(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】燃焼機関をブロックするための機構を備えるハイブリッド推進または牽引自動車両のためのパワートレイン
(51)【国際特許分類】
F16H 3/72 20060101AFI20240822BHJP
F16H 25/20 20060101ALI20240822BHJP
B60K 6/40 20071001ALI20240822BHJP
B60K 6/365 20071001ALI20240822BHJP
【FI】
F16H3/72 A
F16H25/20 B
B60K6/40 ZHV
B60K6/365
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531565
(86)(22)【出願日】2022-07-25
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 EP2022070831
(87)【国際公開番号】W WO2023011964
(87)【国際公開日】2023-02-09
(32)【優先日】2021-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524049365
【氏名又は名称】ホース パワートレイン ソリューションズ, エス.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ラウル, ミシェル
【テーマコード(参考)】
3D202
3J062
3J528
【Fターム(参考)】
3D202AA03
3D202EE10
3D202EE20
3J062AA02
3J062AB21
3J062AC07
3J062BA12
3J062CD02
3J062CD22
3J528EA25
3J528EB62
3J528EB63
3J528EB85
3J528FA34
3J528FC23
3J528GA02
(57)【要約】
- 動力分割遊星歯車トレイン(30)の太陽歯車(32)に固定されたロータ(41)を備え、且つ差動装置アセンブリ(80)を介して車両の車輪に対して結合または結合解除されるように構成された第1の機械(40)と、- 二次シャフト(60)に固定されたロータ(51)を備え、且つ差動装置アセンブリ(80)を介して車両の車輪に対して結合または結合解除されるように構成された第2の機械(50)と、- 燃焼機関(20)とを具備する、ハイブリッド推進または牽引自動車両のためのパワートレインにおいて、クランクシャフト(20)に接続された燃焼機関の回転要素(21)によって支承される少なくとも1つのノッチ(21a)と係合するように構成された制御された枢動ブロックフィンガを含んだ機構(100)であって、燃焼機関をブロックするための機構(100)を備えることを特徴とする、パワートレイン。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 動力分割遊星歯車セット(30)の太陽歯車(32)にしっかりと接続されたロータ(41)を備え、且つ差動装置アセンブリ(80)を介して車両の車輪に対して結合または結合解除されるように構成された第1の機械(40)と、
- 二次シャフト(60)にしっかりと接続されたロータ(51)を備え、且つ差動装置アセンブリ(80)を介して前記車両の前記車輪に対して結合または結合解除されるように構成された第2の機械(50)と、
- 燃焼機関(20)と
を具備する、ハイブリッド推進または牽引自動車両のためのパワートレインにおいて、
クランクシャフト(20)に接続された前記燃焼機関の回転要素(21)によって支承される少なくとも1つのノッチ(21a)と相互作用するように構成された制御された枢動ブロックフィンガ(110)を含んだ機構(100)であって、前記燃焼機関をブロックするための機構(100)を備えることを特徴とする、パワートレイン。
【請求項2】
前記枢動ブロックフィンガ(110)が、前記ノッチ(21a)と相互作用するように構成された少なくとも1つのスタッド(110a)を備える、請求項1に記載のパワートレイン。
【請求項3】
前記ブロックフィンガ(110)が、自身のピン(111)周りに枢動可能に取り付けられる、請求項1または2に記載のパワートレイン。
【請求項4】
前記ブロック機構(100)が、第1および第2のハウジング(101、102)を備え、前記ブロックフィンガ(110)の枢動ピン(111)が、前記第1および第2のハウジング(101、102)によって支承される軸受によって支持される、請求項3に記載のパワートレイン。
【請求項5】
前記ノッチ(21a)が、フライホイール(21)によって支承される、請求項1から4のいずれか一項に記載のパワートレイン。
【請求項6】
前記ブロック機構(100)が、前記ブロックフィンガ(101)を回転させるように構成された制御システム(120)を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のパワートレイン。
【請求項7】
前記制御システム(120)が、
- 前記第1のハウジング(101)内で支持される電気制御モータ(103)と、
- 前記電気モータ(103)のスピンドルに取り付けられたねじ(104)と、
- 前記ねじ(104)と相互作用し、前記電気モータ(103)の前記スピンドルと同軸であり前記電気モータ(103)の反対側に延在するナット軸部(105a)を備える、ナット(105)と、
- 前記ナット(105)の回転をブロックするためのペグ(106)であり、前記第1のハウジング(101)にしっかりと接続され前記電気モータ(103)の前記スピンドルに対して平行な前記ペグ(106)と、
- 前記ナット(105)の前記軸部(105a)に摺動可能に取り付けられた座金(107)であり、前記ナット(105)の頭部と前記座金(107)との間に取り付けられた係合ばね(108)によってストップピン(109)に対して押圧保持され、軸方向運動の間、前記枢動ブロックフィンガ(110)を回転させるように構成された、前記座金(107)と
を具備する、請求項4または6に記載のパワートレイン。
【請求項8】
前記ナット(105)が、前記第1および第2のハウジング(101、102)内にそれぞれ取り付けられた2つの軸受(101a、102a)によって支持される、請求項7に記載のパワートレイン。
【請求項9】
フライホイールハウジング(10)を備え、前記ブロック機構(100)が、前記フライホイールハウジング(10)によって支持される、請求項1から8のいずれか一項に記載のパワートレイン。
【請求項10】
前記燃焼機関(20)と、電力を交換し合う2つの電気機械(40、50)とを機械的に接続するように構成された動力分割遊星歯車セット(30)を備える動力分割電気式無段変速機を組み込んだ、請求項1から9のいずれか一項に記載のパワートレイン。
【請求項11】
少なくとも2つの駆動輪と、前記駆動輪を回転させるように構成された請求項1から10のいずれか一項に記載のパワートレイン(1)とを備える、ハイブリッド推進または牽引自動車両。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、ハイブリッド推進または牽引自動車両のための変速機の分野に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、2つの電気機械および燃焼機関を備えるパワートレインに関する。燃焼機関は遊星キャリアに結合され、発電機は太陽歯車に結合され、車両は歯車セットを介して輪歯車に結合される。
【0003】
本発明は、詳細には、可変速駆動装置、または、入力速度と出力速度との比が連続的に変化するいわゆる無段変速機(CVT)に関する。
【0004】
より詳細には、本発明は、燃焼機関と電力を交換し合う2つの電気機械とを機械的に接続する動力分割遊星歯車セット(power-splitting planetary gear set)を含む無段変速機に関する。
【0005】
そのような変速機において、燃焼機関からの機械的動力は、動力が第1の電気機械によって引き出される第1の動力経路と、動力が第2の電気モータからの機械的動力と組み合わせられる第2の動力経路との間の歯車セットの入力要素において分割される。機械的動力は、歯車セットの出力要素において集まり、そこから2つの電気機械間で交換される電力に応じて変化する伝達比で車両の車輪に伝達される。
【0006】
いわゆる「ハイブリッド」変速機は、一般に、いわゆる「フルハイブリッド」または「充電可能ハイブリッド(rechargeable hybrid)」モードで使用される。変速機が充電可能ハイブリッドで使用されるとき、モータとして発電機と称される電気機械を使用することが好ましい。電気走行の間、2つの電気機械を結合することは、電気機械のサイズを減少させることができるので有利である。発電機から車両の車輪への動力の伝達は、遊星キャリアがブロックされる限り、その場合レジューサ(reducer)として働く遊星歯車セットを介して可能である。
【0007】
燃焼機関に接続された遊星キャリアをブロックするために、フリーホイールシステムを使用することが知られている慣例である。
【0008】
これに関して、米国特許第5,788,006号を参照することができ、そこには、燃焼機関と、2つの電気機械を用いてその歯車減速比を変える、遊星歯車セットに基づいた変速機とを備える、「e-CVT」と称されるハイブリッドドライブトレインについて記載されている。燃焼機関は、歯車セットの遊星キャリアに接続されている。第1の電気機械は、太陽歯車に接続されている。その速度の変化によって、燃焼機関と、歯車セットの輪歯車、および第2の電気機械に接続された車輪との間の比が変わる。遊星キャリアのシャフトの回転は、前進だけの発電機の使用を可能にするフリーホイールによってブロックされる。
【0009】
しかし、そのようなシステムは、前進においてのみ、燃焼機関に接続された遊星キャリアのブロックを可能にする。
【0010】
また後進において2つの電気機械を使用することができることが重要である。後進における発電機の使用の可能性の欠如によって、結果的に牽引機械が過大な大きさにされることがある。
【0011】
電気機械を過大な大きさにすることは、車両の使用次第で決まる過剰な消費電力、および電気機械の占有面積の増大を伴う。
【0012】
従来技術のハイブリッド自動車両変速機の改善が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【0014】
したがって、本発明の目的は、改善されたエネルギー性能を有する電気パワートレインを提供することである。
【0015】
本発明は、
- 動力分割遊星歯車セットの太陽歯車にしっかりと接続されたロータを備え、且つ差動装置アセンブリを介して車両の車輪に対して結合または結合解除されるように構成された第1の機械と、
- 二次シャフトにしっかりと接続されたロータを備え、且つ差動装置アセンブリを介して車両の車輪に対して結合または結合解除されるように構成された第2の機械と、
- 燃焼機関と
を具備する、ハイブリッド推進または牽引自動車両のためのパワートレインに関する。
【0016】
パワートレインは、クランクシャフトに接続された燃焼機関の回転要素によって支承される少なくとも1つのノッチと相互作用するように構成された制御された枢動ブロックフィンガを含んだ機構であって、燃焼機関をブロックするための機構を具備する。
【0017】
したがって、両回転方向における燃焼機関のブロックが可能になり、それによって前進および後進におけるモータとしての発電機の使用が可能になる。
【0018】
有利には、枢動ブロックフィンガが、ノッチと相互作用するように構成された少なくとも1つのスタッドを備える。
【0019】
例えば、ブロックフィンガが、自身のピン周りに枢動可能に取り付けられる。
【0020】
有利には、ブロック機構が、第1のハウジングおよび第2のハウジングを備え、ブロックフィンガの枢動ピンが、第1および第2のハウジングによって支承される軸受によって支持される。
【0021】
有利には、ブロック機構が、ブロックフィンガを回転させるように構成された制御システムを備える。
【0022】
例えば、制御システムが、
- 第1のハウジング内で支持される制御電気モータと、
- 電気モータのスピンドルに取り付けられたねじと、
- ねじと相互作用するナット頭部を備え、電気モータのスピンドルと同軸であり前記電気モータの反対側に延在するナット軸部を備える、ナットと、
- ナットの回転をブロックするためのペグであり、第1のハウジングにしっかりと接続され電気モータのスピンドルに対して平行な、ペグと、
を具備する。
【0023】
したがって、ナットは、単なる軸方向運動しか行えない。
【0024】
例えば、制御システムが、ナットの軸部に摺動可能に取り付けられた座金(olive)であり、ナットの頭部と座金との間に取り付けられた係合ばねによってストップピンに対して押圧保持(held pressed)され、軸方向運動の間、枢動ブロックフィンガを回転させるように構成された座金をさらに備える。
【0025】
例えば、ナットが、第1および第2のハウジング内にそれぞれ取り付けられた2つの軸受によって支持される。
【0026】
有利には、パワートレインが、フライホイールハウジングを備え、ブロック機構が、フライホイールハウジングによって支持される。
【0027】
パワートレインは、例えば、燃焼機関と、電力を交換し合う2つの電気機械とを機械的に接続するように構成された動力分割遊星歯車セットを備える動力分割電気式無段変速機(power-splitting electric continuously variable transmission)(e-CVT)を組み込むことができる。
【0028】
第2の態様によれば、本発明は、少なくとも2つの駆動輪と、前記駆動輪を回転させるように構成された上述したようなパワートレインとを備える、ハイブリッド推進または牽引自動車両に関する。
【0029】
本発明のさらなる目的、特徴および利点は、添付の図面を参照して、単なる非限定的な例として与えられる以下の説明を読めば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】燃焼機関をブロックするための装置を備える、本発明の一実施形態による自動車両の電気式無段変速機(e-CVT)の長手方向の概略図である。
【
図2】フライホイールがブロックされた状態にある、
図1の燃焼機関をブロックするための装置の部分断面図である。
【
図3】フライホイールがブロックされていない状態にある、
図1の燃焼機関をブロックするための装置の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1に非常に概略的に示されるように、参照符号1で全体として示されるハイブリッドパワートレインは、ハイブリッド推進または牽引自動車両(図示せず)に組み込まれることが意図される。
【0032】
パワートレイン1は、差動装置アセンブリ80を介して車両の駆動輪の駆動シャフト(図示せず)を駆動することが意図される2つの電気機械40、50を備える。電気機械40、50は、それ自体の動力伝達経路をそれぞれ備える。
【0033】
パワートレイン1は、クランクシャフト20によって表される燃焼機関をさらに備える。
【0034】
パワートレイン1には、燃焼機関20と、電力を交換し合う2つの電気機械40、50とを機械的に接続する動力分割遊星歯車セット30を備える動力分割電気式無段変速機(e-CVT)が組み込まれる。
【0035】
図示のように、遊星歯車セット30の要素は、燃焼機関、具体的にはそのクランクシャフト20に接続される遊星キャリア31と、主に発電機として使用される第1の電気機械40に接続される太陽歯車32と、中間シャフト70によって支承される2つのギヤ段(参照符号なし)によって差動装置80に接続される輪歯車33とを備える。
【0036】
第2の電気機械50は、主にモータとして使用され、二次シャフト60および中間シャフト70によって支承される2つのギヤ段(参照符号なし)によって差動装置80に接続される。ギヤ段は、すでに知られているのでさらなる説明は行わない。
【0037】
図示のように、パワートレイン1は、3つの別個のハウジング10、11、12、すなわちフライホイールおよび差動装置のためのハウジング10、機械装置のためのハウジング11、ならびに電気機械のためのハウジング12を備える。
【0038】
フライホイールハウジング10には、クランクシャフト20、燃焼機関フライホイール21、トルクリミッタ22および振動減衰装置23が組み込まれる。
【0039】
フライホイールハウジング10および機械装置ハウジング11は、それらの間に第1のコンパートメント(参照符号なし)を画定し、その中に、具体的には動力伝達手段、カップリングシステム、パーキングブレーキ係合機構などのすべての機械装置が取り付けられる。
【0040】
機械装置ハウジング11および電気機械ハウジング12は、それらの間に第2のコンパートメント(参照符号なし)を画定し、その中に、2つの電気機械40、50が取り付けられる。
【0041】
発電機と称される第1の電気機械40は、ロータシャフト41およびステータ42を備える。
【0042】
ロータシャフト41は、その端部において、動力分割歯車セット30の中央歯車である、太陽歯車32を支持する。
【0043】
太陽歯車32は、遊星キャリア31によって支承される(1つだけが図示される)歯車31aと相互作用する。遊星キャリアである、歯車セット30の中央要素は、燃焼機関のクランクシャフト20にしっかりと接続されるフライホイール21のダンパーハブ23に接続される。
【0044】
遊星キャリアは、フライホイールハウジング10内において、ころ軸受(参照符号なし)によって案内され、その遊星歯車の歯は、内側において、太陽歯車32の歯内に、外側において、歯車セット30の輪歯車33の歯内に案内される。
【0045】
輪歯車33である、歯車セット30の外部出力要素は、ハウジング10および11内のころ軸受(参照符号なし)によって支持されるスリーブ34によって支承される。このスリーブは、その外周に歯34aを有し、歯34aは、シャフト70によって支承される歯車71と噛み合うことによって、それに発電機40によって取り出されない燃焼機関からの動力を伝達する。次いで、シャフト70の歯70aは同様に、動力を、車両の車輪にシャフト(図示せず)によって接続される差動装置80に取り付けられた輪歯車81に伝達する。
【0046】
第2の電気機械50、すなわち主機械は、ロータ51およびステータ52を備える。ロータ51は、一次シャフト60を駆動することができるスプライン51aで終わる。歯60aは、動力をモータ50からシャフト70によって支承される歯車71に伝達する。次いで、シャフト70の歯70aは同様に、動力を、車両の車輪にシャフト(図示せず)によって接続される差動装置80に取り付けられた輪歯車81に伝達する。
【0047】
図2および
図3に詳細に示されるように、パワートレイン1は、燃焼機関、具体的にはフライホイール21をブロックする機構100を備える。
【0048】
ブロック機構100は、フライホイールハウジング10に取り付けられ、第1のハウジング101と第2のハウジング102とを備える。
【0049】
ブロック機構100は、第1のハウジング101内で支持される電気制御モータ103を備える制御システム120と、電気モータ103のスピンドルに取り付けられるねじ104と、ねじ104と相互作用し、第1のハウジング101および第2のハウジング102内にそれぞれ取り付けられる2つの軸受101a、102aによって支持されるナット105とを備える。
【0050】
ナット105は、電気モータ103のスピンドルと同軸であり前記電気モータ103の反対側に延在するナット軸部105aを備える。
【0051】
制御システム120は、第1のハウジング101にしっかりと接続され電気モータ103のスピンドルに対して平行であり回転を阻止するためにナット105と相互作用するペグ106をさらに備える。
【0052】
したがって、ナット105は、単に軸方向運動だけしか行うことができない。
【0053】
制御システム120は、座金107をさらに備える。座金107は、ナット105の軸部105aに摺動可能に取り付けられ、ナット105の頭部と座金107との間に取り付けられる係合ばね108によってストップピン109に対して押圧保持される。
【0054】
ブロック機構100は、フライホイール21の外周上に位置するノッチ21aと相互作用するスタッド110aを含む枢動ブロックフィンガ110をさらに備える。
【0055】
ブロックフィンガ110は、ピン111周りに枢動し、その軸受(図示せず)は、第1のハウジング101および第2のハウジング102によって支承される。
【0056】
座金107は、軸方向に動くことによって、枢動ブロックフィンガ110に接触する。
【0057】
車両が電気走行モードにあるとき、燃焼機関はオフにされ、ブロックフィンガ110のスタッド110aがフライホイール21のノッチ21aのうちの1つに係合される。
【0058】
停止におけるフライホイール21のランダムな角度位置は、ノッチ21aとブロックフィンガ110のスタッド110aとの係合が保証されないことを意味する。
【0059】
この場合、ブロックフィンガ110は、完全な係合回転を行うことができず、座金107は、その全行程に沿って移動しない。しかし、ナット105は、公称行程(nominal stroke)なしに継続し、座金を、圧縮されるばね108による張力を受けた状態に置く。したがって、発電機40の始動は、遊星キャリアの求められる軸受トルクがモータの抵抗(drag)を超える限り、フライホイール21を回転させる。
【0060】
ブロックフィンガ110のスタッド110aがフライホイール21のノッチ21aのうちの1つと一致するとすぐに、ばね108は座金107を即座に押し戻し、したがってブロックフィンガ110の係合を完了するという効果を有する。
【0061】
したがって、ブロック機構100によって、発電機40は、遊星キャリア31により、必要な動力のすべてを遊星歯車セット30の輪歯車33に、次いで中間シャフト70および差動装置80を介して車両の車輪に伝達することが可能になる。
【0062】
ブロック機構100によるブロックは、両回転方向において動作し、後進および前進において使用され得る。
【0063】
車両の走行モードがハイブリッドモードに変えられるとき、フライホイール21は、ブロック機構100から解放されなければならない。
【0064】
この場合、ブロック機構100の電気モータ103は、ねじ104を介して、ナット105をモータ103の方に向けて動かし、それによってピン109を介して座金107が駆動される。ブロックフィンガ110のスタッド110aは、例えば、ばねである戻し部材(図示せず)によりフライホイール21のノッチ21aから係合解除される。
【0065】
したがって、本発明により、電気機械の寸法を最適化するために、両回転方向において燃焼機関に接続された遊星キャリアをブロックすることが可能になり、それによって前進および後進においてモータとしての発電機の使用、したがって電気走行モードにおいて、前進および後進における両方の電気機械の使用が可能になる。
【国際調査報告】