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特表2024-531789シングルチャネル通信の符号化方法、復号化方法、符号化回路および復号化回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】シングルチャネル通信の符号化方法、復号化方法、符号化回路および復号化回路
(51)【国際特許分類】
   H04L 25/49 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
H04L25/49 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517070
(86)(22)【出願日】2022-03-15
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 CN2022080838
(87)【国際公開番号】W WO2023060834
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】202111200511.4
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524102110
【氏名又は名称】蘇州納芯微電子股分有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100104226
【弁理士】
【氏名又は名称】須原 誠
(72)【発明者】
【氏名】ファン ジャゴン
(72)【発明者】
【氏名】ション ユン
(72)【発明者】
【氏名】リン ジェンフォン
【テーマコード(参考)】
5K029
【Fターム(参考)】
5K029AA11
5K029FF02
(57)【要約】
本発明は、シングルチャネル通信の符号化方法、復号化方法、符号化回路および復号化回路に関し、シングルチャネル通信の符号化方法は、クロック信号とデータ信号を合成して長短コード信号を生成するステップと、長短コード信号は長コード信号と短コード信号からなり、長コード信号のパルス幅はクロック信号と一致し、短コード信号のパルス幅はクロック信号と一致するステップと、長コード信号は短コード信号のデューティ比とは異なるステップとを含み、この符号化方法はクロック信号とデータ信号を同時に符号化するので、回路の複雑さを低減でき、チップパッケージングのルーティングを減少させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロック信号とデータ信号を合成して長短コード信号を生成するステップを含み、
前記長短コード信号は長コード信号と短コード信号からなり、前記長コード信号のパルス幅はクロック信号と一致し、前記短コード信号のパルス幅はクロック信号と一致しており、
前記長コード信号は前記短コード信号のデューティ比とは異なる、
ことを特徴とするシングルチャネル通信の符号化方法。
【請求項2】
前記長短コード信号のデューティ比は、Tclk=TS+TLという関係式を満たし、Tclkはクロック周期であり、TSは短コード信号のハイレベル時間であり、TLは長コード信号のハイレベル時間であり、TSはTLと等しくない、ことを特徴とする請求項1に記載のシングルチャネル通信の符号化方法。
【請求項3】
クロック信号とデータ信号を合成して長短コード信号を生成するステップは、
クロック信号に基づき第1遅延クロック信号を生成すること、
前記第1遅延クロック信号に基づきパルス信号を生成すること、
前記パルス信号に基づき長コード信号のハイレベルと短コード信号のハイレベルを生成すること、
前記第1遅延クロック信号に基づき第2遅延クロック信号を生成すること、
前記第2遅延クロック信号に基づき短コード信号のローレベルを生成すること、
クロック信号に基づき長コード信号のローレベルを生成すること、
前記第1遅延クロック信号とデータ信号に基づきデータ遅延信号を生成すること、
データ信号に基づき前記長コード信号または前記短コード信号を選択して長短コード信号を生成すること、を含む、ことを特徴とする請求項2に記載のシングルチャネル通信の符号化方法。
【請求項4】
前記第1遅延クロック信号はクロック信号に対して遅延時間がTSであり、前記第2遅延クロック信号は第1遅延クロック信号に対して遅延時間がTSであり、前記データ遅延信号はデータ信号に対して遅延時間がTSである、ことを特徴とする請求項3に記載のシングルチャネル通信の符号化方法。
【請求項5】
クロック信号とデータ信号を合成して長短コード信号を生成するステップは、
クロック信号に基づき第1パルス信号を生成すること、
クロック信号に基づき第1遅延クロック信号を生成すること、
前記第1遅延クロック信号に基づき第2遅延クロック信号を生成すること、
前記第2遅延クロック信号に基づき第2パルス信号を生成すること、
前記第1遅延クロック信号に基づき第3パルス信号を生成すること、
前記第3パルス信号に基づき長コード信号のハイレベルまたは短コード信号のハイレベルを生成すること、
前記データ信号と前記第1遅延クロック信号に基づきデータ遅延信号を生成すること、
前記データ遅延信号に基づき第1パルス信号または第2パルス信号を選択すること、
選択された第2パルス信号に基づき短コード信号のローレベルを生成すること、
選択された第1パルス信号に基づき長コード信号のローレベルを生成すること、を含む、ことを特徴とする請求項2に記載のシングルチャネル通信の符号化方法。
【請求項6】
クロック信号に基づき第1遅延クロック信号を生成するために使用される第1遅延回路と、
前記第1遅延クロック信号に基づきパルス信号を生成するために使用されるパルス発生器と、
リセット端が前記パルス信号を受信し、長コード信号のハイレベルを出力し、クロック端がクロック信号を受信し、クロック信号によって長コード信号のローレベルの出力をトリガーするために使用される長コードトリガーと、
リセット端が前記パルス信号を受信し、短コード信号のハイレベルを出力するために使用される短コードトリガーと、
前記第1遅延クロック信号に基づき第2遅延クロック信号を生成するために使用される第2遅延回路と、を備え、
前記短コードトリガーは、クロック端で前記第2遅延クロック信号を受信し、短コード信号のローレベルを出力し、
クロック端が第1遅延クロック信号を受信し、データ端にデータ信号が結合され、出力端がデータ遅延信号を出力するために使用される選択トリガーと、
第1入力端が前記長コードトリガーの出力端に結合され、第2入力端が短コードトリガーの出力端に結合され、選択端が前記選択トリガーの出力端に結合され、前記データ遅延信号に従って前記長コード信号または短コード信号を選択して出力し、長短コード信号を形成するために使用されるデータセレクターと、をさらに備えることを特徴とするシングルチャネル通信の符号化回路。
【請求項7】
クロック信号に基づき第1遅延クロック信号を生成するために使用される第1遅延回路と、
第1遅延信号に従って第2遅延クロック信号を生成するために使用される第2遅延回路と、
第1遅延クロック信号に従って第1パルス信号を生成するために使用される第1パルス発生器と、
前記第2遅延クロック信号に基づき第2パルス信号を生成するために使用される第2パルス発生器と、
前記第1遅延クロック信号に従って第3パルス信号を生成するために使用される第3パルス発生器と、
クロック端が第1遅延クロック信号を受信し、データ端にデータ信号が結合され、出力端がデータ遅延信号を出力するために使用される選択トリガーと、
第1入力端が前記第1パルス発生器に結合され、第2入力端が前記第2パルス発生器に結合され、選択端にデータ遅延信号が結合され、前記データ遅延信号に従って第1パルス信号または第2パルス信号を選択するために使用されるデータセレクターと、
リセット端が前記第3パルス発生器に結合され、クロック端が前記データセレクターの出力端に結合され、前記第3パルス信号に従って長コード信号のハイレベルまたは短コード信号のハイレベルを生成し、前記クロック端が前記第1パルス信号を受信して長コード信号のローレベルを生成し、前記クロック端が前記第2パルス信号を受信して短コード信号のローレベルを生成するために使用される出力トリガーと、を備える、ことを特徴とするシングルチャネル通信の符号化回路。
【請求項8】
長短コード信号のハイレベルに従ってクロック信号のローレベルを生成するステップと、
長短コード信号に従って遅延パルス信号を生成するステップであって、前記遅延パルス信号の遅延時間は半分のクロック周期であるステップと、
前記遅延パルス信号に従ってクロック信号のハイレベルを生成するステップと、
前記クロック信号と長短コード信号に従ってデジタル信号を生成するステップとを含む、ことを特徴とするシングルチャネル通信の復号化方法。
【請求項9】
前記の長短コード信号に従って遅延パルス信号を生成するステップは、前記長短コード信号に従って長短コード遅延信号を生成し、前記長短コード遅延信号と長短コード信号の位相差に従って前記長短コード信号の遅延時間を制御することをさらに含む、ことを特徴とする請求項8に記載のシングルチャネル通信の復号化方法。
【請求項10】
長短コード遅延信号と長短コード信号の位相差に従って前記長短コード信号の遅延時間を制御することは、前記位相差の信号を電圧信号に変換し、前記電圧信号に従って長短コード遅延信号の遅延時間を制御することをさらに含む、ことを特徴とする請求項9に記載のシングルチャネル通信の復号化方法。
【請求項11】
長短コード信号を半分のクロック周期で遅延させて長短コード遅延信号を生成するために使用される遅延パルス回路と、
前記長短コード遅延信号に従って遅延パルス信号を生成するために使用されるパルス発生器と、
クロック端に長短コード信号が結合されて長短コード信号に従ってクロック信号のローレベルを生成し、リセット端が前記パルス発生器の出力端に結合され、前記クロックトリガーは前記遅延パルス信号に従ってクロック信号のハイレベルを生成するために使用されるクロックトリガーと、
クロック端が前記クロックトリガーの出力端に結合され、データ端に前記長短コード信号が結合され、前記デジタル信号はトリガークロック信号に基づきデジタルハイレベルまたはデジタルローレベルを生成するために使用されるデジタル信号トリガーと、を含む、ことを特徴とするシングルチャネル通信の復号化回路。
【請求項12】
前記遅延パルス回路は遅延回路とパルス回路を備え、前記遅延回路は、
前記長短コード信号を長短コード遅延信号に変換するために使用される遅延回路中間段と、
長短コード遅延信号と長短コード信号間の位相差を検出するために使用される周波数・位相弁別器と、
前記位相差を電流信号に変換するために使用されるチャージポンプと、
前記電流信号を電圧信号に変換するために使用されるローパスフィルタと、を備え、
前記遅延回路中間段は前記ローパスフィルタに結合され、前記遅延回路中間段は前記電圧信号を受信して長短コード遅延信号の遅延時間を制御するために使用される、ことを特徴とする請求項11に記載のシングルチャネル通信の復号化回路。
【請求項13】
前記復号化回路はフリップフロップ検出器、発振器およびデータセレクターをさらに備え、
非通信時、前記フリップフロップ検出器はローレベルを出力し、前記データセレクターは前記発振器の出力を遅延ロックループに結合し、電圧信号を確定させ、
通信時、前記フリップフロップ検出器はハイレベルを出力し、前記データセレクターは前記長短コード信号を前記遅延パルス回路に結合する、ことを特徴とする請求項11または12に記載のシングルチャネル通信の復号化回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願) 本出願は、2021年10月15日に出願された、出願番号202111200511.4、発明名称「シングルチャネル通信の符号化方法、復号化方法、符号化回路および復号化回路」の中国特許出願の優先権を主張し、そのすべての内容は参照によって本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、アナログ・デジタルハイブリッド回路の分野に属し、具体的にシングルチャネル通信の符号化方法、復号化方法、符号化回路および復号化回路に関する。
【背景技術】
【0003】
デジタルアイソレータは、通信に使用され、それはソース側とソース側から送信された信号を受信するセカンダリ側から構成される。
【0004】
図1は、データとクロックの絶縁送信の一般的な方法を示しており、ソース側のデータとクロックはそれぞれ絶縁チャネルを使用して信号を絶縁セカンダリ側に送信する。この方法は2つの絶縁チャネルを占有する必要があり、高い消費電力で動作し、ウェハコストが高く、チップパッケージング時より多くのルーティングが発生し、パッケージングコストが高い。
【0005】
図2は、クロックデータ回復技術に基づくシングルチャネルの絶縁通信を示している。ソース側はクロックのデータ信号に同期してトランスミッタを介してシリアル方式で絶縁セカンダリ側に送信され、セカンダリ側はクロックデータ回復回路を介して受信データ信号からクロックを抽出した後、抽出したクロックを使用してデータを再サンプリングし、最終的に回復クロックとデータ信号を得る。
【0006】
図3は、一般的なフェーズロックドループ回路のクロックデータ回復回路とタイミングを示す。
【0007】
図2および図3に示す回路はいずれも以下の技術的欠点がある。(1)「0」または「1」信号の長い文字列を通信することができない。(2)送信信号のデータコードレート、位相は受信端クロックデータ回復回路中の電圧制御発振器の周波数、位相からずれるため、周波数と位相のロックが完了するまで時間がかかるので、通信確立まで長時間がかかる。(3)クロックデータ回復回路は最初に周波数をロックし、次に位相をロックする必要があるので、制御ループが増え、設計複雑さとコストが高くなる。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、クロック信号とデータ信号を同時に符号化し、回路複雑さを低減し、チップパッケージングのルーティングを減少させることができる効率的な通信方法を提供することである。
【0009】
上記発明の目的の一つを達成するために、本発明の一実施形態は、クロック信号とデータ信号を合成して長短コード信号を生成するステップを含み、前記長短コード信号は長コード信号と短コード信号からなり、前記長コード信号のパルス幅はクロック信号と一致し、前記短コード信号のパルス幅はクロック信号と一致しており、前記長コード信号は前記短コード信号のデューティ比とは異なる、シングルチャネル通信の符号化方法を提供する。
【0010】
本発明の一実施形態のさらなる改良として、前記長短コード信号のデューティ比は、Tclk=TS+TLという関係式を満たす。ここで、Tclkはクロック周期であり、TSは短コード信号のハイレベル時間であり、TLは長コード信号のハイレベル時間であり、TSはTLと等しくない。
【0011】
本発明の一実施形態のさらなる改良として、クロック信号とデータ信号を合成して長短コード信号を生成するステップは、クロック信号に基づき第1遅延クロック信号を生成すること、前記第1遅延クロック信号に基づきパルス信号を生成すること、前記パルス信号に基づき長コード信号のハイレベルと短コード信号のハイレベルを生成すること、前記第1遅延クロック信号に基づき第2遅延クロック信号を生成すること、前記第2遅延クロック信号に基づき短コード信号のローレベルを生成すること、クロック信号に基づき長コード信号のローレベルを生成すること、前記第1遅延クロック信号とデータ信号に基づきデータ遅延信号を生成すること、データ信号に基づき前記長コード信号または前記短コード信号を選択して長短コード信号を生成すること、を含む。
【0012】
本発明の一実施形態のさらなる改良として、前記第1遅延クロック信号はクロック信号に対して遅延時間がTSであり、前記第2遅延クロック信号は第1遅延クロック信号に対して遅延時間がTSであり、前記データ遅延信号はデータ信号に対して遅延時間がTSである。
【0013】
本発明の一実施形態のさらなる改良として、クロック信号とデータ信号を合成して長短コード信号を生成するステップは、クロック信号に基づき第1パルス信号を生成すること、クロック信号に基づき第1遅延クロック信号を生成すること、前記第1遅延クロック信号に基づき第2遅延クロック信号を生成すること、前記第2遅延クロック信号に基づき第2パルス信号を生成すること、前記第1遅延クロック信号に基づき第3パルス信号を生成すること、前記第3パルス信号に基づき長コード信号のハイレベルまたは短コード信号のハイレベルを生成すること、前記データ信号と前記第1遅延クロック信号に基づきデータ遅延信号を生成すること、前記データ遅延信号に基づき第1パルス信号または第2パルス信号を選択すること、選択された第2パルス信号に基づき短コード信号のローレベルを生成すること、選択された第1パルス信号に基づき長コード信号のローレベルを生成すること、を含む。
【0014】
上記発明の目的の一つを達成するために、本発明の一実施形態は、クロック信号に基づき第1遅延クロック信号を生成するために使用される第1遅延回路と、前記第1遅延クロック信号に基づきパルス信号を生成するために使用されるパルス発生器と、リセット端が前記パルス信号を受信し、長コード信号のハイレベルを出力し、クロック端がクロック信号を受信し、クロック信号によって長コード信号のローレベルの出力をトリガーするために使用される長コードトリガーと、リセット端が前記パルス信号を受信し、短コード信号のハイレベルを出力するために使用される短コードトリガーと、前記第1遅延クロック信号に基づき第2遅延クロック信号を生成するために使用される第2遅延回路とを備え、前記短コードトリガーは、クロック端で前記第2遅延クロック信号を受信し、短コード信号のローレベルを出力し、クロック端が第1遅延クロック信号を受信し、データ端にデータ信号が結合され、出力端がデータ遅延信号を出力するために使用される選択トリガーと、第1入力端が前記長コードトリガーの出力端に結合され、第2入力端が短コードトリガーの出力端に結合され、選択端が前記選択トリガーの出力端に結合され、前記データ遅延信号に従って前記長コード信号または短コード信号を選択して出力し、長短コード信号を形成するために使用されるデータセレクターと、をさらに備える、シングルチャネル通信の符号化回路を提供する。
【0015】
上記発明の目的の一つを達成するために、本発明の一実施形態は、クロック信号に基づき第1遅延クロック信号を生成するために使用される第1遅延回路と、第1遅延信号に従って第2遅延クロック信号を生成するために使用される第2遅延回路と、第1遅延クロック信号に従って第1パルス信号を生成するために使用される第1パルス発生器と、前記第2遅延クロック信号に基づき第2パルス信号を生成するために使用される第2パルス発生器と、前記第1遅延クロック信号に従って第3パルス信号を生成するために使用される第3パルス発生器と、クロック端が第1遅延クロック信号を受信し、データ端にデータ信号が結合され、出力端がデータ遅延信号を出力するために使用される選択トリガーと、第1入力端が前記第1パルス発生器に結合され、第2入力端が前記第2パルス発生器に結合され、選択端にデータ遅延信号が結合され、前記データ遅延信号に従って第1パルス信号または第2パルス信号を選択するために使用されるデータセレクターと、リセット端が前記第3パルス発生器に結合され、クロック端が前記データセレクターの出力端に結合され、前記第3パルス信号に従って長コード信号のハイレベルまたは短コード信号のハイレベルを生成し、前記クロック端が前記第1パルス信号を受信して長コード信号のローレベルを生成し、前記クロック端が前記第2パルス信号を受信して短コード信号のローレベルを生成するために使用される出力トリガーと、を備える、シングルチャネル通信の符号化回路を提供する。
【0016】
上記発明の目的の一つを達成するために、本発明の一実施形態は、長短コード信号のハイレベルに従ってクロック信号のローレベルを生成するステップと、長短コード信号に従って遅延パルス信号を生成するステップであって、前記遅延パルス信号の遅延時間は半分のクロック周期であるステップと、前記遅延パルス信号に従ってクロック信号のハイレベルを生成するステップと、前記クロック信号と長短コード信号に従ってデジタル信号を生成するステップとを含む、シングルチャネル通信の復号化方法を提供する。
【0017】
本発明の一実施形態のさらなる改良として、前記の長短コード信号に従って遅延パルス信号を生成するステップは、前記長短コード信号に従って長短コード遅延信号を生成し、前記長短コード遅延信号と長短コード信号の位相差に従って前記長短コード信号の遅延時間を制御することをさらに含む。
【0018】
本発明の一実施形態のさらなる改良として、長短コード遅延信号と長短コード信号の位相差に従って前記長短コード信号の遅延時間を制御することは、前記位相差の信号を電圧信号に変換し、前記電圧信号に従って長短コード遅延信号の遅延時間を制御することをさらに含む。
【0019】
上記発明の目的の一つを達成するために、本発明の一実施形態は、長短コード信号を半分のクロック周期で遅延させて長短コード遅延信号を生成するために使用される遅延パルス回路と、前記長短コード遅延信号に従って遅延パルス信号を生成するために使用されるパルス発生器と、クロック端に長短コード信号が結合されて長短コード信号に従ってクロック信号のローレベルを生成し、リセット端が前記パルス発生器の出力端に結合され、前記クロックトリガーは前記遅延パルス信号に従ってクロック信号のハイレベルを生成するために使用されるクロックトリガーと、クロック端が前記クロックトリガーの出力端に結合され、データ端に前記長短コード信号が結合され、前記デジタル信号はトリガークロック信号に基づきデジタルハイレベルまたはデジタルローレベルを生成するために使用されるデジタル信号トリガーと、を含む、シングルチャネル通信の復号化回路を提供する。
【0020】
本発明の一実施形態のさらなる改良として、前記遅延パルス回路は遅延回路とパルス回路を備え、前記遅延回路は、前記長短コード信号を長短コード遅延信号に変換するために使用される遅延回路中間段と、長短コード遅延信号と長短コード信号間の位相差を検出するために使用される周波数・位相弁別器と、前記位相差を電流信号に変換するために使用されるチャージポンプと、前記電流信号を電圧信号に変換するために使用されるローパスフィルタと、を備え、前記遅延回路中間段は前記ローパスフィルタに結合され、前記遅延回路中間段は前記電圧信号を受信して長短コード遅延信号の遅延時間を制御するために使用される。
【0021】
本発明の一実施形態のさらなる改良として、前記復号化回路はフリップフロップ検出器、発振器およびデータセレクターをさらに備え、非通信時、前記フリップフロップ検出器はローレベルを出力し、前記データセレクターは前記発振器の出力を遅延ロックループに結合し、電圧信号を確定させ、通信時、前記フリップフロップ検出器はハイレベルを出力し、前記データセレクターは前記長短コード信号を前記遅延パルス回路に結合する。
【発明の効果】
【0022】
本発明は従来技術と比較すると少なくとも以下の有益な技術的効果を有する。
(1)長短コード符号化方法を使用してデータ信号とクロック信号を融合して通信を行うため、効率がより高く、消費電力がより低い。
(2)シングルチャネル通信をサポートすることによりチップパッケージングとルーティングを減少し、チップ製造コストを低減することができる。
(3)符号化回路と復号化回路の構造は簡単であり、回路設計複雑さを低減することができる。
(4)通信確立時間が短い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】従来技術の通信回路を示す模式図である。
図2】別の従来技術の通信回路を示す模式図である。
図3】さらに別の従来技術の通信回路を示す模式図である。
図4】本発明の通信回路構造を示す模式図である。
図5】本発明の符号化タイミングを示す模式図である。
図6】本発明の符号化方法の流れを示す模式図である。
図7】本発明の符号化回路構造を示す模式図である。
図8】本発明の符号化回路タイミングを示す模式図である。
図9】本発明の別の符号化方法流れを示す模式図である。
図10】本発明の別の回路構造を示す模式図である。
図11】本発明の別の回路タイミングを示す模式図である。
図12】本発明の復号化方法流れを示す模式図である。
図13】本発明の復号化回路構造を示す模式図である。
図14】本発明の復号化回路タイミングを示す模式図である。
図15】本発明の復号化回路に含まれる遅延回路の構造を示す模式図である。
図16】本発明の復号化回路に含まれる制御電圧を予め確立する回路の構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、当業者が本発明の技術的解決策を理解するのを助けるために、図面を参照して本発明の技術的解決策をさらに詳細に説明する。以下、符号化・復号化の順序に従って本発明の技術的解決策を説明する。
【0025】
<符号化方法>
図4を参照すると、デジタル絶縁チップまたは絶縁アンプチップなどの通信回路構造を示す模式図である。通信回路は、ソース側401とセカンダリ側403を含み、ソース側401は通信データを送信し、セカンダリ側403は通信データを受信する。ソース側401はエンコーダ402とトランスミッタ404を含み、セカンダリ側403は受信器406とデコーダ408を含む。
【0026】
トランスミッタ404と受信器406は絶縁コンデンサー410を介して互いに結合される。エンコーダ402の入力端は、データ信号TDとクロック信号TCLKを受信するために使用され、デコーダ408の出力端はデジタル信号RDとクロック信号RCLKを出力する。
【0027】
図5は、本発明のデータ信号TD、クロック信号TCLKおよび長短コード信号WNPの符号化タイミングを示す模式図であり、符号化方法を使用してクロック信号TCLKとデータ信号TDを合成して長短コード信号WNPを生成する。
【0028】
長短コード信号WNPは長コード信号WPと短コード信号NPを含み、長コード信号WPのパルス幅はクロック信号TCLKと一致し、短コード信号NPのパルス幅はクロック信号TCLKと一致し、長コード信号WPは短コード信号NPのデューティとは異なる。
【0029】
長コード信号WPのハイ・ローレベルのデューティ比は短コード信号NPのハイ・ローレベルのデューティ比よりも大きい。長コード信号WPは、データ信号TDが「1」であることを示し、短コード信号NPは、データ信号TDが「0」であることを示す。
【0030】
長コード信号WPまたは短コード信号NPのパルス幅は1つのクロック周期Tclkであり、長短コード信号WNPのデューティ比は関係式Tclk=TS+TLを満たす。ここで、Tclkはクロック周期であり、TSは短コード信号NPのハイレベル時間であり、TLは長コード信号WPのハイレベル時間であり、TSはTLと等しくない。図面に示すように、長コード信号WPのローレベルは短コード信号NPのハイレベルのパルス幅と等しい。
【0031】
上記長短コード符号化方法により、データ信号TDとクロック信号TCLKを融合して通信を行うため、効率がより高く消費電力がより低くなる。同時に、シングルチャネル通信をサポートすることによりチップパッケージングとルーティングを低減し、チップ製造コストを低減することができる。そして、符号化回路と復号化回路の構造が簡単であり、回路設計複雑さを低減することができる。
【0032】
なお、本発明は、1を示す発振信号(ON)と0を示す発振信号(OFF)を用いる従来のOOK法と根本的に異なる。本発明では、異なるデューティ比の長短コード信号WNPはOOK法で送信される。すなわちONで長短コード信号WNP中のハイレベルを送信し、OFFで長短コード信号WNP中のローレベルを送信する。つまり、ONまたはOFFでハイ・ローレベルを示すが、データ信号TDの内容は長短コード信号WNPの異なるデューティ比で示される。
【0033】
<符号化方法1>
図6は、長短コード符号化方法の流れを示す模式図である。この方法は、「クロック信号」を取得した後、
602:クロック信号に基づき第1遅延クロック信号を生成すること、
604:第1遅延クロック信号に基づきパルス信号を生成すること、
606:パルス信号に基づき長コード信号のハイレベルと短コード信号のハイレベルを生成すること、
608:第1遅延クロック信号に従って第2遅延クロック信号を生成すること、
610:第2遅延クロック信号に従って短コード信号のローレベルを生成すること、
612:クロック信号に基づき長コード信号のローレベルを生成すること、
614:第1遅延クロック信号とデータ信号に従ってデータ遅延信号を生成すること、
616:データ信号に従って長コード信号または短コード信号を選択して長短コード信号を生成すること、を含む。
【0034】
以下、図7に示す回路構造および図8に示すタイミングを使用してステップ602~616をさらに詳細に説明する。
【0035】
図7および他の図面に含まれる遅延回路、パルス発生器、トリガー、データセレクターなどの回路はいずれも標準的な装置であり、本発明はこれらの標準的な装置を説明することなく、当業者は獲得した知識に従って実施することができる。
【0036】
クロック信号TCLKは第1遅延回路(Delay)702に結合され、第1遅延回路702の出力端はパルス発生器(One-shot)706に結合されている。パルス発生器706は図7の右下に示すタイミングに従って動作し、その出力端が長コードトリガー708と短コードトリガー710のリセット端Sに結合され、長コードトリガー708と短コードトリガー710のデータ端Dは接地され、長コードトリガー708と短コードトリガー710の出力端Qはそれぞれデータセレクター712の第1入力端(MUXの1番目端(MUXはMultiplexer、日本語でデータセレクターと呼ぶ))と第2入力端(MUXの0番目端)に結合されている。第2遅延回路(Delay)704の入力端は第1遅延回路702の出力端に結合され、第2遅延回路704の出力端は短コードトリガー710のクロック端に結合され、第1遅延回路702の出力端は選択トリガー716のクロック端に結合され、データ信号TDは選択トリガー716のデータ端Dに結合され、選択トリガー716の出力端Qはデータセレクター712の選択端Selに結合されている。データセレクター712は長短コード信号WNPを出力するための出力端をさらに含む。
【0037】
図6図8を参照すると、ステップ602では、クロック信号に基づきTCLK第1遅延クロック信号TD1を生成する。第1遅延回路702はクロック信号TCLKに基づき第1遅延クロック信号TD1を生成する。第1遅延クロック信号TD1のクロック信号TCLKに対する遅延時間はTSである。
【0038】
ステップ604では、第1遅延クロック信号TD1に従ってパルス信号を生成する。第1遅延クロック信号TD1の立上り側はパルス発生器706をトリガーし、パルス発生器706は第1遅延クロック信号TD1に従ってパルス信号を生成する。このパルス信号は長コードトリガー708と短コードトリガー710のリセット端Sに送信される。
【0039】
ステップ606では、長コードトリガー708と短コードトリガー710はパルス信号に従って長コード信号WPのハイレベル8022と短コード信号NPのハイレベル8024を生成する。パルス信号がなくなった後、長コード信号WPと短コード信号NPはハイレベル状態を維持することができる。
【0040】
ステップ608とステップ610では、第1遅延クロック信号TD1に従って第2遅延クロック信号TD2を生成する。第2遅延回路704は第1遅延クロック信号TD1に従って第2遅延クロック信号TD2を生成する。第2遅延クロック信号TD2の第1遅延クロック信号TD1に対する遅延時間はTSである。
【0041】
第2遅延クロック信号TD2の立上り側が発生すると、短コードトリガー710のクロック端はハイレベルであり、短コードトリガー710はローレベルを出力し、データ端Dは接地される。これにより、短コード信号NPのローレベル804を生成する。
【0042】
ステップ612では、クロック信号に基づき長コード信号WPのローレベル808を生成する。次のクロック周期の立上り側806が到着するとき、長コードトリガー708のクロック端がクロック信号を受信して、データ端Dのレベルを出力するようにトリガーし、データ端Dが接地される。この時、出力信号は長コード信号WPのローレベル808を形成する。
【0043】
ステップ614では、第1遅延クロック信号TD1とデータ信号TDに従ってデータ遅延信号TDD1を生成する。第1遅延クロック信号TD1はクロック信号TCLKまたはデータ信号TDよりもTSだけ遅延し、データ信号TDはクロック信号TCLKに同期しているため、第1遅延クロック信号TD1をクロック源として、データ信号TDが選択トリガー716のデータ端に結合された後、データ遅延信号TDD1が同期して生成される。すなわち、データ遅延信号TDD1のデータ信号TDに対する遅延時間はTSである。
【0044】
ステップ616では、データ信号TDに従って長コード信号WPまたは短コード信号NPを選択して長短コード信号WNPを生成する。データ遅延信号TDD1はデータセレクター712の選択端Selに結合されており、データ遅延信号TDD1がハイレベルである場合、長コード信号WPつまり図中の第1入力端の入力信号を選択して出力し、データ遅延信号TDD1がローレベルである場合、短コード信号NPつまり図中の第2入力端の入力信号を選択して出力する。データ遅延信号TDD1は長短コード信号WNPに同期し、データ遅延信号TDD1に従って長コード信号WPまたは短コード信号NPを選択して出力し、長短コード信号WNPの符号化を形成する。
【0045】
<符号化方法2>
図9を参照すると、本発明が提供する別のシングルチャネル通信の符号化方法が示されている。この方法は、「クロック信号」を取得した後、
902:クロック信号に基づき第1パルス信号を生成すること、
904:クロック信号に基づき第1遅延クロック信号を生成すること、
906:第1遅延クロック信号に基づき第2遅延クロック信号を生成すること、
908:第2遅延クロック信号に基づき第2パルス信号を生成すること、
910:第1遅延クロック信号に基づき第3パルス信号を生成すること、
912:第3パルス信号に基づき長コード信号のハイレベルまたは短コード信号のハイレベルを生成すること、
914:データ信号と第1遅延クロック信号に基づきデータ遅延信号を生成すること、
916:データ遅延信号に従って第1パルス信号または第2パルス信号を選択すること、
918:選択された第2パルス信号に従って短コード信号のローレベルを生成すること、
920:選択された第1パルス信号に従って長コード信号のローレベルを生成すること、を含む。
【0046】
以下、図10に示す回路構造と図11に示すタイミングチャートを使用してステップ902~920をさらに詳細に説明する。
【0047】
図10を参照すると、符号化回路は第1遅延回路(Delay)1002、第2遅延回路(Delay)1004、第1パルス発生器(One-shot1)1006、第2パルス発生器(One-shot2)1008、第3パルス発生器(One-shot3)1014、データセレクター(MUX)1010、選択トリガー1012、出力トリガー1016を含む。
【0048】
クロック信号TCLKは第1遅延回路1002、第1パルス発生器1006に結合されている。第1遅延回路1002の出力端は第2遅延回路1004の入力端に結合され、第2遅延回路1004の出力端は第2パルス発生器1008の入力端に結合され、第2パルス発生器1008の出力端はデータセレクター1010の第2入力端(MUXの0番目端)に結合されている。
【0049】
第1パルス発生器1006の出力端はデータセレクター1010の第1入力端(MUXの1番目端)に結合され、データ信号TDは選択トリガー1012のデータ入力端Dに結合され、選択トリガー1012の出力端Qはデータセレクター1010の選択端Selに結合され(すなわちデータセレクター1010の選択端Selはデータ遅延信号TDD1に結合される)、第3パルス発生器1014の出力端は出力トリガー1016のリセット端Sに結合され、出力トリガー1016のクロック端はデータセレクター1010の出力端に結合されてノードA(Node A)を形成する。出力トリガー1016は接地されたデータ端Dと長短コード信号WNPを出力するための出力端Qをさらに含む。
【0050】
図9図11を参照すると、ステップ902では、クロック信号TCLKに基づきノードA(Node A)で第1パルス信号P1を生成し、クロック信号の立上り側1102が第1パルス発生器1006をトリガーし、第1パルス発生器1006は第1遅延クロック信号(すなわち立上り側1102)に基づき第1パルス信号P1を生成する。この第1パルス信号P1はデータセレクター1010の第1入力端に入力される。
【0051】
ステップ904では、クロック信号TCLKに基づき第1遅延クロック信号TD1を生成する。第1遅延回路1002はクロック信号TCLKに基づき第1遅延クロック信号TD1を生成し、第1遅延クロック信号TD1は第2遅延クロック信号TD2の基礎となる。第1遅延クロック信号TD1のクロック信号に対する遅延時間はTSである。
【0052】
ステップ906では、第1遅延クロック信号TD1に基づき第2遅延クロック信号TD2を生成する。第2遅延回路1004は第1遅延信号TD1に従って第2遅延クロック信号TD2を生成し、第2遅延クロック信号TD2の第1遅延クロック信号TD1に対する遅延時間はTSである。
【0053】
ステップ908では、第2遅延クロック信号TD2に基づき第2パルス信号P2を生成する。第2パルス発生器1008は第2遅延クロック信号TD2に基づき第2パルス信号P2を生成する。この第2パルス信号P2は出力トリガー1016にローレベルを出力させるために使用される。
【0054】
ステップ910では、第1遅延クロック信号TD1に基づき第3パルス信号(タイミングでは図示しない)を生成する。第3パルス発生器1014は第1遅延クロック信号TD1に基づき第3パルス信号を生成する。
【0055】
ステップ912では、この第3パルス信号が出力トリガー1016をリセットして長コード信号WPのハイレベル1104または短コード信号NPのハイレベル1106を生成する(長コード信号WPと短コード信号NPは長短コード信号WNPに記録される)。
【0056】
ステップ914では、データ信号TDと第1遅延クロック信号TD1に従ってデータ遅延信号TDD1を生成する。選択トリガー1012のクロック端は第1遅延クロック信号TD1を受信し、データ端Dにデータ信号TDが結合され、出力端Qはデータ遅延信号TDD1を出力する。このデータ遅延信号TDD1は第1遅延クロック信号TD1に同期している。
【0057】
ステップ916では、データ遅延信号TDD1に従って第1パルス信号P1または第2パルス信号P2を選択する。データセレクター1012はデータ遅延信号TDD1に従って第1パルス信号P1または第2パルス信号P2を選択する。データ遅延信号TDD1がハイレベルである場合、データセレクター1012は第1パルス信号P1を出力し、データ遅延信号TDD1がローレベルである場合、データセレクター1012は第2パルス信号P2を出力する。
【0058】
ステップ920では、選択された第1パルス信号P1に従って長コード信号WPのローレベル1108を生成する。第1パルス信号P1の立上り側はクロック信号TCLKの立上り側と一致しているので、第1パルス信号P1が出力トリガー1016に長コード信号WPのローレベル1108を生成させた後、第3パルス発生器1014がパルス信号を生成し、出力トリガー1016の出力レベルを再度プルアップして長コード信号WPのハイレベル1104を形成し、1回の長コード符号化を完了する。
【0059】
ステップ918では、選択された第2パルス信号P2に従って短コード信号NPのローレベル1110を生成する。第2パルス信号P2の立上り側の第1遅延クロック信号TD1に対する遅延時間はTSであり、出力トリガー1016のハイレベルが遅延時間TSだけ維持された後、出力トリガー1016の出力レベルが第2パルス信号P2によってプルダウンされて短コード信号NPのローレベル1110を形成し、その後に第1遅延クロック信号TD1の立上り側が発生すると、第3パルス発生器1014はパルス信号を生成し、出力トリガー1016の出力レベルを再度プルアップして短コード信号NPのハイレベル1106を形成し、1回の短コード符号化を完了する。
【0060】
<復号化方法>
図12を参照すると、シングルチャネル通信の復号化方法が示されている。この方法は、「長短コード信号」を取得した後、
1202:長短コード信号のハイレベルに従ってクロック信号のローレベルを生成すること、
1204:長短コード信号に従って遅延パルス信号を生成し、遅延パルス信号の遅延時間は半分のクロック周期であること、
1206:遅延パルス信号に従ってクロック信号のハイレベルを生成すること、
1208:クロック信号と長短コード信号に基づきデジタル信号を生成すること、を含む。
【0061】
以下、図13に示す回路構造と図14に示すタイミングチャートを使用してステップ1202~1208をさらに詳細に説明する。
【0062】
図13を参照すると、回路構造は遅延パルス回路(Delay 0.5Tclk)1302、パルス発生器(One-shot)1304、クロックトリガー1306、デジタル信号トリガー1308を含む。
【0063】
遅延パルス回路1302に長短コード信号WNPが結合され、遅延パルス回路1302の出力端はパルス発生器1304に結合され、デジタル信号トリガー1308のデータ端Dに長短コード信号WNPが結合され、クロックトリガー1306のクロック端は長短コード信号WNPに結合され、クロックトリガー1306のリセット端Sは遅延パルス信号SETを受信するためにパルス発生器1304の出力端に結合され、クロックトリガー1306の出力端Qはクロック信号RCLKを出力するためにデジタル信号トリガー1308のクロック端に結合されている。クロックトリガー1306は、接地されたデータ端Dをさらに含み、デジタル信号トリガー1308はデジタル信号RDを出力するための出力端Qをさらに含む。
【0064】
図12図14を参照すると、ステップ1202では、長短コード信号WNPのハイレベルに従ってクロック信号RCLKのローレベル1402を生成する。長短コード信号WNPの立上り側1404がクロックトリガー1306に入力された後、クロックトリガー1306の出力端Qはデータ端Dのローレベル1402(クロック信号RCLKに含まれる)を出力する。すなわちクロックトリガー1306は長短コード信号WNPに従ってクロック信号RCLKのローレベルを生成する。
【0065】
ステップ1204では、長短コード信号WNPに従って遅延パルス信号SETを生成する。遅延パルス信号SETの遅延時間は半分のクロック周期(0.5Tclk)である。遅延パルス回路1302は、長短コード信号WNPを半分のクロック周期で遅延させ長短コード遅延信号を生成し、パルス発生器1304はこの長短コード遅延信号に従って遅延パルス信号SETを生成する。言い換えれば、遅延パルス信号SETの立上り側1408から長短コード信号WNPの立上り側1404までの長さは半分のクロック周期である。
【0066】
ステップ1206では、この遅延パルス信号SETはクロックトリガー1306の出力端Qをリセットして出力ハイレベルを出力させ、クロック信号RCLKのハイレベルを構成する。
【0067】
ステップ1202~1206を繰り返して、複数のクロック信号RCLKを生成することができる。
【0068】
ステップ1208では、クロック信号RCLKと長短コード信号WNPに基づきデジタル信号RDを生成する。
【0069】
デジタル信号トリガー1308はクロック信号RCLKに基づきデジタル信号RD内に含まれるデジタルハイレベルまたはデジタルローレベル1406を生成する。
【0070】
クロック信号RCLKの立上り側1410はデータ信号のちょうど中間位置(半分周期)にあるので、デジタル信号トリガー1308の出力信号は、出力した復号化ハイ・ローレベル信号は長短コード信号WNPの符号化にちょうど対応するように、長コード信号WPのハイレベルまたは短コード信号NPのローレベルである。
【0071】
上記方法をさらに改良し、長短コード信号WNPに従って遅延パルス信号SETを生成することは、長短コード信号WNPに従って長短コード遅延信号を生成すること、長短コード遅延信号と長短コード信号WNPの位相差に従って長短コード信号WNPの遅延時間を制御することをさらに含む。
【0072】
上記方法をさらに改良し、長短コード遅延信号と長短コード信号WNPの位相差に従って長短コード信号WNPの遅延時間を制御することは、位相差に対応する位相差信号を電圧信号に変換すること、電圧信号に従って長短コード遅延信号の遅延時間を制御することをさらに含む。
【0073】
図15に示すシングルチャネル通信の復号化回路を参照すると、図13中の遅延パルス回路1302の遅延回路の内部構造を有し、遅延パルス回路1302はパルス回路をさらに含んでもよい。具体的に、長短コード信号WNPを長短コード遅延信号WNPDに変換するために使用される遅延回路中間段1502と、長短コード遅延信号WNPDと長短コード信号WNP間の位相差を検出するために使用される周波数・位相弁別器1504と、位相差を電流信号に変換するために使用されるチャージポンプ1506と、電流信号を電圧信号Vctrlに変換するために使用されるローパスフィルタ1508と、含み、遅延回路中間段1502はローパスフィルタ1508の出力端に結合され、遅延回路中間段1502は電圧信号Vctrlを受信して長短コード遅延信号WNPDの遅延時間を制御するために使用される。
【0074】
上記の周波数・位相弁別器1504~ローパスフィルタ1508によって形成される、位相信号から電圧信号へのフィードバック回路は、遅延回路の時間を精度よく制御し、その遅延時間をより微細に制御することができ、復号化回路の他の部分と組み合わせることによって、正確なクロック信号RCLKを復元することができる。
【0075】
前記他の部分は図13中の回路と同様に、パルス発生器One-shot、クロックトリガーおよびデジタル信号トリガーを含む。ここで、パルス発生器One-shotの入力端に長短コード遅延信号WNPDが結合され、出力端はクロックトリガーのリセット端Sに結合されて遅延パルス信号Setを出力する。クロックトリガーのデータ端Dは接地され、クロック端に長短コード信号WNPが結合され、出力端Qからクロック信号RCLKを出力する。デジタル信号トリガーのクロック端は、クロックトリガーの出力端Qに結合され、データ端Dに長短コード信号WNPが結合され、出力端Qはデジタル信号RDを出力する。
【0076】
図16を参照すると、図15を基に、制御電圧を予め確立するための回路を追加し、フリップフロップ検出器602、発振器604(周期Tosc)、およびデータセレクター(MUX)608を含む。発振器604はデータセレクター608の第2入力端(MUXの0番目端)に結合され、長短コード信号WNPはデータセレクター608の第1入力端(MUXの1番目端)とフリップフロップ検出器602の入力端に結合され、フリップフロップ検出器602の出力端はデータセレクター608の選択端Selに結合されて、データセレクター608の出力端で図15中回路のWNP入力を置き換える。
【0077】
非通信時、フリップフロップ検出器602はローレベルを出力し、データセレクター608は発振器604の出力を遅延ロックループ(後側の遅延回路中間段1502、周波数・位相弁別器、チャージポンプ、ローパスフィルタによって形成される回路)に結合し、電圧信号Vctrlを確立する。
【0078】
通信時、フリップフロップ検出器602はハイレベルを出力し、データセレクター608は長短コード信号WNPを遅延パルス回路に結合する。
【0079】
回路の他の部分は図15中の回路と同様に、パルス発生器One-shot、クロックトリガー、およびデジタル信号トリガーを含む。ここで、パルス発生器One-shotの入力端は長短コード遅延信号WNPDに結合され、出力端はクロックトリガーのリセット端Sに結合されて遅延パルス信号Setを出力し、クロックトリガーのデータ端Dは接地され、クロック端に長短コード信号WNPが結合され、出力端Qからクロック信号RCLKを出力し、デジタル信号トリガーのクロック端は、クロックトリガーの出力端Qに結合され、データ端Dに長短コード信号WNPが結合され、出力端Qはデジタル信号RDを出力する。同時に、周波数・位相弁別器は2つの出力端を介してチャージポンプに結合されて、制御信号UPとDOWNを出力する。
【0080】
非通信時、遅延ロックループは電圧制御遅延線(遅延回路中間段1502を含む)の電圧信号Vctrlを既に確立しており、この電圧信号Vctrlは通信時の最終電圧信号に近いため、通常のクロックデータ回復回路が必要とする確立時間がなく、長短コード信号WNPが到着すると正確な通信を実現でき、高速通信確立を達成することができる。
【0081】
以上、本発明の技術内容および技術的特徴を説明したが、当業者は、本発明の精神から逸脱することなく、本発明の教示および開示に基づいて依然として様々な置換および修正を行うことができるので、本発明の保護範囲は実施例の開示内容に限定されず、本発明から逸脱しない置換および修正は、すべて本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】