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  • 特表-チューブからの物質の自動抽出 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】チューブからの物質の自動抽出
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20240822BHJP
   G01N 21/27 20060101ALI20240822BHJP
   C12N 15/86 20060101ALN20240822BHJP
【FI】
C12M1/00 A
G01N21/27 A
C12N15/86 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532371
(86)(22)【出願日】2022-08-08
(85)【翻訳文提出日】2024-04-04
(86)【国際出願番号】 US2022039728
(87)【国際公開番号】W WO2023015034
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】63/230,459
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524051195
【氏名又は名称】アドバンスド メディシン パートナーズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136744
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 佳正
(72)【発明者】
【氏名】クヌーテン,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】クレムコウ,ベンジャミン
【テーマコード(参考)】
2G059
4B029
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB04
2G059BB09
2G059DD04
2G059EE11
2G059FF01
2G059KK04
4B029AA09
4B029AA23
4B029BB13
4B029HA09
(57)【要約】
チューブからの物質の自動抽出のための技術が提供される。この技術は、無菌抽出チャンバと、無菌抽出チャンバ内に超遠心分離機(UC)チューブを位置決めするように構成された移送アームと、を備えるシステムを含む。UCチューブは、内部に埋め込まれた粒子状物質を有する液体溶液を含有し、粒子状物質が複数の層を形成する。システムはまた、複数の層のうちの特定の層を抽出するように構成された抽出器アームを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
無菌抽出チャンバと、
前記無菌抽出チャンバ内に超遠心分離機(UC)チューブを位置決めするように構成された移送アームであって、前記UCチューブが、内部に埋め込まれた粒子状物質を有する液体溶液を含有し、前記粒子状物質が、複数の層を形成する、前記移送アームと、
前記複数の層のうちの特定の層を抽出するように構成された抽出器アームと、を備える、前記システム。
【請求項2】
前記特定の層の抽出中に、前記抽出器アームを動作させるように構成された制御ユニットをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記移送アームが、前記無菌抽出チャンバ内に前記UCチューブを位置決めする前に、遠心分離機チャンバから前記UCチューブを取り出すようにさらに構成され、前記UCチューブを前記無菌抽出チャンバ内に位置決めすることが、前記UCチューブ内の前記複数の層の配置を維持する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記UCチューブが密封され、重力方向に沿って配向された長手方向軸を有し、前記特定の層が本質的に均一な厚さを有し、前記長手方向軸に沿った前記UCチューブのセクションに位置する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記抽出器アームが、前記抽出器アームの遠位端でレセプタクルに取り外し可能に結合され、前記レセプタクルが、前記レセプタクルの端部に配置された針を有する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記抽出器アームが、前記針を使用して、前記セクションの下の位置で前記UCチューブを穿刺するようにさらに構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記抽出器アームが、前記特定の層を形成するある量の溶質を前記レセプタクル内に吸引し、前記量の溶質で満たされた前記レセプタクルをもたらすように構成された抽出器ユニットを備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記抽出器アームが、前記満たされたレセプタクルを交換器ユニットの保管コンパートメントに解放するようにさらに構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記液体溶液が、ウイルスベクター溶液である、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記ウイルスベクター溶液が、塩化セシウムまたはイオジキサノールのうちの1つを含む溶媒を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
装置であって、
少なくとも1つのメモリデバイスに記憶されたコンピュータ実行可能構成要素を実行する少なくとも1つのプロセッサを備え、前記コンピュータ実行可能構成要素が、
無菌抽出チャンバ内の超遠心分離機(UC)チューブの位置を定義し、前記UCチューブ内の粒子状物質の複数の層のそれぞれの位置をさらに定義する場所データを生成するように構成された撮像モジュールと、
抽出モジュールであって、
前記場所データに基づいて、抽出器アームに、前記複数の層のうちの特定の層を抽出するために、前記無菌抽出チャンバ内の位置に移動するように指示し、かつ
前記抽出器アームに統合された抽出器ユニットに、前記抽出器アームに結合された収集レセプタクルを満たすように指示するように構成された、前記抽出モジュールと、を備える、前記装置。
【請求項12】
前記撮像モジュールが、前記無菌抽出チャンバ内のカメラからの撮像データを使用して前記場所データを生成するようにさらに構成され、前記撮像データが、前記UCチューブ及び前記複数の層の画像を定義する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記場所データを生成することが、1つ以上のマシンビジョン技術を前記撮像データに適用して、前記UCチューブ及び前記複数の層を識別することを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記場所データが、定義された座標系における前記UCチューブの境界の座標を定義する第1のデータを含み、前記複数の層のうちの少なくとも1つの座標を定義する第2のデータをさらに含む、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記抽出モジュールが、前記場所データに基づいて、前記カメラの位置または配向のうちの1つ以上を調整するようにさらに構成されている、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記コンピュータ実行可能構成要素が、前記収集レセプタクルの前記抽出器アームへの取り付けを制御するように構成された交換モジュールをさらに備える、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記交換モジュールが、前記抽出器アームからの前記収集レセプタクルの解放を制御するようにさらに構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記交換モジュールが、交換器ユニット内の保管コンパートメント内の満たされた収集レセプタクルの保持を制御するようにさらに構成されている、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記UCチューブが、液体溶液中の特定の物質を含有する、請求項11に記載の装置。
【請求項20】
前記液体溶液が、塩化セシウムまたはイオジキサノールのうちの1つを含む溶媒を含むウイルスベクター溶液である、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
システムであって、
無菌抽出チャンバと、
前記無菌抽出チャンバ内の超遠心分離機(UC)チューブであって、前記UCチューブが、内部に埋め込まれた粒子状物質を有する液体溶液を含有し、前記粒子状物質が複数の層を形成する、前記超遠心分離機(UC)チューブと、
前記複数の層のうちの特定の層を抽出するように構成された抽出器アームと、を備える、前記システム。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年8月6日に出願された米国仮特許出願第63/230,459号の利益及び優先権を主張し、その出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
以下の一般的な説明及び以下の詳細な説明はいずれも例解及び説明のみを目的としており、限定的なものではないことを理解されたい。
【0003】
一実施形態では、本開示は、システムを提供する。システムは、無菌抽出チャンバと、無菌抽出チャンバ内に超遠心分離機(ultracentrifuge、UC)チューブを位置決めするように構成された移送アームであって、UCチューブは、内部に埋め込まれた粒子状物質を有する液体溶液を含有し、粒子状物質は複数の層を形成する、移送アームと、複数の層のうちの特定の層を抽出するように構成された抽出器アームと、を備える。
【0004】
別の実施形態では、本開示は、装置を提供する。装置は、少なくとも1つのメモリデバイスに記憶されたコンピュータ実行可能構成要素を実行する少なくとも1つのプロセッサを備える。コンピュータ実行可能構成要素は、無菌抽出チャンバ内のUCチューブの位置を定義し、UCチューブ内の粒子状物質の複数の層のそれぞれの位置をさらに定義する場所データを生成するように構成された撮像モジュールを含む。コンピュータ実行可能構成要素はまた、場所データに基づいて、抽出器アームに、複数の層のうちの特定の層を抽出するために無菌抽出チャンバ内の位置に移動するように指示し、抽出器アームに統合された抽出器ユニットに、抽出器アームに結合された収集レセプタクルを満たすように指示するように構成された抽出モジュールを含む。
【0005】
本開示の追加の要素または利点は一部、続く説明に記載され、一部、説明から明白であるか、または主題の開示の実践により学ぶことができる。主題の開示の利点は、添付の特許請求の範囲に特に指摘される要素及び組み合わせにより達することができる。
【0006】
この概要は、本開示の重要なまたは本質的な特徴を識別することを意図しておらず、単にその特定の特徴及び変形を要約することを意図している。その他の詳細及び機能については、以下のセクションで説明する。さらに、前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は両方とも、例解的及び説明のみを目的としており、本開示の実施形態を限定するものではない。
【0007】
添付の図面は、本開示の不可欠な部分であり、主題明細書に組み込まれる。図面は、本開示の例示的な実施形態を例解し、説明及び特許請求の範囲と併せて、本開示の少なくとも部分的に様々な原理、要素、または態様を説明するよう機能する。本開示の実施形態は、添付の図面を参照して以下により完全に説明される。しかしながら、本開示の様々な要素は、多くの異なる形式で実装することができ、本明細書に記載の実装形態に限定されると解釈されるべきではない。同様の数字は、全体を通して同様の要素を指す。図面は、縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の1つ以上の実施形態による、チューブから物質を自動抽出するためのシステムの例を例解する。
図2】本開示の1つ以上の実施形態による、チューブからの物質の自動抽出を制御するための装置の例を例解する。
図3】本開示の1つ以上の実施形態による、チューブから物質を自動的に抽出する方法の例を例解する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本方法及びシステムを開示及び説明する前に、方法及びシステムが特定の方法、特定の構成要素、または特定の実装形態に限定されないことを理解されたい。また、本明細書において使用される用語は、特定の実施形態を単に記載する目的のためのものであり、限定であることを意図されないことが理解されることになる。
【0010】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈から特に明白に否定されない限り、複数の指示対象を含む。範囲は、本明細書において「約」1つの特定の値から、及び/または「約」別の特定の値までとして表され得る。そのような範囲が表現されるとき、別の実施形態は、1つの特定の値から及び/または他の特定の値までを含む。同様に、値が先行詞「約」の使用により近似として表される場合、特定の値は別の実施形態を形成することを理解する。範囲の各々の終点が、他の終点と関連してだけではなく、他の終点とは無関係でも、意味を表すことが、さらに理解されることになる。
【0011】
「任意選択の」または「任意選択的な」は、続いて記載される事象または状況が生じ得るか、または生じ得ず、その記載が、該事象または状況が生じる場合と生じない場合とを含む。
【0012】
本明細書の説明及び特許請求の範囲全体を通じて、「含む(comprise)」という語、及び「含む(comprising)」及び「含む(comprises)」などの語の変形は、「含むがそれに限定されない」ことを意味し、例えば、他の構成要素、整数、またはステップを排除することを意図するものではない。「例示的な(exemplary)」は、「の例(an example of)」を意味し、好ましいまたは理想的な実施形態の表示を伝えることを意図しない。「など」は、限定的な意味で使用するのではなく、説明目的で使用する。
【0013】
開示された方法及びシステムを実行するために使用され得る構成要素が、開示される。これらの及び他の構成要素が、本明細書において開示されて、これらの構成要素の組み合わせ、部分集合、相互作用、群などが開示されるときに、一方で、これらの各々の様々な個々の及び集合的な組み合わせ及び置換の特定の参照が、明示的に開示されなくてもよく、各々が、全ての方法及びシステムについて、本明細書において具体的に考慮され記載されることが理解される。これは、限定されるものではないが、開示された方法におけるステップを含む、この出願の全ての態様に適用する。それ故、実行され得る種々の追加的なステップがある場合、これらの追加的なステップのそれぞれが、開示された方法の任意の特定の実施形態または実施形態の組み合わせを用いて実行され得ることが理解される。
【0014】
本方法及びシステムは、好ましい実施形態及びその中に含まれる実施例の以下の詳細な説明、及び図面、ならびにそれらの先行及び後続の説明を参照することによって、より容易に理解され得る。
【0015】
当業者によって理解されるように、方法及びシステムは、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態、またはソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態をとり得る。さらに、方法及びシステムは、記憶媒体に具現化されたコンピュータ可読プログラム命令(例えば、コンピュータソフトウェア)を有するコンピュータ可読記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形態をとり得る。より具体的には、本方法及びシステムは、ウェブ実装化コンピュータソフトウェアの形式をとり得る。ハードディスク、CD-ROM、光記憶デバイス、または磁気記憶デバイスを含む任意の好適なコンピュータ可読記憶媒体が利用され得る。
【0016】
方法及びシステムの実施形態は、方法、システム、装置、及びコンピュータプログラム製品のブロック図及びフローチャート例解を参照して以下で説明する。ブロック図及びフローチャート例解の各ブロック、ならびにブロック図及びフローチャート例解のブロックの組み合わせは、それぞれ、コンピュータプログラム命令によって実装され得ることが理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされて、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置上で実行される命令が、フローチャートブロック(複数可)に指定された機能を実装するための手段を作成するように、機械を作り出してもよい。
【0017】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置に特定の方式において機能するように指示することができるコンピュータ可読メモリに記憶されてもよく、その結果、コンピュータ可読メモリに記憶された命令は、フローチャートブロック(複数可)に指定された機能を実装するためのコンピュータ可読命令を含む製造物品を作り出す。コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされて、一連の動作ステップをコンピュータまたは他のプログラム可能な装置で実施させて、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置で実行される命令がフローチャートブロック(複数可)に指定された機能を実装するためのステップを提供するように、コンピュータ実装プロセスを作り出してもよい。
【0018】
したがって、ブロック図及びフローチャート例解のブロックは、指定された機能を実施するための手段、指定された機能を実施するためのステップの組み合わせ、及び指定された機能を実施するためのプログラム命令手段の組み合わせをサポートする。ブロック図及びフローチャート例解の各ブロック、ならびにブロック図及びフローチャート例解のブロックの組み合わせは、指定された機能もしくはステップを実施する特定目的のハードウェアベースコンピュータシステム、または特定目的のハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせによって実装され得ることも理解されよう。
【0019】
図1は、本開示の1つ以上の実施形態による、システム100の例を例解する。システム100は、内部に埋め込まれた粒子状物質を有する液体溶液を含有する1つ以上の超遠心分離機(ultracentrifuge、UC)チューブの遠心分離を可能にする遠心分離機チャンバ110を備えることができる。粒子状物質は、液体溶液中の溶質であり、様々な溶媒のうちの1つを液体溶液中で使用することができる。粒子状物質は、異なるサイズの粒子を含むことができる。いくつかの液体溶液では、粒子状物質はまた、異なる粒子密度を含むことができる。いくつかの場合では、液体溶液は、(例えば、溶媒として塩化セシウムまたはイオジキサノールを使用して)ウイルスベクター溶液中に具現化され得る。1つ以上のUCチューブのうちの各々のUCチューブは、UCチューブ内の気泡形成を最小限に抑えるために、下部端から上部端まで液体溶液を充填することができる。ここで、「上部」及び「下部」は、重力ベクトルの方向に対して定義され、上部から下部への配向は、その力ベクトルの方向と同じである。UCチューブが満杯になるか、またはそうでなければ所望のレベルまで充填された後、UCチューブは密封される。1つ以上のUCチューブは、遠心分離機チャンバ110内でバランスをとり、遠心分離プロセスを機械的に安定させることができる。遠心分離プロセスは、UCチューブの長手方向軸に沿って形成された密度勾配に従って、それぞれのタイプの粒子状物質の複数のバンドを作成することができ、複数のバンドのうちの各々1つが液体溶液中に存在する溶媒内に懸濁している。粒子状物質のバンドは、粒子状物質の層を指し、層は、UCチューブの長手方向軸に垂直である方向に主に沿って延在する。層は、実質的に均一であり得る厚さを有する。
【0020】
システム100はまた、遠心分離後に遠心分離機チャンバ110からUCチューブ130を取り出すことができる移送アーム124を含む移送アセンブリ120を含むことができる。移送アーム124は、複数のバンドに擾乱を引き起こすことなく、UCチューブ130を取り出すことができる。移送アーム124は、制御ユニットなどのコンピューティング装置によって制御することができるロボットアームであってもよい。移送アーム124は、取り出されたUCチューブ130を無菌抽出チャンバ140内に位置決めすることができ、固定ホルダとして機能することができる。
【0021】
本開示は、UCチューブ130を遠心分離機チャンバ110から無菌抽出チャンバ140に移動させるために移送アーム124に依存することに限定されないことに留意されたい。実際に、いくつかの例示的なシナリオでは、無菌抽出チャンバ140内のUCチューブ130の配置は、移送アーム124を利用することなく達成することができる。したがって、いくつかの実施形態では、そのような移送アーム124以外の他の機構を使用して、無菌抽出チャンバ140内の所望の位置にUCチューブ130を配置し、任意選択的に固定することができる。
【0022】
光源150(ランプまたは固体照明デバイスなど)は、無菌抽出チャンバ140内またはその近くに組み立てることができ、UCチューブ130及びUCチューブ130に含有される複数のバンドを照射することができる。光源150は、電磁放射のスペクトルの定義された部分内の波長を有する光を放射することができる。複数のバンドは、図1に異なるサイズのグレーのブロックで表される。
【0023】
システム100は、UCチューブ130からある量の溶質を抽出することができる抽出器アーム164を有する抽出器アセンブリ160をさらに含むことができる。具体的には、抽出器アーム164は、UCチューブ130に存在する複数のバンドの特定のバンドを抽出することができる。述べたように、UCチューブ130は密封されている。したがって、特定のバンドを取り出すために、抽出器アーム164は、UCチューブ130の上部またはその近くでUCチューブ130を穿刺することができる。一構成では、抽出器アーム164は、抽出器アーム164の遠位端に取り外し可能に取り付けられた針を有することができる。その針は、UCチューブ130を貫通し、UCチューブ130上に開口部を作成することができる。UCチューブ130を穿刺することは、通気として機能する開口部を作成することができる。いくつかの場合、抽出器アーム164は、針へのコアリングを回避しながら、密封されたUCチューブ130を穿刺するために、ねじれ運動を実施することができる。UCチューブ130を取り囲む環境からのガス(例えば、空気または不活性ガス)が穿刺されたUCチューブ130に入ることができるため、抽出器アーム164は、UCチューブ130に対して、針の先端斜角がUCチューブ130の上部に面しているように位置決めすることができる。そのような構成では、ガスは、UCチューブ130に存在する上部バンド(すなわち、通気に最も近いバンド)と干渉しない場合がある。抽出器アーム124は、制御ユニットなどのコンピューティング装置によって制御することができるロボットアームであり得る。
【0024】
さらに、UCチューブ130が穿刺された後、抽出器アーム164は針を解放することができ、したがって、通気導管168を提供する。次いで、抽出器アーム164は、交換器ユニット170に結合され得る。結合は、レセプタクル172を抽出器アーム164に取り外し可能に取り付けることを可能にすることができる。レセプタクル172は、端部に取り付けられた針を有することができる。抽出器アーム164は、針によって、所望のバンドの直下にUCチューブ130を穿刺して、ある量の溶質をレセプタクル172に収集することができる。抽出器アーム164は、溶媒内の1つ以上のバンドを再分配することなく、UCチューブ130を穿刺することができる。言い換えると、抽出器アーム164は、UCチューブ130に存在するバンドの配置(またはプロファイル)を維持することができる。針の先端斜角は、UCチューブ130の上部に向かって配向されてもよい。そのようにして、所望のバンドを形成する溶質を優先的に抽出することができる。
【0025】
UCチューブ130がレセプタクル172に取り付けられた針で穿刺された後、抽出器アーム164に統合された抽出器ユニット174は、所望のバンドを構成する溶質でレセプタクル172を満たすことができる。抽出器ユニット174は、場合によっては、レセプタクル172に近接して、抽出器アーム164の遠位端に統合することができる。抽出器ユニット174は、レセプタクル172に結合することができる(例えば、流体的に結合する、機械的に結合する、及び/または電気的に結合する)。抽出器ユニット174及びレセプタクル172は、抽出アセンブリを形成し得る。抽出器ユニット174は、レセプタクル172を密閉閉止するピストンを含むことができる。ピストンは、レセプタクル172内に部分的に含有されるように描写される。抽出器ユニット174は、ピストンを移動させてレセプタクル172内に空間を作成し、それによってUCチューブ130に含有される液体溶液からある量の溶質を吸引することができる。その量の溶質が、UCチューブ130内に所望のバンドを形成することができる。ピストンが移動すると、UCチューブ130を囲む環境からのガスが、通気導管168を通ってUCチューブ130に入ることができる。したがって、UCチューブ130内の他のバンドは、所望のバンドの抽出中に乱されないままでいることができる。例えば、所望のバンドがUCチューブ130から本質的に完全に取り出されるまで、ピストンを移動させることができる。したがって、抽出は、次のバンドを抽出する前に終了することができる。
【0026】
バンドの抽出中、抽出器アーム164は、抽出されるバンドに対する針の位置を維持することができる。例えば、抽出器アーム164は、バンドを含有する平面に本質的に平行であり、UCチューブ130の長手方向軸に垂直である平面上に針を維持することができる。図1に例解するように、長手方向軸は、重力ベクトルの方向(図1で太字のgでラベル付けされた短いオープンヘッドの矢印で表される)に沿って配向することができる。
【0027】
所望のバンドがUCチューブ130から抽出された後、抽出器アーム164は、抽出位置(図1に例示されるように)から、抽出器アーム164が交換器ユニット170(またはその部材)に結合され得る別の位置に移動することができる。その他の位置は、単に命名法のために、リリースアンドストアポジションと呼ばれる場合がある。抽出器アーム164と交換器ユニット170(またはその部材)との間の結合は、満たされたレセプタクル172を抽出器アーム164から解放することを可能にすることができる。解放済みの満たされたレセプタクル172は、所望のバンドを抽出する前に、レセプタクル172が抽出器アーム164に事前に結合されたスロット内で交換することができる。スロットは、交換器ユニット170内のハッチングされた長方形によって表される。いくつかの実施形態では、解放済みの満たされたレセプタクル172は、交換器ユニット170内の保管コンパートメントに配置されてもよく、またはそれに結合されてもよい。抽出器アーム164と交換器ユニット170(またはその部材)との間の結合はまた、清潔なレセプタクルを抽出器アーム164に取り外し可能に取り付けることを可能にすることができる。取り付けられた清潔なレセプタクルは、針を端部に取り付けることもできる。次に、抽出器アーム164を使用して、本明細書に記載の態様に従って、UCチューブ130から別のバンドを抽出することができる。
【0028】
システム100はまた、移送アーム124の動き及び移送アーム124の他の動作を制御する制御ユニット180を含む。その目的のために、制御ユニット180は、移送アーム124にUCチューブ130を遠心分離機110から取り出すように指示することができる移送モジュール181を含むことができる。移送モジュール181はまた、移送アーム124に、UCチューブ130に存在するバンドの擾乱なしに、UCチューブ130を無菌抽出チャンバ140に配置するように指示することができる。そのような取り出し及び配置動作は、UCチューブ130が遠心分離機110から無菌抽出チャンバ140に移送される移送動作を構成する。
【0029】
制御ユニット180はまた、抽出器アーム164の動き及び抽出器アーム164の他の動作を制御する。制御ユニット180は、UCチューブ130及び内部に含有されるバンドの画像を定義する撮像データを利用することができる。カメラ190は、撮像データを生成することができる。撮像データは、場合によっては、リアルタイムで生成することができる。単一のカメラ190が図1に例解されているが、本開示に説明されている技術は、その点に限定されない。実際に、いくつかの実施形態では、複数のカメラをシステム100に含めることができる。
【0030】
制御ユニット180は、撮像データを使用して、定義された座標系に対して、UCチューブ130及び内部に存在するバンドに対応する場所データを生成することができる。その目的のために、制御ユニット180は、UCチューブ130及び内部に存在するバンドを識別するために、撮像データに1つまたは複数のマシンビジョン技術を適用することができる。撮像モジュール182は、いくつかの実施形態では、それらの技術を適用することができる。そのような識別は、制御ユニット180が場所データを生成することを可能にする。場所データは、定義された座標系におけるUCチューブ130の境界の座標を定義する第1のデータを含むことができる。場所データはまた、バンドのうちの少なくとも1つの座標を定義する第2のデータを含むことができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、図1に例解されるように、制御ユニット180は、抽出器アーム164に、場所データに従って位置決めするように指示することができる抽出モジュール184を含むことができる。場所データは、撮像データが利用可能になると更新され得る。したがって、抽出モジュール184は、場所データが撮像データに基づいて更新されるときに、抽出器アーム164の位置を制御することができる。例えば、撮像データはリアルタイムで利用可能であることができ、したがって、抽出モジュール184は、リアルタイムまたはほぼリアルタイムで抽出器アーム164の位置を制御することができる。抽出モジュール184はまた、抽出器アーム164が所望のバンドを抽出するために所定の位置に配置された後にレセプタクル172を満たすために、抽出器アーム164に取り付けられた抽出器ユニット174を制御することができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、抽出モジュール184は、UCチューブ130に対するカメラ190(及び/または無菌抽出チャンバ140内に存在し得る他のカメラ)の位置及び/または配向を制御することができる。カメラ190(または無菌抽出チャンバ140内に存在する別のカメラ)の位置及び/または配向を調整することによって、抽出モジュール184は、カメラ190のカメラ視点を調整することができ、したがって、UCチューブ130内の所望のバンドが適切に視認され、所望のバンドの位置が十分な精度で決定されることを確実にすることができる。単に例解の目的のために、バンドは、視野内に閉塞がないときに十分に視認される。
【0033】
場合によっては、撮像モジュール182は、撮像モジュール182によって生成された場所データの品質に基づいて、抽出モジュール184にカメラ190の位置及び/または配向を調整させることができる。例えば、撮像モジュール182は、UCチューブ130内の所望のバンドの位置の精度を定量化する品質メトリックを決定することができ、ここで、位置は、本明細書で説明される態様に従って得られた場所データを使用して決定される。品質メトリックが定義された閾値以下である場合、撮像モジュール182は、抽出モジュール184にカメラ190の位置を調整するように指示することができる。
【0034】
制御ユニット180は、抽出器アーム164への収集レセプタクル(例えば、レセプタクル172)の取り付け及び抽出器アーム164からの収集レセプタクルの解放を制御できる交換モジュール186を含むことができる。交換モジュール186はまた、交換器ユニット170内に存在し得る保管コンパートメント内の満たされた収集レセプタクルの保持を制御することができる。
【0035】
制御ユニット180は、1つ以上のバスアーキテクチャ(図1に矢印で表される)によって、移送アセンブリ120、抽出器アセンブリ160、交換器ユニット170、及びカメラ190に機能的に結合される。例解として、バスアーキテクチャは、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス、Modbus、他のタイプのフィールドバスアーキテクチャ、または同様のアーキテクチャで具現化することができる。
【0036】
制御ユニット180は、UCチューブ130からの所望のバンドの自動抽出に関与する他の構成要素に結合された単一の構成要素として示されているが、本明細書に記載の技術は、その点に限定されない。実際に、いくつかの実施形態では、制御ユニット180は、空間的に分散され得、制御ユニット180を構成するモジュールは、制御される構成要素にわたって分散され得る。一例では、移送モジュール181は、移送アセンブリ120内に展開することができ、抽出モジュール184は、抽出器アセンブリ160内に展開することができ、交換モジュール186は、交換器ユニット170内に展開することができ、撮像モジュール182は、カメラ190内に展開することができる。
【0037】
移送モジュール181、撮像モジュール182、抽出モジュール184、または交換モジュール186のうちの各々1つ、またはそれらの組み合わせは、ハードウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実装され得る。いくつかの実施形態では、これらのモジュールうちの各々1つは、プロセッサ実行可能な形態で、1つまたは複数のメモリデバイスに保持されるソフトウェアで具現化することができる。より具体的には、そのような実施形態では、図2に例解されるように、制御ユニット180は、1つまたは複数のメモリデバイス230(メモリ230と呼ばれる)及び1つまたは複数の入力/出力(input/output、I/O)インターフェース220に機能的に結合された1つまたは複数のプロセッサ210を含むことができる。プロセッサ(複数可)210は、個々にまたは組み合わせて、UCチューブ(例えば、UCチューブ130)からの溶質バンドの抽出に関連して本明細書に説明された機能を実施するために、そのようなモジュールを実行することができる。プロセッサ(複数可)のうちの各々1つは、データ及び/またはシグナリング上で動作することができる電子回路を含むことができる。一例解として、プロセッサは、プログラマブル論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、ハードウェアマルチスレッドマイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、グラフィカル処理装置(GPU)、テンソル処理装置(TPU)、またはそれらの組み合わせで具現化され得る。場合によっては、プロセッサ(複数可)210のうちの各々1つは、少なくとも1つの処理コアを有することができ、プロセッサ(複数可)210は、1つまたは複数のチップセットに組み立てることができる。
【0038】
プロセッサ(複数可)210は、例えば、1つまたは複数の通信インターフェース215によって、メモリ230に、及びいくつかの構成では、互いに、機能的に結合され得る。通信インターフェース(複数可)215は、イーサネットベースの産業用バス、CANバス、Modbus、他のタイプのフィールドバスアーキテクチャ、それらの組み合わせなどの1つ以上のバスアーキテクチャを含むことができる。加えて、または場合によっては、通信インターフェース(複数可)215は、メモリバスもしくはメモリコントローラ、ペリフェラルバス、加速グラフィックスポート、もしくはローカルバス、または同様のものを含む他のタイプのバスアーキテクチャを含むことができる。いくつかの実施形態では、通信インターフェース(複数可)220はまた、無線バスアーキテクチャを含むことができる。
【0039】
メモリ230は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ、及び/またはリードオンリーメモリ(ROM)などの不揮発性メモリの形態のコンピュータ可読媒体を含む。メモリ230は、機械的にアクセス可能な構成要素(例えば、コンピュータ可読構成要素及び/またはコンピュータ実行可能構成要素)を記憶することができる。機械アクセス可能な構成要素は、移送モジュール181、撮像モジュール182、抽出モジュール184、及び交換モジュール186を具現化することができ、または構成することができる。したがって、機械アクセス可能な命令(例えば、コンピュータ可読命令及び/またはコンピュータ実行可能命令)は、メモリ230内の機械アクセス可能な構成要素の各々1つを具現化する、またはそうでなければ構成する。機械アクセス可能な命令は、メモリ230に符号化することができ、機械アクセス可能な構成要素の各々1つを形成するように配置することができる。機械アクセス可能な命令は、メモリ230内に構築され(例えば、リンクされ、コンパイルされ)、コンピュータ実行可能な形式で保持され得る。メモリ230はまた、本明細書に記載の様々な機能を可能にするデータを含有するデータ記憶装置234を含むことができる。
【0040】
マシンアクセス可能な構成要素は、個別にまたは特定の組み合わせで、プロセッサ(複数可)210のうちの少なくとも1つによってアクセス及び実行され得る。実行に応答して、機械アクセス可能な構成要素のうちの各々1つは、移送モジュール181、撮像モジュール182、抽出モジュール184、及び交換モジュール186に関連して本明細書で説明される機能を提供することができる。したがって、メモリ230に保持された機械アクセス可能な構成要素の実行は、移送アセンブリ120(及び移送アーム124)、カメラ190、抽出器アセンブリ160(及び抽出器アーム164)、及び交換器ユニット170を、本明細書に記載の態様に従って動作させることができる。
【0041】
I/Oインターフェース220は、例えば、制御ユニット180を様々なタイプの機器、例えば、カメラ190、抽出器アセンブリ120及びその部材、移送アセンブリ160及びその部材、ならびに交換器ユニット170及びその部材に結合することを可能にする様々なタイプのコネクタを含むことができる。このような結合は、制御ユニット180がデータ及び/またはシグナリングを送信し、他のデータ及び/または他のシグナリングを受信することを可能にする。例えば、制御ユニット180は、そのようなコネクタを介して制御ユニット180に機能的に結合された機器の動作を制御する指令または他のタイプの命令を送信することができる。I/Oインターフェース220はまた、いくつかの場合では、1つ以上のヒューマンマシンインターフェース(HMI)を含むことができる。
【0042】
制御ユニット180はまた、他のタイプのコンピューティングリソースを含むことができる。いくつかの実施形態では、これらのリソースは、メモリ230に保持された機械アクセス可能な構成要素の実行、ならびに移送アーム124及び抽出器アーム164のその後の動作を可能にする、またはそうでなければ容易にすることができる。これらのコンピューティングリソースは、例えば、メモリコントローラ(複数可)、入力帯域幅及び/または出力帯域幅、インターフェース(複数可)(I/Oインターフェースなど)、電源などを含むことができる。
【0043】
図3は、本開示の1つ以上の実施形態による、UCチューブから物質を自動的に抽出するための例示的な方法300を例解する。例示的な方法300は、UCチューブからの物質の自動抽出のための対照シーケンスを構成することができる。物質は、溶媒を有する液体溶液中の特定の物質であり得る。UCチューブ(例えば、UCチューブ130)は、液体溶液を含有することができる。一実施例では、液体溶液は、ウイルスベクター溶液であってもよく、溶媒は、塩化セシウムまたはイオジキサノールのうちの1つであってもよい。
【0044】
コンピューティング装置またはコンピューティング装置のシステムは、例示的な方法300を部分的にまたはその全体で実装することができる。コンピューティング装置は、データ及び/またはシグナリング上で動作することができる電子回路を含む装置を指す。例示的な方法300を実装するコンピューティング装置は、制御ユニット180を具現化することができる。このように、コンピューティング装置は、移送モジュール181、撮像モジュール182、抽出モジュール184、及び交換モジュール186をホストすることができる。したがって、いくつかの実施形態では、コンピューティング装置は、移送モジュール181、撮像モジュール182、抽出モジュール184、もしくは交換モジュール186、またはそれらの組み合わせの実行に応答して、例示的な方法300のブロックのうちの1つ以上を(個別に、または組み合わせて)実施することができる。
【0045】
ブロック310において、コンピューティング装置は、UCチューブを無菌抽出チャンバ(例えば、無菌抽出チャンバ140(図1))に移送させることができる。移送の前に、UCチューブを遠心分離に供することができ、結果として、特定の物質の複数の層(またはバンド)を液体溶液内に形成することができる。コンピューティング装置は、移送モジュール181を介して、ロボットアームにUCチューブを遠心分離機から取り出し、UCチューブを無菌抽出チャンバ内に配置するように指示することによって、移送させることができる。ロボットアームは、例えば、移送アーム124(図1)であり得る。
【0046】
例示的な方法300のいくつかの実施形態では、そのようなロボットアーム以外の他の機構が、無菌抽出チャンバ内のUCチューブの配置を達成するために依存し得る。実際、いくつかの場合では、無菌抽出チャンバ内のUCチューブの配置は、ロボットアームを利用することなく達成することができる。
【0047】
ブロック320において、コンピューティング装置は、定義された座標系に対する無菌抽出チャンバ内のUCチューブの位置を決定することができる。位置は、撮像モジュール182を介して決定され得る。その目的のために、コンピューティング装置は、撮像モジュール182を介して、無菌抽出チャンバ内のUCチューブの位置を定義する場所データを生成することができる。場所データはまた、UCチューブ内の粒子状物質の複数の層のそれぞれの位置を定義することができる。したがって、場所データは、定義された座標系におけるUCチューブの境界の座標を定義する第1のデータを含むことができる。付加的に、場所データはまた、定義された座標系において、複数の層のうちの少なくとも1つの座標を定義する第2のデータを含むことができる。コンピューティング装置は、撮像モジュール182を介して、無菌抽出チャンバ内のカメラ(例えば、カメラ190(図1))からの撮像データを使用して場所データを生成することができる。撮像データは、UCチューブ及び複数の層の画像を定義する。
【0048】
ブロック330で、コンピューティング装置は、UCチューブ内の溶質の特定の層の近くに抽出アセンブリを配置させることができる。その目的のために、コンピューティング装置は、場所データに基づいて、第2のロボットアーム(例えば、抽出器アーム164(図1))に、特定の層の抽出のために無菌抽出チャンバ内の位置に移動するように指示することができる。第2のロボットアームにその位置に移動するように指示する前に、コンピューティング装置は、交換モジュール186を介して、収集レセプタクルの第2のロボットアームへの取り付けを制御することができる。より具体的には、コンピューティング装置は、特定の層の座標を使用して、第2のロボットアームに、抽出アセンブリを特定の層に近接して配置するように指示することができる。抽出アセンブリは、針(または別のタイプの貫通部材)を含み、したがって、コンピューティング装置は、第2のロボットアームに、針(または他のタイプの貫通部材)がUCチューブを貫通するように、抽出アセンブリをUCチューブの境界に向かってさらに移動させるように指示することもできる。
【0049】
ブロック340で、コンピューティング装置は、抽出アセンブリ内の収集レセプタクル(例えば、レセプタクル172(図1))に特定の層を抽出させることができる。その目的のために、コンピューティング装置は、抽出モジュール184を介して、抽出器ユニット(例えば、抽出器ユニット174(図1))に、第2のロボットアームに結合された収集レセプタクルを満たすように指示することができる。抽出器ユニットは、抽出アセンブリの一部として、第2のロボットアームに統合することができる。
【0050】
ブロック350において、コンピューティング装置は、収集レセプタクルを解放させることができる。その目的のために、コンピューティング装置は、第2のロボットアームに、交換モジュール186を介して、収集レセプタクルの解放を指示することができる。
【0051】
方法、装置、及びシステムは、好ましい実施形態及び特定の例に関連して説明されてきたが、本明細書の実施形態は、全ての点で限定的ではなく例解的であることを意図しているため、範囲が記載された特定の実施形態に限定されることを意図しない。
【0052】
特に明白に記載されない限り、本明細書中記載される方法のいずれにおいても、そのステップが特定の順序で行われることを必要とすると解釈されることを決して意図するものではない。したがって、方法請求項が、その方法のステップが従うべき順序を実際に列挙していない、またはその請求項もしくは説明において、ステップが特定順序に限定されるべきであると別途具体的に記載されていない場合、あらゆる側面において、順序が推定されることをいかなるやり方でも意図しない。このことは、ステップまたは作業フローの配置に関する論理事項、文法構成または句読法に由来する一般的意味、本明細書に説明されている実施形態の数または種類を含む、あらゆる考え得る非明示的な解釈基準についても当てはまる。
【0053】
当業者には、範囲または趣旨から逸脱することなく、様々な修正及び変形を行うことができることが明らかであろう。他の実施形態は、本明細書に開示される明細書及び慣習の考慮から、当業者に明らかであろう。本明細書及び実施例は、単なる例示とみなされることが意図され、真の範囲及び趣旨は、以下の特許請求の範囲によって指し示される。
図1
図2
図3
【国際調査報告】