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特表2024-531909弁アセンブリ及びそれを有する電子膨張弁
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-03
(54)【発明の名称】弁アセンブリ及びそれを有する電子膨張弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 27/02 20060101AFI20240827BHJP
   F16K 31/04 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
F16K27/02
F16K31/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506462
(86)(22)【出願日】2022-09-01
(85)【翻訳文提出日】2024-03-25
(86)【国際出願番号】 CN2022116591
(87)【国際公開番号】W WO2023030462
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】202122115734.2
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122112606.2
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122118124.8
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122112835.4
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122113454.8
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】賀 宇辰
(72)【発明者】
【氏名】徐 冠軍
(72)【発明者】
【氏名】陳 勇好
(72)【発明者】
【氏名】趙 俊
(72)【発明者】
【氏名】劉 ▲トウ▼暉
(72)【発明者】
【氏名】黄 鴻峰
【テーマコード(参考)】
3H051
3H062
【Fターム(参考)】
3H051AA01
3H051BB05
3H051CC13
3H051DD01
3H051FF01
3H051FF08
3H062AA02
3H062AA15
3H062BB01
3H062CC02
3H062DD01
3H062FF38
3H062GG04
3H062HH04
3H062HH08
3H062HH09
(57)【要約】
順次連通される上部弁室(10a)及び下部弁室(10b)を有し、下部弁室(10b)の上部弁室(10a)から離れた一端に位置する弁口(14)を有する弁座(10)と、弁座(10)内に設けられ且つ上部弁室(10a)及び下部弁室(10b)内に挿設されたガイドスリーブ(20)と、を含み、ガイドスリーブ(20)の弁口(14)に近接する端部と弁口(14)との間隔はH、下部弁室(10b)の直径はDであり、ここで、HとDとの比率は0.4~0.6の間にある、弁アセンブリ及びそれを有する電子膨張弁である。この弁アセンブリ及び電子膨張弁は、従来技術における冷却システムの稼働過程で冷媒が電子膨張弁を流れるノイズが比較的大きいという問題を解決することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
順次連通される上部弁室(10a)及び下部弁室(10b)を有し、前記下部弁室(10b)の前記上部弁室(10a)から離れた一端に位置する弁口(14)を有する弁座(10)と、
前記弁座(10)内に設けられ、且つ前記上部弁室(10a)及び前記下部弁室(10b)内に挿設されたガイドスリーブ(20)と、を含み、
前記ガイドスリーブ(20)の前記弁口(14)に近接する端部と前記弁口(14)との間隔はH、前記下部弁室(10b)の直径はDであり、ここで、HとDとの比率は0.4~0.6の間にある、
弁アセンブリ。
【請求項2】
前記ガイドスリーブ(20)は、第1セグメント(21)の第3ロッドセグメント(21c)及び第2セグメント(22)を含み、
前記第3ロッドセグメント(21c)と前記第2セグメント(22)とは段差状に設けられ、
前記第3ロッドセグメント(21c)の直径は、前記第2セグメント(22)の直径より大きい、請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項3】
前記第2セグメント(22)の直径と前記下部弁室(10b)の直径との比率は、0.5~0.8の間にある、請求項2に記載の弁アセンブリ。
【請求項4】
前記第3ロッドセグメント(21c)の直径と前記下部弁室(10b)の直径との比率は、0.8~1の間にある、請求項2に記載の弁アセンブリ。
【請求項5】
前記下部弁室(10b)の直径は、3mm~6mmの間にある、請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項6】
前記第2セグメント(22)の高さはLであり、ここで、LとHとの比率は0.1~0.4の間にある、請求項2に記載の弁アセンブリ。
【請求項7】
前記ガイドスリーブ(20)の両側に断面構造(23)を有し、
前記断面構造(23)と前記上部弁室(10a)の内壁との間には、均衡化通路を有する、請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項8】
前記弁座(10)は、段差状をなして順に設けられた第1弁室(11)、第2弁室(12)及び第3弁室(13)を有し、
前記弁口(14)は、前記第3弁室(13)の前記第2弁室(12)から離れた一端に位置し、
前記ガイドスリーブ(20)は、前記第1弁室(11)、第2弁室(12)及び第3弁室(13)内に挿設され、且つ前記弁座(10)に固定接続され、
前記ガイドスリーブ(20)と前記第1弁室(11)の内壁との間は、第1隙間を有し、
前記ガイドスリーブ(20)と前記第2弁室(12)の内壁との間は、第2隙間を有し、
前記ガイドスリーブ(20)と前記第3弁室(13)の内壁との間は、第3隙間を有し、
前記第2隙間は、1mm~2mmの間にあり、
前記第3隙間は、0.2mm~1mmの間にある、請求項2に記載の弁アセンブリ。
【請求項9】
前記第3弁室(13)は、順次に連通された第3弁室上部室(131)、第3弁室メイン室(133)及び第3弁室下部室(132)を含み、
前記第1弁室(11)、前記第2弁室(12)及び前記第3弁室上部室(131)の直径は、前記弁口(14)に接近する方向に向かって順に小さくなっている、請求項8に記載の弁アセンブリ。
【請求項10】
前記第2弁室(12)の直径と前記第1弁室(11)の直径との比率は、0.6~0.8の間にある、請求項9に記載の弁アセンブリ。
【請求項11】
前記第3弁室(13)の直径と前記第2弁室(12)の直径との比率は、0.6~0.8の間にある、請求項9に記載の弁アセンブリ。
【請求項12】
前記第1弁室(11)、前記第2弁室(12)及び前記第3弁室(13)の高さは、前記弁口(14)に接近する方向に向かって順に大きくなっている、請求項8に記載の弁アセンブリ。
【請求項13】
前記第2弁室(12)の高さと前記第1弁室(11)の高さとの比率は、0.8~1.2の間にある、請求項8に記載の弁アセンブリ。
【請求項14】
前記第3弁室(13)の高さと前記第2弁室(12)の高さとの比率は、1.2~1.6の間にある、請求項8に記載の弁アセンブリ。
【請求項15】
前記第1セグメント(21)は、軸方向に沿って順に接続された第1ロッドセグメント(21a)、第2ロッドセグメント(21b)及び第3ロッドセグメント(21c)を有し、
前記第1ロッドセグメント(21a)と前記第1弁室(11)の内壁との間には、前記第1隙間が形成され、
前記ガイドスリーブ(20)には断面構造(23)が更に設けられており、
前記断面構造(23)は、前記第2ロッドセグメント(21b)及び第3ロッドセグメント(21c)の側壁に位置し、且つ前記断面構造(23)は、軸方向において、前記第2ロッドセグメント(21b)の前記第1ロッドセグメント(21a)に接続された一端から前記第3ロッドセグメント(21c)の末端まで延在し、
前記断面構造(23)と前記第2弁室(12)の内壁との間には、前記第2隙間が形成され、
前記断面構造(23)と前記第3弁室(13)の内壁との間には、前記第3隙間が形成される、請求項9に記載の弁アセンブリ。
【請求項16】
前記ガイドスリーブ(20)には2つの前記断面構造(23)が設けられており、
2つの前記断面構造(23)は、前記ガイドスリーブ(20)の両側に対称的に設けられている、請求項15に記載の弁アセンブリ。
【請求項17】
前記第1隙間、前記第2隙間及び前記第3弁室(13)は、相互に連通され、
2つの前記断面構造(23)の間隔と前記第3弁室上部室(131)の直径との比率は、0.85~0.96の間にある、請求項16に記載の弁アセンブリ。
【請求項18】
前記第3弁室上部室(131)の長さはL1、前記第3弁室上部室(131)の直径はD6、2つの前記断面構造(23)の間隔はSであり、
L1=0.5*(D6-S)*(1.2~3.5)である、請求項17に記載の弁アセンブリ。
【請求項19】
前記第2ロッドセグメント(21b)と前記第2弁室(12)とは、トランジションフィット又はインターフェアランスフィットであり、
前記第2ロッドセグメント(21b)は、前記ガイドスリーブ(20)と前記弁座(10)との相対変位を制限するために用いられる、請求項17に記載の弁アセンブリ。
【請求項20】
前記第2ロッドセグメント(21b)と前記第3ロッドセグメント(21c)とは、段差状に設けられ、
前記第2ロッドセグメント(21b)は、前記第2弁室(12)に対応して設けられ、
前記第3ロッドセグメント(21c)は、前記第3弁室上部室(131)及び前記第3弁室メイン室(133)内に挿設されている、請求項17に記載の弁アセンブリ。
【請求項21】
前記第3弁室メイン室(133)の直径は、前記第3弁室上部室(131)の直径より小さい、請求項17に記載の弁アセンブリ。
【請求項22】
前記第3ロッドセグメント(21c)の直径と前記第3弁室上部室(131)の直径との比例関係は、0.85~1の間にある、請求項17に記載の弁アセンブリ。
【請求項23】
前記第1ロッドセグメント(21a)と前記第1弁室(11)との間の隙間は、2mm~4mmの間にあり、
前記断面構造(23)と前記第2弁室(12)との間の隙間は、1mm~2mmの間にある、請求項17に記載の弁アセンブリ。
【請求項24】
前記弁座(10)は、段差状をなして順に設けられた第1弁室(11)、第2弁室(12)及び第3弁室(13)有し、
前記弁口(14)は、前記第3弁室(13)の前記第2弁室(12)から離れた一端に位置し、
前記弁座(10)の側壁には第1接続孔(15)が設けられており、
前記弁座の端部には第2接続孔(16)が設けられており、
前記第1接続孔(15)は、前記第3弁室(13)と連通され、
前記第2接続孔(16)は、前記弁口(14)と連通され、
前記第1接続孔(15)の軸線と前記第3弁室(13)の軸線とは、互いに垂直であり、
前記第2接続孔(16)の軸線と前記第3弁室(13)の軸線とは、重なっており、
前記第1接続孔(15)の末端は、前記第3弁室(13)の内壁に位置し、
前記第1接続孔(15)の末端には、相互に接続された第1直孔セグメント(151)及び第1テーパ孔セグメント(152)を有し、
前記第1テーパ孔セグメント(152)のテーパ角は、80°~170°の間にある、請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項25】
前記第3弁室(13)は、軸線に沿って順次に設けられた第3弁室上部室(131)、第3弁室メイン室(133)及び第3弁室下部室(132)を有し、
前記弁口(14)は、前記第3弁室下部室(132)の前記第3弁室上部室(131)から離れた端部に位置し、
前記第1接続孔(15)部分は、前記第3弁室メイン室(133)内に位置する、請求項24に記載の弁アセンブリ。
【請求項26】
前記第3弁室下部室(132)の高さは、0.3mm~4mmの間にある、請求項25に記載の弁アセンブリ。
【請求項27】
前記第1直孔セグメント(151)の長さは、0.3mm~3mmの間にある、請求項24に記載の弁アセンブリ。
【請求項28】
前記第3弁室下部室(132)の高さと前記第1直孔セグメント(151)の直径との比率は、0.05~0.5の間にある、請求項25に記載の弁アセンブリ。
【請求項29】
前記第1テーパ孔セグメント(152)は、対向して設けられた第1端及び第2端を有し、
前記第1端は、前記第1直孔セグメント(151)に接続され、
前記第1端の直径は、前記第1直孔セグメント(151)の直径と同じである、請求項24に記載の弁アセンブリ。
【請求項30】
前記第1テーパ孔セグメント(152)は、対向して設けられた第1端及び第2端を有し、
前記第1端は、前記第1直孔セグメント(151)に接続され、
前記第1端の直径は、前記第1直孔セグメント(151)の直径より小さい、請求項24に記載の弁アセンブリ。
【請求項31】
前記第1接続孔(15)は、第2直孔セグメント(153)を更に含み、
前記第1直孔セグメント(151)、前記第2直孔セグメント(153)及び前記第1テーパ孔セグメント(152)は、順次連通され、且つ前記第2直孔セグメント(153)の直径は前記第1直孔セグメント(151)の直径より小さく、
前記第1テーパ孔セグメント(152)は、対向して設けられた第1端及び第2端を有し、
前記第1端は、前記第2直孔セグメント(153)に接続され、
前記第1端の直径は、前記第2直孔セグメント(153)の直径と同じである、請求項24に記載の弁アセンブリ。
【請求項32】
前記第1接続孔(15)は、第2テーパ孔セグメント(154)を更に含み、
前記第1直孔セグメント(151)、前記第2テーパ孔セグメント(154)及び前記第1テーパ孔セグメント(152)は、順次連通されている、請求項24に記載の弁アセンブリ。
【請求項33】
前記弁座には、第1接続口(17)及び第2接続口(18)が設けられており、
前記第1接続口(17)は、前記下部弁室(10b)と連通され、
前記弁座には第1遷移孔セグメント(141)が更に設けられており、
前記第1遷移孔セグメント(141)は、弁口(14)と順次に連通され、
前記第1遷移孔セグメント(141)は、対向して設けられた第1端(1411)及び第2端(1412)を有し、
前記第1端(1411)は、前記弁口(14)と連通され、
前記第2端(1412)は、前記第2接続口(18)と連通され、
前記第1遷移孔セグメント(141)は、テーパ状の構造であり、
前記第1端(1411)の孔径は、前記第2端(1412)の孔径より小さく、
前記第1遷移孔セグメント(141)のテーパ角の角度は、15°~60°の間にある、請求項1に記載の弁アセンブリ。
【請求項34】
前記第1遷移孔セグメント(141)の孔径は、前記弁口(14)の孔径以上である、請求項33に記載の弁アセンブリ。
【請求項35】
前記第1端(1411)の孔径は、2.5mm~5mmの間にある、請求項33に記載の弁アセンブリ。
【請求項36】
前記第1遷移孔セグメント(141)の軸方向に沿う長さは、0.8mm~5mmの間にある、請求項33に記載の弁アセンブリ。
【請求項37】
前記弁座には、第2遷移孔セグメント(142)が更に設けられており、
前記第2遷移孔セグメント(142)の一端は、前記第2端(1412)と連通され、
前記第2遷移孔セグメント(142)の他端には、前記第2接続口(18)が形成される、請求項33に記載の弁アセンブリ。
【請求項38】
前記第2遷移孔セグメント(142)の軸線方向に沿う孔径は、同じである、請求項37に記載の弁アセンブリ。
【請求項39】
前記第2遷移孔セグメント(142)の孔径は、前記第2端(1412)の孔径と等しい、請求項37に記載の弁アセンブリ。
【請求項40】
前記第2遷移孔セグメント(142)の外径は、第1遷移孔セグメント(141)の外径より小さい、請求項37に記載の弁アセンブリ。
【請求項41】
前記弁口(14)の軸方向に沿う長さは、0.5mm~2mmの間にある、請求項33に記載の弁アセンブリ。
【請求項42】
前記弁口(14)の両端の端口には、面取りが穿設されている、請求項33に記載の弁アセンブリ。
【請求項43】
前記面取りのサイズは、C0.05mm~C0.15mmの間にある、請求項42に記載の弁アセンブリ。
【請求項44】
請求項1から43のいずれか一項に記載の弁アセンブリを含む、電子膨張弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年9月2日に中国国家知識財産局に提出された、出願番号が202122115734.2であり、発明の名称が「電子膨張弁」である特許出願の優先権、2021年9月2日に中国国家知識財産局に提出された、出願番号が202122112606.2であり、発明の名称が「電子膨張弁」である特許出願の優先権、2021年9月2日に中国国家知識財産局に提出された、出願番号が202122118124.8であり、発明の名称が「弁座及びそれを有する電子膨張弁」である特許出願の優先権、2021年9月2日に中国国家知識財産局に提出された、出願番号が202122112835.4であり、発明の名称が「弁アセンブリ及びそれを有する電子膨張弁」である特許出願の優先権、及び2021年9月2日に中国国家知識財産局に提出された、出願番号が202122113454.8であり、発明の名称が「弁座」である特許出願の優先権を主張する。
【0002】
本出願は電子膨張弁の技術分野に関し、具体的には、弁アセンブリ及びそれを有する電子膨張弁に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、従来の電子膨張弁は、ハウジング、弁座及びガイドスリーブを含み、ハウジングは収容室を有し、ハウジングカバーは、弁座の上端に設けられ、弁座には弁室が設けられており、ガイドスリーブは、弁室内に挿設され、且つ収容室と弁室とを独立した2つのチャンバに仕切る。従来の態様において、ガイドスリーブと弁室とは、一般的に、トランジションフィットであり、流体が弁室を流れるときに乱流が生じることがあり、乱流が圧力脈動を引き起して、比較的大きいノイズを発し、ユーザの快適度体験に影響を与える。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、従来技術における電子膨張弁のノイズが大きいという課題を解決するために、弁アセンブリ及びそれを有する電子膨張弁を提供する。
【0005】
本出願の一側面によれば、順次連通される上部弁室及び下部弁室を有し、下部弁室の上部弁室から離れた一端に位置する弁口を有する弁座と、弁座内に設けられ、且つ上部弁室及び下部弁室内に挿設されたガイドスリーブと、を含み、ガイドスリーブの弁口に近接する端部と弁口との間隔はH、下部弁室の直径はDであり、ここで、HとDとの比率は0.4~0.6の間にある、弁アセンブリを提供する。
【0006】
上記の構造を設けることにより、ガイドスリーブを下部弁室内に挿設すると同時に、ガイドスリーブの端部と弁口とが間隔を有することで、ガイドスリーブと下部弁室との間に圧抜き空間を形成させることができ、電子膨張弁が稼働するとき下部弁室内の圧力が安定するようになることを確保するだけでなく、流体が下部弁室を流れるときに生じる乱流を減少させることができ、このようにして、電子膨張弁の稼働時のノイズを効果的に減少させることができ、電子膨張弁の正常な使用を確保する。
【0007】
更に、ガイドスリーブは、第1セグメントの第3ロッドセグメント及び第2セグメントを含み、第3ロッドセグメントと第2セグメントとは段差状に設けられ、第3ロッドセグメントの直径は第2セグメントの直径より大きい。第1セグメントの第3ロッドセグメントと第2セグメントとを段差状に設け、且つ下部弁室と対応して設けることで、取り付け過程でガイドスリーブをガイドすることに有利であり、ガイドスリーブの取り付けが容易になって、組み立て効率を向上させる。
【0008】
更に、第2セグメントの直径と下部弁室の直径との比率は0.5~0.8の間にある。このように設けると、第2セグメントと下部弁室との間の空間を増大させると同時に、共振器原理に基づき、この装置のノイズ低減効果を更に向上させる。
【0009】
更に、第3ロッドセグメントの直径と下部弁室の直径との比率は0.8~1の間にある。このように設けると、第1セグメントと下部弁室との間に隙間が形成されると同時に、共振器原理に基づき、この装置のノイズ低減効果を更に向上させる。
【0010】
更に、下部弁室の直径は3mm~6mmの間にある。このように設けると、装置が稼働するとき流体による下部弁室内での乱流を減少させて、装置の稼働時の騒音を低減させることができる。
【0011】
更に、第2セグメントの高さはLであり、ここで、LとHとの比率は0.1~0.4の間にある。上記の設置により、ガイドスリーブと下部弁室との構造関係を合理的に設定することができ、ガイドスリーブ及び下部弁室の加工が容易になるだけでなく、ガイドスリーブと下部弁室との組み立てにも有利であり、同時に、流体が下部弁室を流れるときに生じる比較的大きい渦による乱流も効果的に低減させて、装置の稼働時のノイズを低減させることができる。
【0012】
更に、ガイドスリーブの両側には断面構造を有し、断面構造と上部弁室の内壁との間には均衡化通路を有する。断面構造を設けることにより、下部弁室とマッチング接続して複数の隙間を形成することができ、このようにして、電子膨張弁のノイズ低減効果を更に向上させることができる。
【0013】
本出願の別の態様によれば、上記の弁アセンブリを含む電子膨張弁を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願を不適切に限定するものではない。
【0015】
図1】本出願で提供される第1例示における弁アセンブリの断面模式図を示す。
図2】本出願で提供される第1例示における弁座の断面模式図を示す。
図3】本出願で提供される第1例示におけるガイドスリーブの構造模式図を示す。
図4】本出願で提供される第1例示における電子膨張弁の断面模式図を示す。
図5】本出願で提供される第1例示におけるガイドスリーブのサイズ模式図を示す。
図6】本出願で提供される第2例示における電子膨張弁の断面模式図を示す。
図7】本出願で提供される第2例示における弁座の断面模式図を示す。
図8】本出願で提供される第2例示におけるガイドスリーブのサイズ模式図を示す。
図9】本出願で提供される第3例示における電子膨張弁の断面模式図を示す。
図10】本出願で提供される第3例示におけるガイドスリーブと弁座との組み立て後のサイズ模式図を示す。
図11】本出願で提供される第3例示におけるガイドスリーブのサイズ模式図を示す。
図12】本出願で提供される第4例示における弁座の断面模式図を示す。
図13】本出願で提供される第4例示における弁座の別の実施例の断面模式図を示す。
図14】本出願で提供される第4例示における弁座の別の実施例の断面模式図を示す。
図15】本出願で提供される第4例示における弁座の別の実施例の断面模式図を示す。
図16】本出願で提供される第5例示における弁座の構造模式図を示す。
図17図16におけるE箇所の部分拡大図を示す。
図18】本出願で提供される第5例示における弁座のサイズ模式図を示す。
【0016】
ここで、上記の図面には以下の符号が含まれる。
10 弁座、10a 上部弁室、10b 下部弁室、11 第1弁室、12 第2弁室、13 第3弁室、131 第3弁室上部室、132 第3弁室下部室、133 第3弁室メイン室、14 弁口、141 第1遷移孔セグメント、1411 第1端、1412 第2端、142 第2遷移孔セグメント、
15 第1接続孔、151 第1直孔セグメント、152 第1テーパ孔セグメント、153 第2直孔セグメント、154 第2テーパ孔セグメント、16 第2接続孔、
17 第1接続口、18 第2接続口、
20 ガイドスリーブ、21 第1セグメント、21a 第1ロッドセグメント、21b 第2ロッドセグメント、21c 第3ロッドセグメント、22 第2セグメント、23 断面構造、
30 ケーシング、31 収容室、40 ナットスリーブ、50 スクリュ、60 スピンドルアセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本出願の実施例における図面を参照して、本出願の実施例における技術態様を明瞭に且つ完全に記述するが、記述される実施例は、単に本出願の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力なしに得られた全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属するものとする。
【0018】
図1から図3に示すように、本出願の実施例は、弁座10及びガイドスリーブ20を含む弁アセンブリを提供する。ここで、弁座10は、順次連通される上部弁室10a及び下部弁室10bを有し、弁座10は、下部弁室10bの上部弁室10aから離れた一端に位置する弁口14を有し、ガイドスリーブ20は、弁座10内に設けられ、且つガイドスリーブ20は、上部弁室10a及び下部弁室10b内に挿設され、ガイドスリーブ20の弁口14に近接する端部と弁口14との間隔はH、下部弁室10bの直径はDであり、ここで、HとDとの比率は0.4~0.6の間にある。上記の構造を設けることにより、ガイドスリーブ20を下部弁室10b内に挿設すると同時に、ガイドスリーブ20の端部と弁口14との間に間隔を有することで、ガイドスリーブ20と下部弁室10bとの間に均衡化通路を形成することができ、電子膨張弁が稼働するとき下部弁室10b内の圧力が安定するようになることを確保するだけでなく、流体が下部弁室10bを流れるときに生じる乱流を減少させることができ、このようにして、電子膨張弁の稼働時のノイズを効果的に減少させることができ、電子膨張弁の正常な使用を確保する。
【0019】
本出願で提供される技術態様により、ガイドスリーブ20と下部弁室10bとを挿設接続させるとともに、ガイドスリーブ20の端部と弁口14との間に間隔を有するようにし、このようにして、ガイドスリーブ20と下部弁室10bとの間に圧抜き空間を形成させることができると同時に、共振器原理を利用して、流体が下部弁室10bを流れるときの圧力変動を効果的に減少させて、電子膨張弁の稼働時のノイズを減少させることができ、電子膨張弁の正常な使用を確保する。
【0020】
更に、ガイドスリーブ20は、第1セグメント21の第3ロッドセグメント21c及び第2セグメント22を含み、第3ロッドセグメント21cと第2セグメント22とは段差状に設けられ、第3ロッドセグメント21cの直径は第2セグメント22の直径より大きい。第3ロッドセグメント21cと第2セグメント22とを段差状に設け、且つ下部弁室10bと対応して設けることで、取り付け過程でガイドスリーブ20をガイドすることに有利であり、ガイドスリーブ20の取り付けが容易になって、組み立て効率を向上させる。
【0021】
図5に示すように、第2セグメント22の直径はD2である。具体的には、第2セグメント22の直径D2と下部弁室10bの直径との比率は0.5~0.8の間にある。このように設けると、第2セグメント22と下部弁室10bとの間の空間が増大し、乱流を減少させ、この装置のノイズ低減効果を更に向上させる。
【0022】
図5に示すように、第3ロッドセグメント21cの直径はD1である。更に、第3ロッドセグメント21cの直径D1と下部弁室10bの直径との比率は0.8~1の間にある。このように設けると、第1セグメント21と下部弁室10bとの間に隙間が形成されると同時に、共振器原理に基づき、この装置のノイズ低減効果を更に向上させる。
【0023】
具体的には、下部弁室10bの直径は3mm~5mmの間にある。このように設けると、装置が稼働するとき流体による下部弁室10b内での乱流を減少させて、装置の稼働時の騒音を低減させることができる。具体的には、下部弁室10bの直径は、3mm、5mm又は6mmであってもよい。
【0024】
更に、第2セグメント22の高さはLであり、ここで、LとHとの比率は0.1~0.4の間にある。上記の設置により、ガイドスリーブ20と下部弁室10bとの構造関係を合理的に設定することができ、ガイドスリーブ20及び下部弁室10bの加工が容易になるだけでなく、ガイドスリーブ20と下部弁室10bとの組み立てにも有利であり、同時に、流体が下部弁室10bを流れるときに生じる比較的大きい渦による乱流も効果的に低減させて、装置の稼働時のノイズを低減させることができる。
【0025】
具体的には、ガイドスリーブ20の両側には断面構造23を有し、断面構造23と上部弁室10aの内壁との間には均衡化通路を有する。断面構造23を設けることにより、下部弁室10bとマッチング接続して複数の隙間を形成することができ、このようにして、電子膨張弁のノイズ低減効果を更に向上させることができる。
【0026】
図4に示すように、本出願の別の態様によれば、上記の実施例で提供される弁アセンブリを含む電子膨張弁を提供する。
【0027】
本出願で提供される技術態様により、ガイドスリーブ20を下部弁室10b内に挿設すると同時に、ガイドスリーブ20の端部と弁口14との間に間隔が形成されることで、ガイドスリーブ20と下部弁室10bとの間に均衡化通路を形成することができ、電子膨張弁が稼働するとき下部弁室10b内の圧力が安定するようになることを確保するだけでなく、流体が下部弁室10bを流れるときに生じる乱流を減少させることができ、このようにして、電子膨張弁の稼働時のノイズを効果的に減少させることができ、電子膨張弁の正常な使用を確保し、同時に、ガイドスリーブ20に断面構造23が設けられており、断面構造23を設けることにより、下部弁室10bとマッチング接続して複数の隙間を形成することができ、このようにして、電子膨張弁のノイズ低減効果を更に向上させることができる。
【0028】
図6及び図7に示すように、本出願の実施例は、弁座10及びガイドスリーブ20を含む弁アセンブリを提供する。ここで、弁座10は、段差状をなして順に設けられた第1弁室11、第2弁室12及び第3弁室13を有し、弁座10には弁口14が更に設けられており、弁口14は、第3弁室13の第2弁室12から離れた一端に位置し、ガイドスリーブ20は、第1弁室11、第2弁室12及び第3弁室13内に挿設され、且つ弁座10に固定接続され、ガイドスリーブ20と第1弁室11の内壁との間は第1隙間δ1を有し、ガイドスリーブ20と第2弁室12の内壁との間は第2隙間δ2を有し、ガイドスリーブ20と第3弁室13の内壁との間は第3隙間δ3を有し、第2隙間δ2は、1mm~2mmの間にあり、第3隙間δ3は、0.2mm~1mmの間にある。上記の構造を設けることにより、弁座10内の弁室を段差状に設け、ガイドスリーブ20を弁室に挿設接続させ、且つ弁室の内壁と隙間が形成されると同時に、第2隙間δ2を1mm~2mmの間に設定し、第3隙間δ3を0.2mm~1mmの間に設定することで、第2隙間δ2と第3隙間δ3とが共通して均衡化通路を形成するようにして、弁室内の圧力が安定するようになることを確保するだけでなく、流体が弁室を流れるときに生じる乱流の騒音を減少させることができ、同時に、装置全体の体積も減少させることができ、このようにして、この装置の生産コストを低減させることができ、電子膨張弁の稼働時のノイズも効果的に減少させることができ、電子膨張弁の正常な使用を確保する。
【0029】
本出願で提供される技術態様により、弁座10内の弁室を段差状に設け、ガイドスリーブ20を弁室に挿設接続させ、且つ弁室の内壁と隙間が形成されると同時に、共振器原理を利用して、流体が弁室を流れるときの共振を減少させて、電子膨張弁の稼働時のノイズを減少させることができ、電子膨張弁の正常な使用を確保する。
【0030】
更に、第3弁室13は、第3弁室上部室131及び第3弁室下部室132に分割され、第1弁室11、第2弁室12及び第3弁室上部室131の直径は、弁口14に接近する方向に向かって順に小さくなっている。弁室を直径が順に小さくなるように設けることで、取り付け過程でガイドスリーブ20をガイドすることに有利であり、このようにして、ガイドスリーブ20の取り付けが容易になり、取り付け効率を向上させる。
【0031】
図8に示すように、第1弁室11の高さはH1、第2弁室12の高さはH2、第3弁室13の高さはH3、第1弁室11の直径はD3、第2弁室12の直径はD4、第3弁室13の直径はD5である。
【0032】
具体的には、第2弁室12の直径D4と第1弁室11の直径D3との比率は0.6~0.8の間にある。このように設けると、第2弁室12及び第1弁室11の直径の変化が比較的緩やかになり、弁室の加工が容易になると同時に、共振器原理に基づき、弁室が一定のノイズ低減効果を有するようになる。
【0033】
更に、第3弁室13の直径D5と第2弁室12の直径D4との比率は0.6~0.8の間にある。このように設けると、第3弁室13及び第2弁室12の直径の変化が比較的緩やかになり、弁室の加工が容易になると同時に、共振器原理に基づき、弁室が一定のノイズ低減効果を有するようになる。
【0034】
更に、第2弁室12の高さH2と第1弁室11の高さH1との比率は0.8~1.2の間にある。このように設けると、第2弁室12及び第1弁室11の高さの変化が比較的緩やかになり、弁室の加工が容易になると同時に、共振器原理に基づき、弁室が一定のノイズ低減効果を有するようになる。
【0035】
更に、第3弁室13の高さH3と第2弁室12の高さH2との比率は1.2~1.6の間にある。このように設けると、第3弁室13及び第2弁室12の高さの変化が比較的緩やかになり、弁室の加工が容易になると同時に、共振器原理に基づき、弁室が一定のノイズ低減効果を有するようになる。
【0036】
本実施例において、第1弁室11、第2弁室12及び第3弁室13の高さは、弁口14に接近する方向に向かって順に大きくなっている。弁室を高さが順に大きくなるように設けることで、ガイドスリーブ20の取り付けに対する要求を満たすことができるだけでなく、弁室内における流体の流動空間をできるかぎり増大させることができる。
【0037】
図3に示すように、第1セグメント21は、軸方向に沿って順に接続された第1ロッドセグメント21a、第2ロッドセグメント21b及び第3ロッドセグメント21cを有し、第1ロッドセグメント21aと第1弁室11の内壁との間には第1隙間δ1が形成され、ガイドスリーブ20には断面構造23が更に設けられており、断面構造23は、第2ロッドセグメント21b及び第3ロッドセグメント21cの側壁に位置し、且つ断面構造23は、軸方向において、第2ロッドセグメント21bの第1ロッドセグメント21aに接続された一端から第3ロッドセグメント21cの末端まで延在し、断面構造23と第2弁室12の内壁との間には第2隙間δ2が形成され、断面構造23と第3弁室13の内壁との間には第3隙間δ3が形成される。本実施例において、第2隙間δ2の最大隙間の値は1mm~2mmの間に設定され、第3隙間δ3の最大隙間の値は0.2mm~1mmの間に設定される。
【0038】
上記の構造を設けることにより、断面構造23を利用して、ガイドスリーブ20と弁座10との固定の要求を満たすことができるだけでなく、ガイドスリーブ20と弁座10との間に隙間を形成させることができ、且つ上記の設計は、構造が簡単で、加工が容易であり、製造コストが低い。
【0039】
更に、ガイドスリーブ20には2つの断面構造23が設けられており、2つの断面構造23は、ガイドスリーブ20の両側に対称的に設けられている。複数の断面構造23を設けることにより、弁室とマッチング接続して複数の隙間を形成することができ、このようにして、電子膨張弁のノイズ低減効果を更に向上させることができる。
【0040】
更に、第1隙間δ1は2mm~4mmの間にある。このように設けると、共振器原理を利用して、流体が上記の弁室を流れるときのノイズを効果的に低減させることができる。
【0041】
本出願で提供される技術態様により、弁座10内の弁室を段差状に設け、ガイドスリーブ20を弁室に挿設接続させ、且つ弁室の内壁と隙間が形成されると同時に、共振器原理を利用して、第2隙間δ2を1mm~2mmの間に設定し、第3隙間δ3を0.2mm~1mmの間に設定することで、第2隙間δ2と第3隙間δ3とが共通して均衡化通路を形成するようにして、弁室内の圧力が安定するようになることを確保するだけでなく、流体が弁室を流れるときに生じる共振も減少させることができ、同時に、装置全体の体積も減少させることができ、このようにして、この装置の生産コストを低減させることができ、流体が弁室を流れるときの乱流の騒音も効果的に減少させて、電子膨張弁の稼働時のノイズを減少させることができ、電子膨張弁の正常な使用を確保する。同時に、複数の断面構造23を設けることにより、弁室とマッチング接続して複数の隙間を形成することができ、このようにして、電子膨張弁のノイズ低減効果を向上させ、電子膨張弁の稼働時のノイズを更に減少させることができる。
【0042】
図9図7及び図3に示すように、本出願は、弁アセンブリを含む電子膨張弁を提供し、弁アセンブリは、弁座10及びガイドスリーブ20を含む。ここで、弁座10は、順次に連通された第1弁室11、第2弁室12、第3弁室上部室131及び第3弁室13を有し、第1弁室11、第2弁室12及び第3弁室上部室131は段差状をなして設けられ、弁口14は、第3弁室13の第1弁室11から離れた一端に位置し、ガイドスリーブ20は、第1弁室11、第2弁室12、第3弁室上部室131及び第3弁室メイン室133内に挿設され、第1セグメント21は、軸方向に沿って順に接続された第1ロッドセグメント21a、第2ロッドセグメント21b及び第3ロッドセグメント21cを有し、第1ロッドセグメント21aと第1弁室11の内壁との間には第1隙間が形成され、ガイドスリーブ20の側壁には2つの断面構造23が対称的に設けられており、断面構造23は、第2ロッドセグメント21b及び第3ロッドセグメント21cの側壁に位置し、且つ断面構造23は、軸方向において、第2ロッドセグメント21bの第1ロッドセグメント21aに接続された一端から第3ロッドセグメント21cの末端まで延在し、断面構造23と第2弁室12及び第3弁室上部室131との間は第2隙間を有し、第1隙間、第2隙間及び第3弁室13は相互に連通され、2つの断面構造23の間隔と第3弁室上部室131の直径との比率は0.85~0.96の間にある。
【0043】
ここで、2つの断面構造23の間隔と第3弁室上部室131の直径との比率が0.85より小さい場合、断面構造23と第3弁室上部室131との隙間が大きくなり、均衡化通路を流れる流体の流量を増加させる。2つの断面構造23の間隔と第3弁室上部室131の直径との比率が0.96より大きい場合、断面構造23と第3弁室上部室131との隙間が小さくなり、均衡化通路を流れる流体の流量を減少させる。上記の両者の設定は、いずれも均衡化通路の圧力緩衝効果を弱くして、均衡化通路のノイズ低減効果を低下させる。従って、本出願において、2つの断面構造23の間隔と第3弁室上部室131の直径との比率を0.85~0.96の間に設定すると、均衡化通路の圧力緩衝効果を確保し、ノイズ低減効果を向上させることができる。具体的には、2つの断面構造23の間隔と第3弁室上部室131の直径との比率は0.85、0.9又は0.96であってもよい。
【0044】
上記の構造を設けることにより、ガイドスリーブ20の側壁に2つの断面構造23を設け、断面構造23が第2弁室12及び第3弁室上部室131と隙間を有するようにし、且つ2つの断面構造23の間隔と第3弁室上部室131の直径との比率を0.85~0.96の間にすることができ、この隙間により、第3弁室メイン室133と、第1弁室11、第2弁室12及び第3弁室上部室131との間に均衡化通路を形成させることができ、更には第3弁室メイン室133及び孔セグメント内の圧力を一致させることができ、更には流体が第3弁室メイン室133を流れるときの乱流による圧力変動を減少させこともでき、均衡化通路によりこのような圧力変動を減少させて、冷媒が電子膨張弁を流れるときに生じるノイズを減少させ、ユーザの快適度体験を向上させることができる。
【0045】
本出願で提供される技術態様により、ガイドスリーブ20の側壁に2つの断面構造23を設け、第1弁室11、第2弁室12、第3弁室上部室131及び第3弁室メイン室133を段差状に設け、断面構造23と第3弁室上部室131との間に隙間を有するようにし、共振器原理を利用して、第3弁室メイン室133と、第1弁室11、第2弁室12及び第3弁室上部室131の圧力を一致させるだけでなく、同時に、流体が第3弁室メイン室133を流れるときに生じる圧力脈動を減少させることもでき、電子膨張弁を流れる冷媒のノイズを減少させ、ユーザの快適度を向上させることができる。
【0046】
図10に示すように、第3弁室上部室131の長さはL1、第3弁室上部室131の直径はD6、2つの断面構造23の間隔はSであり、L1=0.5*(D6-S)*(1.2~3.5)である。このように設けると、共振器原理を利用して、断面構造23と第3弁室上部室131との係合がより合理的になり、装置の稼働時のノイズを低減させると同時に、断面構造23により、ガイドスリーブ20の体積を減少させ、この装置の生産コストを低減させることができる。具体的には、上記の公式中の数値の範囲は、1.2、2、3又は3.5から選択してもよい。
【0047】
具体的には、第2ロッドセグメント21bと第2弁室12とは、トランジションフィット又はインターフェアランスフィットであり、第2ロッドセグメント21bは、ガイドスリーブ20と弁座10との相対変位を制限するために用いられる。上記の設置により、ガイドスリーブ20を弁座10に固定接続させることができ、装置の稼働過程でガイドスリーブ20が変位することを防止して、装置の稼働時の安定性を確保する。
【0048】
更に、第2ロッドセグメント21bと第3ロッドセグメント21cとは段差をなして設けられ、第2ロッドセグメント21bは第2弁室12に対応して設けられ、第3ロッドセグメント21cは、第3弁室上部室131及び第3弁室メイン室133内に挿設されている。第2ロッドセグメント21bと第3ロッドセグメント21cとを段差状に設け、且つそれぞれ第2弁室12、第3弁室上部室131及び第3弁室メイン室133に対応して設けることで、取り付け過程でガイドスリーブ20をガイドすることに有利であり、ガイドスリーブ20の取り付けが容易になって、組み立て効率を向上させる。
【0049】
具体的には、第3弁室メイン室133の直径は第3弁室上部室131の直径より小さい。このようにして、流体が第3弁室メイン室133を流れるときに生じる共振を減少させて、装置の稼働時のノイズを低減させることができる。
【0050】
図11に示すように、第3ロッドセグメント21cの直径はd1である。第3ロッドセグメント21cの直径d1と第3弁室上部室131の直径との比例関係は0.85~1の間にある。このように設けると、第3ロッドセグメント21cと第3弁室上部室131との間に隙間が形成されると同時に、共振器原理に基づき、この装置のノイズ低減効果を更に向上させる。第3ロッドセグメント21cと第3弁室上部室131との比例関係を0.85より小さいか又は1より大きくなるように設定すると、流体が隙間を流れるときの気流音が増大して、装置のノイズ低減効果に影響を与える。
【0051】
具体的には、第1ロッドセグメント21aと第1弁室11との間の隙間は2mm~4mmの間にあり、断面構造23と第2弁室12との間の隙間は1mm~2mmの間にある。このようにして、上記の隙間が共通して均衡化通路を形成するようにすることができ、孔セグメント内の圧力が安定するようになることを確保することができるだけでなく、同時に、流体が第3弁室メイン室133を流れるときに生じる圧力脈動も減少させ、装置のノイズ低減効果を更に向上させる。本実施例において、第1ロッドセグメント21aと第1弁室11との間の隙間は、具体的には、2mm、3mm又は4mmであってもよい。断面構造23と第2弁室12との間の隙間は、具体的には、1mm、1.5mm又は2mmであってもよい。
【0052】
更に、電子膨張弁は、ケーシング30、ナットスリーブ40、スクリュ50及びスピンドルアセンブリ60を更に含む。ここで、ケーシング30は弁座10に接続され、ケーシング30と弁座10との間には収容室31を有し、ナットスリーブ40は収容室31内に設けられ、スクリュ50は、収容室31内に移動可能に設けられ、スクリュ50は、ナットスリーブ40に挿設され、且つナットスリーブ40に螺合され、スピンドルアセンブリ60は、ガイドスリーブ20内に移動可能に設けられ、スピンドルアセンブリ60の一端はスクリュ50に接続され、スクリュ50は、弁口14を開放又は遮断するように、スピンドルアセンブリ60を駆動して移動させる。スピンドルアセンブリ60が開放及び遮断位置間で移動することにより、収容室31と第3弁室メイン室133とを連通させることができると同時に、収容室31と第3弁室メイン室133内の圧力を一致させることができ、装置の稼働時の安定性を確保する。
【0053】
本出願で提供される技術態様により、ガイドスリーブ20の側壁に2つの断面構造23を設け、第1弁室11、第2弁室12、第3弁室上部室131及び第3弁室メイン室133を段差状に設け、断面構造23と第3弁室上部室131との間に隙間を有するようにし、共振器原理を利用して、第3弁室メイン室133と、第1弁室11、第2弁室12及び第3弁室上部室131の圧力が一致するようにして、収容室31内に圧力緩衝室を形成することができるだけでなく、同時に、流体が第3弁室メイン室133を流れるときの乱流による圧力変動を減少させることもでき、均衡化通路及び収容室31によりこのような圧力変動を減少させて、冷媒が電子膨張を流れるときに生じるノイズを減少させることができ、電子膨張弁の正常な使用を確保し、ユーザの快適度体験を向上させる。同時に、第2ロッドセグメント21bと第2弁室12とは、トランジションフィット又はインターフェアランスフィットであり、ガイドスリーブ20を弁座10に固定接続させることができ、装置の稼働過程でガイドスリーブ20が変位することを防止し、装置の稼働時の安定性を確保する。
【0054】
図12から図15に示すように、弁座10は、段差状をなして順に設けられた第1弁室11、第2弁室12及び第3弁室13を有し、弁口14は、第3弁室13の第2弁室12から離れた一端に位置し、弁座10の側壁には第1接続孔15が設けられており、弁座の端部には第2接続孔16が設けられており、第1接続孔15は第3弁室13と連通され、第2接続孔16は弁口14と連通され、第1接続孔15の軸線と第3弁室13の軸線とは互いに垂直であり、第2接続孔16の軸線と第3弁室13の軸線とは重なっており、第1接続孔15の末端は第3弁室13の内壁に位置し、第1接続孔15の末端には、相互に接続された第1直孔セグメント151及び第1テーパ孔セグメント152を有し、第1テーパ孔セグメント152のテーパ角は80°~170°の間にある。具体的には、第1テーパ孔セグメント152のテーパ角は、80°、100°又は170°であってもよい。図12に示すように、第1テーパ孔セグメント152のテーパ角はAと示される。
【0055】
ここで、第1テーパ孔セグメント152のテーパ角が80°より小さい場合、第1接続孔15の体積を減少させ、このとき、第1接続孔15を流れる流体の流量も減少させる。第1テーパ孔セグメント152のテーパ角が170°より大きい場合、第1接続孔15の体積を増大させ、このとき、第1接続孔15を流れる流体の流量も増大させ、上記の両者の設定は、いずれも第1接続孔15のノイズ低減効果を弱くする。従って、本出願において、第1テーパ孔セグメント152のテーパ角を80°~170°の間に設定すると、第1接続孔15を通じる冷媒の緩衝効果を確保して、ノイズ低減効果を向上させることができる。
【0056】
上記の構造を設けることにより、弁座の側壁に第1接続孔15を設け、且つ第1接続孔15の軸線と第3弁室13軸線とが垂直であり、装置が稼働するとき流体が第1接続孔15内に流れ込むことができ、同時に、第1接続孔15が第1テーパ孔セグメント152を含み、第1テーパ孔セグメント152のテーパ角が80°~170°の間にあり、テーパ角により、流体に対し緩衝作用を果たすことができ、このようにして、電子膨張弁の稼働時のノイズを効果的に減少させることができ、電子膨張弁の正常な使用を確保する。
【0057】
更に、第3弁室13は、軸線に沿って順次に設けられた第3弁室上部室131、第3弁室メイン室133及び第3弁室下部室132を有し、弁口14は、第3弁室下部室132の第3弁室上部室131から離れた端部に位置し、第1接続孔15部分は第3弁室メイン室133内に位置する。このようにして、第3弁室13内を流れる流体を気液分離し、弁口14を通じて流体を流出させて、流体と第3弁室13の内壁との接触を減少させることができ、装置の稼働時のノイズを低減させる。上記の設置により、流体が第1接続孔15から第3弁室13へ流れるとき、流体と第3弁室13内の気体とが分層され、流体の重力の作用下で、できるかぎり多くの液体が第3弁室下部室132に流れ込んで、二相の冷媒が弁口へ流れ込むときの不連続な騒音を弱くし、更にはノイズを減少させる目的を達成する。
【0058】
図12に示すように、第3弁室下部室132の高さはH4と示される。具体的には、第3弁室下部室132の高さは0.3mm~4mmの間にある。ここで、第3弁室下部室132の高さが0.3mmより小さい場合、流体の気液分層の効果を低下させて、第3弁室13のノイズ低減効果に影響を与える。第3弁室下部室132の高さが4mmより大きい場合、それに応じて、第3弁室13の体積を増大させて、第3弁室13の生産コストが増加する。従って、本出願において、第3弁室下部室132の高さを0.3mm~4mmの間にすると、第3弁室13のノイズ低減効果を確保すると同時に、第3弁室13の体積をできるかぎり減少させることができる。具体的には、第3弁室下部室132の高さは、0.3mm、2mm又は4mmであってもよい。
【0059】
図12に示すように、第1直孔セグメント151の長さはL2と示される。更に、第1直孔セグメント151の長さは0.3mm~3mmの間に設定される。ここで、第1直孔セグメント151の長さが0.3mmより小さい場合、第1直孔セグメント151は、流体に対して乱流を生じさせる緩衝作用が弱くなる。第1直孔セグメント151の長さが3mmより大きい場合、それに応じて、第1直孔セグメント151の長さを増加させるため、弁体の側壁が薄くなり、弁座の構造強度を低減させる。従って、本出願において、第1直孔セグメント151の長さを0.3mm~3mmの間に設定すると、流体が第1直孔セグメント151へ流れ込むときに生じる乱流を減少させて、第1直孔セグメント151における流体の流速を低減させるため、第3弁室13の内壁に対する流体の衝撃を減少させて、装置のノイズ低減効果を更に向上させることができ、且つ装置全体の構造強度を確保することができる。具体的には、第1直孔セグメント151の長さは、0.3mm、2mm又は3mmである。
【0060】
具体的には、第3弁室下部室132の高さと第1直孔セグメント151の直径との比率は0.05~0.5の間にある。このようにして、第3弁室下部室132と第1直孔セグメント151との係合がより合理的になり、第3弁室の内壁に対する流体の衝撃を減少させると同時に、第3弁室13の構造強度を向上させることもできる。
【0061】
更に、第1テーパ孔セグメント152は、対向して設けられた第1端及び第2端を有し、第1端は第1直孔セグメント151に接続され、第1端の直径と第1直孔セグメント151の直径とは同じである。このようにして、流体を第3弁室13から第1テーパ孔セグメント152へ流れ込ませることができ、第1テーパ孔セグメント152が緩衝作用を有するため、流体の流速を効果的に減少させて、装置の稼働時のノイズを更に低減させることができる。
【0062】
図13に示すように、本出願の別の例示において、第1テーパ孔セグメント152は、対向して設けられた第1端及び第2端を有し、第1端は第1直孔セグメント151に接続され、第1端の直径は第1直孔セグメント151の直径より小さい。このようにして、第1テーパ孔セグメント152と第1直孔セグメント151とを係合して使用することができ、第1接続孔15の構造の一致性を向上させ、装置の稼働時の安定を確保する。
【0063】
図14に示すように、本出願の別の例示において、第1接続孔15は第2直孔セグメント153を更に含み、第1直孔セグメント151、第2直孔セグメント153及び第1テーパ孔セグメント152は、順次に連通され、且つ第2直孔セグメント153の直径は第1直孔セグメント151の直径より小さく、第1テーパ孔セグメント152は、対向して設けられた第1端及び第2端を含み、第1端は第2直孔セグメント153に接続され、第1端の直径は第2直孔セグメント153の直径と同じである。このようにして、第1直孔セグメント151がより滑らかに遷移するようにして、装置の稼働時のノイズをより一層低減させることができる。
【0064】
本出願の別の例示において、第1接続孔15は第2テーパ孔セグメント154を更に含み、第1直孔セグメント151、第2テーパ孔セグメント154及び第1テーパ孔セグメント152は順次に連通されている。他の実施例において、第2テーパ孔セグメント154のテーパ角は70°~170°の間に設定され、このようにして、使用者が異なる使用環境に応じて異なる弁座を選択することが容易になり、装置の適用性を向上させる。図15に示すように、第2テーパ孔セグメント154のテーパ角はBと示される。具体的には、第2テーパ孔セグメント154のテーパ角は、70°、90°又は170°であってもよい。
【0065】
図16から図18に示すように、弁座には、第1接続口17及び第2接続口18が設けられており、第1接続口17は下部弁室10bと連通され、弁座には、順次に連通された弁口14及び第1遷移孔セグメント141が更に設けられており、具体的には、弁口14は第3弁室13と連通され、第1遷移孔セグメント141は、対向して設けられた第1端1411及び第2端1412を有し、第1端1411は弁口14と連通され、第2端1412は第2接続口18と連通され、第1遷移孔セグメント141はテーパ状の構造であり、第1端1411の孔径は第2端1412の孔径より小さく、第1遷移孔セグメント141のテーパ角の角度は15°~60°の間にある。具体的には、第1遷移孔セグメント141のテーパ角の角度はaであり、aは、15°、45°又は60°であってもよい。本実施例において、aは30°である。
【0066】
本出願の技術態様を適用すると、この弁座は、第3弁室13、第1接続口17、第2接続口18、弁口14及び第1遷移孔セグメント141を含む。ここで、第1遷移孔セグメント141はテーパ状の構造であり、第1端1411の孔径は第2端1412の孔径より小さく、このようにして、流体が流れる通路の直径を徐々に増大させ、急変が起こる状況を大幅に減少させることができると同時に、第1遷移孔セグメントの容積が増大して、流体の渦流、乱流の発生を減少させることができ、流体が緩やかで安定的に流動することができるようにし、よって、流体の騒音の発生を減少させることができる。また、上記の構造により、流れ通路で発生する抵抗を減少させることができる。
【0067】
ここで、第1遷移孔セグメント141のテーパ角が15°より小さい場合、角度が小さすぎて、流体が流れ込むとき比較的大きい急変が発生しやすく、その遷移性が悪く、乱流が生じやすく、更には流体の流れ過程で騒音が発生し得る。第1遷移孔セグメント141のテーパ角の角度が60°より大きい場合、流体に対する第1遷移孔セグメント141の内壁のドレーン作用を弱くし、更には流体を緩衝させることができない。従って、第1遷移孔セグメント141のテーパ角の角度を15°~60°の間に設定すると、流体に対して良好なドレーン効果、緩衝効果を果たすことができる。
【0068】
具体的には、第1遷移孔セグメント141の孔径は弁口14の孔径以上である。第1遷移孔セグメント141の容積が弁口14の容積より大きいと、流量を増加させ、流体の流れのスムーズ性及び安定性を確保して、流体の渦流、乱流の発生を更に減少させることができる。第1遷移孔セグメント141の孔径が弁口14の孔径より小さいと、流体が流れるとき直径が急激に小さくなり、流体の圧力及び流速が変化してしまい、渦流、乱流が非常に発生しやすく、更には流体の騒音が発生する。
【0069】
具体的には、第1端1411の孔径は2.5mm~5mmの間にある。第1端1411の孔径が2.5mmより小さいと、流体が第1端1411に溜まりやすくなり、流体が流れにくくなり、騒音が発生しやすい。第1端1411の孔径が5mmより大きいと、第1遷移孔セグメント141はテーパ状の構造に設計され、第1端1411が大きすぎて第1遷移孔セグメント141が大きすぎるようになって、弁座の体積を増大させ、弁座が使用しにくくなる。具体的には、第1端1411の孔径はD7であり、D7は、2.5mm、3.5mm又は5mmであってもよい。本実施例において、D7は4mmである。
【0070】
具体的には、第1遷移孔セグメント141の軸方向に沿う長さは0.8mm~5mmの間にある。第1遷移孔セグメント141の軸方向長さが0.8mmより小さい場合、第1遷移孔セグメント141の収容室が小さくなり、比較的多くの流体を蓄えることができず、流体の溜まりを引き起こして、流体の流速及び圧力を変化させ、更には渦流及び乱流が発生しやすい。第1遷移孔セグメント141の長さが5mmより大きい場合、弁座の全体のサイズが比較的大きい。従って、第1遷移孔セグメント141の軸方向長さを0.8mm~5mmの間に設定して、弁座が渦流、乱流の減少、騒音の減少を満たすと同時に、弁座の全体のサイズをできるかぎり小さくする。具体的には、第1遷移孔セグメント141の軸方向に沿う長さはH5であり、H5は、0.8mm、3mm又は5mmであってもよい。本実施例において、H5は4mmである。
【0071】
更に、弁座には第2遷移孔セグメント142が更に設けられており、第2遷移孔セグメント142の一端は第2端1412と連通され、第2遷移孔セグメント142の他端には第2接続口18が形成される。第2遷移孔セグメント142が第2端1412と連通され、流体は第1遷移孔セグメント141を流れてから、第2遷移孔セグメント142に入り込み、第2遷移孔セグメント142を利用して流体の流速及び圧力を更に制御して、流体の流れのスムーズ性を確保することができ、流体は第2遷移孔セグメント142を流れてから、安定してスムーズに第2接続口18から流出することができる。
【0072】
本実施例において、第2遷移孔セグメント142の軸線方向に沿う孔径は同じであり、即ち、第2遷移孔セグメント142は円柱形孔に設計され、円柱形孔により流体の流速及び圧力を維持して、流体の流れがよりスムーズになり、乱流及び渦流の発生を更に減少させることができる。
【0073】
ここで、第2遷移孔セグメント142の孔径は、第2端1412の孔径と等しくてもよく、第2端1412の孔径より大きくてもよい。本実施例において、第2遷移孔セグメント142の孔径は第2端1412の孔径と等しく、このようにして、流体が第2端1412から第2遷移孔セグメント142を流れるとき直径が急変することを回避し、流体の流れをよりスムーズにすることができる。
【0074】
更に、第2遷移孔セグメント142の外径は、第1遷移孔セグメント141の外径より小さく、このようにして、外部のパイプラインと第2接続口18との接続が容易になり、外部パイプラインを第2接続口18にスムーズに插嵌させて、両者の間の接続安定性を確保することができる。
【0075】
具体的には、弁口14の軸方向に沿う長さは0.5mm~2mmの間にあり、上記の設置により、スピンドルと弁口14との同軸度を確保することができる。弁口14の軸方向に沿う長さが0.5mmより小さい場合、スピンドルが上下移動する過程で弁口14と摩耗しやすく、このようにして、スピンドルの使用寿命を減少させる。弁口14の軸方向に沿う長さが2mmより大きい場合、弁口14を流れる流体の速度が影響を受けて、流体が弁口14のシールラインまで流れた後、比較的大きい圧力降下の発生を引き起こし、流体の流れのスムーズ性に影響を与える。従って、本出願において、弁口14の軸方向に沿う長さを0.5mm~2mmの間にして、スピンドルと弁口14との同軸度を確保すると同時に、スピンドルの摩耗を減少させ、スピンドルの使用寿命を延ばして、流体の流れのスムーズ性を確保する。具体的には、弁口14の軸方向に沿う長さはH6であり、ここで、H6は、0.5mm、1mm又は2mmであってもよい。本実施例において、H6は1.5mmである。
【0076】
更に、弁口14の両端の端口には面取りが穿設されており、上記の設計により、弁口14の加工で発生したフランジのバリを効果的に除去して、流体が弁口14を流れるときの騒音の発生を回避することができる。
【0077】
具体的には、面取りのサイズは、C0.05mm~C0.15mmの間に設計されてもよい。面取りのサイズがC0.05mm小さい場合、フランジのバリを効果的に除去できず、更には流体が弁口14を流れるとき比較的大きい騒音が発生する。面取りのサイズがC0.15mmより大きい場合、弁口14の長さサイズが小さくなり、更には弁口14とスピンドルとの同軸度に影響を与える。従って、面取りのサイズをC0.05mm~C0.15mmの間に設定すると、バリを効果的に除去すると同時に、弁口14とスピンドルとの同軸度を確保して、流体が弁口14を流れるときに生じる騒音を低減させることができる。具体的には、面取りのサイズは、C0.05mm、C0.1mm又はC0.15mmであってもよい。
【0078】
本技術態様において、弁口14の下方には、第1遷移孔セグメント141が設計されており、それは流れ通路の横断面積の急変による抵抗を減少させて、流体の流れのスムーズ性を確保し、渦流、乱流の発生を減少させることができる。第1遷移孔セグメント141の下方には、孔径が第2端1412と同じ第2遷移孔セグメント142が設計されて、流体の安定した流れを維持し、流れをよりスムーズにすることができる。
【0079】
留意すべきこととして、ここで使用される用語は、単に具体的な実施形態を記述するためのものにすぎず、本出願による例示的な実施形態を制限することを意図していない。ここで使用されるように、文脈において別途に明瞭に明示していない限り、単数形式は複数形式も含むことを意図しており、更には本明細書において「包含」及び/又は「含む」という用語が用いられる場合、特徴、ステップ、操作、デバイス、アセンブリ及び/又はこれらの組み合わせの存在を示すことも理解すべきである。
【0080】
別途の具体的な説明がない限り、これらの実施例で述べた部材及びステップの相対的な配置、数式及び数値は、本出願の範囲を制限するものではない。同時に、記述の便宜上、図面に示された各部分の寸法は、実際の比例関係に従って描かれたものでないことを理解すべきである。当業者に知られている技術、方法及び設備に関して、詳細に論じないが、適切な場合において、記述した技術、方法及び設備は、許可された明細書の一部とみなされるべきである。ここに示し且つ論じた全ての例示において、いかなる具体的な値も単に例示的なものにすぎず、制限的なものとして解釈されるべきではない。従って、例示的な実施例の他の例示は、異なる値を有してもよい。類似の符号及び文字は以下の図面において類似の要素を示すことに留意すべきであり、従って、1つの図面で一度いずれかの要素が定義されれば、それ以降の図面においては、それに対する更なる説明を必要としない。
【0081】
本出願の記述において、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」、「横方向」、「縦方向」、「垂直」、「水平」及び「頂部」、「底部」等の方位語で指示された方位又は位置関係は、通常、図示に基づく方位又は位置関係であって、単に本出願の記述の便宜上及び記述を簡略にするためのものにすぎず、相反する説明がされない場合に、これらの方位語は、指定された装置又は素子が特定の方位を有するか、あるいは特定の方位で構成及び操作されなければならないことを指示及び暗示するものではないため、本出願の保護範囲を制限するものとして理解されてはならず、方位語「内」、「外」は、各部材自体の輪郭に対する内、外を意味することを理解すべきである。
【0082】
記述の便宜上、ここでは、「~の上にある」、「~の上方にある」、「~上面にある」、「上面の」等のような空間的に相対的な用語が、図示された1つのデバイス又は特徴と他のデバイス又は特徴との空間的な位置関係を記述するために用いられてもよい。空間的に相対的な用語は、図面に記述された方位に加えて、使用又は操作中のデバイスの異なる方位を包含することを意図するものとして理解すべきである。例えば、図面におけるデバイスが逆になると、「他のデバイス又は構造の上方にある」又は「他のデバイス又は構造の上にある」と記述されたデバイスは、それ以降、「他のデバイス又は構造の下方にある」又は「他のデバイス又は構造の下にある」と位置決めされる。従って、例示的な用語「~上方にある」は、「~上方にある」及び「~下方にある」の両方の方位を含んでもよい。このデバイスは、他の異なる方式で(90度回転又は他の方位で)位置決めされ、且つここで使用される空間的に相対的な記述は、それに応じて解釈されてもよい。
【0083】
更に、説明すべきこととして、「第1」、「第2」等の単語を使用して部品を限定するのは、単に対応する部品を容易に区別するためのものであり、別途の記載がない限り、上述の単語は特別な意味を持たないため、本出願の保護範囲を制限するものとして理解してはならない。
【0084】
上述したものは、本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本出願は様々な変更及び変化が可能である。本出願の趣旨及び原則の範囲内でなされたいかなる修正、同等の置換、改良等は、いずれも本出願の保護範囲内に包含されるべきである。
図1
図2
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【国際調査報告】