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特表2024-531965クリーニング流体を含むコンテナを乾燥させるための乾燥装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-03
(54)【発明の名称】クリーニング流体を含むコンテナを乾燥させるための乾燥装置および方法
(51)【国際特許分類】
   F26B 15/12 20060101AFI20240827BHJP
   F26B 9/00 20060101ALI20240827BHJP
   F26B 15/18 20060101ALI20240827BHJP
   F26B 21/00 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
F26B15/12 E
F26B9/00 E
F26B15/18 Z
F26B21/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509442
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 DE2022100496
(87)【国際公開番号】W WO2023020649
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】102021121346.0
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514117427
【氏名又は名称】ベルヴァック・プロダクション・マシーナリー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BELVAC PRODUCTION MACHINERY,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルコ・ハルムス
(72)【発明者】
【氏名】ウルフ・ラインハルト
【テーマコード(参考)】
3L113
【Fターム(参考)】
3L113AA02
3L113AC04
3L113AC36
3L113AC48
3L113BA12
3L113DA02
3L113DA07
3L113DA16
(57)【要約】
本発明は、クリーニング流体を含むコンテナを乾燥させるための乾燥装置(1)であって、乾燥装置(1)は、流体フローデバイス(4)を含み、流体フローデバイス(4)は、乾燥流体をコンテナに適用するように配置および設計されており、前記乾燥流体は、流体フローの方向(6)に配向されており、また、乾燥装置(1)は、装着デバイス(8)を含み、装着デバイス(8)は、コンテナを装着方向(10)に保つように配置および設計されており、装着方向(10)は、流体フローの方向(6)の反対の方向を向いている、乾燥装置(1)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーニング流体を含むコンテナ(2)を乾燥させるための乾燥装置(1)であって、前記乾燥装置(1)は、
流体フローデバイス(4)であって、前記流体フローデバイス(4)は、流体フローの方向(6)に方向付けられた乾燥流体を前記コンテナに適用するように配置および設計されている、流体フローデバイス(4)と、
前記コンテナを装着方向(10)に保つように配置および設計されている装着デバイス(8)と、
を含み、
前記装着方向(10)は、前記流体フローの方向(6)とは反対の方向に整合されている、乾燥装置(1)。
【請求項2】
前記流体フローの方向(6)は、前記装着方向(10)と同じ方向に整合されることが可能である、請求項1に記載の乾燥装置(1)。
【請求項3】
意図された動作において、前記流体フローの方向(6)は、垂直方向上向きに配向されており、前記装着方向(10)は、垂直方向下向きに配向されている、請求項1または2に記載の乾燥装置(1)。
【請求項4】
コンベヤ開始ポイント(12)からコンベヤ端部ポイント(14)へ延在するコンベヤセクション(16)と、
少なくとも前記コンベヤセクション(16)に沿ったセクションにおいて前記コンテナを移動させるように配置および設計されているコンベヤユニット(18)と、
を含み、
前記装着デバイス(8)は、少なくとも前記コンベヤセクション(16)に沿ったセクションにおいて前記コンテナを保つようにさらに配置および設計されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の乾燥装置(1)。
【請求項5】
前記装着デバイス(8)は、少なくとも前記コンベヤセクション(16)に沿ったセクションにおいて前記コンテナを移動させるようにさらに配置および設計されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の乾燥装置(1)。
【請求項6】
前記装着デバイス(8)は、装着力(20)が前記装着方向(10)において前記コンテナに対して調節可能であるようにさらに配置および設計されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の乾燥装置(1)。
【請求項7】
前記コンテナは、少なくとも前記コンベヤユニット(18)と前記装着デバイス(8)との間のセクションにおいてクランプされることが可能である、請求項1から6のいずれか一項に記載の乾燥装置(1)。
【請求項8】
前記コンベヤユニット(18)は、コンベヤベルト(22)を含み、前記装着デバイス(8)は、前記コンベヤベルト(22)に対して平行に整合されている装着ベルト(24)を含み、
前記コンベヤベルト(22)および前記装着ベルト(24)は、互いに平行に移動可能に配置されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の乾燥装置(1)。
【請求項9】
前記コンベヤベルト(22)および/または前記装着ベルト(24)は、流体浸透性である、請求項1から8のいずれか一項に記載の乾燥装置(1)。
【請求項10】
前記コンベヤユニット(18)は、少なくとも前記コンベヤセクション(16)に沿ったセクションにおいて、自由セクション(26)を有しており、前記自由セクション(26)において、前記コンベヤユニット(18)は中断されており、
前記装着デバイス(8)は、前記コンテナに対して真空を実現するように配置および設計されており、前記コンテナが前記自由セクション(26)において前記装着デバイス(8)によって移動されることが可能であるようになっている、請求項1から9のいずれか一項に記載の乾燥装置(1)。
【請求項11】
前記コンテナに対して真空を実現するための真空ユニット(28)を含み、
前記真空ユニット(28)は、前記装着ベルト(24)の装着上側ラン(30)と装着下側ラン(32)との間に真空を実現するように配置および設計されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の乾燥装置(1)。
【請求項12】
乾燥チャンバ(34)であって、前記乾燥チャンバ(34)の中で、前記乾燥流体が前記コンテナに適用されることが可能である、乾燥チャンバ(34)を含み、
前記自由セクション(26)は、前記乾燥チャンバ(34)の入口端部(36)から出口端部(38)へ延在している、請求項1から11のいずれか一項に記載の乾燥装置(1)。
【請求項13】
前記乾燥流体を前記コンテナに適用するための少なくとも1つのノズルユニット(42)を含み、
前記コンベヤベルト(22)は、コンベヤ上側ラン(48、48’)およびコンベヤ下側ラン(46、46’)を有しており、前記ノズルユニット(42)の少なくとも1つの流体フロー出口部は、前記コンベヤ上側ラン(48、48’)と前記コンベヤ下側ラン(46、46’)との間に配置されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の乾燥装置(1)。
【請求項14】
前記ノズルユニット(42)は、入口流体フロー(50)が前記コンテナのキャビティに進入し、前記乾燥流体の出口流体フロー(50)が前記キャビティを退出するように、前記乾燥流体によって前記キャビティを加圧するように配置および設計されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の乾燥装置(1)。
【請求項15】
少なくとも1つの流体出口部は、前記流体フローがジェット形状になるように設計されている、請求項1から14のいずれか一項に記載の乾燥装置(1)。
【請求項16】
クリーニング流体を含むコンテナを乾燥させる方法であって、前記方法は、
流体フローの方向(6)に配向された乾燥流体を前記コンテナに適用するステップと;
前記コンテナを装着方向(10)に保つステップと;
を含み、
前記装着方向(10)は、前記流体フローの方向(6)とは反対の方向に整合されている、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーニング流体を含むコンテナを乾燥させるための乾燥装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乾燥装置は、一般的に知られている。コンテナ(たとえば、飲料缶)の生産プロセスは、いくつかのプロセスステップによって特徴付けられる。クリーニングプロセスは、典型的に、個々のプロセスステップの間に必要とされる。クリーニングプロセスの間に、缶は、クリーニング流体によってクリーニングされる。事前定義されたパラメータによって後続のプロセスステップが実施されることが可能であることを保証するために、缶は、クリーニングプロセスの後に乾燥されなければならない。
【0003】
缶を乾燥させるために、缶は、乾燥流体に曝され、乾燥流体は、通常は、摂氏100度から摂氏250度の間の温度を有している。乾燥流体は、缶の位置に影響を与えないように、2メートル毎秒から10メートル毎秒の低い速度で供給される。乾燥流体は、通常は空気である。缶は、通常は、その底部が上向きになった状態で、および、その開口部が下向きになった状態で、乾燥装置を通して移動される。缶は、通常は、上方から乾燥流体を供給される。缶が乾燥流体フローによって影響を受けないように、とりわけ、缶が転倒されないようにまたはコンベヤベルトから落下しないように、乾燥流体が供給されなければならず、または、乾燥流体の流体フローが設定されなければならない。
【0004】
また、缶の重量は低いので、乾燥流体フローは、上記に述べられている缶に対する影響が本質的に起こらないように十分に低く設定されなければならない。それにもかかわらず缶が信頼性高く乾燥されることを保証するために、乾燥流体は、高い温度(たとえば、摂氏100度から摂氏250度)に設定され、低い乾燥流体フローでも缶が乾燥されることが可能であるようになっている。
【0005】
乾燥流体のこの高い温度は、高いエネルギー消費につながる。その理由は、乾燥流体がこの高い温度に加熱されなければならないからである。加えて、乾燥流体のそのような高い温度は、通常は、ガスバーナーによって実現され、それによって、生産されるCOの量は不利である。
【0006】
また、この高い温度は、複数の材料が乾燥装置において使用することができないということを意味していた。その理由は、それらが耐熱性でないからである。たとえば、より単純なプラスチック(それは、90度の上方においてその事前定義された材料特性を規則的に失う)は、使用することができない。結果として、他の缶製造プロセスから(とりわけ、たとえば、上流マシンまたは下流マシンから)知られるメカニズムは、乾燥装置に転用することができなかった。
【0007】
缶生産がエネルギー効率的であるということは、産業界からの要求である。加えて、従来のエネルギー供給源(たとえば、ガスなど)の消費は、低減されるべきである。一般的に、産業は、生産される缶1本当たりのエコロジカルフットプリントを改善しようと努力している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の課題は、上述の不利益のうちの1つまたは複数を低減または排除する、クリーニング流体を含むコンテナを乾燥させるための乾燥装置および方法を提供することである。とりわけ、本発明の課題は、クリーニング流体を含むコンテナのより効率的な乾燥を可能にする解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、独立請求項の特徴による装置および方法によって解決される。これらの態様のさらなる有利な実施形態は、それぞれの従属請求項に示されている。特許請求の範囲および明細書に個別に記載されている特徴は、任意の技術的に有用な様式で相互に組み合わせ可能であり、本発明のさらなる実施形態が明らかにされる。
【0010】
第1の態様によれば、冒頭で述べられている課題は、クリーニング流体を含むコンテナを乾燥させるための乾燥装置であって、前記乾燥装置は、流体フローデバイスを含み、流体フローデバイスは、乾燥流体をコンテナに適用するように配置および設計されており、前記乾燥流体は、流体フローの方向に配向されており、また、乾燥装置は、装着デバイスを含み、装着デバイスは、コンテナを装着方向に保つように配置および設計されており、装着方向は、流体フローの方向とは反対の方向に配向されている、乾燥装置によって解決される。
【0011】
本発明は、缶が装着デバイスによってコンベヤデバイスの上に位置決めされることが可能であり、とりわけ、乾燥流体の適用によって不必要に移動されないという発見に基づいている。これは、缶が倒れるおよび/または落下することを防止し、廃棄物を低減させる。
【0012】
本発明のさらなる発見は、コンテナがしっかりと保持されて押さえられるので、乾燥流体の流体フローがこの装着デバイスによって増加されることが可能であるということである。乾燥流体の流体フローを増加させることによって、乾燥流体の温度が低下されることが可能である。乾燥流体の温度を低下させることによって、乾燥装置のエネルギー消費が低減される。したがって、コンテナは、有利には、100℃を下回る温度で乾燥されることが可能である。加えて、25%から40%の間のエネルギー節減が実現されることが可能であるということが見出されている。
【0013】
別の利点は、コンテナが内側および外側から乾燥流体に曝されることが可能であるということであり、それは、コンテナが、より迅速に、安全に、および効率的に乾燥されることが可能であるということを意味している。
【0014】
また、乾燥流体のより低い温度は、たとえば、コンベヤベルトに関して、より単純な、ひいては、より安価な材料が使用されることが可能であるということを意味している。加えて、本発明者らは、そのように乾燥することがより高い品質のものであるということ、および、平均して、乾燥装置の出口部においてコンテナの上により少ないクリーニング流体が存在しているということを見出した。
【0015】
加えて、装着デバイスは、代替的な熱源の使用を可能にする。たとえば、上流マシンおよび/または下流マシンからの排気空気が、乾燥流体として使用されるか、または、乾燥流体を加熱するために使用されることが可能である。加えて、乾燥流体は、電気加熱デバイスによって加熱されることが可能である。
【0016】
流体フローデバイスは、とりわけ、乾燥流体を提供するデバイスとして理解されるべきである。とりわけ、乾燥流体は、乾燥流体の主フロー方向が流体フローの方向に対応するように提供される。当業者にとって、乾燥装置において提供される乾燥流体が、専ら線形の移動だけをするのではなく、したがって、乾燥流体の他の方向が、流体フローの方向に加えて決定されることが可能であるということは自明である。したがって、流体フローの方向は、とりわけ、流体フローの主方向として理解されるべきである。これは、たとえば、複数の流体フロー出口部を備えたノズルユニットによって実現されることが可能であり、それは、より詳細に下記に説明されており、流体フロー出口部は、流体フローの方向に整合されている。
【0017】
装着デバイスは、コンテナを装着方向に保つように配置および設計されている。コンテナは、通常は、乾燥装置によって水平方向に移動される。とりわけ、装着デバイスは、コンテナの垂直方向上方に配置されることが可能であり、コンテナが垂直方向上向きに移動することができないようになっている。たとえば、コンテナは、コンテナの底部の上に装着デバイスを載せることによって、保持されて押さえられることが可能である。
【0018】
より詳細に下記に説明されているように、装着デバイスは、たとえば、コンベヤデバイス(たとえば、コンベヤベルトなど)の垂直方向上方に配置されることが可能であり、コンテナが、コンベヤデバイスと装着デバイスとの間にクランプされるようになっており、また、装着デバイスおよび乾燥装置によって保持されて押さえられているコンベヤデバイスの同期移動によって移動されるようになっている。
【0019】
装着方向は、流体フローの方向とは反対の方向に整合されている。とりわけ、これは、装着方向と流体フローの方向との間の角度が、30度未満、20度未満、10度未満、5度未満、または2.5度未満であるということ意味している。
【0020】
装着デバイスがなければ、乾燥流体は、コンテナが流体フローの方向に移動することを引き起こす可能性がある。これらは、たとえば、乾燥流体に起因して垂直方向上向きに移動する可能性がある。装着デバイスは、コンテナを装着方向に保持して押さえる。装着方向が流体フローの方向とは反対の方向に整合されているので、コンテナの確実な位置決めが保証される。結果として、上記に述べられている利点が、この乾燥装置によって可能にされる。
【0021】
乾燥装置の好適な実施形態は、流体フローの方向が、装着方向と同じ方向に整合されることが可能であるという事実によって特徴付けられる。たとえば、流体フローデバイスは、第1のエリアにおいて底部から上部へ、および、第2のエリアにおいて上部から底部へ、乾燥流体がコンテナに適用されるように制御されることが可能である。なかでも、これは、凹形セクション(たとえば、コンテナベース)からクリーニング流体を除去するために好ましい可能性がある。そのうえ、コンテナは、有利には、外側からおよび内側から乾燥流体を供給されることが可能である。
【0022】
乾燥装置の好適な実施形態は、意図された動作の間に、流体フローの方向が、垂直方向上向きに配向されており、装着方向が、垂直方向下向きに配向されているという事実によって特徴付けられる。
【0023】
垂直方向上向きにまたは垂直方向下向きに配向された流体フローの方向または装着方向は、とりわけ、流体フローの方向および/または装着方向が、30度未満、20度未満、10度未満、5度未満、または2.5度未満である、垂直方向との角度を含むということを意味している。代替的に、乾燥装置は、水平方向平面においてミラー対称にされる(mirrored)ように設計されることが可能であり、流体フローの方向が垂直方向下向きになるように、および、装着方向が垂直方向上向きになるようになっている。
【0024】
乾燥装置のさらなる好適な実施形態は、コンベヤ開始ポイントからコンベヤ端部ポイントへ延在するコンベヤセクションと、少なくともコンベヤセクションに沿ったセクションにおいてコンテナを移動させるように配置および設計されているコンベヤユニットと、を含み、装着デバイスは、少なくともコンベヤセクションに沿ったセクションにおいてコンテナを保つようにさらに配置および設計されている。
【0025】
たとえば、流体フローデバイスが、コンベヤセクションの1つのセクションにおいてのみ乾燥流体をコンテナに適用することが可能である。このケースでは、装着デバイスがこのセクションにおいてのみコンテナを保持して押さえることが好ましい。これは、装着デバイスが可能な限り小さくなることを可能にし、エネルギーを節減する。
【0026】
乾燥装置のさらなる好適な実施形態において、装着デバイスが、少なくともコンベヤセクションに沿ったセクションにおいてコンテナを移動させるようにさらに配置および設計されているということが提供される。
【0027】
この目的のために、装着デバイスは、たとえば、コンテナとの接続部を形成するように配置および設計されることが可能である。この目的のために、たとえば、圧力嵌め接続部が、装着デバイスとコンテナとの間に形成されることが可能である。これは、より詳細に下記に説明されている真空を使用することによって行われることが可能である。
【0028】
このように配置および設計されている装着デバイスは、コンテナが装着デバイスによっても移動され、専らコンベヤユニットのみによって移動されるのではないという利点を有している。したがって、コンテナの自律的な移動が、専ら装着デバイスによって可能である。
【0029】
乾燥装置のさらなる好適な実施形態は、装着デバイスが、装着力が装着方向においてコンテナに対して調節され得るようにさらに配置および設計されていることを特徴とする。
【0030】
調節可能な装着力は、たとえば、乾燥流体の異なる流体フローを考慮することが可能である。加えて、異なるコンテナ特性が考慮されることも可能である。たとえば、スチールから作製されたコンテナは、アルミニウムから作製されたコンテナよりも低い保持力を必要とする。装着デバイスは、たとえば、装着力を調節するためのスプリングユニットを有することが可能である。
【0031】
乾燥装置のさらなる好適な実施形態において、コンテナが、少なくともコンベヤユニットと装着デバイスとの間のセクションにおいてクランプされることが可能であるということがさらに提供される。この目的のために、コンベヤユニットおよび装着デバイスは、コンテナがそれらの間に設置されることが可能であるように配置されている。
【0032】
装着デバイスとコンベヤユニットとの間の垂直方向距離が調節されることが可能であるということがとりわけ好適である。これは、たとえば、コンベヤユニットと装着デバイスとの間の距離がコンテナのコンテナ高さに本質的に対応することを可能にする。
【0033】
乾燥装置のさらなる好適な実施形態において、コンベヤユニットが、コンベヤベルトを有しており、装着デバイスが、コンベヤベルトに対して平行に整合されている装着ベルトを有しており、コンベヤベルトおよび装着ベルトは、互いに平行に移動可能であるように配置されているということが提供される。また、コンベヤベルトおよび装着ベルトは、コンベヤセクションに沿って部分的に垂れ下がることが可能であり、理想的な平行性からのある程度の偏差が、当業者にとって自然であるようになっている。
【0034】
コンベヤベルトおよび装着ベルトの平行移動は、とりわけ、意図された動作の間にコンテナと接触しており、および/または、互いの方を向いて配置されている、コンベヤベルトおよび装着ベルトのセクションに関係している。当然のことながら、コンベヤベルトおよび装着ベルトは、戻りセクションおよび同様に戻りセクションを有しており、その配向は、コンテナを乾燥させることとは本質的に無関係である。
【0035】
コンベヤベルトおよび装着ベルトが、互いに同期して移動されることが可能であるということがとりわけ好適である。同期移動は、コンベヤベルトと装着ベルトとの間にクランプされたコンテナが最適な様式で移動されることを可能にする。
【0036】
乾燥装置のさらなる好適な実施形態は、コンベヤベルトおよび/または装着ベルトが流体浸透性であるということによって特徴付けられる。コンベヤベルトおよび/または装着ベルトは、たとえば、ネット状の設計を有することが可能である。コンベヤベルトおよび/または装着ベルトの流体浸透性は、コンテナの改善された乾燥プロセス、および、加えて、真空の形成を可能にし、それは、より詳細に下記に説明されている。
【0037】
乾燥装置のさらなる好適な実施形態は、コンベヤユニットが、少なくともコンベヤセクションに沿ったセクションにおいて、自由セクションを有しており、自由セクションにおいて、コンベヤユニットは中断されており、装着デバイスは、コンテナに対して真空を引き起こすように配置および設計されており、自由セクションにおけるコンテナが、装着デバイスによって移動されることが可能であるようになっていることを特徴とする。
【0038】
とりわけ、装着デバイスは、コンベヤユニットの垂直方向上方に配置されている。自由セクションにおいて、コンテナは、装着デバイスから吊り下げられており、装着デバイスの移動によって、コンベヤセクションの方向に移動される。自由セクションにおいて、コンテナは、とりわけ、コンベヤユニットなしで、装着デバイスによって移動されることが可能である。
【0039】
乾燥装置のさらなる好適な実施形態は、コンテナに対して真空を実現するための真空ユニットを含み、真空ユニットは、装着ベルトの装着上側ランと装着下側ランとの間に真空を実現するように配置および設計されている。
【0040】
装着ベルトの下側ランは、とりわけ、装着ベルトの耐荷重ランであり、コンテナが真空によって装着下側ランの上に吸引されるように、真空が真空ユニットによって提供されることがとりわけ好適であるようになっている。
【0041】
乾燥装置の別の好適な実施形態は、乾燥チャンバを含み、乾燥チャンバの中で、コンテナは乾燥流体に曝されることが可能であり、自由セクションは、乾燥チャンバの入口端部から出口端部へ延在している。入口端部は、コンテナがそれを通って乾燥チャンバに進入することが可能である乾燥チャンバの端部である。乾燥チャンバの出口端部は、コンテナがそれを通って乾燥チャンバから退出する端部である。
【0042】
この実施形態は、乾燥チャンバの内側のコンテナが、本質的に装着デバイスによってコンベヤセクションに沿って移動されることを意味している。装着デバイスから離れる方を向いているコンテナの端部は、開放端部であり、それらが乾燥流体に完全に曝されるようになっており、たとえば、コンベヤユニットまたはコンベヤベルトは、乾燥流体の流体フローに影響を及ぼさない。これは、コンテナのより良好な乾燥を可能にする。
【0043】
乾燥装置のさらなる好適な実施形態は、乾燥流体をコンテナに適用するための少なくとも1つのノズルユニットを含み、コンベヤベルトは、コンベヤ上側ランおよびコンベヤ下側ランを有しており、ノズルユニットの少なくとも1つの流体フロー出口部は、コンベヤ上側ランとコンベヤ下側ランとの間に配置されている。ノズルユニットは、流体フローデバイスの中に含まれることが可能である。このように配置されている流体フロー出口部は、コンベヤベルトによって影響を及ぼされにくい。その理由は、乾燥流体の流体フローが単一のランのみを通過し、2つのランを通過しないからである。コンベヤ上側ランが、耐荷重ランであるということがとりわけ好適である。
【0044】
そのうえ、ノズルユニットは、入口流体フローがキャビティに進入し、乾燥流体の出口流体フローがキャビティを退出するように、乾燥流体によってコンテナのキャビティを加圧するように配置および設計されているということが好適である。
【0045】
入口流体フローおよび出口流体フローは、乾燥流体がコンテナのキャビティの中で有利に作用することができ、これらが有利に乾燥されるようになっているということを結果として生じさせる。少なくとも1つの流体出口部は、流体フローがジェット形状になるように設計されているということがとりわけ好適である。
【0046】
また、流体フローが平坦でないということも好ましい。とりわけ、典型的なコンテナ直径よりも何倍も小さいジェット直径によって、有利な乾燥が、入口流体フローおよび出口流体フローによって実現されることが可能である。
【0047】
乾燥装置のさらなる好適な実施形態において、乾燥装置が、クリーニング流体(とりわけ、クリーニング流体の量)を検出するように配置および設計されている流体検出ユニットを含むということが提供される。加えて、流体検出デバイスが、さらなる真空ユニットを有しており、さらなる真空ユニットは、コンテナのコンテナベースに対して真空を実現するように配置および設計されており、流体検出ユニットは、コンテナのキャビティがそれに面するように配置されているということが好適である。このように設計された流体検出デバイスによって、有利には、クリーニング流体がコンテナのキャビティの中に依然として存在しているかどうかを検出することが可能である。結果として、乾燥プロセスの品質がチェックされることが可能である。
【0048】
さらなる態様によれば、上述の目的は、クリーニング流体を含むコンテナを乾燥させるための方法であって、本方法は、流体フローの方向に配向された乾燥流体をコンテナに適用するステップと、コンテナを装着方向に装着するステップと、を含み、装着方向は、流体フローの方向とは反対の方向に配向されている、方法によって解決される。
【0049】
方法およびその可能なさらなる発展例は、乾燥装置およびそのさらなる発展例のために使用されるのにとりわけ適切なものにする特徴および/または方法ステップを有している。さらなる態様およびそれらの可能なさらなる発展例のさらなる利点、実施形態、および設計詳細に関して、乾燥装置の対応する特徴およびさらなる発展例の以前の説明も参照される。
【0050】
好適な実施形態が、同封の図を参照して例として説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】乾燥装置の例示的な実施形態の概略的な2次元図である。
図2】乾燥装置のさらなる例示的な実施形態のさらなる概略的な2次元図である。
図3】乾燥装置のさらなる例示的な実施形態のさらなる概略的な2次元図である。
図4】乾燥装置のさらなる例示的な実施形態のさらなる概略的な2次元図である。
図5】方法の例示的な実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図において、同一のまたは本質的に機能的に同一のまたは類似のエレメントは、同じ参照符号によって指定されている。
【0053】
図1は、クリーニング流体を含むコンテナ2を乾燥させるための乾燥装置1を示している。上流プロセスステップにおいて、コンテナ2は、コンテナのために特別に設計されているクリーニング装置(洗浄機としても知られる)によってクリーニングされることが可能である。これは、なかでも、油を除去する。
【0054】
乾燥装置1は、流体フローデバイス4を含み、流体フローデバイス4は、流体フローの方向6に方向付けられた乾燥流体をコンテナ2に適用するように配置および設計されている。流体フローの方向6は、垂直方向上向きに配向されている。コンテナ2は、流体フローの方向6によって垂直方向上向きに配向された力を受ける。この力は、下記に説明されている装着デバイス8がない場合に、コンテナ2が垂直方向上向きに移動されることを結果として生じさせ、したがって、転倒し、および/または、コンベヤユニット18から離れるように移動される(たとえば、落下する)ことを結果として生じさせる。
【0055】
流体フローデバイス4は、複数の流体フローユニット44を備えたノズルユニット42を含み、複数の流体フローユニット44は、規定された幾何学形状を有する流体フローを発生させることが可能である。流体フローの幾何学形状がジェット形状になっており、入口および出口流体フロー50がコンテナ2の中に発生させられるようになっており、これらが有利に乾燥されるようになっているということがとりわけ好適である。
【0056】
加えて、乾燥装置は、コンベヤユニット18を含み、コンベヤユニット18によって、コンテナは、乾燥装置の左側から右側へ移動される。装着デバイス8は、コンベヤユニット18の垂直方向上方に、コンベヤユニット18から所定の距離に提供されている。
【0057】
装着デバイス8は、コンテナ2を装着方向10に保つように配置および設計されている。装着方向10は、流体フローの方向6とは反対の方向に配向されており、流体フローの方向6への力によって、コンテナ2が本質的に移動されないままになっている。その理由は、装着方向10への装着デバイス8の力20がこの力を打ち消すからである。コンベヤユニット18および装着デバイス8は、本質的に流体浸透性であり、流体フロー5がそれらを通過することができるようになっている。流体フローは、破線によってそれぞれ示されている。
【0058】
ここで、コンテナ2は、それらがそれらの規定された位置を離れることなく、より強力な流体フロー5を受けることが可能である。その理由は、それらが装着デバイス8によって保持されて押さえられているからである。結果として、乾燥流体の温度は低減されることが可能である。これは、乾燥装置1のエネルギー効率を改善する。加えて、1次エネルギー供給源(たとえば、ガスなど)が節減されることが可能である。
【0059】
また、流体検出デバイス52が、乾燥装置1の出口部に提供されている。そのうえ、偏向ローラー60を備えたコンベヤベルト58が、ここに提供されている。真空チャンバ56が、真空ユニット54によってコンベヤベルト58の中に形成されている。真空は、コンベヤベルト58によって真空チャンバ56を通してコンテナ2の上に働かされることが可能であり、これらがコンベヤユニット18によって引き継がれることが可能であるようになっている。流体検出デバイス52(それは、たとえば、カメラであることが可能である)は、コンテナ2の中に残っている任意のクリーニング流体を検出するために、それがコンテナ2のキャビティを分析するように配置されている。
【0060】
図2から図4は、乾燥装置1の異なる実施形態を示しており、参照番号は、改善された図示のためにそれぞれのケースにおいて完全には繰り返されない。乾燥装置1は、コンベヤ開始ポイント12からコンベヤ端部ポイント14へ延在するコンベヤセクション16を有している。
【0061】
装着デバイス8は、装着ベルト24を有しており、装着ベルト24は、装着上側ラン30および装着下側ラン32を含む。装着真空チャンバ31は、保持装着ラン30および装着下側ラン32によって形成されており、真空がラン30とラン32との間に形成されることが可能であるようになっている。真空ユニット28は、この目的のために提供されている。コンテナ2は、真空によって装着下側ラン32に向けて吸引され、自由セクション26において、コンテナ2が、専ら装着デバイスのみによって搬送され、コンベヤユニット18によって搬送されないようになっている。
【0062】
ここで、コンベヤユニット18は、2つのパーツにおいて形成されており、2つのコンベヤベルト22を含む。コンベヤベルトのそれぞれは、上側ラン48、48’およびコンベヤ下側ラン46、46’を含む。この実施形態は、コンテナ2が有利には乾燥チャンバ34の中で乾燥されるという利点を有している。その理由は、コンベヤユニット18がコンテナ2の垂直方向下方に配置(それは、乾燥流体の流体フローに影響を与える)されていないからである。したがって、流体給送部40を通って乾燥チャンバ34に進入する乾燥流体は、コンテナ2に直接的に到達する。
【0063】
また、図2は、複数の流体フローユニット44を備えたノズルユニット42が、コンベヤ下側ラン46とコンベヤ上側ラン48との間に配置されることが可能であり、コンテナ2が有利に作用されることが可能であるようになっているということを示している。
【0064】
乾燥チャンバ34は、入口端部36から出口端部38へ延在している。図4は、自由セクション26が入口端部36から出口端部38へ延在していることを示している。したがって、コンベヤユニット18は、とりわけ乾燥チャンバ34の外側で作用する。この実施形態変形例は、コンテナ2の最適な乾燥を可能にする。その理由は、コンベヤユニット18が乾燥流体の流体フローに本質的に影響を及ぼさないからである。
【0065】
図5は、例示的なプロセスの概略図を示している。ステップ200において、コンテナ2が、流体フローの方向6に配向された乾燥流体によって作用される。コンテナ2がその位置に留まることを保証するために、コンテナが、装着方向10に保持されて押さえられる。装着方向10および流体フローの方向6は、反対方向に整合されている。
【0066】
上記に説明されている乾燥装置1および対応する方法は、コンテナ2が乾燥流体の強力な流体フローを受けた場合でもコンテナ2がその位置に留まるという利点を有している。これは、乾燥流体の流体フローを増加させ、同時に、乾燥流体の温度を低減させることを可能にする。したがって、乾燥装置1のエネルギー消費が低減され、1次エネルギー供給源(とりわけ、ガス)の消費が低減される。加えて、低い温度のためにのみ設計されている材料からコンベヤベルト22および同様に装着ベルト24を提供することが可能である。これは、乾燥装置1をよりコスト効率の良いものにする。
【符号の説明】
【0067】
1 乾燥装置
2 コンテナ
4 流体フローデバイス
5 流体フロー
6 流体フローの方向
8 装着デバイス
10 装着方向
12 コンベヤ開始ポイント
14 コンベヤ端部ポイント
16 コンベヤセクション
18 コンベヤユニット
20 装着力
22 コンベヤベルト
24 装着ベルト
26 自由セクション
28 真空ユニット
30 装着上側ラン
31 装着真空チャンバ
32 装着下側ラン
34 乾燥チャンバ
36 入口端部
38 出口端部
40 流体給送部
42 ノズルユニット
44 流体フローユニット
46、46’ コンベヤ下側ラン
48、48’ コンベヤ上側ラン
50 入口および出口流体フロー
52 流体検出デバイス
54 真空ユニット
56 真空チャンバ
58 コンベヤベルト
60 偏向ローラー
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】