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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-03
(54)【発明の名称】感知増幅器における低容量のメモリ
(51)【国際特許分類】
   G11C 11/419 20060101AFI20240827BHJP
   G11C 11/418 20060101ALI20240827BHJP
   G11C 7/06 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
G11C11/419 100
G11C11/418 120
G11C7/06 120
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510696
(86)(22)【出願日】2022-07-27
(85)【翻訳文提出日】2024-02-21
(86)【国際出願番号】 US2022038534
(87)【国際公開番号】W WO2023027857
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】17/446,195
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】アルン・バブ・パレーラ
(72)【発明者】
【氏名】アニル・チョーダリー・コタ
(72)【発明者】
【氏名】ホチュル・リー
【テーマコード(参考)】
5B015
【Fターム(参考)】
5B015HH01
5B015JJ22
5B015KA37
5B015KB13
5B015PP01
(57)【要約】
各々が読み取りマルチプレクサに関連付けられている、複数のメモリバンクを含むメモリが提供される。第1の読み取りマルチプレクサは、第1の複数のビット線を第1の感知ノード対に結合し、第2の読み取りマルチプレクサは、第2の複数のビット線を第2の感知ノード対に結合する。第1の感知増幅器は、第1の感知ノード対に結合されている。第2の感知ノード対は、同じ感知増幅器又は異なる感知増幅器に結合され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の複数のビット線を第1の感知ノード及び第1の相補感知ノードに結合する第1の読み取りマルチプレクサと、
第2の複数のビット線を第2の感知ノード及び第2の相補感知ノードに結合する第2の読み取りマルチプレクサと、
前記第1の感知ノード及び前記第1の相補感知ノードに結合された第1の感知増幅器であって、前記第1の読み取りマルチプレクサがメモリビットセルの第1のバンクに関連付けられ、前記第2の読み取りマルチプレクサがメモリビットセルの第2のバンクに関連付けられる、第1の感知増幅器と
を含む、回路。
【請求項2】
前記第2の感知ノード及び前記第2の相補感知ノードに結合された第2の感知増幅器であって、前記第2の感知増幅器の出力が前記第1の感知増幅器の出力に結合されている、第2の感知増幅器
を更に含む、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記第1の感知増幅器が、NANDゲートの第1の交差結合された対を含み、前記第2の感知増幅器が、NANDゲートの第2の交差結合された対を含み、前記回路が、
NANDゲートの前記第1の交差結合された対に結合された第1のプッシュプル回路と、NANDゲートの前記第2の交差結合された対に結合された第2のプッシュプル回路と
を更に含み、
前記第1の感知増幅器の前記出力及び前記第2の感知増幅器の前記出力が、前記第1のプッシュプル回路及び前記第2のプッシュプル回路をそれぞれ介して結合されている、
請求項2に記載の回路。
【請求項4】
NANDゲートの前記第1の交差結合された対が、前記第1の感知ノードに結合されており、NANDゲートの前記第2の交差結合された対が、前記第1の相補感知ノードに結合されている、請求項3に記載の回路。
【請求項5】
前記第1の感知増幅器が、前記第2の感知ノード及び前記第2の相補感知ノードに更に結合されている、請求項1に記載の回路。
【請求項6】
前記第1の感知増幅器が、
AND-OR-反転(AOI)ゲートの交差結合された対を含み、
AOIゲートの前記交差結合された対の第1のAOIゲートが、前記第1の相補感知ノード、前記第2の相補感知ノード、及びAOIゲートの前記交差結合された対の第2のAOIゲートからの出力に結合されており、
AOIゲートの前記交差結合された対の前記第2のAOIゲートが、前記第1の感知ノード、前記第2の感知ノード、及びAOIゲートの前記交差結合された対の前記第1のAOIゲートからの出力に結合されている、
請求項5に記載の回路。
【請求項7】
前記第1の感知増幅器が、
AND-OR-反転(AOI)ゲートの交差結合された対と、
AOIゲートの前記交差結合された対の第1のAOIゲートの出力及びAOIゲートの前記交差結合された対の第2のAOIゲートの出力に結合されたプッシュプル回路と
を含む、請求項5に記載の回路。
【請求項8】
前記第1の感知増幅器が、N個の更なる感知ノード及びN個の更なる相補感知ノードに結合されており、前記第1の感知増幅器が、
AND-OR-反転(AOI)ゲートの交差結合された対を更に含み、
AOIゲートの前記交差結合された対の第1のAOIゲートが、前記第1の相補感知ノード、前記第2の相補感知ノード、及び前記N個の更なる相補感知ノードに結合されており、
AOIゲートの前記交差結合された対の第2のAOIゲートが、前記第1の感知ノード、前記第2の感知ノード、及び前記N個の更なる感知ノードに結合されており、Nが1よりも大きい整数である、
請求項5に記載の回路。
【請求項9】
第1の読み取り動作において、第1の複数のビット線対を第1の感知ノード対と多重化することであって、前記第1の複数のビット線対のうちの第1のビット線対を前記第1の感知ノード対と結合することを含む、多重化することと、
前記第1のビット線対と前記第1の感知ノード対との間で電荷共有することと、
前記第1の感知ノード対からの値を論理回路に入力することと、
前記論理回路に、前記第1の感知ノード対からの前記値に基づいてビット判定を行わせることと、
後続の読み取り動作において、第2の複数のビット線対を第2の感知ノード対と多重化することあって、前記第2の複数のビット線対のうちの第2のビット線対を前記第2の感知ノード対に結合することを含み、前記第1の複数のビット線対がメモリビットセルの第1のバンクに関連付けられ、前記第2の複数のビット線対がメモリビットセルの第2のバンクに関連付けられる、多重化することと
を含む、方法。
【請求項10】
前記第2のビット線対と前記第2の感知ノード対との間で電荷共有することと、
前記論理回路に前記第2の感知ノード対からの入力に基づいて後続のビット判定を行わせることと
を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記論理回路が、前記第1の感知ノード対に関連付けられた第1の感知増幅器と、前記第2の感知ノード対に関連付けられた第2の感知増幅器とを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記論理回路が、前記第1の感知ノード対に及び前記第2の感知ノード対に結合された感知増幅器を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記論理回路が、NANDゲートの複数の交差結合された対を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記論理回路に前記ビット判定を行わせることが、NANDゲートの追加の交差結合された対に関連付けられた第2のプッシュプル回路に結合されている第1のプッシュプル回路を使用して、ゲートの第1の交差結合されたNAND対の出力をプッシュアップ又はプルダウンすることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記論理回路が、AND-OR-反転(AOI)ゲートの交差結合された対を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
各々が複数のビット線対を含む、複数のメモリバンクと、
各々が前記メモリバンクのうちのそれぞれ1つに関連付けられる、複数の感知ノード対と、
前記ビット線対を前記感知ノード対と多重化するための手段と、
前記複数のメモリバンクを対象とする複数の読み取り動作中に、前記感知ノード対に関連付けられた電圧に基づいてビット判定を行うための手段と
を含む、メモリデバイス。
【請求項17】
ビット判定を行うための前記手段が、AND-OR-反転(AOI)ゲートの交差結合された対を含み、AOIゲートの前記交差結合された対が、前記複数の感知ノード対に結合されている、請求項16に記載のメモリデバイス。
【請求項18】
AOIゲートの前記交差結合された対の第1のAOIゲートの出力及びAOIゲートの前記交差結合された対の第2のAOIゲートの出力に結合されたプッシュプル回路を更に含む、請求項17に記載のメモリデバイス。
【請求項19】
ビット判定を行うための前記手段が、複数の交差結合されたNANDゲート対を含み、前記NANDゲート対のうちの第1のNANDゲート対が、第1の感知ノード対に結合されており、前記NANDゲート対のうちの第2のNANDゲート対が、第2の感知ノード対に結合されている、請求項16に記載のメモリデバイス。
【請求項20】
第1の複数の列に配列された第1の複数のビットセルを含む第1のメモリバンクと、
第2の複数の列に配列された第2の複数のビットセルを含む第2のメモリバンクと、
第1の読み取りマルチプレクサによって前記第1の複数の列に結合された第1の感知ノード対と、
第2の読み取りマルチプレクサによって前記第2の複数の列に結合された第2の感知ノード対と、
前記第1の感知ノード対に結合された第1の感知増幅器と
を含む、メモリ。
【請求項21】
前記第1の感知増幅器が、前記第2の感知ノード対に更に結合されているAND-OR-反転(AOI)ゲートの交差結合された対を含む、請求項20に記載のメモリ。
【請求項22】
前記第1の感知増幅器が、N個の更なる感知ノード対に結合されており、
AOIゲートの前記交差結合された対の第1のAOIゲートが、第1の相補感知ノード、第2の相補感知ノード、及びN個の更なる相補感知ノードに結合されており、
AOIゲートの前記交差結合された対の第2のAOIゲートが、第1の感知ノード、第2の感知ノード、及びN個の更なる感知ノードに結合されており、Nが1よりも大きい整数である、
請求項21に記載のメモリ。
【請求項23】
前記第1の感知増幅器が、NANDゲートの第1の交差結合された対を含み、前記メモリが、NANDゲートの第2の交差結合された対を含み、かつ、前記第2の感知ノード対に結合されている、第2の感知増幅器を更に含む、請求項20に記載のメモリ。
【請求項24】
前記第1の感知ノード対が、複数のビット線対によって前記第1の複数の列に結合されており、前記第1の読み取りマルチプレクサが、前記ビット線対のうちの第1のビット線対を前記第1の感知ノード対に結合するために、第1のp型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタ及び第2のPMOSトランジスタをオンにするように構成されている、請求項20に記載のメモリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年8月27日に出願された米国特許出願第17/446,195号の優先権及び利益を主張し、その開示は、以下にその全体が完全に記載されているかのようにその全体が、全ての適用可能な目的のために、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本出願は、メモリに関し、より詳細には、感知増幅器における低容量のマルチバンクメモリに関する。
【背景技術】
【0003】
従来のスタティックランダムアクセスメモリ(static random-access memory、SRAM)では、ビットセルは、読み取り動作中にビット線の対に接続する。読み取り動作の前に、ビット線は、ビットセルに使用される電源電圧まで事前充電される。ビットセルのバイナリコンテンツに応じて、ビットセルは、ビット線対における真のビット線又は相補ビット線のいずれかをその事前充電状態からわずかに放電する。例えば、ビットセルがバイナリ1を記憶していると仮定する。読み取り動作中、ビットセルがそのビット線対に結合されるように、ワード線がアサートされる。バイナリ1の値に起因して、相補ビット線はその事前充電状態から放電される。しかし、ビットセルは、真のビット線をその事前充電状態に維持する。
【0004】
したがって、読み取り動作は、ビット線対の両端間に電圧差を発現させる。このビット線電圧差はフルレールではなく、電源電圧の何分の1かに等しい。この比較的小さい電圧差に応答し、ビットセルに何が記憶されたかに関するビット判定を行うために、感知増幅器は、比較的大きい量の利得を使用することができる。
【0005】
電荷転送感知増幅器(charge transfer sense amplifier、CTSA)は、比較的小さい電圧差でビット判定を可能にするために、比較的大きい量の利得を提供することができる。CTSAは、ビット線又は相補ビット線)と感知ノード(又は相補感知ノード)との間で電荷を転送することによって部分的に利得を提供することができる。しかしながら、いくつかのビット線が感知ノードを共有することがあり、感知ノード当たりのビット線の数が多いほど、寄生容量が高くなることがあり、寄生容量は、速く、信頼性の高いビット判定に対する障害となることがある。
【0006】
したがって、当技術分野では、寄生容量が低減されたメモリが必要である。
【発明の概要】
【0007】
一実装形態では、回路は、第1の複数のビット線を第1の感知ノード及び第1の相補感知ノードに結合する第1の読み取りマルチプレクサと、第2の複数のビット線を第2の感知ノード及び第2の相補感知ノードに結合する第2の読み取りマルチプレクサと、第1の感知ノード及び第1の相補感知ノードに結合された第1の感知増幅器であって、第1の読み取りマルチプレクサがメモリビットセルの第1のバンクに関連付けられ、第2の読み取りマルチプレクサがメモリビットセルの第2のバンクに関連付けられる、第1の感知増幅器とを含む。
【0008】
別の実装形態では、方法は、第1の読み取り動作において、第1の複数のビット線対を第1の感知ノード対と多重化することであって、第1の複数のビット線対のうちの第1のビット線対を第1の感知ノード対と結合することを含む、多重化することと、第1のビット線対と第1の感知ノード対との間で電荷共有することと、第1の感知ノード対からの値を論理回路に入力することと、論理回路に、第1の感知ノード対からの値に基づいてビット判定を行わせることと、後続の読み取り動作において、第2の複数のビット線対を第2の感知ノード対と多重化することであって、第2の複数のビット線対のうちの第2のビット線対を第2の感知ノード対に結合することを含み、第1の複数のビット線対がメモリビットセルの第1のバンクに関連付けられ、第2の複数のビット線対がメモリビットセルの第2のバンクに関連付けられる、多重化することとを含む。
【0009】
別の実装形態では、メモリデバイスは、各々が複数のビット線対を含む、複数のメモリバンクと、各々がメモリバンクのうちのそれぞれ1つに関連付けられる、複数の感知ノード対と、ビット線対を感知ノード対と多重化するための手段と、複数のメモリバンクを対象とする複数の読み取り動作中に、感知ノード対に関連付けられた電圧に基づいてビット判定を行うための手段とを含む。
【0010】
更に別の実装形態では、メモリは、第1の複数の列に配列された第1の複数のビットセルを含む第1のメモリバンクと、第2の複数の列に配列された第2の複数のビットセルを含む第2のメモリバンクと、第1の読み取りマルチプレクサによって第1の複数の列に結合された第1の感知ノード対と、第2の読み取りマルチプレクサによって第2の複数の列に結合された第2の感知ノード対と、第1の感知ノード対に結合された第1の感知増幅器とを含む。
【0011】
これら及び追加の利点は、以下の発明を実施するための形態を通してより十分に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の一態様による、複数の感知ノード対を有するマルチバンクメモリを示す。
図2図1のメモリにおける例示的な感知増幅器を示す。
図3図1の例示的な感知増幅器のタイミング図を示す。
図4図1のメモリにおける例示的な感知増幅器を示す。
図5】本開示の一態様による、複数の感知ノード対を有するマルチバンクメモリを示す。
図6図5のメモリにおける例示的な感知増幅器を示す。
図7】本開示の一態様による、ビット線対と感知ノード対との間の例示的なインターフェースを示す。
図8図1及び図5のマルチバンクメモリによって実行され得る例示的な方法のフローチャートを示す。
図9】本開示の一態様による、メモリを組み込み得る例示的なシステムオンチップ(system on chip、SOC)を示す。
【0013】
本開示の実装形態及びそれらの利点は、以下の詳細な説明を参照することによって最良に理解される。各図のうちの1つ以上に示される同様の要素を識別するために同様の参照番号が使用されることを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0014】
各々が読み取りマルチプレクサに関連付けられる、複数のメモリバンクがその中に存在するSRAMなどのメモリが提供される。例えば、第1の読み取りマルチプレクサは、第1の複数のビット線を第1の感知ノード及び第1の相補感知ノードに結合し得る。第2の読み取りマルチプレクサは、第2の複数のビット線を第2の感知ノード及び第2の相補感知ノードに結合し得る。複数のビット線は、複数のビット線対(ビット線及びビット線相補体)を含んでもよい。各ビット線対は、ビットセルの列に対応し得る。したがって、各メモリバンクは、複数のワード線によって横断される複数のビットセル列を含み得る。
【0015】
複数の読み取りマルチプレクサが同じ感知ノード対(感知ノード及び感知ノード相補体)に結合し得る他の例とは対照的に、本明細書で論じられる実装形態は、第1の読み取りマルチプレクサが第1の感知ノード及び第1の相補感知ノードに結合し、第2の読み取りマルチプレクサが第2の感知ノード及び第2の相補感知ノードに結合するアーキテクチャを含み得る。上述のように、感知ノード及び相補感知ノードを共有するビット線の数が増加すると、寄生容量も増加する。しかしながら、本明細書で論じられる実装形態は、メモリバンクの各々に少なくとも1つの対を提供することによって、感知ノード対の数を増加させる。したがって、ビット線と感知ノードとの比が低減され、それによって、各感知増幅器によって見られる寄生容量が低減される。より低い寄生容量は、電荷共有によって達成される電圧を増加させ得、それによって、より高速でより信頼性の高いビット判定を提供する。
【0016】
一例では、第1の感知ノード及び第1の相補感知ノードに結合された第1の感知増幅器と、第2の感知ノード及び第2の相補感知ノードに結合された第2の感知増幅器とが存在する。言い換えれば、各メモリバンクは、それ自体の感知増幅器に関連付けられている。感知増幅器は、感知増幅器の各々がNANDゲートの交差結合された対として構築され、交差結合された対の各々がプッシュプル回路に結合されることを含めて、任意の適切な方法で実装され得る。
【0017】
別の実装形態では、複数のメモリバンクが単一の感知増幅器と結合される。言い換えれば、感知増幅器は、両方の感知ノード対に結合され、したがって、マルチプレクサの各々に結合される。感知増幅器は、AND-OR-反転(AOI)ゲートの交差結合された対を含んでもよく、第1のAOIゲートは、第1の相補感知ノード、第2の相補感知ノード、及び第2のAOIゲートからの出力に結合されており、第2のAOIゲートは、第1の感知ノード、第2の感知ノード、及び第1のAOIゲートの出力に結合されている。AOIゲートの交差結合された対は、プッシュプル回路を共有し得る。
【0018】
交差結合されたAOIゲートを使用する実装形態の利点は、NANDゲートの2つの交差結合された対を使用する実装形態と比較して、トランジスタの数が低減され得ることである。トランジスタの数を低減することは、チップ上で使用されるシリコン面積の量を低減し得、おそらく、製造コストを低減し、並びに動的電力及び漏れ電力を潜在的に節約する。
【0019】
感知増幅器は、電荷共有感知増幅器(charge sharing sense amplifiers、CTSA)として実装され得る。一例では、多重化された列のグループの各ビット線は、それ自体の電荷転送トランジスタを介して感知ノードに結合する。各電荷転送トランジスタのソースはそのビット線に結合し、各電荷転送トランジスタのドレインはその感知ノードに結合する。したがって、各電荷転送トランジスタのゲートソース間電圧は、そのゲート電圧及びそのビット線電圧によって決定される。以下の議論では、各電荷転送トランジスタがp型金属酸化膜半導体(p-type metal-oxide semiconductor、PMOS)トランジスタであると仮定するが、電荷転送はn型金属酸化膜半導体(n-type metal-oxide semiconductor、NMOS)トランジスタでも達成できることが理解されよう。
【0020】
読み取り動作のためのワード線アサーションの前に、ビット線は電源電圧まで事前充電され、感知ノードは放電される。ワード線は、次いで、ワード線アサーション期間にわたってアサートされ、その期間中、多重化された列のグループのワード線とビット線対との交点において各ビットセル内に記憶されたビットに依存するビット線電圧差が各ビット線対に対して発現する。このビットに応じて、各ビット線対における真のビット線又は相補ビット線のいずれかが、事前充電状態(電源電圧、VDD)からわずかに放電される。電荷転送は、ワード線アサーション期間の終わり近くで始まる電荷転送期間中に生じる。電荷転送期間の前に、各電荷転送トランジスタのゲート電圧は、各電荷転送トランジスタがオフであるように電源電圧に維持される。電荷転送期間は、ビット線電圧差が各ビット線対に対して発現し得るように、ワード線のアサーションに対して遅延される。電荷転送期間中、電荷転送トランジスタのゲート電圧は、いくらかのスルーレートで電源電圧から接地に向かって降下する。例えば、電荷転送トランジスタのゲート電圧を制御するために、比較的小さなインバータ又はダミービット線電圧が使用され得る。ビット値に応じて、各ビット線対における真のビット線又は相補ビット線のいずれかが、その事前充電状態(電源電圧)からわずかに降下する。このビット線は、以下の議論において、部分的に充電されたビット線と呼ばれる。しかし、各ビット線対の残りのビット線は電源電圧まで充電されたままである。このビット線は、以下の議論において完全に充電されたビット線と呼ばれる。
【0021】
完全に充電されたビット線の電荷転送トランジスタのゲートソース間電圧(ゲートビット線間電圧)がその閾値電圧を満たすように、電荷転送期間中、多重化された列のグループ内の各電荷転送トランジスタのゲート電圧が低下する。しかし、部分的に充電されたビット線の電圧の低下は、この同じゲート電圧が部分的に充電されたビット線の電荷転送トランジスタの閾値電圧を満たさないようなものである。したがって、ビット線対における完全に充電されたビット線の電荷転送トランジスタのみが、最初に電荷をその感知ノードに伝導する。感知ノードの容量は、ビット線の容量と比較して相対的に小さいので、結果として生じる電荷転送は、感知ノードをほぼ電源電圧まで充電させる。対照的に、部分的に放電されたビット線に対する感知ノードはその放電されたデフォルト状態のままであるため、アクセスされたビット線対に対する感知ノード同士の間の電圧差はほぼフルレール(電圧差が電源電圧にほぼ等しい)である。したがって、電荷転送により、比較的小さいビット線電圧差が増幅されて、感知ノード上でほぼフルレールの電圧差になる。感知増幅器による感知は、感知対応期間に生じる。
【0022】
図1は、一実装形態による、メモリシステム100の図である。メモリシステム100は、マルチバンクメモリシステムであり、この場合、2つのメモリバンク、すなわち、バンクb0 195及びバンクb1 196を使用する。メモリバンク195、196の各々は、複数のビットセルの列を含み、各列は、ビット線及び相補ビット線を有し、メモリバンクの各々は、複数のワード線によって横断される。ビット線及び相補ビット線190、191は、各々が2つの対を有するものとして示されており、所与のメモリバンクは、任意の適切な数の列に対応する任意の適切な数のビット線対を含み得ることが理解される。
【0023】
マルチプレクサ110を見ると、それはバンクb0 195に対応し、ビット線対190を感知ノードq_b0及びqb_b0に多重化する。同様に、マルチプレクサ120は、バンクb1 196に対応し、ビット線対191を感知ノードq_b1、qb_b1に多重化する。この例では、マルチプレクサ110、120の各々は、pre_n(ビット線事前充電)、rm[0:3](読み取り多重化信号)、及びwm[0:3](書き込み多重化信号)を含む3つの信号を受信する。ここで、信号rm及びwmは、4つの列の中から選択するものとして示されており、上述のように、実装形態の範囲は、多重化され得る任意の数の列をサポートすることに留意されたい。
【0024】
感知ノード(q_b0,q_b1)及び相補感知ノード(qb_b0,qb_b1)は、感知増幅器130への入力である。更にこの例では、メモリシステム100は、所与の時間にメモリバンク195、196のうちの1つに対して読み取り動作又は書き込み動作のいずれかを実行し、両方のメモリバンク195、196に対して同時に動作を実行しない。感知増幅器130は、ビット判定を、その個別のバンクに対する読み取り動作に応答して、メモリバンク195、196のうちの1つに対応する所与の感知ノード対の間の電圧の差に基づかせる。
【0025】
ビット線対と感知ノード対との間のインターフェースは、図7に関してより詳細に説明される。更に、感知増幅器130に関する例示的なアーキテクチャは、図2図4に関してより詳細に説明される。
【0026】
図7は、感知ノード及び相補感知ノード(q及びqb)との単一のビット線及びビット線対(bl及びblb)の例示的なインターフェースの図である。図7は、説明を容易にするために一般化されており、図7で説明される概念は、図1図4並びに図5図6の感知増幅器アーキテクチャの両方に適用可能であることが理解される。図7は、単一のビット線対のみを示しており、他のビット線対が、感知ノードq及びqbに結合され、適切なマルチプレクサ信号rm[0:3]を使用して選択され得ることが理解される。
【0027】
ビット線bl及び相補ビット線blbのビット線対は列を形成する。ビットセル705は、列とワード線wlとの交点に位置する。この例では、ビットセル705は、交差結合されたインバータの対によって形成される。インバータのうちの第1のインバータの出力ノードは、ビットセル705の真(Q)出力である。この出力ノードは、NMOSアクセストランジスタM4を介してビット線blに結合している。同様に、インバータのうちの残りの第2のインバータの出力ノードは、NMOSアクセストランジスタM3を介して相補ビット線blbに結合するビットセル705の相補(QB)出力である。ワード線wlは、Qノード及びQBノードがワード線アサーション期間中にそれぞれのビット線を駆動するように、アクセストランジスタのゲートに結合している。
【0028】
例示的な読み取り動作では、クロックサイクルがワード線wlに対する電圧のアサーションをトリガする。このワード線アサーションの前に、ビット線bl及びblbは、ビット線事前充電回路750によって電源電圧まで事前充電された。ビット線blは、PMOS電荷転送トランジスタM1を介して、対応する感知ノードqに結合している。同様に、相補ビット線blbは、PMOS電荷転送トランジスタM2を介して、対応する感知ノードqbに結合している。ワード線アサーションの前に、電荷転送トランジスタM1、M2のゲート電圧rmは、感知ノードへの電荷転送を防止するために電源電圧にアサートされる。コントローラ745は、ワード線アサーションの前に感知ノード事前充電信号(pre-charge signal、pch)をアサートする。アサートされた感知ノード事前充電信号は、NMOSトランジスタ(例えば、図4のN1、N2)のゲートを駆動する。これらのNMOSトランジスタのソースは接地に連結され、ドレインはq及びqbにそれぞれ連結される。したがって、感知ノード事前充電信号のアサーションは、q及びqbの両方を放電する。同じことが、例えば、他のメモリバンクのq及びqbを放電するトランジスタN3、N4にも当てはまる。
【0029】
次いで、ワード線wlの電圧がアサートされ得、それは、ビットセル705の真の出力ノード及び相補出力ノードがビット線bl及びblbにそれぞれ接続されるように、アクセストランジスタM3及びM4をオンに切り替える。ワード線アサーションは、各ビット線対におけるビット線同士の間にビット線電圧差を発現させる。各ビット線対における1つのビット線は、電源電圧からわずかに低減される(ビット線が部分的に放電される)が、各ビット線対における残りのビット線は、その事前充電状態のままである(ビット線が完全に充電される)。
【0030】
ワード線が依然としてアサートされ、ビット線電圧差が発現した状態で、電荷転送期間は、ゲート電圧rmを放電することによってトリガされる。例えば、ゲート電圧rmはダミービット線によって制御されてもよい。ゲート電圧rmのこの瞬間未満の放電に起因して、ゲート電圧rmは、完全に充電されたビット線にそのソースが連結されている電荷転送トランジスタ(例えば、M2)の閾値電圧まで放電するが、部分的に放電されたビット線にそのソースが連結されている電荷転送トランジスタ(例えば、M1)の閾値電圧を依然として上回る。したがって、完全に充電されたビット線の電荷転送トランジスタは、電荷転送トランジスタが部分的に放電されたビット線から電荷を伝導する前に、その感知ノードに電荷を伝導する。したがって、感知ノード電圧qbは、相補感知ノード電圧qの増加に先立って増加する。
【0031】
図1図4及び図5図6の両方に示すアーキテクチャは、この電圧差を使用してビット判定を行う。例えば、図2は、図1の実装形態の例示的な感知増幅器130の図である。この例における感知増幅器130は、AOIゲート131、132の交差結合された対を使用して実装される。AOIゲート131の真理値表を以下に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
AOIゲート132の真理値表を以下に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
図3は、一実装形態による、図2の感知増幅器130に印加される信号の例示的なタイミング図を提供する。この例は、bl及びblbがバンク195内のビット線対に対応し、VDDで開始し、記憶された0を読み取るためにblが最終的に放電される、図7(上記)の議論から続く。
【0036】
一番上の信号(b0_bl_pre)は、図7に関して上記で論じたように、事前充電信号である。事前充電は時間t1でオフにされ、次いでワード線wl信号が時間t2においてアサートされる。ビット線(bl)は放電されるが、ビット線相補体(blb)はVDDのままである。
【0037】
bl及びblbが十分な電圧差を有すると、pch_b0は、時間t3においてデアサートされ、これは、放電NMOSトランジスタN3、N4がオフになり、一方、トランジスタN1、N2はオンのままであることを意味する。トランジスタP14はオンにされるが、信号SROP、SRONは両方とも高であり、これはトランジスタP1~P4、並びにN11及びP12をオフにする。トランジスタP1及びP3は、VDDをq_b0及びq_b1に結合し、トランジスタP2及びP4は、VDDをqb_b0及びqb_b1に結合する。
【0038】
次いで、読み取りmux信号(b0_rm)が時間t4においてオンになり、これにより、感知ノード対がビット線対に結合される。ビット線blは感知ノードqに結合され、blbは相補感知ノードqbに結合される。ビット線相補体blbは、より高い電位を有し、これにより、qbは、時間t5において、qと比較してより速く上昇する。(q_b1及びqb_b1は、トランジスタP5、P6がオンであり、トランジスタN7、N8がオフであるように、低値のままであることに留意されたい。)この結果、SRON信号は時間t6において低くなる。SRONが低になると、トランジスタP9、P2、P4、及びN11はオンになり、トランジスタN9はオフになる。一方、SROPの高値により、トランジスタP1、P3、P11はオフになり、N10はオンになる。トランジスタN11は、トランジスタP12がオフである間、出力(sa_out)を0(すなわち、接地)にプルし、したがって、出力相補体(sa_out_n)は1である。時間t7においてワード線wlがデアサートされ、それに続いてpch及びrmがデアサートされる。その結果、感知増幅器130は0の出力値を感知し、出力ラッチ(図示せず)などの出力回路に送ることができる。
【0039】
対照的に、デジタル1値の読み取り動作は、blを高状態に留め、blbを放電させ、それによって、q_b0が高になり、qb_b0が低になり、sa_outをデジタル1として出力する結果となる。もちろん、この例は、メモリバンク195に対して実行される読み取り動作のためのものである。メモリバンク196に対して実行される読み取り動作も同様に実行されることが理解される。
【0040】
図4は、一実装形態による、例示的な感知増幅器430の図である。図4の例は、実装形態の範囲が任意の特定の数のメモリバンクに限定されないことを実証するために提供される。むしろ、感知増幅器430は、N個のメモリバンクまでの更なる数のメモリバンクを収容するようにスケーリングされ得、Nは2よりも大きい整数であり、各メモリバンクは、感知ノード及び相補感知ノード(すなわち、q_b0からq_bn-1及びqb_b0からqb_bn-1)を有することになる。感知増幅器430は、直列PMOSトランジスタPX及びPX-bの数並びに並列NMOSトランジスタNX及びNX_bの数を増加させることによってスケーリングされ得る。
【0041】
図5は、一実装形態による、例示的なメモリシステム500を示す。図5の実装形態は、複数のメモリバンク195、196を収容するために2つの感知増幅器510、520を使用する。感知増幅器510及び520は、互いに対して同様の方法で実装され得る。この実装形態では、メモリバンク195は感知ノード対q_b0、qb_b0に対応し、メモリバンク196は感知ノード対q_b1、qb_b1に対応する。感知増幅器510は、感知ノード対q_b0、qb_b0によってマルチプレクサ110に結合されており、感知増幅器520は、感知ノード対q_b1、qb_b1によってマルチプレクサ120に結合されている。
【0042】
この例では、メモリバンク195、196のうちの1つのみが、特定の時間に書き込まれ、又はそこから読み取られる。言い換えれば、感知増幅器510、520のうちの1つのみが、任意の特定の読み取り動作中にビット判定を行うことが予想される。更に、感知増幅器510、520は、書き込み動作中には使用されない。ビット判定が行われると、そのビットは、ラッチ(図示せず)などの下流回路に印加され得る。
【0043】
図6は、一実装形態による、感知増幅器510、520の図である。具体的には、感知増幅器510は、NANDゲート631、632の交差結合された対を含み得、感知増幅器520は、NANDゲート633、634の交差結合された対を含み得る。NANDゲートの各交差結合された対は、図1図4の例と同様に、感知ノード対における感知ノード同士の間の電圧差に基づいてビット判定を行う。
【0044】
この例は、bl及びblbがバンク195内のビット線対に対応し、電源電圧VDDで開始し、記憶された0を読み取るためにblが最終的に放電される、図7(上記)の議論から続く。以下の表は、交差結合されたNANDゲート631、632の真理値表であり、同じ論理が交差結合されたNANDゲート633、634によって提供されることが理解される。
【0045】
【表3】
【0046】
感知ノードq_bは、NANDゲート631の入力に接続され、感知ノードqb_b0は、NANDゲート632の入力に連結する。NANDゲート631及び632は、交差結合されてRSラッチを形成する。この例では、感知ノード対は0ボルトまで事前充電されて、NANDゲート631及び632の両方の出力を電源電圧VDDに対して高にアサートさせ、ビットセル705はデジタル1を記憶する。感知ノード対を0ボルトまで事前充電することにより、トランジスタP24、P26がオンになる。SRON_b0及びSROP_b0の両方が高であり、これは、トランジスタP21、P22、P23、P25、P27、及びN27をオフにし、トランジスタN23、N25をオンにする。キャパシタC(図7)によって概念的に表される感知ノードの寄生容量は、キャパシタCbl(図7)によって概念的に表されるビット線容量と比較して相対的に小さい。電荷転送トランジスタM2(図7)の前に電荷転送トランジスタM1(図7)が導通し始める短い時間量は、したがって、感知ノードqb_b0と比較して、感知ノードq_b0の電圧の著しい増加を引き起こす。この電圧の増加はNANDゲート631の閾値電圧を超えるので、その出力は0まで放電される。言い換えれば、感知ノードq_b0の電圧の増加は、トランジスタN24、N26をオンにし、これは、SROP_b0を0値にプルする。NANDゲート631の0出力は、トランジスタP26をオンにし、トランジスタN25をオフにすることによって、NANDゲート632の高いバイナリ出力を強化する。トランジスタP27はオンになり、ビットセル705内に記憶されたバイナリ1の値が検出されるように、トランジスタN27はオフのままである。
【0047】
ビットセル705内に0が記憶される例では、NANDゲート632によって出力される値は、トランジスタN25、N26をオンにすることによって0になり、NANDゲート631によって出力される値は1になる。異なる読み取り動作において、同じプロセスが感知増幅器520内で実行されてもよい。言い換えれば、感知増幅器520内のトランジスタの配列は、交差結合されたNANDゲート633、634によって、感知増幅器510内のトランジスタの配列によって提供される同じ論理をもたらす。
【0048】
図1図4の実施形態と図5図6の実装形態との間の別の違いは、図5図6の実装形態が、トランジスタP27、N27、P37、N37を含む2つのプッシュプル回路を含むのに対して、図1図4の実装形態は、トランジスタP12及びN11を含む単一のプッシュプル回路を含むことである。これは、図1図4の実装形態が図5図6の実装形態と対比してトランジスタの数を低減する1つの例である。また、上述のように、交差結合されたAOIゲートの単一のセットは、交差結合されたNANDゲートの2つのセットよりも少ない数のトランジスタを有し、これは、図1図4の実装形態がトランジスタの数を低減する別の例である。それにもかかわらず、本明細書で説明される両方の実装形態は、信頼性の高い動作を提供し、必要に応じて所与の適用例において実装され得る。上述のように、本明細書の実装形態は、感知ノード対当たりのビット線対の数を低減することができ、それによって、感知増幅器によって見られる寄生容量を低減し、したがって、より小さい電圧差をより速く検出することを可能にする。
【0049】
読み取り動作のための例示的な方法について、図8に示されるフローチャートを参照して論じる。方法800は、図1及び図5に示したもののようなメモリによって実行され得る。言い換えれば、方法800は、所与の読み取り動作のためのビット判定を行うために、複数の読み取りマルチプレクサと1つ以上の感知増幅器とを有するマルチバンクメモリシステムによって実行され得る。
【0050】
アクション810において、本方法は、第1の複数のビット線対を第1の感知ノード対と多重化することを含む。アクション810は、複数のビット線対のうちの第1のビット線対を第1の感知ノード対と結合することを含み得る。ビット線対及び感知ノード対がトランジスタ対によって結合され、それらのトランジスタがオンにされると、ビット線対及び感知ノード対が電荷を共有する例が図7に関して上記で説明される。
【0051】
アクション820において、本方法は、第1のビット線対と第1の感知ノード対との間で電荷共有することを含む。図7の例では、トランジスタがオンにされると、ビット線対が感知ノード対に電気的に結合される。トランジスタがPMOSトランジスタである例では、ゲートソース電圧は、特定のトランジスタがオンになるタイミングを決定する。例えば、ゲートソース電圧の大きさがより高い電圧により速く到達するとき、トランジスタはより速くオンになり、ゲートソース電圧の大きさがより高い電圧により遅く到達するとき、トランジスタはより遅くオンになる。したがって、ビット線又は相補ビット線は、電荷共有アーキテクチャに応じて、感知ノード又は相補感知ノードをより速く又はより遅く充電又は放電し得る。しかしながら、電荷共有におけるタイムラグは、レール電圧の数分の1であるが、ビット判定を行うために検出され得る電圧をもたらし得る。
【0052】
アクション830において、方法は、感知ノード対からの値を論理回路に入力することを含む。一例では、論理回路は、図2の実装形態におけるように、交差結合されたAOIゲートを含み得る。別の例では、論理回路は、図6の実装形態におけるように、交差結合されたNANDゲートを含み得る。
【0053】
アクション840において、方法は、論理回路に、第1の感知ノード対からの値に基づいてビット判定を行わせることを含む。例えば、論理回路は、感知ノードと相補感知ノードとの間で検出された電圧差に応答してデジタル1又はデジタル0の出力を提供する論理関数を提供することができる。
【0054】
上述のように、本方法は、複数のメモリバンクを有するメモリシステム内で実行されてもよく、メモリバンクの各々は読み取りマルチプレクサに結合されており、各読み取りマルチプレクサは感知ノード対に結合されている。いくつかの例では、1つのメモリバンクのみが、読み取り動作又は書き込み動作中にアクセスされ得る。したがって、後続の読み取り動作は、同じメモリバンク又は異なるメモリバンクに対して実行され得る。アクション850~870は、第2のビット線対及び第2の感知ノード対を使用して第2のメモリバンクに対して実行される後続の読み取り動作を示す。しかしながら、他の例では、アクション850~870は、第1のビット線対及び第2の感知ノード対を使用して同じメモリバンク上で実行され得ることが理解される。
【0055】
実装形態の範囲は、図8に関して説明される一連のアクションに限定されない。むしろ、他の実装形態は、1つ以上のアクションを追加、省略、再配列、又は変更してもよい。例えば、メモリシステムの動作中、読み取り動作は、第1のメモリバンクに対して又は第2のメモリバンクに対して実行され得、次いで、後続の読み取り動作は、第1のメモリバンクラン第2のメモリバンクのいずれかに対して実行され得る、などである。読み取り動作は、書き込み動作と共に点在してもよく、又は点在しなくてもよく、動作は必要に応じて繰り返されてもよい。
【0056】
図9は、一実装形態による、例示的なSOC900の図である。この例では、SOC900は、半導体ダイ上で実装され、複数のシステム構成要素910~990を含む。具体的には、この例では、SOC900は、4つのプロセッサコア、コア0~コア3を有するマルチコア汎用プロセッサであるCPU910を含む。当然、他の実装形態はCPU910に2つのコア、8つのコア、又は任意の他の適切な数のコアを含み得るので、実装形態の範囲は、任意の特定の数のコアに限定されない。SOC900は、第1のデジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)940、第2のDSP950、モデム930、GPU920、ビデオサブシステム960、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)トランシーバ970、及びビデオフロントエンド(video-front-end、VFE)サブシステム980などの、他のシステム構成要素を更に含む。SOC900はまた、構成要素910~980のうちのいずれかのためのシステムRAMとして動作し得るRAMメモリユニット990を含む。例えば、RAMメモリユニット990は、構成要素910~980のうちのいずれかからデータ及び命令を受信することができる。
【0057】
RAMメモリユニット990は、図1図7に関して上記で説明されたもののようなマルチバンク配列にサービスする感知増幅器アーキテクチャを含んでもよい。更に、RAMメモリユニット990は、読み取りアクションを実行するために図8のアクションを実行してもよい。
【0058】
当業者には現時点で理解されるように、目下の特定の適用例に応じて、本開示のデバイスの材料、装置、構成及び使用方法において、また、それらに対して、多くの修正、代替、及び変形を、その範囲から逸脱することなく行うことができる。このことに照らして、本明細書で示され説明された特定の実施形態は、それらのいくつかの例のためにすぎないので、本開示の範囲はそのような特定の実装形態の範囲に限定されるべきではなく、むしろ、以下に添付される特許請求の範囲及びそれらの機能的等価物の範囲と完全に同じであるべきである。
【0059】
以下の番号付きの条項において、実装形態について説明する。
1.第1の複数のビット線を第1の感知ノード及び第1の相補感知ノードに結合する第1の読み取りマルチプレクサと、
第2の複数のビット線を第2の感知ノード及び第2の相補感知ノードに結合する第2の読み取りマルチプレクサと、
第1の感知ノード及び第1の相補感知ノードに結合された第1の感知増幅器であって、第1の読み取りマルチプレクサがメモリビットセルの第1のバンクに関連付けられ、第2の読み取りマルチプレクサがメモリビットセルの第2のバンクに関連付けられる、第1の感知増幅器と
を含む、回路。
【0060】
2.第2の感知ノード及び第2の相補感知ノードに結合された第2の感知増幅器であって、第2の感知増幅器の出力が第1の感知増幅器の出力に結合されている、第2の感知増幅器
を更に含む、条項1の回路。
【0061】
3.第1の感知増幅器が、NANDゲートの第1の交差結合された対を含み、第2の感知増幅器が、NANDゲートの第2の交差結合された対を含み、回路が、
NANDゲートの第1の交差結合された対に結合された第1のプッシュプル回路と、NANDゲートの第2の交差結合された対に結合された第2のプッシュプル回路と
を更に含み、
第1の感知増幅器の出力及び第2の感知増幅器の出力が、第1のプッシュプル回路及び第2のプッシュプル回路を介して結合されている、
条項2の回路。
【0062】
4.NANDゲートの第1の交差結合された対が、第1の感知ノードに結合されており、NANDゲートの第2の交差結合された対が、第1の相補感知ノードに結合されている、条項3の回路。
【0063】
5.第1の感知増幅器が、第2の感知ノード及び第2の相補感知ノードに更に結合されている、条項1の回路。
【0064】
6.第1の感知増幅器が、
AND-OR-反転(AOI)ゲートの交差結合された対
を含み、
AOIゲートの交差結合された対の第1のAOIゲートが、第1の相補感知ノード、第2の相補感知ノード、及びAOIゲートの交差結合された対の第2のAOIゲートからの出力に結合されており、
AOIゲートの交差結合された対の第2のAOIゲートが、第1の感知ノード、第2の感知ノード、及びAOIゲートの交差結合された対の第1のAOIゲートからの出力に結合されている、
条項5の回路。
【0065】
7.第1の感知増幅器が、
AND-OR-反転(AOI)ゲートの交差結合された対と、
AOIゲートの交差結合された対の第1のAOIゲートの出力及びAOIゲートの交差結合された対の第2のAOIゲートの出力に結合されたプッシュプル回路と
を含む、条項5の回路。
【0066】
8.第1の感知増幅器が、N個の更なる感知ノード及びN個の更なる相補感知ノードに結合されており、第1の感知増幅器が、
AND-OR-反転(AOI)ゲートの交差結合された対を含み、
AOIゲートの交差結合された対の第1のAOIゲートが、第1の相補感知ノード、第2の相補感知ノード、及びN個の更なる相補感知ノードに結合されており、
AOIゲートの交差結合された対の第2のAOIゲートが、第1の感知ノード、第2の感知ノード、及びN個の更なる感知ノードに結合されており、Nが1よりも大きい整数である、
条項5の回路。
【0067】
9.第1の読み取り動作において、第1の複数のビット線対を第1の感知ノード対と多重化することであって、第1の複数のビット線対のうちの第1のビット線対を第1の感知ノード対と結合することを含む、多重化することと、
第1のビット線対と第1の感知ノード対との間で電荷共有することと、
第1の感知ノード対からの値を論理回路に入力することと、
論理回路に、第1の感知ノード対からの値に基づいてビット判定を行わせることと、
後続の読み取り動作において、第2の複数のビット線対を第2の感知ノード対と多重化することであって、第2の複数のビット線対のうちの第2のビット線対を第2の感知ノード対に結合することを含み、第1の複数のビット線対がメモリビットセルの第1のバンクに関連付けられ、第2の複数のビット線対がメモリビットセルの第2のバンクに関連付けられる、多重化することと
を含む、方法。
【0068】
10.第2のビット線対と第2の感知ノード対との間で電荷共有することと、
論理回路に第2の感知ノード対からの入力に基づいて後続のビット判定を行わせることと
を更に含む、条項9の方法。
【0069】
11.論理回路が、第1の感知ノード対に関連付けられた第1の感知増幅器と、第2の感知ノード対に関連付けられた第2の感知増幅器とを含む、条項10の方法。
【0070】
12.論理回路が、第1の感知ノード対及び第2の感知ノード対に結合された感知増幅器を含む、条項10の方法。
【0071】
13.論理回路が、NANDゲートの複数の交差結合された対を含む、条項9~10の方法。
【0072】
14.論理回路にビット判定を行わせることが、NANDゲートの追加の交差結合された対に関連付けられた第2のプッシュプル回路に結合された第1のプッシュプル回路を使用して、ゲートの第1の交差結合されたNAND対の出力をプッシュアップ又はプルダウンすることを含む、条項9又は10の方法。
【0073】
15.論理回路が、AND-OR-反転(AOI)ゲートの交差結合された対を含む、条項9又は10の方法。
【0074】
16.各々が複数のビット線対を含む、複数のメモリバンクと、
各々がメモリバンクのうちのそれぞれ1つに関連付けられる、複数の感知ノード対と、
ビット線対を感知ノード対と多重化するための手段と、
複数のメモリバンクを対象とする複数の読み取り動作中に、感知ノード対に関連付けられた電圧に基づいてビット判定を行うための手段と
を含む、メモリデバイス。
【0075】
17.ビット判定を行うための手段が、AND-OR-反転(AOI)ゲートの交差結合された対を含み、AOIゲートの交差結合された対が、複数の感知ノード対に結合されている、条項16のメモリデバイス。
【0076】
18.AOIゲートの交差結合された対の第1のAOIゲートの出力及びAOIゲートの交差結合された対の第2のAOIゲートの出力に結合されたプッシュプル回路を更に含む、条項17のメモリデバイス。
【0077】
19.ビット判定を行うための手段が、複数の交差結合されたNANDゲート対を含み、NANDゲート対のうちの第1のNANDゲート対が、第1の感知ノード対に結合されており、NANDゲート対のうちの第2のNANDゲート対が、第2の感知ノード対に結合されている、条項16のメモリデバイス。
【0078】
20.第1の複数の列に配列された第1の複数のビットセルを含む第1のメモリバンクと、
第2の複数の列に配列された第2の複数のビットセルを含む第2のメモリバンクと、
第1の読み取りマルチプレクサによって第1の複数の列に結合された第1の感知ノード対と、
第2の読み取りマルチプレクサによって第2の複数の列に結合された第2の感知ノード対と、
第1の感知ノード対に結合された第1の感知増幅器と
を含む、メモリ。
【0079】
21.第1の感知増幅器が、第2の感知ノード対に更に結合されたAND-OR-反転(AOI)ゲートの交差結合された対を含む、条項20のメモリ。
【0080】
22.第1の感知増幅器が、N個の更なる感知ノード対に結合されており、
AOIゲートの交差結合された対の第1のAOIゲートが、第1の相補感知ノード、第2の相補感知ノード、及びN個の更なる相補感知ノードに結合されており、
AOIゲートの交差結合された対の第2のAOIゲートが、第1の感知ノード、第2の感知ノード、及びN個の更なる感知ノードに結合されており、Nが整数である、
条項21のメモリ。
【0081】
23.第1の感知増幅器が、NANDゲートの第1の交差結合された対を含み、メモリが、NANDゲートの第2の交差結合された対を含み、かつ、第2の感知ノード対に結合されている、第2の感知増幅器を更に含む、条項20のメモリ。
【0082】
24.第1の感知ノード対が、複数のビット線対によって第1の複数の列に結合されており、第1の読み取りマルチプレクサが、ビット線対のうちの第1のビット線対を前記第1の感知ノード対に結合するために、第1のp型金属酸化膜半導体(PMOS)トランジスタ及び第2のPMOSトランジスタをオンするように構成されている、条項20~23のいずれかのメモリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】