(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-03
(54)【発明の名称】圧延機のための冷却システム
(51)【国際特許分類】
B21B 37/76 20060101AFI20240827BHJP
B21B 38/00 20060101ALI20240827BHJP
B21B 45/02 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
B21B37/76 A
B21B38/00 C
B21B38/00 E
B21B45/02 320S
B21B45/02 320T
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024510704
(86)(22)【出願日】2022-09-02
(85)【翻訳文提出日】2024-04-02
(86)【国際出願番号】 EP2022074411
(87)【国際公開番号】W WO2023036696
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514251927
【氏名又は名称】プライメタルズ テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】イアン・ロビンソン
【テーマコード(参考)】
4E124
【Fターム(参考)】
4E124BB07
4E124BB08
4E124EE14
(57)【要約】
冷却流体を使用して圧延機の冷却システムの中で材料を冷却する方法であって、本方法は、輸送メカニズムによって、所定の長さの材料を圧延機の冷却システムの中へ搬送するステップと;センサーによって、所定の長さの材料の速度を測定するステップと;制御システムによって、測定された速度をセットポイント速度と比較するステップであって、セットポイント速度は、冷却流体の対応する第1の流量を有する、ステップと;制御システムによって、比較に基づいて、冷却流体の第2の流量を計算するステップであって、第2の流量は、第1の流量とは異なっている、ステップと;冷却システムの中の材料に、第2の流量において冷却流体を適用するステップとを含む、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却流体を使用して圧延機の冷却システムの中で材料を冷却する方法であって、
輸送メカニズムによって、所定の長さの材料を圧延機の前記冷却システムの中へ搬送するステップと;
センサーによって、前記所定の長さの材料の速度を測定するステップと;
制御システムによって、測定された前記速度をセットポイント速度と比較するステップであって、前記セットポイント速度は、前記冷却流体の対応する第1の流量を有する、ステップと;
前記制御システムによって、前記比較に基づいて、前記冷却流体の第2の流量を計算するステップであって、前記第2の流量は、前記第1の流量とは異なっている、ステップと;
前記冷却システムの中の前記材料に、前記第2の流量において前記冷却流体を適用するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第2の流量は、調節値を含み、前記調節値は、測定された前記速度と前記セットポイント速度との間の前記比較の結果であり、さらに、前記第2の流量を計算するステップは、前記第2の流量を与えるために、前記調節値を前記第1の流量に追加するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記調節値は、前記所定の長さの材料が前記冷却システムを退出した後の前記所定の長さの材料の最終温度とセットポイント温度との間の差を最小化する値である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、
第1の温度センサーによって、前記所定の長さの材料が前記冷却システムに進入する前の前記所定の長さの材料の初期温度を測定するステップと;
前記測定された温度をセットポイント温度と比較するステップと;
前記制御システムによって、前記比較に基づいて第3の流量を計算するステップと;
前記第3の流量を前記第2の流量と組み合わせるステップと
をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の流量を計算するステップは、
前記制御システムによって、前記材料に関係する1セットの初期条件を受け取るステップと;
前記制御システムによって、および、前記1セットの初期条件を使用して、前記材料の冷却プロセスをモデル化するステップと;
前記制御システムによって、モデル化された前記冷却プロセスに基づいて前記第1の流量を計算するステップと
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記モデル化するステップは、
第2の温度センサーによって、前記所定の長さの材料が前記冷却システムを退出した後の前記所定の長さの材料の最終温度を測定するステップと;
前記制御システムによって、前記測定された最終温度を予測された最終温度と比較するステップと;
前記制御システムによって、前記測定された最終温度と前記予測された最終温度との間の差を計算するステップと;
前記1セットの初期条件および前記差を使用して、前記材料の強化された冷却プロセスをモデル化するステップと;
前記制御システムによって、モデル化された強化された前記冷却プロセスに基づいて第4の流量を計算するステップと;
前記第4の流量を前記第2の流量と組み合わせるステップと
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
センサーによって、前記所定の長さの材料の速度を測定するステップは、前記冷却システムの中の前記所定の長さの材料の前記速度を測定するステップを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の流量は、複数のフロー基準を含み、前記冷却システムは、複数のスプレーヘッダーを含み、前記第2の流量において前記冷却液体を適用する前記ステップは、
前記スプレーヘッダーの対応する前記フロー基準にしたがって、前記複数のスプレーヘッダーのそれぞれによって前記材料に前記冷却流体を適用するステップ
を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
圧延機の中の材料を冷却するように構成されているシステムであって、
所定の長さの材料を圧延機の冷却装置の中へ搬送するように構成されている輸送メカニズムと;
前記所定の長さの材料の速度を測定するように構成されているセンサーと;
制御システムと
を含み、
前記制御システムは、前記測定された速度をセットポイント速度と比較するように構成されており、前記セットポイント速度は、前記冷却流体の対応する第1の流量を有しており;
前記制御システムは、前記比較に基づいて前記冷却流体の第2の流量を計算するように構成されており、前記第2の流量は、前記第1の流量とは異なっており;
前記制御システムは、前記冷却システムの中の前記材料に、前記第2の流量において前記冷却流体を適用するように構成されている、システム。
【請求項10】
前記装置は、所定の長さの材料が冷却システムの中へフィードされる前の前記所定の長さの材料の初期温度を測定するように構成されている第1の温度センサーをさらに含み;
前記制御システムは、
前記初期温度をセットポイント温度と比較するようにさらに構成されており;
前記比較に基づいて第3の流量を計算するようにさらに構成されており;
前記第3の流量を前記第2の流量と組み合わせるようにさらに構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記制御システムは、
前記材料に関係する1セットの初期条件を受け取るように構成されており;
前記1セットの初期条件を使用して、前記材料の冷却プロセスをモデル化するように構成されており;
モデル化された前記冷却プロセスに基づいて前記第1の流量を計算するように構成されている、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記装置は、所定の長さの材料が冷却システムを退出した後の前記所定の長さの材料の最終温度を測定するように構成されている第2の温度センサーをさらに含み;
前記制御システムは、
前記最終温度を予測された最終温度と比較するようにさらに構成されており;
前記測定された最終温度と前記予測された最終温度との間の差を計算するようにさらに構成されており;
1セットの初期条件および前記差を使用して、前記材料の強化された冷却プロセスをモデル化するようにさらに構成されており;
モデル化された強化された前記冷却プロセスに基づいて第4の流量を計算するようにさらに構成されており;
前記第4の流量を前記第2の流量と組み合わせるようにさらに構成されている、請求項9から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記センサーは、前記冷却システムの中に位置付けされている、請求項9から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記冷却システムは、複数のスプレーヘッダーを含む、請求項9から13のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱間圧延機および冷間圧延機を含む、圧延機のための冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
材料コイルまたはプレートの生産は、典型的に、シングルスタンドまたはマルチスタンドの圧延機の使用を伴う。最終的な圧延された製品(すなわち、コイルまたはプレート)は、必要とされる目標温度まで製品温度を低減させるために、冷却セクションに渡されることを必要とすることが多い。これは、一般的に、水の適用によって行われる。製品温度が低減させられる速度および精度は、製品の最終的な機械的特性、すなわち、降伏強度、引張強度、および伸びに影響を及ぼすこととなる。
【0003】
材料の長さに起因して、製品は、圧延機および冷却セクションの中に同時に存在する可能性がある。製品がコイル状に巻かれることとなる場合には、材料が、圧延機および/または冷却セクションの中にあると同時に、コイラーの中にも存在する可能性もある。材料が冷却セクションを通って進行する速度は、圧延機によってまたはコイラーによって固定される。冷却動作の間に、冷却セクションによって使用されることとなる計算された水フローは、圧延機およびコイラーの動作速度に依存することとなる。たとえば、より大きな速度は、典型的に、より大きな水フローを必要とし、その逆もまた同様である。動作速度は、事前定義されており、セットポイント速度として知られる。これは、フロー基準として知られる必要とされる水のフローを計算するために、材料が冷却セクションを通過する前に供給または設定される。
【0004】
実際には、製品の実際の速度は、いくつかの理由のためにセットポイント速度から逸脱する可能性がある。これらの理由のうちのいくつかは、以下の通りである。
a) 製品は、初期のセットポイント速度から逸脱している固定速度で、圧延機のみの中に存在する可能性がある。
b) 製品は、初期のセットポイント速度から逸脱している固定速度で、圧延機とコイラーの両方の中に存在する可能性がある。
c) 製品が圧延機を離れ、コイラーのみの中にあるときに、圧延機とコイラーとの間の張力の喪失は、突然の速度変化を結果として生じさせることとなる。
d) 製品長さは、製品が圧延機の中にもコイラーの中にもないようになっている可能性があり、したがって、製品速度は、次いで、ローラーテーブルの速度に依存する。
e) 製品が、たとえば、フライングクロップシャー(FCS:flying crop shear)を使用して、より小さなセクションへと分割されることを必要とされる場合には、製品は、再び分割される可能性があり、圧延機、製品、およびコイラーの間の張力が喪失されるので、速度偏差を結果として生じさせる。
【0005】
速度セットポイントからの任意の偏差は、冷却に続いて温度誤差を結果として生じさせることとなり、最終的には、製品が温度公差から外れることを結果として生じさせ、したがって、長さにわたる機械的特性の変化を伴う。とりわけ、速度がオリジナルの速度セットポイントよりも高い場合には、製品は、冷却水との接触時間の低減に起因して、より高温になることとなる。逆に、速度がオリジナルの速度セットポイントよりも低い場合には、製品は、冷却水との接触時間の増加に起因して、より低温になることとなる。
【0006】
動作速度の変化によって引き起こされる温度変動の影響が低減されている、圧延された製品を冷却する方法を提供することが望ましいこととなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、冷却流体を使用して圧延機の冷却システムの中で材料を冷却する方法であって、本方法は、輸送メカニズムによって、所定の長さの材料を圧延機の冷却システムの中へ搬送するステップと;センサーによって、所定の長さの材料の速度を測定するステップと;制御システムによって、測定された速度をセットポイント速度と比較するステップであって、セットポイント速度は、冷却流体の対応する第1の流量を有する、ステップと;制御システムによって、比較に基づいて、冷却流体の第2の流量を計算するステップであって、第2の流量は、第1の流量とは異なっている、ステップと;冷却システムの中の材料に、第2の流量において冷却流体を適用するステップとを含む、方法が提供される。
【0008】
セットポイント速度は、この設定速度と干渉する可能性のある任意の因子が存在しない場合、材料が冷却システムを通って進行するようにプログラムされている速度であることが可能である。このケースでは、冷却システムは、第1の流量の冷却流体を材料に適用することが可能である。
【0009】
比較の結果は、速度差であることが可能であり、それは、速度の変化として考えられることが可能である。第2の流量は、比較に基づいて計算され、速度差を考慮に入れる第1の流量に対する調節として考えられることが可能である。したがって、制御システムは、第1の流量を第2の流量に調節すると考えられることが可能である。
【0010】
したがって、冷却方法は、圧延機のプログラムされた動作速度であるセットポイント速度と、材料が圧延機を通って移動する実際の速度との間において、材料の速度の差を計算する。この速度の差は、材料が適切に冷却されないことに起因して、冷却後のセットポイント温度からの温度の差を結果として生じさせる。たとえば、測定された速度がセットポイント速度よりも高い場合には、材料は、冷却システムとの接触時間の低減に起因して、より高温になることとなる。代替的に、測定された速度がセットポイント速度よりも低い場合には、材料は、冷却システムとの接触時間の増加に起因して、より低温になることとなる。速度の差を考慮することによって、冷却システムによって適用される冷却液体の量は、適切に調節されることが可能であり、材料を所望の温度に冷却するために、冷却システムとの材料の接触時間が、材料が進行している速度に関して十分になるようになっている。
【0011】
好ましくは、第2の流量は、第1の流量とは異なっている。いくつかのケースでは、第2の流量は、第1の流量よりも大きくなっていることが可能である。他のケースでは、第2の流量は、第1の流量よりも小さくなっていることが可能である。したがって、第1の流量は、測定された速度がプログラムされた動作速度よりも大きいかまたは小さいかに応じて、冷却システムがより多くのまたはより少ない冷却液体を適用するように調節されることが可能である。
【0012】
第2の流量は、調節値を含むことが可能である。調節値は、測定された速度とセットポイント速度との間の比較の結果であることが可能である。いくつかのケースでは、第2の流量を計算するステップは、第2の流量を与えるために、調節値を第1の流量に追加するステップを含む。好ましくは、調節値は、所定の長さの材料が冷却システムを退出した後の所定の長さの材料の最終温度とセットポイント温度との間の差を最小化する値であることが可能である。
【0013】
本方法は、第1の温度センサーによって、所定の長さの材料が冷却システムに進入する前の所定の長さの材料の初期温度を測定するステップと;測定された温度をセットポイント温度と比較するステップと;制御システムによって、比較に基づいて第3の流量を計算するステップと;第3の流量を第2の流量と組み合わせるステップとをさらに含むことが可能である。
【0014】
測定された温度とセットポイント温度との間の比較の結果は、第1の温度差であることが可能である。第3の流量は、比較に基づいて計算され、温度差を考慮に入れる流量調節として考えられることが可能である。第3の流量を第2の流量と組み合わせることは、結果として得られる流量を与えることが可能である。
【0015】
セットポイント温度は、冷却後の材料の目標最終温度であることが可能である。したがって、制御システムは、材料をその初期温度から冷却してセットポイント温度に到達するために、どれだけ多くの冷却液体が適用される必要があるかを計算することが可能である。この計算に基づいて、制御システムは、冷却の目標レベルに到達するために冷却液体の流量が調節される必要のある量に対応する新しい流量を計算することが可能である。したがって、冷却システムは、測定された初期温度とセットポイント温度との間の差に応じて、新しい流量にしたがって、より多くのまたはより少ない冷却液体を適用する。
【0016】
好ましくは、上記の方法ステップは、第2の流量にしたがって冷却流体を材料に適用する前に実施される。これは、冷却システムが冷却液体を材料に適用する前に、速度差に基づく流量と温度差に基づく流量の両方が考慮に入れられることを可能にする。
【0017】
第1の流量を計算するステップは、制御システムによって、材料に関係する1セットの初期条件を受け取るステップと;制御システムによって、および、1セットの初期条件を使用して、材料の冷却プロセスをモデル化するステップと;制御システムによって、モデル化された冷却プロセスに基づいて第1の流量を計算するステップとを含むことが可能である。
【0018】
材料の初期状態は、材料が冷却されるレートに影響を与える可能性があり、したがって、冷却システムによって材料に適用される必要がある液体の量に影響を与える可能性がある。材料の初期状態は、1セットの初期条件によって定義されることが可能である。初期条件は、それに限定されないが、材料の化学的組成、および、材料の物理的寸法を含むことが可能である。モデル化は、制御システムの一部として、コンピューティングデバイスの上で実行するように構成されているコンピュータープログラムモデルによって実施されることが可能である。モデルは、特定の初期状態を有する特定の材料の冷却プロセスをモデル化するために、モデルへの入力として初期条件を使用することが可能である。これは、材料をセットポイント温度に冷却するために材料に適用される必要がある冷却液体の流量を計算するために使用されることが可能である。したがって、冷却方法は、広範囲の初期状態を有する多種多様な材料にとって適切となるように調整および適合されることが可能である。
【0019】
好ましくは、1セットの初期条件は、セットポイント温度を含む。セットポイント温度は、モデルへの入力として考えられることが可能である。これは、モデル化プロセスが、目標温度に到達するためにどれだけ多くの液体が材料に適用される必要があるかをより正確に計算すること、したがって、適切な流量を計算することを助けることが可能である。
【0020】
好ましくは、第1の流量は、第2の流量と組み合わせる。これは、冷却システムが冷却液体を材料に適用するときの速度の差、温度の差、および材料の初期状態を、冷却方法が考慮に入れることを可能にする。流量を組み合わせること、たとえば、それに限定されないが、第1および第2の流量を組み合わせることは、第1および第2の流量を足し合わせるステップを含むことが可能である。
【0021】
モデル化するステップは、第2の温度センサーによって、所定の長さの材料が冷却システムを退出した後の所定の長さの材料の最終温度を測定するステップと;制御システムによって、測定された最終温度を予測された最終温度と比較するステップと;制御システムによって、測定された最終温度と予測された最終温度との間の差を計算するステップとをさらに含むことが可能であり、ここで、予測された最終温度は、モデル化プロセスによって予測された最終温度である。本方法は、制御システムによって、1セットの初期条件および差を使用して、材料の強化された冷却プロセスをモデル化するステップと;制御システムによって、モデル化された強化された冷却プロセスに基づいて第4のフロー調節を計算するステップと;第4の流量を第2の流量と組み合わせるステップとをさらに含むことが可能である。
【0022】
材料が冷却システムを退出した後の温度を測定することは、セットポイント温度が実質的に到達されるように、材料が冷却システムによって適切に冷却されたかどうかを示す。測定された温度と予測された最終温度との間の比較の結果は、第2の温度差であることが可能である。最終的な測定された温度が、許容可能なレベルの公差よりも大きくセットポイント温度とは異なっているということを、第2の温度差が示す場合には、材料に適用されている冷却液体の量が調節されることが可能である。
【0023】
このケースでは、第2の温度差は、モデルへの追加的な入力であることが可能である。モデル化プロセスは、以前の長さの材料に対する冷却システムの性能を考慮に入れ、後続のモデル化プロセスへの入力としてこの情報を使用することを考えられることが可能である。すなわち、モデルは、冷却システムによって提供される冷却の実際のレベルについて知らされ、この情報は、材料の冷却プロセスをより正確にモデル化するために使用される。とりわけ、モデル化プロセスは、以前の長さの材料に適用される冷却の量に基づいて、冷却システムによって後続の長さの材料に適用される必要がある冷却液体のより正確な流量を計算することが可能である。したがって、モデル化プロセスは、材料をセットポイント温度に冷却するためにどれだけ多くの液体が材料に適用される必要があるかをより正確に計算することが可能である。したがって、冷却方法は、冷却システムのリアルタイム性能を考慮に入れるように更新されることが可能である。
【0024】
好ましくは、第4の流量は、第3の流量と組み合わせる。より好ましくは、第4の流量は、第3の流量および第2の流量と組み合わせる。これは、冷却システムが冷却液体を材料に適用するときの速度差、初期温度差、材料の初期状態、および最終温度差を、冷却方法が考慮に入れることを可能にする。
【0025】
いくつかの例において、センサーによって、所定の長さの材料の速度を測定するステップは、冷却システムの中の所定の長さの材料の速度を測定するステップを含む。他の例では、センサーによって、所定の長さの材料の速度を測定することは、冷却システムの前および/または後の所定の長さの材料の速度を測定することを含む。一般的に、材料の速度は、冷却の前、冷却の間、および冷却の後を含む冷却セクションに沿った任意のポイントにおいて同じであることとなるので、速度は、任意の適切な第1の場所において測定されることが可能である。その理由は、これが、たとえば、第2のおよび/または後続の場所の別の適切な場所における材料速度にも対応することとなるからである。
【0026】
第2の流量は、複数のフロー基準を含むことが可能である。冷却システムは、複数のスプレーヘッダーを含むことが可能である。第2の流量において冷却液体を適用するステップは、スプレーヘッダーの対応するフロー基準にしたがって、複数のスプレーヘッダーのそれぞれによって材料に冷却液体を適用するステップを含むことが可能である。
【0027】
したがって、それぞれのスプレーヘッダーは、異なるフロー基準と関連付けられることが可能であり、したがって、それぞれのスプレーヘッダーは、異なる量の冷却液体を材料に適用するように構成されることが可能である。これは、材料の長さに沿って材料に適用される液体の量を制御することによって、冷却システムが材料の冷却を微調整することを可能にすることができる。
【0028】
別の態様によれば、圧延機の中の材料を冷却するように構成されているシステムであって、システムは、所定の長さの材料を圧延機の冷却装置の中へ搬送するように構成されている輸送メカニズムと;所定の長さの材料の速度を測定するように構成されているセンサーと;制御システムとを含み、制御システムは、測定された速度をセットポイント速度と比較するように構成されており、セットポイント速度は、冷却流体の対応する第1の流量を有しており;制御システムは、比較に基づいて冷却流体の第2の流量を計算するように構成されており、第2の流量は、第1の流量とは異なっており;制御システムは、冷却システムの中の材料に、第2の流量において冷却流体を適用するように構成されている、システムが提供されることが可能である。
【0029】
好ましくは、装置は、所定の長さの材料が冷却システムの中へフィードされる前の所定の長さの材料の初期温度を測定するように構成されている第1の温度センサーを含む。制御システムは、初期温度をセットポイント温度と比較するようにさらに構成されており;比較に基づいて第3の流量を計算するようにさらに構成されており;第3の流量を第2の流量と組み合わせるようにさらに構成されることが可能である。
【0030】
いくつかの例において、制御システムは、材料に関係する1セットの初期条件を受け取るようにさらに構成されており;1セットの初期条件を使用して、材料の冷却プロセスをモデル化するようにさらに構成されており;モデル化された冷却プロセスに基づいて第1の流量を計算するようにさらに構成されている。
【0031】
装置は、所定の長さの材料が冷却システムを退出した後の所定の長さの材料の最終温度を測定するように構成されている第2の温度センサーをさらに含むことが可能である。制御システムは、最終温度を予測された最終温度と比較するようにさらに構成されており;測定された最終温度と予測された最終温度との間の差を計算するようにさらに構成されており;1セットの初期条件および差を使用して、材料の強化された冷却プロセスをモデル化するようにさらに構成されており;モデル化された強化された冷却プロセスに基づいて第4の流量を計算するようにさらに構成されており;第4の流量を第2の流量と組み合わせるようにさらに構成されることが可能である。
【0032】
いくつかの例において、センサーは、冷却システムの中に位置付けされることが可能である。
【0033】
好ましくは、冷却システムは、複数のスプレーヘッダーを含む。それぞれのスプレーヘッダーは、所定の流量の冷却液体を所定の長さの材料に適用するように構成されることが可能である。それぞれのフローヘッダーは、第2の流量において所定の長さの材料に液体のフローを適用するように構成されることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図2】別の冷却プロセスの概略ダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本開示は、冷却流体を使用する圧延機の冷却システムによって材料を冷却する方法、および、冷却を実施するように構成されている対応するシステムに関する。
【0036】
例示的な冷却システム100が、
図1に全体的に示されている。冷却システム100は、材料が最終製品に変えられる前に、圧延機2の中で圧延された材料6のシートを冷却する。いくつかのケースでは、最終製品を作り出すために、材料6のシートは、たとえば、アップコイラーのコイラー4を使用してコイルへと巻き上げられる。他のケースでは、材料6のシートは、たとえば、フライングクロップシャー5を使用して、プレートと称され得る複数のより小さなセクションへと分割される。材料6のシートは、圧延機2から、冷却システム100を通して、随意的に、輸送メカニズム(図示せず)を使用して、コイラー4へ渡される。典型的に、輸送メカニズムは、一連のローラーの形態をとり、材料6のシートは、一連のローラーの上に設置されており、ローラーの回転移動が、圧延機および冷却システム100のさまざまなコンポーネントを通る材料6の前進(
図1において左から右へ)を引き起こすようになっている。材料6は、典型的に、たとえば、元素金属、または、より一般には、合金などの金属製品である。とりわけ、金属製品は、たとえば、スチールなどの鉄合金またはアルミニウム合金であることが可能である。
【0037】
冷却システム100は、冷却装置102および制御システム300を含み、冷却装置102は、冷却流体を使用して材料を冷却するように構成されており、制御システム300は、冷却装置102と通信して、冷却装置102を制御するように構成されている。とりわけ、材料6のシートは、冷却装置102によって冷却され、冷却装置102は、材料6が輸送メカニズムを介して冷却システム100を通過するときに、材料6の上に冷却液体をスプレーするように配置されている。冷却液体の特定の形態は、冷却されている材料のタイプに応じて変化することが可能である。たとえば、材料6がスチールまたはスチールベースである場合には、冷却液体は、水である。別の例として、材料6がアルミニウムまたはアルミニウムベースである場合には、冷却液体は、油-水混合物である。
図1に示されている例では、冷却装置102は、複数のノズル101を含む。ノズル101は、冷却液体を使用して材料6を冷却するために、ノズルを通して材料6の外部表面の上に冷却液体をスプレーする。複数のノズルは、2つのグループに分割されることが可能である。第1のグループのノズルは、冷却装置102の始まりに位置付けされており、スプレーヘッダー103と称されることが可能である。第2のグループのノズルは、冷却装置102の端部に位置付けされており、トリムヘッダー104と称されることが可能である。
【0038】
材料6のシートの最終温度は、冷却装置102によってさまざまなノズル101を通して材料6に適用される冷却液体の量の制御を通して制御される。
【0039】
より具体的には、材料6の最終温度は、材料6のシートが冷却システム100に進入するときの材料6のシートの初期温度と、材料6のシートが冷却システム100を退出するときの材料6のシート最終温度との組み合わせを使用して制御される。これは、フィードフォワード制御(初期温度を使用する)およびフィードバック制御(最終温度を使用する)と称されることが可能である。トリムヘッダー104は、フィードバック制御ループの一部として制御される材料6に冷却液体の固定フローを適用するように構成されている。固定フローによって、それぞれのトリムヘッダー104は、オン状態またはオフ状態のいずれかにあることが可能であり、オン状態にあるときには、そのトリムヘッダー104のフローは、固定レベルに設定される。換言すれば、それぞれのトリムヘッダーは、冷却液体を適用しないか、または、固定流量において冷却液体を適用するかのいずれかであることが可能である。スプレーヘッダー103は、フィードフォワード制御ループの一部として制御される材料6に冷却液体の可変フローを適用するように構成されている。可変フローによって、それぞれのスプレーヘッダー103は、一般的にオン状態にあり、そのスプレーヘッダー103のフローは、ゼロから最大流量までの任意の流量にあることが可能である。換言すれば、それぞれのスプレーヘッダー103は、冷却液体を適用しないか、または、最大流量までの任意の流量において冷却液体を適用することが可能である。フィードフォワード制御プロセスおよびフィードバック制御プロセスは、後にさらに詳細に説明されることとなる。
【0040】
任意の形態の制御ループ(フィードフォワード制御またはフィードバック制御のいずれか)が存在しない場合、冷却システムは、第1の流量で材料に冷却流体を適用することとなる。制御ループを含むことの効果は、ノズル101によって材料6に適用されることとなる、一般的に、第1の流量とは異なる新しい流量に第1の流量を調節することである。新しい流量は、第1の流量と、第1の流量に対して行われることとなる調節とを含み、調節は、フロートリムと称される。結果として得られる新しい流量は、フロー基準と称される。
【0041】
材料の最終的な所望の温度(セットポイント温度として知られる)に到達するために材料6に適用される必要がある冷却液体の量に影響を与える複数の因子が存在しており、それは、材料6のさまざまな特性(たとえば、それに限定されないが、材料6の化学的組成および物理的寸法)、および、材料6が冷却システム100に進入して通過する速度を含む。第1の流量は、これらの因子を考慮に入れて計算される。
【0042】
これらの因子は、冷却装置102によって材料6に適用されることとなる第1の流量によって定義される冷却液体の量を計算するために、制御システム300の中の冷却モデル20の中へ入力される1セットの初期条件10の一部を形成している。とりわけ、冷却モデル20は、材料に関係する1セットの初期条件を受け取り、次いで、冷却モデル20は、冷却装置102によってノズル101から適用されるために必要とされる冷却液体の流量を計算するために、初期条件に基づいて、物理的な冷却プロセスをモデル化する。任意の制御ループが存在しない状態で計算されたものであるこの計算された流量は、第1の流量である。第1の流量は、冷却モデル20から制御システム300の中のフロー基準コントローラー40へ渡される。
【0043】
材料が冷却システム100を退出した後の材料の最終温度がセットポイント温度と実質的に同じになる、業界で許容される摂氏+/-20度の公差レベルの中にあるように、材料6に適用される冷却液体の量が適切であるかどうかを検証するために、材料6が冷却システム100を退出した後の材料6の温度が、温度センサー108によって測定され、温度センサー108は、パイロメーターの形態になっており、冷却システム100とコイラー4との間に位置付けされている。この温度測定は、退出温度と称されることが可能である。
【0044】
退出温度は、制御システム300の一部を形成しているフィードバックコントローラー50の中へフィードされ、それは、退出温度をセットポイント温度と比較する。許容可能な公差のレベルを超えて、退出温度がセットポイント温度とは異なる場合には、冷却装置102は、不適切な量の冷却液体を材料に適用しており、したがって、ノズル101からの冷却液体の流量は、何らかの方式で調節される必要がある。任意の結果として生じる温度差は、フィードバック制御ループの一部として、トリムヘッダー104の制御を調節するために使用される。たとえば、退出温度がセットポイント温度と比較して低温過ぎる場合には、より少ない冷却液体が材料6に適用されることを必要とし、その逆もまた同様である。温度差は、第1の流量に対して行われる必要のある調節を計算するために使用される。この調節は、第1の温度ベースの調節と称されることが可能であり、フロートリムのタイプの例である。後に議論されることとなるように、他のタイプのフロートリムも可能である。
【0045】
第1の温度ベースの調節は、フロー基準コントローラー40に送られ、フロー基準コントローラー40において、それは、物理モデル20からの第1の流量と組み合わせられ、トリムヘッダー104のための結果として生じるフロー基準を与える。フロー基準コントローラー40は、フロー基準にしたがって、トリムヘッダー104からの冷却液体のフローを制御し、ここで、それぞれのトリムヘッダー104は、冷却液体の同じフロー基準(すなわち、同じ量)を材料6に適用することができる。すなわち、複数のトリムヘッダー104におけるすべてのトリムヘッダー104の流量は、複数のトリムヘッダー104を横切って同じである。トリムヘッダー104によって適用される冷却液体の流量を調節するために、トリムヘッダー104は、スイッチオンおよびスイッチオフされることが可能である。このケースでは、それぞれのトリムヘッダー104は、複数のトリムヘッダーにおける他のトリムヘッダー104から独立して、スイッチオンおよびスイッチオフされることが可能であり、任意の数のトリムヘッダー104がオンにされることが可能であるようになっている。したがって、トリムヘッダー104のうちのいくつかをターンオフすることによって、より少ない冷却液体が適用されることが可能であり、トリムヘッダー104のうちのいくつかをターンオンすることによって、より多い冷却液体が適用されることが可能である。オンになっているすべてのトリムヘッダー104は、同じ流量で冷却液体を適用し、したがって、冷却の量は、任意の所与の時間においてスイッチオンされているトリムヘッダー104の数に依存する。
【0046】
物理モデル20がフロー基準を計算する精度は、熱伝達係数(HTC)適合プロセス70によって改善および維持される。このプロセス70は、材料が冷却システム100を離れるときの退出温度の形態のフィードバックを使用する。HTC適合プロセス70は、入力10に基づいて、測定される退出温度と物理モデル20によって予測される退出温度との間の差を計算する。この差は、物理的な冷却モデル10の中へフィードバックされ、その差が、後続のモデル化および計算の間に考慮されることが可能であるようになっている。一般的に、このプロセスは、1セットの初期条件10と、測定された退出温度と予測された退出温度との間の計算された差の両方を使用して、材料の強化された冷却プロセスをモデル化するものとして考えられることが可能である。強化された物理モデルに基づいて冷却装置102によって適用されることとなる冷却液体の計算された量は、第4の流量と称されることが可能である。この第4の流量は、冷却モデル20からフロー基準コントローラー40へ渡される。
【0047】
また、材料6が冷却される必要がある量は、セットポイント温度と比較された、材料が冷却システム100に進入する直前の材料の測定された温度に依存することとなる。2つの温度の間のより大きな差は、より多くの冷却を必要とすることとなり、その逆もまた同様である。
【0048】
パイロメーターの形態になっており、冷却システム100と圧延機2との間に位置決めされている別の温度センサー106は、材料が冷却システム100に進入する直前の材料の温度を測定する。この温度センサー106は、第1の温度センサーと考えられることが可能であり、以前に説明された温度センサー108は、第2の温度センサーと考えられることが可能である。
【0049】
初期温度または進入温度と称されることが可能である第1の温度センサー106からの温度測定値は、制御システム300の一部であるフィードフォワード制御60の中へ入力される。フィードフォワード制御60は、測定された初期温度をセットポイント温度と比較する。任意の結果として生じる温度差は、フィードフォワード制御ループの一部として、スプレーヘッダー103の制御を調節するために使用される。温度差は、第1の流量に対して行われる必要のある調節を計算するために使用される。この調節は、第2の温度ベースの調節と称されることが可能であり、フロートリムのタイプの別の例である。
【0050】
第2の温度ベースの調節は、フロー基準コントローラー40に送られ、フロー基準コントローラー40において、それは、物理モデル20からの流量と組み合わせられ、スプレーヘッダー103のための結果として生じるフロー基準を与える。そうであるので、一般的に、制御システムは、温度比較の結果に基づいて、冷却液体の第3の流量を計算するものとして考えられることが可能である。したがって、第2の温度ベースの調節は、第3の流量として考えられることが可能である。フロー基準コントローラー40は、このフロー基準にしたがって、スプレーヘッダー103からの冷却液体のフローを制御し、ここで、それぞれのスプレーヘッダー103は、異なる量の冷却液体を材料6に適用することが可能である。すなわち、複数のスプレーヘッダー103におけるスプレーヘッダー103の流量は、複数のスプレーヘッダー103を横切って異なっていることが可能である。
【0051】
一般的に、フロー基準コントローラー40から送られ、スプレーヘッダー103によって適用されるフロー基準は、第2の温度ベースの調節が常に同じであるわけではないので、所定の時間の期間にわたって変化する。たとえば、第1の時間期間において、セットポイント温度と初期測定温度との間に、大きな差が存在している可能性があり、それは、大きな第2の温度ベースの調節を結果として生じさせる。しかし、第2の時間期間などのような別の時間期間において、セットポイント温度と初期測定温度との間に、小さな差が存在している可能性があり、それは、小さな第2の温度ベースの調節を結果として生じさせる。可変流量を材料6に適用することができるようにスプレーヘッダー103を構成することによって、異なる温度差に起因する異なるフロー基準が考慮に入れられることが可能である。
【0052】
より詳細には、すべてのスプレーヘッダー103は、一般的にオンになっている(オフになっているのではなく)。したがって、冷却の量は、それぞれのスプレーヘッダー103の流量に依存する。進入温度は、たとえば、長さ1mのセグメントなどの事前定義された長さを有する材料のセグメントに関して、測定および平均化される。材料のセグメントを冷却するために必要とされる液体の量は、以前に説明されているように、特定のセグメントに関連付けられたスプレーヘッダー103のためのフロー基準を与えるために計算される。この計算は、それぞれの後続のセグメントに関して繰り返される。冷却システム100を通るそれぞれのセグメントの位置は、制御システム300によってトラッキングされ、それぞれのスプレーヘッダー103に対する材料のそれぞれのセグメントの位置が、任意の所与の時間において知られるようになっている。材料のそれぞれのセグメントがスプレーヘッダー103の下を通過するときに、材料のそのセグメントに関して計算されたフロー基準が、その特定のスプレーヘッダー103によって適用される。材料のセグメントが、冷却システム100を通って進み、後続のスプレーヘッダー103の下を通過するときに、後続のスプレーヘッダー103によって適用される流量は、そのセグメントに関して計算されたフロー基準になることとなる。材料の異なるセグメントが冷却システム100を通過するときに、異なるフロー基準が、これらの異なるセグメントに関して計算されているスプレーヘッダー103によって適用されることとなる。したがって、それぞれのセグメントに関して測定される進入温度は一般的に異なっているので、それぞれのセグメントに関して計算されたフロー基準は異なっており、したがって、スプレーヘッダー103によって適用される流量は、材料6が冷却システム100を通過するにつれて変化する。
【0053】
冷却システム100の端部と、第2の温度センサー108が位置付けされている位置、したがって退出温度が測定される位置との間の距離の結果として、制御システム300によって補償されている温度差において、固有の遅延が存在している。結果として、許容可能な公差レベルから外れている温度を有する材料の長さが存在していることとなり、その長さは、冷却システム退出部および退出温度測定位置からの距離に対応している。
【0054】
図1において見ることができるように、2つの制御ループが、冷却液体の流量を計算するために使用される。第1の制御ループは、制御システム300の第2の温度センサー108、フィードバックコントローラー50、およびフロー基準コントローラー40を含み、それは、材料6が冷却システム100を退出した後の温度を測定し、これを使用し、すべてのトリムヘッダー104のための流量を調節するために複数の計算を実施する。この制御ループは、フィードバック温度制御ループと考えられることが可能である。第2の制御ループは、制御システム300の第1の温度センサー106、フィードフォワード制御60、およびフロー基準コントローラー40を含み、それは、材料6が冷却システム100に進入する前の温度を測定し、これを使用し、それぞれのスプレーヘッダー103のための流量を調節するために複数の計算を実施する。この制御ループは、フィードフォワード温度制御ループと考えられることが可能である。一緒に、フィードバック温度制御ループおよびフィードフォワード温度制御ループは、材料6の退出温度が、許容可能な公差レベルの中で、実質的に必要とされるセットポイント温度に維持されることを保証することを助ける。
【0055】
これらの計算の間に、材料6が冷却システム100を通って進行する速度が、初期条件10の一部として、冷却モデル20に供給されるセットポイント速度とマッチするように仮定される。しかし、以前に述べられたように、材料6が冷却システム100を通って移動する実際の速度は、このセットポイント速度とは異なっているケースが多い。この速度の差は、速度誤差と称されることが可能である。材料6が異なる速度で冷却システム100を通って移動する結果として、材料6に適用されている冷却水の流量は、材料6が移動している実際の速度にとって適切でない。その理由は、流量が、材料6の退出温度に影響を与えるセットポイント速度に基づいて計算されたからである。
【0056】
退出温度がセットポイント温度と実質的に同じであることを保証するように、材料6の冷却を改善するために、流量を計算するときに、材料6の速度の差が考慮に入れられる必要がある。このプロセスは、
図2を参照して説明されることとなる。
【0057】
図2は、
図1と同様の別の例示的な冷却システム200を示しており、同様の参照番号は、同様の特徴およびプロセスを表しており、それは、再び説明されることとはならない。
図2の装置を使用する一般的な方法が、
図3に図示されている。冷却システム200の冷却装置202は、複数のノズル201を含む。しかし、このケースでは、ノズル201は、すべてスプレーヘッダー203であり、トリムヘッダー104は存在していない。これは、この冷却システム200が、フロー基準コントローラー40の中へ退出温度をフィードバックする
図1のフィードバック温度制御ループを含まないからである。
【0058】
前と同様に、および、
図3を参照すると、冷却流体を使用して材料を冷却するために、輸送メカニズムは、第1に、所定の長さの材料を圧延機の冷却システムの中へ搬送するS300。冷却プロセスの間に、材料6が冷却システム200を通過するときに、センサーは、所定の長さの材料の速度を測定するS302。とりわけ、材料6が冷却システム200を通って移動する実際の速度は、少なくとも1つの速度センサー80を使用して繰り返し測定される。いくつかの例において、速度センサー80は、材料6がその上を通過する輸送メカニズムの上の1つまたは複数の速度エンコーダーの形態をとることが可能である。他の例では、速度センサー80は、レーザー速度デバイスの形態をとることが可能である。
【0059】
速度センサー80によって測定される速度は、制御システム500の一部である速度関係のフローコントローラー90の中へ入力される。速度関係のフローコントローラーは、測定された速度をセットポイント速度と比較する。換言すれば、制御システムは、次いで、測定された速度をセットポイント速度と比較しS304、ここで、セットポイント速度は、それに関連付けられる冷却流体の対応する第1の流量を有している。以前に議論されているように、冷却システム200を通る材料6の速度がセットポイント速度から逸脱する場合には、退出温度は、所望のセットポイント温度から変化することとなる。測定された材料速度とセットポイント速度との間の任意の結果として生じる差は、速度誤差として考えられることが可能である。いくつかのケースでは、速度誤差は、材料6が予期されるよりも速く移動しているということを示すこととなり、他のケースでは、速度誤差は、材料6が予期されるよりも遅く移動しているということを示すこととなる。結果として生じる速度差は、別のフィードフォワード制御ループの一部として、スプレーヘッダー203の制御を調節するために使用される。速度差は、第1の流量に対して行われる必要のある調節を計算するために使用される。この調節は、速度ベースの調節と称されることが可能であり、フロートリムのタイプの別の例である。速度ベースの調節は、結果として生じる温度差を最小化する量である。速度誤差が時間の経過とともに変化するとき、速度調節された流量も時間の経過とともに変化する。
【0060】
一般的に、速度ベースの調節は、フィードフォワード制御260の中へ入力され、その後に、フロー基準コントローラー240に送られ、フロー基準コントローラー240において、それは、物理モデル20からの流量と組み合わせられ、スプレーヘッダーのための結果として生じるフロー基準を与える。したがって、一般的に、このプロセスは、制御システムが比較の結果に基づいて冷却流体の第2の流量(速度ベースの調節)を計算しS306、次いで、第2の流量にしたがって冷却流体を材料に適用するS308ものとして考えられることが可能である。
【0061】
ほとんどのケースでは、温度比較と速度比較の両方の結果として計算される調節は、別個に考えられるのではなく、一緒に考慮に入れられる。このケースでは、速度ベースの調節は、フィードフォワード制御260の中へ入力され、フィードフォワード制御260において、それは、初期温度に基づいて計算される温度ベースの調節と組み合わせられ、結果として得られるフィードフォワード調節を与える。結果として得られるフィードフォワード調節は、別のタイプのフロートリムである。
【0062】
結果として得られるフィードフォワード調節は、その後に、フロー基準コントローラー240に送られ、フロー基準コントローラー240において、それは、物理モデル20からの流量と組み合わせられ、スプレーヘッダー203のための結果として得られるフロー基準を与える。フロー基準コントローラー240は、このフロー基準にしたがってスプレーヘッダー203からの冷却液体のフローを制御し、ここで、それぞれのスプレーヘッダーは、
図1を参照して説明されているのと同様の様式で、異なる量の冷却液体を材料6に適用することができる。これは、結果として生じるフロー基準が、温度と速度の両方における誤差を補償するということ意味している。したがって、フィードフォワード制御260は、温度誤差と速度誤差の両方を補償する役割を担っていると考えられることが可能である。
【0063】
図2において見ることができるように、2つの制御ループが、制御システム500の中に存在している。制御システム300の第1の温度センサー106と、フィードフォワード制御260と、フロー基準コントローラー240とを含む第1の制御ループは、
図1のフィードフォワード温度制御ループと実質的に同じである。そうであるので、この制御ループも、フィードフォワード温度制御ループである。このフィードフォワード温度制御ループは、それぞれのスプレーヘッダー204のための流量を調節する。第2の制御ループは、制御システム500の速度センサー80、速度関係のフロー制御90、フィードフォワード制御260、およびフロー基準コントローラー240を含む。この第2の制御ループは、材料が冷却システム200を通って移動する速度を測定し、これを使用し、すべてのスプレーヘッダー204のための流量を調節するために複数の計算を実施し、材料6の退出温度が、許容可能な公差レベルの中で、実質的に必要とされるセットポイント温度に維持されるようになっている。この第2の制御ループは、フィードフォワード速度制御ループと考えられることが可能である。
【0064】
2つのフィードフォワード制御ループ、すなわち、フィードフォワード温度制御ループおよびフィードフォワード速度制御ループの組み合わせを使用して、温度と速度の両方における差が、大幅に低減される。
【0065】
材料速度の変化がどのように考慮されるかについてのさらなる詳細が、ここで説明されることとなる。
【0066】
冷却モデル20は、材料の中の冷却プロセスをモデル化する物理ベースのモデルである。モデル20は、冷却液体から材料への熱伝達係数(たとえば、水からスチールへの熱伝達係数)の詳細を含む有限差分温度モデルおよび微細構造モデルを含む。モデル20は、材料が冷却されるときの材料温度の変化を予測することができ、また、第1の流量、セットポイント速度、および材料特性(たとえば、厚さ、温度、および化学など)を含む、冷却モデル20の中への入力に基づいて、材料6が冷却システム200を退出した後の第2の温度センサー108において、最終的な退出温度を予測することができる。
【0067】
材料が冷却セクション200を通過する距離は、冷却セクション200の長さによって固定されており、冷却距離として知られる。これは、材料6が冷却される間に材料6によって進行される距離である。材料6が冷却セクション6の中にある時間の長さ、したがって、材料が冷却されている時間の長さは、冷却時間として知られる。
【0068】
冷却距離が固定されているので、任意の速度誤差は、冷却時間の変化を結果として生じさせる。その理由は、より多くのまたはより少ない量の時間にわたって、材料が冷却システム200の中に存在することとなるからである。たとえば、材料の速度がセットポイントから増加する場合には、冷却時間は減少し、逆もまた同様である。したがって、速度の変化は冷却時間の変化と同等であるので、冷却時間は、速度の変化の効果を計算するために変化されることが可能である。物理モデル20は、(セットポイント速度に基づく)冷却時間を使用し、どれくらい多くの熱が材料6から除去されることとなるかを計算し、結果として、退出温度がモデル20によって予測されることが可能である。速度の変動を考慮に入れるために、公称のセットの条件についての冷却時間に小さな偏差を適用することによって、次いで、速度に対する材料退出温度の変化のレートが、物理モデル20によって計算されることが可能である。
【0069】
また、冷却液体の流量の変動は、材料6の表面からの熱除去率の変化を結果として生じさせる。たとえば、大きなフロー基準に対応する高い流量は、材料からの高い熱除去率につながり、したがって、材料は、急速に冷却される。逆に、小さなフロー基準に対応する低い流量は、材料からの低い熱除去率につながり、したがって、その材料は、ゆっくりと冷却される。したがって、熱除去率の変化を引き起こす流量の変化は、材料の退出温度の変化を引き起こす。流量の変化と退出温度の変化との間の関係は、物理モデル20によって決定されて考慮に入れられることが可能である。冷却液体の流量の変動を考慮に入れるために、公称のセットの条件について流量に小さな偏差を適用することによって、流量に対する材料退出温度の変化のレートは、物理モデルによって計算されることが可能である。
【0070】
速度と退出温度との間の関係を流量と退出温度との間の関係と組み合わせることによって、流量と速度との間の関係が、以下の通りに計算されることが可能である。
【0071】
物理モデル20は、公称条件を使用して2つの関係を発生させる。第1の関係は、材料速度の変化に対する第2の温度センサー108における温度(すなわち、退出温度)の変化のレートであり、それは、dT/dvによって与えられ、ここで、Tは、摂氏での温度であり、vは、メートル毎秒での速度である。第2の関係は、ノズルからの冷却液体の流量に対する第2の温度センサー108における温度(すなわち、退出温度)の変化のレートであり、それは、dT/dFによって与えられ、ここで、Tは、摂氏での温度であり、Fは、リットル毎秒での流量である。
【0072】
これらの2つの関係は、以下の通りに、速度の変化に対する流量の変化のレートを与えるために組み合わせられる。
【0073】
【0074】
ここで、流量の変化dF(リットル毎秒での)は、以下によって与えられる。
【0075】
【0076】
したがって、モデル20は、材料速度が特定のパーセンテージだけ変化されるときに、どのような退出温度の変化が起こることとなるかということを予測することが可能である。次いで、流量は、速度変化から結果として生じることとなる過剰冷却または過冷却を補償するように調節されることが可能である。流量の変化は、すべてのスプレーヘッダー203に適用される。これは、それぞれのスプレーヘッダー203における流量の比例変化が同じであるということ意味しており、その理由は、材料の速度の瞬間的な変化がそれぞれのスプレーヘッダー203に関して同じであるからである。
【0077】
2つのフィードフォワード制御ループの使用は、プロセスの中で起こる速度変動および温度変動を補償する。制御プロセスの主なステップは、以下の通りである。
a) 材料のセットポイント速度を実際の測定された速度と比較することによって、速度誤差を測定するステップ。
b) 速度による退出温度の変動、および、流量による退出温度の変動を計算するステップ。
c) 速度の変動を補償するために必要とされる流量の変化である、速度による流量の変動を与えるために、計算された変動を組み合わせるステップ。
d) 速度の変化の結果としてフロートリムを計算し、そのフロートリムをフィードフォワード温度制御ループの結果として計算されるフロートリムに適用するステップ。
e) フィードフォワード温度制御ループおよびフィードフォワード速度制御ループから受け取られたフロートリムに基づいて、フィードフォワードコントローラーから供給される更新されたフロー基準において流量を調節および維持するステップ。
【0078】
要約すると、本明細書で説明されている冷却システムおよびプロセスは、冷却される材料の温度性能の改善を提供し、それは、公差外の製品の低減を結果として生じさせ、したがって、動作コストの低減を結果として生じさせる。
【符号の説明】
【0079】
2 圧延機
4 コイラー
5 フライングクロップシャー
6 材料
10 入力
20 物理モデル、冷却モデル
40 フロー基準コントローラー
50 フィードバックコントローラー
60 フィードフォワード制御
70 熱伝達係数(HTC)適合プロセス
80 速度センサー
90 速度関係のフロー制御
100 冷却システム
101 ノズル
102 冷却装置
103 スプレーヘッダー
104 トリムヘッダー
106 第1の温度センサー
108 第2の温度センサー
200 冷却システム
201 ノズル
202 冷却装置
203 スプレーヘッダー
240 フロー基準コントローラー
260 フィードフォワード制御
300 制御システム
500 制御システム
【手続補正書】
【提出日】2024-04-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却流体を使用して圧延機の冷却システムの中で材料を冷却する方法であって、
輸送メカニズムによって、所定の長さの材料を圧延機の前記冷却システムの中へ搬送するステップと;
センサーによって、前記所定の長さの材料の速度を測定するステップと;
制御システムによって、測定された前記速度をセットポイント速度と比較するステップであって、前記セットポイント速度は、前記冷却流体の対応する第1の流量を有する、ステップと;
前記制御システムによって、前記比較に基づいて、前記冷却流体の第2の流量を計算するステップであって、前記第2の流量は、前記第1の流量とは異なっている、ステップと;
前記冷却システムの中の前記材料に、前記第2の流量において前記冷却流体を適用するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第2の流量は、調節値を含み、前記調節値は、測定された前記速度と前記セットポイント速度との間の前記比較の結果であり、さらに、前記第2の流量を計算するステップは、前記第2の流量を与えるために、前記調節値を前記第1の流量に追加するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記調節値は、前記所定の長さの材料が前記冷却システムを退出した後の前記所定の長さの材料の最終温度とセットポイント温度との間の差を最小化する値である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、
第1の温度センサーによって、前記所定の長さの材料が前記冷却システムに進入する前の前記所定の長さの材料の初期温度を測定するステップと;
前記測定された温度をセットポイント温度と比較するステップと;
前記制御システムによって、前記比較に基づいて第3の流量を計算するステップと;
前記第3の流量を前記第2の流量と組み合わせるステップと
をさらに含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の流量を計算するステップは、
前記制御システムによって、前記材料に関係する1セットの初期条件を受け取るステップと;
前記制御システムによって、および、前記1セットの初期条件を使用して、前記材料の冷却プロセスをモデル化するステップと;
前記制御システムによって、モデル化された前記冷却プロセスに基づいて前記第1の流量を計算するステップと
を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
前記モデル化するステップは、
第2の温度センサーによって、前記所定の長さの材料が前記冷却システムを退出した後の前記所定の長さの材料の最終温度を測定するステップと;
前記制御システムによって、前記測定された最終温度を予測された最終温度と比較するステップと;
前記制御システムによって、前記測定された最終温度と前記予測された最終温度との間の差を計算するステップと;
前記1セットの初期条件および前記差を使用して、前記材料の強化された冷却プロセスをモデル化するステップと;
前記制御システムによって、モデル化された強化された前記冷却プロセスに基づいて第4の流量を計算するステップと;
前記第4の流量を前記第2の流量と組み合わせるステップと
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
センサーによって、前記所定の長さの材料の速度を測定するステップは、前記冷却システムの中の前記所定の長さの材料の前記速度を測定するステップを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の流量は、複数のフロー基準を含み、前記冷却システムは、複数のスプレーヘッダーを含み、前記第2の流量において前記冷却液体を適用する前記ステップは、
前記スプレーヘッダーの対応する前記フロー基準にしたがって、前記複数のスプレーヘッダーのそれぞれによって前記材料に前記冷却流体を適用するステップ
を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項9】
圧延機の中の材料を冷却するように構成されているシステムであって、
所定の長さの材料を圧延機の冷却装置の中へ搬送するように構成されている輸送メカニズムと;
前記所定の長さの材料の速度を測定するように構成されているセンサーと;
制御システムと
を含み、
前記制御システムは、前記測定された速度をセットポイント速度と比較するように構成されており、前記セットポイント速度は、前記冷却流体の対応する第1の流量を有しており;
前記制御システムは、前記比較に基づいて前記冷却流体の第2の流量を計算するように構成されており、前記第2の流量は、前記第1の流量とは異なっており;
前記制御システムは、前記冷却システムの中の前記材料に、前記第2の流量において前記冷却流体を適用するように構成されている、システム。
【請求項10】
前記装置は、所定の長さの材料が冷却システムの中へフィードされる前の前記所定の長さの材料の初期温度を測定するように構成されている第1の温度センサーをさらに含み;
前記制御システムは、
前記初期温度をセットポイント温度と比較するようにさらに構成されており;
前記比較に基づいて第3の流量を計算するようにさらに構成されており;
前記第3の流量を前記第2の流量と組み合わせるようにさらに構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記制御システムは、
前記材料に関係する1セットの初期条件を受け取るように構成されており;
前記1セットの初期条件を使用して、前記材料の冷却プロセスをモデル化するように構成されており;
モデル化された前記冷却プロセスに基づいて前記第1の流量を計算するように構成されている、請求項
9に記載の装置。
【請求項12】
前記装置は、所定の長さの材料が冷却システムを退出した後の前記所定の長さの材料の最終温度を測定するように構成されている第2の温度センサーをさらに含み;
前記制御システムは、
前記最終温度を予測された最終温度と比較するようにさらに構成されており;
前記測定された最終温度と前記予測された最終温度との間の差を計算するようにさらに構成されており;
1セットの初期条件および前記差を使用して、前記材料の強化された冷却プロセスをモデル化するようにさらに構成されており;
モデル化された強化された前記冷却プロセスに基づいて第4の流量を計算するようにさらに構成されており;
前記第4の流量を前記第2の流量と組み合わせるようにさらに構成されている、請求項
9に記載の装置。
【請求項13】
前記センサーは、前記冷却システムの中に位置付けされている、請求項
9に記載の装置。
【請求項14】
前記冷却システムは、複数のスプレーヘッダーを含む、請求項
9に記載の装置。
【国際調査報告】