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特表2024-531859冷媒圧縮機駆動用電気モーターの固定子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-03
(54)【発明の名称】冷媒圧縮機駆動用電気モーターの固定子
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/04 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
H02K3/04 J
H02K3/04 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558288
(86)(22)【出願日】2022-08-24
(85)【翻訳文提出日】2023-09-21
(86)【国際出願番号】 KR2022012687
(87)【国際公開番号】W WO2023033451
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】102021122482.9
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516011246
【氏名又は名称】ハンオン システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワリスコ, ダーヴィト
(72)【発明者】
【氏名】グンターマン, ベルント
(72)【発明者】
【氏名】ハーグ, ミヒャエル
【テーマコード(参考)】
5H603
【Fターム(参考)】
5H603AA09
5H603BB01
5H603BB05
5H603BB12
5H603CA01
5H603CA05
5H603CB04
5H603CB18
5H603CB26
(57)【要約】
【課題】接触のための必要な軸方向及び側面公差補償を生成できる固定子を提供する。
【解決手段】導体線は少なくとも3個の位相に区分されるコイルを生成し、ベース絶縁体は固定子コアと巻き取られたコイル間に形成され、各コイルのストランドは2個のワイヤー端部を有し、固定子コア及び連結要素のための支持要素としてのベースプレート、ベースプレートに設置されて連結要素を通じて各コイルのストランドまたは各コイルの第1ワイヤー端部に連結されて全てのコイルまたはコイルのストランドを互いに連結させる第1連結要素、コイルのストランドまたはコイルの第2ワイヤー端部に連結されて、この位相の全てのコイルまたはコイルのストランドを互いに連結させるコイル連結装置を含み、ベース絶縁体とコイル連結装置の間に間隔が存在するようにコイル連結装置は巻き取られたコイルまたはコイルのストランドのワイヤー端部に連結される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒圧縮機駆動用電気モーターの固定子(1)として、
前記固定子(1)は、
実質的に中空の円筒形状であり、その内側の周りに沿って均一に分布し、その断面に対して半径方向内側に向かうコイルウェブを有する固定子ヨーク(yoke)を有する固定子コア(3)として、導体線は前記コイルウェブの周囲に巻き取られて少なくとも3個の位相に区分されるコイル(4)を生成し、ベース絶縁体(5)は前記固定子コア(3)と前記巻き取られたコイル間に形成され、前記巻き取られたコイルそれぞれは、または前記コイル(4)の中の数個が直列にコイルのストランド(strand)に連結される場合、各前記コイルのストランドは前記固定子ヨークの円周軸に対して軸方向に前記固定子(1)のベース絶縁体を突出させる2個のワイヤー端部(6a、6b)を有し、固定子コア(3)、及び連結要素のための支持要素としてのベースプレート(8)、前記ベースプレート(8)に設置されて連結要素(12)を通じて前記各コイルのストランドまたは各前記コイル(4)の第1ワイヤー端部(6a)に連結されて全ての前記コイル(4)または前記コイルのストランドを互いに連結させる第1連結要素、及び前記ベースプレート(8)に設置される追加的な連結要素として、それぞれは位相(4.1、4.2、4.3)の前記コイルのストランドまたは前記コイル(4)の第2ワイヤー端部(6b)に連結されて、この位相(4.1、4.2、4.3)の全てのコイルまたは前記コイルのストランドを互いに連結させる連結要素(13.1、13.2、13.3)を有する追加的な連結要素を有する、コイル連結装置(2)、を含み、
前記ベース絶縁体(5)と前記コイル連結装置(2)間に間隔(7)が存在するように前記コイル連結装置(2)は前記巻き取られたコイルまたは前記コイルのストランドのワイヤー端部(6a、6b)に連結されることを特徴とする冷媒圧縮機駆動用電気モーターの固定子(1)。
【請求項2】
それぞれが位相(4.1、4.2、4.3)の前記コイル(4)または前記コイルのストランドを互いに連結させる前記連結要素それぞれはモーター制御部に対するインターフェースを形成するライン要素(27)と同じ位相の連結のための連結部(14.1、14.2、14.3)を有することを特徴とする請求項1に記載の冷媒圧縮機駆動用電気モーターの固定子(1)。
【請求項3】
前記コイル連結装置(2)はポッティング(potting)材料で満たされて電気伝導性構成要素を冷媒から、また互い間でも絶縁させることを特徴とする請求項1又は2に記載の冷媒圧縮機駆動用電気モーターの固定子(1)。
【請求項4】
前記第1連結要素は、開放された円弧の基本形状を有し、その円周または弧の長さに沿って均一に分布し、それぞれが前記コイル(4)の前記第1ワイヤー端部(6a)を収容する外部端部を有する半径方向外側に突出する数個の前記連結要素(12)を有するバスバー(10)として形成され、このような前記バスバー(10)の連結要素(12)の全体個数は前記固定子(1)の前記コイル(4)または前記コイルのストランドの全体個数に該当することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち何れかの一項に記載の冷媒圧縮機駆動用電気モーターの固定子(1)。
【請求項5】
前記追加的な連結要素は、それぞれが開放された円弧の基本形状を有し、その円周または弧の長さに沿って均一に分布し、それぞれが前記コイル(4)の前記第2ワイヤー端部(6b)を収容する外部端部を有する半径方向外側に突出する数個の前記連結要素(13.1、13.2、13.3)を有するバスバー(11.1、11.2、11.3)として形成され、前記連結要素(13.1、13.2、13.3)の全体個数は位相(4.1、4.2、4.3)のコイルまたは前記コイルのストランドの全体個数の各前記バスバー(11.1、11.2、11.3)に該当することを特徴とする請求項4に記載の冷媒圧縮機駆動用電気モーターの固定子(1)。
【請求項6】
多様な前記バスバー(10、11.1、11.2、11.3)の円弧形状の半径は相違し、前記バスバー(10、11.1、11.2、11.3)は前記多様なバスバー(10、11.1、11.2、11.3)の円弧形状が同じ中心点を有するか、前記円弧形状の中心点が少なくとも前記円弧形状の平面に垂直である同じ軸に位置するように配置されることを特徴とする請求項5に記載の冷媒圧縮機駆動用電気モーターの固定子(1)。
【請求項7】
前記ベースプレート(8)は前記連結要素を収容して支持する別途の収容空間(20、21.1、21.2、21.3)を提供するように、そして適切な場合、モーター駆動制御部に対するインターフェースの前記ライン要素に連結するための前記連結部(14.1、14.2、14.3)のための収容空間(16.1、16.2、16.3)も提供するように設計されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のうち何れかの一項に記載の冷媒圧縮機駆動用電気モーターの固定子(1)。
【請求項8】
前記ベースプレート(8)は前記コイル連結装置(2)の円周を限定する除去可能な外部リング(9)が付着される外部縁を有する円形リング形状を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のうち何れかの一項に記載の冷媒圧縮機駆動用電気モーターの固定子(1)。
【請求項9】
前記ワイヤー端部(6a、6b)は前記外部リング(9)と前記ベースプレート(8)の外部縁の間を通過し、前記ワイヤー端部(6a、6b)が前記ベースプレート(8)に位置する前記連結要素と電気的連結が可能なことを特徴とする請求項8に記載の冷媒圧縮機駆動用電気モーターの固定子(1)。
【請求項10】
環形の前記ベースプレート(8)は位相の個数に対応する多数の半径方向内向凸突出部が形成される内部縁を有し、前記ベースプレート(8)の内部円周にあるこれら凸突出部それぞれは、内部側壁(15e)の対応する曲がった部分と共に、前記モーター駆動制御部に対するインターフェースの電気ライン要素に対する前記連結部(14.1、14.2、14.3)の中の1つの環形連結端部に対する前記収容空間(16.1、16.2、16.3)を形成することを特徴とする請求項8又は9に記載の冷媒圧縮機駆動用電気モーターの固定子(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷媒圧縮機駆動用電気モーターの固定子に関し、本発明はモバイルアプリケーションで化学冷媒及び天然冷媒用冷媒圧縮機に使用するのに適切である。
【背景技術】
【0002】
固定子の個別コイル及び位相の以前の接触は一般的に他の固定子部品に堅固に連結されたコイル分配機リングを使用した。固定子がモーター制御装置(インバータ)に直接接触する場合、このような類型の剛性コイル分配機リングを使用することができない。この場合、接触のための必要な軸方向及び側面公差補償を使用することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は接触のための必要な軸方向及び側面公差補償を生成できる固定子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するための一実施例による冷媒圧縮機駆動用電気モーターの固定子は、実質的に中空の円筒形状であり、その内側にその周りに沿って均一に分布し、その断面に対して半径方向内側に向かうコイルウェブを有する固定子ヨーク(yoke)を有する固定子コア(3)として、導体線は前記コイルウェブ周囲に巻き取られて少なくとも3個の位相に区分されるコイルを生成し、ベース絶縁体は前記固定子コアと前記巻き取られたコイル間に形成され、前記巻き取られたコイルのそれぞれはまたは前記コイルの中の数個が直列でコイルのストランド(strand)に連結された場合、各コイルのストランドは前記固定子ヨークの円周軸に対して軸方向に前記固定子のベース絶縁体を突出させる2個のワイヤー端部を有する、固定子コア;及び連結要素のための支持要素としてのベースプレート、前記ベースプレートに設置されて連結要素を通じて各コイルのストランドまたは各コイルの前記ベースプレートを軸方向に突出させる前記ワイヤー端部の第1ワイヤー端部に連結されて、全てのコイルまたはコイルのストランドを互いに連結させる第1連結要素、及び前記ベースプレートに設置される追加的な連結要素として、それぞれは位相の前記コイルのストランドまたはコイルの第2ワイヤー端部に連結されて、この位相の全てのコイルまたはコイルのストランドを互いに連結させる連結要素を有する追加的な連結要素を有する、コイル連結装置を含み、前記ベース絶縁体と前記コイル連結装置との間に間隔が存在するように前記コイル連結装置は前記ベースプレートを軸方向に突出させる前記巻き取られたコイルまたは前記コイルのストランドのワイヤー端部に連結される。
【0005】
締結類型及びスイチンリングとベース絶縁体との間の残った間隔は軸方向及び側面公差補償の両方を許容するので、コイル連結装置は「浮動(floating)」コイル連結装置とも称され、好ましい実施例において、「浮動」コイル連結リングともいう。
【0006】
軸方向及び側面公差の長所により固定子とモーター制御部(インバータ)の直接接触が可能である。本発明の有利な実施例によれば、それぞれが位相のコイルまたはコイルのストランドを互いに連結させる連結要素のそれぞれはモーター制御部(インバータ)に対するインターフェースを形成するライン要素に同じ位相の連結のための連結部を有する。したがって、この連結部はコイルまたはコイルのストランドのワイヤー端部と前記モーター制御部に対するインターフェースの電気ライン要素間の電気連結を許容する。
【0007】
一般的に前記コイル連結装置はポッティング(potting)材料で満たされる。構成要素を冷媒からまた互い間で絶縁させるために、前記コイルまたはコイルのストランドを前記連結要素に巻いて連結させた後、あらかじめ装着された浮動コイル連結装置でポッティングが発生する。ポッティングは個別通電要素間の連結点を強化することができる。このような方式で、コイルまたはコイルのストランドはスター連結及び各位相のコイルまたはコイルのストランドを通じて同時に連結されることができ、充分の空間が確保されて各通電部間の完全な絶縁が保障される。
【0008】
本発明の概念によれば、前記固定子のコイルまたはコイルのストランドそれぞれは並列で作動される固定子のコイルまたはコイルのストランドにスターポイント連結として第1連結要素を通じて連結される。好ましくは、各位相の各コイルまたは各コイルのストランドを互いに異なるコイルまたは互いに異なるコイルのストランドに連結して前記スターポイント連結を形成するバスバーがこのような目的のために使われる。有利な実施例によれば、前記バスバーは開放された円弧の基本形状を有し、その円周または弧の長さに沿って均一に分布して、それぞれがコイルまたはコイルのストランドの前記第1ワイヤー端部を収容する外部端部を有する半径方向外側に突出する数個の連結要素を有する。この場合、このようなバスバーの連結要素の全体個数は前記固定子のコイルまたはコイルのストランドの全体個数に該当するので、前記バスバーは前記連結要素を通じて前記固定子の全てのコイルまたはコイルのストランドと接触することができ、これらを電気的に互いに連結させる。
【0009】
前記追加的な連結要素は同様にそれぞれが開放された円弧の基本形状を有し、その円周または弧の長さに沿って均一に分布し、それぞれがコイルの前記第2ワイヤー端部を収容する外部端部を有する半径方向外側に突出する数個の連結要素を有するバスバーとして形成される。このようなバスバーはそれぞれが位相の全てのコイルまたはコイルのストランドの連結を生成するように設計されて前記コイルまたはコイルのストランドが同時に作動できる。また、これら3個のバスバーは好ましくはモーター駆動制御部であるインバータへの連結のためにそれぞれ電気ライン要素に対する連結を許容するように設計される。
【0010】
各位相の前記コイルまたはコイルのストランドを互いに連結するバスバーの場合、前記コイルまたはコイルのストランドに至る前記連結要素の全体個数は、この位相のコイルまたはコイルのストランドの全体個数に該当する。有利には、前記多様なバスバーの円弧形状の半径は相違し、前記バスバーは前記多様なバスバーの円弧形状が同じ中心点を有するか前記円弧形状の中心点が少なくとも前記円弧形状の平面に垂直である同じ軸に位置するように配置される。
【0011】
本発明の好ましい実施例で、前記固定子の全てのコイルを互いに連結してスターポイント連結を示す前記バスバーは半径方向に最も外側に配置されて結果的に他の全てのバスバーより大きい半径と大きい円周または大きい弧の長さをそれぞれ有する。また、このバスバーの円弧形状部分の開放された円弧は他のバスバーの開放された円弧より実質的に大きい中心点角度を有し、結果的に大きい円周角度を有する。本発明の一実施例によれば、スターポイント連結用バスバーも円形に閉鎖されるように形成される。
【0012】
半径方向にさらに内側に位置する他のバスバーは好ましくは外部バスバーのそれぞれの連結要素より半径方向にさらに長く形成される連結要素を有する。一般的に次の事項が適用される。それぞれのバスバーがさらに内側に配置されてバスバーの開放された円弧の半径が小さいほど、各位相に属するコイルの、または各位相に属するコイルのストランドの第2ワイヤー端部への連結を生成するために、半径方向に突出する連結要素はさらに長くならなければならない。
【0013】
さらに、位相の前記コイルまたはコイルのストランドを連結するために形成されるバスバーはそれぞれモーター駆動制御部であるインバータへの連結のために、それぞれ電気伝導体に対する連結を許容するように有利に設計される。そのため、前述した連結要素に加えて、このような各バスバーは前記モーター駆動制御部に対するインターフェースの電気ライン要素に対する各位相の半径方向内向連結部を有する。好ましくは前記連結部に環形連結端部が形成される。
【0014】
本発明の特に有利な実施例によれば、前記ベースプレートは前記連結要素を収容して支持する別途の収容空間を提供するように、そして適切な場合、前記モーター駆動制御部に対するインターフェースの前記ライン要素に連結するための前記連結部のための収容空間も提供するように設計される。例えば、バスバーに対する少なくとも部分的に円弧形状である側壁を有する対応する円弧形状収容空間は陥没部により備えられることができ、前記少なくとも部分的に円弧形状である側壁が2個の隣接したバスバー間にそれぞれ位置すれば、同時に前記側壁は前記それぞれ隣接したバスバー間の隔壁の役割を果たす。また、前記ベースプレートは前記連結部の連結端部のための収容空間を有することができる。側壁は有利には前記連結要素及び連結部を支持する役割を果たし、同時にこのようなバスバーに対して1つ以上のバスバーの上に半径方向に案内される連結要素及び連結部に対するスペーサー(spacer)である。好ましくは、前記収容空間の側壁には前記連結要素及び/または連結部を支持するための溝が備えられる。
【0015】
本発明の好ましい実施例によれば、ベースプレート自体は外部リングが位置する外部縁を有する環形形状を有する。前記外部リングは好ましくは除去可能な部品であるので、前記ワイヤー端部が前記外部リングと前記ベースプレートを組み立てる前にそれぞれ連結要素またはバスバーに案内されることができる。ここで、前記ワイヤー端部は好ましくは外部リングとベースプレートの外部縁の間を通過してワイヤー端部がベースプレートに位置する連結要素と電気的連結が可能である。組み立ての後は、前記外部リングは境界壁の役割を果たし、前記外部リングに囲まれた全体領域を樹脂でポッティングすることができる。
【0016】
本発明の他の実施例によれば、前記環形ベースプレートは半径方向に内側に向かう3個の凸突出部が形成される内部縁を有する。前記ベースプレートの内部円周にあるこれら凸突出部それぞれは、内部側壁の対応する曲がった部分と共に、前記モーター駆動制御部に対するインターフェースの電気ライン要素に対する前記連結部の中の1つの環形連結端部に対する収容空間を形成する。
【0017】
「フローティング(floating、浮動)」コイル連結リングの好ましい設計概念は簡単で効率的な方式で各位相のコイルまたはコイルのストランドを互いに連結することを許容する。例えば3段階に分かれたこのような複雑なコイルまたはコイルのストランドの連結を実現する最も直接的な方法は、バスバーを使用して全てのコイルまたはコイルのストランドを互いに連結できるようにし、前記モーター制御部(インバータ)に対するインターフェースを形成するライン要素に個別位相を連結できるようにするベースプレートを設計することであった。第1バスバーは各コイルまたは各コイルのストランドの側面に連結されて全てのコイルに対するスターポイント連結機能をする。それは全てのコイルまたはコイルのストランドがそれぞれこの要素を通じて連結されることを意味する。これはこのバスバーが各位相の各コイルまたは各コイルのストランドを互いに異なるコイルまたは互いに異なるコイルのストランドにそれぞれ連結するように設計されたことを意味する。残りの他のバスバー、三相の場合の3個のバスバーは位相に割り当てられた連結を生成するのに使われる。このようなバスバーは位相の全てのコイルまたはコイルのストランドを同時に作動するように設計されただけではなく、モーター駆動制御部に連結された電気導体に連結できるように設計される。
【0018】
このような類型の配線パターンの場合、ベースプレートのあるコイル連結リングが有利な設計解決策を示す。除去可能な外部リングが好ましく付着される前記ベースプレートはコイルまたはコイルのストランドの連結要素及び前記モーター制御部に対するインターフェースの電気ライン要素のための支持要素の機能を遂行する。
【0019】
本発明のもう1つの実施例によれば、密封チューブは電気ライン要素、好ましくは前記固定子と前記インバータの間のインターフェースを示す電気連結ピン(E-pin)がそれぞれ挿入されるコイル連結装置に挿入される。前記密封チューブの効果は密閉された環境内で前記ライン要素を絶縁させることであり、密閉された環境内部をインバータに密封するためのO-リングのための定着領域を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の実施例の追加的な細部事項、特徴及び利点は添付図面を参照して例示的な実施例に関する次の説明から明白になる。
図1】コイル連結装置のある固定子の側面図である。
図2】固定子コイルのワイヤー端部に連結されたコイル連結装置の平面図である。
図3】スターポイント連結(star point connection)用バスバー(bus bar)を図示する。
図4】位相の各コイルに対する3個のバスバー及び電気伝導体に対する連結を図示する。
図5】外部リングがあるベースプレート(base plate)を図示する。
図6】前記ベースプレートから離れる単一部品としての外部リングを図示する。
図7】電気連結ピン(E-Pin)用密封チューブを図示する。
図8】電気ライン要素として電気連結ピン(E-Pin)を図示する。
図9】ポッティング材料(potting material)はなく、モーター制御部に対するインターフェースとして付着されたライン要素を有するコイル連結装置の斜視図である。
図10】ポッティング後のコイル連結装置を図示する。
図11】ポッティング後のコイル連結装置をもってモーター制御部に対するインターフェースとしてライン要素を有する完成された固定子の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は冷媒圧縮機を駆動するための電気モーターの固定子(1)の側面図を図示し、この固定子には浮動(floating)コイル連結リングともいうコイル連結装置(2)がある。固定子(1)は固定子ヨーク(yoke)を有する固定子コア(3)を含み、固定子コア(3)は実質的に中空の円筒形状であり、その内側の周りに沿って均一に分布して、その断面に対して半径方向内側に向かうコイルウェブを有する。図1に図示されないが、コイルウェブの均一に分布した配列のため、固定子コアの周りに沿って分布する前記コイルウェブ周囲に導体線が巻かれてコイル(4)を生成する。図1に図示されるコイル(4)の分布は固定子コア内部に計12個のコイルが配列されていることを示す。コイル(4)は三相(4.1、4.2、4.3)に区分されて各位相は4個のコイルで構成される。ベース(base)絶縁体(5)は固定子コア(3)と巻線コイル(4)間に形成されて、それぞれの巻線コイル(4)は中空の円筒形状である固定子ヨークのシリンダー軸に対して軸方向に固定子(1)のベース絶縁体(5)を突出させる2個のワイヤー(wire)端部(6)を有する。コイル連結装置(2)は定義された間隔(7)がベース絶縁体(5)とコイル連結装置(2)の間で維持されるようにベース絶縁体を軸方向に突出させる巻線コイル(4)のワイヤー端部(6)に連結される。直列に連結されるコイルとの相互連結も可能である。図示されないこのような構成において、全てのコイルがベース絶縁体を軸方向に突出させる2個のワイヤー端部を有するのではなく、各コイルのストランド(strand)を有する。
【0022】
コイル連結装置(2)はコイルの軸方向に突出したワイヤー端部(6)に連結される図1にされない連結要素のための支持要素として実質的に環形であるベースプレート(8)を含む。ここで、ワイヤー端部(6)はコイル連結装置(2)の周りを制限する外部リング(9)とベースプレート(8)の外部縁の間を通過して、ワイヤー端部(6)がベースプレート(8)に位置する連結要素と電気的連結が可能である。外部リング(9)は好ましくはベースプレート(8)から除去できる部分として設計され、コイル連結装置(2)を装着する時、外部リング(9)がベースプレート(8)の外部縁に付着される前にワイヤーまたはワイヤー端部(6)それぞれはまずベースプレート(8)のコイルの外部縁を経て連結要素に容易にガイドされることができる。コイル連結装置(2)の組み立て後、外部リング(9)は外部リング(9)により囲まれた全体領域の樹脂ポッティング(potting)のための境界壁の役割も果たす。
【0023】
図2は固定子(1)の前面及び固定子コイルのワイヤー端部(6)に連結されたコイル連結装置(2)の平面図を図示し、コイル連結リングの形態に形成される。浮動(floating)コイル連結リング(2)の設計概念は各位相のコイルを最も簡単で最も効果的な方式で互いに連結することを可能にする。三相(4.1、4.2、4.3)に分離されるコイルのこのような複雑な連結を具現するための最も直接的な経路はバスバー(bus bar、母線)(10、11.1、11.2、11.3)を連結要素として使用することにあり、バスバーを使用して全てのコイルが互いに連結できるように、そして各位相(4.1、4.2、4.3)がモーター制御部(インバータ)に対するインターフェースを形成するライン(line)要素に連結できるようにベースプレート(8)を設計することにある。
【0024】
バスバー(10、11.1、11.2、11.3)それぞれは半径方向外側に突出する連結要素(12、13.1、13.2、13.3)を有する開放された円弧の形状を有し、多様なバスバー(10、11.1、11.2)の円弧形状の半径は相違する。バスバー(10、11.1、11.2、11.3)は多様なバスバー(10、11.1、11.2、11.3)の円弧形状が同じ中心点を有するか円弧形状の中心点が少なくとも図2に図示される平面に垂直である同じ軸に位置するように配置される。図2によれば、放射状に突出した連結要素(12、13.1、13.2、13.3)はそれぞれフォーク(fork)型端部を有する連結要素により形成される。半径方向に最も外側に配置されるバスバー(10)は他の全てのバスバー(11.1、11.2、11.3)に比べてそれぞれ大きい半径及び大きい円周または大きい弧の長さを有する。また、このバスバー(10)の円弧形状部分の開放された円弧は他のバスバー(11.1、11.2、11.3)の開放された円弧より実質的に大きい中心点角度を有し、結果的に大きい円周角度を有する。全体的に、計12個の半径方向外側に突出した連結要素(12)が外部バスバー(10)にそれぞれバスバー(10)の円周または弧の長さに沿って均一に分布する。対応されるように配置されるコイルのワイヤー端部でバスバー(10)は計12個のコイルそれぞれの一側に連結される。図2によれば、外部バスバー(10)の各連結要素(12)はフォーク型端部を有し、ワイヤー端部(6a)はバスバー(10)に連結される時、連結要素(12)のフォーク型端部に収容される。コイルを巻く方向と関連して、これは常にコイルの同じワイヤー端部(6a)である。図2の表現によれば、これは常に右側ワイヤー端部(6a)である。このような方式で、外部バスバー(10)は固定子の全ての12個コイルに対していわゆるスターポイント(star point)連結を形成する。これはこのバスバー(10)が各位相の各コイルを互いに連結する方式で設計されることを意味する。
【0025】
半径方向にさらに内側に位置する前記3個の他のバスバー(11.1、11.2、11.3)は位相(4.1、4.2、4.3)と関連する連結を生成するのに使われる。このバスバー(11.1、11.2、11.3)はそれぞれが位相の全てのコイルの連結を生成するように設計され、コイルが同時に作動できる。このために、これらバスバー(11.1、11.2、11.3)それぞれは4個の半径方向外側に突出する連結要素(13.1、13.2、13.3)を有するが、この連結要素それぞれは対応するバスバー(11.1、11.2、11.3)の円弧形状領域の円周または弧の長さに沿って均一に分布する。このような連結要素(13.1、13.2、13.3)はそれぞれの場合、外部バスバー(10)の計12個の連結要素(12)それぞれより半径方向にさらに長く形成される。図2に図示される実施例によれば、位相(4.1、4.2、4.3)のバスバー(11.1、11.2、11.3)それぞれは個別バスバー(11.1、11.2、11.3)の各隣接連結要素(13.1、13.2、13.3)が90゜の角度で互いに整列されるように各バスバー(11.1、11.2、11.3)の連結要素(13.1、13.2、13.3)が分布するように設計される。それぞれのバスバー(11.1、11.2、11.3)がさらに内側に配置され、バスバーの開放された円弧の半径が小さいほど、各位相(4.1、4.2、4.3)に属するコイルのワイヤー端部(6b)への連結-左側に位置する-を生成するために、半径方向に突出する連結要素(12、13.1、13.2、13.3)はさらに長くならなければならない。このために、コイルのそれぞれの左側ワイヤー端部(6b)は位相(4.1、4.2、4.3)のコイルを連結するバスバー(11.1、11.2、11.3)の中の1つの対応する連結要素(13.1、13.2、13.3)のフォーク型端部に収容される。また、これら3個のバスバー(11.1、11.2、11.3)はモーター駆動制御部であるインバータへの連結のためにそれぞれ電気伝導体に対する連結を許容するように設計される。このために、このような各バスバー(11.1、11.2、11.3)はモーター駆動制御部に対するインターフェースの電気ライン要素に対する各位相の半径方向内向連結部(14.1、14.2、14.3)を有する。 前記連結部(14.1、14.2、14.3)は図2による環形連結端部を有する。ベースプレート(8)は陥没部によりバスバー(10、11.1、11.2、11.3)に対する該円弧形状収容空間を提供するように設計され、バスバーの少なくとも部分的に円弧形状である側壁(15a、15b、15c、15d、15e)は中央側壁(15b、15c、15d)のように2個の隣接するバスバー(11.1、11.2;11.2、11.3)間に位置する限り、同時に、各隣接するバスバー間の隔壁(15b、15c、15d)の役割を遂行する。また、ベースプレートは連結部(14.1、14.2、14.3)の環形連結端部に対して該収容空間(16.1、16.2、16.3)を有する。図2による平面図において、ベースプレート自体は本質的に除去可能な外部リング(9)が位置する外部縁と半径方向に内側に向かう3個の凸突出部が形成される内部縁を有する円形リング形状を有する。ベースプレートの内部円周にあるこれら凸突出部それぞれは、軸方向に整列される内部側壁(15e)の対応する曲がった部分と共に、連結部(14.1、14.2、14.3)の中の1つの環形連結端部に対する収容空間(16.1、16.2、16.3)を形成する。
【0026】
図3は個別部品としてのスターポイント連結用バスバー(10)の斜視図である。バスバー(10)は計12個のコイルに対するスターポイント連結機能を果たし、これら全てはこの個別部品により連結される。したがって、開放された円弧の基本形状から始まり、バスバー(10)はそれぞれバスバー(10)の円周または弧の長さに沿って均一に分布し、1つのワイヤー端部をそれぞれ収容するフォーク型端部を有する半径方向外側に突出する計12個の連結要素(12)を有する。円弧に沿う連結要素の均一する分布はそれぞれの場合に円弧の2個の開放端部でお互いに向かい合う連結要素(12a、12b)を含んでバスバー(10)の隣接する連結要素(12)が30゜の角度で互いに整列される結果をもたらす。斜視図において、バスバー(10)の円弧形状領域の上部側から始まり、最初は優勢に軸方向に半径方向外側への突出部として連結要素(12)は凸曲率によって変更されてバスバー(10)の上側と直接隣接する。連結要素(12)のフォーク型端部(17)は軸方向に延長されるワイヤー端部が下から、すなわち、固定子コアのコイルから始まりフォーク型端部(17)に流入できるように整列される。この場合、フォーク型端部(17)はバスバー(10)の円弧形状領域と同じ平面に位置せず、若干上に位置する。バスバー(10)の円弧形状領域上の連結要素(12)の位置はバスバーがベースプレートの収容空間に位置する時、1つ以上の側壁または隔壁を横切って連結要素(12)の移動を容易にする。
【0027】
図4は3個のバスバー(11.1、11.2、11.3)配列の平面図を図示する。各バスバーは位相の4個のコイル全てに対して4個の連結要素(13.1、13.2、13.3)を有し、各位相はまた電気伝導体との連結のための連結部ら(14.1、14.2、14.3)を有する。図4に図示されるバスバー(11.1、11.2、11.3)はそれぞれが位相と関連する連結を生成し、そのようにすることで、これらコイルを同時に動作させるために位相の全てのコイルを互いに連結できるように設計される。そのため、前述したように、これらバスバー(11.1、11.2、11.3)それぞれは半径方向外側に突出する連結要素(13.1、13.2、13.3)を有する開放された円弧の形状を有する。バスバー(11.2、11.2、13.3)の円弧形状領域は同じ中心点を有し、多様なバスバー(11.1、11.2、11.3)の円弧形状半径は相違する。バスバー(11.1、11.2、11.3)の半径が小さいほど、連結要素(13.1、13.2、13.3)が半径方向にさらに長くなる。また、多様なバスバー(11.1、11.2、11.3)の円弧形状領域は円周方向にまたは弧方向にそれぞれ互いにオフセットされて配列される。両方は連結要素(13.1、13.2、13.3)の計12個のフォーク型端部(18.1、18.2、18.3)の配列が360゜の円周角を有する仮想の円弧の円周に沿って均一に分布するようにする。
【0028】
各バスバー(11.1、11.2、11.3)の円弧形状領域の上部側から始まり、連結要素(13.1、13.2、13.3)それぞれは最初は優勢に軸方向に半径方向外側への突出部として凸曲率によって変更されて、各バスバー(11.1、11.2、11.3)の上側と直接隣接する。連結要素(13.1、13.2、13.3)のフォーク型端部(18.1、18.2、18.3)は軸方向に延長されるワイヤー端部が下から、すなわち、固定子コアのコイルから始まりフォーク型端部(18.1、18.2、18.3)に流入できるように整列される。この場合、フォーク型端部(18.1、18.2、18.3)は各バスバー(11.1、11.2、11.3)の円弧形状領域と同じ平面に位置せず、その上に位置する。バスバー(11.1、11.2、11.3)の円弧形状領域上の連結要素(13.1、13.2、13.3)の位置は全てのバスバー(10、11.1、11.2、11.3)がベースプレートの収容空間に位置すれば、1つ以上の側壁または隔壁にわたって連結要素(13.1、13.2、13.3)の移動を容易にする。
【0029】
図4に図示されるバスバーそれぞれは追加的な連結要素として環形端部を有する半径方向内向の連結部(14.1、14.2、14.3)を有する。これは各位相に対する環形連結を提供し、モーター駆動制御部であるインバータに連結できる電気ライン要素にこの位相を連結できるようにする。3個の連結部(14.1、14.2、14.3)はベースプレート内部円周の半分未満領域にのみ分布する。図4の表現で最も外側に位置し、その円弧領域がここで最も大きい半径を有するバスバーの連結部(14.1)はこの配列内で中央に配置される。
【0030】
図5は外部リング(9)と共にベースプレート(8)の斜視図である。ベースプレート(8)は前述したバスバー及びインバータへの連結のための電気ライン要素に対する支持要素の機能を遂行する。
【0031】
ベースプレート(8)は外側リング(9)が配置される外部縁と半径方向に内側に向かう3個の凸突出部が形成される内部縁を有する円形リング形状を本質的に有する。内部側壁(15e)の相応する曲線部と瓦共にベースプレートの内部円周にあるこれらそれぞれの膨らんだ突出部は図5に図示されていない各ライン要素に位相を連結させる連結部の環形連結端部のための収容空間(16.1、16.2、16.3)を形成するが、各ライン要素はモーター制御部に対するインターフェースとして提供される。各収容空間(16.1、16.2、16.3)内で、各ライン要素を収容するためのベースプレートを貫通する円形穴(19.1、19.2、19.3)が形成される。3個の収容空間(16.1、16.2、16.3)はベースプレート内部円周の半分未満領域にのみ分布する。中央に位置する収容空間(16.1)は該当する連結端部を有する3個のバスバー中円弧形状領域の最も大きい半径を有し、それにより最も外側に位置するバスバーの環形連結端部をために備えられる。
【0032】
中心点の同じ円弧形状のバスバー(10、11.1、11.2、11.3)に対する計4個の円弧形状の収容空間(20、21.1、21.2、21.3)がベースプレート(8)に形成される。第1外部収容空間(20)は外部バスバー(10)のために備えられる(図2を参照)。第1収容空間(20)の内部に半径方向に隣接して位相のコイルを連結するためのバスバーを収容するために形成される第2外部収容空間(21.1)は、さらに小さな中心角を有することによって第1収容空間(20)の円弧より小さな円周角を有する円弧を形成し、第1円弧形状収容空間(20)は円弧形状である第2収容空間(21.1)のそばの全体弧の長さに沿って位置しない。収容空間(20、21.1)が互いに隣接するように位置する領域で、これらは互いに分離されて円弧形状隔壁(15b)により離隔される。第2収容空間(21.1)の内部から半径方向に隣接し、位相のコイルを連結するための追加バスバーを収容するために備えられる追加的な第3収容空間(21.2)は第2収容空間(21.1)に対して円周方向または弧方向にオフセットされて配列され、円弧形状収容空間(21.1、21.2)は全体弧の長さに沿って互いにそばに位置しない。第2収容空間(21.1)と第3収容空間(21.2)が互いに隣接するように位置する領域で、これらは互いに分離されて円弧形状隔壁(15c)により離隔される。第3収容空間(21.2)の内部から半径方向に隣接し、位相のコイルを連結するための追加バスバーを収容するために備えられる追加的な第4収容空間(21.3)は第3円弧形状収容空間(21.2)及び第2収容空間(21.1)に対して円周方向または弧方向にオフセットされて配列される。第3収容空間(21.2)と第4収容空間(21.3)が互いに隣接するように位置する領域で、これらは互いに分離されて円弧形状隔壁(15d)により離隔される。
【0033】
また、半径方向に整列される連結要素及び連結部の半径方向に整列される部分のための多数の陥没部がベースプレートに形成され、それぞれが側壁(15a、15b、15c、15d)に基本的に長方形溝(22)により、または半径方向に交互に配置される数個の離隔溝により形成されるこれら陥没部は基本的に数個の隔壁(15a、15b、15c、15d)に形成される。一部溝(22)は電気ライン要素に位相を連結する役割を果たす連結部の半径方向に整列される領域を配置するために備えられる。
【0034】
ベースプレート(8)に連結するために、全体円周にわたって規則的に分布し、内側に幅が減少する実質的に台形である表面を有する半径方向内側突出ラッチング(latching)要素(23)を外部リング(9)はその下部縁で有する。しかし、ラッチング要素(23)それぞれはその縁の中の1つで凹湾曲部(24)を有する。凹湾曲部はベースプレートの溝と共に固定子のコイルのワイヤー端部に対するフィードスルー(feed-through)開口部(25)を提供する。
【0035】
図6はベースプレートから離れている単一部品としての外部リング(9)を図示する平面図である。外部リング(9)はベースプレートで除去可能であり、ワイヤーがバスバーに案内できるようにする部品として設計される。コイル連結リングを組み立てた後、外部リング(9)は全体領域をポッティング(potting)する樹脂用境界壁の役割も果たす。
【0036】
凹湾曲部(24)はベースプレートの対応する反対領域と共に軸方向に整列されるワイヤー端部用フィードスルー開口部を形成し、また外部リング(9)の全体円周に沿って規則的に分布して半径方向内側に突出するラッチング要素(23)の個数はコイル個数の2倍に該当するので、コイルのワイヤー端部の全体個数である計24個に該当する。
【0037】
図7は電気連結ピン用密封チューブ(26)を図示する。図7に図示されていない電気連結ピン(E-pin)は電気ライン要素の一実施例として密封チューブ(26)の中の1つに装着される。密封チューブ(26)の効果は密閉された環境内で電気連結ピン(E-pin)を絶縁させることで密閉された環境内部をインバータに密封するためのO-リングのための装着領域を提供することである。
【0038】
電気連結ピン(E-pin)(27)の中の1つが図8に図示される。電気連結ピン(27)は固定子とモーター駆動システム、すなわちインバータ間のインターフェースを示す電気伝導体である。
【0039】
外部リング(9)と共にベースプレート(8)の該斜視図である図5とは異なって、図9はポッティング及びワイヤー端部がなく、挿入されたバスバー(10、11.1、11.2、11.3)、密封チューブ(26)及び電気連結ピン(27)のある全体コイル連結装置(2)の斜視図を図示する。バスバー(10、11.1、11.2、11.3)及びインバータに連結するための連結ピン(27)のための支持要素としてのベースプレート(8)は電気伝導性バスバー(10、11.1、11.2、11.3)、連結要素(12、13.1、13.2、13.3)または連結部(14.1、14.2、14.3)の支持及び相互離隔のための必要な陥没部(20、21.1、21.2、21.3)及び溝(22)だけではなく連結部(14.1、14.2、14.3)の環形端部及び電気ライン要素として連結ピン(27)のための必要な収容空間(16.1、16.2、16.3)を有する。このような方式で、コイルはスター連結及び各位相のコイルを通じて同時に連結でき、充分の空間が確保されて各通電部間の完全な絶縁が保障される。
【0040】
図10はポッティング材料(potting material)(28)が構成要素を冷媒から、また互い間で絶縁させるために巻線後にあらかじめ装着された浮動コイル連結リングに鋳造された以後のコイル連結装置(2)を図示する。ポッティングは個別通電要素間の連結点を強化する。この場合、ライン要素を収容するための穴(19.1、19.2、19.3)は自由に維持される。また、外部リング(9)は外部リングにより囲まれる全体領域の樹脂ポッティングのための外部境界壁の役割も果たす。内部側壁(15e)は樹脂ポッティングのための内部境界壁の役割を果たす。
【0041】
ポッティング材料(28)で満たされた円筒形固定子コア(3)及びコイル連結装置(2)を有する完成された固定子(1)の斜視図が図11に図示される。この場合、それぞれが密封チューブ(26)に挿入される3個の連結ピン(27)がポッティングされたコイル連結装置で密封チューブ(26)と共に流入して個別位相のバスバーの連結部に電気的に連結される。コイル連結リング(2)の図示される実施例の形態のコイル連結装置(2)はベース絶縁体(5)を軸方向に突出させる巻線コイルのワイヤー端部(6)と連結される。ベース絶縁体(5)とコイル連結装置(2)間の該当する間隔(7)は軸方向公差補償を許容する。同時に、このような類型の締結は側面公差補償も生成する。
【符号の説明】
【0042】
1 固定子
2 コイル連結装置、コイル連結リング
3 固定子コア
4 コイル
4.1 位相、位相のコイル
4.2 位相、位相のコイル
4.3 位相、位相のコイル
5 ベース絶縁体
6 ワイヤー端部
6a ワイヤー端部(スターポイント連結用)
6b ワイヤー端部(位相連結用)
7 間隔
8 ベースプレート
9 外部リング
10 バスバー、スターポイント連結
11.1、11.2、11.3 バスバー
12、13.1、13.2、13.3 連結要素
12a、12b 開放された円弧の端部での連結要素
14.1、14.2、14.3 連結部
15a、15d 側壁
15b、15c 側壁、隔壁
15e 側壁、内部側壁
16.1、16.2、16.3 収容空間
17 バスバー(10)のフォーク型端部
18.1 バスバー(11.1)のフォーク型端部
18.2 バスバー(11.2)のフォーク型端部
18.3 バスバー(11.3)のフォーク型端部
19.1、19.2、19.3 ライン要素収容穴
20 バスバー(10)収容空間
21.1 バスバー(11.1)収容空間
21.2 バスバー(11.2)収容空間
21.3 バスバー(11.3)収容空間
22 側壁の溝
23 外部リング(9)のラッチング要素
24 ラッチング要素(23)の凹湾曲部
25 ワイヤー端部用フィードスルー開口部
26 密封チューブ
27 ライン要素;電気連結ピン;E-pin
28 ポッティング材料


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】