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特表2024-531830オンチップファラデーケージ下で光伝導半導体スイッチと結合された集積回路のオンチップEMF絶縁
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  • 特表-オンチップファラデーケージ下で光伝導半導体スイッチと結合された集積回路のオンチップEMF絶縁 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】オンチップファラデーケージ下で光伝導半導体スイッチと結合された集積回路のオンチップEMF絶縁
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
H01L27/04 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533931
(86)(22)【出願日】2022-08-18
(85)【翻訳文提出日】2024-02-14
(86)【国際出願番号】 US2022040735
(87)【国際公開番号】W WO2023023238
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】17/406,541
(32)【優先日】2021-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524059674
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】デジャ-ル,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ラロッシュ,ジェフリー アール.
(72)【発明者】
【氏名】トルッリ,スーザン シー.
【テーマコード(参考)】
5F038
【Fターム(参考)】
5F038BH19
5F038EZ01
5F038EZ02
5F038EZ20
(57)【要約】
集積回路構造(10)は、上面(18)を有する基板(16)と、基板の上面に配置された窒化ガリウム層(20)と、当該集積回路構造に集積された窒化ガリウム層(20)上にトランジスタ(12)と並んで横方向に配置された光伝導半導体スイッチ(14)と、基板、窒化ガリウム層、及び集積回路構造に集積された窒化ガリウム層上にトランジスタと横方向に並んで配置された光伝導半導体スイッチを囲むEMFシールド(40)と、光伝導半導体スイッチと電子的に結合された信号線(56)であって、EMFシールド(40)を貫く信号線(56)と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
EMFシールド集積回路構造であって、
上面を有する基板と
前記基板の前記上面に配置された半導体層と、
当該集積回路構造に集積された前記半導体層上にトランジスタと並んで横方向に配置された光伝導半導体スイッチと、
前記基板、前記半導体層、及び当該集積回路構造に集積された前記半導体層上に前記トランジスタと並んで横方向に配置された前記光伝導半導体スイッチを囲むEMFシールドと、
前記光伝導半導体スイッチに電子的に結合された信号線であって、前記EMFシールドを貫く信号線と、
を含むEMFシールド集積回路構造。
【請求項2】
前記基板が、ケイ素材料及び炭化ケイ素材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のEMFシールド集積回路構造。
【請求項3】
前記基板及び前記半導体層がウエハを含む、請求項1に記載のEMFシールド集積回路構造。
【請求項4】
前記トランジスタが、電界効果トランジスタを含む、請求項1に記載のEMFシールド集積回路構造。
【請求項5】
前記光伝導半導体スイッチが、前記半導体層上に配置された第1の電気接点及び第2の電気接点を含む、請求項1に記載のEMFシールド集積回路構造。
【請求項6】
前記EMFシールドが、一時的部分を含み、前記一時的部分は、光源からの放射を前記EMFシールドを通って前記光伝導半導体スイッチに届けるように構成される、請求項1に記載のEMFシールド集積回路構造。
【請求項7】
前記一時的部分が、メッシュ、孔、透明材料、半透明材料、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項6に記載のEMFシールド集積回路構造。
【請求項8】
前記EMFシールドが、EMF放射線が前記EMFシールドの壁を通過するのを防止するように構成される、請求項1に記載のEMFシールド集積回路構造。
【請求項9】
前記光伝導半導体スイッチに光学的に結合された光源と、
前記光源と電子通信するコントローラであって、EMF放射線検出に応答して前記光源を停止するように構成されたコントローラと、
をさらに含む請求項1に記載のEMFシールド集積回路構造。
【請求項10】
EMFシールドを備えた横方向に集積された回路であって、
上面を有する基板と、
前記基板の前記上面上に配置された窒化ガリウム層と、
集積回路構造に集積された前記窒化ガリウム層上にトランジスタと並んで横方向に配置された光伝導半導体スイッチと、
内部及び前記内部の反対側の外部を形成する壁を有する容器を含むEMFシールドであって、前記容器は、前記基板、前記窒化ガリウム層、及び前記集積回路構造に集積された前記窒化ガリウム層上に前記トランジスタと並んで横方向に配置された前記光伝導半導体スイッチを囲む、EMFシールドと、
前記光伝導半導体スイッチと電子的に結合された信号線であって、前記EMFシールドの前記容器の前記壁を貫く信号線と、
前記光伝導半導体スイッチに光学的に結合された光源と、
前記壁に形成された一時的部分であって、前記光源からの放射を、前記EMFシールドを通して前記光伝導半導体スイッチに届けるように構成された一時的部分と、
を含む横方向に集積された回路。
【請求項11】
前記光源と電子通信するコントローラであって、EMF放射線検出に応答して前記光源を停止するように構成されたコントローラ、
をさらに含む請求項10に記載の集積回路構造。
【請求項12】
前記コントローラと電子通信するEMF検出器であって、前記EMF放射線を検出するように構成されたEMF検出器、
をさらに含む請求項11に記載の集積回路構造。
【請求項13】
前記光伝導半導体スイッチが、前記GaN層上に配置された第1の電気接点及び第2の電気接点を含む、請求項10に記載の集積回路構造。
【請求項14】
横方向に集積された回路をEMFから保護するプロセスであって、
前記横方向に集積された回路をEMFシールドによって囲むことであって、前記横方向に集積された回路は、
上面を有する基板と、
前記基板の前記上面に配置された半導体層と、
集積回路構造に集積された前記半導体層上にトランジスタと並んで横方向に配置された光伝導半導体スイッチと
を含み、
前記EMFシールドは、
内部と前記内部の反対側の外部を形成する壁を有する容器であって、前記基板、前記半導体層、及び前記集積回路構造に集積された前記半導体層上に前記トランジスタと並んで横方向に配置された前記光伝導半導体スイッチを囲む容器と、前記壁に形成された一時的部分であって、光源からの放射を前記壁を通して前記光伝導半導体スイッチに届けるように構成された一時的部分と
を含む、囲むことと、
前記光伝導半導体スイッチに信号線を結合することであって、前記信号線は前記EMFシールドの前記容器の前記壁を貫く、結合することと、
前記光伝導半導体スイッチに前記光源を光学的に結合することと、
を含む前記プロセス。
【請求項15】
前記光源と電子通信するコントローラであって、EMF放射線検出に応答して前記光源を停止するように構成されたコントローラ、を結合すること、
をさらに含む請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
前記コントローラと電子通信するEMF検出器であって、前記EMF放射線を検出するように構成されたEMF検出器、を結合すること、
をさらに含む請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
EMF放射線の検出に応答して、前記EMF放射線が前記信号線を通って前記EMFシールドの前記壁を通過するのを防止すること、
をさらに含む請求項16に記載のプロセス。
【請求項18】
前記光伝導半導体スイッチが、前記GaN層上に配置された第1の電気接点及び第2の電気接点を含む、請求項14に記載のプロセス。
【請求項19】
前記一時的部分を通って前記光伝導半導体スイッチに前記光源を光学的に結合する前記ステップに応答して、前記光伝導半導体スイッチを作動させること、
をさらに含む請求項14に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、集積回路技術のための電磁界(EMF)保護に関し、特に、GaN光伝導半導体スイッチ(PCSS)及び/または光伝導スイッチトランジスタとGaNトランジスタ及び付随する集積回路構造との両方のための導電性EMFシールドとを含む構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁界(EMF)干渉は、多くの無線周波数(RF)デバイスを含む敏感な電子デバイスにとって重大な懸念である。浮遊するまたは強すぎる電磁界は、デバイスの機能不全を引き起こし得る、またはデバイスが壊滅的に故障することさえある。
【0003】
EMFからデバイスをシールドする1つの一般的な方法は、ファラデーケージを使用することである。ファラデーケージは一般的に、到来するEMFを吸収し、これをケージ全体に分散させて、EMFが内部の回路と相互作用するのを防止する導電性金属である。完璧なケージであれば、電子デバイスのすべてを完全に取り囲む。しかしながら、オンチップデバイスの場合、信号線または電力線は、ケージの外側に延在している場合がある。信号線は、保護ケージを通過するEMF漏れの原因として潜在的な問題を呈する。ファラデーケージの外側のこの信号線とEMFが相互作用する可能性があり、干渉が信号線を通って伝播し、内部の回路に影響を与え得る。この「裂け目」は、EMFシールドの失敗の原因になり得る。
【0004】
Si CMOS集積回路とのインターコネクトを形成する1つの一般的な方法は、誘電体構造内に銅線インターコネクトを形成することである。銅を処理するために、(減法的である)ダマシンプロセスが開発された。Cuダマシンプロセスでは、銅のためのホスト絶縁材料、典型的には下にある絶縁層(通常は二酸化ケイ素)が、銅が形成されるべき箇所を開放されたトレンチにしてパターン形成される。トレンチを過剰に充填する銅の厚いコーティングが絶縁層に堆積され、化学機械的平坦化(CMP)を使用して、絶縁層の上部を超えて延在する過剰な銅を除去する。絶縁層のトレンチ内に充填されたCuは除去されず、パターニングされた導電インターコネクトとなる。銅が周囲の材料に拡散すると、その特性が低下するので、バリア層が、すべての銅インターコネクトを完全に取り囲む。典型的には、トレンチは、Cu金属インターコネクトの底面及び側面に沿った拡散バリアとして機能する(Ta/TaN/Cuめっきシード金属スタックの一部としての)薄いタンタル(Ta)及び/または窒化タンタル(TaN)金属層でライニングされる。CuのCMP後、インターコネクト金属の上部がSiNでコーティングされ、それが、上部界面拡散バリアとして機能し、層間酸化物堆積中の酸化を防止し、追加のインターコネクト形成のための(二酸化ケイ素のトレンチエッチング中の)ストップエッチング層として機能する。当該技術分野で知られているように、これは、化合物半導体の製造は、一般的にリフトオフ及び金ベースなので、化合物半導体を用いた製造では一般的に使用されない。
【0005】
光伝導半導体スイッチ(PCSS)及び光伝導スイッチトランジスタは、金属ゲートによって加えられるバイアスではなく、光によってスイッチングされる高電圧スイッチング能力、超高速スイッチング速度、または高速エネルギーパルスを提供する異なるデバイスである。したがって、それらは、従来のGaN HEMTスイッチ及びRFデバイスと比較して、動作電圧を増加させる可能性につながる。
【0006】
必要なのは、電子機器をEMFからシールドする構造により保護された、コンパクトに集積された光伝導半導体スイッチ及び光伝導性スイッチトランジスタである。
【発明の概要】
【0007】
本開示によれば、EMFシールド集積回路構造が提供され、EMFシールド集積回路構造は、上面を有する基板と、基板の上面上に配置された半導体層と、当該集積回路構造に集積された半導体層上にトランジスタと並んで横方向に配置された光伝導半導体スイッチと、基板、半導体層、及び当該集積回路構造に集積された半導体層上にトランジスタと並んで横方向に配置された光伝導半導体スイッチを囲むEMFシールドと、光伝導半導体スイッチと電子的に結合された信号線であって、EMFシールドを貫く信号線とを含む。
【0008】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、基板がケイ素材料及び炭化ケイ素材料のうちの少なくとも1つを含むことを、追加的及び/または代替的に含み得る。
【0009】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、基板及び半導体層がウエハを含むことを、追加的及び/または代替的に含み得る。
【0010】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、トランジスタが電界効果トランジスタを含むことを、追加的及び/または代替的に含み得る。
【0011】
前述の実施形態のうちのいずれかのさらなる実施形態は、光伝導半導体スイッチが、GaN層上に配置された第1の電気接点及び第2の電気接点を含むことを、追加的及び/または代替的に含み得る。
【0012】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、EMFシールドが一時的部分を含み、一時的部分は、光源からの放射を、EMFシールドを通して光伝導半導体スイッチに届けることを、追加的及び/または代替的に含み得る。
【0013】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、一時的部分が、メッシュ、孔、透明材料、半透明材料、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを、追加的及び/または代替的に含み得る。
【0014】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、EMFシールドが、EMF放射線がEMFシールドの壁を通過するのを防止するように構成されることを、追加的に及び/または代替的に含み得る。
【0015】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、EMFシールド集積回路構造が、光伝導半導体スイッチに光学的に結合された光源と、光源と電子通信するコントローラであって、EMF放射線検出に応答して光源を停止するように構成されたコントローラとをさらに含むことを、追加的及び/または代替的に含み得る。
【0016】
本開示によれば、EMFシールドを有する横方向に集積された回路が提供され、横方向に集積された回路は、上面を有する基板と、基板の上面上に配置された窒化ガリウム層と、集積回路構造に集積された窒化ガリウム層上にトランジスタと並んで横方向に配置された光伝導半導体スイッチと、内部と該内部と反対側の外部とを形成する壁を有する容器を含むEMFシールドであって、容器は、基板、窒化ガリウム層、及び集積回路構造に集積された窒化ガリウム層上にトランジスタと並んで横方向に配置された光伝導半導体スイッチを囲む、EMFシールドと、光伝導半導体スイッチと電子的に結合された信号線であって、EMFシールド容器の壁を貫く信号線と、光伝導半導体スイッチに光学的に結合された光源と、壁に形成された一時的部分であって、光源からの放射をEMFシールドを通過して光伝導半導体スイッチに届けるように構成された一時的部分とを含む。
【0017】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、集積回路構造が光源と電子通信するコントローラであって、EMF放射線検出に応答して光源を停止するように構成されたコントローラをさらに含むことを、追加的及び/または代替的に含み得る。
【0018】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、集積回路構造がコントローラと電子通信するEMF検出器であって、EMF放射線を検出するように構成されたEMF検出器をさらに含むことを、追加的及び/または代替的に含み得る。
【0019】
前述の実施形態のうちのいずれかのさらなる実施形態は、光伝導半導体スイッチが、GaN層上に配置された第1の電気接点及び第2の電気接点を含むことを、追加的及び/または代替的に含み得る。
【0020】
本開示によれば、横方向に集積された回路をEMFから保護するプロセスが提供され、プロセスは、横方向に集積された回路をEMFシールドで囲むことであって、横方向に集積された回路は、上面を有する基板と、基板の上面に配置された半導体層と、集積回路構造に集積された半導体層上にトランジスタと並んで横方向に配置された光伝導半導体スイッチとを含み、EMFシールドは、内部と該内部と反対側の外部を形成する壁を有する容器であって、基板、半導体層、及び集積回路構造に集積された半導体層上にトランジスタと並んで横方向に配置された光伝導半導体スイッチを囲む容器と、壁に形成された一時的部分であって、光源からの放射が壁を通過して光伝導半導体スイッチに届くように構成された一時的部分とを含む、囲むことと、信号線を光伝導半導体スイッチに結合することであって、信号線がEMFシールド容器の壁を貫く、結合することと、光源を一時的部分を通して光伝導半導体スイッチに光学的に結合することとを含む。
【0021】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、プロセスが、光源と電子通信するコントローラであって、EMF放射線検出に応答して光源を停止するように構成されたコントローラを結合することをさらに含むことを、追加的及び/または代替的に含み得る。
【0022】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、プロセスが、コントローラと電子通信するEMF検出器であって、EMF放射線を検出するように構成されたEMF検出器を結合することをさらに含むことを、追加的及び/または代替的に含み得る。
【0023】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、プロセスが、EMF放射線の検出に応答して信号線を介してEMF放射線がEMFシールドの壁を通過するのを防ぐことをさらに含むことを、追加的及び/または代替的に含み得る。
【0024】
前述の実施形態のうちのいずれかのさらなる実施形態は、光伝導半導体スイッチが、GaN層上に配置された第1の電気接点及び第2の電気接点を含むことを、追加的及び/または代替的に含み得る。
【0025】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、プロセスが、光源を一時的部分を通して光伝導半導体スイッチに光学的に結合するステップに応答して、光伝導半導体スイッチを作動させることをさらに含むことを、追加的及び/または代替的に含み得る。
【0026】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、金属インターコネクト、及びEMFシールドが銅(Cu)ダマシン統合から形成されて、銅トレースが誘電体材料に埋め込まれている場合を、追加的及び/または代替的に含み得る。
【0027】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、金属インターコネクト、及びEMFシールドがAuベースの金属インターコネクトから形成される場合を、追加的及び/または代替的に含み得る。
【0028】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、トランジスタが元素半導体から形成されている場合を、追加的及び/または代替的に含み得る。
【0029】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、トランジスタがGaN以外の化合物半導体から形成されている場合を、追加的及び/または代替的に含み得る。
【0030】
前述の実施形態のいずれかのさらなる実施形態は、PCSSがGaN以外の直接的なバンドギャップ半導体から形成されている場合を、追加的及び/または代替的に含み得る。
【0031】
光伝導半導体スイッチを有するEMFシールド集積回路の他の詳細は、以下の詳細な説明及び添付の図面に記載される。図中、類似の参照番号は類似の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】ファラデーケージを有する例示的な横方向に集積された回路構造の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1を参照すると、横方向に集積された回路構造10が示されている。横方向に集積された回路構造10は、PCSS14と電気的に結合されたトランジスタ12を含み、それぞれ、横方向に集積され、共通の基板16上に支持される。トランジスタ12は、元素半導体または化合物半導体の電界効果トランジスタ(FET)、ここでは例えばシリコン(Si)相補型金属酸化物半導体(CMOS)トランジスタ、窒化ガリウム(GaN)、リン化インジウム(InP)ベースのトランジスタ、ヒ化ガリウム(GaAs)、及び炭化ケイ素(SiC)、ならびに付随する集積回路構造であってよい。PCSS14は、直接的なバンドギャップ化合物半導体PCSS、ここでは例えばGaN、GaAs、またはInPを含み得る。基板16は、元素半導体または化合物半導体、ここでは例えばケイ素SiまたはSiCまたはGaAsまたはGaNまたはInP材料を含み得る。多くの用途において、SiまたはSiCなどの間接的なバンドギャップ基板が、キャリアの活性化をPCSS14に限定するのに好ましい場合があることに留意されたい。あるいは、光源32のバンドギャップよりも大きなバンドギャップを有する基板を利用して、基板16におけるキャリアの発生を制限することができる。基板16は上面18を含む。
【0034】
例示的な実施形態では、窒化ガリウム(GaN)層20が基板16の上面18に配置されて、GaN-on-Siウエハ22を形成する。GaN層20は、トランジスタ12とPCSS14とが横方向に集積されて同一集積回路に組み込まれるように、トランジスタ12とPCSS14をタンデムに支持する。例示的なGaNの実施形態及び追加の例示的な代替実施形態は、先に説明した様々な材料から形成することができ、これらの実施形態について、以下の段落において説明する。
【0035】
FET12は、GaN層20上に配置された窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)層24を含む。FET12は、FET12のドレインD、ゲートG及びソースSの各々に近接してAlGaN層24上に配置された窒化ケイ素誘電体(SiN/誘電体)層26を含む。二酸化ケイ素誘電体(SiO/誘電体)層28が、トランジスタ12回路ならびに中間層30、ここでは例えばSiNx、及び二酸化ケイ素誘電体層28内に配置された導電インターコネクト31を絶縁する。誘電体28、26及び中間層30は、PCSS14伝導経路をトリガするために利用される光源32に対して透明であることができる。例示的な実施形態では、誘電体または中間層が透明でない場合、光を透過させるために膜に窓を開けることができる。
【0036】
PCSS14は、GaN層20上に配置された第1の電気接点34(PCSS-1)及び第2の電気接点36(PCSS-2)を含み得る。例示的な実施形態では、二酸化ケイ素誘電体層28は、光伝導半導体スイッチ14の第1の電気接点34及び第2の電気接点36のそれぞれを絶縁する。例示的な実施形態では、誘電体層28は、窒化ケイ素、または二酸化ケイ素材料等であってよい。他の例示的な実施形態では、第1の電気接点34及び第2の電気接点36は、誘電体絶縁を有しない。光伝導半導体スイッチ14は、半導体材料(例えばGaN)の領域であり、この領域は通常、非常に高い抵抗性を有しており、例えば意図せずにドーピングされているか、または深いレベル、例えば炭素または鉄でドーピングされている。これにより、該材料は、非常に少ないリークで相当量の電圧をブロックすることができる。しかしながら、バンドギャップエネルギーを超えるまたはバンドギャップエネルギーに近いエネルギーを有する光源32によって照らされると、大量の励起キャリアが生成される。これらの励起キャリアは、ここで、スイッチングに使用される低抵抗の伝導経路を形成する。PCSS14は、高電圧スイッチング能力、超高速スイッチング速度、または高速エネルギーパルスを提供する。トランジスタ12への入力電圧は、PCSS14のオンオフ状態によって制御することができ、または逆にも制御することができる。
【0037】
横方向に集積された回路10の周囲にファラデーケージまたはEMFシールド40が配置されている。EMFシールド40は、横方向に集積された回路10を囲むことができ、これによって電界及びEMF放射線42がEMFシールド40に侵入して横方向に集積された回路10に悪影響を及ぼすことができなくなる。EMFシールド40は、内部46及び外部48を画定する容器44であってよい。EMFシールド40は、EMF放射線42が容器44を通過するのを防止するように構成された導電性材料、例えばワイヤメッシュ、金属プレート等から形成することができる。EMFシールド40は、横方向に集積された回路10を外部電界/EMF放射線42から保護するように構成される。EMFシールド40を使用して、外部の電磁干渉(EMI)または電気ノイズが横方向に集積された回路10と干渉するのを防止することができる。EMFシールド40は、光源32に光学的に結合された一時的部分50を含む。一時的部分50は、光源32の放射52がEMFシールド40を通過して、PCSS14をトリガするように構成される。一時的部分50は、放射52がEMFシールド40を通過することを可能にし得る孔、スロット、物理的貫通部、透明/半透明材料などを、EMFシールド40の容器44の壁54に含み得る。
【0038】
信号線56は、PCSS14に電気的に結合される。信号線56は、PCSS14及び外部回路58と直列であってよい。信号線56は、EMFシールド40の壁54を貫いている。信号線56は、横方向に集積された回路10の外側の外部回路58からの信号を、EMFシールド40を通ってPCSS14内に伝送し、PCSS14を作動させるとき、PCSS14を通過するように構成されている。PCSS14が作動されないとき、信号線56は、EMFシールド40を通って信号またはさらにEMF放射線42を通過させるのを遮断し、これにより、EMF放射線42が横方向に集積された回路10と干渉するのを防ぐ。
【0039】
EMFシールド40、導電インターコネクト31及び信号線56は、Cuダマシンまたは金ベースであることができることに留意されたい。Cuダマシンプロセスの実施形態には、誘電体に埋め込まれたCu金属トレースを有するプレーナプロセスであるという利点がある。このことによりまた、追加のCu層を順次追加することが可能となり、これによって垂直及び水平の要素を有する複雑なEMFシールド40の導電インターコネクト31を形成することができる。他の実施形態は、金ベースのインターコネクト、ならびに電子ビーム堆積による金属のリフトオフ及び/またはめっきによって形成されたEMFシールドを含んでよく、EMFシールドは、誘電体トレンチ、エアブリッジのような構造への金属堆積によって形成される、またはPCSSを含む集積回路上のキャビティへのEMFシールドの接合によって形成される。
【0040】
PCSS14及び信号線56と結合されたEMFシールド40の配置によって、横方向に集積された回路10からEMFシールド40の外側にEMF放射線42が放出されるのを防ぎ、したがって、横方向に集積された回路10からの放射から他のいずれの回路も保護される。
【0041】
例示的な実施形態では、コントローラ60は、光源32と電子通信することができる。コントローラ60は、光源32の自動作動のためのプロセッサ62を含み得る。光源コントローラ60は、受信したデータを記録、処理、及び記憶するための1つまたは複数のプロセッサ62(例えば、中央処理装置及びメモリを有するコンピュータシステム)を含み得る。プロセッサ62は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラムマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、またはこれらの任意の組み合わせを含み得る。EMF検出器64は、コントローラ60と電子通信することができる。EMF検出器64は、EMF放射線42を検出するように構成することができる。コントローラ60は、EMF放射線42を検出すると、不要なEMF放射線42が信号線54に沿って横方向に集積された回路10内に伝達されることを許すPCSS14の不用意な作動を防止するために、光源32の作動を防止するように構成することができる。
【0042】
光源32は、集積回路構造10全体の外部にあってよい、または、実施形態のプレーナ型Cuダマシン構造の上層に配置されてよい。Cuダマシンは、構造の上層内への材料、デバイス、またはそれらの組み合わせのダイからウエハへの接合、もしくはウエハからウエハへの接合を可能にし、上層は、次に、追加のCu導電性インターコネクトを用いて制御回路に接続される。
【0043】
本開示の技術的利点には、不要なEMF放射線を防止しながら、光学的にゲートされるスイッチの固有の高電圧能力及び迅速な応答時間を可能にするために、光学的にゲートされるスイッチをGaN-on-Siプロセスフローに直接、統合することが含まれる。
【0044】
本開示の別の技術的な利点は、集積回路をEMFから保護する構造を含み、この構造は、信号/電力線に直列の高抵抗PCSSを含み、これにより、ファラデーケージの外部からの浮遊信号が内部の集積回路に干渉するのを防止する。
【0045】
本開示の別の技術的利点は、光伝導半導体スイッチを有する集積回路を囲むファラデーケージを含む構造を含む。
【0046】
本開示の別の技術的な利点は、同一のウエハ内に同種(ホモジニアス)集積されているGaNプラスSiデバイスを制御する、またはGaNプラスSiデバイスによって制御されるPCSSデバイスを含む。
【0047】
本開示の別の技術的利点は、PCSSを制御するために必要な放射に対して透明であるが集積回路に損傷を与える波長のEMFから保護するファラデーケージ材料を有する構造を含む。
【0048】
本開示の別の技術的利点は、ローカルFET/集積回路に信号を中継するPCSSデバイスを含む。
【0049】
本開示の別の技術的な利点は、GaN PCSSを製造することが、Siファウンドリに伝統的な技術を利用した層減法ベースであることができること、を含む。
【0050】
本開示の別の技術的な利点は、GaN PCSSトランジスタ及びGaN/Siトランジスタの双方が、同じ処理ステップを使用して同時に製造されることを含む。
【0051】
本開示の別の技術的利点は、スタンドアロンGaN-on-Si、またはスタンドアロンPCSSデバイスでは使用されない層及び構造を利用するので、わずかな追加ではない、GaN-on-SiにPCSSを追加することを含む。
【0052】
本開示の別の技術的利点は、多種多様な集積回路またはFET用途とともに機能し得る構造を含む。
【0053】
本開示の別の技術的な利点は、Cuダマシンの使用により、作製されたウエハ断面内での光源、トランジスタ及びPCSSの複数層の3D集積が可能になることである。このように、他のEMFシールド回路と通信できるEMFシールド回路を含む複数の層が存在しうる。あるいは、1つまたは複数の非シールド領域(複数可)は、1つまたは複数のシールド領域(複数可)及び/または1つまたは複数の外部光源及び検出器と通信してよい。
【0054】
光伝導半導体スイッチを備えたEMFシールド集積回路を提供した。光伝導半導体スイッチを備えたEMFシールド集積回路をその特定の実施形態の文脈で記載したが、他の予期しない代替形態、修正形態、及び変形形態が、上記説明を読んだ当業者には明らかとなろう。したがって、添付の特許請求の広い範囲に含まれる代替形態、修正形態、及び変形形態を包含することが意図されている。
図1
【国際調査報告】