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特表2024-531957in situエピトランスクリプトームプロファイル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-03
(54)【発明の名称】in situエピトランスクリプトームプロファイル
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/68 20180101AFI20240827BHJP
   C12Q 1/6844 20180101ALI20240827BHJP
   C12Q 1/6869 20180101ALI20240827BHJP
   C12Q 1/6876 20180101ALI20240827BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20240827BHJP
   G01N 33/50 20060101ALI20240827BHJP
   G01N 33/15 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
C12Q1/68
C12Q1/6844 Z
C12Q1/6869 Z
C12Q1/6876 Z
G01N33/53 M
G01N33/50 Z
G01N33/15 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508669
(86)(22)【出願日】2022-08-10
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 US2022039895
(87)【国際公開番号】W WO2023018756
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】63/231,585
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515025398
【氏名又は名称】ザ ブロード インスティテュート,インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】THE BROAD INSTITUTE,INC.
【住所又は居所原語表記】415 Main Street,Room 7003,Cambridge,Massachusetts 02142 United States of America
(71)【出願人】
【識別番号】596060697
【氏名又は名称】マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン,シャオ
(72)【発明者】
【氏名】ゼン,フー
(72)【発明者】
【氏名】レン,ジンイー
(72)【発明者】
【氏名】ティアン,ジアクン
(72)【発明者】
【氏名】グォ,ジァンティン
【テーマコード(参考)】
2G045
4B063
【Fターム(参考)】
2G045AA24
2G045AA25
2G045AA40
2G045DA12
2G045DA13
2G045DA14
2G045FB01
2G045FB02
4B063QA01
4B063QA13
4B063QA17
4B063QQ08
4B063QQ28
4B063QQ52
4B063QQ79
4B063QR08
4B063QR35
4B063QR55
4B063QR62
4B063QS24
4B063QS33
4B063QS34
4B063QX01
(57)【要約】
本開示は、細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾をプロファイルするための方法、組成物、およびシステムを提供する。本開示はまた、細胞における関心のある1以上のRNAとRNA結合タンパク質(例として、関心のあるRNAのエピトランスクリプトーム修飾を導入するタンパク質)との間の相互作用をプロファイルするための方法を提供される。本開示により、無傷の組織の内部の細胞を包含する細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾のプロファイル、またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用のプロファイルに基づいて、対象の疾患または障害を診断するための方法がまた提供される。1以上のRNAのエピトランスクリプトーム修飾または1以上のRNAとRNA結合タンパク質との間の相互作用をモジュレートすることができる候補作用物質をスクリーニングまたは試験する方法も、本開示によって提供される。本開示はまた、疾患または障害の処置を必要とする、対象における疾患または障害を処置する方法を提供する。本明細書において記載の方法を行うために有用であり得る、オリゴヌクレオチド部分を含むプローブのペアおよびプローブのセットはまた、本開示によって記載されている。追加的に、本開示は、本明細書において記載のプローブのいずれかを含むキットを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾をプロファイルするための方法であって、以下のこと:
a)細胞を、1以上のプローブのセットと接触させること、ここで、各プローブのセットが、第1のプローブ、第2のプローブ、および第3のプローブを含む、ここで:
i)第1のプローブが、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブが、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む;かつ
iii)第3のプローブが、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生すること;
c)ローリングサークル増幅を行い、第3のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生すること;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むこと;ならびに
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定して、細胞における関心のある各エピトランスクリプトーム修飾RNAのアイデンティティおよび位置を決定すること
を含む、前記方法。
【請求項2】
エピトランスクリプトームRNA修飾が、N6-メチルアデノシン(m6A)、N1-メチルアデノシン(m1A)、プソイドウリジン、N6,2'-O-ジメチルアデノシン(m6Am)、7-メチルグアノシン(m7G)、N4-アセチルシチジン(ac4C)、2'-O-メチル化(Nm)、または5-メチルシトシン(m5C)である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
エピトランスクリプトームRNA修飾が、N6-メチルアデノシン(m6A)である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分が、抗体、または抗体バリアントに結合する作用物質を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分がタンパク質を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
タンパク質がPAPGを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
細胞を、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する抗体と接触させることをさらに含み、ここでエピトランスクリプトームRNA修飾を認識する抗体が、PAPGによって認識されかつ結合される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分が、抗体、または抗体バリアントを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
抗体が、二次抗体である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
細胞を、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識し、かつ第2のプローブの二次抗体によって認識される一次抗体と接触させることをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
細胞が、1以上のプローブのペアと接触させられる前に、一次抗体と接触させられる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
一次抗体が、抗m6A抗体、抗m1A抗体、抗プソイドウリジン抗体、抗m6Am抗体、抗m7G抗体、抗ac4C抗体、抗Nm抗体または抗m5C抗体である、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分が、エピトランスクリプトームRNA修飾に直接結合する作用物質を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
エピトランスクリプトームRNA修飾に直接結合する作用物質が、タンパク質を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
タンパク質が、m6A特異的YTHドメインタンパク質である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
エピトランスクリプトームRNA修飾に直接結合する作用物質が、抗体または抗体バリアントを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
第2のプローブが、重合ブロッカーをさらに含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
重合ブロッカーが、第2のプローブの3'端に位置する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
重合ブロッカーが、反転核酸残基を含む、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
反転核酸残基が、反転チミン残基である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、約1~10、約2~9、約3~8、約4~7、または約5~6ヌクレオチド長である、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコードが、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または約10ヌクレオチド長である、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
第1および第3のオリゴヌクレオチドプローブが、関心のあるRNAの異なる部分に相補的である、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
第1のプローブが、構造:
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[オリゴヌクレオチドバーコード配列]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第3のプローブに相補的な部分]-[第2のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、
ここで、]-[の各実例が、任意のリンカーを表す、
請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
第2のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分が、4~20、5~19、6~18、7~17、8~16、9~15、10~14、または11~13ヌクレオチド長である、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
第2のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分が、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20ヌクレオチド長である、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
第2のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分が、第1のプローブの5'端と3'端との間で分割されている、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
第3のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分が、5~15、6~14、7~13、8~12、または9~11ヌクレオチド長である、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
第3のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分が、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15ヌクレオチド長である、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
関心のあるRNAに相補的な第1のプローブの部分が、10~30、11~29、12~28、13~27、14~26、15~25、16~24、17~23、18~22、または19~21ヌクレオチド長である、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
関心のあるRNAに相補的な第1のプローブの部分が、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30ヌクレオチド長である、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
第2のプローブが、構造:
5'-[エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分]-[第1のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、ここで、]-[が任意のリンカーを表す、
請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
第1のプローブの部分に相補的な第2のプローブの部分が、4~20、5~19、6~18、7~17、8~16、9~15、10~14、または11~13ヌクレオチド長である、請求項1~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
第1のプローブの部分に相補的な第2のプローブの部分が、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20ヌクレオチド長である、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
第3のプローブが、構造:
5'-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第1のプローブに相補的な部分]-3'、
を含み、
ここで、]-[が任意のリンカーを表す、
請求項1~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
関心のあるRNAに相補的な第3のプローブの部分が、10~30、11~29、12~28、13~27、14~26、15~25、16~24、17~23、18~22、または19~21ヌクレオチド長である、請求項1~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
関心のあるRNAに相補的な第3のプローブの部分が、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30ヌクレオチド長である、請求項1~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
第1のプローブの部分に相補的な第3のプローブの部分が、5~15、6~14、7~13、8~12、または9~11ヌクレオチド長である、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
第1のプローブの部分に相補的な第3のプローブの部分が、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15ヌクレオチド長である、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾をプロファイルするための方法であって、以下のこと:
a)細胞を、1以上のプローブのペアと接触させること、ここで、各プローブのペアが、第1のプローブおよび第2のプローブを含む、ここで:
i)第1のプローブが、第2のプローブに相補的なオリゴヌクレオチド部分、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、およびオリゴヌクレオチドバーコード配列を含み;かつ
ii)第2のプローブが、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生すること;
c)ローリングサークル増幅を行い、第2のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生すること;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むこと;ならびに
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定して、細胞における関心のある各エピトランスクリプトーム修飾RNAのアイデンティティおよび位置を決定すること
を含む、前記方法。
【請求項41】
エピトランスクリプトームRNA修飾が、N6-メチルアデノシン(m6A)、N1-メチルアデノシン(m1A)、プソイドウリジン、N6,2'-O-ジメチルアデノシン(m6Am)、7-メチルグアノシン(m7G)、N4-アセチルシチジン(ac4C)、2'-O-メチル化(Nm)、または5-メチルシトシン(m5C)である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
エピトランスクリプトームRNA修飾が、N6-メチルアデノシン(m6A)である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分が、抗体、または抗体バリアントに結合する作用物質を含む、請求項40~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分が、タンパク質を含む、請求項40~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
タンパク質が、PAPGを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
細胞を、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する抗体と接触させることをさらに含み、ここでエピトランスクリプトームRNA修飾を認識する抗体が、PAPGによって認識されかつ結合される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分が、抗体、または抗体バリアントを含む、請求項40~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
抗体が二次抗体である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
細胞を、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識し、かつ第2のプローブの二次抗体によって認識される一次抗体と接触させることをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
細胞が、1以上のプローブのペアと接触させられる前に、一次抗体と接触させられる、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
一次抗体が、抗m6A抗体、抗m1A抗体、抗プソイドウリジン抗体、抗m6Am抗体、抗m7G抗体、抗ac4C抗体、抗Nm抗体または抗m5C抗体である、請求項49または50に記載の方法。
【請求項52】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分が、エピトランスクリプトームRNA修飾に直接結合する作用物質を含む、請求項40~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
エピトランスクリプトームRNA修飾に直接結合する作用物質が、タンパク質を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
タンパク質が、m6A特異的YTHドメインタンパク質である、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
エピトランスクリプトームRNA修飾に結合する作用物質が、抗体または抗体バリアントを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
第2のプローブに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約3~20、約4~19、約5~18、約6~17、約7~16、約8~15、約9~14、約10~13、または約11~12ヌクレオチド長である、請求項40~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
第2のプローブに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20ヌクレオチド長である、請求項40~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
第2のプローブに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、第1のプローブの5'端と3'端との間で分割されている、請求項40~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
関心のあるRNAに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約10~30、約11~29、約12~28、約13~27、約14~26、約15~25、約16~24、約17~23、約18~22または約19~21ヌクレオチド長である、請求項40~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
関心のあるRNAに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、または30を超えるヌクレオチド長である、請求項40~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、約1~10、約2~9、約3~8、約4~7、または約5~6ヌクレオチド長である、請求項40~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または約10ヌクレオチド長である、請求項40~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
第1のプローブおよび第2のプローブの各部分が、任意のリンカーによって接続されている、請求項40~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
任意のリンカーの各実例が、独立して、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10ヌクレオチド長である、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
第1のプローブが、構造:
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[バーコード配列]-[第2のプローブに相補的な部分]-3';
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[バーコード配列]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第2のプローブに相補的な部分]-3';
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[バーコード配列]-3';
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[バーコード配列]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-3';
5'-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[バーコード配列]-[第2のプローブに相補的な部分]-3';または
5'-[バーコード配列]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第2のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、
ここで、]-[の各実例が、任意のリンカーを含む、
請求項40~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
第2のプローブが、構造:
5'-[エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分]-[第1のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、
ここで、]-[の各実例が、任意のリンカーを含む、
請求項40~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
第1のプローブおよび第2のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、DNAを含む、請求項40~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
関心のあるRNAが、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、またはリボソームRNA(rRNA)である、請求項1~67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
エピトランスクリプトームRNA修飾が、多数の細胞において同時にプロファイルされる、請求項1~68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
エピトランスクリプトームRNA修飾が、10を超える細胞、20を超える細胞、50を超える細胞、100を超える細胞、200を超える細胞、300を超える細胞、400を超える細胞、500を超える細胞、または1000を超える細胞において同時にプロファイルされる、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
細胞が、複数の細胞型を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
細胞型が、幹細胞、前駆細胞、神経細胞、アストロサイト、樹状細胞、内皮細胞、ミクログリア、オリゴデンドロサイト、筋細胞、心筋細胞、間葉系細胞、上皮細胞、免疫細胞、肝細胞、平滑筋細胞および骨格筋細胞、造血細胞、リンパ球、単球、好中球、マクロファージ、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、脂肪細胞、およびニューロンからなる群から選択される、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
細胞が、無傷の組織内に存在する、請求項1~72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
無傷の組織が、固定化された組織サンプルである、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
組織が、上皮組織、結合組織、筋組織、または神経組織である、請求項73または74に記載の方法。
【請求項76】
1を超える、2を超える、3を超える、4を超える、5を超える、10を超える、20を超える、30を超える、40を超える、50を超える、100を超える、200を超える、500を超える、1000を超える、2000を超える、または3000を超えるRNAのエピトランスクリプトーム修飾が同時にプロファイルされる、請求項1~75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
多数の異なるエピトランスクリプトーム修飾が、細胞において同時にプロファイルされる、請求項1~76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、関心のあるRNAを同定するために使用される遺伝子特異的配列である、請求項1~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
配列決定するステップが、動的アニーリングおよびライゲーションによるエラー低減による配列決定(SEDAL)を行うことを含む、請求項1~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
配列決定するステップが、2回、3回、4回、5回または5回超繰り返される、請求項1~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
ポリマーマトリックスが、ヒドロゲルである、請求項1~80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
ヒドロゲルが、ポリビニルアルコールヒドロゲル、ポリエチレングリコールヒドロゲル、ポリアクリラートヒドロゲル、またはポリアクリルアミドヒドロゲルである、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
ローリングサークル増幅を行うステップが、アミン修飾ヌクレオチドを提供することをさらに含み、ここでアミン修飾ヌクレオチドが、1以上のコンカテネートされたアンプリコンに組み込まれる、請求項1~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むステップが、1以上のアンプリコンのアミン修飾ヌクレオチドをアクリル酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステルと反応させること、ならびに1以上のコンカテネートされたアンプリコンおよびポリマーマトリックスを共重合させることを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
細胞内の追加の分子をプロファイルすることをさらに含む、請求項1~84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
さらなる分子が、未修飾RNA、DNA、タンパク質、炭水化物、または脂質である、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
さらなる分子が、非修飾RNAである、請求項85または86に記載の方法。
【請求項88】
非修飾RNAが、以下のこと:
a)細胞を、1以上のプローブのペアと接触させること、ここで、各プローブのペアが、第1のプローブおよび第2のプローブを含む、ここで:
i)第1のプローブが、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、および関心のある非修飾RNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
ii)第2のプローブが、関心のある非修飾RNAに相補的な部分、および第1のプローブの部分に相補的な部分を含む;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生すること;
c)ローリングサークル増幅を行い、第2のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生すること;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むこと;ならびに
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定して、細胞における関心のある各非修飾RNAのアイデンティティおよび位置を決定すること
によってプロファイルされる、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
細胞のエピトランスクリプトームRNA修飾プロファイルを、様々な細胞型のエピトランスクリプトームRNA修飾プロファイルを含む参照データと比較することによって、プロファイルされた細胞の細胞型を決定することをさらに含む、請求項1~88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
細胞において1以上の遺伝子を過剰発現またはノックアウトして、1以上の遺伝子が関心のあるRNAのエピトランスクリプトーム修飾に関与しているかどうかを決定することをさらに含む、請求項1~89のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
多数の時点でステップ(a)~(e)を繰り返して、経時的に細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾をプロファイルすることをさらに含む、請求項1~90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
細胞におけるRNA結合タンパク質と関心のある1以上のRNAとの間の相互作用をプロファイルするための方法であって、以下のこと:
a)細胞を、1以上のプローブのセットと接触させること、ここで、各プローブのセットが、第1のプローブ、第2のプローブ、および第3のプローブを含む、ここで:
i)第1のプローブが、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブが、RNA結合タンパク質、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を認識する部分を含み;かつ
iii)第3のプローブが、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生すること;
c)ローリングサークル増幅を行い、第3のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生すること;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むこと;ならびに
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定して、細胞におけるRNA結合タンパク質によって結合された関心のある各RNAのアイデンティティおよび位置を決定すること
を含む、前記方法。
【請求項93】
RNA結合タンパク質が、YTHファミリータンパク質(例として、YTHDF1、YTHDF2、YTHDF3、YTHDC1、もしくはYTHDC2)、IGF2BPファミリータンパク質(例として、IGF2BP1、IGF2BP2、もしくはIGF2BP3)、またはFMR1を含む、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
RNA結合タンパク質を認識する第2のプローブの部分が、抗体、または抗体バリアントに結合する作用物質を含む、請求項92または93に記載の方法。
【請求項95】
RNA結合タンパク質を認識する第2のプローブの部分が、タンパク質を含む、請求項92~94のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
細胞を、RNA結合タンパク質を認識する抗体と接触させることをさらに含み、ここでRNA結合タンパク質を認識する抗体が、タンパク質によって認識され、かつ結合される、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
RNA結合タンパク質を認識する第2のプローブの部分が、抗体、または抗体バリアントを含む、請求項92~94のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
抗体が、二次抗体である、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
細胞を、RNA結合タンパク質を認識し、かつ第2のプローブの二次抗体によって認識される一次抗体と接触させることをさらに含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
細胞が、1以上のプローブのペアと接触させられる前に、一次抗体と接触させられる、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
RNA結合タンパク質を認識する第2のプローブの部分が、RNA結合タンパク質に直接結合する作用物質を含む、請求項92~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
RNA結合タンパク質に直接結合する作用物質が、タンパク質を含む、請求項101に記載の方法。
【請求項103】
RNA結合タンパク質に直接結合する作用物質が、抗体または抗体バリアントを含む、請求項101に記載の方法。
【請求項104】
第2のプローブが、重合ブロッカーをさらに含む、請求項92~103のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
重合ブロッカーが、第2のプローブの3'端に位置する、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
重合ブロッカーが、反転核酸残基を含む、請求項104または105に記載の方法。
【請求項107】
反転核酸残基が、反転チミン残基である、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、約1~10、約2~9、約3~8、約4~7、または約5~6ヌクレオチド長である、請求項92~107のいずれか一項に記載の方法。
【請求項109】
第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコードが、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または約10ヌクレオチド長である、請求項92~108のいずれか一項に記載の方法。
【請求項110】
第1および第3のオリゴヌクレオチドプローブが、関心のあるRNAの異なる部分に相補的である、請求項92~109のいずれか一項に記載の方法。
【請求項111】
第1のプローブが、構造:
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[オリゴヌクレオチドバーコード配列]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第3のプローブに相補的な部分]-[第2のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、ここで、]-[の各実例が、任意のリンカーを含む、
請求項92~110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
第2のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分が、4~20、5~19、6~18、7~17、8~16、9~15、10~14、または11~13ヌクレオチド長である、請求項92~111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
第2のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分が、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20ヌクレオチド長である、請求項92~112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
第2のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分が、第1のプローブの5'端と3'端との間で分割されている、請求項92~113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
第3のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分が、5~15、6~14、7~13、8~12、または9~11ヌクレオチド長である、請求項92~114のいずれか一項に記載の方法。
【請求項116】
第3のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分が、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15ヌクレオチド長である、請求項92~115のいずれか一項に記載の方法。
【請求項117】
関心のあるRNAに相補的な第1のプローブの部分が、10~30、11~29、12~28、13~27、14~26、15~25、16~24、17~23、18~22、または19~21ヌクレオチド長である、請求項92~116のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
関心のあるRNAに相補的な第1のプローブの部分が、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30ヌクレオチド長である、請求項92~117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
第2のプローブが、構造:
5'-[RNA結合タンパク質を認識する部分]-[第1のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、ここで、]-[が任意のリンカーを含む、
請求項92~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項120】
第1のプローブの部分に相補的な第2のプローブの部分が、4~20、5~19、6~18、7~17、8~16、9~15、10~14、または11~13ヌクレオチド長である、請求項92~119のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
第1のプローブの部分に相補的な第2のプローブの部分が、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20ヌクレオチド長である、請求項92~120のいずれか一項に記載の方法。
【請求項122】
第3のプローブが、構造:
5'-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第1のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、ここで、]-[が任意のリンカーを含む、
請求項92~121のいずれか一項に記載の方法。
【請求項123】
関心のあるRNAに相補的な第3のプローブの部分が、10~30、11~29、12~28、13~27、14~26、15~25、16~24、17~23、18~22、または19~21ヌクレオチド長である、請求項92~122のいずれか一項に記載の方法。
【請求項124】
関心のあるRNAに相補的な第3のプローブの部分が、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30ヌクレオチド長である、請求項92~123のいずれか一項に記載の方法。
【請求項125】
第1のプローブの部分に相補的な第3のプローブの部分が、5~15、6~14、7~13、8~12、または9~11ヌクレオチド長である、請求項92~124のいずれか一項に記載の方法。
【請求項126】
第1のプローブの部分に相補的な第3のプローブの部分が、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15ヌクレオチド長である、請求項92~125のいずれか一項に記載の方法。
【請求項127】
関心のあるRNAが、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、またはリボソームRNA(rRNA)である、請求項92~126のいずれか一項に記載の方法。
【請求項128】
RNA結合タンパク質と関心のあるRNAとの間の相互作用が、多数の細胞において同時にプロファイルされる、請求項92~127のいずれか一項に記載の方法。
【請求項129】
RNA結合タンパク質と関心のあるRNAとの間の相互作用が、10を超える細胞、20を超える細胞、50を超える細胞、100を超える細胞、200を超える細胞、300を超える細胞、400を超える細胞、500を超える細胞、または1000を超える細胞において同時にプロファイルされる、請求項128に記載の方法。
【請求項130】
細胞が、複数の細胞型を含む、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
細胞型が、幹細胞、前駆細胞、神経細胞、アストロサイト、樹状細胞、内皮細胞、ミクログリア、オリゴデンドロサイト、筋細胞、心筋細胞、間葉系細胞、上皮細胞、免疫細胞、肝細胞、平滑筋細胞および骨格筋細胞、造血細胞、リンパ球、単球、好中球、マクロファージ、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、脂肪細胞、およびニューロンからなる群から選択される、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
細胞が、無傷の組織内に存在する、請求項92~131のいずれか一項に記載の方法。
【請求項133】
無傷の組織が、固定化された組織サンプルである、請求項132に記載の方法。
【請求項134】
組織が、上皮組織、結合組織、筋組織、または神経組織である、請求項132または133に記載の方法。
【請求項135】
RNA結合タンパク質と、関心のある1を超える、2を超える、3を超える、4を超える、5を超える、10を超える、20を超える、30を超える、40を超える、50を超える、100を超える、200を超える、500を超える、1000を超える、2000を超える、または3000を超えるRNAとの間の相互作用が同時にプロファイルされる、請求項92~134のいずれか一項に記載の方法。
【請求項136】
RNA結合タンパク質と関心のあるRNAとの間の多数の異なる相互作用が、細胞において同時にプロファイルされる、請求項92~135のいずれか一項に記載の方法。
【請求項137】
第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、関心のあるRNAを同定するために使用される遺伝子特異的配列である、請求項92~136のいずれか一項に記載の方法。
【請求項138】
配列決定するステップが、動的アニーリングおよびライゲーションによるエラー低減による配列決定(SEDAL)を行うことを含む、請求項92~137のいずれか一項に記載の方法。
【請求項139】
配列決定するステップが、2回、3回、4回、5回または5回超繰り返される、請求項92~138のいずれか一項に記載の方法。
【請求項140】
ポリマーマトリックスがヒドロゲルである、請求項92~139のいずれか一項に記載の方法。
【請求項141】
ヒドロゲルが、ポリビニルアルコールヒドロゲル、ポリエチレングリコールヒドロゲル、ポリアクリラートヒドロゲル、またはポリアクリルアミドヒドロゲルである、請求項140に記載の方法。
【請求項142】
ローリングサークル増幅を行うステップが、アミン修飾ヌクレオチドを提供することをさらに含み、ここでアミン修飾ヌクレオチドが、1以上のコンカテネートされたアンプリコンに組み込まれる、請求項92~141のいずれか一項に記載の方法。
【請求項143】
1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むステップが、1以上のアンプリコンのアミン修飾ヌクレオチドをアクリル酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステルと反応させること、ならびに1以上のコンカテネートされたアンプリコンおよびポリマーマトリックスを共重合させることを含む、請求項142に記載の方法。
【請求項144】
細胞内の追加の分子をプロファイルすることをさらに含む、請求項92~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項145】
さらなる分子が、RNA、DNA、タンパク質、炭水化物、または脂質である、請求項144に記載の方法。
【請求項146】
細胞のRNA-RBP相互作用プロファイルを、様々な細胞型のRNA-RBPプロファイルを含む参照データと比較することによって、プロファイルされた細胞の細胞型を決定することをさらに含む、請求項92~145のいずれか一項に記載の方法。
【請求項147】
対象における疾患または障害を診断するための方法であって、方法が、以下のこと:
a)対象から取り出された細胞を、1以上のプローブのセットと接触させること、ここで、各プローブのセットが、第1のプローブ、第2のプローブ、および第3のプローブを含む、ここで:
i)第1のプローブが、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブが、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブが、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生すること;
c)ローリングサークル増幅を行い、第3のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生すること;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むこと;ならびに
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定して、細胞における関心のある各エピトランスクリプトーム修飾RNAのアイデンティティおよび位置を決定すること;
を含み、
ここで、1以上の非疾患細胞と比較した、細胞のエピトランスクリプトームRNA修飾のプロファイルの差異が、対象が疾患または障害を有することを指し示す、
前記方法。
【請求項148】
対象における疾患または障害を診断するための方法であって、方法が、以下のこと:
a)対象から取り出された細胞を、1以上のプローブのペアと接触させること、ここで、各プローブのペアが、第1のプローブおよび第2のプローブを含む、ここで:
i)第1のプローブが、第2のプローブに相補的なオリゴヌクレオチド部分、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、およびオリゴヌクレオチドバーコード配列を含み;かつ
ii)第2のプローブが、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生すること;
c)ローリングサークル増幅を行い、第2のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生すること;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むこと;ならびに
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定し、細胞における関心のある各エピトランスクリプトーム修飾RNAのアイデンティティおよび位置を決定すること;
を含み、
ここで、1以上の非疾患細胞と比較した、細胞のエピトランスクリプトームRNA修飾のプロファイルの差異が、対象が疾患または障害を有することを指し示す、
前記方法。
【請求項149】
対象における疾患または障害を診断するための方法であって、方法が、以下のこと:
a)対象から取り出された細胞を、1以上のプローブのセットと接触させること、ここで、各プローブのセットが、第1のプローブ、第2のプローブ、および第3のプローブを含む、ここで:
i)第1のプローブが、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブが、RNA結合タンパク質を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブが、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生すること;
c)ローリングサークル増幅を行い、第3のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生すること;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むこと;ならびに
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定して、細胞におけるRNA結合タンパク質によって結合された関心のある各RNAのアイデンティティおよび位置を決定すること;
を含み、
ここで、1以上の非疾患細胞と比較した、細胞のRNAとRNA結合タンパク質との間の相互作用のプロファイルの差異が、対象が疾患または障害を有することを指し示す、
前記方法。
【請求項150】
1以上の非疾患細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾、または1以上の非疾患細胞におけるRNAとRNA結合タンパク質との間の相互作用が、対象から取り出された細胞と共に対照実験としてプロファイルされる、請求項147~149のいずれか一項に記載の方法。
【請求項151】
1以上の非疾患細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾のプロファイル、または1以上の非疾患細胞におけるRNAとRNA結合タンパク質との間の相互作用のプロファイルが、参照データを含む、請求項147~149のいずれか一項に記載の方法。
【請求項152】
エピトランスクリプトームRNA修飾が、N6-メチルアデノシン(m6A)、N1-メチルアデノシン(m1A)、プソイドウリジン、N6,2'-O-ジメチルアデノシン(m6Am)、7-メチルグアノシン(m7G)、N4-アセチルシチジン(ac4C)、2'-O-メチル化(Nm)、または5-メチルシトシン(m5C)である、請求項147または148に記載の方法。
【請求項153】
エピトランスクリプトームRNA修飾が、N6-メチルアデノシン(m6A)である、請求項147または148に記載の方法。
【請求項154】
RNA結合タンパク質が、YTHファミリータンパク質(例として、YTHDF1、YTHDF2、YTHDF3、YTHDC1、もしくはYTHDC2)、IGF2BPファミリータンパク質(例として、IGF2BP1、IGF2BP2、もしくはIGF2BP3)、またはFMR1である、請求項149に記載の方法。
【請求項155】
疾患または障害が、遺伝性疾患、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、肝臓疾患、脾臓疾患、肺疾患、血液疾患、神経疾患、精神疾患、胃腸(GI)管疾患、尿生殖器疾患、感染症、筋骨格疾患、内分泌疾患、代謝障害、免疫障害、中枢神経系(CNS)障害、または心血管疾患である、請求項147~154のいずれか一項に記載の方法。
【請求項156】
細胞が、組織に存在する、請求項147~155のいずれか一項に記載の方法。
【請求項157】
組織が、上皮組織、結合組織、筋組織、または神経組織である、請求項156に記載の方法。
【請求項158】
組織が、対象から取り出された組織サンプルである、請求項156または157に記載の方法。
【請求項159】
対象が、非ヒト実験動物である、請求項158に記載の方法。
【請求項160】
対象がヒトである、請求項158に記載の方法。
【請求項161】
1以上のRNAのエピトランスクリプトーム修飾をモジュレートすることが可能な作用物質をスクリーニングするための方法であって、方法が、以下のこと:
a)候補作用物質で処置されているか、または処置された細胞を、1以上のプローブのセットと接触させること、ここで、各プローブのセットが、第1のプローブ、第2のプローブ、および第3のプローブを含む、ここで:
i)第1のプローブが、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブが、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブが、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生すること;
c)ローリングサークル増幅を行い、第3のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生すること;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むこと;ならびに
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定して、細胞における関心のある各エピトランスクリプトーム修飾RNAのアイデンティティおよび位置を決定すること;
を含み、
ここで、候補作用物質の非存在下と比較した、候補作用物質の存在下での細胞のエピトランスクリプトームRNA修飾のプロファイルの差異が、候補作用物質がエピトランスクリプトームRNA修飾をモジュレートすることを指し示す、
前記方法。
【請求項162】
1以上のRNAのエピトランスクリプトーム修飾をモジュレートすることが可能な作用物質をスクリーニングするための方法であって、方法が、以下のこと:
a)候補作用物質で処置されているか、または処置された細胞を、1以上のプローブのペアと接触させること、ここで、各プローブのペアが、第1のプローブおよび第2のプローブを含む、ここで、
i)第1のプローブが、第2のプローブに相補的なオリゴヌクレオチド部分、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、およびオリゴヌクレオチドバーコード配列を含み;かつ
ii)第2のプローブが、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを生成すること;
c)ローリングサークル増幅を行い、第2のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを生成すること;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むこと;ならびに
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定し、細胞において関心のある各エピトランスクリプトーム修飾RNAのアイデンティティおよび位置を決定すること;
を含み、
ここで、候補作用物質の非存在下と比較した、候補作用物質の存在下での細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾のプロファイルの差異が、候補作用物質がエピトランスクリプトームRNA修飾をモジュレートすることを指し示す、
前記方法。
【請求項163】
RNAとRNA結合タンパク質との間の相互作用をモジュレートすることが可能な作用物質をスクリーニングするための方法であって、方法が、以下のこと:
a)対象から取り出された細胞を、1以上のプローブのセットと接触させること、ここで、各プローブのセットが、第1のプローブ、第2のプローブ、および第3のプローブを含む、ここで:
i)第1のプローブが、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブが、RNA結合タンパク質を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブが、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生すること;
c)ローリングサークル増幅を行い、第3のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生すること;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むこと;ならびに
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定して、細胞におけるRNA結合タンパク質によって結合された関心のある各RNAのアイデンティティおよび位置を決定すること;
を含み、
ここで、候補作用物質の非存在下と比較した、候補作用物質の存在下のRNAとRNA結合タンパク質との間の相互作用のプロファイルの差異が、候補作用物質がRNAとRNA結合タンパク質との間の相互作用をモジュレートすることを指し示す、
前記方法。
【請求項164】
エピトランスクリプトームRNA修飾が、N6-メチルアデノシン(m6A)、N1-メチルアデノシン(m1A)、プソイドウリジン、N6,2'-O-ジメチルアデノシン(m6Am)、7-メチルグアノシン(m7G)、N4-アセチルシチジン(ac4C)、2'-O-メチル化(Nm)、または5-メチルシトシン(m5C)である、請求項161または162に記載の方法。
【請求項165】
エピトランスクリプトームRNA修飾が、N6-メチルアデノシン(m6A)である、請求項161または162に記載の方法。
【請求項166】
RNA結合タンパク質が、YTHファミリータンパク質(例として、YTHDF1、YTHDF2、YTHDF3、YTHDC1、もしくはYTHDC2)、IGF2BPファミリータンパク質(例として、IGF2BP1、IGF2BP2、もしくはIGF2BP3)、またはFMR1である、請求項163に記載の方法。
【請求項167】
候補作用物質が、小分子、タンパク質、ペプチド、核酸、脂質、または炭水化物である、請求項161~166のいずれか一項に記載の方法。
【請求項168】
候補作用物質が、公知の薬物またはFDA承認薬物である、請求項161~167のいずれか一項に記載の方法。
【請求項169】
タンパク質が、抗体、または抗体バリアントである、請求項167または168に記載の方法。
【請求項170】
核酸が、mRNA、アンチセンスRNA、miRNA、siRNA、RNAアプタマー、二本鎖RNA(dsRNA)、ショートヘアピンRNA(shRNA)、またはアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)である、請求項167または168に記載の方法。
【請求項171】
1以上のRNAのエピトランスクリプトーム修飾のモジュレートが、疾患または障害の症状の低減、軽減、または排除に関連する、請求項161~170のいずれか一項に記載の方法。
【請求項172】
疾患または障害が、遺伝性疾患、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、肝臓疾患、脾臓疾患、肺疾患、血液疾患、神経疾患、精神疾患、胃腸(GI)管疾患、尿生殖器疾患、感染症、筋骨格疾患、内分泌疾患、代謝障害、免疫障害、中枢神経系(CNS)障害、または心血管疾患である、請求項171に記載の方法。
【請求項173】
対象における疾患または障害を処置するための方法であって、以下のこと:
a)対象から取り出された細胞を、1以上のプローブのセットと接触させること、ここで、各プローブのセットが、第1のプローブ、第2のプローブ、および第3のプローブを含む、ここで:
i)第1のプローブが、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブが、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブが、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生すること;
c)ローリングサークル増幅を行い、第3のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生すること;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むこと;
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定して、細胞における関心のある各エピトランスクリプトーム修飾RNAのアイデンティティおよび位置を決定すること;ならびに
f)1以上の非疾患細胞と比較して、細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾のプロファイルに差異が観察される場合、疾患または障害の処置を対象へ投与すること
を含む、前記方法。
【請求項174】
対象における疾患または障害を処置するための方法であって、以下のこと:
a)対象から取り出された細胞を、1以上のプローブのペアと接触させること、ここで、各プローブのペアが、第1のプローブおよび第2のプローブを含む、ここで:
i)第1のプローブが、第2のプローブに相補的なオリゴヌクレオチド部分、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、およびオリゴヌクレオチドバーコード配列を含み;かつ
ii)第2のプローブが、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生すること;
c)ローリングサークル増幅を行い、第2のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生すること;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むこと;
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定し、細胞における関心のある各エピトランスクリプトーム修飾RNAのアイデンティティおよび位置を決定すること;ならびに
f)1以上の非疾患細胞と比較して、細胞においてエピトランスクリプトームRNA修飾のプロファイルに差異が観察される場合、疾患または障害の処置を対象へ投与すること
を含む、前記方法。
【請求項175】
対象における疾患または障害を処置するための方法であって、以下のこと:
a)対象から取り出された細胞を、1以上のプローブのセットと接触させること、ここで、各プローブのセットが、第1のプローブ、第2のプローブ、および第3のプローブを含む、ここで:
i)第1のプローブが、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブが、RNA結合タンパク質を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブが、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生すること;
c)ローリングサークル増幅を行い、第3のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生すること;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むこと;
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定して、細胞におけるRNA結合タンパク質によって結合された関心のある各RNAのアイデンティティおよび位置を決定すること;ならびに
f)1以上の非疾患細胞と比較して、細胞におけるRNAとRNA結合タンパク質との間の相互作用のプロファイルに差異が観察される場合、疾患または障害の処置を対象へ投与すること
を含む、前記方法。
【請求項176】
1以上の非疾患細胞における1以上のRNAのエピトランスクリプトーム修飾、または1以上の非疾患細胞におけるRNAとRNA結合タンパク質との間の相互作用が、対照実験として同時にプロファイルされる、請求項173~175のいずれか一項に記載の方法。
【請求項177】
1以上の非疾患細胞における1以上のRNAのエピトランスクリプトーム修飾プロファイル、または1以上の非疾患細胞におけるRNAとRNA結合タンパク質との間の相互作用のプロファイルが、参照データを含む、請求項173~175のいずれか一項に記載の方法。
【請求項178】
処置が、治療用作用物質、手術、または放射線療法を投与することを含む、請求項173~177のいずれか一項に記載の方法。
【請求項179】
治療用作用物質が、小分子、タンパク質、ペプチド、核酸、脂質、または炭水化物である、請求項173~178のいずれか一項に記載の方法。
【請求項180】
治療用作用物質が、公知の薬物またはFDA承認薬物である、請求項173~179のいずれか一項に記載の方法。
【請求項181】
タンパク質が、抗体、または抗体バリアントである、請求項179または180に記載の方法。
【請求項182】
核酸が、mRNA、アンチセンスRNA、miRNA、siRNA、RNAアプタマー、二本鎖RNA(dsRNA)、ショートヘアピンRNA(shRNA)、またはアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)である、請求項179または180に記載の方法。
【請求項183】
疾患または障害が、遺伝性疾患、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、肝臓疾患、脾臓疾患、肺疾患、血液疾患、神経疾患、精神疾患、胃腸(GI)管疾患、尿生殖器疾患、感染症、筋骨格疾患、内分泌疾患、代謝障害、免疫障害、中枢神経系(CNS)障害、または心血管疾患である、請求項173~182のいずれか一項に記載の方法。
【請求項184】
第1のプローブおよび第2のプローブを含むプローブのペアであって、ここで:
i)第1のプローブが、第2のプローブに相補的なオリゴヌクレオチド部分、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、およびオリゴヌクレオチドバーコード配列を含み;かつ
ii)第2のプローブが、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、
前記プローブのペア。
【請求項185】
エピトランスクリプトームRNA修飾が、N6-メチルアデノシン(m6A)、N1-メチルアデノシン(m1A)、プソイドウリジン、N6,2'-O-ジメチルアデノシン(m6Am)、7-メチルグアノシン(m7G)、N4-アセチルシチジン(ac4C)、2'-O-メチル化(Nm)、または5-メチルシトシン(m5C)である、請求項184に記載のプローブのペア。
【請求項186】
エピトランスクリプトームRNA修飾が、N6-メチルアデノシン(m6A)である、請求項184に記載のプローブのペア。
【請求項187】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分が、抗体、または抗体バリアントに結合する作用物質を含む、請求項184~186のいずれか一項に記載のプローブのペア。
【請求項188】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分が、タンパク質を含む、請求項184~187のいずれか一項に記載のプローブのペア。
【請求項189】
タンパク質が、PAPGを含む、請求項188に記載のプローブのペア。
【請求項190】
PAPGが、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する抗体を認識してかつ結合する、請求項189に記載のプローブのペア。
【請求項191】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分が、抗体、または抗体バリアントを含む、請求項184~187のいずれか一項に記載のプローブのペア。
【請求項192】
抗体が二次抗体である、請求項191に記載のプローブのペア。
【請求項193】
二次抗体が、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する一次抗体に結合する、請求項192に記載のプローブのペア。
【請求項194】
一次抗体が抗m6A抗体である、請求項193に記載のプローブのペア。
【請求項195】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分が、エピトランスクリプトームRNA修飾に直接結合する作用物質を含む、請求項184~194のいずれか一項に記載のプローブのペア。
【請求項196】
エピトランスクリプトームRNA修飾に直接結合する作用物質がタンパク質を含む、請求項195に記載のプローブのペア。
【請求項197】
タンパク質が、m6A特異的YTHドメインタンパク質である、請求項196に記載のプローブのペア。
【請求項198】
エピトランスクリプトームRNA修飾に直接結合する作用物質が、抗体または抗体バリアントを含む、請求項197に記載のプローブのペア。
【請求項199】
第2のプローブに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約3~20、約4~19、約5~18、約6~17、約7~16、約8~15、約9~14、約10~13、または約11~12ヌクレオチド長である、請求項184~198のいずれか一項に記載のプローブのペア。
【請求項200】
第2のプローブに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20ヌクレオチド長である、請求項184~199のいずれか一項に記載のプローブのペア。
【請求項201】
第2のプローブに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、第1のプローブの5'端と3'端との間で分割されている、請求項184~200のいずれか一項に記載のプローブのペア。
【請求項202】
関心のあるRNAに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約10~30、約11~29、約12~28、約13~27、約14~26、約15~25、約16~24、約17~23、約18~22または約19~21ヌクレオチド長である、請求項184~201のいずれか一項に記載のプローブのペア。
【請求項203】
関心のあるRNAに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、または30を超えるヌクレオチド長である、請求項184~202のいずれか一項に記載のプローブのペア。
【請求項204】
第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、約1~10、約2~9、約3~8、約4~7、または約5~6ヌクレオチド長である、請求項184~203のいずれか一項に記載のプローブのペア。
【請求項205】
第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または約10ヌクレオチド長である、請求項184~204のいずれか一項に記載のプローブのペア。
【請求項206】
第1のプローブおよび第2のプローブの各部分が、任意のリンカーによって接続されている、請求項184~205のいずれか一項に記載のプローブのペア。
【請求項207】
任意のリンカーの各実例が、独立して、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10ヌクレオチド長である、請求項206に記載のプローブのペア。
【請求項208】
第1のプローブが、構造:
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[バーコード配列]-[第2のプローブに相補的な部分]-3';
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[バーコード配列]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第2のプローブに相補的な部分]-3';
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[バーコード配列]-3';
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[バーコード配列]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-3';
5'-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[バーコード配列]-[第2のプローブに相補的な部分]-3';または
5'-[バーコード配列]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第2のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、
ここで、]-[の各実例が、任意のリンカーを含む、
請求項184~207のいずれか一項に記載のプローブのペア。
【請求項209】
第2のプローブが、構造:
5'-[エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分]-[第1のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、
ここで、]-[の各実例が、任意のリンカーを含む、
請求項184~208のいずれか一項に記載のプローブのペア。
【請求項210】
第1のプローブおよび第2のプローブのオリゴヌクレオチド部分がDNAを含む、請求項184~209のいずれか一項に記載のプローブのペア。
【請求項211】
第1のプローブ、第2のプローブ、および第3のプローブを含むプローブのセットであって、ここで:
i)第1のプローブが、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブが、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブが、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、
前記プローブのセット。
【請求項212】
エピトランスクリプトームRNA修飾が、N6-メチルアデノシン(m6A)、N1-メチルアデノシン(m1A)、プソイドウリジン、N6,2'-O-ジメチルアデノシン(m6Am)、7-メチルグアノシン(m7G)、N4-アセチルシチジン(ac4C)、2'-O-メチル化(Nm)、または5-メチルシトシン(m5C)である、請求項211に記載のプローブのセット。
【請求項213】
エピトランスクリプトームRNA修飾が、N6-メチルアデノシン(m6A)である、請求項211に記載のプローブのセット。
【請求項214】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分が、抗体、または抗体バリアントに結合する作用物質を含む、請求項211~213のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項215】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分が、タンパク質を含む、請求項211~214のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項216】
タンパク質がPAPGを含む、請求項215に記載のプローブのセット。
【請求項217】
PAPGが、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する抗体を認識してかつ結合する、請求項216に記載のプローブのセット。
【請求項218】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分が、抗体、または抗体バリアントを含む、請求項211~214のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項219】
抗体が二次抗体である、請求項218に記載のプローブのセット。
【請求項220】
二次抗体が、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する一次抗体を認識する、請求項219に記載のプローブのセット。
【請求項221】
細胞が、1以上のプローブのペアと接触させられる前に、一次抗体と接触させられる、請求項220に記載のプローブのセット。
【請求項222】
一次抗体が、抗m6A抗体、抗m1A抗体、抗プソイドウリジン抗体、抗m6Am抗体、抗m7G抗体、抗ac4C抗体、抗Nm抗体または抗m5C抗体である、請求項220または221に記載のプローブのセット。
【請求項223】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分が、エピトランスクリプトームRNA修飾に直接結合する作用物質を含む、請求項211~222のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項224】
エピトランスクリプトームRNA修飾に直接結合する作用物質が、タンパク質を含む、請求項223に記載のプローブのセット。
【請求項225】
タンパク質が、m6A特異的YTHドメインタンパク質である、請求項224に記載のプローブのセット。
【請求項226】
エピトランスクリプトームRNA修飾に直接結合する作用物質が、抗体または抗体バリアントを含む、請求項223に記載のプローブのセット。
【請求項227】
第2のプローブが、重合ブロッカーをさらに含む、請求項211~226のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項228】
重合ブロッカーが、第2のプローブの3'端に位置する、請求項227に記載のプローブのセット。
【請求項229】
重合ブロッカーが、反転核酸残基を含む、請求項227または228に記載のプローブのセット。
【請求項230】
反転核酸残基が、反転チミン残基である、請求項229に記載のプローブのセット。
【請求項231】
第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、約1~10、約2~9、約3~8、約4~7、または約5~6ヌクレオチド長である、請求項211~230のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項232】
第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または約10ヌクレオチド長である、請求項211~231のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項233】
第1および第3のオリゴヌクレオチドプローブが、関心のあるRNAの異なる部分に相補的である、請求項211~232のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項234】
第1のプローブが、構造:
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[オリゴヌクレオチドバーコード配列]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第3のプローブに相補的な部分]-[第2のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、ここで、]-[の各実例が、任意のリンカーを表す、
請求項211~233のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項235】
第2のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分が、4~20、5~19、6~18、7~17、8~16、9~15、10~14、または11~13ヌクレオチド長である、請求項211~234のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項236】
第2のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分が、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20ヌクレオチド長である、請求項211~235のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項237】
第2のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分が、第1のプローブの5'端と3'端との間で分割されている、請求項211~236のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項238】
第3のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分が、5~15、6~14、7~13、8~12、または9~11ヌクレオチド長である、請求項211~237のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項239】
第3のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分が、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15ヌクレオチド長である、請求項211~238のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項240】
関心のあるRNAに相補的な第1のプローブの部分が、10~30、11~29、12~28、13~27、14~26、15~25、16~24、17~23、18~22、または19~21ヌクレオチド長である、請求項211~239のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項241】
関心のあるRNAに相補的な第1のプローブの部分が、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30ヌクレオチド長である、請求項211~240のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項242】
第2のプローブが、構造:
5'-[エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分]-[第1のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、ここで、]-[が任意のリンカーを表す、
請求項211~241のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項243】
第1のプローブの部分に相補的な第2のプローブの部分が、4~20、5~19、6~18、7~17、8~16、9~15、10~14、または11~13ヌクレオチド長である、請求項211~242のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項244】
第1のプローブの部分に相補的な第2のプローブの部分が、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20ヌクレオチド長である、請求項211~243のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項245】
第3のプローブが、構造:
5'-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第1のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、ここで、]-[が任意のリンカーを表す、
請求項211~244のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項246】
関心のあるRNAに相補的な第3のプローブの部分が、10~30、11~29、12~28、13~27、14~26、15~25、16~24、17~23、18~22、または19~21ヌクレオチド長である、請求項211~245のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項247】
関心のあるRNAに相補的な第3のプローブの部分が、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30ヌクレオチド長である、請求項211~246のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項248】
第1のプローブの部分に相補的な第3のプローブの部分が、5~15、6~14、7~13、8~12、または9~11ヌクレオチド長である、請求項211~247のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項249】
第1のプローブの部分に相補的な第3のプローブの部分が、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15ヌクレオチド長である、請求項211~248のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項250】
第1のプローブ、第2のプローブ、および第3のプローブを含むプローブのセットであって、ここで:
i)第1のプローブが、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブが、RNA結合タンパク質を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブが、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、
前記プローブのセット。
【請求項251】
RNA結合タンパク質が、YTHファミリータンパク質(例として、YTHDF1、YTHDF2、YTHDF3、YTHDC1、もしくはYTHDC2)、IGF2BPファミリータンパク質(例として、IGF2BP1、IGF2BP2、もしくはIGF2BP3)、またはFMR1を含む、請求項250に記載のプローブのセット。
【請求項252】
RNA結合タンパク質を認識する第2のプローブの部分が、抗体、または抗体バリアントに結合する作用物質を含む、請求項250または251に記載のプローブのセット。
【請求項253】
RNA結合タンパク質を認識する第2のプローブの部分がタンパク質を含む、請求項250~252のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項254】
タンパク質が、RNA結合タンパク質を認識する抗体を認識してかつ結合する、請求項253に記載のプローブのセット。
【請求項255】
RNA結合タンパク質を認識する第2のプローブの部分が、抗体、または抗体バリアントを含む、請求項250~252のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項256】
抗体が、二次抗体である、請求項255に記載のプローブのセット。
【請求項257】
二次抗体が、RNA結合タンパク質を認識する一次抗体を認識する、請求項256に記載のプローブのセット。
【請求項258】
細胞が、1以上のプローブのペアと接触させられる前に、一次抗体と接触させられる、請求項257に記載のプローブのセット。
【請求項259】
RNA結合タンパク質を認識する第2のプローブの部分が、RNA結合タンパク質に直接結合する作用物質を含む、請求項250~258のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項260】
RNA結合タンパク質に直接結合する作用物質が、タンパク質を含む、請求項259に記載のプローブのセット。
【請求項261】
RNA結合タンパク質に直接結合する作用物質が、抗体または抗体バリアントを含む、請求項259に記載のプローブのセット。
【請求項262】
第2のプローブが、重合ブロッカーをさらに含む、請求項250~261のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項263】
重合ブロッカーが、第2のプローブの3'端に位置する、請求項262に記載のプローブのセット。
【請求項264】
重合ブロッカーが、反転核酸残基を含む、請求項262または263に記載のプローブのセット。
【請求項265】
反転核酸残基が反転チミン残基である、請求項264に記載のプローブのセット。
【請求項266】
第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、約1~10、約2~9、約3~8、約4~7、または約5~6ヌクレオチド長である、請求項250~265のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項267】
第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコードが、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または約10ヌクレオチド長である、請求項250~266のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項268】
第1および第3のオリゴヌクレオチドプローブが、関心のあるRNAの異なる部分に相補的である、請求項250~267のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項269】
第1のプローブが、構造:
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[オリゴヌクレオチドバーコード配列]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第3のプローブに相補的な部分]-[第2のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、ここで、]-[の各実例が、任意のリンカーを含む、
請求項250~268のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項270】
第2のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分が、4~20、5~19、6~18、7~17、8~16、9~15、10~14、または11~13ヌクレオチド長である、請求項250~269のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項271】
第2のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分が、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20ヌクレオチド長である、請求項250~270のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項272】
第2のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分が、第1のプローブの5'端と3'端との間で分割されている、請求項250~271のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項273】
第3のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分が、5~15、6~14、7~13、8~12、または9~11ヌクレオチド長である、請求項250~272のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項274】
第3のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分が、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15ヌクレオチド長である、請求項250~273のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項275】
関心のあるRNAに相補的な第1のプローブの部分が、10~30、11~29、12~28、13~27、14~26、15~25、16~24、17~23、18~22、または19~21ヌクレオチド長である、請求項250~274のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項276】
関心のあるRNAに相補的な第1のプローブの部分が、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30ヌクレオチド長である、請求項250~275のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項277】
第2のプローブが、構造:
5'-[RNA結合タンパク質を認識する部分]-[第1のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、ここで、]-[が任意のリンカーを表す、
請求項250~276のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項278】
第1のプローブの部分に相補的な第2のプローブの部分が、4~20、5~19、6~18、7~17、8~16、9~15、10~14、または11~13ヌクレオチド長である、請求項250~277のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項279】
第1のプローブの部分に相補的な第2のプローブの部分が、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20ヌクレオチド長である、請求項250~278のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項280】
第3のプローブが、構造:
5'-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第1のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、ここで、]-[が任意のリンカーを含む、
請求項250~279のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項281】
関心のあるRNAに相補的な第3のプローブの部分が、10~30、11~29、12~28、13~27、14~26、15~25、16~24、17~23、18~22、または19~21ヌクレオチド長である、請求項250~280のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項282】
関心のあるRNAに相補的な第3のプローブの部分が、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30ヌクレオチド長である、請求項250~281のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項283】
第1のプローブの部分に相補的な第3のプローブの部分が、5~15、6~14、7~13、8~12、または9~11ヌクレオチド長である、請求項250~282のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項284】
第1のプローブの部分に相補的な第3のプローブの部分が、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15ヌクレオチド長である、請求項250~283のいずれか一項に記載のプローブのセット。
【請求項285】
請求項184~210のいずれか一項に記載の多数のプローブのペアまたは請求項211~284のいずれか一項に記載の多数のプローブのセットを含む複数のプローブであって、ここで各プローブのペアまたはプローブのセットが、関心のある異なるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、前記複数のプローブ。
【請求項286】
複数が、1を超える、2を超える、3を超える、4を超える、5を超える、10を超える、20を超える、30を超える、40を超える、50を超える、100を超える、200を超える、500を超える、1000を超える、2000を超える、または3000を超えるプローブのペアまたはプローブのセットを含む、請求項285に記載の複数のプローブ。
【請求項287】
請求項184~210のいずれか一項に記載のプローブのペアまたは請求項211~284のいずれか一項に記載のプローブのセットを含む、キット。
【請求項288】
キットが、請求項184~210のいずれか一項に記載の多数のプローブのペアまたは請求項211~284のいずれか一項に記載の多数のプローブのセットを含み、ここで各プローブのペアまたはプローブのセットが、関心のある異なるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、請求項287に記載のキット。
【請求項289】
キットが、1を超える、2を超える、3を超える、4を超える、5を超える、10を超える、20を超える、30を超える、40を超える、50を超える、100を超える、200を超える、500を超える、1000を超える、2000を超える、または3000を超えるプローブのペアまたはプローブのセットを含む、請求項288に記載のキット。
【請求項290】
細胞をさらに含む、請求項287~289のいずれか一項に記載のキット。
【請求項291】
1以上の酵素をさらに含む、請求項287~290のいずれか一項に記載のキット。
【請求項292】
1以上の酵素がリガーゼを含む、請求項291に記載のキット。
【請求項293】
1以上の酵素がポリメラーゼを含む、請求項291または292に記載のキット。
【請求項294】
アミン修飾ヌクレオチドをさらに含む、請求項287~293のいずれか一項に記載のキット。
【請求項295】
ポリマーマトリックスを調製するための試薬およびモノマーをさらに含む、請求項287~294のいずれか一項に記載のキット。
【請求項296】
細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾をプロファイルするためのシステムであって、
a)細胞;
b)第1のプローブおよび第2のプローブを含む1以上のプローブのペア、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブに相補的なオリゴヌクレオチド部分、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、およびオリゴヌクレオチドバーコード配列を含み;かつ
ii)第2のプローブは、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む;
c)顕微鏡;ならびに
d)コンピュータ
を含む、前記システム。
【請求項297】
エピトランスクリプトームRNA修飾が、N6-メチルアデノシン(m6A)、N1-メチルアデノシン(m1A)、プソイドウリジン、N6,2'-O-ジメチルアデノシン(m6Am)、7-メチルグアノシン(m7G)、N4-アセチルシチジン(ac4C)、2'-O-メチル化(Nm)、または5-メチルシトシン(m5C)である、請求項296に記載のシステム。
【請求項298】
エピトランスクリプトームRNA修飾が、N6-メチルアデノシン(m6A)である、請求項296に記載のシステム。
【請求項299】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分が、抗体、または抗体バリアントに結合する作用物質を含む、請求項296~298のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項300】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分が、抗体、または抗体バリアントを含む、請求項296~299のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項301】
抗体が、二次抗体である、請求項300に記載のシステム。
【請求項302】
二次抗体が、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する一次抗体に結合する、請求項301に記載のシステム。
【請求項303】
一次抗体が、抗m6A抗体、抗m1A抗体、抗プソイドウリジン抗体、抗m6Am抗体、抗m7G抗体、抗ac4C抗体、抗Nm抗体または抗m5C抗体である、請求項302に記載のシステム。
【請求項304】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分が、エピトランスクリプトームRNA修飾に結合する作用物質を含む、請求項296~303のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項305】
エピトランスクリプトームRNA修飾に結合する作用物質が、タンパク質を含む、請求項304に記載のシステム。
【請求項306】
タンパク質が、m6A特異的YTHドメインタンパク質である、請求項305に記載のシステム。
【請求項307】
第2のプローブに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約3~20、約4~19、約5~18、約6~17、約7~16、約8~15、約9~14、約10~13、または約11~12ヌクレオチド長である、請求項296~306のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項308】
第2のプローブに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20ヌクレオチド長である、請求項296~307のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項309】
第2のプローブに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、第1のプローブの5'端と3'端との間で分割されている、請求項296~308のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項310】
関心のあるRNAに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約10~30、約11~29、約12~28、約13~27、約14~26、約15~25、約16~24、約17~23、約18~22または約19~21ヌクレオチド長である、請求項296~309のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項311】
関心のあるRNAに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、または30を超えるヌクレオチド長である、請求項296~310のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項312】
第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、約1~10、約2~9、約3~8、約4~7、または約5~6ヌクレオチド長である、請求項296~311のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項313】
第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または約10ヌクレオチド長である、請求項296~312のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項314】
第1のプローブおよび第2のプローブの各部分が、任意のリンカーによって接続されている、請求項296~313のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項315】
任意のリンカーの各実例が、独立して、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10ヌクレオチド長である、請求項314に記載のシステム。
【請求項316】
第1のプローブが、構造:
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[バーコード配列]-[第2のプローブに相補的な部分]-3';
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[バーコード配列]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第2のプローブに相補的な部分]-3';
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[バーコード配列]-3';
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[バーコード配列]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-3';
5'-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[バーコード配列]-[第2のプローブに相補的な部分]-3';または
5'-[バーコード配列]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第2のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、
ここで、]-[の各実例が、任意のリンカーを含む、
請求項296~315のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項317】
第2のプローブが、構造:
5'-[エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分]-[第1のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、
ここで、]-[の各実例が、任意のリンカーを含む、
請求項296~316のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項318】
第1のプローブおよび第2のプローブのオリゴヌクレオチド部分がDNAを含む、請求項296~317のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項319】
a)細胞;
b)第1のプローブ、第2のプローブ、および第3のプローブを含む1以上のプローブのセット、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブは、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブは、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む;
c)顕微鏡;ならびに
d)コンピュータ
を含む、システム。
【請求項320】
a)細胞;
b)第1のプローブ、第2のプローブ、および第3のプローブを含む1以上のプローブのセット、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブは、RNA結合タンパク質を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブは、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む;
c)顕微鏡;ならびに
d)コンピュータ
を含む、システム。
【請求項321】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分と、別のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分とを含む、プローブ。
【請求項322】
エピトランスクリプトームRNA修飾が、N6-メチルアデノシン(m6A)、N1-メチルアデノシン(m1A)、プソイドウリジン、N6,2'-O-ジメチルアデノシン(m6Am)、7-メチルグアノシン(m7G)、N4-アセチルシチジン(ac4C)、2'-O-メチル化(Nm)、または5-メチルシトシン(m5C)である、請求項321に記載のプローブ。
【請求項323】
エピトランスクリプトームRNA修飾が、N6-メチルアデノシン(m6A)である、請求項322に記載のプローブ。
【請求項324】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識するプローブの部分が、抗体、または抗体バリアントに結合する作用物質を含む、請求項321~323のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項325】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識するプローブの部分が、抗体、または抗体バリアントを含む、請求項321~324のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項326】
抗体が、二次抗体である、請求項325に記載のプローブ。
【請求項327】
二次抗体が、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する一次抗体に結合する、請求項326に記載のプローブ。
【請求項328】
一次抗体が、抗m6A抗体である、請求項327に記載のプローブ。
【請求項329】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識するプローブの部分が、エピトランスクリプトームRNA修飾に結合する作用物質を含む、請求項321~328のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項330】
エピトランスクリプトームRNA修飾に結合する作用物質が、タンパク質を含む、請求項329に記載のプローブ。
【請求項331】
タンパク質が、m6A特異的YTHドメインタンパク質である、請求項330に記載のプローブ。
【請求項332】
エピトランスクリプトームRNA修飾に結合する作用物質が、抗体または抗体バリアントを含む、請求項331に記載のプローブ。
【請求項333】
別のプローブの部分に相補的なプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20ヌクレオチド長である、請求項321~332のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項334】
別のプローブの部分に相補的なプローブのオリゴヌクレオチド部分が、第1のプローブの5'端と3'端との間で分割されている、請求項321~333のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項335】
プローブの各部分が、任意のリンカーによって接続されている、請求項321~334のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項336】
任意のリンカーの各実例が、独立して、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10ヌクレオチド長である、請求項335に記載のプローブ。
【請求項337】
プローブが、構造:
5'-[エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分]-[別のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、
ここで、]-[の各実例が、任意のリンカーを含む、
請求項321~336のいずれか一項に記載のプローブ。
【請求項338】
プローブのオリゴヌクレオチド部分が、DNAを含む、請求項321~337のいずれか一項に記載のプローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2021年8月10日に出願された米国仮出願第U.S.S.N.63/231,585号に対する、35U.S.C.§119(e)に基づく優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
細胞RNAは、酵素触媒修飾(すなわち、エピトランスクリプトーム)の豊富な化学レパートリーを含有する(Roundtree,I.A.et al.,Dynamic RNA modifications in gene expression regulation.Cell 169,1187(2017))。モデル生物の遺伝子分析により、RNA修飾酵素が高等真核生物にとって不可欠であることが明らかになった。さらに、RNA修飾経路は、細胞の運命、器官の発達およびヒトの疾患(例として、がん)を調節するために同定されている(Jonkhout,N.et al.,The RNA modification landscape in human disease.RNA 23,1754(2017);Li,X.et al.,Epitranscriptome sequencing technologies:decoding RNA modifications.Nature Methods 14,23(2017))。しかしながら、これらのエピトランスクリプトーム修飾が複雑な生物学的系においてどのように細胞の機能に影響を及ぼすかの理解は依然として限定的である。これは、RNA修飾の従来の分析が、バルクRNA配列決定または質量分析を使用した数百万の細胞の混合物に依拠しているためである(Li,X.et al.,Epitranscriptome sequencing technologies:decoding RNA modifications.Nature Methods 14,23(2017))。しかし、単一細胞配列決定アプローチによる最近の研究は、多細胞生物が多様な細胞型からなり、かつ明らかに均一な細胞集団でさえ可変の単一細胞状態を有することを明らかにした。さらに、同じタイプのRNA修飾は、細胞型および生理学的状況に依存して反対の調節効果を有し得る。単一細胞RNA配列決定技術はトランスクリプトーム分析のために形質転換されてきたが、エピトランスクリプトーム研究における単一細胞分解能および細胞内分解能の欠如は、生物学的組織におけるRNA修飾パターンの不均一性を覆い隠し、かつRNA修飾が異なる細胞型にわたって遺伝子発現をどのように制御するかを分析する能力を損なわせてきた。したがって、単一細胞分解能および/または細胞内分解能でエピトランスクリプトームRNA修飾をプロファイルするためのシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
発明の概要
以前に開発された単一細胞RNA配列決定法に関連する制限に対処するために、RNA修飾の三次元(3D)in situ配列決定のためのプラットフォーム、ならびにRNAとそのようなRNA修飾を据え付けるタンパク質との間の相互作用をプロファイルするためのプラットフォームが開発された(図1、10A、12A、13A、および13C)。これらのプラットフォームは、無傷の生体組織における単一細胞または細胞内分解能でのRNA修飾によって媒介される遺伝子調節機構を分析するために利用することができる。したがって、RNA結合タンパク質(例として、エピトランスクリプトームRNA修飾を据え付ける酵素)とRNAとの間の相互作用と共に、エピトランスクリプトームRNA修飾(例として、N6-メチルアデノシン(m6A))をプロファイルすることができる。本明細書に開示される方法、プローブ、組成物およびシステムは、様々な組織におけるRNAおよびRNA結合タンパク質の間の様々なエピトランスクリプトームRNA修飾または相互作用のプロファイルに広く適用可能である。これらの方法およびシステムはまた、様々な細胞型におけるエピトランスクリプトームRNA修飾またはRNA結合タンパク質がどのように相互作用して細胞の状態を定義し、かつ、例えば脳の機能を調節するかを研究するために有用であり得る(Widagdo,J.et al.,The m6A-epitranscriptomic signature in neurobiology:from neurodevelopment to brain plasticity.Journal of Neurochemistry 147,137(2018))。本明細書に記載の方法、組成物、およびシステムはまた、複雑な生物学的システムにおける単一細胞または細胞内分解能(DNAアンプリコンのサイズおよび光学的限界の両方に依存して、約150~400nmの空間分解能)での転写後遺伝子調節機構の新しい原理の確立、ならびに健康および疾患におけるRNA化学的フィンガープリント(エピトランスクリプトームRNA修飾)の役割の発見に有用であり得る。本明細書に記載される方法、組成物およびシステムはまた、無傷の組織の内部に存在する細胞(例として、生検などの、ヒトまたは非ヒト対象によって、またはそれから提供された組織サンプル)に対して使用され得る。
【0004】
したがって、一側面において、本開示は、細胞または多数の細胞(例えば、図1、10A、および12Aを参照されたい)におけるエピトランスクリプトームRNA修飾をプロファイルするための方法、組成物およびシステムを提供する。本明細書において開示の方法およびシステムにおいて、細胞は、本明細書においてさらに記載されており、かつ、関心のあるエピトランスクリプトーム修飾RNAを増幅(例として、ローリングサークル増幅によって)するために使用され得るものである、1以上のプローブのペアまたはプローブのセットと接触させられ得、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生する。次いで、1以上のコンカテネートされたアンプリコンはポリマーマトリックスに埋め込まれ、配列決定されて(例として、本明細書においてさらに記載されているようなSEDAL配列決定(動的アニーリングおよびライゲーションによるエラー低減による配列決定によって))、転写物のアイデンティティおよびポリマーマトリックス内のそれらの位置を決定し得る。関心のある修飾転写物の位置を使用して、少なくとも1つのエピトランスクリプトーム修飾を含む関心のあるRNAをプロファイルし得、エピトランスクリプトーム修飾、細胞内位置、およびタイミングが健康および疾患における細胞の機能にどのように影響するかの理解を改善するために、時空間の情報を得ることができる。方法およびシステムは、例えば、疾患および健康な組織のサンプルからの細胞(または多数の細胞)におけるエピトランスクリプトームRNA修飾を比較するために;または、例えば、作用物質(例として、小分子、タンパク質、ペプチド、核酸、脂質、または炭水化物などの治療用作用物質または潜在的な治療用作用物質)で処置された細胞と未処置の細胞、または疾患細胞および健康な細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾を比較するために有用であり得る。
【0005】
いくつかの態様において、本開示は、細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾をプロファイルするための方法であって:
a)細胞を、1以上のプローブのセットと接触させるステップであって、ここで各プローブのセットは、第1のプローブ(すなわち、「パドロックプローブ」)、第2のプローブ(すなわち、「スプリントプローブ」)、および第3のプローブ(すなわち、「プライマープローブ」)を含み、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列(例として、例えば本明細書において考察されるSEDAL配列決定による、関心のある各RNAを同定するために使用されるユニーク配列)、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブは、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブは、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、接触させるステップ;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生するステップ;
c)ローリングサークル増幅を行い、第3のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生するステップ;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むステップ;ならびに
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンを配列決定して、細胞における関心のある各エピトランスクリプトーム修飾RNAのアイデンティティおよび位置を決定するステップ
を含む方法を提供する。
【0006】
いくつかの態様において、本開示は、細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾をプロファイルするための方法であって:
a)細胞を、1以上のプローブのペアと接触させるステップであって、ここで各プローブのペアは、第1のプローブ(すなわち、「パドロックプローブ」)、および第2のプローブ(すなわち、「プライマープローブ」)を含み、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブに相補的なオリゴヌクレオチド部分、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、およびオリゴヌクレオチドバーコード配列(例として、例えば本明細書において考察されるSEDAL配列決定による、関心のある各RNAを同定するために使用されるユニーク配列)を含み;かつ
ii)第2のプローブは、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、接触させるステップ;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生するステップ;
c)ローリングサークル増幅を行い、第2のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生するステップ;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むステップ;ならびに
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定して、細胞における関心のある各エピトランスクリプトーム修飾RNAのアイデンティティおよび位置を決定するステップ
を含む方法を提供する。2つのプローブのみが本明細書の方法で使用される特定の態様において、スプリントプローブは使用されない。
【0007】
したがって、これらの方法を使用して、1以上の関心のあるエピトランスクリプトーム修飾で修飾された、着目されたRNAの、細胞または細胞集団内での(例として、無傷の組織における)、または細胞の細胞小器官の中での位置を、決定することができる。いくつかの態様において、本明細書に記載されている方法を使用して、1を超える、2を超える、3を超える、4を超える、5を超える、10を超える、20を超える、30を超える、40を超える、50を超える、100を超える、200を超える、500を超える、1000を超える、2000を超える、または3000を超える関心のあるRNAが同時にプロファイルされる。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾が、N6-メチルアデノシン(m6A)、N1-メチルアデノシン(m1A)、プソイドウリジン、N6,2'-O-ジメチルアデノシン(m6Am)、7-メチルグアノシン(m7G)、N4-アセチルシチジン(ac4C)、2'-O-メチル化(Nm)、または5-メチルシトシン(m5C)である。
【0008】
別の側面において、本開示は、細胞もしくは多数の細胞、または1以上の特定の細胞小器官(例えば、図13Aおよび13Cを参照されたい)などの細胞内位置におけるRNA結合タンパク質およびRNAの間の相互作用をプロファイルするための方法、プローブ、組成物およびシステムを提供する。本明細書において開示の方法およびシステムにおいて、細胞は、本明細書においてさらに記載される1以上のプローブのペアまたはプローブのセットと接触させられ得、RNA結合タンパク質によって結合された関心のあるRNAを増幅(例として、ローリングサークル増幅によって)して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生するために使用され得る。次いで、1以上のコンカテネートされたアンプリコンはポリマーマトリックスに埋め込まれ、配列決定されて(例として、本明細書においてさらに記載されているようなSEDAL配列決定(動的アニーリングおよびライゲーションによるエラー低減による配列決定によって))、転写物のアイデンティティおよびポリマーマトリックス内のそれらの位置を決定し得る。関心のある修飾転写物の位置を使用して、少なくとも1つのRNA結合タンパク質によって結合された関心のあるRNAをプロファイルし得、RNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用、そのような相互作用の細胞内位置、およびそのような相互作用のタイミングが健康および疾患における細胞の機能にどのように影響するかの理解を改善するために、時空間の情報を得ることができる。方法およびシステムは、例えば、疾患組織サンプルおよび健康な組織サンプル由来の細胞(または多数の細胞)におけるRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用を比較するために;または、例えば作用物質(例として、治療用作用物質または潜在的な治療用作用物質)で処置された細胞および未処置の細胞、または疾患細胞および健康な細胞におけるRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用を比較するために有用であり得る。
【0009】
いくつかの態様において、本開示は、細胞におけるRNA結合タンパク質と関心のある1以上のRNAとの間の相互作用をプロファイルするための方法であって:
a)細胞を、1以上のプローブのセットと接触させることであって、ここで各プローブのセットは、第1のプローブ(すなわち、「パドロックプローブ」)、第2のプローブ(すなわち、「スプリントプローブ」)、および第3のプローブ(すなわち、「プライマープローブ」)を含み、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列(例として、例えば本明細書において考察されるSEDAL配列決定による、関心のある各RNAを同定するために使用されるユニーク配列)、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブは、RNA結合タンパク質を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブは、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、接触させること;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生すること;
c)ローリングサークル増幅を行い、第3のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生すること;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むこと;ならびに
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定して、細胞においてRNA結合タンパク質によって結合された関心のある各RNAのアイデンティティおよび位置を決定すること
を含む方法を提供する。
【0010】
したがって、これらの方法を使用して、細胞または細胞の集団内(例として、無傷の組織において)、または細胞の細胞小器官内の1以上のRNA結合タンパク質(例として、エピトランスクリプトームRNA修飾を据え付ける酵素)によって結合された関心のあるRNAの位置を決定することができる。
【0011】
本明細書において記載の方法、組成物、およびシステムは、エピトランスクリプトームRNA修飾、および組織(例として、発達中の組織、正常組織、疾患組織、処置された組織)におけるRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用を研究するため、様々な疾患を診断および処置するため、リサーチ目的のため、および薬物発見のために有用であり得る。このようにして、一側面において、本開示は、対象における疾患または障害を診断する方法を提供する。例えば、本明細書において記載のエピトランスクリプトームRNA修飾またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用をプロファイルする方法は、対象(例として、疾患もしくは障害を有すると考えられるか、またはそれを有するリスクがある対象、あるいは健康であるか、または健康であると考えられる対象)から取り出された細胞または多数の細胞に対して行われ得る。次いで、細胞における関心のある様々なエピトランスクリプトーム修飾RNAまたはRNA結合タンパク質によって結合された関心のあるRNAの発現は、非疾患細胞または非疾患組織サンプルからの細胞(例として、健康な個体からの細胞、または健康な個体の集団からの多数の細胞)における関心のある同じ修飾されたRNAの発現と比較されることができる。1以上の非疾患細胞と比べた、細胞のエピトランスクリプトームRNA修飾プロファイルまたは細胞内のRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用のプロファイル(関心のある単一RNAまたは多数のRNAのもの、例として、特異的な疾患シグネチャを包含する)の差異はいずれも、対象が疾患または障害を有することを指し示し得る。1以上の非疾患細胞(例として、正常細胞)におけるエピトランスクリプトームRNA修飾および/またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用は、対照実験として疾患細胞における発現と並行してプロファイルされ得る。1以上の非疾患細胞(例として、正常細胞)におけるエピトランスクリプトームRNA修飾および/またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用はまた、前もってプロファイルされ得、疾患細胞のプロファイルは、非疾患細胞に対するこの参照データと比較され得る。
【0012】
別の側面において、本開示は、関心のある1以上のRNAのエピトランスクリプトーム修飾またはRNA結合タンパク質と関心のある1以上のRNAとの間の相互作用をモジュレートすることができる作用物質をスクリーニングする方法を提供する。例えば、本明細書に記載のエピトランスクリプトームRNA修飾またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用をプロファイルするための方法は、1以上の候補作用物質の存在下で細胞において行われ得る。次いで、細胞における関心のある様々なエピトランスクリプトーム修飾RNAの発現および/または細胞におけるRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用のプロファイル(例として、正常細胞または疾患細胞)を、1以上の候補作用物質に曝露されなかった細胞における、同じ関心のある修飾RNAまたはRNA結合タンパク質によって結合されたRNAの発現と比較することができる。候補作用物質に曝露されなかった細胞と比較したエピトランスクリプトームRNA修飾プロファイルまたはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用のプロファイルのいずれかの違いは、関心のある1以上のRNAのエピトランスクリプトーム修飾が候補作用物質によってモジュレートされることを指し示し得る。いくつかの態様において、疾患の処置に関連することが知られている特定のシグネチャ(例として、関心のある多数のエピトランスクリプトーム修飾RNA、またはRNA結合タンパク質と関心のある多数のRNAとの間の相互作用)を使用して、エピトランスクリプトームRNA修飾および/またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用を所望の様式でモジュレートし、したがって疾患を処置することができる作用物質を同定することができる。本明細書に記載される方法およびシステムはまた、例えば、1以上の細胞が候補作用物質または公知の薬物(または、例として、化合物のスクリーニングライブラリーに提供されているような、多数の候補作用物質および/または公知の薬物の組合せ)で処置されるとき、特異的なエピトランスクリプトームRNA修飾シグネチャまたはRNA結合タンパク質-RNA相互作用シグネチャを探すことによって、特定の副作用を有する薬物を同定するために使用され得る。本明細書において記載の方法またはシステムはまた、エピトランスクリプトーム修飾またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用の基本的な生物学を研究するために有用であり得る、リサーチ試薬または化学プローブを同定するために使用され得る。
【0013】
別の側面において、本開示は、対象における疾患または障害を処置する方法を提供する。例えば、本明細書に記載されるエピトランスクリプトームRNA修飾またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用をプロファイルするための方法およびシステムは、対象(例として、疾患または障害を有すると考えられる、または有するリスクがある対象)から取り出されたサンプルからの細胞において行われ得る。次いで、細胞の関心のある1以上のRNAのエピトランスクリプトームRNA修飾プロファイルまたはRNA結合タンパク質との相互作用のプロファイルが、非疾患組織サンプルからの細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾プロファイルまたは関心のある1以上のRNAのRNA結合タンパク質との相互作用のプロファイルと比較されることができる。次いで、非疾患細胞と比較した、エピトランスクリプトームRNA修飾プロファイルまたはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用のプロファイルのいずれかの差異が観察される場合、疾患または障害の処置(例として、医薬作用物質、外科手術、放射線療法、外科手術、理学療法、生活様式の変化等)を対象へ投与し得る。1以上の非疾患細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾および/またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用は、対照実験として、疾患細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾と共にプロファイルされ得る。1以上の非疾患細胞(例として、正常細胞)におけるエピトランスクリプトームRNA修飾および/またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用もまた、以前にプロファイルされ得、疾患細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾および/またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用は、非疾患細胞についてのこの参照データと比較され得る。
【0014】
別の側面では、本開示は、第1のプローブ(本明細書において「パドロック」プローブとも称される)および第2のプローブ(本明細書において「プライマー」プローブとも称される)を含むプローブのペアを提供し、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブに相補的なオリゴヌクレオチド部分、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、およびオリゴヌクレオチドバーコード配列(例として、例えば本明細書において考察されるSEDAL配列決定による、関心のある各RNAを同定するために使用されるユニーク配列)を含み;かつ
ii)第2のプローブは、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む。
【0015】
別の側面では、本開示は、第1のプローブ(すなわち、「パドロック」プローブ)、第2のプローブ(すなわち、「スプリント」プローブ)、および第3のプローブ(すなわち、「プライマー」プローブ)を含むプローブのセットを提供し、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブは、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブは、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む。
【0016】
別の側面では、本開示は、第1のプローブ(すなわち、「パドロック」プローブ)、第2のプローブ(すなわち、「スプリント」プローブ)、および第3のプローブ(すなわち、「プライマー」プローブ)を含むプローブのセットを提供し、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブは、RNA結合タンパク質を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブは、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む。
【0017】
別の側面において、本開示は、キット(例として、本明細書において開示のプローブのペアまたはプローブのセットのいずれかを含むキット)を提供する。いくつかの態様において、キットは、本明細書において記載されるような多数のプローブのペアまたはプローブのセットを含み、それらの各々は、関心のある特異的なエピトランスクリプトーム修飾RNAまたは関心のある特定のRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用を同定するために使用され得る。特定の態様において、キットが、1を超える、2を超える、3を超える、4を超える、5を超える、10を超える、20を超える、30を超える、40を超える、50を超える、100を超える、200を超える、500を超える、1000を超える、2000を超える、または3000を超えるプローブのペアを含む。特定の態様において、キットが、1を超える、2を超える、3を超える、4を超える、5を超える、10を超える、20を超える、30を超える、40を超える、50を超える、100を超える、200を超える、500を超える、1000を超える、2000を超える、または3000を超えるプローブのセットを含む。本明細書において記載のキットはまた、細胞、リガーゼおよび/またはポリメラーゼなどの酵素、アミン修飾ヌクレオチド、RNA修飾結合作用物質(例として、一次抗体、二次抗体、タンパク質、ペプチド、アプタマー、小分子等)緩衝液、試薬(染料、染色剤、緩衝液、およびさらなるものを包含する)、およびポリマーマトリックス(例として、ポリアクリルアミドマトリックス)を作製するためのモノマーを包含するがこれらに限定されない、本明細書において記載の方法を行うのに有用なあらゆる他の試薬またはコンポーネントを包含し得る。
【0018】
別の側面において、本開示は、細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾をプロファイルするシステムを提供する。いくつかの態様において、このようなシステムは、
a)細胞(例として、単離された細胞、または無傷の組織の内部に存在する細胞);
b)第1のプローブ(すなわち、「パドロックプローブ」)および第2のプローブ(すなわち、「プライマープローブ」)を含む1以上のプローブのペアであって、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブに相補的なオリゴヌクレオチド部分、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、およびオリゴヌクレオチドバーコード配列(例として、例えば本明細書において考察されるSEDAL配列決定による、関心のある各RNAを同定するために使用されるユニーク配列)を含み;かつ
ii)第2のプローブは、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、1以上のプローブのペア;
c)顕微鏡;ならびに
d)コンピュータ
を含む。
【0019】
いくつかの態様において、本開示は、システムであって、
a)細胞;
b)第1のプローブ、第2のプローブ、および第3のプローブを含む1以上のプローブのセットであって、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブは、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブは、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、1以上のプローブのセット;
c)顕微鏡;ならびに
d)コンピュータ
を含むシステムを提供する。
【0020】
いくつかの態様において、本開示は、システムであって、
a)細胞;
b)第1のプローブ、第2のプローブ、および第3のプローブを含む1以上のプローブのセットであって、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブは、RNA結合タンパク質を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブは、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、1以上のプローブのセット;
c)顕微鏡;ならびに
d)コンピュータ
を含むシステムを提供する。
【0021】
本明細書において記載のプローブ(すなわち、プローブのペアおよびプローブのセット)のいずれも、本開示によって企図されているシステムで使用され得る。
【0022】
前述の概念、および後述する追加の概念は、本開示がこの点で限定されないため、あらゆる適切な組合せで配置され得ることが了解されるべきである。さらに、本開示の他の利点および新規な特徴は、添付の図と併せて考慮すると、様々な非限定的な態様の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0023】
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、かつ本明細書において提示されている特異的な態様の詳細な説明と組み合わせてこれらの図面の1以上を参照することによって、よりよく理解されることができる、本開示のある特異的な側面をさらに実証するために、包含されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1-1】図1は、in situでのm6A修飾RNAのプロファイルのための方法の概要を提供する。抗m6A二次抗体は、同じRNAに存在するパドロックプローブにアニーリングする重合性DNAプライマーにコンジュゲートされる。次いで、官能化cDNAアンプリコンを、共局在化DNAプライマーおよびパドロックプローブから生成する。次いで、化学的に官能化されたcDNAアンプリコンをポリアクリルアミドマトリックスに共有連結させて、組織の光学的除去および生体分子の処理を可能にする。
図1-2】図1は、in situでのm6A修飾RNAのプロファイルのための方法の概要を提供する。抗m6A二次抗体は、同じRNAに存在するパドロックプローブにアニーリングする重合性DNAプライマーにコンジュゲートされる。次いで、官能化cDNAアンプリコンを、共局在化DNAプライマーおよびパドロックプローブから生成する。次いで、化学的に官能化されたcDNAアンプリコンをポリアクリルアミドマトリックスに共有連結させて、組織の光学的除去および生体分子の処理を可能にする。
【0025】
図2A-2B】図2A~2Dは、m6A RNA修飾の単一細胞in situプロファイルの例を示す。図2Aは、m6A修飾β-アクチンRNAの検出を示す。図2B~2Cは、いくつかの陰性対照、すなわち一次抗体なし(図2B)、DNAコンジュゲートなしの二次抗体インキュベーション(図2C)、および二次抗体なし(図2D)を提供する。
図2C-2D】図2A~2Dは、m6A RNA修飾の単一細胞in situプロファイルの例を示す。図2Aは、m6A修飾β-アクチンRNAの検出を示す。図2B~2Cは、いくつかの陰性対照、すなわち一次抗体なし(図2B)、DNAコンジュゲートなしの二次抗体インキュベーション(図2C)、および二次抗体なし(図2D)を提供する。
【0026】
図3A図3A~3Dは、単一細胞in situエピトランスクリプトームプロファイルを可能にすることによって生体組織におけるRNA修飾媒介遺伝子調節を分解する方法を示す画像である。図3Aは、真核生物メッセンジャーRNAに対する様々な化学修飾を示す。すべての修飾部位の集合体は、エピトランスクリプトームと呼ばれる。
図3B図3Bは、異なる細胞型、状態、および細胞内位置にわたるエピトランスクリプトーム状態の単一細胞不均一性を示す概略図を提供する。これらの問題は、以前に開発されたバルクトランスクリプトームまたはエピトランスクリプトーム分析方法によって対処されていない。
図3C図3Cは、RNAの三次元(3D)in situ配列決定およびRNA修飾を示す。DNAコンジュゲート修飾特異的結合剤は、細胞のmRNAにハイブリダイズして無傷の組織の修飾RNAを選択的に可視化するRNA配列特異的DNAプローブと共に使用される。各RNA配列特異的プローブは、画像ベースのin situ配列決定によって読み出される遺伝子のアイデンティティをコードするバーコードを含有する。3Dにおける化学修飾状態に関するRNAのそのような高度に多重化された単一細胞定量化は、細胞型およびエピトランスクリプトーム細胞状態の単一細胞の発見を可能にする。
図3D図3Dは、脳の活動の間のRNA修飾の4つの可能な変化によって例示されるような、組織におけるRNA修飾媒介遺伝子調節の分解を示す。エピトランスクリプトームパターンのシフトは、RNA修飾経路の遺伝子発現変化と共に、異なる細胞および脳の領域における可能な遺伝子調節スキームに関する情報を提供する。in situエピトランスクリプトーム配列決定はまた、遺伝子調節機構を完全に分析するために正確な遺伝子摂動と組み合わせることができる。
【0027】
図4図4は、バルクエピトランスクリプトーム配列決定法によって解析することができないRNA修飾に関する問題を示す概略図を提供する。
【0028】
図5図5は、変異原性および非変異原性のエピトランスクリプトームRNA修飾の例を示す。
【0029】
図6図6は、脳の機能におけるm6Aの役割を示す概略図を提供する。m6A修飾は可逆的であり、かつmRNAのライフサイクルの多数の段階を調節するm6A結合タンパク質によって認識される。m6A-タンパク質複合体は、シナプスが豊富であることが見出されている。m6A経路の変化は、多数の生理学的機能に影響を及ぼし、かつ一連の精神障害に関連する。
【0030】
図7図7は、3D-m6A-seq法の概略図を提供する。脳の組織が準備された後、DNAコンジュゲート化m6A特異的結合剤は、RNA配列特異的DNAプローブと共に、無傷の組織の中の細胞mRNAにハイブリダイズする。m6A修飾部位のみがcDNAアンプリコンとして酵素的に複製されるが、非修飾RNAは増幅されない。各RNA配列特異的プローブは、in situ配列決定(SEDAL)によって読み出される、遺伝子およびm6A部位のアイデンティティをコードするバーコードを含有する。
【0031】
図8図8は、RNA修飾の単一細胞in situ配列決定を使用して実施され得る4つの例示的な生物学的調査の概略図を提供する。(1)m6Aメチロームが細胞型および領域特異的であるかどうかを決定するための皮質の3D-m6A-seqマッピングの使用;(2)活性調節遺伝子(ARG)が異なる細胞型において差次的に発現されるかどうか、およびm6Aの状態がARGと共変動するかどうかを決定するための、ニューロン培養物(KCl脱分極)またはマウス視覚皮質(暗/明条件づけ)の全体的刺激を試験するための3D-m6A-seqの使用;(3)m6Aが異なる脳領域において回路選択および様々な応答を有するかどうかを決定するための、特異的な経験(例として、急性拘束ストレス)の間のm6A動態を研究するための3D-m6A-seqの使用;および(4)単一細胞m6Aパターンおよびm6A経路タンパク質(例として、メチルトランスフェラーゼ、デメチラーゼ、および結合タンパク質)の遺伝子発現レベルの統合分析により、どの因子が様々な細胞型においてエピトランスクリプトームパターンを形作ってかつ調節された遺伝子発現を有するか、および神経刺激の間のm6A依存性遺伝子調節がすべてのニューロンについて普遍的であるか、または脳の平均活性と比較して特異的な神経回路の定義された神経細胞型においてより活性である(またはよりサイレントである)かを決定する。
【0032】
図9A図9A図9Dは、空間的エピトランスクリプトミクスの背景および応用を示す。図9Aは、m6Aおよびその関連RNA結合タンパク質(RBP)が様々な重要な経路を調節することを示す。
図9B-9C】図9Bおよび9Cは、本明細書において提供される方法が解明に適用可能であるというエピトランスクリプトミクスにおける知識のギャップを示す。
図9D図9Dは、in situ単一細胞エピトランスクリプトミクスの概略図を提供する。
【0033】
図10A図10A~10Eは、m6Aマップv1の設計および原理を示す。図10Aは、m6Aマップv1のワークフローを示す。
図10B図10Bは、PAPG-オリゴを合成するために使用されるコンジュゲーション戦略を示す。
図10C-10D】図10Cは、抗体-PAPG-オリゴ検出を介するHeLa細胞におけるアクチンβ(ACTB)部位1217 m6Aの検出を実証し、陰性対照と比べて20~30倍のシグナル富化を示す。図10Dは、抗体非依存性ビオチン化YTH-ストレプトアビジン-オリゴ検出を介したHeLa細胞における転移関連肺腺癌転写物1(MALAT1)部位2601 m6Aの検出を実証しており、陰性対照を超える富化がないことを示している。
図10E図10Eは、抗体-PAPG-オリゴ検出を介したマウスの海馬におけるMALAT1部位1248 m6Aの検出を実証し、陰性対照と比較して約15倍のシグナル富化を示す。
【0034】
図11A-11B】図11A~11Bは、PAPGに対する二次抗体の置換を示す。図11Aは、SiteClick抗体標識キットによって使用される標識ケミストリーを示す(その後のアルキン-オリゴとのコンジュゲーションは、クリックケミストリーを使用して行うことができる)。図11Bは、抗体-PAPG-オリゴ検出および抗体-抗体-オリゴ検出を介したHeLa細胞におけるACTB部位1217m6Aの検出を実証する。抗体-抗体-オリゴ検出スキームは、IgG対照群よりもはるかに低いシグナル富化を示した。
【0035】
図12A-1】図12A~12Dは、m6Aマップv2の設計および原理を示す。図12Aは、m6A-メチル化RNAおよびそれらの非メチル化対応物の同時検出を達成するm6Aマップv2のワークフローを示す。
図12A-2】図12A~12Dは、m6Aマップv2の設計および原理を示す。図12Aは、m6A-メチル化RNAおよびそれらの非メチル化対応物の同時検出を達成するm6Aマップv2のワークフローを示す。
図12B-12D】図12Bは、同じRNAを標的とするプローブの「勝者がすべてを取る」挙動を実証する:2つのSTARmapプローブのペア(参照により本明細書に組み込まれるPCT公開番号国際公開第2019/199579号を参照されたい)がHeLa細胞の同じACTB mRNAを標的とする場合、それらのうちの1つのみが各ACTB mRNA分子で増幅される。図12Cは、m6Aマップv2を介したHeLa細胞におけるMALAT1部位2601m6Aの検出を実証し、Mおよび初期のG1フェーズにおけるより高いm6A化学量論を示す。図12Dは、m6Aマップv2を介するHeLa細胞におけるACTB部位1217 m6Aの検出を実証し、非分裂細胞における、より高いm6A化学量論を示す。
【0036】
図13A図13A~13Cは、RBPマップの原理および実験結果を示す。図13Aは、単一RBP-RNA相互作用マッピングのワークフローを示す。
図13B図13Bは、3xFLAG-YTH(WT/mut)-T2A-mCherryでトランスフェクトしたHeLa細胞を、図13Aに示すワークフローを介してACTBのYTH結合について試験したことを示す。
図13C図13Cは、多重化RBP-RNAマッピングのためのワークフローを示す。各抗体は、固有のDNAプライマーにコンジュゲートされ、対応するギャップ充填プローブがそれにアニーリングされる。最初に、3部プローブがmRNAにハイブリダイズされる。次いで、異なるRBPを標的とする異なる抗体の混合物をサンプルに添加し、ライゲーションおよびRCAを続ける。プローブのバーコード情報は、in situ配列決定によって読み出されることができる。
【0037】
図14図14は、m6Aマップ100遺伝子データ収集実験における最初のラウンドの配列決定の代表的な画像を提供する。ch01およびch04はSTARmapアンプリコンに対応し、ch02およびch03はm6Aアンプリコンに対応する。
【0038】
図15A-15B】図15A~15Hは、m6Aマップv1 100遺伝子データセットの質の管理および統計の概要を示す。ウェル標識:A1:STARmap;A2-抗m6A:Abcam ab151230を用いたm6Aマップv1;A3-抗m6A:SYSY 202003を用いたm6Aマップv1;B3-抗m6A:Invitrogen RM362を用いたm6Aマップv1;B2-抗m6A:CST 2729S正常ウサギIgGを使用したm6Aマップv1の陰性対照。図15Aは、各遺伝子についての細胞あたりのリードの平均数を示す。図15Bは、各ウェルにおける信号対雑音比(抗m6Aシグナル対IgGの比率を用いて計算)を示す。
図15C-15D】図15Cは、各ウェルにおける細胞あたりの検出された遺伝子およびリードを示す。図15Dは、ウェルA2とウェルB3との間の推定された相対的なm6A化学量論の相関を示す。
図15E-15F】図15Eは、推定されたm6A化学量論とSTARmapリードとの間の相関を示す。図15Fは、各ウェルで測定された各遺伝子の相対的なm6A化学量論を示す。
図15G-15H】図15Gは、代表的な遺伝子座のm6Aマップv1対報告されたm6A化学量論による推定されたm6A化学量論の比較を提供する。図15Hは、図15Gに示すデータの散布図を提供する。
【0039】
図16A図16A~16Cは、m6Aマップv1の100遺伝子データセットの細胞内分析および細胞周期分析を示す。図16Aは、RNA細胞内局在化に対するm6A沈着の効果を示す(x軸:所与のRNAの非m6A沈着部分に対するm6A沈着部分の核百分率のlog2倍変化;y軸:p値のlog10)。
図16B図16Bは、細胞周期がFUCCI蛍光強度を用いて決定されたことを示す。
図16C図16Cは、細胞周期依存性m6A変動を有する代表的な遺伝子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
定義
別様に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術および科学用語は、この発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。以下の参考文献は、当業者に、この発明で使用される多くの用語の一般的な定義を提供する:Singleton et al.,Dictionary of Microbiology and Molecular Biology(2nd ed.1994);The Cambridge Dictionary of Science and Technology(Walker ed.,1988);The Glossary of Genetics,5th Ed.,R.Rieger et al.(eds.),Springer Verlag(1991);およびHale&Marham,The Harper Collins Dictionary of Biology(1991)。本明細書において使用される場合、以下の用語は、別様に指定されない限り、それらに帰する意味を有する。
【0041】
「投与する(administer)」、「投与すること(administering)」、および「投与(administration)」という用語は、処置もしくは治療用作用物質、または処置もしくは治療用作用物質の組成物を対象内または対象上にはめ込む、吸収する、摂取する、注射する、吸入する、または別様に導入することを指す。
【0042】
本明細書において使用される「アンプリコン」という用語は、増幅反応(すなわち、遺伝的フラグメントまたは標的配列の1以上のコピーの生成)または複製反応の産物である核酸(例として、RNA)を指す。アンプリコンは、例えば、PCRまたは他の重合反応を使用して、人工的に形成されることができる。「コンカテネートされたアンプリコン」という用語は、一緒に接合されて単一の核酸分子を形成する、多数のアンプリコンを指す。コンカテネートされたアンプリコンは、例えば、環状オリゴヌクレオチドが増幅されて、コンカテネートされた多数のアンプリコンを含む単一核酸分子としてオリゴヌクレオチドの多数の線状コピーを産生する、ローリングサークル増幅(RCA)によって形成されることができる。
【0043】
「抗体」とは、免疫グロブリンスーパーファミリーに属する糖タンパク質を指す。抗体および免疫グロブリンという用語は、互換的に使用される。いくつかの例外を除いて、哺乳動物の抗体は、典型的には、それぞれ2個の大きい重鎖および2個の小さい軽鎖を有する基本構造ユニットで作製される。いくつかの異なるタイプの抗体重鎖、およびいくつかの異なる種類の抗体が存在し、それらはそれらがどの重鎖を保有するかに基づいて、異なるアイソタイプに一緒にグループ化される。5つの異なる抗体アイソタイプ(IgG、IgA、IgE、IgD、およびIgM)が哺乳動物において知られており、これらは異なる役割を果たし、遭遇する異物の異なる各タイプに対して適切な免疫応答を導くのを助ける。本明細書において使用される「抗体」という用語はまた、抗体フラグメント、ナノボディ、および一本鎖抗体、ならびに抗体のバリアントを網羅する。「抗体バリアント」という用語はまた、抗体断片を網羅するために使用され得る。いくつかの態様において、抗体または抗体バリアントは、疾患または障害(例として、対象から取り出された細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾のプロファイルの変化に関連するもの)の処置として投与される。いくつかの態様において、抗体は、本明細書において記載されているように、オリゴヌクレオチドプローブにコンジュゲートされている。特定の態様において、抗体は、エピトランスクリプトームRNA修飾(例として、抗体は、抗m6A抗体、抗m1A抗体、抗プソイドウリジン抗体、抗m6Am抗体、抗m7G抗体、抗ac4C抗体、抗Nm抗体または抗m5C抗体である)に結合する。
【0044】
「細胞」は、本明細書において使用される場合、細胞の集団中に(例として、組織、サンプル、生検、器官、またはオルガノイド中に)存在し得る。いくつかの態様において、細胞の集団は、複数の異なる細胞型から構成される。本開示の方法およびシステムで使用するための細胞は、生物、生物に由来する単一細胞型、または細胞型の混合物内に存在することができる。天然に存在する細胞および細胞集団、遺伝子操作された細胞株、トランスジェニック動物由来の細胞、対象からの細胞等が包含される。実質的にいずれかの細胞型およびサイズが、本明細書に記載の方法およびシステムに適合されることができる。いくつかの態様において、細胞は哺乳動物細胞(例として、天然に存在する組織などの複雑な細胞集団)である。いくつかの態様において、細胞はヒト由来である。特定の態様において、細胞は、生検などの医療手順を通して、対象(例として、ヒト)から回収される。代替的に、細胞は培養された集団(例として、複雑な集団に由来する培養物、または細胞が多数の系統に分化した単一の細胞型に由来する培養物)であり得る。細胞はまた、組織サンプル中にin situで提供され得る。
【0045】
本開示の方法およびシステムでの使用が企図されている細胞型は、幹および前駆細胞(例として、胚性幹細胞、造血幹細胞、間葉系幹細胞、神経堤細胞等)、内皮細胞、筋細胞、心筋細胞、平滑筋細胞および骨格筋細胞、間葉系細胞、上皮細胞、造血細胞、T細胞などのリンパ球(例として、Thl T細胞、Th2 T細胞、ThO T細胞、細胞傷害性T細胞)およびB細胞(例として、プレB細胞)、単球、樹状細胞、好中球、マクロファージ、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、脂肪細胞、免疫細胞、ニューロン、肝細胞、ならびに特定の器官(例として、胸腺、内分泌腺、膵臓、脳、ニューロン、グリア、アストロサイト、デンドロサイト、およびそれらの遺伝的に修飾された細胞)に関与する細胞を包含するが、これらに限定されない。細胞はまた、異なるタイプの形質転換細胞または新生物細胞(例として、異なる細胞起源の癌、異なる細胞型のリンパ腫等)またはいずれかの種類の癌性細胞(例として、本明細書において開示のがんのいずれかからのもの)であり得る。異なる起源(例として、外胚葉、中胚葉、および内胚葉)の細胞はまた、本開示の方法およびシステムでの使用が企図されている。いくつかの態様において、細胞は、ミクログリア、アストロサイト、オリゴデンドロサイト、興奮性ニューロン、または抑制性ニューロンである。特定の態様において、細胞はHeLa細胞である。いくつかの態様において、多数の細胞型の細胞は、同じサンプル内に存在する。
【0046】
「相補的」という用語は、本明細書において、互いに水素結合する塩基を含む2個のオリゴヌクレオチド配列(例として、DNAまたはRNA)を指すために使用される。2つのオリゴヌクレオチド配列間の相補性の程度は、完全な相補性から相補性なし(例として、100%相補性、99%相補性、98%相補性、97%相補性、96%相補性、95%相補性、90%相補性、85%相補性、80%相補性または80%未満の相補性)まで様々であることができる。例えば、2個のオリゴヌクレオチド配列は、互いに部分的にのみ相補的であり得る(例として、本明細書において記載のプローブにおいて、ここで、プローブの部分のみが、別のプローブまたは関心のあるRNAに相補的である)。いくつかの態様において、配列は、別の配列の部分のみに相補的である。いくつかの態様において、配列は、特定の条件下(例として、特定の塩濃度、pH等)で別の配列に相補的である。
【0047】
「エピトランスクリプトーム修飾」、「エピトランスクリプトームRNA修飾」、および「転写後修飾」という用語は、本開示全体を通して互換的に使用される。エピトランスクリプトーム修飾は、細胞内のRNAのいずれかの生化学的修飾を包含する。そのような修飾は、例えば、様々な場所のヌクレオチドのメチル化を包含する化学修飾であることができる。化学的エピトランスクリプトーム修飾は、N6-メチルアデノシン(m6A)、N1-メチルアデノシン(m1A)、プソイドウリジン、N6,2'-O-ジメチルアデノシン(m6Am)、7-メチルグアノシン(m7G)、N4-アセチルシチジン(ac4C)、2'-O-メチル化(Nm)、および5-メチルシトシン(m5C)を包含するが、それらに限定されない。特定の態様において、エピトランスクリプトーム修飾は、N6-メチルアデノシン(m6A)である。他の化学的エピトランスクリプトームRNA修飾は、アデノシンからイノシンへの変異およびキューオシン(すなわち、キューオシンはRNAの別のヌクレオチドを置換する)を包含する。リボソームRNA(rRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、およびメッセンジャーRNA(mRNA)を包含するがこれらに限定されない様々な種類の細胞RNAが、エピトランスクリプトーム修飾され得る。他のエピトランスクリプトーム修飾は、Kumar,S.et al.,Frontiers in Cell and Developmental Biology.9(2021);およびHarcourt,E.M.et al.Nature.541,339-346(2017)に記載されているものを包含する。
【0048】
「ポリヌクレオチド」、「ヌクレオチド配列」、「核酸」、「核酸分子」、「核酸配列」、および「オリゴヌクレオチド」という用語は、DNAおよびRNAの一連のヌクレオチド塩基(「ヌクレオチド」とも呼ばれる)を指し、2以上のヌクレオチドのあらゆる鎖を意味する。ポリヌクレオチドは、キメラ混合物またはその誘導体もしくは修飾バージョン、および一本鎖または二本鎖であることができる。オリゴヌクレオチドは、例えば、分子の安定性、そのハイブリダイゼーションパラメータ等を改善するために、塩基モイエティ、糖モイエティ、またはリン酸骨格で修飾されることができる。「アプタマー」は、特異的な標的分子に結合するオリゴヌクレオチド分子の一種である(例として、エピトランスクリプトーム修飾)。
【0049】
「タンパク質」、「ペプチド」、または「ポリペプチド」は、ペプチド結合によって一緒に連結されたアミノ酸残基のポリマーを含む。用語は、あらゆるサイズ、構造、または機能のタンパク質、ポリペプチド、およびペプチドを指す。典型的には、タンパク質は少なくとも3アミノ酸長である。タンパク質は、個々のタンパク質またはタンパク質の集合体を指し得る。タンパク質は、天然アミノ酸のみを含有し得るが、当技術分野で知られている非天然アミノ酸(すなわち、天然には生じないが、ポリペプチド鎖に組み込まれることができる化合物)および/またはアミノ酸類似体が代替的に用いられ得る。また、タンパク質における1以上のアミノ酸は、例えば、炭水化物基、ヒドロキシル基、ホスファート基、ファルネシル基、イソファルネシル基、脂肪酸基、コンジュゲーションもしくは官能化のためのリンカー、または他の修飾などの化学的実体の付加によって修飾され得る。タンパク質はまた、単一分子であり得るか、または複数分子の複合体であり得る。タンパク質は、天然に存在するタンパク質のフラグメントまたはペプチドであり得る。タンパク質は、天然に存在する、組換え、合成、またはこれらのあらゆる組合せであり得る。タンパク質はまた、疾患または障害の処置として投与される治療用タンパク質であり得る(例として、対象から取り出された細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾のプロファイルの変化に関連するもの)。特定の態様において、タンパク質は、抗体または抗体バリアント(抗体断片を包含する)である。いくつかの態様において、タンパク質は、エピトランスクリプトームRNA修飾に結合する(例として、m6A特異的YTHドメインタンパク質)。
【0050】
「RNA結合タンパク質」は、RNAに結合すること、またはRNAのエピトランスクリプトーム修飾ができるいずれかのタンパク質を指す。例えば、RNA結合タンパク質は、RNAにエピトランスクリプトーム修飾を導入するタンパク質であり得る。RNA結合タンパク質はまた、RNAのエピトランスクリプトーム修飾を認識してかつ結合するタンパク質であり得る。特定の態様において、RNA結合タンパク質が、YTHファミリータンパク質(例として、YTHDF1、YTHDF2、YTHDF3、YTHDC1、もしくはYTHDC2)、IGF2BPファミリータンパク質(例として、IGF2BP1、IGF2BP2、もしくはIGF2BP3)、またはFMR1を含む。本明細書において提供される方法を使用してプロファイルされることができるさらなるRNA結合タンパク質はまた、Wang,X.et al.,N(6)-methyladenosine Modulates Messenger RNA Translation Efficiency.Cell 161,1388-1399,doi:10.1016/j.cell.2015.05.014(2015);Wang,X.et al.,N6-methyladenosine-dependent regulation of messenger RNA stability.Nature 505,117-120,doi:10.1038/nature12730(2014);Shi,H.et al.,YTHDF3 facilitates translation and decay of N(6)-methyladenosine-modified RNA.Cell Res 27,315-328,doi:10.1038/cr.2017.15(2017);Xiao,W.et al.,Nuclear m(6)A Reader YTHDC1 Regulates mRNA Splicing.Mol Cell 61,507-519,doi:10.1016/j.molcel.2016.01.012(2016);Roundtree,I.A.et al.,YTHDC1 mediates nuclear export of N(6)-methyladenosine methylated mRNAs.Elife 6,doi:10.7554/eLife.31311(2017);Hsu,P.J.et al.,Ythdc2 is an N(6)-methyladenosine binding protein that regulates mammalian spermatogenesis.Cell Res 27,1115-1127,doi:10.1038/cr.2017.99(2017);Huang,H.et al.,Recognition of RNA N(6)-methyladenosine by IGF2BP proteins enhances mRNA stability and translation.Nat Cell Biol 20,285-295,doi:10.1038/s41556-018-0045-z(2018);およびEdens,B.M.et al.,FMRP Modulates Neural Differentiation through m(6)A-Dependent mRNA Nuclear Export.Cell Rep 28,845-854 e845,doi:10.1016/j.celrep.2019.06.072(2019)に開示されているものを包含するが、これらに限定されない。
【0051】
「転写物」または「RNA転写物」は、DNA配列のRNAポリメラーゼが触媒する転写の結果生じる産物である。RNA転写物がDNA配列の相補的コピーである場合、それは一次転写物と称されるか、または一次転写物の転写後プロセシングに由来するRNA配列であり得、かつ成熟RNAと称される。「メッセンジャーRNA(mRNA)」は、イントロンを含まず、かつ細胞によってポリペプチドに翻訳されることができるRNAを指す。
【0052】
「サンプル」または「生物学的サンプル」という用語は、組織サンプル(組織切片、外科的生検、および組織の針生検など);細胞サンプル;または細胞画分、フラグメント、もしくは細胞小器官(細胞を溶解し、そのコンポーネントを遠心分離または別様により分離することによって得られるなど)を包含するあらゆるサンプルを指す。生物学的サンプルの他の例は、血液、血清、尿、精液、糞便、脳脊髄液、間質液、粘液、涙、汗、膿、生検組織(例として、外科的生検または針生検によって得られる)、乳頭吸引物、乳、膣液、唾液、スワブ(頬側スワブなど)、または第1の生物学的サンプルに由来する生体分子を含有するあらゆる材料を包含するが、これらに限定されない。いくつかの態様において、生物学的サンプルは、対象から取り出された外科的生検、例えば、本明細書において記載の組織のいずれかの生検である。特定の態様において、生物学的サンプルは腫瘍生検である。いくつかの態様において、サンプルは脳組織である。いくつかの態様において、組織は心臓(cardiac)組織である。いくつかの態様において、サンプルは、上皮組織、結合組織、筋組織、または神経組織である。いくつかの態様において、サンプルは中枢神経系(例として、脳)からの組織である。いくつかの態様において、本明細書に記載の方法で使用される細胞は、そのようなサンプルまたは生物学的サンプルに由来する。
【0053】
投与が企図されている「対象」は、ヒト(すなわち、あらゆる年齢群の男女、例として、小児対象(例として、乳児、小児、または青年)または成人対象(例として、若年成人、中年成人、または高齢者))または非ヒト動物を指す。いくつかの態様において、非ヒト動物は哺乳動物(例として、霊長類(例として、カニクイザルまたはアカゲザル)またはマウス)である。「ペイシェント」という用語は、疾患の処置を必要とする対象を指す。いくつかの態様において、対象はヒトである。いくつかの態様において、ペイシェントはヒトである。ヒトは、いずれかの発達段階の男性または女性であり得る。疾患または障害の処置を「必要とする」対象またはペイシェントは、限定されないが、疾患または障害の何らかのリスク因子または症候を呈するものを包含する。いくつかの態様において、対象は、非ヒト実験動物(例として、マウス、ラット、イヌ、または非ヒト霊長類)である。
【0054】
本明細書において使用される「治療用作用物質」という用語は、疾患もしくは障害を処置するため、または疾患もしくは障害の症状を低減もしくは緩和するために使用することができるいずれかの作用物質を指す。いくつかの態様において、治療用作用物質は、小分子、タンパク質、ペプチド、核酸、脂質、または炭水化物である。いくつかの態様において、治療用作用物質は、公知の薬物および/またはFDA承認薬物である。特定の態様において、タンパク質は抗体である。特定の態様において、タンパク質は抗体バリアントである。特定の態様において、タンパク質は、受容体、またはそのフラグメントもしくはバリアントである。特定の態様において、タンパク質はサイトカインである。特定の態様において、核酸は、mRNA、アンチセンスRNA、miRNA、siRNA、RNAアプタマー、二本鎖RNA(dsRNA)、ショートヘアピンRNA(shRNA)、またはアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)である。
【0055】
処置または治療用作用物質の「治療有効量」は、症状の処置において治療上の利益を提供するか、または症状に関連する1以上の症候を遅延もしくは最小化するために十分な量である。治療有効量の処置または治療用作用物質は、単独でまたは他の治療と組み合わせて、症状の処置において治療上の利益を提供する治療の量を意味する。「治療有効量」という用語は、治療全体を改善し、症候、徴候、または症状の原因を低減または回避し、および/または別の治療用作用物質の治療有効性を増強する量を網羅することができる。
【0056】
本明細書において使用される場合、「組織」は、同じ起源からの細胞およびそれらの細胞外マトリックスのグループである。一緒にすると、細胞は特異的な機能を実行する。多数の組織型の会合は、一緒になって器官を形成する。細胞は、異なる細胞型であり得る。いくつかの態様において、組織は上皮組織である。上皮組織は、器官表面(例として、皮膚、気道、軟性器官、生殖管の表面、および消化管の内側)を覆う細胞によって形成される。上皮組織は保護機能を果たし、分泌、排出、および吸収にも関与する。上皮組織の例は、単層扁平上皮、重層扁平上皮、単層立方上皮、移行上皮、偽重層上皮、円柱上皮、および腺上皮を包含するが、これらに限定されない。いくつかの態様において、組織は結合組織である。結合組織は、非生体物質(例として、細胞外マトリックス)によって分離された細胞から構成される線維性組織である。結合組織は、器官に形状を提供し、かつ器官を適所に保持する。結合組織は、線維性結合組織、骨格結合組織、および流動性結合組織を包含する。結合組織の例は、血液、骨、腱、靭帯、脂肪、および疎性結合組織を包含するが、これらに限定されない。いくつかの態様において、組織は筋組織である。筋組織は、筋細胞から形成される活動性収縮組織である。筋肉組織は、力を生成し、かつ運動を引き起こすように機能する。筋肉組織は、平滑筋(例として、器官の内側に見出されるような)、骨格筋(例として、典型的には骨に付着したような)、および心筋(例として、心臓に見出されるような、生物全体に血液を送り出すために収縮する)を包含する。いくつかの態様において、組織は神経組織である。神経組織は、中枢神経系および末梢神経系を含む細胞を包含する。神経組織は、脳、脊髄、脳神経、および脊髄神経を形成する(例として、運動ニューロン)。特定の態様において、組織は脳組織である。
【0057】
「処置」、「処置する」および「処置すること」という用語は、本明細書において記載される疾患の発症を逆転させる、緩和する、遅延させる、または進行を阻害することを指す。いくつかの態様において、処置は、疾患の1以上の徴候または症候が発症した後または観察された後(例として、予防的に、または疾患の疑いもしくはリスクを受けて)に投与され得る。他の態様において、処置は、疾患の徴候または症候の非存在下で投与され得る。例えば、処置は、症候の発症前に(例として、対象または対象の家族メンバーにおける症候歴に照らして)感受性対象へ投与され得る。処置はまた、例えば、再発を遅延または予防するために、症候が消散した後も継続され得る。いくつかの態様において、本明細書において開示されている方法を使用し、かつ健康な細胞または組織と比較して、細胞または組織におけるエピトランスクリプトームRNA修飾のプロファイルの変化を観察した後に、処置は投与され得る。
【0058】
特定の態様の詳細な記載
本明細書において記載の側面は、特異的な態様、システム、組成物、方法、またはコンフィギュレーションに限定されず、かつそのため、当然のことながら変動することができる。本明細書において使用される専門用語は、特異的な側面のみを記載する目的のものであり、かつ本明細書において具体的に定義されない限り、限定することが意図されるものではない。
【0059】
本開示は、単一細胞分解能および細胞内分解能で、細胞または多数の細胞(例として、無傷の組織の内部に存在する細胞、または単離された細胞)におけるエピトランスクリプトームRNA修飾をプロファイルするための方法、組成物およびシステムを提供する。細胞における関心のある1以上のRNAとRNA結合タンパク質(例として、関心のあるRNAのエピトランスクリプトーム修飾を導入するタンパク質)との間の相互作用をプロファイルするための方法も本開示によって提供される。本開示はまた、無傷の組織の内部の細胞を包含する細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾のプロファイル、またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用のプロファイルに基づいて、対象の疾患または障害を診断する方法を提供する。本開示はまた、疾患または障害の処置を必要とする、対象における疾患または障害を処置する方法を提供する。1以上のRNAのエピトランスクリプトーム修飾または1以上のRNAとRNA結合タンパク質との間の相互作用をモジュレートすることができる候補作用物質をスクリーニングまたは試験する方法も本開示によって提供される。本明細書において記載の方法を行うために有用であり得る、プローブのペアおよびプローブのセット、ならびに本明細書において記載のプローブのいずれかを含むキットがまた、本開示によって提供されている。
【0060】
細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾またはRNAとRNA結合タンパク質との間の相互作用をプロファイルするための方法
一側面において、本開示は、細胞における(または多数の細胞における、例として、無傷の組織における)エピトランスクリプトームRNA修飾をプロファイルする方法を提供する。本明細書において開示の方法において、細胞は、本明細書においてさらに記載され、かつ1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生するための少なくとも1つのエピトランスクリプトーム修飾を含む関心のあるRNAを同定および位置特定するために使用され得る、1以上のプローブのペアまたはプローブのセットと接触させられ得る。次いで、1以上のコンカテネートされたアンプリコンはポリマーマトリックスに埋め込まれ、配列決定されて、転写物のアイデンティティおよびポリマーマトリックス内のそれらの位置を決定し得る(例として、本明細書においてさらに記載されているようなSEDAL配列決定によって)。関心のある修飾転写物の位置を使用して、細胞内のエピトランスクリプトーム修飾RNAをプロファイルし得る。
【0061】
いくつかの態様において、本開示は、細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾をプロファイルするための方法であって:
a)細胞を、1以上のプローブのセットと接触させるステップであって、ここで各プローブのセットは、第1のプローブ(すなわち、「パドロックプローブ」)、第2のプローブ(すなわち、「スプリントプローブ」)、および第3のプローブ(すなわち、「プライマープローブ」)を含み、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列(例として、例えば本明細書において考察されるSEDAL配列決定による、関心のある各RNAを同定するために使用されるユニーク配列)、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブは、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブは、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、接触させるステップ;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生するステップ;
c)ローリングサークル増幅を行い、第3のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生するステップ;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むステップ;ならびに
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定して、細胞における関心のある各エピトランスクリプトーム修飾RNAのアイデンティティおよび位置を決定するステップ
を含む方法を提供する。
【0062】
いくつかの態様において、本開示は、細胞における(または多数の細胞における、例として、無傷の組織における)エピトランスクリプトームRNA修飾をプロファイルするための方法であって:
a)細胞を、1以上のプローブのペアと接触させるステップであって、ここで各プローブのペアは、第1のプローブ(すなわち、「パドロックプローブ」)、および第2のプローブ(すなわち、「プライマープローブ」)を含み、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブに相補的なオリゴヌクレオチド部分、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、およびオリゴヌクレオチドバーコード配列(例として、例えば本明細書において考察されるSEDAL配列決定による、関心のある各RNAを同定するために使用されるユニーク配列)を含み;かつ
ii)第2のプローブは、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、接触させるステップ;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生するステップ;
c)ローリングサークル増幅を行い、第2のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生するステップ;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むステップ;ならびに
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定して、細胞における関心のある各エピトランスクリプトーム修飾RNAのアイデンティティおよび位置を決定するステップ
を含む方法を提供する。
【0063】
いずれかのエピトランスクリプトームRNA修飾のプロファイルが本開示によって企図される。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾が、N6-メチルアデノシン(m6A)、N1-メチルアデノシン(m1A)、プソイドウリジン、N6,2'-O-ジメチルアデノシン(m6Am)、7-メチルグアノシン(m7G)、N4-アセチルシチジン(ac4C)、2'-O-メチル化(Nm)、または5-メチルシトシン(m5C)である。他のエピトランスクリプトーム修飾は、Kumar,S.et al.,Frontiers in Cell and Developmental Biology.9(2021);およびHarcourt,E.M.et al.,Nature.541,339-346(2017)に記載されているものを包含する。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾は、アデノシンからイノシンへの修飾である。いくつかの態様において、エピトランスクリプトーム修飾は、キューオシン(すなわち、キューオシンはRNAの別のヌクレオチドを置換する)、ポリアデニル化、イントロンスプライシング、またはヒストンmRNAプロセシングである。特定の態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾は、N6-メチルアデノシン(m6A)である。単一のエピトランスクリプトーム修飾は、本明細書に開示される方法を使用して細胞においてプロファイルされ得るか、または多数の異なるエピトランスクリプトーム修飾(例として、2、3、4、5、またはそれより多く)は、細胞において同時にプロファイルされ得る。
【0064】
いくつかの態様において、本明細書において開示のエピトランスクリプトームRNA修飾をプロファイルするための方法は、第1のプローブ、第2のプローブ、および第3のプローブを含む、プローブのセットの使用を企図している。そのような方法は、本明細書において「3プローブ戦略」と称されるものを利用する。プローブのセットの第2のプローブ(本明細書において「スプリントプローブ」とも称される)は、エピトランスクリプトームRNA修飾(すなわち、関心のある特定のRNAに存在する転写後修飾)を認識する部分を含む。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾に結合する第2のプローブの部分は、ペプチドを含む。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾に結合する第2のプローブの部分は、アプタマーを含む。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾に結合する第2のプローブの部分は、小分子を含む。特定の態様において、第2のプローブは、ビオチン-ストレプトアビジン相互作用を含む機構を介してエピトランスクリプトーム修飾に結合する。エピトランスクリプトームRNA修飾を認識するプローブの部分は、タンパク質(例として、抗体もしくは抗体バリアント、またはそうでなければ特異的なエピトランスクリプトーム修飾に結合することができるいずれかのタンパク質)であり得る。特定の態様において、タンパク質はPAPGである。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分は、抗体、または抗体バリアントに結合する作用物質を含む。例えば、第2のプローブは二次抗体を含み得、かつ一次抗体を使用してエピトランスクリプトームRNA修飾に結合され得る。次いで、第2のプローブの二次抗体は、エピトランスクリプトームRNA修飾に結合した一次抗体を認識する。例えば、図1を参照されたい。別の例において、第2のプローブは、エピトランスクリプトームRNA修飾に結合する抗体に結合し得るタンパク質PAPGを含み得る。エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分がタンパク質である場合、方法は、任意に、細胞をエピトランスクリプトームRNA修飾を認識する抗体と接触させることをさらに含み得、ここでエピトランスクリプトームRNA修飾を認識する抗体は、第2のプローブのタンパク質によって認識されかつ結合される(例として、PAPG)。特定の態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分は、抗体(例として、二次抗体)、または抗体バリアントを含む。エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分が二次抗体である場合、方法は、任意に、細胞を、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識し、かつ第2のプローブの二次抗体によって認識される一次抗体と接触させることをさらに含み得る。細胞は、1以上のプローブのペアと接触させられる前または後に一次抗体と接触させられ得る。特定の態様において、細胞は、1以上のプローブのペアと接触させられる前に一次抗体と接触させられる。いくつかの態様において、一次抗体は、抗m6A抗体、抗m1A抗体、抗プソイドウリジン抗体、抗m6Am抗体、抗m7G抗体、抗ac4C抗体、抗Nm抗体または抗m5C抗体である。一次抗体の代わりに、本開示はまた、本明細書において記載のプローブにおいてエピトランスクリプトームRNA修飾を直接結合することが可能なあらゆる作用物質の使用を企図している。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾を直接結合させる第2のプローブの部分は、タンパク質を含む。特定の態様において、タンパク質は、m6A特異的YTHドメインタンパク質である。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾を直接結合させる第2のプローブの部分は、抗体、または抗体バリアントを含む。
【0065】
いくつかの態様において、プローブのセットの第2のプローブは重合ブロッカーをさらに含む。重合ブロッカーは、本明細書において記載の方法のステップ(c)のローリングサークル増幅において、プライマーとしての第2のオリゴヌクレオチドプローブの使用を防ぐことが可能な何らかのモイエティであることができる。いくつかの態様において、重合ブロッカーは、第2のオリゴヌクレオチドプローブの3'端にある。重合ブロッカーは、例えば、ポリメラーゼが第2のオリゴヌクレオチドプローブを重合のためのプライマーとして使用することを防ぐ何らかの化学的モイエティであることができる。いくつかの態様において、重合ブロッカーは、ブロックされた3'ヒドロキシル基を含む(例として、3'ヒドロキシル基に酸素保護基を含む)核酸残基である。いくつかの態様において、重合ブロッカーは、3'ヒドロキシル基の代わりに水素を含む。いくつかの態様において、重合ブロッカーは、3'ヒドロキシル基の代わりに、追加のヌクレオチドが付加されることを防ぐ何らかの化学的モイエティを含む。いくつかの態様において、重合ブロッカーは反転核酸残基を含む。いくつかの態様において、重合ブロッカーは、反転アデノシン、チミン、シトシン、グアノシン、またはウリジン残基である。特定の態様において、重合ブロッカーは、反転チミン残基である。
【0066】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分に加えて、第2のプローブはまた、第1のプローブの部分に相補的な部分を含む。本明細書において提供されるプローブのセットにおいて、互いに相補的な第1および第2のプローブの部分は、各プローブのセットで同じであり得る。いくつかの態様において、互いに相補的である第1および第2のプローブの部分は、第1および第2のプローブの各々においてユニークである。いくつかの態様において、第1のプローブの部分に相補的な第2のプローブの部分は、約3~20、約4~19、約5~18、約6~17、約7~16、約8~15、約9~14、約10~13、または約11~12ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブに相補的な第2のプローブの部分が、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20ヌクレオチド長である。
【0067】
いくつかの態様において、第2のプローブの各部分は、任意のリンカーによって接続されている。いくつかの態様において、任意のリンカーはヌクレオチドリンカーである。特定の態様において、任意のリンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、本明細書において記載の方法において使用されるプローブのセットの第2のプローブは、構造:
5'-[エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分]-[第1のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、
ここで、]-[は、任意のリンカー(例として、ヌクレオチドリンカー)を含む。いくつかの態様において、]-[は、第2のプローブの2つの部分間の直接的な連結(すなわち、ホスホジエステル結合)を表す。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分およびプローブのオリゴヌクレオチド部分は、クリックケミストリー(例えば、図10Bを参照されたい)を介して互いに付着される。
【0068】
本明細書において記載の方法において使用されるプローブのセットの第1のプローブ(本明細書において「パドロック」プローブとも称される)は、第2のプローブに相補的なオリゴヌクレオチド部分を包含する。いくつかの態様において、第2のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分は、約4~20、約5~19、約6~18、約7~17、約8~16、約9~15、約10~14または約11~13ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第2のプローブに相補的な第1のプローブの部分が、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20ヌクレオチド長である。特定の態様において、第2のプローブに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分は、第1のプローブの5'端と3'端との間で分割されている。
【0069】
本明細書に開示される方法で使用されるプローブのセットの第1のプローブはまた、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む。いくつかの態様において、関心のあるRNAに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約10~30、約11~29、約12~28、約13~27、約14~26、約15~25、約16~24、約17~23、約18~22または約19~21ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、関心のあるRNAに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、または30を超えるヌクレオチド長である。
【0070】
本明細書において開示されている方法において使用されるプローブのセットの第1のプローブはまた、特異的なヌクレオチドの配列から構成されるオリゴヌクレオチドバーコード配列を含む。いくつかの態様において、第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、約1~10、約2~9、約3~8、約4~7、または約5~6ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または約10ヌクレオチド長である。本明細書において記載のオリゴヌクレオチドプローブのバーコードは、関心のあるRNA(すなわち、少なくとも1つの特定のエピトランスクリプトーム修飾で修飾されているRNA)を同定するために使用される遺伝子特異的配列を含み得る。
【0071】
第1のオリゴヌクレオチドプローブの部分のあらゆる順序での配置が、本開示によって企図されている。いくつかの態様において、第1のプローブの部分は、任意のリンカーによって別の部分に接続される。特定の態様において、任意のリンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブは、構造:
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[オリゴヌクレオチドバーコード配列]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第3のプローブに相補的な部分]-[第2のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、
ここで、]-[は、任意のヌクレオチドリンカーを含む。いくつかの態様において、]-[は、第1のプローブの2つの部分間の直接的な連結(すなわち、ホスホジエステル結合)を表す。いくつかの態様において、本明細書に提供されるプローブのセットを構成するプローブのオリゴヌクレオチド部分のいずれかは、DNAを含む。
【0072】
本明細書において提供される方法で使用されるプローブのセットの第3のプローブ(「プライマープローブ」とも称される)は、関心のあるRNAに相補的な部分、およびプローブのセットの第1のプローブに相補的な部分を含む。いくつかの態様において、関心のあるRNAに相補的な第3のプローブの部分は、10~30、11~29、12~28、13~27、14~26、15~25、16~24、17~23、18~22、または19~21ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、関心のあるRNAに相補的な第3のプローブの部分は、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブの部分に相補的な第3のプローブの部分は、5~15、6~14、7~13、8~12、または9~11ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブの部分に相補的な第3のプローブの部分は、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15ヌクレオチド長である。
【0073】
特定の態様において、プローブのセットの第3のプローブは、構造:
5'-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第1のプローブに相補的な部分]-[バーコード配列]-3'
を含み、ここで、]-[は、任意のヌクレオチドリンカーを含む。いくつかの態様において、]-[は、第1のプローブの2つの部分間の直接的な連結(すなわち、ホスホジエステル結合)を表す。
【0074】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるエピトランスクリプトームRNA修飾をプロファイルする方法は、第1のプローブおよび第2のプローブを含むプローブのペアの使用を企図する。そのような方法は、本明細書において「2プローブ戦略」と称されるものを利用する。プローブのペアの第2のプローブ(本明細書において「プライマープローブ」とも称される)は、エピトランスクリプトームRNA修飾(すなわち、関心のある特定のRNAに存在する転写後修飾)を認識する部分を含む。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾に結合する第2のプローブの部分は、ペプチドを含む。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾に結合する第2のプローブの部分は、アプタマーを含む。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾に結合する第2のプローブの部分は、小分子を含む。特定の態様において、第2のプローブは、ビオチン-ストレプトアビジン相互作用を含む機構を介してエピトランスクリプトーム修飾に結合する。エピトランスクリプトームRNA修飾を認識するプローブの部分は、タンパク質(例として、抗体もしくは抗体バリアント、またはそうでなければ特異的なエピトランスクリプトーム修飾に結合することができるいずれかのタンパク質)であり得る。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分は、抗体、または抗体バリアントに結合する作用物質を含む。例えば、第2のプローブは二次抗体を含み得、かつ一次抗体を使用してエピトランスクリプトームRNA修飾に結合され得る。次いで、第2のプローブの二次抗体は、エピトランスクリプトームRNA修飾に結合した一次抗体を認識する。例えば、図1を参照されたい。特定の態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分は、抗体(例として、二次抗体)、または抗体バリアントを含む。エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分が二次抗体である場合、方法は、任意に、細胞を、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識し、かつ第2のプローブの二次抗体によって認識される一次抗体と接触させることをさらに含み得る。細胞は、1以上のプローブのペアと接触させられる前または後に一次抗体と接触させられ得る。特定の態様において、細胞は、1以上のプローブのペアと接触させられる前に一次抗体と接触させられる。いくつかの態様において、一次抗体は、抗m6A抗体、抗m1A抗体、抗プソイドウリジン抗体、抗m6Am抗体、抗m7G抗体、抗ac4C抗体、抗Nm抗体または抗m5C抗体である。抗体の代わりに、本開示はまた、本明細書において記載のプローブにおいてエピトランスクリプトームRNA修飾を結合することが可能なあらゆる作用物質の使用を企図している。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾に結合する第2のプローブの部分は、タンパク質を含む。特定の態様において、タンパク質はPAPGである。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分がタンパク質を含む場合、方法は、細胞をエピトランスクリプトームRNA修飾を認識する抗体と接触させることをさらに含み、ここでエピトランスクリプトームRNA修飾を認識する抗体はPAPGによって認識されかつ結合される。特定の態様において、タンパク質は、エピトランスクリプトームRNA修飾に直接結合することができるm6A特異的YTHドメインタンパク質である。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾に結合する第2のプローブの部分は、修飾に直接結合し、かつ抗体または抗体バリアントを含む。
【0075】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分に加えて、プローブのペアの第2のプローブはまた、第1のプローブの部分に相補的な部分を含む。本明細書において提供されるプローブのペアにおいて、互いに相補的な第1および第2のプローブの部分は、各プローブのセットで同じであり得る。いくつかの態様において、互いに相補的である第1および第2のプローブの部分は、各プローブのペアにおいてユニークである。いくつかの態様において、第1のプローブの部分に相補的な第2のプローブの部分は、約3~20、約4~19、約5~18、約6~17、約7~16、約8~15、約9~14、約10~13、または約11~12ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブに相補的な第2のプローブの部分が、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20ヌクレオチド長である。
【0076】
いくつかの態様において、プローブのペアの第2のプローブの各部分は、任意のリンカーによって接続されている。いくつかの態様において、任意のリンカーはヌクレオチドリンカーである。特定の態様において、任意のリンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、本明細書において記載の方法において使用される第2のプローブは、構造:
5'-[エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分]-[第1のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、
ここで、]-[は、任意のリンカー(例として、ヌクレオチドリンカー)を含む。いくつかの態様において、]-[は、第2のプローブの2つの部分間の直接的な連結(すなわち、ホスホジエステル結合)を表す。
【0077】
本明細書において記載の方法において使用されるプローブのペアの第1のプローブ(本明細書において「パドロック」プローブとも称される)は、第2のプローブに相補的なオリゴヌクレオチド部分を包含する。いくつかの態様において、第2のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分は、約3~20、約4~19、約5~18、約6~17、約7~16、約8~15、約9~14、約10~13、または約11~12ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第2のプローブに相補的な第1のプローブの部分が、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20ヌクレオチド長である。特定の態様において、第2のプローブに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分は、第1のプローブの5'端と3'端との間で分割されている。
【0078】
本明細書に開示される方法で使用されるプローブのペアの第1のプローブはまた、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む。いくつかの態様において、関心のあるRNAに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約10~30、約11~29、約12~28、約13~27、約14~26、約15~25、約16~24、約17~23、約18~22または約19~21ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、関心のあるRNAに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、または30を超えるヌクレオチド長である。
【0079】
本明細書において開示されている方法において使用されるプローブのペアの第1のプローブはまた、特異的なヌクレオチドの配列から構成されるオリゴヌクレオチドバーコード配列を含む。いくつかの態様において、第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、約1~10、約2~9、約3~8、約4~7、または約5~6ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または約10ヌクレオチド長である。本明細書において記載のオリゴヌクレオチドプローブのバーコードは、関心のあるRNA(すなわち、少なくとも1つの特定のエピトランスクリプトーム修飾で修飾されているRNA)を同定するために使用される遺伝子特異的配列を含み得る。
【0080】
プローブのペアの第1のオリゴヌクレオチドプローブの部分のあらゆる順序での配置が、本開示によって企図されている。いくつかの態様において、第1のプローブの部分は、任意のリンカーによって別の部分に接続される。特定の態様において、任意のリンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブは、構造:
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[バーコード配列]-[第2のプローブに相補的な部分]-3';
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[バーコード配列]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第2のプローブに相補的な部分]-3';
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[バーコード配列]-3';
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[バーコード配列]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-3';
5'-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[バーコード配列]-[第2のプローブに相補的な部分]-3';または
5'-[バーコード配列]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第2のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、
ここで、]-[の各実例は、任意のリンカーを含む。いくつかの態様において、]-[は、第1のプローブの2つの部分間の直接的な連結(すなわち、ホスホジエステル結合)を表す。いくつかの態様において、第1のプローブおよび/または第2のプローブのオリゴヌクレオチド部分のいずれかが、DNAを含む。
【0081】
いくつかの態様において、本開示は、細胞におけるRNA結合タンパク質と関心のある1以上のRNAとの間の相互作用をプロファイルするための方法であって、方法は:
a)細胞を、1以上のプローブのセットと接触させることであって、ここで各プローブのセットは、第1のプローブ、第2のプローブ、および第3のプローブを含み、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブは、RNA結合タンパク質、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を認識する部分を含み;かつ
iii)第3のプローブは、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、接触させること;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生すること;
c)ローリングサークル増幅を行い、第3のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生すること;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むこと;ならびに
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定して、細胞におけるRNA結合タンパク質によって結合された関心のある各RNAのアイデンティティおよび位置を決定すること
を含む方法を提供する。
【0082】
いずれかのRNA結合タンパク質と1以上の関心のあるRNAとの相互作用を、本明細書において提供される方法を使用してプロファイルし得る。いくつかの態様において、RNA結合タンパク質は、RNAにエピトランスクリプトーム修飾を導入するタンパク質である。特定の態様において、RNA結合タンパク質が、YTHファミリータンパク質(例として、YTHDF1、YTHDF2、YTHDF3、YTHDC1、もしくはYTHDC2)、IGF2BPファミリータンパク質(例として、IGF2BP1、IGF2BP2、もしくはIGF2BP3)、またはFMR1を含む。本明細書において提供される方法を使用してプロファイルされることができるさらなるRNA結合タンパク質はまた、Wang,X.et al.,N(6)-methyladenosine Modulates Messenger RNA Translation Efficiency.Cell 161,1388-1399,doi:10.1016/j.cell.2015.05.014(2015);Wang,X.et al.,N6-methyladenosine-dependent regulation of messenger RNA stability.Nature 505,117-120,doi:10.1038/nature12730(2014);Shi,H.et al.,YTHDF3 facilitates translation and decay of N(6)-methyladenosine-modified RNA.Cell Res 27,315-328,doi:10.1038/cr.2017.15(2017);Xiao,W.et al.,Nuclear m(6)A Reader YTHDC1 Regulates mRNA Splicing.Mol Cell 61,507-519,doi:10.1016/j.molcel.2016.01.012(2016);Roundtree,I.A.et al.,YTHDC1 mediates nuclear export of N(6)-methyladenosine methylated mRNAs.Elife 6,doi:10.7554/eLife.31311(2017);Hsu,P.J.et al.,Ythdc2 is an N(6)-methyladenosine binding protein that regulates mammalian spermatogenesis.Cell Res 27,1115-1127,doi:10.1038/cr.2017.99(2017);Huang,H.et al.,Recognition of RNA N(6)-methyladenosine by IGF2BP proteins enhances mRNA stability and translation.Nat Cell Biol 20,285-295,doi:10.1038/s41556-018-0045-z(2018);およびEdens,B.M.et al.,FMRP Modulates Neural Differentiation through m(6)A-Dependent mRNA Nuclear Export.Cell Rep 28,845-854 e845,doi:10.1016/j.celrep.2019.06.072(2019)に開示されているものを包含するが、これらに限定されない。
【0083】
いくつかの態様において、本明細書において開示されるRNA結合タンパク質と関心のあるRNAとの間の相互作用をプロファイルするための方法は、第1のプローブ、第2のプローブおよび第3のプローブを含むプローブのセットの使用を企図する。プローブのセットの第2のプローブ(本明細書においては「スプリントプローブ」とも称される)は、RNA結合タンパク質(例として、RNAにエピトランスクリプトーム修飾を導入する酵素)を認識する部分を含む。いくつかの態様において、RNA結合タンパク質に結合する第2のプローブの部分は、ペプチドを含む。いくつかの態様において、RNA結合タンパク質に結合する第2のプローブの部分は、アプタマーを含む。いくつかの態様において、RNA結合タンパク質に結合する第2のプローブの部分は、小分子を含む。特定の態様において、第2のプローブは、ビオチン-ストレプトアビジン相互作用を含む機構を介してRNA結合タンパク質に結合する。RNA結合タンパク質を認識するプローブの部分は、タンパク質(例として、抗体もしくは抗体バリアント、またはそうでなければ特異的RNA結合タンパク質に結合することができるいずれかのタンパク質)であり得る。いくつかの態様において、RNA結合タンパク質を認識する第2のプローブの部分は、抗体、または抗体バリアントに結合する作用物質を含む。例えば、第2のプローブは二次抗体を含み得、かつ一次抗体はRNA結合タンパク質に結合するために使用され得る。次いで、第2のプローブの二次抗体は、RNA結合タンパク質に結合した一次抗体を認識する。例えば、図13Aおよび図13Cを参照されたい。特定の態様において、RNA結合タンパク質を認識する第2のプローブの部分は、抗体(例として、二次抗体)、または抗体バリアントを含む。RNA結合タンパク質を認識する第2のプローブの部分が二次抗体である場合、方法は、任意に、細胞を、RNA結合タンパク質を認識し、かつ第2のプローブの二次抗体によって認識される一次抗体と接触させることをさらに含み得る。細胞は、1以上のプローブのペアと接触させられる前または後に一次抗体と接触させられ得る。特定の態様において、細胞は、1以上のプローブのペアと接触させられる前に一次抗体と接触させられる。一次抗体の代わりに、本開示はまた、本明細書において記載のプローブのRNA結合タンパク質を認識および直接結合することが可能なあらゆる作用物質の使用を企図している。いくつかの態様において、RNA結合タンパク質に直接結合する第2のプローブの部分は、タンパク質を含む。いくつかの態様において、RNA結合タンパク質を直接結合させる第2のプローブの部分は、抗体、または抗体バリアントを含む。
【0084】
いくつかの態様において、プローブのセットの第2のプローブは重合ブロッカーをさらに含む。重合ブロッカーは、本明細書において記載の方法のステップ(c)のローリングサークル増幅において、プライマーとしての第2のオリゴヌクレオチドプローブの使用を防ぐことが可能な何らかのモイエティであることができる。いくつかの態様において、重合ブロッカーは、第2のオリゴヌクレオチドプローブの3'端にある。重合ブロッカーは、例えば、ポリメラーゼが第2のオリゴヌクレオチドプローブを重合のためのプライマーとして使用することを防ぐ何らかの化学的モイエティであることができる。いくつかの態様において、重合ブロッカーは、ブロックされた3'ヒドロキシル基を含む(例として、3'ヒドロキシル基に酸素保護基を含む)核酸残基である。いくつかの態様において、重合ブロッカーは、3'ヒドロキシル基の代わりに水素を含む。いくつかの態様において、重合ブロッカーは、3'ヒドロキシル基の代わりに、追加のヌクレオチドが付加されることを防ぐ何らかの化学的モイエティを含む。いくつかの態様において、重合ブロッカーは反転核酸残基を含む。いくつかの態様において、重合ブロッカーは、反転アデノシン、チミン、シトシン、グアノシン、またはウリジン残基である。特定の態様において、重合ブロッカーは、反転チミン残基である。
【0085】
RNA結合タンパク質を認識する部分に加えて、第2のプローブはまた、第1のプローブの部分に相補的な部分を含む。本明細書において提供されるプローブのセットにおいて、互いに相補的な第1および第2のプローブの部分は、各プローブのセットで同じであり得る。いくつかの態様において、互いに相補的である第1および第2のプローブの部分は、第1および第2のプローブの各々においてユニークである。いくつかの態様において、第1のプローブの部分に相補的な第2のプローブの部分は、約3~20、約4~19、約5~18、約6~17、約7~16、約8~15、約9~14、約10~13、または約11~12ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブに相補的な第2のプローブの部分が、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20ヌクレオチド長である。
【0086】
いくつかの態様において、第2のプローブの各部分は、任意のリンカーによって接続されている。いくつかの態様において、任意のリンカーはヌクレオチドリンカーである。特定の態様において、任意のリンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、本明細書において記載の方法において使用されるプローブのセットの第2のプローブは、構造:
5'-[RNA結合タンパク質を認識する部分]-[第1のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、
ここで、]-[は、任意のリンカー(例として、ヌクレオチドリンカー)を含む。いくつかの態様において、]-[は、第2のプローブの2つの部分間の直接的な連結(すなわち、ホスホジエステル結合)を表す。
【0087】
本明細書において記載の方法において使用されるプローブのセットの第1のプローブ(本明細書において「パドロック」プローブとも称される)は、第2のプローブに相補的なオリゴヌクレオチド部分を包含する。いくつかの態様において、第2のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分は、約4~20、約5~19、約6~18、約7~17、約8~16、約9~15、約10~14または約11~13ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第2のプローブに相補的な第1のプローブの部分が、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20ヌクレオチド長である。特定の態様において、第2のプローブに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分は、第1のプローブの5'端と3'端との間で分割されている。
【0088】
本明細書に開示されるRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用をプロファイルするための方法で使用されるプローブのセットの第1のプローブはまた、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む。いくつかの態様において、関心のあるRNAに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約10~30、約11~29、約12~28、約13~27、約14~26、約15~25、約16~24、約17~23、約18~22または約19~21ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、関心のあるRNAに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、または30を超えるヌクレオチド長である。
【0089】
本明細書において開示されている方法において使用されるプローブのセットの第1のプローブはまた、特異的なヌクレオチドの配列から構成されるオリゴヌクレオチドバーコード配列を含む。いくつかの態様において、第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、約1~10、約2~9、約3~8、約4~7、または約5~6ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または約10ヌクレオチド長である。本明細書において記載のオリゴヌクレオチドプローブのバーコードは、関心のあるRNA(すなわち、少なくとも1つのRNA結合タンパク質によって結合されるRNA)を同定するために使用される遺伝子特異的配列を含み得る。
【0090】
第1のオリゴヌクレオチドプローブの部分のあらゆる順序での配置が、本開示によって企図されている。いくつかの態様において、第1のプローブの部分は、任意のリンカーによって別の部分に接続される。特定の態様において、任意のリンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブは、構造:
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[オリゴヌクレオチドバーコード配列]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第3のプローブに相補的な部分]-[第2のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、ここで、]-[は、任意のヌクレオチドリンカーを含む。いくつかの態様において、]-[は、第1のプローブの2つの部分間の直接的な連結(すなわち、ホスホジエステル結合)を表す。いくつかの態様において、本明細書に提供されるプローブのセットを構成するプローブのオリゴヌクレオチド部分のいずれかは、DNAを含む。
【0091】
本明細書において提供されるRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用をプロファイルするための方法において使用されるプローブのセットの第3のプローブ(「プライマープローブ」とも称される)は、関心のあるRNAに相補的な部分、およびプローブのセットの第1のプローブに相補的な部分を含む。いくつかの態様において、関心のあるRNAに相補的な第3のプローブの部分は、10~30、11~29、12~28、13~27、14~26、15~25、16~24、17~23、18~22、または19~21ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、関心のあるRNAに相補的な第3のプローブの部分は、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブの部分に相補的な第3のプローブの部分は、5~15、6~14、7~13、8~12、または9~11ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブの部分に相補的な第3のプローブの部分は、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15ヌクレオチド長である。
【0092】
特定の態様において、プローブのセットの第3のプローブは、構造:
5'-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第1のプローブに相補的な部分]-[バーコード配列]-3'
を含み、ここで、]-[は、任意のヌクレオチドリンカーを含む。いくつかの態様において、]-[は、第1のプローブの2つの部分間の直接的な連結(すなわち、ホスホジエステル結合)を表す。
【0093】
本明細書において開示の方法におけるあらゆるタイプの細胞の使用が、本開示によって企図されている(例として、本明細書において記載の細胞型のいずれか)。いくつかの態様において、細胞は哺乳動物細胞である。特定の態様において、細胞はヒト細胞である。本開示はまた、エピトランスクリプトームRNA修飾または本明細書に記載のRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用を多数の細胞において同時にプロファイルするための方法を行うことを企図する。いくつかの態様において、方法は、同じ細胞型の多数の細胞に対して行われる。いくつかの態様において、方法は、異なる細胞型の細胞を含む多数の細胞に対して行われる。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用が、10を超える細胞、20を超える細胞、50を超える細胞、100を超える細胞、200を超える細胞、300を超える細胞、400を超える細胞、500を超える細胞、または1000を超える細胞において同時にプロファイルされる。エピトランスクリプトームRNA修飾またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用が本明細書に開示される方法を用いてプロファイルされ得る細胞型は、幹細胞、前駆細胞、神経細胞、アストロサイト、樹状細胞、内皮細胞、ミクログリア、オリゴデンドロサイト、筋細胞、心筋細胞、間葉系細胞、上皮細胞、免疫細胞、肝細胞、平滑筋細胞および骨格筋細胞、造血細胞、リンパ球、単球、好中球、マクロファージ、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、脂肪細胞、およびニューロンを包含するが、これらに限定されない。特定の態様において、細胞または複数の細胞は、無傷の組織内部(例として、本明細書において記載の組織型のいずれかの)に存在する。特定の態様において、無傷の組織は、固定化された組織サンプルである。いくつかの態様において、無傷の組織は、多数の細胞型を含む。いくつかの態様において、組織は、上皮組織、結合組織、筋組織、または神経組織である。特定の態様において、組織は、心臓組織、リンパ節の組織、肝臓組織、筋肉組織、骨組織、眼組織、脳組織、または耳組織である。
【0094】
本明細書において記載の方法において、エピトランスクリプトーム修飾またはRNA結合タンパク質との相互作用がプロファイルされる関心のあるRNAは、細胞のゲノムDNAから発現された転写物であり得る。いくつかの態様において、関心のあるRNAは、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、および/またはリボソームRNA(rRNA)である。いくつかの態様において、関心のあるRNAは、まだプロセシングされていない転写物(例として、プレmRNA)を含む。本明細書に記載される方法は、一度に1つの、細胞におけるエピトランスクリプトーム修飾されたRNAもしくはRNA結合タンパク質によって結合されたRNA、または関心のある多数のエピトランスクリプトーム修飾されたRNAもしくはRNA結合タンパク質によって同時に結合される関心のあるRNAをプロファイルするために使用され得る。いくつかの態様において、細胞または多数の細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用は、1を超える、2を超える、3を超える、4を超える、5を超える、10を超える、20を超える、30を超える、40を超える、50を超える、100を超える、200を超える、500を超える、1000を超える、2000を超える、または3000を超えるRNAに対して同時にプロファイルされる。
【0095】
ポリマーマトリックスは、ローリングサークル増幅後、細胞における関心のあるエピトランスクリプトーム修飾RNAまたはRNA結合タンパク質により結合される関心のあるRNAの配列決定およびイメージングを容易にするために、本明細書において記載の方法において使用される。様々なポリマーマトリックスの使用が本開示によって企図され、かつ1以上のコンカテネートされたアンプリコンが埋め込まれることができるあらゆるポリマーマトリックスが、本明細書において記載の方法での使用に適している。いくつかの態様において、ポリマーマトリックスはヒドロゲル(すなわち、親水性である架橋されたポリマーのネットワーク)である。いくつかの態様において、ヒドロゲルが、ポリビニルアルコールヒドロゲル、ポリエチレングリコールヒドロゲル、ポリアクリラートヒドロゲル、またはポリアクリルアミドヒドロゲルである。特定の態様において、ヒドロゲルはポリアクリルアミドヒドロゲルである。そのようなヒドロゲルは、例えば、アクリルアミドおよびビスアクリルアミドを含む緩衝液中でサンプルをインキュベートし、緩衝液を除去し、重合混合物(例として、過硫酸アンモニウムおよびテトラメチルエチレンジアミンを含む)中でサンプルをインキュベートすることによって準備され得る。そのような試薬はまた、キット、例として、本明細書に記載される方法のいずれかを行うためのキット、または本明細書に記載されるキットのいずれかで提供され得る。
【0096】
いくつかの態様において、ローリングサークル増幅を行い、環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生するステップは、反応性化学基で修飾されたヌクレオチド(例として、5-(3-アミノアリル)-dUTPなどのアミン修飾ヌクレオチド)を提供することをさらに含む。いくつかの態様において、反応性化学基で修飾されたヌクレオチドは、増幅反応で使用されるヌクレオチドの約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%を構成する。例えば、ローリングサークル増幅を行い、環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生するステップは、5-(3-アミノアリル)-dUTPなどのアミン修飾ヌクレオチドを提供することをさらに含み得る。増幅プロセスの間、アミン修飾ヌクレオチドは、1以上のコンカテネートされたアンプリコンが生成されるとき、それらに組み込まれる。結果として得られたアンプリコンは第一級アミンで官能化され、これは別の適合性化学モイエティ(例として、N-ヒドロキシスクシンイミド)とさらに反応されて、コンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むステップを容易にすることができる。いくつかの態様において、1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むステップは、1以上のコンカテネートされたアンプリコンのアミン修飾ヌクレオチドをアクリル酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステルと反応させること、ならびに1以上のコンカテネートされたアンプリコンおよびポリマーマトリックスを共重合させることを含む。
【0097】
本明細書において開示の方法はまた、ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定するステップを包含する。いくつかの態様において、配列決定するステップは、「動的アニーリングおよびライゲーションによるエラー低減による配列決定」(SEDAL配列決定)を行うことを含む。SEDAL配列決定は、X.et al.,Three-dimensional intact-tissue sequencing of single-cell transcriptional states.Science 2018,361,380、および2019年10月17日に公開された国際特許出願公開WO 2019/199579にさらに記載されており、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。手短には、検出可能な標識(すなわち、例えばイメージングによって、追加のオリゴヌクレオチドプローブの位置を可視化するために使用されることができる何らかの標識)を含むオリゴヌクレオチドプローブが、細胞に提供される。特定の態様において、検出可能な標識は、蛍光(例として、フルオロフォア)である。追加のオリゴヌクレオチドプローブは、第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列に相補的であり、かつこのようにして関心のあるRNAのアイデンティティに連結され、細胞内部での関心のあるRNAの位置を同定するために使用されることができる(または、方法が細胞内分解能で、例として、個々の細胞小器官の位置を同定するための染色を用いて行われる場合、細胞小器官内で)。
【0098】
本明細書において記載の方法(例として、SEDAL配列決定で使用される場合)で使用される追加のオリゴヌクレオチドプローブは、当技術分野で知られているいずれかの適切なイメージング技法を使用して読み出され得る。例えば、追加のオリゴヌクレオチドプローブがフルオロフォアを含む態様において、フルオロフォアは、関心のあるRNAを同定するためのイメージングを使用して読み出され得る。上で考察されたように、追加のオリゴヌクレオチドプローブは、関心のある特異的なRNAを検出するために使用される、第1のオリゴヌクレオチドプローブのバーコード配列に相補的な配列を含む。フルオロフォアを含む追加のオリゴヌクレオチドプローブの位置をイメージングすることによって、サンプル内部の関心のある特異的なRNAの位置は決定されることができる。いくつかの態様において、イメージングのステップは、蛍光イメージングを含む。特定の態様において、イメージングのステップは、共焦点顕微鏡法を含む。特定の態様において、イメージングのステップは、落射蛍光顕微鏡法を含む。特定の態様において、2ラウンドのイメージングが行われる。特定の態様において、3ラウンドのイメージングが行われる。特定の態様において、4ラウンドのイメージングが行われる。特定の態様において、5ラウンド以上のイメージングが行われる。
【0099】
いくつかの態様において、本明細書に記載のエピトランスクリプトームRNA修飾またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用をプロファイルするための方法は、細胞内部のさらなる分子をプロファイルするための方法と組み合わせ得る。例えば、さらなるRNA(エピトランスクリプトーム修飾されていないRNAおよびRNA結合タンパク質によって結合されていないRNAを包含する)の発現は、エピトランスクリプトーム修飾RNAまたは1以上のRNA結合タンパク質によって結合されたRNAと一緒に、エピトランスクリプトームRNA修飾またはRNA結合タンパク質を認識する部分を含まないプローブを使用してプロファイルされ得る。他の種類の分子(例として、DNA、タンパク質、炭水化物、または脂質)をプロファイルするための方法も、本明細書に記載の方法と組み合わせ得る。特定の態様において、プロファイルされるさらなる分子は、非修飾RNAである。いくつかの態様において、非修飾RNAをプロファイルすることは:
a)細胞を、1以上のプローブのペアと接触させることであって、ここで各プローブのペアは、第1のプローブおよび第2のプローブを含み、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、および関心のある非修飾RNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
ii)第2のプローブは、関心のある非修飾RNAに相補的な部分、および第1のプローブの部分に相補的な部分を含む、接触させること;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生すること;
c)ローリングサークル増幅を行い、第2のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生すること;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むこと;ならびに
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定して、細胞における関心のある各非修飾RNAのアイデンティティおよび位置を決定すること
を含む。
【0100】
いくつかの態様において、本明細書において提供される方法は、細胞のエピトランスクリプトームRNA修飾プロファイル(またはRNAとRNA結合タンパク質との間の相互作用のプロファイル)を、様々な細胞型のエピトランスクリプトームRNA修飾プロファイル(またはRNAとRNA結合タンパク質との間の相互作用のプロファイル)を含む参照データと比較することによって、プロファイルされた細胞の細胞型を決定することをさらに含む。いくつかの態様において、方法は、細胞において1以上の遺伝子を過剰発現またはノックアウトして、1以上の遺伝子が関心のあるRNAのエピトランスクリプトーム修飾に関与しているかどうかを決定することをさらに含む。いくつかの態様において、方法は、多数の時点でステップ(a)~(e)を繰り返して、細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用を経時的にプロファイルすることをさらに含む。いくつかの態様において、方法は、細胞または多数の細胞におけるエピトランスクリプトーム修飾RNAまたはRNAとRNA結合タンパク質との間の相互作用のプロファイルが無傷の組織内部の免疫応答によってどのように影響されるか、または腫瘍への近接に起因してプロファイルがどのように影響されるかを調べることをさらに含む。
【0101】
いくつかの態様において、本明細書において記載される方法のいずれかはさらに、関心のある修飾RNAの位置を細胞内分解(すなわち、細胞内部の特定の細胞小器官の内部;DNAアンプリコンのサイズおよび光学的限界の両方に依存して、約150~400nmの空間分解能)で分解することを含む。これは、当技術分野で周知の細胞小器官染色手順によって達成され得る。例えば、小胞体(ER)、細胞骨格、およびミトコンドリアなどの各種細胞小器官を染色し得る。いくつかの態様において、細胞の様々な細胞小器官を染色するために使用される作用物質は、小分子色素、抗体、および/またはタンパク質色素を含む。
【0102】
対象における疾患または障害を診断するための方法
別の側面において、本開示は、対象における疾患または障害を診断するための方法を提供する。例えば、本明細書において記載のエピトランスクリプトームRNA修飾またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用をプロファイルする方法は、対象(例として、疾患もしくは障害を有すると考えられるか、またはそれを有するリスクがある対象、あるいは健康であるか、または健康であると考えられる対象)から取り出された細胞または多数の細胞(例として、無傷の組織における)に対して行われ得る。次いで、細胞における関心のある様々なRNAの発現は、非疾患細胞または非疾患組織サンプルからの細胞(例として、健康な個体からの細胞、または健康な個体の集団からの多数の細胞)における関心のある同じRNAの発現と比較されることができる。1以上の非疾患細胞と比べた、細胞のエピトランスクリプトームRNA修飾プロファイルまたはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用のプロファイル(関心のある単一RNAまたは多数のRNAのもの、例として、特異的な疾患シグネチャを包含する)の差異はいずれも、対象が疾患または障害を有することを指し示し得る。1以上の非疾患細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用は、対照実験として疾患細胞における発現と並行してプロファイルされ得る。1以上の非疾患細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用はまた、前もってプロファイルされ得、疾患細胞における発現は、非疾患細胞に対するこの参照データと比較され得る。
【0103】
いくつかの態様において、対象における疾患または障害を診断するための方法は:
a)対象から取り出された細胞を、1以上のプローブのセットと接触させるステップであって、ここで各プローブのセットは、第1のプローブ、第2のプローブ、および第3のプローブを含み、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブは、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブは、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、接触させるステップ;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生するステップ;
c)ローリングサークル増幅を行い、第3のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生するステップ;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むステップ;ならびに
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定して、細胞における関心のある各エピトランスクリプトーム修飾RNAのアイデンティティおよび位置を決定するステップ;
を含み、
ここで、1以上の非疾患細胞と比較した、細胞のエピトランスクリプトームRNA修飾のプロファイルの差異は、対象が疾患または障害を有することを指し示す。
【0104】
いくつかの態様において、対象における疾患または障害を診断するための方法は:
a)対象から取り出された細胞(または多数の細胞における、例として、無傷の組織における)を、1以上のプローブのペアと接触させるステップであって、ここで各プローブのペアは、第1のプローブ(すなわち、「パドロックプローブ」)、および第2のプローブ(すなわち、「プライマープローブ」)を含み、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブに相補的なオリゴヌクレオチド部分、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、およびオリゴヌクレオチドバーコード配列(例として、例えば本明細書において考察されるSEDAL配列決定による、関心のある各RNAを同定するために使用されるユニーク配列)を含み;かつ
ii)第2のプローブは、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、接触させるステップ;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生するステップ;
c)ローリングサークル増幅を行い、第2のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生するステップ;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むステップ;ならびに
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定して、細胞における関心のある各エピトランスクリプトーム修飾RNAのアイデンティティおよび位置を決定するステップ;
を含み、
ここで、1以上の非疾患細胞と比較した、細胞のエピトランスクリプトームRNA修飾のプロファイルの差異は、対象が疾患または障害を有することを指し示す。
【0105】
いくつかの態様において、対象における疾患または障害を診断するための方法は:
a)対象から取り出された細胞を、1以上のプローブのセットと接触させるステップであって、ここで各プローブのセットは、第1のプローブ、第2のプローブ、および第3のプローブを含み、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブは、RNA結合タンパク質を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブは、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、接触させるステップ;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生するステップ;
c)ローリングサークル増幅を行い、第3のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生するステップ;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むステップ;ならびに
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定して、細胞におけるRNA結合タンパク質に結合された関心のある各RNAのアイデンティティおよび位置を決定するステップ;
を含み、
ここで、1以上の非疾患細胞と比較した、細胞のRNAとRNA結合タンパク質との間の相互作用のプロファイルの差異は、対象が疾患または障害を有することを指し示す。
【0106】
いくつかの態様において、1以上の非疾患細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾、または1以上の非疾患細胞におけるRNAとRNA結合タンパク質との間の相互作用は、対照実験として本明細書に開示される方法を使用して、対象から取り出された細胞と共に同時にプロファイルされる。いくつかの態様において、疾患細胞における発現と比較される、1以上の非疾患細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾のプロファイル、または1以上の非疾患細胞におけるRNAとRNA結合タンパク質との間の相互作用のプロファイルは、方法が1以上の非疾患細胞に対して前もって行われたときからの参照データを含む。対象における疾患または障害の診断のためのいずれかのエピトランスクリプトームRNA修飾のプロファイルが、本開示によって企図される。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾が、N6-メチルアデノシン(m6A)、N1-メチルアデノシン(m1A)、プソイドウリジン、N6,2'-O-ジメチルアデノシン(m6Am)、7-メチルグアノシン(m7G)、N4-アセチルシチジン(ac4C)、2'-O-メチル化(Nm)、または5-メチルシトシン(m5C)である。他のエピトランスクリプトーム修飾は、Kumar,S.et al.,Frontiers in Cell and Developmental Biology.9(2021);およびHarcourt,E.M.et al.,Nature.541,339-346(2017)に記載されているものを包含する。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾は、アデノシンからイノシンへの修飾である。いくつかの態様において、エピトランスクリプトーム修飾は、キューオシン(すなわち、キューオシンはRNAの別のヌクレオチドを置換する)、ポリアデニル化、イントロンスプライシング、またはヒストンmRNAプロセシングである。特定の態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾は、N6-メチルアデノシン(m6A)である。単一のエピトランスクリプトーム修飾は、本明細書に開示される方法を使用して対象における疾患または障害を診断するために細胞においてプロファイルされ得るか、または多数の異なるエピトランスクリプトーム修飾(例として、2、3、4、5、またはそれより多く)は、細胞において同時にプロファイルされ得る。RNAといずれかのRNA結合タンパク質との間の相互作用のプロファイルも、本開示によって企図される。いくつかの態様において、RNA結合タンパク質は、RNAにエピトランスクリプトーム修飾を導入する酵素である。特定の態様において、RNA結合タンパク質が、YTHファミリータンパク質(例として、YTHDF1、YTHDF2、YTHDF3、YTHDC1、もしくはYTHDC2)、IGF2BPファミリータンパク質(例として、IGF2BP1、IGF2BP2、もしくはIGF2BP3)、またはFMR1である。RNAと単一のRNA結合タンパク質との間の相互作用が、本明細書において開示される方法を使用して対象における疾患または障害を診断するために細胞においてプロファイルされ得る、または、多数の異なるRNA結合タンパク質(例として、2、3、4、5、またはそれより多く)との相互作用が、細胞において同時にプロファイルされ得る。
【0107】
あらゆる疾患または障害の診断が、本明細書において記載の方法によって企図されている。いくつかの態様において、疾患または障害は、遺伝性疾患、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、肝臓疾患、脾臓疾患、肺疾患、血液疾患、神経疾患、精神疾患、胃腸(GI)管疾患、尿生殖器疾患、感染症、筋骨格疾患、内分泌疾患、代謝障害、免疫障害、中枢神経系(CNS)障害、または心血管疾患である。
【0108】
いくつかの態様において、細胞は組織(例として、上皮組織、結合組織、筋組織、または神経組織)に存在する。いくつかの態様において、組織は対象からの組織サンプルである。いくつかの態様において、対象は、非ヒト実験動物(例として、マウス)である。いくつかの態様において、対象は家畜である。いくつかの態様において、対象はヒトである。いくつかの態様において、組織サンプルは、固定化された組織サンプルを含む。特定の態様において、組織サンプルは、生検(例として、骨、骨髄、乳房、胃腸管、肺、肝臓、膵臓、前立腺、脳、神経、腎臓、子宮内膜、子宮頸部、リンパ節、筋肉、または皮膚生検)である。特定の態様において、生検は腫瘍生検である。特定の態様において、組織は脳組織である。特定の態様において、組織は中枢神経系からである。
【0109】
対象における疾患または障害を処置するための方法
別の側面において、本開示は、対象における疾患または障害を処置する方法を提供する。例えば、本明細書に記載されるエピトランスクリプトームRNA修飾またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用をプロファイルするための方法は、対象(例として、疾患または障害を有すると考えられる、またはそれを有するリスクがある対象)から取り出されたサンプルからの細胞において(または多数の細胞、例として、無傷の組織において)行われ得る。次いで、細胞における1以上のRNAのエピトランスクリプトーム修飾のプロファイルまたはRNA結合タンパク質と1以上のRNAとの間の相互作用のプロファイルが、非疾患組織サンプルからの細胞におけるエピトランスクリプトーム修飾プロファイルまたは関心のある同じRNAのRNA結合タンパク質との相互作用のプロファイルと比較されることができる。次いで、非疾患細胞と比較した、細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾のプロファイルまたはRNA結合タンパク質と1以上のRNAとの間の相互作用のプロファイルのいずれかの差異が観察される場合、疾患または障害の処置を対象へ投与することができる。1以上の非疾患細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾および/またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用は、対照実験として、疾患細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾と共にプロファイルされ得る。1以上の非疾患細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾および/またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用もまた、以前にプロファイルされ得、疾患細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用のプロファイルは、非疾患細胞についてのこの参照データと比較され得る。
【0110】
いくつかの態様において、本開示は、対象における疾患または障害を処置するための方法であって:
a)対象から取り出された細胞を、1以上のプローブのセットと接触させるステップであって、ここで各プローブのセットは、第1のプローブ、第2のプローブ、および第3のプローブを含み、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブは、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブは、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、接触させるステップ;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生するステップ;
c)ローリングサークル増幅を行い、第3のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生するステップ;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むステップ;
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定して、細胞における関心のある各エピトランスクリプトーム修飾RNAのアイデンティティおよび位置を決定すること;ならびに
f)1以上の非疾患細胞と比較して、細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾のプロファイルに差異が観察される場合、疾患または障害の処置を対象へ投与するステップ
を含む方法を提供する。
【0111】
いくつかの態様において、本開示は、対象における疾患または障害を処置するための方法であって:
a)対象から取り出された細胞(または多数の細胞における、例として、無傷の組織における)を、1以上のプローブのペアと接触させるステップであって、ここで各プローブのペアは、第1のプローブ(すなわち、「パドロックプローブ」)、および第2のプローブ(すなわち、「プライマープローブ」)を含み、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブに相補的なオリゴヌクレオチド部分、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、およびオリゴヌクレオチドバーコード配列(例として、例えば本明細書において考察されるSEDAL配列決定による、関心のある各RNAを同定するために使用されるユニーク配列)を含み;かつ
ii)第2のプローブは、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、接触させるステップ;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生するステップ;
c)ローリングサークル増幅を行い、第2のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生するステップ;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むステップ;
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定して、細胞における関心のある各エピトランスクリプトーム修飾RNAのアイデンティティおよび位置を決定するステップ;ならびに
f)1以上の非疾患細胞と比較して、細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾のプロファイルに差異が観察される場合、疾患または障害の処置を対象へ投与するステップ
を含む方法を提供する。
【0112】
いくつかの態様において、本開示は、対象における疾患または障害を処置するための方法であって:
a)対象から取り出された細胞を、1以上のプローブのセットと接触させるステップであって、ここで各プローブのセットは、第1のプローブ、第2のプローブ、および第3のプローブを含み、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブは、RNA結合タンパク質を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブは、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、接触させるステップ;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生するステップ;
c)ローリングサークル増幅を行い、第3のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生するステップ;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むステップ;
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定して、細胞におけるRNA結合タンパク質によって結合された関心のある各RNAのアイデンティティおよび位置を決定するステップ;ならびに
f)1以上の非疾患細胞と比較して、細胞におけるRNAとRNA結合タンパク質との間の相互作用のプロファイルに差異が観察される場合、疾患または障害の処置を対象へ投与するステップ
を含む方法を提供する。
【0113】
いくつかの態様において、1以上の非疾患細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾、または1以上の非疾患細胞におけるRNAとRNA結合タンパク質との間の相互作用は、対照実験として本明細書において開示される方法を使用して、同時にプロファイルされる。いくつかの態様において、疾患細胞のプロファイルと比較される、1以上の非疾患細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾データ、または1以上の非疾患細胞におけるRNAとRNA結合タンパク質との間の相互作用のプロファイルは、方法が以前に非疾患細胞に対して行われた時点からの参照データを含む。
【0114】
疾患または障害に対するあらゆる適切な処置が対象へ投与され得る。いくつかの態様において、処置は、治療用作用物質を投与することを含む。いくつかの態様において、処置は手術を含む。いくつかの態様において、処置はイメージングを含む。いくつかの態様において、処置は、さらなる診断方法を行うことを含む。いくつかの態様において、処置は放射線療法を含む。いくつかの態様において、治療用作用物質は、小分子、タンパク質、ペプチド、核酸、脂質、または炭水化物である。いくつかの態様において、治療用作用物質は、公知の薬物および/またはFDA承認薬物である。特定の態様において、タンパク質は抗体である。特定の態様において、タンパク質は抗体バリアントである。特定の態様において、タンパク質は、受容体、またはそのフラグメントもしくはバリアントである。特定の態様において、タンパク質はサイトカインである。特定の態様において、核酸は、mRNA、アンチセンスRNA、miRNA、siRNA、RNAアプタマー、二本鎖RNA(dsRNA)、ショートヘアピンRNA(shRNA)、またはアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)である。
【0115】
あらゆる疾患または障害の処置が、本明細書において記載の方法によって企図されている。いくつかの態様において、疾患または障害は、遺伝性疾患、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、肝臓疾患、脾臓疾患、肺疾患、血液疾患、神経疾患、胃腸(GI)管疾患、尿生殖器疾患、感染症、筋骨格疾患、内分泌疾患、代謝障害、免疫障害、中枢神経系(CNS)障害、神経障害、眼疾患、または心血管疾患である。
【0116】
いくつかの態様において、対象はヒトである。いくつかの態様において、サンプルは生物学的サンプルを含む。いくつかの態様において、サンプルは組織サンプルを含む。特定の態様において、組織サンプルは、生検(例として、骨、骨髄、乳房、胃腸管、肺、肝臓、膵臓、前立腺、脳、神経、腎臓、子宮内膜、子宮頸部、リンパ節、筋肉、または皮膚生検)である。特定の態様において、生検は腫瘍生検である。特定の態様において、生検は固形腫瘍の生検である。いくつかの態様において、組織サンプルは脳組織サンプルである。特定の態様において、組織サンプルは中枢神経系の組織サンプルである。特定の態様において、生物学的サンプルのエピトランスクリプトームプロファイルは、糖尿病、精神障害、肝臓疾患、腎臓疾患、血液疾患、内分泌または外分泌障害、心臓疾患、化学療法などのがん治療、標的療法、免疫療法(例として、チェックポイント阻害、CAR-T、がんワクチン等)、代謝障害、または免疫および自己免疫障害などの様々な状態を処置するための薬理学的介入を包含するがこれらに限定されない治療法を導く予後判定を知らせる。
【0117】
1以上のRNAのエピトランスクリプトーム修飾をモジュレートすることが可能な作用物質をスクリーニングする方法
別の側面において、本開示は、関心のある1以上のRNAのエピトランスクリプトーム修飾をモジュレートすることまたはRNA結合タンパク質と関心のある1以上のRNAとの間の相互作用をモジュレートすることができる作用物質をスクリーニングするための方法を提供する。例えば、本明細書に記載のエピトランスクリプトームRNA修飾またはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用をプロファイルするための方法は、1以上の候補作用物質の存在下で細胞において(または多数の細胞、例として、無傷の組織において)行われ得る。次いで、細胞(例として、正常細胞または疾患細胞)における関心のある様々なエピトランスクリプトーム修飾RNAまたはRNA結合タンパク質により結合される関心のあるRNAの発現は、1以上の候補作用物質に曝露されなかった細胞における関心のある同じRNAの発現と比較されることができる。候補作用物質に曝露されなかった細胞と比較したエピトランスクリプトームRNA修飾のプロファイルまたはRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用のプロファイルのいずれかの違いは、1以上の関心のあるRNAのエピトランスクリプトーム修飾、または1以上の関心のあるRNAと1以上のRNA結合タンパク質との間の相互作用が、候補作用物質によってモジュレートされることを指し示し得る。いくつかの態様において、疾患の処置に関連することが知られている特定のシグネチャ(例として、関心のある多数のRNAのエピトランスクリプトーム修飾、またはRNA結合タンパク質と関心のある多数のRNAとの相互作用)を使用して、エピトランスクリプトームRNA修飾を所望の様式でモジュレートすることができる候補作用物質を同定することができる。本明細書において記載の方法はまた、例えば、1以上の細胞が候補作用物質または公知の薬物で処置される場合に特異的なエピトランスクリプトームRNA修飾シグネチャまたはRNA結合タンパク質と関心のあるRNAとの間の相互作用のシグネチャを探すことによって、特定の副作用を有する薬物を同定するために使用され得る。
【0118】
いくつかの態様において、本開示は、1以上のRNAのエピトランスクリプトーム修飾をモジュレートすることが可能な作用物質をスクリーニングするための方法であって:
a)候補作用物質で処置されているか、または処置された細胞を、1以上のプローブのセットと接触させるステップであって、ここで各プローブのセットは、第1のプローブ、第2のプローブ、および第3のプローブを含み、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブは、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブは、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、接触させるステップ;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生するステップ;
c)ローリングサークル増幅を行い、第3のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生するステップ;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むステップ;ならびに
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定して、細胞における関心のある各エピトランスクリプトーム修飾RNAのアイデンティティおよび位置を決定するステップ;
を含み、
ここで、候補作用物質の非存在下と比較した、候補作用物質の存在下での細胞のエピトランスクリプトームRNA修飾のプロファイルの差異は、候補作用物質がエピトランスクリプトームRNA修飾をモジュレートすることを指し示す方法を提供する。
【0119】
いくつかの態様において、本開示は、1以上のRNAのエピトランスクリプトーム修飾をモジュレートすることが可能な作用物質をスクリーニングするための方法であって:
a)候補作用物質(または、例として、化合物のスクリーニングライブラリーに提供されているような、多数の候補作用物質および/または公知の薬物の組合せ)で処置されているか、または処置された細胞(または多数の細胞における、例として、無傷の組織における)を、1以上のプローブのペアと接触させるステップであって、ここで各プローブのペアは、第1のプローブ(すなわち、「パドロックプローブ」)および第2のプローブ(すなわち、「プライマープローブ」)を含み、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブに相補的なオリゴヌクレオチド部分、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、およびオリゴヌクレオチドバーコード配列(例として、例えば本明細書において考察されるSEDAL配列決定による、関心のある各RNAを同定するために使用されるユニーク配列)を含み;かつ
ii)第2のプローブは、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、接触させるステップ;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを生成するステップ;
c)ローリングサークル増幅を行い、第2のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを生成するステップ;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むステップ;ならびに
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定し、細胞において関心のある各エピトランスクリプトーム修飾RNAのアイデンティティおよび位置を決定するステップ;
を含み、
ここで、候補作用物質の非存在下と比較した、候補作用物質の存在下での細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾のプロファイルの差異は、候補作用物質がエピトランスクリプトームRNA修飾をモジュレートすることを指し示す方法を提供する。
【0120】
いくつかの態様において、本開示は、RNAとRNA結合タンパク質との間の相互作用をモジュレートすることが可能な作用物質をスクリーニングするための方法であって、方法は:
a)対象から取り出された細胞を、1以上のプローブのセットと接触させることであって、ここで各プローブのセットは、第1のプローブ、第2のプローブ、および第3のプローブを含み、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブは、RNA結合タンパク質を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブは、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、接触させること;
b)第1のプローブの5'端および3'端を一緒にライゲーションして、環状オリゴヌクレオチドを産生すること;
c)ローリングサークル増幅を行い、第3のプローブをプライマーとして使用して環状オリゴヌクレオチドを増幅して、1以上のコンカテネートされたアンプリコンを産生すること;
d)1以上のコンカテネートされたアンプリコンをポリマーマトリックスに埋め込むこと;ならびに
e)ポリマーマトリックスに埋め込まれたコンカテネートされたアンプリコンまたはその部分を配列決定して、細胞におけるRNA結合タンパク質によって結合された関心のある各RNAのアイデンティティおよび位置を決定すること;
を含み、
ここで、候補作用物質の非存在下と比較した、候補作用物質の存在下のRNAとRNA結合タンパク質との間の相互作用のプロファイルの差異は、候補作用物質がRNAとRNA結合タンパク質との間の相互作用をモジュレートすることを指し示す方法を提供する。
【0121】
いくつかの態様において、候補作用物質は、小分子、タンパク質、ペプチド、核酸、脂質、または炭水化物である。いくつかの態様において、候補作用物質は、公知の薬物またはFDA承認薬物を含む。特定の態様において、タンパク質は抗体である。特定の態様において、タンパク質は抗体フラグメントまたは抗体バリアントである。特定の態様において、タンパク質は受容体である。特定の態様において、タンパク質はサイトカインである。特定の態様において、核酸は、mRNA、アンチセンスRNA、miRNA、siRNA、RNAアプタマー、二本鎖RNA(dsRNA)、ショートヘアピンRNA(shRNA)、またはアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)である。いくつかの態様において、多数の候補作用物質がスクリーニングライブラリーとして提供される。あらゆる候補作用物質が、本明細書において記載の方法を使用して、スクリーニングされ得る。特に、関心のある1以上のRNAのエピトランスクリプトーム修飾または関心のある1以上のRNAとRNA結合タンパク質との相互作用をモジュレートすることができると考えられるいずれかの候補作用物質が、本明細書において記載される方法を使用してスクリーニングされ得る。いくつかの態様において、候補作用物質による関心のある1以上のRNAのエピトランスクリプトーム修飾および/または関心のある1以上のRNAとRNA結合タンパク質との相互作用のモジュレートは、疾患もしくは障害の症候を低減、緩和、もしくは排除すること、または疾患もしくは障害の発症もしくは進行を予防することに関連する。いくつかの態様において、疾患または障害は、遺伝性疾患、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、肝臓疾患、脾臓疾患、肺疾患、血液疾患、神経疾患、精神疾患、胃腸(GI)管疾患、尿生殖器疾患、感染症、筋骨格疾患、内分泌疾患、代謝障害、免疫障害、中枢神経系(CNS)障害、または心血管疾患である。
【0122】
プローブ
本開示はまた、本明細書において記載のエピトランスクリプトームRNA修飾をプロファイルするための方法およびシステムで使用するためのプローブのペアを提供する。一側面において、本開示は、第1のプローブ(本明細書において「パドロック」プローブとも称される)および第2のプローブ(本明細書において「プライマー」プローブとも称される)を含むプローブのペアを提供し、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブに相補的なオリゴヌクレオチド部分、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、およびオリゴヌクレオチドバーコード配列(例として、例えば本明細書において考察されるSEDAL配列決定による、関心のある各RNAを同定するために使用されるユニーク配列)を含み;かつ
ii)第2のプローブは、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む。
【0123】
本明細書において記載のプローブのすべては、列挙されたコンポーネントの各々の間に様々なヌクレオチド長のスペーサーまたはリンカーを任意に有し得るか、またはオリゴヌクレオチドプローブのコンポーネントは、互いに直接(すなわち、ホスホジエステル結合によって)接合され得る。本明細書において記載のプローブのすべては、標準ヌクレオチドを含み得るか、または標準ヌクレオチドのいくつかは、当技術分野で知られているいずれかの修飾ヌクレオチドで置換され得る。
【0124】
プローブのペアの第2のプローブ(本明細書において「プライマープローブ」とも称される)は、エピトランスクリプトームRNA修飾(すなわち、関心のある特定のRNAに存在する転写後修飾)を認識する部分を含む。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾に結合する第2のプローブの部分は、ペプチドを含む。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾に結合する第2のプローブの部分は、アプタマーを含む。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾に結合する第2のプローブの部分は、小分子を含む。特定の態様において、第2のプローブは、ビオチン-ストレプトアビジン相互作用を含む機構を介してエピトランスクリプトーム修飾に結合する。エピトランスクリプトームRNA修飾を認識するプローブの部分は、タンパク質(例として、抗体もしくは抗体バリアント、またはそうでなければ特異的なエピトランスクリプトーム修飾に結合することができるいずれかのタンパク質)であり得る。いくつかの態様において、タンパク質はPAPGである。特定の態様において、PAPGは、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する抗体を認識してかつ結合する。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分は、抗体、または抗体バリアントに結合する作用物質を含む。例えば、第2のプローブは二次抗体を含み得、かつ一次抗体を使用してエピトランスクリプトームRNA修飾に結合され得る。次いで、第2のプローブの二次抗体は、エピトランスクリプトームRNA修飾に結合した一次抗体を認識する。例えば、図1を参照されたい。特定の態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分は、抗体(例として、二次抗体)、または抗体バリアントを含む。エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分が二次抗体である場合、二次抗体は、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する一次抗体に結合し得る。いくつかの態様において、一次抗体は、抗m6A抗体、抗m1A抗体、抗プソイドウリジン抗体、抗m6Am抗体、抗m7G抗体、抗ac4C抗体、抗Nm抗体または抗m5C抗体である。他のエピトランスクリプトーム修飾は、Kumar,S.et al.,Frontiers in Cell and Developmental Biology.9(2021);およびHarcourt,E.M.et al.,Nature.541,339-346(2017)に記載されているものを包含し、これらはそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる。抗体の代わりに、本開示はまた、本明細書において記載のプローブにおいてエピトランスクリプトームRNA修飾を結合することが可能なあらゆる作用物質の使用を企図している。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾に結合する第2のプローブの部分は、タンパク質を含む。特定の態様において、タンパク質は、m6A特異的YTHドメインタンパク質またはその部分である。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾を結合させる第2のプローブの部分は、抗体、または抗体バリアントを含む。
【0125】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分に加えて、第2のプローブはまた、第1のプローブの部分に相補的な部分を含む。本明細書において提供されるプローブのペアにおいて、互いに相補的な第1および第2のプローブの部分は、各プローブのセットで同じであり得る。いくつかの態様において、互いに相補的である第1および第2のプローブの部分は、各プローブのペアにおいてユニークである。いくつかの態様において、第1のプローブの部分に相補的な第2のプローブの部分は、約3~20、約4~19、約5~18、約6~17、約7~16、約8~15、約9~14、約10~13、または約11~12ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブに相補的な第2のプローブの部分が、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20ヌクレオチド長である。
【0126】
いくつかの態様において、第2のプローブの各部分は、任意のリンカーによって接続されている。特定の態様において、任意のリンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、リンカーは非ヌクレオチドリンカー(例として、アミノ酸、化学リンカー、ポリマー等)である。いくつかの態様において、プローブのペア第2のプローブは、構造:
5'-[エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分]-[第1のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、
ここで、]-[は、任意のリンカー(例として、ヌクレオチドリンカー)を含む。いくつかの態様において、]-[は、第2のプローブの2つの部分間の直接的な連結(すなわち、ホスホジエステル結合)を表す。
【0127】
本明細書において提供されるプローブのペアの第1のプローブ(本明細書において「パドロック」プローブとも称される)は、第2のプローブに相補的なオリゴヌクレオチド部分を包含する。いくつかの態様において、第2のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分は、約3~20、約4~19、約5~18、約6~17、約7~16、約8~15、約9~14、約10~13、または約11~12ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第2のプローブに相補的な第1のプローブの部分が、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20ヌクレオチド長である。特定の態様において、第2のプローブに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分は、第1のプローブの5'端と3'端との間で分割されている。
【0128】
本明細書において提供されるプローブのペアの第1のプローブはまた、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む。いくつかの態様において、関心のあるRNAに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約10~30、約11~29、約12~28、約13~27、約14~26、約15~25、約16~24、約17~23、約18~22または約19~21ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、関心のあるRNAに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、または30を超えるヌクレオチド長である。
【0129】
本明細書において開示されているプローブのペアの第1のプローブはまた、特異的なヌクレオチドの配列から構成されるオリゴヌクレオチドバーコード配列を含む。いくつかの態様において、第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、約1~10、約2~9、約3~8、約4~7、または約5~6ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または約10ヌクレオチド長である。本明細書において記載のオリゴヌクレオチドプローブのバーコードは、関心のあるRNA(すなわち、少なくとも1つのエピトランスクリプトーム修飾で修飾されているRNA)を同定するために使用される遺伝子特異的配列を含み得る。
【0130】
第1のオリゴヌクレオチドプローブの部分のあらゆる順序での配置が、本開示によって企図されている。いくつかの態様において、第1のプローブの各部分は、任意のリンカーによって接続されている。いくつかの態様において、任意のリンカーはヌクレオチドリンカーである。特定の態様において、任意のリンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、任意のリンカーは、ヌクレオチド以外の他のタイプの連結を含む(例として、化学リンカー、ペプチドリンカー等)。いくつかの態様において、第1のプローブは、構造:
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[バーコード配列]-[第2のプローブに相補的な部分]-3';
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[バーコード配列]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第2のプローブに相補的な部分]-3';
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[バーコード配列]-3';
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[バーコード配列]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-3';
5'-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[バーコード配列]-[第2のプローブに相補的な部分]-3';または
5'-[バーコード配列]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第2のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、
ここで、]-[の各実例は、任意のリンカーを含む。いくつかの態様において、]-[は、第1のプローブの2つの部分間の直接的な連結(すなわち、ホスホジエステル結合)を表す。いくつかの態様において、第1のプローブおよび/または第2のプローブのオリゴヌクレオチド部分のいずれかが、DNAを含む。
【0131】
本開示はまた、本明細書において記載のエピトランスクリプトームRNA修飾をプロファイルするための方法およびシステムで使用するためのプローブのセットを提供する。一側面において、本開示は、第1のプローブ(本明細書において「パドロック」プローブとも称される)、および第2のプローブ(本明細書において「スプリント」プローブとも称される)、および第3のプローブ(本明細書において「プライマー」プローブとも称される)を含むプローブのペアを提供し、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブは、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブは、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む。
【0132】
本明細書において記載のプローブのセットのプローブのすべては、列挙されたコンポーネントの各々の間に様々なヌクレオチド長のスペーサーまたはリンカーを任意に有し得るか、またはオリゴヌクレオチドプローブのコンポーネントは、互いに直接(すなわち、ホスホジエステル結合によって)接合され得る。本明細書において記載のプローブのすべては、標準ヌクレオチドを含み得るか、または標準ヌクレオチドのいくつかは、当技術分野で知られているいずれかの修飾ヌクレオチドで置換され得る。
【0133】
プローブのセットの第2のプローブ(本明細書において「スプリントプローブ」とも称される)は、エピトランスクリプトームRNA修飾(すなわち、関心のある特定のRNAに存在する転写後修飾)を認識する部分を含む。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾に結合する第2のプローブの部分は、ペプチドを含む。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾に結合する第2のプローブの部分は、アプタマーを含む。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾に結合する第2のプローブの部分は、小分子を含む。特定の態様において、第2のプローブは、ビオチン-ストレプトアビジン相互作用を含む機構を介してエピトランスクリプトーム修飾に結合する。エピトランスクリプトームRNA修飾を認識するプローブの部分は、タンパク質(例として、抗体もしくは抗体バリアント、またはそうでなければ特異的なエピトランスクリプトーム修飾に結合することができるいずれかのタンパク質)であり得る。特定の態様において、タンパク質はPAPGである。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分は、抗体、または抗体バリアントに結合する作用物質を含む。例えば、第2のプローブは二次抗体を含み得、かつ一次抗体を使用してエピトランスクリプトームRNA修飾に結合され得る。次いで、第2のプローブの二次抗体は、エピトランスクリプトームRNA修飾に結合した一次抗体を認識する。例えば、図1を参照されたい。別の例において、第2のプローブは、エピトランスクリプトームRNA修飾に結合する抗体に結合し得るタンパク質PAPGを含み得る。いくつかの態様において、PAPGは抗体を認識してかつ結合し、かつ抗体はエピトランスクリプトームRNA修飾を認識してかつ結合する。特定の態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する第2のプローブの部分は、抗体(例として、二次抗体)、または抗体バリアントを含む。いくつかの態様において、二次抗体は、エピトランスクリプトームRNAを認識してかつ結合する一次抗体を認識してかつ結合する。細胞は、1以上のプローブのペアと接触させられる前または後に一次抗体と接触させられ得る。特定の態様において、細胞は、1以上のプローブのペアと接触させられる前に一次抗体と接触させられる。いくつかの態様において、一次抗体は、抗m6A抗体、抗m1A抗体、抗プソイドウリジン抗体、抗m6Am抗体、抗m7G抗体、抗ac4C抗体、抗Nm抗体または抗m5C抗体である。一次抗体の代わりに、本開示はまた、本明細書において記載のプローブにおいてエピトランスクリプトームRNA修飾を直接結合することが可能なあらゆる作用物質の使用を企図している。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾を直接結合させる第2のプローブの部分は、タンパク質を含む。特定の態様において、タンパク質は、m6A特異的YTHドメインタンパク質である。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾を直接結合させる第2のプローブの部分は、抗体、または抗体バリアントを含む。
【0134】
いくつかの態様において、プローブのセットの第2のプローブは重合ブロッカーをさらに含む。重合ブロッカーは、本明細書において記載の方法のステップ(c)のローリングサークル増幅において、プライマーとしての第2のオリゴヌクレオチドプローブの使用を防ぐことが可能な何らかのモイエティであることができる。いくつかの態様において、重合ブロッカーは、第2のオリゴヌクレオチドプローブの3'端にある。重合ブロッカーは、例えば、ポリメラーゼが第2のオリゴヌクレオチドプローブを重合のためのプライマーとして使用することを防ぐ何らかの化学的モイエティであることができる。いくつかの態様において、重合ブロッカーは、ブロックされた3'ヒドロキシル基を含む(例として、3'ヒドロキシル基に酸素保護基を含む)核酸残基である。いくつかの態様において、重合ブロッカーは、3'ヒドロキシル基の代わりに水素を含む。いくつかの態様において、重合ブロッカーは、3'ヒドロキシル基の代わりに、追加のヌクレオチドが付加されることを防ぐ何らかの化学的モイエティを含む。いくつかの態様において、重合ブロッカーは反転核酸残基を含む。いくつかの態様において、重合ブロッカーは、反転アデノシン、チミン、シトシン、グアノシン、またはウリジン残基である。特定の態様において、重合ブロッカーは、反転チミン残基である。
【0135】
エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分に加えて、第2のプローブはまた、第1のプローブの部分に相補的な部分を含む。本明細書において提供されるプローブのセットにおいて、互いに相補的な第1および第2のプローブの部分は、各プローブのセットで同じであり得る。いくつかの態様において、互いに相補的である第1および第2のプローブの部分は、第1および第2のプローブの各々においてユニークである。いくつかの態様において、第1のプローブの部分に相補的な第2のプローブの部分は、約3~20、約4~19、約5~18、約6~17、約7~16、約8~15、約9~14、約10~13、または約11~12ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブに相補的な第2のプローブの部分が、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20ヌクレオチド長である。
【0136】
いくつかの態様において、第2のプローブの各部分は、任意のリンカーによって接続されている。いくつかの態様において、任意のリンカーはヌクレオチドリンカーである。特定の態様において、任意のリンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、本明細書において記載のプローブのセットの第2のプローブは、構造:
5'-[エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分]-[第1のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、
ここで、]-[は、任意のリンカー(例として、ヌクレオチドリンカー)を含む。いくつかの態様において、]-[は、第2のプローブの2つの部分間の直接的な連結(すなわち、ホスホジエステル結合)を表す。
【0137】
本明細書において記載のプローブのセットの第1のプローブ(本明細書において「パドロック」プローブとも称される)は、第2のプローブに相補的なオリゴヌクレオチド部分を包含する。いくつかの態様において、第2のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分は、約4~20、約5~19、約6~18、約7~17、約8~16、約9~15、約10~14または約11~13ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第2のプローブに相補的な第1のプローブの部分が、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20ヌクレオチド長である。特定の態様において、第2のプローブに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分は、第1のプローブの5'端と3'端との間で分割されている。
【0138】
本明細書に開示されるプローブのセットの第1のプローブはまた、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む。いくつかの態様において、関心のあるRNAに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約10~30、約11~29、約12~28、約13~27、約14~26、約15~25、約16~24、約17~23、約18~22または約19~21ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、関心のあるRNAに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、または30を超えるヌクレオチド長である。
【0139】
本明細書において開示されているプローブのセットの第1のプローブはまた、特異的なヌクレオチドの配列から構成されるオリゴヌクレオチドバーコード配列を含む。いくつかの態様において、第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、約1~10、約2~9、約3~8、約4~7、または約5~6ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または約10ヌクレオチド長である。本明細書において記載のオリゴヌクレオチドプローブのバーコードは、関心のあるRNA(すなわち、少なくとも1つの特定のエピトランスクリプトーム修飾で修飾されているRNA)を同定するために使用される遺伝子特異的配列を含み得る。
【0140】
第1のオリゴヌクレオチドプローブの部分のあらゆる順序での配置が、本開示によって企図されている。いくつかの態様において、第1のプローブの部分は、任意のリンカーによって別の部分に接続される。特定の態様において、任意のリンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブは、構造:
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[オリゴヌクレオチドバーコード配列]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第3のプローブに相補的な部分]-[第2のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、
ここで、]-[は、任意のヌクレオチドリンカーを含む。いくつかの態様において、]-[は、第1のプローブの2つの部分間の直接的な連結(すなわち、ホスホジエステル結合)を表す。いくつかの態様において、本明細書に提供されるプローブのセットを構成するプローブのオリゴヌクレオチド部分のいずれかは、DNAを含む。
【0141】
本明細書において提供されるプローブのセットの第3のプローブ(「プライマープローブ」とも称される)は、関心のあるRNAに相補的な部分、およびプローブのセットの第1のプローブに相補的な部分を含む。いくつかの態様において、関心のあるRNAに相補的な第3のプローブの部分は、10~30、11~29、12~28、13~27、14~26、15~25、16~24、17~23、18~22、または19~21ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、関心のあるRNAに相補的な第3のプローブの部分は、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブの部分に相補的な第3のプローブの部分は、5~15、6~14、7~13、8~12、または9~11ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブの部分に相補的な第3のプローブの部分は、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15ヌクレオチド長である。
【0142】
特定の態様において、プローブのセットの第3のプローブは、構造:
【0143】
5'-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第1のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、ここで、]-[は、任意のヌクレオチドリンカーを含む。いくつかの態様において、]-[は、第1のプローブの2つの部分間の直接的な連結(すなわち、ホスホジエステル結合)を表す。
【0144】
本開示はまた、本明細書に記載されるRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用をプロファイルするための方法およびシステムにおいて使用するためのプローブのセットを提供する。一側面において、本開示は、第1のプローブ(本明細書において「パドロック」プローブとも称される)、および第2のプローブ(本明細書において「スプリント」プローブとも称される)、および第3のプローブ(本明細書において「プライマー」プローブとも称される)を含むプローブのペアを提供し、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブは、RNA結合タンパク質を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブは、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む。
【0145】
RNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用をプロファイルするためのプローブのセットの第2のプローブ(本明細書においては「スプリントプローブ」とも称される)は、RNA結合タンパク質を認識する部分(例として、RNAにエピトランスクリプトーム修飾を導入する酵素)を含む。いくつかの態様において、RNA結合タンパク質に結合する第2のプローブの部分は、ペプチドを含む。いくつかの態様において、RNA結合タンパク質に結合する第2のプローブの部分は、アプタマーを含む。いくつかの態様において、RNA結合タンパク質に結合する第2のプローブの部分は、小分子を含む。特定の態様において、第2のプローブは、ビオチン-ストレプトアビジン相互作用を含む機構を介してRNA結合タンパク質に結合する。RNA結合タンパク質を認識するプローブの部分は、タンパク質(例として、抗体もしくは抗体バリアント、またはそうでなければ特異的RNA結合タンパク質に結合することができるいずれかのタンパク質)であり得る。いくつかの態様において、RNA結合タンパク質を認識する第2のプローブの部分は、抗体、または抗体バリアントに結合する作用物質を含む。例えば、第2のプローブは二次抗体を含み得、かつ一次抗体はRNA結合タンパク質に結合するために使用され得る。次いで、第2のプローブの二次抗体は、RNA結合タンパク質に結合した一次抗体を認識する。例えば、図13Aおよび図13Cを参照されたい。特定の態様において、RNA結合タンパク質を認識する第2のプローブの部分は、抗体(例として、二次抗体)、または抗体バリアントを含む。いくつかの態様において、二次抗体は、RNA結合タンパク質を認識する一次抗体を認識してかつ結合する。細胞は、1以上のプローブのペアと接触させられる前または後に一次抗体と接触させられ得る。特定の態様において、細胞は、1以上のプローブのペアと接触させられる前に一次抗体と接触させられる。一次抗体の代わりに、本開示はまた、本明細書において記載のプローブのRNA結合タンパク質を認識および直接結合することが可能なあらゆる作用物質の使用を企図している。いくつかの態様において、RNA結合タンパク質に直接結合する第2のプローブの部分は、タンパク質を含む。いくつかの態様において、RNA結合タンパク質を直接結合させる第2のプローブの部分は、抗体、または抗体バリアントを含む。
【0146】
いくつかの態様において、プローブのセットの第2のプローブは重合ブロッカーをさらに含む。重合ブロッカーは、本明細書において記載の方法のステップ(c)のローリングサークル増幅において、プライマーとしての第2のオリゴヌクレオチドプローブの使用を防ぐことが可能な何らかのモイエティであることができる。いくつかの態様において、重合ブロッカーは、第2のオリゴヌクレオチドプローブの3'端にある。重合ブロッカーは、例えば、ポリメラーゼが第2のオリゴヌクレオチドプローブを重合のためのプライマーとして使用することを防ぐ何らかの化学的モイエティであることができる。いくつかの態様において、重合ブロッカーは、ブロックされた3'ヒドロキシル基を含む(例として、3'ヒドロキシル基に酸素保護基を含む)核酸残基である。いくつかの態様において、重合ブロッカーは、3'ヒドロキシル基の代わりに水素を含む。いくつかの態様において、重合ブロッカーは、3'ヒドロキシル基の代わりに、追加のヌクレオチドが付加されることを防ぐ何らかの化学的モイエティを含む。いくつかの態様において、重合ブロッカーは反転核酸残基を含む。いくつかの態様において、重合ブロッカーは、反転アデノシン、チミン、シトシン、グアノシン、またはウリジン残基である。特定の態様において、重合ブロッカーは、反転チミン残基である。
【0147】
RNA結合タンパク質を認識する部分に加えて、第2のプローブはまた、第1のプローブの部分に相補的な部分を含む。本明細書において提供されるプローブのセットにおいて、互いに相補的な第1および第2のプローブの部分は、各プローブのセットで同じであり得る。いくつかの態様において、互いに相補的である第1および第2のプローブの部分は、第1および第2のプローブの各々においてユニークである。いくつかの態様において、第1のプローブの部分に相補的な第2のプローブの部分は、約3~20、約4~19、約5~18、約6~17、約7~16、約8~15、約9~14、約10~13、または約11~12ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブに相補的な第2のプローブの部分が、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20ヌクレオチド長である。
【0148】
いくつかの態様において、第2のプローブの各部分は、任意のリンカーによって接続されている。いくつかの態様において、任意のリンカーはヌクレオチドリンカーである。特定の態様において、任意のリンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、プローブのセットの第2のプローブは、構造:
5'-[RNA結合タンパク質を認識する部分]-[第1のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、
ここで、]-[は、任意のリンカー(例として、ヌクレオチドリンカー)を含む。いくつかの態様において、]-[は、第2のプローブの2つの部分間の直接的な連結(すなわち、ホスホジエステル結合)を表す。
【0149】
本明細書に記載のRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用をプロファイルするための方法で使用されるプローブのセットの第1のプローブ(本明細書において「パドロック」プローブとも称される)は、第2のプローブに相補的なオリゴヌクレオチド部分を包含する。いくつかの態様において、第2のプローブの部分に相補的な第1のプローブの部分は、約4~20、約5~19、約6~18、約7~17、約8~16、約9~15、約10~14または約11~13ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第2のプローブに相補的な第1のプローブの部分が、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20ヌクレオチド長である。特定の態様において、第2のプローブに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分は、第1のプローブの5'端と3'端との間で分割されている。
【0150】
本明細書に開示されるRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用をプロファイルするための方法で使用されるプローブのセットの第1のプローブはまた、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む。いくつかの態様において、関心のあるRNAに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約10~30、約11~29、約12~28、約13~27、約14~26、約15~25、約16~24、約17~23、約18~22または約19~21ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、関心のあるRNAに相補的な第1のプローブのオリゴヌクレオチド部分が、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、または30を超えるヌクレオチド長である。
【0151】
本明細書において開示されているプローブのセットの第1のプローブはまた、特異的なヌクレオチドの配列から構成されるオリゴヌクレオチドバーコード配列を含む。いくつかの態様において、第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、約1~10、約2~9、約3~8、約4~7、または約5~6ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブのオリゴヌクレオチドバーコード配列が、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または約10ヌクレオチド長である。本明細書において記載のオリゴヌクレオチドプローブのバーコードは、関心のあるRNA(すなわち、少なくとも1つのRNA結合タンパク質によって結合されるRNA)を同定するために使用される遺伝子特異的配列を含み得る。
【0152】
第1のオリゴヌクレオチドプローブの部分のあらゆる順序での配置が、本開示によって企図されている。いくつかの態様において、第1のプローブの部分は、任意のリンカーによって別の部分に接続される。特定の態様において、任意のリンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブは、構造:
5'-[第2のプローブに相補的な部分]-[オリゴヌクレオチドバーコード配列]-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第3のプローブに相補的な部分]-[第2のプローブに相補的な部分]-3'
を含み、
ここで、]-[は、任意のヌクレオチドリンカーを含む。いくつかの態様において、]-[は、第1のプローブの2つの部分間の直接的な連結(すなわち、ホスホジエステル結合)を表す。いくつかの態様において、本明細書に提供されるプローブのセットを構成するプローブのオリゴヌクレオチド部分のいずれかは、DNAを含む。
【0153】
本明細書において提供されるRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用をプロファイルするための方法において使用されるプローブのセットの第3のプローブ(「プライマープローブ」とも称される)は、関心のあるRNAに相補的な部分、およびプローブのセットの第1のプローブに相補的な部分を含む。いくつかの態様において、関心のあるRNAに相補的な第3のプローブの部分は、10~30、11~29、12~28、13~27、14~26、15~25、16~24、17~23、18~22、または19~21ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、関心のあるRNAに相補的な第3のプローブの部分は、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブの部分に相補的な第3のプローブの部分は、5~15、6~14、7~13、8~12、または9~11ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、第1のプローブの部分に相補的な第3のプローブの部分は、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15ヌクレオチド長である。
【0154】
特定の態様において、プローブのセットの第3のプローブは、構造:
5'-[関心のあるRNAに相補的な部分]-[第1のプローブに相補的な部分]-[バーコード配列]-3'
を含み、ここで、]-[は、任意のヌクレオチドリンカーを含む。いくつかの態様において、]-[は、第1のプローブの2つの部分間の直接的な連結(すなわち、ホスホジエステル結合)を表す。
【0155】
本明細書において記載のプローブのすべては、列挙されたコンポーネントの各々の間に様々なヌクレオチド長のスペーサーまたはリンカーを任意に有し得るか、またはオリゴヌクレオチドプローブのコンポーネントは、互いに直接(すなわち、ホスホジエステル結合によって)接合され得る。本明細書において記載のプローブのすべては、標準ヌクレオチドを含み得るか、または標準ヌクレオチドのいくつかは、当技術分野で知られているいずれかの修飾ヌクレオチドで置換され得る。
【0156】
いくつかの態様において、本開示は、本明細書において記載されているように、多数のプローブのペアまたはプローブのセットを含む複数のプローブを提供する。特定の態様において、複数のプローブにおける各プローブのペアまたはプローブのセットは、関心のある異なるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む。いくつかの態様において、複数のプローブは、1を超える、2を超える、3を超える、4を超える、5を超える、10を超える、20を超える、30を超える、40を超える、50を超える、100を超える、200を超える、500を超える、1000を超える、2000を超える、または3000を超えるプローブのペアまたはプローブのセットを含む。
【0157】
いくつかの側面において、本開示は、本明細書に記載のプローブのいずれかの多数のセットを含むライブラリーを提供する。いくつかの側面において、本開示は、本明細書において提供されるプローブのいずれかの多数のペアを含むライブラリーを提供する。いくつかの側面において、本開示は、本明細書において提供されるプローブのセットまたはペアからの多数の第1のプローブ、本明細書において提供されるプローブのセットまたはペアからの多数の第2のプローブ、または本明細書において提供されるプローブのセットからの多数の第3のプローブを含むライブラリーを提供する。
【0158】
キット
本開示によってキットも提供される。一側面において、提供されるキットは、本明細書において記載されているように、1以上のプローブを含み得る。いくつかの態様において、キットは、本明細書において記載のプローブのペアまたはプローブのセット、または多数のプローブのペアまたはプローブのセットのいずれかを含む。特定の態様において、キットが、1を超える、2を超える、3を超える、4を超える、5を超える、10を超える、20を超える、30を超える、40を超える、50を超える、100を超える、200を超える、500を超える、1000を超える、2000を超える、または3000を超えるプローブのペアまたはプローブのセットを含む。いくつかの態様において、キットは、容器(例として、バイアル、アンプル、ボトル、および/またはディスペンサーパッケージ、または他の適切な容器)をさらに含み得る。キットはまた、対照実験を行うための細胞を含み得る。いくつかの態様において、キットは、本明細書において開示の方法を行うための他の試薬(例として、リガーゼまたはポリメラーゼなどの酵素、本明細書において記載されているようなアミン修飾ヌクレオチド、一次抗体、二次抗体、緩衝液、および/またはポリマーマトリックス(例として、ポリアクリルアミドマトリックス)を作製するための試薬およびモノマー))をさらに含み得る。いくつかの態様において、キットは、細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾をプロファイルするために有用である。いくつかの態様において、キットは、エピトランスクリプトーム修飾RNA(すなわち、キットはまた、関心のある未修飾RNAをプロファイルするためのプローブのペアを包含する)と共に未修飾RNAをプロファイルするためにさらに有用である。いくつかの態様において、キットは、細胞におけるRNA結合タンパク質とRNAとの間の相互作用をプロファイルするために有用である。いくつかの態様において、キットは、対象における疾患を診断するために有用である。いくつかの態様において、キットは、1以上のRNAのエピトランスクリプトーム修飾をモジュレートすることが可能な作用物質をスクリーニングするために有用である。いくつかの態様において、キットは、対象における疾患または障害を診断するために有用である。いくつかの態様において、キットは、対象における疾患または障害を処置するために有用である。特定の態様において、本明細書において記載のキットは、キットを使用するための説明書をさらに包含する。
【0159】
システム
一側面において、本開示は、細胞におけるエピトランスクリプトームRNA修飾をプロファイルするためのシステムを提供する。いくつかの態様において、このようなシステムは、
a)細胞(または多数の細胞における、例として、無傷の組織における);
b)第1のプローブ(すなわち、「パドロックプローブ」)および第2のプローブ(すなわち、「プライマープローブ」)を含む1以上のプローブのペアであって、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブに相補的なオリゴヌクレオチド部分、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、およびオリゴヌクレオチドバーコード配列(例として、例えば本明細書において考察されるSEDAL配列決定による、関心のある各RNAを同定するために使用されるユニーク配列)を含み;かつ
ii)第2のプローブは、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、1以上のプローブのペア;
c)顕微鏡;ならびに
d)コンピュータ
を含む。
【0160】
いくつかの態様において、本開示は、システムであって、
a)細胞;
b)第1のプローブ、第2のプローブ、および第3のプローブを含む1以上のプローブのセットであって、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブは、エピトランスクリプトームRNA修飾を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブは、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、1以上のプローブのセット;
c)顕微鏡;ならびに
d)コンピュータ
を含むシステムを提供する。
【0161】
いくつかの態様において、本開示は、システムであって、
a)細胞;
b)第1のプローブ、第2のプローブ、および第3のプローブを含む1以上のプローブのセットであって、ここで:
i)第1のプローブは、第2のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分、オリゴヌクレオチドバーコード配列、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第3のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;
ii)第2のプローブは、RNA結合タンパク質を認識する部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含み;かつ
iii)第3のプローブは、関心のあるRNAに相補的なオリゴヌクレオチド部分、および第1のプローブの部分に相補的なオリゴヌクレオチド部分を含む、1以上のプローブのセット;
c)顕微鏡;ならびに
d)コンピュータ
を含むシステムを提供する。
【0162】
本明細書において記載のプローブ(すなわち、プローブのペア)のいずれも、本開示によって企図されているシステムで使用され得る。いくつかの態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾が、N6-メチルアデノシン(m6A)、N1-メチルアデノシン(m1A)、プソイドウリジン、N6,2'-O-ジメチルアデノシン(m6Am)、7-メチルグアノシン(m7G)、N4-アセチルシチジン(ac4C)、2'-O-メチル化(Nm)、または5-メチルシトシン(m5C)である。特定の態様において、エピトランスクリプトームRNA修飾は、N6-メチルアデノシン(m6A)である。
【0163】
いくつかの態様において、システムは、コンピュータで動作するソフトウェアをさらに含む。いくつかの態様において、システムは、他の試薬(例として、リガーゼまたはポリメラーゼなどの酵素、本明細書において記載されているようなアミン修飾ヌクレオチド、一次抗体、二次抗体、緩衝液、および/またはポリマーマトリックス(例として、ポリアクリルアミドマトリックス)を作製するための試薬およびモノマー))をさらに含み得る。
【0164】

例1:in situでのエピトランスクリプトームの単一細胞プロファイル
染色体構造から細胞表面タンパク質ディスプレイまでの広範囲の個別情報を網羅する、一連の単一細胞マルチオミクス技術が開発されている。本明細書に記載のエピトランスクリプトームRNA修飾の単一細胞プロファイルのための方法論は、その顕著な汎用性および様々な用途に適合させる能力に起因して、単一細胞マルチオミクス技術の分野においてユニークである。RNA-ヒドロゲル架橋、代謝標識、DNAバーコード化およびin situ配列決定を包含する様々な化学的および生物工学的ツールが本明細書に記載の方法で組み合わされて、高スループット様式でエピトランスクリプトームRNA修飾を検出する。本明細書に記載の方法は、RNA修飾を理解し、かつエピトランスクリプトーム修飾に関連するヒトの疾患の理解を深めるために有用である。
【0165】
トランスクリプトームの化学修飾は、RNA活性、プロセシング(例として、プレmRNAの)、安定性、輸送および翻訳の調節において重要な役割を果たす。細胞RNAのこれらの化学修飾は多様かつ遍在的であり、遺伝子発現の調節における複雑性のさらなる層を提供する。エピトランスクリプトミクスは第2世代配列決定において研究されてきたが、RNA修飾の理解を進めるために、天然の細胞環境ならびに多重化され、かつハイスループットな方法で修飾RNAの空間的配置を研究する戦略が必要である。本明細書に記載の方法は、RNA修飾結合部分(例として、RNA修飾結合抗体)をオリゴヌクレオチドプライマーとコンジュゲートさせるプローブの使用を通じてこれら2つの問題に対処する。したがって、特異的なエピトランスクリプトーム修飾を有するRNAのアイデンティティを、プローブに存在するオリゴヌクレオチドバーコード配列を使用して連続的に解読および同定することができる(図1)。
【0166】
この方法の有用性は、最も豊富で一般的なRNA修飾の1つである、N6-メチルアデノシン(m6A)、mRNAのプロセシング、翻訳、および分解における重要なエピトランスクリプトームマーカーの検出によって実証される。m6A修飾β-アクチン転写物が細胞において検出された(図2A~2D)。β-アクチンは、m6Aによって修飾された細胞において一般的かつ豊富なmRNAである。生の画像は、β-アクチンmRNAに対応するシグナルが、いくつかの陰性対照(図2B~2D)と比較して見られることができる(図2A)ことを示す。
【0167】
例2:無傷の組織におけるRNA修飾の単一細胞in situ分析
最近の証拠は、RNA修飾が微妙な構造修飾だけでなく、活性遺伝子調節因子でもあることを示している3。特に、mRNA修飾(例として、N6-メチルアデノシン)は、スプライシング、核外輸送、貯蔵、細胞局在化、翻訳、および崩壊を包含する、出生から死亡までのRNA転写物のライフサイクルのほぼすべての段階に影響を及ぼす3。しかし、mRNA修飾が非化学量論的である理由は依然として不明である。所与の遺伝子について、多くの修飾部位は100%マークされておらず、かついくつかのRNA脱修飾酵素は修飾の状態を動的に調整する。これらの対照的なRNA修飾状態が、バルクサンプリングによってひどく混乱するmRNA挙動においてどのような役割を果たすかを決定するために、新しい方法が必要とされる。mRNA修飾が細胞内側のmRNAの細胞内位置にどのように影響するかも不明である。mRNA修飾の非化学量論的性質を考えると、少なくとも2つの妥当な仮説がある:単一細胞内において、タンパク質産生の位置および持続時間を正確に制御するために、異なる修飾状態を有するmRNAは異なる時空間特性を有する;または明らかな非化学量論は、以前の測定がすべて数百万個の細胞で行われたため、異なる細胞の状態および細胞型を混合した結果である。最後に、mRNA修飾の効果が異なる細胞型および状態間でどのように異なっているかも不明である。バルクエピトランスクリプトーム配列決定の結果は、異なる器官が異なる発生および疾患段階にわたって変化する異なるエピトランスクリプトシグネチャを有することを明らかにした3。さらに、いずれかの所与の器官内部の細胞型の多様性を考えると、細胞型特異的修飾パターンを明らかにするために単一細胞エピトランスクリプトーム配列決定法が必要とされる。この多様性を分析することが、エピトランスクリプトーム経路のより深い理解を可能にする。
【0168】
現在のバルクエピトランスクリプトーム配列決定法は、これらが入力材料として数百万個の細胞を必要とすることを包含する、多くの制限を有する。これは、単一分子の化学量論および単一細胞感度の喪失をもたらす。さらに、発生経路および神経組織などの空間的関係が不可欠な適用において、解離した組織サンプルは不十分である。5現在、RNA修飾のためのイメージング法は、一度に1つの遺伝子のみを標的とするか、または遺伝子アイデンティティによって区別せずにすべての修飾部位を合計として検出することができる。多くの修飾RNAが大きな遺伝子群として調節されていることは注目に値する。したがって、有意義なデータ解析のために、少なくとも数百の改変遺伝子を同時に(理想的にはトランスクリプトーム全体で)測定する必要がある。
【0169】
全体として、本明細書に記載の方法は、空間分解能を有する単一細胞エピトランスクリプトームプロファイルのための形質転換ツールボックスを表す。そのようなシステムは、多様な生物学的プロセスにおいて広範な用途を有する。RNA修飾が細胞核の内側で複製するすべての真核細胞およびRNAウイルスの間で共有されると考え、RNA修飾は、がん、免疫学、RNAウイルス学等において活発に研究されてきた。さらに、これらの修飾の空間的分布は、神経科学、幹細胞分化、および発生生物学を包含する分野で重要である可能性が高い。本明細書に記載の方法はまた、RNA修飾が様々な細胞型にわたって細胞の機能をどのように調節するか、および単一細胞事象が組織の機能にどのように集合的に影響するかについての既存のアプローチおよび新しい科学的知識によってチャート化することができない脳の統合的トランスクリプトームおよびエピトランスクリプトーム空間細胞アトラスを提供する潜在可能性を有する。m6Aに加えて、同様の戦略を使用してアプローチすることができる他のタイプのmRNA修飾(例として、1-メチルアデノシン、プソイドウリジン等)がある。さらに、tRNAは、多数の多様な修飾を有する。3増加する証拠は、それらが様々なシグナル、ストレス、およびヒト疾患に応答してタンパク質翻訳にも影響を及ぼし得ることを指し示している。3、5
【0170】
N6-メチルアデノシン(m6A)は、すべての高等真核生物のメッセンジャーRNAに存在する最も一般的な内部修飾である。この修飾は非化学量論的であり、欠損が脊椎動物において致死的であるm6Aメチルトランスフェラーゼ複合体METTL3/14(「ライタ」)によって据え付けられる;その存在は、発達、妊孕性、および栄養代謝に影響を及ぼすm6Aデメチラーゼ(ALKBH5/FTO;「イレイサ」)によってさらに動的に調節される。3m6A結合タンパク質のAファミリーであるYTHDFおよびYTHDCは、m6A修飾mRNAを特異的に認識し、mRNAのスプライシング、輸送、翻訳、および分解を調節する。12、13合わせて、m6A調節タンパク質は、幹細胞の分化および動物の発達中に不可欠な、高速応答および制御可能なタンパク質産生による遺伝子発現を付与する3、14
【0171】
げっ歯類のバルクm6A配列決定は、m6Aが全脳トランスクリプトームで一般的であり、数千のコード遺伝子および数百の非コード遺伝子を修飾することを明らかにした(図6)。15、16動物におけるm6A経路の研究は、m6Aが皮質形成、マウスの中脳におけるドーパミン作動性シグナル伝達、ハエにおける飛行および歩行行動、成体マウスにおける神経発生、ならびにマウスにおける軸索再生を包含するニューロン機能をモジュレートすることを示唆した。m6Aのアップレギュレーションは、脳の成熟、行動経験、および記憶形成と共に起こることが観察されており、m6A蓄積と脳活性との間の関連を示唆している6。正常な生理学的プロセスに加えて、m6Aメチルトランスフェラーゼおよびデメチラーゼのm6A存在量および遺伝的バリアントは、注意欠陥/多動性障害(ADHD)、大鬱病性障害(MDD)、嗜癖、てんかん、および神経変性に関連している17
【0172】
しかしながら、m6Aと脳機能との間の関連のこれらの早期発見にもかかわらず、関連と機構との間には依然として膨大な知識のギャップがある。単一細胞RNA配列決定は、数百の分子的に定義された細胞型を明らかにした18が、バルクm6A-seqは、単一細胞レベルでm6Aエピトランスクリプトームの潜在的な多様性をマスクする。例えば、m6AデメチラーゼFTOは、meso-線条体-前頭前領域のドーパミンシグナル伝達報酬回路を介して報酬行動を調節し19、m6A依存性遺伝子調節が、定義された神経細胞型においてより深くかつ特異的な神経回路に偏っている可能性があることを示唆している。さらに、多くの脳関連研究は、細胞培養物のm6Aから発見された分子機構を直接認識してかつ利用して、マウスの表現型を説明する。そのような方法論は、m6A経路が多数の酵素および結合タンパク質に関与し、かつそれらの異なる組合せが劇的に異なる機能的結果をもたらすことができるので、問題となる可能性がある。さらに、そのようなin vitro実験は、これらの細胞挙動の文脈依存性の多くを除去する。したがって、in vitro細胞培養モデルを使用する代わりに、関心のある動物モデルにおいてm6Aエピトランスクリプトームを直接研究して行動表現型を説明することが非常に望ましい。要するに、無傷の組織におけるin situ m6A-seqの欠如が重要な制限であり、かつ本明細書に記載の方法がこれらの問題に対処することは明らかである。
【0173】
3D-m6A-seqのための方法は、m6A特異的結合剤、近接増幅、およびin situ RNA配列決定(図7)を利用することによって開発された:(1)m6A-結合剤(抗m6A抗体または生化学的に精製されたm6A特異的YTHドメインタンパク質12、13)をDNAプライマーとコンジュゲートさせ、かつ関心のあるサンプルを染色するために使用する;(2)次いで、DNAパドロックプローブを使用して、m6A部位に近接するRNA配列にハイブリダイズさせる。バルクm6A-seqから以前に得られたm6A部位は、これらのプローブの設計を知らせ、そのライブラリーは、数千のm6A部位の高度に多重化された標的化を可能にする;(3)パドロックプローブをRNA鋳型DNAリガーゼ(例として、SplintR)によって環状化する;(4)次いで、m6A部位に近い環状化DNAプローブをローリングサークル増幅(RCA、数千のタンデムリピート)によって増幅するが、非メチル化部位に近いものは、環状化に必要なm6A結合剤に結合した相補的プライマーの欠如に起因して増幅することができない;(5)各パドロックプローブは、遺伝子アイデンティティ(>1000個の遺伝子)をコードするための5塩基またはそれより長いバーコード、および転写物内のm6A部位アイデンティティ(5ラウンドの配列決定は、転写物あたり最大20の部位を可能にする;>99%のm6A修飾遺伝子は、転写物あたり<20の部位を有する)をコードするための別の1塩基バーコードを含有する;ならびに(6)遺伝子アイデンティティおよびm6A部位アイデンティティを、それぞれ6ラウンドの組み合わせSEDAL配列決定および5ラウンドの連続SEDAL配列決定によって読み出す11。そのような3D-m6A-seqの結果は、遺伝子アイデンティティ、3D座標、およびm6Aピークの数/位置で分解された単一のRNA分子の集合である。そのようなデータが直接可視化および分析されて、細胞内分解能で遺伝子発現の空間分布を明らかにすることができる(DNAアンプリコンのサイズおよび光学限界の両方に依存して、約150~400nmの空間分解能11)。細胞体染色(例として、Nissl染色)および細胞セグメント化の後、RNAは各細胞に帰属し得る。次いで、データを、同時細胞型分類、遺伝子発現の単一細胞変異の評価、およびm6Aメチル化状態について分析することができる。
【0174】
以前の研究は、証拠:(1)活性調節遺伝子(ARG)およびシナプスRNAがm6A修飾されている;(2)m6A経路の破壊は、神経可塑性および長期記憶の形成を損なう;および(3)動物が定義された種類の行動(恐怖、報酬、ストレス等)に関与すると、全体的なm6A存在量が変化するということに基づいて、m6Aと神経活性との間の強い関連を確立している。本明細書に開示される方法は、細胞内分解能での全体的な神経刺激中のm6Aの時空間パターンをさらに分析するのに有用である。3D-m6A-seqを適用して、神経活性の分子レベルの調査のための最も確立された2つの生物学的システム:初代神経細胞培養物の塩化カリウム(KCl)脱分極およびマウスの暗/明条件づけを研究することができる(図8)11。刺激前後の一連の時点でサンプルを収集して、全体的なニューロン刺激に応答したm6Aエピトランスクリプトームの時空間動態および単一細胞多様性を追跡し、前初期遺伝子(IEG)対後応答遺伝子(LRG)におけるm6A RNAの分布を評価することができる。
【0175】
単一細胞分解m6Aパターンを得た後、そのようなパターンを形作る遺伝子調節機構をさらに特定することができる。この問題に対処するための2つのアプローチを使用することができる:(1)タンパク質が発現およびm6Aパターンの変化に関連する仮説を生成するためのm6A関連タンパク質の発現レベル(メチルトランスフェラーゼ、デメチラーゼ、および結合タンパク質)と共に単一細胞m6Aパターンの統合分析;(2)どの因子が異なる細胞型におけるエピトランスクリプトーム遺伝子発現調節に影響を及ぼし得るかを決定するための細胞型特異的遺伝子摂動(ノックダウンまたは過剰発現)実験。
【0176】
既存のバルクエピトランスクリプトーム配列決定法は、入力材料として数百万個の細胞を必要とし、単一分子の化学量論、単一細胞感度、および空間分解能がない。RNA修飾の現在のイメージング方法は、一度に1つの遺伝子のみを標的とすることができ、または遺伝子アイデンティティを区別することなくすべての修飾部位を合計として検出することができる。RNA修飾の3D in situ配列決定は、前例のない分解能および精度でエピトランスクリプトームの同時かつ高度に多重化されたマッピング:無傷の生体組織における数千の遺伝子の3D座標を用いた単一分子化学量論を可能にする。
【0177】
例3:単一細胞エピトランスクリプトミクスの三次元in situプロファイル
トランスクリプトームは、上流ゲノムから下流プロテオームに情報を伝達し、多数の細胞プロセスを調節する極めて重要な機構として働く。近年、単一細胞RNA配列決定および空間的トランスクリプトーム技術は、あらゆる種類の生物学的サンプルのトランスクリプトームのマッピングに成功しており、様々なシステムにおける複雑な細胞間不均一性を明らかにしている。しかし、RNA配列以外の追加の情報がトランスクリプトームに埋め込まれている。エピトランスクリプトームと呼ばれるこの追加情報は、すなわち、mRNAの合成、転座、翻訳、および分解に及ぶmRNAのライフサイクルのほぼすべての段階を調節するのに重要な、N6-メチルアデノシン(m6A)などのmRNA上の化学修飾、およびそれらに関連するRNA結合タンパク質(RBP)を包含する。エピトランスクリプトームの空間的に分解された単一細胞プロファイルを知ることは、mRNAが異なる細胞型および状態においてどのように調節されるかをより完全に理解するために重要である。さらに、m6Aの細胞内分布およびパターンがm6Aの調節的役割とどのように関連するかについてはほとんど知られていない。本開示は、細胞内分解能でのm6Aの3次元(3D)in situプロファイルのための最先端技術プラットフォームであるin situ m6Aマッピング(m6A-map)のための方法を記載する。この方法は、m6Aの空間分布に関する新鮮な視点を提供することを目的として、細胞内レベルでイメージングベースの単一細胞の記述を生成するために使用される。基本的な研究の観点から、この方法は、他のRNA修飾、それらの関連するRBP、およびそれらの相互作用の理解を助けるために一般化することができる。無傷の組織へのm6Aマップの適用はまた、異常なm6Aレベルに関連する疾患および障害の原因の同定および発症の理解を容易にする。
【0178】
異なる細胞の状態およびタイプをよりよく理解するために、トランスクリプトームレベルで不均一性をマッピングするための様々な単一細胞および空間トランスクリプトームプロファイル法が開発されているが、これらのツールは、不均一なトランスクリプトームの根底にある機構を明らかにするのではなく、細胞の状態を描写するにすぎない。したがって、エピゲノムおよびエピトランスクリプトームは、mRNAライフサイクルのすべての段階の調節を司る核酸によって運ばれる追加の情報をこれらが包含するので、空間分解能で単一細胞レベルにおいて調べられる必要がある。
【0179】
すべてのエピトランスクリプトーム修飾の中で、m6Aは、mRNAで最も豊富であり、おそらく最も重要な修飾であり、mRNA翻訳効率、安定性、転位およびスプライシングを調節することが報告されている(図9A)。さらに、m6Aは、学習および記憶、がんの進行、および神経変性を包含する組織レベルでの多くの生物学的過程にも関係している。したがって、異なる細胞が不均一なm6Aメチロームを呈し、かつそれらのトランスクリプトームを調節するために異なる方法でm6Aを利用する可能性が高い。
【0180】
それにもかかわらず、エピトランスクリプトーム研究における単一細胞分解能の欠如は、生体組織におけるm6Aパターンの不均一性を覆い隠し、かつm6Aが異なる細胞型にわたって遺伝子発現をどのように調節するかを分析する能力を損なう。これまでのところ、mRNAが異なる細胞型および状態においてm6Aによってどのように調節されるか、ならびに細胞内分布パターンがm6Aの調節的役割とどのように関連するかについてはほとんど知られていない(図9B)。例えば、細胞型/状態特異的m6Aメチロームが正確に何であるか、同じ細胞型はm6Aメチロームに基づいて顆粒サブタイプに分けられることができるかどうか、m6A-mRNAおよび非m6A-mRNAが細胞内レベルおよび組織レベルで異なる局在化を呈するかどうか、どのように不均一なm6Aが異なる細胞型においてRNAライフサイクルの異なる動態に影響するか、および多くの他のそのような疑問は未回答のままである(図9C)。
【0181】
以前に、m6A修飾を定性的および定量的に検出するための様々なツールが開発されてきたが、それらはいずれも、高スループットおよび単一細胞、単一ベース、および空間分解能を同時に提供しない。本開示は、以前の方法の上述の制限を克服し、かつ細胞内分解能でm6Aメチロームを分解する新規な方法であるm6A-マップ(m6Aの単一細胞in situマッピング)を記載する(図9D)。
【0182】
HeLa細胞における方法の設計および開発(m6Aマップv1)
最初に、各セットがプライマーおよび5'リン酸化されたユニークバーコード化パドロックプローブを含む3部プローブの2セットを、各推定m6A部位の横のmRNA領域にin situでハイブリダイゼーションした。高感度かつ特異的なm6A検出を達成するために、m6Aの認識は、オリゴヌクレオチドプローブ(プローブのセットの第3のプローブ)の動員と連結された。抗体のFc領域を特異的に認識するキメラタンパク質であるPAPGは、オリゴにコンジュゲートされる(図10B)。オリゴは、パドロックプローブのin situ近接ライゲーションのためのスプリントプローブとして働く。このようにして、m6Aを有する部位のみが、それらの対応するパドロックプローブを環状化させる。さらに、自己蛍光および光散乱を克服するために、環状化パドロックプローブが、in situのローリングサークル増幅(RCA)を使用して増幅された。アンプリコンの位置を保存し、多数のラウンドの配列決定およびストリッピング中に細胞の構造を安定化するために、増幅産物(アンプリコン)が第一級アミン基で官能化されるように、アミノ-アリル-dUTPがRCA反応にスパイクされ、これは、メタクリル酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MA-NHS)によってさらにアクリロイル化され、ポリアクリルアミドヒドロゲルネットワークに埋め込まれた。最後に、パドロックプローブのバーコードは、in situで配列決定され、最大数千の遺伝子(図10A)の多重性を達成した。細胞培養物および組織の両方における単一のm6A部位(ACTBおよびMALAT1)の検出は、非特異的IgG対照群に対して抗m6A群で15~30倍のシグナル富化で実証されている(図10Cおよび10E)。
【0183】
上記ワークフローにおいて、PAPGは二次抗体に置き換えられ得る。二次抗体は、例えば、SiteClick抗体標識キット(図11A)を用いてオリゴにコンジュゲートされることができる。m6Aマップv1は、ウサギ二次抗体(図11B)で試験された。抗体非依存性ビオチン化-YTH-ストレプトアビジン-オリゴ検出スキームも試験された(図10D)。
【0184】
方法は、多数の方法で最適化されることもできる。例えば:(1)プローブの最適な場所は、関心のあるm6A部位から10ntであることが分かった;(2)偽陽性であるrRNA m6A部位からのm6Aシグナルを低減させるために、m6A部位を含有するrRNA配列にハイブリダイズすることができるrRNAブロッキングプローブが、ハイブリダイゼーション混合物に添加されることができる;および(3)ハイブリダイゼーション後のプロテイナーゼ処置の前にmRNAをヒドロゲルに固定することにより、サンプルへのより良好な抗体拡散を可能にすることができる(例として、RNAと優先的に反応するEDCを使用して、重合性ハンドルをRNAに結合させることができる)。
【0185】
Hela細胞における方法の設計および開発(m6Aマップv2)
m6Aマップv1は、m6A修飾RNAのみを検出することができ、非メチル化RNAを検出することはできないが、以下の考慮事項を考えると、メチル化および非メチル化RNAの両方を同時に検出することは非常に有益である:(1)マーカー遺伝子発現を使用した細胞の状態または細胞型の分類;(2)特定の遺伝子からのより高いm6Aシグナルがより高い発現レベルまたはより高いm6A画分に起因するかどうかを区別するためのm6A化学量論の推定;(3)メチル化RNAおよび非メチル化RNAの示差的局在の比較;ならびに(4)他のin situ配列決定データとの統合。この問題に対処するために、更新された方法m6A-マップv2が考案された。2回目のハイブリダイゼーション前のステップは、m6Aマップv1と同じである。第1のRCAの後、STARmapプローブを用いた第2のハイブリダイゼーションが行われ、これは、非m6A RNAの検出を可能にし、その後、ライゲーションおよび第2のRCAが続く(図12A)。RNAに既にDNAアンプリコンが付着している場合、第1のDNAアンプリコンが利用可能な空間の大部分を占めているので、第2のRCAは起こり得ない(図12B)。これにより、m6Aおよび非m6A RNAの両方が別々に定量されることができ、m6A RNAの割合が計算されることができる。細胞培養における単一のm6A部位(ACTBおよびMALAT1)でのm6A画分の定量化が実証された(図12Cおよび12D)。異なる細胞周期フェーズのm6A画分は実際に異なり、m6A RNAおよび非m6A RNAは異なる細胞内局在化を示した。
【0186】
Hela細胞における方法の設計および開発(RBP-RNAマッピング)
m6Aとは別に、ほとんどのmRNA修飾は様々なRBPの示差的結合を介してそれらの機能を達成するので、RBP-RNA相互作用はエピトランスクリプトームの別の重要な側面である。多数の単一細胞RBP-RNAインタラクトームマッピング法が開発されているが、これらの方法は、リボソーム-mRNA相互作用を特異的に検出するために調整されるか、または外因性遺伝子構築物のトランスフェクションを必要とする。さらに、それらは、細胞の空間的位置およびRBP-RNA相互作用の細胞内位置を保存することができない。
【0187】
加えて、m6Aは文脈に依存して相反する機能を有することがあり、かつ主な理由は、それが完全に異なる下流経路を引き起こす異なるリーダRBPによって束縛され得ることである。多重化検出方法は、解釈に理想的であろう。したがって、オリゴコンジュゲート化抗体の情報をパドロックプローブに伝達し、続いて伝達されたバーコード情報のin situ配列決定を包含するin situ多重化RBP-RNAマッピング技術が開発された(図13A)。単一RBP-RNAマッピングの実現可能性は既に実証されており(図13B)、かつ次のステップはこの方法を多重化することである(図13C)。そのような方法は、エピトランスクリプトームとRBP-RNAとの相互作用が細胞の状態/型特異的トランスクリプトームの調節および組織機能にどのように寄与するかを決定するのに有用である。
【0188】
概念実証研究としてのHela細胞における100の遺伝子検出
m6Aマップが多数のm6A部位をハイスループット様式で同時に検出することができることをさらに実証するために、蛍光ユビキチン化に基づく細胞周期指標(FUCCI)HeLa細胞で100遺伝子検出を行った。空間トランスクリプトームプロファイル(STARmap)およびm6Aマップv1が同時に行われた。最も高い検出効率を有するものを選択するために、異なる供給元からの抗体を試験した。核がDAPIで染色される一方で、細胞体がフラミンゴで染色され、小胞体(ER)がコンカナバリンAで染色され、それが、中程度に発現する3つのハウスキーピング遺伝子(HMBS、MRPL19、およびPGK1)に対するプローブの可視化を可能にした。IgG対照に対する一貫した抗m6Aシグナル富化が観察され(図14)、方法最適化で達成された信号対雑音比(SNR)をさらに検証した。
【0189】
m6Aマップv1 100遺伝子データセットからの所見
m6Aマップv1のin situ配列決定データおよびFUCCIイメージングデータが、デコンボリューション、スポット発見、リード割り当て、細胞および細胞内セグメント化、アラインメント、フィルタリング、および正規化によって前処理された。m6A-mapのリード数は、STARmapよりも少ない(図15Aおよび15C)。Invitrogen RM362抗m6A抗体は、最良の信号対雑音比(SNR)を達成し、ほとんどの遺伝子について25のSNRに達した(図15B)。2つの抗m6A抗体間の測定されたm6A化学量論の相関(m6Aマップのリード/STARmapのリード)は十分に相関しており、本方法のロバスト性を検証した(図15D)。異なる遺伝子のm6A化学量論は、それらの発現レベルとわずかな負の相関を有し、m6Aが主にmRNA崩壊を促進することを指し示した(図15E)。方法は、相対的なm6A化学量論を半定量的に推定するために使用されることができ、いくつかの代表的な遺伝子について、文献報告された化学量論との正の相関を示す(図15Fおよび15H)。
【0190】
m6A生物学に対するより生物学的洞察をベンチマークして、かつ獲得するために、m6A対非m6A mRNAの細胞内分布パターンが分析された。より多くのm6A沈着を有するmRNAは、より容易に細胞質に局在する傾向があることが見出され、核外輸送を促進するm6Aの生物学的機能を確認した(図16A)。m6A沈着によって強く影響を受ける遺伝子は、EEF2、SRP19、およびMRPL20などの翻訳に関連する多くの遺伝子を包含し、m6Aが翻訳関連タンパク質の効率的な産生に重要であり得ることを指し示している。YTHDC1標的化mRNAは、核外輸送のためのm6Aへのより高い依存性を示し得る。
【0191】
細胞周期分析もデータセットに対して実行された。FUCCI蛍光強度が、各細胞について定量されて、異なる細胞の細胞周期フェーズを決定した(図16B)。m6A化学量論が、異なる細胞周期フェーズにおける各遺伝子について計算された。多くの遺伝子が、細胞周期依存的なm6A変動を呈することが見出された。転写調節に関連する遺伝子であるSMAD3は、G1およびSではより高いm6A化学量論を有するが、G2Mではより低いことが示され、これは文献の結果と一致する(Fei,Q.et al.,YTHDF2 promotes mitotic entry and is regulated by cell cycle mediators.PLoS Biol 18,e3000664(2020))。SONを包含する他の遺伝子は、SおよびG1ではより高いがG2Mではより低いm6A化学量論を有し、MALAT1などの一部は、G2MおよびG1ではより高いがSではより低いm6A化学量論を有することも見出された。
【0192】
考察
要約すると、細胞内分解能で単一細胞の数百または数千のm6A遺伝子座を測定し、半定量的に各遺伝子座の相対的な化学量論を推定するために使用されることができる新規戦略、m6Aマップが開発された。m6Aマップは、異なるエピトランスクリプトーム状態がRNAの細胞内局在化に影響を及ぼすかどうか、エピトランスクリプトームがどのように細胞間不均一性を呈するか、およびm6Aレベルが異なる細胞周期フェーズで変動するかなど、エピトランスクリプトームに関連する全く新しい生物学的洞察を発見するために使用されることができる。本明細書に記載されている方法は、細胞培養および組織サンプルのためのin situでm6A生物学を探索するための汎用的なツールである。
【0193】
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【0216】
参照による組込み
本出願は、様々な発行済み特許、公開特許出願、科学雑誌論文、および他の公刊物を参照し、これらのすべては参照により本明細書に組み込まれる。発明の1以上の態様の詳細は、本明細書において表明される。発明の他の特徴、目的、および利点は、詳細の説明、図、例、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0217】
均等物および範囲
「a」、「an」、および「the」などの冠詞においては、反対のことが指し示されるか、または別様であることが文脈から明白でない限り、1以上であることを意味し得る。ある群の1以上のメンバーの間に「または(or)」を包含する態様または記載は、反対のことが指し示されるか、または別様であることが文脈から明白でない限り、その群のメンバーのうちの、1つか、1つより多いか、またはすべてが、所与の産物またはプロセスに存在するか、それに用いられるか、またはそれとは別様にそれと関係があるかを満たす。発明は、その群のうちの、正確に1つのメンバーが、所与の産物またはプロセスに存在するか、それに用いられるか、またはそれとは別様にそれと関係がある態様を包含する。発明は、その群のメンバーのうちの、1つより多いか、またはすべてが、所与の産物またはプロセスに存在するか、それに用いられるか、またはそれとは別様にそれと関係がある態様を包含する。
【0218】
さらに、本開示は、1以上の列挙された請求項からの1以上の限定、要素、節、および記述用語(descriptive terms)が別の請求項へ導入される、すべてのバリエーション、組合せ、および並べ替えを網羅する。例えば、別の請求項に従属するいずれの請求項も、同じ基本請求項に従属する他のいずれかの請求項中に見出される1以上の限定を包含するように修飾されることができる。要素が、例として、マーカッシュ群フォーマットのリストとして提示されている場合、要素の各サブグループもまた開示され、かついずれかの要素(複数可)はその群から除去されることができる。一般に、発明、または発明の側面が、特定の要素および/または特徴を含むとして称される場合、開示の特定の態様または開示の側面は、そのような要素および/または特徴からなるか、または実質的にそれらからなると理解されるべきである。簡潔さを目的として、それらの態様は、本明細書において、in haec verbaで具体的に表明されていない。「含むこと(comprising)」および「含有すること(containing)」という用語は、オープンであることが意図され、追加の要素またはステップの包含を容認することにもまた留意されたい。範囲が与えられる場合、エンドポイントは包含される。さらに、別様に指し示されるか、または別様であることが文脈および当業者の理解から明白でない限り、範囲として表現された値は、いずれか特異的な値、または発明の異なる態様で述べられた範囲内の部分範囲を、文脈が明確に別様な指図をしない限り、範囲の下限の単位の10分の1まで仮定することができる。
【0219】
この出願は、様々な発行済み特許、公開特許出願、雑誌論文、および他の公刊物を参照し、これらのすべては参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれる参照のいずれかおよび本明細書の間に矛盾がある場合、本明細書がコントロールするものとする。加えて、先行技術の範囲に入る本発明のいずれか特定の態様は、態様のいずれか1以上から明示的に除外され得る。そのような態様は当業者に知られていると思われるので、それらは、除外が本明細書において明示的に表明されていない場合であっても、除外され得る。発明のいずれか特定の態様は、先行技術の存在に関するか否かにかかわらず、いずれかの態様から、いかなる理由でも除外されることができる。
【0220】
当業者は、本明細書において記載の特異的な態様に対して多くの均等物を認識するか、または、ルーチンな実験を使用するだけで確かめることができるであろう。本明細書において記載の本態様のスコープは、上の記載に限定されることは意図されず、むしろ添付の態様に表明されているとおりである。当業者は、以下の特許請求の範囲において定義されるとおり、本発明の趣旨またはスコープから逸脱せずに、この記載への様々な変化および修飾がなされ得ることを了解するであろう。
図1-1】
図1-2】
図2A-2B】
図2C-2D】
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B-9C】
図9D
図10A
図10B
図10C-10D】
図10E
図11A-11B】
図12A-1】
図12A-2】
図12B-12D】
図13A
図13B
図13C
図14
図15A-15B】
図15C-15D】
図15E-15F】
図15G-15H】
図16A
図16B
図16C
【国際調査報告】