(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】電気光学変調器および電気光学デバイス
(51)【国際特許分類】
G02F 1/035 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
G02F1/035
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516728
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2024-03-14
(86)【国際出願番号】 CN2022104535
(87)【国際公開番号】W WO2023040434
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】202111082353.7
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210031154.1
(32)【優先日】2022-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523399256
【氏名又は名称】ナンジン、リコア、テクノロジーズ、カンパニー、リミテッド
【住所又は居所原語表記】NANJING LYCORE TECHNOLOGIES CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100217940
【氏名又は名称】三並 大悟
(72)【発明者】
【氏名】リャン、ハンシアオ
(72)【発明者】
【氏名】ソン、イーピン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、インツォン
(72)【発明者】
【氏名】ウー、ハイツァン
(72)【発明者】
【氏名】マオ、ウェンハオ
(72)【発明者】
【氏名】ソン、シーウェイ
(72)【発明者】
【氏名】スン、ウェイチー
(72)【発明者】
【氏名】ユイ、チンヤン
【テーマコード(参考)】
2K102
【Fターム(参考)】
2K102AA21
2K102BA02
2K102BB01
2K102BB04
2K102BC04
2K102BD01
2K102CA05
2K102DA05
2K102DB04
2K102DC08
2K102DD05
2K102EA02
2K102EA12
2K102EA17
(57)【要約】
電気光学変調器および電気光学デバイスが提供される。電気光学変調器は、基板と、基板上に位置する分離層と、第1の光導波路および第2の光導波路を形成するために使用される薄膜層であって、第1の光導波路および第2の光導波路の配置により、薄膜層が第1のエッジ領域、第1の光導波路、中間領域、第2の光導波路、および第2のエッジ領域を備えることになる、薄膜層と、間隔をおいて順に配置された第1の接地電極、信号電極、および第2の接地電極を備える電極とを備える。第1の接地電極は少なくとも第1の主電極を備え、第2の接地電極は少なくとも第2の主電極を備え、信号電極は少なくとも第3の主電極を備える。第1の光導波路は、第1の主電極と第3の主電極との間の第1の間隙に配置され、第2の光導波路は、第2の主電極と第3の主電極との間の第2の間隙に配置され、第1の主電極および第2の主電極は、第1の高さを有する水平面上に配置され、第3の主電極は、第2の高さを有する水平面上に配置され、第1の高さは第2の高さと異なる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に位置する分離層と、
第1の光導波路および第2の光導波路を形成するように構成された薄膜層であって、前記第1の光導波路および前記第2の光導波路の配置により、前記薄膜層が第1のエッジ領域、前記第1の光導波路、中間領域、前記第2の光導波路、および第2のエッジ領域を備える薄膜層と、
電極であって、前記電極が、間隔をおいて順に配置された第1の接地電極、信号電極、および第2の接地電極を備え、前記第1の接地電極が少なくとも第1の主電極を備え、前記第2の接地電極が少なくとも第2の主電極を備え、前記信号電極が少なくとも第3の主電極を備え、前記第1の光導波路が前記第1の主電極と前記第3の主電極との間の第1の間隙に配置され、前記第2の光導波路が前記第2の主電極と前記第3の主電極との間の第2の間隙に配置され、前記第1の主電極および前記第2の主電極が、第1の高さを有する水平面上に配置され、前記第3の主電極が、第2の高さを有する水平面上に配置され、前記第1の高さが前記第2の高さと異なる、電極と、
を備える、電気光学変調器。
【請求項2】
前記電極が、前記薄膜層の前記基板から離れて形成される、請求項1に記載の電気光学変調器。
【請求項3】
前記第1の主電極および前記第2の主電極が、前記薄膜層に埋め込まれ、前記薄膜層を貫通して前記分離層と直接接触しているか、または
前記第1の主電極および前記第2の主電極が、前記薄膜層に埋め込まれ、前記薄膜層を貫通していない、請求項1に記載の電気光学変調器。
【請求項4】
前記第3の主電極が、前記薄膜層に埋め込まれ、前記薄膜層を貫通して前記分離層と直接接触しているか、または
前記第3の主電極が、前記薄膜層に埋め込まれ、前記薄膜層を貫通していない、請求項1に記載の電気光学変調器。
【請求項5】
被覆層をさらに備え、前記被覆層が前記薄膜層の上面を少なくとも部分的に被覆し、前記被覆層の屈折率が前記薄膜層の屈折率よりも低い、請求項1に記載の電気光学変調器。
【請求項6】
前記被覆層が前記中間領域の上面を被覆し、
前記第1の主電極および前記第2の主電極が前記薄膜層上に位置し、前記第3の主電極が前記被覆層上に位置する、請求項5に記載の電気光学変調器。
【請求項7】
前記第3の主電極が、前記被覆層に埋め込まれ、前記被覆層を貫通して前記薄膜層と直接接触しているか、または
前記第3の主電極が、前記被覆層に埋め込まれ、前記被覆層を貫通していない、請求項5に記載の電気光学変調器。
【請求項8】
前記被覆層が前記第1のエッジ領域および前記第2のエッジ領域の上面を被覆し、
前記第1の主電極および前記第2の主電極が前記被覆層上に位置し、前記第3の主電極が前記薄膜層上に位置する、請求項5に記載の電気光学変調器。
【請求項9】
前記第1の主電極および前記第2の主電極が、前記被覆層に埋め込まれ、前記被覆層を貫通して前記薄膜層と直接接触しているか、または
前記第1の主電極および前記第2の主電極が、前記被覆層に埋め込まれ、前記被覆層を貫通していない、請求項5に記載の電気光学変調器。
【請求項10】
前記被覆層が前記薄膜層の前記上面を被覆し、
前記第1の主電極、前記第2の主電極、および前記第3の主電極が前記被覆層上に位置し、前記被覆層のうち前記第1の主電極および前記第2の主電極が設けられている部分が、前記第3の主電極が設けられている部分と異なる厚さを有する、請求項5に記載の電気光学変調器。
【請求項11】
前記被覆層が、前記第1の光導波路および前記第2の光導波路の誘電率よりも低い誘電率を有する、請求項5に記載の電気光学変調器。
【請求項12】
前記被覆層が絶縁層である、請求項5に記載の電気光学変調器。
【請求項13】
前記第1の接地電極および前記第2の接地電極のそれぞれが、少なくとも1つの電極延出部をさらに備え、前記第1の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部が、前記第1の主電極の前記第3の主電極に面する側から前記第1の間隙内に延出しており、前記第2の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部が、前記第2の主電極の前記第3の主電極に面する側から前記第2の間隙内に延出している、請求項1に記載の電気光学変調器。
【請求項14】
前記電気光学変調器が被覆層をさらに備え、前記被覆層が少なくとも前記第1の光導波路および前記第2の光導波路を被覆し、前記被覆層の屈折率が前記薄膜層の屈折率よりも低く、
前記第1の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部が、前記第1の主電極の前記第3の主電極に面する側から前記第1の光導波路上の前記被覆層の上に延出しており、
前記第2の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部が、前記第2の主電極の前記第3の主電極に面する側から前記第2の光導波路上の前記被覆層の上に延出している、請求項13に記載の電気光学変調器。
【請求項15】
前記信号電極が、前記第3の主電極の前記第1の主電極に面する側および前記第3の主電極の前記第2の主電極に面する側からそれぞれ前記第1の間隙内および前記第2の間隙内に延出している少なくとも1つの電極延出部をさらに備える、請求項1に記載の電気光学変調器。
【請求項16】
前記電気光学変調器が被覆層をさらに備え、前記被覆層が少なくとも前記第1の光導波路および前記第2の光導波路を被覆し、前記被覆層の屈折率が前記薄膜層の屈折率よりも低く、
前記信号電極の前記少なくとも1つの電極延出部が、前記第3の主電極の前記第1の主電極に面する第1の側および前記第3の主電極の前記第2の主電極に面する第2の面からそれぞれ前記第1の光導波路上の前記被覆層および前記第2の光導波路上の前記被覆層の上に延出している、請求項15に記載の電気光学変調器。
【請求項17】
前記第1の接地電極および前記第2の接地電極のそれぞれが、少なくとも1つの電極延出部をさらに備え、前記第1の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部が、前記第1の主電極の前記第3の主電極に面する側から前記第1の間隙内に延出しており、前記第2の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部が、前記第2の主電極の前記第3の主電極に面する側から前記第2の間隙内に延出しており、
前記信号電極が、前記第3の主電極の前記第1の主電極に面する側および前記第3の主電極の前記第2の主電極に面する側からそれぞれ前記第1の間隙内および前記第2の間隙内に延出している少なくとも1つの電極延出部をさらに備え、
前記第1の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部の前記第3の主電極に近い端子、前記第2の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部の前記第3の主電極に近い端子、および前記信号電極の前記少なくとも1つの電極延出部の前記第3の主電極から遠い端子が、同じ高さを有する水平面上に配置される、請求項1に記載の電気光学変調器。
【請求項18】
前記電気光学変調器が、前記薄膜層の前記基板から離れて形成された被覆層をさらに備え、前記被覆層が、間隔をおいて順に配置された第1の部分、第2の部分、第3の部分、および第4の部分を備え、
前記第2の部分が前記第1の光導波路を被覆し、前記第3の部分が前記第2の光導波路を被覆し、
前記第1の主電極が前記第1の部分上に位置し、前記第2の主電極が前記第4の部分上に位置し、前記第3の主電極が前記薄膜層上に位置し、
前記第1の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部の前記第3の主電極に近い前記端子が、前記第2の部分上に位置し、前記第2の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部の前記第3の主電極に近い前記端子が、前記第3の部分上に位置し、前記信号電極の前記少なくとも1つの電極延出部の前記第3の主電極から遠い前記端子の一部分が、前記第2の部分上に位置し、その他の部分が、前記第3の部分上に位置する、請求項17に記載の電気光学変調器。
【請求項19】
前記電気光学変調器が、前記薄膜層の前記基板から離れて形成された被覆層をさらに備え、前記被覆層が、間隔をおいて順に配置された第1の部分、第2の部分、および第3の部分を備え、
前記第1の部分が前記第1の光導波路を被覆し、前記第3の部分が前記第2の光導波路を被覆し、
前記第1の主電極が前記薄膜層に位置し、前記第2の主電極が前記薄膜層上に位置し、前記第3の主電極が前記第2の部分上に位置し、
前記第1の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部の前記第3の主電極に近い前記端子が、前記第1の部分上に位置し、前記第2の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部の前記第3の主電極に近い前記端子が、前記第3の部分上に位置し、前記信号電極の前記少なくとも1つの電極延出部の前記第3の主電極から遠い前記端子の一部分が、前記第1の部分上に位置し、その他の部分が、前記第3の部分上に位置する、請求項17に記載の電気光学変調器。
【請求項20】
前記電気光学変調器が、前記薄膜層の前記基板から離れて形成された被覆層をさらに備え、前記被覆層が、間隔をおいて順に配置された第1の部分、第2の部分、および第3の部分を備え、
前記第1の部分が前記第1の光導波路を被覆し、前記第3の部分が前記第2の光導波路を被覆し、
前記第1の主電極が前記薄膜層に位置し、前記第2の主電極が前記薄膜層上に位置し、前記第3の主電極が前記第2の部分上に位置し、
前記第1の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部の前記第3の主電極に近い前記端子、前記第2の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部の前記第3の主電極に近い前記端子、および前記信号電極の前記少なくとも1つの電極延出部の前記第3の主電極から遠い前記端子が、すべて前記薄膜層上に位置する、請求項17に記載の電気光学変調器。
【請求項21】
前記薄膜層が、ニオブ酸リチウムのエッチングされたXカット、Yカット、またはZカット薄膜である、請求項1から20のいずれか一項に記載の電気光学変調器。
【請求項22】
前記薄膜層および前記電極を被覆するように構成された保護層をさらに備える、請求項1から20のいずれか一項に記載の電気光学変調器。
【請求項23】
請求項1から22のいずれか一項に記載の電気光学変調器を備える電気光学デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年9月15日に出願された「ELECTRO-OPTIC MODULATOR AND ELECTRO-OPTIC DEVICE」と題する中国特許出願第202111082353.7号、および2022年1月12日に出願された「ELECTRO-OPTIC MODULATOR AND ELECTRO-OPTIC DEVICE」と題する中国特許出願第202210031154.1号に対する優先権を主張し、当該出願は、本開示の一部として、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、電気光学技術に関し、より詳細には、電気光学変調器および電気光学デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
電気光学変調器は、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)結晶、ガリウム砒素(GaAs)結晶、またはタンタル酸リチウム(LiTaO3)結晶などのいくつかの電気光学結晶の電気光学効果を使用して作製された変調器である。電気光学結晶に電圧が印加されると、電気光学結晶の屈折率が変化し、それによって光信号の位相、振幅、強度、偏光状態、および他の特性の変調を実装する。電気光学変調器の中で一般的な変調器は、マッハ・ツェンダ変調器である。この干渉計タイプの変調器は、主に変調器内の2つのアーム間の位相差を使用して、コヒーレンス強化およびコヒーレンス・キャンセレーションの信号変調を完了する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電気光学変調関連技術は、光通信、マイクロ波フォトニクス、レーザ光偏向、波面変調などの分野で広く開発および応用されている。共平面導波路伝送線(coplanar waveguide transmission line)は、光伝送および電気伝送の相互整合ならびに変調を実装するための重要な構成要素である。共平面導波路伝送線の設計では、伝送損失を最小限に抑えることが望まれるだけでなく、光伝送速度が電気伝送速度と整合することも求められる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様によれば、本開示の実施形態は、基板と、基板上に位置する分離層と、第1の光導波路および第2の光導波路を形成するように構成された薄膜層であって、第1の光導波路および第2の光導波路の配置により、薄膜層が第1のエッジ領域、第1の光導波路、中間領域、第2の光導波路、および第2のエッジ領域を備えることになる、薄膜層と、電極であって、電極が、間隔をおいて順に配置された第1の接地電極、信号電極、および第2の接地電極を備え、第1の接地電極が少なくとも第1の主電極を備え、第2の接地電極が少なくとも第2の主電極を備え、信号電極が少なくとも第3の主電極を備え、第1の光導波路が第1の主電極と第3の主電極との間の第1の間隙に配置され、第2の光導波路が第2の主電極と第3の主電極との間の第2の間隙に配置され、第1の主電極および第2の主電極が、第1の高さを有する水平面上に配置され、第3の主電極が、第2の高さを有する水平面上に配置され、第1の高さが第2の高さと異なる、電極とを備える、電気光学変調器を提供する。
【0005】
いくつかの実施形態では、電極は、薄膜層の基板から離れて形成される。
【0006】
いくつかの実施形態では、第1の主電極および第2の主電極は、薄膜層に埋め込まれ、薄膜層を貫通して分離層と直接接触しており、代替として、第1の主電極および第2の主電極は、薄膜層に埋め込まれ、薄膜層を貫通していない。
【0007】
いくつかの実施形態では、第3の主電極は、薄膜層に埋め込まれ、薄膜層を貫通して分離層と直接接触しており、代替として、第3の主電極は、薄膜層に埋め込まれ、薄膜層を貫通していない。
【0008】
いくつかの実施形態では、電気光学変調器は、被覆層をさらに備え、被覆層が薄膜層の上面を少なくとも部分的に被覆し、被覆層の屈折率が薄膜層の屈折率よりも低い。
【0009】
いくつかの実施形態では、被覆層は中間領域の上面を被覆し、第1の主電極および第2の主電極は薄膜層上に位置し、第3の主電極は被覆層上に位置する。
【0010】
いくつかの実施形態では、第3の主電極は、被覆層に埋め込まれ、被覆層を貫通して薄膜層と直接接触しており、代替として、第3の主電極は、被覆層に埋め込まれ、被覆層を貫通していない。
【0011】
いくつかの実施形態では、被覆層は第1のエッジ領域および第2のエッジ領域の上面を被覆し、第1の主電極および第2の主電極は被覆層上に位置し、第3の主電極は薄膜層上に位置する。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1の主電極および第2の主電極は、被覆層に埋め込まれ、被覆層を貫通して薄膜層と直接接触しており、代替として、第1の主電極および第2の主電極は、被覆層に埋め込まれ、被覆層を貫通していない。
【0013】
いくつかの実施形態では、被覆層は薄膜層の上面を被覆し、第1の主電極、第2の主電極、および第3の主電極は被覆層上に位置し、被覆層のうち第1の主電極および第2の主電極が設けられている部分は、第3の主電極が設けられている部分と異なる厚さを有する。
【0014】
いくつかの実施形態では、被覆層は、第1の光導波路および第2の光導波路の誘電率よりも低い誘電率を有する。
【0015】
いくつかの実施形態では、被覆層は絶縁層である。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1の接地電極および第2の接地電極のそれぞれは、少なくとも1つの電極延出部(electrode extension portion)をさらに備え、第1の接地電極の少なくとも1つの電極延出部は、第1の主電極の第3の主電極に面する側から第1の間隙内に延出しており、第2の接地電極の少なくとも1つの電極延出部は、第2の主電極の第3の主電極に面する側から第2の間隙内に延出している。
【0017】
いくつかの実施形態では、電気光学変調器は被覆層をさらに備え、被覆層は少なくとも第1の光導波路および第2の光導波路を被覆し、被覆層の屈折率は薄膜層の屈折率よりも低く、第1の接地電極の少なくとも1つの電極延出部は、第1の主電極の第3の主電極に面する側から第1の光導波路上の被覆層の上に延出しており、第2の接地電極の少なくとも1つの電極延出部は、第2の主電極の第3の主電極に面する側から第2の光導波路上の被覆層の上に延出している。
【0018】
いくつかの実施形態では、信号電極は、第3の主電極の第1の主電極に面する側および第3の主電極の第2の主電極に面する側からそれぞれ第1の間隙内および第2の間隙内に延出している少なくとも1つの電極延出部をさらに備える。
【0019】
いくつかの実施形態では、電気光学変調器は被覆層をさらに備え、被覆層は少なくとも第1の光導波路および第2の光導波路を被覆し、被覆層の屈折率は薄膜層の屈折率よりも低く、信号電極の少なくとも1つの電極延出部は、第3の主電極の第1の主電極に面する第1の側および第3の主電極の第2の主電極に面する第2の面からそれぞれ第1の光導波路上の被覆層および第2の光導波路上の被覆層の上に延出している。
【0020】
いくつかの実施形態では、第1の接地電極および第2の接地電極のそれぞれは、少なくとも1つの電極延出部をさらに備え、第1の接地電極の少なくとも1つの電極延出部は、第1の主電極の第3の主電極に面する側から第1の間隙内に延出しており、第2の接地電極の少なくとも1つの電極延出部は、第2の主電極の第3の主電極に面する側から第2の間隙内に延出しており、信号電極は、第3の主電極の第1の主電極に面する側および第3の主電極の第2の主電極に面する側からそれぞれ第1の間隙内および第2の間隙内に延出している少なくとも1つの電極延出部をさらに備え、第1の接地電極の少なくとも1つの電極延出部の第3の主電極に近い端子、第2の接地電極の少なくとも1つの電極延出部の第3の主電極に近い端子、および信号電極の少なくとも1つの電極延出部の第3の主電極から遠い端子は、同じ高さを有する水平面上に配置される。
【0021】
いくつかの実施形態では、電気光学変調器は、薄膜層の基板から離れて形成された被覆層をさらに備え、被覆層は、間隔をおいて順に配置された第1の部分、第2の部分、第3の部分、および第4の部分を備え、第2の部分は第1の光導波路を被覆し、第3の部分は第2の光導波路を被覆し、第1の主電極は第1の部分上に位置し、第2の主電極は第4の部分上に位置し、第3の主電極は薄膜層上に位置し、第1の接地電極の少なくとも1つの電極延出部の第3の主電極に近い端子は、第2の部分上に位置し、第2の接地電極の少なくとも1つの電極延出部の第3の主電極に近い端子は、第3の部分上に位置し、信号電極の少なくとも1つの電極延出部の第3の主電極から遠い端子の一部分は、第2の部分上に位置し、その他の部分は、第3の部分上に位置する。
【0022】
いくつかの実施形態では、電気光学変調器は、薄膜層の基板から離れて形成された被覆層をさらに備え、被覆層は、間隔をおいて順に配置された第1の部分、第2の部分、および第3の部分を備え、第1の部分は第1の光導波路を被覆し、第3の部分は第2の光導波路を被覆し、第1の主電極は薄膜層に位置し、第2の主電極は薄膜層上に位置し、第3の主電極は第2の部分上に位置し、第1の接地電極の少なくとも1つの電極延出部の第3の主電極に近い端子は、第1の部分上に位置し、第2の接地電極の少なくとも1つの電極延出部の第3の主電極に近い端子は、第3の部分上に位置し、信号電極の少なくとも1つの電極延出部の第3の主電極から遠い端子の一部分は、第1の部分上に位置し、その他の部分は、第3の部分上に位置する。
【0023】
いくつかの実施形態では、電気光学変調器は、薄膜層の基板から離れて形成された被覆層をさらに備え、被覆層は、間隔をおいて順に配置された第1の部分、第2の部分、および第3の部分を備え、第1の部分は第1の光導波路を被覆し、第3の部分は第2の光導波路を被覆し、第1の主電極は薄膜層に位置し、第2の主電極は薄膜層上に位置し、第3の主電極は第2の部分上に位置し、第1の接地電極の少なくとも1つの電極延出部の第3の主電極に近い端子、第2の接地電極の少なくとも1つの電極延出部の第3の主電極に近い端子、信号電極の少なくとも1つの電極延出部の第3の主電極から遠い端子は、すべて薄膜層上に位置する。
【0024】
いくつかの実施形態では、薄膜層は、ニオブ酸リチウムのエッチングされたXカット、Yカット、またはZカット薄膜である。
【0025】
いくつかの実施形態では、電気光学変調器は、薄膜層および電極を被覆するように構成された保護層をさらに備える。
【0026】
別の態様では、本開示の一実施形態は、上述の実施形態のいずれか1つの電気光学変調器を備える電気光学デバイスを提供する。
【0027】
本セクションで説明される内容は、本開示の実施形態の不可欠または重要な特徴を特定することを意図したものではなく、本開示の範囲を限定するように構成されていないことを理解されたい。本開示の他の特徴は、以下の説明により容易に理解されるであろう。
【0028】
本開示のさらなる詳細、特徴、および利点は、添付の図面を参照しながら例示的な実施形態の以下の説明において開示される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】例示的な実施形態による電気光学変調器の概略斜視図である。
【
図2】例示的な実施形態による電気光学変調器の概略斜視図である。
【
図3】例示的な実施形態による電気光学変調器の概略斜視図である。
【
図4】例示的な実施形態による電気光学変調器の概略斜視図である。
【
図5】例示的な実施形態による電気光学変調器の概略斜視図である。
【
図6】例示的な実施形態による電気光学変調器の概略斜視図である。
【
図7】例示的な実施形態による電気光学変調器の概略斜視図である。
【
図8】例示的な実施形態による電気光学変調器の概略斜視図である。
【
図9A】例示的な実施形態による電気光学変調器の概略斜視図である。
【
図10】例示的な実施形態による電気光学変調器の概略断面図である。
【
図11】例示的な実施形態による電気光学変調器の概略断面図である。
【
図12】例示的な実施形態による電気光学デバイスの概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示では、特に記載がない限り、様々な要素を説明するために使用される「第1の」、「第2の」などの用語は、これらの要素の位置的、時間的、または重要性の関係を限定することを意図するものではなく、単に、ある要素を別の要素と区別することを意図するものである。いくつかの例では、第1の要素および第2の要素は、要素の同じインスタンスを指すことがあり、いくつかの事例では、文脈上の説明に基づいて、第1の要素および第2の要素は、異なるインスタンスを指すこともある。
【0031】
本開示における様々な例の説明に使用される用語は、単に特定の例を説明することを目的としたものであり、限定することを意図したものではない。要素の数が特に定義されていない場合、文脈で明示的に示されていない限り、1つまたは複数の要素が存在する可能性がある。さらに、本開示で使用される「および/または」という用語は、列挙された項目の任意の組合せおよびすべての可能な組合せを包含する。
【0032】
光伝送速度と電気伝送速度とを整合させるために、従来の電気光学変調器における共平面導波路伝送線の伝送損失は特に大きい。したがって、伝送損失が大きいという問題を解決するために、電極延出部を有する共平面導波路伝送線がさらに設けられている。しかしながら、適用例における通信技術の高速化、大容量化、および集積化に対する需要がますます高まっており、光伝送速度と電気伝送速度との整合を確保しつつ、伝送損失を最小限に抑えることが望まれている。
【0033】
関連技術では、伝送損失が大きいという問題を解決するために、電極延出部を有する共平面導波路伝送線が使用されることがある。しかしながら、光伝送速度および電気伝送速度は通常、電気光学材料の特性に依存する。特に、電極延出部を使用した共平面導波路伝送線では、電極延出部は、電極構造をより複雑にするように構成されており、そのため、光伝送速度と電気伝送速度とを整合させることがより困難になっている。
【0034】
本開示の実施形態は、上記の欠点を緩和、軽減、さらには克服することが可能な改良された電気光学変調器を提供する。
【0035】
図1は、例示的な実施形態による電気光学変調器100の概略斜視図である。
図1を参照すると、電気光学変調器100は、基板110と、基板110上に位置する分離層120と、薄膜層130と、電極140とを備えてもよい。薄膜層130は、第1の光導波路131および第2の光導波路132を形成するように構成される。第1の光導波路131および第2の光導波路132の配置により、薄膜層130は、第1のエッジ領域133、第1の光導波路131、中間領域134、第2の光導波路132、および第2のエッジ領域135を備えることになる。電極140は、間隔をおいて順に配置された第1の接地電極141、信号電極143、および第2の接地電極142を備えてもよい。第1の接地電極141は少なくとも第1の主電極1410を備え、第2の接地電極142は少なくとも第2の主電極1420を備え、信号電極143は少なくとも第3の主電極1430を備え、第1の光導波路131は、第1の主電極1410と第3の主電極1430との間の第1の間隙140aに配置され、第2の光導波路132は、第2の主電極1420と第3の主電極1430との間の第2の間隙140bに配置され、第1の主電極1410および第2の主電極1420は、第1の高さh1を有する水平面上に配置され、第3の主電極1430は、第2の高さh2を有する水平面上に配置され、第1の高さh1は、第2の高さh2とは異なる。
【0036】
上記の配置により、第1の光導波路131および第2の光導波路132は、光信号用の光伝送経路を提供することができる。電極140は、電気信号用の電気伝送経路を提供してもよい。したがって、電極140の全体的な延在方向は、光伝送経路の延在方向と同じである。第1の主電極1410と第3の主電極1430との間には第1の間隙140aがあり、第1の光導波路131は第1の間隙140a内に配置され、第2の主電極1420と第3の主電極1430との間には第2の間隙140bがあり、第2の光導波路132は第2の間隙140b内に配置される。このような構造により、第1の主電極1410および第3の主電極1430、ならびに第2の主電極1420および第3の主電極1430が、対応する光導波路の両側にそれぞれ配置され、対応する光導波路に作用する電界をそれぞれ形成し、それによって光信号に対する電気信号の調節および制御を実装する。
【0037】
電気信号の伝送速度は、主に材料の誘電率および構造の影響を受け、光信号の伝送速度は、主に材料の屈折率および構造の影響を受ける。従来の電気光学変調器では、薄膜層に使用される電気光学材料は、より低い屈折率およびより高い誘電率を有し、その結果、光信号の伝送速度は速くなり、電気信号の伝送速度は遅くなり、したがって、2つの伝送速度を整合させることが困難になる。
【0038】
本開示の一実施形態によれば、電極と薄膜層との間の構造的関係を適切に変更することにより、電気信号の伝送速度に対する電気光学材料の制限が調節および制御され得、すなわち、電気信号の伝送速度が調節および制御され得、したがって、光信号と電気信号との間の良好な整合を実装することがより容易になる。本開示の一実施形態では、第1の主電極1410および第2の主電極1420を同じ高さを有する水平面上に配置し、第3の主電極1430を異なる高さを有する水平面上に配置することにより、信号電極および接地電極に対する個別の調節および制御が実装され得、電気信号の伝送速度の調節および制御が、より柔軟かつ正確になる。
【0039】
本開示の一実施形態では、説明されるA構造は、B構造上に位置する。A構造はB構造の基板110から離れて形成されることが理解され得る。B構造は特定の厚さおよび特定のパターンまたは形状を有するため、A構造が形成された後、A構造の一部は、B構造の一部と比較して、基板からさらに遠いか、基板により近いか、または基板からの同じ距離である可能性がある。
【0040】
いくつかの実施形態では、薄膜層130は、分離層120上に位置してもよく、すなわち、薄膜層130は、分離層120の基板110から離れて形成される。いくつかの実施形態では、電極140は、薄膜層130の基板110から離れて形成される。
【0041】
引き続き
図1を参照すると、電極140が薄膜層130上に位置する場合、薄膜層130の製造プロセスにおいて薄膜材料層をエッチング、例えばフォトエッチングすることにより、または分離層120の製造プロセスにおいて分離材料層をエッチング、例えばフォトエッチングすることにより、電極140の高さを調整する効果を実装することが可能である。加えて、上記の実施形態では、第1の主電極1410、第2の主電極1420、および第3の主電極1430の下面が薄膜層130上に位置しているが、いくつかの他の実施形態では、第1の主電極1410、第2の主電極1420、および第3の主電極143の一部は、高低差の要件を満たすことを前提として、薄膜層130を貫通して分離層120の表面と直接接触することもできる。
【0042】
例えば、第1の主電極および第2の主電極は、薄膜層に埋め込まれ、薄膜層を貫通して分離層と直接接触しており、代替として、第1の主電極および第2の主電極は、薄膜層に埋め込まれ、薄膜層を貫通していない。本実施形態では、高低差の要件を満たすことを前提として、第3の主電極は、薄膜層に埋め込まれても埋め込まれなくてもよい。
【0043】
例えば、第3の主電極は、薄膜層に埋め込まれ、薄膜層を貫通して分離層と直接接触しており、代替として、第3の主電極は、薄膜層に埋め込まれ、薄膜層を貫通していない。高低差の要件を満たすことを前提として、第1の主電極および第2の主電極は、薄膜層に埋め込まれても埋め込まれなくてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、第1の接地電極141、第2の接地電極142、および信号電極143のそれぞれは、電極延出部(
図1には図示せず)を備えてもよい。電極延出部の構造および形状は、本開示で例示した方法に限定されず、他の方法が使用されてもよい。例えば、電極延出部は、T字状またはL字状のサブ電極であってもよく、電極延出部は、平面状に延出している構造であってもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、接地電極は、電極延出部(
図1には図示せず)を備えてもよい。第1の接地電極141および第2の接地電極142はそれぞれ、少なくとも1つの電極延出部を備える。第1の接地電極141の少なくとも1つの電極延出部は、第1の主電極1410の第3の主電極1430に面する側から第1の間隙140a内に延出しており、第2の接地電極142の少なくとも1つの電極延出部は、第2の主電極1420の第3の主電極1430に面する側から第2の間隙140b内に延出している。
【0046】
いくつかの実施形態では、信号電極は、電極延出部(
図1には図示せず)を備えてもよい。信号電極143は、第3の主電極1430の第1の主電極1410に面する側および第3の主電極1430の第2の主電極1420に面する側からそれぞれ第1の間隙140aおよび第2の間隙140b内に延出している少なくとも1つの電極延出部を備える。
【0047】
第1の接地電極141、第2の接地電極142、および信号電極143の少なくとも1つの構造に電極延出部を設けることにより、信号電極143と接地電極との間の間隔が狭くなり、これは、変調電圧の電気信号の伝送損失の低減に有利となる。加えて、電気信号のインピーダンスおよび伝播速度などの電極構造のいくつかの固有の特性は、これらの電極延出部のいくつかの性質(電極延出部の長さおよび電極の長さなど)と密接に関係している。したがって、電極構造の実際の製造中に、電極構造で作製された電気光学変調器のインピーダンスが入力端のインピーダンス(一般に50Ω)と同じであるかまたは類似するように、また変調回路内の電気信号の伝播速度が光導波路内の光の速度と同じであるかまたは類似するように、これらの性質の値が柔軟に設定され得、それによって光変調効果が向上する。
【0048】
いくつかの実施形態では、電気光学変調器100は、薄膜層の上面を少なくとも部分的に被覆する被覆層をさらに備える。例えば、被覆層は、少なくとも第1の光導波路131および第2の光導波路132を被覆し、被覆層の屈折率は、薄膜層130の屈折率よりも低い。
【0049】
電極延出部は、光導波路上の被覆層の上に延出してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1の接地電極141の少なくとも1つの電極延出部は、第1の主電極1410の第3の主電極1430に面する側から第1の光導波路131上の被覆層の上に延出しており、第2の接地電極142の少なくとも1つの電極延出部は、第2の主電極1420の第3の主電極1430に面する側から第2の光導波路132上の被覆層の上に延出している。別の例として、いくつかの実施形態では、信号電極143の少なくとも1つの電極延出部は、第3の主電極1430の第1の主電極1410に面する第1の側および第3の主電極1430の第2の主電極1420に面する第2の側からそれぞれ、第1の光導波路131上の被覆層および第2の光導波路132上の被覆層の上に延出している。
【0050】
一般的に言えば、変調信号電圧(すなわち、信号電極143と接地電極との間に印加される電圧)は、第1の間隙140aのサイズおよび第2の間隙140bのサイズに関係する。上記の配置により、第1の間隙140aおよび第2の間隙140bが縮小され得(すなわち、信号電極143および接地電極が互いに近づくことが可能になり)、それによって電気光学変調効率が向上する。しかしながら、信号電極143または接地電極が光導波路の非常に近くに設けられる場合、第1の光導波路131または第2の光導波路132内の光の正常な伝送に影響を与える可能性がある。本実施形態における電極構造によれば、光導波路上に位置する被覆層150がさらに設けられ、信号電極143または接地電極の電極延出部は、被覆層150の上面に延出している。このような配置により、信号電極143の電極延出部と接地電極の電極延出部との間の距離を十分に近いことが保証され、電極延出部と対応する光導波路(すなわち、第1の光導波路131または第2の光導波路132)との間に一定の距離があることも保証される。したがって、本実施形態における電極構造により、電気光学変換効率が向上し、第1の光導波路131または第2の光導波路132内の光の正常な伝送への影響が防止され、その結果、導波路線電極構造の変調効果が大幅に改善される。
【0051】
いくつかの実施形態では、薄膜層130は、ニオブ酸リチウムのエッチングされたXカット、Yカット、またはZカット薄膜である。したがって、第1の光導波路131および第2の光導波路132は、ニオブ酸リチウム光導波路である。ニオブ酸リチウム結晶は、平滑な表面を有し、優れた電気光学効果および音響光学効果を有する光学材料である。ニオブ酸リチウム結晶を使用した高品質光導波路は、超低伝送損失をサポートし、成熟した技術、低コスト、および量産性など多くの優れた特性を有する。
【0052】
いくつかの実施形態では、電気光学変調器100は、電極および薄膜層を被覆し、それによって光導波路、接地電極、信号電極などの電気光学変調器100の少なくとも1つの機能構成要素を被覆するように構成された、保護層をさらに備える。電極140は保護層によって被覆され、その結果、電極の自然酸化または偶発的な表面損傷の速度が遅くなる可能性があり、素子の耐用寿命が延長され得る。
【0053】
本開示の実施形態では、被覆層の設計に応じて、電極の高さも調整されてもよい。
【0054】
図2は、例示的な実施形態による電気光学変調器200の概略斜視図である。電気光学変調器200は、基板210と、基板210上に位置する分離層220と、薄膜層230と、電極240とを備えてもよい。薄膜層230は、第1の光導波路231および第2の光導波路232を形成するように構成される。第1の光導波路231および第2の光導波路232の配置により、薄膜層230は、第1のエッジ領域233、第1の光導波路231、中間領域234、第2の光導波路232、および第2のエッジ領域235を備えることになる。電極240は、間隔をおいて順に配置された第1の接地電極241、信号電極243、および第2の接地電極242を備えてもよい。第1の接地電極241の第1の主電極2410と信号電極243の第3の主電極2430との間には第1の間隙240aがあり、第2の接地電極242の第2の主電極2420と信号電極243の第3の主電極2430との間には第2の間隙240bがある。
図1の参照番号と同様の参照番号は、同様の要素を示しており、したがって、簡潔にするためにその詳細な説明は省略されている。
【0055】
図2に示された電気光学変調器200と
図1に示された電気光学変調器100との間の違いは、電気光学変調器200が被覆層250をさらに備えるという点である。被覆層250は、薄膜層230の上面を少なくとも部分的に被覆する。被覆層250の屈折率は、薄膜層230の屈折率よりも低い。
【0056】
薄膜層230の上面に被覆層250を追加することにより、薄膜層230内の電気光学材料から適切に遠ざけることが可能であり、それによって電気信号の伝送速度に対する電気光学材料の制限を軽減する。また、被覆層250の屈折率は、光導波路内を伝送される光の出射を防止するように、薄膜層230の屈折率よりも低い。
【0057】
いくつかの実施形態では、
図2に示されるように、被覆層250は、第1の光導波路231、中間領域234、および第2の光導波路232の上面を被覆してもよく、第1の主電極2410および第2の主電極2420は薄膜層230上に位置し、第3の主電極2430は被覆層250上に位置する。いくつかの他の実施形態では、被覆層250は、第1の光導波路231および第2の光導波路232の上面を被覆せず、中間領域234にのみ設けられてもよい。
【0058】
薄膜層230の上面に被覆層250を追加することにより、電気信号の伝送速度が高まる可能性があり、電気信号の伝送速度に対する電気光学材料の制限が軽減され得る。しかしながら、薄膜層230の上面が、同じ厚さを有する被覆層で被覆される場合、第3の主電極は、第1の主電極および第2の主電極と同じ高さになる。このように被覆層によって引き起こされる調節および制御は、第3の主電極に対して、第1の主電極および第2の主電極とほぼ同じ影響を与え、これは、電気信号の伝送速度の調節および制御につながらない。
【0059】
本開示の実施形態では、異なる領域に異なる厚さを有する被覆層250を選択的に設けることにより、信号電極243および接地電極に対する個別の調節および制御が実装され得、電気信号の伝送速度の調節および制御が、より柔軟かつ正確になる。
図2に示された実施形態で説明されたように、第3の主電極2430と接触する材料が、第1の主電極2410および第2の主電極2420と接触する材料とは異なるように、被覆層250は、第1の光導波路231、中間領域234、および第2の光導波路232の上面のみを被覆してもよい。この実施形態では、接地電極242および信号電極243がそれぞれ電極延出部を備えていないため、接地電極243と信号電極243とが異なる材質に接触している場合でも、電気信号の伝送速度の調節および制御パラメータが増加し、その結果、電気信号の伝送速度の調節および制御がより柔軟かつ正確になり、したがって、光信号および電気信号の伝送速度を整合させることがより容易になる。
【0060】
いくつかの実施形態では、電極230は電極延出部を備えてもよい。電極230が延出する方法は、本開示で例示された方法に限定されず、他の方法も使用されてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、接地電極は電極延出部を備えてもよい。
図3に示されるように、第1の接地電極241および第2の接地電極242は、それぞれ少なくとも1つの電極延出部を備える。第1の接地電極241の少なくとも1つの電極延出部(
図3に示された実施形態では複数の電極延出部2411a、2411b、2411cが例示されている)は、第1の主電極2410の第3の主電極2430に面する側から第1の間隙240a内に延出しており、第2の接地電極242の少なくとも1つの電極延出部(
図3に示された実施形態では複数の電極延出部2421a、2421b、2421cが例示されている)は、第2の主電極2420の第3の主電極2430に面する側から第2の間隙240b内に延出している。
【0062】
いくつかの実施形態では、信号電極は電極延出部を備えてもよい。
図4に示されるように、信号電極243は、少なくとも1つの電極延出部(
図4に示された実施形態では、信号電極243の一方の側に複数の電極延出部2431a、2431b、2431cが例示されている)を備え、少なくとも1つの電極延出部は、第3の主電極2430の第1の主電極2410に面する側および第3の主電極2430の第2の主電極2420に面する側からそれぞれ第1の間隙240a内および第2の間隙240b内に延出している。
【0063】
加えて、上記の実施形態では、第1の主電極2410および第2の主電極2420の下面が薄膜層230上に位置しているが、いくつかの他の実施形態では、これら2つの主電極は、薄膜層を貫通して分離層の表面と直接接触してもよい。代替として、第1の主電極および第2の主電極は、薄膜層に埋め込まれ、薄膜層を貫通していない。
【0064】
同様に、上記の実施形態では、第3の主電極2430の下面が被覆層250上に位置しているが、いくつかの他の実施形態では、第3の主電極は、被覆層を貫通して薄膜層の表面と直接接触してもよい。代替として、第3の主電極は、被覆層に埋め込まれ、被覆層を貫通していない。
【0065】
いくつかの実施形態では、被覆層250が低誘電率の材料で作製される場合、この事例では電極240が低誘電率の被覆層250と接触するため、電気信号の伝送速度が大幅に高まる可能性があり、したがって、光信号と電気信号との間の良好な整合を実装することがより容易になる。
【0066】
いくつかの実施形態では、被覆層250は絶縁層である。
【0067】
本開示の他のいくつかの修正された実施形態について、
図5~
図8を参照して以下にさらに説明する。
【0068】
図5は、例示的な実施形態による電気光学変調器500の概略斜視図である。電気光学変調器500は、基板510と、基板510上に位置する分離層520と、薄膜層530と、電極540と、被覆層550とを備えてもよい。薄膜層530は、第1の光導波路531および第2の光導波路532を形成するように構成される。第1の光導波路531および第2の光導波路532の配置により、薄膜層530は、第1のエッジ領域533、第1の光導波路531、中間領域534、第2の光導波路532、および第2のエッジ領域535を備えることになる。電極540は、間隔をおいて順に配置された第1の接地電極541、信号電極543、および第2の接地電極542を備えてもよい。第1の接地電極541の第1の主電極5410と信号電極543の第3の主電極5430との間には第1の間隙540aがあり、第2の接地電極542の第2の主電極5420と信号電極543の第3の主電極5430との間には第2の間隙540bがある。
図4の参照番号と同様の参照番号は、同様の要素を示しており、したがって、簡潔にするためにその詳細な説明は省略されている。
【0069】
図5に示された電気光学変調器500は、
図5の被覆層550が第1のエッジ領域533、第1の光導波路531、第2の光導波路532、および第2のエッジ領域535の上面を被覆し、第1の主電極5410および第2の主電極5420が被覆層550上に位置し、第3の主電極5430が薄膜層530上に位置するという点において、
図4に示された電気光学変調器200とは異なる。いくつかの他の実施形態では、被覆層550は、第1の光導波路531および第2の光導波路532の上面を被覆せず、第1のエッジ領域533および第2のエッジ領域535にのみ設けられてもよい。
【0070】
薄膜層530の上面に被覆層550を追加することにより、電気信号の伝送速度が高まる可能性があり、電気信号の伝送速度に対する電気光学材料の制限が軽減され得る。しかしながら、薄膜層530の上面が、同じ厚さを有する被覆層で被覆される場合、第3の主電極は、第1の主電極および第2の主電極と同じ高さになる。このように被覆層によって引き起こされる調節および制御は、第3の主電極に対して、第1の主電極および第2の主電極とほぼ同じ影響を与え、これは、電気信号の伝送速度の調節および制御につながらない。
【0071】
本開示の実施形態では、異なる領域に異なる厚さを有する被覆層550を選択的に設けることにより、信号電極543および接地電極に対する個別の調節および制御が実装され得、電気信号の伝送速度の調節および制御が、より柔軟かつ正確になる。
図5に示された実施形態で説明されたように、被覆層550は、第1のエッジ領域533、第1の光導波路531、第2の光導波路532および第2のエッジ領域535の上面のみを被覆して、第3の主電極5430と接触する材料が、第1の主電極5410および第2の主電極5420に接触する材料とは異なるようにしてもよく、その結果、電気信号の伝送速度の調節および制御パラメータが増加し、電気信号の伝送速度の調節および制御がより柔軟かつ正確になり、したがって、光信号および電気信号の伝送速度を整合させることがより容易になる。
【0072】
いくつかの実施形態では、電極530は電極延出部を備えてもよい。電極530が延出する方法は、本開示で例示された方法に限定されず、他の方法も使用されてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、接地電極は電極延出部を備えてもよい。引き続き
図5を参照すると、第1の接地電極541および第2の接地電極542は、それぞれ少なくとも1つの電極延出部を備える。第1の接地電極541の少なくとも1つの電極延出部(
図5に示された実施形態では複数の電極延出部5411a、5411b、5411cが例示されている)は、第1の主電極5410の第3の主電極5430に面する側から第1の間隙540a内に延出しており、第2の接地電極542の少なくとも1つの電極延出部(
図5に示された実施形態では複数の電極延出部5421a、5421b、5421cが例示されている)は、第2の主電極5420の第3の主電極5430に面する側から第2の間隙540b内に延出している。
【0074】
いくつかの実施形態では、信号電極は電極延出部を備えてもよい。引き続き
図5を参照すると、信号電極543は、少なくとも1つの電極延出部(
図5に示された実施形態では複数の電極延出部5431a、5431b、5431cが例示されている)を備え、少なくとも1つの電極延出部は、第3の主電極5430の第1の主電極5410に面する側および第3の主電極5430の第2の主電極5420に面する側からそれぞれ第1の間隙540a内および第2の間隙540b内に延出している。
【0075】
さらに説明すべき点としては、
図5に示された実施形態では、第1の接地電極541、信号電極543、第2の接地電極542はそれぞれ電極延出部を有しているが、いくつかの他の実施形態では、
図1または
図2の実施形態の配置と同様に、第1の接地電極、信号電極、および第2の接地電極にはそれぞれ電極延出部が設けられなくてもよく、または、
図3の実施形態の配置と同様に、第1の接地電極、信号電極、および第2の接地電極の一部に電極延出部が設けられる。
【0076】
いくつかの実施形態では、電極延出部は、光導波路上の被覆層の上面の上に延出してもよい。
図6および
図7を参照すると、いくつかの実施形態では、第1の接地電極541の少なくとも1つの電極延出部(電極延出部5411a、5411b、5411cを参照)は、第1の主電極5410の第3の主電極5430に面する側から第1の主電極5410上の被覆層550の上に延出しており、第2の接地電極542の少なくとも1つの電極延出部(電極延出部5421a、5421b、5421cを参照)は、第2の主電極5420の第3の主電極5430に面する側から、第2の光導波路532上の被覆層550の上に延出している。別の例として、いくつかの実施形態では、信号電極543の少なくとも1つの電極延出部(電極延出部5431a、5431b、5431cを参照)は、第3の主電極5430の第1の主電極5410に面する第1の側および第3の主電極5430の第2の主電極5420に面する第2の側からそれぞれ、第1の光導波路531上の被覆層550および第2の光導波路532上の被覆層550の上に延出している。
【0077】
図6に示された実施形態などのいくつかの実施形態では、電極延出部の一部分は、その電極延出部に接続される主電極が位置する面内に延出しており、その電極延出部の他の部分は、対応する光導波路上の被覆層の上に延出している。例えば、第1の接地電極541の電極延出部5411a、5411b、5411cのうちの少なくとも1つは、第1の主電極5410が位置する面内に部分的に延出しており、また第1の光導波路531上の被覆層550の上に部分的に延出しており、第2の接地電極542の電極延出部5421a、5421b、5421cのうちの少なくとも1つ、または信号電極543の電極延出部5431a、5431b、5431cのうちの少なくとも1つも、同様に対応して設けられてもよい。
【0078】
図7に示された実施形態などのいくつかの他の実施形態では、電極延出部は、対応する光導波路上の被覆層の上面の上に直接延出している。例えば、第1の接地電極541の電極延出部5411a、5411b、5411cのうちの少なくとも1つは、第1の光導波路531上の被覆層550の上に直接延出しており、第2の接地電極542の電極延出部5421a、5421b、5421cのうちの少なくとも1つ、または信号電極543の電極延出部5431a、5431b、5431cのうちの少なくとも1つも、同様に対応して設けられてもよい。
【0079】
加えて、上記の実施形態では、第1の主電極5410および第2の主電極5420の下面が被覆層550上に位置しているが、いくつかの他の実施形態では、これら2つの主電極は、被覆層を貫通して薄膜層の表面と直接接触してもよい。代替として、第1の主電極および第2の主電極は、被覆層に埋め込まれ、被覆層を貫通していない。
【0080】
同様に、上記の実施形態では、第3の主電極5430の下面が薄膜層530上に位置しているが、いくつかの他の実施形態では、第3の主電極は、薄膜層を貫通して分離層の表面と直接接触してもよい。代替として、第3の主電極は、薄膜層に埋め込まれ、薄膜層を貫通していない。
【0081】
図8は、例示的な実施形態による電気光学変調器800の概略斜視図である。電気光学変調器800は、基板810と、基板810上に位置する分離層820と、薄膜層830と、電極840と、被覆層850とを備えてもよい。薄膜層830は、第1の光導波路831および第2の光導波路832を形成するように構成される。第1の光導波路831および第2の光導波路832の配置により、薄膜層830は、第1のエッジ領域833、第1の光導波路831、中間領域834、第2の光導波路832、および第2のエッジ領域835を備えることになる。電極840は、間隔をおいて順に配置された第1の接地電極841、信号電極843、および第2の接地電極842を備えてもよい。第1の接地電極841の第1の主電極8410と信号電極843の第3の主電極8430との間には第1の間隙840aがあり、第2の接地電極842の第2の主電極8420と信号電極843の第3の主電極8430との間には第2の間隙840bがある。
図2の参照番号と同様の参照番号は、同様の要素を示しており、したがって、簡潔にするためにその詳細な説明は省略されている。
【0082】
図8に示された電気光学変調器800は、
図8の被覆層850が薄膜層830の上面を被覆し、電極840が全体的に被覆層850上に位置しており、被覆層850のうち第1の主電極8410および第2の主電極8420が設けられている部分が、第3の主電極8430が設けられている部分の厚さと異なる厚さを有する、すなわち、h1とh2が異なるという点において、
図2に示された電気光学変調器200とは異なる。
【0083】
上述されたように、本開示の実施形態では、異なる領域に異なる厚さを有する被覆層850を選択的に設けることにより、信号電極843および接地電極に対する個別の調節および制御が実装され得、電気信号の伝送速度の調節および制御が、より柔軟かつ正確になる。
図8に示された実施形態で説明したように、被覆層850のうち第1の主電極8410および第2の主電極8420が設けられている部分の厚さはh1によって表され、被覆層850のうち第3の主電極8430が設けられている部分の厚さはh2によって表される。2つの異なる厚さは、2つの接地電極の主電極と薄膜層830との間の距離および信号電極の主電極と薄膜層830との間の距離を異なる状態にすることができ、その結果、電気信号の伝送速度の調節および制御パラメータが増加し、電気信号の伝送速度の調節および制御がより柔軟かつ正確になり、したがって、光信号および電気信号の伝送速度を整合させることがより容易になる。
【0084】
上述の実施形態と同様に、電極830は電極延出部をさらに備えてもよい。簡潔にするために、ここでは詳細な説明は省略されている。
【0085】
加えて、上記の実施形態では、第1の主電極8410、第2の主電極8420、および第3の主電極8430の下面が被覆層850上に位置しているが、いくつかの他の実施形態では、2つの接地電極の主電極または信号電極の主電極は、被覆層を貫通して薄膜層の表面に直接接触してもよい。代替として、2つの接地電極の主電極または信号電極の主電極は、被覆層に埋め込まれ、被覆層を貫通していない。
【0086】
図9Aおよび
図9Bに示されるように、本開示のいくつかの実施形態の電気光学変調器900では、第1の接地電極941および第2の接地電極942はそれぞれ、少なくとも1つの電極延出部(それぞれ、図に示された電極延出部9411、9421など)をさらに備え、第1の接地電極941の少なくとも1つの電極延出部9411は、第1の主電極9410の第3の主電極9430に面する側から第1の間隙940a内に延出しており、第2の接地電極942の少なくとも1つの電極延出部9421は、第2の主電極9420の第3の主電極9430に面する側から第2の間隙940b内に延出しており、信号電極943は、第3の主電極9430の第1の主電極9410に面する側および第3の主電極9430の第2の主電極9420に面する側からそれぞれ第1の間隙940a内および第2の間隙940b内に延出している少なくとも1つの電極延出部9431をさらに備え、第1の接地電極941の少なくとも1つの電極延出部9411の第3の主電極9430に近い端子、第2の接地電極942の少なくとも1つの電極延出部9421の第3の主電極9430に近い端子、および信号電極943の少なくとも1つの電極延出部9431の第3の主電極9430から遠い端子は、同じ高さを有する水平面上に配置される。
【0087】
図9Aおよび
図9Bに示された実施形態では、電気光学変調器900は、薄膜層830の基板910および分離層920から離れて形成された被覆層950をさらに備える。被覆層950は、間隔をおいて順に配置された第1の部分950a、第2の部分950b、および第3の部分950cを備え、第1の部分950aは第1の光導波路931を被覆し、第3の部分950cは第2の光導波路932を被覆し、第1の主電極9410は薄膜層930上に位置し、第2の主電極9420は薄膜層930上に位置し、第3の主電極は第2の部分950b上に位置し、第1の接地電極941の少なくとも1つの電極延出部9411の第3の主電極9430に近い端子、第2の接地電極942の少なくとも1つの電極延出部9421の第3の主電極9430に近い端子、および信号電極943の少なくとも1つの電極延出部9431の第3の主電極9430から遠い端子は、すべて薄膜層930上に位置する。本開示のいくつかの実施形態では、被覆層950は、第1の部分950aおよび第3の部分950cを含まなくてもよい。
【0088】
図10に示されるように、本開示のいくつかの実施形態では、電気光学変調器1000は、薄膜層1030の基板1010および分離層1020から離れて形成された被覆層1050をさらに備える。被覆層1050は、間隔をおいて順に配置された第1の部分1050a、第2の部分1050b、第3の部分1050c、および第4の部分1050dを備え、第2の部分1050bは第1の光導波路1031を被覆し、第3の部分1050cは第2の光導波路1032を被覆し、第1の主電極10410は第1の部分1050a上に位置し、第2の主電極10420は第4の部分1050d上に位置し、第3の主電極10430は薄膜層1030上に位置し、第1の接地電極1041の少なくとも1つの電極延出部10411の第3の主電極10430に近い端子は、第2の部分1050b上に位置し、第2の接地電極1042の少なくとも1つの電極延出部10421の第3の主電極10430に近い端子は、第3の部分1050c上に位置し、信号電極1043の少なくとも1つの電極延出部10431の第3の主電極10430から遠い端子の一部分は、第2の部分1050b上に位置し、その他の部分は、第3の部分1050c上に位置する。
【0089】
図11に示されるように、本開示のいくつかの実施形態では、電気光学変調器1100は、薄膜層1130の基板1110および分離層1120から離れて形成された被覆層1150をさらに備える。被覆層1150は、間隔をおいて順に配置された第1の部分1150a、第2の部分1150b、および第3の部分1150cを備え、第1の部分1150aは第1の光導波路1131を被覆し、第3の部分1150cは第2の光導波路1132を被覆し、第1の主電極11410は薄膜層1130上に位置し、第2の主電極11420は薄膜層1130上に位置し、第3の主電極11430は第2の部分1150b上に位置し、第1の接地電極1141の少なくとも1つの電極延出部11411の第3の主電極11430に近い端子は、第1の部分1150a上に位置し、第2の接地電極1142の少なくとも1つの電極延出部11421の第3の主電極11430に近い端子は、第3の部分1150c上に位置し、信号電極1143の少なくとも1つの電極延出部11431の第3の主電極11430から遠い端子の一部分は、第1の部分1150a上に位置し、その他の部分は、第3の部分1150c上に位置する。
【0090】
図12は、本開示の例示的な実施形態による電気光学デバイス1200の簡略ブロック図である。一例では、電気光学デバイス1200は、電気光学変調器1210と、電気光学変調器1210に結合された電気インターフェース1211と、電気光学変調器1210に結合された光インターフェース1212とを含んでもよい。電気光学変調器1210は、上述の実施形態のいずれか1つに従って構築されてもよい。
【0091】
本開示の実施形態または例について図面を参照して説明したが、上記で説明した方法、システム、およびデバイスは単なる例示的な実施形態または例であり、本開示の範囲はこれらの実施形態または例に限定されず、与えられた特許請求の範囲およびその均等物によってのみ定義されることが理解されるべきである。実施形態または例における様々な要素は、省略されるか、またはその同等の要素によって置換されてもよい。さらに、ステップは、本開示で説明した順序とは異なる順序で実行されてもよい。さらに、実施形態または例における様々な要素は、様々な方法で組み合わされてもよい。技術が進化するにつれて、本明細書に記載の多くの要素が、本開示後に現れる同等の要素と置き換えられてもよいことが重要である。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本開示は、電気光学技術に関し、より詳細には、電気光学変調器および電気光学デバイスに関する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に位置する分離層と、
第1の光導波路および第2の光導波路を形成するように構成された薄膜層であって、前記第1の光導波路および前記第2の光導波路の配置により、前記薄膜層が第1のエッジ領域、前記第1の光導波路、中間領域、前記第2の光導波路、および第2のエッジ領域を備える薄膜層と、
電極であって、前記電極が、間隔をおいて順に配置された第1の接地電極、信号電極、および第2の接地電極を備え、前記第1の接地電極が少なくとも第1の主電極を備え、前記第2の接地電極が少なくとも第2の主電極を備え、前記信号電極が少なくとも第3の主電極を備え、前記第1の光導波路が前記第1の主電極と前記第3の主電極との間の第1の間隙に配置され、前記第2の光導波路が前記第2の主電極と前記第3の主電極との間の第2の間隙に配置され、前記第1の主電極および前記第2の主電極が、第1の高さを有する水平面上に配置され、前記第3の主電極が、第2の高さを有する水平面上に配置され、前記第1の高さが前記第2の高さと異なる、電極と、
を備える、電気光学変調器。
【請求項2】
前記電極が、前記薄膜層の前記基板から離れて形成される、請求項1に記載の電気光学変調器。
【請求項3】
前記第1の主電極および前記第2の主電極が、前記薄膜層に埋め込まれ、前記薄膜層を貫通して前記分離層と直接接触しているか、または、
前記第1の主電極および前記第2の主電極が、前記薄膜層に埋め込まれ、前記薄膜層を貫通していない、請求項1に記載の電気光学変調器。
【請求項4】
前記第3の主電極が、前記薄膜層に埋め込まれ、前記薄膜層を貫通して前記分離層と直接接触しているか、または、
前記第3の主電極が、前記薄膜層に埋め込まれ、前記薄膜層を貫通していない、請求項1に記載の電気光学変調器。
【請求項5】
被覆層をさらに備え、前記被覆層が前記薄膜層の上面を少なくとも部分的に被覆し、前記被覆層の屈折率が前記薄膜層の屈折率よりも低い、請求項1に記載の電気光学変調器。
【請求項6】
前記被覆層が前記中間領域の上面を被覆し、
前記第1の主電極および前記第2の主電極が前記薄膜層上に位置し、前記第3の主電極が前記被覆層上に位置する、請求項5に記載の電気光学変調器。
【請求項7】
前記第3の主電極が、前記被覆層に埋め込まれ、前記被覆層を貫通して前記薄膜層と直接接触しているか、または、
前記第3の主電極が、前記被覆層に埋め込まれ、前記被覆層を貫通していない、請求項5に記載の電気光学変調器。
【請求項8】
前記被覆層が前記第1のエッジ領域および前記第2のエッジ領域の上面を被覆し、
前記第1の主電極および前記第2の主電極が前記被覆層上に位置し、前記第3の主電極が前記薄膜層上に位置する、請求項5に記載の電気光学変調器。
【請求項9】
前記第1の主電極および前記第2の主電極が、前記被覆層に埋め込まれ、前記被覆層を貫通して前記薄膜層と直接接触しているか、または、
前記第1の主電極および前記第2の主電極が、前記被覆層に埋め込まれ、前記被覆層を貫通していない、請求項5に記載の電気光学変調器。
【請求項10】
前記被覆層が前記薄膜層の前記上面を被覆し、
前記第1の主電極、前記第2の主電極、および前記第3の主電極が前記被覆層上に位置し、前記被覆層のうち前記第1の主電極および前記第2の主電極が設けられている部分が、前記第3の主電極が設けられている部分と異なる厚さを有する、請求項5に記載の電気光学変調器。
【請求項11】
前記被覆層が、前記第1の光導波路および前記第2の光導波路の誘電率よりも低い誘電率を有する、請求項5に記載の電気光学変調器。
【請求項12】
前記被覆層が絶縁層である、請求項5に記載の電気光学変調器。
【請求項13】
前記第1の接地電極および前記第2の接地電極のそれぞれが、少なくとも1つの電極延出部をさらに備え、前記第1の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部が、前記第1の主電極の前記第3の主電極に面する側から前記第1の間隙内に延出しており、前記第2の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部が、前記第2の主電極の前記第3の主電極に面する側から前記第2の間隙内に延出している、請求項1に記載の電気光学変調器。
【請求項14】
前記電気光学変調器が被覆層をさらに備え、前記被覆層が少なくとも前記第1の光導波路および前記第2の光導波路を被覆し、前記被覆層の屈折率が前記薄膜層の屈折率よりも低く、
前記第1の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部が、前記第1の主電極の前記第3の主電極に面する側から前記第1の光導波路上の前記被覆層の上に延出しており、
前記第2の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部が、前記第2の主電極の前記第3の主電極に面する側から前記第2の光導波路上の前記被覆層の上に延出している、請求項13に記載の電気光学変調器。
【請求項15】
前記信号電極が、前記第3の主電極の前記第1の主電極に面する側および前記第3の主電極の前記第2の主電極に面する側からそれぞれ前記第1の間隙内および前記第2の間隙内に延出している少なくとも1つの電極延出部をさらに備える、請求項1に記載の電気光学変調器。
【請求項16】
前記電気光学変調器が被覆層をさらに備え、前記被覆層が少なくとも前記第1の光導波路および前記第2の光導波路を被覆し、前記被覆層の屈折率が前記薄膜層の屈折率よりも低く、
前記信号電極の前記少なくとも1つの電極延出部が、前記第3の主電極の前記第1の主電極に面する第1の側および前記第3の主電極の前記第2の主電極に面する第2の面からそれぞれ前記第1の光導波路上の前記被覆層および前記第2の光導波路上の前記被覆層の上に延出している、請求項15に記載の電気光学変調器。
【請求項17】
前記第1の接地電極および前記第2の接地電極のそれぞれが、少なくとも1つの電極延出部をさらに備え、前記第1の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部が、前記第1の主電極の前記第3の主電極に面する側から前記第1の間隙内に延出しており、前記第2の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部が、前記第2の主電極の前記第3の主電極に面する側から前記第2の間隙内に延出しており、
前記信号電極が、前記第3の主電極の前記第1の主電極に面する側および前記第3の主電極の前記第2の主電極に面する側からそれぞれ前記第1の間隙内および前記第2の間隙内に延出している少なくとも1つの電極延出部をさらに備え、
前記第1の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部の前記第3の主電極に近い端子、前記第2の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部の前記第3の主電極に近い端子、および前記信号電極の前記少なくとも1つの電極延出部の前記第3の主電極から遠い端子が、同じ高さを有する水平面上に配置される、請求項1に記載の電気光学変調器。
【請求項18】
前記電気光学変調器が、前記薄膜層の前記基板から離れて形成された被覆層をさらに備え、前記被覆層が、間隔をおいて順に配置された第1の部分、第2の部分、第3の部分、および第4の部分を備え、
前記第2の部分が前記第1の光導波路を被覆し、前記第3の部分が前記第2の光導波路を被覆し、
前記第1の主電極が前記第1の部分上に位置し、前記第2の主電極が前記第4の部分上に位置し、前記第3の主電極が前記薄膜層上に位置し、
前記第1の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部の前記第3の主電極に近い前記端子が、前記第2の部分上に位置し、前記第2の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部の前記第3の主電極に近い前記端子が、前記第3の部分上に位置し、前記信号電極の前記少なくとも1つの電極延出部の前記第3の主電極から遠い前記端子の一部分が、前記第2の部分上に位置し、その他の部分が、前記第3の部分上に位置する、請求項17に記載の電気光学変調器。
【請求項19】
前記電気光学変調器が、前記薄膜層の前記基板から離れて形成された被覆層をさらに備え、前記被覆層が、間隔をおいて順に配置された第1の部分、第2の部分、および第3の部分を備え、
前記第1の部分が前記第1の光導波路を被覆し、前記第3の部分が前記第2の光導波路を被覆し、
前記第1の主電極が前記薄膜層に位置し、前記第2の主電極が前記薄膜層上に位置し、前記第3の主電極が前記第2の部分上に位置し、
前記第1の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部の前記第3の主電極に近い前記端子が、前記第1の部分上に位置し、前記第2の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部の前記第3の主電極に近い前記端子が、前記第3の部分上に位置し、前記信号電極の前記少なくとも1つの電極延出部の前記第3の主電極から遠い前記端子の一部分が、前記第1の部分上に位置し、その他の部分が、前記第3の部分上に位置する、請求項17に記載の電気光学変調器。
【請求項20】
前記電気光学変調器が、前記薄膜層の前記基板から離れて形成された被覆層をさらに備え、前記被覆層が、間隔をおいて順に配置された第1の部分、第2の部分、および第3の部分を備え、
前記第1の部分が前記第1の光導波路を被覆し、前記第3の部分が前記第2の光導波路を被覆し、
前記第1の主電極が前記薄膜層に位置し、前記第2の主電極が前記薄膜層上に位置し、前記第3の主電極が前記第2の部分上に位置し、
前記第1の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部の前記第3の主電極に近い前記端子、前記第2の接地電極の前記少なくとも1つの電極延出部の前記第3の主電極に近い前記端子、および前記信号電極の前記少なくとも1つの電極延出部の前記第3の主電極から遠い前記端子が、すべて前記薄膜層上に位置する、請求項17に記載の電気光学変調器。
【請求項21】
前記薄膜層が、ニオブ酸リチウムのエッチングされたXカット、Yカット、またはZカット薄膜である、請求項
1に記載の電気光学変調器。
【請求項22】
前記薄膜層および前記電極を被覆するように構成された保護層をさらに備える、請求項
1に記載の電気光学変調器。
【請求項23】
請求項
1に記載の電気光学変調器を備える電気光学デバイス。
【国際調査報告】