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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-03
(54)【発明の名称】フィードスルー及びシーリング装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 9/16 20060101AFI20240827BHJP
   B29C 35/02 20060101ALI20240827BHJP
   B29C 65/48 20060101ALI20240827BHJP
   B29C 65/70 20060101ALI20240827BHJP
   H02K 5/22 20060101ALI20240827BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20240827BHJP
   F25B 31/02 20060101ALN20240827BHJP
【FI】
H01R9/16 101
B29C35/02
B29C65/48
B29C65/70
H02K5/22
H01R13/52 301Z
F25B31/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558239
(86)(22)【出願日】2022-05-04
(85)【翻訳文提出日】2023-09-21
(86)【国際出願番号】 KR2022006418
(87)【国際公開番号】W WO2022240065
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】102021112126.4
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102022110839.2
(32)【優先日】2022-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516011246
【氏名又は名称】ハンオン システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グンターマン,ベルント
(72)【発明者】
【氏名】ゲクゲル,セノル
(72)【発明者】
【氏名】シュタウスバーグ,ヨハネス
【テーマコード(参考)】
4F203
4F211
5E086
5E087
5H605
【Fターム(参考)】
4F203AA46
4F203AB03
4F203AD05A
4F203AG03
4F203AH13
4F203DA11
4F203DB01
4F203DC01
4F203DF05
4F211AA09
4F211AA29
4F211AA45
4F211AD03
4F211AD04
4F211AH16
4F211AR07
4F211TA03
4F211TA09
4F211TC08
4F211TN84
5E086PP23
5E086QQ05
5E086QQ06
5E086QQ16
5E087EE14
5E087FF03
5E087LL02
5E087LL12
5E087MM09
5E087QQ03
5E087QQ04
5E087RR13
5E087RR25
5E087RR29
5E087RR31
5H605AA02
5H605BB07
5H605CC06
5H605EC07
5H605EC08
5H605EC18
5H605GG18
(57)【要約】
【課題】フィードスルー及びシーリング装置内の構成を単純化して冷媒及びオイルの流体に対して電気絶縁性を高める。
【解決手段】本発明は電気モーターまたは他の電気装置のハウジング壁(14a、14a’)を貫通して供給される電気連結のフィードスルー及びシーリング装置(13、13’)に関し、フィードスルー及びシーリング装置(13、13’)は、電気モーターのハウジング壁を通じて供給される。
【選択図】図8

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気モーターまたは他の電気装置のハウジング壁(14a、14a’)を貫通して供給される電気連結のフィードスルー及びシーリング装置(13、13’)において、電気伝導性物質で作られる端子ピン(2)が通過する少なくとも一つのフィードスルー開口部(19、19’)を備えて、前記フィードスルー開口部(19、19’)を通じて延びて、前記フィードスルー開口部(19、19’)の領域で前記端子ピン(2)を囲むガラス絶縁体(4)により電気的に絶縁される金属プレート(15、15’)形態の端子ピンプレート(15、15’)、前記ハウジング壁(14a、14a’)にある前記金属プレート(15、15’)のためのプレート支持面(18、18’)、前記金属プレート(15、15’)のための前記プレート支持面(18、18’)で囲まれる前記ハウジング壁(14a、14a’)のシーリング表面(21、21’)、前記ハウジング壁(14a、14a’)を通じて少なくとも一つの前記端子ピン(2)の通過供給(feed-through)のための前記シーリング表面(21、21’)で囲まれる少なくとも一つのフィードスルー開口部(19、19’)、及び前記金属プレート(15、15’)と前記シーリング表面(21、21’)の間前記ハウジング上に配置される平らなプレートシーリング領域(17a、17a’)と前記平らなプレートシーリング領域(17a、17a’)で囲まれる正面開口部を備える円筒形プラスチックまたは弾性重合体スリーブ形態に設けられる少なくとも一つの端子ピンカバー(17b、17b’)が互いに連結されて、少なくとも一つの前記端子ピンカバー(17b、17b’)は前記ハウジング壁(14a、14a’)を通じて前記端子ピン(2)を通過供給(feed-through)する時、前記ハウジング壁(14a、14a’)の少なくとも一つの前記フィードスルー開口部(19、19’)に挿入される結合シーリング部(17、17’)で構成されることを特徴とするフィードスルー及びシーリング装置(13、13’)。
【請求項2】
前記フィードスルー及びシーリング装置(13、13’)が3個の前記端子ピン(2)を備えて、前記端子ピン(2)に対して、金属壁に3個の前記フィードスルー開口部(19、19’)、前記ハウジング壁(14a、14a’)に3個の前記フィードスルー開口部(19、19’)及び3個の前記端子ピンカバー(17b、17b’)を備える前記結合シーリング部(17、17’)を備えることを特徴とする請求項1に記載のフィードスルー及びシーリング装置(13、13’)。
【請求項3】
前記フィードスルー及びシーリング装置(13、13’)が、前記平らなプレートシーリング領域(17a、17a’)の外部端が楕円形であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィードスルー及びシーリング装置(13、13’)。
【請求項4】
前記フィードスルー開口部(19、19’)を囲む領域の前記金属プレート(15、15’)のための前記プレート支持面(18、18’)と結合された前記シーリング部(17、17’)の前記平らなプレートシーリング領域(17a、17a’)のための前記プレート支持面(18、18’)が前記平らなプレートシーリング領域(17a、17a’)の楕円形に対応する楕円形溝を形成することを特徴とする請求項3に記載のフィードスルー及びシーリング装置(13、13’)。
【請求項5】
前記結合シーリング部(17、17’)が前記平らなプレートシーリング領域(17a、17a’)の外側端に追加的な楕円形シーリングリング(17c、17c’)を備えて、これは円周密封コードとして前記平らなプレートシーリング領域(17a、17a’)を囲むことを特徴とする請求項2乃至請求項4のうち何れかの一項に記載のフィードスルー及びシーリング装置(13、13’)。
【請求項6】
前記結合シーリング部(17、17’)が弾性重合体の単一材料構成要素で形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうち何れかの一項に記載のフィードスルー及びシーリング装置(13、13’)。
【請求項7】
前記結合シーリング部(17、17’)が二重材料構成要素であり、これは前記プレートシーリング領域(17a、17a’)を含む軟質構成要素と前記端子ピンカバー(17b、17b’)の少なくとも一部にある硬質構成要素で構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうち何れかの一項に記載のフィードスルー及びシーリング装置(13、13’)。
【請求項8】
前記硬質及び軟質構成要素が接着結合または加硫(vulcanization)により共に結合されることを特徴とする請求項7に記載のフィードスルー及びシーリング装置(13、13’)。
【請求項9】
前記軟質構成要素の成分がエチレンプロピレンジエン(monomer)ゴム(EPDM)で構成されることを特徴とする請求項7又は8に記載のフィードスルー及びシーリング装置(13、13’)。
【請求項10】
前記硬質構成要素がガラス繊維補強のあるポリアミドで構成されることを特徴とする請求項7乃至請求項9のうち何れかの一項に記載のフィードスルー及びシーリング装置(13、13’)。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気モーターまたは他の電気装置のハウジング壁を貫通して供給される電気連結のフィードスルー及びシーリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両空調用電気コンプレッサーは、フィードスルー及びシーリング装置の主要適用分野である。車両エアコン用コンプレッサーには主に気体冷媒とオイルで満たされた機械部品があり、これを3/4ポンプともいう。この部品は電子部品(いわゆる、インバータ)に対して密閉されていて、冷媒及び/またはオイルの流体流入による印刷回路基板の電気部品損傷を防止することができる。液体が電気部品と接触すればショートが発生し得る点を考慮しなければならない。しかし、何よりも冷媒損失を防止することが重要である。エアコンシステムには、充電サービスの寿命がある。冷媒損失はシステム故障を招きかねず、環境的な理由でも容認できない。
【0003】
冷媒コンプレッサーハウジングのハウジング壁を通じて端子ピンの電気供給のため、標準にはガラス-金属シールが主に使われる。金属ビードシールまたは、弾性重合体シールを使用して、コンプレッサー及び/またはモーターハウジングに密封される。プラスチックスリーブまたは弾性重合体シールは、冷媒に対する電気連結を電気的に絶縁するのに使われる。コンプレッサーで開放された金属表面は、内部絶縁抵抗を高く維持するため、弾性重合体またはプラスチックスリーブで覆われている。
【0004】
コンプレッサーのハウジング壁を貫通して供給される電気連結の該フィードスルー及びシーリング装置は、電気伝導性材料で作られる少なくとも一つの端子ピンを含み、この端子ピンは金属プレートを通じて供給され、この金属E-ピンプレート及び/または端子ピンプレートともいう。金属プレートの領域と金属プレート上と下の隣接した領域で端子ピンは、ガラス絶縁体で囲まれており、前述したガラス-金属シールを具現する。このようなガラス-金属シールは金属ビードシールまたは弾性重合体コードシールに設計されるプレートシールを通じてコンプレッサー及び/またはモーターハウジングに密閉される。コンプレッサーの端子ピンの開放された金属表面は、円筒形プラスチックスリーブ形態に設計されて、冷媒に対する電気絶縁役割を果たす端子ピンカバーで覆われている。
【0005】
このようなフィードスルー及びシーリング装置で堅固性を保障するためには、シーリングビードまたはシーリングコードの直線的及び/または均一する圧縮がモーターハウジングの清潔な支持表面の程必要であり、これはこのような支持表面に不純物があれば、優れるシーリングを保障できないためである。
【0006】
端子ピンプレートを密封と端子ピンを覆うためには、二つ以上の部品が必要であるので、相対的に複雑性の高いという短所がある。ここには高いレベルの組立作業が必要である。また、それにより非シーリング領域が形成される。また、多様な構成部品の膨脹係数が異なるため、温度部下の変化によって耐熱性テストで技術的動作が変わる。したがって、電気フィードスルー用金属プレートは一般的に鋼鉄で作られる。金属ピンカバーの材料は一般的にプラスチックまたは弾性重合体である。これとは異なって、コンプレッサーのモーターハウジングは多くがアルミニウムで製作される。特に最高温度が125℃で最低温度が-40℃である一部テストサイクルで温度変化によるシールの膨脹と収縮は電気フィードスルーの全体組立にストレスを与えて、固定ねじの残留トルクを減少させるので固定ねじの紛失の恐れがあり、最悪の場合、電気フィードスルー領域で冷媒漏れを招きかねない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、フィードスルー及びシーリング装置内の構成部品数を減らし、組立を単純化して、冷媒及びオイルの流体に対して電気絶縁をさらに安全にすることである。
【0008】
本発明の目的は、特許請求項1の特徴を備えるフィードスルー及びシーリング装置により達成される。従属請求項にいくつかの好ましい実施例及び追加改善事項が記載される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による電気モーターまたは他の電気装置のハウジング壁を貫通して供給される電気連結のフィードスルー及びシーリング装置は、次のように構成される。
【0010】
本発明によるフィードスルー及びシーリング装置は、電気伝導性材料で作られる端子ピンがフィードスルー開口部を通じて供給され、フィードスルー開口部を通じて延び、フィードスルー開口部の領域で端子ピンを囲むガラス絶縁体により金属プレートから電気的に絶縁される少なくとも一つのフィードスルー開口部を備える金属プレート形態の端子ピンプレート、ハウジング壁の金属プレートのためのプレート支持面、金属プレート用プレート支持面で囲まれるハウジング壁のシーリング表面、ハウジング壁を通じて少なくとも一つの端子ピンを通過供給(feed-through)するためにシーリング表面で囲まれる少なくとも一つのフィードスルー開口部、及び金属プレートとシーリング表面間ハウジング上に配置される平らなプレートシーリング領域と平らなプレートシーリング領域で囲まれる正面開口部を備える円筒形プラスチックまたは弾性重合体スリーブ形態に設けられる少なくとも一つの端子ピンカバーが互いに連結されて、少なくとも一つの端子ピンカバーはハウジング壁を通じて端子ピンを通過供給(feed-through)する時にハウジング壁の少なくとも一つのフィードスルー開口部に挿入される結合シーリング部で構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
したがって、本発明の目的は前述した2種類シーリング機能、すなわち、端子ピンプレートのシーリングと少なくとも一つの端子ピンのカバーリングが一つの構成要素、すなわち、結合シーリング部により具現されるという点で達成される。すなわち、シーリング部はE-ピンプレートシーリングとE-ピンカバーの機能を結合する。
【0012】
それにより、複雑性が減少すれば費用も削減される。また、複雑性が減少すれば、組立作業と関連する相当な費用も削減される。また、連綿経路(creepage path)、絶縁抵抗、清潔性及びガラス断熱材にホコリ、粒子及びオイルの沈着防止と関連する要求事項も満たすことができる。
[課題を解決するための追加的な手段]
【0013】
本発明の好ましい実施例によれば、フィードスルー及びシーリング装置は3個の端子ピンを備え、このような端子ピンに対して金属壁に3個のフィードスルー開口部、ハウジング壁に3個のフィードスルー開口部及び3個の端子ピンカバーを備える結合シーリング部を備える。後者は3相コネクターのシールも端子ピンカバーと金属プレートシールを互いに連結する結合シーリング部に設計できるという意味である。
【0014】
本発明の好ましい実施例によれば、平らなプレートシーリング領域の外部端は楕円形である。この場合、ハウジングの金属プレート支持面がフィードスルー開口部を囲む領域で平らなプレートシーリング領域の楕円形に対応する楕円形溝を備えて結合シーリング部に平らなプレートシーリング領域の支持面を形成することが好ましい。
【0015】
円周形シーリングコードは平らなプレートシーリング領域の外部端に追加で設計されることが好ましい。前述した実施例によって、円周形シーリングコードとして平らなプレートシーリング領域を囲む楕円形シーリングリングの形態が好ましい。
【0016】
E-ピンプレートシールとE-ピンカバーで構成される結合シーリング部は単一材料構成要素と軟質構成要素と硬質構成要素で構成される二重材料構成要素の何れで具現できる。この変形は特にいわゆるコンシーラーと呼ばれる、すなわち、モーターまたは電気装置の電気インターフェース上に押し込むように考案された円筒形端子ピンカバーの一部に充分の安全性を与えなければならない時に提供されて、コンシーラーが折れず、電気インターフェース(モーターインターフェース)上に押されるようにする。ガラス繊維が補強されたポリアミドは特に硬質構成要素の素材として適する。特に、エチレンプロピレンジエン(monomer)ゴム(EPDM)のような弾性重合体は軟質構成要素の材料として有利であることが立証された。硬質部品と軟質構成要素はボンディング連結で互いに連結することができる。したがって、硬質及び軟質構成要素は例えば接着結合または加硫(vulcanization)を通じて互いに接着結合されることができる。
【0017】
コンシーラーが折られる恐れのない場合、端子ピンプレートシールと端子ピンカバーで構成される結合シーリング部は、例えば、弾性重合体だけで構成される単一材料構成要素で具現されることもできる。本発明によるフィードスルー及びシーリング装置は長くて狭い端子ピンプレートの単純化した形態を可能にする。コンプレッサーの内部圧力による端子ピンプレートの垂れは弾性重合体シールで補正できる。一般的に端子ピンプレートの長い側の反対側の端部分にそれぞれ二つのねじでハウジングに固定することで充分である。本発明の実施例の詳細な内容、特徴及び長所は添付図面を参照して例示的な実施例に関する次の説明から明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】従来技術である電気モーターまたは他の電気装置のハウジング壁を貫通して供給される電気連結のフィードスルー及びシーリング装置を示す。
図2】従来技術で、ハウジング壁を貫通して供給される電気連結のための金属ビードシール及びフィードスルー開口部が見えるモーターハウジングの領域を示す。
図3a】従来技術者3相コネクターのフィードスルー及びシーリング装置の断面図である。
図3b】従来技術である3相コネクターの端子ピンの中の一つの領域でフィードスルー及びシーリング装置の断面図を詳細に示す。
図4a】本発明によるフィードスルー及びシーリング装置の多様な構成要素を示す。図4aは統合端子ピンプレートの平面図である。
図4b】本発明によるフィードスルー及びシーリング装置の多様な構成要素を示す。図4bは端子ピンプレートと端子ピンプレートを設置する前にハウジングに配置される結合シーリング部を図示する透視図である。
図4c】シーラント部品がハウジングに配置及び/または設置される前にハウジングの支持面と単一材料部品の結合シーリング部を図示する透視図である。
図4d】ハウジングに配置されるか挿入された結合された密封部品の平面図である。
図5a】シーリング部品がハウジングに配置及び/または設置される前のシーリング対象エンジンのハウジング領域と単一材料構成の結合シーリング部を示す透視図である。
図5b】結合シーリング部の詳細な部分断面図である。
図6a】本発明によるフィードスルー及びシーリング装置の多様な構成要素を示す。図6aは統合端子ピンプレートの平面図である。
図6b】本発明によるフィードスルー及びシーリング装置の多様な構成要素を示す。図6bは端子ピンプレートと端子ピンプレートを設置する前にハウジングに配置された結合シーリング部を図示する透視図である。
図6c】本発明によるフィードスルー及びシーリング装置の多様な構成要素を示す。図6cはシーラント部品がハウジングに配置及び/または設置される前にハウジングの支持面と二重材料構成要素としての結合シーリング部の透視図である。
図6d】本発明によるフィードスルー及びシーリング装置の多様な構成要素を示す。図6dはハウジングに配置及び/または挿入された結合シーリング部の平面図である。
図7a】二重材料構成要素としての結合シーリング部の一部断面図及びシーリング部品を挿入する前にハウジング壁の該フィードスルー開口部を示す図面である。
図7b】結合シーリング部の詳細な部分断面図である。
図8】単一端子ピンの領域でフィードスルー及びシーリング装置の一部に対する詳細な断面図である。
図9】フィードスルー及びシーリング装置が設置されるコンプレッサー内の領域の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
冷媒用コンプレッサーには、主に気体冷媒とオイルに満たされる機械部品があり、3/4ポンプともいう。この部品は冷媒及び/またはオイルによる印刷回路基板の電子部品損傷を防止するために、このような作動媒体のない状態で維持されなければならない電子部品(インバータ)と密閉されなければならない。
【0020】
ガラス-金属シールは、多くが電気フィードスルーの標準的に使われる。これは金属ビードシールまたは弾性重合体シールを使用してコンプレッサーハウジングに密封される。プラスチックスリーブまたは弾性重合体シールは冷媒に対する電気絶縁の役割を果たす。弾性重合体またはプラスチックスリーブはコンプレッサーの開放された金属表面を覆う。
【0021】
図1は、従来技術として知られているように、コンプレッサーのハウジング壁を貫通して供給される電気連結のフィードスルー及びシーリング装置(1)を示す。これは、金属プレート(3)を通じて供給される電気伝導性材料で作られる端子ピン(2)で構成される。これは、金属プレート(3)の領域と金属プレート(3)の上と下の隣接領域にガラス絶縁体(4)で囲まれる。冷媒とオイルで満たされるコンプレッサーの機械的部分と電子部品に対する主要シーリング機能はハーフビード(half-bead)状のアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)でコーティングされた金属シール(以下、プレートシール(5))により保障され、これはフィードスルー端子ピン(2)のある金属プレート(3)とコンプレッサーハウジング(6)のプレート支持面間に位置する。
【0022】
金属プレート及び/または端子ピンプレートと端子ピンカバーを密封するために2種類部品が必要となるので、相対的に複雑性が高いという短所がある。ここには、高いレベルの組立作業が必要である。また、これによって非シーリング領域(8)が形成され得る。
【0023】
図2は、コンプレッサーハウジング(6)の領域が内部円周ハーフビード(half-bead)(9)を備える金属ビードシールに提供されるプレートシール(5)の観点で、そしてコンプレッサーハウジング(6)の壁(6a)にある3個のフィードスルー開口部(10)の観点で、同様に従来技術で知られているように、3相コネクターの電気連結が誘導されることを示す。3個のフィードスルー開口部(10)は何れもコンプレッサーハウジング(6)の壁(6a)にある楕円形溝(11)内に位置する。また、金属プレート(図示しない)をコンプレッサーハウジング(6)に固定するための楕円形溝(11)外部のコンプレッサーハウジング(6)の壁(6a)にはねじまたはボルト(図2に図示しない)を固定するための計4個の固定穴(12)が設けられる。
【0024】
図3aは、組み立てられた状態で従来技術による3相コネクターのフィードスルー及びシーリング装置(1)の断面図である。このようなフィードスルー及びシーリング装置(1)は、電気伝導性材料で作られる3個の端子ピン(2)で構成され、この端子ピンは金属プレート(3)を通過する。ガラス絶縁体(4)は金属プレート(3)の領域と金属プレート(3)の上と下の隣接領域にあるそれぞれの端子ピン(2)を囲む。電子部品に対するコンプレッサーの機械部品の主要シーリング機能は、端子ピンが挿入される金属プレート(3)とコンプレッサーハウジング(6)の壁(6a)の表面にあるプレート支持面間に位置するハーフビード状のアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)でコーティングされた金属シール(以下、プレートシール(5)という)により保障される。ここでプレートシール(5)は円周形ハーフビード(9)で設計される。図3bは図3aに図示の3個の端子ピン(2)の中の一つの領域で金属プレート(3)によるフィードスルー領域でガラス絶縁体(4)で囲まれる3相コネクターのフィードスルー及びシーリング装置の断面図を詳細に図示する。金属プレート(3)を通過するフィードスルー領域は楕円形溝(11)内に位置する。図3bはまた端子ピン(2)により連結された金属プレート(3)とコンプレッサーハウジング(6)の壁(6a)のプレート支持面間に位置するプレートシール(5)の円周方向ハーフビード(9)をより詳細に確認できる。
【0025】
前述したように、従来技術によれば、ドライに維持されなければならない電子部品(インバータ)の保護に対する液体冷媒とオイルに満たされるコンプレッサー機械部品の主要シーリング機能は、モーターの端子ピンプレート(3)とプレート支持面(6)の間に配置されるハーフビード状のNBRコーティング金属シールを通じて行われる。シーリングビードであるハーフビード(9)は、端子ピンプレート(3)を固定することによって固定ねじまたはボルトにより押されて機械部品と電子部品を堅固に連結する。
【0026】
前述した短所の他にも、多様な構成部品は、互いに異なる膨脹係数を有するので、温度負荷によって温度安全性テストで互いに異なる動作をする。したがって、一般的に電気フィードスルー用金属プレートは鋼鉄で作られる。金属ピンカバーの材質は一般的にプラスチックまたは弾性重合体である。一方、コンプレッサーのモーターハウジングはアルミニウムで製作される。特に、温度変化時にシールの膨脹と収縮(最高温度が125℃、最低温度が-40℃である一部テストサイクルでは)は、電気フィードスルーの全体組立にストレスを与えて固定ねじの残留トルクが減少し、それによって固定ねじが損失されて、最悪の場合電気フィードスルー領域で漏れが発生する。
【0027】
図4a乃至図4dは、3相コネクターに対する本発明によるフィードスルー及びシーリング装置(13)の多様な構成要素を示す。この場合、図4aはモーターのハウジング(14)に配置されて3個の端子ピン(2)が一列に配列されて、それぞれ端子ピンプレート(15)及び/または金属プレート(15)を通過するフィードスルー領域にガラス絶縁体(4)で囲まれる端子ピンプレート(15)の平面図である。端子ピンプレート(15)は台形であり、ハウジング(14)に固定するための4個の固定穴(16)がある。図4bは端子ピン(2)が固定されてガラス絶縁体(4)が提供される端子ピンプレート(15)と端子ピンプレート(15)を設置する前にモーターのハウジング(14)に結合シーリング部(17)が配置される斜視図である。
【0028】
図4cは3個のフィードスルー開口部(19)を備えるハウジング(14)のプレート支持面(18)の斜視図及び結合シーリング部(17)をハウジング(14)上に、及び/またはハウジング(14)内に配置及び/または設置する前に、単一材料構成要素の形態に具現される結合シーリング部(17)を斜視図で示す。3個のフィードスルー開口部(19)は、プレート支持面(18)で囲まれるコンプレッサーハウジング(14)の壁(14a)にある楕円形溝(20)内に位置する。結合シーリング部(17)では、金属プレート(図4aを参照)とハウジング(14)の溝(20)内の密封支持面及び/またはシーリング表面(21)間に配置されるように提供される平らなプレートシーリング領域(17a)と、平らなプレートシーリング領域(17a)で囲まれる正面開口部を備える円筒形プラスチックスリーブの形態にそれぞれ設計される3個の端子ピンカバー(17b)が互いに連結される。ここで、端子ピンカバー(17b)はハウジング壁(14a)を通じて端子ピンプレートの3個の端子ピンを通過供給(feedthrough)する時、ハウジング壁(14a)の3個のフィードスルー開口部(19)に挿入できる。結合シーリング部(17)は、平らなプレートシーリング領域(17a)の外側端に追加的な楕円形シーリングリング(17c)を備えて、これは円周形密封コードとして平らなプレートシーリング領域(17a)を囲む。最後に、図4はハウジング(14)の壁(14a)に配置またはハウジング(14)に挿入された結合シーリング部(17)と端子ピンプレートの4個の固定穴に対応する4個の固定穴(22)を備えるプレート支持面(18)の平面図を示す(図4aを参照)。
【0029】
図4cと類似の図5aは、シーリング部(17)をハウジング(14)に配置及び/または設置する前に電子部品(インバータ)に対して密封されるモーターのハウジング(14)領域と単一材料部品で設計される3相コネクター用結合シーリング部(17)の斜視図で示す透視図である。3個のフィードスルー開口部(19)は楕円形溝(20)内に位置し、この溝はプレート支持面(18)で囲まれる。結合シーリング部(17)では、金属プレート(図4aを参照)とハウジング(14)の溝(20)内のシーリング支持面及び/またはシーリング表面(21)間に配置されるように提供される平らなプレートシーリング領域(17a)と、平らなプレートシーリング領域(17a)で囲まれる正面開口部を備える円筒形プラスチックスリーブ形態にそれぞれ設計される3個の端子ピンカバー(17b)が互いに連結される。ここで、端子ピンカバー(17b)はハウジング壁(14a)を通じて端子ピンプレートの3個の端子ピンを通過供給(feed-through)する時、ハウジング壁(14a)の3個のフィードスルー開口部(19)に挿入される。結合シーリング部(17)は平らなプレートシーリング領域(17a)の外側端に追加的な楕円形シーリングリング(17c)を備え、これは円周形シーリングコードとして平らなプレートシーリング領域(17a)を囲む。
【0030】
図5bは、結合シーリング部(17)のさらに詳細な部分断面で、全ての領域、すなわちプレートシーリング領域(17a)と楕円形シーリングリング(17c)が位置する上部領域及び3個の円筒形及び/または中空円筒形端子ピンカバー(17b)が同じ弾性重合体成分で共に形成されることを特徴とする結合シーリング部(17)を示す。それぞれの円筒形端子ピンカバー(17b)には、プレートシーリング領域(17a)から遠く離れたシリンダージャケットの下段にある領域でシリンダージャケットの突出した厚さにシリンダージャケットの円周周囲に延びる二つのビーディング(beading)(17d)が互いに上部に配列されて形成される。
【0031】
図6a乃至図6dは、もう一つの実施例による3相コネクターのためのフィードスルー及びシーリング装置(13’)の多様な構成要素を示す。この場合、図6aはモーターのハウジング(14’)上に配置されて3個の端子ピン(2)が一列に配列されて、それぞれ端子ピンプレート(15’)及び/または金属プレート(15’)を通過するフィードスルー領域にガラス絶縁体(4)で囲まれる端子ピンプレート(15’)の平面図を図示する。図6aは、端子ピンプレート(15’)の単純化した形態を図示し、長い楕円形外部輪郭を備えて、ハウジング(14’)の固定穴に対応する端子ピンプレート(15’)を固定するために端子ピンプレート(15’)の長い側面の反対側の端領域に二つの固定要素(23)を備える。一般的に、端子ピンプレート(15’)をプレート支持面に固定するには二つのねじで充分である。
【0032】
図6bは、端子ピンプレート(15’)が固定されてガラス絶縁体(4)が提供される端子ピンプレート(15’)と端子ピンプレート(15’)をプレート支持面(18’)に配置する前、モーターのハウジング(14’)に結合シーリング部(17’)が配置される斜視図を示す(図6aを参照)。
【0033】
図6cは、3個のフィードスルー開口部(19’)を備えるハウジング(14’)のプレート支持面(18’)を図示する透視図、及び結合シーリング部(17’)をハウジング(14’)上に、及び/またはハウジング(14’)内に配置及び/または設置する前に、二重材料構成要素で具現される結合シーリング部(17’)を含んで図示する透視図である。3個のフィードスルー開口部(19’)はプレート支持面(18’)で囲まれるコンプレッサーハウジング(14’)壁(14a’)の楕円形溝(20’)内に位置する。結合シーリング部(17’)には、ハウジング(14’)の溝(20’)内の金属プレート(15’)と密封支持面及び/またはシーリング表面(21’)間に配置される平らなプレートシーリング領域(17a’)と、平らなプレートシーリング領域(17a’)で囲まれる正面開口部を備える円筒形プラスチックスリーブ形態にそれぞれ設計される3個の端子ピンカバー(17b’)が互いに連結される。ここで、端子ピンカバー(17b’)はハウジング壁(14a’)を通じて端子ピンプレートの3個の端子ピンを通過供給(feed-through)する時、ハウジング壁(14a’)の3個のフィードスルー開口部(19’)に挿入できる。結合シーリング部(17’)は平らなプレートシーリング領域(17a’)の外側端に追加的な楕円形シーリングリング(17c’)を備えて、これは円周形シーリングコードとして平らなプレートシーリング領域(17a’)を囲む。
【0034】
最後に、図6dは、ハウジング(14)壁(14a’)及び/またはハウジング(14)内に挿入される壁(14a’)に配置される結合シーリング部(17’)と端子ピンプレートの二つの固定要素(23)に対応する二つの固定穴(22’)があるプレート支持面(18’)の平面図を示す(図6aを参照)。
【0035】
図7aは、上部領域に楕円形シーリングリング(17c’)を備える結合シーリング部(17’)を挿入する前、二重材料構成要素からなる結合シーリング部(17’)と角対応されるハウジング壁(14a’)のフィードスルー開口部(19’)を示す部分断面図である。該フィードスルー開口部(19’)はシーリング表面(21’)で囲まれてる。図7bは結合シーリング部(17’)のさらに詳細な部分断面図を示す。平らなプレートシーリング領域(17a’)と楕円形シーリングリング(17c’)が位置する上部領域は弾性重合体材料で形成され、端子ピンカバー(17b’)は硬質構成要素で形成される。
【0036】
図8は、個別端子ピン(2)の領域でフィードスルー及びシーリング装置(13’)の一部と実施例での二重材料構成要素として結合シーリング部(17’)の詳細な断面図を示す。ここで、フィードスルー開口部の領域で端子ピンを囲むガラス絶縁体(4)はシーリング領域(25)で結合シーリング部(17’)の弾性体部分と接触する。端子ピンカバー(17b’)の領域、特にいわゆるコンシーラー(26)と呼ばれる、すなわち円筒形端子ピンカバー(17b’)の一部がキャップと同じモーター及び/または電気装置の電気インターフェース上に押されるように意図的部分に対しては硬質の構成要素で形成される。
【0037】
図9は、フィードスルー及びシーリング装置(13’)が3相コネクター用二重材料構成要素で作られる該結合シーリング部(17’)と共に設置されるコンプレッサー内の領域の断面図を示す。二重材料構成要素で結合シーリング部は3個のコンシーラー(26)に充分の安全性を提供してコンシーラーシェルが折らず、モーターインターフェース(27)上に押されることができる。
【符号の説明】
【0038】
1 従来技術のフィードスルー及びシーリング装置
2 端子ピン
3 端子ピンプレート、金属プレート
4 ガラス絶縁
5 プレートシール
6 ハウジング、コンプレッサーハウジング
6a ハウジング壁、コンプレッサーハウジング壁
7 端子ピンカバー
8 非シーリング領域
9 ハーフビード(half-bead)
10 コンプレッサーハウジング壁のフィードスルー開口部
11 楕円形溝
12 固定穴
13 フィードスルー及びシーリング装置
13’ フィードスルー及びシーリング装置
14 ハウジング、コンプレッサーハウジング
14a ハウジング壁、コンプレッサーハウジング壁、ハウジング壁
14’ ハウジング、コンプレッサーハウジング
14a’ ハウジング壁、コンプレッサーハウジング壁、ハウジング壁
15 端子ピンプレート、金属プレート
15’ 端子ピンプレート、金属プレート
16 固定穴
17 結合シーリング部
17a プレートシーリング領域
17b 端子ピンカバー
17c 楕円形シーリングリング
17d ビーディング
17’ 結合シーリング部
17a’ プレートシーリング領域
17b’ 端子ピンカバー
17c’ 楕円形シーリングリング
18 プレート支持面
18’ プレート支持面
19 フィードスルー開口部
19’ フィードスルー開口部
20 溝
20’ 溝
21 シーリング表面
21’ シーリング表面
22 固定穴
22’ 固定穴
23 固定要素
24 ボンディング連結
25 シーリング領域
26 コンシーラー
27 モーターインターフェース
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図4d
図5a
図5b
図6a
図6b
図6c
図6d
図7a
図7b
図8
図9
【国際調査報告】