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特表2024-5317802種の固体有効成分及び1種の液体有効成分を含む安定な農芸化学組成物、並びに、その調製プロセス
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  • 特表-2種の固体有効成分及び1種の液体有効成分を含む安定な農芸化学組成物、並びに、その調製プロセス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】2種の固体有効成分及び1種の液体有効成分を含む安定な農芸化学組成物、並びに、その調製プロセス
(51)【国際特許分類】
   A01N 37/22 20060101AFI20240822BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20240822BHJP
   A01N 43/90 20060101ALI20240822BHJP
   A01N 25/04 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
A01N37/22
A01P13/00
A01N43/90 105
A01N25/04 102
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516960
(86)(22)【出願日】2022-09-14
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 CN2022118727
(87)【国際公開番号】W WO2023040894
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/118776
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519303690
【氏名又は名称】アダマ・アガン・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】弁理士法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュー,イン
(72)【発明者】
【氏名】シュー,シャオフェン
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AB01
4H011BA03
4H011BB06
4H011BB09
4H011BC09
4H011DA15
(57)【要約】
本開示は、安定な農芸化学組成物、安定な農芸化学組成物を調製するためのプロセス、及び、本開示において開示のプロセスにより調製された安定な農芸化学組成物に関する。安定な農芸化学組成物は、室温で固体であると共に室温で水に不溶性である第1の有効成分;室温で固体である第2の有効成分;室温で液体である第3の有効成分;及び、水を含み、第1の有効成分は室温で第3の有効成分に不溶性であり、及び、第2の固体有効成分は、室温で、第3の液体有効成分に1~33g/100gの溶解度を有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室温で固体であると共に室温で水に不溶性である第1の有効成分;
室温で固体である第2の有効成分;
室温で液体である第3の有効成分;及び

を含む安定な農芸化学組成物であって、
前記第1の有効成分は室温で前記第3の有効成分に不溶性であり、及び、前記第2の固体有効成分は、室温で、前記第3の液体有効成分に1~33g/100gの溶解度を有する、安定な農芸化学組成物。
【請求項2】
前記第1の有効成分、前記第2の有効成分及び前記第3の有効成分は除草性有効成分である、請求項1に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項3】
前記第1の有効成分はプレチラクロール又は毒性緩和剤ではなく、前記第3の液体有効成分はプレチラクロールであり、及び、前記第2の有効成分はフェンクロリムである、請求項2に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項4】
前記第1の有効成分は、ペノキススラム、ピラゾスルフロン-エチル、ベンスルフロンメチル、キンクロラック、オキシフルオルフェン、オキサジアゾン、シハロホップ-ブチル、ピリミノバック-メチル、クロマゾン(ジメタゾン)、ピリベンゾキシム、オキサジアルギル及びシメトリンからなる群から選択されるいずれか1つである、請求項3に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項5】
前記第1の有効成分はトリアゾロピリミジンスルホンアミド除草剤化合物であり、前記第3の液体有効成分はアセトアニリド除草剤化合物であり、及び、前記第2の有効成分は毒性緩和剤化合物である、請求項2に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項6】
前記第1の有効成分はペノキススラムであり、前記第3の液体有効成分はプレチラクロールであり、及び、前記第2の有効成分はフェンクロリムである、請求項1に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項7】
前記第1の有効成分の含有量は、前記組成物の総量に基づいて0.02~40重量パーセントであり、前記第2の有効成分の含有量は、前記組成物の総量に基づいて1~60重量パーセントであり、及び、前記第3の有効成分の含有量は、前記組成物の総量に基づいて3~90重量パーセントである、請求項1~6のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項8】
前記第1の有効成分の前記含有量は、前記組成物の総量に基づいて0.04~20重量パーセントであり、前記第2の有効成分の前記含有量は、前記組成物の総量に基づいて2~30重量パーセントであり、及び、前記第3の有効成分の前記含有量は、前記組成物の総量に基づいて6~80重量パーセントである、請求項7に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項9】
前記第1の有効成分の前記含有量は、前記組成物の総量に基づいて0.08~10重量パーセントであり、前記第2の有効成分の前記含有量は、前記組成物の総量に基づいて4~15重量パーセントであり、及び、前記第3の有効成分の前記含有量は、前記組成物の総量に基づいて12~40重量パーセントである、請求項7に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項10】
前記第1の有効成分の前記含有量は、前記組成物の総量に基づいて0.1~8重量パーセントであり、前記第2の有効成分の前記含有量は、前記組成物の総量に基づいて4.9~11重量パーセントであり、及び、前記第3の有効成分の前記含有量は、前記組成物の総量に基づいて15~33重量パーセントである、請求項7に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項11】
前記第2の有効成分対前記第3の有効成分の重量比は1:2~4である、請求項1~10のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項12】
前記組成物はさらに、前記組成物の総量に基づいて1~40重量パーセントの含有量で有機溶剤を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項13】
前記組成物はさらに、増粘剤、分散剤、湿潤剤、乳化剤、不凍剤、消泡剤及び殺バクテリア剤からなる群から選択される1種以上の添加剤を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項14】
前記添加剤の総量は、前記組成物の総量に基づいて3~70重量パーセントである、請求項13に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項15】
前記組成物における油相の含有量は、前記組成物の総量に基づいて少なくとも50重量パーセントである、請求項1~14のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項16】
前記組成物はSEである、請求項1~15のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項17】
前記安定な組成物は、すべてのタイプのすべての粒子に基づいて、≦7μmの平均粒径d90を有する粒子を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項18】
前記安定な組成物は、NY/T 2989-2016に記載されるSEについて規定される安定性要件を満たす、請求項1~17のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項19】
前記安定な組成物は除草性組成物である、請求項1~18のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物を調製するためのプロセスであって:
a)前記第1の有効成分のSCを形成するステップ、
b)前記第2の有効成分及び前記第3の有効成分のECを形成するステップ;
並びに
c)前記SCを、前記EC及び他の任意の処方成分と混合するステップ
を含むプロセス。
【請求項21】
前記ステップa)は、前記第1の有効成分、第1の分量の水、及び、他の任意の添加剤を混合して、均質な懸濁液を形成するステップを含む、請求項20に記載のプロセス。
【請求項22】
前記ステップa)はさらに、平均粒径d90が≦7μmとなるまで前記懸濁液を粉砕するステップを含む、請求項21に記載のプロセス。
【請求項23】
前記ステップb)は、前記第2及び第3の有効成分、任意の有機溶剤、並びに、他の任意の添加剤を混合して清透な液体を形成するステップを含む、請求項19~22のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項24】
前記混合するステップは加熱下で実施される、請求項23に記載のプロセス。
【請求項25】
前記ステップc)において、前記SCとECとを混合する前記ステップは、せん断下に実施されると共に、前記組成物の前記平均粒径d90は、すべてのタイプのすべての粒子に基づいて≦7μmである、請求項19~24のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項26】
前記組成物は増粘剤を含むと共に、前記ステップc)は、c1)前記SCを前記増粘剤の一部又はすべてと混合して均質な懸濁液を形成するステップと、c2)c1)において得られた前記懸濁液を前記ECと混合するステップとを含む、請求項19~25のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項27】
前記組成物は増粘剤を含むと共に、前記プロセスはさらに、ステップd):ステップc)において得られた分散体を前記増粘剤の一部又はすべてと混合するステップを含む、請求項19~25のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項28】
a)第1の有効成分のSCを形成するステップ;
b)第2の有効成分及び第3の有効成分のECを形成するステップ;並びに
c)前記SCを、EC及び他の任意の処方成分と混合するステップ
を含むプロセスであって、
前記第1の有効成分は、室温で固体であると共に室温で水に不溶性であり、前記第2の有効成分は室温で固体であり、及び、前記第3の有効成分は室温で液体であり;並びに
前記第1の有効成分は室温で前記第3の有効成分に不溶性であると共に、前記第2の有効成分は、前記室温で、前記第3の有効成分に1~33g/100gの溶解度を有する、プロセスにより調製された、安定な農芸化学組成物。
【請求項29】
前記ステップa)は、前記第1の有効成分、第1の分量の水、及び、他の任意の添加剤を混合して、均質な懸濁液を形成するステップを含む、請求項28に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項30】
前記ステップa)はさらに、平均粒径d90が≦7μmとなるまで前記懸濁液を粉砕するステップを含む、請求項29に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項31】
前記ステップb)は、前記第2及び第3の有効成分、任意の有機溶剤、並びに、他の任意の添加剤を混合して清透な液体を形成するステップを含む、請求項28~30のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項32】
前記混合するステップは加熱下で実施される、請求項31に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項33】
前記組成物は増粘剤を含むと共に、前記ステップc)は、c1)前記SCを前記増粘剤と混合して均質な懸濁液を形成するステップと、c2)c1)において得られた前記懸濁液を前記ECと混合するステップとを含む、請求項28~32のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項34】
前記組成物は増粘剤を含むと共に、前記増粘剤は前記ステップc)では添加されず、前記プロセスはさらに、ステップd):ステップc)において得られた分散体を前記増粘剤
と混合するステップを含む、請求項28~32のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項35】
前記ステップc)において、前記SCをECと混合する前記ステップは、せん断下で、前記組成物の前記平均粒径d90がすべてのタイプのすべての粒子に基づいて≦7μmとなるまで実施される、請求項28~34のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項36】
前記第1の有効成分、前記第2の有効成分及び前記第3の有効成分は除草性有効成分である、請求項28~35のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項37】
前記第1の有効成分はプレチラクロール又は毒性緩和剤ではなく、前記第3の液体有効成分はプレチラクロールであり、及び、前記第2の有効成分はフェンクロリムである、請求項36に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項38】
前記第1の有効成分は、ペノキススラム、ピラゾスルフロン-エチル、ベンスルフロンメチル、キンクロラック、オキシフルオルフェン、オキサジアゾン、シハロホップ-ブチル、ピリミノバック-メチル、クロマゾン(ジメタゾン)、ピリベンゾキシム、オキサジアルギル及びシメトリンからなる群から選択されるいずれか1つである、請求項37に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項39】
前記第1の有効成分はトリアゾロピリミジンスルホンアミド除草剤化合物であり、前記第3の液体有効成分はアセトアニリド除草剤化合物であり、及び、前記第2の有効成分は毒性緩和剤化合物である、請求項28~36のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項40】
前記第1の有効成分はペノキススラムであり、前記第3の液体有効成分はプレチラクロールであり、及び、前記第2の有効成分はフェンクロリムである、請求項28~39のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項41】
前記第1の有効成分の含有量は、前記組成物の総量に基づいて0.02~40重量パーセントであり、前記第2の有効成分の含有量は、前記組成物の総量に基づいて1~60重量パーセントであり、及び、前記第3の有効成分の含有量は、前記組成物の総量に基づいて3~90重量パーセントである、請求項28~40のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項42】
前記第1の有効成分の前記含有量は、前記組成物の総量に基づいて0.04~20重量パーセントであり、前記第2の有効成分の前記含有量は、前記組成物の総量に基づいて2~30重量パーセントであり、及び、前記第3の有効成分の前記含有量は、前記組成物の総量に基づいて6~80重量パーセントである、請求項41に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項43】
前記第1の有効成分の前記含有量は、前記組成物の総量に基づいて0.08~10重量パーセントであり、前記第2の有効成分の前記含有量は、前記組成物の総量に基づいて4~15重量パーセントであり、及び、前記第3の有効成分の前記含有量は、前記組成物の総量に基づいて12~40重量パーセントである、請求項41に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項44】
前記第1の有効成分の前記含有量は、前記組成物の総量に基づいて0.1~8重量パーセントであり、前記第2の有効成分の前記含有量は、前記組成物の総量に基づいて4.9~11重量パーセントであり、及び、前記第3の有効成分の前記含有量は、前記組成物の
総量に基づいて15~33重量パーセントである、請求項41に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項45】
前記第2の有効成分対前記第3の有効成分の重量比は1:2~4である、請求項28~44のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項46】
前記組成物はさらに、前記組成物の総量に基づいて1~40重量パーセントの含有量で有機溶剤を含む、請求項28~45のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項47】
前記組成物はさらに、増粘剤、分散剤、湿潤剤、乳化剤、不凍剤、消泡剤及び殺バクテリア剤からなる群から選択される1種以上の添加剤を含む、請求項28~46のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項48】
前記添加剤の総量は、前記組成物の総量に基づいて3~70重量パーセントである、請求項47に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項49】
前記組成物における油相の含有量は、前記組成物の総量に基づいて少なくとも50重量パーセントである、請求項28~48のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項50】
前記組成物はSEである、請求項28~49のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項51】
前記安定な組成物は、すべてのタイプのすべての粒子に基づいて、≦7μmの平均粒径d90を有する粒子を有する、請求項28~50のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項52】
前記安定な組成物は、NY/T 2989-2016に記載されるSEについて規定される安定性要件を満たす、請求項28~51のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【請求項53】
前記安定な組成物は除草性組成物である、請求項28~52のいずれか一項に記載の安定な農芸化学組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2種の固体有効成分及び1種の液体有効成分を含む安定な農芸化学組成物、並びに、その調製プロセスに関する。より具体的には、本開示は、ペノキススラム、プレチラクロールを含むと共に、特に、例えばフェンクロリムといった固体毒性緩和剤といったさらなる固体有効成分を含む、例えばサスポエマルジョン(SE)である安定な農芸化学組成物、並びに、その調製プロセスに関する。或いは、本開示は、プレチラクロール、フェンクロリムを含むと共に、ペノキススラム、ピラゾスルフロン-エチル、ベンスルフロンメチル、キンクロラック、オキシフルオルフェン、オキサジアゾン、シハロホップ-ブチル、ピリミノバック-メチル、クロマゾン(ジメタゾン)、ピリベンゾキシム、オキサジアルギル及びシメトリンからなる群から選択されるさらなる固体有効成分を含む、例えばサスポエマルジョン(SE)である安定な農芸化学組成物、並びに、その調製プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
異なる作用メカニズムを有する2種以上の農芸化学的有効成分を組み合わせることで、雑草範囲などの用途範囲を拡大し、又は、相乗効果をもたらすことが一般に行われている。除草剤分野においては、いくつかの場合において、作物を保護するために、毒性緩和剤も有効成分として農芸化学組成物に添加される。例えば、フェンクロリムが一般に、プレチラクロールと共に1:2~1:5(例えば、1:3又は1:4)の比で使用される。従って、プレチラクロールを例えばペノキススラムといった他の除草剤と組み合わせて、例えば雑草範囲の拡大を意図し、また、フェンクロリムも同時に使用する場合、2種の有効成分が固体であると共に1種の有効成分が液体である3種の有効成分を含む農芸化学組成物(特に、この場合除草性組成物)を配合しなければならい。2種の固体有効成分及び1種の液体有効成分を含む農芸化学組成物を配合するためには、特に、2種の固体有効成分の少なくとも一方が水又は液体有効成分に不溶性である場合、サスポエマルジョン(SE)が通常選択される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
通常、2種の固体有効成分及び1種の液体有効成分のSEを配合するためには、2種の固体有効成分をマイクロメートル単位の粉末に粉砕し、次いで、これらの粉末を液体有効成分中に分散させることが一般的に行われている。しかしながら、この経路は、SEがまったく配合されないか、又は、安定なSEが得られない場合があり得るために、常に成功するとは限らない。特に、2種の固体有効成分のいずれか一方が、室温で、液体有効成分中に1~33g/100g(特に、8~15g/100g)の溶解度を有する場合、既述の従来の経路によっては、SEはまったく配合されないか、又は、安定なSEが得られない場合があり得ることがここに見出された。また、特に、2種の固体有効成分のいずれか一方が、室温で、液体有効成分に1~33g/100gの溶解度を有する場合、EC及びSCの組み合わせ又はEW及びSCの組み合わせを採用する経路であっても、安定なSEの配合の成功が保証されない場合があることもここに見出された。
【課題を解決するための手段】
【0004】
既存の技術分野における問題を解決するために、本発明者らは本開示を完成させた。
【0005】
意外なことに、2種の固体有効成分のいずれか一方が、室温で、液体有効成分に1~33g/100gの溶解度を有する場合、2種の固体有効成分及び1種の液体有効成分を含
む農芸化学組成物、例えば、2種の固体有効成分及び1種の液体有効成分を含む安定なSEは、特に、油相の含有量が非常に高い場合、例えば、組成物の総量に基づいて少なくとも30重量パーセント、好ましくは、組成物の総量に基づいて少なくとも40重量パーセント、好ましくは、組成物の総量に基づいて少なくとも50重量パーセント、好ましくは、組成物の総量に基づいて少なくとも60重量パーセントである場合に、例えば、EC又はSCの各々における有効成分を注意深く選択することにより、ECとSCとを組み合わせることで、成功裏に調製が可能となることがここに見出された。
【0006】
本開示は、2種の固体有効成分と、1種の液体有効成分とを含む安定な農芸化学組成物、及び、その調製プロセスを提供する。より具体的には、本開示は、ペノキススラム、プレチラクロールを含むと共に、特に、例えばフェンクロリムといった固体毒性緩和剤といったさらなる固体有効成分を含む、例えばサスポエマルジョンである安定な農芸化学組成物、並びに、その調製プロセスを提供する。或いは、本開示は、プレチラクロール、フェンクロリムを含むと共に、ペノキススラム、ピラゾスルフロン-エチル、ベンスルフロンメチル、キンクロラック、オキシフルオルフェン、オキサジアゾン、シハロホップ-ブチル、ピリミノバック-メチル、クロマゾン(ジメタゾン)、ピリベンゾキシム、オキサジアルギル及びシメトリンからなる群から選択されるさらなる固体有効成分を含む、例えばサスポエマルジョン(SE)である安定な農芸化学組成物、並びに、その調製プロセスに関する。
【0007】
具体的には、本開示は以下を提供する。
1.室温で固体であると共に室温で水に不溶性である第1の有効成分;
室温で固体である第2の有効成分;
室温で液体である第3の有効成分;及び

を含む安定な農芸化学組成物であって;
第1の有効成分は室温で第3の有効成分に不溶性であり、及び、第2の固体有効成分は、室温で、第3の液体有効成分に1~33g/100gの溶解度を有する、安定な農芸化学組成物。
【0008】
2.第1の有効成分、第2の有効成分及び第3の有効成分は除草性有効成分である、実施形態1の安定な農芸化学組成物。
【0009】
3.第1の有効成分はプレチラクロール又は毒性緩和剤ではなく、第3の液体有効成分はプレチラクロールであり、及び、第2の有効成分はフェンクロリムである、実施形態2の安定な農芸化学組成物。
【0010】
4.第1の有効成分は、ペノキススラム、ピラゾスルフロン-エチル、ベンスルフロンメチル、キンクロラック、オキシフルオルフェン、オキサジアゾン、シハロホップ-ブチル、ピリミノバック-メチル、クロマゾン(ジメタゾン)、ピリベンゾキシム、オキサジアルギル及びシメトリンからなる群から選択されるいずれか1つである、実施形態3の安定な農芸化学組成物。
【0011】
5.第1の有効成分はトリアゾロピリミジンスルホンアミド除草剤化合物であり、第3の液体有効成分はアセトアニリド除草剤化合物であり、及び、第2の有効成分は毒性緩和剤化合物である、実施形態2の安定な農芸化学組成物。
【0012】
6.第1の有効成分はペノキススラムであり、第3の液体有効成分はプレチラクロールであり、及び、第2の有効成分はフェンクロリムである、実施形態1の安定な農芸化学組成物。
【0013】
7.第1の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて0.02~40重量パーセントであり、第2の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて1~60重量パーセントであり、及び、第3の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて3~90重量パーセントである、実施形態1~6のいずれか一つの安定な農芸化学組成物。
【0014】
8.第1の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて0.04~20重量パーセントであり、第2の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて2~30重量パーセントであり、及び、第3の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて6~80重量パーセントである、実施形態7の安定な農芸化学組成物。
【0015】
9.第1の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて0.08~10重量パーセントであり、第2の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて4~15重量パーセントであり、及び、第3の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて12~40重量パーセントである、実施形態7の安定な農芸化学組成物。
【0016】
10.第1の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて0.1~8重量パーセントであり、第2の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて4.9~11重量パーセントであり、及び、第3の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて15~33重量パーセントである、実施形態7の安定な農芸化学組成物。
【0017】
11.第2の有効成分対第3の有効成分の重量比は1:2~4である、実施形態1~10のいずれか一つの安定な農芸化学組成物。
【0018】
12.組成物はさらに、組成物の総量に基づいて1~40重量パーセントの含有量で有機溶剤を含む、実施形態1~11のいずれか一つの安定な農芸化学組成物。
【0019】
13.組成物はさらに、増粘剤、分散剤、湿潤剤、乳化剤、不凍剤、消泡剤及び殺バクテリア剤からなる群から選択される1種以上の添加剤を含む、実施形態1~12のいずれか一つの安定な農芸化学組成物。
【0020】
14.添加剤の総量は、組成物の総量に基づいて3~70重量パーセントである、実施形態13の安定な農芸化学組成物。
【0021】
15.組成物における油相の含有量は、組成物の総量に基づいて少なくとも50重量パーセントである、実施形態1~14のいずれか一つの安定な農芸化学組成物。
【0022】
16.組成物はSEである、実施形態1~15のいずれか一つの安定な農芸化学組成物。
【0023】
17.安定な組成物は、すべてのタイプのすべての粒子に基づいて、≦7μmの平均粒径d90を有する粒子を有する、実施形態1~16のいずれか一つの安定な農芸化学組成物。
【0024】
18.安定な組成物は、NY/T 2989-2016に記載されるSEについて規定される安定性要件を満たす、実施形態1~17のいずれか一つの安定な農芸化学組成物。
【0025】
19.安定な組成物は除草性組成物である、実施形態1~18のいずれか一つの安定な農芸化学組成物。
【0026】
20.実施形態1~19の安定な農芸化学組成物を調製するためのプロセスであって:
a)第1の有効成分のSCを形成するステップ、
b)第2の有効成分及び第3の有効成分のECを形成するステップ;
並びに
c)SCを、EC及び他の任意の処方成分と混合するステップ
を含むプロセス。
【0027】
21.ステップa)は、第1の有効成分、第1の分量の水、及び、他の任意の添加剤を混合して、均質な懸濁液を形成するステップを含む、実施形態20のプロセス。
【0028】
22.ステップa)はさらに、平均粒径d90が≦7μmとなるまで懸濁液を粉砕するステップを含む、実施形態21のプロセス。
【0029】
23.ステップb)は、第2及び第3の有効成分、任意の有機溶剤、並びに、他の任意の添加剤を混合して清透な液体を形成するステップを含む、実施形態19~22のいずれかのプロセス。
【0030】
24.混合するステップは加熱下で実施される、実施形態23のプロセス。
【0031】
25.ステップc)において、SCとECとを混合するステップは、せん断下に実施されると共に、組成物の平均粒径d90は、すべてのタイプのすべての粒子に基づいて≦7μmである、実施形態19~24のいずれかのプロセス。
【0032】
26.組成物は増粘剤を含むと共に、ステップc)は、c1)SCを増粘剤の一部又はすべてと混合して均質な懸濁液を形成するステップと、c2)c1)において得られた懸濁液をECと混合するステップとを含む、実施形態19~25のいずれかのプロセス。
【0033】
27.組成物は増粘剤を含むと共に、プロセスはさらに、ステップd):ステップc)において得られた分散体を増粘剤の一部又はすべてと混合するステップを含む、実施形態19~25のいずれかのプロセス。
【0034】
28.a)第1の有効成分のSCを形成するステップ;
b)第2の有効成分及び第3の有効成分のECを形成するステップ;並びに
c)SCを、EC及び他の任意の処方成分と混合するステップ
を含むプロセスであって、
第1の有効成分は、室温で固体であると共に室温で水に不溶性であり、第2の有効成分は室温で固体であり、及び、第3の有効成分は室温で液体であり;並びに
第1の有効成分は室温で第3の有効成分に不溶性であると共に、第2の有効成分は、室温で、第3の有効成分に1~33g/100gの溶解度を有する、プロセスにより調製された、安定な農芸化学組成物。
【0035】
29.ステップa)は、第1の有効成分、第1の分量の水、及び、他の任意の添加剤を混合して、均質な懸濁液を形成するステップを含む、実施形態28の安定な農芸化学組成物。
【0036】
30.ステップa)はさらに、平均粒径d90が≦7μmとなるまで懸濁液を粉砕するステップを含む、実施形態29の安定な農芸化学組成物。
【0037】
31.ステップb)は、第2及び第3の有効成分、任意の有機溶剤、並びに、他の任意の添加剤を混合して清透な液体を形成するステップを含む、実施形態28~30のいずれ
か一つの安定な農芸化学組成物。
【0038】
32.混合するステップは加熱下で実施される、実施形態31の安定な農芸化学組成物。
【0039】
33.組成物は増粘剤を含むと共に、ステップc)は、c1)SCを増粘剤と混合して均質な懸濁液を形成するステップと、c2)c1)において得られた懸濁液をECと混合するステップとを含む、実施形態28~32のいずれか一つの安定な農芸化学組成物。
【0040】
34.組成物は増粘剤を含むと共に、増粘剤はステップc)では添加されず、プロセスはさらに、ステップd):ステップc)において得られた分散体を増粘剤と混合するステップを含む、実施形態28~32のいずれか一つの安定な農芸化学組成物。
【0041】
35.ステップc)において、SCをECと混合するステップは、せん断下で、組成物の平均粒径d90がすべてのタイプのすべての粒子に基づいて≦7μmとなるまで実施される、実施形態28~34のいずれか一つの安定な農芸化学組成物。
【0042】
36.第1の有効成分、第2の有効成分及び第3の有効成分は除草性有効成分である、実施形態28~35のいずれか一つの安定な農芸化学組成物。
【0043】
37.第1の有効成分はプレチラクロール又は毒性緩和剤ではなく、第3の液体有効成分はプレチラクロールであり、及び、第2の有効成分はフェンクロリムである、実施形態36の安定な農芸化学組成物。
【0044】
38.第1の有効成分は、ペノキススラム、ピラゾスルフロン-エチル、ベンスルフロンメチル、キンクロラック、オキシフルオルフェン、オキサジアゾン、シハロホップ-ブチル、ピリミノバック-メチル、クロマゾン(ジメタゾン)、ピリベンゾキシム、オキサジアルギル及びシメトリンからなる群から選択されるいずれか1つである、実施形態37の安定な農芸化学組成物。
【0045】
39.第1の有効成分はトリアゾロピリミジンスルホンアミド除草剤化合物であり、第3の液体有効成分はアセトアニリド除草剤化合物であり、及び、第2の有効成分は毒性緩和剤化合物である、実施形態28~36のいずれか一つの安定な農芸化学組成物。
【0046】
40.第1の有効成分はペノキススラムであり、第3の液体有効成分はプレチラクロールであり、及び、第2の有効成分はフェンクロリムである、実施形態28~39のいずれか一つの安定な農芸化学組成物。
【0047】
41.第1の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて0.02~40重量パーセントであり、第2の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて1~60重量パーセントであり、及び、第3の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて3~90重量パーセントである、実施形態28~40のいずれか一つの安定な農芸化学組成物。
【0048】
42.第1の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて0.04~20重量パーセントであり、第2の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて2~30重量パーセントであり、及び、第3の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて6~80重量パーセントである、実施形態41の安定な農芸化学組成物。
【0049】
43.第1の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて0.08~10重量パーセントであり、第2の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて4~15重量パーセン
トであり、及び、第3の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて12~40重量パーセントである、実施形態41の安定な農芸化学組成物。
【0050】
44.第1の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて0.1~8重量パーセントであり、第2の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて4.9~11重量パーセントであり、及び、第3の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて15~33重量パーセントである、実施形態41の安定な農芸化学組成物。
【0051】
45.第2の有効成分対第3の有効成分の重量比は1:2~4である、実施形態28~44のいずれか一つの安定な農芸化学組成物。
【0052】
46.組成物はさらに、組成物の総量に基づいて1~40重量パーセントの含有量で有機溶剤を含む、実施形態28~45のいずれか一つの安定な農芸化学組成物。
【0053】
47.組成物はさらに、増粘剤、分散剤、湿潤剤、乳化剤、不凍剤、消泡剤及び殺バクテリア剤からなる群から選択される1種以上の添加剤を含む、実施形態28~46のいずれか一つの安定な農芸化学組成物。
【0054】
48.添加剤の総量は、組成物の総量に基づいて3~70重量パーセントである、実施形態47の安定な農芸化学組成物。
【0055】
49.組成物における油相の含有量は、組成物の総量に基づいて少なくとも50重量パーセントである、実施形態28~48のいずれか一つの安定な農芸化学組成物。
【0056】
50.組成物はSEである、実施形態28~49のいずれか一つの安定な農芸化学組成物。
【0057】
51.安定な組成物は、すべてのタイプのすべての粒子に基づいて、≦7μmの平均粒径d90を有する粒子を有する、実施形態28~50のいずれか一つの安定な農芸化学組成物。
【0058】
52.安定な組成物は、NY/T 2989-2016に記載されるSEについて規定される安定性要件を満たす、実施形態28~51のいずれか一つの安定な農芸化学組成物。
【0059】
53.安定な組成物は除草性組成物である、実施形態28~52のいずれか一つの安定な農芸化学組成物。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1図1は、実施例1において得られたSE1で撮影された顕微鏡写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0061】
定義
本主題を詳述する前に、本明細書において用いられる一定の用語の定義を提供することが有益であり得る。特に定義されていない限りにおいては、本明細書において用いられているすべての技術的及び科学的用語は、本開示が属する分野における当業者により通常理解されるものと同一の意味を有する。
【0062】
ペノキススラムは、構造
【化1】
を有する2-(2,2-ジフルオロエトキシ)-N-(5,8-ジメトキシ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-c]ピリミジン-2-イル)-6-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミドに係る慣用名である。その除草活性は、The Pesticide Manual,Fifteenth Edition,2009に記載されている。ペノキススラムは、室温で固体であって212℃の融点を有すると共に、水中において、室温で5.7mg/L(pH=5)の水に溶解度を有する。
【0063】
プレチラクロールは、構造
【化2】
を有する2-クロロ-N-(2,6-ジエチルフェニル)-N-(2-プロポキシエチル)アセトアミドに係る慣用名である。その除草活性は、The Pesticide Manual,Fifteenth Edition,2009に記載されている。プレチラクロールは室温で液体であると共に、融点は-20℃未満である。
【0064】
フェンクロリムは、構造
【化3】
を有する4,6-ジクロロ-2-フェニルピリミジンに係る慣用名である。フェンクロリムは、室温で固体であって、96.9℃の融点を有すると共に、水中において、室温で2.5mg/Lの溶解度を有する。
【0065】
本明細書において用いられるところ、「組成物」という用語は、特に限定されないが、例えば、ブレンド、溶液、混合物等といったいずれかの物理的形態における組み合わせを指す。
【0066】
本明細書において用いられるところ、「有効成分」という用語は、特に限定されないが、農業的活性、例えば、殺虫活性、殺菌・殺カビ活性、殺細菌活性、除草活性、毒性緩和活性、保護活性等を有するいずれかの化合物を指す。従って、「有効成分」という用語は、特に限定されないが、殺虫剤化合物、殺菌・殺カビ剤化合物、殺バクテリア剤化合物、除草剤化合物、毒性緩和剤化合物、ダニ駆除薬化合物、殺線虫剤化合物、鳥類忌避剤化合物、及び、植物栄養化合物等を含む。
【0067】
本明細書において用いられるところ、「除草性有効成分」という用語は、特に限定されないが、除草活性、毒性緩和活性又は保護活性等を有するいずれかの化合物を指す。従っ
て、「除草性有効成分」という用語は、除草剤化合物、毒性緩和剤化合物等を含む。
【0068】
本明細書において用いられるところ、「サスポエマルジョン(SE)」という用語は水溶液中に分散された不水溶性有効処方成分の混合物を意味し、ここで、1種(又はそれ以上)の有効処方成分が懸濁液形態中に存在し、及び、1種(又はそれ以上)の有効処方成分がエマルジョン形態中に存在する。配合物は、噴霧適用する前に水で希釈されることを目的としている。有効処方成分の混合物は、防除範囲をより広範なものとするために度々使用される。有効処方成分を一緒に配合することで、タンク混合(不適合性がもたらされる可能性がある)の必要性が排除される。他の水性液体配合物のように、サスポエマルジョンは、取り扱い及び計量が容易であり、無塵性であり、非引火性であり、及び、水との良好な混和性をもたらす(「Manual on development and use of FAO and WHO specifications for pesticides」を参照のこと)。
【0069】
本明細書において用いられるところ、「安定」という用語は、組成物と関連して用いられる場合、組成物が、NY/T 2989-2016(Guidelines on developing the specifications of pesticides for registration)に記載されるサスポエマルジョン(SE)について規定された以下の安定性要件を満たすべきであることを意味する:外観、湿式ふるいテスト、分散安定性、低温安定性(外観、湿式ふるいテスト及び分散安定性についてのみ)、及び、熱保管安定性(外観、湿式ふるいテスト及び分散安定性についてのみ)。
【0070】
本明細書において用いられるところ、「不溶性」という用語は、特定の材料(例えば、水、第3の有効成分等)における材料(例えば、有効成分)の溶解度が、特定の温度で0.1g/1000g未満であることを意味する。
【0071】
本明細書において用いられるところ、「超低ナフタレン溶剤」は、ナフタレン濃度が0.1重量%未満である溶剤である。
【0072】
本明細書において用いられるところ、「低ナフタレン溶剤」は、ナフタレン濃度が1重量%未満である溶剤である。
【0073】
本明細書において用いられるところ、「添加剤」という用語は、固着剤、界面活性剤、共力剤、緩衝剤、酸性化剤、消泡剤、増粘剤等などの、有効成分ではないが組成物に添加されるいずれかの物質として定義される。
【0074】
本明細書において用いられるところ、「毒性緩和剤」という用語は、除草剤の効果に顕著に影響を及ぼすことなく、除草剤に対する植物の耐容性を高める薬剤を指す。
【0075】
本明細書において用いられるところ、「増粘剤」という用語は、液体組成物の粘度を、組成物の他の特性を実質的に変えることなく高める薬剤を指す。
【0076】
本明細書において用いられるところ、「農学的に許容可能なキャリア」という用語は、農業用又は園芸用配合物の形成に係る分野において公知であると共に受け入れられているキャリアを意味する。
【0077】
「界面活性剤」という用語は、本明細書において用いられるところ、乳化性、安定性、延展性、湿潤性、分散性又は他の表面改質特性を付与する農学的に許容可能な材料を指す。
【0078】
本明細書において用いられるところ、「平均粒径d90」という用語は粒径分布D90を意味し、これは、90%積算(0~100%)下粒径分布に対応する粒径を表す。
【0079】
本明細書において用いられるところ、「室温」という用語は、23±2℃を意味する。
【0080】
「a」又は「an」という用語は、本明細書において用いられるところ、別段の記載がない限りにおいて、単数形及び複数形を含む。従って、本出願において、「a」、「an」又は「少なくとも1つ」という用語は同義的に使用可能である。
【0081】
パラメータの範囲が記載されている場合、その範囲内のすべての整数及びその小数点一位もまた、本整数及びその小数点一位が本明細書に明示的に記載されているかのように開示によって提供されることが理解される。例えば、「0.1%~70%」は、70%までの0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%等を含む。
【0082】
本出願を通じて、種々の実施形態の説明では用語「を含む(comprising)」を使用しているが;しかしながら、いくつかの特定の事例において、実施形態は、「本質的に~からなる(consisting essentially of)」又は「~からなる(consisting of)」という言語を用いて代わりに記載可能であることを当業者は理解するであろう。
【0083】
本教示のより良好な理解のため、及び、本教示の範囲を限定するものではないが、別段の定めがある場合を除き、量、百分率又は割合を表すすべての数字、並びに、本明細書及び特許請求の範囲において用いられている他の数値は、すべての場合に用語「約」によって修正されると理解されるべきである。従って、矛盾する記載がない限りにおいて、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載されている数値パラメータは、求められる所望の特性に応じて変動し得る近似値である。少なくとも、各数値パラメータは、報告されている有効桁数の観点から、及び、通常の丸め技法を適用して少なくとも解釈されるべきである。この点に関して、「約」という用語の使用は、本明細書において、特定的に、範囲内に明記された値から±10%を含む。加えて、本明細書における同一の成分又は特性に関するすべての範囲の端点は、端点を含み、独立して組み合わせ可能であり、並びに、すべての中間の点及び範囲を含む。
【0084】
第1の態様
第1の態様において、本開示は:
室温で固体であると共に室温で水に不溶性である第1の有効成分;
室温で固体である第2の有効成分;
室温で液体である第3の有効成分;及び

を含む安定な農芸化学組成物であって、
第1の有効成分は室温で第3の有効成分に不溶性であり、及び、第2の有効成分は室温で、第3の有効成分に1~33g/100gの溶解度を有する安定な農芸化学組成物を提供する。
【0085】
第1の有効成分は室温で固体であると共に室温で水に不溶性である。通常、室温での水中における第1の有効成分の溶解度は、0.1g/L未満、好ましくは0.08g/L未満である。第1の有効成分は、室温で、第3の有効成分にわずかに可溶性~不溶性である。通常、室温で、第3の有効成分における第1の有効成分の溶解度は、1g/100g未満、好ましくは0.2g/100g未満である。
【0086】
第2の有効成分は室温で固体であると共に、第2の有効成分は、室温で、第3の有効成
分に1~33g/100gの溶解度を有する。1~33g/100gの範囲内で、室温での第3の有効成分における第2の有効成分の溶解度は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、12.1、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32若しくは33g/100gであり得、端点としていずれかの2つの上記の溶解度を選択することにより形成されるいずれかの範囲であり得、例えば、室温での第3の有効成分における第2の有効成分の溶解度は、2~30g/100g、又は、5~25g/100gであり得る。好ましくは、第2の有効成分は、2~28g/100g、5~20g/100g、7~18g/100g、8~15g/100g、9~14g、又は、11~13/100gの室温での第3の有効成分における溶解度を有する。例えば、第2の有効成分は、室温で第3の有効成分に12.1g/100gの溶解度を有する。
【0087】
意外なことに、理論に束縛はされないが、なぜいくつかの場合において3種の有効成分を含む安定な農芸化学組成物、特に、3種の有効成分を含む安定なSEが配合不可能であるかを理解するために、室温での第3の液体有効成分における第2の固体有効成分の溶解度が重要であることがここに見出された。第2の有効成分が、室温で、第3の有効成分に1~33g/100gの溶解度を有する場合、3種の有効成分を含む安定な農芸化学組成物、特に、3種の有効成分を含む安定なSEは、既述の従来の経路ではまったく配合されないか、又は、得られない可能性があり、いくつかの場合においては、第2の有効成分及び第3の有効成分の量にも依存する。特に、第2の固体有効成分が、室温で、第3の液体有効成分に1~33g/100gの溶解度を有する場合、EC及びSCの組み合わせ又はEW及びSCの組み合わせを採用する経路では、安定なSEの配合の成功が保証されない場合もあることもここに見出された。特に、第2の有効成分が、室温で、第3の有効成分に1~33g/100gの溶解度を有する場合、及び、第3の有効成分における第2の有効成分の溶解度が、室温と54℃との間において、1g/100g以上の差を有する場合に同様であり、いくつかの場合においては、第2の有効成分及び第3の有効成分の量にも依存する。
【0088】
第3の液体有効成分における第2の固体有効成分の溶解度が充分に高い場合、且つ、第2の有効成分及び第3の有効成分の量が、室温であるか又は54℃であるかに関わらず第3の有効成分中に第2の有効成分が完全に溶解するようなものである場合、既述の従来の経路で安定なSEが容易に配合される。反対に、第3の液体有効成分における第2の固体有効成分の溶解度が充分に低い場合、第2の有効成分及び第3の有効成分の量を考慮すると、当業者は、既述の従来の経路によるSEの配合を考慮することすらしないであろう。
【0089】
第3の有効成分は室温で液体である。
【0090】
第1の有効成分、第2の有効成分及び第3の有効成分は、独立して、殺虫剤化合物、殺菌・殺カビ剤化合物、殺バクテリア剤化合物、除草剤化合物、毒性緩和剤化合物、ダニ駆除薬化合物、殺線虫剤化合物、鳥類忌避剤化合物、及び、植物栄養剤化合物からなる群から選択され得る。好ましくは、第1の有効成分、第2の有効成分及び第3の有効成分のすべては、除草性有効成分から選択される。例えば、第1及び第3の有効成分の両方が除草剤化合物であり、及び、第2の有効成分が毒性緩和剤である。好ましくは、第1の有効成分はトリアゾロピリミジンスルホンアミド除草剤化合物であり、第3の液体有効成分はアセトアニリド除草剤化合物であり、及び、第2の有効成分は毒性緩和剤化合物、例えば、フェニルピリミジン毒性緩和剤化合物である。或いは、例えば、第1の有効成分はプレチラクロール又は毒性緩和剤化合物ではない除草剤化合物であり、第3の液体有効成分はプレチラクロールであり、及び、第2の有効成分はフェンクロリムである。好ましくは、第1の有効成分は、ペノキススラム、ピラゾスルフロン-エチル、ベンスルフロンメチル、キンクロラック、オキシフルオルフェン、オキサジアゾン、シハロホップ-ブチル、ピリ
ミノバック-メチル、クロマゾン(ジメタゾン)、ピリベンゾキシム、オキサジアルギル及びシメトリンからなる群から選択されるいずれか1つであり、第3の液体有効成分はプレチラクロールであり、及び、第2の有効成分はフェンクロリムである。もっとも好ましくは、第1の有効成分はペノキススラムであり、第3の液体有効成分はプレチラクロールであり、及び、第2の有効成分はフェンクロリムである。
【0091】
本組成物において、第1の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて0.02~40重量パーセントであり得る。組成物の総量に基づいて0.02~40重量パーセントの範囲内において、第1の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.34、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40重量パーセント、又は、いずれか2つの上記の含有量を2つの端点として選択することにより形成されるいずれかの範囲であり得、例えば、第1の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて、0.03~10、又は、1.2~8重量パーセントであり得る。好ましくは、第1の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて0.04~20重量パーセントであり得る。より好ましくは、第1の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて0.08~10重量パーセントであり得る。より好ましくは、第1の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて0.1~8重量パーセントであり得る。例えば、第1の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて、0.1、1.2又は8重量パーセントであり得る。
【0092】
本組成物において、第1の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて0.1~10重量パーセントであり得る。組成物の総量に基づいて0.1~10重量パーセントの範囲内において、第1の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.34、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、8、9又は10重量パーセント、又は、いずれか2つの上記の含有量を2つの端点として選択することにより形成されるいずれかの範囲であり得、例えば、第1の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて、0.3~8、又は、0.5~5重量パーセントであり得る。好ましくは、第1の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて0.8~3重量パーセントであり得る。より好ましくは、第1の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて0.9~2重量パーセントであり得る。より好ましくは、第1の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて1~1.5重量パーセントであり得る。例えば、第1の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて、1.2又は1.3重量パーセントであり得る。
【0093】
本組成物において、第2の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて1~60重量パーセントであり得る。組成物の総量に基づいて1~60重量パーセントの範囲内において、第2の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて、1、2、3、4、4.9、5、6、7、8、9、10、10.2、10.7、10.9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59又は60重量パーセント、又は、いずれか2つの上記の含有量を2つの端点として選択することにより形成されるいずれかの範囲であり得、例えば、第2の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて、3~50、又は、5~10重量パーセントであり得る。好ましくは、第2の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて
2~30重量パーセントであり得る。好ましくは、第2の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて4~15重量パーセントであり得る。より好ましくは、第2の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて4.9~11重量パーセントであり得る。例えば、第2の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて、4.9、10.2又は10.9重量パーセントであり得る。
【0094】
本組成物において、第2の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて1~40重量パーセントであり得る。組成物の総量に基づいて1~40重量パーセントの範囲内において、第2の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10.2、10.7、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39又は40重量パーセント、又は、いずれか2つの上記の含有量を2つの端点として選択することにより形成されるいずれかの範囲であり得、例えば、第2の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて、2~30、又は、5~20重量パーセントであり得る。好ましくは、第2の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて8~15重量パーセントであり得る。より好ましくは、第2の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて9~12重量パーセントであり得る。例えば、第2の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて、10.2又は10.7重量パーセントであり得る。
【0095】
本組成物において、第3の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて3~90重量パーセントであり得る。組成物の総量に基づいて3~90重量パーセントの範囲内において、第3の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、30.8、31、31.8、32、32.8、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89又は90重量パーセント、又は、いずれか2つの上記の含有量を2つの端点として選択することにより形成されるいずれかの範囲であり得、例えば、第3の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて、10~70、又は、15~60重量パーセントであり得る。好ましくは、第3の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて6~80重量パーセントであり得る。より好ましくは、第3の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて12~40重量パーセントであり得る。より好ましくは、第3の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて15~33重量パーセントであり得る。例えば、第3の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて、30.8、31.8又は32.8重量パーセントであり得る。
【0096】
本組成物において、第3の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて3~80重量パーセントであり得る。組成物の総量に基づいて3~80重量パーセントの範囲内において、第3の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、30.8、31、31.8、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79又は80重量パーセント、又は、いずれか2つの上記の含有量を2つの端点として選択することにより形成されるいずれかの範囲であり得、例えば、第3の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて、6~70、又は、
15~50重量パーセントであり得る。好ましくは、第3の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて20~40重量パーセントであり得る。より好ましくは、第3の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて25~35重量パーセントであり得る。より好ましくは、第3の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて29~35重量パーセントであり得る。例えば、第3の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて、30.8、31.8又は32.8重量パーセントであり得る。
【0097】
特定の第2及び第3の有効成分に応じて、組成物において、第2の有効成分対第3の有効成分の重量比は1:(1~6)であり得る。好ましくは、第2の有効成分対第3の有効成分の重量比は1:(1.5~5)であり得る。より好ましくは、第2の有効成分対第3の有効成分の重量比は1:(2~4)であり得る。例えば、第2の有効成分対第3の有効成分の重量比は1:3である。
【0098】
組成物は水をも含む。水はキャリアとして用いられる。組成物中の水の含有量は、組成物の総量に基づいて5~90重量パーセントであり得る。組成物の総量に基づいて5~90重量パーセントの範囲内において、第3の有効成分の含有量は、組成物の総量に基づいて、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89又は90重量パーセント、又は、いずれか2つの上記の含有量を2つの端点として選択することにより形成されるいずれかの範囲であり得、例えば、組成物中の水の含有量は、組成物の総量に基づいて、6~70又は15~50重量パーセントであり得る。好ましくは、組成物中の水の含有量は、組成物の総量に基づいて10~75重量パーセントであり得る。好ましくは、組成物中の水の含有量は、組成物の総量に基づいて20~50重量パーセントであり得る。好ましくは、組成物中の水の含有量は、組成物の総量に基づいて25~45重量パーセントであり得る。好ましくは、組成物中の水の含有量は、組成物の総量に基づいて30~40重量パーセントであり得る。例えば、組成物中の水の含有量は、組成物の総量に基づいて35重量パーセントであり得る。
【0099】
組成物は有機溶剤をさらに含んでいてもよい。有機溶剤は、少なくとも以下に基づいて選択されるべきである:(1)例えば特定の第2及び第3の有効成分のECの成功裏の調製を目的とした特定の第2及び第3の有効成分;(2)室温での水における有機溶剤の溶解度が過度に高くないべきであり、例えば室温での水における有機溶剤の溶解度が0.1g/1000g未満であるべき。普通、有機溶剤は、芳香族炭化水素(例えばトルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、tert-ブチルベンゼン、ナフタレン、モノ-又はポリアルキル-置換ナフタレン)、パラフィン、石油、ディーゼル油、鉱油、脂肪酸アミド、脂肪酸、トール油脂肪酸、脂肪酸のアルキルエステル、変性植物油、及び、これらのいずれかの組み合わせからなる群から選択され得る。好ましくは、有機溶剤は、芳香族炭化水素、パラフィン、石油、ディーゼル油、鉱油、脂肪酸、トール油脂肪酸、及び、これらのいずれかの組み合わせからなる群から選択され得る。より好ましくは、有機溶剤は、芳香族炭化水素であり得、特に環境保護の観点から、低ナフタレン芳香族炭化水素溶剤、例えば、Jiangsu Hualun Chemical Industry Co.,Ltd.から入手可能である芳香族溶剤S-150ND又はS-100A、ExxonMobil Chemical製のSolvesso(商標)グレード(例えばSolvesso(商標)100(CAS番号64742-95-6)、Solvesso(商標)150(CAS番号64742-94-5)、及び、Solvesso(商標)200(CAS番号64742-94-5))、及び、Petrochem
Carless製のCaromax(商標)28 LNであり得る。
【0100】
有機溶剤が存在する場合、組成物中におけるその含有量は、(1)第3の有効材料に完全に開示されていない第2の有効材料を溶解し、及び、(2)例えば特定の第2及び第3の有効成分のECを成功裏に調製するために充分であるべきである。一実施形態において、有機溶剤が存在する場合、組成物中におけるその含有量は、組成物の総量に基づいて1~40重量パーセントであり得る。組成物の総量に基づいて1~40重量パーセントの範囲内において、溶剤の含有量は、組成物の総量に基づいて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、11.1、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39又は40重量パーセント、又は、いずれか2つの上記の含有量を2つの端点として選択することにより形成されるいずれかの範囲であり得、例えば、溶剤の含有量は、組成物の総量に基づいて2~30又は5~20重量パーセントであり得る。好ましくは、溶剤の含有量は、組成物の総量に基づいて9~16重量パーセントであり得る。より好ましくは、溶剤の含有量は、組成物の総量に基づいて10~12重量パーセントであり得る。例えば、溶剤の含有量は、組成物の総量に基づいて11又は11.1重量パーセントであり得る。
【0101】
組成物は、任意により、増粘剤、分散剤、湿潤剤、乳化剤、不凍剤、消泡剤及び殺バクテリア剤からなる群から選択される1種以上の添加剤を含んでいてもよい。添加剤が存在している場合、組成物中におけるすべての添加剤の含有量は、組成物の総量に基づいて3~70重量パーセントであり得る。組成物の総量に基づいて3~70重量パーセントの範囲内において、すべての添加剤の含有量は、組成物の総量に基づいて、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、21.1、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、又は70重量パーセント、又は、いずれか2つの上記の含有量を2つの端点として選択することにより形成されるいずれかの範囲であり得、例えば、すべての添加剤の含有量は、組成物の総量に基づいて3~60又は6~50重量パーセントであり得る。好ましくは、すべての添加剤の含有量は、組成物の総量に基づいて10~42重量パーセントであり得る。より好ましくは、すべての添加剤の含有量は、組成物の総量に基づいて15~33重量パーセントであり得る。より好ましくは、すべての添加剤の含有量は、組成物の総量に基づいて18~28重量パーセントであり得る。より好ましくは、すべての添加剤の含有量は、組成物の総量に基づいて20~23重量パーセントであり得る。例えば、すべての添加剤の含有量は、組成物の総量に基づいて21.1重量パーセントであり得る。
【0102】
増粘剤としては、組成物の粘度を高めるために、特に除草剤分野といった農芸化学分野において一般に用いられるいずれかの増粘剤が用いられ得る。一実施形態において、増粘剤は、無機クレイ、有機化クレイ、フュームドシリカ及び沈降シリカ、有機変性ベントナイト、微結晶性セルロース、キサンタンガム、ポリアミド、水素化ヒマシ油、EO/POブロックコポリマー等であり得る。好ましくは、増粘剤はキサンタンガムである。フュームドシリカ及び沈降シリカは、疎水性及び親水性シリカ、並びに、これらのいずれかの組み合わせであり得る。ヒュームドシリカの例としては、これらに限定されないが、Aerosil(登録商標)A 200、Aerosil(登録商標)R 202、Aerosil(登録商標)R 972及びAerosil(登録商標)R 805(すべて、Evonikから入手可能)が挙げられ得る。沈降シリカの例としては、これらに限定されないが、Sipernat(登録商標)22S(Evonikから入手可能)、Sipernat(登録商標)D17(Evonikから入手可能)及びTixosil(登録商標
)38(Solvay Groupの一員であるRhodia Operationsから入手可能)が挙げられ得る。有機変性ベントナイトの例は、Bentone(登録商標)SD-1(Elementis Specialtiesから入手可能)である。無機クレイの例は、Attagel(登録商標)40(BASFから入手可能)である。キサンタンガムの例は、AG RH 23(Ametech srlから入手可能)である。存在している場合、組成物中における増粘剤の含有量は、増粘剤の性質、組成物の必要とされる粘度及びコストに基づいて選択され得る。存在している場合、組成物中における増粘剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.005~0.5重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物中における増粘剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.01~0.1重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物中における増粘剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.02~0.06重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物中における増粘剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.03~0.05重量パーセントであり得る。例えば、存在している場合、組成物中における増粘剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.04重量パーセントであり得る。
【0103】
分散剤としては、固体-液体分散系における固体粒子の凝集を防止し、及び、長期にわたって液体相中にこれらを均一に分散させ続けるために、特に除草剤分野といった農芸化学分野において一般的に用いられるいずれかの分散剤が使用され得る。一実施形態において、分散剤は、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムなどのアルキルアリールスルホネート塩;ノニルフェノール-C18エトキシレートなどのアルキルフェノール-アルキレン酸化物付加生成物;ステアリン酸ナトリウムなどのセッケン;ジブチル-ナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルナフタレン-スルホネート塩及び縮合物;ジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸塩ナトリウムなどのスルホコハク酸塩のジアルキルエステル;ラウリルトリメチル塩化アンモニウムなどの第四級アミン;獣脂アミン又はその誘導体などのアルキルアミン;エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマー;ポリエチレンオキシド側鎖がグラフトされたアクリルコポリマー;両性ポリマー;ポリビニルピロリジノン又はポリアクリレートなどのくし形ポリマー;高分子分散剤(Solvay製のGeropon MAIなど);並びに、モノ及びジアルキルリン酸塩エステルの塩;ポリエチレングリコールアルキル/アリールエーテル、及び、これらの組み合わせであり得る。好ましくは、分散剤は、2種の異なる分散剤の組み合わせ、例えば、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマーと、ポリビニルピロリジノン若しくはポリアクリレートなどのくし形ポリマーと、又は、高分子分散剤(Solvay又はRhodiaから入手可能であるGeropon MAIなど)との組み合わせである。より好ましくは、分散剤は、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマー(AKZO NOBEL SURFACE CHEMISTRY LLC.から入手可能であるETHYLAN(商標)NS-500LQ、又は、HUNTSMAN INTERNATIONAL LLCから入手可能であるTERMUL 5500など)と、くし形ポリマー(ポリビニルピロリジノン又はポリアクリレート、例えば、Croda
Europe Limitedから入手可能であるAtlox 4913-LQ-(MV)、又は、AKZO NOBEL SURFACE CHEMISTRY LLCから入手可能であるAgrilan 755など)との組み合わせ、又は、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマー(AzokNobelから入手可能であるETHYLAN(商標)NS-500LQなど)と、高分子分散剤(Solvayから入手可能であるGeropon MAIなど)との組み合わせである。一実施形態において、分散剤は、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマー(HUNTSMAN INTERNATIONAL LLCから入手可能であるTERMUL 5500など)と、ポリアクリレートくし形ポリマー(AKZO NOBEL SURFACE CHEMISTRY LLCから入手可能であるAgrilan 755など)との組み合わせである。一実施形態において、分散剤は、エチレンオキシド及びプロピレンオ
キシドのブロックコポリマー(AzokNobelから入手可能であるETHYLAN(商標)NS-500LQなど)と、高分子分散剤(Solvayから入手可能であるGeropon MAIなど)との組み合わせである。存在する場合、組成物中のすべての分散剤の含有量は、分散剤の性質、組成物の必要とされる特性及びコストに基づいて選択され得る。存在している場合、組成物中のすべての分散剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.2~20重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物中のすべての分散剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.1~12重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物中のすべての分散剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.2~6重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物中のすべての分散剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.5~5重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物中のすべての分散剤の含有量は、組成物の総量に基づいて1~3重量パーセントであり得る。例えば、存在している場合、組成物中のすべての分散剤の含有量は、組成物の総量に基づいて2重量パーセントであり得る。存在している場合、組成物中における各分散剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.1~10重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物中における各分散剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.2~4重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物中における各分散剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.5~2重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物中における各分散剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.8~1.2重量パーセントであり得る。例えば、存在している場合、組成物中における各分散剤の含有量は、独立して、組成物の総量に基づいて、0.5、1又は1.5重量パーセントであり得る。
【0104】
湿潤剤としては、固体表面と水表面との間における表面張力を低減し、及び、固体材料をより容易に水に濡れやすくするために、特に除草剤分野といった農芸化学分野において一般に用いられるいずれかの湿潤剤が用いられ得る。一実施形態において、湿潤剤は、アニオン性又はノニオン性界面活性剤であり得る。アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、スルホン酸塩、脂肪酸又は脂肪酸エステル硫酸塩、カルボン酸セッケン、リン酸塩エステル等が挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー等が挙げられる。好ましくは、湿潤剤は、ノニオン性界面活性剤、特にポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーから選択される。存在する場合、組成物中における湿潤剤の含有量は、湿潤剤の性質、組成物の必要とされる特性及びコストに基づいて選択され得る。存在している場合、組成物中における湿潤剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.05~5重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物中における湿潤剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.08~3重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物中における湿潤剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.1~2重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物中における湿潤剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.2~1重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物中における湿潤剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.3~0.8重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物中における湿潤剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.4~0.6重量パーセントであり得る。例えば、存在している場合、組成物中における湿潤剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.5重量パーセントであり得る。
【0105】
乳化剤としては、表面張力及び界面張力を低減し、乳化エネルギーを低減し、及び、表面自由エネルギーを低減して、安定なエマルジョンを形成するために、特に除草剤分野といった農芸化学分野において一般に用いられるいずれかの乳化剤が用いられ得る。一実施形態において、乳化剤は、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムなどのC1~C22アルキル-フェニル-スルホネートの塩(例えばアルカリ土類金属塩、例えばカルシウム塩)
(例えばC8~C18アルキル-フェニルスルホネートの塩);ヒマシ油-アルキレン酸化物付加生成物(縮合物)、特に、例えば様々なエトキシル化度であることが可能であるヒマシ油エトキシレート、例えばヒマシ油エトキシレート(例えば、20~50EO)(すなわち、1モルのヒマシ油当り20~50モルのエチレンオキシド(EO)を含有するか、及び/又は、これを用いて生成される)、例えばOXITENO NORDESTE SA INDUSTRIA E COMERCIOから入手可能であるSurfom R
200;ポリアルキレングリコールエーテル、特に、ポリエチレングリコールエーテル、例えば、ポリエチレングリコールモノ(トリスチリルフェニル)エーテル(トリスチリルフェノールエトキシレート、例えば、SOLVAY SOLUTIONS ITALIA S.P.A.から入手可能であるSoprophor BSU、又は、OXITENO NORDESTE SA INDUSTRIA E COMERCIOから入手可能であるSurfom CE 1299);トリデシルアルコールエトキシレートなどのアルコール-アルキレン酸化物付加生成物(縮合物);ノニルフェノールエトキシレートなどのアルキルフェノール-アルキレン酸化物付加生成物(縮合物);ジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸塩のジC1~C22アルキルエステル;ソルビトールオレアートなどのソルビトールエステル;ステアリン酸ポリエチレングリコールなどのC8~C22脂肪酸のポリエチレングリコールエステル;エチレンオキシド(EO)及びプロピレンオキシド(PO)のブロックコポリマー;Atlas G-5000(商標)EO/POコポリマー(例えばCrodaから入手可能)などのエチレンオキシド(EO)/プロピレンオキシド(PO)コポリマー;又は、モノ-及び/又はジ-アルキルリン酸塩エステルの塩;トリスチリルフェノールエトキシレート及び/又はトリスチリルフェノールエトキシレート-プロポキシレートなどのトリスチリルフェノールアルコキシレート、より具体的には、例えばSolvay Solutions Nederland B.V.から入手可能である、Soprophor TS/10(商標)(10モルEO)、Soprophor BSU(商標)(16モルEO)、又は、Soprophor S/25(商標)(25モルEO)などの1モルのトリスチリルフェノール当り8~30(好ましくは10~25)モルのエチレンオキシド(EO)を含有するトリスチリルフェノールエトキシレート;又は、これらの2種以上の乳化剤の混合物であり得る。一実施形態において、2種以上の乳化剤の組み合わせを組成物において使用し得る。例えば、ヒマシ油-アルキレン酸化物付加生成物と、ポリエチレングリコールエーテルとの組み合わせを、組成物において乳化剤として使用し得る。一実施形態において、ヒマシ油エトキシレートとポリエチレングリコールモノ(トリスチリルフェニル)エーテルとの組み合わせを、組成物において乳化剤として使用し得る。存在する場合、組成物における乳化剤の含有量は、乳化剤の性質、組成物の必要とされる特性及びコストに基づいて選択され得る。存在している場合、組成物におけるすべての乳化剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.5~30重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物におけるすべての乳化剤の含有量は、組成物の総量に基づいて1~20重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物におけるすべての乳化剤の含有量は、組成物の総量に基づいて2~15重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物におけるすべての乳化剤の含有量は、組成物の総量に基づいて4~9重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物におけるすべての乳化剤の含有量は、組成物の総量に基づいて5~8重量パーセントであり得る。例えば、存在している場合、組成物におけるすべての乳化剤の含有量は、組成物の総量に基づいて6重量パーセントであり得る。存在している場合、組成物における各乳化剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.1~10重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物における各乳化剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.2~7重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物における各乳化剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.3~6重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物における各乳化剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.5~5重量パーセントであり得る。例えば、存在している場合、組成物における各乳化剤の含有量
は、独立して、組成物の総量に基づいて2又は4重量パーセントであり得る。
【0106】
不凍剤としては、低温での流動性を高めるために、特に除草剤分野といった農芸化学分野において一般に用いられるいずれかの不凍剤が用いられ得る。一実施形態において、不凍剤は、アルコール又はフェノール、例えばエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール、トリメチロールプロパン、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、ペンタエリスリトール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、キシレノール、ビスフェノールAなどのビスフェノール、尿素等;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレングリコールなどのエーテルアルコール(分子量約4000以下のもの)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ブトキシキシエタノール、ブチレングリコールモノブチルエーテル、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、テトラペンタエリスリトール、ジグリセロール、トリグリセロール、テトラグリセロール、ペンタグリセロール、ヘキサグリセロール、ヘプタグリセロール、オクタグリセロール等、及び、これらの組み合わせであり得る。好ましくは、不凍剤は、アルコール、例えばエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール、トリメチロールプロパン、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、ペンタエリスリトール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、特にエチレングリコールであり得る。存在する場合、組成物における不凍剤の含有量は、不凍剤の性質、組成物の必要とされる特性及びコストに基づいて選択され得る。存在している場合、組成物における不凍剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.1~30重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物における不凍剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.3~20重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物における不凍剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.6~10重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物における不凍剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.8~6重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物における不凍剤の含有量は、組成物の総量に基づいて1~4重量パーセントであり得る。例えば、存在している場合、組成物における不凍剤の含有量は、組成物の総量に基づいて2重量パーセントであり得る。
【0107】
殺バクテリア剤としては、カビ及びバクテリアを防除するために、特に除草剤分野といった農芸化学分野において一般に用いられるいずれかの殺菌剤が用いられ得る。一実施形態において、殺バクテリア剤は、イソチアゾリノン化合物、特に、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン等などのベンズイソチアゾリノン、硫黄(湿潤性硫黄)、銅調製物、ベンズイミダゾール、ビテルタノール、ジクロフルアニド、フェンアミドン、フェナリモル、フェンヘキサミド、フルジオキソニル、フルオピラム、ホセチル-アルミニウム、イプロジオン、ミクロブタニル、ペンコナゾール、トリアジメノール、ビンクロゾリン、トリルフルアニド(Euparen M(登録商標))、イプタン(eaptan)、プロピネブ、テブコナゾールトリフロキシストロビン、クレソキシム-メチル、ジチアノン、シプロジニル、ピリメタニル、マンコゼブ(Dithane Ultra(登録商標))及びメチラム;並びに、これらの組み合わせであり得る。好ましくは、殺バクテリア剤は、イソチアゾリノン化合物、特に、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン等などのベンズイソチアゾリノン、特に、1,2-ベンズイソチ
アゾリン-3-オンであり得る。存在する場合、組成物における殺バクテリア剤の含有量は、殺バクテリア剤の性質、組成物の必要とされる特性及びコストに基づいて選択され得る。存在している場合、組成物における殺バクテリア剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.005~1重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物における殺バクテリア剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.002~0.5重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物における殺バクテリア剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.01~0.1重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物における殺バクテリア剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.03~0.05重量パーセントであり得る。例えば、存在している場合、組成物における殺バクテリア剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.04重量パーセントであり得る。
【0108】
消泡剤としては、希釈時における泡の形成を低減するために、特に除草剤分野といった農芸化学分野において一般に用いられるいずれかの消泡剤が用いられ得る。一実施形態において、消泡剤は、シリカ、ポリオルガノシロキサン、ポリジアルキルシロキサン、特にポリジメチルシロキサン、フッ素脂肪族エステル又はペルフルオロアルキルホスホン酸/ペルフルオロアルキルホスホン酸又はその塩;及び、これらの組み合わせであり得る。好ましくは、消泡剤は、ポリオルガノシロキサン、例えばElkem Silicones(UK)Ltdから入手可能であるSilcolapSE432、又は、BLUESTAR SILICONES SHANGHAI CO LTD.から入手可能であるSilcolapse C565である。存在する場合、組成物における消泡剤の含有量は、消泡剤の性質、組成物の必要とされる特性及びコストに基づいて選択され得る。存在している場合、組成物における消泡剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.002~0.2重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物における消泡剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.005~0.12重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物における消泡剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.008~0.06重量パーセントであり得る。好ましくは、存在している場合、組成物における消泡剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.01~0.03重量パーセントであり得る。例えば、存在している場合、組成物における消泡剤の含有量は、組成物の総量に基づいて0.02重量パーセントであり得る。
【0109】
当業者によって容易に理解されるとおり、組成物は、例えば有効成分に伴って導入されてしまういずれかの不純物といった、既述のものに追加して他の成分を含んでいてもよい。当業者によって容易に理解されるとおり、組成物中におけるすべての成分の合計は、組成物の総量に基づいて100重量パーセントでなければならない。
【0110】
本開示の安定な農芸化学組成物は、安定な除草性組成物、安定な殺虫性組成物、安定な殺有害生物組成物、安定な殺菌・殺カビ組成物、安定な殺細菌性組成物等などのいずれかの安定な農芸化学組成物であり得る。一実施形態において、本開示の安定な農芸化学組成物は、安定な除草性組成物である。本開示の安定な農芸化学組成物は、分散体、サスポエマルジョン(SE)等などのいずれかの形態であればよい。
【0111】
一般に、本開示の安定な組成物は粒子を含んでいてもよく、いくつかの場合においては、異なるタイプの粒子を含んでいてもよい。例えば、安定な組成物がSEである場合、固体粒子及び液体油粒子である少なくとも2つのタイプの粒子が存在しており、並びに、懸濁する固体粒子により形成される懸濁液相、液体油粒子により形成されるエマルジョン相、及び、水により形成される連続相を含む少なくとも3つの相が存在する。この場合、懸濁液相中の固体粒子は水中に懸濁する第1の固体有効成分の固体粒子であり、エマルジョン相中の液体油粒子は第3の有効成分及び有機溶剤中に溶解した第2の有効成分により形成される。一実施形態において、安定な組成物はSEであり、第1の有効成分により形成
された固体粒子と、第3の有効成分及び有機溶剤中に溶解した第2の有効成分により形成された液体油粒子とを含み、平均粒径d90は、すべての粒子に基づいて、<15μmであり得、好ましくは<7μmであり得る。実施形態において、固体粒子は、<15μmの平均粒径d90、好ましくは<7μmの平均粒径d90を有し得、及び、液体油粒子は、<5μmの平均粒径d90、好ましくは<2μmの平均粒径d90を有し得る。平均粒径d90は、レーザ回折計又は顕微鏡により計測し得る。時々、当業者によって容易に理解されるとおり、例えばSEである組成物中に油相及び水性相の2つの相が存在する。第1の有効成分、水、並びに、消泡剤、増粘剤及び不凍剤といったいく種かの添加剤が水性相中に存在し、一方で、第2及び第3の有効成分、有機溶剤及び他の添加剤は油相中に存在する。一実施形態において、例えばSEといった組成物において、油相の含有量(第2及び第3の有効成分、有機溶剤、及び、ここで用いたいずれかの添加剤の合計)は、組成物の総量に基づいて少なくとも30重量パーセント、好ましくは、組成物の総量に基づいて少なくとも40重量パーセント、好ましくは、組成物の総量に基づいて少なくとも50重量パーセント、好ましくは、組成物の総量に基づいて少なくとも60重量パーセントである。
【0112】
本開示の組成物は、優れた安定性を有すると共に、NY/T 2989-2016(Guidelines on developing the specifications of pesticides for registration)に記載されるサスポエマルジョン(SE)について規定された以下の安定性要件を満たすことが可能である:外観、湿式ふるいテスト、分散安定性、低温安定性及び熱保管安定性。すべてのこれらの安定性要件に係る仕様は、実施例の部分で記載する。例えば、とりわけ、本開示の組成物は優れた分散安定性を有し、これは、例えば、CIPAC MT 180「Dispersion Stability of Suspo-Emulsion」により計測し得る。一実施形態において、本開示の組成物は、CIPAC MT 180により計測で、54℃で少なくとも2週間の間安定であることが可能である。一実施形態において、本開示の組成物は、CIPAC MT 180による計測で、室温で、少なくとも2年間安定であることが可能である。
【0113】
第2の態様
第2の態様において、本開示は、第1の態様に記載の安定な農芸化学組成物を調製するためのプロセスを提供するものであり、これは:
a)第1の有効成分の懸濁液濃縮物(SC)を形成するステップ、
b)第2の有効成分及び第3の有効成分の乳化性濃縮物(EC)を形成するステップ;並びに
c)SCを、EC及び他の任意の処方成分と混合するステップ
を含む。
【0114】
また、特に、(1)第1の有効成分が、室温で、水又は第3の有効成分に不溶性である場合、及び、(2)第2の固体有効成分が、室温で、液体である第3の有効成分に1~33g/100gの溶解度を有する場合、安定な2種の固体有効成分及び1種の液体有効成分を含む農芸化学組成物、特に、2種の固体有効成分及び1種の液体有効成分を含む安定なSEは、EC及びSCの各々における有効成分を注意深く選択することにより、ECをSCと組み合わせることで成功裏に調製可能であることがここに見出された。具体的には、意外なことに、本開示の本発明者らは、安定な農芸化学組成物、特に、安定なSEは、油相の含有量(第2及び第3の有効成分、有機溶剤、及び、ここで用いたいずれかの添加剤の合計)が、組成物の総量に基づいて少なくとも30重量パーセント、好ましくは、組成物の総量に基づいて少なくとも40重量パーセント、好ましくは、組成物の総量に基づいて少なくとも50重量パーセント、好ましくは、組成物の総量に基づいて少なくとも60重量パーセントである場合、第1の有効成分の懸濁液濃縮物(SC)を、第2の有効成
分及び第3の有効成分の乳化性濃縮物(EC)と混合した場合にのみ、成功裏に配合可能であることを見出した。より具体的には、意外なことに、本開示の本発明者らは、第2の有効成分を第1の有効成分と共にSCに添加する場合、第3の有効成分をどのように配合しても(例えばEC又はEWに)、安定な農芸化学組成物、特に安定なSEは成功裏に配合可能ではないことを見出した。意外なことに、本開示の本発明者らはまた、第2の有効成分を第3の有効成分と一緒にEWに配合する場合、第1の有効成分をSCに配合しても、特に、油相の含有量(第2及び第3の有効成分、有機溶剤及びいずれかの任意の添加剤の合計)が、組成物の総量に基づいて少なくとも30重量パーセント、好ましくは、組成物の総量に基づいて少なくとも40重量パーセント、好ましくは、組成物の総量に基づいて少なくとも50重量パーセント、好ましくは、組成物の総量に基づいて少なくとも60重量パーセントである場合、安定な農芸化学組成物、特に安定なSEは成功裏に配合可能ではないことを見出した。
【0115】
ステップa)は、第1の有効成分、第1の分量の水及び他の任意の添加剤を混合して、均質な懸濁液を形成するステップを含み得る。ステップa)において使用し得る他の任意の添加剤としては、これらに限定されないが、不凍剤、消泡剤、分散剤、他の可能な界面活性剤、及び、これらの組み合わせが挙げられ得る。均質な懸濁液は、外観の視覚評価、サンプルの異なる点における有効成分含有量分析、及び/又は、サンプルの異なる点における顕微鏡テストにより判定可能である。混合ステップは、ミキサなどの技術分野におけるいずれかの手段により行い得る。混合時間は、第1の有効成分の性質及び量、他の任意の添加剤の性質及び量、並びに、水と比したこれらの相対量に基づいて選択される。一般に、混合時間は、例えば材料の総量に応じて、5分間~60分間であり得る。第1の分量の水の量は、第1の有効成分を成功裏に分散させるために必要な水の最低量、及び、組成物において用いられる水の総量により判定され得る。
【0116】
ステップa)は、望ましい平均粒径が得られるまで、例えば≦15μm、好ましくは≦7μm、より好ましくは≦5μmの平均粒径d90が達成されるまで、得られた懸濁液を粉砕するステップをさらに含んでいてもよい。粉砕ステップは、技術分野におけるいずれかの好適な機器、例えばNETZSCH MINIZETAにより実施し得る。第1の態様において記載のとおり、平均粒径は、技術分野におけるいずれかの従来の方法、例えばレーザ粒径分析器Malvern MS3000により計測し得る。粉砕時間は、望ましい平均粒径、粉砕に用いられる機器及び材料の総量により決定し得る。一般に、粉砕時間は、例えば、材料の総量及び所望の粒径に応じて5分間~60分間であり得る。
【0117】
ステップb)は、第2及び第3の有効成分、有機溶剤及び他の任意の添加剤を混合して清透な液体を形成するステップを含み得る。他の任意の添加剤としては、これらに限定されないが、湿潤剤、乳化剤、殺菌剤、他の可能な界面活性剤、及び、これらの組み合わせが挙げられ得る。混合は、ミキサなどの技術分野におけるいずれかの手段により実施し得る。混合時間は、第2及び第3の有効成分の性質及び量、他の任意の添加剤の性質及び量、並びに、有機溶剤と比したこれらの相対量等に基づいて選択され得る。一般に、混合時間は、例えば材料の総量に応じて5分間~30分間であり得る。
【0118】
ステップb)における混合は、溶解を促進するために加熱下で実施し得る。加熱は任意である。加熱は、例えば磁気撹拌ヒータといった技術分野におけるいずれかの手段により実施し得る。加熱温度は、一般に、30℃~有機溶剤の沸点、好ましくは30~80℃、より好ましくは40~60℃、例えば50℃である。加熱時間は、混合時間と同じ、又は、それよりも長くても短くてもよい。一般に、加熱時間は、例えば材料の総量に応じて5分間~60分間であり得る。
【0119】
当業者によって容易に理解されるとおり、ステップa)及びステップb)の順番は重要
ではない。従って、ステップa)は、ステップb)の前後又は同時に実施し得る。
【0120】
ステップc)において、SCと、EC及び他の任意の処方成分との混合は、ミキサなどの技術分野におけるいずれかの手段により実施し得る。他の任意の処方成分としては、これらに限定されないが、第2の分量の水、増粘剤、他の可能な界面活性剤、及び、これらの組み合わせが挙げられ得る。第2の分量の水の量は、第1の分量の水及び水の総量により決定される。一般に、混合時間は、例えば材料の総量に応じて5分間~30分間であり得る。
【0121】
ステップc)において、SCとEC及び他の任意の処方成分との混合は、すべてのタイプのすべての粒子に基づいて≦15μmの平均粒径d90、好ましくは≦7μmの平均粒径d90、より好ましくは≦5μmの平均粒径d90を達成するために、せん断下(例えば、500~100000rpm、例えば1000~80000rpm、特に2000~40000rpm、より具体的には12000~20000rpm)で実施し得る。第1の態様において記載のとおり、平均粒径は、技術分野における、例えばレーザ粒径分析器Malvern MS3000といったいずれかの従来の方法により計測し得る。せん断は、高せん断機器などの技術分野におけるいずれかの従来の手段により達成し得る。一般に、せん断時間は、混合時間と同じ、又は、それよりも短くてもよい。一般に、せん断時間は、例えば材料の総量及び所望の粒径に応じて5分間~30分間であり得る。
【0122】
組成物が増粘剤を含む場合、増粘剤の量及び実際の要求に応じて、増粘剤は、ステップa)、ステップc)、及び/又は、任意のステップd)において添加し得る。一実施形態において、組成物が増粘剤を含む場合、ステップc)、すなわち、SCとEC及び他の任意の処方成分との混合は、c1)SCを増粘剤の一部又はすべてと混合して均質な懸濁液を形成するステップ、及び、c2)c1)において得られた懸濁液をECと混合するステップを含んでいてもよい。この場合、増粘剤を除き、残りの他の任意の処方成分(例えば、第2の分量の水、及び他の可能な添加剤)はすべて、c1)又はc2)において添加し得る。残りの他の任意の処方成分のいくつかをc1)において添加し、及び、他のものをc2)において添加することも可能である。他の実施形態において、組成物が増粘剤を含む場合、プロセスは、ステップd):ステップc)において得られた分散体を増粘剤の一部又はすべてと混合するステップをさらに含んでいてもよい。混合するステップは、ミキサなどの技術分野におけるいずれかの手段により実施し得る。一般に、混合時間は、例えば材料の総量に応じて5分間~60分間であり得る。
【0123】
本開示において、別段の定めがある場合を除き、第1の態様におけるすべての特定の記載は、すべての関連する記載がここに複製されているために、第2の態様にも適用される。例えば、別段の定めがある場合を除き、第1の態様における、安定な農芸化学組成物、第1、第2及び第3の有効成分、組成物におけるその含有量、並びに、相互に比した相対量、有機溶剤及びその含有量、可能な添加剤(増粘剤、分散剤、湿潤剤、乳化剤、不凍剤、消泡剤及び殺バクテリア剤)及びその含有量に対するすべての特定の記載は、すべての関連する記載がここに複製されているために、第2の態様にも適用される。
【0124】
第3の態様
第3の態様において、本開示は:
a)第1の有効成分のSCを形成するステップ;
b)第2の有効成分及び第3の有効成分のECを形成するステップ;並びに
c)SCを、EC及び他の任意の処方成分と混合するステップ
を含むプロセスであって、
第1の有効成分は、室温で固体であると共に室温で水に不溶性であり、第2の有効成分は室温で固体であり、及び、第3の有効成分は室温で液体であり;並びに
第1の有効成分は室温で第3の有効成分に不溶性であり、及び、第2の有効成分は室温で、第3の有効成分に1~33g/100gの溶解度を有する、プロセスにより調製された安定な農芸化学組成物を提供する。
【0125】
第2の態様に記載のとおり、第1及び第2の固体有効成分並びに液体第3の有効成分を含む安定な農芸化学組成物、特に、これらの2種の固体有効成分及び液体有効成分を含む安定なSEは、特に、(1)第1の有効成分が水及び第3の有効成分の両方に不溶性であり、並びに、(2)第2の固体有効成分が、室温で、液体有効成分に1~33g/100gの溶解度を有する場合に、EC及びSCの各々における有効成分を注意深く選択することにより、ECとSCとを組み合わせることで、成功裏に調製が可能となることがここに見出された。具体的には、意外なことに、本開示の本発明者らは、安定な農芸化学組成物、特に安定なSEは、特に、油相の含有量(第2及び第3の有効成分、有機溶剤及びここで用いたいずれかの任意の添加剤の合計)が、組成物の総量に基づいて少なくとも30重量パーセント、好ましくは、組成物の総量に基づいて少なくとも40重量パーセント、好ましくは、組成物の総量に基づいて少なくとも50重量パーセント、好ましくは、組成物の総量に基づいて少なくとも60重量パーセントである場合、第1の有効成分の懸濁液濃縮物(SC)を、第2の有効成分及び第3の有効成分の乳化性濃縮物(EC)と混合した場合にのみ、成功裏に配合可能であることを見出した。より具体的には、意外なことに、本開示の本発明者らは、第2の有効成分を第1の有効成分と共にSCに添加する場合、第3の有効成分をどのような剤形に配合しても(例えば、EC又はEWに)、安定な農芸化学組成物、特に安定なSEは、成功裏に配合可能ではないことを見出した。意外なことに、本開示の本発明者らはまた、第2の有効成分を第3の有効成分と一緒にEWに配合する場合、第1の有効成分をSCに配合しても、特に、油相の含有量(第2及び第3の有効成分、有機溶剤及びここで用いたいずれかの任意の添加剤の合計)が、組成物の総量に基づいて少なくとも30重量パーセント、好ましくは、組成物の総量に基づいて少なくとも40重量パーセント、好ましくは、組成物の総量に基づいて少なくとも50重量パーセント、好ましくは、組成物の総量に基づいて少なくとも60重量パーセントである場合、安定な農芸化学組成物、特に安定なSEは成功裏に配合可能ではないことを見出した。
【0126】
本開示において、別段の定めがある場合を除き、第1及び第2の態様におけるすべての特定の記載は、すべての関連する記載がここに複製されているために、第3の態様に適用される。例えば、別段の定めがある場合を除き、第1の態様における、安定な農芸化学組成物、第1、第2及び第3の有効成分、組成物におけるその含有量、並びに、相互に比した相対量、有機溶剤及びその含有量、可能な添加剤(増粘剤、分散剤、湿潤剤、乳化剤、不凍剤、消泡剤、及び殺バクテリア剤)及びその含有量に対するすべての特定の記載は、すべての関連する記載がここに複製されているために第3の態様に適用され、また、別段の定めがある場合を除き、第2の態様におけるステップa)、b)、c)、c1)、c2)及びd)に対するすべての特定の記載は、すべての関連する記載がここに複製されているために、第3の態様に適用される。
【0127】
本明細書に開示の各実施形態は、他の開示されている実施形態の各々に適用可能であると考慮される。それ故、本明細書に記載の種々の要素のすべての組み合わせは本開示の範囲内である。加えて、プロセス実施形態において言及されている要素は、本明細書に記載の化合物実施形態と組み合わせて用いること、及び、その逆も可能である。
【0128】
本開示は、以下の実施例を参照することによってより良好に理解されるが、当業者は、詳述されている特定の実験は、本明細書中以下の特許請求の範囲により完全に記載されている本開示の単なる例示であることを容易に認識するであろう。
【0129】
本開示は、これにより制限されることなく、以下の実施例により例示される。
【実施例
【0130】
試験法
1.外観は視覚評価により計測する。
【0131】
2.湿式ふるいテストは、CIPAC MT 185「湿式ふるいテスト」に準拠して計測する。
【0132】
3.分散安定性は、CIPAC MT 180「サスポエマルジョンの分散安定性」に準拠して、特定の温度で計測する。
【0133】
4.低温安定性は、CIPAC MT 39.3「0℃での液体配合物の安定性」に準拠して、規定の期間計測する。
【0134】
5.熱保管安定性は、CIPAC MT 46.3「加速保管手法」に準拠して、特定の温度で、規定の期間計測する。
【0135】
6.平均粒径d90は、レーザ粒径分析器Malvern MS3000により、CIPAC MT 187に準拠して計測する。
【0136】
実施例における関連するテストに係る仕様を表1に列挙する。
【0137】
【表1】
【0138】
7.特定の温度でのプレチラクロール中における材料の溶解度は、以下のとおり計測される:
10gの材料をビーカに加え、次いで、10gのプレチラクロールを添加する。得られる混合物を、特定の温度で温度を維持しながら磁気撹拌機において1時間撹拌し、上澄みをとり、上澄み中の材料の含有量を、g/100gの単位で示される特定の温度での飽和溶解度として計測する。
【0139】
比較例(CE)1
I.EC1をこのCE1において以下のとおり配合した。
i).表2に示すとおり、溶剤S-150 ND、プレチラクロール(テクニカルグレード)及び乳化剤を、表2に示す量で、混合下に、反応器に徐々に添加し;並びに
ii).反応器中の混合物を約50℃に加熱し、同じ温度で液体が清透となるまで混合した。
【0140】
【表2】
【0141】
II.SC1をこのCE1において以下のとおり配合した。
i).水及びプロピレングリコールを、表3に記載の量で反応器に加え、混合を開始し;
ii).表3に示すとおり、Silcolapse C565、ペノキススラム(テクニカルグレード)、フェンクロリム(テクニカルグレード)、分散剤及び他の材料を、表3に示す量で反応器に加え、混合を懸濁液が均質となるまで継続し;
iii).懸濁液を、レーザ粒径分析器Malvern MS3000による計測で、<5μmの平均粒径d90が得られるまでビーズミルで粉砕した。
【0142】
【表3】
【0143】
III.SE1を以下のとおり配合した。
Iにおいて得たEC1をIIにおいて得たSC1に加え、得られた混合物を一様に混合した。次いで、得られた材料を、高せん断機器IKA RW 20デジタルにおいて、15000~20000rpmで、レーザ粒径分析器Malvern MS3000による計測で、すべてのタイプのすべての粒子に基づいて、<2μmの平均粒径d90が得られるまで、せん断に供して、白色様の均一なサンプルを得た。
【0144】
IV.テスト
SE1を、既述の方法に従って、54℃で熱保管安定性についてテストした。テスト14日目には、層剥離現象及び析出が明らかに観察された。
【0145】
CE2
I.EW1をこのCE2において以下のとおり配合した。
i).表4に示すとおり、溶剤S-150 ND、プレチラクロール(テクニカルグレード)及び乳化剤を、表4に示す量で反応器に徐々に加え;並びに
ii).i)において得た混合物を室温で均一に混合し、他の反応器において、表4に示す量で水に添加し、高せん断機器において12000~15000rpm、同じ温度でせん断に供して、均一な白色のエマルジョンではなく油状の混合物を得た。
【0146】
【表4】
【0147】
均一な白色のエマルジョンを配合する可能性を探るために、EW1の第2のバッチをIと同じように配合し、得られた油状の混合物にさらなる14.8gの水(これは、以下に記載のとおり、SCの配合のために意図されたもの)を添加し、12000~15000rpm、室温でせん断に供した。しかしながら、得られた混合物は未だ油状であった。
【0148】
II.SC2を、水の量を14.8gに減らしたことを除き、SC1を配合するためのCE1における手法を繰り返すことにより配合した。
【0149】
III.SE2を以下のとおり配合した。
Iにおいて得たEW1をIIにおいて得たSC2に加え、得られた混合物を一様に混合した。次いで、得られた材料を、高せん断機器IKA RW 20デジタルにおいて、15000~20000rpmで、レーザ粒径分析器Malvern MS3000による計測で、すべてのタイプのすべての粒子に基づいて、<2μmの平均粒径d90が得られるまで、せん断に供して、縁部に油状の小滴を有する白色様のサンプルを得た。
【0150】
IV.テスト
SE2を、既述の方法に従って、54℃で熱保管安定性についてテストした。テスト14日目には、層剥離現象及び析出が明らかに観察された。
【0151】
CE3
I.EW2をこのCE3において以下のとおり配合した。
i).溶剤S-150 ND、プレチラクロール(テクニカルグレード)、フェンクロリム(テクニカルグレード)及び乳化剤を、表5に示す量で、混合下に、反応器に徐々に添加し;並びに
ii).反応器中の混合物を室温で均一に混合し、他の反応器において、表5に示す量で水に添加し、12000~15000rpm、同じ温度でせん断に供して、均一な白色のエマルジョンではなく油状の混合物を得た。
【0152】
【表5】
【0153】
均一な白色のエマルジョンを配合する可能性を探るために、EW2の第2のバッチをIと同じように配合し、得られた油状の混合物にさらなる14.8gの水(これは、以下に記載のとおり、SCの配合のために意図されたもの)を添加し、12000~15000rpm、室温でせん断に供した。しかしながら、得られた混合物は未だ油状であった。
【0154】
II.SC3を、(1)水の量を14.8gに減らし、及び、(2)フェンクロリム(テクニカルグレード)を添加しなかったことを除き、SC1を配合するためのCE1における手法を繰り返すことにより配合した。
【0155】
III.SE3を以下のとおり配合した。
Iにおいて得たEW2をIIにおいて得たSC3に加え、得られた混合物を一様に混合した。次いで、得られた材料を、高せん断機器IKA RW 20デジタルにおいて、15000~20000rpmで、レーザ粒径分析器Malvern MS3000による計測で、すべてのタイプのすべての粒子に基づいて、<2μmの平均粒径d90が得られるまで、せん断に供して、縁部に油状の小滴を有する白色様のサンプルを得た。
【0156】
IV.テスト
SE3を、既述の方法に従って、54℃で熱保管安定性についてテストした。テスト14日目には、層剥離現象及び析出が明らかに観察された。
【0157】
CE4
I.SE4を以下のとおり配合した。
i)表6に示すとおり、すべての材料を、表6に示す量で反応器に徐々に加え、均一に混合し;及び
ii)i)において得た混合物を、レーザ粒径分析器Malvern MS3000による計測で、すべての粒子に基づいて<5μmの平均粒径d90が得られるまでビーズミルにおいて粉砕して、白色様のサンプルを得た。
【0158】
【表6】
【0159】
II.テスト
SE4を、既述の方法に従って、54℃で熱保管安定性についてテストした。テスト14日目には、層剥離現象及び析出が明らかに観察された。
【0160】
SE1~SE4はすべて、54℃での熱保管安定性テストで不合格であった。SE1~SE4は、第2の有効成分としてのフェンクロリムを第1の有効成分としてのペノキススラムと共にSCに添加した場合、第3の有効成分としてのプレチラクロールをどのような剤形に配合しても(EC又はEW)、安定なSEは成功裏に配合可能ではないことを実証した。SE1~SE4はまた、第2の有効成分としてのフェンクロリムを第3の有効成分としてのプレチラクロールと一緒にEWに配合した場合、第1の有効成分としてのペノキススラムをSCに配合しても、安定なSEは成功裏に配合可能ではないことを実証した。
【0161】
実施例1(E1)
I.EC2を本E1において以下のとおり配合した。
i).表7に示すとおり、溶剤S-150 ND、プレチラクロール(テクニカルグレード)、フェンクロリム(テクニカルグレード)及び乳化剤を、表2に示す量で、混合下に、反応器に徐々に添加し;並びに
ii).反応器中の混合物を約50℃に加熱し、同じ温度で液体が清透となるまで混合した。
【0162】
【表7】
【0163】
II.SC5を本E1において以下のとおり配合した。
i).水及びプロピレングリコールを、表8に記載の量で反応器に加え、混合を開始し;
ii).表8に示すとおり、Silcolapse C565、ペノキススラム(テクニカルグレード)、分散剤及び他の材料を、表8に示す量で反応器に加え、混合を懸濁液が均質となるまで継続し;
iii).懸濁液を、レーザ粒径分析器Malvern MS3000による計測で、<5μmの平均粒径d90が得られるまでビーズミルで粉砕した。
【0164】
【表8】
【0165】
III.SE5を以下のとおり配合した。
Iにおいて得たEC2をIIにおいて得たSC5に加え、得られた混合物を一様に混合した。次いで、得られた材料を、高せん断機器IKA RW 20デジタルにおいて、15000~20000rpmで、レーザ粒径分析器Malvern MS3000による計測で、すべてのタイプのすべての粒子に基づいて、<2μmの平均粒径d90が得られるまで、せん断に供して、白色様の均一なサンプルを得た。
【0166】
IV.テスト
SE5を、既述の方法に従って、外観、湿式ふるいテスト、分散安定性、低温安定性、及び、54℃での熱保管安定性についてテストした。SE5はすべてのテストに合格した。具体的には、SE5は、0℃で7日間、及び、54℃で14日間の両方において、保管後にもその分散安定性を維持していた。
【0167】
CE1~CE4及びE1を考慮すると、安定なSEは、第1の有効成分としてのペノキススラムのSCを、第2の有効成分としてのフェンクロリム及び第3の有効成分としてのプレチラクロールのECと混合した場合にのみ成功裏に配合可能であることが実証された。
【0168】
CE1~CE4及びE1中の油相の含有量は、58重量パーセントで同じであった。
【0169】
V.顕微鏡写真
顕微鏡モデルBX53,OLYMPUSを用いて、実施例1で得られたSE1において、図1に示す顕微鏡写真を撮影した。図1において、ペノキススラムにより形成された固体粒子(明るい粒子)、プレチラクロール及び有機溶剤に溶解したフェンクロリムにより形成された液体油粒子(暗い粒子)の2つのタイプの粒子が示されていた。例示を目的と
して、粒子のいくつかを枠中に示した。図1はまた、水により形成された連続相を示し、その一部もまた枠中に特定的に示した。特に示されてはいないが、懸濁した固体粒子により形成された懸濁液相及び液体油粒子により形成されたエマルジョン相もまた図1から明らかであった。
【0170】
E2
I.異なるSCを、このE2において以下のとおり配合した。
i).水及びプロピレングリコールを、表9に記載の量で反応器に加え、混合を開始し;
ii).表9に示すとおり、SilcolapSE432、ペノキススラム(テクニカルグレード)及び対応する分散剤を、表9に示す量で、反応器に添加し、混合を懸濁液が均質となるまで継続し;
iii).懸濁液を、レーザ粒径分析器Malvern MS3000による計測で、<5μmの平均粒径d90が得られるまでビーズミルで粉砕した。
【0171】
【表9】
【0172】
E2において、SC6~9は成功裏に配合された。
【0173】
II.EC2の6つのバッチをE1のIと同じように配合した。
【0174】
III.SE6~9を、E1のIIIに記載のものと同一の手法に従って、SC6~9
とEC2の各バッチとそれぞれ組み合わせることにより配合した。
【0175】
IV.テスト
SE6~9を、既述の方法に従って、外観、湿式ふるいテスト、分散安定性、低温安定性、及び54℃での熱保管安定性についてテストした。SE6及びSE9のみがすべてのテストに合格した。
【0176】
E3
溶解度テスト
1.室温及び54℃でのプレチラクロール中のフェンクロリムの溶解度を、試験法に記載の方法に従って、それぞれ、12.1g/100g及び13.1g/100gとしてテストした。プレチラクロール中のフェンクロリムの溶解度は、室温と54℃との間で1g/100gの差を有すると計算可能である。
【0177】
2.室温及び54℃でのプレチラクロール中のペノキススラムの溶解度を、試験法に記載の方法に従って、それぞれ、0.12g/100g及び0.3g/100gとしてテストした。
【0178】
E4
I.異なるSCを、このE4において以下のとおり配合した。
i).水及びプロピレングリコールを、表10に記載の量で反応器に加え、混合を開始し;
ii).表10に示すとおり、Silcolapse C565、ペノキススラム(テクニカルグレード)、分散剤及び他の材料を、表10に示す量で反応器に加え、混合を懸濁液が均質となるまで継続し;
iii).懸濁液を、レーザ粒径分析器Malvern MS3000による計測で、<5μmの平均粒径d90が得られるまでビーズミルで粉砕した。
【0179】
【表10】
【0180】
E4において、SC10~12は成功裏に配合された。
【0181】
II.EC3~EC5を、このE4において、以下のとおり配合した。
i).表11に示すとおり、溶剤S-150 ND、プレチラクロール(テクニカルグ
レード)、フェンクロリム(テクニカルグレード)及び乳化剤を、表11に示す量で、混合下に、反応器に徐々に添加し;並びに
ii).反応器中の混合物を約50℃に加熱し、同じ温度で液体が清透となるまで混合した。
【0182】
【表11】
【0183】
III.SE10~SE12を、E1のIIIに記載のものと同一の手法に従って、12000~15000rpmのせん断速度で、SC10~SC12を、それぞれ、EC3~E5と(すなわち、SC10+EC3、SC11+EC4、SC12+EC5)組み合わ
せることにより配合した。
【0184】
IV.テスト
SE10~SE12を、既述の方法に従って、外観、湿式ふるいテスト、分散安定性、低温安定性、及び、54℃での熱保管安定性についてテストした。すべてのSE10~SE12がすべてのテストに合格した。
【0185】
本明細書中に記載されているすべての公開公報、特許及び特許出願は、個別の公開公報、特許又は特許出願の各々が具体的且つ個別に、参照により本明細書において援用されると明記されている場合と同様に、本明細書における参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0186】
実施例はその実施形態のいくつかにおける本主題の実施を例示するものであるが、本主題の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。添付の特許請求の範囲に係る趣旨及び範囲内の明細書及び本明細書中の実施例を考慮することにより本技術分野における当業者に明らかである他の実施形態は、本開示の一部である。実施例を含む明細書は単なる例示であって、本開示の範囲及び趣旨を限定するものではないことが意図されている。
図1
【国際調査報告】