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特表2024-531982無線通信ネットワークのためのアソシエーションソリューション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-03
(54)【発明の名称】無線通信ネットワークのためのアソシエーションソリューション
(51)【国際特許分類】
   H04W 84/18 20090101AFI20240827BHJP
   H04W 8/24 20090101ALI20240827BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20240827BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20240827BHJP
【FI】
H04W84/18 110
H04W8/24
H04W48/16 135
H04W76/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513827
(86)(22)【出願日】2022-08-31
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 FI2022050565
(87)【国際公開番号】W WO2023031516
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】20215935
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518245157
【氏名又は名称】ワイヤパス オイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユヴェン、ヴィッレ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
5K067EE22
(57)【要約】
本出願は、無線通信ネットワークのためのアソシエーションシステムに関する。本システムは、アソシエーション開始装置とアソシエーション対象装置とを含む。各アソシエーション対象装置は、現在関連付けられているルータデバイスの数を示すデータを含むアソシエーション対象装置の負荷データを含むビーコンメッセージを送信する。アソシエーション対象装置からビーコンメッセージを受信した後、各アソシエーション開始装置はアソシエーション対象装置から受信されたビーコンメッセージに少なくとも部分的に含まれる負荷データに基づいて、アソシエーション対象装置とのアソシエーションを試みるか否かを決定し、アソシエーション開始装置がアソシエーションを試みることを決定するアソシエーション対象装置の各々にアソシエーション要求メッセージを送信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワーク(102)のためのアソシエーションシステム(100)であって、
少なくとも1つのアソシエーション開始装置(104b)と、
少なくとも1つのアソシエーション対象装置(104c)と、
を含み、
少なくとも1つの前記アソシエーション開始装置(104b)および少なくとも1つの前記アソシエーション対象装置(104c)が、複数の通信デバイス(104、104a、104b、104c)に属し、
複数の前記通信デバイス(104、104a、104b、104c)の各通信デバイス(104、104a、104b、104c)は、複数の前記通信デバイス(104、104a、104b、104c)のうちの少なくとも1つとの双方向無線通信を提供するように構成された無線ノードデバイスであり、
各アソシエーション対象装置(104c)は、現在関連付けられているルータデバイスの数を示すデータを少なくとも含む、前記アソシエーション対象装置(104c)の負荷データを含む、ビーコンメッセージを送信するように構成され、
少なくとも1つのアソシエーション対象装置(104c)から前記ビーコンメッセージを受信した後、各アソシエーション開始装置(104b)は、
前記ビーコンメッセージが受信される少なくとも1つの前記アソシエーション対象装置(104c)と関連付けることを、少なくとも1つの前記アソシエーション対象装置(104c)から受信された前記ビーコンメッセージに少なくとも部分的に含まれる前記負荷データに基づいて試みるか否かを決定し、
前記アソシエーション開始装置(104b)が関連付けることを試みる少なくとも1つの前記アソシエーション対象装置(104c)の各々にアソシエーション要求メッセージを送信する、
アソシエーションシステム(100)。
【請求項2】
決定することは、前記アソシエーション開始装置(104b)の動作役割に依存し、
前記アソシエーション開始装置(104b)の前記動作役割は、ルータ役割またはノンルータ役割である、
請求項1に記載のアソシエーションシステム(100)。
【請求項3】
前記負荷データは、許可されるアソシエーション装置の最大数を示すデータ、および/または現在関連付けられているノンルータデバイスの数を示すデータ、をさらに含む、
請求項1または請求項2に記載のアソシエーションシステム(100)。
【請求項4】
前記負荷データは、ランダムアクセスチャネル(RACH)負荷データ、チャネル負荷データ、トラフィック負荷データ、および/またはルートコストデータを含む、1つまたは複数の性能パラメータをさらに含む、
請求項3に記載のアソシエーションシステム(100)。
【請求項5】
前記ビーコンメッセージが少なくとも2つのアソシエーション対象装置(104c)から受信される場合、各アソシエーション開始装置(104b)は、少なくとも1つの選択基準に基づいて、少なくとも1つの最も適切なアソシエーション対象装置(104c)を選択するように構成される、
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のアソシエーションシステム(100)。
【請求項6】
少なくとも1つの前記選択基準は、少なくとも2つの前記アソシエーション対象装置(104c)から受信された前記ビーコンメッセージに少なくとも部分的に含まれる、少なくとも2つの前記アソシエーション対象装置(104c)の前記負荷データを含む、
請求項5に記載のアソシエーションシステム(100)。
【請求項7】
少なくとも1つの前記選択基準は、リンク品質データ、高次変調を使用する能力、1つのアソシエーション装置に提供される最小ビットレート、保証されたエンドツーエンドレイテンシ特性、および/またはシンクデバイスへのルートの利用可能性をさらに含む、
請求項6に記載のアソシエーションシステム(100)。
【請求項8】
前記アソシエーション要求メッセージは、前記アソシエーション開始装置(104b)の動作役割を示すデータを含む、
請求項1~請求項7のいずれか1項に記載のアソシエーションシステム(100)。
【請求項9】
前記アソシエーション要求メッセージは、前記アソシエーション開始装置(104b)のエネルギー節約モードを示すデータ、前記アソシエーション開始装置(104b)の現在関連付けられている装置の数を示すデータ、および/または前記アソシエーション開始装置(104b)のトラフィック負荷を示すデータをさらに含む、
請求項8に記載のアソシエーションシステム(100)。
【請求項10】
少なくとも1つのアソシエーション開始装置(104b)から前記アソシエーション要求メッセージを受信したことに応答して、
各アソシエーション対象装置(104c)は、前記アソシエーション対象装置(104c)のアソシエーション装置の最大数を示すデータに基づいて、少なくとも1つの前記アソシエーション開始装置(104b)からのアソシエーション要求を承認するか否かを決定するように構成され、
許可される各アソシエーション対象装置の最大数に達した場合、
各アソシエーション対象装置(104c)は、少なくとも1つの前記アソシエーション開始装置(104b)から受信した前記アソシエーション要求メッセージに含まれるデータを使用して、少なくとも1つのアソシエーション開始装置(104b)からの前記アソシエーション要求を承認するか否か決定するようにさらに構成されている、
請求項1~請求項9のいずれか1項に記載のアソシエーションシステム(100)。
【請求項11】
許可されているアソシエーション装置の前記最大数に達し、前記アソシエーション対象装置(104c)が、ルータ役割で動作する少なくとも1つのアソシエーション開始装置(104b)からのアソシエーション要求を承認することを決定する場合、各アソシエーション対象装置(104c)は少なくとも1つの現在関連付けられているノンルータデバイスのアソシエーションを解除するように構成されている、
請求項10に記載のアソシエーションシステム(100)。
【請求項12】
前記無線通信ネットワーク(102)は、ワイヤレスセンサネットワーク(WSN)、DECT-2020(Digital European Cordless Telecommunication 2020)ベースネットワーク、またはワイヤレスメッシュネットワークである、請求項1~請求項11のいずれか1項に記載のアソシエーションシステム(100)。
【請求項13】
無線通信ネットワーク(102)のためのアソシエーション方法であって、
無線ノード装置として動作する複数の通信デバイス(104、104a、104b、104c)に属する少なくとも1つのアソシエーション開始装置(104b)および少なくとも1つのアソシエーション対象装置(104c)を提示し、
複数の前記通信デバイスのそれぞれの通信デバイス(104、104a、104b、104c)が、複数の前記通信デバイスのうちの少なくとも1つとの双方向無線通信を提供し、
各アソシエーション対象装置(104c)が、現在関連付けられているルータデバイスの数を示すデータを少なくとも含む、前記アソシエーション対象装置(104c)の負荷データを含む、ビーコンメッセージを送信し(202)、
少なくとも1つのアソシエーション対象装置(104c)から前記ビーコンメッセージを受信した(204)後、少なくとも1つの前記アソシエーション対象装置(104c)からの受信された前記ビーコンメッセージに少なくとも部分的に含まれる前記負荷データに基づいて、各アソシエーション開始装置(104b)が、前記ビーコンメッセージが受信される、少なくとも1つの前記アソシエーション対象装置(104c)に関連付けを試みるか否か決定し(208)、
前記アソシエーション開始装置(104b)が関連付けを試みることを決定した少なくとも1つの前記アソシエーション対象装置(104c)の各々にアソシエーション要求メッセージを、各アソシエーション開始装置(104b)が送信する、
アソシエーション方法。
【請求項14】
無線通信ネットワーク(102)におけるアソシエーションプロセスに参加するためのアソシエーション開始装置(104b)であって、
前記アソシエーション開始装置(104b)は、
制御手段(530)と、
無線ノード装置として動作するための無線通信手段(536)と、
を備え、
前記アソシエーション開始装置(104b)は、無線通信手段(536)が、複数の通信デバイスのうちの少なくとも1つとの双方向無線通信を提供するように構成され、
前記無線通信手段(536)が、少なくとも1つのアソシエーション対象装置(104c)からビーコンメッセージを受信した後、前記アソシエーション開始装置(104b)は、
制御手段(530)が、少なくとも1つのアソシエーション対象装置(104c)からの受信された前記ビーコンメッセージに少なくとも部分的に含まれる負荷データに基づいて、前記ビーコンメッセージが受信される少なくとも1つの前記アソシエーション対象装置(104c)に関連付けることを試みるか否かを決定し、
前記ビーコンメッセージは、現在関連付けられているルータデバイスの数を示すデータを少なくとも含む、前記アソシエーション対象装置(104c)の負荷データを含み、
前記アソシエーション開始装置(104b)が関連付けることを試みることを決定した、少なくとも1つの前記アソシエーション対象装置(104c)の各々にアソシエーション要求メッセージを無線通信手段(536)が送信する、
アソシエーション開始装置(104b)。
【請求項15】
無線通信ネットワーク(102)におけるアソシエーションプロセスのためのアソシエーション方法であって、
無線ノード装置として動作するアソシエーション開始装置(104b)の無線通信手段(536)が、複数の通信デバイスのうちの少なくとも1つとの双方向無線通信を提供し、
少なくとも1つのアソシエーション対象装置(104c)からビーコンメッセージを受信(204)した後、前記アソシエーション開始装置(104b)の制御手段(530)が、少なくとも1つの前記アソシエーション対象装置(104c)からの受信された前記ビーコンメッセージに少なくとも部分的に含まれる負荷データに基づいて、少なくとも1つの前記アソシエーション対象装置(104c)との関連付けを試みるか否かを決定し(208)、
前記ビーコンメッセージは、現在関連付けられているルータデバイスの数を示すデータを少なくとも含む、前記アソシエーション対象装置(104c)の前記負荷データを含み、
前記アソシエーション開始装置(104b)の前記無線通信手段(536)が、前記アソシエーション開始装置(104b)が関連付けを試みることを決定した、少なくとも1つの前記アソシエーション対象装置(104c)の各々に、アソシエーション要求メッセージを送信する(210)、
アソシエーション方法。
【請求項16】
無線通信ネットワーク(102)におけるアソシエーションプロセスに参加するためのアソシエーション対象装置(104c)であって、
前記アソシエーション対象装置(104c)は:
制御手段(530)と、
無線ノードデバイスとして動作するための無線通信手段(536)と、
を備え、
前記アソシエーション対象装置(104c)は、複数の通信デバイスのうちの少なくとも1つとの双方向無線通信を、前記無線通信手段(536)が提供するように構成され、
前記アソシエーション対象装置(104c)は、現在関連付けられているルータデバイスの数を示すデータを少なくとも含む、前記アソシエーション対象装置の負荷データを含む、ビーコンメッセージを、前記無線通信手段(536)が送信するように構成されている、
アソシエーション対象装置(104c)。
【請求項17】
無線通信ネットワーク(102)におけるアソシエーションプロセスのためのアソシエーション方法であって、
無線ノード装置として動作するアソシエーション対象装置(104c)の無線通信手段(536)が、複数の通信デバイスのうちの少なくとも1つとの双方向無線通信を提供し、
前記アソシエーション対象装置(104c)の無線通信手段(536)が、現在関連付けられているルータデバイスの数を示すデータを少なくとも含む、前記アソシエーション対象装置(104c)の負荷データを含む、ビーコンメッセージを送信する(202)、
アソシエーション方法。
【請求項18】
コンピュータによって実行されると、少なくとも請求項15または17に記載のアソシエーション方法を前記コンピュータに実行させる命令を含む、
コンピュータプログラム。
【請求項19】
請求項18に記載の前記コンピュータプログラムを含む、
有形不揮発性コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、無線通信ネットワークの技術分野に関する。特に、本発明は、無線通信ネットワークにおけるアソシエーションプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、無線通信システム(例えば、3G、LTE、3GPP(登録商標)、またはIEEE802.11)において、無線機器、ユーザ機器(UE)(例えば、3GPP(登録商標)システムにおいて)、または受信局(STA)(例えば、IEEE802.11システムにおいて)において、無線測定に基づいて基地局(BS)またはアクセスポイント(AP)への無線接続を開始し、リンク性能を最適化し、選択されたBS/APにアソシエーション要求(例えば、3GPP(登録商標)システムにおいてRRC要求として呼ばれる)を送信する。BS/APは、受信したアソシエーション要求を承認または拒否することによって、その負荷制御を担当する。同様のアソシエーション手法は、ワイヤレスセンサネットワーク(WSN)、ワイヤレスメッシュネットワーク、DECT-2020(Digital European Cordless Telecommunication 2020)ベースのネットワークなどのワイヤレスマルチホップネットワークにも適用され得る。しかしながら、例えば、比較的低コストかつ単純な構成要素(例えば、無線通信機、プロセッサなど)によって引き起こされる、限定されたリソース、例えば、バッテリまたは処理電力を典型的に有する複数のデバイスを備えるワイヤレスマルチホップネットワークでは、成功しないアソシエーションの試みを回避することが意図される。アソシエーション要求メッセージおよびアソシエーション拒否メッセージを送信することは、アソシエーションを開始する装置およびアソシエーションメッセージに応答する装置の両方にとって、電力および時間がかかる。例えば、失敗したアソシエーション試行は、アソシエーションプロセスに使用される時間を増加させる。
【0003】
技術および環境の実際的な制限のために、無線通信ネットワークは典型的にはデータを生成することができるデータ(ノンルータデバイス)および装置(ルータデバイス)のみを生成し、ネットワークを通るアプリケーションデータのルーティングに参加することができる装置を備える。ルータデバイスは、それらがどれだけの数のアソシエーション装置にサービスを提供することができるかについての制限を有し得る。ルータデバイスによってサービスを提供されるデバイスは、ルータデバイスであってもよいし、ノンルータデバイスであってもよい。典型的には、ルータデバイスはもはや関連する余地を有さず、すべてのアソシエーション装置がノンルータデバイスである可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7,830,838号明細書
【特許文献2】米国特許第10,499,264号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、無線通信ネットワークのためのアソシエーションシステム、アソシエーション方法、アソシエーション装置、コンピュータプログラム、およびコンピュータ可読媒体を提供することである。本発明の別の目的は、無線通信ネットワークのためのアソシエーションシステム、アソシエーション方法、装置、コンピュータプログラム、およびコンピュータ可読媒体がアソシエーション要求の拒否を示す不要なアソシエーション要求メッセージおよびアソシエーション応答メッセージを少なくとも低減することを可能にすることである。
【0006】
本発明の目的は、それぞれの独立請求項によって定義されるようなアソシエーションシステム、アソシエーション方法、アソシエーション装置、コンピュータプログラム、およびコンピュータ可読媒体によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下は様々な発明の実施形態のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、簡略化された概要を提示する。この概要は、本発明の広範な概要ではない。それは、本発明の重要または重要な要素を特定することも、本発明の範囲を線引きすることも意図されていない。以下の概要は単に、本発明の例示的な実施形態のより詳細な説明の前置きとして、簡略化された形態で本発明のいくつかの概念を提示するに過ぎない。
【0008】
第1態様によれば、無線通信ネットワークのためのアソシエーションシステムが提供される。当該システムは、少なくとも1つのアソシエーション開始装置と、少なくとも1つのアソシエーション対象装置と、を含み、少なくとも1つの前記アソシエーション開始装置および少なくとも1つの前記アソシエーション対象装置が、複数の通信デバイスに属し、複数の前記通信デバイスの各通信デバイスは、複数の前記通信デバイスのうちの少なくとも1つとの双方向無線通信を提供するように構成された無線ノードデバイスであり、各アソシエーション対象装置は、現在関連付けられているルータデバイスの数を示すデータを少なくとも含む、前記アソシエーション対象装置の負荷データを含む、ビーコンメッセージを送信するように構成され、少なくとも1つのアソシエーション対象装置から前記ビーコンメッセージを受信した後、各アソシエーション開始装置は、前記ビーコンメッセージが受信される少なくとも1つの前記アソシエーション対象装置と関連付けることを、少なくとも1つの前記アソシエーション対象装置から受信された前記ビーコンメッセージに少なくとも部分的に含まれる前記負荷データに基づいて試みるか否かを決定し、前記アソシエーション開始装置が関連付けることを試みる少なくとも1つの前記アソシエーション対象装置の各々にアソシエーション要求メッセージを送信する。
【0009】
決定することは、前記アソシエーション開始装置の動作役割に依存してもよく、前記アソシエーション開始装置の前記動作役割は、ルータ役割またはノンルータ役割であってもよい。
【0010】
前記負荷データは、許可されるアソシエーション装置の最大数を示すデータ、および/または現在関連付けられているノンルータデバイスの数を示すデータ、をさらに含んでもよい。
【0011】
前記負荷データは、ランダムアクセスチャネル(RACH)負荷データ、チャネル負荷データ、トラフィック負荷データ、および/またはルートコストデータを含む、1つまたは複数の性能パラメータをさらに含んでもよい。
【0012】
前記ビーコンメッセージが少なくとも2つのアソシエーション対象装置から受信される場合、各アソシエーション開始装置は、少なくとも1つの選択基準に基づいて、少なくとも1つの最も適切なアソシエーション対象装置を選択するように構成されていてもよい。
【0013】
少なくとも1つの前記選択基準は、少なくとも2つの前記アソシエーション対象装置から受信された前記ビーコンメッセージに少なくとも部分的に含まれる、少なくとも2つの前記アソシエーション対象装置の前記負荷データを含んでもよい。
【0014】
少なくとも1つの前記選択基準は、リンク品質データ、高次変調を使用する能力、1つのアソシエーション装置に提供される最小ビットレート、保証されたエンドツーエンドレイテンシ特性、および/またはシンクデバイスへのルートの利用可能性をさらに含んでもよい。
【0015】
前記アソシエーション要求メッセージは、前記アソシエーション開始装置の動作役割を示すデータを含んでもよい。
【0016】
前記アソシエーション要求メッセージは、前記アソシエーション開始装置のエネルギー節約モードを示すデータ、前記アソシエーション開始装置の現在関連付けられている装置の数を示すデータ、および/または前記アソシエーション開始装置のトラフィック負荷を示すデータをさらに含んでもよい。
【0017】
少なくとも1つのアソシエーション開始装置から前記アソシエーション要求メッセージを受信したことに応答して、各アソシエーション対象装置は、前記アソシエーション対象装置のアソシエーション装置の最大数を示すデータに基づいて、少なくとも1つの前記アソシエーション開始装置からの前記アソシエーション要求を承認するか否かを決定するように構成されてもよく、許可される各アソシエーション対象装置の最大数に達した場合、各アソシエーション対象装置は、少なくとも1つの前記アソシエーション開始装置から受信した前記アソシエーション要求メッセージに含まれるデータを使用して、少なくとも1つのアソシエーション開始装置からの前記アソシエーション要求を承認するか否か決定するようにさらに構成されていてもよい。
【0018】
許可されているアソシエーション装置の前記最大数に達し、前記アソシエーション対象装置が、ルータ役割で動作する少なくとも1つのアソシエーション開始装置からのアソシエーション要求を承認することを決定する場合、各アソシエーション対象装置は少なくとも1つの現在関連付けられているノンルータデバイスのアソシエーションを解除するように構成されていてもよい。
【0019】
前記無線通信ネットワークは、ワイヤレスセンサネットワーク(WSN)、DECT-2020(Digital European Cordless Telecommunication 2020)ベースネットワーク、またはワイヤレスメッシュネットワークであってよい。
【0020】
第2の態様によれば、無線通信ネットワークのためのアソシエーション方法が提供される。当該方法は、無線ノード装置として動作する複数の通信デバイスに属する少なくとも1つのアソシエーション開始装置および少なくとも1つのアソシエーション対象装置を提示し、複数の前記通信デバイスのそれぞれの通信デバイスが、複数の前記通信デバイスのうちの少なくとも1つとの双方向無線通信を提供し、各アソシエーション対象装置が、現在関連付けられているルータデバイスの数を示すデータを少なくとも含む、前記アソシエーション対象装置の負荷データを含む、ビーコンメッセージを送信し、少なくとも1つのアソシエーション対象装置から前記ビーコンメッセージを受信した後、少なくとも1つの前記アソシエーション対象装置からの受信された前記ビーコンメッセージに少なくとも部分的に含まれる前記負荷データに基づいて、各アソシエーション開始装置が、前記ビーコンメッセージが受信される、少なくとも1つの前記アソシエーション対象装置に関連付けを試みるか否か決定し、前記アソシエーション開始装置が関連付けを試みることを決定した少なくとも1つの前記アソシエーション対象装置の各々にアソシエーション要求メッセージを、各アソシエーション開始装置が送信する。
【0021】
第3の態様によれば、無線通信ネットワークにおけるアソシエーションプロセスに参加するためのアソシエーション開始装置が提供される。前記アソシエーション開始装置は、制御手段と、無線ノード装置として動作するための無線通信手段(536)と、を備え、前記アソシエーション開始装置は、無線通信手段が、複数の通信デバイスのうちの少なくとも1つとの双方向無線通信を提供するように構成され、前記無線通信手段が、少なくとも1つのアソシエーション対象装置からビーコンメッセージを受信した後、前記アソシエーション開始装置は、制御手段が、少なくとも1つのアソシエーション対象装置からの受信された前記ビーコンメッセージに少なくとも部分的に含まれる負荷データに基づいて、前記ビーコンメッセージが受信される少なくとも1つの前記アソシエーション対象装置に関連付けることを試みるか否かを決定し、前記ビーコンメッセージは、現在関連付けられているルータデバイスの数を示すデータを少なくとも含む、前記アソシエーション対象装置の負荷データを含み、前記アソシエーション開始装置が関連付けることを試みることを決定した、少なくとも1つの前記アソシエーション対象装置の各々にアソシエーション要求メッセージを無線通信手段が送信する。
【0022】
第4の態様によれば、無線通信ネットワークにおけるアソシエーションプロセスのためのアソシエーション方法が提供される。当該方法は、無線ノード装置として動作するアソシエーション開始装置の無線通信手段が、複数の通信デバイスのうちの少なくとも1つとの双方向無線通信を提供し、少なくとも1つのアソシエーション対象装置からビーコンメッセージを受信した後、前記アソシエーション開始装置の制御手段が、少なくとも1つの前記アソシエーション対象装置からの受信された前記ビーコンメッセージに少なくとも部分的に含まれる負荷データに基づいて、少なくとも1つの前記アソシエーション対象装置との関連付けを試みるか否かを決定し、前記ビーコンメッセージは、現在関連付けられているルータデバイスの数を示すデータを少なくとも含む、前記アソシエーション対象装置の前記負荷データを含み、前記アソシエーション開始装置の前記無線通信手段が、前記アソシエーション開始装置が関連付けを試みることを決定した、少なくとも1つの前記アソシエーション対象装置の各々に、アソシエーション要求メッセージを送信する。
【0023】
第5の態様によれば、無線通信ネットワークにおけるアソシエーションプロセスに参加するためのアソシエーション対象装置が提供される。前記アソシエーション対象装置は、制御手段と、無線ノードデバイスとして動作するための無線通信手段と、を備え、前記アソシエーション対象装置は、複数の通信デバイスのうちの少なくとも1つとの双方向無線通信を、前記無線通信手段が提供するように構成され、前記アソシエーション対象装置は、現在関連付けられているルータデバイスの数を示すデータを少なくとも含む、前記アソシエーション対象装置の負荷データを含む、ビーコンメッセージを、前記無線通信手段が送信するように構成されている。
【0024】
第6の態様によれば、無線通信ネットワークにおけるアソシエーションプロセスのためのアソシエーション方法が提供される。当該方法は、無線ノード装置として動作するアソシエーション対象装置の無線通信手段が、複数の通信デバイスのうちの少なくとも1つとの双方向無線通信を提供し、前記アソシエーション対象装置の無線通信手段が、現在関連付けられているルータデバイスの数を示すデータを少なくとも含む、前記アソシエーション対象装置の負荷データを含む、ビーコンメッセージを送信する。
【0025】
第7の態様によれば、コンピュータプログラムが提供され、当該コンピュータプログラムは、コンピュータによって実行されると、少なくとも請求項15または17に記載のアソシエーション方法を前記コンピュータに実行させる命令を含む。
【0026】
第8の態様によれば、有形不揮発性コンピュータ可読媒体が提供され、当該有形不揮発性コンピュータ可読媒体は、請求項18に記載の前記コンピュータプログラムを含む。
【0027】
本発明の様々な例示的かつ非限定的な実施形態は構造および動作方法の両方に関して、その追加の目的および利点とともに、添付の図面と関連して読まれるとき、特定の例示的かつ非限定的な実施形態の以下の説明から最も良く理解されるであろう。
【0028】
「含む」および「備える」などの動詞は引用されていない特徴の存在を排除することも必要とすることもない、オープンな限定として、本明細書で使用される。従属請求項に記載された特徴は特に明記しない限り、相互に自由に組み合わせることができる。さらに、本明細書全体を通して、「1つの」など、すなわち単数形の使用は、複数形を排除しないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】無線通信環境におけるアソシエーションシステムを概略的に示す。
図2】アソシエーション方法のフローチャートを概略的に示す。
図3】ビーコンメッセージに含まれる負荷データの例示的なフォーマットを概略的に示す。
図4】アソシエーション対象装置による判定処理の一例を模式的に示す。
図5】無線通信デバイスの動作部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施形態は、添付の図面において、限定ではなく例として示される。
【0031】
図1は、無線通信環境において動作するアソシエーションシステム100を示す。環境は、複数のワイヤレス無線通信デバイス(ノード)104を備えるワイヤレス無線通信ネットワーク(システム)102を備える。装置104は例えば、提示された環境内の同じ地理的エリアにおける1つまたは複数の周波数帯域を備える同じスペクトル上で動作する。同じスペクトルの使用はネットワーク102内の装置104間の双方向無線通信を可能にし、1つの装置104によって送信された無線送信は、別の装置104によって受信され得、逆もまた同様である。
【0032】
システム100は通信において、すなわち、データ交換においてパケット送信を使用する任意のワイヤレス無線通信ネットワーク102に適用され得る。好ましくはシステム100が装置104間のマルチホップ通信のために使用され得る任意のワイヤレス無線通信ネットワークに適用され得、すなわち、パケットは少なくとも2つの連続する無線リンクを介して配信され得る。システム100は、DECT-2020(Digital European Cordless Telecommunication 2020)規格に準拠する無線通信ネットワーク102に適用され得る。システム100が適用され得るいくつかの非限定的な例はワイヤレスマルチホップネットワーク、ワイヤレスメッシュネットワーク、たとえば、ワイヤレスセンサネットワーク(WSN)、Bluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)メッシュネットワーク、Zigbee(登録商標)ネットワーク、スレッドネットワーク、公衆陸上移動体ネットワーク(PLMN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、低電力ワイドエリアネットワーク(LPWAN)、セルラーベースのローカルエリアネットワーク、セルラーネットワーク、および/または任意の他のワイヤレスネットワークを備えることができるが、これらに限定されない。WSNの一例は、特許文献1(米国特許第7,830,838号明細書)に説明されている。
【0033】
装置104は、すべてが同じネットワーク102からの送信である1つの無線技術、たとえばBLE送信またはWLAN送信による送信を受信することが可能である。しかしながら、装置104のうちの少なくとも1つ、たとえば、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれを上回る装置はすべてが同じネットワーク102からの送信で少なくとも2つの無線技術、たとえば、BLE送信およびWLAN送信による送信を受信することが可能であり得る。
【0034】
DECT-2020規格は、ETSIによって開発された無線アクセス技術である。DECT-2020は、大規模マシンタイプ通信(mMTC)と超高信頼低レイテンシ通信(URLLC)をサポートしている。物理(PHY)層上で、DECT-2020の重要な技術構成要素は、直交周波数分割多重化(OFDM)、適応変調および符号化方式(MCS)、最新のチャネル符号化方法(ターボ、LDPC、畳み込み符号化)、スケジュールされた送信および競合ベースの送信の両方のためのハイブリッド自動再送要求(HARQ)、ならびに異なる多入力多出力(MIMO)ストリームを用いたマルチアンテナ送信のサポートである。媒体アクセス(MAC)層上で、およびシステムの観点から、DECT-2020の重要な技術構成要素は多数のIoT(Interne of Things)センサ、アクチュエータ、および他の産業用途のサポート、メッシュネットワークトポロジのサポート、非常に短い遅延を伴うURLLC通信のサポート(典型的な用途はワイヤレスマイクロフォンであり得る)、免許免除される周波数上での動作、および複数のネットワーク間でスペクトルリソースを共有するための認知無線能力を伴う複数の重複する非協調ネットワークのサポートである。
【0035】
システム100はネットワーク102を介したデータルーティングを可能にするために、装置104間のアソシエーションを確立するために使用される。システム100は、主に、システム100に属し、ネットワーク102内で動作する、デバイス104a、104b、104cのグループを形成する3つのデバイス104a、104b、104cを使用することによって説明される。しかしながら、これらのデバイス104a、104b、104cは、デバイス104に対応する。ネットワーク102はまた、前記グループの形成にも関与する複数の他の装置104を備えてもよく、その場合、グループは、装置104、104a、104b、104cを備える。
【0036】
上記で説明したように、それぞれの装置104は、その無線通信機436によって、少なくとも1つの他の装置104との双方向無線通信を提供することができる。これは、各デバイス104は、各デバイス104が少なくとも1つのメッセージを他のデバイス104に送信し、ネットワーク102内の他のデバイス104から少なくとも1つのメッセージを受信することができるとき、送信機として、受信機として、または送信機-受信機として動作することができることを意味する。
【0037】
システム100はまた、少なくとも1つのゲートウェイデバイス105、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のゲートウェイデバイスを備え得る。各ゲートウェイデバイス105はネットワーク102と他の外部ネットワーク106(例えばインターネット)との間のゲートウェイとして動作し、ネットワーク102およびネットワーク102からデータを配信する。各ゲートウェイデバイス105は少なくとも1つのシンクデバイス(ノード)104a、たとえば、1つ、2つ、3つ、4つ、または5以上のシンクデバイスと通信し、各シンクデバイス104aは、ネットワーク102中のゲートウェイデバイス105のための無線インターフェースとして動作する。各シンクデバイス104aは、ゲートウェイデバイス105に接続して物理的に位置し得るか、またはネットワーク102の異なる部分において別個に位置し得る。ゲートウェイ105がいくつかのシンクデバイス104aを備える場合、ネットワーク102の異なる部分においてゲートウェイデバイス105および他のものに関連して別々に位置し得る。
【0038】
シンクデバイス104aは固定ルータデバイス(ルータ)であるが、他のノード装置104はネットワーク102において異なる固定または非固定の役割で動作することが可能である。システム100内の他の装置104はルータデバイス、すなわち、ルータ役割で動作する装置、およびノンルータデバイス(ノンルータ)、すなわち、装置104がデータ転送に参加する必要があるかどうかに応じて、ノンルータ役割で動作する装置である。ルータおよびノンルータの役割を選択するための1つの方法は例えば、特許文献2(米国特許第10,499,264号明細書)に説明されている方法に従うことができる。
【0039】
各ルータデバイス104はシステム100の接続性を維持し、必要なときに他のデバイス104のデータをルーティング(転送)する。各ノンルータデバイス104はシンクおよびルータデバイス104と同様に、それ自体のデータを送信し、それに向けられたデータを受信するために双方向通信を提供することができるが、ノンルータデバイス104は他の装置104のデータをルーティングしない。装置104の各々は、少なくともルータまたはノンルータデバイスとして動作することができる。
【0040】
システム100は、すべての装置104が装置104と限定された無線範囲との間の広範な距離のためにシンクデバイス104(ゲートウェイデバイス)105と直接通信することができないために、装置104を備え、その場合、各装置104とシンクデバイス104との間のマルチリンク(マルチホップ)通信を使用する必要がある。
【0041】
図2は無線通信ネットワーク102における上述のアソシエーションシステム100による、アソシエーションプロセス、すなわち、アソシエーション手順のためのアソシエーション方法を示す。アソシエーションプロセスの目的は、2つの装置104間で双方向通信、すなわちデータ交換を開始することである。1つの装置104は、複数の他の装置104へのアクティブなアソシエーションを同時に有することができる。アソシエーションが確立されると、アソシエーションは、いずれかの当事者によって明示的に解放されるまで維持され得る。ここでは、1つのアソシエーション開始装置104bと、1つのアソシエーション対象装置104cとを用いて説明する。システム100はアソシエーション開始装置104bを含む、少なくとも1つの他のアソシエーション開始装置、たとえば、1つ、2つ、3つ、4つ、または5以上の他のアソシエーション開始装置をさらに備え得る。システム100はさらに、少なくとも1つの他のアソシエーション対象装置、たとえば、アソシエーション対象装置104cを含む1つ、2つ、3つ、4つ、または5以上の他のアソシエーション対象装置を備え得る。アソシエーション開始装置104b、すなわち、少なくとも双方向通信を開始しようと試みる装置は、ルータデバイスまたはノンルータデバイスであり得る。言い換えれば、ネットワーク102の各ルータデバイスおよび各ノンルータデバイスは、システム100のアソシエーション開始装置104bとして動作してもよい。アソシエーション対象装置104c、すなわち、アソシエーションを少なくとも確立しようとする機器はシンクデバイス104aであってもよいし、ルータ機器であってもよい。言い換えると、各シンクデバイス104aおよびネットワーク102の各ルータデバイスは、システム100のアソシエーション対象装置104cとして動作し得る。
【0042】
ステップ202において、アソシエーション対象装置104cは、その無線通信手段536によって、前記アソシエーション対象装置104cの負荷データを含むビーコンメッセージを周期的に送信する。言い換えれば、ステップ202において、各アソシエーション対象装置104cは、負荷データを含むビーコンメッセージを周期的に送信して、負荷データをネットワーク102内に分散させるように構成される。ビーコンメッセージはたとえば、ネットワークビーコンメッセージまたはクラスタビーコンメッセージであり得る。負荷データは、少なくとも、前記アソシエーション対象装置104cの現在関連付けられているルータデバイスの数を示すデータを含む。現在関連付けられているルータデバイスの数を示すデータは例えば、正確な数値および/またはパーセンテージ値として表される現在関連付けられているルータデバイスの数を含むことができる。「対象装置の現在関連付けられている装置」は、装置が、実質的にその瞬間に、アソシエーション対象装置104cへのアソシエーションを有することを、本出願全体を通して意味する。しかしながら、現在関連付けられている装置の数は、1つまたは複数の関連付けられた装置がアソシエーション対象装置104cとのアソシエーションを解放したことに気付くのにいくらかの遅延が存在し得るので、アソシエーション対象装置104cによる主観的なビューと見なされ得る。
【0043】
負荷データは、前記アソシエーション対象装置104cの許可されたアソシエーション装置の最大数を示すデータ、および/または前記アソシエーション対象装置104cの現在関連付けられているノンルータデバイスの数を示すデータをさらに含み得る。現在関連付けられているノンルータデバイスの数を示すデータは例えば、正確な数値として、および/またはパーセンテージ値として表される、現在関連付けられているノンルータデバイスの数を含み得る。許可されたアソシエーション装置の最大数を示すデータは例えば、正確な数値として、および/またはパーセンテージ値として表される許可されたアソシエーション装置の最大数を含むことができる。許可されるアソシエーション装置の最大数は、ルータデバイスおよびノンルータデバイスの両方でアソシエーション対象装置104cのアソシエーション装置の最大許可数を定義する。許可されるアソシエーション装置の最大数は例えば、基礎無線技術、スペクトルリソース、ネットワーク102の時間および周波数割り当て、実装のメモリ制限、ならびに/またはネットワーク102において所望されるアプリケーションデータのタイプおよび量に依存し得る。したがって、許可されるアソシエーション装置の最大数は、実装ごとに定義され得、および/または同じネットワーク102内の異なるアソシエーション対象装置104cによって使用される、許可されるアソシエーション装置の異なる最大数であってもよい。言い換えれば、ネットワーク102内のシステム100のすべてのアソシエーション対象装置104cは、同じ最大数の許可されたアソシエーション装置を有し得る。代替的に、ネットワーク102内のシステム100の少なくとも1つのアソシエーション対象装置104cはデバイス固有の、すなわち、それ自体の最大数の許可されたアソシエーション装置を有し得る。許可されたアソシエーション装置の最大数がネットワーク102内のすべての装置104について同じである場合、すなわち、許可されたアソシエーション装置の最大数がネットワーク102内のすべての装置104について一定である場合、許可されたアソシエーション装置の最大数を示すデータは、ネットワーク構成パラメータとして定義され得る。ネットワーク構成パラメータとして定義された、許可されたアソシエーション装置の最大数を示すデータは、ネットワーク102の各デバイス104について事前にプロビジョニングされ得る。許可されたアソシエーション装置の最大数を示すデータがネットワーク構成パラメータとして定義される場合、許可されたアソシエーション装置の最大数を示すデータはビーコンメッセージに含まれ得るが、必ずしもビーコンメッセージに含まれる必要はない場合がある。特に、許可されたアソシエーション装置の最大数が装置固有ではない、すなわち、ネットワーク102内のすべての装置104について同じではない場合、各アソシエーション対象装置104cは、ビーコンメッセージに含まれる負荷データ内の前記アソシエーション対象装置104cの許可されたアソシエーション装置の最大数を示すデータを含むことが好ましい。各アソシエーション対象装置104cは、現在関連付けられているルータデバイスおよびノンルータデバイスの数のカウントを保持し得る。
【0044】
負荷データは、アソシエーション対象装置104cの1つまたは複数の性能パラメータをさらに備え得る。アソシエーション対象装置104cのこれらの1つまたは複数の性能パラメータはたとえば、ランダムアクセスチャネル(RACH)負荷データ、チャネル負荷データ、トラフィック負荷データ、および/またはルートコストデータを備え得る。各アソシエーション対象装置104cはたとえば、そのアソシエーション装置によって、および/または少なくとも1つの他のアソシエーション対象装置によって送信を観測することによって、1つまたは複数の性能パラメータを定義し得る。
【0045】
図3は、DECT 2020ベースの無線通信ネットワーク102における、ビーコンメッセージに含まれ得る負荷データ300の非限定的な例示的フォーマットを示す。図3の例では負荷データ300に含まれる可能な例示的なパラメータが示されているが、上述のように、ビーコンメッセージに含まれる負荷データ300は少なくとも関連するルータデバイスの数を示すデータを含むことができ、ビーコンメッセージに含まれる負荷データ300の他のパラメータはオプションであってもよい。図3に示す負荷データ300の定義を表1に示す。
【0046】
表1: 図3の負荷データ300 形式の例の定義。
【0047】
【表1】
【0048】
ステップ204として、アソシエーション開始装置104bは、その無線通信手段536によって、少なくとも1つのアソシエーション対象装置、例えばアソシエーション対象装置104cからビーコンメッセージを受信する。受信されたビーコンメッセージは上記で説明したように、前記アソシエーション対象装置104cの負荷データを備える。
【0049】
ステップ208において、ステップ204において少なくとも1つのアソシエーション対象装置104cからビーコンメッセージを受信した後、アソシエーション開始装置104bは、その制御手段530によって、前記少なくとも1つのアソシエーション対象装置104cからの受信されたビーコンメッセージに少なくとも部分的に含まれる負荷データに基づいて、ビーコンメッセージが受信される少なくとも1つのアソシエーション対象装置104cと関連付けを試みるかどうかを決定する。上述のように、負荷データは、現在関連付けられているルータデバイスの数を示すデータに加えて、許可された関連付けられた装置の最大数を示すデータを少なくとも含むことができる。許可されたアソシエーション装置の最大数が装置固有である場合、許可されたアソシエーション装置の最大数を示すデータは、ビーコンメッセージに含まれる負荷データに含まれる。代替として、または加えて、許可された関連付けられた装置の最大数がネットワーク102中のすべての装置について同じである場合、許可された関連付けられた装置の最大数を示すデータは、ネットワーク構成パラメータとして定義され、必ずしもビーコンメッセージに含まれなくてもよい。したがって、少なくとも1つのアソシエーション対象装置104cの負荷データは少なくとも1つのアソシエーション対象装置104cからの受信ビーコンメッセージに少なくとも部分的に、すなわち部分的に、または全体的に含まれ得る。
【0050】
一例によれば、ステップ208における決定は、アソシエーション開始装置104bの動作役割に依存し得る。すなわち、ステップ208の判定処理は、アソシエーション開始装置104bがルータデバイスであるかノンルータデバイスであるかによって異なる。
【0051】
次に、ステップ208における決定プロセスのいくつかの例が開示される。これらの例では、アソシエーション開始装置104bが1つのアソシエーション対象装置104cからビーコンメッセージを受信するものとする。しかしながら、アソシエーション開始装置104bが2つ以上のアソシエーション対象装置104cからビーコンメッセージを受信する場合、ステップ208における同様の決定プロセスが、各アソシエーション対象装置104cに対して適用され得る。
【0052】
一例によれば、アソシエーション開始装置104bがルータデバイスである場合、パーセンテージ値として表されるアソシエーション対象装置104cの現在関連付けられているルータデバイスの数が100%未満である場合、アソシエーション対象装置104cとのアソシエーションを試みることを決定し得る。
【0053】
別の例によれば、アソシエーション開始装置104bがルータデバイスである場合、アソシエーション対象装置104cの現在関連付けられているルータデバイスの数が、選択されたアソシエーション対象装置104cの許可されたアソシエーション装置の最大数よりも小さい場合、アソシエーション対象装置104cとのアソシエーションを試みることを決定し得る。アソシエーション対象装置104cの許可されたアソシエーション装置の最大数は上記で説明したように、受信されたビーコンメッセージに含まれる負荷データに含まれ得る。代替的に、アソシエーション対象装置104cの許可されたアソシエーション装置の最大数は、上記で説明したようにネットワーク構成パラメータとして定義され得る。
【0054】
あるいは、一例によれば、アソシエーション開始装置104bがノンルータデバイスである場合、たとえば、パーセンテージ値として表されるアソシエーション対象装置104cの現在関連付けられているルータデバイスの数が100%未満である場合、アソシエーション対象装置104cと関連付けることを試みることを決定し得る。代替的に、例えば、パーセンテージ値として表されるアソシエーション対象装置104cの現在関連付けられているルータデバイスの数が75%未満である場合に、アソシエーション対象装置104cと関連付けることを試みることを決定するために、より厳しい制限が実装され得る。
【0055】
別の例によれば、アソシエーション開始装置104bがノンルータデバイスであり、負荷データが、アソシエーション対象装置104cの現在関連付けられているノンルータデバイスの数を示すデータをさらに備える場合、パーセンテージ値として表されるアソシエーション対象装置104cの現在関連付けられているルータデバイスの数と、パーセンテージ値として表されるアソシエーション対象装置104cの現在関連付けられているノンルータデバイスの数との合計が100%未満である場合、アソシエーション対象装置とのアソシエーションを試みることを決定し得る。
【0056】
さらに別の例によれば、アソシエーション開始装置104bがノンルータデバイスであり、負荷データがアソシエーション対象装置104cの現在関連付けられているノンルータデバイスの数を示すデータをさらに含む場合、アソシエーション対象装置104cの現在関連付けられているルータデバイスの数とアソシエーション対象装置104cの現在関連付けられているノンルータデバイスの数との合計が選択されたアソシエーション対象装置104cの許可されている関連付けられている装置の最大数よりも小さい場合、アソシエーション対象装置104cと関連付けることを試みることを決定し得る。選択されたアソシエーション対象装置104cの許可されたアソシエーション装置の最大数は上記で説明したように、受信されたビーコンメッセージに含まれる負荷データに含まれ得る。代替的に、アソシエーション対象装置104cの許可されたアソシエーション装置の最大数は、上記で説明したようにネットワーク構成パラメータとして定義され得る。
【0057】
両方の場合、すなわち、アソシエーション開始装置104bがルータデバイスまたはノンルータデバイスである場合、アソシエーション開始装置104bは、アソシエーション対象装置104cと関連付けることを試みるかどうかのステップ208における決定において、負荷データに含まれるアソシエーション対象装置104cの1つまたは複数の性能パラメータをさらに使用し得る。負荷データに含まれるこれらの1つまたは複数の性能パラメータは上記で説明したように、RACH負荷データ、チャネル負荷データ、トラフィック負荷データ、および/またはルートコストデータを備え得る。代替として、または加えて、アソシエーション開始装置104bはアソシエーション対象装置104cと関連付けることを試みるかどうかの決定において、少なくとも1つの追加の性能パラメータ、たとえば、リンク品質データをさらに使用し得る。アソシエーション開始装置104bはたとえば、アソシエーション対象装置104cから受信されたビーコンメッセージの信号強度に基づいて、リンク品質データを定義し得る。
【0058】
ステップ208においてアソシエーション対象装置104cと関連付けることを試みるかどうかの決定は、不要なアソシエーション要求メッセージおよび拒否シグナリングを少なくとも低減または回避することさえも可能にする。
【0059】
アソシエーション開始装置104bが、ステップ204において、少なくとも2つのアソシエーション対象装置104cからビーコンメッセージを受信した場合、アソシエーション開始装置104bはステップ206において、少なくとも1つの選択基準、たとえば、少なくとも1つの選択パラメータに基づいて、その制御手段530によって、少なくとも1つの最も適切なアソシエーション対象装置104cを選択し得る。選択は任意のステップとして図2に示されるように、ステップ208における決定の前に実行されてもよい。少なくとも1つの最も適切なアソシエーション対象装置104cの選択後、アソシエーション開始装置104bはステップ208において、少なくとも1つの選択されたアソシエーション対象装置104cからの受信されたビーコンメッセージに少なくとも部分的に含まれる負荷データに基づいて、少なくとも1つの選択された(すなわち、最も適切である)アソシエーション対象装置104cと関連付けることを試みるかどうかを決定し得る。言い換えれば、アソシエーション開始装置104bは最初にステップ206において、少なくとも1つの最も適切なアソシエーション対象装置104を選択し、選択の後、上述のステップ208において、少なくとも1つの選択された(最も適切である)アソシエーション対象装置104cの決定プロセスを実行することができる。代替的に、選択は、ステップ208で実行される決定の後に実行されてもよい。その場合、アソシエーション開始装置104bは、先ず、ステップ208において、上述のようにビーコンメッセージがそこから受信される少なくとも2つのアソシエーション対象装置104cとのアソシエーションを試みるかどうかを決定し得る。ステップ208における決定の後、アソシエーション開始装置104bは、ステップ206において、少なくとも1つの選択基準に基づいて、少なくとも1つの最も適切なアソシエーション対象装置104cをさらに選択し得る。言い換えれば、アソシエーション開始装置104bは先ず、上述のステップ208において少なくとも2つのアソシエーション対象装置104cの決定プロセスを実行し、ステップ206において、決定の後、ステップ206において少なくとも1つの最も適切なアソシエーション対象装置104を選択することができる。
【0060】
少なくとも1つの選択基準は、少なくとも2つのアソシエーション対象装置104cからの受信されたビーコンメッセージに少なくとも部分的に含まれる少なくとも2つのアソシエーション対象装置104cの負荷データを備え得る。上述のように、負荷データは、現在関連付けられているルータデバイスの数を示すデータに加えて、許可された関連付けられた装置の最大数を示すデータを少なくとも含むことができる。許可されたアソシエーション装置の最大数が装置固有である場合、許可されたアソシエーション装置の最大数を示すデータは、ビーコンメッセージに含まれる負荷データに含まれる。代替として、または加えて、許可された関連付けられた装置の最大数がネットワーク102中のすべての装置について同じである場合、許可された関連付けられた装置の最大数を示すデータは、ネットワーク構成パラメータとして定義され、必ずしもビーコンメッセージに含まれなくてもよい。したがって、少なくとも2つのアソシエーション対象装置104cの負荷データは少なくとも部分的に、すなわち、部分的にまたは全体的に、上記で説明したように少なくとも2つのアソシエーション対象装置104cからの受信ビーコンメッセージに含まれ得る。少なくとも2つのアソシエーション対象装置104cの負荷データを、少なくとも1つの最も適切なアソシエーション対象装置104cの選択におけるステップ206における少なくとも1つの選択基準として使用することにより、異なるルータデバイス104間のシステム負荷をバランスさせることが可能になる。
【0061】
少なくとも1つの選択基準は、少なくとも2つのアソシエーション対象装置104cの1つまたは複数の追加のパラメータをさらに備え得る。各アソシエーション対象装置104cの1つまたは複数の追加のパラメータはたとえば、リンク品質データ、より高次の変調を使用するための前記アソシエーション対象装置の能力、前記アソシエーション対象装置の1つのアソシエーション装置に提供される最小ビットレート、リンクの保証されたエンドツーエンドレイテンシ特性、シンクデバイスへの前記アソシエーション対象装置のルートの利用可能性、および/または任意の他の追加のパラメータを備え得る。例えば、アソシエーション開始装置104bは先ず、上述したような少なくとも2つのアソシエーション対象装置の負荷データを使用することによって、少なくとも1つの最も適切なアソシエーション対象装置のための1つまたは複数の候補を選択し、次いで、上述した少なくとも2つのアソシエーション対象装置の1つまたは複数の追加パラメータを使用することによって、1つまたは複数の候補対象装置の中から少なくとも1つの最も適切なアソシエーション対象装置を選択し得る。各アソシエーション開始装置104bはたとえば、アソシエーション対象装置104cからの受信されたビーコンメッセージに基づいて、1つまたは複数の追加のパラメータを定義し得る。
【0062】
ステップ206における少なくとも1つの最も適切なアソシエーション対象装置104cの選択はたとえば、少なくとも2つのアソシエーション対象装置104cのそれぞれの少なくとも1つの選択基準と、比較の結果に基づく少なくとも2つのアソシエーション対象装置104cの中からの少なくとも1つの最も適切なアソシエーション対象装置の選択との間の比較を備え得る。たとえば、アソシエーション開始装置104bは少なくとも2つのアソシエーション対象装置104cのそれぞれの選択基準、たとえばそれぞれの負荷データまたはそれぞれの1つまたは複数の追加パラメータを互いに比較し、たとえば、限定はしないが、最高の選択パラメータをもつ少なくとも1つのアソシエーション対象装置と、最低の選択パラメータ値と、事前定義された限界を超える選択パラメータと、または使用される少なくとも1つの選択パラメータに応じて、選択パラメータが事前定義された限界未満である選択パラメータとの比較の結果に基づいて、少なくとも1つの最も適切なアソシエーション対象装置104cを選択し得る。たとえば、使用された少なくとも1つの選択基準が現在関連付けられているルータデバイスの数である場合、アソシエーション開始装置104bは少なくとも2つのアソシエーション対象装置104cの現在関連付けられているルータデバイスの数を互いに比較し、たとえば、現在関連付けられている最高数のルータデバイスまたは現在関連付けられているルータデバイスの数が事前定義された制限を超えている、少なくとも1つのアソシエーション対象装置104cを選択し得る。
【0063】
一例によれば、少なくとも1つの選択基準が優先され得る。例えば、少なくとも1つの選択基準はステップ206における選択において使用されるべき少なくとも1つの選択基準を定義するとき、少なくとも1つの他の選択基準よりも優先され得る。あるいは、例えば、2つ以上の選択基準を使用する場合、ステップ206での選択に使用される選択基準の順序が優先されてもよい。
【0064】
次に、ステップ206における選択プロセスのいくつかの例を開示する。これらの例では、アソシエーション開始装置104bが2つのアソシエーション対象装置104c、すなわち、アソシエーション対象装置Aおよびアソシエーション対象装置Bからビーコンメッセージを受信すると仮定される。しかしながら、アソシエーション開始装置104bが2つ以上のアソシエーション対象装置104cからビーコンメッセージを受信する場合、ステップ206における同様の選択プロセスも適用され得る。これらの例における選択プロセスは単一の選択基準を使用することによって開示されるが、アソシエーション開始装置104bはまた、選択プロセスにおいて2つ以上の選択基準を使用し得る。選択プロセスはまた、これらの例で使用される選択基準以外の任意の少なくとも1つの選択基準を使用することによって実行されてもよい。
【0065】
一例によれば、アソシエーション対象装置Aのトラフィック負荷が例えば90%であり、アソシエーション対象装置Bのトラフィック負荷が例えば20%である場合、アソシエーション開始装置104bは、アソシエーション対象装置Bを最適なアソシエーション対象装置104cとして選択してもよい。
【0066】
他の例によれば、アソシエーション対象装置Aのリンク品質データがアソシエーション対象装置Bのリンク品質データよりも良好なリンク品質を示す場合、アソシエーション開始装置104bは、アソシエーション対象装置Aを最適なアソシエーション対象装置104cとして選択してもよい。
【0067】
さらに別の例によれば、アソシエーション対象装置Aがたとえば5つの現在関連付けられたルータデバイスを有し、アソシエーション対象装置Bがたとえば8つの現在関連付けられたルータデバイスを有する場合、アソシエーション開始装置104bは、最も適切なアソシエーション対象装置104cとしてアソシエーション対象装置Aを選択し得る。
【0068】
ステップ206における少なくとも1つの最も適切なアソシエーション対象装置の選択は不要なアソシエーション要求メッセージおよび拒否シグナリング、すなわち、アソシエーション要求の拒否を示すアソシエーション応答メッセージを少なくとも低減または回避することさえ可能にする。不要なアソシエーション要求メッセージおよび拒否シグナリングは、エネルギーおよびスペクトルリソースを消費することになる。
【0069】
ステップ210において、アソシエーション開始装置104bは、その無線通信手段536によって、アソシエーション開始装置104bがステップ208においてアソシエーションを試みることを決定する少なくとも1つのアソシエーション対象装置104cの各々にアソシエーション要求メッセージを送信する。アソシエーション要求メッセージは、少なくとも、アソシエーション開始装置104bの動作役割を示すデータを含む。各アソシエーション開始装置104bはその動作役割、すなわち、アソシエーション開始装置104bがルータ役割で動作しているか、またはノンルータ役割で動作しているかを認識している。アソシエーション要求メッセージのコンテンツは、1つまたは複数の無線リンクメッセージ、たとえばパケットまたはプロトコルデータユニット(PDU)に分割され得る。
【0070】
2/27 ステップ212において、アソシエーション対象装置104cはその無線通信手段536によって、少なくとも1つのアソシエーション開始装置から、例えば、アソシエーション開始装置104bから、アソシエーション要求メッセージを受信する。受信された各アソシエーション要求メッセージは少なくとも、上述のように、アソシエーション要求メッセージがそこから受信されるアソシエーション開始装置104bの動作役割を示すデータを備える。
【0071】
ステップ214において、ステップ212で、少なくとも1つのアソシエーション開始装置から、たとえばアソシエーション開始装置104bからアソシエーション要求メッセージを受信することに応じて、それぞれのアソシエーション対象装置、たとえばアソシエーション対象装置104cは、その制御手段530によって、少なくとも1つのアソシエーション開始装置104bから受信したアソシエーション要求を、前記アソシエーション対象装置104cの許可されたアソシエーション装置の最大数を示すデータに基づいて承認するかどうかを決定する。許可された関連付けられた装置の最大数に達しない場合、アソシエーション対象装置104cはステップ214において、アソシエーション開始装置104bの動作役割とは無関係に、すべての受信されたアソシエーション要求を承認することを決定し得る。許可された関連付けられた装置の最大数に達した場合、アソシエーション対象装置104cは、ステップ214において、少なくとも1つのアソシエーション開始装置104bから受信されたアソシエーション要求メッセージに含まれるデータをさらに使用して、少なくとも1つのアソシエーション開始装置104bからのアソシエーション要求を承認するかどうかを決定し得る。
【0072】
ステップ214において少なくとも1つのアソシエーション開始装置104bからのアソシエーション要求を承認するかどうかの決定に応答して、アソシエーション対象装置104cは、その無線通信手段536によって、ステップ216において、または行われた決定に応じてステップ218において、アソシエーション要求の承認またはアソシエーション要求の拒否のいずれかを示すアソシエーション応答メッセージを少なくとも1つのアソシエーション開始装置104bに送信する。ステップ214において、アソシエーション対象装置104cが少なくとも1つのアソシエーション開始装置104bからのアソシエーション要求を承認することを決定した場合、アソシエーション対象装置104cは、ステップ216において、アソシエーション要求の承認の指示を含むアソシエーション応答メッセージを前記少なくとも1つのアソシエーション開始装置104bに送信する。あるいはステップ214において、アソシエーション対象装置104cが少なくとも1つのアソシエーション開始装置104bからのアソシエーション要求を拒否することを決定した場合、アソシエーション対象装置104cはステップ216において、アソシエーション要求の拒否の指示を含むアソシエーション応答メッセージを、前記少なくとも1つのアソシエーション開始装置104bに送信する。アソシエーション応答メッセージのコンテンツは、1つまたは複数の無線リンクメッセージ、たとえばパケットまたはプロトコルデータユニット(PDU)に分割され得る。
【0073】
アソシエーション対象装置104cはステップ214において少なくとも1つのアソシエーション開始装置104bからのアソシエーション要求を承認するかどうかを決定するとき、ノンルータデバイスよりもルータデバイスに優先順位を付け得る。例えば、アソシエーション対象装置104cは少なくとも1つの現在関連付けられているノンルータデバイスのアソシエーションを解除することができ、許可されているアソシエーションデバイスの最大数に達し、前記アソシエーション対象装置104cは、ルータ役割で動作している少なくとも1つのアソシエーション開始装置104bからのアソシエーション要求を承認することを決定する。別の例によれば、アソシエーション対象装置104cは、許可されたアソシエーション装置の最大数に達した場合、ノンルータ役割で動作する少なくとも1つのアソシエーション開始装置104bからのアソシエーション要求を承認しないことを決定し得る。少なくとも1つのアソシエーション開始装置104bからのアソシエーション要求を承認するかどうかを決定するとき、ノンルータデバイスよりもルータデバイスの優先順位付けは、ネットワーク102のルーティング性能を改善する。
【0074】
アソシエーション要求メッセージはアソシエーション開始装置104bのエネルギー節約モード(たとえば、低エネルギー(LE)/低レイテンシ(LL)モード)を示すデータ、アソシエーション開始装置104bの現在関連付けられている装置の数を示すデータ、および/またはアソシエーション開始装置104bのトラフィック負荷を示すデータをさらに含み得る。LLモードでは、アソシエーション開始装置104bがルーティング(転送)されるべき低レイテンシデータを受信することができるように、常にアクティブ状態であり、すなわちスリープ状態ではない。LLモードで動作するアソシエーション開始装置104bは低レイテンシデータのルーティングを可能にするために、それらの無線通信手段536の使用を最適化しようと試みる。LLモードで動作するアソシエーション開始装置104bは、電力を節約しようとしない。各アソシエーション開始装置104bはそのエネルギー節約モードを認識し、そのトラフィック負荷を定義し、その現在関連付けられている装置の数のカウントを維持する。アソシエーション対象装置104cは少なくとも1つのアソシエーション開始装置104bからのアソシエーション要求を承認するかどうかを決定するために、アソシエーション要求メッセージに含まれるこのさらなるデータをさらに使用し得る。例えば、主電源を供給されるルータ役割で動作する(すなわち、LLモードで動作する)アソシエーション開始装置104bは、主電源を供給されるルータ役割で動作するアソシエーション開始装置104bがルータ役割で動作する他のアソシエーション開始装置104bよりも優先され得る。別の例によれば、より少ないバッテリリソースで、ルータ役割で動作する(すなわち、LEモードで動作する)アソシエーション開始装置104bは代替接続を探索するためにより少ないエネルギーを費やす必要があるように、ルータ役割で動作するより能力のあるアソシエーション開始装置よりも優先され得る。
【0075】
図4は、ステップ214において、対応付け対象装置104cが行う判定処理の一例を示す。図4の例では、ルータデバイスが各々のステップでノンルータデバイスより優先される。図4はまた、任意選択の優先順位付け(図4において破線で示される、任意選択のステップ410~414)を示し、複数のルータデバイスのうち、非エネルギー節約モードで動作するルータデバイスが非エネルギー節約モードで動作しないルータデバイス、すなわち、エネルギー節約モードで動作するルータデバイスよりも優先される。ステップ402において、ステップ212で、アソシエーション開始装置104bからアソシエーション要求メッセージを受信したことに応答して、アソシエーション対象装置104cは、許可されたアソシエーションデバイスの最大数に達したかどうかをチェックする。許可されたアソシエーション装置の最大数に達しない場合、アソシエーション対象装置104cはアソシエーション要求を承認することを決定し、アソシエーション要求の承認の指示を含むアソシエーション応答メッセージをアソシエーション開始装置104bに送信する(216)。ステップ402において、許可されたアソシエーション装置の最大数に達した場合、次に、アソシエーション対象装置104cは、ステップ404において、アソシエーション要求メッセージを受信したアソシエーション開始装置104bがルータデバイスであるかノンルータデバイスであるかを定義する。アソシエーション開始装置104bがノンルータデバイスである場合、アソシエーション対象装置104cはアソシエーション要求を拒否することを決定し、アソシエーション開始装置104bにアソシエーション要求の拒否の指示を含むアソシエーション応答メッセージを送信する(218)。アソシエーション開始装置がルータデバイスである場合、アソシエーション対象装置104cはステップ406において、現在関連付けられているルータデバイスの数がフルであるか、すなわち、現在関連付けられているルータデバイスの最大数に達しているかどうかをチェックする。現在関連付けられているルータデバイスの数がステップ406でフルでない場合、アソシエーション対象装置104cはアソシエーション要求を承認し、ステップ408で少なくとも1つの現在関連付けられているノンルータデバイスをアソシエーション解除し、アソシエーション要求の承認の指示を含むアソシエーション応答メッセージをアソシエーション開始装置104bに送信する(216)ことを決定する。現在関連付けられているルータデバイスの数がステップ406でフルである場合、アソシエーション対象装置104cはアソシエーション開始装置104bに、アソシエーション要求の拒否の指示を含むアソシエーション応答メッセージを送り得る(218)。代替的に、現在関連付けられているルータデバイスの数がステップ406において到達され、アソシエーション対象装置104cはアソシエーション開始装置104bからのアソシエーション要求を承認するかどうかを決定するために、たとえば、アソシエーション要求メッセージがそこから受信されるアソシエーション開始装置104bが、非エネルギー節約モード、たとえばLLモードで動作しているかどうかをステップ410においてチェックすることによって、アソシエーション要求メッセージに含まれるさらなるデータをさらに使用し得る。アソシエーション開始装置104bがエネルギー節約モードで動作している、すなわち非エネルギー節約モードで動作していない場合、ステップ410において、アソシエーション対象装置104cはアソシエーション要求を拒否することを決定し、アソシエーション要求の拒否の指示を含むアソシエーション応答メッセージをアソシエーション開始装置104bに送信する(218)ことができる。ステップ410において、アソシエーション開始装置104bが非エネルギー節約モードで動作している場合、アソシエーション対象装置104cはステップ412において、非エネルギー節約モードで動作している現在関連付けられているデバイスの数がフルであるかどうか、すなわち、非エネルギー節約モードで動作している現在関連付けられているデバイスの最大数に達したかどうかをさらにチェックすることができる。ステップ412において、非エネルギー節約モードで動作している現在関連付けられている装置の数に達した場合、アソシエーション対象装置104cはアソシエーション要求を拒否することを決定し、アソシエーション開始装置104に、アソシエーション要求の拒否の指示を含むアソシエーション応答メッセージを送信する(218)ことができる。非エネルギー節約モードで動作している現在関連付けられている装置の数がステップ412において到達されない場合、アソシエーション対象装置104cはアソシエーション要求を承認することを決定し、ステップ414において、エネルギー節約モードで動作している少なくとも1つの現在関連付けられているルータデバイスをアソシエーション解除し、アソシエーション要求の承認の指示を含むアソシエーション応答メッセージをアソシエーション開始装置104bに送信する(216)ことができる。
【0076】
図5はネットワーク102内で通信することができ、上述したようなアソシエーション方法の関連する特徴(ステップ)を実行することができる装置104(104a、104b、104c)を示す。言い換えれば、アソシエーション開始装置104bとして動作し、上記のようにアソシエーション開始装置104bに関連するアソシエーション方法の特徴を実行することができる装置104について説明し、あるいは、アソシエーション対象装置104cとして動作し、上記のようにアソシエーション対象装置104cに関連するアソシエーション方法の特徴を実行することができる装置104について説明した。
【0077】
装置104は装置104が上記のように動作するように、その部分532、534、536、538、540の動作を制御する制御手段(制御部)530を備える。
【0078】
制御手段530はオペレータ起動命令および/またはコンピュータプログラム起動命令を実行し、アプリケーションを実行するためにデータを処理するプロセッサ(プロセッサ部)532を備える。プロセッサ532は少なくとも1つのプロセッサ、たとえば、1つ、2つ、3つ、4つ、または5以上のプロセッサを備え得る。
【0079】
制御手段530はまた、データを記憶し、維持するために、メモリ(メモリ部)534を備える。データは、命令、コンピュータプログラム、およびデータファイルであってもよい。メモリ534は少なくとも1つのメモリ、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、または5以上のメモリを備える。
【0080】
装置104はまた、コマンド、要求、メッセージ、およびデータをシステム100内の少なくとも1つのエンティティ、例えば、装置104にアンテナ538を介して送信するために制御手段530が使用する無線通信手段(無線通信部、データ転送器)536およびアンテナ(アンテナ部)538を備える。無線通信手段536はまた、アンテナ538を介して、システム100内の少なくとも1つのエンティティ、例えば、装置104からコマンド、要求、およびデータを受信する。装置104の無線通信手段536とシステム100内の他のエンティティとの間の通信は、アンテナ538を介して無線で提供される。
【0081】
装置104は、電源(電源部)540をさらに備えてもよい。電源540は装置104に電力を供給するための構成要素、例えば、バッテリおよびレギュレータを備える。
【0082】
メモリ534は、無線通信手段536を動作(制御)するための無線通信アプリケーション542と、電源540を動作させるための電源アプリケーション544とを少なくとも記憶する。
【0083】
メモリ534はまた、コンピュータプログラム(コンピュータソフトウェア、コンピュータアプリケーション)546を記憶し、これは、制御手段530により、例えば、装置104内のコンピュータにおいて実行される(稼働される)とき、前の図に関連して上記された装置104の動作を少なくとも実行するために、部分536、538、540のうちの少なくとも1つを使用する。
【0084】
コンピュータプログラム546は有形の不揮発性コンピュータ可読記憶媒体、例えば、コンパクトディスク(CD)またはユニバーサルシリアルバス(USB)タイプの記憶デバイスに記憶され得る。
【0085】
上記の説明で提供される特定の例は、添付の特許請求の範囲の適用可能性および/または解釈を限定するものとして解釈されるべきではない。上記の説明において提供される例のリストおよび群は特に明記しない限り、網羅的ではない。

図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】