(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-30
(54)【発明の名称】レーザスキャナのスキャンポイントのクラスタリング
(51)【国際特許分類】
G01S 17/89 20200101AFI20240823BHJP
G06V 10/762 20220101ALI20240823BHJP
G06V 20/56 20220101ALI20240823BHJP
【FI】
G01S17/89
G06V10/762
G06V20/56
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504900
(86)(22)【出願日】2022-07-19
(85)【翻訳文提出日】2024-02-14
(86)【国際出願番号】 EP2022070139
(87)【国際公開番号】W WO2023006492
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】102021119224.2
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】508108903
【氏名又は名称】ヴァレオ・シャルター・ウント・ゼンゾーレン・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ、ティン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、フランソワ、バリアン
【テーマコード(参考)】
5J084
5L096
【Fターム(参考)】
5J084AA05
5J084AA10
5J084AD01
5J084BA04
5J084BA20
5J084BA36
5J084BA50
5J084BB28
5J084CA03
5L096AA09
5L096BA04
5L096CA18
5L096DA02
5L096FA02
5L096FA09
5L096FA66
5L096FA67
5L096FA69
5L096GA51
5L096JA11
5L096MA07
(57)【要約】
レーザスキャナ(2)のスキャンポイントのクラスタリングによってレーザスキャナ(2)の周囲にある物体(13)を認識するための方法によれば、レーザスキャナ(2)によって連続する多数のスキャンポイント(7)が生成され、スキャンポイント(7)の各々は入射角(φ)によって特徴付けられ、複数の連続するスキャンポイント(7)のシーケンスは入射角(φ)によって定義される。連続する多数のスキャンポイント(7)の一部を含むスキャンポイントの少なくとも1つのクラスタ(6a、6b)は、シーケンスに基づいて少なくとも1つの計算ユニット(3a、3b)によって決定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザスキャナ(2)のスキャンポイントをクラスタリングすることにより、前記レーザスキャナ(2)の周囲にある物体(13)を認識する方法であって、
前記レーザスキャナ(2)は、連続する多数のスキャンポイント(7)を生成するために使用され、各スキャンポイント(7)は入射角(φ)によって特徴付けられ、前記連続する多数のスキャンポイント(7)のシーケンスは前記入射角(φ)によって定義され、
少なくとも1つの計算ユニット(3a、3b)は、前記シーケンスに依存する方法で、前記連続する多数のスキャンポイント(7)のいくつかを含むスキャンポイントの少なくとも1つのクラスタ(6a、6b)を決定するために使用される、方法。
【請求項2】
前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうちの第1のスキャンポイント(7a)は、1つ以上のクラスタ(6a、6b)のうちの第1のクラスタ(6a)の一部として識別され、
前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうち、前記第1のスキャンポイント(7a)と第2のスキャンポイント(7b)の間の距離が決定され、
前記距離が所定の最大距離以下である場合、前記第2のスキャンポイント(7b)は前記第1のクラスタ(6a)の一部として識別される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記最大距離は、前記シーケンスに従った前記第2のスキャンポイント(7b)の位置に対する、前記シーケンスに従った前記第1のスキャンポイント(7a)の位置に依存する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記連続する複数のスキャンポイント(7)のうちの第1のスキャンポイント(7c)は、1つ以上のクラスタ(6a、6b)の第1のクラスタ(6a)の一部として識別され、
前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうち、前記シーケンスに従って前記第1のスキャンポイント(7c)の直後にある第2のスキャンポイント(7d)は、前記1つ以上のクラスタ(6a、6b)のうちの第2のクラスタ(6b)の一部として識別され、
前記第1のスキャンポイント(7c)と、前記シーケンスに従って前記第2のスキャンポイント(7d)の直後に続く前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうちの第3のスキャンポイント(7e)との間の距離が決定され、
前記第3のスキャンポイント(7e)は、前記第1のスキャンポイント(7c)と前記第3のスキャンポイント(7e)との間の距離に応じて、前記第1のクラスタ(6a)の一部として、または1つ以上のクラスタ(6a、6b)の第3のクラスタの一部として識別される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第3のスキャンポイント(7e)は、前記第1のスキャンポイント(7c)と前記第3のスキャンポイント(7d)との間の前記距離が、最近傍の1つ隣に対する所定の最大距離以下である場合、前記第1のクラスタ(6a)の一部として決定される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記連続する複数のスキャンポイント(7)のうちの第1のスキャンポイント(7b)は、前記1つ以上のクラスタ(6a、6b)の第1のクラスタ(6a)の一部として識別され、
前記シーケンスに従って前記第1のスキャンポイント(7b)の直後に続く、前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうちの第2のスキャンポイント(7c)と、前記シーケンスに従って前記第2のスキャンポイント(7c)の直後に続く、前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうちの第3のスキャンポイント(7d)との間の距離が決定され、
前記第1のスキャンポイント(7b)と前記第3のスキャンポイント(7d)の間の距離が決定され、
前記第2のスキャンポイント(7c)は、前記第1のスキャンポイント(7b)と前記第3のスキャンポイント(7d)との間の前記距離に応じて、また前記第2のスキャンポイント(7c)と前記第3のスキャンポイント(7d)との間の前記距離に応じて、前記1つ以上のクラスタ(6a、6b)のうちの前記第1のクラスタ(6a)の一部または第2のクラスタ(6b)の一部として識別される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のスキャンポイント(7c)は、前記第1のスキャンポイント(7b)と前記第3のスキャンポイント(7d)との間の前記距離が最近傍の1つ隣に対する所定の最大距離以下であり、前記第2のスキャンポイント(7c)と前記第3のスキャンポイント(7d)との間の前記距離が最近傍に対する所定の最大距離以下である場合に、前記第1のクラスタ(6a)の一部として識別される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうちの第1のスキャンポイントは、前記1つ以上のクラスタ(6a、6b)のうちの第1のクラスタ(6a)の一部として識別され、
前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうち、前記シーケンスに従って前記第1のスキャンポイントの直後にある第2のスキャンポイントと、前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうち、前記シーケンスに従って前記第2のスキャンポイントの直後にある第3のスキャンポイントとの間の距離が決定され、
前記第3のスキャンポイントと、前記シーケンスに従って前記第3のスキャンポイントの直後に前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうちの第4のスキャンポイントとの間の距離が決定され、
前記第4のスキャンポイントと前記第1のスキャンポイントとの間の距離が決定され、
前記第2のスキャンポイントは、前記第2のスキャンポイントと前記第3のスキャンポイントとの間の前記距離に応じて、また、前記第3のスキャンポイントと前記第4のスキャンポイントとの間の前記距離に応じて、また、前記第4のスキャンポイントと前記第1のスキャンポイントとの間の距離に応じて、前記1つ以上のクラスタ(6a、6b)のうちの前記第1のクラスタ(6a)の一部または第2のクラスタ(6b)の一部として識別される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のスキャンポイントと前記第3のスキャンポイントとの間の前記距離が最近傍に対する所定の最大距離以下であり、前記第3のスキャンポイントと前記第4のスキャンポイントとの間の前記距離が最近傍に対する所定の最大距離以下であり、前記第4のスキャンポイントと前記第1のスキャンポイントとの間の前記距離が最近傍の2つ隣に対する所定の最大距離以下である場合、前記第2のスキャンポイントは前記第1のクラスタ(6a)の一部として識別される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうちの第1のスキャンポイントは、前記1つ以上のクラスタ(6a、6b)のうちの第1のクラスタ(6a)の一部として識別され、
前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうち、前記シーケンスに従って前記第1のスキャンポイント(7a)の直後に続く第2のスキャンポイントと、前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうち、前記シーケンスに従って第3のスキャンポイント(7c)が前記第2のスキャンポイント(7b)の直後に続き、前記シーケンスに従って第4のスキャンポイント(7d)が前記第3のスキャンポイント(7c)の直後に続く、前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうちの前記第4のスキャンポイント(7d)との間の距離が決定され、
前記第4のスキャンポイント(7d)と、前記シーケンスに従って前記第4のスキャンポイントの直後に前記連続する多数のスキャンポイント(7)の第5のスキャンポイント(7e)との間の距離が決定され、
前記第5のスキャンポイント(7e)と前記第1のスキャンポイント(7a)との間の距離が決定され、
前記第2のスキャンポイント(7b)は、前記第2のスキャンポイント(2b)と前記第4のスキャンポイント(7d)との間の前記距離に応じて、また、前記第4のスキャンポイント(7d)と前記第5のスキャンポイント(7e)との間の前記距離に応じて、また、前記第5のスキャンポイント(7e)と前記第1のスキャンポイント(7a)との間の前記距離に応じて、前記第1のクラスタ(6a)の一部として、または前記1つ以上のクラスタ(6a、6b)のうちの第2のクラスタ(6b)の一部として識別される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のスキャンポイント(7b)と前記第4のスキャンポイント(7d)との間の前記距離が最近傍の1つ隣に対する所定の最大距離以下であり、また、前記第4のスキャンポイント(7d)と前記第5のスキャンポイント(7e)との間の前記距離が最近傍に対する所定の最大距離以下であり、前記第5のスキャンポイント(7e)と前記第1のスキャンポイント(7a)との間の前記距離が最近傍の3つ隣に対する所定の最大距離以下である場合、前記第2のスキャンポイント(7b)は第1のクラスタ(6a)の一部として識別される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの計算ユニット(3a、3b)は、前記連続する多数のスキャンポイント(7)に基づいて自動認識のためのアルゴリズムを実行するために使用され、自動認識のための前記アルゴリズムは、前記少なくとも1つのクラスタ(6a、6b)に依存する方法で実行される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
レーザスキャナ(2)と少なくとも1つの計算ユニット(3a、3b)とを含む、自動車(5)の少なくとも部分的な自動誘導のための方法であって、
請求項12に記載の物体を検出するための方法(13)が実行され、
自動認識の前記アルゴリズムの結果に応じて、前記自動車(5)の少なくとも部分的な自動誘導のための少なくとも1つの制御信号が作成される。
【請求項14】
自動車(5)用のセンサシステム(1)であって、前記センサシステム(1)は、
周囲にある物体(13)を表すセンサデータを生成するように構成されたレーザスキャナ(2)と、
少なくとも1つの計算ユニット(3a、3b)を含み、前記計算ユニットは、
前記センサデータに基づいて、前記連続する多数のスキャンポイント(7)を生成し、各スキャンポイント(7)は入射角(φ)によって特徴付けられ、前記連続する多数のスキャンポイント(7)のシーケンスは前記入射角(φ)によって定義され、
前記シーケンスに依存する方法で、前記連続する多数のスキャンポイント(7)のいくつかを含むスキャンポイントの少なくとも1つのクラスタ(6a、6b)を決定する。
【請求項15】
請求項14に記載のセンサシステム(1)によって実行されると、センサシステム(1)に請求項1~12のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を有するコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザスキャナのスキャンポイントをクラスタリングすることにより、レーザスキャナの周囲にある物体を検出する方法に関する。また、本発明は、レーザスキャナと少なくとも1つの計算ユニットを含む自動車の少なくとも部分的な自動誘導のための方法、自動車のための対応するセンサシステム、およびコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
ライダーセンサシステムは、自動運転あるいは部分的な自動運転、または運転支援のための様々な機能を実現するために、自動車に搭載されることがある。これらの機能には、距離測定、距離制御アルゴリズム、車線維持支援システム、物体追跡機能、自律走行機能などが含まれる。
【0003】
ライダーセンサシステムの既知の設計では、レーザビームを偏向ユニットによって偏向し、その結果、レーザビームの異なる偏向角度を実現することが可能な、いわゆるレーザスキャナが含まれる。例えば、偏向ユニットは、回転可能に取り付けられたミラー、または傾斜可能および/または揺動可能な表面を有するミラー要素を含むことができる。ミラー要素は、例えば、微小電気機械システム(MEMS)として設計することができる。照射されたレーザビームは、部分的に周囲で反射し、反射成分は、今度はレーザスキャナ、特に、レーザスキャナの検出器ユニットにこれらの反射成分を導くことが可能な偏向ユニットに、入射することができる。検出器ユニットの各光検出器は、例えば、それぞれの光検出器によって記録された成分に基づいて、関連する検出器信号を生成する。その結果、検出された反射成分の入射方向は、それぞれの検出器の空間的配置と、偏向ユニットの現在の位置、特に偏向ユニットの回転位置または傾斜位置および/または揺動位置に基づいて推測することができる。反射物体の半径方向の距離は、飛行時間測定法に基づいて決定することができる。距離の決定には、代替的または追加的に、照射光と検出光の位相差を評価する方法を使用することができる。
【0004】
前述の多くの機能は、レーザスキャナの対応するスキャンポイントに基づいて実行され、レーザスキャナの周囲にある対応する物体をスキャンポイントから検出する必要がある。このため、近接して配置され、単一の物理的物体に属する可能性が高いスキャンポイントのグループ、いわゆるクラスタを特定することが可能である。秩序化されていない点群をクラスタリングするための様々な方法、例えば、k-nearest neighborアルゴリズム(k-nearest-neighbor法)が知られている。
【発明の概要】
【0005】
このようなアプローチの欠点は、点群内のある点が同じクラスタに属するかどうかを決定するために、異なるスキャンポイント間の非常に多くの距離を計算する必要があるという事実にある。クラスタリングされるn個の点が点群内にあると仮定すると、距離の全体数はn*(n-1)/2、つまりO(n2)のオーダーとなる。限られた計算リソースと記憶リソースを考慮すると、特に自動車分野で使用されるような組込みシステムでは、これは高い要求につながる。
【0006】
本発明の目的は、レーザスキャナのスキャンポイントをクラスタリングすることにより、物体を検出するために必要な計算量および/または記憶要件を削減することである。
【0007】
この目的は、独立請求項のそれぞれの主題によって達成される。有利な改良および好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【0008】
本発明は、測定原理またはレーザスキャナの構造設計によって与えられるスキャンポイントの自然なシーケンスを利用して、スキャンポイントのより効率的なクラスタ分析を実行するという概念に基づいている。この目的のために、レーザスキャナのスキャンポイントの少なくとも1つのクラスタは、スキャンポイントのそれぞれの入射角によって定義されるシーケンスに依存する方法で決定される。
【0009】
本発明の一態様によれば、レーザスキャナのスキャンポイントをクラスタリングすることにより、レーザスキャナの周囲にある物体を検出する方法が明示される。この目的のために、レーザスキャナは、多数の連続するスキャンポイントを作成するために使用され、多数のスキャンポイントの各スキャンポイントは、入射角によって、特に、一意に特徴付けられる。連続する多数のスキャンポイントのシーケンスは、連続する多数のスキャンポイントにおけるスキャンポイントの入射角によって定義される。少なくとも1つの計算ユニットは、連続する多数のスキャンポイントのシーケンスに依存する方法で、スキャンポイントの少なくとも1つのクラスタを決定するために使用され、1つ以上のクラスタの各クラスタは、多数のスキャンポイントの対応する部分を含む。特に、1つ以上のクラスタの各クラスタは、多数のスキャンポイントの対応する部分からなる。
【0010】
これ以降の説明において、レーザスキャナとは、レーザスキャナとして設計されたライダーセンサシステムを意味するものと理解されたい。特に、レーザスキャナは、1つ以上のレーザ光源、例えば赤外線レーザダイオードを有する送信ユニットと、1つ以上の光検出器、例えばフォトダイオード、特にアバランシェフォトダイオード(APD)を有する検出器ユニットと、伝送ユニットおよび検出器ユニットを制御し、光検出器によって生成された検出信号を評価するように構成された制御・評価ユニットとを含む。この場合、少なくとも1つの計算ユニットは、例えば、レーザスキャナの制御・評価ユニットを含むものであってもよい。
【0011】
レーザスキャナはまた、伝送ユニットによって生成されたレーザビームをレーザスキャナの周囲に偏向させ、その過程で異なる伝送角度、特に透過面内での異なる伝送角度を実現するように配置および構成された、偏向ユニットを含む。そして再び、伝送されたレーザビームの反射成分が偏向ユニットに入射し、それによって検出器ユニットに導かれ、そこで前記反射成分が適切な光検出器または検出器によって検出される。例えば、偏向ユニットは、透過面に対して垂直に設けられた回転軸を中心に回転可能に取り付けられたミラーを含んでよい。光の反射成分が検出器ユニットによって検出される場合、検出された成分の入射方向は、それぞれの検出器の幾何学的配置と組み合わせて、偏向ユニットの現在位置、特にミラーの現在位置から決定可能である。さらに、制御・評価ユニットは、例えば、半径方向の距離を決定するために、飛行時間測定法を実行するものであってもよい。
【0012】
一般に、入射方向は極座標系において2つの角度で定義することができる。通常、これらの角度は水平入射角または方位角、および極角または鉛直入射角と呼ばれる。水平入射角は透過面内の角度に対応し、極角は透過面に垂直な角度に対応する。
【0013】
異なる極角は姿勢とも呼ばれる。特に検出器ユニットの光検出器が偏向ミラーの回転平面に平行な方向に直線的に配置されている場合、各姿勢は光検出器に対応する。偏向ユニットのミラーの360°の回転は、スキャンフレームとも呼ばれる。したがって、各スキャンフレームは、概して、1つ以上の姿勢に対して複数のスキャンポイントを作成し、ある姿勢における各スキャンポイントは、偏向ユニットのミラーの対応する回転位置によって一意に特徴付けられ、したがって水平入射角によって特徴付けられる。このため、ある姿勢におけるスキャンポイントは、水平入射角の連続に対応する自然に与えられたシーケンスを有する。
【0014】
本発明の文脈において、特に本発明に係る方法において、またはこれ以降の説明において、入射角、特にシーケンスを定義する入射角に言及する場合、入射角は常に水平入射角に関する。対照的に、必要であれば、極角は、鉛直入射角、姿勢または姿勢指数などと明示的に呼ばれる。
【0015】
したがって、本発明に係る方法に基づいて作成され、そのシーケンスが入射角によって定義される連続する多数のスキャンポイントは、1つの姿勢における多数のスキャンポイントであると理解できる。しかし、点群の前処理が行われるものであってもよく、その結果、複数の姿勢を組み合わせて一緒に処理することができる。いずれであっても、以降の説明においては、シーケンスは鉛直入射角によって定義され、姿勢の指標によって定義されないという仮定を立てることができる。
【0016】
さらに、連続する多数のスキャンポイントのすべてのスキャンポイントが異なる入射角、すなわち異なる水平入射角を有するという仮定を立てることができる。偏向ユニットの回転可能に取り付けられたミラーは、任意に、複数のミラー面、例えば2つの対向するミラー面を含んでよいという事実に注目されたい。異なるミラー面からの反射は、互いに独立して考えることができる。言い換えれば、以下では、連続する多数のスキャンポイントはすべて同じミラー面からの反射の結果であるという仮定を立てることができる。
【0017】
さらに、連続する多数のスキャンポイントは、必ずしもフィルタリングされていない生データであるとは限らず、その代わりに、例えばノイズの低減や他のフィルタリング目的のための1つ以上の前処理ステップを上流で実施するものであってもよい。
【0018】
したがって、連続する多数のスキャンポイントのシーケンスは、入射角、言い換えれば、回転可能に取り付けられたミラーの関連する回転位置の均一な増加または減少、より詳細には漸増または漸減であると理解することができる。
【0019】
連続する多数のスキャンポイントがそのシーケンスによって特徴付けられることにより、連続する多数のスキャンポイントは、正確に1つの開始ポイントを含み、その開始ポイントは正確に1つの後続ポイントを有し、また正確に1つの終了ポイントを含み、その終了ポイントは正確に1つの先行ポイントを有する。さらに、連続する多数のスキャンポイントには1つ以上の中間ポイントが含まれ、各中間ポイントは正確に1つの先行ポイントと1つの後続ポイントを有する。
【0020】
クラスタはスキャンポイントのサブセットであると理解することができる。クラスタ内のスキャンポイントの数は1以上とすることができ、クラスタ内の最大数は、連続する多数のスキャンポイントの合計数によって与えられる。
【0021】
少なくとも1つのクラスタを決定するために、すなわち、連続する多数のスキャンポイントのうちどのスキャンポイントが少なくとも1つのクラスタに属するか、または同じクラスタに属するかを識別するために、異なるスキャンポイント間の距離を考慮することが可能である。これ以降の説明において、距離とは、常に、スキャンポイント間の幾何学的距離、特にユークリッド距離であると理解することができる。しかしながら、本発明によれば、少なくとも1つのクラスタは、異なるスキャンポイント間の距離に依存する方法のみで決定されるわけではない。むしろ、少なくとも1つのクラスタは、シーケンスに依存する方法で決定される、すなわち、少なくとも1つのクラスタを決定する際にはシーケンスが考慮される。特に、あるスキャンポイントがあるクラスタに属するかどうかの判断を行う際には、連続する多数のスキャンポイントの中で当該スキャンポイントがどこに位置するかが十分に考慮される。言い換えれば、シーケンス内またはシーケンスに従った位置が考慮される。例えば、これは、当該スキャンポイントの1つ以上の距離が、連続する多数のスキャンポイントの他のすべてのスキャンポイントとの関係によってではなく、シーケンス内の特定の近傍においてのみ分析されることによって実施することができる。例えば、最近傍のみ、または最近傍と1つ隣のみ、または最近傍と1つ隣と2つ隣のみ、などを考慮することができる。
【0022】
さらに、対応するスキャンポイントがシーケンスに従って隣接する位置にあるか、すなわち最近傍であるか、あるいは1つ隣であるか、2つ隣であるかなどに応じて、最大距離に対する異なる閾値がプロセスにおいて考慮される。シーケンスの方向、すなわち、シーケンスに従ってどのスキャンポイントが他のスキャンポイントのすぐ後に続くか、またはどのスキャンポイントが他のスキャンポイントのすぐ前に続くかは、一定であり、すなわち定義されているが、原理的には任意である。
【0023】
特に、少なくとも1つのクラスタを決定する際にシーケンスを考慮することで、連続する多数のポイントのうちの2つのポイントが同じクラスタに属する可能性が、シーケンスに従ってそれぞれの位置が近ければ近いほど高くなることが保証される。スキャンポイントの幾何学的距離は、それでもクラスタ分析の相対的な基準を表すという事実に注意されたい。シーケンス内の2つのスキャンポイントの位置が近いというだけでは、これらのスキャンポイントを同じクラスタに割り当てるには不十分な場合がある。
【0024】
このように、本発明に係る方法は、必要な計算ステップの数、特に計算する必要があるスキャンポイントのペアの間の距離の数を減らすために、レーザスキャナの構成的設計から生じる情報、したがってシーケンスを定義する情報を効率的に利用する。その結果、計算量および/または必要な記憶容量を削減することができる。
【0025】
スキャンポイントをクラスタリングすること、すなわち少なくとも1つのクラスタを決定することは、同じクラスタに属するスキャンポイントが、レーザスキャナの周囲にある1つの物理的物体に対応する確率、すなわちこの物体の対応する表面からの反射に遡る確率が高まるという意味で、物体を検出することと理解することができる。言い換えれば、この意味での物体の検出は、ある確率でレーザスキャナの周囲における物体の存在または位置を決定することを含む。特に、物体の検出には、物体の分類やバウンディングボックスの決定などは必ずしも含まれない。しかし、少なくとも1つのクラスタは、例えば自動認識のアルゴリズムの基礎として機能することにより、そのような目的に使用することができる。
【0026】
言い換えれば、少なくとも1つのクラスタは、自動認識のためのアルゴリズム、例えば物体追跡アルゴリズム、分類アルゴリズム、セグメンテーションアルゴリズムなどの基礎または入力として機能するものであってもよい。
【0027】
本方法に係る少なくとも1つの実施形態によれば、多数のスキャンポイントのうちの第1のスキャンポイントが、1つ以上のクラスタの第1のクラスタの一部として識別され、多数のスキャンポイントのうちの第1のスキャンポイントと第2のスキャンポイントとの間の距離が決定される。距離が所定の最大距離以下である場合、第2のスキャンポイントは第1のクラスタの一部として識別される。
【0028】
例えば、第1のスキャンポイントは、第1のクラスタの初期ポイントとして決定することができ、または同様に、本発明に係る方法の実施形態に従って決定することができる。
【0029】
特に、シーケンスに従った第2のスキャンポイントは、第1のスキャンポイントの直後に続く。このようにして、連続する多数のスキャンポイントの直後に連続するスキャンポイントの各ペアを考慮することができ、互いからそれらのユークリッド距離を決定することができ、距離が最近傍に対する所定の最大距離未満である場合、ペアの2つのポイントを同じクラスタに割り当てることができる。少なくとも1つの実施形態によれば、所定の最大距離は、シーケンスに従った第2のスキャンポイントの位置に対する、シーケンスに従った第1のスキャンポイントの位置に依存する。
【0030】
言い換えれば、最大距離は、シーケンスに従った第1のスキャンポイントと第2のスキャンポイントのそれぞれの位置に依存する方法で決定される。特に、第2のスキャンポイントの位置に対する第1のスキャンポイントの位置は、位置の差であると考えることができる。
【0031】
このようにして、例えば、シーケンス内で離れているスキャンポイントよりも、シーケンス内で接近しているスキャンポイント間の最大距離を大きくすることが可能になる。
【0032】
例えば、最近傍に対して最大距離を与え、最近傍でないすべてのスキャンポイントのペアに対してさらに最大距離を与えることができる。そして、例えば、最近傍に対する最大距離を、他のすべてのスキャンポイントのペアの最大距離よりも大きくすることができる。これにより、最近傍であるスキャンポイントは、シーケンスに従って互いに間隔が離れているポイントよりも高い確率で同じクラスタ、ひいては同じ物体に割り当てられる。
【0033】
例えば、最近傍に対する最大距離に加えて、1つ隣に対する最大距離や、任意に2つ隣に対する最大距離などを指定することによって、同様の方法で更なる段階的変化が実装される。
【0034】
本方法に係る少なくとも1つの第1の実施形態によれば、連続する多数のスキャンポイントのうちの第1のスキャンポイントは、1つ以上のクラスタのうちの第1のクラスタの一部として識別される。シーケンスに従って第1のスキャンポイントの直後に続く、連続する多数のスキャンポイントのうちの第2のスキャンポイントは、1つ以上のクラスタのうちの第2のクラスタの一部として識別される。第1のスキャンポイントと、シーケンスに従って第2のスキャンポイントの直後に続く連続する多数のスキャンポイントのうちの第3のスキャンポイントとの間の距離が決定される。第3のスキャンポイントは、第1のスキャンポイントと第3のスキャンポイントとの間の距離に応じて、1つ以上のクラスタのうちの第1のクラスタの一部または第3のクラスタの一部として識別される。
【0035】
第2のスキャンポイントが第1のクラスタに属さないことを判定するには、例えば、第1のスキャンポイントと第2のスキャンポイントとの間の距離が、最近傍に対する所定の最大距離よりも大きいことを定めることが可能である。例えば、第2のスキャンポイントと第3のスキャンポイントとの間の距離も同様に、最近傍に対する最大距離より大きいことが可能であり、その結果、第3のスキャンポイントは第2のクラスタに属さないこととなる。
【0036】
しかし、クラスタを決定する際に、連続する多数のスキャンポイントのシーケンスが考慮されるため、特に、第1と第3のスキャンポイントの両方が、シーケンスに従って、その間に位置する第2のスキャンポイントからそれぞれ離れているにもかかわらず、第1と第3のスキャンポイントが近接しているかどうかを検証することが可能である。これにより、同じ物体からの反射であるにもかかわらず、第3のスキャンポイントが第1のスキャンポイントとは異なるクラスタに誤って割り当てられないようにすることができる。
【0037】
これ以降の説明において、2つのスキャンポイントが互いに近接している、または互いに遠く離れて配置されているという事実に言及する場合、これは、特に言及する必要がなくても、対応するポイント間の距離が対応する所定の最大距離より小さいか、同じか、または大きいことを意味するものと理解することができる。
【0038】
特に、第1のスキャンポイントと第3のスキャンポイントとの間の距離が、最近傍の1つ隣に対する所定の最大距離以下である場合、第3のスキャンポイントは第1のクラスタの一部であると判定される。
【0039】
例えば、第1のスキャンポイントと第3のスキャンポイントとの間の距離が、最近傍の1つ隣に対する所定の最大距離よりも大きい場合、第3のスキャンポイントは第3のクラスタの一部であると判定される。
【0040】
本方法に係る少なくとも1つの第2の実施形態によれば、連続する多数のスキャンポイントのうちの第1のスキャンポイントが、1つ以上のクラスタのうちの第1のクラスタの一部として識別される。シーケンスに従って第1のスキャンポイントの直後に続く、連続する多数のスキャンポイントのうちの第2のスキャンポイントと、シーケンスに従って第2のスキャンポイントの直後に続く、連続する多数のスキャンポイントのうちの第3のスキャンポイントとの間の距離が決定される。第1のスキャンポイントと第3のスキャンポイントとの間の距離が決定される。第2のスキャンポイントは、第1のスキャンポイントと第3のスキャンポイントとの間の距離に応じて、また、第2のスキャンポイントと第3のスキャンポイントとの間の距離に応じて、1つ以上のクラスタのうちの第1のクラスタの一部または第2のクラスタの一部として識別される。
【0041】
特に、第1のスキャンポイントと第2のスキャンポイントとの間の距離は、この場合の最近傍に対する所定の最大距離よりも大きい。そうでなければ、第2のスキャンポイントは、第1のスキャンポイントと第3のスキャンポイントとの間の距離や第2のスキャンポイントと第3のスキャンポイントとの間の距離が決定的なものとなることなく、どのような場合でも第1のクラスタの一部となる。
【0042】
したがって、このような実施形態は、第2のスキャンポイントが第1のスキャンポイントから遠く離れているが、第3のスキャンポイントが第1のスキャンポイントと第2のスキャンポイントの両方に近い状況を有利に扱うことができる。
【0043】
特に、第1のスキャンポイントと第3のスキャンポイントとの間の距離が最近傍の1つ隣に対する所定の最大距離以下であり、第2のスキャンポイントと第3のスキャンポイントとの間の距離が最近傍に対する所定の最大距離以下である場合、第2のスキャンポイントは第1のクラスタの一部として識別される。
【0044】
この場合、最近傍とその1つ隣との最大距離は異なる可能性もあるが、同じになる可能性もある。
【0045】
特に、第1のスキャンポイントと第3のスキャンポイントとの間の距離が最近傍の1つ隣に対する所定の最大距離よりも大きい場合、または第2のスキャンポイントと第3のスキャンポイントとの間の距離が最近傍に対する所定の最大距離よりも大きい場合、第2のスキャンポイントは第2のクラスタの一部として識別される。
【0046】
本方法に係る少なくとも1つの第3の実施形態によれば、連続する多数のスキャンポイントのうちの第1のスキャンポイントが、1つ以上のクラスタのうちの第1のクラスタの一部として識別される。シーケンスに従って第1のスキャンポイントの直後に続く、連続する多数のスキャンポイントのうちの第2のスキャンポイントと、シーケンスに従って第2のスキャンポイントの直後に続く、連続する多数のスキャンポイントのうちの第3のスキャンポイントとの間の距離が決定される。第3のスキャンポイントと、シーケンスに従って第3のスキャンポイントの直後に続く第4のスキャンポイントとの間の距離が決定される。第4のスキャンポイントと第1のスキャンポイントとの間の距離が決定される。第2のスキャンポイントは、第2のスキャンポイントと第3のスキャンポイントとの間の距離に応じて、また、第3のスキャンポイントと第4のスキャンポイントとの間の距離に応じて、また、第4のスキャンポイントと第1のスキャンポイントとの間の距離に応じて、1つ以上のクラスタのうちの第1のクラスタの一部または第2のクラスタの一部として識別される。
【0047】
このような実施形態は、第1と第2のスキャンポイント、および第1と第3のスキャンポイントが互いに離れて配置されているが、第2と第3のスキャンポイント、さらに第3と第4のスキャンポイントが、第4と第1のスキャンポイントのように、それぞれの場合に近接して配置されているような状況を、有利に効率的に処理することができる。
【0048】
特に、第2のスキャンポイントと第3のスキャンポイントとの間の距離が最近傍に対する所定の最大距離以下であり、第3のスキャンポイントと第4のスキャンポイントとの間の距離が最近傍に対する所定の最大距離以下であり、第4のスキャンポイントと第1のスキャンポイントとの間の距離が最近傍の2つ隣に対する所定の最大距離以下である場合、第2のスキャンポイントは第1のクラスタの一部として識別される。
【0049】
この場合も、最近傍に対する最大距離と、最近傍の2つ隣に対する最大距離は同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0050】
特に、第2のスキャンポイントと第3のスキャンポイントとの間の距離が最近傍に対する最大距離より大きい場合、または第3のスキャンポイントと第4のスキャンポイントとの間の距離が最近傍に対する最大距離より大きい場合、または第4のスキャンポイントと第1のスキャンポイントとの間の距離が最近傍の2つ隣に対する最大距離より大きい場合、第2のスキャンポイントは第2のクラスタの一部として識別される。
【0051】
本方法に係る少なくとも1つの第4の実施形態によれば、連続する多数のスキャンポイントのうちの第1のスキャンポイントが、1つ以上のクラスタのうちの第1のクラスタの一部として識別される。シーケンスに従って第1のスキャンポイントの直後に続く、連続する多数のスキャンポイントのうちの第2のスキャンポイントと、連続する多数のスキャンポイントのうちの第4のスキャンポイントとの間の距離が決定される。この場合、連続する多数のスキャンポイントのうちの第3のスキャンポイントは、シーケンスに従って第2のスキャンポイントの直後に続き、第4のスキャンポイントは、シーケンスに従って第3のスキャンポイントの直後に続く。第4のスキャンポイントと、シーケンスに従って第4のスキャンポイントの直後に続く、連続する数のスキャンポイントのうちの第5のスキャンポイントとの間の距離が決定される。第5のスキャンポイントと第1のスキャンポイントとの間の距離が決定される。第2のスキャンポイントは、第2のスキャンポイントと第4のスキャンポイントとの間の距離に応じて、また第4のスキャンポイントと第5のスキャンポイントとの間の距離に応じて、また第5のスキャンポイントと第1のスキャンポイントとの間の距離に応じて、第1のクラスタの一部として識別されるか、または1つ以上のクラスタのうちの第2のクラスタの一部として識別される。
【0052】
このような実施形態は、第1のスキャンポイントが第2のスキャンポイントおよび第4のスキャンポイントの両方から遠く離れ、第2のスキャンポイントおよび第4のスキャンポイントがそれぞれ第3のスキャンポイントから遠く離れ、第2のスキャンポイントが第4のスキャンポイントの近くに位置し、第4のスキャンポイントが第5のスキャンポイントの近くに位置し、第5のスキャンポイントが第1のスキャンポイントの近くに位置するような状況を有利に効率的に処理することができる。
【0053】
例えば、第2のスキャンポイントと第4のスキャンポイントとの間の距離が最近傍の1つ隣に対する所定の最大距離以下であり、第4のスキャンポイントと第5のスキャンポイントとの間の距離が最近傍に対する所定の最大距離以下であり、第5のスキャンポイントと第1のスキャンポイントとの間の距離が最近傍の3つ隣に対する所定の最大距離以下である場合、第2のスキャンポイントを第1のクラスタの一部として識別することができる。
【0054】
対照的に、第2のスキャンポイントと第4のスキャンポイントとの間の距離が最近傍の1つ隣に対する最大距離より大きい場合、または第4のスキャンポイントと第5のスキャンポイントとの間の距離が最近傍に対する最大距離より大きい場合、または第5のスキャンポイントと第1のスキャンポイントとの間の距離が最近傍の3つ隣に対する最大距離より大きい場合、第2のスキャンポイントを第2のクラスタの一部として識別することができる。
【0055】
上記で第1、第2、第3または第4の実施形態として先に示した方法の変形を組み合わせることも可能であり、その結果、記載された状況どうしが共に、本方法の適切な構成において対比されることもある。
【0056】
本方法に係る少なくとも1つの実施形態によれば、少なくとも1つの計算ユニットは、連続する多数のスキャンポイントに基づいて自動認識のアルゴリズムを実行するために使用され、アルゴリズムは、少なくとも1つのクラスタに依存する方法で実行される。
【0057】
本発明の更なる態様は、自動車を少なくとも部分的に自動誘導するための方法を規定し、自動車は、レーザスキャナおよび少なくとも1つの計算ユニットを含む。物体を検出するための本発明に係る方法は、特にレーザスキャナおよび少なくとも1つの計算ユニットによって実行され、この方法は、自動認識のためのアルゴリズムの実行を含む。自動車の少なくとも部分的な自動誘導のための少なくとも1つの制御信号が、自動認識のためのアルゴリズムの結果に応じて、特に自動車の制御ユニット、例えば少なくとも1つの計算ユニットに含まれる制御ユニットによって生成される。
【0058】
そして、自動車は、少なくとも1つの制御信号に応じた、少なくとも部分的な自動誘導を行うことができる。この目的のために、少なくとも1つの制御信号を、例えば、自動車の1つまたは複数のアクチュエータに供給することができ、または、少なくとも1つの制御信号に応じて、1つまたは複数のアクチュエータを適宜制御することができ、自動化または部分的に自動化された方法で自動車を誘導することができる。
【0059】
本発明の更なる態様によれば、自動車用のセンサシステムが規定される。センサシステムは、レーザスキャナの周囲、ひいては特に自動車の周囲にある物体を表すセンサデータを生成するように構成されたレーザスキャナを含む。センサシステムは、センサデータに基づいて連続する多数のスキャンポイントを作成するように構成された少なくとも1つの計算ユニットを備え、各スキャンポイントは入射角によって特徴付けられ、連続する多数のスキャンポイントのシーケンスは入射角によって定義される。少なくとも1つの計算ユニットは、シーケンスに依存する方法で、連続する多数のスキャンポイントのうちのいくつかを含むスキャンポイントのうちの少なくとも1つのクラスタを決定するように構成される。
【0060】
本発明に係るセンサシステムの更なる実施形態は、本発明に係る物体を検出するための方法の様々な構成から、および、本発明に係る自動車の少なくとも部分的な自動誘導のための方法の様々な構成から直ちに導かれ、それぞれの場合においてその逆も同様である。特に、本発明に係るセンサシステムは、本発明に係る物体を検出するための方法を実行するように構成することができ、またはそのような方法を実行する。
【0061】
本発明の更なる態様によれば、自動車のための電気自動車誘導システムが規定される。電気自動車誘導システムは、自動車のための本発明に係るセンサシステムを含む。少なくとも1つの計算ユニットは、連続する多数のスキャンポイントに基づいて、少なくとも1つのクラスタに依存して、自動認識のためのアルゴリズムを実行するように構成される。電気自動車誘導システムの制御ユニット、特に少なくとも1つの計算ユニットは、自動認識のためのアルゴリズムの結果に応じて、自動車の少なくとも部分的な自動誘導のための少なくとも1つの制御信号を生成するように構成されている。
【0062】
本発明に係る電気自動車誘導システムの更なる実施形態は、本発明に係る物体を検出するための方法の様々な構成から、および、本発明に係る自動車の少なくとも部分的な自動誘導のための方法から直ちに導かれる。特に、本発明に係る電気自動車誘導システムは、本発明に係る自動車の少なくとも部分的な自動誘導のための方法を実行するように構成することができ、またはそのような方法を実行する。
【0063】
本発明の更なる態様によれば、第1の命令を有する第1のコンピュータプログラム製品が規定される。第1の命令が本発明に係るセンサシステムによって実行されると、第1の命令は、本発明に係る物体を検出するための方法を実行するようにセンサシステムに促す。
【0064】
本発明の更なる態様によれば、第2の命令を有する第2のコンピュータプログラムが規定される。第2の命令が本発明に係る電気自動車誘導システムによって実行されると、第2の命令は、本発明に係る自動車の少なくとも部分的な自動誘導のための方法を実行するように電気自動車誘導システムに促す。
【0065】
本発明の更なる態様によれば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体が規定され、後者は、本発明に係る第1のコンピュータプログラムおよび/または本発明に係る第2のコンピュータプログラムを記憶する。
【0066】
第1のコンピュータプログラム、第2のコンピュータプログラム、およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、それぞれ、第1および/または第2の命令を有するそれぞれのコンピュータプログラム製品とみなすことができる。
【0067】
本開示の範囲内において、「光」という用語は、可視範囲、赤外線範囲、および/または紫外線範囲における電磁波を含むものとして理解される。したがって、「光の」という用語についても、この意味において光に関連するものとして理解される。
【0068】
コンピュータビジョンアルゴリズム、マシンビジョンのためのアルゴリズム、マシンビジョンアルゴリズムとも呼ばれる自動画像認識のためのアルゴリズムは、視覚認識タスクを自動実行するためのコンピュータアルゴリズムであると考えられる。コンピュータビジョンタスクとも呼ばれる視覚認識タスクは、例えば、画像データからの情報の抽出に関するタスクを意味するもの理解される。特に、視覚認識タスクは、原則として、画像データに対応する画像を視覚的に認識することができる人間によって実行することができる。しかし、視覚認識タスクは、人間の支援を必要とせず、本文脈では自動的に実行されることもある。
【0069】
例えば、コンピュータビジョンアルゴリズムは、画像処理アルゴリズムまたは画像解析のためのアルゴリズムを含むものであってもよく、これは、例えば人工ニューラルネットワーク、特に畳み込みニューラルネットワークに基づいた機械学習によって訓練されている、または訓練されたものである。例えば、コンピュータビジョンアルゴリズムは、物体検出アルゴリズム、障害物検出アルゴリズム、物体追跡アルゴリズム、分類アルゴリズムおよび/またはセグメンテーションアルゴリズムを含むものであってもよい。
【0070】
対応するアルゴリズムは、人間が視覚的に認識できる画像以外の入力データに基づいても同様に実行されるものであってもよい。例えば、赤外線カメラ、ライダーシステムなどからの点群や画像も、適切に適合されたコンピュータアルゴリズムによって評価されるものであってもよい。厳密には、対応するアルゴリズムは、視覚認識のためのアルゴリズムではなく、その理由は、対応するセンサーは、視覚的には、すなわち人間の目では認識できない範囲、例えば赤外領域で動作する可能性があるからである。したがって、このようなアルゴリズムは、本発明の範囲内では、自動認識のためのアルゴリズムと呼ばれる。したがって、自動認識のためのアルゴリズムは、自動視覚認識のためのアルゴリズムを含むが、人間による認識の観点から後者に限定されるものではない。その結果、この理解による自動認識のためのアルゴリズムは、例えば機械学習によって訓練されている、または訓練された、特に人工ニューラルネットワークに基づく認識タスクの自動実行のためのコンピュータアルゴリズムを含むものであってもよい。このような自動認識のための一般化されたアルゴリズムは、物体検出アルゴリズム、物体追跡アルゴリズム、分類アルゴリズムおよび/またはセグメンテーションアルゴリズム、例えばセマンティックセグメンテーションアルゴリズムを含むものであってもよい。
【0071】
自動視覚認識アルゴリズムの実装に人工ニューラルネットワークを使用する場合、頻繁に採用されるアーキテクチャは畳み込みニューラルネットワーク(CNN)である。特に、2次元CNNは、対応する2次元カメラ画像に適用することができる。CNNは、自動認識のための他のアルゴリズムにも使用できる。例えば、3次元CNN、2次元CNN、または1次元CNNは、点群の空間的な次元や処理の詳細に応じて、点群に適用することができる。
【0072】
自動認識のためのアルゴリズムの結果または出力は、特定の基礎となる認識タスクに依存する。例えば、物体検出アルゴリズムの出力は、周囲にある1つ以上の対応する物体の空間的な位置および任意に方向を定義する1つ以上のバウンディングボックスおよび/または1つ以上の物体の適切な物体クラスを含むものであってもよい。カメラ画像に適用されるセマンティックセグメンテーションアルゴリズムは、カメラ画像の各画素の画素レベルのクラスを含むものであってもよい。これらに類似した方法で、点群に適用されるセマンティックセグメンテーションアルゴリズムは、各点の対応する点レベルのクラスを含むものであってもよい。画素レベルまたは点レベルのクラスは、たとえば、それぞれの画素または点が属する物体のタイプを定義するものであってもよい。
【0073】
ここで、電気自動車誘導システムとは、車両を完全に自動的または完全に自律的に誘導するように構成された電子システムとして理解することができ、特に運転者による制御介入は必要ない。車両は、例えばステアリング操作、ブレーキ操作、および/または加速操作、道路交通の観察および検出、適切な反応など、必要なすべての機能を自動的に実行する。特に、電気自動車誘導システムは、SAE J3016による分類のレベル5に従って、自動車の完全自動運転モードまたは完全自律運転モードを実施することができる。電気自動車誘導システムは、部分自動運転中または部分自律運転中に運転者を支援する先進運転支援システム(ADAS)としても理解することができる。特に、電気自動車誘導システムは、SAE J3016の分類に従ったレベル1から4に従って、部分自動運転モードまたは部分自律運転モードを実施することができる。これ以降の説明において、「SAE J3016」は、2018年6月のバージョンの対応する規格を指す。
【0074】
したがって、少なくとも部分的に自動化された車両誘導は、SAE J3016によるレベル5に従った完全自動運転モードまたは完全自律運転モードに従って車両を誘導することを含むことができる。また、少なくとも部分的に自動化された車両誘導は、SAE J3016によるレベル1から4に従った部分的に自動化されたまたは部分的に自律化された走行モードに従って車両を誘導することを含むことができる。
【0075】
本開示の範囲内で、本発明によるセンサシステムの構成要素、特にセンサシステムの少なくとも1つの計算ユニットが、特定の機能を実行または実装するため、特定の効果を得るため、または特定の目的を果たすために構成、具現化、設計などされていることに言及する場合、このことは、適切な適合、適切なプログラミング、適切な物理的設計などによって、そのコンポーネントが、この機能、効果、または目的に対するコンポーネントの基本的または理論的な有用性または適合性を超えて、具体的かつ実際に、その機能を実行または実装し、その効果を得る、またはその目的を果たすことができるということを意味すると理解することができる。
【0076】
特に、計算ユニットはデータ処理装置を意味すると理解することができ、すなわち計算ユニットは特に、計算処理を実行する目的でデータを処理することができる。任意選択で、これらには、データ構造、例えばルックアップテーブル(LUT)への、指示されたアクセスを実行するための操作も含まれる。
【0077】
特に、計算ユニットは、1つ以上のコンピュータ、1つ以上のマイクロコントローラ、および/または1つ以上の集積回路、例えば1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および/または1つ以上のシステムオンチップ(SoC)を含むものであってもよい。計算ユニットはまた、1つ以上のプロセッサ、例えば1つ以上のマイクロプロセッサ、1つ以上の中央処理装置(CPU)、1つ以上のグラフィック処理装置(GPU)、および/または1つ以上の信号プロセッサ、特に1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)を含むものであってもよい。計算ユニットはまた、物理的または仮想的なコンピュータ群、または前述のユニットの他のタイプを含むものであってもよい。
【0078】
様々な好ましい実施形態の計算ユニットは、1つ以上のハードウェアおよび/またはソフトウェアインタフェースおよび/または1つ以上の記憶ユニットを含む。
【0079】
記憶ユニットは、例えばダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)またはスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)のような揮発性データメモリとして、または、例えばリードオンリーメモリ(ROM)のような不揮発性データメモリとして、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)として、消去可能読み出し専用メモリ(EPROM)として、電気的消去可能読み出し専用メモリ(EEPROM)として、フラッシュメモリまたはフラッシュEEPROMとして、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FRAM)として、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)として、または相変化ランダムアクセスメモリ(PCRAM)として構成されるものであってもよい。
【0080】
本発明の更なる特徴は、特許請求の範囲、図面、および図面の説明に見出すことができる。本明細書において上述した特徴および特徴の組み合わせ、ならびに図面の説明において後述する特徴および特徴の組み合わせ、および/または図面に示された特徴は、それぞれの場合に指定された組み合わせだけでなく、他の組み合わせにおいても本発明に含むことができる。特に、当初に文言化された請求項の全ての特徴を有していない特徴の実施形態および組み合わせも本発明に含まれる。さらに、特許請求の範囲の後方参照文献に記載された特徴の組合せを超える、または異なる特徴の実施形態および組合せも本発明に含まれる。
【0081】
図面において、以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【
図1】
図1は、本発明に係るセンサシステムの好ましい実施形態を有する自動車の概略図である。
【
図2】
図2は、本発明に係る自動車用センサシステムの更なる好ましい実施形態を示す概略図である。
【
図3】
図3は、多数のスキャンポイント示す概略図である。
【
図4】
図4は、多数のスキャンポイントを示す更なる概略図である。
【
図5】
図5は、多数のスキャンポイントを示す更なる概略図である。
【
図6】
図5は、多数のスキャンポイントを示す更なる概略図である。
【
図7】
図7は、多数のスキャンポイントを示す更なる概略図である。
【
図8】
図8は、多数のスキャンポイントを示す更なる概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0083】
図1は、本発明に係るセンサシステム1の好ましい実施形態を含む自動車5を概略的に示している。センサシステム1は、レーザスキャナ2の形態のライダーセンサシステムを含み、例えば電子制御ユニット、ECU、またはその一部として構成されるか、ECUを含む、計算ユニット3aを含む。
【0084】
レーザスキャナ2は、視野4を含み、縦軸xと横軸yとによってスパンされる透過面内で光を照射することができる。レーザスキャナ2は、照射された光信号の反射成分を検出することができ、レーザスキャナ2および/または計算ユニット3aは、検出された成分に基づいて、多数のスキャンポイント7を生成することができる。
【0085】
図2には、センサシステム1の好ましい実施形態が概略的に描かれている。
【0086】
レーザスキャナ2は、制御・評価ユニット3bを含むものであってもよく、この制御・評価ユニット3bは、計算ユニット3aに接続されている。代替案として、計算ユニット3aは制御・評価ユニット3bの機能を採用するものであってもよく、またその逆も可能である。レーザスキャナ2は、照射ユニット8を含み、照射ユニット8は、1つ以上のレーザダイオードを含み、制御・評価ユニット3bによって制御可能である。レーザスキャナ2は、検出器ユニット9も含み、検出器ユニット9は、例えばアバランシェフォトダイオードなどの1つ以上の光検出器を含み、制御・評価ユニット3bにも接続されている。レーザスキャナ2はまた、回転軸11を中心に回転可能に取り付けられたミラー10を含む。特に、回転軸11は透過面に対して直角である。制御・評価ユニット3bは、ミラー10の回転位置を制御または決定することもできる。
【0087】
動作中、照射ユニット8は、制御・評価ユニット3bの制御の下で、ミラー10によって偏向されるレーザパルス12aを照射し、その結果、これらのパルスは、レーザスキャナ2のハウジング14からレーザスキャナ2および自動車5の周囲に出ることができる。レーザパルス12aが自動車5の周囲にある物体13に入射した場合、これらのレーザパルスは少なくとも部分的に、物体によって反射される可能性がある。反射成分12bは、レーザスキャナ2に入射し、ハウジング14を介してミラー10に入射し、ミラー10は、反射成分を検出器ユニット9に偏向させる。検出器ユニット9の光検出器の1つが反射成分12bを検出し、計算ユニット3aまたは制御・評価ユニット3bがそれに基づいて適切なスキャンポイント7を作成する。レーザパルス12aおよび反射成分12bが光速で伝搬するため、反射成分12の検出時のミラー10のミラー位置は、基本的に、レーザパルス12aが照射されたときのミラー位置に正確に対応する。飛行時間測定法と組み合わせて、制御・評価ユニット3bはこのようにして、各スキャンポイントについて、例えば極座標系における3次元座標を決定することができる。したがって、各スキャンポイントは、特に、ミラー10の対応する回転位置と、xy平面または透過面内の対応する水平入射角(以下、入射角と呼ぶ)と、極角または姿勢指数と、半径方向距離とによって特徴付けられる。姿勢指数は、対応するスキャンポイントの反射成分12bを検出した光検出器に対応する。検出器ユニット9の光検出器は、特に、直線的に、回転軸11に平行に、すなわち透過面に直角に配置される。
【0088】
ミラー10は、複数の側面にそれぞれの反射ミラー面を有するものであってもよい。これらのミラー面は、別個のミラーとして扱われてもよい。回転軸11を中心としたミラー10の360°の回転は、スキャンフレームと呼ばれ、各スキャンフレームは、2つの反射面の場合、第1の面のスキャンフレームと第2の面のスキャンフレームを含む。後述する説明は、単一のミラー面のスキャンフレームに関するものとみなすことができる。これら説明は、更なるミラー面にも同様に適用される。このように、各スキャンフレームは、各姿勢に対して連続する多数のスキャンポイント7を作成し、これらスキャンポイントは、それぞれの場合において入射角に割り当てることができ、したがって、入射角によって定義されるシーケンスを有する。以下では、スキャンポイントの1つの姿勢のみを考慮する。それ以上の姿勢も適宜扱うことができる。
【0089】
例えば、照射ユニット8は、一定の角度増分によるミラーの回転ごとに1つのレーザパルスが照射されるように、レーザパルス12aを生成することができる。例えば、角度増分は0.1°から1°のオーダー、例えば約0.25°とすることができる。
【0090】
計算ユニット3aは、スキャンポイント7を自動車5の周囲にある1つ以上の物体13に割り当てるために、スキャンポイント7をクラスタリングすることができる。本発明によれば、計算ユニット3aは、クラスタリング、すなわち少なくとも1つのクラスタ6a、6bを決定するために、透過面における連続した入射角によって特定されるスキャンポイント7のシーケンスを考慮する。
【0091】
センサシステム1は、レーザスキャナ2の周囲、特に自動車5の周囲で物体13を検出するために、本発明に係る方法を実行するように構成されている。計算ユニット3aは、このようにして、少なくとも1つのクラスタ6a、6bを決定する。任意選択で、計算ユニット3aは、クラスタ化されたスキャンポイント7に基づいて、自動認識のためのアルゴリズム、例えば物体追跡アルゴリズムなどを実行できるものであってもよい。自動認識のためのアルゴリズムの結果に基づいて、自動車5の計算ユニット3aまたは他の制御ユニット(ここでは図示していない)は、自動車の少なくとも部分的な自動誘導のための少なくとも1つの制御信号を生成することができる。制御信号に基づいて、自動車5は自動化または部分的に自動化された方法で誘導される。
【0092】
図面のうち
図3から
図7は、スキャンポイント7が異なる方法で互いに離間しているといった、異なる状況を示している。次に、本発明に係る方法の様々な実施形態を、
図3から
図7を参照してより詳細に説明する。
【0093】
図3には、多数のスキャンポイント7a~7lが描かれている。この場合、各スキャンポイントは直線付きの円として描かれ、直線はスキャンポイントから回転軸11への方向を示す。したがって、入射角φは、対応する直線がx軸となす角度に等しい。
【0094】
スキャンポイント7a~7lをクラスタリングするために、計算ユニット3aは、どのスキャンポイント7a~7lが他のスキャンポイント7a~7lからの距離が所定のクラスタ距離未満であるか(最大距離とも呼ばれるものであってもよい)を検証することができる。以下のように、2つのスキャンポイントが互いに離れているとされる場合は、2つのスキャンポイント間の距離がクラスタ距離よりも大きいことを意味すると理解することができ、2つのスキャンポイントが近接しているとされる場合は、2つのスキャンポイント間の距離がクラスタ距離以下であることを意味すると理解することができる。さらに、クラスタ距離が1つだけ定義されていることを前提としている。しかしながら、代替の実施形態では、入射角によって与えられるシーケンスに従って、たとえば最近傍に対する距離や、最近傍の1つ隣に対する距離など、複数のクラスタ距離を指定することもできる。
【0095】
スキャンポイント7a~7lをクラスタ化するために、計算ユニット3aは、原理的には、すべてのスキャンポイント7a~7l間のすべての距離を計算し、これらの距離をクラスタ距離と比較することができる。しかしながら、これには、計算能力とメモリに対する高い要求を伴う。したがって、本発明によれば、上述のスキャンポイントの生成から生じるスキャンポイント7a~7lの自然なシーケンスが利用される。
【0096】
例えば、
図3の例では、第1のスキャンポイント7aの後に第2のスキャンポイント7bが続き、その後に第3のスキャンポイント7cが続くといった具合である。ここで、計算ユニット3aは、例えば、シーケンスに従って、隣接するスキャンポイント間の距離を制限することができる。したがって、n個のスキャンポイントに対して、計算すべき距離の数は、O(n
2)からO(n)に減少する。本実施例では、計算ユニット3aは、例えば、連続する全てのスキャンポイント7a~7fについて、各場合においてクラスタ条件を満たす、すなわち、各場合において互いに直後のスキャンポイントがクラスタ距離未満だけ互いに離れていると判定する。しかし、スキャンポイント7fとその直後のスキャンポイント7gは互いに離れており、特に互いの距離はクラスタ距離よりも大きい。したがって、クラスタ条件は、スキャンポイント7h~7lの各隣接するペアについてもそれぞれの場合に満たされることから、スキャンポイント7a~7fは第1のクラスタ6aの一部として決定され、残りのスキャンポイント7h~7lは第2のクラスタ6bの一部として決定される。この例では、シーケンスを考慮することにより、計算量とメモリ使用量を削減することができる。
【0097】
図4には、8つのスキャンポイント7a~7hが存在する状況が描かれている。7Aから7hまで順にたどると、第2のスキャンポイント7bは第1のスキャンポイント7aに近く、第3のスキャンポイント7cは第2のスキャンポイント7bに近く、第4のスキャンポイント7dは第3のスキャンポイント7cから遠く、第5のスキャンポイント7eは第4のスキャンポイント7dから遠く、残りの各スキャンポイント7f~7hもその前のポイントに近い。しかし、第5のスキャンポイント7eは、第3のスキャンポイント7cにも近く、すなわち、前のポイントの1つ隣のポイントまたは1つ隣のポイントにも近い。言い換えれば、もし第4のスキャンポイント7dが無視されるとすれば、残りのすべてのスキャンポイント7a~7c、7e~7hは同じクラスタ6aに属することになる。第4のスキャンポイント7dは第2のクラスタ6bの基礎を形成することになる。この一貫性のある結果を得るために、本方法の対応する実施形態では、シーケンスに沿ったスキャンポイントがその前のスキャンポイントから離れていると判定された場合に、追加の検証ステップを実行することが可能である。
【0098】
図4の例では、検証は次のようになる。初期ポイントとして、スキャンポイント7aは第1のクラスタ6aに属する。第2のスキャンポイント7bは第1のスキャンポイント7aに近いので、同じく第1のクラスタ6aに属する。第3のスキャンポイント7cは、第2のスキャンポイント7bに近いため、同じく第1のクラスタ6aに属する。第4のスキャンポイント7dは第3のスキャンポイント7cから離れているため、第1のクラスタ6aには属さず、第2のクラスタ6bに属する可能性がある。このことを検証するために、第4のスキャンポイント7dとその前のポイントの1つ隣のポイント、すなわち第2のスキャンポイント7bとの間の距離が決定される。この距離もクラスタ距離より大きいので、この場合は、第4のスキャンポイント7dは実際には第2のクラスタ6bに属している。第5のスキャンポイント7eは第2のスキャンポイント7bから離れているため、第2のクラスタ6bに属さない可能性がある。検証を目的として、その前のポイントの1つ隣である第3のスキャンポイント7cとの距離が決定される。この距離はクラスタ距離より小さいので、第5のスキャンポイント7eも第1のクラスタ6aに属する。これを同様に続けると、残りのスキャンポイント7f~7hも第1のクラスタ6aに割り当てられる。
【0099】
図5は、4つの連続するスキャンポイント7a、7b、7c、7dが示されている、更なる状況を示している。第1のスキャンポイント7aは第1のクラスタ6aを確立する。それに続く第2のスキャンポイント7bは、第1のスキャンポイント7aに近く、したがって、同じく第1のクラスタ6aに属する。これに続く第3のスキャンポイント7cは、第2のスキャンポイント7bから遠く離れているため、別のクラスタに属する可能性がある。この実施形態では、スキャンポイント7aとスキャンポイント7cの間の距離もクラスタ距離より大きいため、前のポイントの1つ隣のポイント、すなわち第1のスキャンポイント7aに基づいて検証しても、異なる結果は得られない。しかし、第3のスキャンポイント7cに続く第4のスキャンポイント7dは、第3のスキャンポイント7cとその前のポイントである第2のスキャンポイント7bの両方から、クラスタ距離よりも離れていない。したがって、この状況では、4つのスキャンポイント7a、7b、7c、7dのすべてを第1のクラスタ6aに割り当てることができる。
【0100】
図5に関して説明した推移性の概念は、
図6ではもう一段階拡張されている。この場合、5つの連続するスキャンポイント7a、7b、7c、7d、7eが示されている。第1のスキャンポイント7aは第1のクラスタ6aを確立する。続く第2のスキャンポイント7bは第1のスキャンポイント7aから離れている。第3のスキャンポイント7cも第2のスキャンポイント7bからは離れているが、第1のスキャンポイント7aには近い。第4のスキャンポイント7dも、その前のポイントである第3のスキャンポイント7cからは離れており、第1のスキャンポイント7aからも離れている。しかし、第4のスキャンポイント7dは第2のスキャンポイント7bに近い。第5のスキャンポイント7eは、その前のポイントである第4のスキャンポイント7dに近く、前のポイントの1つ隣のポイントである第3のスキャンポイント7cに近く、また第1のスキャンポイント7aにも近い。したがって、この場合、すべてのスキャンポイント7a、7b、7c、7d、7eを同じクラスタ6aに割り当てることができる。
【0101】
さらに別のレベルの推移性も同様に追加することができる。特に、これによって計算量とクラスタリング結果の正確さのバランスを取ることが可能になる。
【0102】
さらに、クラスタ距離は、例えば、スキャンポイントの最近傍のポイントの方が他のポイントのペアよりも大きくなるように選択することができる。
図7に模式的に描かれているように、レーザパルスの照射方向と反射面との間の角度が対応するように平坦である場合、2つの連続するスキャンポイント間の距離は、これらのポイントが同じ物体から発生しているにもかかわらず、比較的大きくなる可能性がある。
【0103】
幾何学的距離は、特定の実装では二乗距離として計算することができる。したがって、根を計算する必要はなく、同様に計算時間の節約につながる。距離に関する中間結果は、例えば
図5や
図6に関連して説明したように、様々な実施形態において記憶されなければならない。
【0104】
図8はさらに典型的な例を示している。ここでは9つのスキャンポイント7a~7iが描かれている。各ペアの連続するスキャンポイントは、クラスタ距離よりも互いに離れている。これとは対照的に、隣り合う各ペア、すなわちスキャンポイント7aと7cのペア、7cと7eのペア、7eと7gのペア、7gと7iのペア、さらにスキャンポイント7bと7dのペア、7dと7fのペア、7fと7hのペアは、いずれの場合も近接している。例えば、2つの比較的長い物体が連続して配置されている場合、このような状況が生じる可能性がある。上述の方法で達成されるのは、関連するスキャンポイント7a、7c、7e、7g、7iが第1のクラスタ6aに割り当てられ、残りのスキャンポイント7b、7d、7f、7hが第2のクラスタ6bに割り当てられることである。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザスキャナ(2)のスキャンポイントをクラスタリングすることにより、前記レーザスキャナ(2)の周囲にある物体(13)を認識する方法であって、
前記レーザスキャナ(2)は、連続する多数のスキャンポイント(7)を生成するために使用され、各スキャンポイント(7)は入射角(φ)によって特徴付けられ、前記連続する多数のスキャンポイント(7)のシーケンスは前記入射角(φ)によって定義され、
少なくとも1つの計算ユニット(3a、3b)は、前記シーケンスに依存する方法で、前記連続する多数のスキャンポイント(7)のいくつかを含むスキャンポイントの少なくとも1つのクラスタ(6a、6b)を決定するために使用される、方法。
【請求項2】
前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうちの第1のスキャンポイント(7a)は、1つ以上のクラスタ(6a、6b)のうちの第1のクラスタ(6a)の一部として識別され、
前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうち、前記第1のスキャンポイント(7a)と第2のスキャンポイント(7b)の間の距離が決定され、
前記距離が所定の最大距離以下である場合、前記第2のスキャンポイント(7b)は前記第1のクラスタ(6a)の一部として識別される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記最大距離は、前記シーケンスに従った前記第2のスキャンポイント(7b)の位置に対する、前記シーケンスに従った前記第1のスキャンポイント(7a)の位置に依存する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記連続する複数のスキャンポイント(7)のうちの第1のスキャンポイント(7c)は、1つ以上のクラスタ(6a、6b)の第1のクラスタ(6a)の一部として識別され、
前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうち、前記シーケンスに従って前記第1のスキャンポイント(7c)の直後にある第2のスキャンポイント(7d)は、前記1つ以上のクラスタ(6a、6b)のうちの第2のクラスタ(6b)の一部として識別され、
前記第1のスキャンポイント(7c)と、前記シーケンスに従って前記第2のスキャンポイント(7d)の直後に続く前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうちの第3のスキャンポイント(7e)との間の距離が決定され、
前記第3のスキャンポイント(7e)は、前記第1のスキャンポイント(7c)と前記第3のスキャンポイント(7e)との間の距離に応じて、前記第1のクラスタ(6a)の一部として、または1つ以上のクラスタ(6a、6b)の第3のクラスタの一部として識別される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第3のスキャンポイント(7e)は、前記第1のスキャンポイント(7c)と前記第3のスキャンポイント(7d)との間の前記距離が、最近傍の1つ隣に対する所定の最大距離以下である場合、前記第1のクラスタ(6a)の一部として決定される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記連続する複数のスキャンポイント(7)のうちの第1のスキャンポイント(7b)は、前記1つ以上のクラスタ(6a、6b)の第1のクラスタ(6a)の一部として識別され、
前記シーケンスに従って前記第1のスキャンポイント(7b)の直後に続く、前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうちの第2のスキャンポイント(7c)と、前記シーケンスに従って前記第2のスキャンポイント(7c)の直後に続く、前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうちの第3のスキャンポイント(7d)との間の距離が決定され、
前記第1のスキャンポイント(7b)と前記第3のスキャンポイント(7d)の間の距離が決定され、
前記第2のスキャンポイント(7c)は、前記第1のスキャンポイント(7b)と前記第3のスキャンポイント(7d)との間の前記距離に応じて、また前記第2のスキャンポイント(7c)と前記第3のスキャンポイント(7d)との間の前記距離に応じて、前記1つ以上のクラスタ(6a、6b)のうちの前記第1のクラスタ(6a)の一部または第2のクラスタ(6b)の一部として識別される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のスキャンポイント(7c)は、前記第1のスキャンポイント(7b)と前記第3のスキャンポイント(7d)との間の前記距離が最近傍の1つ隣に対する所定の最大距離以下であり、前記第2のスキャンポイント(7c)と前記第3のスキャンポイント(7d)との間の前記距離が最近傍に対する所定の最大距離以下である場合に、前記第1のクラスタ(6a)の一部として識別される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうちの第1のスキャンポイントは、前記1つ以上のクラスタ(6a、6b)のうちの第1のクラスタ(6a)の一部として識別され、
前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうち、前記シーケンスに従って前記第1のスキャンポイントの直後にある第2のスキャンポイントと、前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうち、前記シーケンスに従って前記第2のスキャンポイントの直後にある第3のスキャンポイントとの間の距離が決定され、
前記第3のスキャンポイントと、前記シーケンスに従って前記第3のスキャンポイントの直後に前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうちの第4のスキャンポイントとの間の距離が決定され、
前記第4のスキャンポイントと前記第1のスキャンポイントとの間の距離が決定され、
前記第2のスキャンポイントは、前記第2のスキャンポイントと前記第3のスキャンポイントとの間の前記距離に応じて、また、前記第3のスキャンポイントと前記第4のスキャンポイントとの間の前記距離に応じて、また、前記第4のスキャンポイントと前記第1のスキャンポイントとの間の距離に応じて、前記1つ以上のクラスタ(6a、6b)のうちの前記第1のクラスタ(6a)の一部または第2のクラスタ(6b)の一部として識別される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のスキャンポイントと前記第3のスキャンポイントとの間の前記距離が最近傍に対する所定の最大距離以下であり、前記第3のスキャンポイントと前記第4のスキャンポイントとの間の前記距離が最近傍に対する所定の最大距離以下であり、前記第4のスキャンポイントと前記第1のスキャンポイントとの間の前記距離が最近傍の2つ隣に対する所定の最大距離以下である場合、前記第2のスキャンポイントは前記第1のクラスタ(6a)の一部として識別される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうちの第1のスキャンポイントは、前記1つ以上のクラスタ(6a、6b)のうちの第1のクラスタ(6a)の一部として識別され、
前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうち、前記シーケンスに従って前記第1のスキャンポイント(7a)の直後に続く第2のスキャンポイントと、前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうち、前記シーケンスに従って第3のスキャンポイント(7c)が前記第2のスキャンポイント(7b)の直後に続き、前記シーケンスに従って第4のスキャンポイント(7d)が前記第3のスキャンポイント(7c)の直後に続く、前記連続する多数のスキャンポイント(7)のうちの前記第4のスキャンポイント(7d)との間の距離が決定され、
前記第4のスキャンポイント(7d)と、前記シーケンスに従って前記第4のスキャンポイントの直後に前記連続する多数のスキャンポイント(7)の第5のスキャンポイント(7e)との間の距離が決定され、
前記第5のスキャンポイント(7e)と前記第1のスキャンポイント(7a)との間の距離が決定され、
前記第2のスキャンポイント(7b)は、前記第2のスキャンポイント(2b)と前記第4のスキャンポイント(7d)との間の前記距離に応じて、また、前記第4のスキャンポイント(7d)と前記第5のスキャンポイント(7e)との間の前記距離に応じて、また、前記第5のスキャンポイント(7e)と前記第1のスキャンポイント(7a)との間の前記距離に応じて、前記第1のクラスタ(6a)の一部として、または前記1つ以上のクラスタ(6a、6b)のうちの第2のクラスタ(6b)の一部として識別される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のスキャンポイント(7b)と前記第4のスキャンポイント(7d)との間の前記距離が最近傍の1つ隣に対する所定の最大距離以下であり、また、前記第4のスキャンポイント(7d)と前記第5のスキャンポイント(7e)との間の前記距離が最近傍に対する所定の最大距離以下であり、前記第5のスキャンポイント(7e)と前記第1のスキャンポイント(7a)との間の前記距離が最近傍の3つ隣に対する所定の最大距離以下である場合、前記第2のスキャンポイント(7b)は第1のクラスタ(6a)の一部として識別される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの計算ユニット(3a、3b)は、前記連続する多数のスキャンポイント(7)に基づいて自動認識のためのアルゴリズムを実行するために使用され、自動認識のための前記アルゴリズムは、前記少なくとも1つのクラスタ(6a、6b)に依存する方法で実行される、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
レーザスキャナ(2)と少なくとも1つの計算ユニット(3a、3b)とを含む、自動車(5)の少なくとも部分的な自動誘導のための方法であって、
請求項12に記載の物体を検出するための方法(13)が実行され、
自動認識の前記アルゴリズムの結果に応じて、前記自動車(5)の少なくとも部分的な自動誘導のための少なくとも1つの制御信号が作成される、方法。
【請求項14】
自動車(5)用のセンサシステム(1)であって、前記センサシステム(1)は、
周囲にある物体(13)を表すセンサデータを生成するように構成されたレーザスキャナ(2)と、
少なくとも1つの計算ユニット(3a、3b)を含み、前記計算ユニットは、
前記センサデータに基づいて、前記連続する多数のスキャンポイント(7)を生成し、各スキャンポイント(7)は入射角(φ)によって特徴付けられ、前記連続する多数のスキャンポイント(7)のシーケンスは前記入射角(φ)によって定義され、
前記シーケンスに依存する方法で、前記連続する多数のスキャンポイント(7)のいくつかを含むスキャンポイントの少なくとも1つのクラスタ(6a、6b)を決定する、センサシステム。
【請求項15】
請求項14に記載のセンサシステム(1)によって実行されると、センサシステム(1)に
請求項1に記載の方法を実行させる命令を有するコンピュータプログラム製品。
【国際調査報告】