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特表2024-531796角度付継手の流路部に挿入するための挿入片
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】角度付継手の流路部に挿入するための挿入片
(51)【国際特許分類】
   F16L 55/00 20060101AFI20240822BHJP
   F16L 43/00 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
F16L55/00 G
F16L43/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517130
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 EP2022076373
(87)【国際公開番号】W WO2023046832
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】102021124551.6
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591044393
【氏名又は名称】ノルマ ジャーマニー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド シュナイダー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル キンティ
(72)【発明者】
【氏名】ハネス クラーセン
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ゴディン
【テーマコード(参考)】
3H019
3H025
【Fターム(参考)】
3H019EA11
3H025BA25
(57)【要約】
本発明は、流体導管を流体的に接続するための角度付継手(50)の流路部(52)に挿入するための挿入片(10)に関する。挿入片(10)は、流路部(52)上に配置するための取付部(12)と、流路部(52)を流れる流体の少なくとも一部分の流動方向を少なくとも部分的に変更角度だけ変化させるための少なくとも1つのガイド要素(14,16,18)とを有し、取付部(12)は開口部(34)を有し、少なくとも1つのガイド要素(14,16,18)は開口部(34)内に配置される。ガイド要素(14,16,18)は、取付部(12)の第1部分(30)と取付部(12)の第2部分(32)との間に延び、取付部(12)に固定されている。本発明は、取付部(12)が、第1部分(30)と第2部分(32)との間に凹部(22)を有することを特徴とする。本発明により、さらに低減された圧力損失をもたらす改良された挿入片(10)が提供される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体導管を流体的に接続するための角度付継手(50)の流路部(52)に挿入するための挿入片(10)であって、前記流路部(52)に配置するための取付部(12)と、少なくとも1つの構成要素(14,16,18)とを有し、前記取付部(12)が開口部(34)を有し、前記少なくとも1つのガイド要素(14,16,18)が、前記開口部(34)内に配置され、前記ガイド要素(14,16,18)が、前記取付部(12)の第1部分(30)と前記取付部(12)の第2部分(32)との間に延び、かつ、前記取付部(12)に固定され、前記取付部(12)が、第1部分(30)と第2部分(32)との間に凹部(22)を有する挿入片。
【請求項2】
前記構成要素が、バルブおよび/または測定要素として構成されている請求項1に記載の挿入片。
【請求項3】
前記構成要素が、前記流路部(52)を流れる流体の少なくとも一部分の流動方向を少なくとも部分的に変更角度だけ変化させるガイド要素(14,16,18)として構成されている請求項1に記載の挿入片。
【請求項4】
前記少なくとも1つのガイド要素(14,16,18)が、流動方向を変化させるための湾曲面(24)を少なくとも部分的に有し、該湾曲面(24)が、前記凹部(34)の周囲に少なくとも部分的に延びている請求項1に記載の挿入片。
【請求項5】
前記取付部(12)がC字形に構成されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の挿入片。
【請求項6】
前記少なくとも1つの構成要素(14,16,18)の前記開口部(34)に対して半径方向に作用する変形を弱めるように構成された少なくとも1つのばね要素(28)を有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の挿入片。
【請求項7】
前記少なくとも1つのばね要素(28)が、少なくとも部分的に前記取付部(12)に沿って、前記開口部(34)の周りの周方向に延びている請求項4に記載の挿入片。
【請求項8】
前記少なくとも1つのばね要素(28)が、前記少なくとも1つの構成要素(14,16,18)を前記第1部分(30)および/または前記第2部分(32)に連結する請求項4または請求項5に記載の挿入片。
【請求項9】
前記少なくとも1つのばね要素(28)が、前記少なくとも1つの構成要素(14,16,18)と前記第1部分(30)および/または前記第2部分(32)との間に延びる弾力性のあるレバーとして構成されている請求項6に記載の挿入片。
【請求項10】
前記少なくとも1つの構成要素が、ガイド要素(14,16,18)として構成され、支持部材(20)を有し、前記少なくとも1つのガイド要素(14,16,18)が、前記支持部材(20)を介して前記少なくとも1つのばね要素(28)に接続されている請求項8または請求項9に記載の挿入片。
【請求項11】
前記少なくとも1つのばね要素(28)が、前記取付部(12)の前記開口部(34)に対して半径方向外側に配置された圧縮リング部として構成されている請求項6から請求項10のいずれか1項に記載の挿入片。
【請求項12】
流体導管を流体的に接続するための角度付継手であって、該角度付継手(50)を通って流れる流体の流動方向を変更角度だけ変化させるための流路部(52)と、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の挿入片(10)とを有し、該挿入片(10)が前記流路部(52)内に配置されている角度付継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、角度付継手の流路部に挿入するための挿入片に関する。
【背景技術】
【0002】
車両においては、例えば、オイル、燃料または冷却水などの流体が、車両内の異なる位置に流体導管によって供給される。これらの流体導管は、様々な方向および様々な設置スペースに配置されるため、流体導管を「角を曲がって」ガイドするために、いくつかの位置において角度付継手が必要とされる。
【0003】
角度付継手は、流体導管を接続するためのクイックコネクタとして、また2本の流体導管を特定の角度、例えば、90°で互いに接続するためのクイックコネクタとして構成される。これらの角度付継手は、例えば、射出成形法によって製造することができ、射出成形法においては、金型コアが角度付継手の内部を形成する。射出成形された材料が硬化した後には、金型コアは角度付継手から引き抜かれる。
【0004】
角度付継手の各脚部には別々の金型コアが使用されることにより、角度付継手の脚部間に鋭利なエッジが生成される。エッジの代わりに湾曲面が成形される場合、金型コアのアンダーカットとなり、金型コアを引き抜く際に角度付継手が損傷する可能性がある。動作中に流体がこの鋭利なエッジを流れると、急激な方向転換によって渦が発生し、大きな圧力降下が生じる。この圧力降下は、この角度付継手が取り付けられた車両の流体システム全体に影響を及ぼす。
【0005】
この圧力損失を低減するために、ドイツ特許出願公開第10 2019 103 210号には、角度付継手の端部の領域に流動方向を変えるための少なくとも1つのガイド要素を配置することが開示されている。このガイド要素は、一方の脚部からエッジを越えて流れる流体を、角度付継手を通して他方の脚部に導く。したがって、渦の発生が少なくなり、圧力損失が減少する。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、角度付継手の流路部に簡単な方法で挿入できる、さらに改良された挿入片を提供することである。
本発明の主な特徴は、請求項1に規定されている。実施形態は、請求項2~請求項9の主題を形成する。
【0007】
流体導管を流体的に接続するための角度付継手の流路部に挿入するための挿入片において、挿入片が、流路部に配置するための取付部と、少なくとも1つの構成要素とを有し、取付部が開口部を有し、少なくとも1つの構成要素が開口部内に配置され、構成要素が取付部の第1部分と取付部の第2部分との間に延び、取付部に固定され、取付部が第1部分と第2部分との間に凹部を有するものが、本発明によって提供される。
【0008】
凹部を有する取付部を備える挿入片が本発明により提供される。少なくとも1つの構成要素は、取付部の開口部において、取付部の第1部分と取付部の第2部分との間に配置される。少なくとも1つの構成要素は、特に、第1部分および第2部分に固定される。この固定は、第1部分および第2部分に直接または間接的に行われる。挿入片が角度付継手の流路部に配置される場合には、流体は角度付継手の一方の脚部から他方の脚部へ開口部を通って流れることができる。流路部は、角度を変化させることによって流体の流動方向を変えるように構成することができる。
【0009】
取付部は、例えば、一種のさねはぎ状接続またはラッチ接続または非嵌合接続によって、角度付継手に嵌合により保持することができる。取付部は、流路部の前面の延長線上に延びている。取付部に凹部があるため、そうでなければガイド要素と流路部の壁面との間に配置される可能性のある取付部の部分は、もはや必要ない。したがって、この位置では、ガイド要素が配置される開口部は、凹部によって拡大される。したがって、取付部と少なくとも1つの構成要素との間の流体の流通断面の減少が低減される。好ましくは、凹部は、挿入片が角度付継手内に配置されるとき、角度付継手の内縁に配置される。したがって、本発明により、さらに低減された圧力損失をもたらす、さらに改良された挿入片が提供される。
【0010】
好ましい実施形態において、構成要素は、バルブおよび/または測定要素として構成される。バルブおよび/または測定要素は、大きな力を加えることなく流路部に挿入することができ、取付部によってそこに固定される。取付部は、特に挿入時に生じる変形を吸収する。したがって、バルブおよび/または測定要素への機械的負荷は低く保たれる。流路部または角度付継手は、従来の角度付継手と同一または類似の外形寸法を有することができ、簡単な後付け交換が可能である。
【0011】
代替的な好ましい実施形態では、構成要素は、流路部を流れる流体の少なくとも一部分の流動方向を少なくとも部分的に変更角度だけ変えるガイド要素として構成される。流路部は、流体の流動方向を変更角度だけ変化させるように構成することができる。少なくとも1つのガイド要素は、取付部の第1部分と取付部の第2部分との間に延び、取付部の開口部に配置される。したがって、開口部を通って流れる流体の少なくとも一部は、ガイド要素によって一方の脚部から他方の脚部へと迂回または誘導される。こうして渦の発生が減少し、圧力損失が小さく保たれる。
【0012】
一実施例によれば、少なくとも1つのガイド要素は、流動方向を変えるための湾曲面を少なくとも部分的に有することができ、湾曲面は、凹部の周囲に少なくとも部分的に延びている。
【0013】
したがって、角度付継手の流路部を通って流れる流体は、湾曲面によって迂回させることができる。ガイド要素は、湾曲したガイドベーンとして構成することができる。ガイドベーンの脚部は、好ましくは、流体の流入方向に対して逆方向に向いている。ガイドベーンの他方の脚は、好ましくは、流路部を通過した後の流体の所望の流出方向に向いている。湾曲面上の流体の流通断面は、凹部によって最大化される。
【0014】
取付部は、例えば、C字形に構成されることが考えられる。
取付部は、C字形の開口部を角度付継手の端部に向けて配置することができる。C字形の開口部は取付部の凹部に対応する。取付部の残りの部分は、角度付継手に結合される流体導管の前面と流路部の受部との間に配置することができる。
【0015】
挿入片は、例えば、変形または変位を吸収することができる少なくとも1つのばね要素を有することができ、これにより、これらの変形または変位が、特にガイド要素として構成される少なくとも1つの構成要素に伝達されないようにすることができる。
【0016】
したがって、特に、挿入片が角度付継手内に導入されるときに生じる変形は、少なくとも1つのガイド要素に対するばね要素によって補償される。角度付継手は、例えば、取付部を受けるための溝を流路部に有することができる。取付部は、溝まで角度付継手の脚を通して押し込むことができる。取付部は溝に嵌め込むことができる。取付部は、溝までの経路において脚部の内壁によって埋没され、少なくとも1つのばね要素が圧縮を吸収し、少なくとも1つのガイド要素をそこから隠す。これにより、取付部に作用する力による少なくとも一つの構成要素またはガイド要素の損傷を避けることができる。
【0017】
さらに、少なくとも1つのばね要素は、開口部の周りの周方向に、例えば、少なくとも部分的に取付部に沿って延びることができる。
少なくとも1つのばね要素は、例えば、スロットを製造または設けることによって提供することができ、スロットは、開口部に対して軸方向に取付部を貫通して延びる。さらに、スロットは、取付部の一部に沿って開口部の周りの円周方向に延びることができる。このように、スロットに対応し、開口部に対して半径方向に位置する取付部の外側部分は、ばね要素として機能することができる。このようにして、一種の板ばねを取付部に提供することができる。
【0018】
他の実施例によれば、少なくとも1つのばね要素は、少なくとも1つのガイド要素を第1部分および/または第2部分に接続することができる。
少なくとも1つのばね要素は、少なくとも1つのガイド要素の支持部材として機能することができる。このようにして、少なくとも1つのガイド要素は、取付部に対して弾力的に取り付けられる。取付部の変形は、少なくとも1つのガイド要素の弾力的な支持によって低減することができる。
【0019】
さらに、少なくとも1つのばね要素は、例えば、少なくとも1つのガイド要素と第1部分および/または第2部分との間に延びる弾力性のあるレバーとして構成することができる。
弾力性のあるレバーは、少なくとも1つのガイド要素を取付部から離れた位置で特に効果的な方法で弾力的に支持することができる。
【0020】
他の実施例において、少なくとも1つのガイド要素は支持部材を備えることができ、少なくとも1つのガイド要素は支持部材を介して少なくとも1つのばね要素に接続される。
したがって、少なくとも1つのばね要素は、支持部材を介して、取付部上の少なくとも1つのガイド要素に弾力性のある支持を提供することができる。複数のガイド要素が支持部材に接続されている場合には、支持部材に接続されている全てのガイド要素に対する弾力的な支持を、それによって効果的な方法で実施することができる。
【0021】
さらに、少なくとも1つのばね要素は、例えば、取付部の開口部に対して半径方向外側に配置される圧縮リング部として構成することができる。
取付部は、例えば、複数の圧縮リング部を有することができる。開口部に対して半径方向に作用する力は、取付部に、ひいては少なくとも1つのガイド要素に力が伝達される前に、圧縮リング部によって少なくとも1つのばね要素により吸収することができる。
【0022】
さらに、本発明は、流体導管を流体的に接続するための角度付継手であって、角度付継手内を流れる流体の流動方向を変更角度だけ変化させるための流路部と、流路部内に配置されている先行する請求項に記載の挿入片とを有する角度付継手に関する。
【0023】
角度付継手の利点および効果、ならびに発展は、上述の挿入片の利点および効果、ならびに発展に見出される。したがって、この点に関しては、上記の説明を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明のさらなる特徴、詳細および利点は、特許請求の範囲の文言および図面による例示的な実施形態の以下の説明に見出される。
【0025】
図1】先行技術による挿入片の概略図である。
図2】先行技術による挿入片を角度付継手内に挿入した状態を示す概略図である。
図3】挿入片の概略図である。
図4】角度付継手内に挿入された挿入片の概略図である。
図5】ばね要素を備えた挿入片の概略図である。
図6a】他の例示的な実施形態におけるばね要素を備えた挿入片の概略図である。
図6b】他の例示的な実施形態におけるばね要素を備えた挿入片の概略図である。
図6c】他の例示的な実施形態におけるばね要素を備えた挿入片の概略図である。
図7】他の例示的な実施形態における挿入片の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
まず、先行技術による挿入片100を図1に示す。挿入片100は、開口部122を有する環状の取付部112を有する。3つのガイド要素114,116,118が開口部122の領域に配置され、開口部122を流れる流体がガイド要素114,116,118として構成された構造部分に接触するようになっている。ガイド要素114,116,118は、支持部材120によって互いに接続されている。支持部材120は環状の取付部112に支持されている。
【0027】
図2によれば、先行技術による挿入片100は、第1脚部56と第2脚部58とを有する角度付継手50内に示されている。挿入片100は角度付継手50内の流路部52内に配置され、角度付継手50を通って流れる流体の流動方向が変更角度によって変更される。角度付継手50は、環状の取付部112の第1部分が配置される受け部60を有する。環状の取付部112の第2部分は、ガイド要素114と流路部52のエッジ62との間に配置されている。第2部分とガイド要素114との間の流通断面は、ガイド要素114,116,118の間の流通断面よりも小さい。エッジ62は、流路部52をも狭めている。
【0028】
図3は、本発明に係る挿入片10を示す。挿入片10は取付部12を有し、そのガイド要素14,16,18は、取付部12の第1部分30と取付部12の第2部分32との間に固定されている。
取付部12は、第1部分30と第2部分32との間に凹部22を有する。取付部12はC字状に構成されている。
【0029】
ガイド要素14は、湾曲面24をさらに備える。湾曲面24は凹状に湾曲しており、凹部22の方向に向けられている。
他のガイド要素16,18は、支持部材20を介してガイド要素14に接続されている。支持部材20はガイド要素14,16,18を安定させる。
【0030】
他のガイド要素16,18は、保持部材26によって取付部12に直接接続することもできる。
図4においては、挿入片10は、図2による角度付継手50内に配置されている。取付部12の一部は、同様に、流体導管の端部54の前面と受け部60との間に配置されている。凹部22はエッジ62に配置される。図2と比較すると、図4のガイド要素14とエッジ62との間の凹部22の位置において、より大きな流通断面を流体が利用可能であることがわかる。
【0031】
したがって、取付部12の一部分を受け入れるために、エッジ62に拡大された受け部が必要とされない。したがって、エッジ62とガイド要素14との間に流体のための十分な流通断面を提供することができるようにするために、角度付継手50の寸法、すなわち長さおよび高さを大きくする必要はない。
【0032】
受け部60に配置される取付部12の部分は、流路部52の内壁および端部54の内壁と面一にすることができる。したがって、受け部60における渦を減少させるか、または完全に回避することができる。
【0033】
挿入片付きの角度付継手の外形寸法は、従来の角度付継手、すなわち挿入片なしのものと一致させることができる。これにより、既存の構成において簡単な交換が可能となる。
【0034】
挿入片10の他の例示的な実施形態が、図5および図6に従って示されている。これらの例示的な実施形態のそれぞれにおいて、挿入片10は、少なくとも1つのばね要素28を有する。
【0035】
図5による例示的な実施形態において、少なくとも1つのばね要素28は、開口部34から半径方向に離れた取付部12の外側に配置されている。少なくとも1つのばね要素28は、開口部34の周りに周方向に延びている。この実施例においては、周方向に延びるスロット36が、少なくとも1つのばね要素28と取付部12との間に配置されている。この実施例のばね要素28は、取付部12の材料からスロット36を製造することによって製造することができ、取付部12と一体化することができる。
【0036】
ばね要素28は、この実施例においては、開口部34の半径方向外側から向けられた力が取付部12に作用するとき、板ばねとして作用する。スロット36は、取付部12が実質的に変形することなく、これらの力によって縮小することができる。
特に、それにより、ガイド要素14,16,18の変形とその結果としての損傷を回避することができる。
【0037】
図5によるこの例示的な実施形態においては、ばね要素28を有する取付部12は、スロット付き圧縮リング部としても理解することができる。
【0038】
図6aおよび図6bによる例示的な実施形態においては、少なくとも1つのばね要素28は、少なくとも1つのガイド要素14,16,18の間に配置される。少なくとも1つのばね要素28は、支持部材20を取付部12に連結するレバーとして設計することができる。
【0039】
図示の例示的な実施形態においては、2つのばね要素28が示されており、一方のばね要素28は支持部材20を第1部分30に接続し、他方のばね要素28は支持部材20を第2部分32に接続している。
【0040】
ガイド要素14,16,18は取付部12に直接接続されていない。ガイド要素14,16,18の取付部12への固定は、この例示的な実施形態においては、支持部材20およびばね要素28を介して実施される。ガイド要素14,16,18は、レバーとして構成されたばね要素28によって、取付部12に弾力的に固定される。
【0041】
挿入片10の他の例示的な実施形態が図6cに示されており、レバーとして構成されたばね要素28がガイド要素14に直接固定されている。したがって、ガイド要素14はばね要素28を介して取付部12の第1部分30および第2部分32に接続されている。
【0042】
このようにして、ガイド要素16,18は、支持部材20、ガイド要素14およびばね要素28を介して取付部12に接続される。
レバーとして構成されるばね要素28は、取付部12の残りの部分および/または挿入片10全体と一体的に構成することができる。このため、ばね要素28を製造するのに十分な程度まで弾力性を高めるために、取付部12の一部を薄く設計することができる。
【0043】
図7による例示的な実施形態においては、ばね要素28の代わりに、取付部12は、表面に半径方向外向きに向かう固定要素29を有する。
固定要素29は、開口部34に対して周方向に延びるアンダーカットを有することができる。アンダーカットは、取付部12の外面に対して接線方向に構成することもできる。
【0044】
図7による実施例においては、3つの固定要素29が取付部12の外周に設けられており、それぞれの場合、固定要素は約90°オフセットして取付部12に設けられている。しかしながら、他の数の固定要素を取付部12に固定することもできる。取付部12上の固定要素の位置も任意に選択することができる。これらの固定要素29は、特に周方向に変形するように、角度付継手の対応する受け部に導入または嵌め込むことができる。これにより、取付部の変形が回避される。
【0045】
例示的な実施形態の全てにおいて、挿入片は、一以上の構成要素またはガイド要素と一体的に構成することができる。さらに、挿入片は、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)のような加水分解を受けない材料から製造することができる。
【0046】
本発明は、上述した実施形態の一つに限定されるものではなく、様々な変更が可能である。特に、ガイド要素の実施形態は、流路部における取り付けによって固定されるように設計された異なるタイプの構成要素に転用することができる。
【0047】
特許請求の範囲、明細書および図面に見られる構造的詳細、空間的配置および方法ステップを含む全ての特徴および利点は、個々に、および多種多様な組み合わせの両方で、本発明に不可欠であり得る。
【符号の説明】
【0048】
10 挿入片
12 取付部
14 ガイド要素
16 ガイド要素
18 ガイド要素
20 支持部材
22 凹部
24 湾曲面
26 保持部材
28 ばね要素
29 固定要素
30 第1部分
32 第2部分
34 開口部
36 スロット
50 角度付継手
52 流路部
54 端部
56 第1脚部
58 第2脚部
60 受け部
62 エッジ
100 挿入片
112 取付部
114 ガイド要素
116 ガイド要素
118 ガイド要素
120 支持部材
122 開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図7
【国際調査報告】