(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-03
(54)【発明の名称】アップリンク送信のためのタイミング調整
(51)【国際特許分類】
H04W 56/00 20090101AFI20240827BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20240827BHJP
H04W 4/42 20180101ALI20240827BHJP
【FI】
H04W56/00 130
H04W16/28
H04W4/42
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506966
(86)(22)【出願日】2021-08-06
(85)【翻訳文提出日】2024-02-05
(86)【国際出願番号】 EP2021072066
(87)【国際公開番号】W WO2023011734
(87)【国際公開日】2023-02-09
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】515076873
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】マルコネ アレッシオ
(72)【発明者】
【氏名】ペトロフ ドミトリ
(72)【発明者】
【氏名】サイエド ハッサン モハマド
(72)【発明者】
【氏名】ダルスカールト ラルス
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD11
(57)【要約】
本開示の例示の実施形態は、特に高速シナリオにおけるアップリンク送信のためのタイミング調整に関する。第1のデバイスは、第2のデバイスから、第2のデバイスによって体感される第1のデバイスと第3のデバイスとの間の伝搬遅延の差を示すオフセット情報を受信する。オフセット情報は、伝搬遅延の差の範囲の時間シフト値に基づいて決定される。時間シフト値は、第1のデバイスに関連付けられるビームから、第3のデバイスに関連付けられるビームへの切替えに関連付けられる。第3のデバイスは第1のデバイスとは異なる。第1のデバイスは、第2のデバイスから第3のデバイスへの送信のためのタイミングアドバンス量を示すタイミング情報を第2のデバイスに送信する。タイミング情報は、時間シフト値に基づいて決定される。この解決策により、UL送信はタイミング整合される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと
を備える、第1のデバイスであって、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスに、
第2のデバイスから、前記第2のデバイスによって体感される前記第1のデバイスと第3のデバイスとの間の伝搬遅延の差を示すオフセット情報を受信することであって、前記オフセット情報が、前記伝搬遅延の差の範囲の時間シフト値に基づいて決定され、前記時間シフト値が、前記第1のデバイスに関連付けられるビームから前記第3のデバイスに関連付けられるビームへの切替えに関連付けられ、前記第3のデバイスが前記第1のデバイスとは異なる、受信することと、
前記第2のデバイスから前記第3のデバイスへの送信のためのタイミングアドバンス量を示すタイミング情報を前記第2のデバイスに送信することであって、前記タイミング情報が、前記時間シフト値に基づいて決定される、送信することと
を行なわせるように構成される、第1のデバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスに、
前記第2のデバイスが前記第3のデバイスに接近しているとの判断に従って、前記第2のデバイスから前記第3のデバイスへの前記送信において前記時間シフト値の使用をアクティブ化するための第1の指示を前記第2のデバイスに送信すること
をさらに行なわせるように構成される、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスに、
前記第1のデバイスに関連付けられる前記ビームの第1のインデックスおよび前記第3のデバイスに関連付けられる前記ビームの第2のインデックスを前記第2のデバイスに送信して、前記第2のデバイスから前記第3のデバイスへの前記送信における前記時間シフト値の使用をアクティブ化すること
をさらに行なわせるように構成される、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスに、
前記時間シフト値を示す設定を前記第2のデバイスに送信すること
をさらに行なわせるように構成される、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスに、
前記タイミング情報とともに前記切替えの第2の指示を前記第2のデバイスに送信することであって、前記第2の指示が、前記第1のデバイスに関連付けられる前記ビームから、前記第3のデバイスに関連付けられる前記ビームに切り替えるよう指示する、送信すること
をさらに行なわせるように構成される、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第1のデバイスに、
前記第1のデバイスおよび前記第3のデバイスのデプロイメントシナリオ、または
前記第1のデバイスと前記第3のデバイスとの間の距離
のうちの少なくとも1つに基づいて、前記時間シフト値を決定すること
をさらに行なわせるように構成される、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項7】
前記オフセット情報によって示される前記伝搬遅延の差の前記範囲が、前記時間シフト値を用いない場合と比較して、前記時間シフト値に基づいてシフトされ、
前記タイミング情報によって示される前記タイミングアドバンス量の範囲が、前記シフト値を用いない場合と比較して、前記時間シフト値に基づいてシフトされる、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項8】
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと
を備える、第2のデバイスであって、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第2のデバイスに、
前記第2のデバイスによって体感される伝搬遅延の差の範囲の時間シフト値を取得することであって、前記時間シフト値が、第1のデバイスに関連付けられるビームから第3のデバイスに関連付けられるビームへの切替えに関連付けられ、前記第3のデバイスが前記第1のデバイスとは異なる、取得することと、
前記第2のデバイスによって体感される前記第1のデバイスと前記第3のデバイスとの間の前記伝搬遅延の差を示すオフセット情報を前記第1のデバイスに送信することであって、前記オフセット情報が、前記時間シフト値に基づいて決定される、送信することと、
前記第2のデバイスから前記第3のデバイスへの送信のためのタイミングアドバンス量を示すタイミング情報を前記第1のデバイスから受信することであって、前記タイミング情報が、前記時間シフト値に基づいて決定される、受信することと
を行なわせるように構成される、第2のデバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第2のデバイスに、
前記時間シフト値の使用がアクティブ化されているとの判断に従って、前記時間シフト値および前記伝搬遅延の差に基づいて前記オフセット情報を決定すること
をさらに行なわせるように構成される、請求項8に記載の第2のデバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第2のデバイスに、
前記シフト値の使用がアクティブ化されているとの判断、および前記第1のデバイスから前記第3のデバイスへの前記切替えの判断に従って、前記時間シフト値および前記タイミング情報に基づいて前記タイミングアドバンス量を決定することと、
前記送信に前記タイミングアドバンス量を適用することによって、前記第2のデバイスから前記第3のデバイスへの前記送信を行なうことと
をさらに行なわせるように構成される、請求項8に記載の第2のデバイス。
【請求項11】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第2のデバイスに、
前記第2のデバイスから前記第3のデバイスへの前記送信において前記時間シフト値の使用をアクティブ化するための第1の指示を前記第1のデバイスから受信することと、
前記第1の指示を受信したことに応答して、前記時間シフト値の前記使用がアクティブ化されていると判断することと
をさらに行なわせるように構成される、請求項9または10に記載の第2のデバイス。
【請求項12】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第2のデバイスに、
前記第1のデバイスに関連付けられる前記ビームの第1のインデックスおよび前記第3のデバイスに関連付けられる前記ビームの第2のインデックスを、前記第1のデバイスから受信することと、
前記第1のビームおよび前記第2のビームで測定された前記伝搬遅延の差が閾値を超えているとの判断に従って、前記第2のデバイスから前記第3のデバイスへの前記送信において、前記時間シフト値の前記使用がアクティブ化されていると判断することと
をさらに行なわせるように構成される、請求項9または10に記載の第2のデバイス。
【請求項13】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第2のデバイスに、
前記時間シフト値を示す設定を前記第1のデバイスから受信すること
によって前記シフト値を取得することを行なわせるように構成される、請求項8に記載の第2のデバイス。
【請求項14】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第2のデバイスに、
前記タイミング情報とともに前記切替えの第2の指示を前記第1のデバイスから受信することであって、前記第2の指示が、前記第1のデバイスに関連付けられる前記ビームから、前記第3のデバイスに関連付けられる前記ビームに切り替えるよう指示する、受信すること
をさらに行なわせるように構成される、請求項8に記載の第2のデバイス。
【請求項15】
前記オフセット情報によって示される前記伝搬遅延の差の範囲が、前記シフト値を用いない場合と比較して、前記シフト値に基づいてシフトされ、
前記タイミング情報によって示される前記タイミングアドバンス量の範囲が、前記時間シフト値を用いない場合と比較して、前記時間シフト値に基づくことによりシフトされる、請求項8に記載の第2のデバイス。
【請求項16】
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと
を備える、第4のデバイスであって、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第4のデバイスに、
ビーム切替えに関与するソースデバイスとターゲットデバイスとの間の伝搬遅延の差に少なくとも基づいて、前記第4のデバイスと第5のデバイスとの間の送信のためのタイミング調整量を決定することと、
前記タイミング調整量に基づいて、前記第5のデバイスと前記送信を行なうことと
を行なわせるように構成される、第4のデバイス。
【請求項17】
前記第4のデバイスが前記ターゲットデバイスを含み、前記第5のデバイスが前記第4のデバイスに切り替わり、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第4のデバイスに、
前記伝搬遅延の差、およびタイミングアドバンスコマンドによって示されるタイミングアドバンス量に基づいて、前記送信のための前記タイミング調整量を決定すること
によって、前記タイミング調整量を決定することを行なわせるように構成される、請求項16に記載の第4のデバイス。
【請求項18】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第4のデバイスに、
タイミングオフセット補償として、前記第5のデバイスからの前記送信に前記タイミング調整量を適用すること
によって、前記第5のデバイスと前記送信を行なわせるように構成される、請求項17に記載の第4のデバイス。
【請求項19】
前記第5のデバイスが前記ターゲットデバイスを含み、前記第4のデバイスが前記第5のデバイスに切り替わり、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第4のデバイスに、
前記ソースデバイスから、前記第4のデバイスのためにタイミングオフセット補償をアクティブ化するかどうかを示す指示を受信することと、
前記指示が前記タイミングオフセット補償をアクティブ化することを示すとの判断に従って、前記伝搬遅延の差を前記送信のための前記タイミング調整量として決定することと
によって、前記タイミング調整量を決定することを行なわせるように構成される、請求項16に記載の第4のデバイス。
【請求項20】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第4のデバイスに、
前記送信のためのタイミングアドバンスとして、前記第5のデバイスへの前記送信に前記タイミング調整量を適用すること
によって、前記第5のデバイスと前記送信を行なわせるように構成される、請求項19に記載の第4のデバイス。
【請求項21】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第4のデバイスに、
前記指示が、前記タイミングオフセット補償をアクティブ化しないよう指示するとの判断に従って、タイミングアドバンスコマンドによって指示される前記タイミングアドバンス量を前記送信に適用することによって、前記第5のデバイスへの前記送信を行なうこと
をさらに行なわせるように構成される、請求項19に記載の第4のデバイス。
【請求項22】
前記第5のデバイスが前記ターゲットデバイスを含み、前記第4のデバイスが前記第5のデバイスに切り替わり、
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第4のデバイスに、
前記伝搬遅延の差が閾値を超え、かつタイミングアドバンスコマンドにより指示されたタイミングアドバンス量が所定の値と等しいとの判断に従って、前記伝搬遅延の差を前記送信のための前記タイミング調整量として決定すること
によって、前記タイミング調整量を決定することを行なわせるように構成される、請求項16に記載の第4のデバイス。
【請求項23】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第4のデバイスに、
前記伝搬遅延の差が前記閾値を超え、かつ前記タイミングアドバンス量が前記所定の値と等しくないとの判断に従って、前記タイミングアドバンス量を前記送信のための前記タイミング調整量として決定すること
をさらに行なわせるように構成される、請求項22に記載の第4のデバイス。
【請求項24】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第4のデバイスに、
前記伝搬遅延の差が前記閾値を下回っているとの判断に従って、前記タイミングアドバンス量を前記送信のための前記タイミング調整量として決定すること
をさらに行なわせるように構成される、請求項22に記載の第4のデバイス。
【請求項25】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第4のデバイスに、
前記送信のためのタイミングアドバンスとして、前記第5のデバイスへの前記送信に前記タイミング調整量を適用すること
によって、前記第5のデバイスと前記送信を行なわせるように構成される、請求項22~24のいずれか1項に記載の第4のデバイス。
【請求項26】
第1のデバイスにおいて第2のデバイスから、前記第2のデバイスによって体感される前記第1のデバイスと第3のデバイスとの間の伝搬遅延の差を示すオフセット情報を受信することであって、前記オフセット情報が、前記伝搬遅延の差の範囲の時間シフト値に基づいて決定され、前記時間シフト値が、前記第1のデバイスに関連付けられるビームから前記第3のデバイスに関連付けられるビームへの切替えに関連付けられ、前記第3のデバイスが前記第1のデバイスとは異なる、受信することと、
前記第2のデバイスから前記第3のデバイスへの送信のためのタイミングアドバンス量を示すタイミング情報を前記第2のデバイスに送信することであって、前記タイミング情報が、前記時間シフト値に基づいて決定される、送信することと
を含む、方法。
【請求項27】
前記第2のデバイスが前記第3のデバイスに接近しているとの判断に従って、前記第2のデバイスから前記第3のデバイスへの前記送信において前記時間シフト値の使用をアクティブ化するための第1の指示を前記第2のデバイスに送信すること
をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1のデバイスに関連付けられる前記ビームの第1のインデックスおよび前記第3のデバイスに関連付けられる前記ビームの第2のインデックスを前記第2のデバイスに送信して、前記第2のデバイスから前記第3のデバイスへの前記送信における前記時間シフト値の使用をアクティブ化すること
をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記時間シフト値を示す設定を前記第2のデバイスに送信すること
をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記タイミング情報とともに前記切替えの第2の指示を前記第2のデバイスに送信することであって、前記第2の指示が、前記第1のデバイスに関連付けられる前記ビームから、前記第3のデバイスに関連付けられる前記ビームに切り替えるよう指示する、送信すること
をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記第1のデバイスおよび前記第3のデバイスのデプロイメントシナリオ、または
前記第1のデバイスと前記第3のデバイスとの間の距離
のうちの少なくとも1つに基づいて、前記時間シフト値を決定すること
をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
前記オフセット情報によって示される前記伝搬遅延の差の前記範囲が、前記時間シフト値を用いない場合と比較して、前記時間シフト値に基づいてシフトされ、
前記タイミング情報によって示される前記タイミングアドバンス量の範囲が、前記シフト値を用いない場合と比較して、前記時間シフト値に基づいてシフトされる、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
第2のデバイスにおいて、前記第2のデバイスによって体感される伝搬遅延の差の範囲の時間シフト値を取得することであって、前記時間シフト値が、第1のデバイスに関連付けられるビームから第3のデバイスに関連付けられるビームへの切替えに関連付けられ、前記第3のデバイスが前記第1のデバイスとは異なる、取得することと、
前記第2のデバイスによって体感される前記第1のデバイスと前記第3のデバイスとの間の前記伝搬遅延の差を示すオフセット情報を前記第1のデバイスに送信することであって、前記オフセット情報が、前記時間シフト値に基づいて決定される、送信することと、
前記第2のデバイスから前記第3のデバイスへの送信のためのタイミングアドバンス量を示すタイミング情報を前記第1のデバイスから受信することであって、前記タイミング情報が、前記時間シフト値に基づいて決定される、受信することと
を含む、方法。
【請求項34】
前記時間シフト値の使用がアクティブ化されているとの判断に従って、前記時間シフト値および前記伝搬遅延の差に基づいて前記オフセット情報を決定すること
をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記シフト値の使用がアクティブ化されているとの判断、および前記第1のデバイスから前記第3のデバイスへの前記切替えの判断に従って、前記時間シフト値および前記タイミング情報に基づいて前記タイミングアドバンス量を決定することと、
前記送信に前記タイミングアドバンス量を適用することによって、前記第2のデバイスから前記第3のデバイスへの前記送信を行なうことと
をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記第2のデバイスから前記第3のデバイスへの前記送信において前記時間シフト値の使用をアクティブ化するための第1の指示を前記第1のデバイスから受信することと、
前記第1の指示を受信したことに応答して、前記時間シフト値の前記使用がアクティブ化されていると判断することと
をさらに含む、請求項34または35に記載の方法。
【請求項37】
前記第1のデバイスに関連付けられる前記ビームの第1のインデックスおよび前記第3のデバイスに関連付けられる前記ビームの第2のインデックスを、前記第1のデバイスから受信することと、
前記第1のビームおよび前記第2のビームで測定された前記伝搬遅延の差が閾値を超えているとの判断に従って、前記第2のデバイスから前記第3のデバイスへの前記送信において、前記時間シフト値の前記使用がアクティブ化されていると判断することと
をさらに含む、請求項34または35に記載の方法。
【請求項38】
前記シフト値を取得することが、
前記時間シフト値を示す設定を前記第1のデバイスから受信すること
を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記タイミング情報とともに前記切替えの第2の指示を前記第1のデバイスから受信することであって、前記第2の指示が、前記第1のデバイスに関連付けられる前記ビームから、前記第3のデバイスに関連付けられる前記ビームに切り替えるよう指示する、受信すること
をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記オフセット情報によって示される前記伝搬遅延の差の範囲が、前記シフト値を用いない場合と比較して、前記シフト値に基づいてシフトされ、
前記タイミング情報によって示される前記タイミングアドバンス量の範囲が、前記時間シフト値を用いない場合と比較して、前記時間シフト値に基づくことによりシフトされる、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
第4のデバイスにおいて、ビーム切替えに関与するソースデバイスとターゲットデバイスとの間の伝搬遅延の差に少なくとも基づいて、前記第4のデバイスと第5のデバイスとの間の送信のためのタイミング調整量を決定することと、
前記タイミング調整量に基づいて、前記第5のデバイスと前記送信を行なうことと
を含む、方法。
【請求項42】
前記第4のデバイスが前記ターゲットデバイスを含み、前記第5のデバイスが前記第4のデバイスに切り替わり、
前記タイミング調整量を決定することが、
前記伝搬遅延の差、およびタイミングアドバンスコマンドによって示されるタイミングアドバンス量に基づいて、前記送信のための前記タイミング調整量を決定すること
を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記第5のデバイスと前記送信を行なうことが、
タイミングオフセット補償として、前記第5のデバイスからの前記送信に前記タイミング調整量を適用すること
を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記第5のデバイスが前記ターゲットデバイスを含み、前記第4のデバイスが前記第5のデバイスに切り替わり、
前記タイミング調整量を決定することが、
前記ソースデバイスから、前記第4のデバイスのためにタイミングオフセット補償をアクティブ化するかどうかを示す指示を受信することと、
前記指示が前記タイミングオフセット補償をアクティブ化することを示すとの判断に従って、前記伝搬遅延の差を前記送信のための前記タイミング調整量として決定することと
を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記第5のデバイスと前記送信を行なうことが、
前記送信のためのタイミングアドバンスとして、前記第5のデバイスへの前記送信に前記タイミング調整量を適用すること
を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記指示が、前記タイミングオフセット補償をアクティブ化しないよう指示するとの判断に従って、タイミングアドバンスコマンドによって指示される前記タイミングアドバンス量を前記送信に適用することによって、前記第5のデバイスへの前記送信を行なうこと
をさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記第5のデバイスが前記ターゲットデバイスを含み、前記第4のデバイスが前記第5のデバイスに切り替わり、
前記タイミング調整量を決定することが、
前記伝搬遅延の差が閾値を超え、かつタイミングアドバンスコマンドにより指示されたタイミングアドバンス量が所定の値と等しいとの判断に従って、前記伝搬遅延の差を前記送信のための前記タイミング調整量として決定すること
を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項48】
前記伝搬遅延の差が前記閾値を超え、かつ前記タイミングアドバンス量が前記所定の値と等しくないとの判断に従って、前記タイミングアドバンス量を前記送信のための前記タイミング調整量として決定すること
をさらに含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記伝搬遅延の差が前記閾値を下回っているとの判断に従って、前記タイミングアドバンス量を前記送信のための前記タイミング調整量として決定すること
をさらに含む、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記第5のデバイスと前記送信を行なうことが、
前記送信のためのタイミングアドバンスとして、前記第5のデバイスへの前記送信に前記タイミング調整量を適用すること
を含む、請求項47~49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
第2の装置から、前記第2の装置によって体感される第1の装置と第3の装置との間の伝搬遅延の差を示すオフセット情報を受信するための手段であって、前記オフセット情報が、前記伝搬遅延の差の範囲の時間シフト値に基づいて決定され、前記時間シフト値が、前記第1の装置に関連付けられるビームから前記第3の装置に関連付けられるビームへの切替えに関連付けられ、前記第3の装置が前記第1の装置とは異なる、受信するための手段と、
前記第2の装置から前記第3の装置への送信のためのタイミングアドバンス量を示すタイミング情報を前記第2の装置に送信するための手段であって、前記タイミング情報が、前記時間シフト値に基づいて決定される、送信するための手段と
を備える、第1の装置。
【請求項52】
第2の装置によって体感される伝搬遅延の差の範囲の時間シフト値を取得するための手段であって、前記時間シフト値が、第1の装置に関連付けられるビームから第3の装置に関連付けられるビームへの切替えに関連付けられ、前記第3の装置が前記第1の装置とは異なる、取得するための手段と、
前記第2の装置によって体感される前記第1の装置と前記第3の装置との間の前記伝搬遅延の差を示すオフセット情報を前記第1の装置に送信するための手段であって、前記オフセット情報が、前記時間シフト値に基づいて決定される、送信するための手段と、
前記第2の装置から前記第3の装置への送信のためのタイミングアドバンス量を示すタイミング情報を前記第1の装置から受信するための手段であって、前記タイミング情報が、前記時間シフト値に基づいて決定される、受信するための手段と
を備える、第2の装置。
【請求項53】
ビーム切替えに関与するソース装置とターゲット装置との間の伝搬遅延の差に少なくとも基づいて、第4の装置と第5の装置との間の送信のためのタイミング調整量を決定するための手段と、
前記タイミング調整量に基づいて、前記第5の装置と前記送信を行なうための手段と
を備える、第4の装置。
【請求項54】
少なくとも、請求項26~32のいずれか1項に記載の方法、請求項33~40のいずれか1項に記載の方法、および請求項41~50のいずれか1項に記載の方法を、装置に実行させるためのプログラム命令を含む、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に電気通信の分野に関し、より詳細には、特に高速シナリオにおけるアップリンク(UL)送信のためのタイミング調整のための方法、デバイス、装置およびコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
一部の通信システムでは、端末デバイスは高速シナリオで動作することがあり、例えば、端末デバイスは高速列車(HST)に位置する場合がある。さらに、mmWave/frequency range2(FR2)デプロイメントは、このような高速シナリオで追加的なネットワーク容量を提供するために使用されることがある。FR2におけるHSTデプロイメントでは、端末デバイスはビーム切替えを行なうことがあり、これはULのネットワークデバイスとの整合に関し、タイミング調整で何らかの問題が生じる。このような問題は、端末デバイスがネットワークデバイスと整合するように解決することが望ましい。
【発明の概要】
【0003】
一般に、本開示の例示の実施形態は、特に高速シナリオにおけるUL送信のタイミング調整のための解決策を提供する。
【0004】
第1の態様では、第1のデバイスが提供される。第1のデバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備え、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、第1のデバイスに、第2のデバイスから、第2のデバイスによって体感される第1のデバイスと第3のデバイスとの間の伝搬遅延の差を示すオフセット情報を受信することであって、オフセット情報は、伝搬遅延の差の範囲の時間シフト値に基づいて決定され、時間シフト値は、第1のデバイスに関連付けられるビームから第3のデバイスに関連付けられるビームへの切替えに関連付けられ、第3のデバイスは第1のデバイスとは異なる、受信することと、第2のデバイスから第3のデバイスへの送信のためのタイミングアドバンス量を示すタイミング情報を第2のデバイスに送信することであって、タイミング情報は、時間シフト値に基づいて決定される、送信することとを行なわせるように構成される。
【0005】
第2の態様では、第2のデバイスが提供される。第2のデバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備え、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、第2のデバイスに、第2のデバイスによって体感される伝搬遅延の差の範囲の時間シフト値を取得することであって、時間シフト値は、第1のデバイスに関連付けられるビームから第3のデバイスに関連付けられるビームへの切替えに関連付けられ、第3のデバイスは第1のデバイスとは異なる、取得することと、第2のデバイスによって体感される第1のデバイスと第3のデバイスとの間の伝搬遅延の差を示すオフセット情報を第1のデバイスに送信することであって、オフセット情報は、時間シフト値に基づいて決定される、送信することと、第2のデバイスから第3のデバイスへの送信のためのタイミングアドバンス量を示すタイミング情報を第1のデバイスから受信することであって、タイミング情報は、時間シフト値に基づいて決定される、受信することとを行なわせるように構成される。
【0006】
第3の態様では、第4のデバイスが提供される。第4のデバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備え、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードが、少なくとも1つのプロセッサを用いて、第4のデバイスに、ビーム切替えに関与するソースデバイスとターゲットデバイスとの間の伝搬遅延の差に少なくとも基づいて、第4のデバイスと第5のデバイスとの間の送信のためのタイミング調整量を決定することと、タイミング調整量に基づいて、第5のデバイスと送信を行なうこととを行なわせるように構成される。
【0007】
第4の態様では、方法が提供される。方法は、第1のデバイスにおいて第2のデバイスから、第2のデバイスによって体感される第1のデバイスと第3のデバイスとの間の伝搬遅延の差を示すオフセット情報を受信することであって、オフセット情報は、伝搬遅延の差の範囲の時間シフト値に基づいて決定され、時間シフト値は、第1のデバイスに関連付けられるビームから第3のデバイスに関連付けられるビームへの切替えに関連付けられ、第3のデバイスは第1のデバイスとは異なる、受信することと、第2のデバイスから第3のデバイスへの送信のためのタイミングアドバンス量を示すタイミング情報を第2のデバイスに送信することであって、タイミング情報は、時間シフト値に基づいて決定される、送信することとを含む。
【0008】
第5の態様では、方法が提供される。方法は、第2のデバイスにおいて、第2のデバイスによって体感される伝搬遅延の差の範囲の時間シフト値を取得することであって、時間シフト値は、第1のデバイスに関連付けられるビームから第3のデバイスに関連付けられるビームへの切替えに関連付けられ、第3のデバイスは第1のデバイスとは異なる、取得することと、第2のデバイスによって体感される第1のデバイスと第3のデバイスとの間の伝搬遅延の差を示すオフセット情報を第1のデバイスに送信することであって、オフセット情報は、時間シフト値に基づいて決定される、送信することと、第2のデバイスから第3のデバイスへの送信のためのタイミングアドバンス量を示すタイミング情報を第1のデバイスから受信することであって、タイミング情報は、時間シフト値に基づいて決定される、受信することとを含む。
【0009】
第6の態様では、方法が提供される。方法は、第4のデバイスにおいて、ビーム切替えに関与するソースデバイスとターゲットデバイスとの間の伝搬遅延の差に少なくとも基づいて、第4のデバイスと第5のデバイスとの間の送信のためのタイミング調整量を決定することと、タイミング調整量に基づいて、第5のデバイスと送信を行なうこととを含む。
【0010】
第7の態様では、第1の装置が提供される。第1の装置は、第2の装置によって体感される第1の装置と第3の装置との間の伝搬遅延の差を示すオフセット情報を、第2の装置から受信するための手段であって、オフセット情報は、伝搬遅延の差の範囲の時間シフト値に基づいて決定され、時間シフト値は、第1の装置に関連付けられるビームから第3の装置に関連付けられるビームへの切替えに関連付けられ、第3の装置は第1の装置とは異なる、受信するための手段と、第2の装置から第3の装置への送信のためのタイミングアドバンス量を示すタイミング情報を第2の装置に送信するための手段であって、タイミング情報は、時間シフト値に基づいて決定される、送信するための手段とを備える。
【0011】
第8の態様では、第2の装置が提供される。第2の装置は、第2の装置によって体感される伝搬遅延の差の範囲の時間シフト値を取得するための手段であって、時間シフト値は、第1の装置に関連付けられるビームから第3の装置に関連付けられるビームへの切替えに関連付けられ、第3の装置は第1の装置とは異なる、取得するための手段と、第2の装置によって体感される第1の装置と第3の装置との間の伝搬遅延の差を示すオフセット情報を第1の装置に送信するための手段であって、オフセット情報は、時間シフト値に基づいて決定される、送信するための手段と、第2の装置から第3の装置への送信のためのタイミングアドバンス量を示すタイミング情報を第1の装置から受信するための手段であって、タイミング情報は、時間シフト値に基づいて決定される、受信するための手段とを備える。
【0012】
第9の態様では、第4の装置が提供される。第4の装置は、ビーム切替えに関与するソース装置とターゲット装置との間の伝搬遅延の差に少なくとも基づいて、第4の装置と第5の装置との間の送信のためのタイミング調整量を決定するための手段と、タイミング調整量に基づいて、第5の装置と送信を行なうための手段とを備える。
【0013】
第10の態様では、コンピュータ可読媒体が提供される。コンピュータ可読媒体は、装置に、少なくとも、第4、第5、および第6の態様のいずれかに記載の方法を実施させるためのプログラム命令を含む。
【0014】
概要のセクションは、本開示の実施形態の主要な、または本質的な特徴を特定することは意図しておらず、本開示の範囲を限定するために用いられることも意図されていないことを理解されたい。本開示の他の特徴は、以下の説明によって容易に理解可能となろう。
【0015】
次に、添付の図面を参照していくつかの例示の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1A】一方向HST FR2デプロイメントの例示のシナリオの図である。
【
図1B】双方向HST FR2デプロイメントの例示のシナリオの図である。
【
図2】特定のリモートラジオヘッド(RRH)から異なる距離における伝搬遅延を示す例の図である。
【
図3】本開示の例示の実施形態を実施することができる例示の通信環境の図である。
【
図4】本開示のいくつかの例示の実施形態による、タイミング調整の例示のプロセスを示すシグナリングチャートである。
【
図5】本開示のいくつかの例示の実施形態による、シフトされた例示のレポーティング範囲の図である。
【
図6】本開示のいくつかの例示の実施形態による、タイミングアドバンスの例の図である。
【
図7】本開示のいくつかの例示の実施形態による、タイミング調整の別の例示のプロセスを示すシグナリングチャートである。
【
図8】ダウンリンク(DL)/ULスロットの不整合を示す例示の図である。
【
図9】本開示のいくつかの例示の実施形態による、タイミング調整のさらなる例示のプロセスを示すシグナリングチャートである。
【
図10】本開示のいくつかの例示の実施形態による、第1のデバイスで実施される方法のフローチャートである。
【
図11】本開示のいくつかの例示の実施形態による、第2のデバイスで実施される方法のフローチャートである。
【
図12】本開示のいくつかの例示の実施形態による、第4のデバイスで実施される方法のフローチャートである。
【
図13】本開示の例示の実施形態を実施するために適切な装置の簡略化したブロック図である。
【
図14】本開示のいくつかの例示の実施形態による、例示のコンピュータ可読媒体のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面を通じて、同一または類似の参照符号は同一または類似の要素を表現する。
【0018】
次に本開示の原理を、いくつかの例示の実施形態を参照して説明する。これらの実施形態は、単に説明目的で記載されるものであり、本開示の範囲のいかなる限定をも示唆することなく、当業者が本開示を理解して実施するのを助けるものであることを理解されたい。本明細書において説明される実施形態は、以下で説明されるもの以外に様々な方法で実施することができる。
【0019】
そうではないと定義されない限り、以下の説明、および特許請求の範囲では、本明細書において使用されるすべての技術的かつ科学的な用語は、本開示が属する分野の当業者によって共通して理解されるのと同じ意味を有する。
【0020】
本開示における「一実施形態」、「実施形態」、「例示の実施形態」などの言及は、説明される実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含み得ることを示すが、すべての実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含む必要はない。その上、このような言い回しは必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が一実施形態に関連して説明される場合、明示的に説明されているか否かにかかわらず、他の実施形態に関連してそのような特徴、構造、または特性に影響を与えることは当業者の知識の範囲内であるものとする。
【0021】
本明細書では、様々な要素を説明するために「第1の」および「第2の」などの用語が使用されることがあるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、ある要素と別の要素とを区別するためにのみ使用される。例えば、例示の実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、列挙された用語の1つまたは複数のすべてかつあらゆる組合せを含む。
【0022】
本明細書で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明することを目的としており、例示の実施形態を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、コンテキストがそうではないと明らかに示さない限りは、単数形の「a」、「an」、および「the」は、やはり複数形を含むことを意図されている。用語「comprises」、「comprising」、「has」、「having」、「includes」、および/または「including」は、本明細書で使用される場合、説明された特徴、要素、および/または構成要素などの存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、要素、構成要素、および/またはそれらの組合せの存在または追加を排除するものではないことがさらに理解されるであろう。
【0023】
本出願で使用される場合、用語「回路」は、次のうちの1つまたは複数またはすべてを指す場合がある:
(a)ハードウェアのみの回路実行(アナログおよび/またはデジタル回路のみにおける実行など)
(b)以下のような(該当すれば)ハードウェア回路とソフトウェアとの組合せ:
(i)アナログおよび/またはデジタルのハードウェア回路とソフトウェア/ファームウェアとの組合せ、ならびに
(ii)携帯電話またはサーバなどの装置に様々な機能)を実行させるようともに機能する、(デジタル信号プロセッサを含む)ソフトウェアを伴うハードウェアプロセッサの任意の部分、ソフトウェア、およびメモリ
(c)動作のためにソフトウェア(例えば、ファームウェア)を必要とするが、動作に必要とされないときにはソフトウェアが存在しなくてもよい、ハードウェア回路およびまたはマイクロプロセッサもしくはマイクロプロセッサの一部などのプロセッサ。
【0024】
回路のこの定義は、任意の特許請求の範囲を含む本出願において、この用語のすべての使用に当てはまる。さらなる例として、本出願で使用される場合、回路という用語は、単なるハードウェア回路もしくはプロセッサ(もしくは複数のプロセッサ)、またはハードウェア回路もしくはプロセッサの部分とその(それらの)付属ソフトウェアおよび/もしくはファームウェアの実装形態もカバーする。回路という用語は、例えば特定の請求項の要素に適用可能な場合、ベースバンド集積回路もしくはモバイルデバイス向けプロセッサ集積回路またはサーバの類似の集積回路、セルラネットワークデバイス、あるいは他のコンピューティングデバイスまたはネットワークデバイスもカバーする。
【0025】
本明細書で使用される場合、「通信ネットワーク」という用語は、新無線(NR)、ロングタームエボリューション(LTE)、LTE-Advanced(LTE-A)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、高速パケットアクセス(HSPA)、狭帯域モノのインターネット(NB-IoT)などの任意の適切な通信規格に従うネットワークを指す。さらに、通信ネットワークにおける端末デバイスとネットワークデバイスとの間の通信は、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、将来的な第5世代(5G)通信プロトコル、および/または現在知られているもしくは将来開発される任意の他のプロトコルを含むが、これらに限定されない、任意の適切な世代の通信プロトコルに従って実施され得る。本開示の実施形態は、様々な通信システムにおいて適用することができる。通信における急速な発展を考えると、やはり本開示が具体化され得る将来型の通信技術およびシステムがもちろん存在するだろう。本開示の範囲を前述のシステムのみに限定するものと見なすべきではない。
【0026】
本明細書で使用される場合、「ネットワークデバイス」という用語は、端末デバイスがネットワークにアクセスし、そこからサービスを受ける通信ネットワーク中のノードを指す。ネットワークデバイスは、適用される用語および技術に応じて、基地局(BS)またはアクセスポイント(AP)、例えば、ノードB(NodeBまたはNB)、進化型NodeB(eNodeBまたはeNB)、NR NB(gNBとも呼ばれる)、リモート無線ユニット(RRU)、無線ヘッダ(RH)、リモート無線ヘッド(RRH)、中継、統合アクセスおよびバックホール(IAB)ノード、フェムト、ピコなどの低電力ノード、衛星ネットワークデバイス、低軌道(LEO)衛星、および静止軌道(GEO)衛星などの非地上系ネットワーク(NTN)デバイスまたは非グラウンドネットワークデバイス、航空機ネットワークデバイスなどを指す。いくつかの例示の実施形態では、無線アクセスネットワーク(RAN)スプリットアーキテクチャは、IABドナーノードにおいて、集中ユニット(CU:Centralized Unit)および分散ユニット(DU:Distributed Unit)を含む。IABノードは、親ノードに対してUEのように振る舞う移動端末(IAB-MT)部分、およびネクストホップのIABノードに対して基地局のように振る舞うIABノードのDU部分を備える。
【0027】
「端末デバイス」という用語は、無線通信が可能な任意の終端デバイスを指す。限定ではなく一例として、端末デバイスは、通信デバイス、ユーザ機器(UE)、加入者局(SS:Subscriber Station)、携帯型加入者局(Portable Subscriber Station)、移動局(MS)、またはアクセス端末(AT)と呼ばれることもある。端末デバイスは、携帯電話、セルラ電話、スマートフォン、VoIP(Voice over IP)電話、無線ローカルループ電話、タブレット、ウェアラブル端末デバイス、携帯情報端末(PDA)、ポータブルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、デジタルカメラなどの画像キャプチャ端末デバイス、ゲーム用端末デバイス、音楽記憶装置および再生家電、車載無線端末デバイス、無線エンドポイント、移動局、ラップトップ組込み機器(LEE)、ラップトップ搭載機器(LME)、USBドングル、スマートデバイス、無線顧客構内設備(CPE)、モノのインターネット(loT)デバイス、腕時計または他のウェアラブル、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、車両、ドローン、医療用デバイスおよびアプリケーション(例えば、遠隔手術)、産業用デバイスおよびアプリケーション(例えば、産業用および/または自動化された処理チェーンのコンテキストにおいて動作するロボットおよび/または他の無線デバイス)、民生用電子機器、商業用および/または産業用無線ネットワークで動作するデバイスなどを含み得るが、それらに限定されない。また、端末デバイスは、IABノード(例えば、中継ノード)の移動端末(MT)部分に対応することもある。以下の説明では、「端末デバイス」、「通信デバイス」、「端末」、「ユーザ機器」および「UE」という用語は、互換的に使用される場合がある。
【0028】
上記で簡単に述べたように、mmWaveではパスロスが大きくネットワークセルのカバレッジが制限されるため、mmWave/FR2デプロイメントは、多くのユーザで混雑したエリアで追加的なネットワーク容量を提供するために補完的なものとして使用される。そのため、FR2デプロイメントは通常、ネットワークセル間が数百メートルレベルという短い距離の、密なものである。
【0029】
図1Aおよび
図1Bは、FR2デプロイメントにおけるHSTの例示のシナリオ100および160を図示している。
図1Aおよび
図1Bに示されるように、HST150、ひいてはHST150上に配置されたルーフマウント型のCPE140は、高速、例えば350km/時を超える速度で移動している可能性がある。DU110には、複数のRRH、例えば、RRH120-1、RRH120-2、およびRRH120-3が備えられてもよく、これらのRRHは、HST150が走行する軌道に沿って離間されてもよい。RRH120-1、RRH120-2、およびRRH120-3は、「RRH120」と総称されることもあるし、個々に「RRH120」と呼ばれることもある。RRH120は、DU110の実質的に同じセルに属することがある。RRH間距離とも呼ばれるRRH120間の距離は、所定の距離、例えば700mに等しい距離とすることができる。
【0030】
RRH120は、ビームを介したCPE140との通信用のビームを提供するように構成されている。
図1Aに示されるような一方向デプロイメントでは、RRH120は、一方向のビーム、例えばビーム130-1、ビーム130-2、およびビーム130-3を提供する。HST150が軌道の異なる場所に配置されている場合、HST150に配置されるCPE140は、異なるビーム130を介して複数のRRH120と送信を行なうことができる。例えば、HST150が
図1Aの矢印で示す方向に移動している場合、CPE140は、最初にビーム130-1を介してRRH120-1と送信を行ない、次にビーム130-2を介してRRH120-2と送信を行なうことができる。
【0031】
図1Bに示されるような双方向デプロイメントでは、RRH120は、二方向のビーム、例えばビーム130-4、ビーム130-5、ビーム130-6、ビーム130-7などを提供する。ビーム130-1、130-2、130-3、130-4、130-5、130-6および130-7は、「ビーム130」と総称されることもあるし、個々に「ビーム130」と呼ばれることもある。HST150が
図1Bの矢印で示す方向に移動している場合、CPE140は、最初にビーム130-5を介してRRH120-1と送信を行ない、次にビーム130-7を介してRRH120-2と送信を行なうことができる。
【0032】
図1Aおよび
図1Bに示されるように、サービングビームは、CPE140に関し、あるRRHから別のRRHに切り替えられる。換言すると、サービングRRHはCPE140のために切り替えられる。ビーム切替え中またはRRH切替え中、例えば、HST150の移動性により、サービングビームがあるRRH120から次のRRH120に切り替えられた場合、RRH120が実質的に同じDU110に接続されているため、CPE140は実質的に同じセルに接続されたままとなる。
【0033】
ビーム切替え中またはRRH切替え中、RRH間の距離が大きいと(例えば700m)、隣接するRRH間で伝搬遅延に著しい差が生じる。伝搬遅延における著しい差は、数マイクロ秒レベルとなる場合がある。
図2は、特定のRRHから異なる距離におけるサイクリックプレフィックス(CP)長に対する、伝搬遅延の差の例示の
図200を示す。プロット210、220、230および240は、それぞれ、RRH120-1、RRH120-2、RRH120-3およびより遠いRRH(
図1Aおよび
図1Bには示されていない)のCP長に対する伝搬遅延の差を図示している。プロット210から、RRH120-1とRRH120-2との間の距離700mにおけるCP長に対する伝搬遅延の差は、交点215において4より大きいと判断される。そのため、端末デバイスがRRH120-2のカバレッジエリアに到達すると、RRH120-1とRRH120-2との間の伝搬遅延の差は、CP長のおよそ5倍になる。例えば、120kHzのサブキャリア間隔(SCS)では、CP長は0.57μ秒に等しい。この場合、距離700mの2つのRRH間の伝搬遅延の差は約2.3μ秒と計算され得る。
【0034】
RRH間距離が700mの場合、連続する2つのRRH120からの2つの信号間の伝搬遅延の差は約2.3μ秒となり、CP長よりもはるかに大きくなる。伝搬遅延の大きな差により、ULタイミング整合に関しULタイミング調整の点で限界が生じる。
【0035】
従来、ULタイミング整合に対処するために、タイミングアドバンス(TA)を適用することが提案されてきた。TAは、サービングセル/RRHからのDLフレームを受信した時点と比較して、UEがそのUL送信に適用する時間の前進(advance in time)である。この方法では、gNB受信機に到着する信号は、gNBの観点からULフレームの開始と整合される。TAは、実質的に同時にgNBに到着するようにgNBが複数のUEの受信を同期できるようになるため、ネットワークの運用および実施に必要とされる。UEでのUL送信タイミングを制御するには、TAC(Timing Advance Command)が使用される。
【0036】
TACは2つの方法で指示することができる。TACは、ランダムアクセス(RA)手順の一部としてランダムアクセス応答(RAR)を通じて指示することができ、これは初期タイミングオフセットに関連付けられる。UEが無線リソース制御(RRC)接続モードにある場合、TACは媒体アクセス制御(MAC)-制御要素(CE)を介して指示することができ、これは残留タイミングオフセットに関連付けられる。MAC-CEを介して指示されたTACは、必要なときにUEにおける使用済みTAを更新するためにネットワークによって使用される。このため、gNBは常に測定および追跡を行ない、移動に起因する伝搬遅延の時間変化をいつ補償するかを、UEにTA更新を送信することでUEに指示する。UEが必要とするTA量を推定するために、gNBは、ULフレーム/スロットの実際の開始と比較したULチャネル(例えば、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)/物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)/サウンディング参照信号(SRS))の到達時間を、常に測定する。
【0037】
TACは現在6ビットに制限されており、その結果、シングルショットのTA変化は最大2.1μ秒である。一部のデプロイメントシナリオでは、6ビットのTACでは、2つのRRH間の伝搬遅延の差を完全に補償するには十分ではない。実際、上記でも計算したように、700mのRRH間距離の場合、2.3μ秒の伝搬遅延の差が予想され得るため、タイミングアドバンスの最小誤差は0.2μ秒(2.3μ秒-2.1μ秒)となり、UL受信機の性能に影響する。
【0038】
UL gNB受信機は通常、[-CP/2:CP/2]μ秒の間の時間オフセットを追跡するように設計される。UEが自律的にUL送信タイミングを追跡すると仮定しても、この範囲を超える誤差により、このような時間オフセットの推定および補償に問題が生じる。
【0039】
上記の例では、予想される時間オフセットは理想的には0.2μ秒であり、これはCP/2=0.29μ秒より小さく、理論的に補償することができる。しかしながら、UEには0.11μ秒のタイミング誤差が許容されるため、gNB受信機では0.31μ秒の時間オフセットが生じる可能性があり、これはCP/2よりも大きくなり、時間オフセット推定器によりサポートされる範囲を超えることになる。加えて、RRH間距離700mが主に基準値として使われている。実用的なデプロイメントでは、より長い距離が存在するか、または必要とされる可能性があり、0.31μ秒より大きなタイミングアドバンスの誤差が生じる。
【0040】
上記のことを考慮して、従来のタイミング整合メカニズムを使用した場合、以下のような弊害が予想される:RRH切替えにおける時間オフセットはCP長の2倍より大きいが、ネットワークデバイスのタイミングオフセット(TO)推定器は、このような大きなタイミングオフセット値を扱うようには設計されていない可能性が高い。そのため、ネットワークは適切なTACを推定(および端末デバイスに指示)することができない。UL送信タイミングの不整合は、ネットワークデバイス側でULの復号化の失敗につながり、ビーム障害または無線リンク障害をもたらす。この場合、端末デバイスはセルへの接続を再確立する必要がある。DLとULの両方において、データ送信はかなりの時間中断される。
【0041】
別の態様では、UEによってネットワークにΔTOをレポートするよう提案されている。ΔTOは、1つのUEによって体感される隣接する2つのRRH間の伝搬遅延の差として定義される。ΔTOをレポートすることは、このような差を追跡する際ネットワークを支援することができる。
【0042】
ΔTOをレポートすることは、TACフレームワークに従って設計されるように期待されるため、6ビットの表現範囲で特性付けされ、それに制限されるよう期待される。そのような場合、TACに関して前述したような、6ビットのフィールドが制限となり、伝搬遅延の差の実際の量を表現できないようなシナリオが同様に考えられる。その結果、ネットワークは実際の伝搬遅延の差を知ることができず、ネットワークの運用に影響が出る。
【0043】
しかしながら、TACおよびΔTOに伴うこのような問題は、次の理由からこれまで考慮されてこなかった。1つ目の理由は、mmWaveネットワークは通常、単独ではなく、より長距離のFR1カバレッジが利用可能なヘテロジニアスなシナリオで検討されるからである。したがって、mmWaveのRRH間距離は、HSTのFR2デプロイメントで現在考えられているよりもかなり短い。2つ目に、新無線(NR)ビーム切替え手順は、ビームが分散しているのではなくコロケートされるシナリオに基づいて開発された。HSTデプロイメントでは、より頻繁なハンドオーバ(HO)(すなわち、少なくとも1つのRRHが個々のセルに対応する場合)の代わりに、より高速なMACベースのセル内モビリティのために、より大きなセルを持つことが有益である。そのため、RRHが変わるたびにRA手順が伴わず、より大きなTA調整が必要となる。したがって、特にFR2におけるHSTのシナリオ用に、UL送信のためのタイミング調整を強化する必要がある。
【0044】
本開示の例示の実施形態によれば、タイミング調整、特にFR2におけるHSTのUL送信のタイミング調整のための解決策が提案される。本開示では、タイミングアドバンスの時間シフト値および伝搬遅延の差を使用して、タイミング調整をどのように行なうかについての解決策が提案される。端末デバイスは、ソースデバイス(例えば、ソースRRH)から、ソースデバイスからターゲットデバイス(例えば、ターゲットRRH)への切替えに関連付けられる時間シフト値を指示する設定を受信する。端末デバイスは、時間シフト値に基づいてオフセット情報を決定する。オフセット情報は、ソースデバイスとターゲットデバイスとの間の伝搬遅延の差を示す。端末デバイスは、伝搬する遅延の差のレポートとして、オフセット情報をソースデバイスに送信する。ソースデバイスは、端末デバイスからターゲットデバイスへの送信のためのタイミングアドバンス量を示すタイミング情報を決定し、このタイミング情報を端末デバイスに送信する。次いで、端末デバイスは、タイミング情報および時間シフト値に基づいて、ターゲットデバイスと送信を行なう。
【0045】
時間シフト値を使用することで、オフセット情報を使用して余分なオーバヘッドを伴わずに伝搬遅延の差をレポートすることができ、タイミング情報を使用して余分なオーバヘッドを伴わずにタイミングアドバンスを示すことができる。例えば、ΔTOのフィールドおよびTACのフィールドは、拡張することなく6ビットとして維持することができる。換言すると、HST FR2シナリオにおけるRRH切替え時の伝搬遅延の大きな差は、TACおよびΔTOレポーティングについて最小のシグナリングオーバヘッドで、またはさらなるシグナリングオーバヘッドなしに表現され、補正することができる。こうすることで、UL送信がタイミング整合されるよう確実にすることができる。
【0046】
本開示の原理および実施形態を、
図3~
図14を参照して以下に説明する。
【0047】
図3は、本開示の例示の実施形態を実施することができる例示の通信環境300を示す。通信環境300では、デバイス310、デバイス320、デバイス330、およびDU370を含む複数の通信デバイスは、互いに通信することができる。
【0048】
図3の例では、デバイス310およびデバイス320は、DU370に接続されたネットワークデバイスとして図示されている。例えば、デバイス310およびデバイス320は、隣接する2つのRRHであってもよい。デバイス310および320は、DU370によって提供されるセルのカバレッジ内に位置する。デバイス310および320は、それぞれセル内の複数のビームに関連付けられる場合がある。例えば、デバイス310はビーム340に関連付けられ、デバイス320はビーム350に関連付けられる。
【0049】
デバイス330は、DU370によって、例えばデバイス310またはデバイス320によって、サービングされる端末デバイスとして図示されている。例えば、デバイス330は、CPEまたはHST360に搭載される任意の他の適切なデバイスであってもよい。別の例として、デバイス330は、HST360の乗客によって持ち運ばれるUEであってもよい。デバイス330は、ビーム340を介してデバイス310と送信を行なってもよいし、ビーム350を介してデバイス320と送信を行なってもよい。
【0050】
図3は一例として一方向のデプロイメントを図示しているが、本開示の実施形態は双方向のデプロイメントにも適用できることを理解されたい。デバイスとビームの数は、単なる説明目的であり、いかなる限定をも示唆するものではないことを理解されたい。通信環境300は、本開示の実施形態を実施するために設定される、任意の適切な数のデバイスおよびビームを含むことができる。示されていないが、1つまたは複数の端末デバイスがHST360に配置され、DU370に接続されたデバイスによってサービングされ得ることを理解されたい。ネットワークデバイスとして図示されているが、デバイス310およびデバイス320はネットワークデバイス以外のデバイスであってもよいことに留意されたい。端末デバイスとして図示されているが、デバイス330は端末デバイス以外のデバイスであってもよい。
【0051】
いくつかの例示の実施形態では、デバイス330が端末デバイスであり、デバイス310および320がネットワークデバイスである場合、デバイス310またはデバイス320からデバイス330へのリンクはDLと呼ばれ、デバイス330からデバイス310またはデバイス320へのリンクはULと呼ばれる。DLでは、デバイス310および320は送信(TX)デバイス(または送信機)であり、デバイス330は受信(RX)デバイス(または受信機)である。ULでは、デバイス330はTXデバイス(または送信機)であり、デバイス310および320はRXデバイス(または受信機)である。
【0052】
通信環境300における通信は、第1世代(1G)、第2世代(2G)、第3世代(3G)、第4世代(4G)および第5世代(5G)などのセルラ通信プロトコル、Institute for Electrical and Electronics Engineers(IEEE)802.11などの無線ローカルネットワーク通信プロトコル、および/または現在知られているもしくは将来開発される任意の他のプロトコルを含むが、これらに限定されない、任意の適切な通信プロトコルに従って実施することができる。その上、通信は、以下に限定されないが、任意の適切な無線通信技術を利用することができる:符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割複信(FDD)、時分割複信(TDD)、多入力多出力(MIMO)、直交周波数分割多元接続(OFDM)、離散フーリエ変換拡散OFDM(DFT-s-OFDM)、および/または現在知られているもしくは将来開発されるあらゆる他の技術。
【0053】
例示の環境300では、サービングデバイスはデバイス330用に切り替えることができる。例えば、デバイス330のためにサービングRRH切替えが発生し得る。具体的には、HST360が矢印で示す方向に移動すると、デバイス330用のサービングデバイスはデバイス310からデバイス320に切り替わる。最初、デバイス330はビーム340を介してデバイス310と送信を行なうことができる。デバイス320のカバレッジエリアに入った後、デバイス330はビーム350を介してデバイス320と送信を行なうように切り替わることができる。この場合、デバイス330からデバイス320への送信のタイミング整合を確実にするために、タイミング調整が必要となる。
【0054】
時間シフト値
次に
図4を参照する。
図4は、本開示のいくつかの例示の実施形態による、タイミング調整の例示のプロセスを図示するシグナリングチャート400を示す。検討目的のため、
図3を参照してシグナリングチャート400を説明する。シグナリングチャート400には、
図3に図示されるように、デバイス310、デバイス320、およびデバイス330が含まれる。
【0055】
動作時には、伝搬遅延の差の範囲の時間シフト値がデバイス330に設定され、この値はシフト値Mとも呼ばれる。シフト値Mは、あるデバイスに関連付けられるビームから、別のデバイスに関連付けられる別のビームへの切替えに関連付けられる。いくつかの例示の実施形態では、シフト値Mは特定の切替えに固有であってもよい。例えば、シフト値Mは、ビーム340からビーム350への切替えに固有であってもよい。あるいは、シフト値Mは、実質的に同じセル内に位置するデバイス同士の切替えに共通であってもよい。例えば、シフト値Mは、ビーム340からビーム350への切替えと、ビーム350からデバイス320に続く別のデバイス(やはりDU370に接続されている)に関連付けられる別のビームへの切替えとで共通にすることができる。RRHが軌道に沿って均等に分散されている場合、シフト値Mは共通であってもよい。
【0056】
シフト値Mは、デバイス310および320を含むネットワークデバイスのデプロイメントシナリオに基づいて決定されてもよい。あるいは、または加えて、デバイス310と320との間の距離に基づいてシフト値Mを決定してもよい。
【0057】
いくつかの例示の実施形態では、時間シフト値は動的に設定されることがある。
図4に示されるように、デバイス310は時間シフト値を決定すること410ができる。このような例示の実施形態では、デバイス320には、DU370から、またはDU370に接続された別のデバイスから、時間シフト値が通知されてもよく、DU370に接続された、いくつかまたはすべての他のデバイスにも時間シフト値が通知されてもよい。デバイス310は、時間シフト値を示す設定をデバイス330に送信すること415ができる。例えば、デバイス310はRRCメッセージで時間シフト値をデバイス330に送信すること415ができる。
【0058】
いくつかの例示の実施形態では、時間シフト値は静的または半静的に設定されることがある。DU370またはDU370に接続された別のデバイスが、時間シフト値を決定してもよい。例えば、一方向シナリオでは、時間シフト値は、デバイス310および320を含むDU370に接続された、いくつかまたはすべてのデバイスに対して一度だけ設定することができる。このような例示の実施形態では、時間シフト値はデバイス310からデバイス330に送信され得る。あるいは、時間シフト値は、DU370に接続された別のデバイス、例えば軌道に沿ってデバイス310に先行するデバイスから、デバイス330に送信されてもよい。
【0059】
共通の時間シフト値の場合、時間シフト値は、例えば隣接するRRH間の距離が変わるなどの大きな変化が生じない限り、同じ値を維持することができる。大きな変化が生じると、DU370は、デバイス310および320を含むDUに接続されたいくつかまたはすべてのデバイス、およびこれらのデバイスのいくつかまたはすべてのビームについて、時間シフト値を再設定することができる。次いで、その時点でデバイス330と送信を行なっているソースデバイスは、再設定された時間シフト値をデバイス330に送信することができる。
【0060】
デバイス330は、時間シフト値を受信してもすぐに使用しないことがある。換言すると、デバイス330での時間シフト値の使用をアクティブ化する必要があり得る。時間シフト値の使用には、TACの解釈における使用を含め、デバイス330からデバイス320への送信のための時間シフト値の使用を含むことができる。時間シフト値の使用は、デバイス330によって体感されるデバイス310とデバイス320との間の伝搬遅延の差のレポート、すなわち時間オフセットΔTOのレポートにおける時間シフト値の使用をさらに含み得る。
【0061】
いくつかの例示の実施形態では、時間シフト値の使用は、デバイス310からの指示によってネットワーク支援の手法でアクティブ化されてもよい。
図4に示されるように、デバイス310はデバイス330がデバイス320に接近していると判断すること420ができる。例えば、デバイス310は、デバイス330の位置信号とデバイス320の位置に基づいて、デバイス330がデバイス320に接近していると判断することができる。あるいは、DU370が、デバイス330の位置信号とデバイス320の位置に基づいて、デバイス330がデバイス320に接近していると判断することができる。DU370はさらに、デバイス330がデバイス320に接近していることをデバイス310に知らせることができる。また、DU370は、デバイス330がデバイス320に接近していることをデバイス320に知らせることもできる。
【0062】
デバイス330がデバイス320に接近している場合、デバイス310は、デバイス330からデバイス320への送信において、時間シフト値の使用をアクティブ化するための指示(「第1の指示」または「アクティブ化指示」とも呼ばれる)を、デバイス330に送信すること425ができる。アクティブ化指示はまた、デバイス330によって体感されるデバイス310とデバイス320との間の伝搬遅延の差をレポートする際の時間シフト値の使用をアクティブ化するために使用され得る。換言すると、アクティブ化指示により、時間シフト値は、TACの解釈およびタイミングオフセットΔTOをレポートするためにアクティブ化されてもよい。前述のように、ΔTOは、デバイス330によって体感されるデバイス310とデバイス320の間の伝搬遅延の差を表す。アクティブ化指示は、ダウンリンク制御情報(DCI)またはMAC CEを介してデバイス330に送信されてもよい。アクティブ化指示を受信すると、デバイス330は、時間シフト値の使用をアクティブ化するように決定すること430ができる。
【0063】
加えて、またはあるいは、いくつかの例示の実施形態では、時間シフト値の使用は、アクティブ化指示を伴わずに自律的な手法でアクティブ化されることがある。デバイス330は、1つまたは複数の基準に基づいて、時間シフト値の使用をアクティブ化するように自律的に決定すること430ができる。
【0064】
一例として、デバイス330は、デバイス310に関連付けられる第1のビーム(例えば、
図3に示すビーム340)の第1のインデックス、およびデバイス320に関連付けられる第2のビーム(例えば、
図3に示すビーム350)の第2のインデックスを受信することができる。第1のビームと第2のビームでの伝搬遅延の差の測定を使用して、時間シフト値の使用をアクティブ化することができる。第1のビームおよび第2のビームで測定された伝搬遅延の差が閾値を超える場合、デバイス330は、時間シフト値の使用がアクティブ化されていると判断することができる。例えば、測定されたΔTO
s(秒単位のΔTOである)が秒単位で閾値を超える、またはΔTOを表すために使用されるペイロードが閾値サイズ(例えば、6ビット)を超えるとデバイス330が判断した場合、デバイス330は、時間シフト値の使用がアクティブ化されていると判断することができる。この場合、閾値を超えるΔTOをレポートした後、デバイス330は、デバイス330からデバイス310へのΔTOの次のレポートにおいて、時間シフト値を使用すると決定することができる。デバイス310は、デバイス310に関連付けられるビームからデバイス320に関連付けられるビームへの切替えを指示する第2の指示とともに、デバイス310によってデバイス330に送信されるタイミング情報コマンドで時間シフト値の使用をアクティブ化する。閾値は、ネットワーク、例えばデバイス310またはDU370によって設定することができる。
【0065】
このような例示の実施形態では、ネットワーク支援の手法または自律的手法によって、時間シフト値の使用における協調がネットワークとUEとの間で実現される。一部のデプロイメントシナリオ、例えば、より複雑な双方向デプロイメントでは、ΔTOのレポートおよびTACの解釈における曖昧さを避けるために、このような協調が必要である。RRHが複数のビームを有する事例では、UEが少なくとも1つのビーム切替え時にTACを解釈するためにシフト値Mを適用することを避けることができ、むしろサービングRRHが変更されたときにのみシフト値Mが適用されることを確実にすることができる。
【0066】
デバイス330は、ネットワーク支援の手法または自律的手法のいずれかによって時間シフト値の使用がアクティブ化されていると判断した後、RRH切替えに対応する次のビーム切替えのTACを解釈するために時間シフト値を使用してもよい。例えば、時間シフト値の使用がアクティブ化され、デバイス310からデバイス320への切替えが発生した場合、デバイス330は時間シフト値と6ビットのTACなどのタイミング情報に基づいてTA量を決定することができる。TACの解釈については以下で詳述する。
【0067】
TACの解釈とは異なり、デバイス330が、ネットワーク支援の手法または自律的手法のいずれかによって時間シフト値の使用がアクティブ化されていると判断すると、時間シフト値を使用して伝搬遅延の差をレポートすることができる。例えば、時間シフト値の使用がアクティブ化されると、デバイス330は、時間シフト値とデバイス330によって体感される伝搬遅延の差とに基づいて、オフセット情報(6ビットのΔTOなど)を決定することができる。オフセット情報は、デバイス330によって体感される伝搬遅延の差をネットワークに指示するために使用される。時間シフト値がアクティブ化される前に、デバイス330は伝搬遅延の差に基づいてオフセット情報を決定できることを理解されたい。
【0068】
一例として、ΔTOは6に等しいビット数で表すことができる。つまり、ΔTOの値は0から63の範囲である。デバイス330によって体感される秒単位の伝搬遅延の差は、ΔTO
sで表すことができ、これは秒単位のΔTOである。例えば、時間シフト値がアクティブ化される前に、ΔTO
sとΔTOの関係は、式(1)を用いて表すことができる:
【数1】
(1)
上式で、T
cは0.509n秒に等しく、μはFR2 120kHzのSCSにおいて3に等しい。式(1)を使用して、ΔTO
sの範囲は、-2.1μ秒~2.1μ秒(対称範囲と呼ばれる)とすることができる。
図5は、ΔTO
sが-2.1μ秒~2.1μ秒の範囲510を示す。
【0069】
時間シフト値がアクティブ化されると、デバイス330によって体感される秒単位の伝搬遅延の差は、
【数2】
で表すことができ、これは秒単位のΔTOである。
【数3】
とΔTOの関係は、次のように式(2)を用いて表すことができる。
【数4】
(2)
上式で、T
cは0.509n秒に等しく、μはFR2 120kHzのSCSにおいて3に等しく、Mは時間シフト値を表す。ビット単位のΔTOが伝搬遅延の差としてデバイス310にレポートされる。式(2)を使用することで、
【数5】
は非対称な範囲を有することができる。例えば、時間シフト値が20に等しい場合、
【数6】
の範囲は-0.7μ秒~3.4μ秒とすることができる。
図6は、
【数7】
が-0.7μ秒~3.4μ秒の範囲620を示す。
【0070】
6ビットの時間シフト値ΔTOを使用して、-0.7μ秒~3.4μ秒の範囲の伝搬遅延の差を表すことができる。
図6から分かるように、オフセット情報によって示される伝搬遅延の差の範囲は、時間シフト値を用いない場合と比較して、時間シフト値に基づいてシフトされる。このようにして、デバイス330は、6ビットの中でより大きな伝搬遅延の差、例えば2.1μ秒より大きい差をレポートすることができる。
【0071】
戻って
図4を参照する。デバイス330は、デバイス330によって体感されるデバイス310とデバイス320の間の伝搬遅延の差を示すオフセット情報をデバイス310に送信する435。オフセット情報(例えば6ビットのΔTO)は時間シフト値に基づいて決定される。例えば、ΔTOの値は、式(2)を用いて決定することができる。オフセット情報(例えば、6ビットのΔTO)は、PUCCHまたはPUSCHを介してデバイス310に送信されてもよい。このようにして、DU370またはデバイス310は、デバイス310と320との間の伝搬遅延の差を、より大きな範囲で追跡することができる。
【0072】
デバイス310は、デバイス330からデバイス320への送信のためのTA量を示すタイミング情報をデバイス330に送信する440。タイミング情報、例えば6ビットのTACは、時間シフト値に基づいて決定される。デバイス310は、6ビットのTACをMAC CEを介してデバイス330に送信すること440ができる。
【0073】
いくつかの例示の実施形態では、デバイス310は、タイミング情報とともに切替えの指示(「第2の指示」または「切替え指示」とも呼ばれる)をデバイス330に送信することができる。切替え指示は、デバイス310に関連付けられるビーム(例えば、
図3に示すビーム340)からデバイス320に関連付けられるビーム(例えば、
図3に示すビーム350)に切り替えるよう、デバイス330に指示する。
【0074】
デバイス310からタイミング情報を受信した後、デバイス330は時間シフト値に基づいてTACの解釈を実行することができる。本明細書で使用される場合、TACの解釈とは、TACに基づいて送信に使用されるTA量を決定することを意味する。例えば、TACの解釈は以下の式(3)に基づいて行なうことができる:
【数8】
(3)
上式で、T
cは0.509n秒に等しく、μはFR2 120kHzのSCSにおいて3に等しく、TA
oldはデバイス330がそのUL送信に適用している既存のTAを表し、Mは時間シフト値を表し、TACはタイミング情報(例えば、タイミングアドバンスコマンド)に含まれるビット値で、TAC=0、1、2、...、63である。式(3)を使用することで、デバイス330は、6ビットのTACと時間シフト値に基づいてTAの値を決定することができる。
【0075】
時間シフト値がアクティブ化される前に、デバイス330は時間シフト値を使用せずにTACの解釈を実行してもよいことに留意されたい。例えば、デバイス330は、以下の式(4)に基づいてTAの値を決定することができる。
【数9】
(4)
上式で、T
cは0.509n秒に等しく、μはFR2 120kHzのSCSにおいて3に等しく、TA
oldはデバイス330がそのUL送信に適用している既存のTAを表し、TAC=0、1、2、...、63である。式(4)を使用することで、デバイス330は、6ビットのTACに基づいてTAの値を決定することができる。式(3)と式(4)の比較から分かるように、時間シフト値に基づいてタイミングアドバンスの範囲がシフトされる。
【0076】
デバイス330は、デバイス310からのタイミング情報に基づいてTA量を決定する。デバイス330がデバイス310からデバイス320への切替えを決定すると、デバイス330は、決定された量のTAを適用することにより、デバイス330からデバイス320への送信を実行することができる。例えば、デバイス330は、決定された量のTAをデバイス320への次のUL送信に適用し、デバイス320への次のUL送信を実行すること445ができる。デバイス330は、PUSCH、PUCCH、およびSRSなどのUL送信にTAを適用することができる。
図6は、デバイス330でTAを適用する例を示している。
図6に示すように、ULスロット620には、DLスロット610が受信された時刻と比較して、ある量のTA630が適用される。
【0077】
伝搬遅延の差およびタイミングアドバンス量の範囲または平均値をシフトさせることで、端末デバイスは余分なオーバヘッドを伴わずに伝搬遅延の差をレポートすることができ、タイミング情報を使用して余分なオーバヘッドを伴わずにタイミングアドバンスを示すことができる。例えば、ΔTOのフィールドおよびTACのフィールドは、拡張することなく6ビットとして維持することができる。換言すると、HST FR2シナリオにおけるRRH切替え時の伝搬遅延の大きな差は、TACおよびΔTOレポーティングについて最小のシグナリングオーバヘッドで、またはさらなるシグナリングオーバヘッドなしに表現され、補正することができる。こうすることで、UL送信がタイミング整合されるよう確実にすることができる。
【0078】
送信不整合の補償
時間オフセットと時間アドバンスをシフトさせることに関し、いくつかの実施形態を、
図4を参照して説明した。
図4を参照して説明した例示の実施形態では、ΔTOのレポーティングおよびTACの指示は、例えば6ビットに制限される。あるいは、いくつかの例示の実施形態では、ΔTOのレポーティングは、制約とならない。換言すると、ネットワーク(例えば、DU370、デバイス310、およびデバイス320)は、デバイス330によって体感される伝搬遅延の差を完全に把握している。このような例示の実施形態では、ネットワークがデバイス330にUL送信を適切な量だけ前進させるよう指示できるように、TAC範囲が制限される問題に対処する必要がある。
【0079】
このような例示の実施形態では、ビーム切替えに関与するデバイス(例えば、デバイス330またはデバイス320)は、ソースデバイスとして作用するデバイス310とターゲットデバイスとして作用するデバイス320との間の伝搬遅延の差に少なくとも基づいて、デバイス320とデバイス330との間の送信のためのタイミング調整量を決定することができる。ソースデバイスとは、ビーム切替え前にデバイス330と送信を行なうデバイスを指す。ターゲットデバイスとは、ビーム切替え後にデバイス330と送信を行なうデバイスを指す。次いで、デバイスは送信のための決定されたタイミング調整量に基づいて、他のデバイスと送信を行なうことができる。
【0080】
いくつかの例示の実施形態では、送信のためのタイミング調整量を決定するデバイスは、ターゲットデバイスとして作用するデバイス320である。次に
図7を参照すると、
図7は本開示のいくつかの例示の実施形態による、タイミング調整の例示のプロセスを示す別のシグナリングチャート700を示している。検討目的のため、
図3を参照してシグナリングチャート700を説明する。シグナリングチャート700には、
図3に図示されるように、デバイス320およびデバイス330が含まれる。
【0081】
動作時には、デバイス320は、伝搬遅延の差およびTACによって指示されるTA量に基づいて、デバイス330とデバイス320との間の送信のためのタイミング調整量を決定すること710ができる。この場合、デバイス320(すなわち、ターゲットデバイス)およびデバイス310(すなわち、ソースデバイス)には、デバイス330によって体感されるΔTOの値が分かっている。TACはデバイス320によって設定されてもよい。あるいは、TACはDU370によってデバイス320用に設定されてもよい。
【0082】
例えば、伝搬遅延ΔTOの差とTACによって指示されるTA量の差εは、以下の式(5)を使用して決定することができる:
ε=ΔTO-TAC (5)
上式で、ΔTOとTACは秒単位であり、差εもやはり秒単位である。送信のためのタイミング調整量は、差εとして決定されてもよい。
【0083】
図8は、DLスロット810とULスロット820の不整合を示す例示の図を示す。
図8において、例800は、デバイス330における理想的なTAを示している。伝搬遅延の差はΔTO830として示される。TAC850の長さは、ΔTO830の長さよりも差ε840だけ短い。理想的には、デバイス330は、ΔTO830を補償するようにULスロット820に(TAC850+差ε840)を適用すべきである。
【0084】
しかしながら、実際には、デバイス330は、ULスロット820にTAC850を適用するだけでよい。例860は、デバイス330における実際のTAを示している。例870は、デバイス330における残留不整合を示している。例870に示されるように、DLスロット810とULスロット820との間の不整合ε840は、依然として存在する。
【0085】
ここで、戻って
図7を参照する。上記で検討したように、デバイス330がデバイス320への送信のためにTACによって指示されたTAを適用する場合、DLスロット810とULスロット820との間のε840の不整合は、依然として存在する。このような不整合に対処するため、デバイス320は、送信のためのタイミング調整量を決定した後、送信のためのタイミング調整量に基づいてデバイス330と送信を行なう715。例えば、デバイス330は、タイミングオフセット補償として差εを適用することができる。デバイス330は、ULスロットを受信し、あらゆる他の処理の前に、時間領域または周波数領域でタイミングオフセット補償を適用することができる。このように、ターゲットデバイスは、送信のためのタイミング調整量を適用することで、UL送信の不整合を補償することができる。
【0086】
あるいは、いくつかの例示の実施形態では、送信のためのタイミング調整量を決定するデバイスは、デバイス330である。いくつかの例示の実施形態では、デバイス320は差εを認識することができるが、それを補償しない。デバイス330は、ネットワークからの指示に基づいて補償を実行することが許可される。
【0087】
次に
図9を参照すると、
図9は、本開示のいくつかの例示の実施形態による、タイミング調整の例示のプロセスを示す別のシグナリングチャート900を示している。検討目的のため、
図3を参照してシグナリングチャート900を説明する。シグナリングチャート900には、
図3に図示されるように、デバイス310、デバイス320、およびデバイス330が含まれる。
【0088】
動作時には、デバイス310はデバイス330にTACを送信する910。例えば、TACによって指示されるTA量は、次のように式(6)を用いて求められる:
【数10】
(6)
上式で、T
cは0.509n秒に等しく、μはFR2 120kHzのSCSにおいて3に等しく、TACは0、1、2、...、3846に等しい。
【0089】
デバイス310は、デバイス330に対してタイミングオフセット補償をアクティブ化させるかどうかを指示する指示(「補償指示」とも呼ばれる)を、デバイス330に送信すること915ができる。例えば、デバイス310は、DCIまたはMAC CEを介して指示をデバイス330に送信することができる。
【0090】
指示が、タイミングオフセット補償をアクティブ化するよう指示する場合、デバイス330は、デバイス330によって体感されるデバイス310とデバイス320との間の伝搬遅延の差(ΔTOなど)を、デバイス320への送信のためのタイミング調整量として決定すること920ができる。次いで、デバイス330はタイミング調整量に基づいて、デバイス320と送信を行なう925。例えば、デバイス330は、送信のためのTAとして、デバイス320への送信に完全なΔTOを適用することができる。一例として、補償指示はフラグであってもよい。フラグが真にセットされている場合、デバイス330は、送信のためのTAとして完全なΔTOを適用することができる。このように、デバイス330は、動的で明示的なシグナリングを通じて、次のUL送信において完全なΔTOを使用することが許可される。
【0091】
指示が、タイミングオフセット補償をアクティブ化しないよう指示する場合、デバイス330は、TACによって指示されるTA量を送信に適用することによって、デバイス330への送信を行なうことができる。すなわち、デバイス330は、タイミングアドバンスのデフォルトモードにフォールバックする。例えば、フラグが偽にセットされている場合、デバイス330はデフォルトモードにフォールバックしてもよい。このように、差εが非常に小さいか、または0に等しい場合、デバイス330は、TACによって指示されるTAを単に適用することができる。
【0092】
伝搬遅延の差と指示に基づいてTA量を決定することに関し、いくつかの例を上で説明した。あるいは、いくつかの例示の実施形態では、デバイス330は、デバイス310からの明示的な補償指示なしに、伝搬遅延の差に基づいて送信のためのタイミング調整量を決定してもよい。
【0093】
このような例示の実施形態では、デバイス330によって体感される伝搬遅延の差が閾値を超え、かつTACによって指示されるTA量が所定の値に等しい場合、デバイス330は、伝搬遅延の差(完全なΔTOなど)を送信のためのタイミング調整量として決定することができる。例えば、ΔTO>63かつTACに含まれるTA値が0に等しい場合、デバイス330は、秒単位の完全なΔTOをデバイス320への送信に適用する。この場合、TAC中のTA値は無視される。
【0094】
伝搬遅延の差が閾値を超え、かつTA量が所定の値と等しくない場合、デバイス330は、TACによって指示されるTA量を送信のためのタイミング調整量として決定してもよい。例えば、ΔTO>63かつTACに含まれるTA値が0に等しくない場合、デバイス330は、TAC中のTA値をデバイス320への送信に適用する。これはフォールバックの事例であり、この場合ネットワークは、UEでの補償をサポート/アクティブ化せず、ターゲットRRHにおいて残留タイミングオフセットεを補償することができる。
【0095】
伝搬遅延の差が閾値を下回る場合、デバイス330は、TACによって指示されるTA量を送信のためのタイミング調整量として決定してもよい。例えば、ΔTO<63の場合、デバイス330は、TAC中のTA値をデバイス320への送信に適用する。すなわち、デバイス330は、デフォルトモードにフォールバックする。
【0096】
このような例示の実施形態では、伝搬遅延の差とTAC中のTA値に基づいて、送信のためのタイミング調整量が決定される。このように、タイミングオフセットは非明示的なシグナリングによって補償することができる。上述の閾値および所定の値は、任意の適切な値であり得ることを理解されたい。例えば、閾値は63と予め定義されてもよく、所定の値は0に等しくてもよい。閾値の例示の値および所定の値は、本開示へのいかなる限定をも示唆することなく説明のために過ぎないことを理解されたい。
【0097】
補償のためのタイミング調整量を適用することで、HST FR2シナリオでRRHを切り替えたときの伝搬遅延の大きな差を、TACについて最小のシグナリングオーバヘッドで、またはさらなるシグナリングオーバヘッドなしに表現し、補正することが可能である。
【0098】
例示の方法および装置
図10は、本開示のいくつかの例示の実施形態による、第1のデバイス(例えば、デバイス310)で実施される例示の方法1000のフローチャートを示す。検討目的のため、
図3に関してデバイス310の観点から方法1000を説明する。
【0099】
ブロック1010において、デバイス310は、デバイス330から、デバイス330によって体感されるデバイス310とデバイス320との間の伝搬遅延の差を示すオフセット情報を受信する。オフセット情報は、伝搬遅延の差の範囲の時間シフト値に基づいて決定される。時間シフト値は、デバイス310に関連付けられるビームから、デバイス320に関連付けられるビームへの切替えに関連付けられる。デバイス320はデバイス310とは異なる。
【0100】
ブロック1020において、デバイス310は、デバイス330からデバイス320への送信のためのタイミングアドバンス量を示すタイミング情報をデバイス330に送信する。タイミング情報は、時間シフト値に基づいて決定される。
【0101】
いくつかの例示の実施形態では、デバイス330がデバイス320に接近しているとの判断に従って、デバイス310は、デバイス330からデバイス320への送信において、時間シフト値の使用をアクティブ化するための第1の指示をデバイス330に送信することができる。
【0102】
いくつかの例示の実施形態では、デバイス310は、デバイス310に関連付けられるビームの第1のインデックスおよびデバイス320に関連付けられるビームの第2のインデックスをデバイス330に送信して、デバイス330からデバイス320への送信における時間シフト値の使用をアクティブ化することができる。
【0103】
いくつかの例示の実施形態では、デバイス310は、時間シフト値を示す設定をデバイス330に送信することができる。
【0104】
いくつかの例示の実施形態では、デバイス310は、タイミング情報とともに切替えの第2の指示をデバイス330に送信することができる。第2の指示は、デバイス310に関連付けられるビームから、デバイス320に関連付けられるビームに切り替えるよう指示する。
【0105】
いくつかの例示の実施形態では、デバイス310は、デバイス310およびデバイス320のデプロイメントシナリオ、またはデバイス310とデバイス320との間の距離のうちの少なくとも1つに基づいて、時間シフト値を決定することができる。
【0106】
いくつかの例示の実施形態では、オフセット情報によって示される伝搬遅延の差の範囲は、時間シフト値を用いない場合と比較して、時間シフト値に基づいてシフトされる。いくつかの例示の実施形態では、タイミング情報によって示されるタイミングアドバンス量の範囲は、シフト値を用いない場合と比較して、時間シフト値に基づいてシフトされる。
【0107】
図11は、本開示のいくつかの例示の実施形態による、第2のデバイス(例えば、デバイス330)で実施される例示の方法1100のフローチャートを示す。検討目的のため、
図3に関してデバイス330の観点から方法1100を説明する。
【0108】
ブロック1110において、デバイス330は、デバイス330によって体感される伝搬遅延の差の範囲の時間シフト値を取得する。時間シフト値は、デバイス310に関連付けられるビームから、デバイス320に関連付けられるビームへの切替えに関連付けられる。デバイス320はデバイス310とは異なる。
【0109】
ブロック1120において、デバイス330は、デバイス330によって体感されるデバイス310とデバイス320との間の伝搬遅延の差を示すオフセット情報をデバイス310に送信する。オフセット情報は、時間シフト値に基づいて決定される。
【0110】
ブロック1130において、デバイス330は、デバイス330からデバイス320への送信のためのタイミングアドバンス量を示すタイミング情報を、デバイス310から受信する。タイミング情報は、時間シフト値に基づいて決定される。
【0111】
いくつかの例示の実施形態では、時間シフト値の使用がアクティブ化されているとの判断に従って、デバイス330は、時間シフト値および伝搬遅延の差に基づいてオフセット情報を決定することができる。
【0112】
いくつかの例示の実施形態では、シフト値の使用がアクティブ化されているとの判断、およびデバイス310からデバイス320への切替えの判断に従って、デバイス330は、時間シフト値およびタイミング情報に基づいてタイミングアドバンス量を決定してもよい。デバイス330は、送信にタイミングアドバンス量を適用することによって、デバイス330からデバイス320への送信を行なってもよい。
【0113】
いくつかの例示の実施形態では、デバイス330は、デバイス330からデバイス320への送信において時間シフト値の使用をアクティブ化するための第1の指示をデバイス310から受信することができる。第1の指示を受信したことに応答して、デバイス330は、時間シフト値の使用がアクティブ化されていると判断する。
【0114】
いくつかの例示の実施形態では、デバイス330は、デバイス310から、デバイス310に関連付けられるビームの第1のインデックスおよびデバイス320に関連付けられるビームの第2のインデックスを受信することができる。第1のビームおよび第2のビームで測定された伝搬遅延の差が閾値を超えているとの判断に従って、デバイス330は、デバイス330からデバイス320への送信において、時間シフト値の使用がアクティブ化されていると判断することができる。
【0115】
いくつかの例示の実施形態では、シフト値を取得する際に、デバイス330は、時間シフト値を示す設定をデバイス310から受信することができる。
【0116】
いくつかの例示の実施形態では、デバイス330は、タイミング情報とともに切替えの第2の指示をデバイス310から受信することができる。第2の指示は、デバイス310に関連付けられるビームから、デバイス320に関連付けられるビームに切り替えるよう指示する。
【0117】
いくつかの例示の実施形態では、オフセット情報によって示される伝搬遅延の差の範囲は、シフト値を用いない場合と比較して、シフト値に基づいてシフトされる。いくつかの例示の実施形態では、タイミング情報によって示されるタイミングアドバンス量の範囲は、時間シフト値を用いない場合と比較して、時間シフト値に基づくことによりシフトされる。
【0118】
図12は、本開示のいくつかの例示の実施形態による、第4のデバイスで実施される例示の方法1200のフローチャートを示す。いくつかの例示の実施形態では、第4のデバイスはデバイス310を含むことができる。あるいは、第4のデバイスはデバイス330を含んでもよい。検討目的のため、
図3に関してデバイス310またはデバイス330の観点から方法1200を説明する。
【0119】
ブロック1210において、第4のデバイスは、ビーム切替えに関与するソースデバイスとターゲットデバイスとの間の伝搬遅延の差に少なくとも基づいて、第4のデバイスと第5のデバイスとの間の送信のためのタイミング調整量を決定する。ブロック1220において、第4のデバイスはタイミング調整量に基づいて、第5のデバイスと送信を行なう。
【0120】
いくつかの例示の実施形態では、第4のデバイスはターゲットデバイス(例えばデバイス320)を含むことがあり、第5のデバイス(例えばデバイス330)は第4のデバイスに切り替わる。タイミング調整量の決定において、第4のデバイスは、伝搬遅延の差、およびタイミングアドバンスコマンドによって示されるタイミングアドバンス量に基づいて、送信のためのタイミング調整量を決定してもよい。いくつかの例示の実施形態では、第5のデバイスと送信を行なう際に、第4のデバイスは、タイミングオフセット補償として、第5のデバイスからの送信にタイミング調整量を適用してもよい。
【0121】
いくつかの例示の実施形態では、第5のデバイスはターゲットデバイス(例えばデバイス320)を含むことがあり、第4のデバイス(例えばデバイス330)は第5のデバイスに切り替わる。タイミング調整量を決定する際、第4のデバイスは、ソースデバイスから、第4のデバイスのためにタイミングオフセット補償をアクティブ化するかどうかを示す指示を受信することができる。指示がタイミングオフセット補償をアクティブ化することを示すとの判断に従って、第4のデバイスは、伝搬遅延の差を送信のためのタイミング調整量として決定してもよい。いくつかの例示の実施形態では、第5のデバイスと送信を行なう際に、第4のデバイスは、送信のためのタイミングアドバンスとして、第5のデバイスへの送信にタイミング調整量を適用してもよい。いくつかの例示の実施形態では、指示が、時間オフセット補償をアクティブ化しないよう指示するとの判断に従って、第4のデバイスは、タイミングアドバンスコマンドによって指示されるタイミングアドバンス量を送信に適用することによって、第5のデバイスへの送信を行なうことができる。
【0122】
いくつかの例示の実施形態では、第5のデバイスはターゲットデバイス(例えばデバイス320)を含むことがあり、第4のデバイス(例えばデバイス330)は第5のデバイスに切り替わる。タイミング調整量の決定において、伝搬遅延の差が閾値を超え、かつタイミングアドバンスコマンドにより指示されたタイミングアドバンス量が所定の値と等しいとの判断に従って、第4のデバイスは、伝搬遅延の差を送信のためのタイミング調整量として決定してもよい。いくつかの例示の実施形態では、伝搬遅延の差が閾値を超え、かつタイミングアドバンス量が所定の値と等しくないとの判断に従って、第4のデバイスは、タイミングアドバンス量を送信のためのタイミング調整量として決定してもよい。いくつかの例示の実施形態では、伝搬遅延の差が閾値を下回っているとの判断に従って、第4のデバイスは、タイミングアドバンス量を送信のためのタイミング調整量として決定してもよい。いくつかの例示の実施形態では、第5のデバイスと送信を行なう際に、第4のデバイスは、送信のためのタイミングアドバンスとして、第5のデバイスへの送信にタイミング調整量を適用してもよい。
【0123】
いくつかの例示の実施形態では、方法1000のいずれかを実施することができる第1の装置(例えば、デバイス310)は、方法1000のそれぞれの動作を実施するための手段を含むことができる。手段は、任意の適切な形態で実行することができる。例えば、手段は、回路またはソフトウェアモジュールで実行することができる。第1の装置は、デバイス310として実施されるか、デバイス310に含めることができる。
【0124】
いくつかの例示の実施形態では、第1の装置は、以下を備える:第2の装置によって体感される第1の装置と第3の装置との間の伝搬遅延の差を示すオフセット情報を、第2の装置から受信するための手段であって、オフセット情報は、伝搬遅延の差の範囲の時間シフト値に基づいて決定され、時間シフト値は、第1の装置に関連付けられるビームから第3の装置に関連付けられるビームへの切替えに関連付けられ、第3の装置は第1の装置とは異なる、受信するための手段と、第2の装置から第3の装置への送信のためのタイミングアドバンス量を示すタイミング情報を第2の装置に送信するための手段であって、タイミング情報は、時間シフト値に基づいて決定される、送信するための手段。
【0125】
いくつかの例示の実施形態では、第1の装置は、第2の装置が第3の装置に接近しているとの判断に従って、第2の装置から第3の装置への送信において時間シフト値の使用をアクティブ化するための第1の指示を第2の装置に送信するための手段をさらに備える。
【0126】
いくつかの例示の実施形態では、第1の装置は、第1の装置に関連付けられるビームの第1のインデックスおよび第3の装置に関連付けられるビームの第2のインデックスを第2の装置に送信して、第2の装置から第3の装置への送信における時間シフト値の使用をアクティブ化するための手段をさらに備える。
【0127】
いくつかの例示の実施形態では、第1の装置は、時間シフト値を示す設定を第2の装置に送信するための手段をさらに備える。
【0128】
いくつかの例示の実施形態では、第1の装置は、タイミング情報とともに切替えの第2の指示を第2の装置に送信するための手段をさらに備える。第2の指示は、第1の装置に関連付けられるビームから、第3の装置に関連付けられるビームに切り替えるよう指示する。
【0129】
いくつかの例示の実施形態では、第1の装置は、第1の装置および第3の装置のデプロイメントシナリオ、または第1の装置と第3の装置との間の距離のうちの少なくとも1つに基づいて、時間シフト値を決定するための手段をさらに備える。
【0130】
いくつかの例示の実施形態では、オフセット情報によって示される伝搬遅延の差の範囲は、時間シフト値を用いない場合と比較して、時間シフト値に基づいてシフトされる。いくつかの例示の実施形態では、タイミング情報によって示されるタイミングアドバンス量の範囲は、シフト値を用いない場合と比較して、時間シフト値に基づいてシフトされる。
【0131】
いくつかの例示の実施形態では、方法1100のいずれかを実施することができる第2の装置(例えば、デバイス330)は、方法1100のそれぞれの動作を実施するための手段を含むことができる。手段は、任意の適切な形態で実行することができる。例えば、手段は、回路またはソフトウェアモジュールで実行することができる。第2の装置は、第1のデバイス330として実施されるか、第1のデバイス330に含めることができる。
【0132】
いくつかの例示の実施形態では、第2の装置は、以下を備える:第2の装置によって体感される伝搬遅延の差の範囲の時間シフト値を取得するための手段であって、時間シフト値は、第1の装置に関連付けられるビームから第3の装置に関連付けられるビームへの切替えに関連付けられ、第3の装置は第1の装置とは異なる、取得するための手段と、第2の装置によって体感される第1の装置と第3の装置との間の伝搬遅延の差を示すオフセット情報を第1の装置に送信するための手段であって、オフセット情報は、時間シフト値に基づいて決定される、送信するための手段と、第2の装置から第3の装置への送信のためのタイミングアドバンス量を示すタイミング情報を第1の装置から受信するための手段であって、タイミング情報は、時間シフト値に基づいて決定される、受信するための手段。
【0133】
いくつかの例示の実施形態では、第2の装置は、時間シフト値の使用がアクティブ化されているとの判断に従って、時間シフト値および伝搬遅延の差に基づいてオフセット情報を決定するための手段をさらに備える。
【0134】
いくつかの例示の実施形態では、第2の装置は、シフト値の使用がアクティブ化されているとの判断、および第1の装置から第3の装置への切替えの判断に従って、時間シフト値およびタイミング情報に基づいてタイミングアドバンス量を決定するための手段と、送信にタイミングアドバンス量を適用することによって、第2の装置から第3の装置への送信を実行するための手段と、をさらに備える。
【0135】
いくつかの例示の実施形態では、第2の装置は、第2の装置から第3の装置への送信において時間シフト値の使用をアクティブ化するための第1の指示を第1の装置から受信するための手段と、第1の指示を受信したことに応答して、時間シフト値の使用がアクティブ化されていると判断するための手段と、をさらに備える。
【0136】
いくつかの例示の実施形態では、第2の装置は、第1の装置に関連付けられるビームの第1のインデックスおよび第3の装置に関連付けられるビームの第2のインデックスを、第1の装置から受信するための手段と、第1のビームおよび第2のビームで測定された伝搬遅延の差が閾値を超えているとの判断に従って、第2の装置から第3の装置への送信において、時間シフト値の使用がアクティブ化されていると判断するための手段と、をさらに備える。
【0137】
いくつかの例示の実施形態では、シフト値を取得する際に、第2の装置は、時間シフト値を示す設定を第1の装置から受信するための手段をさらに備える。
【0138】
いくつかの例示の実施形態では、第2の装置は、タイミング情報とともに切替えの第2の指示を第1の装置から受信するための手段をさらに備える。第2の指示は、第1の装置に関連付けられるビームから、第3の装置に関連付けられるビームに切り替えるよう指示する。
【0139】
いくつかの例示の実施形態では、オフセット情報によって示される伝搬遅延の差の範囲は、シフト値を用いない場合と比較して、シフト値に基づいてシフトされる。いくつかの例示の実施形態では、タイミング情報によって示されるタイミングアドバンス量の範囲は、時間シフト値を用いない場合と比較して、時間シフト値に基づくことによりシフトされる。
【0140】
いくつかの例示の実施形態では、方法1200のいずれかを実施することができる第4の装置(例えば、デバイス310またはデバイス330)は、方法1200のそれぞれの動作を実施するための手段を含むことができる。手段は、任意の適切な形態で実行することができる。例えば、手段は、回路またはソフトウェアモジュールで実行することができる。第4の装置は、デバイス310またはデバイス330として実施されるか、デバイス310またはデバイス330に含めることができる。
【0141】
いくつかの例示の実施形態では、第4の装置は、ビーム切替えに関与するソース装置とターゲット装置との間の伝搬遅延の差に少なくとも基づいて、第4の装置と第5の装置との間の送信のためのタイミング調整量を決定するための手段と、タイミング調整量に基づいて、第5の装置と送信を行なうための手段と、を備える。
【0142】
いくつかの例示の実施形態では、第4の装置はターゲット装置を含むことがあり、第5の装置は第4の装置に切り替わる。タイミング調整量の決定において、第4の装置は、伝搬遅延の差、およびタイミングアドバンスコマンドによって示されるタイミングアドバンス量に基づいて、送信のためのタイミング調整量を決定するための手段をさらに備える。いくつかの例示の実施形態では、第5のデバイスと送信を行なう際に、第4の装置は、タイミングオフセット補償として、第5のデバイスからの送信にタイミング調整量を適用するための手段をさらに備える。
【0143】
いくつかの例示の実施形態では、第5の装置はターゲット装置を含むことがあり、第4の装置は第5の装置に切り替わる。タイミング調整量を決定する際、第4の装置は、ソース装置から、第4の装置のためにタイミングオフセット補償をアクティブ化するかどうかを示す指示を受信するための手段をさらに備える。指示がタイミングオフセット補償をアクティブ化することを示すとの判断に従って、第4の装置は、伝搬遅延の差を送信のためのタイミング調整量として決定するための手段をさらに備える。いくつかの例示の実施形態では、第5の装置と送信を行なう際に、第4の装置は、送信のためのタイミングアドバンスとして、第5の装置への送信にタイミング調整量を適用するための手段をさらに備える。いくつかの例示の実施形態では、指示が、タイミングオフセット補償をアクティブ化しないよう指示するとの判断に従って、第4の装置は、タイミングアドバンスコマンドによって指示されるタイミングアドバンス量を送信に適用することによって、第5の装置への送信を行なうための手段をさらに備える。
【0144】
いくつかの例示の実施形態では、第5の装置はターゲット装置を含むことがあり、第4の装置は第5の装置に切り替わる。タイミング調整量の決定において、第4の装置は、伝搬遅延の差が閾値を超え、かつタイミングアドバンスコマンドにより指示されたタイミングアドバンス量が所定の値と等しいとの判断に従って、伝搬遅延の差を送信のためのタイミング調整量として決定するための手段をさらに備える。いくつかの例示の実施形態では、第4の装置は、伝搬遅延の差が閾値を超え、かつタイミングアドバンス量が所定の値と等しくないとの判断に従って、タイミングアドバンス量を送信のためのタイミング調整量として決定するための手段をさらに備える。いくつかの例示の実施形態では、第4の装置は、伝搬遅延の差が閾値を下回っているとの判断に従って、タイミングアドバンス量を送信のためのタイミング調整量として決定するための手段をさらに備える。いくつかの例示の実施形態では、第5の装置と送信を行なう際に、第4の装置は、送信のためのタイミングアドバンスとして、第5のデバイスへの送信にタイミング調整量を適用するための手段をさらに備える。
【0145】
図13は、本開示の例示の実施形態を実施するために適切な、デバイス1300の簡略化したブロック図である。デバイス1300は、例えば、
図3に示されるようなデバイス310、デバイス320またはデバイス330のような通信デバイスを実施するために提供され得る。示されるように、デバイス1300は、1つまたは複数のプロセッサ1310、プロセッサ1310に結合された1つまたは複数のメモリ1320、およびプロセッサ1310に結合された1つまたは複数の通信モジュール1340を含む。
【0146】
通信モジュール1340は、双方向通信用である。通信モジュール1340は、1つまたは複数の他のモジュールまたはデバイスとの通信を容易にするために、1つまたは複数の通信インターフェースを有する。通信インターフェースは、他のネットワーク要素との通信に必要な任意のインターフェースを表すことができる。いくつかの例示の実施形態では、通信モジュール1340は、少なくとも1つのアンテナを含むことができる。
【0147】
プロセッサ1310は、ローカルの技術的ネットワークに適切な任意のタイプのものであってよく、非限定的な例として、以下のうちの1つまたは複数を含むことができる:汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、およびマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づいたプロセッサ。デバイス1300は、主プロセッサを同期するクロックに時間的にスレーブされる特定用途向け集積回路チップなど、複数のプロセッサを有することができる。
【0148】
メモリ1320は、1つまたは複数の不揮発性メモリおよび1つまたは複数の揮発性メモリを含むことができる。不揮発性メモリの例としては、読み取り専用メモリ(ROM)1324、電気的プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、フラッシュメモリ、ハードディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、光ディスク、レーザディスク、ならびに他の磁気記憶装置および/または光記憶装置が挙げられるが、これらに限定されない。揮発性メモリの例としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)1322、および電源停止期間は持続しない他の揮発性メモリが挙げられるが、これらに限定されない。
【0149】
コンピュータプログラム1330は、関連するプロセッサ1310によって実行されるコンピュータ実行可能命令を含む。プログラム1330は、メモリ、例えばROM1324に格納することができる。プロセッサ1310は、プログラム1330をRAM1322にロードすることにより、任意の適切なアクションおよび処理を実行することができる。
【0150】
本開示の例示の実施形態は、
図10~
図12を参照して説明したように、デバイス1300が本開示の任意のプロセスを実行できるように、プログラム1330によって実施され得る。また、本開示の例示の実施形態は、ハードウェアによって、またはソフトウェアとハードウェアとの組合せによって実施することもできる。
【0151】
いくつかの例示の実施形態では、プログラム1330は、デバイス1300(メモリ1320内など)またはデバイス1300によってアクセス可能な他の記憶装置に含まれ得るコンピュータ可読媒体に実際に含まれてもよい。デバイス1300は、プログラム1330を実行するためにコンピュータ可読媒体からRAM1322にロードすることができる。コンピュータ可読媒体は、ROM、EPROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、CD、DVDなど、任意のタイプの有形な不揮発性記憶装置を含むことができる。
図14は、コンピュータ可読媒体1400の一例を示しており、これはCD、DVD、または他の光記憶ディスクの形態であってもよい。コンピュータ可読媒体には、プログラム1330が記憶されている。
【0152】
一般に、本開示の様々な実施形態は、ハードウェアまたは特殊目的回路、ソフトウェア、ロジック、またはその任意の組合せで実行することができる。いくつかの態様は、ハードウェアで実行することができる一方で、他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサ、または他のコンピューティングデバイスによって実行可能なファームウェアまたはソフトウェアで実行することができる。本開示の実施形態の様々な態様が、ブロック図、フローチャートとして、または何らかの他の図表現を用いて図示されて説明されているが、本明細書において説明されるブロック、装置、システム、技法、または方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、特殊目的回路もしくはロジック、汎用ハードウェアもしくはコントローラもしくは他のコンピューティングデバイス、またはその何らかの組合せで実行され得ることを理解されたい。
【0153】
本開示は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に実際に記憶される少なくとも1つのコンピュータプログラム製品をさらに提供する。コンピュータプログラム製品は、プログラムモジュールに含まれる命令などのコンピュータ実行可能命令を含み、デバイスにおいて対象となる物理的または仮想のプロセッサ上で実行され、
図4、
図7、
図9および
図10~
図12を参照して上述された方法のいずれかを遂行する。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象的なデータタイプを実施する、ルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などを含む。プログラムモジュールの機能性は、様々な実施形態において所望される通りに、プログラムモジュール間で組み合わせることができるか、または分割することができる。プログラムモジュール用の機械実行可能な命令は、ローカルの、または分散したデバイス内で実行することができる。分散したデバイスでは、プログラムモジュールは、ローカルとリモートの両方の記憶媒体に配置することができる。
【0154】
本開示の方法を遂行するためのプログラムコードは、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで記述することができる。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、または他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサ、またはコントローラに与えることができ、それによって、プログラムコードは、プロセッサまたはコントローラによって実行されると、フローチャートおよび/またはブロック図で指定される機能/動作を実行する。プログラムコードは、すべてをマシン上で、一部をマシン上でスタンドアロンのソフトウェアパッケージとして、一部をマシン上で一部をリモートのマシン上で、またはすべてをリモートのマシンもしくはサーバ上で、実行することができる。
【0155】
本開示のコンテキストでは、コンピュータプログラムコードまたは関連データは、任意の適切なキャリアによって搬送され、デバイス、装置、またはプロセッサに、上述のような様々なプロセスおよび動作を実行可能にする。キャリアの例としては、信号、コンピュータ可読媒体などが挙げられる。
【0156】
コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読媒体としては、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線による、または半導体のシステム、装置、もしくはデバイス、または前述したものの任意の適切な組合せを挙げることができるが、それに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、1つまたは複数の配線を有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM、またはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、または前述したものの任意の適切な組合せが挙げられる。
【0157】
さらには、動作は特定の順序で描かれているが、これは所望の結果を達成するために、そのような動作が特定の示される順もしくは順次的な順で行なわれること、またはすべての図示される動作が行なわれることを要求しているものとして理解されるべきではない。特定の状況下では、マルチタスクおよび並列処理が、有利な場合がある。同様に、いくつかの具体的な実装形態の詳細が上記の検討に含まれるが、これらは本開示の範囲に対する限定としてではなく、特定の実施形態に特有であり得る特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態のコンテキストで説明される特定の特徴はまた、単一の実施形態において、組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施形態のコンテキストで説明される様々な特徴は、複数の実施形態に別個に、または任意の適切なサブ組合せとして実施することもできる。
【0158】
本開示は構造的な特徴および/または方法論的な機能に特有な言い回しで説明してきたが、添付の特許請求の範囲において定義される本開示は、必ずしも上述の具体的な特徴または機能に限定されないことを理解されたい。むしろ、上述の具体的な特徴または機能は、特許請求の範囲を実施する例示の形態として開示されている。
【0159】
本明細書および/または図面において見られることがある以下の略称を次のように定義する:
CP サイクリックプレフィックス
CPE 顧客構内設備
DCI ダウンリンク制御情報
DL ダウンリンク
DU 分散ユニット
FR2 frequency range(周波数範囲)2
HO ハンドオーバ
HST 高速列車
LTE ロングタームエボリューション
MAC 媒体アクセス制御
MAC-CE 媒体アクセス制御要素
NR 新無線
PUCCH 物理アップリンク制御チャネル
PUSCH 物理アップリンク共有チャネル
RA ランダムアクセス
RAR ランダムアクセス応答
RRC 無線リソース制御
RRH リモート無線ヘッド
SCS サブキャリア間隔
SRS サウンディング参照信号
TA タイミングアドバンス
TAC タイミングアドバンスコマンド
TO タイミングオフセット
UE ユーザ機器
UL アップリンク
【手続補正書】
【提出日】2024-02-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2のデバイスから、前記第2のデバイスによって体感される第1のデバイスと第3のデバイスとの間の伝搬遅延の差を示すオフセット情報を受信するための手段であって、前記オフセット情報が、前記伝搬遅延の差の範囲の時間シフト値に基づいて決定され、前記時間シフト値が、前記第1のデバイスに関連付けられるビームから前記第3のデバイスに関連付けられるビームへの切替えに関連付けられ、前記第3のデバイスが前記第1のデバイスとは異なる、受信するための手段と、
前記第2のデバイスから前記第3のデバイスへの送信のためのタイミングアドバンス量を示すタイミング情報を前記第2のデバイスに送信するための手段であって、前記タイミング情報が、前記時間シフト値に基づいて決定される、送信するための手段と
を備える、第1のデバイス。
【請求項2】
前記第1のデバイスに、
前記第2のデバイスが前記第3のデバイスに接近しているとの判断に従って、前記第2のデバイスから前記第3のデバイスへの前記送信において前記時間シフト値の使用をアクティブ化するための第1の指示を前記第2のデバイスに送信すること
を行なわせるための手段をさらに備える、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項3】
前記第1のデバイスに、
前記第1のデバイスに関連付けられる前記ビームの第1のインデックスおよび前記第3のデバイスに関連付けられる前記ビームの第2のインデックスを前記第2のデバイスに送信して、前記第2のデバイスから前記第3のデバイスへの前記送信における前記時間シフト値の使用をアクティブ化すること
を行なわせるための手段をさらに備える、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項4】
前記第1のデバイスに、
前記時間シフト値を示す設定を前記第2のデバイスに送信すること
を行なわせるための手段をさらに備える、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項5】
前記第1のデバイスに、
前記タイミング情報とともに前記切替えの第2の指示を前記第2のデバイスに送信することであって、前記第2の指示が、前記第1のデバイスに関連付けられる前記ビームから、前記第3のデバイスに関連付けられる前記ビームに切り替えるよう指示する、送信すること
を行なわせるための手段をさらに備える、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項6】
前記第1のデバイスに、
前記第1のデバイスおよび前記第3のデバイスのデプロイメントシナリオ、または
前記第1のデバイスと前記第3のデバイスとの間の距離
のうちの少なくとも1つに基づいて、前記時間シフト値を決定すること
を行なわせるための手段をさらに備える、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項7】
前記オフセット情報によって示される前記伝搬遅延の差の前記範囲が、前記時間シフト値を用いない場合と比較して、前記時間シフト値に基づいてシフトされ、
前記タイミング情報によって示される前記タイミングアドバンス量の範囲が、前記シフト値を用いない場合と比較して、前記時間シフト値に基づいてシフトされる、請求項1に記載の第1のデバイス。
【請求項8】
第2のデバイスによって体感される伝搬遅延の差の範囲の時間シフト値を取得するための手段であって、前記時間シフト値が、第1のデバイスに関連付けられるビームから第3のデバイスに関連付けられるビームへの切替えに関連付けられ、前記第3のデバイスが前記第1のデバイスとは異なる、取得するための手段と、
前記第2のデバイスによって体感される前記第1のデバイスと前記第3のデバイスとの間の前記伝搬遅延の差を示すオフセット情報を前記第1のデバイスに送信するための手段であって、前記オフセット情報が、前記時間シフト値に基づいて決定される、送信するための手段と、
前記第2のデバイスから前記第3のデバイスへの送信のためのタイミングアドバンス量を示すタイミング情報を前記第1のデバイスから受信するための手段であって、前記タイミング情報が、前記時間シフト値に基づいて決定される、受信するための手段と
を備える、第2のデバイス。
【請求項9】
前記第2のデバイスに、
前記時間シフト値の使用がアクティブ化されているとの判断に従って、前記時間シフト値および前記伝搬遅延の差に基づいて前記オフセット情報を決定すること
を行なわせるための手段をさらに備える、請求項8に記載の第2のデバイス。
【請求項10】
前記第2のデバイスに、
前記シフト値の使用がアクティブ化されているとの判断、および前記第1のデバイスから前記第3のデバイスへの前記切替えの判断に従って、前記時間シフト値および前記タイミング情報に基づいて前記タイミングアドバンス量を決定することと、
前記送信に前記タイミングアドバンス量を適用することによって、前記第2のデバイスから前記第3のデバイスへの前記送信を行なうことと
を行なわせるための手段をさらに備える、請求項8に記載の第2のデバイス。
【請求項11】
ビーム切替えに関与するソースデバイスとターゲットデバイスとの間の伝搬遅延の差に少なくとも基づいて、第4のデバイスと第5のデバイスとの間の送信のためのタイミング調整量を決定するための手段と、
前記タイミング調整量に基づいて、前記第5のデバイスと前記送信を行なうための手段と
を備える、第4のデバイス。
【請求項12】
前記第4のデバイスが前記ターゲットデバイスを含み、前記第5のデバイスが前記第4のデバイスに切り替わり、
前記第4のデバイスに、
前記伝搬遅延の差、およびタイミングアドバンスコマンドによって示されるタイミングアドバンス量に基づいて、前記送信のための前記タイミング調整量を決定すること
によって、前記タイミング調整量を決定することを行なわせるための手段、
請求項11に記載の第4のデバイス。
【請求項13】
前記第4のデバイスに、
タイミングオフセット補償として、前記第5のデバイスからの前記送信に前記タイミング調整量を適用すること
によって、前記第5のデバイスと前記送信を行なうことを行なわせるための手段、
請求項12に記載の第4のデバイス。
【請求項14】
前記第5のデバイスが前記ターゲットデバイスを含み、前記第4のデバイスが前記第5のデバイスに切り替わり、
前記第4のデバイスに、
前記ソースデバイスから、前記第4のデバイスのためにタイミングオフセット補償をアクティブ化するかどうかを示す指示を受信することと、
前記指示が前記タイミングオフセット補償をアクティブ化することを示すとの判断に従って、前記伝搬遅延の差を前記送信のための前記タイミング調整量として決定することと
によって、前記タイミング調整量を決定することを行なわせるための手段、
請求項11に記載の第4のデバイス。
【請求項15】
前記第4のデバイスに、
前記送信のためのタイミングアドバンスとして、前記第5のデバイスへの前記送信に前記タイミング調整量を適用すること
によって、前記第5のデバイスと前記送信を行なうことを行なわせるための手段、
請求項14に記載の第4のデバイス。
【国際調査報告】