilent7890ガスクロマトグラフィーで分析し、30分間の反応後に分析用にサンプルを採取する。反応結果は、表5に示される。
【表5】
【0108】
実施例13 メタノール、ナフサ及びCO2の結合変換によってパラキシレンを調製するための触媒の調製及び反応評価
操作は、実施例12と同じであり、ナフサとCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製する固定床触媒を得て、これをFXNCC-2と名付ける。
【0109】
次に、窒素雰囲気下で温度を反応温度550℃に調整し、メタノール、ナフサ及びCO
2を共供給し、メタノール、ナフサ原料はマイクロフィードポンプで供給され、CO
2流量は質量流量計で制御され、原料CO
2:ナフサ:メタノール(質量比)=0.8:1:0.6であり、ナフサの重量空間速度は1.0h
-1であり、CO
2の重量空間速度は0.8h
-1であり、メタノールの重量空間速度は0.6h
-1、反応圧力は0.1MPaである。実施例12におけるメタノール、ナフサ及びCO
2の反応生成物におけるベンゼン、トルエンの組成に基づいて原料を調製し、マイクロフィードポンプで供給する(メタノール、ナフサ及びCO
2の反応生成物からベンゼンとトルエンを分離し、マイクロフィードポンプで固定床反応器にポンプで戻すのと同等)。反応生成物をオンラインAgilent7890ガスクロマトグラフィーで分析し、30分間の反応後に分析用にサンプルを採取する。反応結果は、表6に示される。
【表6】
【0110】
実施例14 メタノール、ナフサ及びCO2の結合変換によってパラキシレンを調製するための触媒の調製及び反応評価
ナフサとCO2の結合変換によってパラキシレンを調製するための触媒は、マイクロ固定床反応装置でオンラインで調製される。オンライン触媒調製の条件は、以下のとおりである。実施例4で調製した5グラムのFX-[La]HZSM-5触媒を固定床反応器に入れ、まず、50mL/分の窒素で550℃で1時間処理し、その後、窒素雰囲気下で300℃まで冷却する。窒素雰囲気下(質量流量計で制御、100ml/分)、オルトケイ酸テトラエチルを反応器にポンプ注入し、オルトケイ酸テトラエチルの重量空間速度は0.2h-1、常圧である。60分間供給した後、供給を停止し、窒素でパージし、温度を550℃まで上げ、空気雰囲気下で4時間焙焼した後、ナフサとCO2の結合変換によってパラキシレンを調製するための固定床触媒を得て、これをFXNCC-3と名付ける。
【0111】
次に、窒素雰囲気下で温度を反応温度550℃に調整し、メタノール、ナフサ及びCO
2を共供給し、メタノール、ナフサ原料はマイクロフィードポンプで供給され、CO
2流量は質量流量計で制御され、原料CO
2:ナフサ:メタノール(質量比)=0.8:1:0.6であり、ナフサの重量空間速度は1.0h
-1であり、CO
2の重量空間速度は0.8h
-1であり、メタノールの重量空間速度は0.6h
-1、反応圧力は0.1MPaである。反応生成物をオンラインAgilent7890ガスクロマトグラフィーで分析し、30分間の反応後に分析用にサンプルを採取する。反応結果は、表7に示される。
【表7】
【0112】
実施例15 メタノール、ナフサ及びCO2の結合変換によってパラキシレンを調製するための触媒の調製及び反応評価
【0113】
操作は、実施例14と同じであり、ナフサとCO2の結合変換によってパラキシレンを調製する固定床触媒を得て、これをFXNCC-3と名付ける。
【0114】
次に、窒素雰囲気下で温度を反応温度550℃に調整し、メタノール、ナフサ及びCO
2を共供給し、メタノール、ナフサ原料はマイクロフィードポンプで供給され、CO
2流量は質量流量計で制御され、原料CO
2:ナフサ:メタノール(質量比)=0.8:1:0.6であり、ナフサの重量空間速度は1.0h
-1であり、CO
2の重量空間速度は0.8h
-1であり、メタノールの重量空間速度は0.6h
-1、反応圧力は0.1MPaである。実施例14におけるメタノール、ナフサ及びCO
2の反応生成物におけるベンゼン、トルエンの組成に基づいて原料を調製し、マイクロフィードポンプで供給する(メタノール、ナフサ及びCO
2の反応生成物からベンゼンとトルエンを分離し、マイクロフィードポンプで固定床反応器にポンプで戻すのと同等)。反応生成物をオンラインAgilent7890ガスクロマトグラフィーで分析し、30分間の反応後に分析用にサンプルを採取する。反応結果は、表8に示される。
【表8】
【0115】
実施例16 メタノール、ナフサ及びCO2の結合変換によってパラキシレンを調製するための触媒の調製及び反応評価
ナフサとCO2の結合変換によってパラキシレンを調製するための触媒は、マイクロ固定床反応装置でオンラインで調製される。オンライン触媒調製の条件は、以下のとおりである。実施例5で調製した5グラムのFX-[Fe]HZSM-5触媒を固定床反応器に入れ、まず、50mL/分の窒素で550℃で1時間処理し、その後、窒素雰囲気下で300℃まで冷却する。窒素雰囲気下(質量流量計で制御、100ml/分)、オルトケイ酸テトラエチルを反応器にポンプ注入し、オルトケイ酸テトラエチルの重量空間速度は0.2h-1、常圧である。60分間供給した後、供給を停止し、窒素でパージし、温度を550℃まで上げ、空気雰囲気下で4時間焙焼した後、ナフサとCO2の結合変換によってパラキシレンを調製するための固定床触媒を得て、これをFXNCC-4と名付ける。
【0116】
次に、窒素雰囲気下で温度を反応温度550℃に調整し、メタノール、ナフサ及びCO
2を共供給し、メタノール、ナフサ原料はマイクロフィードポンプで供給され、CO
2流量は質量流量計で制御され、原料CO
2:ナフサ:メタノール(質量比)=0.8:1:0.6であり、ナフサの重量空間速度は1.0h
-1であり、CO
2の重量空間速度は0.8h
-1であり、メタノールの重量空間速度は0.6h
-1、反応圧力は0.1MPaである。反応生成物をオンラインAgilent7890ガスクロマトグラフィーで分析し、30分間の反応後に分析用にサンプルを採取する。反応結果は、表9に示される。
【表9】
【0117】
実施例17 メタノール、ナフサ及びCO2の結合変換によってパラキシレンを調製するための触媒の調製及び反応評価
操作は、実施例16と同じであり、ナフサとCO2の結合変換によってパラキシレンを調製する固定床触媒を得て、これをFXNCC-4と名付ける。
【0118】
次に、窒素雰囲気下で温度を反応温度550℃に調整し、メタノール、ナフサ及びCO
2を共供給し、メタノール、ナフサ原料はマイクロフィードポンプで供給され、CO
2流量は質量流量計で制御され、原料CO
2:ナフサ:メタノール(質量比)=0.8:1:0.6であり、ナフサの重量空間速度は1.0h
-1であり、CO
2の重量空間速度は0.8h
-1であり、メタノールの重量空間速度は0.6h
-1、反応圧力は0.1MPaである。実施例16におけるメタノール、ナフサ及びCO
2の反応生成物におけるベンゼン、トルエンの組成に基づいて原料を調製し、マイクロフィードポンプで供給する(メタノール、ナフサ及びCO
2の反応生成物からベンゼンとトルエンを分離し、マイクロフィードポンプで固定床反応器にポンプで戻すのと同等)。反応生成物をオンラインAgilent7890ガスクロマトグラフィーで分析し、30分間の反応後に分析用にサンプルを採取する。反応結果は、表10に示される。
【表10】
【0119】
実施例18 メタノール、ナフサ及びCO2の結合変換によってパラキシレンを調製するための触媒の調製及び反応評価
【0120】
ナフサとCO2の結合変換によってパラキシレンを調製するための触媒は、マイクロ固定床反応装置でオンラインで調製される。オンライン触媒調製の条件は、以下のとおりである。実施例6で調製した5グラムのFX-[Cr]HZSM-5触媒を固定床反応器に入れ、まず、50mL/分の窒素で550℃で1時間処理し、その後、窒素雰囲気下で300℃まで冷却する。窒素雰囲気下(質量流量計で制御、100ml/分)、オルトケイ酸テトラエチルを反応器にポンプ注入し、オルトケイ酸テトラエチルの重量空間速度は0.2h-1、常圧である。60分間供給した後、供給を停止し、窒素でパージし、温度を550℃まで上げ、空気雰囲気下で4時間焙焼した後、ナフサとCO2の結合変換によってパラキシレンを調製するための固定床触媒を得て、これをFXNCC-5と名付ける。
【0121】
次に、窒素雰囲気下で温度を反応温度550℃に調整し、メタノール、ナフサ及びCO
2を共供給し、メタノール、ナフサ原料はマイクロフィードポンプで供給され、CO
2流量は質量流量計で制御され、原料CO
2:ナフサ:メタノール(質量比)=0.8:1:0.6であり、ナフサの重量空間速度は1.0h
-1であり、CO
2の重量空間速度は0.8h
-1であり、メタノールの重量空間速度は0.6h
-1、反応圧力は0.1MPaである。反応生成物をオンラインAgilent7890ガスクロマトグラフィーで分析し、30分間の反応後に分析用にサンプルを採取する。反応結果は、表11に示される。
【表11】
【0122】
実施例19 メタノール、ナフサ及びCO2の結合変換によってパラキシレンを調製するための触媒の調製及び反応評価
操作は、実施例18と同じであり、ナフサとCO2の結合変換によってパラキシレンを調製する固定床触媒を得て、これをFXNCC-5と名付ける。
【0123】
次に、窒素雰囲気下で温度を反応温度550℃に調整し、メタノール、ナフサ及びCO
2を共供給し、メタノール、ナフサ原料はマイクロフィードポンプで供給され、CO
2流量は質量流量計で制御され、原料CO
2:ナフサ:メタノール(質量比)=0.8:1:0.6であり、ナフサの重量空間速度は1.0h
-1であり、CO
2の重量空間速度は0.8h
-1であり、メタノールの重量空間速度は0.6h
-1、反応圧力は0.1MPaである。実施例18におけるメタノール、ナフサ及びCO
2の反応生成物におけるベンゼン、トルエンの組成に基づいて原料を調製し、マイクロフィードポンプで供給する(メタノール、ナフサ及びCO
2の反応生成物からベンゼンとトルエンを分離し、マイクロフィードポンプで固定床反応器にポンプで戻すのと同等)。反応生成物をオンラインAgilent7890ガスクロマトグラフィーで分析し、30分間の反応後に分析用にサンプルを採取する。反応結果は、表12に示される。
【表12】
【0124】
実施例20 メタノール、ナフサ及びCO2の結合変換によってパラキシレンを調製するための触媒の調製及び反応評価
ナフサとCO2の結合変換によってパラキシレンを調製するための触媒は、マイクロ固定流動床反応装置でオンラインで調製される。オンライン触媒調製の条件は、以下のとおりである。実施例7で調製した10グラムのFL-[Zn]HZSM-5触媒を固定流動床反応器に入れ、まず、50mL/分の窒素で550℃で1時間処理し、その後、窒素雰囲気下で300℃まで冷却する。窒素雰囲気下(質量流量計で制御、200ml/分)、オルトケイ酸テトラエチルを反応器にポンプ注入し、オルトケイ酸テトラエチルの重量空間速度は0.2h-1、常圧である。75分間供給した後、供給を停止し、窒素でパージし、温度を550℃まで上げ、空気雰囲気下で4時間焙焼した後、ナフサとCO2の結合変換によってパラキシレンを調製するための固定床触媒を得て、これをFLNCC-1と名付ける。
【0125】
次に、窒素雰囲気下で温度を反応温度550℃に調整し、メタノール、ナフサ及びCO
2を共供給し、メタノール、ナフサ原料はマイクロフィードポンプで供給され、CO
2流量は質量流量計で制御され、原料CO
2:ナフサ:メタノール(質量比)=0.8:1:0.6であり、ナフサの重量空間速度は1.0h
-1であり、CO
2の重量空間速度は0.8h
-1であり、メタノールの重量空間速度は0.6h
-1、反応圧力は0.1MPaである。反応生成物をオンラインAgilent7890ガスクロマトグラフィーで分析し、30分間の反応後に分析用にサンプルを採取する。反応結果は、表13に示される。
【表13】
【0126】
実施例21 メタノール、ナフサ及びCO2の結合変換によってパラキシレンを調製するための触媒の調製及び反応評価
【0127】
操作は、実施例20と同じであり、ナフサとCO2の結合変換によってパラキシレンを調製する固定床触媒を得て、これをFLNCC-1と名付ける。
【0128】
次に、窒素雰囲気下で温度を反応温度550℃に調整し、メタノール、ナフサ及びCO
2を共供給し、メタノール、ナフサ原料はマイクロフィードポンプで供給され、CO
2流量は質量流量計で制御され、原料CO
2:ナフサ:メタノール(質量比)=0.8:1:0.6であり、ナフサの重量空間速度は1.0h
-1であり、CO
2の重量空間速度は0.8h
-1であり、メタノールの重量空間速度は0.6h
-1、反応圧力は0.1MPaである。実施例20におけるメタノール、ナフサ及びCO
2の反応生成物におけるベンゼン、トルエンの組成に基づいて原料を調製し、マイクロフィードポンプで供給する(メタノール、ナフサ及びCO
2の反応生成物からベンゼンとトルエンを分離し、マイクロフィードポンプで固定床反応器にポンプで戻すのと同等)。反応生成物をオンラインAgilent7890ガスクロマトグラフィーで分析し、30分間の反応後に分析用にサンプルを採取する。反応結果は、表14に示される。
【表14】
【0129】
比較例1 ナフサとCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための触媒の調製及び反応評価
ナフサとCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための触媒は、マイクロ固定床反応装置でオンラインで調製される。オンライン触媒調製の条件は、以下のとおりである。実施例2で調製した5グラムのFX-[Zn]HZSM-5触媒を固定床反応器に入れ、まず、50mL/分の窒素で550℃で1時間処理し、その後、窒素雰囲気下で300℃まで冷却する。窒素雰囲気下(質量流量計で制御、100ml/分)、オルトケイ酸テトラエチルを反応器にポンプ注入し、オルトケイ酸テトラエチルの重量空間速度は0.2h-1、常圧である。60分間供給した後、供給を停止し、窒素でパージし、温度を550℃まで上げ、空気雰囲気下で4時間焙焼した後、ナフサとCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための固定床触媒を得て、これをFXNCC-1と名付ける。
【0130】
次に、窒素雰囲気下で温度を反応温度550℃に調整し、ナフサ原料はマイクロフィードポンプで供給され、CO
2流量は質量流量計で制御され、原料CO
2:ナフサ(質量比)=0.8:1であり、ナフサの重量空間速度は1.0h
-1であり、CO
2重量空間速度は0.8h
-1であり、反応圧力は0.1MPaである。反応生成物をオンラインAgilent7890ガスクロマトグラフィーで分析し、30分間の反応後に分析用にサンプルを採取する。反応結果は、表15に示される。
【表15】
【0131】
原料中にメタノールが存在しない場合、炭化水素生成物組成中のパラキシレン含有量が12.31%であるが、実施例10と比較すると、メタノールの添加によってパラキシレン含有量が32.53%に増加することがわかる。従って、メタノールの添加により、パラキシレンの選択率が大幅に向上する。
【0132】
実施例22 メタノール、ナフサ及びCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための触媒の調製及び反応評価
ナフサとCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための触媒は、マイクロ固定床反応装置でオンラインで調製される。オンライン触媒調製の条件は、以下のとおりである。実施例2で調製した5グラムのFX-[Zn]HZSM-5触媒を固定床反応器に入れ、まず、50mL/分の窒素で550℃で1時間処理し、その後、窒素雰囲気下で300℃まで冷却する。窒素雰囲気下(質量流量計で制御、100ml/分)、オルトケイ酸テトラエチルを反応器にポンプ注入し、オルトケイ酸テトラエチルの重量空間速度は0.2h-1、常圧である。60分間供給した後、供給を停止し、窒素でパージし、温度を550℃まで上げ、空気雰囲気下で4時間焙焼した後、ナフサとCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための固定床触媒を得て、これをFXNCC-1と名付ける。
【0133】
次に、窒素雰囲気下で温度を反応温度550℃に調整し、メタノール、ナフサ及びCO
2を共供給し、メタノール、ナフサ原料はマイクロフィードポンプで供給され、CO
2流量は質量流量計で制御され、原料CO
2:ナフサ:メタノール(質量比)=0.8:1:1.2であり、ナフサの重量空間速度は1.0h
-1であり、CO
2の重量空間速度は0.8h
-1であり、メタノールの重量空間速度は1.2h
-1、反応圧力は0.1MPaである。反応生成物をオンラインAgilent7890ガスクロマトグラフィーで分析し、30分間の反応後に分析用にサンプルを採取する。反応結果は、表16に示される。
【表16】
【0134】
実施例10と比較すると、メタノールの添加量が増加すると、炭化水素生成物組成中のパラキシレン含有量が32.53%から44.36%に増加することがわかる。更に、メタノールの添加により、パラキシレンの選択率が大幅に向上することを示す。
【0135】
実施例23 メタノール、ナフサ及びCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための触媒の調製及び反応評価
ナフサとCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための触媒は、マイクロ固定床反応装置でオンラインで調製される。オンライン触媒調製の条件は、以下のとおりである。実施例2で調製した5グラムのFX-[Zn]HZSM-5触媒を固定床反応器に入れ、まず、50mL/分の窒素で550℃で1時間処理し、その後、窒素雰囲気下で400℃まで冷却する。窒素雰囲気下(質量流量計で制御、100ml/分)、オルトケイ酸テトラエチルを反応器にポンプ注入し、オルトケイ酸テトラエチルの重量空間速度は0.2h-1、常圧である。60分間供給した後、供給を停止し、窒素でパージし、温度を550℃まで上げ、空気雰囲気下で4時間焙焼した後、ナフサとCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための固定床触媒を得て、これをFXNCC-6と名付ける。
【0136】
次に、窒素雰囲気下で温度を反応温度550℃に調整し、メタノール、ナフサ及びCO
2を共供給し、メタノール、ナフサ原料はマイクロフィードポンプで供給され、CO
2流量は質量流量計で制御され、原料CO
2:ナフサ:メタノール(質量比)=0.8:1:0.6であり、ナフサの重量空間速度は1.0h
-1であり、CO
2の重量空間速度は0.8h
-1であり、メタノールの重量空間速度は0.6h
-1、反応圧力は0.1MPaである。反応生成物をオンラインAgilent7890ガスクロマトグラフィーで分析し、30分間の反応後に分析用にサンプルを採取する。反応結果は、表17に示される。
【表17】
【0137】
実施例24 メタノール、ナフサ及びCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための触媒の調製及び反応評価
ナフサとCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための触媒は、マイクロ固定床反応装置でオンラインで調製される。オンライン触媒調製の条件は、以下のとおりである。実施例2で調製した5グラムのFX-[Zn]HZSM-5触媒を固定床反応器に入れ、まず、50mL/分の窒素で550℃で1時間処理し、その後、窒素雰囲気下で300℃まで冷却する。窒素雰囲気下(質量流量計で制御、100ml/分)、オルトケイ酸テトラエチルを反応器にポンプ注入し、オルトケイ酸テトラエチルの重量空間速度は0.4h-1、常圧である。60分間供給した後、供給を停止し、窒素でパージし、温度を550℃まで上げ、空気雰囲気下で4時間焙焼した後、ナフサとCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための固定床触媒を得て、これをFXNCC-7と名付ける。
【0138】
次に、窒素雰囲気下で温度を反応温度550℃に調整し、メタノール、ナフサ及びCO
2を共供給し、メタノール、ナフサ原料はマイクロフィードポンプで供給され、CO
2流量は質量流量計で制御され、原料CO
2:ナフサ:メタノール(質量比)=0.8:1:0.6であり、ナフサの重量空間速度は1.0h
-1であり、CO
2の重量空間速度は0.8h
-1であり、メタノールの重量空間速度は0.6h
-1、反応圧力は0.1MPaである。反応生成物をオンラインAgilent7890ガスクロマトグラフィーで分析し、30分間の反応後に分析用にサンプルを採取する。反応結果は、表18に示される。
【表18】
【0139】
実施例25 メタノール、ナフサ及びCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための触媒の調製及び反応評価
ナフサとCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための触媒は、マイクロ固定床反応装置でオンラインで調製される。オンライン触媒調製の条件は、以下のとおりである。実施例2で調製した5グラムのFX-[Zn]HZSM-5触媒を固定床反応器に入れ、まず、50mL/分の窒素で550℃で1時間処理し、その後、窒素雰囲気下で300℃まで冷却する。窒素雰囲気下(質量流量計で制御、100ml/分)、オルトケイ酸テトラエチルを反応器にポンプ注入し、オルトケイ酸テトラエチルの重量空間速度は0.05h-1、常圧である。240分間供給した後、供給を停止し、窒素でパージし、温度を550℃まで上げ、空気雰囲気下で4時間焙焼した後、ナフサとCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための固定床触媒を得て、これをFXNCC-8と名付ける。
【0140】
次に、窒素雰囲気下で温度を反応温度550℃に調整し、メタノール、ナフサ及びCO
2を共供給し、メタノール、ナフサ原料はマイクロフィードポンプで供給され、CO
2流量は質量流量計で制御され、原料CO
2:ナフサ:メタノール(質量比)=0.8:1:0.6であり、ナフサの重量空間速度は1.0h
-1であり、CO
2の重量空間速度は0.8h
-1であり、メタノールの重量空間速度は0.6h
-1、反応圧力は0.1MPaである。反応生成物をオンラインAgilent7890ガスクロマトグラフィーで分析し、30分間の反応後に分析用にサンプルを採取する。反応結果は、表19に示される。
【表19】
【0141】
実施例26 メタノール、ナフサ及びCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための触媒の調製及び反応評価
ナフサとCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための触媒は、マイクロ固定床反応装置でオンラインで調製される。オンライン触媒調製の条件は、以下のとおりである。実施例2で調製した5グラムのFX-[Zn]HZSM-5触媒を固定床反応器に入れ、まず、50mL/分の窒素で550℃で1時間処理し、その後、窒素雰囲気下で300℃まで冷却する。窒素雰囲気下(質量流量計で制御、100ml/分)、オルトケイ酸テトラエチルを反応器にポンプ注入し、オルトケイ酸テトラエチルの重量空間速度は0.2h-1、常圧である。60分間供給した後、供給を停止し、窒素でパージし、温度を550℃まで上げ、空気雰囲気下で4時間焙焼した後、ナフサとCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための固定床触媒を得て、これをFXNCC-1と名付ける。
【0142】
次に、窒素雰囲気下で温度を反応温度550℃に調整し、メタノール、ナフサ及びCO
2を共供給し、メタノール、ナフサ原料はマイクロフィードポンプで供給され、CO
2流量は質量流量計で制御され、原料CO
2:ナフサ:メタノール(質量比)=0.8:1:0.6であり、ナフサの重量空間速度は1.0h
-1であり、CO
2の重量空間速度は0.8h
-1であり、メタノールの重量空間速度は0.6h
-1、反応圧力は3MPaである。反応生成物をオンラインAgilent7890ガスクロマトグラフィーで分析し、30分間の反応後に分析用にサンプルを採取する。反応結果は、表20に示される。
【表20】
【0143】
実施例27 メタノール、ナフサ及びCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための触媒の調製及び反応評価
【0144】
ナフサとCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための触媒は、マイクロ固定床反応装置でオンラインで調製される。オンライン触媒調製の条件は、以下のとおりである。実施例2で調製した5グラムのFX-[Zn]HZSM-5触媒を固定床反応器に入れ、まず、50mL/分の窒素で550℃で1時間処理し、その後、窒素雰囲気下で300℃まで冷却する。窒素雰囲気下(質量流量計で制御、100ml/分)、オルトケイ酸テトラエチルを反応器にポンプ注入し、オルトケイ酸テトラエチルの重量空間速度は0.2h-1、常圧である。60分間供給した後、供給を停止し、窒素でパージし、温度を550℃まで上げ、空気雰囲気下で4時間焙焼した後、ナフサとCO2の結合変換によってベンゼン、トルエン及びパラキシレンを調製するための固定床触媒を得て、これをFXNCC-1と名付ける。
【0145】
次に、窒素雰囲気下で温度を反応温度550℃に調整し、メタノール、ナフサ及びCO
2を共供給し、メタノール、ナフサ原料はマイクロフィードポンプで供給され、CO
2流量は質量流量計で制御され、原料CO
2:ナフサ:メタノール(質量比)=1.5:1:1.5であり、ナフサの重量空間速度は1.0h
-1であり、CO
2の重量空間速度は1.5h
-1であり、メタノールの重量空間速度は1.5h
-1、反応圧力は0.1MPaである。反応生成物をオンラインAgilent7890ガスクロマトグラフィーで分析し、30分間の反応後に分析用にサンプルを採取する。反応結果は、表21に示される。
【表21】
【0146】
以上の内容は、本出願のいくつかの実施例に過ぎず、本出願にいかなる正式な制限も課すものではなく、本出願は、好ましい実施形態において上記を開示したが、本出願を限定することを意図するものではなく、当業者は、本出願の技術的解決手段の範囲から逸脱することなく、上記に開示された技術的内容を使用して、同等の実施形態に同等の変更を伴うわずかな変更又は修正を行うことができ、それらは技術的解決手段の範囲内に属する。
【国際調査報告】