(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-03
(54)【発明の名称】インピーダンス較正回路
(51)【国際特許分類】
H03K 19/0175 20060101AFI20240827BHJP
G11C 7/10 20060101ALI20240827BHJP
G11C 11/4093 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H03K19/0175 290
G11C7/10 405
G11C11/4093 150
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022572751
(86)(22)【出願日】2022-08-16
(85)【翻訳文提出日】2022-11-25
(86)【国際出願番号】 CN2022112658
(87)【国際公開番号】W WO2024021191
(87)【国際公開日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】202210893495.X
(32)【優先日】2022-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】邵 亜年
(72)【発明者】
【氏名】張 志強
【テーマコード(参考)】
5J056
5M024
【Fターム(参考)】
5J056AA40
5J056BB02
5J056BB60
5J056CC09
5J056CC14
5J056CC17
5M024AA49
5M024BB04
5M024DD57
5M024JJ03
5M024PP01
5M024PP02
(57)【要約】
本開示は、インピーダンス較正回路を提供し、前記インピーダンス較正回路は、第1較正クロック信号を受信し、前記第1較正クロック信号に基づいてインピーダンス較正を行い、較正が完了すると、第1停止信号を出力する較正モジュールと、前記インピーダンス較正回路の較正時間を検出し、前記較正時間が所定の値に達すると、第2停止信号を出力する第1検出モジュールと、前記第1停止信号、前記第2停止信号を受信し、前記第1較正クロック信号を出力する較正制御モジュールと、を含み、前記較正制御モジュールは、前記第1停止信号又は前記第2停止信号を受信すると、前記第1較正クロック信号の出力を停止する。較正制御モジュールは、第1停止信号に基づいて第1較正クロック信号の出力を停止するに加えて、また、第2停止信号に基づいて第1較正クロック信号の出力を停止し、それにより、インピーダンス較正回路の較正を適時に停止させ、設計要求を満たすようにし、消費電力を効果的に低減し、インピーダンス較正回路の信頼性を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インピーダンス較正回路であって、
第1較正クロック信号を受信し、前記第1較正クロック信号に基づいてインピーダンス較正を行い、較正が完了すると、第1停止信号を出力する較正モジュールと、
前記インピーダンス較正回路の較正時間を検出し、前記較正時間が所定の値に達すると、第2停止信号を出力する第1検出モジュールと、
前記第1停止信号、前記第2停止信号を受信し、前記第1較正クロック信号を出力する較正制御モジュールと、を含み、前記較正制御モジュールは、前記第1停止信号又は前記第2停止信号を受信すると、前記第1較正クロック信号の出力を停止する、インピーダンス較正回路。
【請求項2】
前記較正制御モジュールは、第1論理ゲート回路を含み、前記第1論理ゲート回路は、前記第1停止信号及び前記第2停止信号を受信し、論理演算処理を行って第1制御信号を出力し、前記較正制御モジュールは、前記第1制御信号に基づいて、前記第1較正クロック信号の出力を停止する、
請求項1に記載のインピーダンス較正回路。
【請求項3】
前記第1論理ゲート回路は、オアゲートを含む、
請求項2に記載のインピーダンス較正回路。
【請求項4】
前記較正モジュールは、第1較正ユニットを含み、前記較正モジュールは、前記第1較正クロック信号を受信すると、前記第1較正ユニットに対してインピーダンス較正を行い、
前記第1較正ユニットは、
第1端子が第1電源端子に接続される第1抵抗ユニットと、
第1端子が前記第1抵抗ユニットの第2端子に接続され、第2端子が第2電源端子に接続される基準抵抗と、
前記第1抵抗ユニットの第2端子電圧と第1基準電圧を比較し、第1比較信号を出力する第1比較ユニットと、
前記第1比較信号を入力信号とし、前記第1比較信号の変化状況を記録し、前記第1比較信号の変化状況が所定の条件に合致すると、前記第1停止信号を出力する第1検出ユニットと、を含む、
請求項1に記載のインピーダンス較正回路。
【請求項5】
前記第1検出ユニットは、奇数個のフリップフロップカスケード及び第2論理ゲート回路を含み、奇数段のフリップフロップの第1出力端子が前記第2論理ゲート回路の入力端子に接続され、偶数段のフリップフロップの第2出力端子が前記第2論理ゲート回路の入力端子に接続され、前記第2論理ゲート回路による論理処理後に前記第1停止信号を出力する、
請求項4に記載のインピーダンス較正回路。
【請求項6】
前記第1検出ユニットは、奇数個のフリップフロップカスケード及び第2論理ゲート回路を含み、奇数段のフリップフロップの第2出力端子が前記第2論理ゲート回路の入力端子に接続され、偶数段のフリップフロップの第1出力端子が前記第2論理ゲート回路の入力端子に接続され、前記第2論理ゲート回路による論理処理後に前記第1停止信号を出力する、
請求項4に記載のインピーダンス較正回路。
【請求項7】
前記第1較正ユニットはさらに、前記第1比較信号に基づいて第1較正コードを更新する第1較正コード生成ユニットを含み、前記第1較正コードは、前記第1抵抗ユニットの等価抵抗値を制御するために使用される、
請求項4に記載のインピーダンス較正回路。
【請求項8】
前記第1検出モジュールは、前記第1較正ユニットの較正時間を検出し、前記第1較正ユニットの較正時間が所定の値に達すると、前記第2停止信号を出力する、
請求項7に記載のインピーダンス較正回路。
【請求項9】
前記較正制御モジュールはさらに、第2較正クロック信号を出力し、前記較正モジュールはさらに、前記第2較正クロック信号を受信し、前記較正制御モジュールは、前記第1停止信号又は前記第2停止信号を受信すると、前記第1較正クロック信号の出力を停止し、前記第2較正クロック信号の出力を開始する、
請求項8に記載のインピーダンス較正回路。
【請求項10】
前記較正モジュールはさらに、第2較正ユニットを含み、前記較正モジュールは、前記第2較正クロック信号を受信すると、前記第2較正ユニットに対してインピーダンス較正を行い、
前記第2較正ユニットは、
第2端子が第2電源端子に接続される第2抵抗ユニットと、
第1端子が第1電源端子に接続され、第2端子が前記第2抵抗ユニットの第1端子に接続される第3抵抗ユニットであって、前記第1較正コードはさらに、前記第3抵抗ユニットの等価抵抗値を制御するために使用される、第3抵抗ユニットと、
前記第2抵抗ユニットの第1端子電圧と第2基準電圧を比較し、第2比較信号を出力する第2比較ユニットと、
前記第2比較信号を入力信号とし、前記第2比較信号の変化状況を記録し、前記第2比較信号の変化状況が所定の条件に合致すると、第3停止信号を出力する第2検出ユニットと、を含み、
前記較正制御モジュールは、前記第3停止信号又は前記第2停止信号を受信すると、前記第2較正クロック信号の出力を停止する、
請求項9に記載のインピーダンス較正回路。
【請求項11】
前記第1検出モジュールはさらに、前記第2較正ユニットの較正時間を検出し、前記第2較正ユニットの較正時間が所定の値に達すると、前記第2停止信号を出力する、
請求項10に記載のインピーダンス較正回路。
【請求項12】
前記インピーダンス較正回路はさらに、初期クロック信号を出力するクロック信号生成モジュールを含み、前記較正制御モジュールは、前記初期クロック信号を受信すると、前記第1較正クロック信号及び前記第2較正クロック信号を出力し、前記較正モジュールが前記第2較正ユニットに対してインピーダンス較正を行うとき、前記較正制御モジュールは、前記第3停止信号又は前記第2停止信号を受信すると、前記クロック信号生成モジュールに停止信号を出力して、前記クロック信号生成モジュールに前記初期クロック信号の出力を停止させる、
請求項10に記載のインピーダンス較正回路。
【請求項13】
前記第1検出モジュールは、カウントモジュールを含み、前記較正モジュールが前記第1較正ユニットに対してインピーダンス較正を行うとき及び/又は前記較正モジュールが前記第2較正ユニットに対してインピーダンス較正を行うとき、前記カウントモジュールは、前記初期クロック信号をカウントし、カウント値が所定の値に達すると、前記第2停止信号を出力する、
請求項12に記載のインピーダンス較正回路。
【請求項14】
前記所定の値は、40クロック周期より小さいか等しい、
請求項1に記載のインピーダンス較正回路。
【請求項15】
前記第2較正ユニットはさらに、前記第2比較信号に基づいて第2較正コードを更新する第2較正コード生成ユニットを含み、前記第2較正コードは、前記第2抵抗ユニットの等価抵抗値を制御するために使用される、
請求項10に記載のインピーダンス較正回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2022年07月27日に中国特許局に提出された、出願番号が202210893495.Xであり、発明の名称が「インピーダンス較正回路」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てが引用により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、集積回路の分野に関し、特に、インピーダンス較正回路に関する。
【背景技術】
【0003】
電子装置の動作速度が速くなるにつれて、電子装置内の半導体メモリ間で伝送される信号の振幅が小さくなり、信号の伝送にかかる遅延時間が最小限になる。しかしながら、伝送信号の信号振幅が小さくなるとともに、信号伝送は外部ノイズの影響をより大きく受けるようになる。インタフェースにインピーダンス不整合がある場合、外部ノイズは出力信号の反射特性に影響を与える。インピーダンス不整合は、外部ノイズ又は電源電圧、動作温度、及び製造工程の変化によって発生する。インピーダンス不整合により半導体デバイスのデータが歪む可能性があるため、インピーダンス不整合が発生すると、データの高速伝送が難しくなる。そのため、歪んだデータを受信する半導体デバイスにおいて、設定/ホールドの不良や信号レベルの誤判定が発生する可能性がある。
【0004】
これらの欠点を緩和するために、メモリデバイスは、調整可能な終端インピーダンス値を提供するために使用可能なオンダイターミネーション(ODT:On-Die Termination、「オンチップ終端抵抗」とも呼ばれ得る)を含み得る。例えば、メモリデバイスに信号(例えば、コマンド、データなど)が提供される場合、オンダイターミネーションのインピーダンス値を調整することにより、インピーダンス不整合を低減することができる。
【0005】
高速DRAM(Dynamic Random Access Memory)では、通常、インピーダンス較正を周期的に行うことにより、オンダイターミネーションのインピーダンス値を調整し、更に、インピーダンスマッチング、信号の完全性とデータウィンドウのリアルタイムメンテナンスと較正を容易にする。集積回路設計仕様では、インピーダンス較正回路が設定時間内に較正を終了するように要求しているが、既存のインピーダンス較正回路は、較正を適時に終了できない場合が存在し、要求を満たすことができない。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施例は、設定時間内に較正を終了し、設計仕様の要求を満たすことができるインピーダンス較正回路を提供する。
【0007】
上記の問題を解決するために、本開示の実施例は、インピーダンス較正回路を提供する。前記インピーダンス較正回路は、第1較正クロック信号を受信し、前記第1較正クロック信号に基づいてインピーダンス較正を行い、較正が完了すると、第1停止信号を出力する較正モジュールと、前記インピーダンス較正回路の較正時間を検出し、前記較正時間が所定の値に達すると、第2停止信号を出力する第1検出モジュールと、前記第1停止信号、前記第2停止信号を受信し、前記第1較正クロック信号を出力する較正制御モジュールと、を含み、前記較正制御モジュールは、前記第1停止信号又は前記第2停止信号を受信すると、前記第1較正クロック信号の出力を停止する。
【0008】
一実施例では、前記較正制御モジュールは、第1論理ゲート回路を含み、前記第1論理ゲート回路は、前記第1停止信号及び前記第2停止信号を受信し、論理演算処理を行って第1制御信号を出力し、前記較正制御モジュールは、前記第1制御信号に基づいて、前記第1較正クロック信号の出力を停止する。
【0009】
一実施例では、前記第1論理ゲート回路は、オアゲートを含む。
【0010】
一実施例では、前記較正モジュールは、第1較正ユニットを含み、前記較正モジュールは、前記第1較正クロック信号を受信すると、前記第1較正ユニットに対してインピーダンス較正を行い、前記第1較正ユニットは、第1端子が第1電源端子に接続される第1抵抗ユニットと、第1端子が前記第1抵抗ユニットの第2端子に接続され、第2端子が第2電源端子に接続される基準抵抗と、前記第1抵抗ユニットの第2端子電圧と第1基準電圧を比較し、第1比較信号を出力する第1比較ユニットと、前記第1比較信号を入力信号とし、前記第1比較信号の変化状況を記録し、前記第1比較信号の変化状況が所定の条件に合致すると、前記第1停止信号を出力する第1検出ユニットと、を含む。
【0011】
一実施例では、前記第1検出ユニットは、奇数個のフリップフロップ(Flip-Flop)カスケード及び第2論理ゲート回路を含み、奇数段のフリップフロップの第1出力端子が前記第2論理ゲート回路の入力端子に接続され、偶数段のフリップフロップの第2出力端子が前記第2論理ゲート回路の入力端子に接続され、前記第2論理ゲート回路による論理処理後に前記第1停止信号を出力する。
【0012】
一実施例では、前記第1検出ユニットは、奇数個のフリップフロップカスケード及び第2論理ゲート回路を含み、奇数段のフリップフロップの第2出力端子が前記第2論理ゲート回路の入力端子に接続され、偶数段のフリップフロップの第1出力端子が前記第2論理ゲート回路の入力端子に接続され、前記第2論理ゲート回路による論理処理後に前記第1停止信号を出力する。
【0013】
一実施例では、前記第1較正ユニットはさらに、前記第1比較信号に基づいて第1較正コードを更新する第1較正コード生成ユニットを含み、前記第1較正コードは、前記第1抵抗ユニットの等価抵抗値を制御するために使用される。
【0014】
一実施例では、前記第1検出モジュールは、前記第1較正ユニットの較正時間を検出し、前記第1較正ユニットの較正時間が所定の値に達すると、前記第2停止信号を出力する。
【0015】
一実施例では、前記較正制御モジュールはさらに、第2較正クロック信号を出力し、前記較正モジュールはさらに、前記第2較正クロック信号を受信し、前記較正制御モジュールは、前記第1停止信号又は前記第2停止信号を受信すると、前記第1較正クロック信号の出力を停止し、前記第2較正クロック信号の出力を開始する。
【0016】
一実施例では、前記較正モジュールはさらに、第2較正ユニットを含み、前記較正モジュールは、前記第2較正クロック信号を受信すると、前記第2較正ユニットに対してインピーダンス較正を行い、前記第2較正ユニットは、第2端子が第2電源端子に接続される第2抵抗ユニットと、第1端子が第1電源端子に接続され、第2端子が前記第2抵抗ユニットの第1端子に接続される第3抵抗ユニットであって、前記第1較正コードはさらに、前記第3抵抗ユニットの等価抵抗値を制御するために使用される、第3抵抗ユニットと、前記第2抵抗ユニットの第1端子電圧と第2基準電圧を比較し、第2比較信号を出力する第2比較ユニットと、前記第2比較信号を入力信号とし、前記第2比較信号の変化状況を記録し、前記第2比較信号の変化状況が所定の条件に合致すると、第3停止信号を出力する第2検出ユニットと、を含み、前記較正制御モジュールは、前記第3停止信号又は前記第2停止信号を受信すると、前記第2較正クロック信号の出力を停止する。
【0017】
一実施例では、前記第1検出モジュールはさらに、前記第2較正ユニットの較正時間を検出し、前記第2較正ユニットの較正時間が所定の値に達すると、前記第2停止信号を出力する。
【0018】
一実施例では、前記インピーダンス較正回路はさらに、初期クロック信号を出力するクロック信号生成モジュールを含み、前記較正制御モジュールは、前記初期クロック信号を受信すると、前記第1較正クロック信号及び前記第2較正クロック信号を出力し、前記較正モジュールが前記第2較正ユニットに対してインピーダンス較正を行うとき、前記較正制御モジュールは、前記第3停止信号又は前記第2停止信号を受信すると、前記クロック信号生成モジュールに停止信号を出力して、前記クロック信号生成モジュールに前記初期クロック信号の出力を停止させる。
【0019】
一実施例では、前記第1検出モジュールは、カウントモジュールを含み、前記較正モジュールが前記第1較正ユニットに対してインピーダンス較正を行うとき及び/又は前記較正モジュールが前記第2較正ユニットに対してインピーダンス較正を行うとき、前記カウントモジュールは、前記初期クロック信号をカウントし、カウント値が所定の値に達すると、前記第2停止信号を出力する。
【0020】
一実施例では、前記所定の値は、40クロック周期より小さいか等しい。
【0021】
一実施例では、前記第2較正ユニットはさらに、前記第2比較信号に基づいて第2較正コードを更新する第2較正コード生成ユニットを含み、前記第2較正コードは、前記第2抵抗ユニットの等価抵抗値を制御するために使用される。
【0022】
本開示の実施例によって提供されるインピーダンス較正回路は、第2停止信号を提供し、較正制御モジュールは、第1停止信号に基づいて第1較正クロック信号の出力を停止するに加えて、また、第2停止信号に基づいて第1較正クロック信号の出力を停止する。第2停止信号は、較正時間が所定の値に達したときに生成され、インピーダンス較正回路の較正時間が所定の値に達したとき、第1停止信号がまだ無効信号であれば、インピーダンス較正回路は、第2停止信号に基づいて第1較正クロック信号の出力を停止し、インピーダンス較正回路の較正時間が所定の値に達したとき又は所定の値に達する前に、第1停止信号が有効信号であれば、インピーダンス較正回路は、第1停止信号に基づいて第1較正クロック信号の出力を停止し、それにより、インピーダンス較正回路の較正を適時に停止させ、インピーダンス較正回路の較正時間が設計要求を満たすようにし、消費電力を効果的に低減し、インピーダンス較正回路の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本開示の一実施例によるインピーダンス較正回路の概略図である。
【
図2】本開示の別の実施例によるインピーダンス較正回路の概略図である。
【
図3】本開示の別の実施例による第1比較ユニットの概略図である。
【
図4A】本開示の別の実施例による第1検出ユニットの概略図である。
【
図4B】本開示の更に別の実施例による第1検出ユニットの概略図である。
【
図5】本開示の更に別の実施例によるインピーダンス較正回路の概略図である。
【
図6】本開示の更に別の実施例によるインピーダンス較正回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、図面を参照して、本開示の実施例によって提供されるインピーダンス較正回路の具体的な実施形態について詳細に説明する。
【0025】
図1は、本開示の一実施例によるインピーダンス較正回路の概略図である。
図1を参照すると、インピーダンス較正回路は、較正モジュール10、第1検出モジュール20、及び較正制御モジュール30を含む。較正モジュール10は、第1較正クロック信号Pclkを受信し、第1較正クロック信号Pclkに基づいてインピーダンス較正を行い、較正が完了すると、第1停止信号Stop1を出力する。第1検出モジュール20は、インピーダンス較正回路の較正時間を検出し、較正時間が所定の値に達すると、第2停止信号Stop2を出力する。較正制御モジュール30は、第1停止信号Stop1、第2停止信号Stop2を受信し、第1較正クロック信号Pclkを出力し、較正制御モジュール30は、第1停止信号Stop1又は第2停止信号Stop2と受信すると、第1較正クロック信号Pclkの出力を停止する。
【0026】
較正モジュール10には、有効な第1停止信号Stop1を適時に出力できない場合が存在し、その結果、インピーダンス較正回路は、第1較正クロック信号Pclkの出力を適時に停止できなくなり、即ち、較正を適時に停止できなくなり、インピーダンス較正回路の較正時間が設計要求を超えて、要望を満たすことができず、消費電力が大きい。したがって、本開示の実施例によって提供されるインピーダンス較正回路は、第2停止信号Stop2を更に提供し、較正制御モジュール30は、第1停止信号Stop1に基づいて第1較正クロック信号Pclkの出力を停止するに加えて、また、第2停止信号Stop2に基づいて第1較正クロック信号Pclkの出力を停止する。第2停止信号Stop2は、較正時間が所定の値に達したときに生成され、インピーダンス較正回路の較正時間が所定の値に達したとき、第1停止信号Stop1がまだ無効信号であれば、インピーダンス較正回路は、第2停止信号Stop2に基づいて第1較正クロック信号Pclkの出力を停止し、インピーダンス較正回路の較正時間が所定の値に達したとき又は所定の値に達する前に、第1停止信号Stop1が有効信号であれば、インピーダンス較正回路は、第1停止信号Stop1に基づいて第1較正クロック信号Pclkの出力を停止し、それにより、インピーダンス較正回路の較正を適時に停止させ、インピーダンス較正回路の較正時間が設計要求を満たすようにし、消費電力を効果的に低減し、インピーダンス較正回路の信頼性を向上させることができる。
【0027】
図2は、本開示の別の実施例によるインピーダンス較正回路の概略図である。
図2を参照すると、本実施例では、第1検出モジュール20は、カウントモジュール21を含み、カウントモジュール21は、第1較正クロック信号Pclkをカウントし、カウント値が所定の値に達すると、第2停止信号Stop2を出力する。つまり、本実施例では、第1検出モジュール20は、第1較正クロック信号Pclkをカウントすることにより、インピーダンス較正回路の較正時間を取得し、カウント値は、第1較正クロック信号Pclkの周期数である。他の実施例では、例えば、
図6を参照すると、第1検出モジュール20は、クロック信号生成モジュール40の初期クロック信号CLK-0をカウントすることにより、インピーダンス較正回路の較正時間を取得し、カウント値が所定の値に達すると、第2停止信号Stop2を出力し、ここで、カウント値は、初期クロック信号CLK-0の周期数である。
【0028】
所定の値は、設計要求に応じて決定でき、例えば、一実施例では、インピーダンス較正回路の較正時間が40クロック周期を超えないように要求する場合、所定の値は、第1較正クロック信号Pclkの40クロック周期より小さいか等しい。例えば、本実施例では、所定の値が第1較正クロック信号Pclkの40クロック周期である場合、カウントモジュール21は、第1較正クロック信号Pclkのクロック周期をカウントし、カウント値が40のとき、第2停止信号Stop2を出力し、即ち、カウント値が40のとき、カウントモジュール21の出力信号の論理レベルはハイレベルになり、即ち、第2停止信号Stop2の論理レベルはハイレベルになり、第2停止信号Stop2は有効信号であり、較正制御モジュール30は、第2停止信号Stop2に基づいて第1較正クロック信号Pclkの出力を停止でき、他の場合、カウントモジュール21が出力した第2停止信号Stop2の論理レベルはローレベルで無効信号であり、較正制御モジュール30は、第2停止信号Stop2に基づいて第1較正クロック信号Pclkの出力を停止できない。
【0029】
理解可能なこととして、別のいくつかの実施例では、インピーダンス較正回路が較正クロック信号の出力を適時に停止できることを保証するために、所定の値は、設計要求より小さい他の数値でもあり得、例えば、インピーダンス較正回路が較正クロック信号の出力を適時に停止できることを保証するために、所定の値は、40クロック周期より小さくてもよい。
【0030】
いくつかの実施例では、較正制御モジュール30は、論理演算により、第1停止信号Stop1又は第2停止信号Stop2を受信すると、第1較正クロック信号Pclkの出力を停止するという目的を実現することができる。具体的には、較正制御モジュール30は、第1論理ゲート回路31を含み、第1論理ゲート回路31は、第1停止信号Stop1及び第2停止信号Stop2を受信し、論理演算処理を行って第1制御信号Ctr1を出力し、較正制御モジュール30は、第1制御信号Ctr1に基づいて、第1較正クロック信号Pclkの出力を停止する。
【0031】
例えば、本実施例では、第1論理ゲート回路31は、オアゲートを含み、第1停止信号Stop1及び第2停止信号Stop2は、オアゲートの入力信号とされ、オアゲートは、第1制御信号Ctr1を出力し、較正制御モジュール30は、第1制御信号Ctr1に基づいて、第1較正クロック信号Pclkの出力を停止する。第1停止信号Stop1又は第2停止信号Stop2の論理レベルがハイレベルである(即ち、第1停止信号Stop1が有効であるか、又は第2停止信号Stop2が有効である)場合、第1制御信号Ctr1の論理レベルはハイレベルであり、較正制御モジュール30は、第1較正クロック信号Pclkの出力を停止し、第1停止信号Stop1と第2停止信号Stop2の論理レベルがいずれもローレベルである(即ち、第1停止信号Stop1及び第2停止信号Stop2はいずれも無効である)場合、較正制御モジュールは、第1較正クロック信号Pclkの出力を継続する。
【0032】
本実施例では、較正モジュール10は、第1較正ユニット11を含み、較正モジュール10は、第1較正クロック信号Pclkを受信すると、第1較正ユニット11に対してインピーダンス較正を行う。第1検出モジュール20はさらに、第1較正ユニット11の較正時間を検出し、第1較正ユニット11の較正時間が所定の値に達すると、第2停止信号Stop2を出力する。具体的には、カウントモジュール21は、第1較正クロック信号Pclkをカウントし、カウント値が所定の値に達すると、第2停止信号Stop2を出力する。
【0033】
第1較正ユニット11は、第1抵抗ユニット111、基準抵抗R1、第1比較ユニット112、及び第1検出ユニット113を含む。
【0034】
第1抵抗ユニット111の第1端子は、第1電源端子VDDに接続され、基準抵抗R1の第1端子は、第1抵抗ユニット111の第2端子に接続され、基準抵抗R1の第2端子は、第2電源端子VSSに接続され、第1比較ユニット112は、第1抵抗ユニット111の第2端子電圧Vp1と第1基準電圧Vref1を比較し、第1比較信号Comp1を出力し、第1検出ユニット113は、第1比較信号Comp1を入力信号とし、第1比較信号Comp1の変化状況を記録し、第1比較信号Comp1の変化状況が所定の条件に合致すると、第1停止信号Stop1を出力する。第1比較信号Comp1の変化状況とは、前記第1比較信号Comp1の論理レベルの変化を指す。所定の条件は、第1比較信号Comp1の論理レベルが第1の値から第2の値に変化した後、第2の値から第1の値に変化し続けたかどうかを含み得る。いくつかの実施例では、第1の値は、論理ハイレベルを表すことができ、その真値は「1」であり得、第2の値は、論理ローレベルを表すことができ、その真値は「0」であり得、別のいくつかの実施例では、第1の値は、論理ローレベルを表すことができ、その真値は「0」であり得、第2の値は、論理ハイレベルを表すことができ、その真値は「1」であり得る。第1比較信号Comp1の論理レベルが第1の値から第2の値に変化した後、第2の値から第1の値に変化し続けた場合、即ち、第1比較信号Comp1の論理レベルがハイレベルとローレベルとの間でジッタされる場合、第1比較信号Comp1の変化状況は、所定の条件に適合し、このとき、第1検出ユニット113は、第1停止信号Stop1を出力する。
【0035】
ここで、本実施例では、第1抵抗ユニット111は、並列に接続される複数のMOS(Metal-Oxide-Semiconductor)トランジスタを含み得、MOSトランジスタは、PMOS(positive channel MOS)トランジスタを含むがこれらに限定されない。第1較正コードPcode<N:0>により、MOSトランジスタの導通又はオフを調整し、更に、第1抵抗ユニット111の等価抵抗値を制御し、第1抵抗ユニット111の第2端子電圧Vp1は、第1抵抗ユニット111の等価抵抗値の変化に応じて変化される。基準抵抗R1は、抵抗値が正確な固定値抵抗であり、その抵抗値は、例えば240オームであり、基準抵抗R1に基づいて、第1抵抗ユニット111の等価抵抗値を較正することができる。本実施例では、第1基準電圧Vref1は、VDD/2に設定され得、他の例では、第1基準電圧Vref1は、他の数値に設定され得る。
【0036】
本実施例では、第1比較ユニット112は、比較器であり得、
図3を参照すると、第1比較ユニット112は、比較器であり、比較器の正の入力端子は、第1基準電圧Vref1を受信し、負の入力端子は、第1抵抗ユニット111に接続され、第1抵抗ユニット111の第2端子電圧Vp1を受信し、比較器は、第1抵抗ユニット111の第2端子電圧Vp1と第1基準電圧Vref1に応答して、第1比較信号Comp1を出力する。第1抵抗ユニット111の第2端子電圧Vp1が第1基準電圧Vref1より小さい場合、比較器の出力端子が出力した第1比較信号Comp1の論理レベルはハイレベルであり、第1抵抗ユニット111の第2端子電圧Vp1が第1基準電圧Vref1より大きい場合、比較器の出力端子が出力した第1比較信号Comp1の論理レベルはローレベルである。
【0037】
第1検出ユニット113は、第1比較信号Comp1を入力信号とし、第1停止信号Stop1を出力し、つまり、第1停止信号Stop1は、第1比較信号Comp1に基づいて生成され、第1比較ユニット112の感度が低い場合、第1比較ユニット112には、第1比較信号Comp1を出力できない場合又は誤った第1比較信号を出力する場合(第1抵抗ユニット111の第2端子電圧Vp1は第1基準電圧Vref1に近づき、第1比較ユニット112は両者の大きさを区別できず、有効な第1比較信号Comp1を出力できない)が存在し、これにより、インピーダンス較正回路は、第1停止信号Stop1を適時に生成できず、インピーダンス較正回路は、較正を適時に停止できなくなる。上記のように、較正制御モジュール30は、第1停止信号Stop1に基づいてインピーダンス較正プロセスを停止するに加えて、また、第2停止信号Stop2に基づいてインピーダンス較正プロセスを停止し、それにより、インピーダンス較正回路の較正を適時に停止させ、インピーダンス較正回路の較正時間が設計要求を満たすようにし、消費電力を効果的に低減し、インピーダンス較正回路の信頼性を向上させることができる。
【0038】
一例として、本開示の実施例は、第1検出ユニット113の構成を提供する。第1検出ユニット113は、奇数個のフリップフロップカスケード及び第2論理ゲート回路を含み、奇数段のフリップフロップの第1出力端子は、第2論理ゲート回路の入力端子に接続され、偶数段のフリップフロップの第2入力端子は、第2論理ゲート回路の入力端子に接続され、第2論理ゲート回路による論理処理後に第1停止信号を出力する。
【0039】
具体的には、
図4Aを参照すると、
図4Aは、本開示の実施例による第1検出ユニット113の概略図であり、本実施例では、第1検出ユニット113は、フリップフロップD11、フリップフロップD12、フリップフロップD13、及び第2論理ゲート回路113Aを含み、フリップフロップD11、フリップフロップD12、及びフリップフロップD13はカスケードされる。フリップフロップD11の第1出力端子Q11、フリップフロップD13の第1出力端子Q13は、第2論理ゲート回路113Aの入力端子に接続され、フリップフロップD12の第2出力端子Qn12は、第2論理ゲート回路113Aの入力端子に接続され、第2論理ゲート回路113Aの論理処理の後、第1停止信号Stop1が出力される。本実施例では、第2論理ゲート回路113Aは、論理アンドゲートAND-1を含む。フリップフロップD11の第1出力端子Q11の出力信号、フリップフロップD13の第1出力端子Q13の出力信号、フリップフロップD12の第2出力端子Qn12の出力信号は、第2論理ゲート回路113Aによってアンド論理演算された後、第1停止信号Stop1として出力される。即ち、フリップフロップD11の第1出力端子Q11の出力信号、フリップフロップD13の第1出力端子Q13の出力信号、フリップフロップD12の第2出力端子Qn12の出力信号の論理レベルが、いずれもハイレベルである場合、第1検出ユニット113が出力した第1停止信号Stop1の論理レベルは、ハイレベルで有効信号であり、較正制御モジュール30は、第1停止信号Stop1に基づいて第1較正クロック信号Pclkの出力を停止でき、他の場合、第1検出ユニット113が出力した第1停止信号Stop1の論理レベルは、ローレベルで無効信号であり、較正制御モジュール30は、第1停止信号Stop1に基づいて第1較正クロック信号Pclkの出力を停止できない。
【0040】
本開示の実施例は、別の第1検出ユニット113の構成を更に提供する。第1検出ユニット113は、奇数個のフリップフロップカスケード及び第2論理ゲート回路を含み、奇数段のフリップフロップの第2出力端子は、第2論理ゲート回路の入力端子に接続され、偶数段のフリップフロップの第1入力端子は、第2論理ゲート回路の入力端子に接続され、第2論理ゲート回路による論理処理後に第1停止信号を出力する。
【0041】
具体的には、
図4Bを参照すると、
図4Bは、本開示の別の実施例による第1検出ユニット113の概略図であり、本実施例では、第1検出ユニット113は、フリップフロップD11、フリップフロップD12、フリップフロップD13、及び第2論理ゲート回路113Aを含み、フリップフロップD11、フリップフロップD12、及びフリップフロップD13はカスケードされる。フリップフロップD11の第2出力端子Qn11、フリップフロップD13の第2出力端子Qn13は、第2論理ゲート回路113Aの入力端子に接続され、フリップフロップD12の第1出力端子Q12は、第2論理ゲート回路113Aの入力端子に接続され、第2論理ゲート回路113Aの論理処理の後、第1停止信号Stop1が出力される。本実施例では、第2論理ゲート回路113Aは、論理アンドゲートAND-1を含む。フリップフロップD11の第2出力端子Qn11の出力信号、フリップフロップD13の第2出力端子Qn13の出力信号、フリップフロップD12の第1出力端子Q12の出力信号は、第2論理ゲート回路113Aによってアンド論理演算された後、第1停止信号Stop1として出力される。即ち、フリップフロップD11の第2出力端子Qn11の出力信号、フリップフロップD13の第2出力端子Qn13の出力信号、フリップフロップD12の第1出力端子Q12の出力信号の論理レベルが、いずれもハイレベルである場合、第1検出ユニット113が出力した第1停止信号Stop1の論理レベルは、ハイレベルで有効信号であり、較正制御モジュール30は、第1停止信号Stop1に基づいて第1較正クロック信号Pclkの出力を停止でき、他の場合、第1検出ユニット113が出力した第1停止信号Stop1の論理レベルはローレベルで無効信号であり、較正制御モジュール30は、第1停止信号Stop1に基づいて第1較正クロック信号Pclkの出力を停止できない。
【0042】
上記した例では、第1検出ユニット113は、3つのフリップフロップカスケードを含むが、他の実施例では、第1検出ユニット113はさらに、5つのフリップフロップカスケード又は他の奇数個のフリップフロップカスケードを含み得、それらはすべて、本開示の実施例の開示範囲内に含まれる。
【0043】
いくつかの実施例では、第1較正ユニットはさらに、第1比較信号に基づいて第1較正コードを更新する第1較正コード生成ユニットを含み、第1較正コードは、第1抵抗ユニットの等価抵抗値を制御するために使用される。
【0044】
具体的には、引き続き
図2を参照すると、第1較正ユニット11はさらに、第1較正コード生成ユニット114を含み、第1較正コード生成ユニット114は、第1比較信号Comp1に基づいて第1較正コードPcode<N:0>を更新し、第1較正コードPcode<N:0>は、第1抵抗ユニット111の等価抵抗値を制御するために使用される。いくつかの実施例では、第1較正コード生成ユニット114は、カウンタであり得る。
【0045】
第1抵抗ユニット111の第2端子電圧Vp1と第1基準電圧Vref1との大きさ関係の違いに応じて、第1比較信号Comp1は、上り信号及び下り信号であり得、例えば、第1抵抗ユニット111の第2端子電圧Vp1が第1基準電圧Vref1より小さい場合、第1比較信号Comp1は下り信号であり、第1抵抗ユニット111の第2端子電圧Vp1が第1基準電圧Vref1より大きい場合、第1比較信号Comp1は上り信号である。第1比較信号Comp1が上り信号である場合、第1較正コード生成ユニット114のカウント値に1を加算し、第1較正コードPcode<N:0>を出力し、第1較正コードPcode<N:0>に基づいて第1抵抗ユニット111の等価抵抗を減少させ、更に、第1抵抗ユニット111の第2端子電圧Vp1が第1基準電圧Vref1と等しくなるまで、第1抵抗ユニット111の第2端子電圧Vp1を減少させ、第1比較信号Comp1が下り信号である場合、第1較正コード生成ユニット114のカウント値から1を減算し、第1較正コードPcode<N:0>を出力し、第1較正コードPcode<N:0>に基づいて第1抵抗ユニット111の等価抵抗を増大し、更に、第1抵抗ユニット111の第2端子電圧Vp1が第1基準電圧Vref1と等しくなるまで、第1抵抗ユニット111の第2端子電圧Vp1を増大させる。
【0046】
本開示の実施例によって提供されるインピーダンス較正回路較正制御モジュール30は、第1停止信号Stop1に基づいて前記第1較正クロック信号Pclkの出力を停止するに加えて、また、第2停止信号Stop2に基づいて前記第1較正クロック信号Pclkの出力を停止し、それにより、インピーダンス較正回路の較正を適時に停止させ、インピーダンス較正回路の較正時間が設計要求を満たすようにし、消費電力を効果的に低減し、インピーダンス較正回路の信頼性を向上させることができる。
【0047】
上記では、較正モジュール10が1つの較正ユニット(第1較正ユニット11)を含む場合のみを例にとっており、較正モジュール10が複数の較正ユニットを含む場合、複数の較正ユニットは、個別に較正を行うことができ、例えば、1つの較正ユニットが較正完了した後に、他の較正ユニットが較正を開始することができる。各較正ユニットは、1つの停止信号に対応するため、当該較正ユニットの較正が完了した後、較正制御モジュール30は、当該停止信号に基づいて当該較正ユニットに対応する較正クロック信号の出力を停止する。
【0048】
具体的には、
図5を参照すると、
図5は、本開示の更に別の実施例によるインピーダンス較正回路の概略図であり、本実施例では、較正制御モジュール30はさらに、第2較正クロック信号Nclkを出力する。較正制御モジュール30は、第1停止信号Stop1又は第2停止信号Stop2を受信すると、第1較正クロック信号Pclkの出力を停止し、第2較正クロック信号Nclkの出力を開始し、較正モジュール10は、第2較正クロック信号Nclkを受信すると、第2較正ユニット11に対してインピーダンス較正を行う。較正モジュール10は、第1較正ユニット11及び第2較正ユニット12を含む。第1較正ユニット11が較正を完了した後、較正制御モジュール30は、第1停止信号Stop1又は第2停止信号Stop2に基づいて、第1較正ユニット11に対応する第1較正クロック信号Pclkの出力を停止し、一定時間経過した後、較正制御モジュール30は、第2較正ユニット12に対応する第2較正クロック信号Nclkの出力を開始し、第2較正ユニット12は、インピーダンス較正を開始することができる。いくつかの実施例では、第1較正ユニット11が較正を完了した後、較正制御モジュール30は、一定時間待つことなく、第2較正ユニット12に対応する第2較正クロック信号Nclkの出力をすぐに開始することができる。
【0049】
第2較正ユニット12がインピーダンス較正プロセスを行うとき、第1検出モジュール20は、第2較正ユニット12の較正時間の検出を開始し、較正時間が所定の値に達すると、第2停止信号Stop2を出力する。つまり、第2較正ユニット12が較正プロセスを開始すると、第1検出モジュール20のカウントモジュール21は、第2較正クロック信号Nclkをカウントし、カウント値が所定の値に達すると、第2停止信号Stop2を出力し、カウント値は、第1較正クロック信号Pclkの周期数であり、所定の値は、第2較正クロック信号Nclkの40クロック周期より小さいか等しい。他の実施例では、例えば、
図6を参照すると、第1検出モジュール20のカウントモジュール21は、クロック信号生成モジュール40の初期クロック信号CLK-0をカウントすることにより、インピーダンス較正回路の較正時間を取得し、カウント値が所定の値に達すると、第2停止信号Stop2を出力し、ここで、カウント値は、初期クロック信号CLK-0の周期数であり、所定の値は、初期クロック信号CLK-0の40クロック周期より小さいか等しい。
【0050】
第2較正ユニット12は、第3停止信号Stop3を出力でき、較正制御モジュール30は、第3停止信号Stop3又は第2停止信号Stop2に基づいて第2較正ユニット12に対応する第2較正クロック信号Nclkの出力を停止する。
【0051】
引き続き
図5を参照すると、較正制御モジュール30は、第3論理ゲート回路32を含み、第3論理ゲート回路32は、第2停止信号Stop2及び第3停止信号Stop3を受信し、論理演算処理を行って第2制御信号Ctr2を出力し、較正制御モジュール30は、第2制御信号Ctr2に基づいて第2較正クロック信号Nclkの出力を停止する。第3論理ゲート回路32の構成及び動作原理は、第1論理ゲート回路31の構成及び動作原理と同じであり、繰り返しの説明は省略する。
【0052】
引き続き
図5を参照すると、本実施例では、第2較正ユニット12は、第2抵抗ユニット121、第3抵抗ユニット125、第2比較ユニット122、及び第2検出ユニット123を含む。
【0053】
第2抵抗ユニット121の第2端子は、第1電源端子VDDに接続され、第3抵抗ユニット125の第1端子は、第1電源端子VDDに接続され、第3抵抗ユニット125の第2端子は、第2抵抗ユニット121の第1端子に接続され、第1較正コードPcode<N:0>はさらに、第3抵抗ユニット125の等価抵抗値を制御するために使用され、第2比較ユニット122は、第2抵抗ユニット121の第1端子電圧Vp2と第2基準電圧Vref2を比較し、第2比較信号Comp2を出力し、第2検出ユニット123は、第2比較信号Comp2を入力信号とし、第2比較信号Comp2の変化状況を記録し、第2比較信号Comp2の変化状況が所定の条件に合致すると、第3停止信号Stop3を出力する。第2比較信号Comp2の変化状況及び所定の条件は、第1比較信号Comp1の変化状況及び所定の条件の定義と同じであり、ここでは繰り返しの説明は省略する。
【0054】
本実施例では、第2抵抗ユニット121は、並列に接続される複数のMOSトランジスタを含み得、MOSトランジスタは、NMOSトランジスタを含むがこれらに限定されない。第2較正コードNcode<N:0>によりMOSトランジスタの導通又はオフを調整し、更に、第2抵抗ユニット121の等価抵抗値を制御し、第2抵抗ユニット121の第1端子電圧Vp2は、第2抵抗ユニット121の等価抵抗値の変化に応じて変化される。第3抵抗ユニット125は、第1抵抗ユニット111と同じ構成であり、第1較正コードPcode<N:0>を採用して第3抵抗ユニット125の等価抵抗値を制御し、第3抵抗ユニット125によって第2抵抗ユニット121を較正することができる。
【0055】
本実施例では、第2比較ユニット122は、比較器であり得、その構成は、第1比較ユニット112の構成と同じであり、比較器の正の入力端子は、第2基準電圧Vref2を受信し、負の入力端子は、第2抵抗ユニット121に接続され、第2抵抗ユニット121の第1端子電圧Vp2を受信し、比較器は、第2抵抗ユニット121の第1端子電圧Vp2と第2基準電圧Vref2に応答して、第2比較信号Comp2を出力する。第2抵抗ユニット121の第1端子電圧Vp2が第2基準電圧Vref2より小さい場合、比較器の出力端子が出力した第2比較信号Comp2の論理レベルはハイレベルであり、第2抵抗ユニット121の第1端子電圧Vp2が第2基準電圧Vref2より大きい場合、比較器の出力端子が出力した第2比較信号Comp2の論理レベルはローレベルである。
【0056】
第2検出ユニット123は、第2比較信号Comp2を入力信号とし、第3停止信号Stop3を出力し、つまり、第3停止信号Stop3は、第2比較信号Comp2に基づいて生成され、第2比較ユニット122の感度が低い場合、第2比較ユニット122には、第2比較信号Comp2を出力できない場合又は誤った第2比較信号を出力する場合(第2抵抗ユニット121の第1端子電圧Vp2は第2基準電圧Vref2に近づき、第2比較ユニット122は両者の大きさを区別できず、有効な第2比較信号Comp2を出力できない)が存在し、これにより、インピーダンス較正回路は、第3停止信号Stop3を適時に生成できず、インピーダンス較正回路は、較正を適時に停止できなくなる。上記のように、較正制御モジュール30は、第3停止信号Stop3に基づいてインピーダンス較正プロセスを停止するに加えて、また、第2停止信号Stop2に基づいてインピーダンス較正プロセスを停止し、それにより、インピーダンス較正回路の較正を適時に停止させ、インピーダンス較正回路の較正時間が設計要求を満たすようにし、消費電力を効果的に低減し、インピーダンス較正回路の信頼性を向上させることができる。
【0057】
一実施例では、
図4A及び
図4Bを参照すると、第2検出ユニット123の構成は、第1検出ユニット113の構成と同じであり、ここでは繰り返しの説明は省略する。
【0058】
本実施例では、第2較正ユニット12はさらに、第2較正コード生成ユニット124を含み、第2較正コード生成ユニット124は、第2比較信号Compに基づいて第2較正コードNcode<N:0>を更新し、第2較正コードNcode<N:0>は、第2抵抗ユニット121の等価抵抗値を制御するために使用される。いくつかの実施例では、第2較正コード生成ユニット124は、カウンタであり得る。
【0059】
第2抵抗ユニット121の第1端子電圧Vp2と第2基準電圧Vref2との大きさ関係の違いに応じて、第2比較信号Comp2は、上り信号及び下り信号(第2抵抗ユニット121の第1端子電圧Vp2が第2基準電圧Vref2より小さい場合、下り信号を出力し、第2抵抗ユニット121の第1端子電圧Vp2が第2基準電圧Vref2より大きい場合、上り信号を出力する)であり得、第2比較信号Comp2が上り信号である場合、第2較正コード生成ユニット124のカウント値に1を加算し、第2較正コードNcode<N:0>を出力し、第2較正コードNcode<N:0>に基づいて第2抵抗ユニット121の等価抵抗値を減少させ、更に、第2抵抗ユニット121の第1端子電圧Vp2が第2基準電圧Vref2と等しくなるまで、第2抵抗ユニット121の第1端子電圧Vp2を減少させ、第2比較信号Comp2が下り信号である場合、第2較正コード生成ユニット124のカウント値から1を減算し、第2較正コードNcode<N:0>を出力して、第2抵抗ユニット121の抵抗値を増大し、更に、第2抵抗ユニット121の第1端子電圧Vp2が第2基準電圧Vref2と等しくなるまで、第2抵抗ユニット121の第1端子電圧Vp2を増大させる。本開示の実施例によって提供されるインピーダンス較正回路の較正制御モジュール30は、それぞれ第1停止信号Stop1及び第3停止信号Stop3に基づいてインピーダンス較正プロセスを停止するに加えて、また、第2停止信号Stop2に基づいてインピーダンス較正プロセスを停止し、それにより、インピーダンス較正回路の較正を適時に停止させ、インピーダンス較正回路の較正時間が設計要求を満たすようにし、消費電力を効果的に低減し、インピーダンス較正回路の信頼性を向上させることができる。
【0060】
一実施例では、インピーダンス較正回路はさらに、クロック信号生成モジュールを含み、
図6を参照すると、
図6は、本開示の更に別の実施例によるインピーダンス較正回路の概略図である。本実施例では、インピーダンス較正回路は、クロック信号生成モジュール40を含む。
【0061】
クロック信号生成モジュール40は、初期クロック信号CLK-0を出力する。較正制御モジュール30は、初期クロック信号CLK-0を受信すると、第1較正クロック信号Pclk及び第2較正クロック信号Nclkを出力し、較正モジュール10が第2較正ユニット12に対してインピーダンス較正を行うとき、較正制御モジュール30は、第3停止信号Stop3又は第2停止信号Stop2を受信すると、クロック信号生成モジュール40に停止信号Stop4を出力して、クロック信号生成モジュール40に初期クロック信号CLK-0の出力を停止させる。いくつかの実施例では、クロック信号生成モジュール40は、リングオシレータであり得る。
【0062】
本実施例では、第1検出モジュール20は、初期クロック信号CLK-0に基づいて第2停止信号Stop2を生成する。第1検出モジュール20は、カウントモジュール21を含み、較正モジュール10が第1較正ユニット11に対してインピーダンス較正を行うとき及び/又は較正モジュール10が第2較正ユニット12に対してインピーダンス較正を行うとき、カウントモジュール21は、初期クロック信号CLK-0をカウントし、カウント値が所定の値に達すると、第2停止信号Stop2を出力する。ここで、カウント値は、初期クロック信号CLK-0の周期数であり、所定の値は、初期クロック信号CLK-0の40クロック周期より小さいか等しい。
【0063】
具体的には、較正モジュール10が第1較正ユニット11に対してインピーダンス較正を行うとき、カウントモジュール21は、初期クロック信号CLK-0をカウントし、カウント値が所定の値に達すると、第2停止信号Stop2を出力し、較正制御モジュール30は、第1停止信号Stop1又は第2停止信号Stop2を受信すると、第1較正クロック信号Pclkの出力を停止し、第1較正ユニット11に対する較正モジュール10の較正が完了すると、カウントモジュール21はゼロになり、較正モジュール10が第2較正ユニット12に対してインピーダンス較正を行うとき、カウントモジュール21は、初期クロック信号CLK-0をカウントし、カウント値が所定の値に達すると、第2停止信号Stop2を出力し、較正制御モジュール30は、第3停止信号Stop3又は第2停止信号Stop2を受信すると、第2較正クロック信号Nclkの出力を停止し、クロック信号生成モジュール40に停止信号Stop4を出力して、クロック信号生成モジュール40に初期クロック信号CLK-0の出力を停止させる。
【0064】
上記の説明は、本発明の好ましい実施形態のみであり、説明すべきこととして、当業者にとって、本発明の原理から逸脱することなく、いくつかの改善及び修正を行うこともでき、これらの改善及び修正は、本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【国際調査報告】