(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-03
(54)【発明の名称】位置情報を用いた境界条件を越えるATC3受信の改善
(51)【国際特許分類】
H04N 21/438 20110101AFI20240827BHJP
H04N 21/442 20110101ALI20240827BHJP
【FI】
H04N21/438
H04N21/442
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507162
(86)(22)【出願日】2022-08-05
(85)【翻訳文提出日】2024-02-06
(86)【国際出願番号】 IB2022057324
(87)【国際公開番号】W WO2023012750
(87)【国際公開日】2023-02-09
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151987
【氏名又は名称】谷口 信行
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドバーグ アダム
(72)【発明者】
【氏名】キャンデロア ブラント
(72)【発明者】
【氏名】クリフト グラハム
(72)【発明者】
【氏名】フェイ ルーク
(72)【発明者】
【氏名】アンスフィールド フレッド
(72)【発明者】
【氏名】ピネダ ローレン
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA04
5C164UB21P
5C164UB41P
5C164YA14
5C164YA27
(57)【要約】
次世代放送テレビサービスを確実に提供する上で高度テレビシステム委員会(ATSC)3.0テレビプロトコルを拡張及び/又は改善する技術について説明する。受信機が、2つの放送局間の境界領域を移動受信機が移動中である時などに第1の周波数でのサービスの提示から第2の周波数に自動的に切り替えるために、同じサービスを伝える2つの周波数の信号強度及びエラー率を考慮してどちらの周波数に同調すべきであるかを選択するだけでなく、各放送局に対する受信機の相対的位置及び移動方向を考慮することもできる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの受信機が少なくとも第1及び第2のデジタルテレビ放送アセンブリからの放送信号を受信できるデジタルテレビにおいて、
少なくとも第1及び第2の周波数でサービスが受信されることを識別することと、
各第1及び第2の周波数について少なくとも第1及び第2のそれぞれの品質メトリクスを識別することと、
前記受信機が配置された領域内の少なくとも1つの地形的特徴、それぞれの第1及び第2の周波数を放送するそれぞれの第1及び第2の送信機の少なくとも第1及び第2の位置、前記受信機と前記それぞれの第1及び第2の送信機の前記第1及び第2の位置との間の少なくとも第1及び第2の距離、前記受信機と前記それぞれの第1及び第2の位置との間の少なくともそれぞれの第1及び第2の相対的な動き、前記それぞれの第1及び第2の送信機の少なくともそれぞれの第1及び第2の高度、から選択される少なくとも1つのパラメータを識別することと、
前記少なくとも1つのパラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の周波数又は前記第2の周波数のどちらに同調すべきであるかを選択することと、
前記少なくとも1つのパラメータに基づいて選択された前記第1又は第2の周波数で受信された前記サービスを少なくとも1つのオーディオビデオディスプレイ装置上に提示することと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記デジタルテレビ受信機は、先進テレビシステム委員会(ATSC)3.0受信機を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の周波数又は前記第2の周波数のどちらに同調すべきであるかを、前記少なくとも1つのパラメータに少なくとも部分的に基づくとともに、前記第1及び第2の品質メトリクスに基づいて選択することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の周波数又は前記第2の周波数のどちらに同調すべきであるかを、前記受信機が配置された領域内の少なくとも1つの地形的特徴に少なくとも部分的に基づいて選択することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の周波数又は前記第2の周波数のどちらに同調すべきであるかを、前記それぞれの第1及び第2の周波数を放送する前記それぞれの第1及び第2の送信機の前記少なくとも第1及び第2の位置に少なくとも部分的に基づいて選択することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の周波数又は前記第2の周波数のどちらに同調すべきであるかを、前記受信機と前記それぞれの第1及び第2の送信機の前記第1及び第2の位置との間の少なくとも前記第1及び第2の距離に少なくとも部分的に基づいて選択することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の周波数又は前記第2の周波数のどちらに同調すべきであるかを、前記受信機と前記それぞれの第1及び第2の位置との間の少なくとも前記それぞれの第1及び第2の移動方向に少なくとも部分的に基づいて選択することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の周波数又は前記第2の周波数のどちらに同調すべきであるかを、前記それぞれの第1及び第2の送信機の少なくとも前記それぞれの第1及び第2の高度に少なくとも部分的に基づいて選択することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの機械学習(ML)モデルを少なくとも部分的に使用して周波数を選択することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
どちらの周波数が選択されたかに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つのアンテナの少なくとも1つの構成を変更することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの受信機を備えた装置であって、前記少なくとも1つの受信機は、
いずれも実質的に同じデジタルテレビサービスを伝える第1の送信機からの第1の周波数又は第2の送信機からの第2の周波数を、前記受信機が配置された地域の少なくとも1つの地形的特徴、それぞれの第1及び第2の送信機の少なくとも第1及び第2の位置、前記受信機と前記それぞれの第1及び第2の送信機の前記第1及び第2の位置との間の少なくとも第1及び第2の距離、前記受信機と前記それぞれの第1及び第2の位置との間の少なくともそれぞれの第1及び第2の相対的な動き、前記それぞれの第1及び第2の送信機の少なくともそれぞれの第1及び第2の高度、から選択される少なくとも1つのパラメータに少なくとも部分的に基づいて選択し、
前記少なくとも1つのパラメータに基づいて選択された前記第1又は第2の周波数で受信された前記サービスを少なくとも1つのオーディオビデオディスプレイ装置上に提示する、
ように構成される、
ことを特徴とする装置。
【請求項12】
前記受信機は、
各第1及び第2の周波数について少なくとも第1及び第2のそれぞれの品質メトリクスを識別し、
前記少なくとも1つのパラメータに少なくとも部分的に基づくとともに、前記第1及び第2の品質メトリクスに基づいて、前記第1の周波数又は前記第2の周波数のどちらに同調すべきであるかを選択する、
ように構成される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記受信機は、該受信機が配置された領域内の少なくとも1つの地形的特徴に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の周波数又は前記第2の周波数のどちらに同調すべきであるかを選択するように構成される、
請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記受信機は、前記それぞれの第1及び第2の周波数を放送する前記それぞれの第1及び第2の送信機の前記少なくとも第1及び第2の位置に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の周波数又は前記第2の周波数のどちらに同調すべきであるかを選択可能であるように構成される、
請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記受信機は、該受信機と前記それぞれの第1及び第2の送信機の前記第1及び第2の位置との間の少なくとも前記第1及び第2の距離に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の周波数又は前記第2の周波数のどちらに同調すべきであるかを選択するように構成される、
請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記受信機は、該受信機と前記それぞれの第1及び第2の位置との間の少なくとも前記それぞれの第1及び第2の移動方向に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の周波数又は前記第2の周波数のどちらに同調すべきであるかを選択するように構成される、
請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記受信機は、前記それぞれの第1及び第2の送信機の少なくとも前記それぞれの第1及び第2の高度に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の周波数又は前記第2の周波数のどちらに同調すべきであるかを選択するように構成される、
請求項11に記載の装置。
【請求項18】
デジタルテレビ装置であって、
命令をプログラムされた少なくとも1つのプロセッサを含む少なくとも1つの受信機を備え、前記命令は、
第1の送信機からの、デジタルテレビサービスを提供する第1の周波数、及び第2の送信機からの、デジタルテレビサービスを提供する第2の周波数のいずれかを、前記それぞれの第1及び第2の周波数に関連する第1及び第2の品質メトリクス、並びに前記第1及び第2の送信機の少なくとも一方及び/又は第1及び第2の送信機の少なくとも一方に関連する地域に関連する少なくとも1つの地理的パラメータに少なくとも部分的に基づいて選択する、
ように構成される、
ことを特徴とするデジタルテレビ装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つの地理的パラメータは、前記受信機が配置された領域内の少なくとも1つの地形的特徴、前記それぞれの第1及び第2の送信機の少なくとも第1及び第2の位置、前記受信機と前記それぞれの第1及び第2の送信機の前記第1及び第2の位置との間の少なくとも第1及び第2の距離、前記受信機と前記それぞれの第1及び第2の位置との間の少なくともそれぞれの第1及び第2の移動方向、前記それぞれの第1及び第2の送信機の少なくともそれぞれの第1及び第2の高度、から選択される、
請求項18に記載のデジタルテレビ装置。
【請求項20】
前記命令は、周波数を選択するために少なくとも1つの機械学習(ML)モデルを実行するように実行可能である、
請求項18に記載のデジタルテレビ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、デジタルテレビを対象とする、必然的にコンピュータ技術に根ざした技術的進歩に関し、具体的には高度テレビシステム委員会(ATSC)3.0に関する。
【背景技術】
【0002】
高度テレビシステム委員会(ATSC)3.0規格群は、A/300に示されている、次世代放送テレビを配信するための数多くの業界技術標準の組である。ATSC3.0は、超高精細テレビから無線電話機までの数多くの受信装置に対するテレビ放送ビデオ(televised video)、双方向サービス、非リアルタイムデータ配信、及び的を絞った広告(tailored advertising)などの幅広いテレビサービスの提供をサポートする。ATSC3.0は、(「オーバージエア(Over the Air)」又はOTAと呼ばれる)放送コンテンツと(「オーバーザトップ(Over the Top)」又はOTTと呼ばれる)関連するブロードバンド配信コンテンツ及びサービスとの間の協調も取りまとめる。ATSC3.0は、技術の進化と共にいずれかの関連する技術標準を全面的に見直す必要なく容易に進歩を組み込むことができるような柔軟性を有するように設計されている。
【0003】
本明細書で理解されるように、ATSC3.0受信機は、2つの地方ATSC3.0放送局からの放送信号が重なり合う境界領域で発生し得るような、同じサービスを伝える2又は3以上の周波数を含む受信エリア内を含めてサービスをスキャンする。これらの境界領域は、マルチ周波数ネットワーク(MFN)内に存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書でさらに理解されるように、放送デジタルTV受信機は、最も強く最もエラーがない信号で受信できるRF放送への同調を選択すべきであるが、このことは小さな情報セット(small set of information)を表す。本原理は、受信機が自機の位置、速度及び方向、並びに(単複の)送信機位置に関する情報に基づいて自動的に受信を改善して最適化する方法に関する技術を提供するものである。
【0005】
従って、少なくとも1つの受信機が放送信号を受信できるデジタルテレビにおいて、方法が、少なくとも第1及び第2の周波数でサービスが受信されることを識別することを含む。方法は、各第1及び第2の周波数について少なくとも第1及び第2のそれぞれの品質メトリクスを識別することも含む。さらに、方法は、受信機が配置された領域内の少なくとも1つの地形的特徴、それぞれの第1及び第2の周波数を放送するそれぞれの第1及び第2の送信機の少なくとも第1及び第2の位置、受信機とそれぞれの第1及び第2の送信機の第1及び第2の位置との間の少なくとも第1及び第2の距離、受信機とそれぞれの第1及び第2の位置との間の少なくともそれぞれの第1及び第2の相対的な動き、それぞれの第1及び第2の送信機の少なくともそれぞれの第1及び第2の高度、から選択される少なくとも1つのパラメータを識別することを含む。少なくとも1つのパラメータは、上記パラメータのうちのいずれか1つ又は2つ以上、及びこれらの組み合わせを含むことができる。方法は、少なくとも1つのパラメータに少なくとも部分的に基づいて、第1の周波数又は第2の周波数のどちらに同調すべきであるかを選択することと、少なくとも1つのパラメータに基づいて選択された第1又は第2の周波数で受信されたサービスを少なくとも1つのオーディオビデオディスプレイ装置上に提示することと、を含む。
【0006】
いくつかの例では、方法が、第1の周波数又は第2の周波数のどちらに同調すべきであるかを、少なくとも1つのパラメータに少なくとも部分的に基づくとともに、第1及び第2の品質メトリクスに基づいて選択することを明確に含む。
【0007】
方法は、少なくとも1つの機械学習(ML)モデルを少なくとも部分的に使用して周波数を選択することを含むことができる。
【0008】
非限定的な実施形態では、方法が、どちらの周波数が選択されたかに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つのアンテナの少なくとも1つの構成を変更することを含むことができる。
【0009】
別の態様では、装置が、第1の送信機からの第1の周波数又は第2の送信機からの第2の周波数を選択するように構成された少なくとも1つの受信機を含む。両周波数は、実質的に同じデジタルテレビサービスを伝える。この選択は、受信機が配置された地域の少なくとも1つの地形的特徴、それぞれの第1及び第2の送信機の少なくとも第1及び第2の位置、受信機とそれぞれの第1及び第2の送信機の第1及び第2の位置との間の少なくとも第1及び第2の距離、受信機とそれぞれの第1及び第2の位置との間の少なくともそれぞれの第1及び第2の相対的な動き、それぞれの第1及び第2の送信機の少なくともそれぞれの第1及び第2の高度、から選択される少なくとも1つのパラメータに少なくとも部分的に基づく。受信機は、少なくとも1つのパラメータに基づいて選択された第1又は第2の周波数で受信されたサービスを少なくとも1つのオーディオビデオディスプレイ装置上に提示するように構成される。
【0010】
別の態様では、デジタルテレビ装置が、第1の送信機からの、デジタルテレビサービスを提供する第1の周波数、及び第2の送信機からの、デジタルテレビサービスを提供する第2の周波数のいずれかを、それぞれの第1及び第2の周波数に関連する第1及び第2の品質メトリクス、並びに第1及び第2の送信機の少なくとも一方及び/又は第1及び第2の送信機の少なくとも一方に関連する地域に関連する少なくとも1つの地理的パラメータに少なくとも部分的に基づいて選択するように構成された命令をプログラムされた少なくとも1つのプロセッサを有する少なくとも1つの受信機を含む。
【0011】
本出願の詳細は、その構造及び動作の両方に関し、同様の要素を同様の参照符号で示す添付図面を参照することで最も良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】高度テレビシステム委員会(ATSC)3.0システムを示す図である。
【
図2】
図1に示す装置のコンポーネントを示す図である。
【
図4】デジタルTV受信機の第1の実施形態例を示す図である。
【
図5】デジタルTV受信機の第2の実施形態例を示す図である。
【
図6】本原理による送信機ロジック例をフローチャート例形式で示す図である。
【
図7】本原理による受信機ロジック例をフローチャート例形式で示す図である。
【
図8】本原理による機械学習(ML)モデルを訓練するためのロジックをフローチャート例形式で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、高度テレビシステム委員会(ATSC)3.0テレビなどのデジタルテレビの技術的進歩に関する。本明細書におけるシステム例は、互いにデータを交換できるように放送及び/又はネットワークを介して接続されたATSC3.0ソースコンポーネント及びクライアントコンポーネントを含むことができる。クライアントコンポーネントは、ポータブルテレビ(例えば、スマートTV、インターネット対応TV)、ラップトップ及びタブレットコンピュータなどのポータブルコンピュータ、並びにスマートフォン及び後述するさらなる例を含むその他のモバイル装置などの1又は2以上のコンピュータ装置を含むことができる。これらのクライアント装置は、様々な動作環境で動作することができる。例えば、クライアントコンピュータの一部は、一例としてMicrosoft社のオペレーティングシステム、又はUnixオペレーティングシステム、或いはApple Computer社又はGoogle社によって製造されたAndroid(登録商標)などのオペレーティングシステムを採用することができる。これらの動作環境は、Microsoft社、Google社又はMozillaによって作成されたブラウザ、或いは後述するインターネットサーバによってホストされたウェブサイトにアクセスできるその他のブラウジングプログラムなどの1又は2以上のブラウジングプログラムを実行するために使用することができる。
【0014】
引用により本明細書に組み入れられるATSC3.0出版物A/344は、とりわけ本明細書で説明する技術に関連することができる。
【0015】
ATSC3.0ソースコンポーネントは、放送送信コンポーネントと、インターネットなどのネットワークを介したデータ放送及び/又はデータ送信を行うようにソースコンポーネントを構成する命令を実行する1又は2以上のプロセッサを含むことができるサーバ及び/又はゲートウェイとを含むことができる。クライアントコンポーネント及び/又はローカルATSC3.0ソースコンポーネントとしては、Sony PlayStation(登録商標)などのゲーム機、パーソナルコンピュータなどを具体例として挙げることができる。
【0016】
クライアントとサーバとの間では、ネットワークを介して情報を交換することができる。この目的及びセキュリティのために、サーバ及び/又はクライアントは、ファイヤウォール、ロードバランサ、一時ストレージ、及びプロキシ、並びに真正性及びセキュリティを高めるその他のネットワークインフラを含むことができる。
【0017】
本明細書で使用する命令とは、システム内で情報を処理するためのコンピュータ実装ステップのことを意味する。命令は、ソフトウェア、ファームウェア又はハードウェアで実装することができ、システムのコンポーネントが行うあらゆるタイプのプログラムステップを含むことができる。
【0018】
プロセッサは、アドレス回線、データ回線及び制御回線などの様々な回線、並びにレジスタ及びシフトレジスタによってロジックを実行できるシングルチップ又はマルチチッププロセッサであることができる。
【0019】
フローチャートによって説明するソフトウェアモジュール、及び本明細書におけるユーザインターフェイスは、様々なサブルーチン、手続きなどを含むことができる。本開示を限定することなく、特定のモジュールによって実行されるものとして開示するロジックは、他のソフトウェアモジュールに再分配し、及び/又は単一のモジュールに組み合わせ、及び/又は共有可能なライブラリ内で利用することもできる。フローチャート形式を使用することもできるが、ソフトウェアは、状態機械又はその他の論理的方法として実装することもできると理解されたい。
【0020】
本明細書で説明する本原理は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせとして実装することができ、従って例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路及びステップについてはこれらの機能面から説明する。
【0021】
上記で示唆したものに加え、論理ブロック、モジュール及び回路は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は特定用途向け集積回路(ASIC)などの他のプログラマブルロジックデバイス、離散ゲート又はトランジスタロジック、離散ハードウェアコンポーネント、又は本明細書で説明する機能を実行するように設計されたこれらのいずれかの組み合わせを使用して実装又は実行することができる。プロセッサは、コントローラ、状態機械、又はコンピュータ装置の組み合わせによって実装することができる。
【0022】
以下で説明する機能及び方法は、ソフトウェアで実装した場合、以下に限定するわけではないが、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)-5、Java(登録商標)/Javascript、C#、C++などの適当な言語で書くことができ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、電気的に消去可能でプログラム可能なリードオンリメモリ(EEPROM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、又はデジタル多用途ディスク(DVD)などの他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ、又は取り外し可能なユニバーサルシリアルバス(USB)サムドライブなどを含む他の磁気ストレージ装置などのコンピュータ可読記憶媒体に記憶し、又はこれらを通じて伝送することができる。ある接続は、コンピュータ可読媒体を構築することができる。このような接続は、一例として、光ファイバ、同軸線、デジタル加入者回線(DSL)及びツイストペア線を含む有線ケーブルを含むことができる。
【0023】
1つの実施形態に含まれるコンポーネントは、他の実施形態においていずれかの適切な組み合わせで使用することができる。例えば、本明細書において説明する及び/又は図に示す様々なコンポーネントのいずれかは、組み合わせ、置き換え、又は他の実施形態から除外することができる。
【0024】
「A、B及びCのうちの少なくとも1つを有する(同様に、「A、B又はCのうちの少なくとも1つを有する」、及び「A、B、Cのうちの少なくとも1つを有する」)」との記載は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとC全てなどを含む。
【0025】
本原理は、ディープラーニングモデルを含む様々な機械学習モデルを採用することができる。本原理による機械学習モデルは、教師あり学習、教師なし学習、半教師あり学習、強化学習、特徴学習、自己学習及びその他の学習形態を含む方法で訓練された様々なアルゴリズムを使用することができる。コンピュータ回路によって実装できるこのようなアルゴリズムの例としては、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、再帰型ニューラルネットワーク(RNN)、長短期記憶(LSTM)ネットワークとして知られているタイプのRNNなどの1又は2以上のニューラルネットワークが挙げられる。サポートベクターマシン(SVM)及びベイジアンネットワークも機械学習モデルの一例であると考えることができる。
【0026】
従って、本明細書で理解されるように、機械学習を実行することは、モデルがさらなるデータを処理して推論を行えるように、訓練データにアクセスした後に訓練データに基づいてモデルを訓練することを伴うことができる。従って、機械学習を通じて訓練された人工ニューラルネットワーク/人工知能モデルは、入力層と、出力層と、適切な出力に関する推論を行うように構成され重み付けされた、これらの間の複数の隠れ層とを含むことができる。
【0027】
図1を参照すると、「放送局設備」10として表記するATSC3.0ソースコンポーネントの例は、典型的には1対多の関係で直交周波数分割多重(OFDM)を介してATSC3.0テレビなどの複数の受信機14にテレビデータを無線で放送するオーバージエア(OTA)設備12を含むことができる。1又は2以上の受信機14は、Bluetooth(登録商標)、低エネルギーBluetooth、その他の近距離無線通信(NFC)プロトコル、赤外線(IR)などによって実装できる、典型的には無線である短距離リンク18を介してリモコン装置、タブレットコンピュータ及び携帯電話機などの1又は2以上のコンパニオンデバイス16と通信することができる。
【0028】
また、受信機14のうちの1つ又は2つ以上は、インターネットなどの有線及び/又は無線ネットワークリンク20を介して放送局設備10のオーバーザトップ(OTT)設備22と、典型的には1対1の関係で通信することもできる。OTA設備12は、OTT設備22と同じ位置に存在することができ、或いは放送局設備10の両設備12、22は、互いに離れて適切な手段を通じて互いに通信することもできる。いずれにせよ、受信機14は、同調したATSC3.0テレビチャンネルを介してATSC3.0テレビ信号をOTAで受信することも、或いはテレビを含む関連コンテンツをOTT(ブロードバンド)で受信することもできる。なお、本明細書の全ての図において説明するコンピュータ装置は、
図1及び
図2の様々な装置について示すコンポーネントの一部又は全部を含むことができる。
【0029】
次に
図2を参照すると、
図1に示すコンポーネント例の詳細を見ることができる。
図2には、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって実装できるプロトコルスタック例を示す。放送局は、
図2に示す放送局側のために適宜に修正されたATSC3.0プロトコルスタックを使用して、(本明細書では「ブロードバンド」及び「オーバーザトップ」(OTT)と呼ぶ)コンピュータネットワークと、(本明細書では「放送」及び「オーバージエア」(OTA)と呼ぶ)無線放送とを介して1又は2以上の番組要素を配信するハイブリッドサービス配信を送信することができる。
図2には、受信機によって具現化できるハードウェアを含む例示的なスタックも示す。
【0030】
図2を放送局設備10の観点から開示すると、本明細書で説明するいずれかのメモリ又はストレージなどの1又は2以上のコンピュータ記憶媒体202にアクセスする1又は2以上のプロセッサ200は、最上位のアプリケーション層204において1又は2以上のソフトウェアアプリケーションを提供するように実装することができる。アプリケーション層204は、ランタイム環境で動作する、例えばHTML5/Javascriptで書かれた1又は2以上のソフトウェアアプリケーションを含むことができる。限定するわけではないが、アプリケーションスタック204のアプリケーションは、リニアTVアプリケーション、インタラクティブサービスアプリケーション、コンパニオンスクリーンアプリケーション、個人化アプリケーション、緊急アラートアプリケーション、及び使用報告アプリケーションを含むことができる。通常、アプリケーションは、ビデオコーディング、オーディオコーディング及びランタイム環境を含む、視聴者が体験する要素を表すソフトウェアで具現化される。一例として、ユーザによるダイアログの制御、代替オーディオトラックの使用、並びに正規化及びダイナミックレンジなどのオーディオパラメータの制御などを可能にするアプリケーションを提供することができる。
【0031】
アプリケーション層204の下位にはプレゼンテーション層206が存在する。プレゼンテーション層206は、受信機に実装された時に無線で放送されたオーディオビデオコンテンツを復号して1又は2以上のディスプレイ及びスピーカ上で再生するメディア処理ユニット(MPU)208と呼ばれる放送オーディオビデオ再生装置を放送(OTA)側に含む。MPU208は、国際標準化機構(ISO)ベースメディアファイルフォーマット(BMFF)データ表現210、及び高効率ビデオコーディング(HEVC)のビデオを、例えばドルビーオーディオ圧縮(AC)-4フォーマットのオーディオで提示するように構成される。ISO BMFFは、「セグメント」とプレゼンテーションメタデータとに分割される時間ベースのメディアファイルのための一般的ファイル構造である。基本的に、各ファイルは、それぞれがタイプ及び長さを有する一群のネスト化オブジェクト(nested objects)である。MPU208は、暗号解読を容易にするために、放送側暗号化メディア拡張(encrypted media extension:EME)/共通暗号化(common encryption:CENC)モジュール212にアクセスすることができる。
【0032】
図2には、放送側において、プレゼンテーション層206が、アプリケーション層204にアクセス可能な非リアルタイム(NRT)コンテンツ218を配信するために、動画専門家集団(MPEG)メディア転送プロトコル(MMTP)シグナリングモジュール214、又は単方向トランスポートを介したリアルタイムオブジェクト配信(real-time object delivery over unidirectional transport:ROUTE)シグナリングモジュール216のいずれかを含むシグナリングモジュールを含むことができることをさらに示す。NRTコンテンツは、限定するわけではないが、記憶された代替広告を含むことができる。
【0033】
ブロードバンド(OTT又はコンピュータネットワーク)側では、受信機によって実装された場合、プレゼンテーション層206が、インターネットからのオーディオビデオコンテンツを復号して再生するために、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)を介した1又は2以上の動的適応型ストリーミング(DASH)プレーヤ/デコーダ220を含むことができる。この目的のために、DASHプレーヤ220は、ブロードバンド側のEME/CENCモジュール222にアクセスすることができる。DASHコンテンツは、ISO/BMFFフォーマットのDASHセグメント224として提供することができる。
【0034】
プレゼンテーション層206のブロードバンド側は、放送側と同様に、ファイル226内にNRTコンテンツを含むとともに、再生シグナリングを提供するシグナリングオブジェクト228を含むことができる。
【0035】
プロトコルスタック内のプレゼンテーション層206の下位にはセッション層230が存在する。セッション層230は、放送側にMMTPプロトコル232又はROUTEプロトコル234のいずれかを含む。なお、ATSC標準は、伝送にMPEG MMTを使用するオプションを提供するが、ここには示していない。
【0036】
セッション層230は、ブロードバンド側にHTTP-secure(HTTP(S))として実装できるHTTPプロトコル236を含む。セッション層230のブロードバンド側は、HTTPプロキシモジュール238及びサービスリストテーブル(SLT)240を採用することもできる。SLT240は、基本サービスリストを構築して放送コンテンツのブートストラップ発見を提供するために使用されるシグナリング情報のテーブルを含む。「ROUTEシグナリング」テーブルには、ROUTEトランスポートプロトコルによってユーザデータグラムプロトコル(UDP)を介して配信されるメディアプレゼンテーション記述(MPD)が含まれる。
【0037】
プロトコルスタック内のセッション層230の下位には、低遅延かつ損失耐性のある(loss-tolerating)接続を確立するためのトランスポート層242が存在する。トランスポート層242は、放送側ではUDP244を使用し、ブロードバンド側では伝送制御プロトコル(TCP)246を使用する。
【0038】
図2に示す非限定的なプロトコルスタック例は、トランスポート層242の下位にネットワーク層248も含む。ネットワーク層248は、IPパケット通信のために両方の側においてインターネットプロトコル(IP)を使用し、放送側ではマルチキャスト配信が典型的であり、ブロードバンド側ではユニキャストが典型的である。
【0039】
ネットワーク層248の下位には、両方の側に関連するそれぞれの物理媒体上で通信を行うための放送送信/受信設備252及び(単複の)コンピュータネットワークインターフェイス254を含む物理層250が存在する。物理層250は、インターネットプロトコル(IP)パケットを関連する媒体上での伝送に適するように変換して、受信機における誤り訂正を可能にする順方向誤り訂正機能を追加するとともに、変調及び復調機能を組み込むために変調及び復調モジュールを含むことができる。物理層250は、長距離送信及び帯域幅効率向上のためにビットをシンボルに変換する。物理層250は、通常、OTA側には直交周波数分割多重(OFDM)を使用して無線でデータを放送する無線放送送信機を含み、OTT側にはインターネットを介してデータを送信するコンピュータ送信コンポーネントを含む。
【0040】
ブロードバンド側では、プロトコルスタック内の様々なプロトコル(HTTP/TCP/IP)を通じて送信されるDASH業界フォーラム(DASH Industry Forum:DASH-IF)プロファイルを使用することができる。ISO BMFFに基づくDASH-IFプロファイル内のメディアファイルは、放送配信及びブロードバンド配信の両方のための配信、メディアカプセル化及び同期フォーマットとして使用することができる。
【0041】
通常、各受信機14は、放送局設備のプロトコルスタックと相補的なプロトコルスタックを含む。
【0042】
図1の受信機14は、
図2に示すように、(TVを制御するセットトップボックスと同等の)ATSC3.0TVチューナ256を有するインターネット対応TVを含むことができる。受信機14は、Android(登録商標)ベースのシステムであることができる。或いは、受信機14は、コンピュータ化されたインターネット対応(「スマート」)電話機、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、及びウェアラブルコンピュータ装置などによって実装することもできる。それにもかかわらず、本明細書で説明する受信機14及び/又は他のコンピュータは、本原理を実施する(例えば、他の装置と通信して本原理を実施し、本明細書で説明するロジックを実行し、本明細書で説明する他のいずれかの機能及び/又は動作を実行する)ように構成されると理解されたい。
【0043】
従って、受信機14は、このような原理を実施するために、
図1に示すコンポーネントの一部又は全部によって確立することができる。例えば、受信機14は、高精細又は超高精細「4K」又はそれ以上のフラットスクリーンによって実装されて、ディスプレイ上のタッチを介してユーザ入力信号を受け取るタッチ対応型であることも又はそうでないこともできる1又は2以上のディスプレイ258を含むことができる。受信機14は、本原理に従ってオーディオを出力するための1又は2以上のスピーカ260と、例えば受信機14を制御する可聴コマンドを受信機14に入力するための、例えばオーディオ受信機/マイクなどの少なくとも1つのさらなる入力装置262とを含むこともできる。受信機14の例としては、1又は2以上のプロセッサ266の制御下でインターネット、WAN、LAN、PANなどの少なくとも1つのネットワークを介して通信するための1又は2以上のネットワークインターフェイス264をさらに挙げることができる。従って、インターフェイス264は、限定するわけではないがメッシュネットワークトランシーバなどの無線コンピュータネットワークインターフェイスの一例であるWi-Fiトランシーバであることができる。インターフェイス264は、以下に限定するわけではないが、Bluetooth(登録商標)トランシーバ、Zigbee(登録商標)トランシーバ、赤外線通信協会(IrDA)トランシーバ、無線USBトランシーバ、有線USB、有線LAN、電力線又はMultimedia over Coax Alliance(MoCA)であることができる。プロセッサ266は、例えば画像の提示及び入力の受信を行うようにディスプレイ258を制御することなどの、本明細書で説明した受信機14の他の要素を含めて本原理を実施するように受信機14を制御すると理解されたい。さらに、ネットワークインターフェイス264は、例えば有線又は無線モデム又はルータ、或いは無線電話トランシーバ又は上述したWi-Fiトランシーバなどの他の適切なインターフェイスであることができる。
【0044】
上記に加えて、受信機14は、別のCE装置に(有線接続を使用して)物理的に接続するための、高精細マルチメディアインターフェイス(HDMI(登録商標))ポート又はUSBポートなどの1又は2以上の入力ポート268、及び/又は受信機14にヘッドフォンを接続して受信機14からヘッドフォンを通じてユーザにオーディオを提示するためのヘッドフォンポートを含むこともできる。例えば、入力ポート268は、有線又は無線を介してオーディオビデオコンテンツのケーブル又は衛星ソースに接続することができる。従って、ソースは、独立した又は統合されたセットトップボックス又は衛星受信機であることができる。或いは、ソースは、ゲーム機又はディスクプレーヤであることもできる。
【0045】
受信機14は、いくつかの事例では受信機のシャーシ内にスタンドアロン装置として、受信機のシャーシの内部又は外部の、オーディオビデオ(AV)プログラムを再生するためのパーソナルビデオ録画装置(PVR)又はビデオディスクプレーヤとして、或いは取り外し可能記憶媒体として具現化される、一時的信号ではないディスクベースストレージ又はソリッドステートストレージなどの1又は2以上のコンピュータメモリ270をさらに含むことができる。また、いくつかの実施形態では、受信機14が、例えば少なくとも1つの衛星又は携帯電話タワーから地理的位置情報を受け取ってこの情報をプロセッサ266に提供し、及び/又は受信機14がプロセッサ266と共に配置される高度を決定するように構成された、限定するわけではないが、携帯電話受信機、全地球測位衛星(GPS)受信機、及び/又は高度計などの位置又は場所受信機272を含むことができる。しかしながら、例えば3次元全てにおいて受信機14の位置を決定するために、本原理に従って携帯電話受信機、GPS受信機及び/又は高度計以外の別の好適な位置受信機を使用することもできると理解されたい。
【0046】
受信機14の説明を続けると、いくつかの実施形態では、受信機14が、本原理に従って写真/画像及び/又はビデオを収集するために、熱探知カメラ、ウェブカメラなどのデジタルカメラ、及び/又は受信機14に統合されてプロセッサ266によって制御可能なカメラのうちの1つ又は2つ以上を含むことができる1又は2以上のカメラ274を含むことができる。また、受信機14には、Bluetooth(登録商標)及び/又はNFC技術を使用して他の装置と通信するためのBluetooth(登録商標)トランシーバ276又は他の近距離通信(NFC)要素をそれぞれ含めることもできる。NFC要素例は、無線周波数識別(RFID)要素であることができる。
【0047】
さらに、受信機14は、プロセッサ266に入力を提供する(加速度計、ジャイロスコープ、サイクロメータ又は磁気センサ及びこれらの組み合わせなどのモーションセンサなどの)1又は2以上の補助センサ278、リモコン装置からIRコマンドを受け取るための赤外線(IR)センサ、光学センサ、速度及び/又はケイデンスセンサ、(ジェスチャコマンドを検知するための)ジェスチャセンサなどを含むこともできる。無線リモコンからコマンドを受け取るためにIRセンサ280を設けることもできる。受信機14に電力を供給するためにバッテリ(図示せず)を設けることもできる。
【0048】
コンパニオンデバイス16は、上述した受信機14に関連して示した要素の一部又は全部を含むことができる。
【0049】
本明細書で説明する方法は、プロセッサ、好適に構成された特定用途向け集積回路(ASIC)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)モジュール、又は当業者が理解するであろう他のいずれかの便利な方法によって実行されるソフトウェア命令として実装することができる。ソフトウェア命令は、採用する場合にはCD ROM又はフラッシュドライブなどの非一時装置に具現化することができる。或いは、ソフトウェアコード命令は、無線信号又は光信号などの一時的構成で、又はインターネットを介したダウンロードを通じて具現化することもできる。
【0050】
次に、
図3に、ATSC3.0システムなどの単純化したデジタルTVシステムを示す。
図3では、
図1及び
図2に関連して上述した関連するコンポーネントの一部又は全部を含むことができるATSC3.0受信機300などの移動型又は固定型デジタルTV受信機が、第1及び第2のATSC3.0放送局又はアセンブリ304間の境界領域302に配置されており、両放送局304からの信号が領域302内の受信機300によって拾われる。第1の放送局304からは、第1のATSC3.0サービス(「サービスA」)が第1の周波数306で放送されるのに対し、第2の放送局304からは、同じサービスAが第1の周波数306とは異なる第2の周波数308で放送される。受信機300は両周波数を拾い、すなわち受信機300は両放送局304からの信号を拾う。
【0051】
図4に、
図1及び
図2に関連して上述した関連するコンポーネントの一部又は全部を含むことができるATSC3.0受信機400などのデジタルTV受信機の非限定的な実施形態例を示す。図示の例では、ATSC3.0受信機400が、例えば家庭内に配置された受信機などの固定型受信機であることができる。いくつかの例では、ATSC3.0受信機400が、例えば携帯電話機に実装又は移動車両内に配置されるような移動型受信機であることができる。
【0052】
図4に示すATSC3.0受信機例400は、1又は2以上のアンテナ406から拾い上げた信号を復調器404に送るチューナ402を含む。受信機400は、1つのみのチューナ、1つのみの復調器、及び1つのみのアンテナを含む。
【0053】
対照的に、
図5には、
図1及び
図2に関連して上述した関連するコンポーネントの一部又は全部を含むことができるATSC3.0受信機500などのデジタルTV受信機の非限定的な実施形態例を示す。図示の例では、ATSC3.0受信機500が、例えば携帯電話機に実装又は移動車両内に配置されるような移動型受信機であることができる。いくつかの例では、ATSC3.0受信機500が、例えば家庭内に配置された受信機などの固定型受信機であることができる。
【0054】
図5に示すATSC3.0受信機例500は、1又は2以上のアンテナ506から拾い上げた信号をそれぞれの復調器504に送信する複数のチューナ502を含む。図示の非限定的な例では、ATSC3.0受信機500が2つのチューナ及び2つの復調器を有するが、これよりも多くの又は少ない数のチューナ/復調器を有することもできると理解されたい。図示の非限定的な例では、ATSC3.0受信機500が4つのアンテナを有するが、これよりも多くの又は少ない数のアンテナを有することもできると理解されたい。受信機500は、チューナへのアンテナ入力を切り替えることができ、従って第1のチューナが3つのアンテナなどから信号を受信し、第2のチューナが第4のアンテナから信号を受信した後に、チューナ間でアンテナ入力を入れ替えるように切り替えを行うことができる。2つのアンテナが、各それぞれのチューナに入力を提供することもできる。4つのアンテナ全てから単一のチューナに入力を提供することもできる。これらの及びその他のアンテナ-チューナ構成は、必要に応じて動作中にオンザフライで変更することができる。
【0055】
本明細書では、RF周波数の品質メトリクスについて説明し、このような品質メトリクスを識別して記憶することができる。品質メトリクスは、例えば信号対雑音比(SNR)、及びパケットエラー数(PEN)によって表すことができるエラー率などを含むことができる。品質メトリクスは、例えばサービスが高解像度(HD)であるか、それとも標準解像度(SD)であるかなどの解像度を含むことができる。品質メトリクスは、全てのHDが同じわけではないことを認識するビットレート及びフォームファクタを含むこともできる。品質メトリクスは、サービスが外国語、アクセシビリティシグナリング(例えば、どこで署名が行われているか)、音声描写及びその他のコンテンツ側面をサポートしているかどうかなどのコンテンツ属性を含むことができる。品質メトリクスは、(例えば、第1の地域のチャンネルが強力であるが、全ての広告が第1の地域のためのものであってユーザが望む第2の地域のものではないため、第2の地域からの重複サービスに第1の地域を上回る選好を認めることができるような)地域選好(locality preference)を含むことができる。品質メトリクスは、サービスにおいて扱われるユーザインターフェイスの品質を含むことができる。
【0056】
非限定的な例では、各受信周波数の受信信号強度及びこの周波数におけるいずれかの付随するノイズの両方に注目し、これらの商を求めることによって、スキャン中にSNRを決定することができる。エラー率は、例えば(失われたパケット番号に注目することによって)失われたパケットの割合を決定し、及び/又はエラー訂正アルゴリズムによって決定されたエラーを含む受信パケットの割合を決定することによって決定することができる。
【0057】
図6に、OTA送信機又はOTT送信機などの送信機が実行できるロジックを示す。ATSC3.0受信機、とりわけ(限定するわけではないが)モバイル装置が2又は3以上のRF放送の組に遭遇し、2又は3以上のRF放送が(例えば、同一のglobalServiceId値を有することによって)実質的に同じものであると識別される番組を含む場合、受信機は、最も強く最もエラーのない信号で受信できるRF放送への同調を選択すべきである。本原理が存在しなければ、受信機は、現時点で又は過去に遭遇した信号強度又はエラー率のみに基づいて選択を行わなければならない。
【0058】
実際に、本原理は、受信機が、受信機の位置、移動方向及び速度、送信機の位置、受信機及び送信機の位置の地形的特徴の情報に基づいて同調すべき最良のRF放送を選択することを可能にすることができる。例えば、受信機は、2つの同等の信号に遭遇してこれらの信号の一方の方向に移動している場合、移動先の送信に高確率で同調すべきである。一方で、受信機は、現在の方位及び速度で移動し続けた場合に信号品質が低下すると思われる(山のような)地形的特徴が存在する場合には、山が信号品質に影響を与えなくなるまで、山による信号品質問題を受けない放送への同調を選択することができる。なお、例えば受信機に関連する光検出及び測距(LIDAR)装置を使用して地形図を生成することもできる。
【0059】
また、受信機は、上述した情報を使用して、上記の情報(とりわけ送信機の位置及び受信機の位置)を利用して、(例えば、アンテナローテータの制御又はアンテナのビームフォーミング能力により)受信を最大化するように自動的にアンテナ構成を調整することができる。
【0060】
また、機械学習(ML)モデルプロセスが上記の情報を利用して、より正確かつ効率的に同調を行う最良の受信パラメータ(アンテナ構成)及び最良の送信を予測することもできる。
【0061】
従って、ここで
図6を参照する。ブロック600から開始し、ATSC3放送ネットワークなどのMFNにおいて、必要に応じて異なる周波数上の放送局の場合であるにもかかわらず、無線放送送信機及び/又はブロードバンド送信機であることができる2又は3以上の送信機が実質的に同じデジタルTVサービスを実質的に同時に送信する。いくつかの実施形態における「実質的に同じサービス」は、A/331のテーブル6.2(SLT)における@globalServiceIDという属性を参照する同じグローバルサービス識別子(GSID)を有する同じサービスの2つの重複バージョンを意味することができる。いくつかの実施形態における「実質的に同じサービス」は、同じ放送ストリーム識別子(BSID)を有する同じサービスの2つの重複バージョンを意味することができる。いくつかの実施形態における「実質的に同じサービス」は、例えば第2のサービスが第1のサービスの置換物又は同等物であることがシグナリングによって示されるサービスなどの、置換元のサービスの許容可能な置換物であるサービスを意味することができる。
【0062】
ブロック602に進み、各送信機は、例えば緯度、経度、高度などのそれぞれのジオロケーションデータをシグナリングすることができる。このシグナリングはSLTに挿入することができる。
【0063】
図7に受信機側のロジックを示す。ブロック700から開始して、受信機が、とりわけ隣接する放送地域内の2つの隣接する送信機からの信号が重なり合う境界領域において、例えば同じGSID又はBSIDを有することによって示されるような実質的に同じサービスをそれぞれの放送局送信機から2つの異なる周波数で受信することができる。各受信周波数の1又は2以上の品質メトリクスを決定することもできる。しかしながら、チャネル品質のみに依拠してどの周波数をサービス提示のために使用すべきであるかを選択するのではなく、ロジックはブロック702に進んで、送信機からSLTなどで受け取られた送信機のジオロケーションデータに送信機毎にアクセスすることができる。
【0064】
さらに、ブロック704において、受信機は、
図2の位置受信機272などの位置センサからの信号を使用して、自機の現在位置、移動速度及び移動方向にアクセスすることができる。ブロック706において、受信機は地形図にさらにアクセスすることができる。ブロック708において、品質メトリクスだけでなく各送信機に対する受信機の距離及び移動方向/速度、さらには必要に応じて地形情報に基づいて、2又は3以上の周波数で伝えられるサービスの提示に使用すべき周波数を選択する。(単複の)受信アンテナを移動させることができる場合には、ブロック710において、選択された周波数に関連する送信機からの受信を最大化するように受信アンテナを移動させ又は別様に再構成することができる。選択された周波数からのサービスは、受信機に関連するオーディオビデオディスプレイ装置上に提示される。
【0065】
例えば、いくつかの実施形態では、受信機が静止している時に、第2の周波数よりも良好な品質メトリクスを有する第1の周波数を選択することができる。
【0066】
第2の周波数よりも良好な品質メトリクスを有する第1の周波数は、受信機が静止していて、受信機と第1の周波数でサービスを送信している送信機との間に地形的障害物が存在しない時に選択することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、受信機が静止していて、受信機と第1の周波数でサービスを送信している送信機との間に少なくとも1つの地形的障害物が存在する時に、第2の周波数よりも低い品質メトリクスを有する第1の周波数を選択することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、受信機が静止していて、受信機と第1の周波数でサービスを送信している送信機との間に少なくとも1つの地形的障害物が存在する時に、閾値を上回るSNR差などの有意な量だけ第2の周波数よりも優れた品質メトリクスを有する第1の周波数を選択することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、第1の周波数でサービスを送信している送信機に向かって受信機が移動している時に、第2の周波数よりも低い品質メトリクスを有する第1の周波数を選択することができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、第1の周波数でサービスを送信している送信機に向かって受信機が少なくとも閾値速度で移動している場合にのみ、第2の周波数よりも低い品質メトリクスを有する第1の周波数を選択することができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、第1の周波数でサービスを送信している送信機に向かって受信機が移動しており、受信機と送信機との間に障害物が存在しない場合にのみ、第2の周波数よりも低い品質メトリクスを有する第1の周波数を選択することができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、第1の周波数でサービスを送信している送信機に向かって受信機が移動しており、受信機と第2の周波数でサービスを送信している送信機との間に障害物が存在する場合にのみ、第2の周波数よりも低い品質メトリクスを有する第1の周波数を選択することができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、第1の周波数でサービスを送信している送信機に向かって受信機が移動しており、受信機と第1の周波数でサービスを送信している送信機との間に障害物が存在するが、第1の周波数でサービスを送信している送信機の高度が障害物よりも高い場合に、第2の周波数よりも低い品質メトリクスを有する第1の周波数を選択することができる。
【0074】
これらは、周波数を選択するために使用できるいくつかのヒューリスティック例にすぎない。
【0075】
選択は、
図8のブロック800から開始して訓練できる少なくとも1つのMLモデルの使用を伴うことができる。MLモデルにはグランドトゥルースが入力される。グランドトゥルースは、周囲環境の地形図に重ね合わされた実際のデジタルTV放送局の送信機の緯度、経度及び高度を含むことができる。グランドトゥルースは、ある地域のみの、ある国の、又は地球全体のこれらの特徴を含むことができる。
【0076】
グランドトゥルースは、複数の仮想受信機の位置、コース及び速度、並びに実際に試験車両によってその位置で測定した仮想信号品質メトリクス又は品質メトリクスを含むこともできる。グランドトゥルースは、2つの周波数のうちのどちらが各仮想受信機の位置における最良の選択であるかについての指示を含むこともできる。ブロック802において、Mlモデルを実行する受信機でその後に使用できるように、ブロック800で入力されたグランドトゥルースに基づいてMLモデルを訓練する。
【0077】
いくつかの実施形態例を参照しながら本原理について説明したが、これらの実施形態は限定的であるように意図するものではなく、本明細書において特許請求する主題は様々な別の構成を用いて実装することもできると理解されるであろう。
【国際調査報告】