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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】毛髪処理デバイス
(51)【国際特許分類】
   A45D 1/00 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
A45D1/00 D
A45D1/00 502B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516943
(86)(22)【出願日】2022-09-07
(85)【翻訳文提出日】2024-05-08
(86)【国際出願番号】 EP2022074816
(87)【国際公開番号】W WO2023041390
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】2109775
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】メリッサ・シャンポー
(72)【発明者】
【氏名】コンスタンス・マーニュ
(72)【発明者】
【氏名】ローラン・クラリスー
(72)【発明者】
【氏名】サンディ・ラピーズ
(57)【要約】
毛髪をスチーム処理するためのデバイス(1)、特にヘアブラシであって、デバイスは、
処理中に毛髪に接触するようになっている処理プレート(2)と、
液体水が供給される気化チャンバ(5)であって、液体水が蒸気に変換される、気化チャンバ(5)と、
蒸気を毛髪上に分配するための少なくとも1つの分配チャンバ(6、6a、6b)であって、気化チャンバとは異なり、気化チャンバと流体連通している、分配チャンバ(6、6a、6b)と、
処理プレートと気化チャンバとの間に配置され、気化チャンバを水蒸発温度以上の温度まで加熱し、処理プレートの少なくとも一部を加熱するように構成された加熱システム(3)と、
を有する、デバイス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪をスチーム処理するためのデバイス(1)、特にヘアブラシであって、
処理中に前記毛髪に接触するようになっている処理プレート(2)と、
液体水が供給される気化チャンバ(5)であって、前記液体水が蒸気に変換される、気化チャンバ(5)と、
前記気化チャンバとは異なる、蒸気を毛髪上に分配するための少なくとも1つの分配チャンバ(6、6a、6b)であって、前記気化チャンバと流体連通している、分配チャンバ(6、6a、6b)と、
前記処理プレートと前記気化チャンバとの間に配置され、前記気化チャンバを水蒸発温度以上の温度まで加熱し、前記処理プレートの少なくとも一部を加熱するように構成された加熱システム(3)と、
を有する、デバイス。
【請求項2】
前記気化チャンバ(5)は、気化される液体を吸収するための要素を有さない、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
把持ハンドルと、前記毛髪をすくための複数の歯(20)を備えるヘッドとを備える、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記複数の歯のうちの少なくとも1つの歯(20)は、前記加熱システム(3)によって、特に180℃以上の温度まで加熱される、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
加熱システム(3)は、前記気化チャンバ(5)に面しており、好ましくは前記気化チャンバ(5)を画定する壁(90)に接触している主面(31)と、前記処理プレート(2)に面しており、好ましくは前記処理プレートの表面(92)、特に前記処理プレートのベースの下面に接触している、反対側の主面(32)と、を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記1つまたは複数の分配チャンバ(6、6a、6b)および前記気化チャンバは、断面材によって形成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記気化チャンバ(5)は、前記処理プレート(2)に向かって凹状である少なくとも1つの壁(93)、特に、円の一部の形状の断面を有する壁を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記分配チャンバまたは少なくとも1つの分配チャンバ(6、6a、6b)は、前記気化チャンバ(5)と前記加熱システム(3)との重ね合わせに対して少なくとも部分的に横方向に延びる、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記デバイスは、前記気化チャンバ(5)への液体水用の入口を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記分配チャンバまたは少なくとも1つの分配チャンバ(6、6a、6b)は、蒸気が通過するための少なくとも1つの開口(61)を有し、前記開口は、蒸気出口であってもよく、前記処理プレート(2)に対して横方向に延びるか、または前記処理プレート(2)を通って延びる、請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記デバイスは、前記蒸気出口に蒸気を供給するための少なくとも1つのダクト、好ましくは少なくとも2つのダクト(85)、および/または、前記1つまたは複数の分配チャンバ(6、6a、6b)に蒸気を供給するための、前記1つまたは複数の分配チャンバ(6、6a、6b)と前記気化チャンバ(5)との間の好ましくは少なくとも1つのダクト、より好ましくは少なくとも2つのダクト(85)を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記ダクトまたは各ダクトは、前記気化チャンバおよび前記分配チャンバの長手方向端部において延びる、請求項1から11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
中空本体(4)を備え、前記中空本体(4)は、壁(50)によって分離された少なくとも2つの長手方向キャビティを有し、前記キャビティは、それぞれ、前記気化チャンバ(5)および前記分配チャンバ(6、6a、6b)を形成し、前記デバイスは、前記加熱システム(3)用のハウジング(30)を有し、前記ハウジング(30)は、好ましくは実質的に多角形であり、特に矩形の断面を有し、前記断面は、前記本体の少なくとも1つの外面、特に前記気化チャンバの壁(90)、および場合によっては、1つまたは複数の分配チャンバの壁(91)、および前記処理プレートの表面(92)によって画定される、請求項1から12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
デバイスは、前記デバイスの長手方向端部のうちの少なくとも1つ、好ましくは前記デバイスの前記長手方向端部の両方に、少なくとも前記気化チャンバおよび前記分配チャンバを前記端部において閉鎖するためのエンドカバー(8)を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記エンドカバー(8)または各エンドカバー(8)は、前記気化チャンバ(5)と前記1つまたは複数の分配チャンバ(6、6a、6b)との間の流体連通のためのダクトを少なくとも部分的に形成する少なくとも1つの溝(70)を有する、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記デバイスは、前記エンドカバー(8)または各エンドカバー(8)と前記デバイスの前記本体(4)との間にシール(7)を含み、前記シールは、少なくとも1つの開口(80)を備え、前記シール(7)は、好ましくは、
一方では、前記分配チャンバ(6)、特に前記分配チャンバの下部に面し、他方では、前記エンドカバー(8)内に作られた前記溝(70)に面する開口(82)と、
一方では、前記気化チャンバ(5)、特に前記気化チャンバの上部に面し、他方では、前記エンドカバー(8)内に作られた前記溝(70)に面する開口(81)と、
を備える、請求項14または15に記載のデバイス。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載のデバイス(1)を使用して毛髪を処理するための方法であって、前記毛髪を前記処理プレート(2)に接触させるステップと、1つまたは複数の蒸気出口(22、61)を介して前記毛髪に蒸気を当てるステップとを含み、前記蒸気出口(22、61)から出る蒸気の総流量は、好ましくは、0.5g/min~2g/minであり、より好ましくは0.7g/min~2g/minである、方法。
【請求項18】
本発明の前記デバイス(1)を使用する前および/または後、好ましくは前に、毛髪の房に化粧品を塗布する少なくとも1つのステップを含み、前記化粧品は、特に毛髪の洗浄、染色、ブリーチ、コンディショニング、またはシェーピングのための組成物であってもよい、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪をスチーム処理するためのデバイス、および毛髪を処理するための対応する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアスタイリングの分野では、ブラシなどの毛髪処理デバイス、特に蒸気を分配するための器具を使用することが一般的である。
【0003】
特許文献1および特許文献2は、気化チャンバを加熱するための第1のユニットと、第1のユニットとは異なる、処理プレートを加熱するための第2のユニットとを備えるストレートニングアイロンを記載している。
【0004】
特許文献3は、蒸気を発生させるブラシを記載している。ブラシ加熱システムと、蒸気を生成するための加熱システムとは異なる。
【0005】
特許文献4は、3つの異なる加熱ユニット、すなわち、気化チャンバ用の加熱ユニットと、処理プレートを加熱するための他の2つの加熱ユニットとを備えるヘアアイロンを記載している。
【0006】
別個の加熱要素を使用するこれらの構成は、2つの要素の加熱を独立して制御することを可能にするので、しばしば好ましい。
【0007】
特許文献5および特許文献6は、処理プレートを加熱するための要素がまた、気化チャンバを加熱し、気化チャンバが蒸気出口への直接的な供給を行うヘアアイロンを記載している。
【0008】
特許文献7は、液体に浸漬された多孔要素と、毛髪を処理するためのプレートとの両方を加熱するための加熱ブロックを備えるカーリングアイロンを記載している。この文書では、多孔要素に含まれる液体が、多孔要素の両側の気化チャンバ内で気化し、気化チャンバは、蒸気出口への直接的な供給を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】CN105708099
【特許文献2】WO2017174035
【特許文献3】CN205866296
【特許文献4】JP2017077432
【特許文献5】EP1967088
【特許文献6】EP2449911
【特許文献7】WO2004002262
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
蒸気を当てることによって毛髪を処理するためのデバイスをさらに改良し、特に、小型でエネルギー損失を制限し、動作の信頼性が高く、一方、製造および使用が比較的単純である、蒸気を加熱し当てることによって毛髪を処理するためのデバイスを有するように改良する必要が依然としてある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、このニーズを満たすことを目的とし、このことを、毛髪をスチーム処理するためのデバイス、特にヘアブラシによって達成し、デバイスは、
処理中に毛髪に接触するようになっている処理プレートと、
液体水が供給される気化チャンバであって、液体水が蒸気に変換される、気化チャンバと、
蒸気を毛髪上に分配するための少なくとも1つの分配チャンバであって、気化チャンバとは異なり、気化チャンバと流体連通している、分配チャンバと、
処理プレートと気化チャンバとの間に配置され、気化チャンバを水蒸発温度以上の温度まで加熱し、処理プレートの少なくとも一部を加熱するように構成された加熱システムと、
を有する。
【0012】
本発明によるデバイスでは、一方では、蒸気を生成し、他方では、処理プレートを加熱するのに必要な加熱手段が共用される。したがって、加熱手段は、作製されるデバイスを小型化するのを可能にする利点を有する。さらに、放出される熱を最適に使用することによって、エネルギー損失を低減させることができる。
【0013】
気化チャンバとは異なる蒸気分配チャンバが存在すると、デバイスの向きにかかわらず、処理中に毛髪上に滴る水の量が制限される。したがって、より信頼性の高い動作が実現され、デバイスは、その向きに関して悩む必要なしに使用することができるので、ユーザにとってより使いやすい。
【0014】
蒸気分配チャンバは、蒸気出口において蒸気を分配してもよく、または蒸気出口の全部または一部において蒸気を分配してもよい。
【0015】
好ましくは、処理プレートは、毛髪に接触するかまたは毛髪に面するようになっている。好ましくは、前記処理プレートは、平坦な外面または外側に向かってドーム形の外面を有するベースを備える。好ましくは、前記処理プレートは、真横から見たときに、実質的に多角形、特に矩形または方形の輪郭を有するが、円形または卵形であってもよい。
【0016】
好ましくは、処理デバイスは、主軸に沿って細長い形状を有する。変形形態として、デバイスは、異なる、細長くない形状を有する。
【0017】
好ましくは、処理デバイスは、ハンドルとヘッドとを有する。ハンドルは、デバイスの把持を容易にし、追加の要素、特にユーザインターフェース、水容器、および場合によっては化粧品容器をデバイスに付加することを可能にする。好ましくは、ヘッドは、気化チャンバと、1つまたは複数の分配チャンバと、加熱システムと、プレートとを備える。
【0018】
処理デバイスのヘッドは、断面が任意の形状を有してもよい。好ましくは、デバイスのヘッドは、実質的に多角形であり、特に実質的に矩形または実質的に方形、実質的に卵形または円形の断面を有する。一方の側では多角形の輪郭を有し、他方の側では非多角形、特に丸形の輪郭を有する断面など、他の断面形状が考えられる。好ましくは、デバイスのヘッドは、断面が概ね平坦になっている。
【0019】
ブラシ
デバイス、特にデバイスのヘッド、特に処理プレートは、毛髪をすくための複数の歯を備えてもよい。歯は、好ましくは、処理プレートのベースから延びる。
【0020】
好ましくは、処理面のベースは、毛髪に接触するようになっている実質的に平坦な表面を備え、この表面から歯が延びている。
【0021】
少なくとも1つの歯、好ましくは歯のうちの少なくともいくつか、より好ましくは歯の全部が、処理プレートのベースに挿入された近位部を有してもよい。変形形態として、少なくとも1つの歯、好ましくは歯の全部が、処理プレートのベースと一体に形成されるか、またはベースに取り付けられる。
【0022】
歯のうちの少なくとも1つ、好ましくは歯のうちの少なくともいくつか、より好ましくは歯の全部が、断熱材料から作られてもよい。歯のうちの少なくとも1つ、好ましくは歯のうちの少なくともいくつか、より好ましくは歯の全部が、熱伝導材料、特に金属から作られてもよい。
【0023】
好ましくは、処理デバイスは、ブラシであり、処理プレートは、特に複数の歯を備える。
【0024】
「ブラシ」という用語は、複数の歯を保持する単一のアームによって構成された毛髪処理デバイスを意味し、ブラシが毛髪を通過するときに毛髪が歯同士の間に受け入れられることを理解されたい。ブラシは、歯の単一の列を備えてもよいが、好ましくは、歯の複数の列を備え、これらの列は、千鳥配列であってもよい。
【0025】
「歯」という用語は、「ブリッスル」または「スパイク」と呼ばれることもあり、ブラシから突出する要素を意味し、ブラシが毛髪を通過するときに毛髪が歯同士の間に受け入れられることを理解されたい。歯は、任意の形状を有してもよい。歯は、可とう性または剛性を有してもよく、適用可能な場合には、丸形のヘッドまたはボールを先端に有してもよい。
【0026】
本発明によるデバイスは、毛髪をブラッシングしつつ毛髪を効率的に処理することを可能にする。本発明によるデバイスによって、特に、毛髪を加熱して毛髪に蒸気を当てることを一度に行うことが可能である。本発明によるデバイスは、毛髪が持続性形状を有することを可能にする。
【0027】

好ましくは、歯は、ブラシの処理プレートのベースから延びる。
【0028】
歯は、歯の少なくとも1つの列において延び、好ましくは、歯の各列がブラシの主軸に平行に延びる、歯の少なくとも2つの列において延びてもよい。
【0029】
ブラシの処理プレートは、真横から見たときに実質的に矩形または楕円形を有してもよく、歯は、歯のいくつかの列において延びてもよく、各列は、実質的に矩形または楕円形の輪郭の処理面を有するブラシの場合にはブラシの主軸に沿って延びる。
【0030】
好ましくは、歯の列は各々、少なくとも3つの歯、好ましくは10~40個の歯、より好ましくは15~40個の歯を備える。
【0031】
複数の歯のうちの少なくとも1つの歯、好ましくは歯のうちのいくつか、より好ましくは歯の全部が、加熱システムによって、特に180℃以上の温度に加熱されてもよい。歯を加熱することと蒸気を当てることを組み合わせると、毛髪の処理を向上させることが可能になる。特に、これは、蒸気塗布空間、特に歯同士の間の空間に蒸気が射出されたときに、これらの空間により高い温度を維持することを可能にする。また、蒸気を当てる前および蒸気を当てた後に毛髪を乾熱で加熱することが可能になり、毛髪の蒸気処理が改善される。
【0032】
同じ加熱システムを使用して蒸気を生成して処理プレートの歯を加熱すると、取り扱いがより容易な軽量のデバイスを有することが可能になる。
【0033】
処理プレートの歯のうちの少なくともいくつか、好ましくは処理プレートの歯の全部が、熱伝導材料、特に鉄、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、黒鉛、またはセラミックで作られてもよい。
【0034】
好ましくは、熱伝導材料は、熱伝導率が10Wm-1-1よりも高く、より良好には50Wm-1-1よりも高く、さらに良好には100Wm-1-1よりも高い。好ましくは、熱伝導材料は、金属、特に銅、アルミニウム、および鉄鋼から選択される。代替的に、熱伝導材料はセラミック製であってもよい。
【0035】
加熱システムは、歯のうちの少なくともいくつか、特に少なくとも2つの歯、好ましくは歯の少なくとも1つまたは複数の列を加熱してもよく、特に、熱伝導材料から作られた歯の全部を加熱してもよい。これによって、歯を加熱手段によって容易に加熱することが可能になり、毛髪を加熱コーミング領域において高温面に接触させることが可能になる。前記歯は、頭皮に接触する熱を制限するために断熱材料、特にエラストマーまたはプラスチックから作られた熱シールドを歯の端部に有してもよい。
【0036】
好ましくは、歯は、高さが2mm~50mm、より好ましくは5mm~20mmである。
【0037】
好ましくは、歯は、表面突起を有さない。
【0038】
好ましくは、歯のうちの少なくともいくつか、好ましくは歯の全部が、処理プレートのベースに取り付けられ、特に処理プレートのベースの穴の中に固着される。変形形態として、歯のうちの少なくともいくつか、好ましくは歯の全部が、処理プレートのベースと一体に形成される。
【0039】
歯は、処理プレートのベースに垂直に延びてもよく、または前記処理面に対して傾斜してもよい。
【0040】
好ましくは、歯は、その全部が相互に平行な軸に沿って延びる。
【0041】
歯のうちのいくつかは、頭皮が火傷する危険性を制限するために、特に、上述のように端部において、熱伝導率が低い材料、たとえば、エラストマーまたはプラスチックから作られてもよい。
【0042】
好ましくは、熱伝導率が低い材料は、熱伝導率が0.2~0.5Wm-1-1を含む。
【0043】
ブラシには、熱伝導材料から作られた歯の列および熱伝導率が低いかまたは熱伝導率を有さない材料から作られた歯の列がブラシの主軸に垂直な軸に沿って交互に配置されてもよい。
【0044】
熱伝導率が低いかまたは熱伝導率を有さない材料で作られた歯は、異なる高さを有してもよく、特に熱伝導材料で作られた歯よりも高くてもよい。したがって、熱伝導材料よりも高い、熱伝導率の低い歯があることによって、頭皮と熱伝導材料との間の接触を制限することが可能になり、熱伝導率が低いかまたは熱伝導率を有さない歯のみが頭皮に接触する。
【0045】
プレートのベースは、好ましくは熱伝導材料から作られ、熱伝導材料は、加熱システムとプレートのベースとの間の熱交換のための表面を最大にすることを可能にし得る。歯のうちの少なくともいくつかは、プレートのベースに取り付けられてもよく、熱伝導率が低い材料、特に断熱材料から作られてもよい。歯のうちの少なくともいくつかは、プレートのベースと一体に形成されてもよい。
【0046】
変形形態として、プレートのベースは、熱伝導率が低い材料、特に断熱材料から作られてもよい。この場合、歯のうちの少なくともいくつかは、プレートのベースに取り付けられ、上述のように熱伝導材料から作られてもよい。加熱されるようになっていない歯の少なくともいくつかは、プレートのベースと一体に形成されるかまたはベースに取り付けられ、熱伝導率が低い材料または熱伝導率を有さない材料から作られてもよい。
【0047】
加熱システム
好ましくは、気化チャンバは、主として加熱システムによって加熱され、特に加熱システムによってのみ加熱される。
【0048】
好ましくは、加熱システムは、単一の加熱部材を備える。変形形態として、加熱システムは、複数の加熱部材、たとえば、気化チャンバと処理プレートとの間に配置された2つの加熱部材を備え、加熱部材は、気化チャンバを水蒸発温度以上の温度にするように構成される。複数の加熱部材が使用されるとき、これらの加熱部材は、互いに隣接するか、または互いに離間され、特に蒸気分配チャンバもしくは少なくとも1つの蒸気出口導管によって分離されてもよい。
【0049】
好ましくは、処理プレートは、能動加熱要素ではなく、特に、処理プレートは、受動加熱要素または絶縁要素であってもよい。
【0050】
好ましくは、加熱システムは、処理プレートから分離された能動加熱要素である。
【0051】
「受動加熱要素」という用語は、熱抵抗器または他の能動加熱手段など、要素自体が熱の発生源である能動加熱要素と対照的に、熱を伝導することができるが、要素自体が熱を発生させることはない要素として理解されるべきである。処理プレートは、好ましくは、加熱システムおよび/または蒸気の熱のみを受ける。
【0052】
加熱システムは、好ましくは、処理プレートから分離される。
【0053】
「処理プレートから分離される」という用語は、処理プレートと同じ材料で作られておらず、かつ/または処理プレートに組み込まれていないと理解されるべきである。
【0054】
処理プレートおよび加熱システムは、異なる材料であってもよい。
【0055】
好ましくは、処理プレートと加熱システムとの間で材料は連続していない。
【0056】
加熱システムは、特に、1つもしくは複数の加熱抵抗器または任意の他の適切な加熱手段を備え、特にそのような加熱手段からなってもよい。
【0057】
加熱手段は、実質的に平行六面体形状であってもよい。
【0058】
加熱システムは、気化チャンバに面する主面と、処理プレートに面する反対側の主面とを有してもよい。
【0059】
加熱システムは、その主面のうちの1つを介して、処理プレートの表面、特に処理プレートのベースの下面に接触してもよい。
【0060】
加熱システムは、その主面のうちの一方、特に、処理プレートに接触する面の反対側の面を介して、気化チャンバを画定する壁と接触してもよい。
【0061】
加熱システムとプレートとの間の界面、および加熱システムと気化チャンバの壁との間の界面に熱ペーストが配置されてもよい。
【0062】
好ましくは、加熱システムは、気化チャンバを加熱し、それによって、使用時に、特に、液体水が気化チャンバに流入する際には常に、気化チャンバ内の温度が蒸発温度以上になるように構成される。
【0063】
加熱システムは、気化チャンバを100℃~200℃の温度、好ましくは110℃~180℃の温度に加熱するように構成されてもよい。
【0064】
加熱システムは、処理プレートの少なくとも一部を100℃~250℃、好ましくは150℃~230℃、より好ましくは170℃~210℃の温度に加熱するように構成されてもよい。
【0065】
加熱システムは、50W、場合によっては、100W、200W、または500W以上の電力を有してもよい。特に、加熱システムの加熱電力は、到着する水の流量および水の温度に鑑みて、水が気化チャンバに到着したときに、水の全部が気化チャンバ内で連続的に気化されるように選択される。
【0066】
デバイスは、加熱システムをオンにするためのスイッチを備えてもよい。たとえば、加熱システムが加熱抵抗器を備える場合、スイッチは、加熱抵抗器をオンに切り替えるか、または加熱抵抗器を加熱するための制御回路をオンに切り替えることを可能にしてもよく、制御回路は、たとえば、温度を調節し、設定点温度を維持するように加熱抵抗器に電力を供給する。
【0067】
スイッチは、セレクタ、たとえば、2つまたは3つの位置を有するボタンを介してユーザによって操作されてもよい。
【0068】
ブラシの場合、セレクタは、把持ハンドル上に位置決めされてもよい。
【0069】
セレクタはまた、加熱システムの温度を変更することを可能にしてもよい。したがって、処理プレートおよび/またはブラシの歯の温度は、処理される毛髪のタイプおよび/または実施される処理の特性に適応されてもよい。したがって、同じデバイスが、2種類以上の毛髪を処理するために使用されてもよい。
【0070】
本発明によるデバイスは、電源を含んでもよい。たとえば、蓄電池および/もしくはバッテリならびに/またはコンセントもしくは電源アダプタに接続された電気ケーブルによって電力が供給される。
【0071】
電源は、特に、加熱システムの加熱抵抗器に直接、または制御回路を介して間接的に、電力を供給することを可能にしてもよい。
【0072】
気化チャンバ
気化チャンバは、気化される液体を吸収するための要素を有さなくてもよい。したがって、デバイスは、製造がより容易であり、より軽量である。したがって、デバイスは、取り扱いがより容易であり、ブラシの場合、毛髪をいくつかの方向にブラッシングすることが可能になる。水の気化も容易になり、ライムスケールの形成が制限される。
【0073】
気化チャンバは、好ましくは加熱システムの反対側に、処理プレートに向かって凹状である少なくとも1つの壁、特に、断面が円の一部の形状である壁を含んでもよい。気化チャンバ用のそのような形状は、気化チャンバにおいて蒸気の実質的に一定で均質の圧力および温度を有することを可能にし、それによって、気化チャンバに含まれる蒸気中に液体水の粒子が混濁状態で存在するのを制限する。
【0074】
好ましくは、気化チャンバは、加熱システムに接触する実質的に平坦な壁を備える。
【0075】
気化チャンバは、実質的に多角形、特に矩形の断面を有してもよい。そのような形状は、気化チャンバをその幅全体にわたって実質的に一様に加熱し、蒸気を迅速に発生させることを可能にする。
【0076】
気化チャンバの断面は、表面積が3cm~10cm、より好ましくは4cm~7cm、たとえば、5cm程度であってもよい。
【0077】
気化チャンバの体積は、好ましくは20cm~100cm、より好ましくは30cm~70cm、たとえば、45cm程度であってもよい。
【0078】
そのような気化チャンバは、毛髪の効率的な処理を確実に行い、それにもかかわらず十分に小型で軽量のデバイスを有するのに十分な蒸気を保持することができる。
【0079】
デバイスは、気化チャンバへの液体水用の入口を含む。
【0080】
水入口は、液体水容器に接続されてもよい。デバイスは、たとえば、ハンドル内に容器を含んでもよい。デバイスは、水容器と気化チャンバとの間のポンプを含んでもよい。容器は、体積が1ml~50mlであってもよい。そのような体積は、処理中に容器を再充填する必要なしに毛髪を完全に処理することができるようにするのに十分な水を保持するのを可能にし、デバイスが携帯可能で小型になる。
【0081】
デバイスは、好ましくは携帯可能である。
【0082】
一変形形態では、容器はデバイスから離れていてもよい。特定の一実施形態では、デバイスは、ハンドヘルド構成要素とベースとを備える。ベースは、水容器を有してもよい。デバイスのハンドヘルド構成要素は、たとえば、水を循環させることを可能にするホースによって、ベースに接続されてもよい。ハンドヘルド構成要素は、供給デバイス、たとえば、ポンプによって水を供給されてもよい。そのようなデバイスを用いると、ハンドヘルド構成要素は、水を含まないのでより軽量になり得る。これによって、毛髪の処理が容易になる。さらに、デバイスから離れた容器は、より多くの水を保持し得る。容器を再充填することが必要になる前にいくつかの処理を実行することが可能になり得る。
【0083】
デバイスは、気化チャンバに水を供給するためのシステム、特にポンプを含んでもよい。供給システムは、気化チャンバの温度の関数として、またはデバイスが起動されてから経過した時間の関数として、気化チャンバに供給を行うように構成されてもよい。供給システムは、チャンバの温度が既定のしきい値温度を超えたとき、またはデバイスが始動されてから経過した時間が、特に気化チャンバが既定のしきい値温度に到達するのにかかる時間に対応する、所定の時間以上になったときにのみ、気化チャンバに供給を行うように構成されてもよい。気化チャンバの温度は、気化チャンバ内に配置されるか、または加熱システムと気化チャンバとの間の界面に配置されたセンサを使用して測定されてもよい。
【0084】
水の取り込みを温度の関数として制御すると、蒸気ではなく液体水を加える危険性を制限することが可能になる。
【0085】
デバイスは、毛髪に蒸気を当てるかどうかを制御するように構成された蒸気制御部材を含んでもよい。たとえば、蒸気制御部材は、気化チャンバへの水の取り込みを制御してもよい。ユーザは、毛髪に蒸気を当てることを望むとき、蒸気制御部材を作動させ、蒸気制御部材は次いで、たとえば、容器に接続されたポンプを制御して液体水を気化チャンバに送り込む。
【0086】
分配チャンバ
デバイスは、単一の蒸気分配チャンバを含んでもよい。
【0087】
変形形態として、デバイスは、複数の分配チャンバ、特に2つの分配チャンバ、特に気化チャンバの両側に配置された2つの分配チャンバを備える。
【0088】
その分配チャンバまたは少なくとも1つの分配チャンバは、気化チャンバと加熱システムとの重ね合わせに対して少なくとも部分的に横方向に延びてもよい。好ましくは、分配チャンバの全部が、気化チャンバと加熱システムとの重ね合わせに対して少なくとも部分的に横方向に延びる。1つまたは複数の分配チャンバのそのような横方向構成は、実質的に加熱システムと気化チャンバとの結合厚さに対応する厚さを有する分配チャンバを作製することが可能になる。これによって、デバイスは、なお一層小型になり、気化チャンバおよび加熱システムとの熱交換が最大化する。具体的には、その分配チャンバまたは各分配チャンバが水蒸発温度を超える温度にあり、それによって、水滴が気化チャンバからこのチャンバに噴霧された場合に、これらの滴が分配チャンバ内部で蒸気に変換され、それによって、蒸気のみがデバイスから出ると有益であり得る。
【0089】
少なくとも1つの分配チャンバが、加熱システムの2つの加熱部材間を、気化チャンバから蒸気出口、特に処理プレートにおける蒸気出口まで延びてもよい。
【0090】
分配チャンバの断面は、0.1cm~2cm、より好ましくは0.3cm~1cmの範囲であり、たとえば、0.5cm程度であってもよい。
【0091】
デバイスが2つの分配チャンバを有するときには、これらの分配チャンバは、上述のように、気化チャンバと加熱システムとの重ね合わせの両側に、好ましくは、気化チャンバおよび加熱システムの厚さ以上の厚さにわたって配置されてもよい。
【0092】
分配チャンバは、好ましくは、気化チャンバの壁によって気化チャンバから分離されたより広いベースを有する。これによって、加熱システムを気化チャンバの上方に位置決めするためのショルダを形成することが可能になり得る。
【0093】
分配チャンバは、好ましくは、L字形断面を有する。上述のより広いベースを形成するLの下部は、気化チャンバに対して横方向に延びてもよい。Lの上部は、加熱システムに対して横方向に延びてもよい。
【0094】
1つまたは複数の分配チャンバのベースは、気化チャンバの上部と実質的に同じ高さに配置されてもよい。そのような構成は、気化チャンバの下部に残る液体水が分配チャンバに流入するのを防止する。したがって、ほぼ蒸気のみが気化チャンバから分配チャンバに流れ、液体水は気化チャンバから分配チャンバに流れない。
【0095】
1つまたは複数の分配チャンバは、好ましくは、プレートまたは気化チャンバの実質的に全長にわたって延びる。
【0096】
蒸気出口
処理デバイス、特に分配チャンバは、複数の蒸気出口を含んでもよい。
【0097】
分配チャンバは、蒸気が通過するための少なくとも1つの開口を有してもよく、この開口は、蒸気出口であってもよく、処理プレートに対して横方向に延びるか、または処理プレートを通って延びる。
【0098】
好ましくは、蒸気出口は、処理プレートの周縁の近傍において延びる。
【0099】
蒸気出口領域は、延長軸に沿って延びてもよく、延長軸は、延長軸に沿った処理面の寸法の70%を超え、好ましくは80%を超えて延びる。好ましくは、延長軸は、デバイスの主軸に平行である。
【0100】
その分配チャンバまたは各分配チャンバは、延長軸に沿って、特に蒸気出口領域の全長に沿って延びる蒸気出口、特に単一の蒸気出口を備えてもよい。この場合、蒸気出口は、5mm以上の断面を有する開口を有してもよい。
【0101】
その分配チャンバまたは各分配チャンバは、延長軸に沿って交互に並んだ蒸気出口の少なくとも1つの列において延びる複数の蒸気出口を備えてもよい。
【0102】
蒸気出口の列の蒸気出口は、歯の列において並べられた歯、特にブラシの場合にはブラシの歯、特に、上述のように、ブラシの熱伝導材料から作られた歯と交互に配置されてもよい。変形形態として、蒸気出口は、歯を有さないブラシの領域内に配置される。
【0103】
変形形態として、蒸気出口は、デバイスの処理プレートの周縁からある距離において延びてもよい。ブラシの場合、蒸気出口は、横方向において歯、特に歯の列、特に、上述のように、熱伝導材料から作られた歯と隣接してもよい。
【0104】
好ましくは、蒸気出口は、5ml.min-1以下、好ましくは0.2~4ml.min-1、より好ましくは0.4~2ml.min-1、さらに好ましくは0.5~0.95ml.min-1の蒸気流量を有する蒸気を供給する。
【0105】
蒸気出口の断面は、任意の形状、特に実質的な方形形状、実質的な矩形形状、実質的な丸形もしくは卵形を有してもよい。
【0106】
その蒸気出口または各蒸気出口は、20mm以下、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下、さらに好ましくは2mm以下の開口を有する。
【0107】
蒸気出口は、処理プレート内に作られてもよい。変形形態として、蒸気出口は、処理プレートによって支持される歯の中に作られてもよい。
【0108】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つの歯、好ましくは複数の歯のうちの少なくともいくつかは、中空であってもよく、かつ蒸気出口を含んでもよい。好ましくは、蒸気出口を有する中空の歯は、同じ延長軸に沿って整列される。より好ましくは、蒸気出口を有する中空の歯は、処理プレートの周辺に配置される。
【0109】
中空の歯の中に作られた蒸気出口に供給される蒸気は、蒸気が通過するための開口を介して分配チャンバから流れて来てもよい。各分配チャンバは、蒸気が通過するための開口、特に蒸気が通過するための単一の開口を備えてもよく、開口は、中空の歯の列の延長軸に沿って延び、特に、蒸気出口を有する中空の歯を備える領域の全長に沿って延びる。この場合、蒸気が通過するための開口は、5mm以上の開口を有してもよく、歯またはプレートは、より狭い部分を有し、蒸気出口穴を画定し、蒸気出口穴を通って、蒸気がデバイスから放出される。
【0110】
デバイスの本体
処理プレート、加熱システム、気化チャンバ、および/または、1つまたは複数の蒸気分配チャンバは、平行な長手方向軸に沿って延びてもよい。
【0111】
主軸に沿って延びるブラシの場合、処理プレート、加熱システム、気化チャンバ、および/または、1つまたは複数の分配チャンバは、ブラシの主軸に平行な長手方向軸に沿って延びてもよい。
【0112】
1つまたは複数の分配チャンバ、および気化チャンバは、断面材(profile section)によって形成されてもよい。
【0113】
デバイスは、壁によって分離された少なくとも2つの長手方向キャビティを有する中空本体を備えてもよく、長手方向キャビティはそれぞれ、気化チャンバおよび分配チャンバを形成する。デバイスは、加熱システム用のハウジングを有し、ハウジングは、好ましくは実質的に多角形であり、特に矩形の断面を有し、断面は、本体の少なくとも1つの外面、特に、気化チャンバの壁、および場合によっては分配チャンバの壁によって画定される。このハウジングは、処理プレートの下面、特に処理プレートのベースによって閉鎖されてもよい。
【0114】
好ましくは、中空本体は単一のブロックとして作られ、特に単品として一体に形成される。好ましくは、中空本体は、熱伝導材料、たとえば、金属から作られる。好ましくは、中空本体は、金属の断面材で形成される。蒸気が各分配チャンバから出るのを可能にする上述の通路開口は、断面材の長さの大部分にわたって延びる長手方向スロットの形をとってもよい。
【0115】
デバイスの中空本体は、金属の断面材、特にアルミニウムの断面材で形成されてもよい。
【0116】
好ましくは、中空本体は、デバイスの絶縁ケーシングに受け入れられる。これによって、ユーザを熱から保護することが可能になる。
【0117】
好ましくは、加熱システムを受け入れるハウジングは、実質的に矩形の断面を有し、ハウジングの主面は、気化チャンバの壁および処理プレートの表面によって画定される。
【0118】
好ましくは、加熱システムの幅は、ハウジングの幅に対応する。
【0119】
ハウジングの横面のうちの1つは、分配チャンバの壁によって画定されてもよい。
【0120】
処理プレートは、中空本体、特に、ハウジングを蒸気分配チャンバから分離する壁によって形成された本体の表面に接触し得る。
【0121】
デバイスの本体内の様々な要素のそのような構成は、小型デバイスを取得することを可能にする。
【0122】
蒸気ダクト
デバイスは、蒸気を蒸気出口に供給するための少なくとも1つのダクト、好ましくは少なくとも2つのダクトを含んでもよい。
【0123】
好ましくは、少なくとも1つのダクト、より好ましくは、少なくとも2つのダクトは、1つまたは複数の分配チャンバと、1つまたは複数の分配チャンバに蒸気を供給するための気化チャンバとの間を延びる。
【0124】
そのダクトまたは各ダクトは、気化チャンバおよび分配チャンバの長手方向端部において延びてもよい。
【0125】
好ましくは、ダクトは、たとえば、分配チャンバの上述のより広いベースにおけるプレートの反対側の分配チャンバのベースに存在する。好ましくは、ダクトは、気化チャンバの上部に存在する。
【0126】
そのダクトまたは各ダクトは、湾曲部分および/または直線部分を含んでもよい。
【0127】
ダクトは、分配チャンバを気化チャンバと流体連通させてもよい。複数の分配チャンバがある場合、変形形態として、ダクトは分配チャンバの全部を気化チャンバと流体連通させてもよい。
【0128】
エンドカバー
デバイスは、デバイスの長手方向端部のうちの少なくとも1つ、好ましくはデバイスの長手方向端部の両方に、少なくとも気化チャンバおよび分配チャンバをこの端部において閉鎖するためのエンドカバーを含んでもよい。
【0129】
そのエンドカバーまたは各エンドカバーは、気化チャンバと1つまたは複数の分配チャンバとの間の流体連通のためのダクトを少なくとも部分的に形成する少なくとも1つの溝を有してもよい。
【0130】
好ましくは、溝は、気化チャンバおよび分配チャンバに面する面であるカバーの内面上に作られる。
【0131】
処理デバイスは、使用時、たとえば、毛髪をブラッシングする際に、それぞれに異なる方向に向けられてもよい。分配チャンバおよび気化チャンバを流体連通させるためのダクトは、デバイスの向きにかかわらず、気化チャンバに含まれる液体水が分配チャンバに流入することを確実に阻止する。
【0132】
溝は、少なくとも1つの屈曲部、好ましくは、互いに反対方向の2つの屈曲部を有してもよく、したがって、エンドカバーを真横から見たときに概ねS字形を有してもよい。
【0133】
変形形態として、溝は、エンドカバーを真横から見たときに直線状である。
【0134】
そのダクトまたは各ダクトは、基本的に直線状であってもよい。そのダクトまたは各ダクトは、デバイスの長手方向軸に対して横断方向に延びてもよく、エンドカバーの少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%にわたって延びてもよい。
【0135】
シール
デバイスは、そのカバーまたは各カバーとデバイスの本体との間にシールを含んでもよく、シールは、少なくとも1つの開口を備える。
【0136】
好ましくは、シールは、以下の開口を備える。
一方では、分配チャンバ、特に分配チャンバの下部に面し、他方では、エンドカバー内に作られた溝に面する開口、
一方では、気化チャンバ、特に気化チャンバの上部に面し、他方では、エンドカバー内に作られた溝に面する開口。
【0137】
変形形態として、シールは、気化チャンバおよび少なくとも1つの分配チャンバに面して延びる単一の開口を備える。
【0138】
好ましくは、シールおよびエンドカバーを、気化チャンバの長手方向軸に沿って重ね合わせた状態で見たときに、シールにおける開口は、エンドカバーにおける溝に少なくとも部分的に重ね合わせられる。このようにして、気化チャンバと1つまたは複数の分配チャンバとの間のダクトが形成され得、このダクトを介して分配チャンバ内に蒸気が流入し得る。
【0139】
蒸気が気化チャンバから1つまたは複数の分配チャンバに流れるのを可能にするダクトはまた、シールの厚さ方向に一体的に形成されてもよく、エンドカバーは、たとえば、中空のレリーフを有さないシールに接触する面を有する。
【0140】
本発明は、その上記の態様から独立しているかまたは上記の態様と組み合わされる、本発明の態様のうちの別の態様によれば、毛髪をスチーム処理するためのデバイス、特にヘアブラシにさらに関し、デバイスは、
液体水が供給され、液体水を気化するように加熱される中空本体と、
中空本体の長手方向端部に配置された少なくとも1つのエンドカバーであって、蒸気を、中空本体の1つのキャビティから別のキャビティへと、中空本体の外部へ運ぶように構成されたダクトを備える、エンドカバーと、を備える。
【0141】
本発明のこの態様は、中空本体の製作を簡略化する利点を有する。この態様は、本体を押し出し成形された断面材として製作するために使用され得る。
【0142】
本発明は、その上記の態様から独立しているかまたは上記の態様と組み合わされる、本発明の態様のうちの別の態様によれば、毛髪をスチーム処理するためのデバイス、特にヘアブラシに関し、デバイスは、一体型の中空本体、好ましくは断面材を備え、中空本体は、少なくとも2つのキャビティを有し、各キャビティは、長手方向に延び、横断方向に重ね合わせられ、壁によって横断方向に分離され、それぞれ、気化チャンバ、および加熱システムを受け入れるようになっているハウジングを形成し、
前記中空本体の少なくとも1つの外面は、処理中に毛髪に接触するようになっている処理プレートを形成する。
【0143】
処理プレートは、デバイスの中空本体と一体に作られ、好ましくは断面材の一部を形成してもよい。したがって、デバイスは製造が容易である。
【0144】
プレートは、平滑であってもよく、たとえば、それによって、デバイスは、縮毛矯正のために使用されてもよい。変形形態として、プレートは、歯または他のレリーフを形成するように機械加工されてもよい。
【0145】
本発明は、その上記の態様から独立しているかまたは上記の態様と組み合わされる、本発明の態様のうちの別の態様によれば、毛髪をスチーム処理するためのデバイス、特にヘアブラシに関し、デバイスは、中空本体、たとえば、断面材を備え、中空本体は、少なくとも2つのキャビティを有し、各キャビティは、長手方向に延び、横断方向に重ね合わせられ、壁によって横断方向に分離され、それぞれ、気化チャンバ、および加熱システムを受け入れるようになっているハウジングを形成し、中空本体は、その外面に作られた少なくとも1つの長手方向スロットをさらに備え、長手方向スロットを通して、気化チャンバ内で形成された蒸気が放出される。
【0146】
処理プレートは、長手方向スロット上に重ね合わせられるように、中空本体上に配置されてもよい。処理プレートは、蒸気出口を形成する開口を含んでもよい。したがって、処理プレートにおける蒸気出口は、中空本体における長手方向スロットを介して蒸気を供給されてもよい。そのような構成は、処理プレート全体にわたって蒸気を確実に一様に分散させるのを可能にし、したがって、毛髪の処理を向上させる。
【0147】
処理方法
本発明の態様のうちの別の態様によれば、本発明は、本発明によるデバイスを使用して毛髪を処理するための方法にさらに関し、方法は、毛髪を処理プレートに接触させるステップと、1つまたは複数の蒸気出口を介して毛髪に蒸気を当てるステップとを含む。
【0148】
好ましくは、蒸気出口から出る蒸気の総流量は、0.5g/min~2g/min、より好ましくは0.7g/min~2g/minであってもよい。
【0149】
好ましくは、方法は、ヘアブラッシング処理である。
【0150】
上記で説明されたデバイスの機能は、互いに組み合わされるかまたは別々に方法に適用される。
【0151】
方法は、毛髪の一部またはすべてを完全に処理するために数回繰り返されてもよい。
【0152】
方法は、毛髪をリンスする1つまたは複数のステップを含んでもよい。
【0153】
方法は、本発明のデバイス、特にブラシを使用する前または後、好ましくは前に、毛髪の房に化粧品を塗布する少なくとも1つのステップを含んでもよい。
【0154】
化粧品は、毛髪の洗浄、染色、ブリーチ、コンディショニング、またはシェーピングのための組成物であってもよい。好ましくは、化粧品は、ヘアーシェーピング組成物、特に、毛髪をカールするか、セットするか、または好ましくは弛緩させるかもしくは縮毛矯正するための組成物である。
【0155】
本発明の方法に従って使用することができる化粧品は、液体、ゲル、シングルエマルション(O/WもしくはW/O)もしくは多相エマルションの形態のミルクもしくはクリーム、または固形物であってもよい。
【0156】
化粧品は、還元剤、特にチオール、酸化剤、特に過酸化水素または過硫酸塩などの過酸塩、着色剤、特に顔料、直接染料または酸化染料、一時シェーピング剤、特に、好ましくはアニオン性、両性、または非イオン性のスタイリングポリマー、コンディショニング剤、特にシリコーン、鉱油または植物油、植物ワックス、カチオン性界面活性剤またはカチオン性ポリマー、アルカリ剤または酸から選択される1つまたは複数の活性薬剤を含んでもよい。なお一層好ましくは、化粧品は、水酸化物タイプの酸化剤、還元剤、またはアルカリ剤から選択される1つまたは複数の薬剤を含む。
【0157】
本発明は、その非制限的実装例の以下の説明を読み、添付の図面を検討することによって、よりよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0158】
図1】変形実施形態によるデバイスの一例を概略的に示す図である。
図2図1におけるデバイスの断面図である。
図3図1におけるデバイスの分解図である。
図4】本発明の一変形形態によるデバイスの本体の斜視図である、
図5図4におけるデバイスの本体の端面図である。
図6図4におけるデバイスの本体の分解図である。
図7図4におけるデバイスの本体の断面図である。
図8図7のエンドカバーを単独で示す図である。
図9図7のエンドシールを単独で示す図である。
図10】変形実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0159】
図1図3は、本発明によるデバイス1の実施形態の一例を示す。デバイスは、主軸Xに沿って延びている。デバイス1は、ベース10と、近位端がベース10に取り付けられた歯20とを含む処理プレート2を備える。
【0160】
デバイス1は、図示のように、処理プレートの周囲において延び、蒸気出口22を備える中空の歯21をさらに備えてもよい。
【0161】
デバイス1は、金属の断面材で形成された中空本体4を備え、中空本体4は、3つの長手方向キャビティを有し、キャビティは、壁によって分離され、それぞれ、図2および図3に示される、気化チャンバ5ならびに2つの分配チャンバ6aおよび6bを形成する。
【0162】
デバイス1は、加熱システム3を受け入れるようになっているハウジング30を有する。ハウジング30は、区分された中空本体4に沿って延び、たとえば、矩形の断面を有し、このハウジングの下部は、気化チャンバ5の隔壁90によって画定される。ハウジングは、横方向において、分配チャンバ6aおよび6bの隔壁91、ならびに処理プレート2の表面によって画定される。
【0163】
気化チャンバ5は、たとえば、断面が矩形である。分配チャンバ6aおよび6bは、たとえば、断面がL字形であり、軸Xを含む正中対称面に対して互いに対称である。
【0164】
加熱システム3は、平坦な形状を有し、気化チャンバに面する主面31と、処理プレートに面する反対側の主面32とを有する。
【0165】
加熱システム3は、ハウジング30において処理プレート2と気化チャンバ5との間に配置される。したがって、加熱システム3は、気化チャンバ5、処理プレート2のベース、および歯を同時に加熱する。
【0166】
各チャンバ6aおよび6bは、壁50によって気化チャンバ5から分離されたより広いベース60を有する。
【0167】
各分配チャンバ6aおよび6bは、分配開口61を備え、分配開口61を通って蒸気が流出する。図3に見られるように、分配開口61は、スロットによって形成され、処理プレート2の長さの80%を超える長さにわたって延びてもよい。開口61の各々は、蒸気出口22を備える中空の歯21の列の下方に位置する。分配チャンバ6aおよび6bに含まれる蒸気は、分配開口61を通過し、次いで蒸気出口22を通過し、その後、処理中に毛髪に当てられる。
【0168】
各分配チャンバ6a、6bの上壁は、蒸気が通過する開口61を含み、処理プレートから奥まっている。
【0169】
デバイス1は、図示の例では、長手方向においてデバイスのヘッドの下を延びる液体水供給ダクト9をさらに含む。供給ダクトは、エラストマープラスチックまたは銅金属製であってもよい。
【0170】
たとえば、この供給ダクト9は、たとえば、供給ダクト9を気化チャンバ5の長手方向端部に連結する屈曲部によって、気化チャンバ5に接続される。変形形態として、供給ダクト9は、気化チャンバ5の下面51上に存在する開口90を含んでもよい。したがって、このチャンバは、その下面51を介して水を供給されてもよい。
【0171】
液体水が漏れるのを防止するために、供給ダクトと気化チャンバとの間にシールが配置されてもよい。
【0172】
デバイス1は、デバイス1の長手方向端部の各々においてエンドカバー8を含み、エンドカバー8は、この端部において気化チャンバ5ならびに分配チャンバ6aおよび6bを閉鎖する。エンドカバー8は、任意の手段、たとえば、1つまたは複数のねじ83、接着結合、溶接、スナップ嵌合、圧着などによってデバイスに固着されてもよい。シール7、特にエラストマーシールが、図示のように、本体4と各カバー8との間に挿入されてもよい。
【0173】
溝70は、実質的に直線状であり、各エンドカバー8に形成されてもよい。各シール7は、溝70と実質的に同様の形状の開口80を備えてもよく、それによって、エンドカバー8およびシール7がデバイスの本体4に嵌め込まれるときに、開口80が溝70に面する。
【0174】
開口80および溝70は、本体4の外部を気化チャンバ5および分配チャンバ6aおよび6bと連通させるダクト85を形成するのを可能にする。したがって、気化チャンバ内で発生した蒸気は、分配チャンバ6aおよび6bに流れてもよい。
【0175】
エンドカバー8およびシール7は、それらをデバイスの本体4に固着するためにねじ83を受け入れるための穴84を含んでもよい。
【0176】
一変形実施形態を図4から図7に示す。
【0177】
この変形形態では、デバイスの本体4は、異なる断面を有し、それにもかかわらず金属の断面材で形成される。
【0178】
本体は、3つの長手方向キャビティを有し、そのうちの2つのキャビティは、壁50によって分離され、それぞれ、気化チャンバ5および分配チャンバ6を形成する。第3のキャビティは、加熱システムを受け入れるようになっているハウジング30を形成する。
【0179】
ハウジング30は、たとえば、矩形の断面を有する。当該の例では、ハウジング30は、気化チャンバ5の隔壁90、分配チャンバ6の隔壁91、および処理プレート2の表面92によって画定される。
【0180】
気化チャンバ5は、図示のように、隔壁91の反対側の、たとえば、処理プレート2に向かって凹状である隔壁93を含む。
【0181】
気化チャンバ5は、取水部、たとえば、チューブ92を介して液体水を供給され、チューブ92は、エンドカバーおよびシールを通過して、気化チャンバ内に現れる。チューブ92は、銅またはエラストマープラスチックで作られてもよい。このチューブ92は、図7に示されているように、水をいくつかの方向に送出することを可能にする。
【0182】
この例では、処理プレート2は、中空本体4の上面25で形成される。図示されていない変形形態では、中空本体の上面25に処理プレート2が取り付けられる。
【0183】
加熱システム3は、気化チャンバ5と処理プレート2との間に配置され、気化チャンバ5および処理プレート2を同時に加熱する。
【0184】
図4に示されているように、デバイスは、電源ケーブル100を含んでもよい。このケーブルは、たとえば、加熱システムに電力を供給してもよい。変形形態として、デバイスは、デバイスの取り扱いをより容易にするために電源バッテリを有してもよい。
【0185】
分配チャンバ6は、概ねL字形であり、より広いベース60を含む。このベースは、壁50によって気化チャンバ5から分離される。分配チャンバ6のより広いベース60は、少なくとも部分的に気化チャンバ上に重ね合わせられる。分配チャンバ6は、たとえば、前の例と同様の長手方向スロットの形の蒸気分配開口61を上部に含む。各分配チャンバの上壁は、蒸気が通過する開口61を含み、処理プレートから奥まっている。
【0186】
図1図3の実施形態と同様に、デバイスは、デバイス1の長手方向端部の各々においてエンドカバー8を含み、エンドカバー8は、シール7を挿入することによって気化チャンバ5ならびに分配チャンバ6を閉鎖する。
【0187】
図4図9の実施形態では、シール7は、第1の開口81と第2の開口82とを含み、どちらの開口も長楕円形である。第1の開口81は、気化チャンバ5の上部に存在し、第2の開口82は、分配チャンバ6のより広いベース60に存在する。
【0188】
エンドカバー8の厚さ内に溝70が形成される。この溝70は、概ねS字形であり、シール7において2つの開口81および82を接続することを可能にする。このようにして、気化チャンバ5と分配チャンバ6との間にS字形屈曲部を備えるダクトが形成される。ダクトの特定の形状は、処理中に、気化チャンバ5に含まれる液体水が分配チャンバ6に進入し、毛髪上に滴るのを防止する。
【0189】
図10は、本発明の別の変形実施形態を示す。この変形形態では、2つの加熱部材3aおよび3bは、処理プレート2と気化チャンバ5との間に配置される。この変形形態によるデバイスは、単一の分配チャンバ6を備え、2つの加熱部材3aおよび3bは、横方向において分配チャンバ6の両側に配置される。
【0190】
分配チャンバ6は、歯20のない領域において処理プレート2を通って延びる分配開口61を含む。
【0191】
分配チャンバ6は、断面が概ねT字形である。分配チャンバ6は、壁50によって気化チャンバ5から分離される。
【0192】
分配チャンバ6と気化チャンバ5は、他の実施形態を参照しながら上記で説明されたように、エンドカバーに作られた溝によって部分的に形成されたダクトを介して連通している。
【0193】
本発明は、上記で説明された実施形態に限定されない。
【0194】
たとえば、デバイスは、生成物を毛髪に塗布するための化粧品アプリケータを備える。
【0195】
様々な実施形態および変形形態は、適合性がある限り組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0196】
1 デバイス
2 処理プレート
3 加熱システム
3a、3b 加熱部材
4 中空本体、本体
5 気化チャンバ
6、6a、6b 分配チャンバ
7 シール
8 エンドカバー
9 液体水供給ダクト
10 ベース
20 歯
21 中空の歯
22 蒸気出口
25 上面
30 ハウジング
31 主面
32 反対側の主面
50 壁
51 下面
60 より広いベース
61 分配開口
70 溝
80 開口
81、82 開口
83 ねじ
84 穴
85 ダクト
90 隔壁
91 隔壁
92 表面、チューブ
93 隔壁
100 電源ケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-05-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪をスチーム処理するためのデバイス(1)であって、
処理中に前記毛髪に接触するようになっている処理プレート(2)と、
液体水が供給される気化チャンバ(5)であって、前記液体水が蒸気に変換される、気化チャンバ(5)と、
蒸気を毛髪上に分配するための少なくとも1つの分配チャンバ(6、6a、6b)であって、前記気化チャンバとは異なり、前記気化チャンバと流体連通している、分配チャンバ(6、6a、6b)と、
前記処理プレートと前記気化チャンバとの間に配置され、前記気化チャンバを水蒸発温度以上の温度まで加熱し、前記処理プレートの少なくとも一部を加熱するように構成された加熱システム(3)と、
を有する、デバイス。
【請求項2】
前記気化チャンバ(5)は、気化される液体を吸収するための要素を有さない、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
把持ハンドルと、前記毛髪をすくための複数の歯(20)を備えるヘッドとを備える、請求項に記載のデバイス。
【請求項4】
前記複数の歯のうちの少なくとも1つの歯(20)は、前記加熱システム(3)によって加熱される、請求項に記載のデバイス。
【請求項5】
加熱システム(3)は、前記気化チャンバ(5)に面している主面(31)と、前記処理プレート(2)に面している反対側の主面(32)とを有する、請求項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記1つまたは複数の分配チャンバ(6、6a、6b)および前記気化チャンバは、断面材によって形成される、請求項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記気化チャンバ(5)は、前記処理プレート(2)に向かって凹状である少なくとも1つの壁(93)を含む、請求項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記分配チャンバまたは少なくとも1つの分配チャンバ(6、6a、6b)は、前記気化チャンバ(5)と前記加熱システム(3)との重ね合わせに対して少なくとも部分的に横方向に延びる、請求項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記デバイスは、前記気化チャンバ(5)への液体水用の入口を含む、請求項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記分配チャンバまたは少なくとも1つの分配チャンバ(6、6a、6b)は、蒸気が通過するための少なくとも1つの開口(61)を有し、前記開口は、蒸気出口であってもよく、前記処理プレート(2)に対して横方向に延びるか、または前記処理プレート(2)を通って延びる、請求項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記デバイスは、前記蒸気出口に蒸気を供給するための少なくとも1つのダクトを含む、請求項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記ダクトまたは各ダクトは、前記気化チャンバおよび前記分配チャンバの長手方向端部において延びる、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
中空本体(4)を備え、前記中空本体(4)は、壁(50)によって分離された少なくとも2つの長手方向キャビティを有し、前記キャビティは、それぞれ、前記気化チャンバ(5)および前記分配チャンバ(6、6a、6b)を形成し、前記デバイスは、前記加熱システム(3)用のハウジング(30)を有する、請求項に記載のデバイス。
【請求項14】
デバイスは、前記デバイスの長手方向端部のうちの少なくとも1つに、少なくとも前記気化チャンバおよび前記分配チャンバを前記端部において閉鎖するためのエンドカバー(8)を含む、請求項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記エンドカバー(8)または各エンドカバー(8)は、前記気化チャンバ(5)と前記1つまたは複数の分配チャンバ(6、6a、6b)との間の流体連通のためのダクトを少なくとも部分的に形成する少なくとも1つの溝(70)を有する、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記デバイスは、前記エンドカバー(8)または各エンドカバー(8)と前記デバイスの前記本体(4)との間にシール(7)を含み、前記シールは、少なくとも1つの開口(80)を備える、請求項14に記載のデバイス。
【請求項17】
前記シール(7)は、
一方では、前記分配チャンバ(6)に面し、他方では、前記エンドカバー(8)内に作られた前記溝(70)に面する開口(82)と、
一方では、前記気化チャンバ(5)に面し、他方では、前記エンドカバー(8)内に作られた前記溝(70)に面する開口(81)と、
を備える、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
請求項に記載のデバイス(1)を使用して毛髪を処理するための方法であって、前記毛髪を前記処理プレート(2)に接触させるステップと、1つまたは複数の蒸気出口(22、61)を介して前記毛髪に蒸気を当てるステップとを含む、方法。
【請求項19】
本発明の前記デバイス(1)を使用する前および/または後、好ましくは前に、毛髪の房に化粧品を塗布する少なくとも1つのステップを含む、請求項18に記載の方法。
【国際調査報告】