(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-03
(54)【発明の名称】アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 21/24 20060101AFI20240827BHJP
H01Q 1/12 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H01Q21/24
H01Q1/12 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512180
(86)(22)【出願日】2022-08-31
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 KR2022013063
(87)【国際公開番号】W WO2023033552
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】10-2021-0115836
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0110287
(32)【優先日】2022-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508112782
【氏名又は名称】ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドゥク ヨン キム
(72)【発明者】
【氏名】キョ スン ジ
(72)【発明者】
【氏名】チ バク リュ
【テーマコード(参考)】
5J021
5J047
【Fターム(参考)】
5J021AA06
5J021AB06
5J021HA05
5J047AA09
5J047AB13
5J047BC00
(57)【要約】
【課題】
アンテナ装置について、設置壁面に対する空間上の制約を減少させることができるという利点を提供する。
【解決手段】
アンテナ装置は、熱伝導性材質であって、後方部が開口した函体形状に形成された前方ハウジングと、前記前方ハウジングの開口した後方部を遮蔽しながら内部に所定の設置空間を形成する後方ハウジングカバーとを含むアンテナハウジング部と、前記アンテナハウジング部の設置空間に積層配置されかつ、前面に所定の発熱素子が実装配置され、前記所定の発熱素子の前面が前記アンテナハウジング部の設置空間の前方内側面に熱接触するように積層されたメインボードおよびPSUボードと、前記メインボードおよび前記PSUボードの後面と前記後方ハウジングカバーとの間の設置空間に所定のレイヤ層を形成するように配置された複数のフィルタとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱伝導性材質であって、後方部が開口した函体形状に形成された前方ハウジングと、前記前方ハウジングの開口した後方部を遮蔽しながら内部に所定の設置空間を形成する後方ハウジングカバーと、を含むアンテナハウジング部と、
前記アンテナハウジング部の設置空間に積層配置されかつ、前面に所定の発熱素子が実装配置され、前記所定の発熱素子の前面が前記アンテナハウジング部の設置空間の前方内側面に熱接触するように積層されたメインボードおよびPSUボードと、
前記メインボードおよび前記PSUボードの後面と前記後方ハウジングカバーとの間の設置空間に所定のレイヤ層を形成するように配置された複数のフィルタと、を含む、アンテナ装置。
【請求項2】
前記アンテナハウジング部の前面には、二重偏波によるビームフォーミングの実現が可能な複数の放射素子が外気に露出し、前記メインボードおよびPSUボードと前記複数のフィルタと異なるレイヤ層を形成するように配置された、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記所定の発熱素子の前面が接触する前記アンテナハウジング部の設置空間の前方内側面に対応する前記前方ハウジングの前面には、前方に所定の長さ突出した複数の前方放熱フィンが一体に形成された、請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記アンテナハウジング部は、設置壁面に対して前記後方ハウジングカバーの背面が平行に設けられるように備えられた取付プレートを介在して固定される、請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記アンテナハウジング部のうち前記後方ハウジングカバーは、前記取付プレートと面接するように平らに形成された、請求項4に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記取付プレートは、前記設置壁面に対して面接する垂直パネル形状に形成され、前記後方ハウジングカバーから伝達される熱を伝導可能な熱伝導性材質で備えられた、請求項4に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記取付プレートには、前後方向に貫通形成され、前記取付プレートが後方に移動する時、前記設置壁面に予め固定された取付ねじの頭部が前方に貫通して流入した後、前記取付プレートが下方に移動する時、前記取付ねじのボディ部が自重方向に流入して係止される設置壁面用固定溝が複数箇所に形成された、請求項4に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記アンテナハウジング部は、支柱ポールの長手方向に対して前記後方ハウジングカバーの背面が平行に設けられるように備えられた取付プレートを介在して固定される、請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
前記取付プレートには、前後方向に貫通形成され、前記支柱ポールの外周面を水平方向に取り囲むように上下に離隔して備えられた複数のホースクランプワイヤが係止締結される支柱ポール用固定溝が複数箇所に形成された、請求項8に記載のアンテナ装置。
【請求項10】
前記取付プレートには、左右両端部が前方に突出して折曲された左右アンテナ据置段がそれぞれ形成され、
前記左右アンテナ据置段には、上部が開口した「U」字状のスクリュー締結溝がそれぞれ形成され、
前記アンテナハウジング部のうち前記前方ハウジングの左右縁側面部に形成されたスクリュー締結段のスクリュー締結ホールに組立スクリューが締結される時、前記スクリュー締結溝に挿入および据置されて締結される動作により、前記アンテナハウジング部が据置固定される、請求項4または請求項8に記載のアンテナ装置。
【請求項11】
前記アンテナハウジング部の前面を取り囲むように結合され、両側面部から所定の光を照射するLEDモジュール、をさらに含み、
前記LEDモジュールは、前記組立スクリューによって前記取付プレートがスクリュー締結されるスクリュー締結ホール以外の残りのスクリュー締結ホールに別の組立スクリューによって締結される、請求項10に記載のアンテナ装置。
【請求項12】
前記LEDモジュールには、
前記LEDモジュールの左右両側面部の内側に上下に長く配置された複数のLED素子が実装されたLED基板部と、
前記LEDモジュールの左右両側面部の内側に上下に配置され、前記LED素子から生成された光が前記アンテナハウジング部が備えられた後方側に流入することを防止するLEDガイド部と、がさらに備えられた、請求項11に記載のアンテナ装置。
【請求項13】
前記LEDモジュールの上端部および下端部内側の左右には、後方に開口した「U」字状の組立ガイド溝が形成された脱着ガイド段がさらに備えられ、
前記アンテナハウジング部のうち前記前方ハウジングの上端部および下端部には、前記脱着ガイド段を貫通するガイドスクリューが組立てられるガイドスクリューホールが形成された、請求項11に記載のアンテナ装置。
【請求項14】
前記アンテナハウジング部のうち前記前方ハウジングの前面には、前記複数の放射素子を備えたアンテナ素子組立体が載置される素子載置部が平らに備えられた、請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項15】
前記素子載置部は、前記複数の前方放熱フィンが除去された部位の前記前方ハウジングの前面が後方に所定の深さ陥没して形成され、前記アンテナ素子組立体の縁端部が前記複数の前方放熱フィンの前端よりも深く収容される深さに形成された、請求項14に記載のアンテナ装置。
【請求項16】
前記アンテナ素子組立体は、
前記素子載置部の前面に密着結合される放射素子用印刷回路基板と、
前記放射素子用印刷回路基板の前面に印刷形成されたアンテナパッチ回路部と、
プラスチック樹脂材質で形成され、前記アンテナパッチ回路部を含む前記放射素子用印刷回路基板の前面を密閉するアンテナ組立体カバーと、
熱伝導性材質で形成され、前記アンテナ組立体カバーの前面に配置されかつ、前記アンテナ組立体カバーを前後に貫通するように形成された複数の貫通ホールを介してそれぞれ前記アンテナパッチ回路部と電気的に連結される複数の放射用ディレクタと、を含む、請求項14に記載のアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置(ANTENNA APPARATUS)に関し、より詳しくは、アンテナハウジング部の前方部に集中放熱されるように放熱構造を配置し、後方放熱フィンを除去することにより、屋内または屋外の壁面と支柱ポールに対する設置が容易なアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、アンテナ装置は、前方が開口して形成されたアンテナハウジング部の設置空間に順次にアンテナハウジング部の内面側から前方へ、所定の発熱素子が実装されたメインボードと、メインボードの前方に積層される複数のフィルタと、複数のフィルタの前方に積層されるアンテナ素子ボード(またはアンテナ素子組立体)とを含む。
【0003】
ここで、アンテナハウジング部の前面には、アンテナハウジング部の設置空間に積層配置されたメインボードと、複数のフィルタと、複数のアンテナ素子などの保護のためのレドームが設けられる。
【0004】
したがって、従来技術によるアンテナ装置の場合、レドームの具備によって、メインボードに実装された所定の発熱素子から生成された駆動熱は大部分がアンテナハウジング部の背面に備えられた複数の後方放熱フィンを通して後方に放熱されるように備えられる。
【0005】
しかし、このような従来技術によるアンテナ装置は、システム駆動熱をアンテナハウジング部の後方に放熱するための複数の後方放熱フィンがアンテナハウジング部の後方に形成されなければならないことから、後方放熱フィンと設置壁面との間に空気循環のための離隔空間が必要であり、これは設置条件などの制約で製品設置の制限を受ける問題点があった。また、このような従来技術によるアンテナ装置は、システム駆動熱をアンテナハウジング部の後方に放熱するための複数の後方放熱フィンがアンテナハウジング部に一体に後方突出して形成されなければならないことから、少なくとも後方放熱フィンの占める体積だけの設置空間が必要であり、これは地下鉄などのような公共施設の設置壁面に対する設置制限につながる問題点があった。
【0006】
これとともに、アンテナ装置のシステム駆動熱をアンテナハウジング部の前方に放熱させる場合にも、アンテナ素子などの保護のための必須の構成である前記レドームが備えられた場合には、レドームの占める面積だけは放熱面積が制限的であるので、放熱性能を高めるのに非常に制限的であるしかない問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の技術的課題を解決するためになされたものであって、屋内または屋外の設置壁面と支柱ポールに対する設置空間の制約を減少させることができるアンテナ装置を提供することを目的とする。
【0008】
これとともに、本発明は、既存の放熱性能に制限的なレドーム構成自体を削除し、アンテナ素子組立体の一構成によっても前方放熱が可能なアンテナ装置を提供することを他の目的とする。
【0009】
本発明の技術的課題は以上に言及した技術的課題に限定されず、言及されていないさらに他の技術的課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるアンテナ装置の一実施例は、熱伝導性材質であって、後方部が開口した函体形状に形成された前方ハウジングと、前記前方ハウジングの開口した後方部を遮蔽しながら内部に所定の設置空間を形成する後方ハウジングカバーとを含むアンテナハウジング部と、前記アンテナハウジング部の設置空間に積層配置されかつ、前面に所定の発熱素子が実装配置され、前記所定の発熱素子の前面が前記アンテナハウジング部の設置空間の前方内側面に熱接触するように積層されたメインボードおよびPSUボードと、前記メインボードおよび前記PSUボードの後面と前記後方ハウジングカバーとの間の設置空間に所定のレイヤ層を形成するように配置された複数のフィルタとを含む。
【0011】
ここで、前記アンテナハウジング部の前面には、二重偏波によるビームフォーミングの実現が可能な複数の放射素子が外気に露出し、前記メインボードおよびPSUボードと前記複数のフィルタと異なるレイヤ層を形成するように配置される。
【0012】
また、前記所定の発熱素子の前面が接触する前記アンテナハウジング部の設置空間の前方内側面に対応する前記前方ハウジングの前面には、前方に所定の長さ突出した複数の前方放熱フィンが一体に形成される。
【0013】
また、前記アンテナハウジング部は、設置壁面に対して前記後方ハウジングカバーの背面が平行に設けられるように備えられた取付プレートを介在して固定される。
【0014】
また、前記アンテナハウジング部のうち前記後方ハウジングカバーは、前記取付プレートと面接するように平らに形成される。
【0015】
また、前記取付プレートは、前記設置壁面に対して面接する垂直パネル形状に形成され、前記後方ハウジングカバーから伝達される熱を伝導可能な熱伝導性材質で備えられる。
【0016】
また、前記取付プレートには、前後方向に貫通形成され、前記取付プレートが後方に移動する時、前記設置壁面に予め固定された取付ねじの頭部が前方に貫通して流入した後、前記取付プレートが下方に移動する時、前記取付ねじのボディ部が自重方向に流入して係止される設置壁面用固定溝が複数箇所に形成される。
【0017】
また、前記アンテナハウジング部は、支柱ポールの長手方向に対して前記後方ハウジングカバーの背面が平行に設けられるように備えられた取付プレートを介在して固定される。
【0018】
また、前記取付プレートには、前後方向に貫通形成され、前記支柱ポールの外周面を水平方向に取り囲むように上下に離隔して備えられた複数のホースクランプワイヤが係止締結される支柱ポール用固定溝が複数箇所に形成される。
【0019】
また、前記取付プレートには、左右両端部が前方に突出して折曲された左右アンテナ据置段がそれぞれ形成され、前記左右アンテナ据置段には、上部が開口した「U」字状のスクリュー締結溝がそれぞれ形成され、前記アンテナハウジング部のうち前記前面ハウジングの左右縁側面部に形成されたスクリュー締結段のスクリュー締結ホールに組立スクリューが締結される時、前記スクリュー締結溝に挿入および据置されて締結される動作により、前記アンテナハウジング部が据置固定される。
【0020】
また、前記アンテナハウジング部の前面を取り囲むように結合され、両側面部から所定の光を照射するLEDモジュールをさらに含み、前記LEDモジュールは、前記組立スクリューによって前記取付プレートがスクリュー締結されるスクリュー締結ホール以外の残りのスクリュー締結ホールに別の組立スクリューによって締結される。
【0021】
また、前記LEDモジュールには、前記LEDモジュールの左右両側面部の内側に上下に長く配置された複数のLED素子が実装されたLED基板部と、前記LEDモジュールの左右両側面部の内側に上下に配置され、前記LED素子から生成された光が前記アンテナハウジング部が備えられた後方側に流入することを防止するLEDガイド部とがさらに備えられる。
【0022】
また、前記LEDモジュールの上端部および下端部内側の左右には、後方に開口した「U」字状の組立ガイド溝が形成された脱着ガイド段がさらに備えられ、前記アンテナハウジング部のうち前記前方ハウジングの上端部および下端部には、前記脱着ガイド段を貫通するガイドスクリューが組立てられるガイドスクリューホールが形成される。
【0023】
また、前記アンテナハウジング部のうち前記前方ハウジングの前面には、前記複数の放射素子を備えたアンテナ素子組立体が載置される素子載置部が平らに備えられる。
【0024】
また、前記素子載置部は、前記複数の前方放熱フィンが除去された部位の前記前方ハウジングの前面が後方に所定の深さ陥没して形成され、前記アンテナ素子組立体の縁端部が前記複数の前方放熱フィンの前端よりも深く収容される深さに形成される。
【0025】
また、前記アンテナ素子組立体は、前記素子載置部の前面に密着結合される放射素子用印刷回路基板と、前記放射素子用印刷回路基板の前面に印刷形成されたアンテナパッチ回路部と、プラスチック樹脂材質で形成され、前記アンテナパッチ回路部を含む前記放射素子用印刷回路基板の前面を密閉するアンテナ組立体カバーと、熱伝導性材質で形成され、前記アンテナ組立体カバーの前面に配置されかつ、前記アンテナ組立体カバーを前後に貫通するように形成された複数の貫通ホールを介してそれぞれ前記アンテナパッチ回路部と電気的に連結される複数の放射用ディレクタとを含むことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によるアンテナ装置の一実施例によれば、次のような多様な効果を達成することができる。
【0027】
第一、取付プレートを基準として前方にはアンテナハウジング部の背面が密着配置され、取付プレートを基準として後方には設置壁面の前面または支柱ポールと平行にアンテナ装置を設置可能なため、設置空間の制約を減少させることができる効果を有する。
【0028】
第二、既存の放熱性能に制限的なレドーム構成自体を削除し、アンテナ素子組立体の一構成による前方放熱が可能に備えられることにより、後方放熱がなくても前方放熱時の放熱性能を極大化することができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施例によるアンテナ装置の多様な実施例の斜視図である。
【
図2】
図1の実施例のうち第2実施例であって、前方にLEDモジュールが設けられた状態を示す斜視図である。
【
図4】
図2のA線に沿った切開斜視図およびその部分拡大図である。
【
図6A】
図1の実施例のうち第1実施例の前方から見た分解斜視図である。
【
図6B】
図1の実施例のうち第1実施例の後方から見た分解斜視図である。
【
図7A】
図1の構成のうちアンテナ素子組立体を示す前方から見た分解斜視図である。
【
図7B】
図1の構成のうちアンテナ素子組立体を示す後方から見た分解斜視図である。
【
図8】
図1の実施例のうち第1実施例の正面図である。
【
図9】
図8のB-B線に沿った断面図(a)および切開斜視図(b)である。
【
図10A】本発明の一実施例によるアンテナ装置の多様な設置例を示す写真である。
【
図10B】本発明の一実施例によるアンテナ装置の多様な設置例を示す写真である。
【
図10C】本発明の一実施例によるアンテナ装置の多様な設置例を示す写真である。
【
図11】
図1の実施例のうち第1実施例を設置壁面に設けた様子を示す斜視図(a)およびその分解斜視図(b)である。
【
図12】
図1の実施例のうち第2実施例を設置壁面に設けた様子を示す斜視図(a)およびその分解斜視図(b)である。
【
図13】
図1の実施例のうち第1実施例の、一対を支柱ポールに設けた様子を示す斜視図(a)および分解斜視図(b)である。
【
図14】
図1の実施例のうち第2実施例の、3つを支柱ポールに設けた様子を示す斜視図(a)および分解斜視図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施例によるアンテナ装置を、添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
各図面の構成要素に参照符号を付すにあたり、同一の構成要素については、たとえ他の図面上に表示されてもできるだけ同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の実施例を説明するにあたり、かかる公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の実施例に対する理解を妨げると判断された場合、その詳細な説明は省略する。
【0032】
本発明の実施例の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって当該構成要素の本質や順番または手順などが限定されない。また、他に定義されない限り、技術的または科学的な用語を含む、ここで使用されるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されなければならず、本出願において明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0033】
図1は、本発明の一実施例によるアンテナ装置の多様な実施例の斜視図であり、
図2は、
図1の実施例のうち第2実施例であって、前方にLEDモジュールが設けられた状態を示す斜視図であり、
図3Aおよび
図3Bは、
図2の前方および後方から見た分解斜視図であり、
図4は、
図2のA線に沿った切開斜視図およびその部分拡大図であり、
図5は、
図2の平面図である。
【0034】
本発明の一実施例によるアンテナ装置100は、
図1~
図6に示すように、内部の設置空間が設けられたアンテナハウジング部110、120と、アンテナハウジング部110、120の設置空間に積層されたメインボード220およびPSUボード210と、メインボード220およびPSUボード210とは異なる他の所定のレイヤ層を形成するように設置空間上に配置された複数のフィルタ500とを含む。
【0035】
本発明の一実施例によるアンテナ装置100において、アンテナハウジング部110、120は、
図1~
図5に示すように、熱伝導性材質であって、後方部が開口した函体形状に形成されかつ、内部に所定の設置空間が形成され、前面の少なくとも一側に所定の長さ突出した複数の前方放熱フィン111と、複数の前方放熱フィン111の一部が除去された前面に複数の放射素子を備えたアンテナ素子組立体300の載置される素子載置部115が平らに備えられた前方ハウジング110と、前方ハウジング110の開口した後方部を遮蔽するように備えられた後方ハウジングカバー120とを含むことができる。
【0036】
ここで、メインボード220およびPSUボード210は、アンテナハウジング部110、120の設置空間110sに積層配置されかつ、前面に所定の発熱素子が実装配置され、所定の発熱素子の前面が、複数の前方放熱フィン111が備えられたアンテナハウジング部110、120(特に、前方ハウジング110)の設置空間の前方内側面に熱接触するように積層配置される。
【0037】
また、複数のフィルタ500は、メインボード220およびPSUボード210の後方に所定のレイヤ層を形成し、メインボード220およびPSUボード210の間を貫通してアンテナ素子組立体300に電気的に連結可能である。
【0038】
従来のアンテナ装置は、図示しないが、大体発熱量の大きい発熱素子がメインボードまたはPSUボードの背面部に集中実装され、前方のアンテナ素子組立体との間にフィルタを配置することにより、大部分の熱はアンテナハウジング部の後方に放熱するように備えられた。また、設置空間上でのフィルタは、電気的な信号の最短連結のために大部分が後方のメインボードまたはPSUボードと前方のアンテナ素子組立体との間に配置されることが一般的であった。
【0039】
しかし、上述した従来の配置構造は、アンテナ装置において最も重要な要素であるアンテナ素子組立体の前方保護のために必ずレドームの設置が必要な理由で、内部熱の円滑なシステム放熱のためには、アンテナハウジング部110、120の後方に対する集中的な放熱構造を必然的に採用しなければならないという限界があった。
【0040】
本発明の一実施例によるアンテナ装置100は、上述した従来の問題点を一挙に解決できるように、アンテナ素子組立体300を前方外気に露出させかつ、レドームの追加設置が要らないように設計製造する一方、アンテナハウジング部110、120の設置空間上でのフィルタ500の配置も、メインボード220またはPSUボード210に設けられた発熱素子の前方放熱が可能であるか、有利に配置設計したことを主な技術的特徴とする。
【0041】
参照として、メインボード220は、後述するPSUボード210とともに、アンテナハウジング部110、120の内面に1つのレイヤ層を形成する基板部400に相当できる。
【0042】
ここで、アンテナハウジング部110、120のうち前方ハウジング110の前面には、複数の前方放熱フィン111が前方に所定の長さ突出するように前方ハウジング110に対して一体に形成されて、熱伝導性材質(例えば、金属材質)で備えられた前方ハウジング110の前面の熱伝達表面積を増加させる役割を果たす。
【0043】
また、アンテナハウジング部110、120のうち後方ハウジングカバー120は、前方ハウジング110の開口した後方を遮蔽するように配置され、熱伝導性材質(例えば、金属材質)で備えられて、前方ハウジング110と後方ハウジングカバー120との間の設置空間内の熱を後方に伝達することができる。ただし、前方ハウジング110と区別されることは、後方ハウジングカバー120が、後述する取付プレート600の前面に対して面接するか、平行に配置されるものであり、複数の前方放熱フィン111のような構成は形成されていないということである。そのため、後方ハウジングカバー120を通して伝達された熱は、もっぱら面接した取付プレート600のみを介在して外部に放熱できるように限定されたものと理解すれば良い。
【0044】
すなわち、従来技術によるアンテナ装置とは異なり、後方ハウジングカバー120の背面は、放熱のための後方放熱フィンが備えられず、取付プレート600の前面と面接する垂直面のみを有するように形成される。しかし、必ずしも後方ハウジングカバー120の背面に後方放熱フィンの形成を完全排除するわけではなく、取付プレート600との間が離隔するように平行に配置される場合には、後方放熱フィンの追加形成が可能であることは言うまでもない。
【0045】
一方、本発明の一実施例によるアンテナ装置100のうち、第1実施例で実現されるアンテナ装置100A(
図1の(a)参照)と、第2実施例で実現されるアンテナ装置100B(
図1の(b)参照)は、アンテナハウジング部110、120の設置空間の内部に積層されるメインボード220およびPSUボード210と、複数のフィルタ500の最適な形状および大きさによって、左右の幅または上下の長さがそれぞれ異なる実施例であるという点で差異がある。
【0046】
第1実施例で実現されるアンテナ装置100A(
図1の(a)参照)と、第2実施例で実現されるアンテナ装置100B(
図1の(b)参照)の使用態様は、設置される周辺環境によって作業者が適切に選択して適用することであり、その幅と長手方向の大きさについては制限されてはならないであろう。ただし、本発明の一実施例によるアンテナ装置100が設置された後、前後方向のチルティング調整および左右方向のステアリング調整による全体的な方向性調整が必要な場合、上下の長さはチルティング回動時の制限要素になり、幅の長さはステアリング回動時の制限要素になりうるに過ぎない。
【0047】
一方、本発明の一実施例によるアンテナ装置100は、
図2~
図5に示すように、アンテナハウジング部110、120の前面を取り囲むように結合され、両側面部から所定の光を照射するLEDモジュール700をさらに含むことができる。
【0048】
ここで、LEDモジュール700は、組立スクリュー619によって取付プレート600がスクリュー締結されるスクリュー締結ホール119以外の残りのスクリュー締結ホール119に別の組立スクリュー619Lによって締結されるように備えられる。
【0049】
このようなLEDモジュール700は、アンテナハウジング部110、120の前面を取り囲むように結合されかつ、上下方向には貫通するように備えられることにより、アンテナハウジング部110、120のうち前方ハウジング110の前面に外気に露出するように配置されたアンテナ素子組立体300および複数の前方放熱フィン111が外気と遮蔽されないようにして外気との熱交換を十分に可能にすることはもちろん、従来のレドームのような材質で備えられて、アンテナ素子組立体300からの放射ビームの形成において否定的な影響を最小化することができる。
【0050】
一方、LEDモジュール700には、
図3Aおよび
図3Bに示すように、LEDモジュール700の左右両側面部の内側に上下に長く配置された複数のLED素子751が実装されたLED基板部750と、LEDモジュール700の左右両側面部の内側に上下に配置され、LED素子751から生成された光がアンテナハウジング部110、120が備えられた後方側に流入することを防止するLEDガイド部760とがさらに備えられる。
【0051】
これとともに、LEDモジュール700には、比較的軟性材質のLEDモジュール700の剛性を補強するための剛性補強部710が左右両側面部の内側に結合できる。
【0052】
剛性補強部710は、複数の固定スクリュー619Lのスクリュー締結により、LEDモジュール700の左右両側面部の内側に結合できる。
【0053】
LEDモジュール700のLED素子751から生成された光は、前方へ観察者(市民または使用者)にほのかに露出することにより、審美感を向上させる役割を果たすことができる。
【0054】
特に、剛性補強部710は、上端と下端がそれぞれ前方ハウジング110の左右側面部に向かって内側に所定の長さ突出して形成された凹凸段711、713を含み、凹凸段711、713は、前方ハウジング110の左右側面部からそれぞれ外側方向に所定の長さ突出した支持段113に支持されることにより、LEDモジュール700を安定的に支持されるようにする役割を果たすことができる。
【0055】
一方、前方ハウジング110の前面には、後述するアンテナ素子組立体300が収容結合される素子載置部115が平らに形成される。
【0056】
素子載置部115は、アンテナ素子組立体300の外形に対応する形状を有するものであって、より詳しくは、複数の前方放熱フィン111が除去された部位の前方ハウジング110の前面が後方に所定の深さ陥没して形成され、アンテナ素子組立体300の縁端部が複数の前方放熱フィン111の前端よりも深く収容される深さに形成される。
【0057】
一方、複数の前方放熱フィン111は、素子載置部115が形成された部位を除いた前方ハウジング110の前面全体に対して複数個形成される。
【0058】
このように、本発明の一実施例によるアンテナ装置100の場合、メインボード220に実装された発熱素子から生成されたシステム熱を、アンテナハウジング部110、120のうち前方ハウジング110の前方に突出形成された複数の前方放熱フィン111を用いて前方に放熱させるように備えられて、設置壁面Wまたは支柱ポールPに対する設置空間が狭小な場合にも容易にアンテナ装置100の設置を可能にするという利点がある。
【0059】
より詳しくは、取付プレート600は、アンテナハウジング部110、120の設置壁面Wまたは支柱ポールPに対する設置を媒介するための構成であって、予め設置壁面Wまたは支柱ポールPに、図示しない締結部材を用いて強固に設けられる。
【0060】
これとともに、取付プレート600の左右両端部には、前方に突出して折曲された左右アンテナ据置段610が形成され、左右アンテナ据置段610の上下には、上部が開口した「U」字状のスクリュー締結溝615がそれぞれ形成され、アンテナハウジング部110、120のうち前方ハウジング110の左右縁段に締結される組立スクリュー619がスクリュー締結溝615に挿入および据置されて締結される動作により、アンテナハウジング部110、120が据置固定される。
【0061】
ここで、取付プレート600は、設置壁面Wに対しても面接する垂直パネル形状に形成され、熱伝導性材質(例えば、金属材質)で備えられる。この時、設置壁面Wに対して取付プレート600の背面が面接して形成できることから、アンテナハウジング部110、120のうち後方ハウジングカバー120の背面と設置壁面Wとの間の空間を最小に縮小するとともに、後方ハウジングカバー120の垂直面を通して伝達される熱も熱伝導材質によって容易に後方に伝達(放熱)可能である。この場合、後方ハウジングカバー120の背面と取付プレート600との間には、図示しない熱伝達媒介パネルなどが備えられる。
【0062】
一方、LEDモジュール700の上端部および下端部内側の左右には、
図5に示すように、後方に開口した「U」字状の組立ガイド溝771が形成された脱着ガイド段770がさらに備えられる。
【0063】
これとともに、アンテナハウジング部110、120のうち前方ハウジング110の上端部および下端部には、図示しないが、脱着ガイド段770を貫通するガイドスクリュー780が組立てられるガイドスクリューホール(図示せず)がさらに形成される。
【0064】
ここで、ガイドスクリュー780は、アンテナハウジング部110、120の構成のうち前方ハウジング110の上部または下部でそれぞれアンテナハウジング部110、120側に結合され、この過程中に組立ガイド溝771を介して露出したガイドスクリューホールに締結される動作により、LEDモジュール700を前方ハウジング110に設けることができる。
【0065】
組立者は、LEDモジュール700の前方ハウジング110に対する結合便宜のために、LEDモジュール700の組立前に予めガイドスクリュー780をガイドスクリューホールに仮締結した後、組立ガイド溝771を仮締結されたガイドスクリュー780のボディ部が挿入されるようにして定位置でガイドスクリュー780を完全締結させる動作により、LEDモジュール700を結合させることができる。
【0066】
逆に、組立者は、前方ハウジング110からのLEDモジュール700の取り外し便宜のために、ガイドスクリュー780を完全に分離しないように緩やかに解いた後、ガイドスクリュー780のボディ部と組立ガイド溝771の前後方向のガイドにより安定的に分離することができる。
【0067】
特に、図示しないが、LEDモジュール700に対する電源供給端子がアンテナハウジング部110、120を介して着脱可能に連結されるように備えられた場合、LEDモジュール700の当該部位を完全取り外しではなく一部を前方に離隔させた後、電源供給端子を取り外すことにより、電源供給端子の事後不良を防止することができる。
【0068】
図6Aおよび
図6Bは、
図1の実施例のうち第1実施例の前方および後方から見た分解斜視図であり、
図7Aおよび
図7Bは、
図1の構成のうちアンテナ素子組立体を示す前方および後方から見た分解斜視図であり、
図8は、
図1の実施例のうち第1実施例の正面図であり、
図9は、
図8のB-B線に沿った断面図(a)および切開斜視図(b)である。
【0069】
アンテナ素子組立体300は、
図6A~
図7Bに示すように、前方ハウジング110の前面に形成された少なくとも1つの素子載置部115に収容設置される。
【0070】
より詳しくは、アンテナ素子組立体300は、
図7Aおよび
図7Bに示すように、前記素子載置部115の前面に密着結合される放射素子用印刷回路基板320と、放射素子用印刷回路基板320の前面に印刷形成されたアンテナパッチ回路部350と、プラスチック樹脂材質で形成され、アンテナパッチ回路部350を含む放射素子用印刷回路基板320の前面を密閉するアンテナ組立体カバー310と、熱伝導性材質で形成され、アンテナ組立体カバー310の前面に配置され、アンテナ組立体カバー310を前後に貫通するように形成された複数の貫通ホールを介してそれぞれアンテナパッチ回路部350と電気的に連結される複数の放射用ディレクタ330とを含むことができる。
【0071】
アンテナパッチ回路部350は、
図7Aおよび
図7Bに示すように、二重偏波のビーム放射が可能に備えられ、上下の長手方向に離隔して配置された複数のパッチ素子部351a、351b、351cと、各パッチ素子部351a、351b、351cに電気的な信号を供給する一側フィードライン352および他側フィードライン353とを含むことができる。
【0072】
一側フィードライン352と他側フィードライン353には、アンテナハウジング部110、120内部の設置空間に備えられたメインボード220またはPSUボード210のいずれか1つに電気的に連結される入力端子352a、353aが一体に形成可能である。
【0073】
各入力端子352a、353aは、放射素子用印刷回路基板320に前後方向に貫通して形成された端子連結ホール237を介して設置空間の内側に延長配置される。
【0074】
ここで、複数の放射用ディレクタ330は、
図7Bに示すように、真ん中に後方へ突出して形成された取付ボス333に熱伝導性材質の組立スクリュー(図示せず)を介して組立てられるとともに、組立スクリューが熱伝導性材質の素子載置部115に熱接触するように備えられることにより、アンテナハウジング部110、120の内部に生成されたシステム熱が前方ハウジング110の複数の前方放熱フィン111だけでなく、アンテナ素子組立体300の一構成である放射用ディレクタ330を介在しても前方放熱されるように備えられることにより、全体的な放熱性能を大きく向上させることができるという利点を生み出すことができる。
【0075】
放射用ディレクタ330の取付ボス333は、アンテナ組立体カバー310に形成されたスクリュー貫通ホール313に貫設された後、組立スクリューを介して組立てられる。
【0076】
一方、複数のフィルタ500は、一般的に、メインボード220およびPSUボード210が形成するレイヤ層と前方のアンテナ素子組立体300との間に積層配置されるものであるが、本発明の一実施例では、メインボード220とPSUボード210の前面に実装された複数の発熱素子が直接前方ハウジング110の内側前面に表面熱接触するように配置されるという点で、メインボード220とPSUボード210が形成するレイヤ層より後方に積層配置されることが好ましい。
【0077】
そのため、
図6Aおよび
図6Bに示すように、複数のフィルタ500は、単位フィルタそれぞれに形成された入力ポート515および出力ポート525の位置がメインボード220から電気的な信号の入力および出力が容易な位置またはアンテナ素子組立体300との電気的な信号連結が容易な位置に設計されることが好ましい。
【0078】
ここで、複数のフィルタ500の出力ポート525は、アンテナハウジング部110、120のうち前方ハウジング110の素子載置部115に形成された端子取付ホール117を貫通して放射素子用印刷回路基板320の出力ポートホール322を介して各入力端子352a、353aに連結される。
【0079】
一方、メインボード220の下部には同じレイヤ層を形成するように配置されるとともに、複数のフィルタ500およびメインボード220の発熱素子側に所定の電源を供給するPSU素子(図示せず)などが実装されたPSUボード210が設けられる。
【0080】
ここで、複数のフィルタ500は、メインボード220とPSUボード210との間の空き空間を介して前方ハウジング110の前面に配置されたアンテナ素子組立体300と電気的に信号連結可能である。このために、前方ハウジング110には、前後方向に貫通する端子取付ホール117が設けられ、端子取付ホール117に設けられる同軸コネクタ(Direct Coaxial Connector)を介在して電気的に信号連結可能になる。
【0081】
一方、メインボード220に実装された発熱素子は、前方ハウジングのうち素子載置部115以外の残りに相当する背面に前面が表面熱接触するように実装できる。ここでの発熱素子は、FPGA素子またはTx素子およびLNA素子の少なくとも1つを含むことができる。
【0082】
図10A~
図10Cは、本発明の一実施例によるアンテナ装置の多様な設置例を示す写真である。
【0083】
本発明の一実施例によるアンテナ装置100は、
図10Aに示すように、空港や地下鉄の駅などのような屋内空間(Indoor Environment)の垂直壁面、および
図10Bおよび
図10Cに示すように、屋外の公園または広場などのような屋外空間(Outdoor Environment)の垂直壁面に対しても予め取付プレート600を設けて簡便にアンテナハウジング部110、120を設置可能なため、設置の便宜性を向上させることができるという利点を生み出すことができる。
【0084】
また、本発明の一実施例によるアンテナ装置100は、屋内または屋外の設置壁面Wにアンテナハウジング部110、120の背面(すなわち、後方ハウジングカバー120の背面)が取付プレート600を介在してそれぞれ面接して設けられて空間上の制約を大きく減少させることはもちろん、アンテナハウジング部110、120の内部から発生するシステム熱を前方ハウジング110の前面に熱干渉なしに容易に放熱させることができるという利点を提供する。
【0085】
図11は、
図1の実施例のうち第1実施例を設置壁面に設けた様子を示す斜視図(a)およびその分解斜視図(b)であり、
図12は、
図1の実施例のうち第2実施例を設置壁面に設けた様子を示す斜視図(a)およびその分解斜視図(b)であり、
図13は、
図1の実施例のうち第1実施例の、一対を支柱ポールに設けた様子を示す斜視図(a)および分解斜視図(b)であり、
図14は、
図1の実施例のうち第2実施例の、3つを支柱ポールに設けた様子を示す斜視図(a)および分解斜視図(b)である。
【0086】
本発明の一実施例によるアンテナ装置100A、100Bは、
図11および
図12に示すように、取付プレート600を介在して設置壁面Wに設けられる。
【0087】
より詳しくは、取付プレート600には、
図11および
図12に示すように、前後方向に貫通形成され、取付プレート600が後方に移動する時、設置壁面Wに予め固定された取付ねじ(図示せず)の頭部が前方に貫通して流入した後、取付プレート600が下方に移動する時、取付ねじのボディ部が自重方向に流入して係止される設置壁面用固定溝630が複数箇所に形成される。
【0088】
ここで、取付ねじは、一般的に頭部の半径がボディ部の半径よりも大きく形成されるものであることから、設置壁面用固定溝630は、少なくとも頭部が流入する大きさの円形の切開部と、これに連結され、頭部の半径より小さくてボディ部の半径より大きい円形の切開部とが連結されるように切開形成される。
【0089】
設置壁面用固定溝630は、取付プレート600の平らに形成された部位に設置壁面Wに対する安定的な据置および固定が可能に少なくとも3箇所(本実施例では4箇所)に離隔して形成される。設置壁面Wの3箇所または4箇所に予め固定された取付ねじの頭部が前方に貫通した後、取付プレート600を下方に移動させて取付ねじのボディ部が設置壁面用固定溝630に安定的に据置させることができる。
【0090】
このように、設置壁面Wに取付プレート600を安定的に固定した後、
図11および
図12に示すように、取付プレート600の左右両端部に形成された「U」字状のスクリュー締結溝615を介して組立スクリュー619を締結する動作により、アンテナハウジング部110、120を固定させることができる。
【0091】
ここで、本発明の一実施例によるアンテナ装置100は、アンテナハウジング部110、120の下端部に備えられ、外部電源または信号の供給のための外部ケーブル100Cとの端子連結のための外部装着部材400をさらに含むことができる。
【0092】
また、本発明の一実施例によるアンテナ装置100は、
図11および
図12に示すように、外部ケーブル100Cの設置壁面Wに対する隠匿設置をガイドするケーブル取付パイプ800と、外部装着部材400および外部ケーブル100Cを隠匿するためのケーブル隠匿カバー900とをさらに含むことができる。
【0093】
このように、本発明の一実施例によるアンテナ装置100によれば、設置壁面Wに対するアンテナハウジング部110、120の設置時、外部ケーブル100Cおよび外部装着部材400を隠匿させることにより、外部に露出する外部ケーブル100Cおよび外部装着部材400による外観美の低下を防止することができる。
【0094】
一方、本発明の一実施例によるアンテナ装置100は、
図13および
図14に示すように、支柱ポールPの長手方向に対して後方ハウジングカバー120の背面が平行に取付プレート600を介在して設けられる。
【0095】
ここで、取付プレート600には、前後方向に貫通形成され、支柱ポールPの外周面を水平方向に取り囲むように上下に離隔して備えられた複数のホースクランプワイヤ50が係止締結される支柱ポール用固定溝620が複数箇所に形成される。
【0096】
支柱ポールPに対するアンテナハウジング部110、120の設置は、
図13に示すように、2つの取付プレート600-1、600-2をそれぞれ支柱ポールPの長手方向に対して平行に同じ高さに設けることができる。すなわち、2つの取付プレート600-1、600-2は、支柱ポールPを基準としてアンテナハウジング部110、120の構成のうち前方ハウジング110の前面がそれぞれ180度の方向に対向するように備えられる。
【0097】
しかし、必ずしも1つの支柱ポールPに2つのアンテナ装置100A-1、100A-2だけが設けられる必要はなく、
図14に示すように、3つのアンテナ装置100B-1、100B-2、100B-3の前方ハウジング110の前面が120度の方向を向くように備えられることも可能である。
【0098】
以上、本発明の一実施例によるアンテナ装置を、添付した図面を参照して詳細に説明した。しかし、本発明の実施例が必ずしも上述した一実施例によって限定されるものではなく、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者による多様な変形および均等な範囲での実施が可能であることは言うまでもない。そのため、本発明の真の権利範囲は後述する特許請求の範囲によって定められる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、屋内または屋外の設置壁面と支柱ポールに対する設置空間の制約を減少させ、既存の放熱性能に制限的なレドーム構成自体を削除し、アンテナ素子組立体の一構成によっても前方放熱が可能なアンテナ装置を提供する。
【符号の説明】
【0100】
100:アンテナ装置 110、120:アンテナハウジング部
110:前方ハウジング 111:前方放熱フィン
115:素子載置部 120:後方ハウジングカバー
300:アンテナ素子組立体 310:アンテナ組立体カバー
320:放射素子用印刷回路基板 330:放射用ディレクタ
350:アンテナパッチ回路部 351a~c:パッチ素子
220:メインボード 210:PSUボード
500:フィルタ 600:取付プレート
【国際調査報告】