特表 2024-531813 形状の回転無しの所定の形状を有する虹彩絞り

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2024-08-29

(54)【発明の名称】形状の回転無しの所定の形状を有する虹彩絞り

(51)【国際特許分類】

   G03B 9/06 20210101AFI20240822BHJP

【ＦＩ】

G03B9/06

【審査請求】未請求

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2024518156

(86)(22)【出願日】2022-09-15

(85)【翻訳文提出日】2024-05-02

(86)【国際出願番号】 EP2022075610

(87)【国際公開番号】W WO2023046561

(87)【国際公開日】2023-03-30

(31)【優先権主張番号】2109912

(32)【優先日】2021-09-21

(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】523395915

【氏名又は名称】タレス

(74)【代理人】

【識別番号】110001173

【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】モンターニュ，ローラン

【テーマコード（参考）】

2H080

【Ｆターム（参考）】

2H080AA20

2H080AA21

2H080AA37

2H080AA40

(57)【要約】

光軸（Ｏ）を有する虹彩絞り（１）であって、－固定リング（ＲＦ）と、－所定の形状の絞り開口（ＯＤ）を規定する複数［式（Ｉ）］のブレード（Ｌ）であって、ブレードは、固定リングに対して光軸に垂直な平面で移動することができ、各ブレードは、制御ピン（ＰＣ）を含むブレード（Ｌ）と、－固定リングに対して光軸を中心として回転するように設計され、ｍ個の制御ガイドウェイ（ＧＣ）を含む制御リング（ＲＣ）であって、各制御ピン（ＰＣ）は、各制御ガイドウェイに沿って進むことによって、制御ガイドウェイの各１つに沿って移動することができる制御リング（ＲＣ）とを含み、光軸を中心とした制御リング（ＲＣ）の回転は、固定リングに対して所定の形状の回転を引き起こすことなく、所定の開口形状を維持しながら、開口の領域を変更するように、固定リングに対するブレードの移動を、制御ガイドウェイにおける制御ピン（ＰＣ）の移動によって引き起こす、虹彩絞り（１）。

【特許請求の範囲】

【請求項1】

光軸（Ｏ）を有する虹彩絞り（１）であって、
－固定リング（ＲＦ）と、
－所定の形状の絞り開口（ＯＤ）を規定する複数（ｍ∈Ｎ＞１）のブレード（Ｌ）であって、前記ブレードは、前記固定リングに対して前記光軸に垂直な平面で移動することができ、各ブレードは、制御ピン（ＰＣ）を含むブレード（Ｌ）と、
－前記固定リングに対して前記光軸を中心として回転するように設計され、ｍ個の制御ガイドウェイ（ＧＣ）を含む制御リング（ＲＣ）であって、各制御ピン（ＰＣ）は、前記各制御ガイドウェイに沿って進むことによって、前記制御ガイドウェイの各１つに沿って移動することができる制御リング（ＲＣ）と
を含み、
前記光軸を中心とした前記制御リング（ＲＣ）の回転は、前記固定リングに対して前記所定の形状の回転を引き起こすことなく、前記所定の開口形状を維持しながら、前記開口の領域を変更するように、前記固定リングに対する前記ブレードの前記光軸に垂直な前記平面での前記移動を、前記制御ガイドウェイにおける前記制御ピン（ＰＣ）の前記移動によって引き起こし、
前記固定リングは、複数（ｎ∈Ｎ≧２ｍ）の案内ガイドウェイ（ＧＧ）を更に含み、各ブレードは、前記各案内ガイドウェイに沿って進むことによって、前記各案内ガイドウェイ（ＧＧ）の１つで各々移動することができる２つの各移動ピン（ＰＭ）を含み、各案内ガイドウェイの形状は、前記光軸を中心とした前記制御リング（ＲＣ）の前記回転により、前記移動ピン（ＰＭ）の各々が前記案内ガイドウェイ（ＧＧ）に沿って移動するようにし、前記ブレードが前記固定リングに対して移動するようにするようになっている、
虹彩絞り（１）。

【請求項2】

各ブレードは、このブレードの前記２つの移動ピンが移動することができる２つの各案内ガイドウェイに関連付けられている、請求項１に記載の虹彩絞り。

【請求項3】

各ブレードの前記制御ピンは、このブレードの前記２つの移動ピンの間に配置されている、請求項１又は２に記載の虹彩絞り。

【請求項4】

ｍ＝２個のブレードを含み、前記所定の形状は、猫眼である、請求項２又は３に記載の虹彩絞り。

【請求項5】

前記固定リング及び前記制御リングは、前記制御リングが所定の扇形で前記光軸を中心として回転するようにするように構成されている、請求項１～４のいずれか一項に記載の虹彩絞り。

【請求項6】

前記固定リング及び前記制御リングは、前記開口の最大横寸法を規定するように構成されている、請求項１～５のいずれか一項に記載の虹彩絞り。

【請求項7】

前記複数のブレードは、前記固定リングと前記制御リングとの間に配置されている、請求項１～６のいずれか一項に記載の虹彩絞り。

【請求項8】

前記ブレード及び前記案内ガイドウェイは、前記光軸に関して中心対称性を示す、請求項１～７のいずれか一項に記載の虹彩絞り。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、虹彩絞りの分野に関する。

【背景技術】

【0002】

写真機材及び映画用カメラの対物レンズには一般的に、レンズの光軸に対して横方向に配置された円形絞りが装備されている。記録像の最小限の収差を有する球面レンズで構成されている対物レンズの質を最大限に活用するために、全開口にわたる真円度が望ましい。

【0003】

これらの絞りを生成するために、光路に挿置された壁における単純な孔、又は異なる開口直径の簡潔な調整を可能にする移動要素に配置された幾つかの孔を使用することができる。

【0004】

より高い小型化又は非常に多くの異なる開口値を必要とする他の光学系は、最大開口と最小開口との間の連続調整を可能にする虹彩絞りを使用する。

【0005】

虹彩絞りは、エッジが正多角形を描くブレードのセットで構成されている。

【0006】

図１は、構成Ｂよりも小さい開口を有する構成Ａで開口Ｏを有する先行技術の虹彩絞りＰＡを示す。虹彩絞りＰＡは、典型的に金属又はプラスチックで形成された複数のブレードＬを含む。開口サイズの調整を可能にするために、各ブレードは、例えば、軸が絞りの平面に垂直なピボット接続によってリングＲに接続され、又はリングＲに対して並進移動できる。ブレードの制御移動により、開口Ｏを減少又は増加することができる。虹彩絞りの開口は典型的に、絞りのリングの端面に配置されたくぎＴによって制御される。

【0007】

虹彩を構成するブレードの数及び形状は、可変である。この開口の形状は、焦点外背景領域又はピンぼけの形状を決定する。従って、多数（８つ又は９つ）の円形ブレードで構成されている絞りを有する大口径対物レンズは、適切な円形の外観のピンぼけ効果、及び明瞭な集束ゾーンを有するより明瞭な移行を可能にする。ブレードの数が多ければ多いほど、スポットの形状がより厳密になると、完全な円盤の形状に一致する。逆に、特定の対物レンズは、対物レンズの絞りを構成するブレードの数に応じて、五角形又は六角形のピンぼけ効果をもたらす。ピンぼけ領域の形状は、対物レンズの光学設計に応じて、特に、歪像対物レンズを使用している場合（例えば、映画用対物レンズの場合）、卵形であってもよい。

【0008】

ピンぼけ効果の形状及び向きを制御することは、特定の用途（写真及び映画）で重要である。先行技術の絞りにおいて、形状は、絞りの開口サイズに応じて回転する。この影響は、望ましくない。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0009】

本発明の目的は、先行技術の特定の問題を克服することにある。従って、本発明の主題は、形状の種類及び向きが絞り開口サイズに応じて変化しないピンぼけ効果を発揮する開口を規定するのに適している構造を有する所定の形状の虹彩絞りである。

【課題を解決するための手段】

【0010】

このために、本発明の１つの主題は、光軸を有する虹彩絞りであって、
－固定リングと、
－所定の形状の絞り開口を規定する複数（ｍ∈Ｎ＞１）のブレードであって、ブレードは、固定リングに対して光軸に垂直な平面で移動することができ、各ブレードは、制御ピンを含むブレードと、
－固定リングに対して光軸を中心として回転するように設計され、ｍ個の制御ガイドウェイを含む制御リングであって、各制御ピンは、各制御ガイドウェイに沿って進むことによって、制御ガイドウェイの各１つに沿って移動することができる制御リングと
を含み、
－光軸を中心とした制御リングの回転は、固定リングに対して所定の形状の回転を引き起こすことなく、所定の開口形状を維持しながら、開口の領域を変更するように、固定リングに対するブレードの光軸に垂直な平面での移動を、制御ガイドウェイにおける制御ピンの移動によって引き起こす、
虹彩絞りである。

【0011】

本発明の実施形態Ｍ１によれば、固定リングは、複数（ｎ∈Ｎ≧２ｍ）の案内ガイドウェイを含み、各ブレードは、各案内ガイドウェイに沿って進むことによって、各案内ガイドウェイの１つで各々移動することができる２つの各移動ピンを含み、各案内ガイドウェイの形状は、光軸を中心とした制御リングの回転により、移動ピンの各々が案内ガイドウェイに沿って移動するようにし、ブレードが固定リングに対して移動するようにするようになっている。選択として、ｍ＝２であり、所定の形状は、猫眼である。

【0012】

選択として、実施形態Ｍ１において、各ブレードは、このブレードの２つの移動ピンが移動することができる２つの各案内ガイドウェイに関連付けられている。

【0013】

選択として、実施形態Ｍ１において、各ブレードの制御ピンは、このブレードの２つの移動ピンの間に配置されている。

【0014】

選択として、本発明において、固定リング及び制御リングは、制御リングが所定の扇形で光軸を中心として回転するようにするように構成されている。選択として、固定リング及び制御リングは、開口の最大横寸法を規定するように構成されている。

【0015】

選択として、本発明において、ブレード及び案内ガイドウェイは、光軸に関して中心対称性を示す。

【0016】

本発明の他の特徴、詳細及び利点は、それぞれ一例として与えられる添付図面を参照して与えられる説明を読めば明白になるであろう。

【図面の簡単な説明】

【0017】

【図1】先行技術の虹彩絞りの略図である。

【図2】本発明の一実施形態による絞りの分解図である。

【図3A】異なる絞り開口サイズに対する本発明の一実施形態による絞りの固定リング及びブレードの正面図である。

【図3B】異なる絞り開口サイズに対する本発明の一実施形態による絞りの固定リング及びブレードの正面図である。

【図3C】異なる絞り開口サイズに対する本発明の一実施形態による絞りの固定リング及びブレードの正面図である。

【図4A】異なる絞り開口サイズに対する本発明の一実施形態による絞りの正面図である。

【図4B】異なる絞り開口サイズに対する本発明の一実施形態による絞りの正面図である。

【図4C】異なる絞り開口サイズに対する本発明の一実施形態による絞りの正面図である。

【図5】本発明の一実施形態による絞りの分解図である。

【図6A】異なる絞り開口サイズに対する本発明の一実施形態による絞りの固定リング及びブレードの正面図である。

【図6B】異なる絞り開口サイズに対する本発明の一実施形態による絞りの固定リング及びブレードの正面図である。

【図6C】異なる絞り開口サイズに対する本発明の一実施形態による絞りの固定リング及びブレードの正面図である。

【0018】

図面において、他に指示がない限り、要素は、原寸に比例して描かれている。

【発明を実施するための形態】

【0019】

図２は、特に、カメラの対物レンズ又は写真の対物レンズに適している、本発明による虹彩絞り１の分解図を概略的に例示する。以下実施形態Ｍ１と呼ばれる、この図面に例示の構成を、限定されない例として与え、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者に明らかな変型例によって修正することができる。

【0020】

絞り１は、絞りの光軸Ｏに対して固定されたままであるために絞りの唯一の要素を構成する固定リングＲＦを含む。これは、絞り１の他の部品が移動する要素である。図２の例示において、一例として、光軸Ｏは、絞りの平面ｘｙに垂直であり、方向ｚにある。

【0021】

絞りは、複数（ｍ∈Ｎ＞１）、即ち、少なくとも２つのブレードＬを含み、ブレードのエッジは、曲線の弧を描き、ブレードは、正多角形の形をした開口ＯＤを一緒に規定する。本発明において、ブレードは、所定の形状の絞り開口ＯＤを規定する。限定されない例として、図２に例示の実施形態Ｍ１において、絞り１は、ｍ＝２個のブレードを含み、開口の所定の形状は、「猫眼」、即ち、２つの円弧又は楕円弧の交差によって規定される形状である。代わりに、別の実施形態によれば、絞り１は、ｍ＞２個のブレードを含み、開口の所定の形状は、より複雑である（例えば、図５～図６Ｃを参照）。

【0022】

開口ＯＤの所定の形状に配慮しつつ、本発明の絞りを用いて得られるピンぼけ効果自体も、同じ所定の形状を有する。

【0023】

開口サイズを変更することができるために、本発明の絞りにおいて、各ブレードは、固定リングに対して光軸に垂直な平面で移動することができる。後で説明されるように、この移動を、異なる方法で引き起こすことができる。更に、各ブレードは、制御ピンＰＣを含む。「ピンを含む」が意味するものは、制御ピンＰＣを各ブレードＬに装着すること、又は換言すれば、制御ピンＰＣを各ブレードＬに設定することである。

【0024】

最後に、絞り１は、固定リングＲＦに対して光軸を中心として回転するように設計されている制御リングＲＣを含む。制御リングＲＣは、固定リングＲＦに対して制御ピンＰＣを移動させることができる絞りの要素である。そのようなことをするために、制御リングは、ブレードと同数の制御ガイドウェイＧＣを含み、各制御ピンＰＣは、各制御ガイドウェイに沿って進むことによって、制御ガイドウェイの各１つで移動することができる。従って、制御リングＲＣの回転は、制御ガイドウェイＧＣにおける制御ピンＰＣの移動を引き起こす。実施形態Ｍ１の絞りの様々な要素のレイアウト及び移動は、図２～図４Ｃで見られる。

【0025】

先行技術の虹彩絞りと違って、本発明の絞り１の開口ＯＤは、形状の種類及び向きが絞り開口サイズに応じて変化しないピンぼけ効果を発揮する。従って、開口ＯＤの形状及び向きは、本発明の絞りの開口サイズに関係なく、同じままである必要がある。それを達成するために、光軸を中心とした制御リングＲＣの回転は、固定リングに対して所定の形状の回転を引き起こすことなく、所定の開口形状を維持しながら、開口の領域を変更するように、固定リングに対するブレードの光軸に垂直な平面での移動を、制御ガイドウェイにおける制御ピンＰＣの移動によって引き起こす。ここで、「所定の形状を維持する」が意味するものは、絞り開口サイズの増加又は減少が、開口ＯＤを同じタイプの形状に保持し、開口の領域だけが変化することである。

【0026】

実施形態Ｍ１によれば、ブレードが固定リングＲＦに対して移動するようにする案内ガイドウェイＧＧがある。より詳細には、固定リングＲＦは、複数（ｎ∈Ｎ≧２ｍ）、即ち、少なくとも４つの案内ガイドウェイＧＧを含み、各ブレードは、各案内ガイドウェイに沿って進むことによって、各案内ガイドウェイＧＧの１つで各々移動することができる２つの各移動ピンＰＭを含む。従って、各案内ガイドウェイの形状は、光軸を中心とした制御リングＲＣの回転により、移動ピンＰＭの各々が案内ガイドウェイＧＧに沿って移動するようにし、ブレードが固定リングに対して移動するようにするようになっている。代わりに、別の実施形態によれば、移動ピン及び案内ガイドウェイの位置は、逆であり、即ち、案内ガイドウェイはブレードに含まれ、移動ピンは固定リングに含まれる。

【0027】

本発明は、図２～図４Ｃに例示の案内ガイドウェイ形状に限定されず、これらの形状が、得られるべき所望の効果、即ち、開口の形状及び向きを維持する効果を可能にする限り、案内ガイドウェイの全形状を含むと理解されるべきである。本発明の明細書及び図面を踏まえて、当業者は、不合理な試行錯誤無しで、案内ガイドウェイの形状及びブレードの形状を適合させる方法を知る。本発明の要点は、移動ピンが移動するようにする制御リングと相まって、ブレードの移動ピンの移動を案内する、従って、ブレードが固定リングに対して移動するようにする案内ガイドウェイの使用により、開口形状及び向きを維持することができることである。

【0028】

好ましくは、ブレード毎の移動ピンＰＭの数は、不静定システムを得るのを回避するために、２つに等しい。従って、各ブレードは、このブレードの２つの移動ピンが移動することができる２つの各案内ガイドウェイに関連付けられている。更に、移動ピンが案内ガイドウェイで移動するので、機械的応力を制限するために、好ましくは、各ブレードの制御ピンは、このブレードの２つの移動ピンの間に配置されている。

【0029】

選択として、ブレードＬは、光軸に垂直な平面（従って、固定リングＲＦの平面ｘｙに平行）に実質的に延在するような方法で配置されている。実際に、ブレードＬは、互いに重複して滑り合う。各ブレードＬは、平面ｘｙに延在する。ブレードの厚さは、平面ｘｙにおけるブレード寸法に比べて非常に薄い。更に、開口ＯＤは、平面ｘｙに延在すると見なされてもよい。実施形態Ｍ１において、ブレード及び案内ガイドウェイは、光軸に関して中心対称性を示す。

【0030】

本発明の１つの好ましい実施形態によれば、固定リングＲＦ及び制御リングＲＣは、制御リングが所定の扇形で光軸を中心として回転するようにするように構成されている。限定されない例として、図２の実施形態Ｍ１の絞りにおいて、固定リングＲＦは、スロットＲを示すカラーＣｏｌを含む。更に、絞りは、制御リングに固定され、スロットに沿って進むことによってスロットで移動することができるくぎＴを含む。スロットＲにおけるくぎＴの進行の長さは、制御リングＲＣの可能な角回転の大きさを決定し、従って、開口ＯＤが達成することができる最大及び最小開口サイズを制限する。図２は、図４Ａ～図４Ｃの矢印で示すくぎＴに対するユーザによる動作が、制御リングを回転させることができ、制御ピンを制御ガイドウェイで移動させることができるという事実を例示する。代わりに、別の実施形態によれば、例えば、カラーに対してずれた回転つまみによって、回転を達成する。

【0031】

図２の絞りは、カラーに固定され、リングＲＦに対してリングＲＣの回転を制限することなく、互いに近い要素ＲＦ、Ｌ及びＲＣを保持ように設計されている保持リングＢを更に含む。より詳細には、保持リングＢは、固定リングＲＦに対する光軸Ｏに沿ったリングＲＣの並進移動を防止する。保持リングＢは、例えば、カラーＣｏｌにおける溝に嵌合された内部止め輪の形で製造される。

【0032】

リングＲＦ、ＲＣは、可視光に対して拡散する材料（例えば、陽極酸化アルミニウム着色黒）から形成され、次に、不要な光を減らすマット黒潤滑油処理でコーティングされる。

【0033】

実施形態Ｍ１の絞りスタックにおいて、ブレードは、制御リングと固定リングとの間に配置されている。ブレードの移動ピンが案内ガイドウェイで移動することができるこの機械設計は、最も単純である。更に、この設計は、ブレードを、リングＲＣ及びＲＦによって部分的に保護することができる。

【0034】

図３Ａ～図４Ｃは、図２に例示の実施形態Ｍ１の絞りの様々な要素の描写である。上述のように、描写は、限定されない例として与えられ、これらの図面に例示の実施形態Ｍ１を、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者に明らかな変型例によって修正することができる。

【0035】

図３Ａ～図３Ｃは、異なる絞り開口サイズ（図３Ａの場合の最大開口サイズから図３Ｃの場合の最小開口サイズに及ぶ）に対する実施形態Ｍ１の絞りの固定リングＲＦ及びブレードＬの正面図を例示する。これらの図面は、ブレードが開口サイズに応じて固定リングに対して移動する方法を例示し、この移動は、案内ガイドウェイＧＧに沿った移動ピンの移動によって引き起こされる。

【0036】

図４Ａ～図４Ｃは、異なる絞り開口サイズ（図４Ａの場合の最大開口サイズから図４Ｃの場合の最小開口サイズに及ぶ）に対する実施形態Ｍ１の絞りの正面図を例示する。実施形態Ｍ１の絞りは、カラーＣｏｌの下の場所にスタックを保持するように設計されている固定リングＲＦ、ブレードＬ、制御リングＲＣ及び保持リングＢで形成されたスタックを含む。これらの図面は、スロットＲにおけるくぎＴの移動により、制御リングが回転するようにし、制御ピンが制御ガイドウェイＧＣで移動するようにし、案内ガイドウェイＧＧに沿って移動ピンの移動を引き起こす方法を示す。

【0037】

絞りによって形成される開口の形状が、最大絞り開口サイズから最小絞り開口サイズまで所定の形状のままであるために、ブレードによって形成される開口ＯＤをリングＲＣ及びＲＦの１つによって切り取らない必要がある。それは、リングＲＣ及びＲＦが絞り開口の最大横寸法を（平面ｘｙで）規定する中央開口部を有する必要があることを意味する。この最大横寸法ｄ_ｍを、最大絞り開口構成に対応する図４Ａに例示する。実施形態Ｍ１において、スロットＲは、ｄ_ｍがリングＲＣ及びＲＦにおける開口部の直径に等しいようになっている所定の扇形で光軸を中心とした制御リングＲＣの回転が生じるように、くぎＴの進行を制限する。

【0038】

図５は、本発明の実施形態Ｍ２による虹彩絞り１の分解図を概略的に例示する。この実施形態において、限定されない例として、絞りは、ｍ＝３個のブレードを含み、固定リングＲＦは、ｎ＝６個の案内ガイドウェイＧＧを含む。従って、ブレードによって形成される開口（従って、ピンぼけ効果）は、実質的に三角形を有する。実施形態Ｍ１と同様に、各ブレードは、制御リングＲＣが３つの制御ガイドウェイＧＣ（各制御ピンに対して１つ）を含むことを意味する制御ピンＰＣを含む。

【0039】

図６Ａ～図６Ｃは、異なる絞り開口サイズ（図６Ａの場合の最大開口サイズから図６Ｃの場合の最小開口サイズに及ぶ）に対する実施形態Ｍ２の絞りの固定リングＲＦ及びブレードＬの正面図を例示する。これらの図面は、ブレードが開口サイズに応じて固定リングに対して移動する方法を例示し、この移動は、案内ガイドウェイＧＧに沿った移動ピンの移動によって引き起こされる。

【0040】

本発明の他の実施形態によれば、より複雑な開口、従ってピンぼけの形状を規定するために３つよりも多い多数のブレードを有する絞りを考え出すことができる。

【図1】

【図2】

【図3A】

【図3B】

【図3C】

【図4A】

【図4B】

【図4C】

【図5】

【図6A】

【図6B】

【図6C】

【国際調査報告】