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特表2024-531799骨髄異形成症候群をデシタビン及びセダズリジンを用いて処置する方法
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  • 特表-骨髄異形成症候群をデシタビン及びセダズリジンを用いて処置する方法 図1
  • 特表-骨髄異形成症候群をデシタビン及びセダズリジンを用いて処置する方法 図2A
  • 特表-骨髄異形成症候群をデシタビン及びセダズリジンを用いて処置する方法 図2B
  • 特表-骨髄異形成症候群をデシタビン及びセダズリジンを用いて処置する方法 図3
  • 特表-骨髄異形成症候群をデシタビン及びセダズリジンを用いて処置する方法 図4
  • 特表-骨髄異形成症候群をデシタビン及びセダズリジンを用いて処置する方法 図5
  • 特表-骨髄異形成症候群をデシタビン及びセダズリジンを用いて処置する方法 図6
  • 特表-骨髄異形成症候群をデシタビン及びセダズリジンを用いて処置する方法 図7
  • 特表-骨髄異形成症候群をデシタビン及びセダズリジンを用いて処置する方法 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】骨髄異形成症候群をデシタビン及びセダズリジンを用いて処置する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/706 20060101AFI20240822BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20240822BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240822BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240822BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
A61K31/706
A61P7/00
A61P43/00 121
A61P35/02
A61P35/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517163
(86)(22)【出願日】2022-09-21
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 US2022076757
(87)【国際公開番号】W WO2023049731
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】63/246,547
(32)【優先日】2021-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000206956
【氏名又は名称】大塚製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100160738
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100166718
【弁理士】
【氏名又は名称】石渡 保敬
(72)【発明者】
【氏名】キール,ハロルド
(72)【発明者】
【氏名】アザブ,モハメッド
(72)【発明者】
【氏名】ハオ,ヨング
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA34
4C086MA35
4C086MA36
4C086MA37
4C086MA41
4C086MA43
4C086MA52
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA51
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC51
4C086ZC75
(57)【要約】
骨髄異形成症候群(MDS)を処置することを必要とする対象において該MDSを処置する方法が本明細書において提供される。低リスクMDS及び慢性骨髄単球性白血病(CMML)を処置することを必要とする対象において該低リスクMDS及び該CMMLを処置する方法が本明細書においてまた提供される。低リスクMDS及び慢性骨髄単球性白血病(CMML)を有し、TP53変異を有する対象において該低リスクMDS及び該CMMLを処置する方法が本明細書においてまた提供される。そのような方法は、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を前記対象に投与し、それによって、前記骨髄異形成症候群を処置することを含む。そのような方法は、前記対象の生存期間が、低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間に対して約130%~約400%に高められうる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨髄異形成症候群(MDS)を処置することを必要とする対象において該MDSを処置する方法であって、該方法が、
セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を前記対象に投与し、それによって、前記MDSを処置すること
を含み、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量を投与することにより、前記対象の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が、低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間又は無白血病の生存期間夫々に対して約130%~約400%に高められる、
前記方法。
【請求項2】
前記対象が少なくとも75歳である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、固体経口剤形物として各々投与される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、組み合わせた固体経口剤形物として一緒に投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、28日サイクルのうちの1~5日目に投与される、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、28日サイクルで複数回投与される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、100mgのセダズリジン、35mgのデシタビン及び少なくとも1つの医薬的に許容可能な添加剤を含むところの固体経口剤形物中に存在する、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量を前記対象に投与することにより、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月又は少なくとも約34ヶ月の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が前記対象に提供される、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
骨髄異形成症候群(MDS)を処置することを必要とする対象において該MDSを処置する方法であって、該方法が、
セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を前記対象に投与し、それによって、前記MDSを処置すること
を含み、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量を前記対象に投与することにより、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月又は少なくとも約34ヶ月の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が前記対象に提供される、
前記方法。
【請求項10】
前記対象が少なくとも75歳である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、固体経口剤形物として各々投与される、請求項9又は8に記載の方法。
【請求項12】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、組み合わせた固体経口剤形物として一緒に投与される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、28日サイクルのうちの1~5日目に投与される、請求項9~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、28日サイクルで複数回投与される、請求項9~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、100mgのセダズリジン、35mgのデシタビン及び少なくとも1つの医薬的に許容可能な添加剤を含むところの固体経口剤形物中に存在する、請求項9~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
骨髄異形成症候群(MDS)を処置することを必要とする対象において該MDSを処置する方法であって、該方法が、
セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を前記対象に投与し、それによって、前記MDSを処置すること
を含み、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量を投与することにより、前記対象の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が、最善の支持療法単独を提供することによって得られた生存期間又は無白血病の生存期間夫々に対して約200%~約400%に高められる、
前記方法。
【請求項17】
骨髄異形成症候群(MDS)を有する対象グループにおける全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値を高める方法であって、該方法が、
セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を前記対象のグループに投与し、それによって、MDSを有する前記対象グループにおける全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値を高めること
を含み、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量を投与することにより、前記対象グループにおける全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値が、低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値夫々に対して約130%~約400%に高められる、
前記方法。
【請求項18】
骨髄異形成症候群(MDS)を有する対象グループにおける全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値を高める方法であって、該方法が、
セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を前記対象グループに投与し、それによって、MDSを有する前記対象グループにおける全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値を高めること
を含み、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量を前記対象グループに投与することにより、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月又は少なくとも約34ヶ月の全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値が前記対象グループに提供される、
前記方法。
【請求項19】
低リスク骨髄異形成症候群(MDS)を処置することを必要とする対象において該低リスクMDSを処置する方法であって、該方法が、
セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を前記対象に投与し、それによって、前記低リスクMDSを処置すること
を含み、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量を前記対象に投与することにより、前記対象の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が、低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間又は無白血病の生存期間夫々に対して約130%~約400%に高められる、
前記方法。
【請求項20】
前記対象が少なくとも75歳である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、固体経口剤形物として各々投与される、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、組み合わせた固体経口剤形物として一緒に投与される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、28日サイクルのうちの1~5日目に投与される、請求項19~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、28日サイクルで複数回投与される、請求項19~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、100mgのセダズリジン、35mgのデシタビン及び少なくとも1つの医薬的に許容可能な添加剤を含むところの固体経口剤形物中に存在する、請求項19~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量を前記対象に投与することにより、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月又は少なくとも約34ヶ月の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が前記対象に提供される、請求項19~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
低リスク骨髄異形成症候群(MDS)を処置することを必要とする対象において該低リスクMDSを処置する方法であって、該方法が、
セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を前記対象に投与し、それによって、前記低リスクMDSを処置すること
を含み、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量を前記対象に投与することにより、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月又は少なくとも約34ヶ月の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が前記対象に提供される、
前記方法。
【請求項28】
前記対象が少なくとも75歳である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、固体経口剤形物として各々投与される、請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、組み合わせた固体経口剤形物として一緒に投与される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、28日サイクルのうちの1~5日目に投与される、請求項27~30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、28日サイクルで複数回投与される、請求項27~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、100mgのセダズリジン、35mgのデシタビン及び少なくとも1つの医薬的に許容可能な添加剤を含むところの固体経口剤形物中に存在する、請求項27~32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
低リスク骨髄異形成症候群(MDS)を処置することを必要とする対象において該低リスクMDSを処置する方法であって、該方法が、
セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を前記対象に投与し、それによって、前記低リスクMDSを処置すること
を含み、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量を投与することにより、前記対象の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が、最善の支持療法単独を提供することによって得られた生存期間又は無白血病の生存期間夫々に対して約200%~約400%に高められる、
前記方法。
【請求項35】
低リスク骨髄異形成症候群(MDS)を有する対象グループにおける全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値を高める方法であって、該方法が、
セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を前記対象グループに投与し、それによって、低リスクMDSを有する前記対象グループにおける全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値を高めること
を含み、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量を投与することにより、前記対象グループの全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値が、低メチル化剤単独での処置によって得られた全生存期間の中央値又は無白血病の生存期間の中央値夫々に対して約130%~約400%に高められる、
前記方法。
【請求項36】
低リスク骨髄異形成症候群(MDS)を有する対象グループにおける全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値を高める方法であって、該方法が、
セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を前記対象グループに投与し、それによって、低リスクMDSを有する前記対象グループにおける全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値を高めること
を含み、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量を前記対象グループに投与することにより、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月又は少なくとも約34ヶ月の全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値が前記対象グループに提供される、
前記方法。
【請求項37】
慢性骨髄単球性白血病(CMML)を処置することを必要とする対象において該CMMLを処置する方法であって、該方法が、
セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を前記対象に投与し、それによって、前記CMMLを処置すること
を含み、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量を投与することにより、前記対象の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が、低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間又は無白血病の生存期間夫々に対して約130%~約400%に高められる、
前記方法。
【請求項38】
前記対象が少なくとも75歳である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、固体経口剤形物として各々投与される、請求項37又は38に記載の方法。
【請求項40】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、組み合わせた固体経口剤形物として一緒に投与される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、28日サイクルのうちの1~5日目に投与される、請求項37~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、28日サイクルで複数回投与される、請求項37~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、100mgのセダズリジン、35mgのデシタビン及び少なくとも1つの医薬的に許容可能な添加剤を含むところの固体経口剤形物中に存在する、請求項37~42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量を前記対象に投与することにより、少なくとも約28ヶ月、約30ヶ月、約32ヶ月又は約34ヶ月の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が前記対象に提供される、請求項37~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
慢性骨髄単球性白血病(CMML)を処置することを必要とする対象において該CMMLを処置する方法であって、該方法が、
セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を前記対象に投与し、それによって、前記CMMLを処置すること
を含み、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量を前記対象に投与することにより、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月又は少なくとも約34ヶ月の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が前記対象に提供される、
前記方法。
【請求項46】
前記対象が少なくとも75歳である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、固体経口剤形物として各々投与される、請求項45又は46に記載の方法。
【請求項48】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、組み合わせた固体経口剤形物として一緒に投与される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、28日サイクルのうちの1~5日目に投与される、請求項45~48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、28日サイクルで複数回投与される、請求項45~49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、100mgのセダズリジン、35mgのデシタビン及び少なくとも1つの医薬的に許容可能な添加剤を含むところの固体経口剤形物中に存在する、請求項45~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
慢性骨髄単球性白血病(CMML)を処置することを必要とする対象において該CMMLを処置する方法であって、該方法が、
セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を前記対象に投与し、それによって、前記CMMLを処置すること
を含み、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量を前記対象に投与することにより、前記対象の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が、最善の支持療法単独を提供することによって得られた生存期間又は無白血病の生存期間夫々に対して約200%~約375%に高められる、
前記方法。
【請求項53】
慢性骨髄単球性白血病(CMML)を有する対象グループにおける全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値を高める方法であって、該方法が、
セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を前記対象グループに投与し、それによって、CMMLを有する前記対象グループにおける全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値を高めること
を含み、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量を投与することにより、前記対象グループの全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値が、低メチル化剤単独での処置によって得られた全生存期間の中央値又は無白血病の生存期間の中央値夫々に対して約130%~約400%に高められる、
前記方法。
【請求項54】
慢性骨髄単球性白血病(CMML)を有する対象グループにおける全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値を高める方法であって、該方法が、
セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を前記対象グループに投与し、それによって、CMMLを有する前記対象グループにおける全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値を高めること
を含み、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量を前記対象グループに投与することにより、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月又は少なくとも約34ヶ月の全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値が前記対象グループに提供される、
前記方法。
【請求項55】
骨髄異形成症候群(MDS)又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)の処置を必要とし、TP53変異を有する対象において該MDS又は該CMMLを処置する方法であって、該方法が、
セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を前記対象に投与し、それによって、前記MDS又は前記CMMLを処置すること
を含み、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量を投与することにより、前記対象の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が、低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間又は無白血病の生存期間夫々に対して約130%~約400%に高められる、
前記方法。
【請求項56】
前記対象が少なくとも75歳である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、固体経口剤形物として各々投与される、請求項55又は56に記載の方法。
【請求項58】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、組み合わせた固体経口剤形物として一緒に投与される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、28日サイクルのうちの1~5日目に投与される、請求項55~58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、28日サイクルで複数回投与される、請求項55~59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、100mgのセダズリジン、35mgのデシタビン及び少なくとも1つの医薬的に許容可能な添加剤を含むところの固体経口剤形物中に存在する、請求項55~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量を前記対象に投与することにより、単一対立遺伝子のTP53変異を有する対象について、少なくとも約20ヶ月、少なくとも約22ヶ月、少なくとも約24ヶ月、少なくとも約26ヶ月、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月、少なくとも約34ヶ月、若しくは少なくとも約36ヶ月、又は二対立遺伝子のTP53変異を有する対象について、少なくとも約10ヶ月、少なくとも約12ヶ月、少なくとも約14ヶ月、少なくとも約16ヶ月、少なくとも約18ヶ月、又は少なくとも約20ヶ月の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が前記対象に提供される、請求項55~61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
骨髄異形成症候群(MDS)又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)の処置を必要とし、TP53変異を有する対象において該MDS又は該CMMLを処置する方法であって、該方法が、
セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を前記対象に投与し、それによって、前記MDS又は前記CMMLを処置すること
を含み、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量を前記対象に投与することにより、単一対立遺伝子のTP53変異を有する対象について、少なくとも約20ヶ月、少なくとも約22ヶ月、少なくとも約24ヶ月、少なくとも約26ヶ月、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月、少なくとも約34ヶ月、若しくは少なくとも約36ヶ月、又は二対立遺伝子のTP53変異を有する対象について、少なくとも約10ヶ月、少なくとも約12ヶ月、少なくとも約14ヶ月、少なくとも約16ヶ月、少なくとも約18ヶ月、又は少なくとも約20ヶ月の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が前記対象に提供される、
前記方法。
【請求項64】
前記対象が少なくとも75歳である、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、固体経口剤形物として各々投与される、請求項63又は64に記載の方法。
【請求項66】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、組み合わせた固体経口剤形物として一緒に投与される、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、28日サイクルのうちの1~5日目に投与される、請求項63~66のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、28日サイクルで複数回投与される、請求項63~67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量が、100mgのセダズリジン、35mgのデシタビン及び少なくとも1つの医薬的に許容可能な添加剤を含むところの固体経口剤形物中に存在する、請求項63~68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
骨髄異形成症候群(MDS)又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)の処置を必要とし、TP53変異を有する対象において該MDS又は該CMMLを処置する方法であって、該方法が、
セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を前記対象に投与し、それによって、前記MDS又は前記CMMLを処置すること
を含み、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量を投与することにより、前記対象の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が、最善の支持療法単独を提供することによって得られた生存期間又は無白血病の生存期間夫々に対して約200%~約400%に高められる、
前記方法。
【請求項71】
骨髄異形成症候群(MDS)又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)を有し、TP53変異を有する対象において全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値を高める方法であって、該方法が、
セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を前記対象グループに投与し、それによって、MDS又はCMMLを有する前記対象グループにおける全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値を高めること
を含み、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量を投与することにより、前記対象グループの全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値が、低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間の中央値又は無白血病の生存期間の中央値夫々に対して約130%~約400%に高められる、
前記方法。
【請求項72】
骨髄異形成症候群(MDS)又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)を有し、TP53変異を有する対象グループにおける全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値を高める方法であって、該方法が、
セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を前記対象グループに投与し、それによって、MDS又はCMMLを有する前記対象グループにおける全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値を高めること
を含み、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量を前記対象グループに投与することにより、単一対立遺伝子のTP53変異を有する対象について、少なくとも約20ヶ月、少なくとも約22ヶ月、少なくとも約24ヶ月、少なくとも約26ヶ月、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月、少なくとも約34ヶ月、若しくは少なくとも約36ヶ月、又は二対立遺伝子のTP53変異を有する対象について、少なくとも約10ヶ月、少なくとも約12ヶ月、少なくとも約14ヶ月、少なくとも約16ヶ月、少なくとも約18ヶ月、又は少なくとも約20ヶ月の全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値が前記対象に提供される、
前記方法。
【請求項73】
骨髄異形成症候群(MDS)、任意的に低リスクMDS、を処置することを必要とする対象において前記MDS、任意的に前記低リスクMDS、を処置する為の医薬品の調製において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を含む組成物を使用する方法であって、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量により、前記対象の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が、低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間又は無白血病の生存期間夫々に対して約130%~約400%に高められる、
前記方法。
【請求項74】
骨髄異形成症候群(MDS)、任意的に低リスクMDS、を処置することを必要とする対象において前記MDS、任意的に前記低リスクMDS、を処置する為の医薬品の調製において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を含む組成物を使用する方法であって、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量により、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月又は少なくとも約34ヶ月の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が前記対象に提供される、
前記方法。
【請求項75】
骨髄異形成症候群(MDS)、任意的に低リスクMDS、を処置することを必要とする対象において前記MDS、任意的に前記低リスクMDS、を処置する為の医薬品の調製において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を含む組成物を使用する方法であって、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量により、前記対象の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が、最善の支持療法単独を提供することによって得られた生存期間又は無白血病の生存期間夫々に対して約200%~約400%に高められる、
前記方法。
【請求項76】
骨髄異形成症候群(MDS)を有する対象グループにおける全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値を高める為の医薬品の調製において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を含む組成物を使用する方法であって、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量により、前記対象グループの全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値が、低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間の中央値又は無白血病の生存期間の中央値夫々に対して約130%~約400%に高められる、
前記方法。
【請求項77】
骨髄異形成症候群(MDS)を有する対象グループにおける全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値を高める為の医薬品の調製において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を含む組成物を使用する方法であって、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量により、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月又は少なくとも約34ヶ月の全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値が前記対象グループに提供される、
前記方法。
【請求項78】
慢性骨髄単球性白血病(CMML)を処置することを必要とする対象において該CMMLを処置する為の医薬品の調製において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を含む組成物を使用する方法であって、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量により、前記対象の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が、低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間又は無白血病の生存期間夫々に対して約130%~約400%に高められる、
前記方法。
【請求項79】
慢性骨髄単球性白血病(CMML)を処置することを必要とする対象において該CMMLを処置する為の医薬品の調製において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を含む組成物を使用する方法であって、
ここで、前記対象に対するセダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量により、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月又は少なくとも約34ヶ月の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が前記対象に提供される、
前記方法。
【請求項80】
慢性骨髄単球性白血病(CMML)を処置することを必要とする対象において該CMMLを処置する為の医薬品の調製において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を含む組成物を使用する方法であって、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量により、前記対象の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が、最善の支持療法単独を提供することによって得られた生存期間又は無白血病の生存期間夫々に対して約200%~約375%に高められる、
前記方法。
【請求項81】
慢性骨髄単球性白血病(CMML)を有する対象グループにおける全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値を高める為の医薬品の調製において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を含む組成物を使用する方法であって、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量により、前記対象グループの生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値が、低メチル化剤単独での処置によって得られた全生存期間の中央値又は無白血病の生存期間の中央値夫々に対して約130%~約400%に高められる、
前記方法。
【請求項82】
慢性骨髄単球性白血病(CMML)を有する対象グループにおける全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値を高める為の医薬品の調製において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を含む組成物を使用する方法であって、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量により、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月又は少なくとも約34ヶ月の全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値が前記対象グループに提供される、
前記方法。
【請求項83】
骨髄異形成症候群(MDS)又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)を処置することを必要とし、TP53変異を有する対象において前記MDS又は前記CMMLを処置する為の医薬品の調製において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を含む組成物を使用する方法であって、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量により、前記対象の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が、低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間又は無白血病の生存期間夫々に対して約130%~約400%に高められる、
前記方法。
【請求項84】
骨髄異形成症候群(MDS)又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)を処置することを必要とし、TP53変異を有する対象において前記MDS又は前記CMMLを処置する為の医薬品の調製において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を含む組成物を使用する方法であって、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量により、単一対立遺伝子のTP53変異を有する対象について、少なくとも約20ヶ月、少なくとも約22ヶ月、少なくとも約24ヶ月、少なくとも約26ヶ月、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月、少なくとも約34ヶ月、若しくは少なくとも約36ヶ月、又は二対立遺伝子のTP53変異を有する対象について、少なくとも約10ヶ月、少なくとも約12ヶ月、少なくとも約14ヶ月、少なくとも約16ヶ月、少なくとも約18ヶ月、又は少なくとも約20ヶ月の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が前記対象に提供される、
前記方法。
【請求項85】
骨髄異形成症候群(MDS)又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)を処置することを必要とし、TP53変異を有する対象において前記MDS又は前記CMMLを処置する為の医薬品の調製において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を含む組成物を使用する方法であって、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量により、前記対象の生存期間及び/又は無白血病の生存期間が、最善の支持療法単独を提供することによって得られた生存期間又は無白血病の生存期間夫々に対して約200%~約400%に高められる、
前記方法。
【請求項86】
骨髄異形成症候群(MDS)又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)を有し、TP53変異を有する対象における全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値を高める為の医薬品の調製において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を含む組成物を使用する方法であって、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量により、前記対象グループの全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値が、低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間の中央値又は無白血病の生存期間の中央値夫々に対して約130%~約400%に高められる、
前記方法。
【請求項87】
骨髄異形成症候群(MDS)又は慢性骨髄単球性白血病(CMML)を処置することを必要とし、TP53変異を有する対象グループにおける全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値を高める為の医薬品の調製において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を含む組成物を使用する方法であって、
ここで、セダズリジンの前記有効量及びデシタビンの前記有効量により、単一対立遺伝子のTP53変異を有する対象について、少なくとも約20ヶ月、少なくとも約22ヶ月、少なくとも約24ヶ月、少なくとも約26ヶ月、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月、少なくとも約34ヶ月、若しくは少なくとも約36ヶ月、又は二対立遺伝子のTP53変異を有する対象について、少なくとも約10ヶ月、少なくとも約12ヶ月、少なくとも約14ヶ月、少なくとも約16ヶ月、少なくとも約18ヶ月、又は少なくとも約20ヶ月の全生存期間の中央値及び/又は無白血病の生存期間の中央値が前記対象グループに提供される、
前記方法。
【請求項88】
請求項1~72のいずれか1項に記載の方法における使用の為の、有効量のセダズリジン(例えば、100mg)の1回以上(例えば、1、2、3、4、又は5回)の用量と有効量のデシタビン(例えば、35mg)の1回以上(例えば、1、2、3、4、又は5回)の用量とを含むキット。
【請求項89】
請求項1~72のいずれか1項に記載の方法における使用の為の、有効量のセダズリジン(例えば、100mg)の1回以上(例えば、1、2、3、4、又は5回)の用量と有効量のデシタビン(例えば、35mg)の1回以上(例えば、1、2、3、4、又は5回)の用量とを含む組み合わせ物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の宣言
本出願は、2021年9月21日に出願された米国仮出願第63/246,547号の利益を主張するものであり、その全内容は参照によって本明細書内に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本発明は、がんの処置の方法に関する。特には、本発明は、骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes)の処置の方法に関する。
【背景技術】
【0003】
骨髄異形成症候群(MDS)は、健康な血液細胞の欠如によって特徴付けられる骨髄疾患の1つのグループである。MDSを有する患者は典型的には血球数が少なく、それにより感染症、貧血、自然出血及び/又は紫斑を生じうる。加えて、MDSを有する患者において、成熟した血液細胞が異形成であり、従って、適切に機能しない場合がありうる。様々なMDS段階についての予後と治療計画を決定する為に、スコアリングシステムが開発されてきている。オリジナルの国際予後スコアリングシステム(IPSS:International Prognostic Scoring System)において、患者の骨髄中の白血病性芽球細胞の割合、患者の骨髄細胞内の染色体変化の種類(存在する場合)、及び1以上の細胞減少症の存在に基づいて患者のスコアが決定される。国際予後スコアリングシステム改訂版(IPSS-R:revised International Prognostic Scoring System)において、患者のスコアは、患者の骨髄中の芽球の割合、患者の細胞中の染色体異常の種類と数、患者の血液中の赤血球、血小板、及び/又は好中球のレベルに基づいて決定される。世界保健機関(WHO:World Health Organization)の予後スコアリングシステム(WPSS:Prognostic Scoring System)において、患者のスコアは、該患者が罹患しているMDSのタイプ(WHO分類システムに基づく)、染色体異常のタイプ、及び該患者が定期的な輸血の必要性があるかどうかに基づいて決定される。
【0004】
下記のデシタビン(5-アザ-2’-デオキシシチジン)、すなわちシチジン類似体、は、抗悪性腫瘍剤(antineoplastic agent)であり、及びMDSの処置の為に使用されてきた低メチル化剤(HMA:hypomethylating agent)である。
【化1】
【0005】
下記のセダズリジン((4R)-2’-デオキシ-2’,2’-ジフルオロ-3,4,5,6-テトラヒドロウリジン;E7727としてまた知られている)は、シチジンデアミナーゼ(CDA:cytidine deaminase)阻害剤である。セダズリジン並びにその製造及び/又は使用方法は更に、米国特許第8,268,800号及び同第9,834,576号において開示されており、それらの内容は参照によってそれらの全体が本明細書内に組み込まれる。
【化2】
【0006】
アステックス・ファーマシューティカルズ・インク(Astex Pharmaceuticals,Inc.)は、MDSを有する成人を処置する為に、デシタビン(decitabine)とセダズリジン(cedazuridine)との固定された用量の組み合わせ物(fixed dose combination)(大鵬薬品工業によってINQOVI(登録商標)の商品名で販売されている)についてFDAの承認を取得した。
【0007】
MDSはまた、低メチル化剤単独の投与によって処置されてきた。ある無作為化された臨床試験において、患者にデシタビン(15mg/m2,3日間、8時間毎に3時間掛けて静脈内投与された)で処置されるか、又は最善の支持療法(BSC:best supportive care)単独が与えられた。処置意図分析(intention-to-treat analysis)は、デシタビンで処置された患者と支持療法手段(supportive care measures)を単独で受けた患者の間で生存期間中央値に有意差がないことが示された(14.0ヶ月対14.9ヶ月)。Kantarjian H,et al.,Decitabine improves patient outcomes in myelodysplastic syndromes,Cancer,April 15,2006,106 (8)を参照。欧州癌研究機関(EORTC:European Organisation for Research and Treatment of Cancer)による別の臨床試験において、60歳以上の中リスク又は高リスクのMDS患者が低用量のデシタビンで処置されるか(6週間サイクルで3日間、4時間掛けて1日3回、静脈内投与された)、又はBCS手段のみを受けた。デシタビンによる全生存期間(OS:overall survival)の延長は、BSCによる処置と比較して統計学的に有意とは判定されなかった(夫々、OS=10.1ヵ月対8.5ヵ月)。LubbertM,et al.,Low-dose decitabine versus best supportive care in elderly patients with intermediate- or high-risk myelodysplastic syndrome (MDS) ineligibe for intensive chemotherapy:final results of the randomized phase III study of the European Organisation for Research and Treatment of Cancer Leukemia Group and the German MDS Study Group,J Clin Oncol,2011 May 20;29 (15):1987-96を参照。
【0008】
アザシチジン(又は5-アザシチジン)は、MDSを処置する為に使用されてきた別の低メチル化剤である。或る無作為化された多施設臨床試験(CALB 9221)において、MDSを有する患者がアザシチジンと最善の支持療法(BSC)単独との間で無作為に割り当てられた。白血病性転換(leukemic transformation)又は死亡までの期間の中央値はアザシチジンで処置された患者では21ヵ月であったのに対して、BSC処置群では12ヵ月であった。Silverman LR,et al.,Randomized controlled trial of azacitidine in patients with the Myelodysplastic Syndrome:A study of the Cancer and Leukemia Group B,J Clin Oncol 2002:20(10):2429-2440を参照。アザシチジンの経口製剤であるCC-486を用いたIPPS Int-1集団における無作為化試験は、プラセボ患者と処置された患者の両方で全生存期間の中央値(median overall survival)が約17ヵ月であることを示した。Garcia-Manero,et al,Phase III,Randomized,Placebo-Controlled Trial of CC-486 (Oral Azacitidine) in Patients with Lower-Risk Myelodysplastic Syndromes,J. Clin.Onc. (2021) 39:13,1426-1436を参照。
【0009】
低リスク(IPSS低リスクサブグループ及びInt-1サブグループ)のMDS患者は典型的には、血球減少症に対処する為に支持的に処置される。DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、例えばアザシチジン及びデシタビン、はより高リスクのMDS患者の場合にFDAの承認を受けており、デシタビンの添付文書はIPSS Int-1患者を包含しているが、デシタビンはこの集団において広く使用されていない。
【0010】
慢性骨髄単球性白血病(CMML:Chronic Myelomonocytic Leukemia)は、まれなMDS/MPN重複症候群(overlap syndrome)であり、臨床試験及び処置において骨髄異形成症候群(MDS:myelodysplastic syndromes)の範疇に歴史的に含まれてきた。その結果、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(DNMTi)、例えばデシタビン又はアザシチジン、がCMMLの処置についての確立された標準処置とされてきた。
【0011】
承認された静脈内投与又は皮下投与では、毎月5~7日間の処置を必要とし、毎日の移動と処置時間の故に高齢のがん患者に負担がかかり、パンデミックSARS-CoV-2感染による潜在的なリスクが高まる可能性がある。パンデミックSARS-CoV-2の状況下において、非経口療法はまた、医療現場との接触を増加させ、及び感染リスクを高める。DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤は腸及び肝臓においてシチジンデアミナーゼによって急速に分解される為に、経口摂取が可能になったのはごく最近のことである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
高リスクMDS又は低リスクMDSを包含する骨髄異形成症候群(MDS)を処置することを必要とする対象において該MDSを処置する方法が本発明の実施態様に従って提供される。幾つかの実施態様において、そのような方法は、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を該対象に投与し、それによって、該MDSを処置することを含む。幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該対象の生存期間(例えば、全生存期間中央値)が、低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間に対して約130%~約400%に高められる。幾つかの実施態様において、該MDSは低リスクMDSである。幾つかの実施態様において、該MDSは慢性骨髄単球性白血病(CMML:chronic myelomonocytic leukemia)である。
【0013】
幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、MDS対象の生存期間は、該対象が最善の支持療法(BSC)単独を提供することによって得られた生存期間に対して約200%~約400%に高められる。
【0014】
幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を、MDSを有する対象に投与することにより、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月、少なくとも約34ヶ月、又は少なくとも約36ヶ月の生存期間が該対象に提供される。幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を、MDSを有する対象に投与することにより、少なくとも約26ヶ月、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月、又は少なくとも約34ヶ月の無白血病の生存期間が該対象に提供される。
【0015】
本発明の幾つかの方法実施態様において、低リスクMDSの処置は、低サブグループ及び中間-1サブグループ(Low and Intermediate-1 subgroups)を包含する国際予後スコアリングシステム(IPPS:International Prognostic Scoring System)によって決定される場合の低リスクMDS対象の処置を包含する。本発明の幾つかの方法実施態様において、低リスクMDSの処置は、超低サブグループ、低サブグループ及び中間サブグループ(Very Low,Low,and Intermediate subgroups)を包含する国際予後スコアリングシステム改訂版(IPPS-R:International Prognostic Scoring System-Revised)によって決定される場合の低リスクMDS対象の処置を包含する。本発明の幾つかの方法実施態様において、低リスクMDSの処置は、超低サブグループ、低サブグループ及び中間サブグループ(Very Low,Low,and Intermediate subgroups)を包含するWHO分類に基づく予後スコアリングシステム(WPSS:WHO Classification-based Prognostic Scoring System)によって決定される場合の低リスクMDS対象の処置を包含する。本発明の幾つかの方法実施態様において、低リスクMDSの処置は、フランス・アメリカ・イギリス(FAB:French-American-British)基準によって決定される場合の低リスクMDS対象の処置を包含する。
【0016】
本発明の幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を対象に投与することは、セダズリジン及びデシタビンを1以上の経口剤形で対象に投与することを含む。幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を対象に投与することは、セダズリジンとデシタビンとを含む単一の固体経口剤形物を投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、患者の無作為化及び配置を示す。CMML、すなわち、慢性骨髄単球性白血病(chronic myelomonocytic leukemia);MDS、すなわち、骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome)。
図2A図2Aは、1日目、2日目及び5日目に静注用(IV)デシタビン及び経口用デシタビン/セダズリジンを単回投与及び反復投与した後の平均血漿デシタビン濃度-時間プロファイル(mean plasma decitabine concentration-time profiles)を示す。線形スケール及び半対数スケール。図2A:1日目、2日目及び5日目の平均血漿デシタビン濃度-時間プロファイル。
図2B図2Bは、1日目、2日目及び5日目に静注用(IV)デシタビン及び経口用デシタビン/セダズリジンを単回投与及び反復投与した後の平均血漿デシタビン濃度-時間プロファイルを示す。線形スケール及び半対数スケール。図2B:1日目、2日目及び5日目の血漿中デシタビン濃度-時間プロファイルの定量下限(LLOQ:lower limit of quantification)。
図3図3は、MDSを処置する為に経口用デシタビン/セダズリジンを使用した第3相試験における対象の無白血病の生存期間についてのカプラン・マイヤー・プロット(Kaplan-Meier plot)である。
図4図4は、MDSを処置する為に経口用デシタビン/セダズリジンを使用した第3相試験における対象の全生存期間についてのカプラン・マイヤー・プロットである。
図5図5は、MDSを処置する為に経口用デシタビン/セダズリジンを使用した第3相試験におけるCMML又はInt-1又は低リスクMDSを有する対象の無白血病生存期間についてのカプラン・マイヤー・プロットである。
図6図6は、MDSを処置する為に経口用デシタビン/セダズリジンを使用した第3相試験におけるCMML又はInt-1又は低リスクMDSを有する対象の全生存期間についてのカプラン・マイヤー・プロットである。
図7図7は、野生型集団と比較したTP53変異集団(TP53 mutation population)のカプラン・マイヤー・プロットを示す。
図8図8は、二対立遺伝子のTP53集団と比較した単一対立遺伝子のTP53変異集団についてのカプラン・マイヤー・プロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明が、以下においてより詳細に説明される。この説明は、本発明が実装されうる全ての異なる様式の詳細なカタログ、又は本発明に追加されうる全ての特徴の詳細なカタログが意図されるものでない。例えば、1つの実施態様に関して示された特徴は他の実施態様に取り込まれてもよく、及び特定の実施形態に関して示された特徴はその実施態様から削除されてもよい。加えて、本明細書において提案される様々な実施態様に対する多数の変形及び追加が、本発明から逸脱しない本開示に照らして、当業者には明らかであろう。従って、以下の明細書は、本発明の幾つかの特定の実施態様を説明することが意図されており、その全ての置換、組み合わせ及び変形を網羅的に指定することが意図されていない。
【0019】
文脈が別段の指示をしていない限り、本明細書に記載された本発明の様々な特徴が任意の組み合わせにおいて使用されることができることが特に意図されている。その上、本発明はまた、本発明の幾つかの実施態様において、本明細書に記載された任意の特徴又は特徴の組み合わせが除外され又は省略されることができることを企図する。例えば、複合体が成分A、B及びCを含むことと本明細書が記載している場合に、A、B若しくはCのいずれか、又はそれらの組み合わせが特に意図されており、単独で又は任意の組み合わせで省略され又は放棄されることができることが特に意図されている。
【0020】
別段の定義がされていない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書における本発明の詳細な説明において使用される用語は、特定の実施態様を説明することのみを目的としており、本発明を限定することが意図されものでない。
【0021】
本明細書において言及される全ての刊行物、特許出願、特許、ヌクレオチド配列、アミノ酸配列、及び他の参考文献は、それらの全体が参照により組み込まれている。
【0022】
定義
【0023】
本発明の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲で使用されている場合、単数形「1つ」(a)、「1つ」(an)及び「該」(the)は、文脈が他のことを明らかに示さない限り、複数形を同様に含むことが意図されている。
【0024】
本明細書において使用される場合、「及び/又は」は、関連するリストされた項目の1以上のありとあらゆる可能な組み合わせ、並びに代替(「又は」)で解釈される場合の組み合わせの欠如を云い、且つそれらを包含する。
【0025】
その上、本発明はまた、本発明の幾つかの実施態様において、本明細書に記載された任意の特徴又は特徴の組み合わせが除外されることができること又は省略されることができることを企図する。
【0026】
その上、本明細書において使用される場合、語「約」が、測定可能な値、例えば本発明の化合物又は薬剤の量、用量、時間、温度等、に言及される場合に、特定された量の、±10%、±5%、±1%、±0.5%又はさらには±0.1%の変動を包含することが意味されている。
【0027】
本明細書において使用される場合、移行句「本質的に~からなる」は、特許請求される本発明の基本的且つ新規の1以上の特徴に実質的に影響を及ぼさない記載された物質又は工程を包含すると解釈されるべきである。従って、本明細書において使用される語「本質的に~からなる」は、「含む」と同等であると解釈されるべきでない。
【0028】
「有効量」は、所望の効果(例えば、対象においてがんを処置する治療剤の半減期、生物学的利用能又は有効性を高めること、又は対象においてDNAメチル化を減少させること)をもたらす為に必要な量を云う。
【0029】
「医薬的に許容される」は、薬理学的観点及び/又は毒物学的観点から患者にとって許容される特性及び/又は物質、及び/又は組成、製剤化、安定性、患者受容性、バイオアベイラビリティ、及び他の成分との適合性に関して物理的及び/又は化学的観点から製薬学化学者にとって許容される特性及び/又は物質をいう。
【0030】
「医薬的に許容される塩」は、本発明の化合物の酸塩又は塩基塩を云い、該塩は、所望の薬理学的活性を有し、且つ生物学的若しくはその他の点で望ましくないものでない。該塩は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸酪酸、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミスル酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタン硫酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩及びウンデカン酸塩を包含するが、これらに限定されない酸で形成されることができる。塩基塩の例は、アンモニウム塩;アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩及びカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム塩及びマグネシウム塩;有機塩基との塩、例えば、ジシクロヘキシルアミン塩、N-メチル-D-グルカミン、及びアミノ酸、例えばアルギニン及びリジン、との塩、を包含するが、これらに限定されない。幾つかの実施態様において、塩基性窒素含有基は、ハロゲン化低級アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル及びブチルの塩化物、臭化物及びヨウ化物;硫酸ジアルキル、例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジブチル硫酸、ジアミル硫酸;長鎖ハロゲン化物、例えば、デシル、ラウリル、ミリスチル、ステアリルの塩化物、臭化物及びヨウ化物;並びに、ハロゲン化アラルキル、例えば臭化フェネチル、を包含する剤で四級化されることができる。
【0031】
「医薬的に許容可能な添加剤」とは、それ自体は治療剤ではないが、治療剤を対象に送達する為の担体、希釈剤、アジュバント、結合剤、及び/又はビヒクルとして使用される任意の物質、又はその取り扱い特性若しくは保存特性を改善する為に或いは化合物若しくは組成物を投与用の単位剤形に形成することを可能にする若しくは容易にする為に医薬組成物に添加される任意の物質を意味することができる。
【0032】
「単位剤形」は、ヒト又は他の動物対象の為の単位用量として適した物理的に別個の単位を云う。各単位剤形は、所望の効果をもたらすように計算された所定量の活性物質(例えば、セダズリジン及び/又はデシタビン)を含みうる。
【0033】
「任意の」又は「任意的な」は、その後に記述されたイベント又は状況が生じてもよく又は生じなくてもよいことを意味する。例えば、「置換されていてもよい」アルキルは、置換されていないアルキルと置換されているアルキルとの両方を包含する。
【0034】
語「高める」又は「増加させる」は、少なくとも約1.25倍、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約8倍、約10倍、約12倍、約15倍等の特定パラメータにおける増加を云う。
【0035】
本明細書において使用される場合、語「阻害する」若しくは「低減する」又はそれらの文法的変形は、少なくとも約15%以上、約25%以上、約35%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約75%以上、約80%以上、約90%以上、約95%以上の特定のレベル又は活性における減少(decrease)又は低減(diminishment)を云う。特定の実施態様に従うと、阻害又は低減は、検出可能な活性をほとんど又は本質的に全くもたらさない(せいぜい、わずかな量、例えば、約10%未満又は5%未満でさえある)。
【0036】
本明細書において使用される場合、「対象」はヒトを云う。対象はまた、患者とも言われうる。
【0037】
語「処置する」(treat)、「処置している」(treating)、又は「の処置」(treatment of)(又はそれらの文法的に同等の語)は、対象の状態の重症度が軽減されるか、又は少なくとも部分的に改善されること(improved)又は和らげること(ameliorated)、及び/又は何らかの軽減、緩和、又は少なくとも1つの臨床症状の減少が達成されることが意味される。疾患、障害又は状態に関する「処置」は、下記を言及しうる:(i)疾病、障害又は状態を阻害すること、例えば、その発症を阻止すること;及び/又は(ii)疾病、障害又は状態を緩和すること、例えば、臨床症状の退行を引き起こすこと;及び/又は(ii)疾病、障害又は状態の進行を安定化又は制御すること、例えば、AMLへの進行を遅延させること、又は検出可能なレベルの疾病が減少した若しくは存在しない後の再発若しくは疾病の進行を防止すること。IPSS、IPSS-R、WPSS、及び/又はFABによって決定される場合に、対象が、MDS、高リスクMDS、又は低リスクMDSを夫々有する場合に、該対象は、MDS、高リスクMDS、又は低リスクMDSについての処置を「必要としている」。対象がCMMLについてのフランス・アメリカ・イギリス(FAB:French-American-British)分類、又はCMMLを同定する為の他の既知の任意の基準を満たす場合に、該対象は慢性骨髄単球性白血病(CMML)についての処置を「必要としている」。
【0038】
本発明の化合物及び/又は組成物の対象への「投与すること」又は「投与」という語は、化合物を対象に導入又は送達してその意図された機能を実行する経路を含む。
【0039】
本明細書において使用される場合、「低リスクMDS」(lower-risk MDS)とは、国際予後採点システム(IPSS)、改訂された国際予後採点システム-(IPSS-R)、及び/又はWHO分類に基づく予後スコアリングシステム(WPSS)によって低リスクとみなされる対象におけるMDSを云う。このように、幾つかの実施態様において、低リスクMDS対象は、IPSSによって決定される場合に、低(Low)又は中間-1(Intermediate-1)(本明細書においてInt-1とも称される);IPSS-Rによって決定される場合に、超低(Very Low)、低(Low)、又は中間(Intermediate);及び/又はWPSSによって決定される場合に、超低、低、又は中間として分類されうる。低リスク型MDSはまた、フランス・アメリカ・イギリス(FAB)基準を用いて決定されうる。
【0040】
本明細書において使用される場合に、「サイクル」とは、連続する28日間を云う。幾つかの実施態様において、セダズリジン及びデシタビンは、28日間の各サイクルの1~5日目に投与される。マルチサイクル(Multiple cycles)又は複数のサイクル(a plurality of cycle)が、連続して、又はサイクル間に休止をおいて、実施されうる。追加的に、他のサイクルの長さ及び異なる投与レジメンがまた使用されうる。
【0041】
本明細書において使用される場合に、「低メチル化剤」(hypomethylating agent)(DNAメチルトランスフェラーゼ又はDNMT阻害剤としてまた知られている)は、DNAメチル化を阻害又は減少させる投与剤を云う。低メチル化剤の例は、デシタビン、シチジン、アザシチジン(5-アザシチジン)、及びグアデシタビンを包含するが、これらに限定されない。
【0042】
本明細書において使用される場合に、対象の「全生存期間」(overall survival time)は、臨床試験における無作為化の日、又は該対象がデシタビン及びセダズリジンを投与された最初の日から該対象の死亡日までの日数(又は月数)である。
【0043】
本明細書において使用される場合に、「全生存期間の中央値」(median overall survival time)は、カプラン・マイヤー(Kaplan-Meier)推定により決定される場合に、臨床試験における無作為化の日、又は対象がデシタビン及びセダズリジンを投与された最初の日、又は対象が投与された最初の日から、患者の半数が生存を維持するまでの日数(又は月数)である。
【0044】
本明細書において使用される場合に、対象の「無白血病の生存期間」は、無作為化の日から、骨髄芽球又は末梢血芽球が20%以上に達した日又は死亡する日までの日数(又は月数)である。
【0045】
本明細書において使用される場合、対象の「無白血病の生存期間の中央値」は、カプラン・マイヤー推定によって決定される場合に、無作為化の日から、患者の半数が骨髄芽球又は末梢血芽球≧20%又は死亡した日までの日数(又は月数)である。
【0046】
本明細書において使用される場合、「最善の支持療法」(best supportive care)又は「BSC」は、対象の生活の質(quality of life)を改善又は最適化するが、MDSの処置の為の化学療法剤(例えば、低メチル化剤)ではないところの、該対象の為に必要なケア又は処置を云う。BSCの例は、麻薬性又は非麻薬性鎮痛薬、コルチコステロイド、及び胃腸薬の投与を包含する。
【0047】
MDSを処置する方法
【0048】
高リスク又は低リスクのMDSを包含する骨髄異形成症候群(MDS)を処置することを必要とする対象において、該MDSを処置する方法が本発明の実施態様に従って提供される。幾つかの実施態様において、そのような方法は、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を該対象に投与し、それによって、該MDSを処置することを含む。幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該対象の生存期間(例えば、全生存期間の中央値)が、低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間に対して約130%~約400%高められる。従って、幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該対象の生存期間が、低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間に対して、約130%、約135%、約140%、約145%、約150%、約155%、約160%、約165%、約170%、約175%、約180%、約185%、約190%、約195%、約200%、約205%、約210%、約215%、約220%、約225%、約230%、約235%、約240%、約245%、約250%、約255%、約260%、約265%、約270%、約275%、約280%、約285%、約290%、約295%、約300%、約305%、約310%、約315%、約320%、約325%、約330%、約335%、約340%、約345%、約350%、約355%、約360%、約365%、約370%、約375%、約380%、約385%、約390%、約395%、若しくは約400%或いはそれら以上、又はそれらの間で定義される任意の範囲に高められる。幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該対象の生存期間(例えば、全生存期間の中央値)が、低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間に対して、少なくとも約130%、少なくとも約200%、少なくとも約250%、少なくとも約300%、少なくとも約320%、及び/又は少なくとも約330%高められる。
【0049】
幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該対象の無白血病の生存期間(例えば、無白血病の生存期間の中央値)が、低メチル化剤単独での処置によって得られた無白血病の生存期間に対して約130%~約400%に高められる。従って、幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該対象の無白血病の生存期間が、低メチル化剤単独での処置によって得られた無白血病の生存期間に対して、約130%、約135%、約140%、約145%、約150%、約155%、約160%、約165%、約170%、約175%、約180%、約185%、約190%、約195%、約200%、約205%、約210%、約215%、約220%、約225%、約230%、約235%、約240%、約245%、約250%、約255%、約260%、約265%、約270%、約275%、約280%、約285%、約290%、約295%、約300%、約305%、約310%、約315%、約320%、約325%、約330%、約335%、約340%、約345%、約350%、約355%、約360%、約365%、約370%、約375%、約380%、約385%、約390%、約395%、若しくは約400%或いはそれら以上、又はそれらの間で定義される任意の範囲に高められる。幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該対象の無白血病の生存期間(例えば、無白血病の生存期間の中央値)が、低メチル化剤単独での処置によって得られた無白血病の生存期間に対して、少なくとも約130%、少なくとも約200%、少なくとも約250%、少なくとも約300%、少なくとも約320%、及び/又は少なくとも約330%高められる。
【0050】
幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、MDS対象の生存期間(例えば、全生存期間の中央値)は、該対象が最善の支持療法(BSC)のみを受けた場合に得られる生存期間に対して約200%~約400%に高められる。従って、幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該対象の生存期間が、BSC対策単独で得られた生存期間に対して、約200%、約205%、約210%、約215%、約220%、約225%、約230%、約235%、約240%、約245%、約250%、約255%、約260%、約265%、約270%、約275%、約280%、約285%、約290%、約295%、約300%、約305%、約310%、約315%、約320%、約325%、約330%、約335%、約340%、約345%、約350%、約355%、約360%、約365%、約370%、約375%、約380%、約385%、約390%、約395%、又は約400%に高められる。
【0051】
幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該MDS対象の無白血病の生存期間(例えば、無白血病の生存期間の中央値)が、該対象が最善の支持療法(BSC)のみを受けた場合に得られる生存期間に対して約200%~約400%に高められる。従って、幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、BSC対策単独で得られた生存期間に対して、約200%、約205%、約210%、約215%、約220%、約225%、約230%、約235%、約240%、約245%、約250%、約255%、約260%、約265%、約270%、約275%、約280%、約285%、約290%、約295%、約300%、約305%、約310%、約315%、約320%、約325%、約330%、約335%、約340%、約345%、約350%、約355%、約360%、約365%、約370%、約375%、約380%、約385%、約390%、約395%、又は約400%に高められる。
【0052】
幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を、MDSを有する対象に投与することにより、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月、少なくとも約34ヶ月又は少なくとも約36ヶ月(それらは、例えば、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約31ヶ月、少なくとも約32ヶ月、少なくとも約33ヶ月、少なくとも約34ヶ月、少なくとも約35ヶ月、又は少なくとも約36ヶ月を包含する)の生存期間(例えば、全生存期間の中央値)が該対象に提供される。
【0053】
幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を、MDSを有する対象に投与することにより、少なくとも約26ヶ月、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月、又は少なくとも約34ヶ月(それらは、例えば、少なくとも約26ヶ月、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約31ヶ月、少なくとも約32ヶ月、少なくとも約33ヶ月、又は少なくとも34ヶ月を包含する)の無白血病の生存期間(例えば、無白血病の生存期間の中央値)が該対象に提供される。
【0054】
低リスクMDSを処置することを必要とする対象において該低リスクMDSを処置する方法が本発明の実施態様に従って提供される。幾つかの実施態様において、そのような方法は、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を該対象に投与し、それによって、該低リスクMDSを処置することを含む。幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該対象の生存期間(例えば、全生存期間の中央値)が、低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間に対して約130%~約400%に高められる。従って、幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該対象の生存期間が低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間に対して、約130%、約135%、約140%、約145%、約150%、約155%、約160%、約165%、約170%、約175%、約180%、約185%、約190%、約195%、約200%、約205%、約210%、約215%、約220%、約225%、約230%、約235%、約240%、約245%、約250%、約255%、約260%、約265%、約270%、約275%、約280%、約285%、約290%、約295%、約300%、約305%、約310%、約315%、約320%、約325%、約330%、約335%、約340%、約345%、約350%、約355%、約360%、約365%、約370%、約375%、約380%、約385%、約390%、約395%、若しくは約400%或いはそれら以上、又はそれらの間で定義される任意の範囲に高められる。
【0055】
幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該低リスクMDS対象の無白血病の生存期間(例えば、無白血病の生存期間の中央値)が該無白血病の低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間に対して約130%~約400%に高められる。従って、幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該対象の無白血病の生存期間が、該無白血病の低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間に対して、約130%、約135%、約140%、約145%、約150%、約155%、約160%、約165%、約170%、約175%、約180%、約185%、約190%、約195%、約200%、約205%、約210%、約215%、約220%、約225%、約230%、約235%、約240%、約245%、約250%、約255%、約260%、約265%、約270%、約275%、約280%、約285%、約290%、約295%、約300%、約305%、約310%、約315%、約320%、約325%、約330%、約335%、約340%、約345%、約350%、約355%、約360%、約365%、約370%、約375%、約380%、約385%、約390%、約395%、若しくは約400%或いはそれら以上、又はそれらの間で定義される任意の範囲に高められる。
【0056】
幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該低リスクMDS対象の生存期間が、該対象が最善の支持療法(BSC)のみを受けた場合に得られる生存期間に対して約200%~約400%に高められる。従って、幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該対象の生存期間が、BSC対策単独で得られた生存期間に対して、約200%、約205%、約210%、約215%、約220%、約225%、約230%、約235%、約240%、約245%、約250%、約255%、約260%、約265%、約270%、約275%、約280%、約285%、約290%、約295%、約300%、約305%、約310%、約315%、約320%、約325%、約330%、約335%、約340%、約345%、約350%、約355%、約360%、約365%、約370%、約375%、約380%、約385%、約390%、約395%、若しくは約400%或いはそれら以上、又はそれらの間で定義される任意の範囲に高められる。
【0057】
幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該低リスクMDS対象の無白血病の生存期間(例えば、無白血病の生存期間の中央値)が、該無白血病の該対象が最善の支持療法(BSC)のみを受けた場合に得られる生存期間に対して約200%~約400%に高められる。従って、幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該対象の無白血病の生存期間が、該無白血病のBSC対策単独で得られた生存期間に対して、約200%、約205%、約210%、約215%、約220%、約225%、約230%、約235%、約240%、約245%、約250%、約255%、約260%、約265%、約270%、約275%、約280%、約285%、約290%、約295%、約300%、約305%、約310%、約315%、約320%、約325%、約330%、約335%、約340%、約345%、約350%、約355%、約360%、約365%、約370%、約375%、約380%、約385%、約390%、約395%、若しくは約400%或いはそれら以上、又はそれらの間で定義される任意の範囲に高められる。
【0058】
幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を、低リスクMDSを有する対象に投与することにより、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月、少なくとも約34ヶ月、又は少なくとも約36ヶ月(それらは、例えば、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約31ヶ月、少なくとも約32ヶ月、少なくとも約33ヶ月、少なくとも約34ヶ月、少なくとも約35ヶ月、又は少なくとも約36ヶ月を包含する)の生存期間(例えば、全生存期間の中央値)が該対象に提供される。
【0059】
幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を、低リスクMDSを有する対象に投与することにより、少なくとも約26ヶ月、少なくとも28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月、又は少なくとも約34ヶ月(それらは、例えば、少なくとも約26ヶ月、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約31ヶ月、少なくとも約32ヶ月、少なくとも約33ヶ月、又は少なくとも約34ヶ月を包含する)の無白血病の生存期間(例えば、無白血病の生存期間の中央値)が該対象に提供される。
【0060】
本発明の幾つかの方法実施態様において、MDSの処置は、低サブグループ及びInt-1サブグループ(Low and Int-1 subgroups)を包含する国際予後スコアリングシステム(IPPS)によって決定される場合に、低リスクMDS対象の処置を包含する。本発明の幾つかの方法実施態様において、MDSの処置は、中間サブグループ、低サブグループ及び超低サブグループ(Intermediate,Low,and Very Low subgroups)を包含する国際予後スコアリングシステム改訂版(IPPS-R)によって決定される場合の低リスクMDS対象の処置を包含する。本発明の幾つかの方法実施態様において、MDSの処置は、中間サブグループ、低サブグループ及び超低サブグループを包含するWHO分類に基づく予後スコアリングシステム(WPSS)によって決定される場合の低リスクMDS対象の処置を包含する。本発明の幾つかの方法実施態様において、MDSの処置は、フランス・アメリカ・イギリス(FAB)によって決定される場合の低リスクMDS対象の処置を包含する。
【0061】
慢性骨髄単球性白血病(CMML)を処置することを必要とする対象において慢性骨髄単球性白血病(CMML)を処置する方法が本発明の実施態様に従って提供される。幾つかの実施態様において、そのような方法は、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を該対象に投与し、それによって、該CMMLを処置することを含む。幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該対象の生存期間(例えば、全生存期間の中央値)が、低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間に対して約130%~約400%に高められる。従って、幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該対象の生存期間が、低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間に対して、約130%、約135%、約140%、約145%、約150%、約155%、約160%、約165%、約170%、約175%、約180%、約185%、約190%、約195%、約200%、約205%、約210%、約215%、約220%、約225%、約230%、約235%、約240%、約245%、約250%、約255%、約260%、約265%、約270%、約275%、約280%、約285%、約290%、約295%、約300%、約305%、約310%、約315%、約320%、約325%、約330%、約335%、約340%、約345%、約350%、約355%、約360%、約365%、約370%、約375%、約380%、約385%、約390%、約395%、若しくは約400%或いはそれら以上、又はそれらの間で定義される任意の範囲に高められる。
【0062】
幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該対象の無白血病の生存期間(例えば、無白血病の生存期間の中央値)が、該無白血病の低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間に対して、約130%~約400%に高められる。従って、幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該対象の無白血病の生存期間が、該無白血病の低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間に対して、約130%、約135%、約140%、約145%、約150%、約155%、約160%、約165%、約170%、約175%、約180%、約185%、約190%、約195%、約200%、約205%、約210%、約215%、約220%、約225%、約230%、約235%、約240%、約245%、約250%、約255%、約260%、約265%、約270%、約275%、約280%、約285%、約290%、約295%、約300%、約305%、約310%、約315%、約320%、約325%、約330%、約335%、約340%、約345%、約350%、約355%、約360%、約365%、約370%、約375%、約380%、約385%、約390%、約395%、若しくは約400%或いはそれら以上、又はそれらの間で定義される任意の範囲に高められる。
【0063】
幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該CMML対象の生存期間が、該対象が最善の支持療法(BSC)のみを受けた場合に得られる生存期間に対して、約200%~約400%に高められる。従って、幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該対象の生存期間が、BSC対策単独で得られた生存期間に対して、約200%、約205%、約210%、約215%、約220%、約225%、約230%、約235%、約240%、約245%、約250%、約255%、約260%、約265%、約270%、約275%、約280%、約285%、約290%、約295%、約300%、約305%、約310%、約315%、約320%、約325%、約330%、約335%、約340%、約345%、約350%、約355%、約360%、約365%、約370%、約375%、約380%、約385%、約390%、又は約400%に高められる。
【0064】
幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該CMML対象の無白血病の生存期間が、該無白血病の該対象が最善の支持療法(BSC)のみを受けた場合に得られる生存期間に対して約200%~約400%に高められる。従って、幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該対象の無白血病の生存期間が、該無白血病のBSC対策単独で得られた生存期間に対して約200%、約205%、約210%、約215%、約220%、約225%、約230%、約235%、約240%、約245%、約250%、約255%、約260%、約265%、約270%、約275%、約280%、約285%、約290%、約295%、約300%、約305%、約310%、約315%、約320%、約325%、約330%、約335%、約340%、約345%、約350%、約355%、約360%、約365%、約370%、約375%、約380%、約385%、約390%、又は約400%に高められる。
【0065】
幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を、CMMLを有する対象に投与することにより、少なくとも約28ヶ月、約30ヶ月、約31ヶ月、約32ヶ月、約33ヶ月、約34ヶ月、約35ヶ月、又は約36ヶ月を包含する)の生存期間(例えば、全生存期間の中央値)が該対象に提供される。
【0066】
幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を、CMMLを有する対象に投与することにより、少なくとも約26ヶ月、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月、又は少なくとも約34ヶ月(それらは、例えば、少なくとも約26ヶ月、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約31ヶ月、少なくとも約32ヶ月、少なくとも約33ヶ月、又は少なくとも約34ヶ月を包含する)の無白血病の生存期間(例えば、無白血病の生存期間の中央値)が該対象に提供される。
【0067】
本発明の幾つかの方法実施態様において、CMMLの処置は、フランス・アメリカ・イギリス(FAB:French-American-British)基準を満たすところの、CMML対象の処置を包含する。
【0068】
MDS患者及びCMML患者におけるp53タンパク質をコードするTP53遺伝子(TP53mut)における変異は、予後不良についての独立した予後因子として特徴付けられている。本発明は、単一対立遺伝子(mono-allelic)又は二対立遺伝子(bi-allelic)のいずれかのTP53変異を有する患者について、全生存期間及び無白血病の生存期間において改善された結果を提供することが実証されてきている。該TP53変異は、TP53mRNA及び/又はp53タンパク質レベルにおける低下を結果としてもたらすか又はp53活性における低下を結果としてもたらすところの遺伝子における任意の変異でありうる。
【0069】
MDS又はCMMLを処置することを必要とするTP53mut対象において該MDS又は該CMMLを処置する方法が本発明の実施態様に従って提供される。幾つかの実施態様において、そのような方法は、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を該対象に投与し、それによって、該MDS又はCMMLを処置することを含む。幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該対象の生存期間(例えば、全生存期間の中央値)が、低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間に対して、約130%~約400%高められる。従って、幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該対象の生存期間が、低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間に対して、約130%、約135%、約140%、約145%、約150%、約155%、約160%、約165%、約170%、約175%、約180%、約185%、約190%、約195%、約200%、約205%、約210%、約215%、約220%、約225%、約230%、約235%、約240%、約245%、約250%、約255%、約260%、約265%、約270%、約275%、約280%、約285%、約290%、約295%、約300%、約305%、約310%、約315%、約320%、約325%、約330%、約335%、約340%、約345%、約350%、約355%、約360%、約365%、約370%、約375%、約380%、約385%、約390%、約395%、若しくは約400%或いはそれら以上、又はそれらの間で定義される任意の範囲に高められる。
【0070】
幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、TP53mut対象の無白血病の生存期間(例えば、無白血病の生存期間の中央値)が、該無白血病の低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間に対して、約130%~約400%高められる。従って、幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該対象の無白血病の生存期間が、該無白血病の低メチル化剤単独での処置によって得られた生存期間に対して、約130%、約135%、約140%、約145%、約150%、約155%、約160%、約165%、約170%、約175%、約180%、約185%、約190%、約195%、約200%、約205%、約210%、約215%、約220%、約225%、約230%、約235%、約240%、約245%、約250%、約255%、約260%、約265%、約270%、約275%、約280%、約285%、約290%、約295%、約300%、約305%、約310%、約315%、約320%、約325%、約330%、約335%、約340%、約345%、約350%、約355%、約360%、約365%、約370%、約375%、約380%、約385%、約390%、約395%、若しくは約400%或いはそれら以上、又はそれらの間で定義される任意の範囲に高められる。
【0071】
幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、TP53mut対象の生存期間が、該対象が最善の支持療法(BSC)のみを受けた場合に得られる生存期間に対して、約200%~約400%に高められる。従って、幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、BSC対策単独で得られた生存期間に対して、該対象の生存期間が、約200%、約205%、約210%、約215%、約220%、約225%、約230%、約235%、約240%、約245%、約250%、約255%、約260%、約265%、約270%、約275%、約280%、約285%、約290%、約295%、約300%、約305%、約310%、約315%、約320%、約325%、約330%、約335%、約340%、約345%、約350%、約355%、約360%、約365%、約370%、約375%、約380%、約385%、約390%、約395%、若しくは約400%或いはそれら以上、又はそれらの間で定義される任意の範囲に高められる。
【0072】
幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、TP53mut対象の無白血病の生存期間(例えば、無白血病の生存期間の中央値)が、該無白血病の該対象が最善の支持療法(BSC)のみを受けた場合に得られる生存期間に対して、約200%~約400%に高められる。従って、幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、該対象の無白血病の生存期間が、該無白血病のBSC対策単独で得られた生存期間に対して、約200%、約205%、約210%、約215%、約220%、約225%、約230%、約235%、約240%、約245%、約250%、約255%、約260%、約265%、約270%、約275%、約280%、約285%、約290%、約295%、約300%、約305%、約310%、約315%、約320%、約325%、約330%、約335%、約340%、約345%、約350%、約355%、約360%、約365%、約370%、約375%、約380%、約385%、約390%、約395%、若しくは約400%或いはそれら以上、又はそれらの間で定義される任意の範囲に高められる。
【0073】
幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、単一対立遺伝子のTP53mutを有するMDS又はCMML対象が、少なくとも約20ヶ月、少なくとも約22ヶ月、少なくとも約24ヶ月、少なくとも約26ヶ月、少なくとも約28ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約32ヶ月、少なくとも約34ヶ月、又は少なくとも約36ヶ月の生存期間(例えば、全生存期間の中央値)又は無白血病の生存期間が対象に提供される。
【0074】
幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を投与することにより、二対立遺伝子のTP53mutを有するMDS又はCMML対象が、少なくとも約10ヶ月、少なくとも約12ヶ月、少なくとも約14ヶ月、少なくとも約16ヶ月、少なくとも約18ヶ月、又は少なくとも約20ヶ月の生存期間(例えば、全生存期間の中央値)又は無白血病の生存期間が対象に提供される。
【0075】
本発明の幾つかの実施態様において、セダズリジンの有効量及びデシタビンの有効量を対象に投与することにより、本発明の1以上の経口剤形でセダズリジン及びデシタビンを対象に投与することを含む。幾つかの実施態様において、各経口剤形は固体経口剤形物である。幾つかの実施態様において、セダズリジン及びデシタビンを含む単一の固体経口剤形物が投与される。特定の実施態様において、セダズリジン(例えば、100mg)及びデシタビン(例えば、35mg)並びに医薬的に許容可能な添加剤を含む経口剤形を対象に投与する方法が提供される。
【0076】
薬物送達のタイミング及び順序を調節する為に当業者に知られている任意の投与レジメンが使用されることができ、そして、本発明の方法において処置を効果的に行う為に必要に応じて繰り返されることができる。例えば、該経口剤形は、1日1回、2回、3回若しくは4回、単回投与、複数の離散投与、又は連続注入によって投与されうる。特定の実施態様において、少なくとも1つの固体経口剤形物は、1日1回投与される。幾つかの実施態様において、本発明の実施態様に従う少なくとも1つの固体経口剤形物の投与は、28日サイクル当たり1週間以上、例えば、28日サイクル当たり、1週間、2週間、3週間又は4週間行われることができる。該週は、連続的及び/又は非連続的であってもよい。特定の実施態様において、セダズリジン及びデシタビンは、28日サイクルの5日間(1~5日目)毎日投与される。
【0077】
本発明の幾つかの実施態様において、セダズリジン及びデシタビンを含む固体経口剤形物は、対象に1日1回、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、又はそれら以上投与される。幾つかの実施態様において、セダズリジン及びデシタビンを含む固体経口剤形物は、対象に1日1回、28日サイクルのうちの1~5日目に投与される。幾つかの実施態様において、サイクルの1~5日目には、セダズリジン及びデシタビンが各々該対象に毎日投与され、そして、該サイクルの6~28日目には、セダズリジンもデシタビンも投与されない。そのような固体経口剤形物は、同時、順次、又は同じ日の間の異なる時間に投与されうる。特定の実施態様において、全ての固体経口剤形物は、同時に、又はほぼ同じ時間(例えば、5分以内、10分以内、15分以内、20分以内、25分以内、又は30分以内)に投与される。
【0078】
幾つかの実施態様において、35mgのデシタビン及び100mgのセダズリジンを含む単位剤形が、該サイクルの1~5日目の各々に毎日投与されうる。しかしながら、幾つかの実施態様において、セダズリジン及びデシタビンの用量は変化されてもよい。これは、例えば、該対象の為に2回目以降のサイクルである場合に適切でありうる。セダズリジン及びデシタビンの為のありうる投与スケジュール及び投与に関するより多くの情報は、Inqovi(登録商標)処方情報において及びwww.inqovi.comでみられうる。
【0079】
幾つかの実施態様において、0~31日又はそれ以上(例えば、0日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、又はそれら以上)の期間が、本発明の複数のサイクルの間に経過してもよい。無処置の期間は、本発明の対象(例えば、ヒト患者)が処置を継続する為に十分な健康状態を有することを可能にするために望ましい場合がある。処置サイクル間の期間は、当技術分野における標準的な技術を用いて医師によって決定されることができ、例えば、適切な血球数、例えば、好中球減少症の適切な欠如(例えば、該対象における絶対好中球数(ANC:absolute neutrophil count)が0.5×109細胞/L以上)に基づいて、対象毎に個別に決定されてもよく、投与する医師の判断に基づいて、処置の経過にわたって調整されてもよい。幾つかの実施態様において、処置サイクル間の期間は最小限であってもよく、例えば、期間は無くてもよく、例えば、直ちに次の28日間の期間から開始してもよい。幾つかの実施態様において、処置サイクル間の期間は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、又はそれら以上であってもよい。
【0080】
幾つかの実施態様において、該投与レジメンは、少なくとも1つの追加の治療剤との前処置及び/又は共投与を含んでいてもよい。そのような場合、デシタビン及びセダズリジンは、少なくとも1つの追加の治療剤と同時に、別々に、又は逐次的に投与されてもよい。追加の治療剤はまた、1以上の固体経口剤形物内に含まれていてもよい。本明細書において使用される場合に、語「追加の治療剤」は、化学療法剤及び免疫調節剤を包含するが、これらに限定されるものでない。
【0081】
化学療法剤の例は、下記が挙げられるが、これらに限定されるものでない:アルキル化剤(それは例えば、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エストラムスチン、カルムスチン、マイトマイシン、ブレオマイシン等を包含しうる);代謝拮抗剤(それは例えば、5-フルオロウラシル、カペシタビン、ゲムシタビン、ネララビン、フルダラビン、メトトレキサート等を包含しうる);プラチナ化剤(それは例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン等を包含しうる);トポイソメラーゼ阻害剤(それは例えば、トポテカン、イリノテカン、エトポシド等を包含しうる);チューブリン剤(それは例えば、パクリタキセル、ドセタキセル、ビノレルビン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、他のタキサン類、エポチロン等を包含しうる);シグナル伝達阻害剤(例えば、キナーゼ阻害剤、抗体、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤等);及び他のホルモン剤又は化学療法剤(例えば、タモキシフェン、抗有糸分裂剤(例えば、ポロ様キナーゼ阻害剤又はオーロラキナーゼ阻害剤)等)。免疫調節剤の例は、CTLA-4、PD-1及びPDL-1抗体又は阻害剤、レナリドミド等を包含するが、これらに限定されるものでない。
【0082】
本発明の実施態様に従って、デシタビンとセダズリジンとの組み合わせ(例えば、固体経口剤形物)を、それを必要とする対象に投与することにより、該対象に複数の有益な応答を提供しうる。例えば、幾つかの実施態様において、該投与は、対照測定と比較して、例えば、投与前の該対象におけるDNAメチル化(例えば、対象「ベースライン」DNAメチル化)と比較して、該対象におけるDNAメチル化を少なくとも5%(例えば、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、若しくは少なくとも15%、或いはそれら以上、又はそれらの間の任意の値若しくは範囲)減少させる。該対象におけるDNAメチル化は、例えば、対照と比較した相対的なグローバルメチル化のマーカーによって測定される場合に、例えば、対照と比較した長鎖散在反復配列-1(LINE-1:Long interspersed element-1)メチル化によって測定される場合に、当技術分野における任意の標準的な技術によって定量的及び/又は定性的に評価されうる。例えば、幾つかの実施態様において、投与は、対照測定と比較して、例えば、投与前の該対象におけるLINE-1メチル化(例えば、対象ベースラインLINE-1メチル化)と比較して、該対象におけるLINE-1メチル化を少なくとも5%(例えば、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、若しくは少なくとも15%、又はそれら以上)減少させる。例えば、幾つかの実施態様において、該投与は、該対象におけるLINE-1メチル化を少なくとも5%、少なくとも8%、少なくとも10%、又は少なくとも15%以上減少させうる。幾つかの実施態様において、該投与は、該対象におけるLINE-1メチル化を、約5%~約20%、約6%~約15%、又は約8%~約10%減少させうる。
【0083】
幾つかの実施態様において、デシタビン及びセダズリジンを該対象に投与することにより、28日サイクル後の2週間以内、3週間以内又は4週間以内(例えば、28日以下の連続した日、27日以下の連続した日、26日以下の連続した日、25日以下の連続した日、24日以下の連続した日、23日以下の連続した日、22日以下の連続した日、21日以下の連続した日、20日以下の連続した日、19日以下の連続した日、18日以下の連続した日、17日以下の連続した日、16日以下の連続した日、15日以下の連続した日、14日以下の連続した日、13日以下の連続した日、12日以下の連続した日、11日以下の連続した日、10日以下の連続した日、9日以下の連続した日、8日以下の連続した日、7日以下の連続した日、6日以下の連続した日、5日以下の連続した日、4日以下の連続した日、3日以下の連続した日、2日以下の連続した日、又は1日以下の連続した日、又はその任意の値又はそれらの範囲)における該対象における絶対好中球数(ANC:absolute neutrophil count)が、0.5x109細胞/1Lの血液未満に減少しうる。幾つかの実施態様において、デシタビン及びセダズリジンを該対象に投与することにより、処置の間(例えば、複数回繰り返される28日サイクルの間)、2週間以下、3週間以下、又は4週間以下の期間、該対象における絶対好中球数(ANC)が血液中の0.5×109細胞/1L未満に減少する。
【0084】
幾つかの実施態様において、デシタビン及びセダズリジンを該対象に投与することにより、任意的に、「ベースライン」対照%F細胞/赤血球と比較した場合(例えば、処置前の患者の%F細胞/赤血球と比較した場合、例えば、処置を受けていない患者集団(例えば、健康な患者集団)の平均%F細胞/赤血球と比較した場合)、(例えば、患者の健康サンプルにおける)1サンプル当たりの%F細胞/赤血球によって測定される場合に、ヘモグロビンF発現細胞(すなわち、F細胞)が少なくとも5%(例えば、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、若しくは少なくとも30%、又はそれら以上)拡大する。例えば、幾つかの実施態様において、デシタビン及びセダズリジンを対象に投与することにより、ベースライン対照と比較して、該対象における%F細胞が少なくとも5%、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも15%、又は少なくとも23%、又はそれ以上拡大しうる。幾つかの実施態様において、投与は、ベースライン対照と比較して、対象における%F細胞を約5%~約30%、約6%~約24%、又は約8%~約20%拡大しうる。幾つかの実施態様において、該投与は、ベースライン対照と比較して、該対象における%F細胞を約5%~約30%、約6%~約24%、又は約8%~約20%拡大しうる。
【0085】
幾つかの実施態様において、デシタビン及びセダズリジンを該投与することにより、F細胞が、全赤血球の少なくとも10%~少なくとも30%、又はそれら以上の総量(例えば、1サンプル(例えば、患者の血液サンプル)当たり、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも17%、少なくとも18%、少なくとも19%、少なくとも20%、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、若しくは少なくとも30%、又はそれら以上のF細胞/赤血球、又はその任意の値もしくは範囲)に増加させる。例えば、幾つかの実施態様において、デシタビン及びセダズリジンを対象に投与することにより、F細胞が、サンプル中の全赤血球の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも23%、少なくとも35%、又はそれ以上の総量まで拡大されうる。幾つかの実施態様において、デシタビン及びセダズリジンを対象に投与することにより、F細胞が、サンプル中の全赤血球の約15%~約30%、約18%~約25%、又は約15%~約35%の総量まで拡大されうる。
【0086】
本発明の幾つかの実施態様において、該対象は75歳以上である。特定の実施態様において、該対象は18歳以上であり、1以上の併存疾患の故に導入化学療法(induction chemotherapy)に不適格である。そのような併存疾患は、例えば、(i)ベースラインの米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG:Eastern Cooperative Oncology Group)のパフォーマンスステータスが2又は3、(ii)重度の心臓障害(例えば、処置を必要とするうっ血性心不全、エジェクションフラクション(ejection fraction)が50%以下、又は慢性安定狭心症(chronic stable angina))、(iii)重度の肺障害(例えば、一酸化炭素に対する拡散肺活量DLCO(diffusing lung capacity for carbon monoxide)が65%以下、又は強制呼気1秒量(FEV1:forced expiratory volume in 1 second)が65%以下)、(iv)クレアチニンクリアランスが30mL/分以上且つ45mL/分以下、及び/又は(v)総ビリルビンが1.5超且つ正常値上限(ULN:upper limit of normal)の3.0倍以下である中庸度の肝障害を包含する。
【0087】
投与量レベル、投与様式、及び投与レジメンは、対象(例えば、患者)の為に必要であると判断される場合には、公知の技術を用いて当業者によって変更されうる。
【0088】
経口剤形
【0089】
本明細書において記載された方法は、デシタビン及びセダズリジン及び/又はいずれかの化合物の医薬的に許容される塩の任意の形態を使用しうる。本明細書において使用される場合に、デシタビン及びセダズリジン、並びにそれらの医薬的に許容される塩は、「治療剤」として総称されうる。加えて、治療剤が言及される場合、該治療剤の医薬的に許容される塩がまたこの言及に含まれると理解されるべきである。幾つかの実施態様において、該治療剤は、経口剤形、例えば固体経口剤形物、で投与される。そのような経口剤形は、各治療剤を別々に含んでいてもよく、又は組み合わせ剤形を含んでいてもよい。特定の実施態様において、対象は、デシタビン及びセダズリジンを含む固体経口剤形物を投与される。
【0090】
幾つかの実施態様において、1以上の経口剤形は、固体経口剤形物、例えば固体経口単位剤形、である。語「固体経口剤形物」は、医薬組成物が固体形態であり、及び経口投与の為に製剤化されていることを意味する。任意の適切な固体経口剤形物が使用されうる。本発明の実施態様に従う固体経口剤形物の例は、錠剤(例えば、口腔、舌下及び全身吸収を対象とするもの)、カプレット、ボーラス、粉末、顆粒、舌に適用する為のペースト、カプセル、例えば、硬ゼラチンカプセル及び軟ゼラチンカプセルを包含する上記のカプセル、マウススプレー、トローチ(troches)、ロゼンジ(lozenges)、及びペレットを包含する。医薬組成物は、即時放出(immediate release)、持続放出(sustained release)、又は制御された放出(controlled release)の為に処方されうる。
【0091】
多数のありうる経口剤形が、本発明の方法において使用されることができる。例えば、デシタビンは、約10mg~約100mg、約20mg~約45mg、又は約30mg~約40mg(例えば、約10mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約90mg、又は約100mg)の範囲の経口剤形で存在しうる。別の例として、セダズリジンは、約10mg~約150mg、約70mg~約120mg、又は約90mg~約110mg(例えば、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約140mg、又は約150mg)の範囲で経口剤形中に存在しうる。しかしながら、本発明の幾つかの実施態様において、1つの固体経口剤形物は、約35mgのデシタビンを含む単位剤形である。本発明の幾つかの実施態様において、1つの固体経口剤形物は、約100mgのセダズリジンを含む単位剤形である。その上、幾つかの実施態様において、1つの固体経口剤形物は、約35mgのデシタビン及び約100mgのセダズリジンを含む単位剤形(例えば、多剤混合薬(fixed-dose combination))である。本発明の幾つかの実施態様において、1つの単位剤形は、約35mgのデシタビン及び約100mgのセダズリジンと少なくとも1つの医薬的に許容される添加剤とを含む。
【0092】
医薬的に許容可能な添加剤は、製薬技術において周知であり、例えば、Remington's Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co.,Easton,Pa(例えば、第20版,2000),and Handbook of Pharmaceutical Excipients,American Pharmaceutical Association,Washington,D.C.,(例えば、第1版、第2版及び第3版、夫々1986年、1994年及び2000年)において記載されている。当業者に周知であるように、添加剤は様々な機能を提供し得、例えば、湿潤剤、緩衝剤、懸濁化剤、希釈剤、結合剤、滑沢剤(lubricating agents)、流動促進剤(glidants)、乳化剤、崩壊剤、吸収剤、保存剤、界面活性剤、着色剤、香味剤、及び甘味剤として記載されうる。医薬的に許容される添加剤の例は、 (1)糖類、例えばラクトース、グルコース及びスクロース;(2)デンプン、例えばトウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン;(3)セルロース及びその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)及びヒドロキシプロピルセルロース;(4)粉末化されたトラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)添加剤、例えば、ココアバター及び坐剤ワックス;(9)油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及び大豆油;(10)グリコール、例えばプロピレングリコール;(11)ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコール;(12)エステル、例えば、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)パイロジェンフリーの水;(17)等張食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)pH緩衝液、(21)ポリエステル、ポリカーボネート及び/又はポリ無水物、並びに(22)医薬製剤に使用される他の非毒性の適合物質を包含するが、これらに限定されない。
【0093】
希釈剤の例は、ラクトース、ラクトース一水和物、セルロース、微結晶セルロース、ソルビトール、二塩基性リン酸カルシウム脱水物及び硫酸カルシウム脱水物を包含する。結合剤の例は、ゼラチン、グルコース、ラクトース、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース及びアカシアを包含する。崩壊剤の例は、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム及びデンプンを包含する。滑沢剤の例は、コロイド状二酸化ケイ素、コーンスターチ及びタルクを包含する。流動促進剤の例は、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、パラフィン、ラウリル硫酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、及びポリエチレングリコールを包含する。
【0094】
幾つかの実施態様において、固体経口剤形物は、希釈剤、結合剤、崩壊剤、流動促進剤及び滑沢剤のうちの1以上を含む。幾つかの実施態様において、固体経口剤形物は、希釈剤、結合剤、崩壊剤、流動促進剤及び滑沢剤を含む。本発明の特定の実施態様において、該固体経口剤形物は、デシタビン及び/又はセダズリジン、並びに下記の添加剤:希釈剤としてのラクトース一水和物;結合剤としてのヒドロキシプロピルメチルセルロース;崩壊剤としてのクロスカルメロースナトリウム;流動促進剤としてのコロイド状二酸化ケイ素;及び、滑沢剤としてのステアリン酸マグネシウムを含む。本発明の幾つかの実施態様において、そのような成分は錠剤に形成される。幾つかの実施態様において、該錠剤は即時放出錠剤である。加えて、特定の実施態様において、該錠剤は、着色されていてもよいフィルムでコーティングされる。医薬的に許容される任意のコーティングが使用されてもよいが、幾つかの実施態様において、該錠剤はOpadry(登録商標)コーティングでコーティングされる。
【0095】
幾つかの実施態様において、セダズリジンは、該固体経口剤形物において、約17~22w/w%、例えば、約17.0、約17.2、約17.4、約17.6、約17.8、約18.0、約18.2、約18.4、約18.6、約18.8、約19.0、約19.2、約19.4、約19.6、約19.8、約20.0、約20.2、約20.4、約20.6、約20.8、約21.0、約21.2、約21.4、約21.6、約21.8、若しくは約22.0w/w%、又はそれらの間の任意の範囲、例えば約19.42w/w%、の量で存在する。幾つかの実施態様において、デシタビンは、該固体経口剤形物中に、約4~8%w/w、例えば約4.0、約4.2、約4.4、約4.6、約4.8、約5.0、約5.2、約5.4、約5.6、約5.8、約6.0、約6.2、約6.4、約6.6、約6.8、約7.0、約7.2、約7.4、約7.6、約7.8、若しくは約8.0w/w%又はそれらの間の任意の範囲、例えば約6.8w/w%、の量で存在する。幾つかの実施態様において、該希釈剤(例えば、ラクトース一水和物)は、該固体経口剤形物中に、約55~70w/w%、例えば約55、約56、約57、約58、約59、約60、約61、約62、約63、約64、約65、約66、約67、約68、約69、若しくは約70w/w%、又はそれらの間の任意の範囲、例えば約62.62w/w%、の量で存在する。幾つかの実施態様において、該結合剤(例えば、ヒプロメロース)は、該固体経口剤形物中に、約1~3w/w%、例えば約1.0、約1.2、約1.4、約1.6、約1.8、約2.0、約2.2、約2.4、約2.6、約2.8、若しくは約3.0w/w%、又はそれらの間の任意の範囲、例えば約1.94w/w%の量、で存在する。幾つかの実施態様において、該崩壊剤(例えば、クロスカルメロースナトリウム)は、該固体経口剤形物中に、約3~7w/w%、例えば、約3.0、約3.2、約3.4、約3.6、約3.8、約4.0、約4.2、約4.4、約4.6、約4.8、約5.0、約5.2、約5.4、約5.6、約5.8、約6.0、約6.2、約6.4、約6.6、約6.8、若しくは約7.0w/w%、又はそれらの間の任意の範囲、例えば、約4.85w/w%の量、で存在する。幾つかの実施態様において、該流動促進剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素)は、該固体経口剤形物中に、約0.5~2w/w%、例えば、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、若しくは約2.0w/w%、又はそれらの間の任意の範囲、例えば約0.97w/w%の量、で存在する。幾つかの実施態様において、該滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)は、該固体経口剤形物中に、約0.1~2w/w%、例えば、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0. 1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、若しくは約2.0w/w%、又はそれらの間の任意の範囲、例えば、約0.49w/w%、の量で存在する。
【0096】
幾つかの実施態様において、該固体経口剤形物は、下記の表1において列挙されている成分を含む。
【0097】
【表1】
【0098】
幾つかの実施態様において、該固体経口剤形物は、下記の表2において列挙されている成分を含む。
【0099】
【表2】
【0100】
セダズリジン及びデシタビンの組成物及び製剤に関する更なる情報は、Inqovi(登録商標)処方情報及びwww.inqovi.comにおいて見出されうる。
【0101】
本発明の医薬組成物は、デシタビン及びセダズリジンを、該医薬的に許容可能な添加剤と混合及び/又はブレンドすることを含みうるがこれらに限定されないところの、既知の材料及び技術を使用して調製されることができる。
【0102】
本発明幾つかの実施態様において、本発明の方法は、デシタビンを含む少なくとも1つの単位剤形物とセダズリジンを含む少なくとも1つの単位剤形物とを含むキットを使用して実行される。特定の実施態様において、キットは、デシタビン及びセダズリジンを含む少なくとも1つの単位剤形物を含む。幾つかの実施態様において、該キットは、約35mgのデシタビン及び約100mgのセダズリジンと少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤とを含む1つの単位剤形物を提供する。他の単位剤形物が使用されうるが、該単位剤形物は、入手可能性に応じて変わりうる。セダズリジン及び/又はデシタビンの為の1日用量は、1日当たり2以上の単位剤形物を必要としうる。
【0103】
キットは、各治療剤の為の1日用量の為の該固体経口剤形物(例えば、35mgのデシタビンと100mgのセダズリジンとを含む錠剤1個)を含みうる。キットはまた、該サイクルの2日間以上(例えば、1週間)の為の又は全サイクルの為の単位剤形物を含みうる。従って、本発明の幾つかの実施態様において、キットは、本発明の実施態様に従うセダズリジンとデシタビンとを含む1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28又はそれよりも多い固体経口剤形物を含みうる。幾つかの実施態様において、キットは、セダズリジンとデシタビンとを含む、5個の固体経口剤形物(該サイクルの1~5日目の為)を含みうる。
【0104】
該キットは更に、商用販売の為に好適な容器及び/又はパッケージを含みうる。該容器は、医薬的に許容される材料、例えば、紙若しくはボール紙箱、ガラス若しくはプラスチックボトル若しくは瓶、再び閉じることができるバッグ、又は治療スケジュールに従ってパックから押し出す為の、個々の投与量を含むブリスターバック、から作製されているところの、当技術分野において既知の任意の慣用的な形状又は形態であることができる。2つ以上の容器が、単一パッケージにおいて一緒に使用されることができる。例えば、錠剤は、ブリスターパック中に入れられ、次に、該ブリスターパックが箱内に入れられる。幾つかの実施態様において、該容器は、単位剤形物(例えば、約5個の単位剤形物)を含有するボトル、例えば30ccの白色高密度ポリエチレンボトル、である。該ボトルは更に、乾燥剤、例えばシリカ乾燥剤、のキャニスターを含有しうる。幾つかの実施態様において、該容器は、ブリスターパック、例えば、空洞1つに錠剤1個を備えている、アルミニウムホイル又はホイルの蓋によって形成されたブリスターパック、である。該ブリスターパックは、カートンで存在してもよい。
【0105】
該キットは更に、情報を含みうる。該情報は、可読媒体で提供されうる。該可読媒体は、ラベルを含みうる。該情報は、医師、薬剤師、又は患者に対して向けられうる。該情報は、該単位剤形物が1以上の有害効果を引き起こしうることを示しうる。該情報は、例えば本明細書において記載されている方式で、該単位剤形物を投与する為の指示を含みうる。これらの指示は、様々なやり方で提供されうる。
【0106】
該情報は、例えば、容器に接着固定されたラベル(例えば、処方箋ラベル又は別個のラベル)上に書かれること;書かれたパッケージ挿入物として容器内側に含まれること;該容器に直接施与されること、例えば箱又はブリスターパックの壁部上に印刷されること;或いは、例えば紐、コード若しくは他のライン、ストラップ、又は係留タイプのデバイスを介して、ボトルの首に取り付けられた指示カードとして結び付けられる又はテープで貼られることによって取り付けられること、によって該容器に関連付けられることができる。
【0107】
本発明の具体的な実施態様は、先に示されている観点並びに他の観点のうちの1つ、一部又は全てに向けられうるものであり、先に及び以下に示されている実施態様並びに他の実施態様のうちの1つ、一部又は全てを包含しうることが、当業者には明らかであろう。
【0108】
実施例以外において、又は別段示されない限り、本明細書及び特許請求の範囲において使用されている成分の量、反応条件等を表す全ての数値は、語「約」によって修飾されると理解されるべきである。従って、そのような数は、そうでないと示されない限り、本発明によって得られることが求められる所望の特性に応じて変わりうる近似である。少なくとも、均等論の原則の適用を特許請求の範囲に限定しようとする試みとしてではなく、各数値パラメータは、有効桁数及び通常の丸め技術を考慮して解釈されるべきである。
【0109】
本発明の広範な範囲を記載している数値範囲及びパラメータは、近似であるが、実施例に記載されている数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、いかなる数値も、それらのそれぞれの試験測定において見出される標準偏差からどうしても結果として生じてしまう、ある特定の誤差を本質的に含んでいる。
【0110】
本発明を記載してきたが、本発明は、下記の実施例においてより詳細に説明され、該実施例は、単に例示目的の為に本明細書内に含まれており、本発明を制限することが意図されていない。
【0111】
実施例1:低リスクMDS及びCMMLを包含するMDSにおける経口用デシタビン/セダズリジン対静注用(IV)デシタビン(第3相臨床試験)
【0112】
骨髄異形成症候群(MDS)は、体細胞変異の獲得、非効率的な造血(ineffective hematopoiesis)、末梢血細胞減少、及び急性骨髄性白血病(AML:acute myeloid leukemia)への高い進行リスクによって特徴付けられる一連の骨髄性悪性腫瘍を含む1。唯一の既知の根治的処置は同種の造血幹細胞移植(HSCT:hematopoietic stem cell transplantation)であるが、多くの患者はHSCTを受けることができず、DNAメチル化酵素阻害剤(DNMTi)であるアザシチジンとデシタビンは、高リスクのMDSを有する患者の為の疾病修飾療法として、及び低リスクのMDSを有する患者の一部の為の、標準ケアである2。最近まで、MDSにおいて使用する為の承認されているDNMTiは両方とも非経口投与であり、患者は28日間の処置サイクルのうち5日間又は7日間、毎日処置センターに通院する必要があった。効果を持続させるためには継続的な処置が必要であり3、これらの非経口レジメンは、MDSに罹患した高齢者集団(診断時の年齢中央値73歳)にとって大きな負担である2。患者は、治療の間及び治療の後に、予約の為の移動手段及びサポートを必要とし得4~6、及びSARS-CoV-2パンデミックの間には、既存の感染リスクが悪化した7,8
【0113】
両方のDNMTiの経口バイオアベイラビリティは、腸及び肝臓中に存在する酵素シチジンデアミナーゼによる初回通過排泄の故に低く、経口投与可能なDNMTiの開発は、この薬剤クラスが導入されて以来の目標であった9,10。シチジンデアミナーゼを阻害することは、デシタビンの経口全身曝露量を治療血漿濃度まで増加させる為の1つ戦略である。セダズリジンは、競合的シチジンデアミナーゼ阻害剤から誘導された合成ヌクレオシド類似体である。第1相である用量探索試験により、MDSにおける静注用(IV)デシタビンの標準的な5日間レジメンに最も近い全身曝露をもたらす経口用デシタビン及びセダズリジンの用量(夫々、30~40mg及び100mg)の用量が特定された11。第2相である無作為化クロスオーバー試験により、経口用デシタビン35mg及び経口用セダズリジン100mgを別々のカプセルとして同時に投与し、そして次に、固定された用量(fixed-dose)として投与することで、デシタビン曝露、DNA脱メチル化を生じ、そして、静注用(IV)デシタビンの安全性と同等の安全性が得られること、ここで、臨床反応は静注用(IV)デシタビンについて報告されたものと同等の臨床効果であることが確認された12,13。ここでは、5日間にわたる経口用デシタビン/セダズリジン及び静注用(IV)デシタビンの患者内全身曝露量を比較した第3相試験の結果が提示されている。薬力学(DNA脱メチル化)、臨床反応、生存期間及び安全性がまた評価された。
【0114】
方法
【0115】
試験設計及び監督:適格な患者は、最初の2つの28日処置サイクルの場合に、1:1の比で、下記の投与される2つのシーケンスのいずれか1つに無作為に割り当てられた:1サイクル目は経口用デシタビン/セダズリジン(1日1回1錠、デシタビン35mgとセダズリジン100mgとを含む)、及び2サイクル目は静注用(IV)デシタビン(20mg/m2/日、1時間の連続静注IV注入)14(シーケンスA)、又はその逆(シーケンスB)。各処置は28日サイクルの最初の5日間連続して行われた。2サイクル目以降、患者は疾病の進行、許容できない毒性、又は他の理由での処置中止まで、28日サイクルの最初の5日間、経口用デシタビン/セダズリジンでの処置を受けた。非経口DNMTiでの標準的な臨床処置と一致して、血液学的又は非血液学的回復の為に必要と判断された場合には、サイクルが遅らされたり、又は用量が減らされたりすることが可能であった。
【0116】
プロトコルはNEJM.orgで入手可能である。経口用デシタビン/セダズリジンからの恩恵を受けた患者には、生存期間と長期安全性を評価する延長試験に参加するオプションが提供され、それは該文献(ClinicalTrials.gov Identifier:NCT04093570)に記載されている。
【0117】
カナダ(7施設)及び米国(30施設)の37箇所の参加研究施設の各々で、治験審査委員会(institutional review board)又は独立した倫理委員会(ethics committee)がプロトコル及び修正案を承認した。本試験は、プロトコル、医薬品の臨床試験の国際実施基準(International Council for Harmonisation Good Clinical Practice)ガイドライン、及び適用される現地の要件に従って実施された。各患者にはインフォームドコンセントが提供された。臨床反応は独立した検討委員会(review committee)によって評価された。
【0118】
資格(Eligibility):静注用(IV)デシタビンを受ける候補者である年齢18歳以上で、米国東海岸癌臨床試験グループ(Eastern Cooperative Oncology Group)のパフォーマンスステータスが0又は1であり、生命予後が3ヵ月以上である患者(前処置歴のある、又は未処置のMDS、国際予後スコアリングシステム(International Prognostic Scoring System)で、中間-1若しくは中間-2、又は高リスクのスコア付けをされた慢性骨髄単球性白血病)14、に参加資格があった。デシタビン又はアザシチジンによる1サイクルの前処置が許可された。DNMTiを2サイクル以上以前に受けたことのある患者は除外された。
【0119】
応答基準(Response criteria)及び評価項目(endpoints):主要評価項目は、1サイクル目及び2サイクル目の為の、経口用デシタビン/セダズリジンと静注用(IV)デシタビン経口との間の5日間にわたるデシタビン総曝露量の比較であり、曲線下面積(AUC:area under the curve)として測定された。副次的パラメータは、他の薬物動態学的測定値;薬力学的測定値(経口用デシタビン/セダズリジン対静注用(IV)デシタビンのDNA脱メチル化、長鎖散在反復配列-1(long interspersed nuclear element-1)[%LINE-1]メチル化分析による測定値)15;International Working Group 2006 MDS応答基準に基づく臨床反応(完全反応[CR:complete response])、骨髄CR、部分応答、及び血液学的改善)16;赤血球又(red blood cell)(RBC)又は血小板の輸血非依存性(ベースライン時に輸血依存性があった患者のうち、最初の試験処置用量後の連続56日以上の輸血非依存性として定義される);無白血病の生存期間及び全生存期間(夫々、LFS及びOS);並びに、安全性を包含した。
【0120】
薬物動態学的評価項目及び薬力学的評価項目は、評価可能な全ての患者が両サイクルを完了した後の1サイクル目及び2サイクル目からのデータのみに基づいて評価された。有効性及び安全性の評価項目は、最終カットオフを通じて全てのデータを用いて算出された。最終データカットオフは、全ての患者が6ヵ月以上のフォローアップを完了するか、又は処置を永久に中止するかのいずれか早い方を行った後に行われた。
【0121】
統計解析:一次解析は、経口用デシタビン/セダズリジンと静注用(IV)デシタビンとの間の0~24時間のデシタビン5日間(AUC0~24)の場合の幾何最小二乗平均(LSM:least-squares mean)比についての2回の片側同等性検定(two one-sided equivalence tests)から構成された。この解析では、統計学的有意水準0.05において90%の検出力を提供する為に、合計118人の患者が計画され、幾何平均の真の比が1.0、対数化無しスケールでの患者内の変動係数(CV:coefficient of variation)が0.55、及び幾何平均の比の90%信頼区間(CI;confidence interval)の等価限界が0.8及び1.25であると推定された。10%の患者が評価不能であると仮定すると、132人の患者が無作為に割り当てられる予定であった。CV 0.55は、患者内のCVを0.5と推定した先行研究に基づいて保守的な値として選択された12。幾何学的LSM比の両側90%CIが事前に規定された80%~125%の範囲内である場合に、両処置法は同等であると見なされた。
【0122】
統計学的検定及びCIは全て両側検定であり、αは0.05であった。SAS(登録商標)9.4統計パッケージ(SAS Institute Inc.,Cary,NC)が解析の為に使用された。薬物動態解析は、Phoenix(登録商標)WinNonlin(登録商標)7.0(又はそれ以上;Certara,L.P,Princeton,NJ)を用いて実行された。
【0123】
主要評価項目の解析は、1サイクル目及び2サイクル目に全処置用量を受け且つ経口用デシタビン/セダズリジンと静注用(IV)デシタビンとの両方についてAUC0~24が得られたところの患者(すなわち、ペアサイクル)からのデータに基づいた。経口療法の場合に、投与後6時間以内に嘔吐すること無しに、投与予定時刻から3時間以内に処置が行われなければならなかった。静注用(IV)デシタビンサイクルにおいて、1日目又は5日目のデシタビンAUC0~24の少なくともいずれかの測定が評価可能であることが必要であった。デシタビンの血漿濃度のピークは、経口投与及び静脈(IV)療法のいずれにおいても投与後1時間以降に検出されたが、静脈(IV)処置後5日目では処置後30分でピークに達した。記述統計量(Descriptive statistics)が薬物動態値の為に算出された。
【0124】
経口用デシタビン/セダズリジンの自然対数変換された5日間AUC0~24について、静注用(IV)デシタビンと比較して分散分析が行われた。
【0125】
結果
【0126】
患者及び処置:合計すると全部で173人の患者がスクリーニングされ、そして、138人が2つの処置シーケンスの間で1:1に無作為に割り当てられた(図1)。5人の患者は処置を受けず、133人が有効性と安全性の分析に含まれた。ほとんどの処置患者(n=110)が米国に基づく施設から登録され、残りの23人はカナダにおける施設から登録された。フォローアップの中央値は966日(約2.6年,範囲868~1208日)であった。
【0127】
ほとんどの患者(88%)がMDSを有した(下記の表1)。ベースライン特性は処置シーケンスの間で概ねバランスが取れていた。シーケンスA(最初に経口療法)では、CMMLを有する患者の割合が低く、高リスクのMDSを有する患者の割合が高く、ベースラインの好中球が低い患者の割合が高く、ベースラインの好中球が高い患者の割合が低かった。
【0128】
【表3】
【0129】
*体重SI換算係数:従来単位×0.453592;ヘモグロビンSI換算係数、従来単位×0.1;好中球換算係数,従来単位×0.001;血小板換算係数,従来単位×1。
†n=6。
‡n=132。
§低リスクの骨髄異形成症候群(MDS)を有する患者は、デシタビンの添付文書に従ったフランス・アメリカ・イギリスの分類基準に従って適格とされた14
BSA(body surface area)体表面積;CMML(chronic myelomonocytic leukemia),慢性骨髄単球性白血病;ECOG(Eastern Cooperative Oncology Group),米国東海岸癌臨床試験グループ;DNMTi(DNA methyltransferase inhibitor),DNAメチル化酵素阻害剤;IPSS(International Prognostic Scoring System);RBC(red blood cells)赤血球;SD(standard deviation)。
【0130】
ほとんどの患者(n=129[97%])は少なくとも2サイクルの処置を受けた。患者は中央値で9サイクル(範囲1~28)の処置を受けた。ほとんどの患者(n=100[75%])は少なくとも1回目の投与が延期され;半数以上(n=72[54%])は少なくとも1回の用量が減らされたサイクルを受けた。処置期間の中央値は8.18ヵ月(範囲0.2~30.9)であり、59%の患者が6ヵ月以上処置され、及び39%の患者が12ヵ月超処置された。処置中止についての最も多かった1つの理由は造血細胞移植を受けたことであった(20%;図1)。合計すると、処置された患者133人中123人がペアのPKサンプルを有し、及び主要評価項目解析内に組み入れられた。除外理由には、サンプルの完全性又はデータの質の問題(夫々、n=2及びn=5;例えば、点滴静注(IV)ラインの第2内腔から採取されたサンプル)及び1回の処置サイクル(点滴静注(IV),n=3)のみの投与が含まれた。
【0131】
薬物動態及び薬力学:経口用デシタビン/セダズリジンと静注用(IV)デシタビンとの間のデシタビン5日間AUC0~24の幾何学的LSM比は98.9%(90% CI92.7%,105.6%)であり、それは、事前に規定された80%~125%の範囲内であった(下記の表2)。二次的な薬物動態パラメータはこれらの所見を裏付けるものであった(表S2)。ピーク濃度は、経口投与と比較して静脈(IV)内投与の後で高かった(図2A)。血漿濃度は、ほとんどの患者において脈内(IV)内投与後4時間まで、及びほとんどの患者で経口投与後6時間まで、定量下限値を超えたままであった(図2B)。
【0132】
【表4】
【0133】
*経口/静脈IV内幾何最小二乗平均(LSMs:geometric least-squares means)の比(%)。
†データの信頼性/質の問題の為に、一部の患者のデータは除外している。
‡データの信頼性/質の問題の為に主要評価項目から除外されたデータを含む。
AUC0~24,直近24時間の投与間隔における曲線下面積;D/C,経口デシタビン/セダズリジン;
CI(confidence interval),信頼区間;CV(coefficient of variation),変動係数。
【0134】
1サイクル目及び2サイクル目における経口用デシタビン/セダズリジンと静注用(IV)デシタビンとの最大脱メチル化率の差は1%未満であり、0を含む狭いCIであった(下記の表3)。%LINE-1最大脱メチル化率は、両処置の場合に1サイクル目より2サイクル目の方が数値的に低かったが、これらの値間の統計的比較は行われなかった。
【0135】
【表5】
【0136】
D/C,デシタビン/セダズリジン;CI(confidence interval),信頼区間;LINE-1(long interspersed nuclear element-1),長鎖散在反復配列;LSM(least squares means),最小二乗平均値。
【0137】
有効性:合計すると、全患者の88%(117/133例)が有効性の為の評価が可能であった。有効性の評価が不可能であった理由には、フォローアップの骨髄の結果がないこと、又は完全な評価の為に必要な他のデータがなかったことが含まれた。
【0138】
全応答率は、応答判定不能例(133/133例)を含む全集団で62%であった。評価可能な117人の患者のうち、70%が臨床的反応を示し、25%がCRに達した(下記の表4)。初回反応までの期間中央値及び最良反応までの期間中央値は夫々、約2ヵ月(58日[範囲7~340日])及び約3.3ヵ月(100日[範囲28~570日])であった。最良応答の中央値及びCRの持続期間の中央値は夫々、約1年(371日[95%CI 289,439])及び約14ヵ月(430日[95%CI 355,568])であった。
【0139】
【表6】
【0140】
図3は、対象の無白血病の生存期間についてのカプラン・マイヤー・プロットである。図4は、対象の全生存期間についてのカプラン・マイヤー・プロットである。図5は、CMML又はInt-1又は低リスクMDSを有する対象の無白血病生存期間についてのカプラン・マイヤー・プロットである。図6は、CMML又はInt-1又は低リスクMDSを有する対象の全生存期間についてのカプラン・マイヤー・プロットである。図3~4について、シーケンスAとは、1サイクル目において経口用デシタビン/セダズリジンを投与し、そして2サイクル目において静注用(IV)デシタビンを投与した対象を云う。シーケンスBとは、1サイクル目において静注用(IV)デシタビンを投与し、そして2サイクル目において経口用デシタビン/セダズリジンを投与した対象を云う。
【0141】
全MDS対象(全集団)についての全生存期間の中央値は966日、すなわち約32ヵ月である。これはアザシチジンでのMDSの処置で認められた全生存期間の中央値よりも有意に高い。これはまた、デシタビン単独投与でのMDSの処置で認められた全生存期間の中央値よりも有意に高い。従って、MDS患者を処置する為に経口用セダズリジン及びデシタビンを投与することにより、全生存期間の中央値において予想外に優れた改善が提供される。
【0142】
処置された患者のうち、41%(54/133患者)はベースライン時にRBC輸血に依存していた。これら54人の患者の半数超(n=28[52%])は試験期間の間にRBC輸血を必要としなくなった。同様に、ベースライン時に血小板輸血を必要とした患者の半数(6/12患者)は血小板輸血から独立した。各輸血カテゴリにおける患者のおよそ1/3は、連続112日以上輸血非依存であった。
【0143】
処置された患者の半数未満(47%;62/133患者)がAMLに進行するか又は死亡した。LFSの中央値及びOSの中央値は夫々、約29ヵ月(889日)及び約32ヵ月(966日)であった。患者の44%(n=58)が試験中に死亡した。
【0144】
安全性:最初の2つの処置サイクルにおいて何らかの有害事象(AE:adverse event)を有する患者の割合は、経口療法と静脈内IV療法で同様であった(夫々、98%及び96%;下記の表5)。ほとんどの重篤な有害事象は試験処置とは無関係であると考えられた。しかしながら、試験の間に8%の患者(11/133患者)は、致死的な処置起因性の重篤な有害事象を有した。これらの死亡のうち5患者(5/11患者)は試験医薬に関連していると考えられ、2患者は経口治療(敗血症及び肺炎)、3患者は静脈内IV処置(敗血症性ショック[n=2]及び肺炎[n=1])に関連していると考えられた。最初の2処置サイクルの間の有害事象での処置中止率は低く(各1患者)、及び各グループにおいて同じであった。経口処置に起因する臨床的に意味のある有害事象における増加は観察されなかった。
【0145】
【表7】
【0146】
*処置中に発生した有害事象(TEAEs:Treatment-emergent adverse events)は、Medical Dictionary for Regulatory Activities Version 22.0を用いてコード化され、そして、経口デシタビン/セダズリジン(D/C)における発生率の降順でリスト化された。
* 経口デシタビン/セダズリジン集団の10%以上。
† 経口デシタビン/セダズリジン集団の5%以上。
【0147】
経口用デシタビン/セダズリジンでの処置に関連すると考えられる最も一般的な処置緊急性有害事象は、好中球減少、血小板減少、貧血、白血球減少、疲労、及び悪心であった。食欲減退及び悪心は、最初の2処置サイクルにおいて、静注用(IV)デシタビンよりも経口用デシタビン/セダズリジンを投与された患者の方が高い割合で生じた。
【0148】
議論
【0149】
この試験は、DNMTiの経口製剤と静脈内(IV)製剤との間の全身曝露量が同等であることを実証した初めての第3相試験である。全身AUC曝露量は経口投与と静脈内(IV)投与との間で同等であった(幾何学的LSM比99%[90% CI 93%,106%;表2)。脱メチル化率は1%未満であり、薬力学的に同等であることを実証した(表3)。シーケンス間(すなわち、経口投与が最初に投与されるか又は静脈内(IV)投与が先に投与されるか)にはほとんど差がないという所見が示された。効果は、経口用デシタビン/セダズリジン療法と静注用(IV)デシタビン療法とを比較した第2相試験において報告されたものと同様である12。これらの所見は、経口用デシタビン/セダズリジンと静注用(IV)デシタビンとの生物学的効果は類似しているという結論を裏付ける。
【0150】
投与頻度は、28日間の各処置サイクルの最初の5日間を1日1回とし、両製剤とも同一である。これらの所見に基づき、米国食品医薬品局(the US Food and Drug Administration)は2020年7月に経口用デシタビン/セダズリジンを静注用(IV)デシタビンと同じ適応症で承認した14,17
【0151】
経口用デシタビン/セダズリジンの安全性プロファイルは、静注用(IV)デシタビンの安全プリファイルと同等であった13。処置緊急性有害事象及び死亡はこの試験の両群で同程度であったが、最初の2処置サイクルにおいて1処置以上の処置関連重篤有害事象を報告した患者の割合は、経口療法で処置された患者で高かったことが明らかであった(9%対3%)。1人の患者が第2サイクルにおける経口療法を投与されている間に処置関連の重篤な有害事象を発症したが、治験責任医師はその有害事象を1サイクル目において与えられた静注用(IV)デシタビンに関連するものと見なした。この差を考慮した再計算により、重篤な有害事象発生率は経口療法及び静脈内(IV)療法で夫々、8%及び4%を与えた。
【0152】
高い割合の患者(7/11患者)において、経口療法における処置関連の重篤な有害事象は発熱性好中球減少症であった。経口療法を最初に受けた患者(1サイクル目)はベースラインの好中球減少症の割合が高く、発熱性好中球減少症の症例と一致していた。経口療法を最初に受けた患者はまた、静脈内(IV)療法を最初に受けた患者よりも高リスクのMDSの割合が高く及びデシタビン処置歴のある患者の割合が高かった。しかしながら、これらの要因が安全性の所見に影響を与えたかどうかは不明である。更なる解析により、最初の2サイクルにおいて経口療法を受けた患者の間での処置関連の重篤な有害事象の高い発生率は、ランダムなばらつきによるものでありうることが示唆された。
【0153】
応答期間と生存期間との比を試験間で比較するときには注意が必要であるが、本試験における62%の全応答期間の比は、静注用(IV)デシタビン(32%)及び他のDNMTi非経口投与アザシチジン(44%~60%)の臨床試験において報告された全応答期間の比と比較して良好なものであった13,18~20。同様に、本試験における生存期間の中央値32ヵ月は、臨床試験における静注用(IV)デシタビン(14.0~19.4ヵ月)及び非経口用アザシチジン(12.0~24.5ヵ月)の過去の報告を上回っている13,18~21。しかしながら、実際の生存期間は臨床試験において観察された生存期間よりも低い。DNMTi療法を受けている患者の間の2つのSEER-Medicareに基づく解析におけるOS比の中央値は12.3ヵ月と13.1ヵ月であった22,23
【0154】
該試験において移植に移行した患者の割合は20%に達し、MDS及びCMMLについてDNMTiを投与されている患者におけるこれまでの移植率を上回り18,24、そして、経口用デシタビン/セダズリジンが移植への橋渡しとして使用されうることを示唆している。
【0155】
がん療法の経口製剤は、患者の健康関連の生活の質(quality of life)の為に重要である。非経口DNMTi療法を受けている患者の大多数は、オンライン調査において、静脈内(IV)処置及び皮下処置は該患者の社会活動(夫々、72%及び81%)及び日常生活(夫々、70%及び87%)を妨げ、痛み(夫々、66%及び92%)を引き起こすと報告している4。文献レビューは、一般的に患者は静脈内(IV)がん療法よりも経口がん療法を好み、並びに自宅で処置を受けられる利便性を重視することを報告した25。これらの所見は、SEER-Medicareのリンクデータリソースを用いた実臨床試験において、高リスクMDSを有する患者(N=1190;DNMTi療法を開始しなかった割合[44%]及び維持しなかった割合[25%;4サイクル未満又は90日以上の間隔が空いたとして定義される]が高い)におけるDNMTiの明らかな使用不足を、少なくとも部分的には説明しうる22。高齢(80歳超)、未婚、合併症の多さ、及びパフォーマンスステータスの低さは、DNMTi療法を使用する可能性の低さと関連付けられた。DNMTi療法を開始するところの、MDSを有する患者の45%は、早期中止が再発及び予後不良に関連付けられているという証拠があるにもかかわらず、各薬剤で推奨されている4サイクル以下の処置しか受けていないと推定される23。これらの所見は、患者についての処置負担を軽減し、及び処置の間の健康関連の生活の質(quality of life)を改善する為の必要性を強調している。
【0156】
CC-486、すなわちDNMTiであるアザシチジンの経口剤、は、CR中に平均1サイクルの強化化学療法(consolidation chemotherapy)を受けた年齢が55歳超の患者において、プラセボと比較してOSが改善したことを実証し、CR後のAMLの為の維持療法として現在使用可能である。CC-486は、MDS又はCMMLの処置の為には承認されていないが、長期投与スキーマ(dosing schemata)(例えば、AML又はMDSでは28日サイクルのうち14~21日)において試験されており26,27、及び、低リスクMDSにおける第3相試験においても試験されている28。後者の試験において、RBS輸血の非依存性における改善があったものの、早期死亡率の上昇をもたらした。CC-486/経口用アザシチジンは活性であるが、MDS及びCMMLの為に使用されるアザシチジンの注射剤と生物学的に同等でなく、また互換性もない。MDS、CMML又はAMLを有する患者におけるセダズリジン/アザシチジンの経口併用療法が進行中である(ClinicalTrials.gov NCT04256317)。
【0157】
本試験の強みは、患者が該患者自身の対照として機能するクロスオーバーデザイン(crossover design)であり、それによって、最初の2処置サイクルの間の経口製剤と静注用(IV)製剤との間の患者内比較が容易になることである。全ての患者が2サイクル目以降に経口用デシタビン/セダズリジンを受け、従って、経口製剤と静脈内(IV)製剤の安全性及び有効性が試験期間全体で比較されなかった。経口用デシタビン/セダズリジンと非経口デシタビンの生物学的同等性、及び臨床プロファイルが静注用(IV)デシタビンと一致していることから、規制当局により非劣性評価は必要ないとみなされた。
【0158】
要約すると、本試験はMDS又はCMML患者の処置におけるDNMTiの経口剤と静注剤の薬理学的同等性を証明した最初の第3相試験である。現在、過剰な形質転換芽細胞を伴う難治性の貧血患者又は芽細胞が30%未満のAML患者を対象とした経口用デシタビン/セダズリジンの薬物動態試験からのデータが準備中である。経口DNMTiの利用可能になることによる、患者の処置負担が軽減され、この処置法の開始と継続が増加し、OSと患者の健康関連の生活の質(quality of life)が改善する可能性がある。それはまた、MDSについての全経口併用療法の開発を容易にする。ベネトクラクス(Venetoclax)、すなわち、経口B細胞リンパ腫-2蛋白質、は、経口用デシタビン/セダズリジンとの組み合わせでMDSにおいて試験中である(ClinicalTrials.gov NCT04655755)。
【0159】
参考文献
【0160】
実施例2:経口用デシタビン/セダズリジンで処置された二対立遺伝子のTP53変異MDS対象における延長された生存期間
【0161】
MDS患者におけるTP53変異(TP53mut)は、予後不良の独立した予後因子として特徴付けられている。これらの患者は、低メチル化剤(HMAs:hypomethylating agents)に対して同様の応答率を有しうるが、野生型(WT)TP53を有する患者と比較して全生存期間(OS:overall survival)が著しく低下しうる(9.4カ月対20.7カ月;Takahashi et al.,Oncotarget,2016,7:14172-14187を参照)。更なる解析により、非常に異なる生存期間結果を有する単一対立(MA:monoallelic)及び二対立(BA:bi-allelic)/マルチヒット(multi-hit)TP53mut集団が定義された(8.4カ月対30カ月;Bernard et al.,Nat.Med.,2020 Oct;26(10):1549-1556を参照)。経口用デシタビン/セダズリジン(ASTX727)は、デシタビン(35mg)とシチジンデアミナーゼ阻害剤セダズリジン(100mg)との固定された用量の組み合わせ物(fixed dose combination)であり、薬物動態学的(PK:pharmacokinetic)曝露量は、標準的な静注用(IV)デシタビンレジメンである28日サイクルの1日20mg/m2×5日間と同等である。ASCERTAIN試験にはMDS及び慢性骨髄単球性白血病(CMML)の対象が登録され、及び静注用(IV)デシタビンと比較して、経口用デシタビン/セダズリジンのPK(AUC)と同等であることを示す主要評価項目が達成された(Garcia-Manero et al.,“Pharmacokinetic Exposure Equivalence and Preliminary Efficacy and Safety from a Randomized Cross Over Phase 3 Study (ASCERTAIN study) of an Oral Hypomethylating Agent ASTX727 (cedazuridine/decitabine) Compared to IV Decitabine,” ASH 2019));全生存期間(mOS)中央値は31.7カ月であった(Savona et al.,“Prolonged Survival Observed in 133 MDS Patients Treated with Oral Decitabine/Cedazuridine,” 2021 Virtual 16th MDS Conferenceを参照)。ASCERTAINに登録された対象の変異プロファイルの予備的解析が行われ、そして、TP53変異集団に焦点を当てたNCCN MDSパネルに基づいて、全生存期間及び無白血病の生存期間に対する影響が評価された。
【0162】
MDS/CMMLを有する133名の患者がASCERTAINに登録され、そして、1サイクル目に静注用(IV)デシタビン、そして、2サイクル目に経口用デシタビン/セダズリジンの処置シーケンスと、逆の処置シーケンスのいずれかに無作為に割り当てられた。2サイクル目以降も継続する全ての対象には、疾病進行、毒性、患者の決定、又は造血幹細胞移植での処置中止まで、その後の全てのサイクルにおいて経口用デシタビン/セダズリジンの投与が行われた。処置前に採取された全血がDNA分離の為に使用され、NCCN MDSパネルからの30遺伝子を含む179遺伝子の次世代シーケンシング(NGS:next generation sequencing)血液悪性腫瘍パネルを用いて分子異常が同定された。
【0163】
処置された133人の対象のうち、125人の対象についてNGS解析が利用可能であった。下記の以下の遺伝子において変異を有する対象の割合は下記の通りであった:TET2(36.8%)、TP53(35.2%)、ASXL1(28%)、DNMT3A(25.6%)、SRSF2_MFSD11(17.6%)、SF3B1(15.2%)、STAG2(12.8%)、EZH2(11.2%)、RUNX1(11.2%)、U2AF1(10.4%)、BCOR(10.4%)、CBL(8.8%)。TP53、EZH2、RUNX1、CBL、DNMT3A、SF3B1及びASXL1は、OS及び無白血病の生存期間(LFS:leukemia-free survival)に対する負の影響の報告に基づいて、更なる分析の為に選択された。TP53及びCBLの変異は、WT遺伝子の状態と比較して、OS(ハザード比(HR:Hazard Ratio)及び95%CI:夫々、1.70(1.00,2.87)及び2.54(1.19,5.43))及びLFS(HR及び95%CI:夫々、1.63(0.98,2.72)及び2.01(0.95,4.26))の悪化と密接に関連づけられていたが、DNMT3A変異を有する対象は、WT遺伝子の状態よりもOS及びLFSと有利な関係を示す傾向を示した。TP53mut集団(N=44)は、年齢中央値70.5歳、男性63.6%:女性36.4%、MDS 91%:CMML 9%、IPSSカテゴリ:HR 20%、Int-2 30%、Int-1 39%、LR 2%、NA 9%、細胞遺伝学的特徴:ベターリスク(better-risk)27%、中間リスク(intermediate risk)18%、プアリスク(poor risk)48%、N/A 5%、ECOG 0:39%、1:61%、MA 68%、BA/マルチヒット(multi-hit)32%であった。TP53mut集団のOSとLFSの中央値は夫々、TP53WTグループと比較して25.5ヵ月と22.1ヵ月であり、並びにOS及びLFSの推定値は夫々、33.7ヵ月及び31.7ヵ月であった(図7)。TP53変異集団は、対立遺伝子状態によって更に特徴付けられ、BA変異を有する14人の対象と、他の染色体欠失を伴わないMA TP53変異を有する30人の対象がいることが分かった。BA対MAにおける個々の推定mOS及び95%CIは、13.0(5.3,29.1)ヵ月対29.2(19.8,NE)ヵ月であった(図8)。
【0164】
結論として、ASCERTAIN試験におけるMDS及びCMML対象のNGS変異プロファイルには、TP53mutが35%含まれており、このグループは、WT TP53を有するグループよりも悪い生存期間を有し、これは明らかに、BA TP53mutを有するグループの予後不良によるものであると考えられる。控えめに見積もって、ASCERTAIN試験における経口デシタビン/セダズリジンでの処置では、BA TP53mutの推定生存期間は13カ月であり、これは過去の結果と比較しても遜色ない。
【0165】
本発明の精神から逸脱すること無しに、多数且つ様々な変更が為されることができることは、当業者によって理解されるであろう。それ故に、本発明の形態は例示に過ぎず、本発明の範囲を限定することが意図されるものではないことが明確に理解されるべきである。
【0166】
本明細書において引用されている、全ての刊行物、特許出願、特許、GenBank(登録商標)データベースのアクセッション番号で同定される配列、及び他の参考文献は、参照により提示されている文及び/又は段落に関連する教示について、それらの全体が参照によって取り込まれる。
【0167】
前述の実施例は、本発明の例示であり、本発明を制限するものとして解釈されるべきでない。本発明は添付の特許請求の範囲によって定義され、特許請求の範囲の均等物はその中に含まれるべきである。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】