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特表2024-531790Wet-AMDの遺伝子療法のためのAAV
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】Wet-AMDの遺伝子療法のためのAAV
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/11 20060101AFI20240822BHJP
   C12N 15/864 20060101ALI20240822BHJP
   C12N 7/01 20060101ALI20240822BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20240822BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20240822BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20240822BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
C12N15/11 Z ZNA
C12N15/864 100Z
C12N7/01
C12N15/13
A61P27/02
A61K35/76
A61K48/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517071
(86)(22)【出願日】2022-09-16
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 CN2022119238
(87)【国際公開番号】W WO2023041015
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/119223
(32)【優先日】2021-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524102051
【氏名又は名称】スカイライン、セラピューティクス、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SKYLINE THERAPEUTICS LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(72)【発明者】
【氏名】チンチャオ、ホウ
(72)【発明者】
【氏名】イェンチュン、シュー
(72)【発明者】
【氏名】レン、チオンチオン
(72)【発明者】
【氏名】ホーピン、リー
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA90Y
4B065AA93X
4B065AA95X
4B065AA95Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065BC03
4B065BC07
4B065BC11
4B065CA23
4B065CA25
4B065CA44
4C084AA13
4C084MA58
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZA331
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC83
4C087MA58
4C087MA66
4C087NA14
4C087ZA33
(57)【要約】
本発明は、VEGFに対するナノボディをコードするポリヌクレオチドおよびベクター、特に、AAVベクターを提供する。本発明はまた、眼にナノボディの安定発現を提供するために、例えば硝子体内注射によりベクターを投与することを含んでなるWet-AMDの治療方法も提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロモーターに作動可能に連結された、配列番号4、5および7から選択される第1のヌクレオチド配列、ならびにリンカーを介して第1のヌクレオチド配列に連結された、配列番号15、16および18から選択される第2のヌクレオチド配列を含んでなるコード配列を含んでなる発現カセットを含んでなるポリヌクレオチド構築物。
【請求項2】
前記リンカーが配列番号37および38から選択される、請求項1に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項3】
前記プロモーターが配列番号26~27のヌクレオチド配列を含んでなる、請求項1または2に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項4】
前記発現カセットがエンハンサーを含んでなる、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項5】
第1のエンハンサーが第1のプロモーターの上流にある、請求項4に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項6】
第1のエンハンサーが、配列番号25のヌクレオチド配列を含んでなるサイトメガロウイルス(CMV)初期エンハンサーである、請求項4に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項7】
前記発現カセットがコード配列の下流にポリアデニル化シグナル配列を含んでなる、請求項1~6のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項8】
第1のポリアデニル化シグナル配列が配列番号31および32から選択される、請求項7に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項9】
前記発現カセットが、好ましくは第1のヌクレオチド配列の上流に、イントロンを含んでなる、請求項1~8のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項10】
第1のイントロンが少なくとも200ヌクレオチド長である、請求項9に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項11】
第1のイントロンが配列番号28を含んでなる、請求項9に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項12】
前記構築物が組換えAAVのゲノムを含んでなる、請求項1~11のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項13】
構築物がアデノ随伴ウイルス(AAV)由来の5’および3’逆方向末端反復(ITR)配列を含んでなる、請求項12に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項14】
5’および3’ITRがAAV ITR130および/またはAAV ITR105である、請求項13に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項15】
5’ITRおよび3’ITRの両方がAAV ITR130である、請求項14に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド構築物を含んでなるゲノムを含んでなる、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)。
【請求項17】
請求項16に記載のAAVを含んでなる医薬組成物。
【請求項18】
VEGFに関連する疾患を予防または治療する方法であって、請求項16に記載のrAAVまたは請求項17に記載の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含んでなる、方法。
【請求項19】
前記疾患がWet-AMDである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記rAAVまたは医薬組成物が硝子体内注射により投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
請求項1~15のいずれか一項に記載の構築物、または請求項15に記載のrAAVを含んでなる宿主細胞。
【請求項22】
必要とする対象においてVEGFに関連する疾患を予防または治療するための薬剤の調製における、請求項1~15のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド構築物、請求項16に記載のrAAV、請求項17に記載の医薬組成物、または請求項21に記載の宿主細胞の使用。
【請求項23】
前記疾患がWet-AMDである、請求項22に記載の使用。
【請求項24】
前記薬剤が硝子体内注射により投与される、請求項23に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、遺伝子療法に関する。特に、本発明は、Wet-AMDの遺伝子療法のためのAAVベクターを含む。
【背景技術】
【0002】
背景
加齢黄斑変性(AMD)は、中心視力の進行性の低下を特徴とする様々な疾患を表す臨床用語である。AMDは、多くの先進国で高齢者の視力低下の主な原因となっている。視力低下は、高密度の錐体光受容体で構成される眼球後方の領域である黄斑の進行性の変性によって起こる。
【0003】
AMDには、乾性(非新生血管性)AMDおよび湿性AMDとして現れ得る。乾性AMDは、より一般的(症例の85~90%)で軽症のAMDであり、黄斑部やその下方の小さく丸い白黄色の病変(ドルーゼン)を特徴とする。眼の老化に従って、光受容器とその周辺組織からの残屑がブルッフ膜の内部および上部に蓄積し(ドライ型AMD)、これが炎症を引き起こし、炎症細胞が網膜に動員される。これらの細胞と網膜色素上皮(RPE)は、血管の成長を促すVEGFを含むサイトカインを産生する。この段階で、乾性AMDは湿性AMDへと進行する。漏出した血管から出る血液および体液は光受容器および視力に必要な神経を損傷し、治療しなければ永久的な視力喪失に至る可能性がある(湿性AMD)。
【0004】
湿性AMDの治療のためには、ベバシズマブ(アバスチン)、コンベルセプト、およびアフリバーセプトなどのいくつかの市販の薬剤がある。しかしながら、これらの薬剤は定期的に投与する必要があり、コストがかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
血管内皮増殖因子(VEGF)に対するヒト化ナノボディ(Nb24)は、湿性AMDを治療するのに有効であることが報告されている(CN110452297B)。しかし、薬剤を繰り返し投与することなく、好ましくは、限定された用量、より好ましくは、単回用量の投与で、湿性AMDの治療に所望の効果を達成することができる方法がなお必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
第1の側面において、本発明は、第1のプロモーターに作動可能に連結された配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される第1のヌクレオチド配列を含んでなる第1の発現カセットを含んでなるポリヌクレオチド構築物を提供する。いくつかの実施形態では、第1のヌクレオチド配列は、配列番号4、5および7から選択される。いくつかの実施形態では、第1のヌクレオチド配列は、配列番号5である。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1の発現カセットは、リンカーを介して第1のヌクレオチド配列に連結された第2のヌクレオチド配列を含んでなる。いくつかの実施形態では、第2のヌクレオチド配列は、配列番号12、13、14、15、16、17、18、19、20、21および22から選択される。いくつかの実施形態では、第2のヌクレオチド配列は、配列番号15、16および18から選択される。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1のプロモーターは、ニワトリβ-アクチンプロモーターまたはCMV由来プロモーターである。いくつかの実施形態では、第1のプロモーターは、配列番号26または27のヌクレオチド配列を含んでなる。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1の発現カセットは、第1のエンハンサーを含んでなる。好ましくは、第1のエンハンサーは、第1のプロモーターの上流にある。いくつかの実施形態では、第1のエンハンサーは、サイトメガロウイルス(CMV)初期エンハンサーである。いくつかの実施形態では、第1のエンハンサーは、配列番号25を含んでなる。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1の発現カセットは、コード配列の下流に第1のポリアデニル化シグナル配列を含んでなる。いくつかの実施形態では、第1の発現カセットポリアデニル化シグナル配列は、配列番号31および32から選択される。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1の発現カセットは、第1のイントロンを含んでなる。好ましくは、第1のイントロンは、第1のヌクレオチド配列の上流にある。いくつかの実施形態では、第1のイントロンは、少なくとも200ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、第1のイントロンは、配列番号28を含んでなる。
【0012】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド構築物は、第2のプロモーターに作動可能に連結された配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される第3のヌクレオチド配列を含んでなる第2の発現カセットをさらに含んでなる。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列は、配列番号4、5および7から選択される。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列は、配列番号5である。
【0013】
いくつかの実施形態では、第2のプロモーターは、ニワトリβ-アクチンプロモーターまたはCMV由来プロモーターである。いくつかの実施形態では、第2のプロモーターは、配列番号26または27のヌクレオチド配列を含んでなる。
【0014】
いくつかの実施形態では、第2の発現カセットは、第2のエンハンサーを、好ましくは、第2のプロモーターの上流に含んでなる。いくつかの実施形態では、第2のエンハンサーは、CMV初期エンハンサーである。いくつかの実施形態では、第2のエンハンサーは、配列番号25を含んでなる。
【0015】
いくつかの実施形態では、第2の発現カセットは、コード配列の下流に第2のポリアデニル化シグナル配列を含んでなる。いくつかの実施形態では、第2のポリアデニル化シグナル配列は、配列番号31および32から選択される。
【0016】
いくつかの実施形態では、第2の発現カセットは、第2のイントロンを、好ましくは、第3のヌクレオチド配列の上流に含んでなる。いくつかの実施形態では、第2のイントロンは、少なくとも200ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、第2のイントロンは、配列番号28を含んでなる。
【0017】
いくつかの実施形態では、構築物は、組換えAAVのゲノムを含んでなる。いくつかの実施形態では、構築物は、アデノ随伴ウイルス(AAV)の5’および3’逆方向末端反復配列(ITR)を含んでなる。いくつかの実施形態では、5’および3’ITRは、AAV ITR130および/またはAAV ITR105である。いくつかの実施形態では、5’ITRおよび3’ITRの両方がAAV ITR130である。
【0018】
第2の側面において、本発明は、本発明のポリヌクレオチド構築物を含んでなるゲノムを含んでなる組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)を提供する。本発明は、本発明のポリヌクレオチド構築物またはAAVを含んでなる宿主細胞をさらに提供する。
【0019】
第3の側面において、本発明は、VEGFに関連する疾患を予防または治療するための医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、本発明のrAAVを含んでなる。
【0020】
第4の側面において、本発明は、それを必要とする対象に本発明のrAAVまたは医薬組成物を投与することを含んでなる、VEGFに関連する疾患を予防または治療する方法を提供する。本発明はさらに、VEGFに関連する疾患を予防または治療するための薬剤の調製における本発明のポリヌクレオチド構築物、rAAVまたは医薬の使用を提供する。いくつかの実施形態では、疾患は湿性AMDである。いくつかの実施形態では、rAAV、医薬組成物または薬剤は、硝子体内注射により投与される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、pGCB108骨格を有する例示プラスミドのマップを示す。
図2図2は、pelBシグナル配列を有するナノボディをコードするコドン最適化配列を発現する構築物の構造を示す。
図2A図2Aは、ヒト化ナノボディHuNb24を発現する11の構築物を含む1価ナノボディを発現する構築物の構造を示す(図2A)。
図2B図2Bは、2価Nb24を発現する構築物の構造を示す。エレメント「CMVen」は、サイトメガロウイルス(CMV)初期エンハンサーエレメント(配列番号25)を表し;エレメント「CBプロモーター」は、ニワトリβ-アクチンプロモーター(配列番号26)を表し;エレメント「hGbinイントロン」は、ニワトリβ-アクチン遺伝子の第1のエキソンと第1のイントロン(配列番号28)を表し、エレメント「CoHuNb24-n」は、Nb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される)を表し、エレメント「HA」は、HAタグをコードする配列(配列番号30)を表し;エレメント「rGBポリ(A)シグナル」は、ウサギグロビン遺伝子由来のポリアデニル化シグナル配列(配列番号31)を表し;エレメント「CBAプロモーター」は、「CMVen」および「CBプロモーター」を表し;エレメント「(G4S)n」は、(G4S)4、(G4S)3、(G4S)2およびG4Sから選択されるリンカーのコード配列(それぞれ配列番号36、37、38および39)を表し;エレメント「hGHポリ(A)」は、ヒト増殖因子遺伝子由来のポリアデニル化シグナル配列(配列番号32)を表し;エレメント「Co3.1HuNb24」は、Nb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号40)を表し;およびエレメント「hIgG1Fc」は、ヒトIgG1 Fc領域をコードする配列(配列番号42)を表す。以下の図で同じ名称のエレメントは、同じ配列を表す。
図2C図2Cは、2価Nb24を発現する構築物の構造を示す。エレメント「CMVen」は、サイトメガロウイルス(CMV)初期エンハンサーエレメント(配列番号25)を表し;エレメント「CBプロモーター」は、ニワトリβ-アクチンプロモーター(配列番号26)を表し;エレメント「hGbinイントロン」は、ニワトリβ-アクチン遺伝子の第1のエキソンと第1のイントロン(配列番号28)を表し、エレメント「CoHuNb24-n」は、Nb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される)を表し、エレメント「HA」は、HAタグをコードする配列(配列番号30)を表し;エレメント「rGBポリ(A)シグナル」は、ウサギグロビン遺伝子由来のポリアデニル化シグナル配列(配列番号31)を表し;エレメント「CBAプロモーター」は、「CMVen」および「CBプロモーター」を表し;エレメント「(G4S)n」は、(G4S)4、(G4S)3、(G4S)2およびG4Sから選択されるリンカーのコード配列(それぞれ配列番号36、37、38および39)を表し;エレメント「hGHポリ(A)」は、ヒト増殖因子遺伝子由来のポリアデニル化シグナル配列(配列番号32)を表し;エレメント「Co3.1HuNb24」は、Nb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号40)を表し;およびエレメント「hIgG1Fc」は、ヒトIgG1 Fc領域をコードする配列(配列番号42)を表す。以下の図で同じ名称のエレメントは、同じ配列を表す。
図2D図2Dは、2価Nb24を発現する構築物の構造を示す。エレメント「CMVen」は、サイトメガロウイルス(CMV)初期エンハンサーエレメント(配列番号25)を表し;エレメント「CBプロモーター」は、ニワトリβ-アクチンプロモーター(配列番号26)を表し;エレメント「hGbinイントロン」は、ニワトリβ-アクチン遺伝子の第1のエキソンと第1のイントロン(配列番号28)を表し、エレメント「CoHuNb24-n」は、Nb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される)を表し、エレメント「HA」は、HAタグをコードする配列(配列番号30)を表し;エレメント「rGBポリ(A)シグナル」は、ウサギグロビン遺伝子由来のポリアデニル化シグナル配列(配列番号31)を表し;エレメント「CBAプロモーター」は、「CMVen」および「CBプロモーター」を表し;エレメント「(G4S)n」は、(G4S)4、(G4S)3、(G4S)2およびG4Sから選択されるリンカーのコード配列(それぞれ配列番号36、37、38および39)を表し;エレメント「hGHポリ(A)」は、ヒト増殖因子遺伝子由来のポリアデニル化シグナル配列(配列番号32)を表し;エレメント「Co3.1HuNb24」は、Nb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号40)を表し;およびエレメント「hIgG1Fc」は、ヒトIgG1 Fc領域をコードする配列(配列番号42)を表す。以下の図で同じ名称のエレメントは、同じ配列を表す。
図2E図2Eは、2価Nb24を発現する構築物の構造を示す。エレメント「CMVen」は、サイトメガロウイルス(CMV)初期エンハンサーエレメント(配列番号25)を表し;エレメント「CBプロモーター」は、ニワトリβ-アクチンプロモーター(配列番号26)を表し;エレメント「hGbinイントロン」は、ニワトリβ-アクチン遺伝子の第1のエキソンと第1のイントロン(配列番号28)を表し、エレメント「CoHuNb24-n」は、Nb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される)を表し、エレメント「HA」は、HAタグをコードする配列(配列番号30)を表し;エレメント「rGBポリ(A)シグナル」は、ウサギグロビン遺伝子由来のポリアデニル化シグナル配列(配列番号31)を表し;エレメント「CBAプロモーター」は、「CMVen」および「CBプロモーター」を表し;エレメント「(G4S)n」は、(G4S)4、(G4S)3、(G4S)2およびG4Sから選択されるリンカーのコード配列(それぞれ配列番号36、37、38および39)を表し;エレメント「hGHポリ(A)」は、ヒト増殖因子遺伝子由来のポリアデニル化シグナル配列(配列番号32)を表し;エレメント「Co3.1HuNb24」は、Nb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号40)を表し;およびエレメント「hIgG1Fc」は、ヒトIgG1 Fc領域をコードする配列(配列番号42)を表す。以下の図で同じ名称のエレメントは、同じ配列を表す。
図2F図2Fは、2価Nb24を発現する構築物の構造を示す。エレメント「CMVen」は、サイトメガロウイルス(CMV)初期エンハンサーエレメント(配列番号25)を表し;エレメント「CBプロモーター」は、ニワトリβ-アクチンプロモーター(配列番号26)を表し;エレメント「hGbinイントロン」は、ニワトリβ-アクチン遺伝子の第1のエキソンと第1のイントロン(配列番号28)を表し、エレメント「CoHuNb24-n」は、Nb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される)を表し、エレメント「HA」は、HAタグをコードする配列(配列番号30)を表し;エレメント「rGBポリ(A)シグナル」は、ウサギグロビン遺伝子由来のポリアデニル化シグナル配列(配列番号31)を表し;エレメント「CBAプロモーター」は、「CMVen」および「CBプロモーター」を表し;エレメント「(G4S)n」は、(G4S)4、(G4S)3、(G4S)2およびG4Sから選択されるリンカーのコード配列(それぞれ配列番号36、37、38および39)を表し;エレメント「hGHポリ(A)」は、ヒト増殖因子遺伝子由来のポリアデニル化シグナル配列(配列番号32)を表し;エレメント「Co3.1HuNb24」は、Nb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号40)を表し;およびエレメント「hIgG1Fc」は、ヒトIgG1 Fc領域をコードする配列(配列番号42)を表す。以下の図で同じ名称のエレメントは、同じ配列を表す。
図2G図2Gは、2価Nb24を発現する構築物の構造を示す。エレメント「CMVen」は、サイトメガロウイルス(CMV)初期エンハンサーエレメント(配列番号25)を表し;エレメント「CBプロモーター」は、ニワトリβ-アクチンプロモーター(配列番号26)を表し;エレメント「hGbinイントロン」は、ニワトリβ-アクチン遺伝子の第1のエキソンと第1のイントロン(配列番号28)を表し、エレメント「CoHuNb24-n」は、Nb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される)を表し、エレメント「HA」は、HAタグをコードする配列(配列番号30)を表し;エレメント「rGBポリ(A)シグナル」は、ウサギグロビン遺伝子由来のポリアデニル化シグナル配列(配列番号31)を表し;エレメント「CBAプロモーター」は、「CMVen」および「CBプロモーター」を表し;エレメント「(G4S)n」は、(G4S)4、(G4S)3、(G4S)2およびG4Sから選択されるリンカーのコード配列(それぞれ配列番号36、37、38および39)を表し;エレメント「hGHポリ(A)」は、ヒト増殖因子遺伝子由来のポリアデニル化シグナル配列(配列番号32)を表し;エレメント「Co3.1HuNb24」は、Nb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号40)を表し;およびエレメント「hIgG1Fc」は、ヒトIgG1 Fc領域をコードする配列(配列番号42)を表す。以下の図で同じ名称のエレメントは、同じ配列を表す。
図3図3は、ベンチマーク遺伝子Beovu-scFv(配列番号43)を発現する構築物の構造を示す。
図4A図4Aは、異なるシグナル配列(「IL2シグナル」、配列番号41)および場合によりヒトIgG1 Fc領域とともにNb24を発現する構築物の構造を示す。
図4B図4Bは、異なるシグナル配列(「IL2シグナル」、配列番号41)および場合によりヒトIgG1 Fc領域とともにNb24を発現する構築物の構造を示す。
図4C図4Cは、異なるシグナル配列(「IL2シグナル」、配列番号41)および場合によりヒトIgG1 Fc領域とともにNb24を発現する構築物の構造を示す。
図5図5は、Nb24を発現する2つのカセットを含んでなる構築物の構造を示す。エレメント「CMVプロモーター」は、「CMVen」およびCMV由来プロモーター(配列番号44)を表す。
図6図6は、変更されたイントロン(「pCIイントロン」、配列番号29)とともにNb24を発現する構築物の構造を示す。
図7図7は、ウエスタンブロッティングによる1価Nb24の発現の検出を示す。図7Aはメンブレンの画像を示し、番号(1~11)で示されたレーンは、それぞれ、プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-n(n=1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11)でトランスフェクトした細胞からの上清に相当する。レーン「P」は陽性対照であり、レーン「sup」は、非トランスフェクト細胞からの上清に相当する。図7Bは、「1」と定義するNb24-11(配列番号11を含んでなるプラスミド)の発現レベルに対して正規化したウエスタンブロッティングの定量値を示す。
図8図8は、ウエスタンブロッティングによる1価および2価Nb24の発現の比較を示す。番号(1~8)で示されたレーンは、1価および2価Nb24を発現するためのプラスミドでトランスフェクトした細胞からの上清に相当し、レーン「sup」は、非トランスフェクト細胞からの上清に相当する。・1で示されるレーン: pGCB108-ITR130-AMDF1 Bi-huNb24-pCDNA3.1+-HA_IL2sig;・2または6で示されるレーン: pGCB108-ITR130-AMDF1 Bi-huNb24-hIgG1Fc;・3で示されるレーン: pGCB108-ITR130-AMDF1Co3.1Nb24(IL2シグナル)-HA;・4で示されるレーン: pGCB108-ITR130-AMDF1Co3.1Nb24(IL2 シグナル)-hIgG1Fc;・5で示されるレーン: pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4(IL2シグナル)-HA;・7で示されるレーン: pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-2;および・8で示されるレーン: pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4。
図9図9は、様々な戦略で構築したプラスミドでの発現の、ウエスタンブロッティングによる検出を示す。レーンは以下のようなプラスミドに相当する。・レーン1および7: pGCB108-ITR130-AMDF1-Beovu-scFv;・レーン2: pGCB108-ITR130-AMDF1 Bi-huNb24-pCDNA3.1+-HA_IL2sig;・レーン3: pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-HA-CMV-AMDF1-Nb24-5-HA;・レーン4: pCB108-5ITR130-CBA-pCI-Nb24-5-hGHpA;・レーン5: pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)4-Nb24-5-HA・レーン6: pGCB108-ITR130-AMDF1huNb24-5-hGHpA;・レーン8: pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5;および・レーン9: 陰性対照。
図10図10は、プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1huNb24-5-hGHpA(レーン1)およびpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)n-Nb24-5-HA(n=1~4(レーン2~5はそれぞれ構築物#36~33)での発現の、ウエスタンブロッティングによる検出を示す。
図11図11は、Nb24の様々なバージョンの発現の検出を示す。「F1F3」で示されるレーンは、プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1-Beovu-scFvでトランスフェクトされた細胞に相当し;「G4S4」で示されるレーンは、プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)4-Nb24-5-HAでトランスフェクトされた細胞に相当し;「コドン3.1」で示されるレーンは、プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1 Bi-huNb24-pCDNA3.1+-HA_IL2sigでトランスフェクトされた細胞に相当し;「CBA-CMV」で示されるレーンは、プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-HA-CMV-AMDF1-Nb24-5-HAでトランスフェクトされた細胞に相当し;また「Nb24-5」で示されるレーンは、プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1huNb24-5-hGHpAでトランスフェクトされた細胞に相当する。
図12図12は、VEGFに対する抗体の結合を示す。図12Aで、「HuNb24-5-HA」は、pGCB108-ITR130-AMDF1huNb24-5-hGHpAにより発現された産物を表し、「Beovu-scFv-HA」は、pGCB108-ITR130-AMDF1-Beovu-scFvにより発現された産物を表し、OD525は、プレートのバックグラウンドを表す。図Bで、「CMV-Nb24-5-HA」は、pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-HA-CMV-AMDF1-Nb24-5-HAにより発現された産物を表し;「G4S4-Nb24-5-HA」は、pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)4-Nb24-5-HAにより発現された産物を表し;「Nb24-5-HA」は、pGCB108-ITR130-AMDF1huNb24-5-hGHpAにより発現された産物を表し;「F1F3-HA」は、pGCB108-ITR130-AMDF1-Beovu-scFvにより発現された産物を表す。図12Cで、プロット1~4は、それぞれpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)n-Nb24-5-HA(n=1~4)により発現された生成物を表し;プロット5は、pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4-(G4S)4-Nb24-7-HAにより発現された産物を表し;またプロット6は、pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4-(G4S)4-Nb24-4-HAにより発現された産物を表す。図12Dで、「Beovu-scFv-HA」は、pGCB108-ITR130-AMDF1-Beovu-scFvにより発現された産物を表し;「Nb24-5」は、pGCB108-ITR130-AMDF1huNb24-5-hGHpAにより発現された産物を表し;「Nb24-4-G4S4-Nb24-7」は、pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4-(G4S)4-Nb24-7-HAにより発現された産物を表し;「Nb24-7-G4S4-Nb24-7」は、pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-7-(G4S)4-Nb24-7-HAにより発現された産物を表し;また「コドン3.1Nb24-G4S4-コドン3.1Nb24」は、pGCB108-ITR130-AMDF1 Bi-huNb24-pCDNA3.1+-HA_IL2siにより発現された産物を表す。
図13図13は、VEGFR2に対するNb24の阻害を示す。図13Aは、2価Nb24の阻害を示し、図13Bは、モノ2価Nb24と2価Nb24の間の比較を示す。
図14A図14Aは、VEGFに対するVEGFR2の結合を示す。
図14B図14Bは、VEGFに対する抗体の結合阻害を示す。
図15A図15Aは、VEGFR2に対するVEGFの結合の用量曲線を示す。
図15B図15Bは、結合に対する2価Nb24の用量依存的阻害を示す。
図16図16は、rAAVの作製にためのヘルパープラスミド(図16A)およびパッケージングプラスミド(図16B)のマップを示す。
図17図17は、湿性AMDモデル(ダッチベルテッドウサギ)に投与したAAVの効果を示す。蛍光の漏出がある領域は、網膜新血管新生の重症度を示す。図17Dの左のパネルの動物は、7日目から下痢が見られていたため9日目に検査し、11日目に死亡した。剖検では、他の病態生理学的変化は見られなかった。
図18図18は、VEGFR2に対するNb24の阻害を評価するELISAを示す。
図19図19は、VEGFに対する2価Nb24の結合を評価するELISAを示し、「24-5-G4Sn-24-5」(n=1~4)、「24-4-G4S4-24-7」および「24-4-G4S4-24-7」は、それぞれプラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)n-Nb24-5-HA(n=1~4)、pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4-(G4S)4-Nb24-4-HA、およびpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4-(G4S)4-Nb24-7-HAにより発現された産物を表す。
図20図20は、rAAVゲノムの変性電気泳動を示す。
図21図21は、rAAVゲノムの変性電気泳動を示す。
図22図22は、VEGFに対する2価Nb24の結合を評価するELISAを示し、「24-5-G4S2-24-5」、「24-5-G4S2-24-7」および「24-7-G4S2-24-5」は、それぞれプラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)2-Nb24-5-HA、pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)2-Nb24-7-HA、およびpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-7-(G4S)2-Nb24-5-HAにより発現された産物を表す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
発明の詳細な説明
1.定義
特に断りのない限り、本明細書で使用される総ての用語は、当業者に意味するものと同じ意味を有し、本発明の実施は、当業者の知識の範囲内にある微生物学および組換えDNA技術の従来技術を用いる。
【0023】
本明細書で使用する場合、「Nb24」は、Novamabにより同定され、配列番号23のアミノ酸配列、およびそのコード配列を有するVEGFに対するヒト化ナノボディを指す。「Nb24-n」は、当該コード配列のコドン最適化型、またはその発現産物を指す。
【0024】
本明細書で使用する場合、「ナノボディ」という用語は、「シングルドメイン抗体」とも呼ばれ、最初にアルパカの末梢血で発見された、天然に軽鎖を欠く抗体である。ナノボディは、1つのみの重鎖可変領域(VHH)と従来の2つのCH2およびCH3領域を含む。個々にクローニングされ、発現されたVHHは構造的に安定であり、元の重鎖抗体に匹敵する抗原結合活性を有し、標的抗原と結合することが知られる最小単位である。本発明において、「ナノボディ」という用語は、そのVHHを包含する。VHH結晶は2.5nmであり、長さは4nmであり、分子量はわずか15KDaである。
【0025】
アデノ随伴ウイルス(AAV)は、パルボウイルス科(Parvoviridae)に属す。AAVは、単純な一本鎖DNAウイルスであり、複製にはヘルパーウイルス(アデノウイルスなど)を必要とする。野生型AAVのゲノムは、2つの逆方向末端反復(ITR)配列の間にcapおよびrep遺伝子を含んでなるおよそ4.7キロベース(kb)を含み、およそ145ヌクレオチドの長さであり、DNA複製の開始時にプライマーとして機能するヘアピン構造へと折りたたまれるパリンドローム配列が挿入されている。cap遺伝子は、ウイルスキャプシドタンパク質をコードし、rep遺伝子は、AAVの複製および組込みに関与する。AAVは、様々な細胞に感染し、ウイルスDNAは、rep産物の存在下でヒト第19染色体に組み込まれ得る。
【0026】
本明細書で使用する場合、「逆方向末端反復配列」または「ITR」という用語は、本明細書で使用する場合、それらの対称性のためにそう命名されたAAVウイルスシスエレメントを指す。これらのエレメントは、AAVゲノムの効率的な増幅に不可欠である。本発明において、「ITR」という用語は、既知の天然AAV血清型のITR、異なる血清型に由来するITRエレメントの融合によって形成されたキメラITR、およびその機能的変異体を指す。
【0027】
組換えAAV粒子の生産には、外因性ポリヌクレオチドを発現するためのポリヌクレオチド構築物を含んでなるプラスミド、REPおよび/またはCAPタンパク質をコードするパッケージングプラスミド、ならびにヘルパープラスミドの、3つのプラスミドを含み得る。
【0028】
本明細書で使用する場合、「ポリヌクレオチド構築物」という用語は、ように改変された一本鎖または二本鎖ポリヌクレオチドを指す。ポリヌクレオチド構築物が本発明のコード配列を発現するのに必要とされる制御配列を含む場合、ポリヌクレオチド構築物は、発現カセット」を含んでなる。
【0029】
本明細書で使用する場合、「ポリヌクレオチド」という用語は通常、一般に、核酸分子(例えば、100塩基、最大30キロベース長)およびメッセンジャーRNA(mRNA)またはmiRNAフラグメントまたは分子の配列と相補的(アンチセンス)または同一(センス)いずれかの配列を指す。この用語はまた、転写されるまたは転写されないDNAまたはRNA分子も指し得る。
【0030】
「外因性ポリヌクレオチド」という用語は、本明細書で使用する場合、それが置かれている宿主に起源しないヌクレオチド配列を指す。外因性ポリヌクレオチドは、宿主のDNAと同一であっても異種であってもよい。例えば、ベクターに挿入された目的配列である。このような外因性DNA配列は、DNA、cDNA、合成DNA、およびRNAを含む様々な供給源に由来し得る。外因性ポリヌクレオチドはまた、アンチセンスオリゴヌクレオチドをコードするDNA配列を包含する。
【0031】
本明細書で使用する場合、「発現カセット」という用語は、ポリヌクレオチドの発現のために提供された付加的ヌクレオチド、例えば、制御配列に作動可能に連結されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含んでなるポリヌクレオチドセグメントを指す。
【0032】
本明細書で使用する場合、「発現」という用語は、限定するものではないが、転写、転写後修飾、翻訳、翻訳後修飾、および分泌を含む、ポリペプチドの生産に関与するいずれのステップも含む。
【0033】
「制御配列」は、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現に必要または有益な総てのエレメントを含む。各制御配列は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に対して天然であっても外来であってもよく、または互いに天然であっても外来であってもよい。このような制御配列としては、限定するものではないが、リーダー配列、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター、エンハンサー、シグナルペプチド配列、および転写ターミネーターが含まれる。少なくとも制御配列は、プロモーターと転写および翻訳の終結のためのシグナルを含む。
【0034】
例えば、制御配列は、好適なプロモーター配列、すなわち、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを発現するために宿主細胞により認識されるヌクレオチド配列であり得る。プロモーター配列は、ポリペプチドの発現を媒介する転写制御配列を含む。プロモーターは、選択された宿主細胞において転写活性を示す任意のヌクレオチド配列であってよく、例えば、大腸菌(E. coli)のlacオペロンがある。プロモーターはまた、変異型プロモーター、末端切断型プロモーターおよびハイブリッドプロモーターを含み、宿主細胞に対してホモまたはヘテロな細胞外または細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得ることができる。
【0035】
本明細書で使用する場合、本明細書において「作動可能に連結された」という用語は、制御配列がポリヌクレオチド配列のコード配列に対して適当な位置に配置され、それにより制御配列はポリペプチドコード配列の発現を指令する配置を指す。
【0036】
Nb24をコードするポリヌクレオチドには、ポリペプチドの発現を改善するために様々な操作を施すことができる。ベクターに挿入する前に、コドンの最適化など、発現ベクターまたは宿主に応じたポリヌクレオチドの操作が望ましい、または必要である。組換えDNA法によりポリヌクレオチド配列を改変するための技術は、当技術分野で周知である。
【0037】
「組換え」という用語は、本明細書で使用する場合、DNA組換え(クローニング)法を用いて作出された、天然または野生型の核酸、ベクター、ポリペプチド、またはタンパク質とは異なる核酸、ベクター、ポリペプチド、またはタンパク質を指す。
【0038】
「ポリペプチド」および「タンパク質」という用語は、本明細書では互換的に使用され、アミノ酸のポリマーを指し、全長タンパク質およびそれらのフラグメントを指す。
【0039】
本明細書で使用する場合、「宿主細胞」という用語は、rAAVベクターのレシピエントとして使用できる、または使用された、例えば、微生物、酵母細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞を指す。この用語には、形質導入された元の細胞の後代が含まれる。よって、「宿主細胞」は、本明細書で使用する場合、一般に、外因性DNA配列で形質導入された細胞を指す。単一の親細胞の後代は、自然の、偶発的な、または意図的な突然変異のために、元の親と、形態またはゲノムもしくは全DNA相補性において完全に同一である必要はない。
【0040】
「薬学上許容可能な」という用語は、本明細書で使用する場合、生理学上忍容性がある、かつ、ヒトに投与した際に、毒性またはアレルギーもしくは類似の不快な反応、例えば、胃の不快感、めまいなどを一般に生じない分子実体および組成物を指す。
【0041】
「対象」という用語は、本明細書で使用する場合、限定するものではないが、ヒト、非ヒト霊長類、例えば、チンパンジーおよびその他の無尾猿およびサル種;ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギおよびウマなどの農用動物;イヌおよびネコなどの家庭哺乳動物;マウス、ラットおよびモルモットなどの齧歯類を含む実験室動物が含まれる。この用語は、特定の齢または性を表さない。よって、雄であれ雌であれ、成体および新生対象、ならびに胎児を包含することが意図される。
【0042】
2.VEGFに対するヒト化ナノボディを発現するための構築物
遺伝子療法は、疾患の発症の基礎にある欠陥遺伝子を修正すること、および特定の疾患を治療するのに有用な外因性遺伝子の産物を発現させるために対象の目的の細胞に外因性遺伝子を導入することを目的とする。この目的のための一般的アプローチは、核への機能的遺伝子の送達を含む。この遺伝子は、その後、目的細胞のゲノムに挿入され得るか、またはエピソームにより維持され得る。対象の標的細胞への機能的遺伝子の送達は、ウイルスベクターの使用を含む多くの方法によって行うことができる。利用可能な多くのウイルスベクター(例えば、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルスなど)のうち、AAVは、遺伝子療法における万能ベクターとして普及している。
【0043】
AAVに由来するベクターは、(i)筋繊維およびニューロンを含む多様な非分裂および分裂細胞型に感染(形質導入)できる、(ii)ウイルス構造遺伝子を欠いているため、ウイルス感染に対する自然の宿主細胞応答、例えばインターフェロンを介した応答を排除する、(iii)野生型ウイルスはヒトの病理に関連したことがない、(iv)宿主細胞ゲノムに組み込むことができる野生型AAVとは対照的に、宿主細胞ゲノムに組み込むことができる、(iii)野生型ウイルスはヒトにおけるいかなる病理学的症状とも関連したことがない、(iv)宿主細胞ゲノムに組み込むことができる野生型AAVとは対照的に、複製欠損AAVベクターは一般にエピソームとして存続するため、挿入突然変異誘発または癌遺伝子の活性化のリスクが制限される、および(v)他のベクター系とは対照的に、AAVベクターは重大な免疫反応を惹起しない(ii参照)ため、治療用導入遺伝子の長期発現が可能である(遺伝子産物が拒絶されない限り)ことから、遺伝物質の送達のために特に有利である。AAVベクターはまた、高力価で生産することもでき、動脈内、静脈内または腹腔内注射により、単回注射で齧歯類の重要な筋肉領域への遺伝子導入が可能であることが報告されている。
【0044】
Nb24は、VEGFRに対するVEGFの結合を遮断し、それによりVEGFに関連する疾患を予防または治療するのに有効であることが報告されている。標的細胞において高レベルでNb24を長期発現させるためのポリヌクレオチド構築物を提供することが望まれる。
【0045】
よって、本発明は、対象の目的細胞においてNb24を発現させるためのポリヌクレオチド構築物、好ましくは、AAVベクターを提供することを意図する。
【0046】
本発明は、第1のプロモーターに作動可能に連結された、シグナルペプチドをコードする第1のヌクレオチド配列およびNb24を含んでなる第1の発現カセットを含んでなり、第1のヌクレオチド配列は宿主、好ましくは、ヒトでの発現のためにコドンが最適化されている、ポリヌクレオチド構築物を提供する。
【0047】
いくつかの実施形態では、第1のヌクレオチド配列は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される。いくつかの実施形態では、第1のヌクレオチド配列は、配列番号4、5および7から選択される。いくつかの実施形態では、第1のヌクレオチド配列は、配列番号5である。
【0048】
本発明者らは、意外にも、2価Nb24をコードする構築物が1価のものよりも高い発現を達成したことを見出した。従って、本発明はさらに、2価Nb24、すなわち、単一のポリペプチドとして2コピーのNb24を発現するためのポリヌクレオチド構築物を提供する。
【0049】
いくつかの実施形態では、第1の発現カセットは、リンカーを介して第1のヌクレオチド配列に、好ましくは、第1のヌクレオチド配列の3’末端に連結された第2のヌクレオチド配列を含んでなる。いくつかの実施形態では、第2のヌクレオチド配列は、配列番号12、13、14、15、16、17、18、19、20、21および22から選択される。いくつかの実施形態では、第2のヌクレオチド配列は、配列番号15、16および18から選択される。
【0050】
いくつかの実施形態では、第1のヌクレオチド配列は配列番号5であり、第2のヌクレオチド配列は配列番号15である。いくつかの実施形態では、第1のヌクレオチド配列は配列番号5であり、第2のヌクレオチド配列は配列番号16である。いくつかの実施形態では、第1のヌクレオチド配列は配列番号5であり、第2のヌクレオチド配列は配列番号18である。いくつかの実施形態では、第1のヌクレオチド配列は配列番号4であり、第2のヌクレオチド配列は配列番号15である。いくつかの実施形態では、第1のヌクレオチド配列は配列番号4であり、第2のヌクレオチド配列は配列番号16である。いくつかの実施形態では、第1のヌクレオチド配列は配列番号4であり、第2のヌクレオチド配列は配列番号18である。いくつかの実施形態では、第1のヌクレオチド配列は配列番号7であり、第2のヌクレオチド配列は配列番号15である。いくつかの実施形態では、第1のヌクレオチド配列は配列番号7であり、第2のヌクレオチド配列は配列番号16である。いくつかの実施形態では、第1のヌクレオチド配列は配列番号7であり、第2のヌクレオチド配列は配列番号18である。
【0051】
本発明者らは、意外にも、同一のコード配列を有する2価のNb24をコードする構築物は、ウイルスの品質(ゲノムの完全性)が低いことを見出した。従って、いくつかの実施形態では、そのヌクレオチド66~441にわたる第1のヌクレオチド配列は、第2のヌクレオチド配列と同一ではない。
【0052】
ペプチドリンカーは一般に、約4~20またはそれを超えるアミノ酸の短いペプチド,例えば、Ser残基とGly残基の組合せであり得る。本発明の構築物では、リンカーは、このようなペプチドリンカーをコードするヌクレオチドリンカーである。いくつかの実施形態では、本発明のリンカーは、ペプチドリンカー(G4S)n、n=1~4をコードする。いくつかの実施形態では、リンカーは、配列番号36、37、38および39、またはその縮重変異体から選択される。
【0053】
構築物は一般に、発現のために哺乳動物細胞(例えば、ヒト細胞)にトランスフェクトされる。このような構築物は多くの場合、高レベル発現のためのプロモーター-エンハンサー、例えば、SV40プロモーター-エンハンサー、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターおよびラウス肉腫ウイルス(RSV)の長い末端反復配列を含む。これらのプロモーター-エンハンサーは、多くの細胞種で活性がある。組織および細胞型プロモーターおよびエンハンサー領域も、発現に使用可能である。例示的プロモーター/エンハンサー領域としては、限定するものではないが、エラスターゼI、インスリン、免疫グロブリン、マウス乳癌ウイルス、アルブミン、αフェトプロテイン、α1アンチトリプシン、βグロビン、ミエリン塩基性タンパク質、ミオシン軽鎖2、およびゴナドトロピン放出ホルモン遺伝子コントロールなどの遺伝子からのものが含まれる。
【0054】
いくつかの実施形態では、第1のプロモーターは、ニワトリβ-アクチンプロモーターまたはCMV由来プロモーターである。いくつかの実施形態では、第1のプロモーターは、配列番号26もしくは27のヌクレオチド配列、または配列番号26もしくは27と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一のヌクレオチド配列を含んでなる。
【0055】
いくつかの実施形態では、第1の発現カセットは、第1のエンハンサーを含んでなる。好ましくは、第1のエンハンサーは、第1のプロモーターの上流にある。いくつかの実施形態では、第1のエンハンサーは、サイトメガロウイルス(CMV)初期エンハンサーである。いくつかの実施形態では、第1のエンハンサーは、配列番号25、または配列番号25と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一のヌクレオチド配列を含んでなる。
【0056】
また、真核細胞での発現を増加させるために構築物に真核生物由来のイントロンを含めることも望ましい。いくつかの実施形態では、第1の発現カセットは、第1のイントロンを含んでなる。好ましくは、第1のイントロンは、第1のヌクレオチド配列の上流にある。
【0057】
本発明者は、意外にも、長いイントロンを組み込んだ方が、発現が増加することを見出した。いくつかの実施形態では、第1のイントロンは、少なくとも200ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、第1のイントロンは、配列番号28、または配列番号28と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一のヌクレオチド配列を含んでなる。
【0058】
構築物はさらに、転写産物のプロセシングのためのポリアデニル化シグナル配列を含んでなる。いくつかの実施形態では、第1の発現カセットは、コード配列の下流に第1のポリアデニル化シグナル配列を含んでなる。いくつかの実施形態では、第1の発現カセットのポリアデニル化シグナル配列は、配列番号31および32、または配列番号31もしくは32と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一のヌクレオチド配列から選択される。
【0059】
本発明者はさらに、デュアルカセット構築物はモノカセット構築物よりも高い発現を達成したことに着目した。従って、いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド構築物はさらに、第2のプロモーターに作動可能に連結された、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される第3のヌクレオチド配列を含んでなる第2の発現カセットを含んでなる。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列は、配列番号4、5および7から選択される。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列は配列番号5である。
【0060】
いくつかの実施形態では、第2のプロモーターは、ニワトリβ-アクチンプロモーターまたはCMV由来プロモーターである。いくつかの実施形態では、第2のプロモーターは、配列番号26もしくは27のヌクレオチド配列、または配列番号26もしくは27と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一のヌクレオチド配列を含んでなる。
【0061】
いくつかの実施形態では、第2の発現カセットは、第2のエンハンサーを、好ましくは、第2のプロモーターの上流に含んでなる。いくつかの実施形態では、第2のエンハンサーは、CMV初期エンハンサーである。いくつかの実施形態では、第2のエンハンサーは、配列番号25、または配列番号25と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一のヌクレオチド配列を含んでなる。
【0062】
いくつかの実施形態では、第2の発現カセットは、コード配列の下流に第2のポリアデニル化シグナル配列を含んでなる。いくつかの実施形態では、第2のポリアデニル化シグナル配列は、配列番号31および32、または配列番号31もしくは32と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一のヌクレオチド配列から選択される。
【0063】
いくつかの実施形態では、第2の発現カセットは、第2のイントロンを、好ましくは、第3のヌクレオチド配列の上流に含んでなる。いくつかの実施形態では、第2のイントロンは、少なくとも200ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、第2のイントロンは、配列番号28、または配列番号28と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一のヌクレオチド配列を含んでなる。
【0064】
いくつかの実施形態では、構築物は、5’から3’へ順に、エンハンサー、プロモーター、イントロン、Nb24をコードするヌクレオチド配列およびポリアデニル化シグナル配列を含んでなる単一の発現カセットを含んでなる。
【0065】
特定の実施形態において、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号1、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号2、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号3、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号6、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号8、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号9、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号10、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号11、配列番号31を含んでなる。
【0066】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号1、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号2、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号3、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号6、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号8、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号9、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号10、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号11、配列番号31を含んでなる。
【0067】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号1、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号2、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号3、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号6、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号8、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号9、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号10、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号11、配列番号32を含んでなる。
【0068】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号1、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号2、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号3、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号6、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号8、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号9、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号10、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号11、配列番号32を含んでなる。
【0069】
いくつかの実施形態では、構築物は、5’から3’へ順に、エンハンサー、プロモーター、イントロン、第1のヌクレオチド配列とリンカーと第2のヌクレオチド配列を含んでなるコード配列、およびポリアデニル化シグナル配列を含んでなる単一の発現カセットを含んでなる。
【0070】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号36、配列番号16、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号37、配列番号16、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号38、配列番号16、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号39、配列番号16、配列番号31を含んでなる。
【0071】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号36、配列番号15、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号37、配列番号15、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号38、配列番号15、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号39、配列番号15、配列番号31を含んでなる。
【0072】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号36、配列番号18、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号37、配列番号18、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号38、配列番号18、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号39、配列番号18、配列番号31を含んでなる。
【0073】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号36、配列番号15、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号37、配列番号15、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号38、配列番号15、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号39、配列番号15、配列番号31を含んでなる。
【0074】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号36、配列番号16、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号37、配列番号16、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号38、配列番号16、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号39、配列番号16、配列番号31を含んでなる。
【0075】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号36、配列番号18、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号37、配列番号18、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号38、配列番号18、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号39、配列番号18、配列番号31を含んでなる。
【0076】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号36、配列番号18、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号37、配列番号18、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号38、配列番号18、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号39、配列番号18、配列番号31を含んでなる。
【0077】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号36、配列番号15、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号37、配列番号15、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号38、配列番号15、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号39、配列番号15、配列番号31を含んでなる。
【0078】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号36、配列番号16、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号37、配列番号16、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号38、配列番号16、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号39、配列番号16、配列番号31を含んでなる。
【0079】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号36、配列番号16、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号37、配列番号16、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号38、配列番号16、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号39、配列番号16、配列番号31を含んでなる。
【0080】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号36、配列番号15、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号37、配列番号15、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号38、配列番号15、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号39、配列番号15、配列番号31を含んでなる。
【0081】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号36、配列番号18、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号37、配列番号18、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号38、配列番号18、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号39、配列番号18、配列番号31を含んでなる。
【0082】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号36、配列番号15、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号37、配列番号15、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号38、配列番号15、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号39、配列番号15、配列番号31を含んでなる。
【0083】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号36、配列番号16、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号37、配列番号16、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号38、配列番号16、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号39、配列番号16、配列番号31を含んでなる。
【0084】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号36、配列番号18、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号37、配列番号18、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号38、配列番号18、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号39、配列番号18、配列番号31を含んでなる。
【0085】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号36、配列番号18、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号37、配列番号18、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号38、配列番号18、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号39、配列番号18、配列番号31を含んでなる。
【0086】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号36、配列番号15、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号37、配列番号15、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号38、配列番号15、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号39、配列番号15、配列番号31を含んでなる。
【0087】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号36、配列番号16、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号37、配列番号16、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号38、配列番号16、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号39、配列番号16、配列番号31を含んでなる。
【0088】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号36、配列番号16、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号37、配列番号16、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号38、配列番号16、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号39、配列番号16、配列番号32を含んでなる。
【0089】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号36、配列番号15、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号37、配列番号15、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号38、配列番号15、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号39、配列番号15、配列番号32を含んでなる。
【0090】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号36、配列番号18、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号37、配列番号18、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号38、配列番号18、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号39、配列番号18、配列番号32を含んでなる。
【0091】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号36、配列番号15、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号37、配列番号15、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号38、配列番号15、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号39、配列番号15、配列番号32を含んでなる。
【0092】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号36、配列番号16、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号37、配列番号16、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号38、配列番号16、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号39、配列番号16、配列番号32を含んでなる。
【0093】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号36、配列番号18、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号37、配列番号18、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号38、配列番号18、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号39、配列番号18、配列番号32を含んでなる。
【0094】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号36、配列番号18、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号37、配列番号18、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号38、配列番号18、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号39、配列番号18、配列番号32を含んでなる。
【0095】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号36、配列番号15、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号37、配列番号15、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号38、配列番号15、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号39、配列番号15、配列番号32を含んでなる。
【0096】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号36、配列番号16、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号37、配列番号16、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号38、配列番号16、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号39、配列番号16、配列番号32を含んでなる。
【0097】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号36、配列番号16、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号37、配列番号16、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号38、配列番号16、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号39、配列番号16、配列番号32を含んでなる。
【0098】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号36、配列番号15、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号37、配列番号15、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号38、配列番号15、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号39、配列番号15、配列番号32を含んでなる。
【0099】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号36、配列番号18、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号37、配列番号18、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号38、配列番号18、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号39、配列番号18、配列番号32を含んでなる。
【0100】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号36、配列番号15、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号37、配列番号15、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号38、配列番号15、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号39、配列番号15、配列番号32を含んでなる。
【0101】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号36、配列番号16、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号37、配列番号16、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号38、配列番号16、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号39、配列番号16、配列番号32を含んでなる。
【0102】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号36、配列番号18、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号37、配列番号18、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号38、配列番号18、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号39、配列番号18、配列番号32を含んでなる。
【0103】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号36、配列番号18、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号37、配列番号18、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号38、配列番号18、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号39、配列番号18、配列番号32を含んでなる。
【0104】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号36、配列番号15、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号37、配列番号15、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号38、配列番号15、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号39、配列番号15、配列番号32を含んでなる。
【0105】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号36、配列番号16、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号37、配列番号16、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号38、配列番号16、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号39、配列番号16、配列番号32を含んでなる。
【0106】
いくつかの実施形態では、構築物は、第1の発現カセットおよび第2の発現カセットを含んでなる。
【0107】
特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号1、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号2、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号3、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号6、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号8、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号9、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号10、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号11、配列番号31を含んでなる。
【0108】
特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号1、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号2、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号3、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号6、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号8、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号9、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号10、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号11、配列番号31を含んでなる。
【0109】
特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号1、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号2、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号3、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号6、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号8、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号9、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号10、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号11、配列番号32を含んでなる。
【0110】
特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号1、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号2、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号3、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号6、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号8、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号9、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号10、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第1の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号11、配列番号32を含んでなる。
【0111】
特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号1、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号2、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号3、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号6、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号8、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号9、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号10、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号11、配列番号31を含んでなる。
【0112】
特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号1、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号2、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号3、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号6、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号8、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号9、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号10、配列番号31を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号11、配列番号31を含んでなる。
【0113】
特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号1、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号2、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号3、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号6、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号8、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号9、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号10、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号11、配列番号32を含んでなる。
【0114】
特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号1、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号2、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号3、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号4、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号5、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号6、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号7、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号8、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号9、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号10、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、第2の発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号27、配列番号28、配列番号11、配列番号32を含んでなる。
【0115】
いくつかの実施形態では、構築物は、組換えAAVのゲノムを含んでなる。いくつかの実施形態では、構築物は、アデノ随伴ウイルス(AAV)の5’および3’逆方向末端反復配列(ITR)を含んでなる。いくつかの実施形態では、5’および3’ITRは、AAV ITR130および/またはAAV ITR105である。いくつかの実施形態では、5’ ITRおよび3’ITRの両方がAAV ITR130である。いくつかの実施形態では、5’ITRはAAV ITR105であり、3’ITRはAAV ITR130である。いくつかの実施形態では、5’ITR130は配列番号33である。いくつかの実施形態では、3’ITR130は配列番号34である。いくつかの実施形態では、5’ITR105は配列番号35である。
【0116】
3.組換えAAVsおよび医薬組成物
本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチド構築物を含んでなるゲノムを含んでなる組換えAAVを提供する。
【0117】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド構築物は、第1のプロモーターに作動可能に連結された、シグナルペプチドおよびNb24をコードする第1のヌクレオチド配列を含んでなる第1の発現カセットを含んでなり、第1のヌクレオチド配列は、宿主、好ましくは、ヒトでの発現のためにコドンが最適化されている。
【0118】
いくつかの実施形態では、第1のヌクレオチド配列は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される。いくつかの実施形態では、第1のヌクレオチド配列は、配列番号4、5および7から選択される。いくつかの実施形態では、第1のヌクレオチド配列は配列番号5である。
【0119】
本発明者らは、意外にも、2価Nb24をコードする構築物が1価のものよりも高い発現を達成したことを見出した。従って、本発明はさらに、2価Nb24、すなわち、単一のポリペプチドとして2コピーのNb24を発現するためのポリヌクレオチド構築物を提供する。
【0120】
いくつかの実施形態では、第1の発現カセットは、リンカーを介して第1のヌクレオチド配列に、好ましくは、第1のヌクレオチド配列の3’末端に連結された第2のヌクレオチド配列を含んでなる。いくつかの実施形態では、第2のヌクレオチド配列は、配列番号12、13、14、15、16、17、18、19、20、21および22から選択される。いくつかの実施形態では、第2のヌクレオチド配列は、配列番号15、16および18から選択される。
【0121】
本発明者らは、意外にも、同一のコード配列を有する2価のNb24をコードする構築物は、ウイルスの品質(ゲノムの完全性)が低いことを見出した。従って、いくつかの実施形態では、そのヌクレオチド66~441にわたる第1のヌクレオチド配列は、第2のヌクレオチド配列と同一ではない。
【0122】
いくつかの実施形態では、第1のヌクレオチド配列は配列番号5であり、第2のヌクレオチド配列は配列番号15である。いくつかの実施形態では、第1のヌクレオチド配列は配列番号5であり、第2のヌクレオチド配列は配列番号18である。いくつかの実施形態では、第1のヌクレオチド配列は配列番号4であり、第2のヌクレオチド配列は配列番号16である。いくつかの実施形態では、第1のヌクレオチド配列は配列番号4であり、第2のヌクレオチド配列は配列番号18である。いくつかの実施形態では、第1のヌクレオチド配列は配列番号7であり、第2のヌクレオチド配列は配列番号15である。いくつかの実施形態では、第1のヌクレオチド配列は配列番号7であり、第2のヌクレオチド配列は配列番号16である。
【0123】
ペプチドリンカーは一般に、約4~20またはそれを超えるアミノ酸の短いペプチド,例えば、Ser残基とGly残基の組合せであり得る。本発明の構築物では、リンカーは、このようなペプチドリンカーをコードするヌクレオチドリンカーである。いくつかの実施形態では、本発明のリンカーは、ペプチドリンカー(G4S)n、n=1~4をコードする。いくつかの実施形態では、リンカーは、配列番号36、37、38および39、またはその縮重変異体から選択される。
【0124】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド構築物は、5’から3’へ順に、
配列番号5、配列番号37、および配列番号15、
配列番号5、配列番号37、および配列番号18、
配列番号4、配列番号37、および配列番号16、
配列番号4、配列番号37、および配列番号18、
配列番号7、配列番号37、および配列番号15、
配列番号7、配列番号37、および配列番号16、
配列番号5、配列番号38、および配列番号15、
配列番号5、配列番号38、および配列番号18、
配列番号4、配列番号38、および配列番号16、
配列番号4、配列番号38、および配列番号18、
配列番号7、配列番号38、および配列番号15、または
配列番号7、配列番号38、および配列番号16
を含んでなる2価Nb24をコードする配列を含んでなる。
【0125】
いくつかの実施形態では、第1のプロモーターは、ニワトリβ-アクチンプロモーターまたはCMV由来プロモーターである。いくつかの実施形態では、第1のプロモーターは、配列番号26もしくは27のヌクレオチド配列、または配列番号26もしくは27と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一のヌクレオチド配列を含んでなる。
【0126】
いくつかの実施形態では、第1の発現カセットは、第1のエンハンサーを含んでなる。好ましくは、第1のエンハンサーは、第1のプロモーターの上流にある。いくつかの実施形態では、第1のエンハンサーは、サイトメガロウイルス(CMV)初期エンハンサーである。いくつかの実施形態では、第1のエンハンサーは、配列番号25、または配列番号25と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一のヌクレオチド配列を含んでなる。
【0127】
また、真核細胞での発現を増加させるために構築物に真核生物由来のイントロンを含めることも望ましい。いくつかの実施形態では、第1の発現カセットは、第1のイントロンを含んでなる。好ましくは、第1のイントロンは、第1のヌクレオチド配列の上流にある。
【0128】
本発明者は、意外にも、長いイントロンを組み込んだ方が、発現が増加することを見出した。いくつかの実施形態では、第1のイントロンは、少なくとも200ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、第1のイントロンは、配列番号28、または配列番号28と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一のヌクレオチド配列を含んでなる。
【0129】
構築物はさらに、転写産物のプロセシングのためのポリアデニル化シグナル配列を含んでなる。いくつかの実施形態では、第1の発現カセットは、コード配列の下流に第1のポリアデニル化シグナル配列を含んでなる。いくつかの実施形態では、第1の発現カセットのポリアデニル化シグナル配列は、配列番号31および32、または配列番号31もしくは32と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一のヌクレオチド配列から選択される。
【0130】
いくつかの実施形態では、構築物は、5’から3’へ順に、エンハンサー、プロモーター、イントロン、第1のヌクレオチド配列とリンカーと第2のヌクレオチド配列を含んでなるコード配列、およびポリアデニル化シグナル配列を含んでなる単一の発現カセット含んでなる。
【0131】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号37、配列番号15、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号38、配列番号15、配列番号32を含んでなる。
【0132】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号37、配列番号18、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号5、配列番号38、配列番号18、配列番号32を含んでなる。
【0133】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号37、配列番号16、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号38、配列番号16、配列番号32を含んでなる。
【0134】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号37、配列番号18、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号4、配列番号38、配列番号18、配列番号32を含んでなる。
【0135】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号37、配列番号15、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号38、配列番号15、配列番号32を含んでなる。
【0136】
特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号37、配列番号16、配列番号32を含んでなる。特定の実施形態では、発現カセットは、5’から3’へ順に、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号7、配列番号38、配列番号16、配列番号32を含んでなる。
【0137】
いくつかの実施形態では、構築物は、アデノ随伴ウイルス(AAV)の5’および3’逆方向末端反復配列(ITR)を含んでなる。いくつかの実施形態では、5’および3’ITRは、AAV ITR130および/またはAAV ITR105である。いくつかの実施形態では、5’ ITRおよび3’ITRの両方がAAV ITR130である。いくつかの実施形態では、5’ITRはAAV ITR105であり、3’ITRはAAV ITR130である。いくつかの実施形態では、5’ITR130は配列番号33である。いくつかの実施形態では、3’ITR130は配列番号34である。いくつかの実施形態では、5’ITR105は配列番号35である。
【0138】
本発明はまた、rAAVを作製するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、rAAVは、rAAVのゲノムを含んでなる導入遺伝子プラスミド、REPおよび/またはCAPタンパク質をコードするパッケージングプラスミド、およびヘルパープラスミドを含む系、例えば、rAAVのゲノムを含んでなる導入遺伝子プラスミド、REPおよび/またはCAPタンパク質をコードするパッケージングプラスミド、およびヘルパープラスミドを含んでなる哺乳動物細胞などの宿主細胞により作製される。従って、本発明はまた、本発明のrAAVのゲノムを含んでなるプラスミドなどのベクターも提供する。
【0139】
いくつかの実施形態では、rAAVは、Crosson SM et al. (Helper-free Production of Laboratory Grade AAV and Purification by Iodixanol Density Gradient Centrifugation. Mol Ther Methods Clin Dev. 2018; 10:1-7)に記載されているように封入することができる。
【0140】
いくつかの実施形態では、本発明のrAAVは、ヒト血清型1 AAV(hAAV1)、hAAV2、hAAV3、hAAV4、hAAV5、hAAV6、hAAV7、hAAV8、hAAV9、hAAV10、およびhAAV11から選択することができる。いくつかの実施形態では、rAAVはhAAV2である。いくつかの実施形態では、rAAVはhAAV9である。
【0141】
本発明のAAVを含有する医薬組成物は、任意の従来の方法で、選択された量のrAAVを1以上の薬学上許容可能な担体または賦形剤と混合することにより処方することができる。
【0142】
担体または賦形剤の選択は、投与する専門家の技量の範囲内であり、多くのパラメーターに依存し得る。これらには、例えば、投与様式(すなわち、全身投与、経口投与、局所投与、局部投与、またはその他の任意の様式)、および治療される疾患が含まれる。本明細書で提供されるrAAVの投与に適した医薬担体またはビヒクルには、特定の投与様式に適していることが当業者に知られているそのようないずれの担体も含まれる。いくつかの実施形態では、治療される疾患は湿性AMDである。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、硝子体内注射用に処方される。
【0143】
4.VEGF関連疾患の治療
本発明は、本発明のrAAVまたは医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含んでなる、VEGFに関連する疾患を予防または治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、疾患は湿性AMDである。いくつかの実施形態では、rAAV、または医薬組成物は、硝子体内注射により投与される。
【0144】
本発明はさらに、VEGFに関連する疾患を予防または治療するための薬剤の調製における本発明のポリヌクレオチド構築物、rAAVまたは医薬組成物の使用を提供する。いくつかの実施形態では、疾患は湿性AMDである。いくつかの実施形態では、薬剤は、硝子体内注射により投与される。
【0145】
本発明はさらに、VEGFに関連する疾患を予防または治療する使用のための本発明のrAAVまたは医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、疾患は湿性AMDである。いくつかの実施形態では、薬剤は、硝子体内注射により投与される。
【0146】
実施形態
第1項 第1のプロモーターに作動可能に連結された、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される、好しくは、配列番号4、5および7から選択される第1のヌクレオチド配列を含んでなる第1の発現カセットを含んでなるポリヌクレオチド構築物。
【0147】
第2項 第1の発現カセットが好ましくはリンカーを介して第1のヌクレオチド配列に連結された第2のヌクレオチド配列を含んでなり、第1のヌクレオチド配列は、そのヌクレオチド66~441にわたって、第2のヌクレオチド配列と同一でない、第1項のポリヌクレオチド構築物。
【0148】
第3項 第2のヌクレオチド配列が配列番号12、13、14、15、16、17、18、19、20、21および22から選択される、好ましくは、配列番号15、16および18から選択される、第1項または第2項のポリヌクレオチド構築物。
【0149】
第4項 リンカーが配列番号36、37、38および39から選択される、好ましくは、配列番号37および38から選択されるヌクレオチド配列である、第2項または第3項のポリヌクレオチド構築物。
【0150】
第5項 ポリヌクレオチド構築物が5’から3’へ順に
配列番号5、配列番号37、および配列番号15、
配列番号5、配列番号37、および配列番号18、
配列番号4、配列番号37、および配列番号16、
配列番号4、配列番号37、および配列番号18、
配列番号7、配列番号37、および配列番号15、
配列番号7、配列番号37、および配列番号16、
配列番号5、配列番号38、および配列番号15、
配列番号5、配列番号38、および配列番号18、
配列番号4、配列番号38、および配列番号16、
配列番号4、配列番号38、および配列番号18、
配列番号7、配列番号38、および配列番号15、または
配列番号7、配列番号38、および配列番号16
を含んでなる2価Nb24、
をコードする配列を含んでなる、第2項~第4項のいずれかのポリヌクレオチド構築物。
【0151】
第6項 第1のプロモーターがニワトリβ-アクチンプロモーターまたはCMV由来プロモーターである、第1項~第5項のいずれかのポリヌクレオチド構築物。
【0152】
第7項 第1のプロモーターが配列番号26または27のヌクレオチド配列を含んでなる、第6項のポリヌクレオチド構築物。
【0153】
第8項 第1の発現カセットが第1のエンハンサーを含んでなる、第1項~第7項のいずれかのポリヌクレオチド構築物。
【0154】
第9項 第1のエンハンサーが第1のプロモーターの上流にある、第8項のポリヌクレオチド構築物。
【0155】
第10項 第1のエンハンサーがサイトメガロウイルス(CMV)初期エンハンサーである、第8項のポリヌクレオチド構築物。
【0156】
第11項 第1のエンハンサーが配列番号25を含んでなる、第7項~第10項のいずれかのポリヌクレオチド構築物。
【0157】
第12項 第1の発現カセットがコード配列の下流に第1のポリアデニル化シグナル配列を含んでなる、第1項~第11項のいずれかのポリヌクレオチド構築物。
【0158】
第13項 第1のポリアデニル化シグナル配列が配列番号31および32から選択される、第12項のポリヌクレオチド構築物。
【0159】
第14項 第1の発現カセットが第1のイントロンを、好ましくは、第1のヌクレオチド配列の上流に含んでなる、第1項~第13項のいずれかのポリヌクレオチド構築物。
【0160】
第15項 第1のイントロンが少なくとも200ヌクレオチド長である、第14項のポリヌクレオチド構築物。
【0161】
第16項 第1のイントロンが配列番号28を含んでなる、第14項のポリヌクレオチド構築物。
【0162】
第17項 第2のプロモーターに作動可能に連結された配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される第3のヌクレオチド配列を含んでなる第2の発現カセットを含んでなる、第1項または第2項のポリヌクレオチド構築物。
【0163】
第18項 第3のヌクレオチド配列が配列番号4、5および7から選択される、第17項のポリヌクレオチド構築物。
【0164】
第19項 第2のプロモーターがニワトリβ-アクチンプロモーターまたはCMV由来プロモーターである、第17項または第18項のポリヌクレオチド構築物。
【0165】
第20項 第2のプロモーターが配列番号26または27を含んでなる、第19項のポリヌクレオチド構築物。
【0166】
第21項 第2の発現カセットが第2のエンハンサーを含んでなる、第17項~第20項のいずれかのポリヌクレオチド構築物。
【0167】
第22項 第2のエンハンサーが第2のプロモーターの上流にある、第21項のポリヌクレオチド構築物。
【0168】
第23項 第2のエンハンサーがCMV初期エンハンサーである、第21項のポリヌクレオチド構築物。
【0169】
第24項 第2のエンハンサーが配列番号25を含んでなる、第23項のポリヌクレオチド構築物。
【0170】
第25項 第2の発現カセットがコード配列の下流に第2のポリアデニル化シグナル配列を含んでなる、第17項~第24項のいずれかのポリヌクレオチド構築物。
【0171】
第26項 第2のポリアデニル化シグナル配列が配列番号31および32から選択される、第25項のポリヌクレオチド構築物。
【0172】
第27項 第2の発現カセットが第2のイントロンを、好ましくは、第3のヌクレオチド配列の上流に含んでなる、第17項~第26項のいずれかのポリヌクレオチド構築物。
【0173】
第28項 第2のイントロンが少なくとも200ヌクレオチド長である、第27項のポリヌクレオチド構築物。
【0174】
第29項 第2のイントロンが配列番号28を含んでなる、第27項のポリヌクレオチド構築物。
【0175】
第30項 構築物が組換えAAVのゲノムを含んでなる、第1項~第29項のいずれかのポリヌクレオチド構築物。
【0176】
第31項 構築物がアデノ随伴ウイルス(AAV)由来の5’および3’逆方向末端反復(ITR)配列を含んでなる、第30項のポリヌクレオチド構築物。
【0177】
第32項 5’および3’ITRがAAV ITR130および/またはAAV ITR105である、第31項のポリヌクレオチド構築物。
【0178】
第33項 5’ ITRおよび3’ITRの両方がAAV ITR130である、第32項のポリヌクレオチド構築物。
【0179】
第34項 第1項~第33項のいずれかのポリヌクレオチド構築物を含んでなるゲノムを含んでなる組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)。
【0180】
第35項 第34項のAAVを含んでなる医薬組成物。
【0181】
第36項 第34項のrAAVまたは第35項の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含んでなる、VEGFに関連する疾患を予防または治療する方法。
【0182】
第37項 疾患が湿性AMDである、第36項の方法。
【0183】
第38項 rAAVまたは医薬組成物が硝子体内注射により投与される、第37項の方法。
【0184】
第39項 第1項~第33項のいずれかの構築物、または第34項のrAAVを含んでなる宿主細胞。
【0185】
第40項 必要とする対象においてVEGFに関連する疾患を予防または治療するための薬剤の調製における第1項~第33項のいずれかのポリヌクレオチド構築物、第34項のrAAV、第35項の医薬組成物、または第39項の宿主細胞の使用。
【0186】
第41項 疾患が湿性AMDである、第40項の使用。
【0187】
第42項 薬剤が硝子体内注射により投与される、第41項の使用。
【0188】
第43項 VEGFに関連する疾患を予防または治療する使用のための、第34項のrAAVまたは第35項の医薬組成物。
【0189】
第44項 疾患が湿性AMDである、第43項の使用のためのrAAVまたは医薬組成物。
【0190】
第45項 rAAVまたは医薬組成物が硝子体内注射により投与される、第44項の使用のためのrAAVまたは医薬組成物。
【0191】
本発明の利益
本発明は、Nb24発現を増強する、Nb24の活性(VEGFへの結合および/またはVEGFR2などのVEGFRに対する阻害)を増大させるおよび/またはウイルス品質を向上させるポリヌクレオチド、構築物、ベクターおよびrAAVを提供する。
【実施例
【0192】
以下の実施例は、本願を限定するものではなく、単に例示のために示す。
【0193】
実施例1 VEGFナノボディまたはVEGF抗体をコードするコドン最適化配列を含んでなるベクターの構築
1.1. Nb24ナノボディ(ヒト化)コドン最適化プラスミドの構築
NEBuilder HiFi DNAアセンブリマスターミックス(NEB、カタログE2621)を用い、pGCB108プラスミドに、サイトメガロウイルス(CMV)初期エンハンサーエレメント(配列番号25)およびニワトリβ-アクチンプロモーター(配列番号26)とともに、ニワトリβ-アクチン遺伝子の第1のエキソンおよび第1のイントロン(F1と呼称、配列番号28)およびNb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択され、シグナル配列を含む)、およびrGBポリAシグナル配列(配列番号31)とのギブソンアセンブリを行い、11のプラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-n(n=1~11、図1、および図2A参照)を得た。適正にプラスミドが構築されたことを確認するために、制限マッピング(AgeI(R3552L)およびKpnI(R3142L)、ともにNEB製、製造者の説明書に従う)およびDNAシークエンシング(GENEWIZ、蘇州、中国)を行った。
【0194】
1.2. 2価Nb24ナノボディプラスミドの構築
2価Nb24ナノボディプラスミドは、pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5のrGBポリAシグナル配列(配列番号31)をhGHポリA配列(配列番号32)に置換することにより構築し、プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1huNb24-5-hGHpAを得;ギブソンアセンブリにより2つのNb24-5配列(配列番号5と配列番号16)をリンカー(G4S)nで連結して、配列番号5、G4Sリンカー(配列番号36、37、38、または39)、および配列番号16を含んでなるプラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)n-Nb24-5-HA(n=1~4、図2B)、ならびに配列番号5、配列番号38、および配列番号18を含んでなるプラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)2-Nb24-7-HAと、配列番号7、配列番号38および配列番号16を含んでなるpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-7-(G4S)2-Nb24-5-HAを得た。
【0195】
プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5_スタッファーは、 配列番号49のスタッファー配列を、pGCB108-ITR130-AMDF1huNb24-5-hGHpAの配列番号32の顆粒に付加することにより構築した。プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)4-Nb24-5-HA_スタッファーは、配列番号49のヌクレオチド1~1800をpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)4-Nb24-5-HAのhGHポリA配列の下流に挿入することにより構築した。
【0196】
以下の2価プラスミドを、同様の方法で、プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4およびpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-7に基づき、pGCB108-ITR130-AMDF1huNb24-4-hGHpAおよびpGCB108-ITR130-AMDF1huNb24-7-hGHpAを中間体として構築した。
・配列番号4、配列番号36、および配列番号15を含んでなるpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4-(G4S)4-Nb24-4-HA(図2C)、
・配列番号4、配列番号36、および配列番号18を含んでなるpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4-(G4S)4-Nb24-7-HA(図2D)、ならびに
・配列番号7、配列番号36、および配列番号15を含んでなるpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-7-(G4S)4-Nb24-7-HA(図2E)。
【0197】
さらなる2価プラスミドは、pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5のシグナル配列(配列番号5のヌクレオチド1~66)をIL2シグナル配列(配列番号41)に置換すること;Nb24-5配列(配列番号16)をリンカー(G4S)4で連結された2つのNb24配列(Co3.1HuNb24、配列番号40)に置換すること;および場合により、HAタグ(配列番号30)をhIgG1Fc(配列番号42)に置換することにより構築し、以下のプラスミドを得た。
・pGCB108-ITR130-AMDF1 Bi-huNb24-pCDNA3.1+-HA_IL2sig(図2F);および
・pGCB108-ITR130-AMDF1 Bi-huNb24-hIgG1Fc (図2G)。
【0198】
実施例1.1に記載したように、適正にプラスミドが構築されたことを確認するために、制限マッピングおよびDNAシークエンシングを行った。
【0199】
1.3. ベンチマーク抗VEGFプラスミドの構築
pGCB108-ITR130-AMDF1-Beovu-scFvプラスミド(図3)を次のように構築した。pGCB108プラスミドに、サイトメガロウイルス(CMV) 初期エンハンサーエレメントおよびニワトリβ-アクチンプロモーターとともに、ニワトリβ-アクチン遺伝子の第1のエキソンおよび第1のイントロン(F1)、およびBeovu-scFv配列(配列番号43)のPCR産物とのギブソンアセンブリを行った。実施例1.1に記載したように、適正にプラスミドが構築されたことを確認するために、制限マッピングおよびDNAシークエンシングを行った。
【0200】
1.4. IL2シグナルペプチドNb24ナノボディプラスミドの構築
1)プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4(IL2シグナル)-HA(図4A)は、ギブソンアセンブリによって、プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4のNb24-4-HAのシグナルペプチドをコードする配列(配列番号4の位置1~66)を、IL2シグナルペプチドをコードする配列(配列番号41)に置換することにより構築した。
【0201】
2)プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1Co3.1Nb24(IL2シグナル)-HA(図4B)は、pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4(IL2シグナル)-HAのNb24-4配列をCo3.1Nb24(配列番号40)DNA配列に置換することにより構築し、プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1Co3.1Nb24(IL2シグナル)-hIgG1Fc(図4C)は、HAタグをコードする配列を、hIgG1Fcをコードする配列(配列番号42)に置換することにより構築した。実施例1.1に記載したように、適正にプラスミドが構築されたことを確認するために、制限マッピングおよびDNAシークエンシングを行った。
【0202】
1.5. デュアルプロモータープラスミドの構築
プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-HA-CMV-AMDF1-Nb24-5-HA(図5)は次のように構築した:T4 DNAライゲーションを用い、pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5のプロモーターをCMVプロモーター(配列番号44)に置換し;付加的制限酵素(NotI)を用い、PCRにより、CMV-F1Nb24-5-rGBpAのGOIを増幅し;制限酵素消化およびT4 DNAライゲーションを用い、CMV-F1Nb24-5-rGBpAのGOIをpGCB108-ITR130-AMDF1huNb24-5-hGHpAのhGHポリA配列の下流に連結することにより、デュアルプロモータープラスミドをトランスで構築した。実施例1.1に記載したように、適正にプラスミドが構築されたことを確認するために、制限マッピングおよびDNAシークエンシングを行った。
【0203】
1.6. イントロンおよびITRが異なるプラスミドの構築
プラスミドpCB108-5ITR130-CBA-pCI-Nb24-5-hGHpA(図6)は、T4 DNAライゲーション(T4 DNAリガーゼ、NEB、M0202L)を製造者の説明書に従って用いて、プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5のF1をpCI(配列番号29)に変更し、5ITR130(配列番号33)を5ITR105(配列番号35)に置換することにより構築した。実施例1.1に記載したように、適正にプラスミドが構築されたことを確認するために、制限マッピングおよびDNAシークエンシングを行った。
【0204】
実施例2 コドン最適化プラスミドによるNb24ナノボディの発現
Expi293細胞(Thermo Fisher Scientific)を、製造者のプロトコールに従い、37℃、8%CO、80%湿度で培養した。Expi293細胞を12ウェルプレートに2.5×10細胞/ウェルの密度で播種し、製造者のプロトコールに従い(Thermo Fisher Scientific)、プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-n(n=1~11)でトランスフェクトした。トランスフェクション効率を示す参照としてプラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1-Beovu-scFvを各CoNb24導入遺伝子に1:9比で加えた。トランスフェクション72時間後に培養上清を回収した。
【0205】
等容量のNb24上清をPAGE用NuPAGE 4~12%Bis-Trisゲルにロードした(1μl還元+9μl 4Xli-corタンパク質ローディング+30μl sup、200V、22分)。iBlot(登録商標)2 Gel Transfer Device(Thermo Fisher Scientific)およびiBlot(登録商標)2 Transfer Stack(ニトロセルロース、レギュラーサイズ)を用い、ニトロセルロースメンブレン上でタンパク質をトランスフェクトした。ブロッキングバッファー(Odyssey、Li-Cor)とともに1時間インキュベートし、3回すすいだ(1分/回)後、同じバッファー中、一次抗体(抗HAウサギ(Thermo、PA1-985)、1:5000,4℃,一晩)でメンブレンをプローブし、その後3回すすぎ(1分/回)、次いで、ロバ抗ウサギ800CW(1:5000)(カタログ# REF926-32213、Li-Cor)ともに室温で2時間インキュベートした。TBST(希釈Pierce(商標)20倍TBS Tween(商標)20バッファー、Thermo Fisher Scientificのカタログ番号:28360)で2時間洗浄した(15分/回)後、Odyssey Infrared Imager(Li-Cor)を用いて免疫反応を可視化した。
【0206】
図7Aに示されるように、11のコドン最適化プラスミド(pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-n、n=1~11)は総て効率的にNb24を発現することができる。プラスミドの発現はシグナル強度に基づいて計算し、「1」として示したpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-11による発現に対して正規化した。3つのプラスミド(pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4、-5および-7)でより高い発現が見られ、pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5による発現が最高であり、pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-11の2倍を超えた(図7B)。
【0207】
実施例3 2価Nb24ナノボディの発現
3.1. Expi293細胞(Thermo)を培養し、製造者のプロトコールに従い、以下のプラスミドでトランスフェクトした。
・pGCB108-ITR130-AMDF1 Bi-huNb24-pCDNA3.1+-HA_IL2sig;
・pGCB108-ITR130-AMDF1 Bi-huNb24-hIgG1Fc;
・pGCB108-ITR130-AMDF1Co3.1Nb24(IL2シグナル)-HA;
・pGCB108-ITR130-AMDF1Co3.1Nb24(IL2シグナル)-hIgG1Fc;
・pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4(IL2シグナル)-HA;
・pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-2;および
・pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4。
【0208】
細胞上清をトランスフェクション72時間後に回収し、ウエスタンブロッティングにより調べた。細胞培養およびトランスフェクション、ならびにウエスタンブロッティングは、一次抗体の希釈を(1:2000)としたこと、およびhIgG1Fcをコードするプラスミドを、抗Fc HRP(1:3000、invitrogen、A18823)とともに室温で2時間インキュベートし、Odyssey Infrared Imager(Li-Cor)を用いて可視化することにより検出したこと以外は実施例2に記載したように行った。
【0209】
図8に示されるように、2価プラスミド(1、2、4および6で示されるレーン)は、1価プラスミド(3、5、7および8で示されるレーン)に比べて高い発現レベルを達成した。
【0210】
3.2. Expi293細胞を培養し、製造者のプロトコールに従い、以下のプラスミドでトランスフェクトした。
・pGCB108-ITR130-AMDF1-Beovu-scFv;
・pGCB108-ITR130-AMDF1 Bi-huNb24-pCDNA3.1+-HA_IL2sig;
・pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-HA-CMV-AMDF1-Nb24-5-HA;
・pCB108-5ITR130-CBA-pCI-Nb24-5-hGHpA;
・pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)4-Nb24-5-HA;
・pGCB108-ITR130-AMDF1huNb24-5-hGHpA;および
・pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5。
【0211】
細胞上清をトランスフェクション72時間後に回収し、ウエスタンブロッティングにより調べた。細胞培養およびトランスフェクション、ならびにウエスタンブロッティングは、二次抗体の希釈を(1:2500)としたこと以外は実施例2に記載したように行った。
【0212】
図9に示されるように、デュアルプロモータープラスミド(pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-HA-CMV-AMDF1-Nb24-5-HA、レーン3)は、モノプロモータープラスミド(pGCB108-ITR130-AMDF1 Bi-huNb24-pCDNA3.1+-HA_IL2sig、レーン2)に比べてNb24発現の増大を示した。
【0213】
より短いイントロンを含んでなるプラスミド(pCB108-5ITR130-CBA-pCI-Nb24-5-hGHpA、レーン4)は、Nb24発現の低下を示したことも示された。
【0214】
3.3. Expi293細胞を培養し、製造者のプロトコールに従い、プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1huNb24-5-hGHpAおよびpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)n-Nb24-5-HAでトランスフェクトした。細胞上清をトランスフェクション72時間後に回収し、ウエスタンブロッティングにより調べた。細胞培養およびトランスフェクション、ならびにウエスタンブロッティングは、二次抗体の希釈を(1:2500)としたこと以外は実施例2に記載したように行った。ウエスタンブロッティングの結果を図10に示す:1価Nb24の発現レベルは2価Nb24より低く、2価Nb24は、リンカーの長さによってサイズは互いに異なっていたが、それらの発現レベルは同等であった。
【0215】
実施例4 種々のバージョンのNb24の発現
Expi293細胞を培養し、製造者のプロトコールに従い、以下のプラスミドでトランスフェクトした。
・pGCB108-ITR130-AMDF1-Beovu-scFv;
・pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)4-Nb24-5-HA;
・pGCB108-ITR130-AMDF1 Bi-huNb24-pCDNA3.1+-HA_IL2sig;
・pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-HA-CMV-AMDF1-Nb24-5-HA;および
・pGCB108-ITR130-AMDF1huNb24-5-hGHpA。
【0216】
細胞上清をトランスフェクション72時間後に回収し、ウエスタンブロッティングにより調べた。細胞培養およびトランスフェクション、ならびにウエスタンブロッティングは、二次抗体の希釈を(1:2500)としたこと以外は実施例2に記載したように行った。
【0217】
図11に示されるように、プラスミド中の導入遺伝子はよく発現し、1価Nb24の発現レベルは、デュアルプロモーター構築物でやや高く、Nb24-5によりコードされる2価Nb24(配列番号5および16)は、Co3.1 HuNb24によりコードされる(配列番号40)より高かった。
【0218】
実施例5 VEGFに対するHuNb24の結合
HuNb24の結合は、VEGFA-165(R&D systems 293-VE/CF)を用いてELISAにより調べた。特に、expi293細胞をプラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1huNb24-5-hGHpAおよびpGCB108-ITR130-AMDF1-Beovu-scFvでトランスフェクトすることによりHuNb24を発現させ、トランスフェクト細胞(以下、それぞれNb24およびBeovuと呼称)の培養上清をトランスフェクション72時間後に回収した。上清の濃度は、実施例2に記載したようにウエスタンブロッティングにより決定した。ELISAは次のように行い、非トランスフェクト細胞からの上清を陰性対照として使用した。
【0219】
ELISAプレート(Corning、REF3690)を1μg/ml濃度のVEGFA-165 50μl/ウェルで、プレートのウェルの半分の高さまで一晩コーティングした。室温でスターターブロッカー(StartingBlock(商標)T20(TBS)ブロッキングバッファー、Thermo Fisher Scientificのカタログ番号:37543)とともに、穏やかに振盪しながら2時間インキュベートした後、予め希釈したNb24上清およびBeovu上清をそのELISAプレートに加え、次いで、穏やかに振盪しながら室温で2時間インキュベートした。ブロッカーを除去した後、一次抗体(ウサギ抗HA、Thermo、PA1-985)をブロッキングバッファー(StartingBlock(商標)T20(TBS)ブロッキングバッファー、Thermo Fisher Scientificのカタログ番号:37543)で希釈し(1:5000)、ELISAプレートに加え(50μl/ウェル)、次いで、250rpmで穏やかに振盪しながら室温でインキュベートした。1倍TBSTバッファーで3回洗浄した後、二次抗体(ヤギ抗ウサギ-HRP、Invitrogen、3146)をブロッキングバッファーで希釈し(1:5000)、ELISAプレートに加え(50μl/ウェル)、その後、穏やかに振盪しながら室温で1時間インキュベートした。ELISAプレートを1倍TBSTで3回洗浄した後、TMB基質(Thermo Scientific、REF34028)をプレートに加え(50μl/ウェル)、室温で5~10分間インキュベートした後、2M HSOを加えてTMB反応を停止させた。ELISAプレートのOD450およびOD525を検出した。ヒトVEGFAに対するNb24およびBeovuの用量依存的結合を、Graph pad prismソフトウエアを用いて計算した。
【0220】
以下のプラスミドも、上記のように、発現した1価および2価Nb24の結合に関して調べた。
・pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-HA-CMV-AMDF1-Nb24-5-HA;
・pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)n-Nb24-5-HA(n=1~4);
・pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4-(G4S)4-Nb24-4-HA;
・pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4-(G4S)4-Nb24-7-HA;
・pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-7-(G4S)4-Nb24-7-HA;および
・pGCB108-ITR130-AMDF1 Bi-huNb24-pCDNA3.1+-HA_IL2sig。
【0221】
図12に示されるように、1価および2価Nb24は、VEGFに十分に結合した。さらに、1価および様々な2価Nb24の標準曲線は、同様の形状であった(図12Cおよび12D)。
【0222】
実施例6 Nb24によるVEGFR2の阻害
VEGFR2/NFATリポーター-HEK293細胞(BPS Bioscience、カタログ#:9387)におけるNb24によるVEGFのキナーゼ活性の阻害を以下のように調べた。
【0223】
VEGFR2/NFATリポーター-HEK293細胞を製造者の説明書に従って完全増殖培地で培養し、培養系から採取し、白色透明底の96ウェルマイクロプレート(PerkinElmer、6005)に、100μlの完全増殖培地中、約40,000細胞/ウェルの密度で播種した。細胞をCOインキュベーター内で、37℃で約16時間インキュベートした。完全増殖培地を除去し、80μlのアッセイ培地(製造者の説明書に従う)を加えた。細胞をCOインキュベーター内で、37℃で約1時間インキュベートした。VEGFと1価Nb24および2価Nb24の混合物は、a)アッセイ培地でVEGF溶液を作製し(250ng/ml);b)アッセイ培地で連続希釈Nb24溶液を作製し(初期濃度10μg/ml、2倍連続希釈、12サンプル、および終点はアッセイ培地のみ);c)30μlのVEGF溶液と30μlの連続希釈2価Nb24溶液を混合し、150rpmで振盪しながら室温で1時間インキュベートすることにより調製した。20μlの混合物を、細胞を含むウェルに2反復で加え、バックグラウンド発光を求めるために100μlのアッセイ培地を無細胞対照ウェルに加えた。プレートをCOインキュベーター内で、37℃で4時間インキュベートした。ルシフェラーゼアッセイは、ONE-Step(商標)ルシフェラーゼアッセイキット(ONE-Glo(商標)ルシフェラーゼアッセイシステム、Promegaのセレクトカタログ番号:E6120)を用い、推奨される説明書に従い、ウェル当たり100μlの最終ONE-Step(商標)ルシフェラーゼ試薬を加え、室温で約15~30分環揺動し、照度計を用いて発光を測定することで行った。
【0224】
阻害は、発光により表され、発光は、各ウェルの発光測定値から平均バックグラウンド発光(無細胞対照ウェル)を差し引くことにより計算した。
【0225】
図13Aに示されるように、2価Nb24は、VEGFのキナーゼ活性の阻害において同等であり、IC50は1.449~2.478nMであった(下表1を参照)。
【0226】
【表1】
【0227】
図13Bに示されるように、2価Nb24は、1価Nb24よりも強い阻害を示した。
【0228】
実施例7 VEGFに対するVEGFR2の結合
ヒトVEGFに対するヒトVEGFR2の結合をELISAにより検出した。
【0229】
ELISAプレートを、1μg/ml濃度のVEGFA-165 50μl/ウェルで、プレートのウェルの半分の高さまで一晩コーティングした。室温でスターターブロッカーとともに、穏やかに振盪しながら2時間インキュベートした後、予め希釈したヒトVEGFR2/KDR Fcキメラタンパク質(RnD systemsおよびNovamab)をELISAプレートに加え、次いで、穏やかに振盪しながら室温で2時間インキュベートした。ブロッカーを除去した後、検出抗体(ウサギ抗ヒトFC HRP、Thermo)をブロッキングバッファーで1:5000希釈し、50μl/ウェルを加え、250rpmで穏やかに振盪しながら室温で1時間インキュベートした。ELISAプレートを1倍TBSTで3回洗浄した後、TMB基質をプレートに加え(50μl/ウェル),室温で5~10分間インキュベートした後、2M HSOを加えてTMB反応を停止させた。ELISAプレートのOD450およびOD525を検出した。ヒトVEGFAに対するVEGFR2の用量依存的結合を、Graph pad prismソフトウエアを用いて計算した。
【0230】
図14Aに示されるように、VEGFR2は、Nb24の不在下でヒトVEGFに結合することができる。
【0231】
競合的ELISAも同様の手順に従って行い、連続希釈したNb24またはBeovu溶液を予め希釈したヒトVEGFR2/KDR Fcキメラタンパク質(1μg/ml)を1:1(v/vの比率)で混合した。
【0232】
図14Bに示されるように、VEGFに対するVEGFR2の結合は、Nb24およびBeovuにより阻害された。
【0233】
実施例8 VEGFR2に対するVEGFの結合
VEGFR2に対するVEGFの結合は、次のような細胞に基づくアッセイにより検出された。
1)VEGFR2/NFATリポーターHEK293組換え細胞を製造者のプロトコールに従って培養した。
2)HEK293組換え細胞に対するVEGF用量応答は、VEGFA-165を用い、製造者(BPS Bioscience)のプロトコールに従って行った。
3)ルシフェラーゼアッセイは、ONE-Step(商標)ルシフェラーゼアッセイキットを用いて行った。
4)データはGraphpad Prismを用いて計算した。
【0234】
図15Aに示されるように、hVEGFは、Nb24の不在下でVEGFR2を発現する細胞に対し、EC50 17.43ng/mlで、用量依存的結合を示した。
【0235】
VEGF(25ng/ml)と連続希釈したNb24-5(G4S)4Nb24-5の混合物を用いることにより若干改変した実施例6に記載のアッセイを行い、VEGFR2に対するVEGFの結合に及ぼすNb24の効果を検出した。VEGFR2に対するVEGFの結合はEC50 30.40ng/mlでNb24により阻害されたことが示された(図15B)。
【0236】
実施例9 Nb24をコードするベクターによる遺伝子療法
表2に列挙された組換えAAV(群3~8)は、種々のパッケージングプラスミドおよび導入遺伝子プラスミドを用い、Crosson SM et al. 2018に記載されているものと同様の方法を用いて作製した。簡単に述べれば、無血清ウイルス生産培地OPM-293 CD05(Shanghai OPM Biosciences Co.Ltd.カタログ:81075-001)中、3E6細胞/mlの293VPC細胞(Thermo、カタログA35347)を、ポリエチレンイミンを用い、以下のヘルパープラスミド、rep/capをコードするパッケージングプラスミド、および導入遺伝子プラスミドで三重にトランスフェクトした。
・ヘルパープラスミド(Crosson Sm et al.に記載されているようなAd E2A、E4、およびVA RNAヘルパー遺伝子を含む「pHelper」、そのマップは図16Aに示される);
・パッケージングプラスミド、例示的マップが図16Bに示され、「AAV2 Cap」はAAV2-m2(群3の場合、配列番号44)、AAV9(群4および6の場合、配列番号45)、AAV2.GL(群5の場合、配列番号46)、AAV2-7m8-flank(群7の場合、配列番号47)、またはAAV2-NN(群8の場合、配列番号48)のCapポリペプチドをコードするヌクレオチド配列で置換することができ、「AAV2 Rep」は、野生型AAV2 Repポリペプチドをコードするヌクレオチド配列である;
・導入遺伝子プラスミド、pGCB108-ITR130-AMDF1huNb24-5-hGHpA(群3および5~8の場合)、またはpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)n-Nb24-5-HA(群4の場合)。
【0237】
37℃で72時間のインキュベーションの後、細胞を採取し、ウイルス粒子をイオジキサノール勾配により精製した(Crosson SM et al.参照)。
【0238】
rAAVの力価をddPCRにより調べたところ、総て、1012ウイルスゲノム(vg)/mLを超えるレベルであった(表2参照)。特に、ddPCRを、製造者の説明書に従い、Bio-RadのQXDx AutoDG ddPCRシステムおよびAutoDG ddPCRシステムのQXDx Universalキットと以下のプライマーおよびプローブを用いて行った。
qPCR-AMD-24-5-F GAGTGCGAGCTGGTGAG(配列番号50)
qPCR-AMD-24-5-R GCGTAGTCCCTGCTGATG(配列番号51)
qPCR-AMD-24-5-P CAAGGACGGCAGCACCTACTACAC (配列番号52)
【0239】
遺伝子療法は、ダッチベルテッド(DB)ウサギ(JOINN New Drug Development Center、Ltd.)で行った。
【0240】
特に、網膜新血管新生(RNV)を、2020年4月および2020年7月のそれぞれにDL-α-AAAの硝子体内注射(IVI)により、ダッチベルテッド(DB)ウサギの2つのコホートの右眼(OD)に片側的に誘導した。試験眼のRNVは、それぞれ2021年4月24日および5月16日に眼底画像および網膜蛍光血管造影(FA)によって評価し、可視的RNVおよび蛍光漏出を有するものを遺伝子療法のために選択した。
【0241】
RNVの重症度は、電子眼底画像の蛍光漏出面積(ピクセル)を測定することにより数値化した。選択した動物は無作為に、群間で漏出面積に有意差がないように群に分けた(n=3/群)(データは示していない)。
【0242】
対照およびrAAVを含め、表2に挙げた試験品を、動物の右眼に100μl/眼の用量で硝子体内(IVT)注射により投与した。陽性対照として市販のAMD薬Eylea(登録商標)を、陰性対照としてビヒクルを用いた。試験品の効果は、眼底画像と網膜蛍光血管造影(FA)によって評価した。
【0243】
【表2】
【0244】
ビヒクルはRNVにより誘導されたフルオレセイン漏出を変化させず(図16A)、IVT後の眼の炎症応答はごくわずかであり、一方、Eylea(登録商標)(4mg/100μl)はRNVによる漏出を完全に阻止し(図16B)、眼の炎症応答は眼房水、硝子体液の細胞浸潤、および硝子体混濁を含む軽度のものであった。
【0245】
群3では、RNVによる漏出は投与14日後に改善されず(図16C)、眼内の炎症応答の重症度は軽度で、Eylea群で見られたものと同様であった。
【0246】
群4では、RNV漏出に対する有意な治療効力が誘導され(図16D)、眼内の炎症応答は、硝子体液の細胞浸潤および硝子体混濁を含む軽度から中等度のものであった。
【0247】
群5では、RNV漏出に対する有意な治療効力が誘導され(図16E)、眼内の炎症応答は、眼房水、硝子体液の細胞浸潤および明白な硝子体混濁を含む中等度のものであった。
【0248】
群6では、RNVによる漏出は投与14日後に改善されず(図16F)、軽度から中等度の硝子体細胞浸潤および混濁が主要な所見であった。
【0249】
群7では、RNVによる漏出は投与14日後に部分的に改善され(図16G)、軽度の、眼房水、硝子体液の細胞浸潤、および硝子体混濁が主要な所見であった。
【0250】
群8では、RNVによる漏出は投与14日後に部分的に改善され(図16H)、中等度の硝子体液の細胞浸潤および混濁が主要な所見であった。
【0251】
実施例10 Nb24をコードする構築物の最適化
本実施例は、Nb24をコードする最適な構築物を得るために実施した。
【0252】
10.1 2価Nb24は、VEGFR2に対して1価Nb24よりも高い阻害を達成した。
Expi293細胞は、実施例2に従い、以下のプラスミドでトランスフェクトした。
pGCB108-ITR130-AMDF1huNb24-5-hGHpA、および
pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)2-Nb24-7-HA。
【0253】
上清中の1価および2価Nb24を、実施例2に記載したようにウエスタンブロットにより定量し、一連の濃度に希釈した。VEGFR2に対するそれらの阻害を、実施例7に記載したようにELISAにより調べ、市販の製品ルセンティス(NOVARTIS、SAWE7)を参照として使用した。
【0254】
図18に示されるように、2価Nb24は、1価Nb24の5倍のIC50を示し(25.6nM対132.5nm)、一方、ルセンティスは62.1nMのIC50を示した。
【0255】
10.2. リンカー(G4S)または(G4S)を有する2価Nb24は、(G4S)または(G4S)を有するものよりも高い親和性を示した。
Expi293細胞を、実施例2に従って、以下のプラスミドでトランスフェクトした。
pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)n-Nb24-5-HA(n=1~4);
pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4-(G4S)4-Nb24-4-HA、および
pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4-(G4S)4-Nb24-7-HA。
【0256】
VEGFに対する2価Nb24の結合を、実施例5に記載したように調べた。図19に示されるように、曲線は形状が類似していた。リンカー(G4S)および(G4S)を有する2価Nb24(それぞれ345.5nMおよび376.1nM)は、リンカー(G4S)および(G4S)(それぞれ400.2nMおよび463.8nM)を有するものよりも低いEC50値を示した。
【0257】
10.3. 同一のコード配列を有する2価Nb24をコードするrAAVは低いウイルス品質を示した。
rAAVは、実施例9に記載したような方法によって作製し、導入遺伝子プラスミドは以下から選択される。
pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)n-Nb24-5-HA(n=1~4)、
pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5_スタッファー、
pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)4-Nb24-5-HA_スタッファー、
pGCB108-ITR130-AMDF1huNb24-5-hGHpA、
pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-HA-CMV-AMDF1~Nb24-5-HA、
pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4-(G4S)4-Nb24-4-HA、
pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4-(G4S)4-Nb24-7-HA、および
pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-7-(G4S)4-Nb24-7-HA。
【0258】
得られたrAAVを表3および4に示した。
【0259】
rAAVを95℃で5分間加熱し、変性ゲルにロードし、電気泳動(20V、一晩、4℃)を行った。
【0260】
【表3】
【0261】
【表4】
【0262】
図20および21に示されるように、同一のコード配列を有する2価Nb24をコードするrAAVは、そのゲノムの電気泳動の2本のバンドを示し(図20のレーン4、6および12、図21のレーン7~9および12~18)、これは対応するrAAV集団(polulations)はヘテロゲノムを含んでなることを示唆し、すなわち、低いウイルス品質(低いゲノムの完全性)を示唆したが、異なるコード配列を有する2価Nb24をコードするrAAVは単一のバンド(図20のレーン8)を示し、ホモゲノム、すなわち、有利なウイルス品質(所望のゲノム完全性)を示唆した。
【0263】
rAAVはまた、pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)2-Nb24-7-HAおよびpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)2-Nb24-7-HAから選択される導入遺伝子プラスミドと、それぞれAAV2-7m8およびAAV9から選択されるCapポリペプチドをコードするパッケージングプラスミドを用いて作製した。得られたrAAVから単離したゲノムの変性電気泳動でも単一のバンドが示され、ホモゲノム、すなわち、有利なウイルス品質(所望のゲノム完全性)が示唆された。
【0264】
異なるコード配列を有する2価Nb24をコードするrAAVは、ウイルス品質において、同一のコード配列を有する2価Nb24をコードするrAAVに優る利点を達成したと結論付けられる。
【0265】
10.4. 2価構築物におけるNb24のコード配列の配置は発現に有意な影響を及ぼさない
Expi293細胞を、実施例2に従い、以下のプラスミドでトランスフェクトした。
pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)2-Nb24-5-HA、
pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)2-Nb24-7-HA、および
pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-7-(G4S)2-Nb24-5-HA。
【0266】
上清中の2価Nb24を、実施例2に記載したようにウエスタンブロットにより定量し、一連の濃度に希釈した。VEGFR2に対するその阻害を実施例6に記載したように調べた。結果を図22に示した。3種類のプラスミドによって発現された2価Nb24は、発現レベルおよびVEGFR2に対する阻害において互いに有意な差を示さなかった。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A-B】
図12C-D】
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図16
図17-1】
図17-2】
図17-3】
図17-4】
図18
図19
図20
図21
図22
【配列表】
2024531790000001.xml
【手続補正書】
【提出日】2024-05-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
いくつかの実施形態では、第1の発現カセットは、コード配列の下流に第1のポリアデニル化シグナル配列を含んでなる。いくつかの実施形態では、第1のポリアデニル化シグナル配列は、配列番号31および32から選択される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
図1図1は、pGCB108骨格を有する例示プラスミドのマップを示す。
図2図2は、pelBシグナル配列を有するナノボディをコードするコドン最適化配列を発現する構築物の構造を示す。
図2A図2Aは、ヒト化ナノボディHuNb24を発現する11の構築物を含む1価ナノボディを発現する構築物の構造を示す(図2A)。
図2B図2Bは、2価Nb24を発現する構築物の構造を示す。エレメント「CMVen」は、サイトメガロウイルス(CMV)初期エンハンサーエレメント(配列番号25)を表し;エレメント「CBプロモーター」は、ニワトリβ-アクチンプロモーター(配列番号26)を表し;エレメント「hGbinイントロン」は、ニワトリβ-アクチン遺伝子の第1のエキソンと第1のイントロン(配列番号28)を表し、エレメント「CoHuNb24-n」は、Nb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される)を表し、エレメント「HA」は、HAタグをコードする配列(配列番号30)を表し;エレメント「rGBポリ(A)シグナル」は、ウサギグロビン遺伝子由来のポリアデニル化シグナル配列(配列番号31)を表し;エレメント「CBAプロモーター」は、「CMVen」および「CBプロモーター」を表し;エレメント「(G4S)n」は、(G4S)4、(G4S)3、(G4S)2およびG4Sから選択されるリンカーのコード配列(それぞれ配列番号36、37、38および39)を表し;エレメント「hGHポリ(A)」は、ヒト増殖因子遺伝子由来のポリアデニル化シグナル配列(配列番号32)を表し;エレメント「Co3.1HuNb24」は、Nb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号40)を表し;およびエレメント「hIgG1Fc」は、ヒトIgG1 Fc領域をコードする配列(配列番号42)を表す。以下の図で同じ名称のエレメントは、同じ配列を表す。
図2C図2Cは、2価Nb24を発現する構築物の構造を示す。エレメント「CMVen」は、サイトメガロウイルス(CMV)初期エンハンサーエレメント(配列番号25)を表し;エレメント「CBプロモーター」は、ニワトリβ-アクチンプロモーター(配列番号26)を表し;エレメント「hGbinイントロン」は、ニワトリβ-アクチン遺伝子の第1のエキソンと第1のイントロン(配列番号28)を表し、エレメント「CoHuNb24-n」は、Nb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される)を表し、エレメント「HA」は、HAタグをコードする配列(配列番号30)を表し;エレメント「rGBポリ(A)シグナル」は、ウサギグロビン遺伝子由来のポリアデニル化シグナル配列(配列番号31)を表し;エレメント「CBAプロモーター」は、「CMVen」および「CBプロモーター」を表し;エレメント「(G4S)n」は、(G4S)4、(G4S)3、(G4S)2およびG4Sから選択されるリンカーのコード配列(それぞれ配列番号36、37、38および39)を表し;エレメント「hGHポリ(A)」は、ヒト増殖因子遺伝子由来のポリアデニル化シグナル配列(配列番号32)を表し;エレメント「Co3.1HuNb24」は、Nb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号40)を表し;およびエレメント「hIgG1Fc」は、ヒトIgG1 Fc領域をコードする配列(配列番号42)を表す。以下の図で同じ名称のエレメントは、同じ配列を表す。
図2D図2Dは、2価Nb24を発現する構築物の構造を示す。エレメント「CMVen」は、サイトメガロウイルス(CMV)初期エンハンサーエレメント(配列番号25)を表し;エレメント「CBプロモーター」は、ニワトリβ-アクチンプロモーター(配列番号26)を表し;エレメント「hGbinイントロン」は、ニワトリβ-アクチン遺伝子の第1のエキソンと第1のイントロン(配列番号28)を表し、エレメント「CoHuNb24-n」は、Nb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される)を表し、エレメント「HA」は、HAタグをコードする配列(配列番号30)を表し;エレメント「rGBポリ(A)シグナル」は、ウサギグロビン遺伝子由来のポリアデニル化シグナル配列(配列番号31)を表し;エレメント「CBAプロモーター」は、「CMVen」および「CBプロモーター」を表し;エレメント「(G4S)n」は、(G4S)4、(G4S)3、(G4S)2およびG4Sから選択されるリンカーのコード配列(それぞれ配列番号36、37、38および39)を表し;エレメント「hGHポリ(A)」は、ヒト増殖因子遺伝子由来のポリアデニル化シグナル配列(配列番号32)を表し;エレメント「Co3.1HuNb24」は、Nb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号40)を表し;およびエレメント「hIgG1Fc」は、ヒトIgG1 Fc領域をコードする配列(配列番号42)を表す。以下の図で同じ名称のエレメントは、同じ配列を表す。
図2E図2Eは、2価Nb24を発現する構築物の構造を示す。エレメント「CMVen」は、サイトメガロウイルス(CMV)初期エンハンサーエレメント(配列番号25)を表し;エレメント「CBプロモーター」は、ニワトリβ-アクチンプロモーター(配列番号26)を表し;エレメント「hGbinイントロン」は、ニワトリβ-アクチン遺伝子の第1のエキソンと第1のイントロン(配列番号28)を表し、エレメント「CoHuNb24-n」は、Nb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される)を表し、エレメント「HA」は、HAタグをコードする配列(配列番号30)を表し;エレメント「rGBポリ(A)シグナル」は、ウサギグロビン遺伝子由来のポリアデニル化シグナル配列(配列番号31)を表し;エレメント「CBAプロモーター」は、「CMVen」および「CBプロモーター」を表し;エレメント「(G4S)n」は、(G4S)4、(G4S)3、(G4S)2およびG4Sから選択されるリンカーのコード配列(それぞれ配列番号36、37、38および39)を表し;エレメント「hGHポリ(A)」は、ヒト増殖因子遺伝子由来のポリアデニル化シグナル配列(配列番号32)を表し;エレメント「Co3.1HuNb24」は、Nb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号40)を表し;およびエレメント「hIgG1Fc」は、ヒトIgG1 Fc領域をコードする配列(配列番号42)を表す。以下の図で同じ名称のエレメントは、同じ配列を表す。
図2F図2Fは、2価Nb24を発現する構築物の構造を示す。エレメント「CMVen」は、サイトメガロウイルス(CMV)初期エンハンサーエレメント(配列番号25)を表し;エレメント「CBプロモーター」は、ニワトリβ-アクチンプロモーター(配列番号26)を表し;エレメント「hGbinイントロン」は、ニワトリβ-アクチン遺伝子の第1のエキソンと第1のイントロン(配列番号28)を表し、エレメント「CoHuNb24-n」は、Nb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される)を表し、エレメント「HA」は、HAタグをコードする配列(配列番号30)を表し;エレメント「rGBポリ(A)シグナル」は、ウサギグロビン遺伝子由来のポリアデニル化シグナル配列(配列番号31)を表し;エレメント「CBAプロモーター」は、「CMVen」および「CBプロモーター」を表し;エレメント「(G4S)n」は、(G4S)4、(G4S)3、(G4S)2およびG4Sから選択されるリンカーのコード配列(それぞれ配列番号36、37、38および39)を表し;エレメント「hGHポリ(A)」は、ヒト増殖因子遺伝子由来のポリアデニル化シグナル配列(配列番号32)を表し;エレメント「Co3.1HuNb24」は、Nb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号40)を表し;およびエレメント「hIgG1Fc」は、ヒトIgG1 Fc領域をコードする配列(配列番号42)を表す。以下の図で同じ名称のエレメントは、同じ配列を表す。
図2G図2Gは、2価Nb24を発現する構築物の構造を示す。エレメント「CMVen」は、サイトメガロウイルス(CMV)初期エンハンサーエレメント(配列番号25)を表し;エレメント「CBプロモーター」は、ニワトリβ-アクチンプロモーター(配列番号26)を表し;エレメント「hGbinイントロン」は、ニワトリβ-アクチン遺伝子の第1のエキソンと第1のイントロン(配列番号28)を表し、エレメント「CoHuNb24-n」は、Nb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される)を表し、エレメント「HA」は、HAタグをコードする配列(配列番号30)を表し;エレメント「rGBポリ(A)シグナル」は、ウサギグロビン遺伝子由来のポリアデニル化シグナル配列(配列番号31)を表し;エレメント「CBAプロモーター」は、「CMVen」および「CBプロモーター」を表し;エレメント「(G4S)n」は、(G4S)4、(G4S)3、(G4S)2およびG4Sから選択されるリンカーのコード配列(それぞれ配列番号36、37、38および39)を表し;エレメント「hGHポリ(A)」は、ヒト増殖因子遺伝子由来のポリアデニル化シグナル配列(配列番号32)を表し;エレメント「Co3.1HuNb24」は、Nb24ナノボディをコードするコドン最適化配列(配列番号40)を表し;およびエレメント「hIgG1Fc」は、ヒトIgG1 Fc領域をコードする配列(配列番号42)を表す。以下の図で同じ名称のエレメントは、同じ配列を表す。
図3図3は、ベンチマーク遺伝子Beovu-scFv(配列番号43)を発現する構築物の構造を示す。
図4A図4Aは、異なるシグナル配列(「IL2シグナル」、配列番号41)および場合によりヒトIgG1 Fc領域とともにNb24を発現する構築物の構造を示す。
図4B図4Bは、異なるシグナル配列(「IL2シグナル」、配列番号41)および場合によりヒトIgG1 Fc領域とともにNb24を発現する構築物の構造を示す。
図4C図4Cは、異なるシグナル配列(「IL2シグナル」、配列番号41)および場合によりヒトIgG1 Fc領域とともにNb24を発現する構築物の構造を示す。
図5図5は、Nb24を発現する2つのカセットを含んでなる構築物の構造を示す。エレメント「CMVプロモーター」は、「CMVen」およびCMV由来プロモーター(配列番号44)を表す。
図6図6は、変更されたイントロン(「pCIイントロン」、配列番号29)とともにNb24を発現する構築物の構造を示す。
図7図7は、ウエスタンブロッティングによる1価Nb24の発現の検出を示す。図7Aはメンブレンの画像を示し、番号(1~11)で示されたレーンは、それぞれ、プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-n(n=1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11)でトランスフェクトした細胞からの上清に相当する。レーン「P」は陽性対照であり、レーン「sup」は、非トランスフェクト細胞からの上清に相当する。図7Bは、「1」と定義するNb24-11(配列番号11を含んでなるプラスミド)の発現レベルに対して正規化したウエスタンブロッティングの定量値を示す。
図8図8は、ウエスタンブロッティングによる1価および2価Nb24の発現の比較を示す。番号(1~8)で示されたレーンは、1価および2価Nb24を発現するためのプラスミドでトランスフェクトした細胞からの上清に相当し、レーン「sup」は、非トランスフェクト細胞からの上清に相当する。・1で示されるレーン: pGCB108-ITR130-AMDF1 Bi-huNb24-pCDNA3.1+-HA_IL2sig;・2または6で示されるレーン: pGCB108-ITR130-AMDF1 Bi-huNb24-hIgG1Fc;・3で示されるレーン: pGCB108-ITR130-AMDF1Co3.1Nb24(IL2シグナル)-HA;・4で示されるレーン: pGCB108-ITR130-AMDF1Co3.1Nb24(IL2 シグナル)-hIgG1Fc;・5で示されるレーン: pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4(IL2シグナル)-HA;・7で示されるレーン: pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-2;および・8で示されるレーン: pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4。
図9図9は、様々な戦略で構築したプラスミドでの発現の、ウエスタンブロッティングによる検出を示す。レーンは以下のようなプラスミドに相当する。・レーン1および7: pGCB108-ITR130-AMDF1-Beovu-scFv;・レーン2: pGCB108-ITR130-AMDF1 Bi-huNb24-pCDNA3.1+-HA_IL2sig;・レーン3: pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-HA-CMV-AMDF1-Nb24-5-HA;・レーン4: pCB108-5ITR130-CBA-pCI-Nb24-5-hGHpA;・レーン5: pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)4-Nb24-5-HA・レーン6: pGCB108-ITR130-AMDF1huNb24-5-hGHpA;・レーン8: pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5;および・レーン9: 陰性対照。
図10図10は、プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1huNb24-5-hGHpA(レーン1)およびpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)n-Nb24-5-HA(n=1~4レーン2~5はそれぞれ構築物#36~33)での発現の、ウエスタンブロッティングによる検出を示す。
図11図11は、Nb24の様々なバージョンの発現の検出を示す。「F1F3」で示されるレーンは、プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1-Beovu-scFvでトランスフェクトされた細胞に相当し;「G4S4」で示されるレーンは、プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)4-Nb24-5-HAでトランスフェクトされた細胞に相当し;「コドン3.1」で示されるレーンは、プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1 Bi-huNb24-pCDNA3.1+-HA_IL2sigでトランスフェクトされた細胞に相当し;「CBA-CMV」で示されるレーンは、プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-HA-CMV-AMDF1-Nb24-5-HAでトランスフェクトされた細胞に相当し;また「Nb24-5」で示されるレーンは、プラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1huNb24-5-hGHpAでトランスフェクトされた細胞に相当する。
図12図12は、VEGFに対する抗体の結合を示す。図12Aで、「HuNb24-5-HA」は、pGCB108-ITR130-AMDF1huNb24-5-hGHpAにより発現された産物を表し、「Beovu-scFv-HA」は、pGCB108-ITR130-AMDF1-Beovu-scFvにより発現された産物を表し、OD525は、プレートのバックグラウンドを表す。図12Bで、「CMV-Nb24-5-HA」は、pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-HA-CMV-AMDF1-Nb24-5-HAにより発現された産物を表し;「G4S4-Nb24-5-HA」は、pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)4-Nb24-5-HAにより発現された産物を表し;「Nb24-5-HA」は、pGCB108-ITR130-AMDF1huNb24-5-hGHpAにより発現された産物を表し;「F1F3-HA」は、pGCB108-ITR130-AMDF1-Beovu-scFvにより発現された産物を表す。図12Cで、プロット1~4は、それぞれpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)n-Nb24-5-HA(n=1~4)により発現された生成物を表し;プロット5は、pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4-(G4S)4-Nb24-7-HAにより発現された産物を表し;またプロット6は、pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4-(G4S)4-Nb24-4-HAにより発現された産物を表す。図12Dで、「Beovu-scFv-HA」は、pGCB108-ITR130-AMDF1-Beovu-scFvにより発現された産物を表し;「Nb24-5」は、pGCB108-ITR130-AMDF1huNb24-5-hGHpAにより発現された産物を表し;「Nb24-4-G4S4-Nb24-7」は、pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4-(G4S)4-Nb24-7-HAにより発現された産物を表し;「Nb24-7-G4S4-Nb24-7」は、pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-7-(G4S)4-Nb24-7-HAにより発現された産物を表し;また「コドン3.1Nb24-G4S4-コドン3.1Nb24」は、pGCB108-ITR130-AMDF1 Bi-huNb24-pCDNA3.1+-HA_IL2siにより発現された産物を表す。
図13図13は、VEGFR2に対するNb24の阻害を示す。図13Aは、2価Nb24の阻害を示し、図13Bは、モノ2価Nb24と2価Nb24の間の比較を示す。
図14A図14Aは、VEGFに対するVEGFR2の結合を示す。
図14B図14Bは、VEGFに対する抗体の結合阻害を示す。
図15A図15Aは、VEGFR2に対するVEGFの結合の用量曲線を示す。
図15B図15Bは、結合に対する2価Nb24の用量依存的阻害を示す。
図16図16は、rAAVの作製にためのヘルパープラスミド(図16A)およびパッケージングプラスミド(図16B)のマップを示す。
図17図17は、湿性AMDモデル(ダッチベルテッドウサギ)に投与したAAVの効果を示す。蛍光の漏出がある領域は、網膜新血管新生の重症度を示す。図17Dの左のパネルの動物は、7日目から下痢が見られていたため9日目に検査し、11日目に死亡した。剖検では、他の病態生理学的変化は見られなかった。
図18図18は、VEGFR2に対するNb24の阻害を評価するELISAを示す。
図19図19は、VEGFに対する2価Nb24の結合を評価するELISAを示し、「24-5-G4Sn-24-5」(n=1~4)、「24-4-G4S4-24-7」および「24-4-G4S4-24-7」は、それぞれプラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)n-Nb24-5-HA(n=1~4)、pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4-(G4S)4-Nb24-4-HA、およびpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-4-(G4S)4-Nb24-7-HAにより発現された産物を表す。
図20図20は、rAAVゲノムの変性電気泳動を示す。
図21図21は、rAAVゲノムの変性電気泳動を示す。
図22図22は、VEGFに対する2価Nb24の結合を評価するELISAを示し、「24-5-G4S2-24-5」、「24-5-G4S2-24-7」および「24-7-G4S2-24-5」は、それぞれプラスミドpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)2-Nb24-5-HA、pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)2-Nb24-7-HA、およびpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-7-(G4S)2-Nb24-5-HAにより発現された産物を表す。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0263
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0263】
rAAVはまた、pGCB108-ITR130-AMDF1Nb24-5-(G4S)2-Nb24-7-HAおよびpGCB108-ITR130-AMDF1Nb24--(G4S)2-Nb24--HAから選択される導入遺伝子プラスミドと、それぞれAAV2-7m8およびAAV9から選択されるCapポリペプチドをコードするパッケージングプラスミドを用いて作製した。得られたrAAVから単離したゲノムの変性電気泳動でも単一のバンドが示され、ホモゲノム、すなわち、有利なウイルス品質(所望のゲノム完全性)が示唆された。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロモーターに作動可能に連結された、配列番号4、5および7から選択される第1のヌクレオチド配列、ならびにリンカーを介して第1のヌクレオチド配列に連結された、配列番号15、16および18から選択される第2のヌクレオチド配列を含んでなるコード配列を含んでなる発現カセットを含んでなるポリヌクレオチド構築物。
【請求項2】
前記リンカーが配列番号37および38から選択される、請求項1に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項3】
前記プロモーターが配列番号26~27のヌクレオチド配列を含んでなる、請求項1または2に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項4】
前記発現カセットがエンハンサーを含んでなる、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項5】
ンハンサーが第1のプロモーターの上流にある、請求項4に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項6】
ンハンサーが、配列番号25のヌクレオチド配列を含んでなるサイトメガロウイルス(CMV)初期エンハンサーである、請求項4に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項7】
前記発現カセットがコード配列の下流にポリアデニル化シグナル配列を含んでなる、請求項1~6のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項8】
リアデニル化シグナル配列が配列番号31および32から選択される、請求項7に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項9】
前記発現カセットが、好ましくは第1のヌクレオチド配列の上流に、イントロンを含んでなる、請求項1~8のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項10】
ントロンが少なくとも200ヌクレオチド長である、請求項9に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項11】
ントロンが配列番号28を含んでなる、請求項9に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項12】
前記構築物が組換えAAVのゲノムを含んでなる、請求項1~11のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項13】
構築物がアデノ随伴ウイルス(AAV)由来の5’および3’逆方向末端反復(ITR)配列を含んでなる、請求項12に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項14】
5’および3’ITRがAAV ITR130および/またはAAV ITR105である、請求項13に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項15】
5’ITRおよび3’ITRの両方がAAV ITR130である、請求項14に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド構築物を含んでなるゲノムを含んでなる、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)。
【請求項17】
請求項16に記載のAAVを含んでなる医薬組成物。
【請求項18】
VEGFに関連する疾患を予防または治療する方法であって、請求項16に記載のrAAVまたは請求項17に記載の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含んでなる、方法。
【請求項19】
前記疾患がWet-AMDである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記rAAVまたは医薬組成物が硝子体内注射により投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
請求項1~15のいずれか一項に記載の構築物、または請求項16に記載のrAAVを含んでなる宿主細胞。
【請求項22】
必要とする対象においてVEGFに関連する疾患を予防または治療するための薬剤の調製における、請求項1~15のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド構築物、請求項16に記載のrAAV、請求項17に記載の医薬組成物、または請求項21に記載の宿主細胞の使用。
【請求項23】
前記疾患がWet-AMDである、請求項22に記載の使用。
【請求項24】
前記薬剤が硝子体内注射により投与される、請求項23に記載の使用。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロモーターに作動可能に連結された、配列番号4、5および7から選択される第1のヌクレオチド配列、ならびにリンカーを介して第1のヌクレオチド配列に連結された、配列番号15、16および18から選択される第2のヌクレオチド配列を含んでなるコード配列を含んでなる発現カセットを含んでなるポリヌクレオチド構築物。
【請求項2】
前記リンカーが配列番号37および38から選択される、請求項1に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項3】
前記プロモーターが配列番号26または27のヌクレオチド配列を含んでなる、請求項1に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項4】
前記発現カセットがエンハンサーを含んでなる、請求項1に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項5】
エンハンサーが第1のプロモーターの上流にある、請求項4に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項6】
エンハンサーが、配列番号25のヌクレオチド配列を含んでなるサイトメガロウイルス(CMV)初期エンハンサーである、請求項4に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項7】
前記発現カセットがコード配列の下流にポリアデニル化シグナル配列を含んでなる、請求項1に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項8】
ポリアデニル化シグナル配列が配列番号31および32から選択される、請求項7に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項9】
前記発現カセットが、好ましくは第1のヌクレオチド配列の上流に、イントロンを含んでなる、請求項1に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項10】
イントロンが少なくとも200ヌクレオチド長である、請求項9に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項11】
イントロンが配列番号28を含んでなる、請求項9に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項12】
前記構築物が組換えAAVのゲノムを含んでなる、請求項1に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項13】
構築物がアデノ随伴ウイルス(AAV)由来の5’および3’逆方向末端反復(ITR)配列を含んでなる、請求項12に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項14】
5’および3’ITRがAAV ITR130および/またはAAV ITR105である、請求項13に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項15】
5’ITRおよび3’ITRの両方がAAV ITR130である、請求項14に記載のポリヌクレオチド構築物。
【請求項16】
請求項1に記載のポリヌクレオチド構築物を含んでなるゲノムを含んでなる、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)。
【請求項17】
請求項16に記載のrAAVを含んでなる医薬組成物。
【請求項18】
VEGFに関連する疾患を予防または治療する方法であって、請求項16に記載のrAAVまたは請求項17に記載の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含んでなる、方法。
【請求項19】
前記疾患がWet-AMDである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記rAAVまたは医薬組成物が硝子体内注射により投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
請求項1に記載の構築物、または請求項16に記載のrAAVを含んでなる宿主細胞。
【請求項22】
必要とする対象においてVEGFに関連する疾患を予防または治療するための薬剤の調製における、請求項1に記載のポリヌクレオチド構築物、請求項16に記載のrAAV、請求項17に記載の医薬組成物、または請求項21に記載の宿主細胞の使用。
【請求項23】
前記疾患がWet-AMDである、請求項22に記載の使用。
【請求項24】
前記薬剤が硝子体内注射により投与される、請求項23に記載の使用。
【国際調査報告】