(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-03
(54)【発明の名称】温度補正を含むアプタマーセンサ
(51)【国際特許分類】
G01N 27/327 20060101AFI20240827BHJP
A61B 5/1473 20060101ALI20240827BHJP
G01N 33/53 20060101ALI20240827BHJP
G01N 33/483 20060101ALI20240827BHJP
G01N 27/26 20060101ALI20240827BHJP
A61B 5/1495 20060101ALI20240827BHJP
G01N 27/48 20060101ALN20240827BHJP
【FI】
G01N27/327
A61B5/1473
G01N33/53 Z
G01N33/483 F
G01N27/26 371B
A61B5/1495
G01N27/48 311
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510476
(86)(22)【出願日】2022-08-22
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 US2022041118
(87)【国際公開番号】W WO2023023406
(87)【国際公開日】2023-02-23
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513182776
【氏名又は名称】ユニバーシティ・オブ・シンシナティ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】ハイケンフェルド,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ベルモンテ,イスラエル
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト,ライアン・ジェフリー
【テーマコード(参考)】
2G045
4C038
【Fターム(参考)】
2G045CA25
2G045CB30
2G045FB03
2G045FB05
2G045FB19
2G045JA01
2G045JA02
2G045JA07
4C038KL01
4C038KL09
4C038KM03
4C038KX02
4C038KY01
(57)【要約】
サンプル流体中の1つまたは複数の検体を測定するためのデバイスが提供される。デバイスは、複数のアプタマーを含む少なくとも1つのアプタマーセンサを備える。センサは、検体のうちの少なくとも1つの測定値を提供する。加えて、測定値は、温度変化によって影響される(「温度依存性応答」)。デバイスはまた、少なくとも1つのアプタマーセンサとサンプル流体との間に流体連通を確立する手段を備える。さらに、デバイスは、少なくとも1つの温度センサと、温度依存性応答による測定エラーを補正するための手段とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル流体中の1つまたは複数の検体を測定するためのデバイスであって、
a.複数のアプタマーを含む少なくとも1つのアプタマーセンサであり、前記センサが、前記検体のうちの少なくとも1つの測定値を提供し、前記測定値が、温度変化によって影響される(「温度依存性応答」)、アプタマーセンサと、
b.前記少なくとも1つのアプタマーセンサと前記サンプル流体との間に流体連通を確立する手段と、
c.少なくとも1つの温度センサと、
d.前記温度依存性応答による測定エラーを補正するための手段と
を備えるデバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記サンプル流体が、間質液、血液、およびそれらの組合せからなる群から選択される、デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載のデバイスにおいて、少なくとも1つの温度センサを含むリーダ部品をさらに備えるデバイス。
【請求項4】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記アプタマーセンサが皮下に配置可能である、デバイス。
【請求項5】
請求項4に記載のデバイスにおいて、前記温度センサが皮下に配置可能である、デバイス。
【請求項6】
請求項4に記載のデバイスにおいて、前記温度センサが皮膚の外側に配置可能である、デバイス。
【請求項7】
請求項4に記載のデバイスにおいて、皮下に配置可能な第1の温度センサと、皮膚の外側に配置可能な第2の温度センサとをさらに備えるデバイス。
【請求項8】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記温度センサが、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約3mm以内に位置する、デバイス。
【請求項9】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記温度センサが、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約1mm以内に位置する、デバイス。
【請求項10】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記温度センサが、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約300μm以内に位置する、デバイス。
【請求項11】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記温度センサが、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約100μm以内に位置する、デバイス。
【請求項12】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記温度センサが少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサの温度を適切に予測するように、前記デバイスに断熱材を備える、デバイス。
【請求項13】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記アプタマーセンサの温度依存性の記録または予測を含むことのできる少なくとも1つの部品をさらに備えるデバイス。
【請求項14】
請求項13に記載のデバイスにおいて、前記アプタマーセンサが、前記複数のアプタマーのそれぞれに付されたレドックスタグを含む電気化学アプタマーセンサであり、前記記録または予測が、前記アプタマーの周波数応答をさらに含む、デバイス。
【請求項15】
請求項13に記載のデバイスにおいて、前記アプタマーセンサが、前記複数のアプタマーのそれぞれに付されたレドックスタグを含む電気化学アプタマーセンサであり、前記記録または予測が、前記アプタマーの検体濃度応答をさらに含む、デバイス。
【請求項16】
請求項13に記載のデバイスにおいて、前記アプタマーセンサが、前記複数のアプタマーのそれぞれに付されたレドックスタグを含む電気化学アプタマーセンサであり、前記記録または予測が、前記センサの数時間の使用にわたるセンサ応答の変化をさらに含む、デバイス。
【請求項17】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記アプタマーセンサが、光学的であり、前記複数のアプタマーのそれぞれに少なくとも1つの蛍光タグを有する、デバイス。
【請求項18】
サンプル流体中の1つまたは複数の検体を測定するための方法であって、
a.1つまたは複数の検体を含むサンプル流体を少なくとも1つのアプタマーセンサに曝すステップであり、前記アプタマーセンサが、
i.前記少なくとも1つのアプタマーセンサと前記サンプル流体との間に流体連通を確立する手段と、
ii.少なくとも1つの温度センサと
を含む、曝すステップと、
b.前記センサを使用して前記サンプル中の前記1つまたは複数の検体の濃度を検出するステップと
を含み、
前記温度センサが、少なくとも1つの測定値を取り、前記測定値が、温度変化に対するアプタマーセンサ応答の変化を予測する、前記アプタマーセンサの温度依存性の参照記録または予測であり、さらに、前記アプタマーセンサによって測定された信号が、前記温度センサの前記測定値および前記記録または予測を使用して調節されて、前記アプタマーセンサからの信号が検体濃度を正確に表すようにする、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、前記サンプル流体が、間質液、血液、およびそれらの組合せからなる群から選択される、方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法において、少なくとも1つの温度センサを含むリーダ部品をさらに備え、さらに、前記アプタマーセンサが使用後に使い捨て可能である、方法。
【請求項21】
請求項18に記載の方法において、前記アプタマーセンサが皮下に配置される、方法。
【請求項22】
請求項18に記載の方法において、前記温度センサが皮下に配置される、方法。
【請求項23】
請求項18に記載の方法において、前記温度センサが皮膚の外側に配置される、方法。
【請求項24】
請求項18に記載の方法において、皮下に配置される第1の温度センサと、皮膚の外側に配置される第2の温度センサとをさらに備える、方法。
【請求項25】
請求項18に記載の方法において、前記温度センサが、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約3mm以内に位置する、方法。
【請求項26】
請求項18に記載の方法において、前記温度センサが、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約1mm以内に位置する、方法。
【請求項27】
請求項18に記載の方法において、前記温度センサが、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約300μm以内に位置する、方法。
【請求項28】
請求項18に記載の方法において、前記温度センサが、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約100μm以内に位置する、方法。
【請求項29】
請求項18に記載の方法において、前記温度センサが少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサの温度を適切に予測するように、前記デバイスに断熱材をさらに備える、方法。
【請求項30】
請求項18に記載の方法において、前記アプタマーセンサが、前記複数のアプタマーのそれぞれに付されたレドックスタグを含む電気化学アプタマーセンサであり、前記記録または予測が、前記アプタマーの周波数応答をさらに含む、方法。
【請求項31】
請求項18に記載の方法において、前記アプタマーセンサが、前記複数のアプタマーのそれぞれに付されたレドックスタグを含む電気化学アプタマーセンサであり、前記記録または予測が、前記アプタマーの検体濃度応答をさらに含む、方法。
【請求項32】
請求項18に記載の方法において、前記アプタマーセンサが、前記複数のアプタマーのそれぞれに付されたレドックスタグを含む電気化学アプタマーセンサであり、前記記録または予測が、前記センサの数時間の使用にわたるセンサ応答の変化をさらに含む、方法。
【請求項33】
請求項18に記載の方法において、前記アプタマーセンサが、光学的であり、前記複数のアプタマーのそれぞれに少なくとも1つの蛍光タグを有する、方法。
【請求項34】
請求項18に記載の方法において、前記温度センサの測定値が、前記アプタマーセンサにおける温度の直接的な尺度である、方法。
【請求項35】
請求項18に記載の方法において、前記温度センサの測定値が、前記アプタマーセンサにおける温度の間接的な尺度である、方法。
【請求項36】
請求項18に記載の方法において、前記電気化学アプタマーセンサが、前記センサの少なくとも一部をユーザの皮膚に配置することによってユーザに取り付けられる、方法。
【請求項37】
請求項18に記載の方法において、前記温度センサが、ユーザの皮膚内に少なくとも100μm挿入される、方法。
【請求項38】
請求項18に記載の方法において、少なくとも2つの温度センサが、ユーザの皮膚内の異なる深さまたは皮膚からの異なる距離に配置されて、前記アプタマーセンサの温度を予測する温度勾配を測定する、方法。
【請求項39】
請求項18に記載の方法において、前記温度センサが前記アプタマーセンサの温度を適切に予測するように、前記アプタマーセンサが断熱材を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]関連出願の相互参照
本出願は、開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、2021年8月20日に出願された米国仮出願第63/235,349号の優先権および出願日の利益を主張する。
【0002】
[0002]本発明は、電気化学アプタマーベースの(EAB)センサの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]電気化学アプタマーセンサは、電極に取り付けられた対象の検体に特異的に結合するアプタマー配列から構成され、アプタマーには、電極との間で電荷を転送することができるレドックス活性分子(レドックスタグ)が付されている。検体がアプタマーに結合すると、アプタマーは形状を変化させて、レドックスタグを、電極に対して平均して近づけたり遠ざけたりし、それにより、検体の濃度の尺度に変換可能な電流の測定可能な変化が生じる。アプタマーの主な未解決の課題は、ポイントオブケア、ウェアラブル、および埋め込み可能な適用のための温度補正である。アプタマーベースのセンシングは、単純な試験管内(ビーカ)試験および動物実験であっても、環境的に制御された試験に限定された実験室プロジェクトがほとんどである。アプタマーベースのセンサの実際の適用では、温度が測定精度の交絡因子となり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]以下で、本発明のある例示的な態様を説明する。これらの態様は、本発明が取り得るある形態の簡単な概要を読者に提供するためだけに提示され、これらの態様は、本発明の範囲を限定することを意図していないことを理解されたい。実際に、本発明は、以下で明示的に説明されないことのある様々な態様を包含することができる。
【0005】
[0005]上記の欠点および制限の多くは、廉価で、効果的に、便利に、知的に、または確実に、センシング技術を、測定対象の少なくとも1つの検体を含むサンプル流体に近接させるように、化学物質、材料、センサ、電子機器、マイクロ流体工学、アルゴリズム、コンピューティング、ソフトウェア、システム、およびその他の機構または設計の新規かつ高度な相互作用を作り出すことによって解決され得る。
【0006】
[0006]開示された本発明の実施形態は、温度補正を含むアプタマーセンサに関する。
【0007】
[0007]また、本発明の一態様は、サンプル流体中の1つまたは複数の検体を測定するためのデバイスに関する。デバイスは、複数のアプタマーを含む少なくとも1つのアプタマーセンサを備える。センサは、検体のうちの少なくとも1つの測定値を提供する。加えて、測定値は、温度変化によって影響される(「温度依存性応答」)。デバイスはまた、少なくとも1つのアプタマーセンサとサンプル流体との間に流体連通を確立する手段を備える。さらに、デバイスは、少なくとも1つの温度センサと、温度依存性応答による測定エラーを補正するための手段とを備える。一実施形態において、サンプル流体は、間質液、血液、およびそれらの組合せからなる群から選択される。別の実施形態において、デバイスはまた、少なくとも1つの温度センサを含むリーダ部品を備える。
【0008】
[0008]一実施形態において、アプタマーセンサは皮下に配置可能である。別の実施形態において、温度センサは皮下に配置可能である。一実施形態において、温度センサは皮膚の外側に配置可能である。別の実施形態において、皮下に配置可能な第1の温度センサがあり、皮膚の外側に配置可能な第2の温度センサがある。
【0009】
[0009]一実施形態において、温度センサは、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約3mm以内に位置する。別の実施形態において、温度センサは、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約1mm以内に位置する。一実施形態において、温度センサは、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約300μm以内に位置する。別の実施形態において、温度センサは、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約100μm以内に位置する。一実施形態において、デバイスはまた、温度センサが少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサの温度を適切に予測するように、デバイスに断熱材を備える。
【0010】
[0010]別の実施形態において、本発明のデバイスはまた、アプタマーセンサの温度依存性の記録または予測を含むことのできる少なくとも1つの部品を備える。一実施形態において、アプタマーセンサは、複数のアプタマーのそれぞれに付されたレドックスタグを含む電気化学アプタマーセンサであり、上記記録または予測は、アプタマーの周波数応答をさらに含む。別の実施形態において、アプタマーセンサは、複数のアプタマーのそれぞれに付されたレドックスタグを含む電気化学アプタマーセンサであり、上記記録または予測は、アプタマーの検体濃度応答をさらに含む。
【0011】
[0011]一実施形態において、アプタマーセンサは、複数のアプタマーのそれぞれに付されたレドックスタグを含む電気化学アプタマーセンサであり、上記記録または予測は、センサの数時間の使用にわたるセンサ応答の変化をさらに含む。別の実施形態において、アプタマーセンサは、光学的であり、複数のアプタマーのそれぞれに少なくとも1つの蛍光タグを有する。
【0012】
[0012]本発明の別の態様は、サンプル流体中の1つまたは複数の検体を測定するための方法に関する。方法は、最初に1つまたは複数の検体を含むサンプル流体を少なくとも1つのアプタマーセンサに曝すステップを含む。アプタマーセンサは、少なくとも1つのアプタマーセンサとサンプル流体との間に流体連通を確立する手段を含む。アプタマーセンサはまた、少なくとも1つの温度センサを含む。方法は、センサを使用してサンプル中の上記1つまたは複数の検体の濃度を検出するステップをさらに含む。温度センサは、少なくとも1つの測定値を取り、測定値は、温度変化に対するアプタマーセンサ応答の変化を予測する、アプタマーセンサの温度依存性の参照記録または予測である。また、アプタマーセンサによって測定された信号は、温度センサの測定値および記録または予測を使用して調節されて、アプタマーセンサからの信号が検体濃度を正確に表すようにする。
【0013】
[0013]一実施形態において、サンプル流体は、間質液、血液、およびそれらの組合せからなる群から選択される。別の実施形態において、センサは、少なくとも1つの温度センサを含むリーダ部品をさらに備え、さらに、アプタマーセンサは使用後に使い捨て可能である。
【0014】
[0014]一実施形態において、アプタマーセンサは皮下に配置される。別の実施形態において、温度センサは皮下に配置される。一実施形態において、温度センサは皮膚の外側に配置される。別の実施形態において、第1の温度センサが皮下に配置され、第2の温度センサが皮膚の外側に配置される。
【0015】
[0015]一実施形態において、温度センサは、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約3mm以内に位置する。別の実施形態において、温度センサは、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約1mm以内に位置する。一実施形態において、温度センサは、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約300μm以内に位置する。別の実施形態において、温度センサは、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約100μm以内に位置する。
【0016】
[0016]一実施形態において、温度センサが少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサの温度を適切に予測するように、デバイスに断熱材がさらに含まれる。別の実施形態において、アプタマーセンサは、複数のアプタマーのそれぞれに付されたレドックスタグを含む電気化学アプタマーセンサであり、上記記録または予測は、アプタマーの周波数応答をさらに含む。一実施形態において、アプタマーセンサは、複数のアプタマーのそれぞれに付されたレドックスタグを含む電気化学アプタマーセンサであり、上記記録または予測は、アプタマーの検体濃度応答をさらに含む。
【0017】
[0017]別の実施形態において、アプタマーセンサは、複数のアプタマーのそれぞれに付されたレドックスタグを含む電気化学アプタマーセンサであり、上記記録または予測は、センサの数時間の使用にわたるセンサ応答の変化をさらに含む。一実施形態において、アプタマーセンサは、光学的であり、複数のアプタマーのそれぞれに少なくとも1つの蛍光タグを有する。別の実施形態において、温度センサの測定値は、アプタマーセンサにおける温度の直接的な尺度である。一実施形態において、温度センサの測定値は、アプタマーセンサにおける温度の間接的な尺度である。別の実施形態において、電気化学アプタマーセンサは、センサの少なくとも一部をユーザの皮膚に配置することによってユーザに取り付けられる。
【0018】
[0018]一実施形態において、温度センサは、ユーザの皮膚内に少なくとも100μm挿入される。別の実施形態において、少なくとも2つの温度センサが、ユーザの皮膚内の異なる深さまたは皮膚からの異なる距離に配置されて、アプタマーセンサの温度を予測する温度勾配を測定する。一実施形態において、温度センサがアプタマーセンサの温度を適切に予測するように、アプタマーセンサは断熱材を含む。
【0019】
[0019]以下の詳細な説明および図面に照らして、開示された本発明の目的および利点がさらに理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】[0020]開示された本発明の実施形態によるデバイスの断面図である。
【
図2】[0021]開示された本発明の実施形態によるデバイスの断面図である。
【
図3】[0022]開示された本発明の実施形態によるデバイスの断面図である。
【
図4】[0023]E-ABセンサの概略図である。
【
図5A】[0024]不安定化ATP E-ABセンサについて、センサの平衡、標的検体に対する応答、および水すすぎ後のベースラインへの再生を説明する矩形波ボルタモグラムを示すグラフである。
【
図5B】[0025]親トブラマイシンE-ABセンサについて、センサの平衡、標的検体に対する応答、および水すすぎ後のベースラインへの再生を説明する矩形波ボルタモグラムを示すグラフである。
【
図5C】[0026]コカインE-ABセンサについて、センサの平衡、標的検体に対する応答、および水すすぎ後のベースラインへの再生を説明する矩形波ボルタモグラムを示すグラフである。
【
図6A】[0027]室温(RT)を含むいくつかの温度における、不安定化ATP E-ABセンサの平衡の矩形波ボルタモグラムを示すグラフである。
【
図6B】[0028]室温(RT)を含むいくつかの温度における、親トブラマイシンE-ABセンサの平衡の矩形波ボルタモグラムを示すグラフである。
【
図6C】[0029]室温(RT)を含むいくつかの温度における、コカインE-ABセンサの平衡の矩形波ボルタモグラムを示すグラフである。
【
図7A】[0030]1℃(太字)、室温(22℃、細字)、および37℃(三角形)において、不安定化ATP E-ABセンサを使用して行われた周波数掃引を示すグラフである。
【
図7B】[0031]1℃(細字)、室温(22℃、太字)、および37℃(破線)において、親トブラマイシンE-ABセンサを使用して行われた周波数掃引を示すグラフである。
【
図7C】[0032]1℃(細字)、室温(22℃、太字)、および37℃(破線)において、コカインE-ABセンサを使用して行われた周波数掃引を示すグラフである。
【
図8A】[0033]1℃(細字)、室温(22℃、太字)、および37℃(破線)において、親トブラマイシンE-ABセンサを使用して行われた較正曲線を示すグラフである。
【
図8B】[0034]1℃(細字)、室温(22℃、太字)、および37℃(破線)において、不安定化ATP E-ABセンサを使用して行われた較正曲線を示すグラフである。
【
図8C】[0035]1℃(細字)、室温(22℃、太字)、および37℃(破線)において、コカインE-ABセンサを使用して行われた較正曲線を示すグラフである。
【
図9】[0036]標的検体が追加されない状態の、時間(分)および上昇する温度(℃)の関数としてのパーセント信号変化の増加を示す、不安定化ATP E-ABセンサの3Dプロットである。
【
図10A】[0037]温度依存性が特異的アプタマーの構造モチーフに関連する様子を示す図であり、折り畳まれていないアプタマーベースのセンサを示す図である。
【
図10B】[0038]温度依存性が特異的アプタマーの構造モチーフに関連する様子を示す図であり、レドックスマーカを電極に近接して維持するように折り畳まれた標的結合状態を示す図である。
【
図10C】[0039]温度依存性が特異的アプタマーの構造モチーフに関連する様子を示す図であり、レドックスマーカを電極に近接して維持するように折り畳まれた別の標的結合状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
定義
[0040]本明細書で使用されるとき、「約」という用語は、質量、重量、時間、体積、pH、サイズ、濃度、またはパーセンテージの値または量を指す場合、一部の実施形態では指定された量の±20%、一部の実施形態では±10%、一部の実施形態では±5%、一部の実施形態では±1%、一部の実施形態では±0.5%、および一部の実施形態では±0.1%の変動を包含することを意味し、このような変動は、開示された方法を実行するために適切なものである。
【0022】
[0041]本明細書で使用されるとき、「アプタマー」という用語は、検体が分子に結合するときに立体構造変化を受け、本明細書に記載のセンシング方法の一般的な動作原理を満たす分子を意味する。このような分子は、例えば、天然もしくは修飾DNA、RNA、またはXNAオリゴヌクレオチド配列、スピーゲルマー、ペプチドアプタマー、およびアフィマーである。修飾は、アプタマー配列内の天然塩基を非天然核酸塩基で置換すること、天然配列を非天然配列で置換すること、またはセンサ機能を向上させる他の適切な修飾を含むことができる。アプタマーは、分子ビーコンで使用されるような、付された蛍光疑問タグおよび光学的疑問タグ、または例えば、電気化学アプタマーベースのセンサで使用されるようにタグ付けされたレドックス分子を使用する、光学的または電気化学的に検出可能な性質のものであり得る。アプタマーは、単一のヌクレオチドストランドとして、または測定する検体の存在下で互いに対する結合が変化する2つ以上のストランドとして機能することができる。
【0023】
[0042]本明細書に記載のデバイスおよび方法は、センサの使用を包含する。本明細書で使用されるとき、「センサ」は、溶液中の標的検体の濃度を測定可能なデバイスである。本明細書で使用されるとき、「検体」は、無機もしくは有機分子、例えば、小分子薬物、代謝物、ホルモン、ペプチド、タンパク質、炭水化物、核酸、または任意の他の組成物であってよい。標的検体は薬物を含むことができる。薬物は、例えば、心臓系の治療のための薬物、中枢神経系の治療のための薬物、免疫系を調節する薬物、内分泌系を調節する薬物、抗生物質、化学療法薬物、または違法薬物を含む任意の種類のものであってよい。標的検体は、天然に存在する因子、例えばホルモン、代謝物、成長因子、神経伝達物質などを含むことができる。標的検体は、対象の任意の他の種、例えば、病原体(病原体誘発因子または病原体由来因子を含む)、栄養素、および汚染物質などの種を含むことができる。
【0024】
[0043]本明細書で使用されるとき、「連続センシング」という用語は、デバイスが複数の読取値を経時的に記録することを単に意味する。
【0025】
[0044]本明細書で使用されるとき、「温度測定部品」または「温度センサ」という用語は、アプタマーセンサの測定精度を向上させるために使用可能な温度の尺度を提供する、接触もしくは非接触測定を行う赤外線検出器、サーモカップルもしくはサーミスタ、環境温度測定または他の測定のデバイスもしくは部品などの任意の部品を意味する。
【0026】
[0045]本明細書で使用されるとき、「検体」という用語は、センサを使用して測定可能な溶液または流体中の任意の溶質を意味する。検体は、小分子、タンパク質、ペプチド、電解質、酸、塩基、抗体、小分子が結合された分子、DNA、RNA、薬物、化学物質、汚染物質、または溶液もしくは流体中の他の溶質であってよい。
【0027】
[0046]本明細書で使用されるとき、「サンプル流体」という用語は、測定する少なくとも1つの検体を含む任意の溶液または流体を意味する。
【0028】
本発明の詳細な説明
[0047]以下で、本発明の1つまたは複数の具体的な実施形態について説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を提供するために、本明細書には実際の実装形態のすべての特徴は記載されていないことがある。どのような工学プロジェクトまたは設計プロジェクトの場合とも同様に、そのような実際の実装形態のいずれの開発においても、実装形態ごとに異なり得る、システム関連およびビジネス関連の制約への準拠などの開発者の具体的な目的を達成するために、実装形態に固有の多数の決定を行わなければならないことを理解すべきである。さらに、そのような開発努力は、複雑で時間を要することがあるが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する当業者にとっては、設計、作製、および製造の慣例的な仕事であることを理解するべきである。
【0029】
[0048]開示された本発明のある実施形態は、センサを単純な個々の要素として示す。多くのセンサは、2つ以上の電極、参照電極、または本明細書の説明に取り込まれていない追加のサポート技術もしくは機構を必要とすることを理解されたい。センサは、検体の特性を測定する。センサは、好ましくは電気的な性質のものであるが、光学的、化学的、機械的、または他の既知のバイオセンシング機構を含んでもよい。良好なデータおよび読取値を提供するために、センサは2つ、3つ、またはそれ以上であってもよい。センサは、連続したまたは離散のデータおよび/または読取値を提供する。開示された本発明のある実施形態は、様々な適用におけるデバイスの使用に、既知のより多くの副構成要素(例えば、バッテリ、アンテナ、接着剤)が必要である、センシングデバイスの副構成要素を示し、簡潔さのためおよび本発明の態様に焦点を合わせるために、そのような構成要素は、図に明示的に示されず、または開示された本発明の実施形態に記載されないことがある。
【0030】
[0049]実施例の欄で詳細に説明するように、アプタマーセンサの結合親和性、電子伝達速度、および応答曲線は、他のバイオセンサと比較して強い固有の温度依存性を有することがある。この温度依存性は、検体の測定精度に影響し得る。例えば、グルコース試験紙リーダと同様に作用するポイントオブケア試験デバイスが、屋外において高温または低温(高温の車内の>45℃~冬の屋外の<0℃)で使用されることがある。例えば、真皮内の小さい針状センサを使用する、皮膚に埋め込まれたセンサを含むウェアラブルデバイスは、中核体温、皮膚表面温度(放射熱、日光、冷たい吹き込み空気、水)、または周囲温度の両方の変化を感知する。同様に、バイオセンシング用のほとんどの電気化学的および光学的な埋め込み型デバイスは、皮膚の下または皮膚表面の近くに挿入され、同様に温度変化を受けることがある。皮膚温度は、皮膚内の深さに伴って、かつ身体中央部および外部の影響により大きく変動し得る。例えば、温度は、皮膚表面の>40℃から身体中央部の37℃に、または皮膚表面の<30℃もしくはさらには<10℃から身体中央部の37℃にわたることがあり、皮膚深さの最初の2~10mmにわたって温度が急速に低下する。この皮膚深さは、多くの留置針ベースのセンサが真皮に接するのと同じ深さであり、したがって、それらの動作温度は、体外または体内温度測定値によって決定することができず、両極端の中間になり得る。さらに、皮膚上(身体の外側)の体外センサは、体温と外的に誘発される温度との中間の温度を有する。これらの温度は、外的要因(放射熱、空気流、身体表面からの蒸発、周囲温度、中核体温、衣服など)に伴って変動する。したがって、検体の測定中にアプタマーセンサの温度を正確に予測する技術が必要である。
【0031】
[0050]アプタマーセンサの温度依存性の予測は、理論上は一般化または予測され得るが、実際には、実際のアプタマー構造モチーフ自体およびセンサ読出しに影響し得るセンサの他の態様に対する強い依存性(電極への基本的なレドックス電子伝達の温度依存性など)を有する。折り畳みに基づくアプタマーベースのセンサの温度補正は、標的のない状態と標的結合状態との両方におけるアプタマーの構造を考慮に入れる必要がある(例えば、
図4、
図10A~
図10C)。より詳細には、標的のない状態は、所与の温度で再現可能な電流を生じさせる。レドックスマーカを電極に近接して維持するように折り畳まれた標的結合状態(
図10B)は、より自由に空間を探ることのできる非構造プローブよりも高いピーク電流を生じさせることができる。温度が上昇するにつれて、信号読出し(電流)は、いくつかのアプタマープローブを単調に増加させる。但し、電流の変化は、アプタマー構造に基づいて変動する。信号変化の速度(電流密度対温度として伝えられる)は、おそらくアプタマーの構造変化(例えば、三次/二次構造の融解)により、温度変化全体を通じて一定ではない。標的結合状態についての電流に対する温度効果を比較するときに、同じ観察が行われる。したがって、各センサは、それぞれの核酸配列に対して個別化された構造モチーフに応じた個々の較正を必要とする。
【0032】
[0051]
図1を参照すると、開示された本発明の実施形態において、ポイントオブケアまたは他の種類の血液また尿または他の体液試験紙デバイス100は、プラスチックから形成された試験紙110から構成され、この試験紙110は、トブラマイシン、バンコマイシン、コルチゾール、または他の検体用の電気化学アプタマーセンサなどの少なくとも1つのアプタマーセンサ120を含む。一実施形態において、試験紙センサは、少なくとも1つの温度センサ170を含む電気化学リーダ112に接続する3つの電極ファンアウト(対電極、作用電極、参照電極)を有する。別の実施形態において、試験紙は、分子ビーコンなどの光学ベースのアプタマーを使用し、リーダ112は蛍光リーダである。いずれの場合にも、アプタマー結合動力学は、リーダおよび試験紙が温暖または低温環境で試験される場合、温度補正を必要とし得る温度依存性を有する(実施例の欄を参照)。温度センサ170は、単純なサーモカップルであってよい。一実施形態において、試験紙110が挿入され、温度センサ170はルックアップテーブルまたは式を有し、このルックアップテーブルまたは式は、測定が行われる間の電流温度について、試験紙110の電気化学測定の温度依存性を補正するために使用される。
【0033】
[0052]同一の数字が同一の機構を指す
図2を参照すると、開示された本発明の実施形態において、プラスチックハウジング210および皮膚接着剤218を含む留置またはマイクロニードルウェアラブルセンサデバイス200は、皮膚12内に少なくとも100μm皮下挿入された留置針230にアプタマーセンサ220を有する。デバイス200は、少なくとも1つの温度センサ270、272、274、276、278をさらに有する。アプタマーセンサ220によって行われる測定は、温度変動について補正される。これは、センサ220が、前述した温度変動の影響を完全に避けるように体内の十分な深さまで(数センチメートル以上)挿入されていないからである。例えば、温度センサ270は、皮膚の温度を測定することができ、理想的には、一実施形態において、アプタマーセンサ220の少なくとも3mm以内の皮膚内の温度を測定することができる。別の実施形態において、温度センサ270は、アプタマーセンサ220の1mm以内の皮膚内の温度を測定することができる。さらに別の実施形態において、温度センサ270は、アプタマーセンサ220の300μm以内の皮膚内の温度を測定することができる。さらに別の実施形態において、温度センサ270は、アプタマーセンサ220の100μm以内の皮膚内の温度を測定することができる。これは、センサ220の温度の直接測定と呼ばれることがある。あるいは、センサ自体を用いる1つまたは複数の他の技術によって、温度が間接的に測定され判定されてもよい。例えば、参照電極は、1℃の温度変化当たり1mVなどの、温度変化を予測するように測定可能な温度依存性を有し、または、拡散係数が温度依存性であるため、電気化学アプタマーセンサの走査波ボルタンメトリー測定のためのピーク周波数が、温度に伴ってシフトし、または測定中のバックグラウンド電流が、温度に伴って増加する。これらの要因のうちの1つまたは複数が、個々にまたは一緒に、センサ220自体を通して温度測定値を提供することができ、その温度測定値は、アプタマーが検体に結合するときに、アプタマーの温度誘発シフト信号応答を補正するために使用される。あるいは、1つまたは複数の他の温度センサ270、272、274、276、278によって、温度が間接的に測定され判定されてよい。例えば、センサが体内の既知の深さにあり、中核体温が安定したままであるか、または直接測定される限り、センサ274および270またはセンサ272および274は、身体表面から外方の温度勾配と、センサ220における温度を測定するために使用される温度勾配とを測定することができる。これは、身体および身体上のデバイスにわたる温度勾配が、広範囲の高温環境および低温環境にわたって容易に特徴付けられ得るため、実現可能である。その後、このデータは、2つ以上の温度センサ270、272、274、276、278を使用して局所的な温度勾配が測定された後に、センサにおける温度を予測するために使用されてよい。あるいは、例えば外部温度を測定するセンサ274およびセンサ272などの光学/赤外線温度測定を使用して、中核体温を測定することができ、これも、アプタマーセンサ220が正しい深さにある限り、アプタマーセンサ220の温度を予測するために使用される。周囲温度などの追加の温度データを、デバイス200からのデータを用いて動作するデバイスまたはソフトウェアに統合することができ、例えばスマートフォンなどの追加のデバイス280を使用して測定および/または計算される。あるいは、センサ274または270のようなデバイスの下および皮膚の近くにおける1つの温度測定値が、センサ220における温度の十分に正確な予測値を提供するように、デバイス200は周囲温度から適切に断熱されてよい。
【0034】
[0053]同一の数字が同一の機構を指す
図3を参照すると、開示された本発明の実施形態において、皮膚12に埋め込まれた埋込み型デバイス300は、アプタマーセンサ320と温度センサ370とを有する。埋込み型デバイスの場合、局所温度の直接測定が、最も実用的な手法であり、ウェアラブルデバイスと比較して追加のコストなしでより容易に実行される。しかしながら、ウェアラブルデバイスも、前述したように温度測定技術を使用することができ、例えば、ウェアラブル電子リーダデバイス380を含むことができ、このウェアラブル電子リーダデバイス380は、皮膚の近くもしくは皮膚上に配置されて、埋込み型デバイス300からデータを受信し、または、例えば埋込み型デバイス300に接続された同じスマートフォンに接続された、温度センシングを含むスマートウォッチ(図示せず)からデータを受信する。
【0035】
[0054]本発明の実施形態を参照すると、体内のセンサは、センサの温度を予測可能な値(例えば33℃または37℃)に常に上昇させるセンサまたはウェアラブルを含む局所加熱ヒータを含んでもよいが、そのような技術は、温度センサを動作させる必要があり、したがって、アプタマーセンサのまたはその近くの温度を測定するために、教示されたような1つまたは複数の要素を必要とする。
【0036】
[0055]本発明の実施形態を参照すると、アプタマーセンサは、他の機会と共にポイントオブケア(POC)の長期モニタリングデバイスとして使用される可能性を有する。その性能は、緩衝液などのパラメータ(電解質濃度およびpH)、通常は金である導電性基板の表面被覆率、およびセンサがインタロゲートされる周波数に依存し、本明細書で教示されるように、温度に依存し得る。実施例において、温度は、センサ性能を特定の適用に合わせるときに考慮する別のパラメータとして説明された。
図4は、検体494の結合に応答するメチレンブルーなどのレドックスタグ492を有する、電極418上のアプタマー490を示し、アプタマーセンサ信号に影響するアプタマーの熱運動ならびに他の要因は、温度に依存する。電極418は、単層アルキチオレート分子(図示せず)などのブロック層で被覆されてもよく、このブロック層も、レドックスタグ492と電極418との間の電極転写のための温度依存性を有することができる。
【0037】
[0056]本発明の実施形態を参照すると、アプタマーセンサの温度依存性を判定するために、1つまたは複数の方法を使用することができる。いくつかの非限定的な例が提供される。センサは、検体の既知の濃度、既知の測定技術(矩形波ボルタンメトリーによる周波数応答など)、およびその較正(例えば、温度制御された血清浴中での較正)中に使用される既知の温度を使用して、複数の温度に対して較正されてよい。検体の少なくとも1つの濃度に対するセンサ応答は、センサ開発またはセンサ製造時に、2つ以上の温度で、より好ましくは可能な動作温度の全温度掃引にわたって測定されてよい。所与の温度または複数の温度について、検体濃度の変化、測定パラメータ(周波数など)、またはセンサの他の温度依存性態様に対するセンサ応答が、センサ開発またはセンサ製造時に測定されてよい。その後、これらの測定値が、ルックアップテーブル、または近似予測方程式もしくはアルゴリズムを介してソフトウェアに入れられてよく、あるいはアナログ電子機器、または他の適切な技術に入れられてよく、これらはすべて、生のセンサ信号を検体濃度の正確な測定値に変換することによって温度依存性を補正する。補正は、複雑であっても簡単であってもよく、例えば簡単である場合、簡単な式を使用し、この式は、最大10%の測定可能な検体濃度における、センサ信号の変化を、27℃から30℃まで1℃当たり2%増加し、その後、30℃から36℃まで1℃当たり3%増加すると予測する。補正は複雑であっても簡単であってもよく、例えば複雑である場合、検体濃度の全範囲およびそれぞれ6時間の動作にわたって、30℃~40℃にわたる温度変化応答における0.1℃ごとの完全なルックアップテーブルを使用する。これは、アプタマーの運動自由度を制限することによるセンサ汚染の影響の温度依存性などの要因として、温度依存性が経時的に変化し得るからである。
【実施例】
【0038】
【実施例1】
【0039】
[0057]
図5A~
図5Cは、それぞれ不安定化ATP E-ABセンサ、親トブラマイシンE-ABセンサ、およびコカインE-ABセンサの、すべて室温における、センサの平衡(「標的なし」)、標的検体に対する応答(「標的」)、および水すすぎ後のベースラインへの再生(「再生」)を説明する一連の矩形波ボルタモグラムである。センサは、すべて20mMのトリス緩衝液(20mMのトリズマ塩基、100mMのNaCl、および5mMのMgCl
2)中でインタロゲートされた。
図5は、ATP、トブラマイシン、またはコカインなどの検体標的が存在する場合または存在しない場合のセンサ応答の平衡を示す。
【0040】
[0058]
図6A~
図6Cは、不安定化ATP E-ABセンサ(
図6A)、親トブラマイシンE-ABセンサ(
図6B)、およびコカインE-ABセンサ(
図6C)の平衡の一連の矩形波ボルタモグラム(SWV)である。
図6は、1℃、22℃、および37℃におけるセンサを示す。他のセンサのそれぞれについて測定された電流は、センサが平衡化される温度に基づいて変化する。低温(1℃)で、測定された電流Ipは、3つのセンサについて減少する。理論に縛られることなく、これは、表面におけるオリゴヌクレオチドの運動の減少と低い柔軟性とによるものであり得る。温度を1℃からより温暖な22℃にすると、Ipの増加が観察され、最終的に温度が37℃まで上昇すると、不安定化ATPセンサのIpは大幅に増加し、親トブラマイシンE-ABセンサおよびコカインE-ABセンサのIpはそれほど大幅には増加しない。理論に縛られることなく、Ipの増加は、オリゴヌクレオチドの柔軟性の増加とその表面における運動とによるものであり得る。これにより、試験のための電流が、場合によっては大幅に増加する。ATPセンサの結果は、その構造の結果であり得る。
【実施例2】
【0041】
[0059]センサを適用により良好に合わせるために、E-ABセンサの周波数依存性を最適化パラメータとして使用した。
図7および
図8に、温度変化に基づく周波数依存性の説明が示されている。
図7Aは、1℃(太字)、室温(22℃、細字)、および37℃(三角形)において、不安定化ATP E-ABセンサを使用して行われた一連の周波数掃引である。
図7Bは、1℃(細字)、室温(22℃、太字)、および37℃(破線)において、親トブラマイシンセンサを使用して行われた一連の周波数掃引である。
図7Cは、1℃(細字)、室温(22℃、太字)、および37℃(破線)において、コカインセンサを使用して行われた一連の周波数掃引である。周波数掃引は、20mMのトリス緩衝液(20mMのトリズマ塩基、100mMのNaCl、および5mMのMgCl
2)中で行われた。
図8A~
図8Cは、1℃(細字)、室温(太字)、および37℃(破線)において、親トブラマイシンE-ABセンサ(
図8A)、不安定化ATP E-ABセンサ(
図8B)、およびコカインE-ABセンサ(
図8C)を使用して、400Hz、400Hz、および500Hzでそれぞれ行われた一連の較正曲線である。
【0042】
[0060]アプタマーは、1℃、22℃、37℃において、トリス緩衝液中で平衡化、インタロゲート、および再生された。温度は、センサが通常使用され得る温度範囲をカバーするように選択された。そのような使用の例は、生体内、食品検査用、またはポイントオブケア試験用を含む。各E-ABセンサの性能は、室温(RT)におけるそれらの予想応答を判定するように特徴付けられた。
図8に示すように、各センサは、平衡化、標的検体の飽和濃度でインタロゲートされ、DI水で30秒すすぐことにより再生された。センサは、パーセント信号変化として数値化され表され得る電流の増加を示し、これにより、ATP E-ABセンサ、親トブラマイシンE-ABセンサ、およびコカインE-ABセンサのそれぞれについて110%、38%、56%増加した。センサはすべて、DI水によるすすぎ後にベースラインに再生され、これは、この種類のセンサの再利用性の利点を示す。
【0043】
[0061]
図9は、標的検体が追加されない状態の、時間(分)および上昇する温度(℃)の関数としてのパーセント信号変化の増加を示す、不安定化ATP E-ABセンサの3Dプロットである。図は、温度が上昇するとパーセント信号が増加することを示し、標的検体が存在することなくピーク電流(Ip)が増加することを表す。
【0044】
材料および方法
[0062]以下の化学物質および材料をそのまま使用した。トリス-2-カルボキシエチル-ホスフィン(TCEP)、塩化マグネシウム(MgCl2)、塩化ナトリウム(NaCl)、トリズマ(トリス)塩基(2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンチオール)、硫酸(H2SO4)、水酸化ナトリウム(NaOH)、10Xトリス-EDTA、および6-メルカプト-1-ヘキサノール(C6-OH)、アデノシン三リン酸(ATP)、トブラマイシン、アミノグリコシド系抗生物質、およびノルコカイン塩酸塩溶液(Sigma-Aldrich、St.Louis、MO、USA)をすべてそのまま使用した。すべての溶液を、超純水(25℃で18.0MΩcm)を用いて、Biopak Polisher Milliporeの超精製システム(Millipore、Billerica、MA)を使用して調製した。ATPアプタマー配列(5’-CTGGGGGAGTATTGCGGAGGAAA-3’)オリゴヌクレオチド配列を、二重HPLC(Thermo-Fisher)を使用して精製し、そのまま使用した。
【0045】
エポキシ樹脂包埋電極における電気化学アプタマーベースの(E-AB)センサ作製
[0063]E-ABセンサを作製するために、直径2mmの金円板マクロ電極(CH Instruments、Austin、TX)を、1μmのダイヤモンドスラリ(Buehler、LakeBluff、IL)中で2分間手磨きし、次に、0.05μmのアルミナ酸化物スラリ(Buehler、LakeBluff、IL)中で2分間研磨した。すべての電極を、超純水(Milli-Q Ultrapure Water Purification、Millipore、Billerica、MA、U.S.A)ですすいだ。微粒子を除去するために、電極を、低電力超音波処理装置で5分間超音波処理した。次に、電極を、様々な濃度の水酸化ナトリウム溶液および硫酸溶液中で、電気化学的に洗浄した。センサ作製は、多くの培養ステップからなる。最初に、2uLの100mM TCEPを1μLのアプタマーに添加し、1時間放置して培養させ、ジスルフィド結合反応を行った。電極を、20mMのトリズマ塩基、100mMのNaCL、および5mMのMgCl2を含む、pH7.45の400nMのアプタマープローブ溶液に、室温で1時間浸漬させた。電極を超純水で完全にすすぎ、余分なアプタマーを洗い流した。その後、電極を、30mMの6-メルカプト-1-ヘキサノールの溶液に、1.5時間浸漬させて、不動態化層を形成した。最後に、電極を超純水ですすぎ、トリス緩衝液(20mMのトリズマ塩基、100mMのNaCl、および5mMのMgCl2)中で1時間平衡化した。
【0046】
電気化学測定
[0064]CH Instrument 1040C電気化学ワークステーション(CH Instruments、Austin、TX、U.S.A.)を使用して、電気化学測定を行った。電気化学測定は、白金対電極、Ag/AgCl(3M KCL)参照電極(CH Instruments、Austin、TX)、および作用電極としての直径2mmの3つの金円板電極からなる3電極セルで行われた。矩形波ボルタンメトリー(SWV)を使用して、センサ表面をインタロゲートした。SWVは、400Hzおよび500Hzの周波数、25mVの振幅、0.001Vの増分電位、および-0.05V~(-0.55V)の電位範囲を使用して収集された。
【0047】
体内試験装置
[0065]体内試験装置は、金被覆された鍼を、アプタマーセンサ用に機能化された作用電極として使用し、皮膚に配置されたゲルパッド電極を、参照および対電極として使用した。これらの試験では、センサは真皮内に配置される。あるいは、アプタマーセンシングセンサ用に機能化された平面状の金または金円板電極が、体外に配置され、中空マイクロニードルを介して真皮に結合された。これらのセンサは、皮膚温度と環境温度との混合である温度依存性を有し、アプタマーセンサ自体で、またはその近くで温度が判定され得る、本明細書で教示された、例えば
図2について教示されたような温度補正の利益を同様に得る。
【0048】
[0066]本明細書で詳細に説明されていないが、開示された実施形態から容易に解釈される、または開示された実施形態と共に組み込まれる他のステップが、本発明の一部として含まれる。本明細書で説明された実施形態は、本発明の要素を表す具体的な例を提供するが、当業者に一般的に知られているすべての可能な実施形態を必ずしも網羅するものではない。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル流体中の1つまたは複数の検体を測定するためのデバイスであって、
a.複数のアプタマーを含む少なくとも1つのアプタマーセンサであり、前記センサが、前記検体のうちの少なくとも1つの測定値を提供し、前記測定値が
、温度依存性応答
である、アプタマーセンサと、
b.前記少なくとも1つのアプタマーセンサと前記サンプル流体との間に流体連通を確立する手段と、
c.少なくとも1つの温度センサと、
d.前記温度依存性応答による測定エラーを補正するための手段と
を備えるデバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記サンプル流体が、間質液、血液、およびそれらの組合せからなる群から選択される、デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載のデバイスにおいて、少なくとも1つの温度センサを含むリーダ部品をさらに備えるデバイス。
【請求項4】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記アプタマーセンサが皮下に配置可能である、デバイス。
【請求項5】
請求項4に記載のデバイスにおいて、前記温度センサが皮下に配置可能である、デバイス。
【請求項6】
請求項4に記載のデバイスにおいて、前記温度センサが皮膚の外側に配置可能である、デバイス。
【請求項7】
請求項4に記載のデバイスにおいて、皮下に配置可能な第1の温度センサと、皮膚の外側に配置可能な第2の温度センサとをさらに備えるデバイス。
【請求項8】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記温度センサが、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約3mm以内に位置する、デバイス。
【請求項9】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記アプタマーセンサが、光学的であり、前記複数のアプタマーのそれぞれに少なくとも1つの蛍光タグを有する、デバイス。
【請求項10】
サンプル流体中の1つまたは複数の検体を測定するための方法であって、
a.1つまたは複数の検体を含むサンプル流体を少なくとも1つのアプタマーセンサに曝すステップであり、前記アプタマーセンサが、
i.前記少なくとも1つのアプタマーセンサと前記サンプル流体との間に流体連通を確立する手段と、
ii.少なくとも1つの温度センサと
を含む、曝すステップと、
b.前記センサを使用して前記サンプル中の前記1つまたは複数の検体の濃度を検出するステップと
を含み、
前記温度センサが、少なくとも1つの測定値を取り、前記測定値が、温度変化に対するアプタマーセンサ応答の変化を予測する、前記アプタマーセンサの温度依存性の参照記録または予測であり、さらに、前記アプタマーセンサによって測定された信号が、前記温度センサの前記測定値および前記記録または予測を使用して調節されて、前記アプタマーセンサからの信号が検体濃度を正確に表すようにする、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、前記サンプル流体が、間質液、血液、およびそれらの組合せからなる群から選択される、方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法において、少なくとも1つの温度センサを含むリーダ部品をさらに備え、さらに、前記アプタマーセンサが使用後に使い捨て可能である、方法。
【請求項13】
請求項10に記載の方法において、前記アプタマーセンサが皮下に配置される、方法。
【請求項14】
請求項10に記載の方法において、前記温度センサが皮下に配置される、方法。
【請求項15】
請求項10に記載の方法において、前記温度センサが皮膚の外側に配置される、方法。
【請求項16】
請求項10に記載の方法において、皮下に配置される第1の温度センサと、皮膚の外側に配置される第2の温度センサとをさらに備える、方法。
【請求項17】
請求項10に記載の方法において、前記温度センサが、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約3mm以内に位置する、方法。
【請求項18】
請求項10に記載の方法において、前記温度センサが少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサの温度を適切に予測するように、前記デバイスに断熱材をさらに備える、方法。
【請求項19】
請求項10に記載の方法において、前記アプタマーセンサが、前記複数のアプタマーのそれぞれに付されたレドックスタグを含む電気化学アプタマーセンサであり、前記記録または予測が、前記アプタマーの周波数応答をさらに含む、方法。
【請求項20】
請求項10に記載の方法において、前記アプタマーセンサが、前記複数のアプタマーのそれぞれに付されたレドックスタグを含む電気化学アプタマーセンサであり、前記記録または予測が、前記アプタマーの検体濃度応答をさらに含む、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
[0066]本明細書で詳細に説明されていないが、開示された実施形態から容易に解釈される、または開示された実施形態と共に組み込まれる他のステップが、本発明の一部として含まれる。本明細書で説明された実施形態は、本発明の要素を表す具体的な例を提供するが、当業者に一般的に知られているすべての可能な実施形態を必ずしも網羅するものではない。
<付記>
[付記1]
サンプル流体中の1つまたは複数の検体を測定するためのデバイスであって、
a.複数のアプタマーを含む少なくとも1つのアプタマーセンサであり、前記センサが、前記検体のうちの少なくとも1つの測定値を提供し、前記測定値が、温度変化によって影響される(「温度依存性応答」)、アプタマーセンサと、
b.前記少なくとも1つのアプタマーセンサと前記サンプル流体との間に流体連通を確立する手段と、
c.少なくとも1つの温度センサと、
d.前記温度依存性応答による測定エラーを補正するための手段と
を備えるデバイス。
[付記2]
付記1に記載のデバイスにおいて、前記サンプル流体が、間質液、血液、およびそれらの組合せからなる群から選択される、デバイス。
[付記3]
付記1に記載のデバイスにおいて、少なくとも1つの温度センサを含むリーダ部品をさらに備えるデバイス。
[付記4]
付記1に記載のデバイスにおいて、前記アプタマーセンサが皮下に配置可能である、デバイス。
[付記5]
付記4に記載のデバイスにおいて、前記温度センサが皮下に配置可能である、デバイス。
[付記6]
付記4に記載のデバイスにおいて、前記温度センサが皮膚の外側に配置可能である、デバイス。
[付記7]
付記4に記載のデバイスにおいて、皮下に配置可能な第1の温度センサと、皮膚の外側に配置可能な第2の温度センサとをさらに備えるデバイス。
[付記8]
付記1に記載のデバイスにおいて、前記温度センサが、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約3mm以内に位置する、デバイス。
[付記9]
付記1に記載のデバイスにおいて、前記温度センサが、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約1mm以内に位置する、デバイス。
[付記10]
付記1に記載のデバイスにおいて、前記温度センサが、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約300μm以内に位置する、デバイス。
[付記11]
付記1に記載のデバイスにおいて、前記温度センサが、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約100μm以内に位置する、デバイス。
[付記12]
付記1に記載のデバイスにおいて、前記温度センサが少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサの温度を適切に予測するように、前記デバイスに断熱材を備える、デバイス。
[付記13]
付記1に記載のデバイスにおいて、前記アプタマーセンサの温度依存性の記録または予測を含むことのできる少なくとも1つの部品をさらに備えるデバイス。
[付記14]
付記13に記載のデバイスにおいて、前記アプタマーセンサが、前記複数のアプタマーのそれぞれに付されたレドックスタグを含む電気化学アプタマーセンサであり、前記記録または予測が、前記アプタマーの周波数応答をさらに含む、デバイス。
[付記15]
付記13に記載のデバイスにおいて、前記アプタマーセンサが、前記複数のアプタマーのそれぞれに付されたレドックスタグを含む電気化学アプタマーセンサであり、前記記録または予測が、前記アプタマーの検体濃度応答をさらに含む、デバイス。
[付記16]
付記13に記載のデバイスにおいて、前記アプタマーセンサが、前記複数のアプタマーのそれぞれに付されたレドックスタグを含む電気化学アプタマーセンサであり、前記記録または予測が、前記センサの数時間の使用にわたるセンサ応答の変化をさらに含む、デバイス。
[付記17]
付記1に記載のデバイスにおいて、前記アプタマーセンサが、光学的であり、前記複数のアプタマーのそれぞれに少なくとも1つの蛍光タグを有する、デバイス。
[付記18]
サンプル流体中の1つまたは複数の検体を測定するための方法であって、
a.1つまたは複数の検体を含むサンプル流体を少なくとも1つのアプタマーセンサに曝すステップであり、前記アプタマーセンサが、
i.前記少なくとも1つのアプタマーセンサと前記サンプル流体との間に流体連通を確立する手段と、
ii.少なくとも1つの温度センサと
を含む、曝すステップと、
b.前記センサを使用して前記サンプル中の前記1つまたは複数の検体の濃度を検出するステップと
を含み、
前記温度センサが、少なくとも1つの測定値を取り、前記測定値が、温度変化に対するアプタマーセンサ応答の変化を予測する、前記アプタマーセンサの温度依存性の参照記録または予測であり、さらに、前記アプタマーセンサによって測定された信号が、前記温度センサの前記測定値および前記記録または予測を使用して調節されて、前記アプタマーセンサからの信号が検体濃度を正確に表すようにする、方法。
[付記19]
付記18に記載の方法において、前記サンプル流体が、間質液、血液、およびそれらの組合せからなる群から選択される、方法。
[付記20]
付記18に記載の方法において、少なくとも1つの温度センサを含むリーダ部品をさらに備え、さらに、前記アプタマーセンサが使用後に使い捨て可能である、方法。
[付記21]
付記18に記載の方法において、前記アプタマーセンサが皮下に配置される、方法。
[付記22]
付記18に記載の方法において、前記温度センサが皮下に配置される、方法。
[付記23]
付記18に記載の方法において、前記温度センサが皮膚の外側に配置される、方法。
[付記24]
付記18に記載の方法において、皮下に配置される第1の温度センサと、皮膚の外側に配置される第2の温度センサとをさらに備える、方法。
[付記25]
付記18に記載の方法において、前記温度センサが、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約3mm以内に位置する、方法。
[付記26]
付記18に記載の方法において、前記温度センサが、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約1mm以内に位置する、方法。
[付記27]
付記18に記載の方法において、前記温度センサが、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約300μm以内に位置する、方法。
[付記28]
付記18に記載の方法において、前記温度センサが、少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサから約100μm以内に位置する、方法。
[付記29]
付記18に記載の方法において、前記温度センサが少なくとも1つの電気化学アプタマーセンサの温度を適切に予測するように、前記デバイスに断熱材をさらに備える、方法。
[付記30]
付記18に記載の方法において、前記アプタマーセンサが、前記複数のアプタマーのそれぞれに付されたレドックスタグを含む電気化学アプタマーセンサであり、前記記録または予測が、前記アプタマーの周波数応答をさらに含む、方法。
[付記31]
付記18に記載の方法において、前記アプタマーセンサが、前記複数のアプタマーのそれぞれに付されたレドックスタグを含む電気化学アプタマーセンサであり、前記記録または予測が、前記アプタマーの検体濃度応答をさらに含む、方法。
[付記32]
付記18に記載の方法において、前記アプタマーセンサが、前記複数のアプタマーのそれぞれに付されたレドックスタグを含む電気化学アプタマーセンサであり、前記記録または予測が、前記センサの数時間の使用にわたるセンサ応答の変化をさらに含む、方法。
[付記33]
付記18に記載の方法において、前記アプタマーセンサが、光学的であり、前記複数のアプタマーのそれぞれに少なくとも1つの蛍光タグを有する、方法。
[付記34]
付記18に記載の方法において、前記温度センサの測定値が、前記アプタマーセンサにおける温度の直接的な尺度である、方法。
[付記35]
付記18に記載の方法において、前記温度センサの測定値が、前記アプタマーセンサにおける温度の間接的な尺度である、方法。
[付記36]
付記18に記載の方法において、前記電気化学アプタマーセンサが、前記センサの少なくとも一部をユーザの皮膚に配置することによってユーザに取り付けられる、方法。
[付記37]
付記18に記載の方法において、前記温度センサが、ユーザの皮膚内に少なくとも100μm挿入される、方法。
[付記38]
付記18に記載の方法において、少なくとも2つの温度センサが、ユーザの皮膚内の異なる深さまたは皮膚からの異なる距離に配置されて、前記アプタマーセンサの温度を予測する温度勾配を測定する、方法。
[付記39]
付記18に記載の方法において、前記温度センサが前記アプタマーセンサの温度を適切に予測するように、前記アプタマーセンサが断熱材を含む、方法。
【国際調査報告】