(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-03
(54)【発明の名称】腎代替療法のための医療用流体を供給するためのシステム及びそのようなシステムを動作させる方法
(51)【国際特許分類】
A61M 1/16 20060101AFI20240827BHJP
A61M 1/14 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
A61M1/16 161
A61M1/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508083
(86)(22)【出願日】2022-08-08
(85)【翻訳文提出日】2024-04-02
(86)【国際出願番号】 EP2022072174
(87)【国際公開番号】W WO2023016952
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501473877
【氏名又は名称】ガンブロ・ルンディア・エービー
【氏名又は名称原語表記】GAMBRO LUNDIA AB
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤンソン, オロフ
(72)【発明者】
【氏名】ペッテション, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ボルクヴィスト, ペル‐オロフ
(72)【発明者】
【氏名】ハーツ, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】フォルス, ヨナス
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA05
4C077BB01
4C077HH02
4C077HH13
4C077JJ08
4C077JJ19
4C077JJ24
4C077KK23
(57)【要約】
システムは、第2のデバイス(30)の弁(32)を通じて第1のデバイス(10)内のポンプ(15)と第2のデバイス(30)内の容器(38)との間に流体経路(21)を確立するように接続されている第1のデバイス(10)及び第2のデバイス(30)を備える。第2のデバイス(30)内の制御ユニット(31)は、流体経路(21)を開くように弁(32)を選択的に動作させる。第2のデバイス(30)は、流体経路(21)で第1のデバイスから受け取られた第1の流体(F1)の使用によって腎代替療法のための医療用流体を供給するように構成される。第1のデバイス(10)内の制御ユニット(11)は、流体経路(21)内の流体圧力を直接的又は間接的に測定し、第2のデバイス(30)の動作中にポンプ(15)を断続的に作動させて第1の流体(F1)を流体経路(21)内に圧送し、弁(32)が閉じていることを流体経路(21)内の流体圧力が示す場合に、ポンプ(15)を停止させるように動作する。それによって、第1のデバイス(30)は、第2のデバイス(30)と同期することなく容器(38)を補充するように動作可能である。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腎代替療法のための医療用流体(F2′;F1)を供給するためのシステムであって、前記システムは、
第1の流体(F1)を提供するように構成されている第1のデバイス(10;30A)であって、前記第1のデバイス(10)は、流体ポンプ(15)と、第1の制御ユニット(11)とを備える、第1のデバイスと、
前記第1の流体(F1)の使用によって前記医療用流体(F2′;F1)を供給するように構成されている第2のデバイス(30;30B)であって、前記第2のデバイス(30;30B)は、容器(38)と、制御弁(32)と、第2の制御ユニット(31)とを備える、第2のデバイスと、を備え、
前記第1及び第2のデバイスは、前記制御弁(32)を通じて前記第1のデバイス(10)内の前記流体ポンプ(15)と前記第2のデバイス(30;30B)内の前記容器(38)との間に流体経路(21)を確立するように接続され、
前記第2の制御ユニット(31)は、前記流体経路(21)を開くように前記制御弁(32)を選択的に動作させるように構成され、
前記第1の制御ユニット(11)は、前記流体経路(21)内の流体圧力を示すパラメータを測定するように構成されているセンサ構成(16,18)に接続され、
前記第1の制御ユニット(11)は、前記第2のデバイス(30;30B)の動作中に断続的に、前記パラメータから独立して、前記第1の流体(F1)を前記流体経路(21)内に圧送するために前記流体ポンプ(15)を作動させ、前記制御弁(32)が閉じていることを前記パラメータが示す場合に、前記流体ポンプ(15)を停止させるように構成される、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記第1の制御ユニット(11)は、時間スケジュールに従って前記流体ポンプ(15)を作動させるように構成される、システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシステムであって、前記第1の制御ユニット(11)は、規則的な時間間隔(Δ1)で前記流体ポンプ(15)を作動させるように構成される、システム。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載のシステムであって、前記第1の制御ユニット(11)は、前記第2の制御ユニット(31)によって前記流体経路(21)が開かれている場合に、前記容器(38)の枯渇の予測時間よりも短い時間間隔だけ、前記流体ポンプ(15)の連続する作動を分離するように構成される、システム。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載のシステムであって、前記第1の制御ユニット(11)は、前記第1のデバイス(10;30A)による前記容器(38)内への前記第1の流体(F1)の移送後に、待機期間(Δ1′)の間、前記流体ポンプの作動を延期するように構成され、前記待機期間(Δ1′)は、前記第2の制御ユニット(31)による前記流体経路(21)の連続する開放間の予想時間間隔(Δ2
min)に関連して設定される、システム。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載のシステムであって、前記第2の制御ユニット(31)は、前記容器(38)内の充填レベルを決定し、前記充填レベルが限度値未満である場合に前記制御弁(32)を開くように構成される、システム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムであって、前記第2のデバイス(31)は、前記容器(38)の重量を測定するように構成されたスケール(34)をさらに備え、前記第2の制御ユニット(31)は、前記スケール(34)に接続されており、前記スケール(34)によって測定された前記重量に基づいて前記充填レベルを決定するように構成される、システム。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1項に記載のシステムであって、前記第1の制御ユニット(11)は、前記流体ポンプ(15)を作動させた後であって、前記制御弁(32)が開いていることを前記パラメータが示す場合に、所定の設定に従って、及び/又は前記制御弁(32)が閉じていることを前記パラメータが示すまで、前記流体ポンプ(15)を動作させるように構成される、システム。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載のシステムであって、前記第1の制御ユニット(11)は、第1の速度で動作するように前記流体ポンプ(15)を作動させ、前記制御弁(32)が開いていることをパラメータが示す場合に、前記第1の速度よりも速い第2の速度で前記流体ポンプ(15)を動作させるように構成される、システム。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項に記載のシステムであって、前記流体経路(21)は、前記制御弁(32)が閉じられている場合に前記流体ポンプ(15)の作動から生じる前記流体圧力の増加の一部を吸収するように構成されているコンプライアンス構成(23)を備える、システム。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1項に記載のシステムであって、前記制御弁(32)の応答時間は、前記流体圧力を限度値未満に維持するように、前記流体ポンプ(15)の停止移行時間に関連して制御される、システム。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか1項に記載のシステムであって、前記センサ構成(16,18)は、前記流体圧力が限度圧力を超えた場合に信号送信するように構成されている圧力スイッチを備える、システム。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか1項に記載のシステムであって、前記第1の流体(F1)は、精製水である、システム。
【請求項14】
請求項1乃至12の何れか1項に記載のシステムであって、前記第1の流体(F1)は、前記医療用流体である、システム。
【請求項15】
請求項1乃至14の何れか1項に記載のシステムであって、前記医療用流体(F2′;F1)は、透析液である、システム。
【請求項16】
請求項1乃至15の何れか1項に記載のシステムであって、前記第2のデバイス(30;30B)は、透析機械である、システム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、前記第2のデバイス(30;30B)は、急性腎損傷(AKI)の治療のための透析機械である、システム。
【請求項18】
請求項1乃至17の何れか1項に記載のシステムであって、前記第2のデバイス(30;30B)は、消費済み医療用流体(F2)を保持するように構成されている第2の容器(39)と、第2の制御弁(33)とを備え、前記第1のデバイス(11)は、第2の流体ポンプ(17)を備え、前記第1及び第2のデバイス(10,30;30A,30B)は、前記第2の制御弁(33)を通じて前記第1のデバイス(10)内の前記第2の流体ポンプ(17)と前記第2のデバイス(30;30B)内の前記第2の容器(39)との間に第2の流体経路(22)を確立するように接続され、前記第2の制御ユニット(31)は、前記第2の流体経路(22)を開くように前記第2の制御弁(33)を選択的に動作させるように構成され、前記センサ構成(16,18)は、前記第2の流体経路(22)内の流体圧力を示すさらなるパラメータを測定するようにさらに構成され、前記第1の制御ユニット(11)は、前記第2のデバイス(30;30B)の動作中に断続的に、前記さらなるパラメータから独立して、前記消費済み医療用流体(F2)を前記第2の流体経路(22)から引き出すように前記第2の流体ポンプ(17)を作動させ、前記第2の制御弁(33)が閉じていることを前記さらなるパラメータが示す場合に、前記第2の流体ポンプ(17)を停止させるように構成される、システム。
【請求項19】
腎代替療法からの消費済み医療用流体(F2)を扱うためのシステムであって、前記システムは、
流体ポンプ(17)と、第1の制御ユニット(11)とを備える第1のデバイス(10;30A)と、
消費済み医療用流体(F2)を収集するように構成された容器(39)と、制御弁(32)と、第2の制御ユニット(31)とを備える、第2のデバイス(30;30B)と、を備え、
前記第1及び第2のデバイス(10,30;30A,30B)は、前記制御弁(33)を通じて前記第1のデバイス(10;30A)内の前記流体ポンプ(17)と前記第2のデバイス(30;30B)内の前記容器(39)との間に流体経路(22)を確立するように接続され、
前記第2の制御ユニット(31)は、前記流体経路(22)を開くように前記制御弁(33)を選択的に動作させるように構成され、
前記第1の制御ユニット(11)は、前記流体経路(22)内の流体圧力を示すパラメータを測定するように構成されているセンサ構成(16,18)に接続され、
前記第1の制御ユニット(11)は、断続的に、前記パラメータから独立して、前記消費済み医療用流体(F2)を前記流体経路(22)から引き出すために前記流体ポンプ(17)を作動させ、前記制御弁(33)が閉じていることを前記パラメータが示す場合に、前記流体ポンプ(17)を停止させるように構成される、システム。
【請求項20】
第1の流体(F1)の使用によって腎代替療法のための医療用流体(F2′;F1)を供給する第2のデバイス(30;30B)と流体連通する第1のデバイス(10;30A)によって実行される方法であって、前記方法は、
前記第2のデバイスが前記医療用流体を供給するように動作中に断続的に、前記第2のデバイス内の制御弁を介して前記第1のデバイス内の流体ポンプと前記第2のデバイス内の容器との間に延在する流体経路で前記第1の流体を圧送するように前記第1のデバイス内の前記流体ポンプを作動させること(201)と、
センサ構成から前記流体経路内の流体圧力を示すパラメータの測定値を取得すること(202)と、
前記制御弁が閉じていることを前記パラメータが示す場合に前記流体ポンプを停止すること(203)と、を有する、方法。
【請求項21】
腎代替療法からの消費済み医療用流体(F2)を提供する第2のデバイス(30;30B)と流体連通する第1のデバイス(10;30A)によって実行される方法であって、前記方法は、
前記第2のデバイスが前記第2のデバイス内の容器に前記消費済み医療用流体を収集するように動作中に断続的に、前記第2のデバイス内の制御弁を介して前記第1のデバイス内の流体ポンプと前記第2のデバイス内の前記容器との間に延在する流体経路に前記消費済み医療用流体を引き出すように前記第1のデバイス内の前記流体ポンプを作動させること(211)と、
センサ構成から前記流体経路内の流体圧力を示すパラメータの測定値を取得すること(212)と、
前記制御弁が閉じていることを前記パラメータが示す場合に前記流体ポンプを停止すること(213)と、を有する、方法。
【請求項22】
プロセッサ(51)によって実行された場合に、前記プロセッサ(51)に請求項20又は21に記載の方法を実行させるプログラム命令を含むコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は腎代替療法の分野に関し、特に、そのような療法に使用するための医療用流体の供給に関する。
【背景技術】
【0002】
腎代替療法(RRT)は、腎臓の正常な血液濾過機能を置き換える療法である。腎不全として知られ、急性腎損傷及び慢性腎疾患を含む、腎臓が十分に機能していない場合にこれは使用される。RRTは例えば、透析(血液透析(HD)又は腹膜透析(PD))、血液濾過、又は血液透析濾過による、腎不全に罹患している患者の血液からの溶質の除去を伴う。モダリティに依存して、RRTは、手動で、又は機械の使用によって実行されうる。
【0003】
RRTでは、特定の組成の1つ又は複数の医療用流体が血液の治療に使用される。このような医療用流体は、いわゆる透析液及び代替液を含む。
【0004】
RRTのための医療用流体は、1つ以上の流体、例えば1つ以上の濃縮物を水と混合することによって生成されうる。いくつかの設備では、別個の水調製デバイスが、例えば逆浸透(RO)によって十分な純度及び品質の水を生成するために水道水を受け取って処理するように構成される。水調製装置は、要求に応じて、精製水を濃縮物と混合する流体生成デバイスに圧送するように構成される。流体生成デバイスは、透析機械に一体化されてもされなくてもよい。例えば同期信号を交換することによって、デバイスがそれらの動作を同期させることを可能にするように、水調製デバイス及び流体生成デバイス上に専用の通信インタフェースが提供される。そのような通信インタフェースは、水調製デバイス及び流体生成デバイスにコストを追加し、異なる製造業者間及び古い機器と新しい機器との間の相互運用性を低減する。
【0005】
米国特許出願公開第2019/0262522号は、別個の水源からの精製水の使用によってPDのための透析液を生成するように構成されている流体生成デバイスに関するこの問題に対処する。米国特許出願公開第2019/0262522号は、水源及び流体生成デバイスに個別のポンプを提供し、水源と流体生成デバイスとの間に水ラインを設置してポンプ間の流体連通を確立することを提案する。流体生成デバイスは、水源内のポンプとは独立して自身のポンプを動作させる。提案された多くの実装の1つにおいて、水源は、水ライン内の圧力を連続的に監視し、自身のポンプを制御して、監視された圧力に応じて精製水を供給するように構成されることによって、自動需要制御を備える。同様の解決策が、米国特許出願公開第2010/0018923号に提案されている。これらの提案の1つの欠点は、流体生成デバイスの動作中、常に水源が能動的に制御される必要があることである。これは、電力消費の増加をもたらし、また、時間とともに、水源及び流体生成デバイス内のポンプの著しい機械的摩耗をもたらしうる。
【0006】
前述の技術的課題は、流体生成デバイスから、流体生成デバイスから物理的に分離されたRRT機械への医療用流体の移送に等しく適用可能である。
【発明の概要】
【0007】
従来技術の1つ以上の制限を少なくとも部分的に克服することが目的である。
【0008】
さらなる目的は、第1の流体を提供する第1のデバイスと、第1の流体の使用によって医療用流体を提供する第2のデバイスとの間の同期の必要性を軽減しながら、RRTにおいて使用するための医療用流体を供給するためのシステムを提供することである。
【0009】
別の目的は、電力消費を低減すること、及び/又は医療用流体を供給するためのそのようなシステムのロバスト性を向上することである。
【0010】
これらの目的のうちの1つ以上、ならびに以下の説明から明らかになりうるさらなる目的は、医療用流体を生成するためのシステム、消費済み医療用流体を取り扱うためのシステム、及び独立請求項による方法によって少なくとも部分的に達成され、それらの実施形態は従属請求項によって規定される。
【0011】
第1の側面は、腎代替療法のための医療用流体を供給するためのシステムである。システムは、第1の流体を提供するように構成された第1のデバイスを備える。第1のデバイスは、流体ポンプと第1の制御ユニットとを備える。システムは、第1の流体の使用によって医療用流体を供給するように構成されている第2のデバイスをさらに備える。第2のデバイスは、容器と、制御弁と、第2の制御ユニットとを備える。第1及び第2のデバイスは、制御弁を通じて第1のデバイス内の流体ポンプと第2のデバイス内の容器との間に流体経路を確立するように接続される。第2の制御ユニットは、流体経路を開くように制御弁を選択的に動作させるように構成される。第1の制御ユニットは、流体経路内の流体圧力を示すパラメータを測定するように構成されているセンサ構成に接続される。第1の制御ユニットは、第2のデバイスの動作中に断続的に、パラメータから独立して、流体ポンプを作動させて第1の流体を流体経路内に圧送し、制御弁が閉じていることをパラメータが示す場合に、流体ポンプを停止させるように構成される。
【0012】
第2の側面は、第1の流体の使用によって腎代替療法のための医療用流体を供給する第2のデバイスと流体連通している第1のデバイスによって実行される方法である。本方法は、第2のデバイスが医療用流体を供給するように動作している間に、第1のデバイス内の流体ポンプを断続的に作動させて、第2のデバイス内の制御弁を介して第1のデバイス内の流体ポンプと第2のデバイス内の容器との間に延在する流体経路上で第1の流体を圧送することと、センサ構成から流体経路内の流体圧力を示すパラメータの測定値を取得することと、制御弁が閉じていることをパラメータが示す場合に、流体ポンプを停止することとを含む。
【0013】
第1及び第2の側面は、第1のデバイスが第2のデバイスから独立して動作することを可能にしつつ、第2のデバイス内の容器が第1のデバイスからの第1の流体によって適切かつ適時に補充されることを依然として保証にする、第1のデバイスを動作させる試行錯誤アプローチを適用する。さらに、第1のデバイス内の流体ポンプを断続的に作動させるだけで、流体ポンプの寿命を延ばすことができ、その消費電力を低減できる。さらに、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の流体経路を選択的に開閉するために第2のデバイスに制御弁を有することによって、第1のデバイスから流体を引き出すための第2のデバイス内のポンプを省くことが可能である。これは、コストを低減し、電力を節約し、システムのロバスト性を増加させる。
【0014】
第1及び第2の側面は、第1のデバイスからの第1の流体を処理することによって、例えば1つ以上の化合物を第1の流体に加えることによって、医療用流体を生成し、RRTで使用するための医療用流体を供給するように構成された第2のデバイスに適用可能である。第1及び第2の側面は、RRTで使用するための医療用流体を供給するように構成された第2のデバイスに医療用流体を提供する第1のデバイスにも同様に適用可能である。ここで、第2のデバイスは、第1の流体が医療用流体を構成するため、医療用流体を生成するために第1の流体を処理する必要はない。
【0015】
第3の側面は、腎代替療法からの消費済み医療用流体を扱うためのシステムである。システムは、流体ポンプと、第1の制御ユニットとを備える第1のデバイスを備える。システムは、消費済み医療用流体を収集するように構成された容器と、制御弁と、第2の制御ユニットとを備える第2のデバイスをさらに備える。第1及び第2のデバイスは、制御弁を通じて第1のデバイス内の流体ポンプと第2のデバイス内の容器との間に流体経路を確立するように接続される。第2の制御ユニットは、流体経路を開くように制御弁を選択的に動作させるように構成される。第1の制御ユニットは、流体経路内の流体圧力を示すパラメータを測定するように構成されているセンサ構成に接続される。第1の制御ユニットは、断続的に、パラメータから独立して、流体ポンプを作動させて流体経路から消費済み医療用流体を引き出し、制御弁が閉じていることをパラメータが示す場合に、流体ポンプを停止させるように構成される。
【0016】
第4の側面は、腎代替療法からの消費済み医療用流体を提供する第2のデバイスと流体連通している第1のデバイスによって実行される方法である。本方法は、第2のデバイスが第2のデバイス内の容器に消費済み医療用流体を収集するように動作している間に、第1のデバイス内の流体ポンプを断続的に作動させて、第2のデバイス内の制御弁を介して第1のデバイス内の流体ポンプと第2のデバイス内の容器との間に延在する流体経路上で消費済み医療用流体を引き出すことと、センサ構成から流体経路内の流体圧力を示すパラメータの測定値を取得することと、制御弁が閉じていることをパラメータが示す場合に、流体ポンプを停止することとを含む。
【0017】
第3及び第4の側面は、第1及び第2の側面と技術的利点を共有し、例えば、第1のデバイスは第2のデバイスから独立して動作することが可能であり、流体ポンプの寿命を延ばすことができ、流体ポンプの断続的な起動によって電力消費を低減することができる。
【0018】
第5の側面は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに第2又は第4の側面の方法を実行させるプログラム命令を備えるコンピュータ可読媒体である。
【0019】
さらに他の目的、側面及び利点、ならびに特徴及び実施形態は、以下の詳細な説明、添付の特許請求の範囲、ならびに図面から明らかになりうる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1B】第1及び第2の実施形態による例示的なシステムの概略図である。
【
図1C】
図1A~1Bのシステムにおける制御ユニットの概略図である。
【
図2A】
図1A~
図1Bのシステム内の第1のデバイスを制御する例示的な方法のフローチャートである。
【
図2C】
図1A~
図1Bのシステム内の第2のデバイスを制御する例示的な方法のフローチャートである。
【
図2D】
図1A~
図1Bにおけるシステムの設置及び始動の例示的な方法のフローチャートである。
【
図2F】実施例による第1のデバイスによる流体移送試行及び第2のデバイスによる流体導入のタイミング図である。
【
図3B】第1の流体を第2のデバイスに供給し、第2のデバイスから消費済み医療用流体を受け取るように、
図1A~
図1Bのシステム内の第1のデバイスを制御する例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
ここで、すべてではないが一部の実施形態が示されている添付の図面を参照して、以下でより完全に実施形態が説明される。実際、本開示の主題は多くの異なる形態で具現化されてもよく、本書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態はこの開示が適用可能な法的要件を満たしうるように提供される。同様の数字は全体を通じて同様の要素を指す。
【0022】
また、可能であれば、本書に記載及び/又は企図される実施形態の任意の利点、特徴、機能、デバイス、及び/又は動作側面の任意のものが、本書に記載及び/又は企図される他の実施形態の任意のものに含まれてもよく、及び/又はその逆も可能であることが理解されよう。さらに、別段の明示的な記載がない限り、可能な場合に、本書において単数形で表現された任意の用語は複数形も含むことが意味され、及び/又はその逆も成り立つ。本書で使用する際に、「少なくとも1つの」は「1つ以上の」を意味し、これらの語句は、交換可能であることが意図される。したがって、「a」及び/又は「an」という用語は「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味するものとするが、「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」という語句も本書で使用される。本書で使用される際に、言葉又は必要な含意を表現するために文脈が別途必要とする場合を除き、「備える(comprise)」との単語、又は「備える(comprises)」又は「備える(comprising)」などの変形は包括的な意味で、すなわち、述べられた特徴の存在を特定するが、様々な実施形態におけるさらなる特徴の存在又は追加を排除しないように使用される。
【0023】
第1、第2などという用語が本書で様々な要素を記載するために使用されうるが、これらの要素はこれらの用語に限定されるべきでないことがさらに理解されよう。これらの用語は、1つの要素を別のものと区別するためだけに使用される。例えば、本開示の範囲を逸脱することなく、第1の要素が第2の要素と称されてもよく、同様に、第2の要素が第1の要素と称されてもよい。本書で使用される際に、「複数の(multiple)」、「複数の(plural)」、及び「複数の(plurality)」という用語は、2つ以上の要素の提供を暗に示すことが意図される。「及び/又は」という用語は、関連する列挙された要素のうちの1つ以上の任意かつすべての組み合わせを含む。
【0024】
簡潔さ及び/又は明瞭さのために、周知の機能又は構造は詳細に記載されないかもしれない。そうでないと規定されない限り、本書で使用される(技術用語及び科学用語を含む)すべての用語は、この開示が属する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0025】
実施形態は、腎代替療法(RRT)において使用するための医療用流体を供給するためのシステムに関する。システムは、第1のデバイス及び第2のデバイスを備える。第1のデバイスは、第1のデバイスと第2のデバイスとの間に延在する流体経路を通じて第1の流体を第2のデバイスに提供するように構成される。第2のデバイスは、第1の流体に基づいて、RRTで使用するための医療用流体を提供するように構成される。第2のデバイスはまた、医療用流体の使用によってRRTを実行するように構成されてもよいし、構成されなくてもよい。言い換えれば、第2のデバイスは、RRT機械、例えば透析機械であってもよい。本書で説明される実施形態は、第2のデバイスが、第1のデバイスから流体経路上で流入する第1の流体を受け取るように構成されている容器を備え、第2のデバイスがRRTで使用するための医療用流体を提供する際に容器内の第1の流体を徐々に消費することを想定する。容器内の第1の流体が消費されるため、第2のデバイスは、流体経路上の第1の流体を受け取ることによって容器を補充する必要がある。本書に記載の実施形態はさらに、第2のデバイス内の容器が連続的に補充されず、例えば容器内の第1の流体の量が所定の最小値に達する場合にいつでも、第2のデバイスが入口弁を選択的に開くことによってのみ、容器内に第1の流体が断続的に導入されることを想定する。
【0026】
以下に記載される実施形態は、第2のデバイス内の容器が適切かつ適時に補充されることを依然として確実にしながら、第1のデバイスが第2のデバイスとは独立して動作されることを可能にする働きをする。
【0027】
いくつかの実施形態において、この技術的効果は、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の流体経路内の流体圧力を直接的又は間接的に測定するように構成されているセンサ構成を第1のデバイスに提供することによって、及びセンサ構成によって測定された流体圧力に基づいて動作するように第1のデバイスの制御ユニットを適切に構成することによって達成される。具体的に、制御ユニットは、第2のデバイスの動作中に断続的に、第1のデバイス内の流体ポンプ(「供給ポンプ」)を作動させて第1の流体を流体経路内に圧送し、第2のデバイスの入口値が閉じていることを流体経路内の流体圧力が示す場合に、流体ポンプを停止させるように構成される。よって、これらの実施形態において、第1のデバイスは、流体経路上の第1の流体を第2のデバイスの容器内に押し込むことを繰り返し試行することによって、試行錯誤(TAE)アプローチを適用する。これらの試行は、例えば所定の時間スケジュールに従って、流体経路内の流体圧力とは独立して行われる。このような試行で第2の装置の入口弁が閉じられるならば、第1の流体が非圧縮性液体であると仮定すると、流体経路内の流体圧力は急速に増加する。流体圧力の増加は、第1のデバイスによって検出され、それによって、試行を終了させる。このような試行において、第2のデバイス上の入口弁が開いているならば、第1のデバイスは、所定の設定に従って、又は第2のデバイスが入口弁を閉じるまで、第1の流体を第2のデバイスの容器内に圧送し続ける。TAEアプローチによって、第2のデバイス内の容器が第1のデバイスからの第1の流体で適時に補充されることを可能にしつつ、第1のデバイスは、第2のデバイスから独立して動作可能な状態にされる。同時に、断続的な起動によって、電力消費が制限される。さらに、少なくともいくつかのタイプの流体ポンプについて、連続的な作動と比較して断続的な作動によって摩耗が制限される。
【0028】
上述のように、流体移送試行は、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の流体経路内の流体圧力から独立してトリガされる。いくつかの実施形態において、第1のデバイスによる流体移送試行間の時間間隔は、第2のデバイス内の容器の補充間の予想時間差(「補充間隔」)及び/又は入口弁の開放から容器の完全な枯渇までの予想時間(「枯渇までの時間」)に関連して設定されてもよい。例えば、第2のデバイスは、設計上、医療用流体の最大(取りうる最大)供給速度を有してもよい。医療用流体の最大供給速度は容器内の第1の流体の最大消費速度に対応し、よって、最小(取りうる最小)の補充間隔に対応する。同様に、最大供給速度は、入口弁が開いている場合の容器内の第1の流体の残量を最大消費速度で割ったものによって与えられる、枯渇までの最小時間に対応する。流体移送試行間の時間間隔を設定するための基準の例は、
図2E~2Fを参照して以下に与えられる。
【0029】
TEAアプローチは、第1のデバイスが第2の流体経路上で第2のデバイスから流体(「第2の流体」)を受け取るように構成される場合に、同様の方法で適用されうる。前述の実施形態と同様に、第2のデバイスは、第2の流体を収集するための容器と、容器と第2の流体経路との間の流体連通を確立するために断続的に開かれる出口弁とを備えることが想定される。TEAアプローチを可能にするために、第1のデバイスは、第2の流体経路内の流体圧力を直接的又は間接的に測定するように構成されているセンサ構成を有し、第1のデバイスの制御ユニットは、この流体圧力に基づいて動作するように構成されている。具体的に、いくつかの実施形態において、制御ユニットは、第2のデバイスの動作中に断続的に、第1のデバイス内の流体ポンプ(「排出ポンプ」)を作動させて第2の流体を第2の流体経路内に引き出し、第2のデバイスの出口値が閉じていることを第2の流体経路内の流体圧力が示す場合に、流体ポンプを停止させるように構成される。よって、第1のデバイスは、第2のデバイスから第2の流体経路上に第2の流体を引き出すように繰り返し試行する。これらの試行は、例えば所定の時間スケジュールに従って、第2の流体経路内の流体圧力とは独立して行われる。いくつかの実施形態において、第2の流体は、上述の医療用流体がRRTで使用される場合に生成される消費済み医療用流体である。第1のデバイスは、流入する消費済み医療用流体をドレーンに向けるか、又は第1のデバイスに関連付けられた容器内に消費済み医療用流体を収集するように構成されてもよい。別の代替において、第1のデバイスは、消費済み医療用流体から医療用流体を生成(「再生」)するように構成されてもよい。
【0030】
実施形態は、血液透析、血液濾過、血液透析濾過、及び腹膜透析を含むがこれらに限定されない任意のタイプのRRTに適用可能である。
【0031】
いくつかの実施形態において、第2のデバイスは、血液透析、血液濾過又は血液透析濾過のための透析機械である。そのような透析装置は、一般に「急性透析」として知られている急性腎損傷(AKI)を有する患者の治療に専用であってもよい。血液透析によるAKIの治療は、典型的に、いわゆる連続腎代替療法(CRRT)によって連続的に行われる。急性透析のための透析機械は一般に、容器又は「流体バッグ」が取り外し可能に配置されるスケールを備える。透析装置の動作は、スケールの読み取り値によって与えられる流体バッグの重量に基づいて制御される。一般に、流体バッグのうちの少なくとも1つは、透析治療において使用される透析液を保持するように構成され、流体バッグのうちの少なくとも1つは、消費済み透析液を受け取るように構成される。当業者によく知られているように、透析治療は、一般に「限外濾過液」として知られている患者から過剰な流体を抽出することを含む。限外濾過液は、消費済み透析液に含まれる。患者から抽出される限外濾過液の量及び抽出速度は、透析中の重要な治療パラメータである。動作中、透析機械は、流体バッグの重量を表すスケールの読み取り値に基づいて、これらの治療パラメータを算出し監視する。
【0032】
従来、急性透析のための透析液は、透析装置の1つ以上のスケールに吊り下げられた、予め充填された流体バッグ内に供給される。したがって、急性透析は、世話者に負担をかけ、世話者は、空になっている流体バッグを新しい充填済み流体バッグに繰り返し交換する必要がある。代替は、現場で透析液を生成することでありうる。
【0033】
1つの提案では、透析装置は、別個の流体調製デバイスから透析液を受け取るように構成され、別個の流体調製デバイスは水道水又は精製水から透析液を調製するように構成されてもよい。それによって、急性透析のための既存の透析機械のスケール上の空の流体バッグが、流体調製デバイスから透析液を受け取るように接続されうる。この流体バッグは、透析装置の動作中に透析液を補充又は再充填される必要がありうる。しかし、流体バッグの再充填のプロセスは、透析機械の動作に影響を及ぼす可能性があり、したがって、限られた期間中にまれに実行されるべきである。第1及び第2のデバイスについての前述の議論を参照すると、第1のデバイスは流体調製デバイスであってもよく、第2のデバイスは透析機械であってもよいことが理解される。対応する実装例が
図1Bを参照して以下に説明される。
【0034】
別の提案では、透析機械は、例えば1つ以上の濃縮物又は物質を精製水と混合することによって、精製水から透析液を生成できる。精製水は、水道水を精製水に処理するように構成されてもよい別個の水精製デバイスから受け取られてもよい。急性透析のための透析機械の例では、精製水が透析機のスケール上の流体バッグ内に受け取られてもよく、混合はこの流体バッグ内及び/又はその下流で行われてもよい。前述の提案と同様に、流体バッグの再充填は、限られた期間の間にまれに実行することが望ましい場合がある。よって、第1のデバイスは水調製デバイスであってもよく、第2のデバイスは透析機械であってもよい。対応する実装例が
図1Aを参照して以下に説明される。
【0035】
図1Aは、流体連通のために接続された水調製デバイス(WPD)10(「第1のデバイス」)及びRRT機械30(「第2のデバイス」)を含む治療システム1を概略的に示す。制御ユニット11はWPD10の動作を制御するように構成され、制御ユニット31はRRT機械30の動作を制御するように構成される。WPD10は、水処理ユニット12と、WPD10を水道水の供給源40に接続するためのコネクタ13と、入口弁14と、供給ポンプ15と、第1の圧力センサ16と、排出ポンプ17と、第2の圧力センサ18とを備える。制御ユニット11は、入口弁14を開いて、水道水F0を供給源40から水処理ユニット12に導入するように動作可能であり、水処理ユニット12は、水道水を透析に適した精製水に処理するように構成される。水処理ユニット12は、従来の構造のものであってもよく、1つ以上の加熱、濾過、軟化、逆浸透(RO)、脱イオン(DI)、UV照射、蒸留などを行ってもよい。精製水は、それによって、化学的純度ならびに微生物学的純度及びエンドトキシン純度の両方の閾値に適合するように生成されうる。供給ポンプ15は、RRT機械30への第1の流体経路(「供給経路」)21上に精製水F1を圧送するように構成され、圧力センサ16は供給経路21内の流体圧力を測定するように構成される。図示の例では、WPD10はまた、第2の流体経路(「排出経路」)22上でRRT機械30から消費済み透析液F2を受け取るように構成される。流体経路21、22は、カセット内の可撓性チューブ及び/又はチャネルによって画定されてもよく、WPD10及びRRT機械30に恒久的に又は取り外し可能に接続されてもよい。排出ポンプ17は、消費済み透析液を排出経路22からドレーン19に、又は容器(図示せず)に圧送するように構成され、圧力センサ18は、排出経路22内の流体圧力を測定するように構成される。圧力センサ16、18は、WPD10内に圧力センサ構成を画定することが見て取れる。
【0036】
図1Aのシステム1の代替実装において、供給源40は、少なくとも部分的に精製された水を供給するように構成される。そのような代替において、水処理ユニット12は簡略化されてもよく、又は省略さえされてもよい。
【0037】
RRT機械30は、入口弁32と、出口弁33と、第1のスケール34と、第2のスケール35と、流体生成ユニット36と、治療ユニット37と、第1の流体バッグ38と、第2の流体バッグ39とを備える。第1の流体バッグ38はスケール34に配置され、第2の流体バッグ39は第2のスケール35に配置される。制御ユニット31は、入口弁32を開いて、供給経路21上のWPD10からの精製水F1を、中間貯蔵のために流体バッグ38に導入するように動作可能である。精製水F1は、流体バッグ38から流体生成ユニット36に移送され、流体生成ユニット36は、精製水F1から透析液F2′を生成するように構成されている。上述のように、流体生成ユニット36は、1つ以上の濃縮物又は物質(粉末又は液体)を精製水と混合して透析液を形成するように構成されてもよい。透析液F2′は、患者(図示せず)の血液の透析治療を行うように構成された治療ユニット37に供給される。治療ユニット37は、消費済み透析液F2を中間貯蔵のために流体バッグ39に移送するように構成される。いくつかの実施形態において、スケール34の読み取り値は、処理ユニット37に供給される透析液F2′の量を決定するために制御ユニット31によって使用され、スケール35の読み取り値は、限外濾過に関連する1つ以上の治療パラメータの算出のために、透析治療によって提供される消費済み透析液F2の量を決定するために制御ユニット31によって使用される。制御ユニット31は、消費済み透析液F2が排出経路22でWPD10内に引き出されることを可能にするために、出口弁33を開くように動作可能である。そのような透析治療は当業者に周知であり、本書では説明されない。当業者はまた、RRT機械30が、透析治療後に廃棄される使い捨て品によって部分的に形成されてもよいことを理解する。このような使い捨て品は、流体バッグ38、39と、流体生成ユニット36の少なくとも一部と、治療ユニット37の少なくとも一部とを含んでもよい。例えば、使い捨てラインセット及び使い捨て透析器がRRT機械30に設置されて、透析液回路及び体外血液回路を治療ユニット37内に画定することが従来の実務である。圧力センサ16、18は、使い捨て品に含まれもよく、使い捨て品が設置される場合にWPD10への信号伝達のために接続されてもよいことにも留意されうる。使い捨て品はまた、流体経路21、22を含んでもよい。いくつかの実施形態において、弁32、33はピンチ弁である。
【0038】
図1Bは、流体連通のために接続された流体調製デバイス(FPD)30A(「第1のデバイス」)及びRRT機械30B(「第2のデバイス」)を含む治療システム1の概略説明である。FPD30Aは、透析液F1を生成しRRT機械30に供給し、消費済み透析液F2をRRT機械30から受け取るように構成される。以下の説明は、
図1Aのシステムとの相違点に焦点を当てる。FPD30Aは主に、制御ユニット11と、コネクタ13と、入口弁14と、供給ポンプ15と、第1の圧力センサ16と、排出ポンプ17と、第2の圧力センサ18とを備える点で、WPD10と同様である。しかし、WPD10と比較して、FPD30Aは、コネクタ13によって精製水F0の供給源10に接続されており、透析液F1を生成するように構成された流体生成ユニット36を備える。流体生成ユニット36は、
図1AのRRT機械30内の流体生成ユニット36に対応してもよいが、異なる構造であってもよい。一般に、FPD30A内の流体生成ユニット36は、1つ以上の濃縮物又は物質を精製水F0と混合して透析液F1を形成するように構成されてもよい。
【0039】
RRT機械30Bは主に、制御ユニット31と、入口弁32と、出口弁33と、第1のスケール34と、第2のスケール35と、治療ユニット37と、第1の流体バッグ38と、第2の流体バッグ39とを備える点で、
図1AのRRT機械30と同様である。しかし、RRT機械30Bには、流体生成ユニット36と機能的に等価なものはない。制御ユニット31は、入口弁32を開いて、供給経路21上のFPD30Aからの透析液F1を、中間貯蔵のために流体バッグ38に導入するように動作可能である。透析液F1は流体バッグ38から治療ユニット37に移送され、これは
図1Aの治療ユニット37と同一であってもよい。治療ユニット37は、消費済み透析液F2を中間貯蔵のために流体バッグ39に移送するように構成される。いくつかの実施形態において、スケール34の読み取り値は、処理ユニット37に供給される透析液F1の量を決定するために制御ユニット31によって使用され、スケール35の読み取り値は、限外濾過に関連する1つ以上の治療パラメータの算出のために、透析治療によって提供される消費済み透析液F2の量を決定するために制御ユニット31によって使用される。制御ユニット31は、消費済み透析液F2が排出経路22でFPD30A内に引き出されることを可能にするために、出口弁33を開くように動作可能である。
【0040】
図1Cは、
図1A~
図1Bのそれぞれの制御ユニット11、31の概略ブロック図である。制御ユニット11、31は、コンピュータ命令を含む制御プログラムに従って、第1/第2のデバイスの動作を制御するための制御信号Ciを生成するように構成される。制御プログラムはまた、制御ユニット11、31によって受信された入力信号Siに基づいて動作するように構成されてもよい。WPD10において、制御ユニット11は、弁14、水処理ユニット12、及びポンプ15、17のための制御信号を提供し、圧力センサ16、18から入力信号を受信するように接続されてもよい。RRT機械30において、制御ユニット31は、弁32、33、流体生成ユニット36、及び治療ユニット37のための制御信号を提供し、スケール34、35から入力信号を受信するように接続されてもよい。FPD30Aにおいて、制御ユニット11は、弁14、流体生成ユニット36、及びポンプ15、17のための制御信号を提供し、圧力センサ16、18から入力信号を受信するように接続されてもよい。RRT機械30Bにおいて、制御ユニット31は、弁32、33及び治療ユニット37のための制御信号を提供し、スケール34、35から入力信号を受信するように接続されてもよい。上記は単純化された例にすぎず、それぞれの制御ユニット11、31は当業者によって容易に理解されるように、さらなる制御信号Ciを生成し、さらなる入力信号Siを受信するように構成されてもよい。
【0041】
それぞれの制御ユニット11、31は、プロセッサ51及びコンピュータメモリ52を備える。制御プログラムは、メモリ52に記憶され、プロセッサ51によって実行される。制御プログラムは、有形(非一時的)製品(例えば、磁気媒体、光ディスク、リードオンリメモリ、フラッシュメモリなど)であってもよいコンピュータ可読媒体上で、又は伝搬信号によって、制御ユニット11、31に供給されてもよい。図示の例において、制御ユニット11、31は、制御信号Ciを提供し入力信号Siを受信するための信号インタフェース53Aを備える。図示の例において、制御ユニット11、31はまた、オペレータが制御データを入力することを可能にする1つ以上の入力デバイス54に接続するための入力インタフェース53Bと、オペレータにフィードバックデータを提供するための1つ以上の出力デバイス55に接続するための出力インタフェース53Cとを備える。例えば、入力デバイス54はキーボード、キーパッド、コンピュータマウス、制御ボタン、タッチスクリーン、プリンタ、マイクロフォンなどを備えてもよく、出力デバイス55は表示デバイス、タッチスクリーン、インジケータランプ、アラームデバイス、スピーカなどを備えてもよい。
【0042】
図2Aは、
図1A及び
図1Bに示されるシステム1内の第1のデバイス10、30Aを制御するための方法200のフローチャートである。方法200は、制御ユニット11によって実行されてもよい。ステップ201において、供給ポンプ15は、第1のデバイス10、30Aによって提供される流体F1を供給経路21内に、かつ第2のデバイス30、30Bに向けて圧送するように断続的に作動される。ステップ202は、ステップ201の間に実行され、例えば圧力センサ16からの測定信号において、供給経路21内の流体圧力を測定することを含む。ステップ203において、供給ポンプ15は、第2のデバイス30、30Bの入口弁32が閉じていることを流体圧力が示す場合に、例えば、流体圧力が制限値を超えた場合に、停止される。それによって、第1のデバイス10、30Aは、流体F1を第2のデバイス30、30Bに提供するために、上述のTAEアプローチを実施する。
【0043】
供給ポンプ15がステップ201によって作動された場合に入口弁32が開いているならば、流体F1は容器38内に圧送されることが理解される。いくつかの実施形態において、供給ポンプ15は、測定された流体圧力が、入口弁32が閉じていることを示すまで、作動中のままである。また、所定の設定、例えば、供給ポンプ15の作動の持続時間の最大限度、又は作動中に圧送される流体の量に基づいて作動を制御することも考えられる。例えば、供給ポンプ15は、入口弁32がまだ開いていることを流体圧力が示す場合であっても、そのような最大限度を超えた場合に自動的に停止されてもよい。そのような自動停止は第1又は第2のデバイスにおける動作エラーを示してもよく、第1のデバイスは、例えば
図1Cの出力デバイス55上で、オペレータのための警告又は警報を生成してもよい。
【0044】
ポンプ15は、ポンプ15が作動される場合に入口弁32が閉じられるならば、供給経路21内又は第1及び第2のデバイスへのその接続部において漏れを潜在的に引き起こす過剰な流体圧力の蓄積を回避するために、ステップ203によって迅速に停止される必要がありうる。過剰な流体圧力のリスクを軽減し、より単純なポンプ15の使用を可能にするために、
図1A~
図1Bに例示されるように、供給経路21と流体連通してコンプライアンス構成23が配置されてもよい。コンプライアンス機構23は、供給経路21における圧力上昇の一部を吸収するように構成されている。コンプライアンス構成23は、供給ポンプ15と入口弁32との間の任意の場所に配置される、拡張可能なチューブ部分又はチャンバであってもよい。これに代えて又はこれに加えて、コンプライアンス構成23は、ポンプ15に含まれてもよい。例えば、ポンプ15は、ポンプ15の下流で圧力が上昇する場合に、(「バックスリップ」として知られる)圧送方向とは反対の流体を漏出するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、ポンプ15は、圧力の関数として、バックスリップの選択された特性を有する。非限定的な例は、選択された閉塞度を有するように構成された蠕動ポンプ、又はギアポンプを含む。これに代えて又はこれに加えて、供給経路21内の過剰な流体圧力の蓄積は、ソフトクローズ機能を有するように入口弁32を構成することによって軽減される。ソフトクローズ機能は、入口弁32をゆっくりと閉じるように動作及び/又は構成することによって実装されてもよい。この文脈において、「ゆっくり」とは、供給経路21内の流体圧力が供給経路15の設計に固有の限度値を下回ることを保証にするために、ポンプ15の停止移行時間に関連して入口弁32の応答時間が制御されることを暗に示す。応答時間は、入口弁32を全開状態から全閉状態に切り替えるのに要する時間であり、停止移行時間は、動作中のポンプ15を停止させるのに要する時間である。いくつかの実施形態において、入口弁32は、1~10秒の応答時間を有する。
【0045】
いくつかの実施形態において、圧力センサ16は、流体圧力が設定可能な限度圧力を超えたときを示すように構成されている圧力スイッチであるか、又は当該圧力スイッチを備える。ステップ203は、圧力スイッチによって生成された信号(
図1CのSi参照)から入口弁32の状態を推測してもよい。信号内のインジケーションの存在は、入口弁32が閉じていることを暗に示し、インジケーションの不存在は、入口弁32が開いていることを暗に示す。
【0046】
図2Bは、
図1Aのシステム1における第2のデバイス30を制御するための方法210のフローチャートである。方法210は、制御ユニット31によって実行されてもよい。ステップ211において、流体生成ユニット36は、容器38内の精製水F1から透析液F2′を生成し、透析液F2′を治療ユニット37に供給するように動作する。いくつかの実施形態において、ステップ211は、透析液のいわゆる「オンライン生成」のために構成されてもよく、これは、治療ユニット37による透析液の消費に一致する速度で透析液が生成されることを暗に示す。言い換えると、透析液は、治療ユニット37による使用のためにオンデマンドで生成される。ステップ212は、ステップ211の間に実行され、容器38内の充填レベルを測定することを伴う。
図1Aでは、充填レベルは、スケール34によって測定された重量から推測されてもよい。充填レベルが下限値を下回る場合に、ステップ213は入口弁32を開く。ステップ213は、容器38内の充填レベルが上限値に達するまで、入口弁32を開いたままにしてもよく、その後、入口値32が閉じられ、容器38に精製水F1が補充されている。第1のデバイス10が方法200を実行する一方で、第2のデバイス30が方法210を実行するため、容器38は、第1のデバイス10と第2のデバイス30との間の同期なしに補充される。
【0047】
図2Cは、
図1Bのシステム1における第2のデバイス30Bを制御するための方法210のフローチャートである。方法210は、制御ユニット31によって実行されてもよい。ステップ211′において、第2のデバイス30Bは、透析液F1を容器38から治療ユニット37に供給するように動作し、治療ユニット37は、透析治療を実行するように動作する。例えば、透析液31は、治療ユニット37内のポンプ(図示せず)によって容器38から引き出されてもよい。方法210′のステップ212~213は、方法210のステップ212~213と同一であってもよい。
【0048】
第1のデバイス10、30Aは、
図2Aの方法200の変形によって、第2のデバイス30、30Bから消費済み透析液を取得するように制御されてもよい。ステップ201に対応して、排出ポンプ17は、第2のデバイス30、30Bから排出経路22で流体F2を引き出すために断続的に作動される。ステップ202に対応して、流体圧力は、排出経路22において、例えば圧力センサ18からの測定信号において測定される。ステップ203に対応して、排出ポンプ17は、第2のデバイス30、30Bの出口弁33が閉じていることを流体圧力が示す場合に、例えば、流体圧力が制限値を下回った場合に、停止される。それによって、第1のデバイス10、30Aは、流体F2を第2のデバイス30、30Bから取得するために、上述のTAEアプローチを実施する。
【0049】
同様に、第2のデバイス30、30Bは、方法210の変形によって制御されてもよい。ステップ212に対応して、治療ユニット37によって透析治療が実行されている間に、容器39内の充填レベルが測定される(ステップ211参照)。充填レベルは、スケール35によって測定された重量から推測されてもよい。ステップ213に対応して、充填レベルが上限値を超えた場合に、出口弁33が開かれ、容器39と排出経路22との間の流体連通が確立される。
【0050】
図2Dは、
図1A~1Bの第1及び第2のデバイスを使用することによって透析治療をセットアップする方法220のフローチャートである。ステップ221において、第1及び第2のデバイスは、供給経路21の設置によって接続される。ステップ222において、第1及び第2のデバイスは、排出経路22の設置によって接続される。例えば、経路21、22は、第1及び第2のデバイスに設置される使い捨て品に画定されてもよい。ステップ223において、第1及び第2のデバイスが開始され、これに応じて、第1のデバイスが方法200に従って動作し、第2のデバイスが方法210又は210′に従って動作する。さらに、第1のデバイスは、第2のデバイスから消費済み透析液を除去するために、方法200の上述の変形に従って動作してもよく、第2のデバイスは、排出経路22を選択的に開くために、方法210の上述の変形に従って動作してもよい。
【0051】
図2E~2Fは、第1のデバイス内の供給ポンプ15の作動及び第2のデバイス内の入口弁32の開放のタイミングの2つの例を示す。
【0052】
図2Eにおいて、供給ポンプ15が規則的な時間間隔Δ1で作動される(
図2Aのステップ201参照)。各起動(「補充試行」)は、231として表される。一方、入口弁32は、容器38内の流体F1の量が下限値を下回った時点で開かれ(
図2B~2Cのステップ213を参照)、この時点は経時的に変化しうる。
図2Eにおいて、入口弁32が開いている期間が破線232で表される。以下では、これらの期間を「開放期間」と表記する。
図2Eに見られるように、作動231が開放期間232の間に生じる場合に、作動231は、入口弁32が閉じるまで継続する。上述のように、第2のデバイスは、第2のデバイスの制約によって与えられる最小補充間隔に関連付けられてもよい。
図2Eにおいて、最小補充間隔はΔ2
minとして示され、2つの連続する開放期間232間の実際の時間差はΔ2として示される。第2のデバイスの継続的な動作を保証するために、Δ1は、容器38の枯渇までの上述の期間よりも小さく設定されてもよい。さらに、Δ1は、Δ2
minよりも小さく設定されてもよい。例えば、Δ1は、
図2Eに例示されるように、Δ2
min内に複数の起動231が存在するように設定されてもよい。
【0053】
図2Fにおいて、第1のデバイスは、作動が容器38の補充をもたらした期間Δ1′の間、次回の作動231を延期する。Δ1′の後、第1のデバイスは、規則的な時間間隔Δ1での供給ポンプの作動231を再開してもよい。期間Δ1′は、Δ1′中に開放期間232が生じないことを保証にするために、Δ2
minに関連して設定されてもよい。一例において、Δ1′は、Δ2
min-Δ1を超えないように設定される。
【0054】
図2Fのタイミング図の変形において、起動231間の時間間隔Δ1は、任意の適切な関数に従って変更されてもよい。一例において、第1のデバイスは、作動231が容器38の補充をもたらすまで、時間とともにΔ1を低下させてもよい。
【0055】
さらなる変形例において、第1のデバイス10、30Aの制御ユニット11は、先行する開放期間232のタイミングに基づいて、起動231間の時間間隔Δ1を調整する機能を備える。これにより、制御ユニット11は、例えば機械学習ベースの機能を用いて、第2のデバイス30,30Bの動作を学習するように構成されている。機械学習ベースの機能は、治療セッションごとに再開されてもよく、又は同じ又は異なる患者のための複数の治療セッションにわたって連続的に実行されてもよい。
【0056】
前述のすべての例において、供給ポンプ15の起動は、(規則的な時間間隔及び/又は所定の関数に従う可変の時間間隔を含む)所定のものであってもよく、又は機械学習によって動的に決定されてもよい時間スケジュールに従って実行される。
【0057】
図2E~2Fのタイミング図及び関連する説明、ならびに機械学習の変形例は、排出ポンプ17の作動及び出口弁33の開放に等しく適用可能である。
【0058】
図3Aは、第2のデバイスに流体を供給するように第1のデバイスを制御するためのさらなる例示的な方法300のフローチャートである。明確にするために、方法300は、
図1A~1Bのシステム1を参照して説明される。ステップ301において、供給ポンプ15が作動される。ステップ302において、供給経路21内の流体圧力が測定又は監視される。ステップ303が、流体圧力から、入口値32が閉じていることを暗に示すならば、方法300はステップ304に進み、供給ポンプ15を停止する。その後、ステップ305は、ステップ301に進む前に、方法300を待機期間、停止させ、ここで、供給ポンプ15が再び作動される。ステップ303が、流体圧力から、入口弁32が開いていることを暗に示すならば、方法300はステップ307に進んでもよく、それは、上述の最大限度(時間又は量)を超えているかどうかを評価してもよい。最大限度を超えていないならば、ステップ307はステップ302に進み、供給ポンプ15は作動されたままである。一方、最大限度を超えたならば、ステップ307はステップ304に進み、これは供給ポンプ15を停止し、オプションで方法300を中断し、オペレータに対する警告を生成する。変形例において、ステップ307は省略される。破線で示されるように、方法300は、任意の適切な関数に従って供給ポンプ15の速度を経時的に増加させるステップ306を含んでもよい。ステップ306によって、入口弁32が閉じられたことをステップ303が検出し、ステップ304による停止後に供給ポンプ15が停止される前に、供給経路内に過剰な圧力が蓄積するリスクを低減するために、低圧送速度で供給ポンプ15を開始させることが可能である。ステップ305に戻ると、待機期間は例えば、
図2Eの規則的な時間間隔Δ1を実施するために、一定の期間であってもよい。変形例において、ステップ305は、異なる条件に対して異なる待機期間を適用してもよい。例えば、容器38が補充されたとみなされるならば、待機時間はΔ1′に設定されてもよく、そうでなければΔ1に設定されてもよい。
【0059】
図3Bは、第2のデバイスから流体を抽出するように第1のデバイスを制御するための対応する方法310のフローチャートである。明確にするために、方法310は、
図1A~1Bのシステム1を参照して説明される。ステップ311において、排出ポンプ17が作動される。ステップ312において、排出経路22内の流体圧力が測定又は監視される。ステップ313が、流体圧力から、出口値33が閉じていることを暗に示すならば、方法310はステップ314に進み、排出ポンプ17を停止する。その後、ステップ315は、ステップ311に進む前に、方法310を待機期間、停止させ、ここで、排出ポンプ17が再び作動される。
図3Aのステップ305と同様に、ステップ315は、一定の待機期間を使用してもよいし、異なる条件に対して異なる待機期間を適用してもよい。ステップ313が、流体圧力から、出口弁33が開いていることを暗に示すならば、方法310はステップ317に進んでもよく、それは、最大限度(時間又は量)を超えているかどうかを評価してもよい。最大限度を超えていないならば、ステップ317はステップ312に進み、排出ポンプ17は作動されたままである。一方、最大限度を超えたならば、ステップ317はステップ314に進み、これは排出ポンプ17を停止し、オプションで方法310を中断し、オペレータに対する警告を生成する。変形例において、ステップ317は省略される。破線で示されるように、方法310は、方法300のステップ306に対応して排出ポンプ17の速度を増加させるステップ316を含んでもよい。
【0060】
図1A~1Bのシステムは、例としてのみ与えられる。実施形態は、総括的に、RRTにおいて使用するための医療用流体を供給するための任意のシステムに適用可能であり、任意のタイプの第1の流体が、第1の流体に基づいて医療用流体を供給するように構成されている第2のデバイスに第1のデバイスから圧送される。第2のデバイスは
図1A~1Bのシステムにおけるように、RRTを実行するように構成されてもよい。これにかえて、第2のデバイスは、RRTを実行する別個のデバイスに医療用流体を供給するように構成されてもよい。医療用流体は、RRT中に消費される任意の流体であってもよい。例えば、透析液の代わりに、医療用流体は、血液濾過又は血液透析濾過のような対流治療で使用される代替液であってもよい。第1のデバイスは、RRT中のその使用に適した品質で医療用流体を供給するように構成されることが理解される。
【0061】
さらに、それぞれの容器38、39の充填レベルはスケール以外の他の手段によって、例えばレベルセンサによって決定されてもよく、他の手段は、空気圧センサ、導電性センサ、プローブベースのセンサ、フロートベースのセンサ、光学センサ、又は超音波センサを含むがこれらに限定されない連続レベル検知又は点レベル検知のために構成されてもよい。
【0062】
流体経路21、22内の圧力を直接的又は間接的に感知するために、任意のタイプのセンサ構成が設置されてもよいことに留意されたい。よって、本書に開示されるそれぞれの圧力センサは、流体圧力を示すパラメータを測定するように構成される別のセンサによって置き換えられてもよい。一例において、流体経路21、22内の流体圧力は、それぞれのポンプ15、17の電力消費パラメータによって間接的に与えられる。例えば、電力消費パラメータは、ポンプ15、17の駆動電流及び/又は駆動電圧を表してもよい。別の例において、少なくともいくつかのタイプのポンプについて、流体圧力はポンプ15、17の速度によって間接的に与えられてもよい。
【0063】
第1のデバイスによる第2のデバイスからの消費済み医療用流体の抽出は省略されてもよいことにも留意されたい。例えば、消費済みの医療用流体は、第2のデバイスによって、直接、ドレーン又は貯蔵容器に圧送されてもよい。
【0064】
本開示の主題は現在最も実用的かつ好ましい実施形態であると考えられるものに関連して説明されてきたが、本開示の主題は開示された実施形態に限定されるものではなく、逆に、添付の特許請求の範囲の趣旨及び均等物内に含まれる種々の変形及び均等な構成を包含することが意図されることを理解されたい。
【0065】
以下では、前述で開示された本発明のいくつかの態様及び実施形態を要約するために、節の集合が列挙される。
【0066】
C1.腎代替療法のための医療用流体(F2′;F1)を供給するためのシステムであって、前記システムは、第1の流体(F1)を提供するように構成されている第1のデバイス(10;30A)であって、前記第1のデバイス(10)は、流体ポンプ(15)と、第1の制御ユニット(11)とを備える、第1のデバイスと、前記第1の流体(F1)の使用によって前記医療用流体(F2′;F1)を供給するように構成されている第2のデバイス(30;30B)であって、前記第2のデバイス(30;30B)は、容器(38)と、制御弁(32)と、第2の制御ユニット(31)とを備える、第2のデバイスと、を備え、前記第1及び第2のデバイスは、前記制御弁(32)を通じて前記第1のデバイス(10)内の前記流体ポンプ(15)と前記第2のデバイス(30;30B)内の前記容器(38)との間に流体経路(21)を確立するように接続され、前記第2の制御ユニット(31)は、前記流体経路(21)を開くように前記制御弁(32)を選択的に動作させるように構成され、前記第1の制御ユニット(11)は、前記流体経路(21)内の流体圧力を示すパラメータを測定するように構成されているセンサ構成(16,18)に接続され、前記第1の制御ユニット(11)は、前記第2のデバイス(30;30B)の動作中に断続的に、前記パラメータから独立して、前記第1の流体(F1)を前記流体経路(21)内に圧送するために前記流体ポンプ(15)を作動させ、前記制御弁(32)が閉じていることを前記パラメータが示す場合に、前記流体ポンプ(15)を停止させるように構成される、システム。
C2.C1に記載のシステムであって、前記第1の制御ユニット(11)は、時間スケジュールに従って前記流体ポンプ(15)を作動させるように構成される、システム。
C3.C1又はC2に記載のシステムであって、前記第1の制御ユニット(11)は、規則的な時間間隔(Δ1)で前記流体ポンプ(15)を作動させるように構成される、システム。
C4.C1乃至C3の何れか1項に記載のシステムであって、前記第1の制御ユニット(11)は、前記第2の制御ユニット(31)によって前記流体経路(21)が開かれている場合に、前記容器(38)の枯渇の予測時間よりも短い時間間隔だけ、前記流体ポンプ(15)の連続する作動を分離するように構成される、システム。
C5.C1乃至C4の何れか1項に記載のシステムであって、前記第1の制御ユニット(11)は、前記第1のデバイス(10;30A)による前記容器(38)内への前記第1の流体(F1)の移送後に、待機期間(Δ1′)の間、前記流体ポンプの作動を延期するように構成され、前記待機期間(Δ1′)は、前記第2の制御ユニット(31)による前記流体経路(21)の連続する開放間の予想時間間隔(Δ2min)に関連して設定される、システム。
C6.C1乃至C5の何れか1項に記載のシステムであって、前記第2の制御ユニット(31)は、前記容器(38)内の充填レベルを決定し、前記充填レベルが限度値未満である場合に前記制御弁(32)を開くように構成される、システム。
C7.C6に記載のシステムであって、前記第2のデバイス(31)は、前記容器(38)の重量を測定するように構成されたスケール(34)をさらに備え、前記第2の制御ユニット(31)は、前記スケール(34)に接続されており、前記スケール(34)によって測定された前記重量に基づいて前記充填レベルを決定するように構成される、システム。
C8.C1乃至C7の何れか1項に記載のシステムであって、前記第1の制御ユニット(11)は、前記流体ポンプ(15)を作動させた後であって、前記制御弁(32)が開いていることを前記パラメータが示す場合に、所定の設定に従って、及び/又は前記制御弁(32)が閉じていることを前記パラメータが示すまで、前記流体ポンプ(15)を動作させるように構成される、システム。
C9.C1乃至C8の何れか1項に記載のシステムであって、前記第1の制御ユニット(11)は、第1の速度で動作するように前記流体ポンプ(15)を作動させ、前記制御弁(32)が開いていることをパラメータが示す場合に、前記第1の速度よりも速い第2の速度で前記流体ポンプ(15)を動作させるように構成される、システム。
C10.C1乃至C9の何れか1項に記載のシステムであって、前記流体経路(21)は、前記制御弁(32)が閉じられている場合に前記流体ポンプ(15)の作動から生じる前記流体圧力の増加の一部を吸収するように構成されているコンプライアンス構成(23)を備える、システム。
C11.C1乃至C10の何れか1項に記載のシステムであって、前記制御弁(32)の応答時間は、前記流体圧力を限度値未満に維持するように、前記流体ポンプ(15)の停止移行時間に関連して制御される、システム。
C12.C1乃至C11の何れか1項に記載のシステムであって、前記センサ構成(16,18)は、前記流体圧力が限度圧力を超えた場合に信号送信するように構成されている圧力スイッチを備える、システム。
C13.C1乃至C12の何れか1項に記載のシステムであって、前記第1の流体(F1)は、精製水である、システム。
C14.C1乃至C12の何れか1項に記載のシステムであって、前記第1の流体(F1)は、前記医療用流体である、システム。
C15.C1乃至C14の何れか1項に記載のシステムであって、前記医療用流体(F2′;F1)は、透析液である、システム。
C16.C1乃至C15の何れか1項に記載のシステムであって、前記第2のデバイス(30;30B)は、透析機械である、システム。
C17.C16に記載のシステムであって、前記第2のデバイス(30;30B)は、急性腎損傷(AKI)の治療のための透析機械である、システム。
C18.C1乃至C17の何れか1項に記載のシステムであって、前記第2のデバイス(30;30B)は、消費済み医療用流体(F2)を保持するように構成されている第2の容器(39)と、第2の制御弁(33)とを備え、前記第1のデバイス(11)は、第2の流体ポンプ(17)を備え、前記第1及び第2のデバイス(10,30;30A,30B)は、前記第2の制御弁(33)を通じて前記第1のデバイス(10)内の前記第2の流体ポンプ(17)と前記第2のデバイス(30;30B)内の前記第2の容器(39)との間に第2の流体経路(22)を確立するように接続され、前記第2の制御ユニット(31)は、前記第2の流体経路(22)を開くように前記第2の制御弁(33)を選択的に動作させるように構成され、前記センサ構成(16,18)は、前記第2の流体経路(22)内の流体圧力を示すさらなるパラメータを測定するようにさらに構成され、前記第1の制御ユニット(11)は、前記第2のデバイス(30;30B)の動作中に断続的に、前記さらなるパラメータから独立して、前記消費済み医療用流体(F2)を前記第2の流体経路(22)から引き出すように前記第2の流体ポンプ(17)を作動させ、前記第2の制御弁(33)が閉じていることを前記さらなるパラメータが示す場合に、前記第2の流体ポンプ(17)を停止させるように構成される、システム。
C19.腎代替療法からの消費済み医療用流体(F2)を扱うためのシステムであって、前記システムは、流体ポンプ(17)と、第1の制御ユニット(11)とを備える第1のデバイス(10;30A)と、消費済み医療用流体(F2)を収集するように構成された容器(39)と、制御弁(32)と、第2の制御ユニット(31)とを備える、第2のデバイス(30;30B)と、を備え、前記第1及び第2のデバイス(10,30;30A,30B)は、前記制御弁(33)を通じて前記第1のデバイス(10;30A)内の前記流体ポンプ(17)と前記第2のデバイス(30;30B)内の前記容器(39)との間に流体経路(22)を確立するように接続され、前記第2の制御ユニット(31)は、前記流体経路(22)を開くように前記制御弁(33)を選択的に動作させるように構成され、前記第1の制御ユニット(11)は、前記流体経路(22)内の流体圧力を示すパラメータを測定するように構成されているセンサ構成(16,18)に接続され、前記第1の制御ユニット(11)は、断続的に、前記パラメータから独立して、前記消費済み医療用流体(F2)を前記流体経路(22)から引き出すために前記流体ポンプ(17)を作動させ、前記制御弁(33)が閉じていることを前記パラメータが示す場合に、前記流体ポンプ(17)を停止させるように構成される、システム。
C20.第1の流体(F1)の使用によって腎代替療法のための医療用流体(F2′;F1)を供給する第2のデバイス(30;30B)と流体連通する第1のデバイス(10;30A)によって実行される方法であって、前記方法は、前記第2のデバイスが前記医療用流体を供給するように動作中に断続的に、前記第2のデバイス内の制御弁を介して前記第1のデバイス内の流体ポンプと前記第2のデバイス内の容器との間に延在する流体経路で前記第1の流体を圧送するように前記第1のデバイス内の前記流体ポンプを作動させること(201)と、センサ構成から前記流体経路内の流体圧力を示すパラメータの測定値を取得すること(202)と、前記制御弁が閉じていることを前記パラメータが示す場合に前記流体ポンプを停止すること(203)と、を有する、方法。
C21.腎代替療法からの消費済み医療用流体(F2)を提供する第2のデバイス(30;30B)と流体連通する第1のデバイス(10;30A)によって実行される方法であって、前記方法は、前記第2のデバイスが前記第2のデバイス内の容器に前記消費済み医療用流体を収集するように動作中に断続的に、前記第2のデバイス内の制御弁を介して前記第1のデバイス内の流体ポンプと前記第2のデバイス内の前記容器との間に延在する流体経路に前記消費済み医療用流体を引き出すように前記第1のデバイス内の前記流体ポンプを作動させること(211)と、センサ構成から前記流体経路内の流体圧力を示すパラメータの測定値を取得すること(212)と、前記制御弁が閉じていることを前記パラメータが示す場合に前記流体ポンプを停止すること(213)と、を有する、方法。
C22.プロセッサ(51)によって実行された場合に、前記プロセッサ(51)にC20又はC21に記載の方法を実行させるプログラム命令を含むコンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】