IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バード・アクセス・システムズ,インコーポレーテッドの特許一覧

特表2024-531803イントロデューサアダプタ及びイントロデューサアセンブリ
<>
  • 特表-イントロデューサアダプタ及びイントロデューサアセンブリ 図1
  • 特表-イントロデューサアダプタ及びイントロデューサアセンブリ 図2
  • 特表-イントロデューサアダプタ及びイントロデューサアセンブリ 図3
  • 特表-イントロデューサアダプタ及びイントロデューサアセンブリ 図4
  • 特表-イントロデューサアダプタ及びイントロデューサアセンブリ 図5
  • 特表-イントロデューサアダプタ及びイントロデューサアセンブリ 図6
  • 特表-イントロデューサアダプタ及びイントロデューサアセンブリ 図7
  • 特表-イントロデューサアダプタ及びイントロデューサアセンブリ 図8
  • 特表-イントロデューサアダプタ及びイントロデューサアセンブリ 図9A
  • 特表-イントロデューサアダプタ及びイントロデューサアセンブリ 図9B
  • 特表-イントロデューサアダプタ及びイントロデューサアセンブリ 図9C
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】イントロデューサアダプタ及びイントロデューサアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
A61M25/06 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517461
(86)(22)【出願日】2022-09-21
(85)【翻訳文提出日】2024-05-16
(86)【国際出願番号】 US2022044242
(87)【国際公開番号】W WO2023049174
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】63/246,700
(32)【優先日】2021-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511300891
【氏名又は名称】バード・アクセス・システムズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107249
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 恭久
(72)【発明者】
【氏名】ハウエル、グレード エイチ.
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA03
4C267AA17
4C267BB02
4C267BB26
4C267BB33
4C267CC08
4C267HH08
(57)【要約】
イントロデューサアダプタおよびイントロデューサアセンブリが開示されている。一例において、イントロデューサアセンブリは、シリンジ(106)と、針(104)と、シリンジと針との間に流体連結されたイントロデューサアダプタ(102)と、を含み得る。イントロデューサアダプタは、主導管(112)と、主導管の側面から延びている副導管(114)と、主導管又は副導管の近位部分を封止するエラストマー隔壁(136)を含む弁(128)と、を含み得る。任意選択的に、アクセスガイドワイヤ(110)が、イントロデューサアダプタ内に装填され、弁によってイントロデューサアダプタの内部に封止される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イントロデューサアセンブリであって、
シリンジと、
針シャフトと前記針シャフトの遠位部分における針先端部とを含む、針と、
前記シリンジと前記針とを共に流体連結するイントロデューサアダプタであって、
主導管と、
前記主導管の側面から延びている副導管と、
前記主導管又は前記副導管の近位部分を封止するエラストマー隔壁を含む弁と、
を含む、イントロデューサアダプタと、
前記イントロデューサアセンブリの展開準備完了状態において、前記イントロデューサアダプタ内に装填され、前記弁によって前記イントロデューサアダプタの内部に封止される、アクセスガイドワイヤであって、前記イントロデューサアセンブリの前記展開準備完了状態において、前記ガイドワイヤのガイドワイヤ先端部が、前記針先端部と前記アクセスガイドワイヤのベアワイヤ部分の周囲を封止する前記隔壁とのすぐ近位の前記針シャフトに設けられる、アクセスガイドワイヤと、を備える、イントロデューサアセンブリ。
【請求項2】
前記弁は、非エラストマーの円筒形又は円錐形の挿入部であって、前記挿入部の開口部を封止する前記隔壁を備える、挿入部であり、前記弁は、前記主導管又は前記副導管の前記近位部分内に配置されている、請求項1に記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項3】
前記弁は、エラストマーグロメットであって、前記グロメットの空洞を封止する、前記エラストマーグロメットと一体の隔壁を備える、エラストマーグロメットであり、前記弁は、前記主導管又は前記副導管の前記近位部分内に配置されている、請求項1に記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項4】
前記隔壁は、前記主導管又は前記副導管の前記近位部分において凹設されている、請求項2または3に記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項5】
前記弁は、前記副導管の前記近位部分を封止している、請求項1から4のいずれか一項に記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項6】
前記弁は、前記主導管の前記近位部分を封止している、請求項1から4のいずれか一項に記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項7】
前記主導管の前記近位部分内のイントロデューサアダプタ孔は、前記シリンジのシリンジ先端部のルアーテーパと相補的なルアーテーパを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項8】
前記副導管の前記近位部分内のイントロデューサアダプタ孔は、前記シリンジのシリンジ先端部のルアーテーパと相補的なルアーテーパを含む、請求項1から4および6のいずれか一項に記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項9】
前記イントロデューサアダプタの遠位部分におけるイントロデューサアダプタ先端部は、前記針の針ハブの針ハブ孔のルアーテーパと相補的なルアーテーパを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項10】
前記アクセスガイドワイヤを含むガイドワイヤ管理デバイスを更に含み、前記ガイドワイヤ管理デバイスは、任意選択的に、前記イントロデューサアダプタに連結されている、請求項1から9のいずれか一項に記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項11】
前記ガイドワイヤ管理デバイスは、
ハンドルであって、近位スリーブと、遠位スリーブと、前記アクセスガイドワイヤを操作するために前記アクセスガイドワイヤへのアクセスを提供するように構成された、前記近位スリーブと前記遠位スリーブとの間の間隙と、を含む、ハンドルと、
ガイドワイヤ導管であって、前記近位スリーブに連結されており、前記ガイドワイヤ導管内部での前記アクセスガイドワイヤの無菌状態での保管を提供するように構成されている、ガイドワイヤ導管と、をさらに含む、請求項10に記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項12】
前記遠位スリーブの遠位部分は、前記弁の前記隔壁を穿刺し、前記弁を通して前記アクセスガイドワイヤを送達するように構成されている、一体型隔壁穿刺先端部を含む、請求項11に記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項13】
前記ガイドワイヤ管理デバイスは、前記遠位スリーブの遠位部分に連結された隔壁穿刺先端部を更に含み、前記隔壁穿刺先端部は、前記弁の前記隔壁を穿刺し、前記弁を通して前記アクセスガイドワイヤを送達するように構成されている、請求項11に記載のイントロデューサアセンブリ。
【請求項14】
前記アクセスガイドワイヤは、非外傷性の「J」字形のガイドワイヤ先端部で終端する巻きワイヤ部分を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載のイントロデューサアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、イントロデューサアダプタ及びイントロデューサアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ガイドワイヤは、典型的には、中心静脈カテーテル(central venous catheter、「CVC」)などをガイドワイヤ上において血管内に挿入する前に、イントロデューサアセンブリを用いて血管内に配置される。イントロデューサアセンブリは、典型的には、シリンジに接続された針を含む。イントロデューサアセンブリを用いて血管にアクセスする際に、ガイドワイヤを針の針ハブを通して挿入し、続いて血管内にガイドワイヤを配置することができるように、針をシリンジから接続解除する必要がある。針をシリンジから接続解除すること、及び針ハブ内へとガイドワイヤを挿入することはどちらも、針の過剰な操作に起因して、血管の後壁を穿刺すること、血管へのアクセスを失うこと、又はその両方を引き起こす危険性がある。必要とされているのは、ガイドワイヤを血管内に配置するためにシリンジから針を接続解除する必要のないアダプタである。
【0003】
上記に対処するイントロデューサアダプタ、イントロデューサアセンブリ、及び方法が、本明細書に開示される。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの実施形態において、シリンジと、針と、シリンジと針とを共に流体連結するイントロデューサアダプタと、を含む、イントロデューサアセンブリが本明細書に開示される。イントロデューサアダプタは、主導管と、主導管の側面から延びている副導管と、主導管又は副導管の近位部分を封止するエラストマー隔壁を含む弁と、を含む。任意選択的に、アクセスガイドワイヤが、イントロデューサアダプタ内に装填され、弁によってイントロデューサアダプタの内部に封止される。
【0005】
いくつかの実施形態では、弁は、非エラストマーの円筒形又は円錐形の挿入部であり、挿入部は、挿入部の開口部を封止する隔壁を備える。弁は、主導管又は副導管の近位部分内に配置されている。
【0006】
いくつかの実施形態では、弁は、エラストマーグロメットであり、エラストマーグロメットは、グロメットの空洞を封止する、エラストマーグロメットと一体の隔壁を備える。弁は、主導管又は副導管の近位部分内に配置されている。
【0007】
いくつかの実施形態では、隔壁は、主導管又は副導管の近位部分において凹設されている。
いくつかの実施形態では、弁は、副導管の近位部分を封止している。
【0008】
いくつかの実施形態では、弁は、主導管の近位部分を封止している。
いくつかの実施形態では、主導管の近位部分内のイントロデューサアダプタ孔は、シリンジのシリンジ先端部のルアーテーパと相補的なルアーテーパを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、副導管の近位部分内のイントロデューサアダプタ孔は、シリンジのシリンジ先端部のルアーテーパと相補的なルアーテーパを含む。
いくつかの実施形態では、イントロデューサアダプタの遠位部分におけるイントロデューサアダプタ先端部は、針の針ハブの針ハブ孔のルアーテーパと相補的なルアーテーパを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、イントロデューサアセンブリは、アクセスガイドワイヤを含むガイドワイヤ管理デバイスを更に含む。ガイドワイヤ管理デバイスは、任意選択的に、イントロデューサアダプタに連結されている。
【0011】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ管理デバイスは、ハンドル及びガイドワイヤ導管を更に含む。ハンドルは、近位スリーブと、遠位スリーブと、アクセスガイドワイヤを操作するためにアクセスガイドワイヤへのアクセスを提供するように構成された、近位スリーブと遠位スリーブとの間の間隙と、を含む。ガイドワイヤ導管は、近位スリーブに連結されている。ガイドワイヤ導管は、ガイドワイヤ導管内部でのアクセスガイドワイヤの無菌状態での保管を提供するように構成されている。
【0012】
いくつかの実施形態では、遠位スリーブの遠位部分は、一体型隔壁穿刺先端部を含む。隔壁穿刺先端部は、弁の隔壁を穿刺し、弁を通してアクセスガイドワイヤを送達するように構成されている。
【0013】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ管理デバイスは、遠位スリーブの遠位部分に連結された隔壁穿刺先端部を更に含む。隔壁穿刺先端部は、弁の隔壁を穿刺し、弁を通してアクセスガイドワイヤを送達するように構成されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、アクセスガイドワイヤは、隔壁が周囲を封止するベアワイヤ部分を含む。
いくつかの実施形態では、アクセスガイドワイヤは、非外傷性の「J」字形のガイドワイヤ先端部で終端する巻きワイヤ部分を含む。
【0015】
また、いくつかの実施形態において、主導管と、主導管の側面から延びている副導管と、主導管又は副導管の近位部分を封止するためのエラストマー部材を含む弁と、を含む、イントロデューサアダプタが本明細書に開示される。
【0016】
いくつかの実施形態では、弁は、非エラストマーの円筒形又は円錐形の挿入部であり、挿入部は、挿入部の開口部を封止するためのエラストマー隔壁を有する。弁は、主導管又は副導管の近位部分に配置されている。
【0017】
いくつかの実施形態では、弁は、エラストマーグロメットであり、エラストマーグロメットは、グロメットの空洞を封止するための、エラストマーグロメットと一体のエラストマー隔壁を備える。弁は、主導管又は副導管の近位部分に配置されている。
【0018】
いくつかの実施形態では、隔壁は、主導管又は副導管の近位部分において凹設されている。
いくつかの実施形態では、弁は、弁を封止するためのエラストマー「O」リングを含む、一体型のTouhy-Borst弁である。弁は、主導管又は副導管の近位部分に一体化されている。
【0019】
いくつかの実施形態では、弁は、弁を封止するためのエラストマー「O」リングを含むTouhy-Borstアダプタである。アダプタは、主導管又は副導管の近位部分に連結されている。
【0020】
いくつかの実施形態では、弁は、副導管の近位部分を封止するためのものである。
いくつかの実施形態では、弁は、主導管の近位部分を封止するためのものである。
いくつかの実施形態では、主導管の近位部分内のイントロデューサアダプタ孔は、シリンジのシリンジ先端部のルアーテーパと相補的なルアーテーパを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、副導管の近位部分内のイントロデューサアダプタ孔は、シリンジのシリンジ先端部のルアーテーパと相補的なルアーテーパを含む。
いくつかの実施形態では、イントロデューサアダプタの遠位部分におけるイントロデューサアダプタ先端部は、針の針ハブの針ハブ孔のルアーテーパと相補的なルアーテーパを含む。
【0022】
本明細書ではまた、血管アクセスを確保するための方法も開示される。本方法は、いくつかの実施形態において、イントロデューサアセンブリ取得ステップと、針経路確立ステップと、アクセスガイドワイヤ前進ステップと、を含む。イントロデューサアセンブリ取得ステップは、イントロデューサアセンブリを取得することを含む。イントロデューサアセンブリは、シリンジと、針と、シリンジと針とを共に流体連結するイントロデューサアダプタと、を含む。イントロデューサアダプタは、主導管と、主導管の側面から延びている副導管と、主導管又は副導管の近位部分を封止するエラストマー隔壁を含む弁と、を含む。針経路確立ステップは、針を用いて患者の皮膚の領域から血管内腔への針経路を確立することを含む。針経路確立ステップ。アクセスガイドワイヤ前進ステップは、血管アクセスの確保のために、アクセスガイドワイヤの少なくともガイドワイヤ先端部を血管内腔へと前進させることを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、本方法は、イントロデューサアセンブリ調整ステップを更に含む。イントロデューサアセンブリ調整ステップは、イントロデューサアセンブリがその展開準備完了状態になるように、イントロデューサアセンブリを調整することを含む。イントロデューサアセンブリの展開準備完了状態では、アクセスガイドワイヤのガイドワイヤ先端部は、針の針シャフトの遠位部分における針先端部のすぐ近位にある。これにより、針経路を確立すると直ちにアクセスガイドワイヤを血管内腔へと前進させることが可能になる。
【0024】
いくつかの実施形態では、本方法は、隔壁穿刺ステップを更に含む。隔壁穿刺ステップは、ガイドワイヤ管理デバイスの遠位スリーブの遠位部分の一体型隔壁穿刺先端部を用いて隔壁を穿刺することを含む。隔壁穿刺ステップは、イントロデューサアセンブリ調整ステップの前に実行される。
【0025】
いくつかの実施形態では、本方法は、隔壁穿刺ステップを更に含む。隔壁穿刺ステップは、ガイドワイヤ管理デバイスの遠位スリーブの遠位部分に連結された隔壁穿刺先端部を用いて隔壁を穿刺することを含む。隔壁穿刺ステップは、イントロデューサアセンブリ調整ステップの前に実行される。
【0026】
いくつかの実施形態では、アクセスガイドワイヤ前進ステップは、ガイドワイヤ先端部が、針内での真っ直ぐな状態から、血管内腔での湾曲した状態に移行することを可能にする。
【0027】
いくつかの実施形態では、本方法は、ガイドワイヤ管理デバイス引き抜きステップを更に含む。ガイドワイヤ管理デバイス引き抜きステップは、アクセスガイドワイヤ前進ステップの後に、イントロデューサアダプタからガイドワイヤ管理デバイスを引き抜くことを含む。ガイドワイヤ管理デバイス引き抜きステップは、アクセスガイドワイヤのベアワイヤ部分の周囲を封止するために隔壁を残す。
【0028】
いくつかの実施形態では、本方法は、血液吸引ステップを更に含む。血液吸引ステップは、針経路の確立を確認するために、シリンジを用いて血液を吸引することを含む。アクセスガイドワイヤのベアワイヤ部分の周囲の隔壁の封止は、血液吸引ステップ中に真空を維持するのに十分である。
【0029】
いくつかの実施形態では、本方法は、針引き抜きステップを更に含む。針引き抜きステップは、患者から針を引き抜くが、アクセスガイドワイヤを血管内腔に残すことを含む。針引き抜きステップは、アクセスガイドワイヤの近位端が針から出るまで、アクセスガイドワイヤの近位部分上においてイントロデューサアダプタと針の両方を引き抜くことを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、針引き抜きステップは、アクセスガイドワイヤの近位部分上においてイントロデューサアダプタと針の両方を引き抜いている間、針経路を含む皮膚の領域又はその付近の定位置にアクセスガイドワイヤを保持することを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、本方法は、シリンジ接続解除ステップを更に含む。シリンジ接続解除ステップは、針引き抜きステップの前にシリンジを接続解除することを含み、それにより、針引き抜きステップ中の真空の生成が防止される。
【0032】
本明細書において提供されるコンセプトのこれら及びその他の特徴は、そのようなコンセプトの特定の実施形態をより詳細に説明する添付された図面及び以下の説明を考慮すると、当業者にとってより明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】いくつかの実施形態による、イントロデューサアセンブリの展開準備完了状態における、針とシリンジとガイドワイヤ管理デバイスとを共に連結するイントロデューサアダプタを含む、イントロデューサアセンブリを示す。
図2】いくつかの実施形態による、イントロデューサアダプタからガイドワイヤ管理デバイスが部分的に引き抜かれている、図1のイントロデューサアセンブリを示す。
図3】いくつかの実施形態による、図1のイントロデューサアセンブリの長手方向断面の詳細図を示す。
図4】いくつかの実施形態による、図2のイントロデューサアセンブリの長手方向断面の詳細図を示す。
図5】いくつかの実施形態による、図2のイントロデューサアセンブリの長手方向断面の別の詳細図を示す。
図6】いくつかの実施形態による、ガイドワイヤ管理デバイスの一体型隔壁穿刺先端部が、イントロデューサアダプタの挿入部の隔壁を通過している、イントロデューサアセンブリの長手方向断面の詳細図を示す。
図7】いくつかの実施形態による、ガイドワイヤ管理デバイスに連結された隔壁穿刺先端部が、イントロデューサアダプタの挿入部の隔壁を通過する準備ができている、イントロデューサアセンブリの長手方向断面の詳細図を示す。
図8】いくつかの実施形態による、イントロデューサアダプタの長手方向断面の詳細図を示す。
図9A】いくつかの実施形態による、第1の弁を示す。
図9B】いくつかの実施形態による、第2の弁を示す。
図9C】いくつかの実施形態による、第3の弁を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
いくつかの特定の実施形態についてより詳細に開示される前に、本明細書において開示されている特定の実施形態は、本明細書において提供されているコンセプトの範囲を限定しないことが理解されるべきである。本明細書において開示されている特定の実施形態は、特定の実施形態から容易に分離でき、本明細書において開示されている他のいくつかの実施形態のいずれかと任意に組み合わせるまたは置き換えることができる特徴を有し得ることも理解されるべきである。
【0035】
本明細書において用いられている用語に関して、用語はいくつかの特定の実施形態を説明することを目的とするものであり、用語は本明細書において提供されているコンセプトの範囲を限定しないことも理解されるべきである。序数(例えば第1、第2、第3など)は一般的に、特徴や段階のグループ内の異なる特徴や段階を区別もしくは識別するために用いられ、連続性や数値による制限を提供しない。例えば、「第1」、「第2」、および「第3」の特徴や段階はその順序で現れる必要はなく、そのような特徴や段階を含む特定の実施形態がその3つの特徴や段階に制限される必要もない。加えて、前述の特徴またはステップのいずれかは、別様に示されない限り、1つ以上の特徴またはステップをさらに含むことができる。「左」、「右」、「頂」、「底」、「前」、「後」等の表記やそれらに似た語句は便宜上用いられ、例えば、特定の決められた位置、方角、方向等を意味することは意図していない。むしろ、そのような表記は、例えば、相対的な位置、方角、方向等を反映させるために用いられる。「a」、「an」、および「the」の単数形は、文脈が単数であることを明確に示していなければ、複数への参照を含む。
【0036】
例えば、カテーテルの「近位の」、「近位部」、または「近位セクション」に関しては、カテーテルが患者に対して使用される際に、臨床医の近くに位置することを意図されたカテーテルの部分またはセクションを含む。同様に、例えば、カテーテルの「近位の長さ」は、カテーテルが患者に対して使用される際に、臨床医の近くに位置することを意図されたカテーテルの長さを含む。例えば、カテーテルの「近位端」は、カテーテルが患者に対して使用される際に、臨床医の近くに位置することを意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの、近位部、近位セクション、または近位の長さは、カテーテルの近位端を含み得る。しかしながら、カテーテルの、近位部、近位セクション、または近位の長さは、カテーテルの近位端を含む必要はない。すなわち、文脈が別のことを示唆しない限り、カテーテルの、近位部、近位セクション、または近位の長さは、カテーテルの、末端部、または末端の長さではない。
【0037】
例えば、カテーテルの「遠位の」、「遠位部」、または「遠位セクション」に関しては、カテーテルが患者に対して使用される際に、患者の近くまたは患者の体内に位置することを意図されたカテーテルの部分またはセクションを含む。同様に、例えば、カテーテルの「遠位の長さ」は、カテーテルが患者に対して使用される際に、患者の近くまたは患者の体内に位置することを意図されたカテーテルの長さを含む。例えば、カテーテルの「遠位端」は、カテーテルが患者に対して使用される際に、患者の近くまたは患者の体内に位置することを意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの、遠位部、遠位セクション、または遠位の長さは、カテーテルの遠位端を含み得る。しかしながら、カテーテルの、遠位部、遠位セクション、または遠位の長さは、カテーテルの遠位端を含む必要はない。すなわち、文脈が別のことを示唆しない限り、カテーテルの、遠位部、遠位セクション、または遠位の長さは、カテーテルの、末端部、または末端の長さではない。
【0038】
その他の意味に定義されていなければ、本明細書において用いられる全ての技術的もしくは科学的な用語は、その分野の当業者によって一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。
【0039】
上述したように、ガイドワイヤは、典型的には、CVCなどをガイドワイヤ上において血管内に挿入する前に、イントロデューサアセンブリを用いて血管内に配置される。イントロデューサアセンブリは、典型的には、シリンジに接続された針を含む。イントロデューサアセンブリを用いて血管にアクセスする際に、ガイドワイヤを、針の針ハブを通して挿入し、続いて、血管内にガイドワイヤを配置することができるように、針をシリンジから接続解除する必要がある。針をシリンジから接続解除すること、及び針ハブ内へとガイドワイヤを挿入することはどちらも、針の過剰な操作に起因して、血管の後壁を穿刺すること、血管へのアクセスを失うこと、又はその両方を引き起こす危険性がある。必要とされているのは、ガイドワイヤを血管内に配置するためにシリンジから針を接続解除する必要のないアダプタである。
【0040】
典型的なイントロデューサアセンブリのように、血管内にガイドワイヤを配置するために、針をシリンジから接続解除する必要のないイントロデューサアダプタ、イントロデューサアセンブリ、及び方法が、本明細書に開示される。このようなイントロデューサアダプタ、イントロデューサアセンブリ、及び方法は、過剰な操作に起因して、血管の後壁を穿刺する又は血管へのアクセスを失うという同じ危険性がないという点で有利である。一実施例では、イントロデューサアセンブリは、シリンジと、針と、シリンジと針とを共に流体連結するイントロデューサアダプタと、を含むことができる。イントロデューサアダプタは、主導管と、主導管の側面から延びている副導管と、主導管又は副導管の近位部分を封止するエラストマー隔壁を含む弁と、を含むことができる。任意選択的に、アクセスガイドワイヤが、イントロデューサアダプタ内に装填され、弁によってイントロデューサアダプタの内部に封止される。別の実施例では、方法は、前述のイントロデューサアセンブリを用いて血管アクセスを確保するための方法を含むことができる。そのような方法は、イントロデューサアセンブリを取得するイントロデューサアセンブリ取得ステップと、針を用いて患者の皮膚の領域から血管内腔への針経路を確立する針経路確立ステップと、血管アクセスの確保のために、アクセスガイドワイヤの少なくともガイドワイヤ先端部を血管内腔へと前進させるアクセスガイドワイヤ前進ステップと、を含むことができる。この場合もまた、これら及び他の特徴は、特定の実施形態をより詳細に説明する添付の図面及び以下の説明を考慮するとより明らかになるであろう。
【0041】
イントロデューサアセンブリ
図1及び図2は、いくつかの実施形態による、イントロデューサアセンブリ100の異なる図を示している。実際には、図1は、イントロデューサアセンブリ100の展開準備完了状態における、針104と、シリンジ106と、アクセスガイドワイヤ110を含むガイドワイヤ管理デバイス108と、を共に連結するイントロデューサアダプタ102を含む、イントロデューサアセンブリ100を示す。図2は、イントロデューサアダプタ102からガイドワイヤ管理デバイス108が部分的に引き抜かれている、イントロデューサアセンブリ100を示す。
【0042】
イントロデューサアセンブリ100は、イントロデューサアセンブリ100の展開準備完了状態では、少なくとも、シリンジ106(又は別の真空生成デバイス)と、針104と、シリンジ106(又は別の真空生成デバイス)と針104とを共に流体連結するイントロデューサアダプタ102と、を含む。アクセスガイドワイヤ110も、いくつかの実施形態においてはアクセスガイドワイヤ110を提供するガイドワイヤ管理デバイス108も、イントロデューサアセンブリ100の展開準備完了状態では存在しなくてもよい。これは、アクセスガイドワイヤ110を、任意選択的に、ガイドワイヤ管理デバイス108を用いて、イントロデューサアセンブリ100内に挿入し、続いて、針104を用いて患者の血管内腔への針経路を確立する際に、患者の血管内腔へと前進させることができるからである。しかしながら、アクセスガイドワイヤ110を含むイントロデューサアセンブリ100の展開準備完了状態は、アクセスガイドワイヤ110がイントロデューサアダプタ102と針104との結合体内に装填され、イントロデューサアダプタ102の弁116によって結合体の内部に封止されるときに有利である。実際には、図示されるように、アクセスガイドワイヤ110は、アクセスガイドワイヤ110のガイドワイヤ先端部192が針104の針先端部180のすぐ近位に位置するように、針104の針管腔内に装填され得る。このようにすると、アクセスガイドワイヤ110は、アクセスガイドワイヤ110を挿入するためにイントロデューサアセンブリ100を更に操作する必要なしに、針経路を確立すると直ちにかつ直接、患者の血管内腔へと前進させるために利用可能である。
【0043】
図3図8は、イントロデューサアセンブリ100及びそのイントロデューサアダプタ102の異なる長手方向断面による異なる図を示している。
図示されるように、イントロデューサアダプタ102は、主導管112と、ある角度(例えば、主導管112の軸線と副導管114の軸線との間に形成される30°の角度)で主導管112の側面から延びている副導管114と、主導管112又は副導管114の近位部分を封止するための後述するようなエラストマー部材を含む弁116と、を含む。
【0044】
とりわけ、イントロデューサアダプタ102は、図示されるように、シリンジ106を主導管112に流体連結するための主構成、又はシリンジ106を副導管114に流体連結するための副構成を有することができる。それに対応して、イントロデューサアダプタ102の主構成は、図示されるように、アクセスガイドワイヤ110を副導管114に挿入するためのものである一方で、イントロデューサアダプタ102の副構成は、アクセスガイドワイヤ110を主導管112に挿入するためのものであり、副導管114又は主導管112へのアクセスガイドワイヤ110の挿入は、任意選択的に、ガイドワイヤ管理デバイス108を用いる。イントロデューサアダプタ102の主構成に従って、シリンジ106が主導管112に流体連結され、アクセスガイドワイヤ110が副導管114に挿入されたとき、シリンジ106は、主導管112を通る針104と軸線方向に整列されており、それにより、針104を用いて血管内腔への針経路を確立する際に、少なくともシリンジ先端部152内への適時かつ明らかな血液フラッシュバックが確実になる。イントロデューサアダプタ102の副構成に従って、シリンジ106が副導管114に流体連結され、アクセスガイドワイヤ110が主導管112に挿入されたとき、シリンジ106は、主導管112を通る針104と軸線方向に整列されておらず、それにより、そのような適時かつ明らかな血液フラッシュバックを損なう可能性がある。とは言うものの、イントロデューサアダプタ102の副構成では、有利なことに、アクセスガイドワイヤ110を、屈曲させることなく、主導管112を通して血管内腔へと真っ直ぐに前進させることができ、それにより、血管内腔へのアクセスガイドワイヤ110の前進が容易になる。
【0045】
主導管112は、主導管112の近位端と遠位端の両方を通って延びている主チャネル118を含む。イントロデューサアダプタ102の主構成では、主導管112又はその主チャネル118の近位部分は、シリンジ106のシリンジ先端部152のルアーテーパと相補的なルアーテーパ(例えば、6%テーパ)を有するイントロデューサアダプタ孔120を含む。任意選択的に、主導管112の近位部分はまた、シリンジハブ146のねじ付きカラー154の雌ねじ156と螺合するように構成された主イントロデューサアダプタフランジ122も含む。しかしながら、イントロデューサアダプタ102の副構成では、主導管112又はその主チャネル118の近位部分は、代わりに、その内部に配置された弁116を含む。代替的に、主導管112の近位部分は、代わりに、そこに連結された弁116を含む。例えば、弁116は、アダプタハブ142の雌ねじが主イントロデューサアダプタフランジ122と螺合されている、後述するTouhy-Borstアダプタとすることができる。イントロデューサアダプタ102の主構成であろうと、又は副構成であろうと、イントロデューサアダプタ102又はその主導管112の遠位部分は、針104の針ハブ178の針ハブ孔190のルアーテーパと相補的なルアーテーパ(例えば、6%テーパ)を有するイントロデューサアダプタ先端部124を含む。図示されていないが、イントロデューサアダプタ先端部124は、任意選択的に、後述するシリンジ106の雌ねじのような雌ねじを有するねじ付きカラーを含み、イントロデューサアダプタ先端部124の周囲のねじ付きカラーは、後述するように、針104の針ハブ178の任意選択的な針ハブフランジと、いわゆるルアーロック式接続を形成するように構成されている。
【0046】
副導管114は、副導管114の近位端を通って主導管112の主チャネル118の中間部分内へと延びている副チャネル126を含む。イントロデューサアダプタ102の主構成では、副導管114又はその副チャネル126の近位部分は、その内部に配置された弁116を含む。代替的に、副導管114の近位部分は、そこに連結された弁116を含む。例えば、弁116は、アダプタハブ142の雌ねじが、主イントロデューサアダプタフランジ122と類似の副イントロデューサアダプタフランジ(図示せず)と螺合されている、後述するTouhy-Borstアダプタとすることができる。しかしながら、イントロデューサアダプタ102の副構成では、副導管114又はその副チャネル126の近位部分は、代わりに、シリンジ106のシリンジ先端部152のルアーテーパと相補的なルアーテーパ(例えば、6%テーパ)を有するイントロデューサアダプタ孔120を含む。任意選択的に、副導管114の近位部分はまた、シリンジハブ146のねじ付きカラー154の雌ねじ156と螺合するように同じく構成された副イントロデューサアダプタフランジも含む。
【0047】
図9A図9Cは、いくつかの実施形態による、主導管112又は副導管114の近位部分を封止するための弁128、130、及び132を示す。弁128、130、及び132は、上述した弁116の一種であることを理解されたい。
【0048】
図9Aに示すように、弁128は、円筒形又は円錐形の挿入部134であり、挿入部134は、挿入部134の開口部を封止するために、挿入部134の内部又は挿入部134の上に配置された隔壁136を備える。挿入部134は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリルブタジエンスチレン、又はポリカーボネートなど、比較的剛性の非エラストマー材料で形成することができる一方で、隔壁136は、シリコーンゴム、天然ゴム、合成ゴム、又はそれらの組み合わせ、例えば天然ゴムとスチレンブタジエンゴムのブレンドである赤ゴムなど、エラストマー材料で形成することができる。隔壁136は無傷状態で示されており、したがって、ガイドワイヤ管理デバイス108の隔壁穿刺先端部210又は212によって穿刺されるように構成されているが、隔壁136は、代替的に、スリット、複数の交差スリット、又はアクセスガイドワイヤ110の外径よりも小さい内径を有する貫通孔を含むことができ、それらを通してアクセスガイドワイヤ110を送達するために、ガイドワイヤ管理デバイス108の遠位スリーブ204の遠位部分を使用することができる。弁128は、イントロデューサアダプタ102の主構成では副導管114の近位部分内に配置されており、又はイントロデューサアダプタ102の副構成では主導管112の近位部分内に配置されており、とりわけ、隔壁136は、副導管114又は主導管112の近位部分において凹設されている。
【0049】
図9Bに示すように、弁130は、グロメットであり、グロメットの開口部を封止する一体の隔壁138を備え、それにより、グロメットの封止された空洞を形成している。グロメット及びその隔壁138は、シリコーンゴム、天然ゴム、合成ゴム、又はそれらの組み合わせ、例えば赤ゴムなど、エラストマー材料で形成することができる。隔壁136についての記載と同様に、隔壁138は無傷状態で示されており、したがって、ガイドワイヤ管理デバイス108の隔壁穿刺先端部210又は212によって穿刺されるように構成されているが、隔壁138は、代替的に、スリット、複数の交差スリット、又はアクセスガイドワイヤ110の外径よりも小さい内径を有する貫通孔を含むことができ、それらを通してアクセスガイドワイヤ110を送達するために、ガイドワイヤ管理デバイス108の遠位スリーブ204の遠位部分を使用することができる。弁130は、イントロデューサアダプタ102の主構成では副導管114の近位部分内に配置されており、又はイントロデューサアダプタ102の副構成では主導管112の近位部分内に配置されており、とりわけ、隔壁138は、副導管114又は主導管112の近位部分において凹設されている。
【0050】
図9Cに示すように、弁132は、Touhy-Borstアダプタであり、Touhy-Borstアダプタは、それぞれの雌ねじ(図示せず)及び雄ねじ144を用いて螺合されたアダプタナット140とアダプタハブ142との間で圧縮されたときにTouhy-Borstアダプタを封止するためのエラストマー「O」リングを備える。図示されていないが、アダプタハブ142は、イントロデューサアダプタ102の主構成では副導管114の近位部分と螺合する、又はイントロデューサアダプタ102の副構成では主導管112の近位部分と螺合するように構成された、シリンジハブ146のような雌ねじを含む。
【0051】
図示されていないが、弁132は、代替的に、副導管114の近位部分又は主導管112の近位部分に一体化され得る。実際には、弁132は、代替的に、一体型のTouhy-Borst弁であってもよく、一体型のTouhy-Borst弁は、弁ナットの雌ねじ及び副導管114の近位部分又は主導管112の近位部分の雄ねじを用いて螺合された弁ナット(例えば、アダプタナット140を参照)と副導管114の近位部分又は主導管112の近位部分(例えば、アダプタハブ142を参照)との間で圧縮されたときにTouhy-Borst弁を封止するためのエラストマー「O」リングを備える。そのような弁は、イントロデューサアダプタ102の主構成では副導管114の近位部分に一体化されているか、イントロデューサアダプタ102の副構成では主導管112の近位部分に一体化されている。
【0052】
とりわけ、弁132の封止部が、隔壁136又は138ではなく、螺合されたときにアダプタナット140とアダプタハブ142との間で圧縮される「O」リングなどであり、ガイドワイヤ管理デバイス108の隔壁穿刺先端部210又は212などが、「O」リングを通ってアクセスガイドワイヤ110を送達するように構成されているので、アクセスガイドワイヤ110は、ガイドワイヤ管理デバイス108なしで、弁132と共に直接使用することができる。
【0053】
図3図7は、イントロデューサアセンブリ100及びそのシリンジ106の異なる長手方向断面による異なる図を示しているが、イントロデューサアセンブリ100及びそのシリンジ106の異なる図も示す図1及び図2も参照する。
【0054】
図示されるように、シリンジ106は、シリンジハブ146と、バレル148と、イントロデューサアセンブリ100の少なくとも展開準備完了状態ではバレル148内に配置されるプランジャ150と、を含む。
【0055】
シリンジハブ146は、バレル148の遠位部分(例えば、遠位端)から延びているシリンジ先端部152を含む。加えて、シリンジハブ146は、バレル148の遠位部分(例えば、遠位端)からシリンジ先端部152の周囲に延びているねじ付きカラー154を含むことができる。
【0056】
シリンジ先端部152は、シリンジ106をイントロデューサアダプタ102と流体接続するために、主導管112又は副導管114の近位部分内のイントロデューサアダプタ孔120内に挿入するように構成されている。実際には、シリンジ先端部152は、イントロデューサアダプタ孔120内に挿入するように構成されたルアーテーパ(例えば、6%テーパ)を有することができ、イントロデューサアダプタ孔120は、上述したように相補的に構成されている。
【0057】
ねじ付きカラー154は、上述のように各々が任意選択的であるイントロデューサアダプタ102の主イントロデューサアダプタフランジ122又は副主イントロデューサアダプタフランジ(図示せず)と螺合するように構成された雌ねじ156を含む。シリンジハブ146のねじ付きカラー154は、存在する場合、有利なことに、不慮の接続解除に対する安全性を別様のルアースリップ式接続によって提供される安全性よりも高めるために、イントロデューサアダプタ102の主イントロデューサアダプタフランジ122又は副主イントロデューサアダプタフランジとのいわゆるルアーロック式接続を提供する。
【0058】
バレル148は、バレル壁158と、バレル壁158によって画定されたバレルチャンバ160と、後述するプランジャフランジ168、プランジャカラーなどと共にシリンジ106を作動させるように構成された、バレル148又はバレル壁158の近位部分(例えば、近位端)から外向きに延びているバレルフランジ162、バレルカラーなどと、を含む。
【0059】
バレルチャンバ160は、その内部にプランジャ150が挿入されたときにプランジャ150を受け入れるように構成されている。実際には、バレルチャンバ160は、バレル148の閉鎖端(シリンジ先端部152を除く)であるバレル148の遠位端から、プランジャ150が挿入され得るバレル148の開放端であるバレル148の近位端まで延びている。
【0060】
プランジャ150は、一体型プランジャシャフト164と、プランジャシャフト164の遠位部分(例えば、遠位端)上に嵌合されたピストン166と、バレルフランジ162、バレルカラーなどと共にシリンジ106を作動させるように構成された、プランジャ150の近位部分(例えば、近位端)から外向きに延びているプランジャフランジ168、プランジャカラーなどと、を含む。
【0061】
プランジャシャフト164は、プランジャシャフト164の中心軸線において長手方向縁部に沿って交わっている、直交支柱170を含むことができる。しかしながら、プランジャシャフト164は他の形態をとることができ、したがって、プランジャシャフト164は直交支柱170に限定されない。
【0062】
一体のエラストマーピストンとすることができるピストン166は、バレル壁158と1つ以上の封止部をそれぞれ形成するように構成された1つ以上のリングを含む。1つ以上のリングは、バレル壁158と封止部を形成するように構成された少なくとも1つのリーディングリング172を含む。1つ以上のリングはまた、図4に示すように、トレーリングリング174を含むことができる。リーディングリング172と同様、トレーリングリング174は、バレル壁158と封止部を形成するように構成されている。実際には、トレーリングリング174は、存在する場合、バレル壁158との補助的な封止部を提供する。リーディングリング172とトレーリングリング174は共に、シリンジ106が作動している間、ピストン166とバレル壁158との間の封止部(例えば、リーディングリング172、トレーリングリング174、又はリーディングリング172とトレーリングリング174の両方によって提供される封止部)が無傷のままであることを確実にし、それにより、プランジャ150がバレル148から引き出されるときに、シリンジ106が血液などの液体を安定して吸引できるようになる。
【0063】
図3図7は、イントロデューサアセンブリ100及びその針104の異なる長手方向断面による異なる図を示しているが、イントロデューサアセンブリ100及びその針104の異なる図も示す図1及び図2も参照する。
【0064】
図示されるように、針104は、針シャフト176と、針シャフト176の近位端を含む針シャフト176の近位部分を覆う針ハブ178と、を含む。
針シャフト176は、針シャフト176の遠位部分における針先端部180と、針シャフト176の全体にわたって延びている針シャフト管腔182と、を含む。とりわけ、後述する針シャフト管腔182と針ハブ管腔188とは共に、針管腔を形成している。
【0065】
針ハブ178は、ネック部184と、針ハブ178の近位部分にある針ハブコネクタ186と、を含む。
ネック部184は、針ハブ178の全体にわたって延びている針ハブ管腔188のネック部分を含む。針ハブ管腔188の残りの部分は、針ハブ孔190によって形成され、具体的には、イントロデューサアセンブリ100の展開準備完了状態ではシリンジ先端部152によって占有されない部分である。とりわけ、上述した針ハブ管腔188と針シャフト管腔182とは共に、針管腔を形成している。
【0066】
針ハブコネクタ186は、針104をイントロデューサアダプタ102と流体接続するために、シリンジ先端部152を内部に受け入れるように構成された針ハブ孔190を含む。実際には、針ハブ孔190は、イントロデューサアダプタ先端部124を内部に受け入れるように構成されたルアーテーパ(例えば、6%テーパ)を有することができ、イントロデューサアダプタ先端部124は、上述のように相補的に構成されている。
【0067】
図示されていないが、針ハブ178は、イントロデューサアダプタ先端部124の周囲の任意選択的なねじ付きカラーの雌ねじと螺合するように構成された、主イントロデューサアダプタフランジ122のような針ハブフランジを含むことができる。針ハブフランジは、存在する場合、有利なことに、不慮の接続解除に対する安全性を別様のルアースリップ式接続によって提供される安全性よりも高めるために、イントロデューサアダプタ先端部124のねじ付きカラーの雌ねじとのいわゆるルアーロック式接続を提供する。
【0068】
図3図7は、イントロデューサアセンブリ100及びそのアクセスガイドワイヤ110の異なる長手方向断面による異なる図を示しているが、イントロデューサアセンブリ100及びそのシリンジ106の異なる図も示す図1及び図2も参照する。
【0069】
この場合も、イントロデューサアセンブリ100は、イントロデューサアセンブリ100の展開準備完了状態では内部に装填されるアクセスガイドワイヤ110を含むことができる。展開準備完了状態においてイントロデューサアセンブリ100に装填されるとき、アクセスガイドワイヤ110は、イントロデューサアダプタ102と針104との結合体内に装填され、イントロデューサアダプタ102の弁116によって結合体の内部に封止される。実際には、図示されるように、アクセスガイドワイヤ110は、アクセスガイドワイヤ110のガイドワイヤ先端部192が針104の針先端部180のすぐ近位に位置するように、針104の針管腔内に装填され得る。このようにすると、アクセスガイドワイヤ110は、アクセスガイドワイヤ110を挿入するためにイントロデューサアセンブリ100を更に操作する必要なしに、針経路を確立すると直ちにかつ直接、患者の血管内腔へと前進させるために利用可能である。
【0070】
アクセスガイドワイヤ110は、血管の後壁を穿刺することを防止するように構成された非外傷性の「J」字形のガイドワイヤ先端部の形態のガイドワイヤ先端部192を含むことができる。そのようなガイドワイヤ先端部は、針104又はその針管腔内で真っ直ぐな状態を呈し、かつ、ガイドワイヤ先端部192を血管内腔に前進させるときなど、イントロデューサアセンブリ100の展開状態において、ガイドワイヤ先端部192を針104の針先端部180を越えて前進させるときに、湾曲状態を呈するように構成されている。
【0071】
アクセスガイドワイヤ110は、ベアワイヤ部分194と、ベアワイヤ部分194の遠位、ベアワイヤ部分194の近位、又はその両方にある巻きワイヤ部分196と、を更に含むことができる。アクセスガイドワイヤ110の巻きワイヤ部分196がベアワイヤ部分194の遠位にあるとき、巻きワイヤ部分196はガイドワイヤ先端部192で終端する。アクセスガイドワイヤ110のベアワイヤ部分194は、隔壁136又は138あるいは「O」リングがアクセスガイドワイヤ110のベアワイヤ部分194の周囲に液密封止を形成するように、イントロデューサアセンブリ100のいくつかの状態において、イントロデューサアダプタ102の弁116を通って遠位方向に延びている。例えば、アクセスガイドワイヤ110のベアワイヤ部分194は、イントロデューサアダプタ102の弁116を通って遠位方向に延びており、イントロデューサアセンブリ100の展開状態においてガイドワイヤ先端部192が血管内腔に前進するときであっても、液密シールを維持する。とりわけ、アクセスガイドワイヤ110は、ベアワイヤ部分194及び巻きワイヤ部分196を有する必要はない。アクセスガイドワイヤ110の少なくとも前述のベアワイヤ部分194は、代わりに、アクセスガイドワイヤ110の平巻き部分又は地巻き部分とすることができ、その周囲で、隔壁136又は138あるいは「O」リングもまた、液密封止を形成することができる。アクセスガイドワイヤ110の平巻き部分は、存在する場合、ラウンドワイヤの代わりにテープの巻き部を含む。アクセスガイドワイヤ110の地巻き部分は、存在する場合、巻き部を平坦にするために潰された巻かれたラウンドワイヤを含む。
【0072】
とりわけ、アクセスガイドワイヤ110がガイドワイヤ管理デバイス108によって提供されない場合、アクセスガイドワイヤ110は、イントロデューサアセンブリ100の少なくとも展開準備完了状態において弁116から近位方向に延びている近位部分を含む。図示されていないが、アクセスガイドワイヤ110の近位部分は、アクセスガイドワイヤ110の無菌状態を維持するように構成された無菌バリア(例えば、無菌バッグ)内に配置することができる。
【0073】
図1及び図2は、イントロデューサアセンブリ100及びそのガイドワイヤ管理デバイス108の異なる図を示している。
図示されるように、ガイドワイヤ管理デバイス108は、ハンドル198と、ガイドワイヤ導管200と、ハンドル198とガイドワイヤ導管200との間にわたるアクセスガイドワイヤ110と、を含む。
【0074】
ハンドル198は、近位スリーブ202と、遠位スリーブ204と、近位スリーブ202と遠位スリーブ204との間の間隙206と、を含む。
ハンドル198の近位スリーブ202は、近位スリーブ202の近位部分に孔を含み、この孔は、その内部に挿入されたガイドワイヤ導管200の遠位端を含み、それにより、ガイドワイヤ導管200をハンドル198に連結している。とりわけ、ハンドル198は、間隙206の反対側にあるガイドワイヤ導管クリップ208を更に含み、ガイドワイヤ導管クリップ208は、ガイドワイヤ導管200をハンドル198に更に連結している。
【0075】
ハンドル198の遠位スリーブ204は、弁128又は130の隔壁136又は138を穿刺し、隔壁136又は138を通してアクセスガイドワイヤ110を送達するように構成されている、一体型隔壁穿刺先端部210、又は遠位スリーブ204の遠位部分に連結された別個の隔壁穿刺先端部212を含むことができる。とは言うものの、隔壁136又は138が無傷でない場合(すなわち、隔壁136又は138が、上述のようなスリット、複数の交差スリット、又は貫通孔を含む場合)、隔壁136又は138を通してアクセスガイドワイヤ110を送達するために、ハンドル198の遠位スリーブ204の遠位部分を使用することができる。とりわけ、ハンドル198の遠位スリーブ204は、その内部に1つ以上の「O」リングなどを更に含むことができ、1つ以上の「O」リングなどは、アクセスガイドワイヤ110を遠位スリーブ204内に封止するように構成されている。アクセスガイドワイヤ110を遠位スリーブ204内に封止する1つ以上の「O」リングにより、隔壁穿刺先端部210又は212あるいは遠位スリーブ204の遠位部分が隔壁136又は138を通して配置される場合であっても、後述する血液吸引ステップ中にシリンジ106を用いて真空を容易に確立し、維持することができる。
【0076】
ハンドル198の近位スリーブ202と遠位スリーブ204との間の間隙206は、アクセスガイドワイヤ110を操作するために、間隙206におけるアクセスガイドワイヤ110へのアクセスを提供するように構成されている。実際には、間隙206により、アクセスガイドワイヤ110を、手の親指と1本以上の指との間で把持して遠位スリーブ204の近位開口部へと押し込むことにより、イントロデューサアダプタ102、針104、血管などの中へと前進させることができる。代替的に、セグメント化された三日月形状の親指パッド214へとアクセスガイドワイヤ110を親指で押し当てて、押し続けながら、同じ手の1本以上の指でハンドル198を支えながら、親指パッド214を横断するように遠位スリーブ204の近位開口部内へとアクセスガイドワイヤ110を摺動させることができる。同様に、間隙206により、手の親指と1本以上の指との間でアクセスガイドワイヤ110を把持し、遠位スリーブ204の近位開口部から引き出すことにより、イントロデューサアダプタ102、針104、血管などから引き抜くことができる。代替的に、親指パッド214へとアクセスガイドワイヤ110を親指で押し当てて、押し続けながら、同じ手の1本以上の指でハンドル198を支えながら、親指パッド214を横断するように遠位スリーブ204の近位開口部から外にアクセスガイドワイヤ110を摺動させることができる。
【0077】
ガイドワイヤ導管200は、その内部でのアクセスガイドワイヤ110の無菌状態での保管を提供するように構成されている。実際には、ガイドワイヤ導管200の管状壁は、アクセスガイドワイヤ110がその内部に配置されている限り、アクセスガイドワイヤ110の無菌状態を維持するように構成された無菌バリアを提供する。
【0078】
方法
方法は、少なくとも、血管アクセスを確保するための方法を含む。そのような方法は、イントロデューサアセンブリ取得ステップ、隔壁穿刺又は貫通ステップ、イントロデューサアセンブリ調整ステップ、針経路確立ステップ、プランジャ引き出しステップ、血液吸引ステップ、アクセスガイドワイヤ前進ステップ、ガイドワイヤ管理デバイス引き抜きステップ、シリンジ接続解除ステップ、空気抜きステップ、及び針引き抜きステップから選択される1つ以上のステップを含む。
【0079】
イントロデューサアセンブリ取得ステップは、イントロデューサアセンブリ100を取得することを含む。上述したように、イントロデューサアセンブリ100は、少なくとも、シリンジ106と、針104と、シリンジ106と針104とを共に流体連結するイントロデューサアダプタ102、とを含む。イントロデューサアダプタ102は、主導管112と、主導管112の側面から延びている副導管114と、いくつかの実施形態において、主導管112又は副導管114の近位部分を封止するエラストマー隔壁136又は138を含む弁116と、を含む。
【0080】
隔壁穿刺ステップは、ハンドル198の遠位スリーブ204の遠位部分の一体型隔壁穿刺先端部210、又はハンドル198の遠位スリーブ204の遠位部分に連結された隔壁穿刺先端部212を用いて、隔壁136又は138を穿刺することを含む。隔壁貫通ステップは、隔壁136又は138が上述のスリット、複数の交差スリット、又は貫通孔を含む場合、ハンドル198の遠位スリーブ204の遠位部分を用いて隔壁136又は138を貫通することを含む。隔壁穿刺又は貫通ステップは、イントロデューサアセンブリ調整ステップの前に、あるいは、血液吸引ステップの後又は後述するようなアクセスガイドワイヤ前進ステップの間など、針経路確立ステップの後に実行される。
【0081】
とりわけ、アクセスガイドワイヤ110は、イントロデューサアダプタ102が弁132を含む場合、ガイドワイヤ管理デバイス108なしで、直接使用することができる。そのような実施形態では、本方法は、隔壁穿刺又は貫通ステップの代わりに、アクセスガイドワイヤ挿入ステップを含むことができる。アクセスガイドワイヤ挿入ステップは、開いているときに弁132を通してアクセスガイドワイヤ110をイントロデューサアダプタ102に挿入することを含み、このステップに続いて、アクセスガイドワイヤ110を弁132を通して挿入した直後、又は血液吸引ステップが実行される場合には血液吸引ステップの前のある時点のいずれかにおいて、弁132を閉じる。
【0082】
イントロデューサアセンブリ調整ステップは、イントロデューサアセンブリ100がまだ展開準備完了状態ではない場合には、イントロデューサアセンブリ取得ステップを実行する際に、イントロデューサアセンブリ100がその展開準備完了状態になるようにイントロデューサアセンブリ100を調整することを含む。イントロデューサアセンブリ100の展開準備完了状態では、アクセスガイドワイヤ110のガイドワイヤ先端部192は、針104の針シャフト176の遠位部分における針先端部180のすぐ近位にある。これにより、針経路を確立すると直ちにアクセスガイドワイヤ110を血管内腔へと前進させることが可能になる。
【0083】
針経路確立ステップは、針104を用いて患者の皮膚の領域から血管内腔への針経路を確立することを含む。
プランジャ引き出しステップは、針経路確立ステップにおいて血管内腔に到達する前に、わずかな真空を生成するようにシリンジ106のバレル148からプランジャ150を引き出すことを含む。わずかな真空により、針経路確立ステップにおける針経路の確立を確認するために、少なくともシリンジ先端部152内への血液フラッシュバックを確実にする。
【0084】
血液吸引ステップは、針経路の確立を確認するために、シリンジ106を用いて血液を吸引することを含む。特に、遠位スリーブ204がその内部に配置された1つ以上の「O」リングなどを含む場合には、ハンドル198の遠位スリーブ204の遠位部分の周囲の、又はアクセスガイドワイヤ110のベアワイヤ部分194の周囲の、隔壁136又は138などの封止部は、血液吸引ステップの間、真空を維持するのに十分である。
【0085】
アクセスガイドワイヤ前進ステップは、血管アクセスの確保のために、アクセスガイドワイヤ110の少なくともガイドワイヤ先端部192を血管内腔へと前進させることを含む。しかしながら、いくつかの実施形態では、隔壁穿刺又は貫通ステップは、アクセスガイドワイヤ前進ステップ中に行われる。実際には、アクセスガイドワイヤ110又はそのガイドワイヤ先端部192を血管内腔に数センチメートル前進させた後、隔壁136又は138によるアクセスガイドワイヤ110に対するいかなる摩擦も排除するために隔壁穿刺又は貫通ステップを実行することができ、残りのアクセスガイドワイヤ前進ステップの実行がより容易になる。いずれにしても、アクセスガイドワイヤ110を血管内腔へと前進させることは、手の親指と1本以上の指との間でアクセスガイドワイヤ110を把持し、それを遠位スリーブ204の近位開口部へと押し込むことを含む。代替的に、ハンドル198の間隙206における親指パッド214へとアクセスガイドワイヤ110を親指で押し当てて、押し続けながら、同じ手の1本以上の指でハンドル198を支えながら、親指パッド214を横断するように遠位スリーブ204の近位開口部内へとアクセスガイドワイヤ110を摺動させることができる。とりわけ、アクセスガイドワイヤ前進ステップは、ガイドワイヤ先端部192が、針104内での真っ直ぐな状態から、血管内腔での湾曲した状態に移行することを可能にする。
【0086】
ガイドワイヤ管理デバイス引き抜きステップは、アクセスガイドワイヤ前進ステップの後に(ガイドワイヤ管理デバイス108が本方法で使用される場合には)、イントロデューサアダプタ102からガイドワイヤ管理デバイス108を引き抜くことを含む。ガイドワイヤ管理デバイス引き抜きステップは、アクセスガイドワイヤ110のベアワイヤ部分194の周囲を封止するために隔壁136又は138を残す。
【0087】
シリンジ接続解除ステップは、針引き抜きステップの前にシリンジ106を接続解除することを含み、それにより、針引き抜きステップ中の真空の生成が防止される。とは言うものの、針引き抜きステップを実行している間に弁116内へと空気を抜くことを空気抜きステップが含むので、空気抜きステップは、シリンジ接続解除ステップを不要とすることができる。弁116内へと空気を抜くことは、隔壁136又は138を変形させるようにアクセスガイドワイヤ110を弁128又は130の側面に押し付けることを含むことができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、イントロデューサアダプタ102は、空気抜きステップのための押しボタン式空気抜き弁を含む。上記にかかわらず、本方法のいくつかの実施形態では、シリンジ接続解除ステップと空気抜きステップの両方を実行することができる。
【0088】
針引き抜きステップは、患者から針104を引き抜くが、アクセスガイドワイヤ110を血管内腔に残すことを含む。針引き抜きステップは、アクセスガイドワイヤ110の近位端が針104から出るまで、アクセスガイドワイヤ110の近位部分上においてイントロデューサアダプタ102と針104の両方を引き抜くことを含む。とりわけ、針引き抜きステップは、アクセスガイドワイヤ110の近位部分上においてイントロデューサアダプタ102と針104の両方を引き抜いている間、針経路を含む皮膚の領域又はその付近の定位置にアクセスガイドワイヤ110を保持することを含む。
【0089】
いくつかの特定の実施形態が本明細書において開示され、特定の実施形態はある程度詳細に開示されているが、特定の実施形態が本明細書において提供されているコンセプトの範囲を制限することは意図されていない。追加の改良または修正は当業者にとって明らかであり得て、より広い態様では、これらの改良または修正も同様に包含される。したがって、本明細書において提供されているコンセプトの範囲から逸脱せずに、本明細書において開示されている特定の実施形態から逸脱してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
【国際調査報告】