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特表2024-531991手術部位での出血を制御し、組織を封止するための、止血薬粉末送達及び液体送達複合デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-03
(54)【発明の名称】手術部位での出血を制御し、組織を封止するための、止血薬粉末送達及び液体送達複合デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
A61B17/00 400
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515416
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 CN2021117624
(87)【国際公開番号】W WO2023035216
(87)【国際公開日】2023-03-16
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517274590
【氏名又は名称】コウシュウ・バイオシール・バイオテック・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Guangzhou Bioseal Biotech Co., Ltd.
(71)【出願人】
【識別番号】512080321
【氏名又は名称】エシコン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シエ・シーウェイ
(72)【発明者】
【氏名】グオ・ジャンシン
(72)【発明者】
【氏名】リー・ユーフー
(72)【発明者】
【氏名】グオ・シュエリン
(72)【発明者】
【氏名】ウェーバー・サマンサ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM18
4C160MM22
(57)【要約】
粉末送達及び液体送達複合デバイスは、粉末チャンバ及び液体チャンバを有するハウジングを含む。デバイスは、アプリケータ先端部であって、粉末チャンバと流体連通している、アプリケータ先端部の近位端部と遠位端部との間に延在する粉末送達チャネルを有し、液体チャンバと流体連通している、アプリケータ先端部の近位端部から遠位端部まで延在する液体送達チャネルを有する、アプリケータ先端部を含む。送達デバイスは、粉末チャンバと流体連通している粉末入口ポートと、液体チャンバと流体連通している液体入口ポートと、を含む。粉末送達システムは、粉末入口ポート、粉末チャンバ、及び粉末送達チャネルと、流体連通している。液体送達システムは、液体入口ポート、液体チャンバ、及び液体送達チャネルと、流体連通している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末送達及び液体送達複合デバイスであって、
粉末チャンバ及び液体チャンバを有する送達デバイスハウジングであって、前記粉末チャンバ及び前記液体チャンバが、互いに分離されている、送達デバイスハウジングと、
アプリケータ先端部であって、前記粉末チャンバと流体連通している、前記アプリケータ先端部の近位端部と遠位端部との間に延在する粉末送達チャネルを有し、
前記液体チャンバと流体連通している、前記アプリケータ先端部の前記近位端部から前記遠位端部まで延在する液体送達チャネルを有する、アプリケータ先端部と、
前記粉末チャンバと流体連通している、粉末入口ポートと、
前記液体チャンバと流体連通している、液体入口ポートと、
前記粉末入口ポート、前記粉末チャンバ、及び前記粉末送達チャネルと流体連通している、粉末送達システムと、
前記液体入口ポート、前記液体チャンバ、及び前記液体送達チャネルと流体連通している、液体送達システムと、を備える、粉末送達及び液体送達複合デバイス。
【請求項2】
前記送達デバイスハウジングに固定された粉末バイアル瓶コネクタであって、前記粉末バイアル瓶が、前記粉末入口ポートを含む、粉末バイアル瓶コネクタと、
前記送達デバイスハウジングに固定された液体バイアル瓶コネクタであって、前記液体バイアル瓶が、前記液体入口ポートを含む、液体バイアル瓶コネクタと、を更に備える、請求項1に記載の粉末送達及び液体送達複合デバイス。
【請求項3】
前記粉末バイアル瓶コネクタに連結された粉末バイアル瓶であって、粉末入口ポートと流体連通している開口部を有する、粉末バイアル瓶と、
前記液体バイアル瓶コネクタに連結された液体バイアル瓶であって、前記液体入口ポートと流体連通している開口部を有する、液体バイアル瓶と、を更に備える、請求項2に記載の粉末送達及び液体送達複合デバイス。
【請求項4】
前記粉末バイアル瓶内に配置された粉末と、
前記液体バイアル瓶内に配置された液体と、を更に備える、請求項3に記載の粉末送達及び液体送達複合デバイス。
【請求項5】
前記粉末が、止血薬粉末を含み、前記液体が、前記止血薬粉末を活性化して封止ゲルを形成する活性化液体を含む、請求項4に記載の粉末送達及び液体送達複合デバイス。
【請求項6】
前記粉末送達システムが、押し下げられた構成と伸長された構成との間で移動可能であり、前記押し下げられた構成から前記伸長された構成へと移動した場合に、前記粉末送達システムが、前記粉末バイアル瓶から前記粉末チャンバ内へとある投与量の粉末を引き込むために、前記粉末チャンバ内に真空を発生させ、前記伸長された構成から前記押し下げられた構成へと移動した場合に、前記粉末送達システムが、前記粉末チャンバから前記ある投与量の粉末を押し出して前記粉末を前記粉末送達チャネル内へと流入させるために、前記粉末チャンバ内に正圧を発生させる、請求項4に記載の粉末送達及び液体送達複合システム。
【請求項7】
前記液体送達システムが、押し下げられた構成と伸長された構成との間で移動可能であり、前記押し下げられた構成から前記伸長された構成へと移動した場合に、前記液体送達システムが、前記液体バイアル瓶から前記液体チャンバ内へとある投与量の液体を引き込むために、前記液体チャンバ内に真空を発生させ、前記伸長された構成から前記押し下げられた構成へと移動した場合に、前記液体送達システムが、前記液体チャンバから前記ある投与量の液体を押し出して前記液体を前記液体送達チャネル内へと流入させるために、前記液体チャンバ内に正圧を発生させる、請求項4に記載の粉末送達及び液体送達複合システム。
【請求項8】
前記アプリケータ先端部の前記遠位端部に固定された二重管腔粉末及び液体コネクタを更に備え、前記二重管腔粉末及び液体コネクタが、前記粉末送達チャネルと流体連通している粉末出口開口部と、前記液体送達チャネルと流体連通している液体噴霧開口部と、を有する、請求項1に記載の粉末送達及び液体送達複合システム。
【請求項9】
前記粉末出口開口部と前記液体噴霧開口部とが、互いにずらされて配置されており、前記液体噴霧開口部は、前記液体送達チャネル内の水分が前記粉末送達チャネルに進入することを防止するために、前記粉末出口開口部の下流に配置されている、請求項8に記載の粉末送達及び液体送達複合システム。
【請求項10】
前記粉末チャンバの下流に配置され、粉末送達システムと流体連通している、単方向弁を更に備える、請求項1に記載の粉末送達及び液体送達複合システム。
【請求項11】
前記単方向弁が、前記粉末送達チャネル内に配置されており、前記粉末チャンバと前記アプリケータ先端部の前記近位端部との間に配置されている、請求項10に記載の粉末送達及び液体送達複合システム。
【請求項12】
前記粉末送達システムが、前記粉末チャンバと流体連通している第1の吸気口と、前記粉末送達システムが前記押し下げられた構成から前記伸長された構成へと移動した際に周囲空気が前記粉末チャンバ内へと引き込まれることを可能にする、前記第1の吸気口に配置された単方向弁と、を更に備える、請求項6に記載の粉末送達及び液体送達複合システム。
【請求項13】
前記液体送達システムが、前記液体チャンバと流体連通している第2の吸気口と、前記液体送達システムが前記押し下げられた構成から前記伸長された構成へと移動した際に周囲空気が前記液体チャンバ内へと引き込まれることを可能にする、前記第2の吸気口に配置された単方向弁と、を更に備える、請求項7に記載の粉末送達及び液体送達複合システム。
【請求項14】
前記液体送達システムは、前記液体が前記液体バイアル瓶から前記送達デバイスハウジングの前記液体チャンバ内へと引き込まれることを可能にする、前記液体入口ポート内に配置された、第1の単方向弁と、前記液体チャンバ内の前記液体が前記液体送達チャネル内へと下流に流れることを可能にする、前記液体送達チャネル内に、かつ前記液体入口ポート内に配置された前記第1の単方向弁の下流に配置された、第2の単方向弁と、を更に備える、請求項13に記載の粉末送達及び液体送達複合システム。
【請求項15】
前記粉末送達システムが、ベローズアセンブリを備え、前記ベローズアセンブリが、前記ベローズアセンブリを前記送達デバイスハウジングの近位端部に解放可能に固定するためのねじ山を有し、前記ベローズアセンブリは、粉末が、前記粉末チャンバ内へと装填されることを可能にするために、前記送達デバイスハウジングから螺合解除されるように構成されている、請求項6に記載の粉末送達及び液体送達複合デバイス。
【請求項16】
前記送達デバイスハウジングの前記近位端部が、前記粉末チャンバへのアクセスを提供するためのアクセス開口部を有し、前記アクセス開口部が、前記ベローズアセンブリを前記送達デバイスハウジングの前記近位端部に固定するために、前記ベローズアセンブリの前記ねじ山と噛み合うように構成されている、雌ねじ山を有する、請求項15に記載の粉末送達及び液体送達複合デバイス。
【請求項17】
閉鎖遠位端部を有する管状壁によって取り囲まれている前記粉末チャンバであって、前記閉鎖遠位端部が、前記粉末チャンバと前記粉末送達チャネルとの間の流体連通を提供する、前記閉鎖遠位端部内に形成された遠位出口開口部を有する、前記粉末チャンバと、
前記管状壁の前記閉鎖遠位端部から離間されている、前記粉末チャンバ内に配置された圧密防止壁であって、前記圧密防止壁が、前記管状壁の前記閉鎖遠位端部と前記粉末チャンバの近位端部との間に配置されており、前記圧密防止壁が、前記粉末チャンバを取り囲む前記管状壁の内側表面から離間されている外周を有する、圧密防止壁と、を更に備える、請求項16に記載の粉末送達及び液体送達複合デバイス。
【請求項18】
前記ベローズアセンブリが、
前記送達デバイスハウジングの前記アクセス開口部内に配置された、エンドキャップと、
前記エンドキャップの近位面から突出する、ベローズと、
前記エンドキャップの遠位面から突出する、細長いシャフトであって、前記細長いシャフトの前記遠位端部が、前記粉末チャンバ内に配置されており、前記圧密防止壁の近位面に対向する、細長いシャフトと、
前記エンドキャップと前記細長いシャフトの前記遠位端部との間で、前記細長いシャフト上に取り付けられた、フィルタホルダと、
前記フィルタホルダと前記細長いシャフトの前記遠位端部との間で、前記フィルタホルダ上に取り付けられた、フィルタと、
前記ベローズと前記フィルタホルダとの間に延在する、圧縮ばねであって、前記圧縮ばねが、前記ベローズ内に配置された近位端部と、前記フィルタホルダの近位面に隣接して配置された遠位端部と、を有する、圧縮ばねと、を備える、請求項17に記載の粉末送達及び液体送達複合システム。
【請求項19】
前記ベローズが前記粉末チャンバの遠位端部に向かって押し下げられた場合に、前記圧縮ばねが圧縮されて、それによって、前記圧縮ばねの前記遠位端部が、前記フィルタホルダ及び前記フィルタを付勢して、前記圧密防止壁に近づかせる、請求項18に記載の粉末送達及び液体送達複合システム。
【請求項20】
前記フィルタホルダ及び前記フィルタが、前記粉末チャンバ内で互いに同時に移動するように構成されており、前記フィルタホルダ及び前記フィルタが、それぞれの外径を有し、前記それぞれの外径が、前記フィルタホルダ及び前記フィルタの前記それぞれの外径と前記粉末チャンバを取り囲む前記管状壁の前記内側表面との間に気密シールを形成するために、前記粉末チャンバを取り囲む前記管状壁の内径に一致する、請求項19に記載の粉末送達及び液体送達複合デバイス。
【請求項21】
粉末送達及び液体送達複合デバイスであって、
粉末チャンバ及び液体チャンバを有する送達デバイスハウジングであって、前記粉末チャンバ及び前記液体チャンバが、互いに分離されている、送達デバイスハウジングと、
アプリケータ先端部であって、前記粉末チャンバと流体連通している、前記アプリケータ先端部の近位端部と遠位端部との間に延在する粉末送達チャネルを有し、
前記液体チャンバと流体連通している、前記アプリケータ先端部の前記近位端部から前記遠位端部まで延在する液体送達チャネルを有する、アプリケータ先端部と、
前記粉末チャンバと流体連通している、粉末入口ポートと、
前記液体チャンバと流体連通している、液体入口ポートと、
前記粉末入口ポート、前記粉末チャンバ、及び前記粉末送達チャネルと流体連通している、粉末送達システムと、
前記液体入口ポート、前記液体チャンバ、及び前記液体送達チャネルと流体連通している液体送達システムであって、前記液体送達システムが、押し下げられた構成と伸長された構成との間で移動可能であり、前記押し下げられた構成から前記伸長された構成へと移動する場合に、前記液体送達システムが、ある投与量の液体を前記液体チャンバ内へと引き込むために、前記液体チャンバ内に真空を発生させ、前記伸長された構成から前記押し下げられた構成へと移動する場合に、前記液体送達システムが、前記液体チャンバから前記ある投与量の液体を押し出して前記液体を前記液体送達チャネル内へと流入させるために、前記液体チャンバ内に正圧を発生させる、液体送達システムと、を備える、粉末送達及び液体送達複合デバイス。
【請求項22】
粉末バイアル瓶アセンブリであって、
粉末ハウジングであって、近位端部と、遠位端部と、前記近位端部と前記遠位端部との間に延在する外壁と、前記粉末ハウジングの前記近位端部に配置された近位開口部と、前記粉末ハウジングの前記遠位端部に配置された粉末分注開口部と、を含む、粉末ハウジングと、
前記粉末ハウジング内に配置され、前記粉末ハウジングの前記近位端部に隣接する前記外壁の内側表面に固定された、固定誘導部と、
前記固定誘導部内に配置されたアクチュエータアセンブリであって、前記アクチュエータアセンブリが、粉末ハウジングの前記近位端部でアクセス可能なノブと、前記ノブと前記粉末ハウジングの前記遠位端部との間で遠位方向に延在する誘導シャフトと、を含む、アクチュエータアセンブリと、
前記粉末分注開口部と流体連通している、前記アクチュエータアセンブリを通って延在する吸気口と、
前記吸気口内に配置された、単方向弁と、
前記アクチュエータアセンブリの前記誘導シャフト上に取り付けられ、前記粉末ハウジングの前記遠位端部に向かって、前記誘導シャフト上を摺動するように構成された、フィルタキャリッジと、
前記フィルタキャリッジと前記粉末ハウジングの前記遠位端部との間で前記フィルタキャリッジ上に取り付けられ、前記粉末ハウジングの前記遠位端部に向かって、前記フィルタキャリッジと同時に摺動するように構成された、フィルタと、
前記アクチュエータアセンブリの前記誘導シャフト上に取り付けられた圧縮ばねであって、前記圧縮ばねが、前記アクチュエータアセンブリと接触する近位端部と、前記フィルタキャリッジと接触し、前記フィルタキャリッジ及び前記フィルタを、前記粉末ハウジングの前記遠位端部に向かって付勢する、遠位端部と、を有する、圧縮ばねと、を備える、粉末バイアル瓶アセンブリ。
【請求項23】
前記アクチュエータアセンブリは、前記フィルタキャリッジが前記粉末ハウジングの前記遠位端部に向かって移動することを防止するために、前記フィルタキャリッジが前記固定誘導部に連結されている、ロック位置と、前記圧縮ばねが、前記フィルタキャリッジ及び前記フィルタを、前記粉末ハウジングの前記遠位端部に向かって、前記誘導シャフト上で摺動させることを可能にするために、前記フィルタキャリッジが前記固定誘導部から連結解除される、ロック解除位置と、の間で、移動可能である、請求項22に記載の粉末バイアル瓶アセンブリ。
【請求項24】
停止部を含む、前記固定誘導部と、
前記アクチュエータアセンブリが前記ロック位置にある場合に、前記固定誘導部の前記停止部と接触する、1つ以上のフックを含む、前記フィルタキャリッジであって、前記フィルタキャリッジの前記1つ以上のフックは、前記アクチュエータアセンブリが前記ロック解除位置にある場合に、前記固定誘導部の前記停止部から連結解除される、前記フィルタキャリッジと、を更に備える、請求項23に記載の粉末バイアル瓶アセンブリ。
【請求項25】
前記フィルタと前記粉末分注開口部との間で、前記粉末ハウジング内に配置された、粉末チャンバと、
前記誘導シャフトの遠位端部を支持するために、前記粉末分注開口部に隣接して前記粉末ハウジング内に配置された、誘導シャフト支持体と、を更に備える、請求項23に記載の粉末バイアル瓶アセンブリ。
【請求項26】
粉末送達及び液体送達複合デバイスであって、
粉末チャンバ及び液体チャンバを有する送達デバイスハウジングであって、前記粉末チャンバ及び前記液体チャンバが、互いに分離されている、送達デバイスハウジングと、
アプリケータ先端部であって、前記粉末チャンバと流体連通している、前記アプリケータ先端部の近位端部と遠位端部との間に延在する粉末送達チャネルを有し、
前記液体チャンバと流体連通している、前記アプリケータ先端部の前記近位端部から前記遠位端部まで延在する液体送達チャネルを有する、アプリケータ先端部と、
前記粉末チャンバと流体連通している、粉末入口ポートと、
前記粉末入口ポートに連結され、前記粉末チャンバ及び前記粉末送達チャネルと流体連通している、粉末バイアル瓶アセンブリと、
前記液体チャンバと流体連通している、液体入口ポートと、
前記液体入口ポート、前記液体チャンバ、及び前記液体送達チャネルと流体連通している、液体送達システムと、を備える、粉末送達及び液体送達複合デバイス。
【請求項27】
前記粉末バイアル瓶アセンブリが、
粉末ハウジングであって、近位端部と、遠位端部と、前記近位端部と前記遠位端部との間に延在する外壁と、前記粉末ハウジングの前記近位端部に配置された近位開口部と、前記粉末ハウジングの前記遠位端部に配置された粉末分注開口部と、を含む、粉末ハウジングと、
前記粉末ハウジング内に配置され、前記粉末ハウジングの前記近位端部に隣接する前記外壁の内側表面に固定された、固定誘導部と、
前記固定誘導部内に配置されたアクチュエータアセンブリであって、前記アクチュエータアセンブリが、粉末ハウジングの前記近位端部でアクセス可能なノブと、前記ノブと前記粉末ハウジングの前記遠位端部との間で遠位方向に延在する誘導シャフトと、を含む、アクチュエータアセンブリと、
前記粉末分注開口部と流体連通している、前記アクチュエータアセンブリを通って延在する吸気口と、
前記吸気口内に配置された、単方向弁と、
前記アクチュエータアセンブリの前記誘導シャフト上に取り付けられ、前記粉末ハウジングの前記遠位端部に向かって、前記誘導シャフト上を摺動するように構成された、フィルタキャリッジと、
前記フィルタキャリッジと前記粉末ハウジングの前記遠位端部との間で前記フィルタキャリッジ上に取り付けられ、前記粉末ハウジングの前記遠位端部に向かって、前記フィルタキャリッジと同時に摺動するように構成された、フィルタと、
前記アクチュエータアセンブリの前記誘導シャフト上に取り付けられた圧縮ばねであって、前記圧縮ばねが、前記アクチュエータアセンブリと接触する近位端部と、前記フィルタキャリッジと接触し、前記フィルタキャリッジ及び前記フィルタを、前記粉末ハウジングの前記遠位端部に向かって付勢する、遠位端部と、を有する、圧縮ばねと、を備える、請求項26に記載の粉末送達及び液体送達複合デバイス。
【請求項28】
前記粉末バイアル瓶アセンブリが、
前記フィルタと前記粉末分注開口部との間で、前記粉末ハウジング内に配置された、粉末チャンバと、
前記粉末チャンバ内に配置された、粉末と、を更に備える、請求項27に記載の粉末送達及び液体送達複合デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、一般的に、出血を封止及び/又は制御するための方法及びデバイスに関し、より具体的には、相互作用して出血を制御し、創傷を封止する、治療用粉末及び活性化流体を分注することが可能な、方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
多種多様な状況において、ヒトを含む動物は、創傷が原因で、又は外科的処置の間に、出血に見舞われる場合がある。状況次第では、出血は比較的軽いものであり、通常の血液凝固作用が、簡単な応急処置の実施に加われば、それだけで充分である。その他の状況では、相当な出血が起こり得る。これらの状況では通常、専門的な設備及び物資、並びに適切な救助を施すように訓練された人員が必要となる。
【0003】
上述の問題に対処するべく、過剰な出血を制御するための物質が、開発されてきた。局所用吸収性止血材(Topical Absorbable Hemostat、TAH)は、外科用途で広く使用されている。TAHは、酸化セルロース(Oxidized Cellulose、OC)、酸化再生セルロース(Oxidized Regenerated Cellulose、ORC)、ゼラチン、コラーゲン、キチン、キトサン、デンプン等に基づく製品を包含する。止血性能を改善するために、上記の物質に基づくスキャフォールドは、トロンビン及びフィブリノーゲンなどの生物学的に誘導された凝固因子と、組み合わされ得る。
【0004】
出血の制御は、失血を最小限に抑え、術後合併症を低減させ、手術室での手術の時間を短くするために、外科的処置において必須かつ重要である。その生分解性及びその殺菌性、並びに止血特性により、酸化セルロース並びに酸化再生セルロースは、神経外科、腹部手術、心臓血管手術、胸部手術、頭部及び頸部手術、骨盤手術、並びに皮膚及び皮下組織処置を含む様々な外科的処置において、局所用止血用創傷包帯として、長い間使用されてきた。粉末、織布、不織布、編地、及びその他の形態で作られるか否かにかかわらず、酸化セルロース材料に基づいた様々な種類の止血材を形成するためのいくつかの方法が、周知である。現在利用される止血用創傷包帯としては、セルロース繊維の均質性を増加させた酸化セルロースである酸化再生セルロース(ORC)を含む編み布地又は不織布が、挙げられる。
【0005】
米国特許第7,923,031号、「Haemostatic sprays and compositions」は、30~250マイクロメートルの範囲の平均粒径を有する乾燥ゼラチン粉末及びヒアルロン酸を含む止血組成物を貯蔵するチャンバを備える、粉末送達システムを開示しており、当該チャンバは、当該組成物を分注するためにサイズ決めされた少なくとも1つの放出開口部を、有する。
【0006】
米国特許第8,056,762号は、医薬品を分注するための手持ち式ディスペンサを開示しており、本ディスペンサは、ダクトを提供するハウジングと、ダクト内に設けられた脆い膜と、ダクト内に取り付けられた穿孔先端部を有するプローブであって、使用する際に、穿孔先端部が脆い膜を突き刺すように配設された、プローブと、プローブを通して医薬品を分注するために空気を圧縮する、空気圧縮デバイスと、空気圧縮デバイス内の圧力と脆い膜の上方の圧力とを実質的に等しくする、チャネルと、を備え、脆い膜は、第1の大径部分と、第2の軸方向に離間した小径部分と、を含み、それらの間に外側肩部を画定する、シース上に設けられ、ダクトの内側表面は、シースの外側肩部によって係合される対応する内側肩部を有し、外側肩部及び内側肩部の一方又は両方に軸方向スペーサが設けられて、係合された肩部を通り越してチャネルを維持する。
【0007】
米国特許公開公報第2012/108509号、発明の名称「Artificial Scab For Use In An Airway」は、ベローズ形ディスペンサを開示している。
【0008】
米国特許公開公報第2011/0178495号、「Internal dry powder delivery system and method thereof」は、ガス粉末混合チャンバを提供するガス粉末ミキサと、ガス粉末ミキサにねじ込まれ、その内部のガス粉末混合チャンバと連通する、粉末ディスペンサ(ベローズ)と、を備える、粉末送達デバイスを開示している。止血薬粉末は、粉末ディスペンサ(ベローズ)内に充填され、粉末送達カテーテルを介して出血部位に送達されるように、適合されている。
【0009】
米国特許第4,411,656号、「Compressible syringe」は、本体の全長に延在するベローズ構造によって圧縮可能にされた中空体からなる圧縮可能なシリンジを、開示している。
【0010】
米国特許第4,723,691号、「Powder dispenser」は、閉塞されていない粉末分注開口部におけるその放出端部で終端するハンドル/ノズル部分、ハンド把持部分、及びハンドル/ノズル部分とハンド把持部分との間に連結された、中央の、可撓性ベローズ部分を含む、容器を有する、手持ち式の手動操作型粉末ディスペンサを、開示している。ベローズ部分は、ポンプとして働くように、軸方向に収縮及び伸長されるように、適合されている。ハンドル/ノズル部分の内径は、粉末分注開口部に向かう方向におけるハンドル/ノズル部分の長さの関数として、実質的に、直線的かつ連続的に減少する。ハンドル/ノズル部分の長さとその内径の最大値との比は、実質的に、1.4超である。
【0011】
米国特許第3,844,284号は、シリンジを形成し、予め測定された量の洗浄粉末を収容する折り畳み可能なベローズと、ベローズの開放端部に固定されるように適合されている細長い分注ノズルと、からなる、使い捨て潅注器を、開示している。
【0012】
米国特許第5,957,340号、「Container with surmounting bellows pump」は、その内部に含有される流体組成物を貯蔵し、そこから明確に分注し、送達するための容器を開示しており、当該容器は、流体リザーバを画定する本体を含み、当該本体は、床状基部及びその上方に延在する壁を含み、当該容器の同軸延長部として当該容器の当該壁と一体的に形成され、当該壁を乗り越える、垂直方向に圧縮可能なベローズであって、当該ベローズは、当該容器の当該流体リザーバ、一体的に形成された首状の接管、及び同軸と流体流れ連通する内部領域を画定し、その上限において当該ベローズ上に取り付けられ、当該接管には、上方に開いたポートが形成されており、そこを通って当該容器が満たされる、垂直方向に圧縮可能なベローズを含み、当該リザーバ内への流体組成物の導入後に当該ポートを封止するための、キャップ状の閉鎖手段を含み、当該容器の当該底部に隣接する場所で、当該リザーバとの流体流れ連通を確立するために、当該容器の直径境界の外側及び半径方向外側に一体的に形成され支持されるディスペンサ管手段を含む管状導管手段を含み、当該導管手段は、当該基部から上方に突出し、当該容器の当該本体の上限及び下限と一致する垂直限界内で延在することを特徴とし、当該導管手段は、末端放出端部を有し、ノズルは、当該末端放出端部において、当該ディスペンサ管手段と一体的に形成されており、当該導管の当該末端放出端部にあるオリフィス手段と、当該容器の当該ベローズに下向きに直接手動で印加される圧縮力を印加した際に、当該リザーバから明確に分注される流体組成物を送達するための手段と、当該導管手段を支持し、安定させるために、当該壁手段を当該管状導管手段に接続するための、当該壁手段の外側に突出して当該壁手段に沿って延在するウェブ手段と、当該壁手段及び当該導管手段と一体的に形成され、当該導管手段の上方範囲に沿って延在する当該ウェブ手段と、を含む。
【0013】
中国特許出願公開第201346338号、「Surgery styptic powder unidirectional propeller」は、内視鏡に取り付けられたプロペラ構造に属し、止血薬粉末を前方に送達するために使用され、挿入管と可撓性薬物送達ボトルと、を備え、挿入管が可撓性薬物供給ボトルに当接して連通し、止血薬粉末が可撓性薬物供給ボトル内に配置される、外科用止血薬粉末単方向プロペラを開示している。単方向プロペラはまた、前方吸気方向に開かれ、後方吸気方向に閉じられる、単方向吸気弁を備える。単方向プロペラは、単方向吸気弁が内視鏡下の粉末投与のための薬物供給デバイスの挿入管と組み合わされ、したがって、止血薬粉末を、必要な部位に効果的かつ迅速に送達し、挿入管内での止血薬粉末の往復運動を減少させ、血液の逆流及び閉塞を防止し、臨床内視鏡手術、低侵襲手術のプロセスにおいて止血効果を向上させる、という利点を有し、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、医療用シリコンゴム等などの生体適合性医療材料が、プロペラを製造するために採用される。
【0014】
米国特許公開公報第2014/0005636号、「Multi-Compartment Pre-filled Mixing Syringes with Bypass」及びその中で引用されている参考文献が、参照され、市販のDermabond(商標)製品及びEvicel(商標)製品もまた、参照される。
【0015】
米国特許第8,376,989号、「Compartmented syringe」は、複数の物質のうちの少なくとも2種の物質を収容するための、少なくとも2つのチャンバと、第1の流体導管の、少なくとも2種の物質が混合することを可能にするための少なくとも2つのチャンバに動作可能に連結された、少なくとも2つのバイパス部と、を有する、第1の流体導管と、第1の流体導管に隣接して配置され、複数の物質のうちの少なくとも1種の物質を収容するための、少なくとも1つのチャンバを有する、第2の流体導管と、を備え、各物質は混合可能であり、各流体導管に動作可能に関連付けられたプランジャが前進すると、外部適用のための放出材料を形成し、放出材料は、流体導管の少なくとも2種の物質の所定量の混合組成物によって画定され、流体導管のうちの少なくとも1つの遠位端部に配置されたエンドキャップであって、エンドキャップは、少なくとも1つの通気孔とフィルタとを含み、フィルタは、エンドキャップからのガスの通過を容易にするために少なくとも1つの通気孔と流体連通し、少なくとも1つの通気孔は、エンドキャップの壁を貫通して画定され、フィルタは、エンドキャップ内に配置され、少なくとも1つの通気孔から離間している、エンドキャップと、を備える、シリンジを、開示している。
【0016】
米国特許第7,946,417号、「Curable material mixing and delivery device」は、2種の構成成分を混合し、混合物を患者に送達するための装置及び方法を、開示している。本装置は、液体構成成分と粉末構成成分とを混合するための、混合チャンバを含む。液体構成成分及び粉末構成成分は、折り畳み可能な混合要素の回転によって、混合チャンバ内で混合される。次に、プランジャが混合チャンバを通して前進させられ、混合物を、混合チャンバから押し出し、混合物を患者に送達する。
【0017】
米国特許第7,951,108号、「Dual chamber mixing syringe and method for use」は、混合シリンジを開示し、混合シリンジを使用するための方法が提供される。混合シリンジは、第1の構成成分を収容するための第1の区画を有するハウジングと、第2の構成成分を収容するための第2の区画を有する外側プランジャと、内側プランジャと、を備える。使用前に、封止部が、第1の構成要素及び第2の構成要素を分離する。混合物を調製するために、封止部に穴を開け、2種の構成成分を混合する。混合シリンジ及びその使用方法は、混合物構成成分の少なくとも1種が比較的高粘性の材料である用途に、特に適している。
【0018】
米国特許第7,967,779号、「Powder and liquid mixing syringe」は、粉末を収容する第1の封止チャンバ(粉末ハウジング)と、液体を収容する第2の封止チャンバ(液体ハウジング)と、を有する、混合シリンジを開示している。ユーザが患者に注射する必要がある場合、デバイスは、プランジャを押している間、ほぼ直立に保持される。この動きによって、穿孔素子が、2つのチャンバを分離している箔封止部を、突き刺す。次に、液体が、粉末ハウジング内へと滴下する。液体は、粉末ハウジング内に配置されたピストン内の通路を通って流れ、そこで、粉末自体と接触する。ユーザがプランジャを下方に押し続けると、穿孔器は、ピストン内に静止し、ピストンを通る通路を封止し、それによって、穿孔器とピストンとを、一緒にロックする。次に、デバイスは、注入の準備ができる。プランジャが更に押し下げられると、ピストンは、粉末と液体との混合物を、針を通して放出する。
【0019】
米国特許第6,458,095号、「Dispenser for an adhesive tissue sealant having a housing with multiple cavities」は、接着組織シーラントの第1の構成成分及び第2の構成成分を同時に分注するためのディスペンサを開示しており、少なくとも第1の構成成分は、溶媒の導入によって使用前に溶解される乾燥粉末として、ディスペンサ内に貯蔵され、ディスペンサは、(a)一端に第1の隔壁と、第1の隔壁の反対側の開放端部と、その内部に配置された第1の可動プラグと、を備える、第1の容器であって、第1の隔壁と第1の可動プラグとの間に貯蔵された乾燥粉末の形態のある量の第1の構成成分を収容する、第1の容器と、(b)一端に第2の隔壁と、第2の隔壁の反対側の開放端部と、その内部に配置された第2の可動プラグと、を備える、第2の容器であって、ある量の第2の構成成分を収容する、第2の容器と、(c)第1の容器及び第2の容器を受容して支持するようにサイズ決め及び構成された一対の空洞を有するハウジングであって、各空洞が基部を有する、ハウジングと、(d)第1の可動プラグ及び第2の可動プラグを前進させるために、第1の容器及び第2の容器の開放端部に受容されるようにサイズ決め及び構成されたピストンと、の組み合わせを含み、ハウジングは、第1の隔壁及び第2の隔壁に嵌合して貫通し、第1の流路及び第2の流路を介して、第1の構成成分及び第2の構成成分が、そこから第1の構成成分及び第2の構成成分が分配されて結合して接着組織シーラントを形成するノズルへと通過できるように、サイズ決め及び構成された、マニホールドを含み、第1の穿孔器及び第2の穿孔器は、第1の隔壁及び第2の隔壁を貫通するために、マニホールドに取り付けられ、各穿孔器は、当該各空洞の基部に隣接して支持されているディスクを介して延在し、かつディスクによって支持され、各ディスクは、第1の空洞及び第2の空洞の基部から離間した距離で支持されて、第1のプレナム及び第2のプレナムを形成し、各プレナムは、当該各ディスクと当該各空洞の隣接する壁とによって画定され、第1の穿孔器及び第2の穿孔器は、第1の構成要素及び第2の構成要素を、第1のプレナム及び第2のプレナムに通過させる。
【0020】
米国特許第6,699,229号、「Fluid transfer device」は、粉末構成成分と流体構成成分との無菌混合に使用するための流体移送及び混合デバイスを、開示している。本デバイスは、粉末構成成分を収容する容器に容易に接続し得る第1のアダプタと、第1のアダプタに取り外し可能に相互接続し得、希釈剤などの流体を収容する容器に容易に接続して、希釈剤と粉末との無菌混合をもまた可能にし得る第2のアダプタとを含む、単純でコンパクトな構造である。使用時には、従来の無針シリンジを第1のアダプタに容易に接続し得るが、それによって、粉末と希釈剤との混合物を、第1の容器から無菌的に吸引し、その後、患者に送達し得る。
【0021】
日本国特許公開第9182786A号は、液体浣腸及び粉末浣腸の両方を注入することを可能にする浣腸を開示しているが、これは、ベローズ状シリンダの一端に突出した注入シリンダと、ベローズ状シリンダの内部基端部において注入シリンダに設けられた穿刺手段と、ベローズ状シリンダ内において注入シリンダの基端部側から順にそれぞれ配置された柔軟な材料からなる粉末貯蔵バッグ及び液体貯蔵バッグと、からなる。
【0022】
米国特許第369,767号は、組み合わされた噴霧器及びシリンジを開示している。
【0023】
米国特許公開公報第2011/0021982号、「DISPENSING DEVICE WITH BYPASS」は、少なくとも2つのチャンバへと分割され、バイパス構成を有する少なくとも1つの貯蔵容器と、バイパス構成を有する又は有さない第2の貯蔵容器と、を備える、シリンジハウジングを有し、シリンジハウジングが、二重プランジャ及び共通出口を有する二重シリンジ又は二重カートリッジの一部として実現される、複数の構成成分を分注するためのデバイスを、開示している。バイパス配置は、少なくとも2つの陥凹部を有する。
【0024】
米国特許公開公報第2010/0219200号は、2種の構成成分を混合し、混合物を患者に送達するための装置及び方法を、開示している。本装置は、液体構成成分と粉末構成成分とを混合するための、混合チャンバを含む。液体構成成分及び粉末構成成分は、折り畳み可能な混合要素の回転によって、混合チャンバ内で混合される。次に、プランジャが混合チャンバを通して前進させられ、混合物を、混合チャンバから押し出し、混合物を患者に送達する。
【0025】
米国特許公開公報第2003/0040701号「Dual chamber syringe with a dual function piston」は、デュアルチャンバシリンジを開示しており、デュアルチャンバシリンジでは、デュアル機能ピストンがシリンジを2つの区画へと分割し、一方の区画に粉末又は流体を収容し、他方の区画に流体を収容する。2種の物質を混合するために、ピストンの後退前又は後退中に、2つの区画間に通路が開かれて、物質を、前方区画内で強制的に混合させる。ピストンの前進中は、2つの区画間の通路を閉じて、物質の混合物を、シリンジの放出開口部から押し出す。
【0026】
その開示が参照により本明細書に組み込まれる、Ethicon LLCに譲渡された米国特許第10,183,132号は、片手で操作可能であり、液体薬剤押し出しサブユニット及び粉末薬剤押し出しサブユニットから組織又は創傷上への、液体薬剤及び粉末薬剤の同時送達を提供する、統合送達デバイスを教示する。各押し出しサブユニットは、押し出しサブユニットの近位端部に互いに近接して配置される、その内部に含まれる液体薬剤及び粉末薬剤のためのアクチュエータと、押し出しサブユニットの遠位端部に互いに近接して配置される、当該押し出しサブユニットのそれぞれのための送達カニューレと、を有する。
【0027】
その開示が参照により本明細書に組み込まれる、Somerville,New JerseyのEthicon,Inc.に譲渡されたGoodmanらに対する米国特許第10,507,293号は、止血薬粉末の押し出しのためのデバイスを教示する。デバイスは、近位端部にベローズなどの手動空気ポンプを備え、遠位端部に押し出しポートを備えた、細長いリザーバを有する。多孔質フィルタが、ベローズとプランジャと押し出しポートとの間で、リザーバ内に摺動可能に配置され、ばねが、空気ポンプとプランジャとの間で、リザーバ内に配置される。粉末が、多孔質フィルタと押し出しポートとの間でリザーバ内に配置され、ポンプが、多孔質フィルタ及び粉末を介して押し出しポートと流体連通している、デバイスが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
上記の進歩にもかかわらず、組織を封止するため及び/又は出血を制御するために、粉末及び液体を送達するための、改善されたデバイスが、引き続き必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0029】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、粉末(例えば、治療用粉末、止血薬粉末)と、粉末を活性化して封止ゲルを形成する液体と、を分注するように、構成される。
【0030】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、好ましくは、粉末を保持するように構成された第1のチャンバと、液体を保持するように構成されている第2のチャンバと、を有する、送達デバイスハウジングを含む。
【0031】
一実施形態では、各チャンバは、粉末及び液体を、それぞれのチャンバ内へと都合よく装填するための別個のポートを、有してもよい。
【0032】
一実施形態では、チャンバは、粉末及び液体で、予備充填されてもよい。
【0033】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、好ましくは、送達チャネル又は管腔を通して手術部位に粉末を送達する、粉末送達システムを含む。一実施形態では、粉末送達システムは、好ましくは、粉末を分注するための、手動アクチュエータ(例えば、ベローズ)を含む。
【0034】
一実施形態では、手動アクチュエータが起動される(例えば、ベローズが押される)場合、手動アクチュエータによって生成される空気流は、粉末送達チャネルを通して、粉末を、手術部位に搬送及び送達する。
【0035】
一実施形態では、液体送達システムは、組織封止ゲルを形成するための粉末を活性化するように、液体(例えば、活性化流体、生理食塩水)を送達するために、使用されてもよい。一実施形態では、液体送達システムは、液体を保持するシリンジバレル、及びシリンジバレルから液体を分注するために押下され得るシリンジプランジャなどの、シリンジの1つ以上の構成要素を含んでもよい。一実施形態では、液体は、手術部位の組織又は創傷上に分注された粉末層上に、微細ミストとして噴霧されてもよい。
【0036】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、粉末及び液体のための別個の送達チャネルを伴う、二重官腔カニューレを有する、アプリケータ先端部を含んでもよい。
【0037】
一実施形態では、アプリケータ先端部は、粉末を送達するための第1の管腔と、液体を送達するための第2の管腔と、様々な手術部位にアクセスするためにユーザがアプリケータ先端部の遠位端部の角度を変更することを可能にする可鍛性ワイヤを含む、第3の管腔と、を含む、三重管腔カニューレ構造を有してもよい。一実施形態では、可鍛性ワイヤは、外科医が、アプリケータ先端部の細長いシャフトに対して、様々な角度に分注先端部を選択的に角度付けすることを、可能にする。
【0038】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、同一の二重管腔分注先端部からの、粉末分注及び液体噴霧の両方を可能にする、二重管腔分注先端部を有してもよい。一実施形態では、液体出口(例えば、液体噴霧出口)及び粉末分注出口は、液体が粉末分注チャネルに進入することを防止するために、互いに対してずらされて配置されていてもよい。一実施形態では、液体出口は、好ましくは、液体が粉末分注チャネルに進入することを防止するために、粉末出口の下流に配置されている。
【0039】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、粉末及び液体が連続して適用され得る(例えば、最初に電力が送達され、次に、液体が粉末層上に噴霧される)、又は同時に適用され得る(例えば、粉末及び液体が、手術部位に同時に送達される)ように、構成されている。一実施形態では、組み合わせられた粉末及び活性化液体アプリケータは、粉末及び液体を、外科手術部位に、連続的に又は同時に、片手で適用してもよい。
【0040】
一実施形態では、連続的な適用のために、粉末層が手術部位上に適用されてもよく、その後、組織封止ゲル層を形成するために、粉末層上に、液体(例えば、活性化流体、生理食塩水)が噴霧される。
【0041】
一実施形態では、同時適用のために、粉末及び液体は、ベローズ及びシリンジプランジャを同時に押すことによって、適用されてもよい。
【0042】
一実施形態では、手術部位内の湿った空気が粉末リザーバ内へと吸い戻されることを防止するために、粉末リザーバとアプリケータ先端部との間などの粉末送達チャネル内に、単方向弁があってもよい。単方向弁の存在は、湿った空気が粉末リザーバに進入し、粉末が粉末リザーバ内に配置されている間に粉末を活性化する可能性を、排除する。単方向弁の存在はまた、好ましくは、微細な液体/水滴が粉末送達チャネル内へと吸引され、早すぎる粉末/液体反応に起因する、粉末送達チャネルの詰まりを引き起こす可能性を、排除する。
【0043】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、好ましくは、粉末投与量制御を提供する。一実施形態では、投与量制御は、ベローズが伸長位置に戻る場合に、ベローズの吸引作用によって、粉末送達チャネル内に一定量の粉末(すなわち、投与量)を貯蔵することによって、達成されてもよい。
【0044】
一実施形態では、粉末は、手術部位での出血を制御し、創傷を封止するために使用され得る、治療用粉末である。
【0045】
一実施形態では、粉末は、迅速な溶解及びゲル形成を可能にして出血を止め、組織表面を封止するために、ORC繊維で凝集されたフィブリノーゲン及びトロンビン粉末の複合体であってもよい。
【0046】
一実施形態では、すぐに使用できる粉末(例えば、止血薬粉末)を、肺の封止面上に分注して、接着性の高いゲル封止層を形成してもよい。粉末は、ゲル形成を促進するために、活性化流体(例えば、生理食塩水)を噴霧されてもよい。
【0047】
一実施形態では、複数層の粉末を適用して、有効性を改善してもよい。
【0048】
一実施形態では、粉末は、約0.20~0.25g/cmの密度を有してもよい。
【0049】
一実施形態では、粉末は、<355μmの粒径を有してもよい。
【0050】
一実施形態では、粉末は、リザーバ(例えば、バイアル瓶)内に供給されてもよい。
【0051】
一実施形態では、粉末バイアル瓶は、約1~2グラムの粉末、より具体的には、約1.2グラムの粉末を、収容してもよい。
【0052】
一実施形態では、バイアル瓶は、約10mlのサイズを有してもよい。
【0053】
一実施形態では、バイアル瓶は、粉末を分注するために除去及び/又は穿孔され得る、封止部を有してもよい。一実施形態では、封止部は、取り外し可能な箔先端部又は隔壁上部を含んでもよい。
【0054】
一実施形態では、バイアル瓶は、ガラス又はポリマー材料(例えば、プラスチック)から作製されてもよい。
【0055】
一実施形態では、アプリケータ先端部から送達される粉末と液体との比は、好ましくは、約1gの粉末:2.5mlの液体である。
【0056】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、好ましくは、粉末チャンバ及び液体チャンバを有する、送達デバイスハウジングを含む。粉末チャンバ及び液体チャンバは、好ましくは、互いに分離されている。
【0057】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、好ましくは、粉末チャンバと流体連通しているアプリケータ先端部の近位端部と遠位端部との間に延在する粉末送達チャネルを有する、アプリケータ先端部を含む。
【0058】
一実施形態では、アプリケータ先端部は、好ましくは、液体チャンバと流体連通している、アプリケータ先端部の近位端部から遠位端部まで延在する液体送達チャネルを有する。
【0059】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、好ましくは、粉末チャンバと流体連通している粉末入口ポートと、液体チャンバと流体連通している液体入口ポートと、を含む。
【0060】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、好ましくは、粉末入口ポートと、粉末チャンバと、粉末送達チャネルと流体連通している粉末送達システムと、を含む。
【0061】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、好ましくは、液体入口ポートと、液体チャンバと、液体送達チャネルと流体連通している液体送達システムと、を含む。
【0062】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、好ましくは、送達デバイスハウジングに固定された粉末バイアル瓶コネクタを含み、粉末バイアル瓶は、粉末入口ポートを含む。
【0063】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、好ましくは、送達デバイスハウジングに固定された液体バイアル瓶コネクタを含み、液体バイアル瓶は、液体入口ポートを含む。
【0064】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、好ましくは、粉末バイアル瓶コネクタと連結された、粉末バイアル瓶を含む。粉末バイアル瓶は、好ましくは、粉末入口ポートと流体連通している開口部を有する。
【0065】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、好ましくは、液体バイアル瓶コネクタと連結された、液体バイアル瓶を含む。液体バイアル瓶は、好ましくは、液体入口ポートと流体連通している開口部を有する。
【0066】
一実施形態では、粉末が、粉末バイアル瓶内に配置され、液体が、液体バイアル瓶内に配置される。
【0067】
一実施形態では、粉末は止血薬粉末を含んでもよく、液体は、止血薬粉末を活性化して組織を封止する又は出血を制御するための封止ゲルを形成する活性化流体(例えば、生理食塩水)を、含んでもよい。
【0068】
一実施形態では、粉末送達システムは、押し下げられた構成と伸長された構成との間で、移動可能である。一実施形態では、粉末送達システムは、押し下げられた構成から伸長された構成に移動する場合、粉末バイアル瓶から粉末チャンバ内へとある投与量の粉末を引き込むために、粉末チャンバ内に真空を発生させる。一実施形態では、粉末送達システムは、伸長構成から押し下げられた構成に移動する場合、粉末チャンバからある投与量の粉末を押し出し、粉末を、粉末送達チャネル内へと流入させるために、粉末チャンバ内に正圧を発生させる。
【0069】
一実施形態では、液体送達システムは、押し下げられた構成と伸長された構成との間で、移動可能である。一実施形態では、押し下げられた構成から伸長された構成に移動する場合、液体送達システムは、液体バイアル瓶から液体チャンバ内へとある投与量の液体を引き込むために、液体チャンバ内に真空を発生させる。一実施形態では、伸長構成から押し下げられた構成に移動する場合、液体送達システムは、液体チャンバから液体の投与量を押し出し、液体を液体送達チャネル内へと流入させるために、液体チャンバ内に正圧を発生させる。
【0070】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、好ましくは、アプリケータ先端部の遠位端部に固定され得る、二重管腔粉末及び液体コネクタを含む。一実施形態では、二重管腔粉末及び液体コネクタは、望ましくは、粉末送達チャネルと流体連通している粉末出口開口部と、液体送達チャネルと流体連通している液体噴霧開口部と、を有する。
【0071】
一実施形態では、粉末出口開口部及び液体噴霧開口部は、互いにずらされて配置されている。一実施形態では、液体噴霧開口部は、液体送達チャネル内の水分が粉末送達チャネルに進入することを防止するために、粉末出口開口部の下流に配置されている。
【0072】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、好ましくは、粉末送達システムと流体連通している、粉末チャンバの下流に位置する単方向弁を含む。
【0073】
一実施形態では、単方向弁は、粉末送達チャネル内に配置され、粉末チャンバと、アプリケータ先端部の近位端部と、の間に、位置する。一実施形態では、粉末チャンバ内へと粉末を引き込むために、粉末チャンバ内に負圧が存在する場合、単方向弁は、水分又は液体が粉末チャンバ内に引き込まれることを、防止する。一実施形態では、単方向弁は、ボールを含んでもよく、これは、負圧下で、送達デバイスの近位端部に向かって自由に移動し、位置圧力下で、送達デバイスの遠位端部に向かって自由に移動する。
【0074】
一実施形態では、粉末送達システムは、粉末チャンバと流体連通している第1の吸気口と、粉末送達システムが押し下げられた構成から伸長された構成に移動する際に周囲空気が粉末チャンバ内へと引き込まれることを可能にする、第1の吸気口に配置された単方向弁と、を含んでもよい。
【0075】
一実施形態では、液体送達システムは、液体チャンバと流体連通している第2の吸気口と、液体送達システムが押し下げられた構成から伸長構成に移動する際に周囲空気が液体チャンバ内へと引き込まれることを可能にする、第2の吸気口内に配置された単方向弁と、を含んでもよい。
【0076】
一実施形態では、液体送達システムは、液体が、液体バイアル瓶から送達デバイスハウジングの液体チャンバ内へと引き込まれることを可能にする、液体入口ポート内に配置された第1の単方向弁を、含んでもよい。
【0077】
一実施形態では、液体送達システムは、液体送達チャネル内に、かつ液体入口ポート内に配置された第1の単方向弁の下流内に配置された、第2の単方向弁を含んでもよく、第2の単方向弁は、液体チャンバ内の液体が下流に流れて、液体送達チャネルに入ることを可能にする。
【0078】
一実施形態では、粉末送達システムは、好ましくは、ベローズアセンブリを送達デバイスハウジングの近位端部に解放可能に固定するためのねじ山を有する、ベローズアセンブリを含む。一実施形態では、ベローズアセンブリは、粉末が、粉末チャンバ内へと装填されることを可能にするために、送達デバイスハウジングから螺合解除され、解放されるように、構成されている。
【0079】
一実施形態では、送達デバイスハウジングの近位端部は、好ましくは、粉末チャンバへのアクセスを提供するための、アクセス開口部を有する。一実施形態では、アクセス開口部は、ベローズアセンブリを送達デバイスハウジングの近位端部に固定するために、ベローズアセンブリのねじ山と噛み合うように構成されている、雌ねじ山を有する。
【0080】
一実施形態では、粉末チャンバは、閉鎖遠位端部を有する管状壁によって、取り囲まれていてもよい。一実施形態では、閉鎖遠位端部は、粉末チャンバと粉末送達チャネルとの間の流体連通を提供する、閉鎖遠位端部内に形成された、遠位出口開口部を有する。
【0081】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、好ましくは、管状壁の閉鎖遠位端部から離間されている、粉末チャンバ内に配置された圧密防止壁を含む。一実施形態では、圧密防止壁は、管状壁の閉鎖遠位端部と粉末チャンバの近位端部との間に配置されている。一実施形態では、圧密防止壁は、粉末チャンバを取り囲む管状壁の内側表面から離間されている、外周を有する。
【0082】
一実施形態では、ベローズアセンブリは、送達デバイスハウジングのアクセス開口部に配置されたエンドキャップと、エンドキャップの近位面から突出するベローズと、エンドキャップの遠位面から突出し、それによって、細長いシャフトの遠位端部が粉末チャンバ内に配置され、圧密防止壁の近位面に対向する、細長いシャフトと、エンドキャップと細長いシャフトの遠位端部との間で細長いシャフト上に取り付けられたフィルタホルダと、フィルタホルダと細長いシャフトの遠位端部との間でフィルタホルダ上に取り付けられたフィルタと、ベローズとフィルタホルダとの間に延在する圧縮ばねであって、ベローズの内側に配置された近位端部と、フィルタホルダの近位面に隣接して配置された遠位端部と、を有する、圧縮ばねと、を含んでもよい。
【0083】
一実施形態では、ベローズが粉末チャンバの遠位端部に向かって押し下げられる場合、圧縮ばねが圧縮され、それによって、圧縮ばねの遠位端部が、フィルタホルダ及びフィルタを付勢して、圧密防止壁へと近づかせる。
【0084】
一実施形態では、フィルタホルダ及びフィルタは、粉末チャンバ内で互いに同時に移動するように、構成されている。一実施形態では、フィルタホルダ及びフィルタは、それぞれの外径を有し、それぞれの外径が、フィルタホルダ及びフィルタのそれぞれの外径と、粉末チャンバを取り囲む管状壁の内側表面との間に気密シールを形成するために、粉末チャンバを取り囲む管状壁の内径に一致する。
【0085】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、好ましくは、粉末チャンバと、粉末チャンバから分離される液体チャンバと、を有する、送達デバイスハウジングを含む。
【0086】
一実施形態では、送達デバイスは、好ましくは、当該粉末チャンバと流体連通しているアプリケータ先端部の近位端部と遠位端部との間に延在する粉末送達チャネルを有する、アプリケータ先端部を含む。
【0087】
一実施形態では、アプリケータ先端部は、好ましくは、液体チャンバと流体連通している、アプリケータ先端部の近位端部から遠位端部まで延在する液体送達チャネルを有する。
【0088】
一実施形態では、送達デバイスは、好ましくは、粉末チャンバと流体連通している粉末入口ポートと、液体チャンバと流体連通している液体入口ポートと、を含む。
【0089】
一実施形態では、送達デバイスは、望ましくは、粉末入口ポート、粉末チャンバ、及び粉末送達チャネルと流体連通している、粉末送達システムを含む。
【0090】
一実施形態では、送達デバイスは、望ましくは、液体入口ポート、液体チャンバ、及び液体送達チャネルと流体連通している、液体送達システムを含む。
【0091】
一実施形態では、液体送達システムは、押し下げられた構成と伸長された構成との間で、移動可能である。
【0092】
一実施形態では、押し下げられた構成から伸長された構成に移動する場合、液体送達システムは、液体チャンバ内へとある投与量の液体を引き込むために、液体チャンバ内に真空を発生させる。
【0093】
一実施形態では、伸長構成から押し下げられた構成に移動する場合、液体送達システムは、液体チャンバから液体の投与量を押し出し、液体を液体送達チャネル内へと流入させるために、液体チャンバ内に正圧を発生させる。
【0094】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスに粉末を送達するための、粉末バイアル瓶アセンブリは、好ましくは、近位端部と、遠位端部と、近位端部と遠位端部との間に延在する外壁と、粉末ハウジングの近位端部に配置された近位開口部と、粉末ハウジングの遠位端部に配置された粉末分注開口部と、を有する、粉末ハウジングを含む。
【0095】
一実施形態では、粉末バイアル瓶アセンブリは、好ましくは、粉末ハウジング内に配置され、粉末ハウジングの近位端部に隣接する外壁の内側表面に固定された、固定誘導部を含む。
【0096】
一実施形態では、粉末バイアル瓶アセンブリは、好ましくは、固定誘導部内に配置されたアクチュエータアセンブリを含み、アクチュエータアセンブリは、粉末ハウジングの近位端部でアクセス可能なノブと、ノブと粉末ハウジングの遠位端部との間で遠位方向に延在する誘導シャフトと、を含む。
【0097】
一実施形態では、粉末バイアル瓶アセンブリは、望ましくは、粉末分注開口部と流体連通しているアクチュエータアセンブリを通って延在する吸気口と、吸気口内に配置された単方向弁(例えば、単方向ダックビル弁)と、を含む。
【0098】
一実施形態では、粉末バイアル瓶アセンブリは、望ましくは、アクチュエータアセンブリの誘導シャフト上に取り付けられ、粉末ハウジングの遠位端部に向かって誘導シャフト上を摺動するように構成される、フィルタキャリッジを含む。
【0099】
一実施形態では、フィルタキャリッジと粉末ハウジングの遠位端部との間で、フィルタキャリッジ上に、フィルタが取り付けられる。フィルタは、フィルタキャリッジと同時に、粉末ハウジングの遠位端部に向かって摺動するように構成されることが、望ましい。
【0100】
一実施形態では、アクチュエータアセンブリの誘導シャフト上に、圧縮ばねが取り付けられる。一実施形態では、圧縮ばねは、好ましくは、フィルタキャリッジ及びフィルタを粉末ハウジングの遠位端部に向かって付勢するために、アクチュエータアセンブリと接触する近位端部と、フィルタキャリッジと接触する遠位端部と、を有する。
【0101】
一実施形態では、アクチュエータアセンブリは、フィルタキャリッジが粉末ハウジングの遠位端部に向かって移動することを防止するために、フィルタキャリッジが固定誘導部と連結される、ロック位置と、圧縮ばねがフィルタキャリッジ及びフィルタを粉末ハウジングの遠位端部に向かって誘導シャフト上で遠位方向に摺動させることを可能にするために、フィルタキャリッジが固定誘導部から連結解除される、ロック解除位置と、の間で、移動可能である。
【0102】
一実施形態では、固定誘導部は停止部を含んでもよく、フィルタキャリッジは、アクチュエータアセンブリがロック位置にある場合に固定誘導部の停止部と接触する、1つ以上のフックを含んでもよい。一実施形態では、フィルタキャリッジの1つ以上のフックは、アクチュエータアセンブリがロック解除位置にある場合に、固定誘導部の停止部から連結解除される。
【0103】
一実施形態では、粉末バイアル瓶アセンブリは、フィルタと粉末分注開口部との間で、粉末ハウジング内に配置された、粉末チャンバを含んでもよい。粉末は、粉末チャンバ内へと充填されてもよい。
【0104】
一実施形態では、フィルタキャリッジ誘導シャフト支持体が、誘導シャフトの遠位端部を支持するために、粉末分注開口部に隣接して、粉末ハウジング内に配置されてもよい。
【0105】
一実施形態では、アクチュエータアセンブリは、好ましくは、フィルタキャリッジを固定誘導部から連結解除するために、フィルタキャリッジに係合して回転させるための、一対の作動脚部を含む。一実施形態では、アクチュエータアセンブリは、好ましくは、誘導シャフトの長手方向軸線の周りで回転され得る、回転可能なノブを含む。作動脚部は、好ましくは、回転可能なノブに連結され、回転可能なノブと同時に回転する。
【0106】
一実施形態では、作動脚部の遠位端部は、アクチュエータアセンブリを、固定誘導部に軸方向にロックするための、フックを含んでもよい。
【0107】
一実施形態では、アクチュエータアセンブリは、好ましくは、それを通って延在する吸気開口部と、吸気開口部と連通する空気チャネルと、を含む。空気チャネルは、フィルタキャリッジ用の誘導シャフトの近位端部に隣接して、配置されてもよい。
【0108】
吸気口は、粉末分注開口部を介して粉末を分注するために、空気が、粉末バイアル瓶ハウジングの近位端部に引き込まれることを、可能にする。
【0109】
一実施形態では、誘導シャフトの遠位端部は、好ましくは、フィルタキャリッジを、誘導シャフト上に設置(例えば、取り付け)するために圧縮され得る、圧縮可能構造を含む。一実施形態では、誘導シャフトの遠位端部は、好ましくは、フィルタキャリッジが誘導シャフト上に取り付けられた後に、フィルタキャリッジが誘導シャフトの遠位端部から滑り落ちることを防止するための停止部として機能する、段部(例えば、環状段部)を含む。
【0110】
一実施形態では、粉末バイアル瓶ハウジング内に配置された粉末が、あまり流動性でない場合、本明細書に開示される粉末バイアル瓶アセンブリを使用することが、有益であり得る。
【0111】
一実施形態では、粉末バイアル瓶アセンブリは、粉末送達及び液体送達デバイスが、任意の配向(例えば、直立、倒立、垂直、水平、横向き、角度付き等)で保持される場合に、粉末分注開口部を通して粉末を分注することが可能であるように、任意の配向で、効果的に動作されてもよい。
【0112】
一実施形態では、フィルタキャリッジは、最初に固定誘導部上にロックされ、圧縮ばねは、圧縮状態にあり、その内部に、エネルギーが蓄積されている。
【0113】
一実施形態では、ユーザは、粉末バイアル瓶ハウジングの近位端部に位置する近位開口部を介して、粉末チャンバに、粉末を充填してもよい。一実施形態では、粉末バイアル瓶アセンブリは、エンドユーザに出荷される前に、(例えば、工場で)粉末を予備充填されてもよい。
【0114】
一実施形態では、アクチュエータアセンブリのノブは、アクチュエータ脚部を回転させるために回転させられてもよく、アクチュエータ脚部は、フィルタキャリッジを回転させて、フィルタキャリッジのフックを固定誘導部の停止部から切り離し、圧縮ばねがフィルタキャリッジを付勢して、フィルタキャリッジ誘導シャフトの遠位端部に向かって摺動させ得る。
【0115】
一実施形態では、固定誘導部の停止部は、フィルタキャリッジを固定誘導部から連結解除するために使用される、軸方向に延在するスロットを有する。一実施形態では、アクチュエータアセンブリの回転可能なノブを回転させた際に、アクチュエータアセンブリの作動脚部が、フィルタキャリッジのフックに係合して、フックを回転させて、停止部の軸方向に延在するスロットと位置合わせされ、その結果、圧縮されたばねによって、フィルタキャリッジが誘導シャフト上を遠位方向に摺動させられ、それによって、次に、粉末チャンバ内の粉末が、粉末バイアル瓶ハウジングの分注開口部に向かって押し出される。
【0116】
一実施形態では、粉末バイアル瓶ハウジングの外壁の内側表面は、好ましくは、粉末バイアル瓶ハウジングに対する固定誘導部の回転を防止するために、固定誘導部の外側表面上の対応する構造(例えば、逆構造)に係合する、1つ以上の表面(例えば、スロット又はパッド)を含む。
【0117】
一実施形態では、粉末バイアル瓶ハウジングの内側表面は、固定誘導部が粉末バイアル瓶ハウジングに対して軸方向に動かないように、粉末バイアル瓶ハウジングに対する固定誘導部の位置を軸方向にロックするための、固定誘導部の外側表面に係合する、内部ロック機構を有する。
【0118】
一実施形態では、粉末バイアル瓶ハウジングの遠位端部は、好ましくは、フィルタキャリッジ誘導シャフトの遠位端部に係合して、粉末バイアル瓶ハウジング内で誘導シャフトを支持及び安定化するように構成された、内部支持体(例えば、支持リング)を含む。
【0119】
一実施形態では、フィルタキャリッジは、圧縮ばねの遠位端部に係合するように適合されている、近位方向に延在するハブを有する。
【0120】
一実施形態では、フィルタキャリッジは、フィルタを着座させるように適合されている、遠位方向に延在するハブを有する。フィルタキャリッジは、フィルタがフィルタキャリッジ上に取り付けられた後に、フィルタを遠位方向に延在するハブ上に保持するために、遠位方向に延在する遠位端部に位置する停止リングを含んでもよい。
【0121】
一実施形態では、好ましくは、フィルタキャリッジは、フィルタキャリッジを固定誘導部と連結するために、粉末バイアル瓶ハウジングの近位端部に向かって突出する1つ以上のフックを含む。
【0122】
一実施形態では、固定誘導部の近位端部は、好ましくは、固定誘導部が粉末バイアル瓶ハウジングに対して回転することを防止するために、粉末バイアル瓶ハウジングの近位端部で対応する構造に係合する、1つ以上の回転防止構成要素(たとえば、スロット、パッド)を含む。
【0123】
一実施形態では、固定誘導部の近位端部は、粉末バイアル瓶ハウジングに対する固定誘導部の軸方向移動を防止するために、粉末ハウジングの近位端部において粉末ハウジングの内側表面に係合する構造(例えば、環状突起部)を含んでもよい。
【0124】
一実施形態では、固定誘導部の遠位端部は、フィルタキャリッジを固定誘導部にロックするために、フィルタキャリッジのフックに係合する、停止部を含んでもよい。
【0125】
一実施形態では、固定誘導部上の停止部は、望ましくは、フィルタキャリッジのフックを固定誘導部の停止部から連結解除するために使用され得る、1つ以上の軸方向に延在するスロットを含む。一実施形態では、フィルタキャリッジのフックは、固定誘導部からフィルタキャリッジを連結解除するために、停止部のスロットと位置合わせするように回転され、その結果、圧縮ばねに蓄積された位置エネルギーが、フィルタキャリッジ(及びフィルタ)を付勢して、誘導シャフトの遠位端部に向かって摺動させる。
【0126】
本発明のこれら及びその他の好ましい実施形態は、本明細書でより詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0127】
図1A】本特許出願の一実施形態による、粉末送達及び液体送達複合デバイスの、斜視図である。
図1B図1Aに示される粉末送達及び液体送達複合デバイスの、別の斜視図である。
図1C図1A及び図1Bに示される粉末送達及び液体送達複合デバイスの、上面図である。
図1D図1A図1Cに示される粉末送達及び液体送達複合デバイスの遠位端部の、斜視図である。
図2図1Cに示される粉末送達及び液体送達複合デバイスの粉末送達システムの、断面図である。
図3】本特許出願の一実施形態による、粉末送達及び液体送達デバイスの単方向弁の中央チャンバの、断面図である。
図4図3に示される単方向弁の中央チャンバの、別の断面図である。
図5】本特許出願の一実施形態による、ボールが近位位置にある、粉末送達及び液体送達デバイスの単方向弁の、断面図である。
図6】ボールが遠位位置にある、図5に示される単方向弁の、断面図である。
図7図1A図1Dに示される粉末送達及び液体送達複合デバイスの液体送達システムの、断面図である。
図8】本特許出願の一実施形態による、粉末送達及び液体送達デバイスのアプリケータ先端部の、断面図である。
図9図8に示されるアプリケータ先端部の、分解図である。
図10A】本特許出願の一実施形態による、粉末送達及び液体送達デバイスのアプリケータ先端部の、液体噴霧カップの遠位端部の、斜視図である。
図10B図10Aに示される液体噴霧カップの近位端部の、斜視図である。
図10C図10A及び図10Bに示される液体噴霧カップの、近位端面図である。
図10D図10A図10Cに示される液体噴霧カップの、断面図である。
図11】本特許出願の一実施形態による、粉末送達及び液体送達デバイス用の粉末バイアル瓶の、側面図である。
図12】本特許出願の一実施形態による、粉末送達及び液体送達デバイスの粉末バイアル瓶コネクタに取り付けられた粉末バイアル瓶を伴う、図11に示される粉末バイアル瓶の、断面図である。
図13】本特許出願の一実施形態による、粉末送達及び液体送達デバイスの粉末コネクタ及び液体コネクタの、斜視図である。
図14】本特許出願の一実施形態による、図13に示される粉末コネクタ及び液体コネクタの、断面図である。
図15A】本特許出願の一実施形態による、粉末送達及び液体送達デバイスのアプリケータ先端部の、側面図である。
図15B図15Aに示されるアプリケータ先端部の、断面図である。
図16】本特許出願の一実施形態による、アプリケータ先端部の近位端部と、アプリケータ先端部の近位端部を粉末送達及び液体送達デバイスのデバイスハウジングに接続するために利用される先端部コネクタとの、断面図である。
図17】本特許出願の一実施形態による、粉末送達及び液体送達デバイスのアプリケータ先端部の、側面図である。
図18A】本特許出願の一実施形態による粉末送達及び液体送達デバイスの、斜視図である。
図18B図18Aに示される粉末送達及び液体送達複合デバイスの、別の斜視図である。
図18C図18A及び図18Bに示される粉末送達及び液体送達複合デバイスの、上面図である。
図19図18A図18Cに示される粉末送達及び液体送達複合デバイスの近位端部の、断面図である。
図20】本特許出願の一実施形態による、粉末リザーバから除去された粉末送達システムのベローズ部分を伴う、図18Cの粉末送達及び液体送達複合デバイスの、近位端部を示す。
図21】本特許出願の一実施形態による、粉末送達及び液体送達デバイスの粉末送達システムの、断面図である。
図22図21に示される粉末送達システムの一部の、拡大図である。
図23A図21及び図22に示される粉末送達システムの、分解図である。
図23B図21及び図22に示される粉末送達システムの、別の分解図である。
図24図22に示される粉末送達システムの一部の、断面図である。
図25A図22に示される粉末送達システムの一部の、断面図である。
図25B図25Aに示される断面図の、斜視図である。
図25C図25Aに示される断面図の、別の斜視図である。
図26図18A図18Cに示される粉末送達及び液体送達複合デバイスの液体送達システムの、断面図である。
図27A】本特許出願の一実施形態による粉末送達及び液体送達デバイスの、側面図である。
図27B図27Aに示される粉末送達及び液体送達複合デバイスの、断面図である。
図28図27A及び図27Bに示される粉末送達及び液体送達複合デバイスの粉末送達システムの、断面図である。
図29図27A及び27Bに示される粉末送達及び液体送達複合デバイスの液体送達システムの、断面図である。
図30】本特許出願の一実施形態による、粉末バイアル瓶アセンブリが粉末送達及び液体送達デバイスに接続された、粉末送達及び液体送達複合デバイスの、断面図である。
図31A】本特許出願の一実施形態による、粉末バイアル瓶ハウジング、フィルタ、フィルタキャリッジ、固定誘導部、ばね、アクチュエータアセンブリ、及び単方向弁を含む、図30に示される粉末バイアル瓶アセンブリの、分解図である。
図31B図30及び図31Aに示される粉末バイアル瓶アセンブリの、別の分解図である。
図32A図31A及び図31Bに示される粉末バイアル瓶ハウジングの、斜視図である。
図32B図32Aに示される粉末バイアル瓶ハウジングの、遠位端面図である。
図32C図32A及び図32Bに示される粉末バイアル瓶ハウジングの近位端部の、斜視図である。
図32D図32A図32Cに示される粉末バイアル瓶ハウジングの、断面図である。
図33A図31A及び図31Bに示されるフィルタキャリッジの遠位端部の、斜視図である。
図33B図31A及び図31Bに示されるフィルタキャリッジの近位端部の、斜視図である。
図34A図31A及び図31Bに示される固定誘導部の近位端部の、斜視図である。
図34B図31A及び図31Bに示される固定誘導部の遠位端部の、斜視図である。
図35A図31A及び図31Bに示されるアクチュエータアセンブリの遠位端部の、斜視図である。
図35B図31A及び図31Bに示されるアクチュエータアセンブリの近位端部の、斜視図である。
図36A】本特許出願の一実施形態による、粉末送達及び液体送達デバイスの粉末バイアル瓶アセンブリの、断面図である。
図36B図36Aに示される粉末バイアル瓶アセンブリの、別の断面図である。
図36C図36Bに示される粉末バイアル瓶アセンブリの、別の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0128】
図1A図1Dを参照すると、一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス100は、粉末(例えば、止血薬粉末)及び液体(例えば、活性化流体、生理食塩水)を、手術部位に送達するように、構成されている。一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、一般的に、外科医のより近くに位置付けられる近位端部102と、一般的に、外科医からより遠くに位置付けられる遠位端部104と、を有する。粉末及び液体は、好ましくは、粉末送達及び液体送達複合デバイス100の遠位端部104から、分注される。
【0129】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス100は、好ましくは、近位端部108及び遠位端部110を有する、送達デバイスハウジング106を含む。一実施形態では、送達デバイスハウジング106は、好ましくは、第1のバイアル瓶114(例えば、止血薬粉末を含有するバイアル瓶)を、送達デバイスハウジング106に接続するように適合される、第1のバイアル瓶コネクタ112を含む。
【0130】
一実施形態では、送達デバイスハウジング106は、好ましくは、第2のバイアル瓶118(例えば、生理食塩水等の液体を含有するバイアル瓶)を、デバイスハウジング106に接続するように適合されている、第2のバイアル瓶コネクタ116を含む。一実施形態では、粉末が組織上に分注され、液体が粉末上に噴霧されて粉末を活性化し、止血材料の封止層を形成する。
【0131】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス100は、好ましくは、送達デバイスハウジング106の近位端部108に接続された、粉末送達システム120を含む。一実施形態では、粉末送達システム120は、好ましくは、第1のバイアル瓶114からある投与量の粉末を引き出すように構成されており、その結果、ある投与量の粉末は、送達デバイスハウジング106の粉末チャンバ内に方向付けられる。粉末送達システム120は、粉末チャンバから粉末送達及び液体送達複合デバイス100の遠位端部104に、ある投与量の粉末を送達するために、起動されてもよい。
【0132】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス100は、好ましくは、送達デバイスハウジング106の近位端部108に接続された、液体送達システム122を含む。一実施形態では、液体送達システム122は、好ましくは、第2の第1のバイアル瓶118から、送達デバイスハウジング106の液体チャンバ内へと、ある投与量の液体を引き込み、粉末送達及び液体送達複合デバイス100の遠位端部104から、ある投与量の液体を送達するように、構成されている。
【0133】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス100の遠位端部104から送達される粉末は、好ましくは、組織又は創傷上に分注されて粉末層を形成し、液体は、分注された粉末層上に噴霧されて、粉末を、組織又は創傷を封止する止血層(例えば、封止ゲル)へと形質転換させる。
【0134】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス100は、好ましくは、粉末送達及び液体送達複合デバイス100の遠位端部104から粉末及び液体を送達するように構成されている、アプリケータ先端部124を含む。一実施形態では、アプリケータ先端部124は、好ましくは、アプリケータ先端部124の近位端部をアプリケータ先端部コネクタ128に接続するために利用される、アプリケータ先端部基部126を含み、アプリケータ先端部コネクタは、次に、送達デバイスハウジング106の遠位端部110に固定される。一実施形態では、アプリケータ先端部基部126は、好ましくは、アプリケータ先端部基部126をアプリケータ先端部コネクタ128に接続するための粉末コネクタ130と、アプリケータ先端部基部126をアプリケータ先端部コネクタ128に接続するための液体コネクタ132と、を含む。一実施形態では、アプリケータ先端部124、アプリケータ先端部基部126、粉末コネクタ130、及びアプリケータ先端部コネクタ128は、好ましくは、アプリケータ先端部124の遠位端部104に粉末を送達するように構成されている、そこを通って延在する粉末チャネル(図示せず)を有する。一実施形態では、アプリケータ先端部124、アプリケータ先端部基部126、液体コネクタ132、及びアプリケータ先端部コネクタ128は、好ましくは、液体を、アプリケータ先端部124の遠位端部104に送達するための、液体チャネル(図示せず)を画定する。
【0135】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス100は、好ましくは、粉末コネクタ130を、アプリケータ先端部コネクタ128と接続するように適合されている、第1の接続接管134を含む。一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス100は、好ましくは、液体コネクタ132を、アプリケータ先端部コネクタ128と接続するように適合されている、第2の接続接管136を含む。
【0136】
一実施形態では、アプリケータ先端部124の遠位端部104は、好ましくは、粉末送達開口部138(図1A及び図1D)を含むが、これは、粉末送達及び液体送達複合デバイス100の遠位端部104から、粉末(例えば、止血薬粉末)を送達するように、適合されている。一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス100は、好ましくは、送達デバイス100の遠位端部104から液体を噴霧するために、アプリケータ先端部124の遠位端部に接続された、液体噴霧キャップ140を含む。一実施形態では、液体噴霧キャップ140は、好ましくは、液体中に存在する水分が、粉末送達開口部138内へと引き込まれないように、粉末送達開口部138から下流に配置されているが、これは、粉末が、アプリケータ先端部124を通って遠位方向に移動する場合に、粉末チャネルを詰まらせ得る。
【0137】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス100は、好ましくは、周囲空気が送達デバイスハウジング106及び粉末送達システム120内へと引き込まれることを可能にするために、第1のバイアル瓶コネクタ112及び粉末送達システム120と連通している、単方向弁142を含む。本明細書でより詳細に記載されるように、粉末送達システム内へと引き込まれる周囲空気は、第1のバイアル瓶114からある投与量の粉末を引き込み、粉末送達及び液体送達複合デバイス100の遠位端部104からある投与量の粉末を送達するために、使用される。
【0138】
図2を参照すると、一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス100は、好ましくは、第1のバイアル瓶114を送達デバイスハウジング106に接続するように適合されている第1のバイアル瓶コネクタ112を有する、送達デバイスハウジング106を含み、その結果、第1のバイアル瓶114は、粉末送達システム120並びに粉末送達及び液体送達複合デバイス100の粉末チャンバ145と、流体連通している。
【0139】
一実施形態では、粉末送達システム120は、第1のバイアル瓶114から送達デバイスハウジング106の粉末チャンバ145内へと、ある投与量の粉末を引き込むための、真空を発生させ、次に、粉末送達及び液体送達複合デバイス100の遠位端部からある投与量の粉末を分注するための、高圧空気を発生させるように、動作させられてもよい。一実施形態では、粉末送達システム120は、好ましくは、第1のバイアル瓶コネクタ112の粉末供給チャネル144と連通している、粉末チャンバ145を含む。
【0140】
一実施形態では、粉末チャンバ145内へと引き込まれ得る粉末の投与量の規模は、粉末チャンバの直径及び/又は長さを調整及び/又は修正することによって、制御されてもよい。例えば、より大きな直径は、より多い投与量をもたらし、より小さな直径は、より少ない投与量をもたらす。
【0141】
一実施形態では、粉末送達システム120は、空気が近位方向及び遠位方向に通過することを可能にするが、好ましくは、粉末がフィルタを通過することを防止する、フィルタ146を含む。
【0142】
一実施形態では、粉末送達システム120は、好ましくは、単方向弁148の中央チャンバ154内で、近位方向及び遠位方向に自由に移動する、ボール150を含む、単方向弁148を含む。
【0143】
一実施形態では、粉末送達システム120は、好ましくは、空気が粉末チャンバ145を通って遠位方向に流れるように強制するために、遠位方向DIR1に圧縮され得る、ベローズ152を含む。一実施形態では、粉末送達システム120は、好ましくは、ベローズ152の内側に配置された内部ばね180(図7)を含むが、この内部ばねは、通常、ベローズを、図2に示される伸長位置へと付勢する。したがって、ベローズ152は、遠位方向DIR1に圧縮され、圧縮力が除去された後に、ベローズの内側に配置される内部ばね180は、ベローズを付勢して近位方向DIR2に移動させ、ベローズを、図2に示される伸長位置に戻す。
【0144】
一実施形態では、内部ばねがベローズ152を近位方向DIR2に伸長させた場合、周囲空気が、第1のバイアル瓶コネクタ112と連通している単方向弁142(図1A図1D)を通して、引き込まれる。膨張するベローズ152は、周囲空気を、粉末チャンバ145内へと引き込む真空を、発生させる。周囲空気は、フィルタ146を通って流れ、ベローズ152の内部容積を満たす。ベローズ152によって発生される真空は、第1のバイアル瓶114から、ある投与量の粉末を引き込む。真空下で、ある投与量の粉末は、好ましくは、第1のバイアル瓶114から粉末供給チャネル144を通って、粉末チャンバ145内へと流れる。フィルタ146は、好ましくは、ある投与量の粉末がベローズ152内へと引き込まれることを阻止する。ある投与量の粉末が、粉末チャンバ145内へと装填された後に、粉末を、単方向弁148並びに粉末送達及び液体送達複合デバイス100の遠位端部に向かって、遠位方向DIR1に強制的に流すために、ベローズ152を、遠位方向DIR1に圧縮してもよい。
【0145】
一実施形態では、単方向弁148は、好ましくは、粉末送達システム120のベローズ152によって発生される真空に応答して、近位方向DIR2に移動し、粉末送達システム120のベローズ152を圧縮することによって発生されるより高圧の空気に応答して、遠位方向DIR1に移動するように構成されている、ボール150を含む。
【0146】
図3を参照すると、一実施形態では、望ましくは、単方向弁148は、フィルタ146及び粉末チャンバ145の下流に配置される。一実施形態では、単方向弁148は、好ましくは、ボール150(図2)を収容するように適合されている、中央チャンバ154を含む。ボールは、単方向弁148の中央チャンバ154の長さに沿って、近位方向及び遠位方向に自由に移動する。
【0147】
一実施形態では、単方向弁148の中央チャンバ154は、好ましくは、ボールが、中央チャンバ154の長さに沿って近位方向及び遠位方向に移動し得るように、ボール150(図2)の外径超の、長さLを有する。
【0148】
一実施形態では、中央チャンバ154は、ボールの外側表面に係合して封止部を形成するように適合されている近位封止面162を有する、近位端部156を有する。
【0149】
一実施形態では、ベローズ152(図2)が圧縮構成から伸長構成に移動した際に、粉末チャンバ145内に、真空が発生する。真空は、ボールが、単方向弁148の近位封止面162に対して封止するように、中央チャンバ154内に配置されるボール150(図2)を、近位方向DIR2に引き込む。近位封止面162を封止することによって、ボール150は、水分が粉末チャンバ145内へと引き込まれることを防止するが、これは、粉末の早期活性化を防止する。
【0150】
図4を参照すると、単方向弁148は、好ましくは、単方向弁148の中央チャンバ154の遠位端部158に隣接する、ボール停止部165を含む。ボール停止部165は、好ましくは、中央チャンバ154の遠位端部158の近位に配置された、近位面を有する。ボール150(図2)が、正の空気圧によって、中央チャンバ154の遠位端部158に移動させられた場合、ボール停止部165は、ボールを遠位端部158から離して保持して、ボールの外側表面と単方向弁の中央チャンバの遠位端部との間に封止部が形成されることを、防止する。したがって、ボールがボール停止部165に係合した場合、遠位方向DIR1に流れる高圧空気及び粉末は、ボール停止部165の両側面側に配置される間隙166A、166Bを通って自由に流れ、その結果、粉末は、下流に流れて、粉末送達チャネル160に到達し得る。
【0151】
図5を参照すると、一実施形態では、ベローズが伸長して、粉末チャンバ145内に真空を発生させた場合、第1のバイアル瓶114(図2)内のある投与量の粉末が、第1のバイアル瓶コネクタ112の粉末供給チャネル144を通して引き込まれ、粉末チャンバ145を充填する。真空は、好ましくは、ボールの外側表面が、単方向弁148の中央チャンバ154の近位端部に配置される近位封止面162に対して着座するまで、ボール150を、近位方向DIR2に引き込む。ボール150の外側表面と近位封止面162との間に形成された封止部は、望ましくは、粉末分注チャネル160内に存在し得る任意の水分が、単方向弁148の近位端部156を越えて上流に移動することを防止するが、これは、粉末チャンバ145又は粉末供給チャネル144内にある任意の粉末の詰まり及び/又は凝集を、防止する。したがって、単方向弁148は、好ましくは、粉末がデバイスの遠位端部から分注される前に、(例えば、液体による)粉末の活性化に起因して生じるであろう、粉末送達及び液体送達システム100の詰まりを防止する。
【0152】
図6を参照すると、一実施形態では、ベロー152(図2)が遠位方向DIR1に圧縮された場合に、正の空気圧が、フィルタ146及び粉末チャンバ145を通って遠位方向DIR1に流れ、粉末チャンバ内のある投与量の粉末が、単方向弁148に到達するまで、遠位方向に流れるようにする。遠位方向に流れる空気は、ボールの外側表面が、ボール停止部165の近位面に当接するまで、ボール150を、遠位方向DIR1に移動させる。単方向弁148の中央チャンバ154の遠位端部158の近位側に位置するボール停止部の近位面は、ボール150の外側表面を、中央チャンバ154の遠位端部158から離間させて、遠位方向に流れる粉末及び空気が、ボール停止部165の両側面側に存在する間隙166A、166Bを、通過できるようにする。したがって、ボール150の外側表面は、粉末送達チャネル160を封止せず、その結果、粉末は、粉末送達チャネル160に到達するまで、ボール150及びボール停止部165を越えて、遠位方向に自由に流れる。粉末送達システムによって生成される高圧空気は、好ましくは、粉末が、粉末送達及び液体送達複合デバイス100(図1D)のアプリケータ先端部124の遠位端部104に配置される粉末送達開口部138から送達されるまで、粉末を、粉末送達チャネル160を通して、遠位方向に流動させる。
【0153】
図7を参照すると、一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス100は、好ましくは、液体(例えば、活性化流体、生理食塩水)を、送達デバイスハウジング106の液体チャンバ又は液体リザーバ内へと引き込み、送達デバイスのアプリケータ先端部の遠位端部において液体を分注するための、液体送達システム122を含む。一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス100は、好ましくは、第2のバイアル瓶118を、送達デバイスハウジング106に接続するように適合されている、第2のバイアル瓶コネクタ116(図1A)を含む。一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス100は、望ましくは、液体を、第2のバイアル瓶118から送達デバイスハウジング106の液体チャンバ内へと方向付けるように適合されている、液体供給チャネル172を有する、液体リザーバコネクタ170を含む。
【0154】
一実施形態では、液体送達システム122は、好ましくは、送達デバイスハウジング106の内側に配置されているシリンジバレル174と、シリンジバレルの内側に配置されているシリンジプランジャ176と、シリンジプランジャ176の遠位端部に固定されているシリンジピストン178と、を含む。一実施形態では、シリンジプランジャ176は、好ましくは、シリンジバレル174の遠位端部の開口部から液体を押し出すために、シリンジバレル174の内側表面に係合する。一実施形態では、液体送達システム122は、好ましくは、シリンジプランジャ176を付勢して、図7に示される伸長位置に戻す、シリンジプランジャばね180を含む。一実施形態では、シリンジバレル174内へと引き込まれる液体の体積(すなわち、投与量制御)は、シリンジプランジャ176が、シリンジプランジャばね180によって、どれだけ延在されるかに応じて、決まる。具体的には、シリンジプランジャばねによるシリンジプランジャの伸長が少ないほど、シリンジバレル内へと引き込まれる液体の体積が、比較的小さくなり、シリンジプランジャばねによるシリンジプランジャの伸長が多いほど、シリンジバレル内へと引き込まれる液体の体積が、比較的大きくなる。
【0155】
一実施形態では、液体送達システム122は、好ましくは、シリンジプランジャ176が近位方向DIR2に後退させられた場合に、第2のバイアル瓶118内に貯蔵された液体がシリンジバレル174内へと引き込まれることを可能にする、第1の単方向弁182を含む。液体送達システム122は、好ましくは、第1の単方向弁182の下流に位置する、第2の単方向弁184を含む。第2の単方向弁184は、望ましくは、シリンジバレル174からの液体が遠位方向DIR1に流れることを可能にするが、第2の単方向弁184は、液体が方向を逆転して近位方向DIR2に流れることを、防止する。一実施形態では、シリンジプランジャ176が後退させられた場合に、第2のバイアル瓶118内の液体は、シリンジバレル174を充填するために、液体供給チャネル172及び第1の単方向弁182を通過する。シリンジプランジャ176が遠位方向DIR1に押し下げられた場合に、シリンジバレル174内の液体は、シリンジバレル174の遠位端部の開口部を通り、第2の単方向弁184を通って流れるように強制され、その結果、液体は、液体送達チャネル168内へと遠位方向に流れ込み、その結果、粉末送達及び液体送達複合デバイス100の遠位端部に送達し得る。
【0156】
図8を参照すると、一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス100は、好ましくは、送達デバイス100の遠位端部104に、粉末及び液体を送達するように構成されている、アプリケータ先端部124を含む(図1A)。一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス100は、望ましくは、アプリケータ先端部124の近位端部を、送達デバイスハウジング106の遠位端部110と相互接続するように設計されている、アプリケータ先端部基部126を含む(図1A)。アプリケータ先端部基部126は、好ましくは、アプリケータ先端部コネクタ128の遠位端部に係合するように構成されている安定化バー186を含み、アプリケータ先端部124を安定させ、アプリケータ先端部が、その長手方向軸線の周りで、ねじれ及び/又は回転することを、防止する(図1C)。
【0157】
一実施形態では、安定化バー186は、アプリケータ先端部124の細長い管125の中心に対して、中心を外れて位置付けられ、アプリケータ先端部が、送達デバイスハウジングの遠位端部に対して、1つの配向のみで取り付けられ得ることを、確実にする。一実施形態では、安定化バー186は、望ましくは、第1の側面188と粉末コネクタ130の内側表面との間に第1の距離Dを画定する、第1の側面188を有する。安定化バー186は、好ましくは、第2の側面190と液体コネクタ132の内側表面との間の、第2の距離Dを画定する、第2の側面190を含む。一実施形態では、第2の距離Dは、第1の距離Dよりも長く、したがって、安定化バー186と粉末コネクタ130との間の間隔は、安定化バー186と液体コネクタ132との間の間隔よりも、短い。安定化バー186を中心からずらして配置することにより、アプリケータ先端部124の粉末送達チャネル160が、粉末送達システムと流体連通しているように、かつアプリケータ先端部124の液体送達チャネル168が、液体送達システムと流体連通しているように、アプリケータ先端部124を、粉末送達及び液体送達複合デバイスとただ1つの向きのみで、組み立てることが可能である。したがって、安定化バー186の構成は、アプリケータ先端部124とそれぞれの粉末送達システム及び液体送達システムとの誤った連結を防止する接続を行う、フェイルセイフ法(二重安全法、fail-safe method)を提供する。結果として、ユーザは、アプリケータ先端部内の粉末送達チャネルが、粉末送達システムと流体連通し、アプリケータ先端部内の液体送達チャネルが、液体送達システムと流体連通していることを、保証される。
【0158】
一実施形態では、アプリケータ先端部124の遠位端部は、好ましくは、粉末送達システムの粉末送達チャネル160(図5)と連通する、粉末送達開口部138を含む。アプリケータ先端部124の遠位端部はまた、好ましくは、粉末送達及び液体送達複合デバイス100の液体送達チャネル168の遠位端部104から、液体を噴霧するように適合されている、液体噴霧カップ140を含む。一実施形態では、噴霧カップ140は、液体中に存在するいずれかの水分が、粉末送達開口部138又は粉末送達チャネル160内へと進入し、粉末送達チャネル並びに/又は粉末送達及び液体送達複合デバイス100の粉末送達システムを詰まらせる可能性を防止するために、好ましくは、粉末送達開口部138の遠位に配置された液体噴霧開口部149を有する。
【0159】
図8及び図9を参照すると、一実施形態では、アプリケータ先端部124は、好ましくは、粉末送達チャネル160及び液体送達チャネル168を収容する、細長いチューブ125を含む。アプリケータ先端部124は、好ましくは、粉末送達チャネルと連結されるように適合されている粉末コネクタ130と、液体送達チャネル168と連結されるように適合されている液体コネクタ132と、を有する、アプリケータ先端部基部126を含む。アプリケータ先端部基部126は、好ましくは、近位方向に突出し、送達デバイスハウジング106の遠位端部に固定された場合に(図1A)、アプリケータ先端部124を安定化させるために、アプリケータ先端部コネクタ128の遠位端部に係合するように適合されている、安定化バー186を含む(図1C)。
【0160】
一実施形態では、アプリケータ先端部124は、好ましくは、粉末送達チャネル160と液体送達チャネル168との間に配置されている、可鍛性ワイヤ192を含む。可鍛性ワイヤ192は、好ましくは、アプリケータ先端部124の遠位端部が、組織又は創傷への止血薬粉末及び液体の送達を促進するために、ある角度に移動されることを、可能にする。外科医は、可鍛性ワイヤを屈曲させて、粉末及び液体を送達するための角度を、選択し得る。
【0161】
一実施形態では、アプリケータ先端部124は、好ましくは、細長いチューブ125の遠位端部上に固定された、二重管腔粉末及び液体コネクタ194を含む。二重管腔粉末及び液体コネクタ194は、好ましくは、粉末送達チャネル/管腔160内にある粉末を送達するための、粉末送達開口部138を含む。二重管腔粉末及び液体コネクタ194はまた、液体送達チャネル168の遠位端部と連通しており、アプリケータ先端部124の遠位端部から液体を噴霧するために利用される液体噴霧カップ140を着座させるように適合されている、開口部を有する。一実施形態では、二重管腔粉末コネクタ及び液体コネクタ194は、望ましくは、噴霧カップから分注された液体が、粉末送達開口部138内へと動かないように及び/又は移動しないように、粉末送達開口部138に対して遠位の位置に、噴霧カップ140を位置決めするが、これは、粉末送達チャネル160を詰まらせる可能性がある。
【0162】
図10A図10Dを参照すると、一実施形態では、液体カップ140は、好ましくは、近位端部196と、遠位端部198と、近位端部196から遠位端部198まで延在する円筒形状の外壁200と、を有する。一実施形態では、円筒形状の外壁200の近位端部は開いており、円筒形状の外壁200の遠位端部は、液体噴霧開口部149が形成された端壁202によって、閉じられている。図10B図10Dを参照すると、一実施形態では、端壁202は、液体が、液体噴霧カップ140の液体噴霧開口部149から分注される際に、液体を、例えば、時計回り方向Rに回転させて(図10C)、好ましくは、液体の微細ミストを生成し、この微細ミストが、粉末送達及び液体送達複合デバイスの遠位端部から噴霧されるように適合されている、その内部に旋回チャンバ206が形成された近位面204を有する。
【0163】
一実施形態では、液体噴霧カップ140の近位端部196における開口部は、好ましくは、アプリケータ先端部124の細長い管125を通過する液体送達管腔168と、流体連通している(図8)。
【0164】
一実施形態では、図10A図10Dに示され説明される液体噴霧カップ140は、好ましくは、米国特許出願公開第2021/0101162号(Trezza,IIら、Ethicon,Inc.(Somerville,New Jersey)に譲渡)に開示される構造的特徴のうちの1つ以上を組み込み、その開示が参照により本明細書に組み込まれる。
【0165】
本明細書に開示される粉末送達及び液体送達複合デバイスは、幅広い機能性を有し、多数の利点を提供し得る。
【0166】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合アプリケータデバイスは、粉末及び液体を、外科手術部位に、連続的に又は同時に、片手で適用し得る。一実施形態では、粉末が、手術部位に分注され、続いて、液体が、粉末上に分注されてもよい。一実施形態では、粉末及び液体は、手術部位で、同時に分注されてもよい。
【0167】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、粉末が制御された様式で均一に分注及び適用され得るように、粉末分注が投与量制御されるシステムを、提供してもよい。
【0168】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、液体が制御された様式で均一に分注及び適用され得るように、液体分注が投与量制御されるシステムを、提供してもよい。一実施形態では、噴霧先端部を利用して、粉末(例えば、先に適用された粉末層)上に、活性化液を噴霧してもよい。
【0169】
一実施形態では、液体を分注するために使用される噴霧先端部と、粉末を送達するために使用される粉末送達開口部とは、液体が、粉末送達開口部内へと移動すること及び/又は粉末送達開口部に接触することを防止するために、互いにずらされて配置されている。
【0170】
一実施形態では、単方向弁が粉末送達チャネル内に配置されて、湿った空気及び/又は液体が粉末チャンバ内へと吸い込まれることを防止し、それによって、詰まり及び/又は時期尚早な粉末活性化を防止する。
【0171】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、粉末及び活性化液体で予備充填されたバイアル瓶を含んでもよい及び/又は利用してもよい。例えば、第1のバイアル瓶に、粉末を予備充填してもよく、第2のバイアル瓶に、活性化液を予備充填してもよい。
【0172】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスは、好ましくは、粉末チャンバ又は粉末送達チャネル内への粉末の供給を補助するように設計される、1つ以上の粉末バイアル瓶を含む。一実施形態では、粉末バイアル瓶は、粉末分注開口部及び/又は粉末送達チャネル上に粉末を押すように構成されている、ばね/フィルタアセンブリを含んでもよい。
【0173】
一実施形態では、粉末バイアル瓶は、ある投与量の粉末が、粉末送達チャネル内へと分注及び/又は吸引されている場合に、空気が、粉末バイアル瓶内へと流れることを可能にするために、空気弁(例えば、粉末バイアル瓶の近位端部に位置する)を含んでもよい。
【0174】
図11を参照すると、一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイスの粉末送達システムで使用するための粉末バイアル瓶114’は、好ましくは、粉末バイアル瓶内に貯蔵された粉末が、バイアル瓶の開放端部から確実かつ効率的に引き出され得ることを確実にするように、設計されている。先行技術のバイアル瓶では、粉末バイアル瓶の開口部は、粉末バイアル瓶の長手方向軸線に直交して又は垂直に延在する棚部又はレッジ部によって、取り囲まれていてもよい。直交して延在する棚部又はレッジ部は、先行技術の粉末バイアル瓶の開口部端から出る粉末の流れを遮断する、障害物を提示し得る。従来技術のバイアル瓶において観察される上述の閉塞問題を回避するために、一実施形態では、粉末バイアル瓶114’は、好ましくは、漏斗として機能し、粉末が、粉末バイアル瓶の開放端部から出ることを妨げる可能性がある、粉末バイアル瓶114’内の任意のレッジ部又は棚部の存在を排除する、円錐形の内側表面117’(図12)を画定する、外壁115’を有する。
【0175】
図12を参照すると、一実施形態では、粉末バイアル瓶114’は、粉末送達及び液体送達複合デバイス100’の送達デバイスハウジング106’上の粉末バイアル瓶コネクタ112’と、連結されてもよい。粉末バイアル瓶114’の円錐形の内側表面117’は、望ましくは、粉末バイアル瓶114’の粉末チャンバ119’内の粉末が、粉末バイアル瓶コネクタ112’を通って送達デバイスハウジング106’に流入し、粉末送達及び液体送達複合デバイス100’の粉末送達システム120’を使用して分注され得ることを、確実にする。
【0176】
図13を参照すると、一実施形態では、好ましくは、デバイスの遠位端部から、粉末及び液体を送達するための、粉末送達及び液体送達複合デバイス200は、粉末バイアル瓶214及び液体バイアル瓶218の両方を、送達デバイスハウジング206に接続するように適合されている粉末コネクタ/液体コネクタ212を有する、送達デバイスハウジング206を含む。一実施形態では、粉末コネクタ/液体コネクタ212の上端部は、好ましくは、粉末(例えば、止血薬粉末)を含有する粉末バイアル瓶214を受容するように適合されている、第1の開口部と、液体(例えば、生理食塩水)を含有する液体バイアル瓶218を受容するように適合されている、第2の開口部と、を含む。
【0177】
図14を参照すると、一実施形態では、好ましくは、粉末バイアル瓶214は、粉末を受容するように適合されている、粉末リザーバ219を含む。粉末バイアル瓶214は、好ましくは、粉末が、粉末送達及び液体送達複合デバイス200の粉末チャンバ245内に移動することを防止及び/又は阻止し得る、垂直なレッジ部又は棚部を排除する、円錐形の内側表面217を有する。
【0178】
一実施形態では、粉末バイアル瓶214は、好ましくは、フィルタが、軸線Aに沿って、粉末バイアル瓶214及び粉末チャンバ245の下端に向かって移動する場合に、フィルタ246を支持するように適合されているフィルタホルダ247によって保持される、フィルタ246を含む。
【0179】
一実施形態では、粉末バイアル瓶214は、好ましくは、粉末リザーバ219から粉末チャンバ245内へと粉末を押し進めるために、フィルタホルダ247及びフィルタ246を、粉末バイアル瓶214の下側開放端部に向かって付勢する、ばね249を含む。
【0180】
一実施形態では、粉末リザーバ219は、粉末チャンバ245の容積が、実質的に粉末で充填され、実質的に自由空気空間がない又は最小の自由空気空間を有するように、維持される。その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第10,507,293号の発明者らは、このような構成が、押し出しサイクル全体を通して、すなわち、粉末送達及び液体送達複合デバイス200が粉末で完全に充填された時から、粉末リザーバ219が全ての残りの粉末を完全に実質的に空にした時まで、粉末押し出しのより良好な均一性をもたらすと共に、より良好な指向性押し出し均一性、すなわち、垂直に向けられていることに対して水平に向けられたアプリケータ先端部を有する粉末の押し出しの間の、最小差をもたらすことを、発見した。
【0181】
一実施形態では、ばね249は、フィルタホルダ247及びフィルタ246の圧縮可能な前進器として、機能する。一実施形態では、粉末送達システムが起動された場合に、空気の流れが、粉末送達及び液体送達複合デバイス200の遠位端部から、粉末を押し出す。同時に、フィルタホルダ247及びフィルタ246は、ばね249によって圧縮されるが、これは、次に、フィルタホルダ247及びフィルタ246に圧力を加え、それによって、フィルタホルダ247及びフィルタ246を、軸Aに沿って、粉末バイアル瓶214の下端に向かって移動させ、粉末が、粉末送達及び液体送達複合デバイス200から絞り出されるにつれて、粉末リザーバ219の容積を減少させる。
【0182】
したがって、粉末送達及び液体送達複合デバイス200からの粉末の各押し出し時に、フィルタホルダ247及びフィルタ246は、粉末バイアル瓶214の下端に向かって前進して、押し出された粉末によって解放される粉末リザーバ219内の空間を占有する。この動作の結果、粉末リザーバ219の容積は、粉末バイアル瓶214の粉末リザーバ219内に残っている粉末の体積に対応するように常に調整される。
【0183】
一実施形態では、粉末バイアル瓶214は、好ましくは、周囲空気が粉末バイアル瓶の長さを通って送達デバイスハウジング206内に引き込まれることを可能にする単方向弁257が組み込まれた、エンドキャップ255を含む。一実施形態では、粉末送達システムが、粉末チャンバ245内に真空を発生させた場合に、粉末バイアル瓶214内のある投与量の粉末が、粉末チャンバ245内へと引き込まれる。
【0184】
一実施形態では、粉末送達システムによって真空が発生された場合に、周囲空気が、単方向弁257を介して、粉末バイアル瓶214内へと引き込まれる。周囲空気は、フィルタホルダ247内の1つ以上の開口部を通過し、フィルタ246を通過する。空気は、好ましくは、粉末送達システムのベローズを満たす。粉末が、粉末バイアル瓶214の下端から供給された際に、ばね249は、粉末バイアル瓶214の粉末リザーバ219内に残っている粉末を、粉末リザーバ219の下端に向かって押すために、フィルタホルダ247及びフィルタ246を下方に(すなわち、粉末バイアル瓶の下側開口部端に向かって)押しやる。
【0185】
図15A及び図15Bを参照すると、一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス300のアプリケータ先端部324は、好ましくは、剛性シース部325Aの長手方向軸線Aに対して選択された角度で、粉末及び液体を送達するために、アプリケータ先端部の遠位端部304が角度を付けられることを可能にする、剛性シース部325A及び可撓性シース部325Bを有する、細長い管325を含む。
【0186】
図15Bを参照すると、一実施形態では、粉末送達チャネル360は、粉末送達及び液体送達複合デバイス300の遠位端部304に粉末を送達するために、剛性シース部分325A及び可撓性シース部分325Bの両方を通過し、その結果、粉末は、アプリケータ先端部324の遠位端部に位置する粉末送達開口部338を通して、送達されてもよい。液体送達チャネル368はまた、望ましくは、粉末送達及び液体送達複合デバイス300の遠位端部304に液体を送達するために、アプリケータ先端部の剛性シース部分325A及び可撓性シース部分325Bを、通過する。一実施形態では、液体は、液体噴霧カップ340内に形成された液体噴霧開口部349を介して、微細ミストとして噴霧されてもよい。一実施形態では、液体は、粉末送達開口部338の遠位にある位置で、分注される。
【0187】
図16を参照すると、一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス400のアプリケータ先端部424の近位端部は、好ましくは、第1の外径ODを画定する外側表面を有する、粉末コネクタ430と、第1の外径ODよりも小さい第2の外径ODを画定する外側表面を有する、液体コネクタ432と、を含む。それぞれの粉末コネクタ430及び液体コネクタ432の異なる外径は、アプリケータ先端部424内の粉末送達チャネル460が、粉末送達及び液体送達複合デバイス400の粉末送達システムと適切に位置合わせされ、アプリケータ先端部424内の液体送達チャネル468が、粉末送達及び液体送達複合デバイス400の液体送達システムと適切に位置合わせされるように、アプリケータ先端部424が、送達デバイスに、単一の配向のみで接続され得ることを確実にするための、フェイルセイフ手段を提供する。一実施形態では、接続接管434が、粉末コネクタ430及び液体コネクタ432を、アプリケータ先端部コネクタ428に固定するために、使用されてもよい。接続接管434は、確実な接続を行うためのねじ山を、有してもよい。
【0188】
一実施形態では、アプリケータ先端部内の粉末送達チャネルが、粉末送達及び液体送達複合デバイスの粉末送達システムと適切に位置合わせされるように、かつ液体送達チャネルが、粉末送達及び液体送達複合デバイスの液体送達システムと適切に位置合わせされるように、アプリケータ先端部が単配向でしか接続され得ないことを確実にするフェイルセイフ手段を提供するために、粉末コネクタの外径は、液体コネクタの外径より小さくてもよい。
【0189】
図17を参照すると、一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス500のアプリケータ先端部524は、好ましくは、液体噴霧カップ540及び粉末送達開口部538が、アプリケータ先端部524の近位部分の長手方向軸線Aに対して角度を付けられることを、好ましくは可能にする、可撓性コネクタ525を含む。一実施形態では、粉末送達チャネル560は、好ましくは、粉末送達及び液体送達複合デバイス500の遠位端部504にある粉末送達開口部538を介して、粉末を送達するために、アプリケータ先端部524の長さを通過する。一実施形態では、液体送達チャネル568は、好ましくは、粉末送達及び液体送達複合デバイス500の遠位端部504に配置された液体噴霧カップ540に、液体を送達するために、アプリケータ先端部524の長さを通して延在する。
【0190】
図18A図18Cを参照すると、一実施形態では、粉末及び液体を手術部位に送達するための粉末送達及び液体送達複合デバイス600は、好ましくは、近位端部602及び遠位端部604を有する。一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス600は、好ましくは、粉末を受容するように適合されている粉末ハウジング606Aと、液体を受容するように適合されている液体ハウジング606Bと、を含む。一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス600は、望ましくは、粉末送達及び液体送達複合デバイス600の遠位端部604から、粉末(例えば、ある投与量の止血薬粉末)を送達するように適合されている、粉末送達システム620と、粉末送達及び液体送達複合デバイス600の遠位端部604から、液体(例えば、生理食塩水の噴霧)を送達するように適合されている、液体送達システム622と、を含む。
【0191】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス600は、好ましくは、粉末ハウジング606A及び粉末送達システム622と流体連通している、粉末送達チャネル(例えば、粉末管腔)と、液体ハウジング606B及び液体送達システム620と流体連通している、液体送達チャネル(例えば、液体管腔)と、を含む、アプリケータ先端部624を含む。一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス600は、望ましくは、それぞれの粉末及び液体送達チャネルの部分を含む、粉末コネクタ630及び液体コネクタ632を有する、アプリケータ先端部基部626を含む。
【0192】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス600は、好ましくは、粉末ハウジング606A及び液体ハウジング606Bを相互接続し支持する、送達デバイスフレーム615を含む。一実施形態では、アプリケータ先端部基部626は、好ましくは、アプリケータ先端部624を安定させて、アプリケータ先端部624が、その長手方向軸線の周りでねじれる及び/又は回転することを防止するために、送達デバイスフレーム615の遠位端部に連結された、安定化バー686を含む。
【0193】
一実施形態では、第1の接続接管634は、アプリケータ先端部624の粉末コネクタ630を、粉末ハウジング606Aの遠位端部に固定し、第2の接続接管636は、アプリケータ先端部624の液体コネクタ632を、液体ハウジング606Bの遠位端部に固定する。
【0194】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス600は、好ましくは、粉末送達システム620が、粉末ハウジング606A内に真空を発生させるように動作される場合に、周囲空気が粉末ハウジング606A内へと引き込まれることを可能にするために、粉末ハウジング606Aと連通する、第1の単方向弁642を含む。
【0195】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス600は、好ましくは、液体送達システム622のシリンジプランジャ676が遠位方向DIR2に後退させられた場合に、周囲空気が液体ハウジング606B内へと引き込まれることを可能にする、第2の単方向弁659を含む。
【0196】
図19を参照すると、一実施形態では、粉末ハウジング606Aは、粉末送達システム620を受容するように、適合されている。粉末送達システム620は、好ましくは、ベローズ652と、ベローズ652を図19に示される伸長位置に通常付勢する内部ばね655と、フィルタホルダ647と、フィルタホルダに固定されるフィルタ646と、を含む。粉末ハウジング606Aは、好ましくは、粉末を収容する粉末チャンバ645を含む。一実施形態では、ベローズは、粉末が、粉末チャンバ645内に配置され得るように、粉末ハウジング606Aから取り外されてもよい(例えば、螺合解除されてもよい)。
【0197】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス600は、好ましくは、粉末ハウジング606A及び液体ハウジング606Bを支持する、デバイスフレーム615を含む。一実施形態では、粉末送達システム620は、粉末ハウジング606Aと組み立てられており、液体送達システム622は、液体ハウジング606Bと組み立てられている。一実施形態では、粉末送達システム620は、粉末送達及び液体送達複合デバイス600の遠位端部から粉末を分注するために起動され、液体送達システム622は、粉末送達及び液体送達複合デバイス600の遠位端部から液体を分注するために起動される。
【0198】
一実施形態では、粉末ハウジング606Aは、好ましくは、粉末送達システム620を使用して粉末送達及び液体送達複合デバイス600の遠位端部から送達され得る粉末を受容するように適合されている、粉末チャンバ645を含む。一実施形態では、粉末チャンバ645は、粉末送達及び液体送達複合デバイス600の粉末送達チャネル660と、流体連通している。粉末送達チャネル660は、望ましくは、アプリケータ先端部624の遠位端部604まで延在する(図18A)。
【0199】
一実施形態では、ベローズ652を含む粉末送達システム620は、粉末が、粉末チャンバ645内へと挿入及び/又は充填され得るように、粉末ハウジング606Aの近位端部から取り外されてもよい。粉末が粉末チャンバ645内に充填されると、粉末送達システム620は、粉末ハウジング606Aの近位端部に、再び取り付けられてもよい。一実施形態では、粉末送達システム620は、好ましくは、粉末ハウジング606Aの近位端部に解放可能に固定され得る、エンドキャップ685を含む。一実施形態では、粉末送達システム620は、好ましくは、フィルタ646と、フィルタが粉末ハウジング606A内で遠位方向(DIR1)に移動する場合に、フィルタ646を支持する、フィルタホルダ647と、を含む。
【0200】
一実施形態では、粉末送達システム620は、好ましくは、ベローズ652と、ベローズ652を付勢して、図19及び図20に示される伸長位置に戻す、内部ベローズばね655と、を含む。
【0201】
図19図21、及び図22を参照すると、一実施形態では、粉末ハウジング606Aは、好ましくは、粉末ハウジング606Aの遠位端部にある遠位開口部に隣接して配置された、圧密防止壁601を含む。圧密防止壁601は、好ましくは、壁601の両側に配置された間隙649A、649B(図24)を画定し、これによって、粉末チャンバ645内の粉末が圧密防止壁601の周りを通過して、単方向弁648の下流に配置された粉末送達チャネル660内へと入ることが、可能になる。圧密防止壁601は、好ましくは、粉末チャンバ645内の粉末が、粉末ハウジング606Aの遠位端部の開口部内へと充填され、開口部を塞ぎ、アプリケータ先端部624の遠位端部からの粉末の更なる送達を防止し得ることを、防止する。
【0202】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス600は、好ましくは、粉末ハウジング606Aの遠位開口部と、アプリケータ先端部基部626の粉末コネクタ630内に延在する粉末送達チャネル660の区分と、の間に配置された、単方向弁648を含む。一実施形態では、単方向弁648は、好ましくは、単方向弁648の中央チャンバ内で、近位方向及び遠位方向に自由に移動する、ボール650を含む。一実施形態では、単方向弁は、図2図6に示され上述された単方向弁と同様の方法で、動作してもよい。
【0203】
図19を参照すると、一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス600は、好ましくは、アプリケータ先端部624の遠位端部から液体を送達するために利用され得る、液体送達システム622を含む。一実施形態では、液体送達システム622は、好ましくは、液体ハウジング606Bの内側に配置されている、シリンジバレル674を含む。液体送達システム622は、好ましくは、シリンジバレル674内に配置されたシリンジプランジャ676と、シリンジプランジャ676の遠位端部に固定されたピストン678と、を含む。
【0204】
一実施形態では、シリンジバレル674は、好ましくは、液体(例えば、粉末活性化流体)を受容するように適合されている、液体チャンバ675を取り囲む。
【0205】
一実施形態では、液体送達システム622は、好ましくは、図19及び図20に示される伸長位置に戻るようにシリンジプランジャを付勢するように構成されている、シリンジプランジャばね680を含む。
【0206】
一実施形態では、液体送達システム622は、好ましくは、シリンジバレル674の液体チャンバ675内へと液体を引き込み、次に、シリンジバレルの遠位端部における開口部から液体を押し出すように適合されており、その結果、液体は、液体送達チャネル668を通って下流に流れ、アプリケータ先端部624の遠位端部から送達される。粉末送達及び液体送達複合デバイス600は、好ましくは、シリンジプランジャ676が近位方向DIR2に後退させられた場合に、液体が、シリンジバレル674の液体チャンバ675内へと引き込まれることを可能にする、第1の単方向弁682を含む。シリンジプランジャ676及びピストン678が近位方向DIR2に後退した際に、シリンジバレル674の液体チャンバ675内に真空が発生し、第1の単方向弁682を通して、液体を、液体チャンバ675内へと引き込む。
【0207】
一実施形態では、シリンジプランジャ676が遠位方向DIR1に押し下げられた際に、シリンジバレル674の液体チャンバ675内の液体は、遠位方向DIR1に強制的に流されて、第2の単方向弁684を通過し、粉末送達及び液体送達複合デバイス600の液体送達チャネル668に入る。液体は、好ましくは、アプリケータ先端部624のアプリケータ先端部基部626の液体コネクタ632を通って、移動する。
【0208】
図20を参照すると、一実施形態では、粉末送達システム620は、粉末送達及び液体送達複合デバイス600の粉末ハウジング606Aの近位端部における開口部から、取り外され、取り除かれてもよい。粉末送達システム620は、好ましくは、粉末送達システム620を、粉末ハウジング606Aの近位端部に固定するために利用され得る、エンドキャップ685を含む。一実施形態では、粉末送達システム620は、好ましくは、ベローズ652と、フィルタ646と、フィルタホルダ647と、粉末送達システム620を粉末ハウジング606A内に固定するために、粉末ハウジング606A内の雌ねじと係合するように適合されている、雄ねじ651と、を含む。
【0209】
一実施形態では、粉末送達システム620は、粉末が、粉末ハウジング606Aの粉末チャンバ645(図19)内に配置され得るように(例えば、充填される)、粉末送達システム620を、粉末ハウジング606Aから取り除いてもよい。一実施形態では、粉末が、粉末ハウジング606Aの粉末チャンバ内に配置された後、粉末送達システム620は、粉末ハウジング606A内へと再挿入され、ねじ山651を使用することなどによって、粉末ハウジングに固定されてもよい。
【0210】
図21を参照すると、一実施形態では、ベローズばね655がベローズ652を伸長位置に伸長させた際に、ベローズ652の内部を充填するために、空気が、第1の吸気口642及び単方向弁643を通して、引き込まれる。単方向弁643を通って流れる空気は、好ましくは、ねじれた経路651(図22)を通り、粉末圧密防止壁601(図24)の外周と、粉末ハウジング606Aの内側表面と、の間の、間隙649A、649B(図19)の周りを通り、ベローズ652の内部を充填するために、フィルタ646を通って、一般的に、遠位方向に移動する。
【0211】
一実施形態では、空気がベローズ652内に引き込まれた際に、粉末ハウジング606Aの粉末チャンバ645内に、真空が発生する。真空は、単方向弁648のボール650を引き込み、ボールが、単方向弁648の近位封止面662に着座して、粉末送達チャネル660内の水分が粉末チャンバ645に到達することを、防止する。単方向弁648はまた、好ましくは、水分が、ねじれた経路651又は粉末チャンバ645に進入することを防止するが、これは、粉末送達及び液体送達複合デバイス600を詰まらせ得る。
【0212】
一実施形態では、ベローズ652が遠位方向DIR1に圧縮された場合に、フィルタホルダ647及びフィルタ646は、粉末チャンバ645内の粉末を、粉末ハウジング606Aの遠位端部に向かって押すために、遠位方向に移動する。圧縮されたベローズ652によって発生される高圧空気は、好ましくは、フィルタ646を通って遠位方向に流れ、粉末圧密防止壁601を取り囲む隙間649A、649B(図19)の周りに、粉末を、強制的に流す。遠位方向に流れる空気及び粉末は、ねじれた経路651を通り、単方向弁648のボール650の周りを流れ、粉末送達及び液体送達複合デバイス600のアプリケータ先端部624の遠位端部から送達されるために(図19)、粉末送達チャネル660内に流れる。
【0213】
高圧空気が、単方向弁648を通って遠位方向(DIR1)に流れる際に、高圧空気は、ボール650を、ボール停止部665(図22)に押し付け、それによって、空気及び粉末が、ボール650の周りを流れることが可能になり、粉末が、粉末送達チャネル660内に流れることが可能になる。
【0214】
図21図22図23A、及び図23Bを参照すると、一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス600の粉末送達システム620は、好ましくは、近位端部及び遠位端部を有する、粉末ハウジング606A(図21)を含む。粉末送達システム620は、好ましくは、粉末ハウジング606Aの近位端部上に取り付けられた、圧縮可能なベローズ652などの、手動空気ポンプを含む。粉末ハウジングは、好ましくは、その近位端部に、ハンド把持部605(図21)を有する。粉末送達システム620は、好ましくは、粉末ハウジング606A内に位置付けられたフィルタホルダ647(図21)と、フィルタホルダ647上に取り付けられたフィルタ646と、を含む。フィルタホルダ647及びフィルタ646は、粉末ハウジング606A内に摺動可能に取り付けられ、粉末ハウジング606Aの遠位端部に向かって一緒に前進するように、構成されている。粉末ハウジング606Aの遠位端部は、好ましくは、粉末出口開口部691(図25A図25C)を有する。粉末出口開口部691(図21及び図22)の近位には、粉末圧密防止壁601(図21及び図22)が取り付けられている。ねじれた経路651(図21及び図22)は、好ましくは、粉末圧密防止壁601の遠位側と、粉末出口開口部691と、の間に、延在する。
【0215】
一実施形態では、フィルタホルダ647は、好ましくは、フィルタホルダ647から粉末ハウジング606Aの近位端部に向かって近位方向に延在する、プランジャステム653を有する。ベローズばね655は、プランジャステム653上に位置付けられている。ベローズばね655は、好ましくは、ベローズ652とフィルタホルダ647との間に配置され、部分的にベローズ652の内側にあり、より具体的には、ベローズ652の上部自由端部とフィルタホルダ647との間にある。
【0216】
一実施形態では、フィルタホルダ647及びフィルタ646は、粉末ハウジング606A内で、同軸に、かつ摺動可能に、移動可能である。一実施形態では、フィルタホルダ647は、好ましくは、空気又はガスが、フィルタホルダ647を通って流れるための経路を提供する、それを通して延在する、1つ以上の開口部657(図23A及び図23B)を有する。
【0217】
一実施形態では、フィルタ646(例えば、微孔性フィルタ)は、粉末ハウジング606A内にぴったりと摺動可能に嵌合し、フィルタホルダ647と共に移動する。フィルタ646と粉末ハウジングの粉末出口開口部691との間に配置された、粉末ハウジング606Aの部分は、粉末チャンバ645を画定するが、これは、粉末(図示せず)で充填されてもよい。一実施形態では、粉末チャンバ645の容積は、好ましくは、フィルタホルダ647及びフィルタ646が、粉末ハウジング606Aの遠位端部に向かって前進するにつれて、減少する。
【0218】
一実施形態では、粉末ハウジング606は、好ましくは、粉末チャンバ645から出る粉末及び空気のための、ねじれた経路651(図21及び図22)を含む。一実施形態では、ねじれた経路651は、いくつかの屈曲部を有し、粉末チャンバ645内に位置するオリフィスから始まる、チャネルである。ねじれた経路651は、空気及び粉末が、粉末送達及び液体送達複合デバイス600内で前進する方向の転換をもたらし、特に、一般的に、近位方向から遠位方向への移動、すなわち、粉末チャンバ645から粉末出口開口部691(図25A図25C)への移動から、横方向(すなわち、粉末ハウジングの長手方向軸線に垂直)又は反対方向(すなわち、粉末ハウジングの遠位端部から近位端部に向かって後方)などの、別の方向への、短い距離の移動への転換をもたらす。空気及び粉末が、粉末ハウジング606A、粉末チャンバ645、及びねじれた経路651を通って前進する方向の変化は、矢印(図22)によって概略的に示されているが、これは、空気及び粉末が、粉末ハウジング606Aの近位端部から遠位端部に向かって前進することを示しており、ねじれた経路651を通って前進する場合の、方向の短い断続的な変化を伴う。
【0219】
一実施形態では、ねじれた経路651は、好ましくは、空気流が存在しない場合に、粉末チャンバ645内の粉末(図示せず)が、粉末送達チャネル660を介して粉末送達及び液体送達複合デバイス600から出ることを防止する(例えば、粉末送達及び液体送達複合デバイス600を下に向けた場合に、特に、粉末送達及び液体送達複合デバイスが、揺動又は振動又は任意の可変加速運動を受ける場合に、粉末の損失を防止する)。ねじれた経路651は、粉末チャンバ645からの、少量の粉末の意図しない押し出しを防止する一方で、空気流によって駆動された場合の粉末の押し出しを、可能にする。
【0220】
図21及び図22を参照すると、一実施形態では、粉末チャンバ645からの噴流粉末を伴う空気の流れが、矢印によって、概略的に示されている。ベローズ652は、フィルタホルダ647、フィルタ646、及びねじれた経路651内の1つ以上の開口部657(図23A及び図23B)を通して、出口開口部691と流体連通している。一実施形態では、ベローズ652が圧縮された際に、空気が、ベローズ652から、フィルタホルダ647の1つ以上の開口部657(図23A及び図23B)を介して、フィルタ646を通って、粉末チャンバ645内へと移動する。粉末チャンバ645から、矢印(図22)によって概略的に示されるように、粉末及び空気流は、ねじれた経路651に進入し、次に、ねじれた経路651から、粉末ハウジング606Aの粉末出口開口部691内へと移動する。
【0221】
一実施形態では、ベローズ652の自由端部に圧力を加えた際に、ベローズ652が圧縮し、それによって、ベローズ内に正の空気圧が発生する。空気は、フィルタホルダ647の1つ以上の開口部657(図23A及び図23B)を通って遠位方向に流れ、フィルタ646を通って粉末チャンバ645内へと流れる。粉末チャンバ645から、粉末及び空気流は、単方向弁648及び粉末送達チャネル660(図22)を介して、デバイスから押し出される。
【0222】
一実施形態では、ベローズ652上の圧力が解放された際に、ベローズばね655は、ベローを非圧縮状態に戻し、ベローズ652の内側に真空を発生させる。空気又はガスは、ベローズ652に引き込まれ、空気は、単方向弁643(図22)を介して、粉末ハウジング606Aに進入する。真空下で、空気は、ベローズ652の内部を充填するために、ねじれた経路651を通り、粉末圧密防止壁601の周りを通り、粉末チャンバ645を通り、フィルタ646を通り、フィルタホルダ657の1つ以上の開口部657(図23A)を通って、近位方向に流れる。フィルタ646は、粉末がベローズに到達することを防止し、それによって、ベローズ652は、押し出し全体を通して、実質的に粉末を含まない。
【0223】
一実施形態では、粉末チャンバ645は、粉末チャンバ645の容積が、実質的に粉末で充填され、実質的に自由空気空間がない又は最小の自由空気空間を有するように、維持される。その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第10,507,293号の発明者らは、このような構成が、押し出しサイクル全体を通して、すなわち、粉末送達及び液体送達複合デバイス600が粉末で完全に充填された時から、粉末チャンバ645が全ての残りの粉末を完全に空にした時まで、粉末押し出しのより良好な均一性をもたらすと共に、より良好な指向性押し出し均一性、すなわち、垂直に向けられていることに対して水平に向けられたアプリケータ先端部を有する粉末の押し出しの間の、最小差をもたらすことを、発見した。
【0224】
一実施形態では、ベローばね655は、フィルタホルダ647(図21)及びフィルタ646の圧縮可能な前進器として、機能する。ベローズ652が押し下げられた場合に、ベローズは、粉末送達及び液体送達複合デバイス600の遠位端部から粉末を押し出すための、正の空気圧の流れを発生させる。同時に、ベローズ652の上端部又は自由端部は、ベローズばね655を圧縮しており、これは、次に、フィルタホルダ647及びフィルタ646に圧力を加え、それによって、フィルタホルダ647及びフィルタ646を遠位方向DIR1に移動させて、粉末が、粉末送達及び液体送達複合デバイス600から押し出されるにつれて、粉末チャンバ645の容積を減少させる。
【0225】
一実施形態では、粉末チャンバ645からの空気流及び粉末押し出しを発生させるベローズ652の各押下げ又は圧縮中に、フィルタホルダ647及びフィルタ646は、ベローズ652の圧縮時に押下げられるベローズばね655によって、粉末ハウジング606Aの遠位端部に向かって、同時に駆動される。
【0226】
したがって、粉末送達及び液体送達複合デバイス600からの粉末の各押し出しの際に、フィルタホルダ647及びフィルタ646は、押し出された粉末によって解放される粉末チャンバ645内の空間を占有するように、遠位方向に前進する。この動作の結果、粉末チャンバ645の容積は、粉末チャンバ645内に残っている粉末の体積に対応するように、常に調整される。
【0227】
一実施形態では、もはや圧縮されていないようにベローズ652を解放した際に、フィルタホルダ647及び取り付けられたフィルタ646を引き込むことなく、バネが近位方向DIR2(図21)に自由に伸長するように、バネ655に対する圧縮が解放される。一実施形態では、ばね655は、ベローズ652に取り付けられておらず、その結果、ばね655は、ベローズ652上の圧力が解放されてベローズが伸長された非圧縮状態へと伸長した場合に、近位方向に引き込まれない。
【0228】
一実施形態では、フィルタホルダ647及びフィルタ646は、粉末ハウジング606Aの内側にぴったりと摺動可能に嵌合するように、構成されている。各サイクルの後、プランジャ653及びフィルタ646は、粉末押し出しの最後のサイクル中に、最も前進した位置に留まる。ベローズ652上の圧力が除去され、ベローズが空気をベローズ内に引き込むために伸長した場合に、フィルタホルダ647及びフィルタ646は、近位方向DIR2に移動せず、代わりに、前の粉末押し出しサイクル中に達成された粉末ハウジング606Aの遠位端部に最も近い位置を、維持する。粉末ハウジング606Aの内側表面に対する、フィルタホルダ647及びフィルタ646の摩擦係合は、好ましくは、フィルタホルダ647及びフィルタ646の後方方向、すなわち、近位方向DIR2への容易な移動を、防止する。
【0229】
ベローズ652の押し下げは、粉末送達及び液体送達複合デバイス600内のガス圧力と、ばね655上の圧力との同時発生をもたらすが、これは、順に、フィルタ646を伴うフィルタホルダ647を、粉末チャンバ645内で遠位方向(DIR1)に前進させ、粉末チャンバ645から押し出された粉末によって解放された任意の空間を占有する。
【0230】
一実施形態では、粉末の任意の押し出しの前に、ばね655は、粉末チャンバ645内の粉末に圧力を発生させないか、ほとんど発生させない。粉末チャンバ645内の粉末には、ばね655からの一定圧力が全くないか、ほとんどないために、粉末の潜在的な凝集及び固化が防止される。
【0231】
一実施形態では、ばね655は、プランジャステム653上に位置付けられている。ばね655は、好ましくは、ベローズ652の上端部又は自由端部と、フィルタホルダ647の近位側、との間に、配置されている。一実施形態では、ばね655の近位端部は、ベローズ652の上端部又は自由端部に接触する。一実施形態では、ばねの近位端部は、ベローズ652の上部から、ある距離(例えば、約0~20mm)に、位置付けられてもよい。
【0232】
図21及び図22は、1回又は複数回の粉末押し出し後の、ばね655、フィルタホルダ647、フィルタ646、及び粉末チャンバ645の、位置を示す。粉末チャンバ645から粉末を押し出した際に、粉末チャンバ645の容積が減少し、フィルタホルダ647及びフィルタ646が、粉末ハウジング606A内で遠位方向に前進し、粉末チャンバ645内の自由空間を占める。一実施形態では、ばね655の近位端部は、ベローズ652の上端部又は自由端部からある距離に位置付けられてもよく、距離は、各粉末押し出し後に増加する。
【0233】
図26を参照すると、一実施形態では、シリンジプランジャ676及び液体送達デバイスのピストン678が、近位方向DIR2に後退させられた場合に、シリンジバレル674の液体チャンバ675内に、真空が発生する。液体チャンバ675内の真空は、第1の単方向弁682を通して、液体を引き込む。第1の単方向弁682を通過した後、液体は、シリンジバレル674の液体チャンバ675を満たす。一実施形態では、シリンジプランジャ676が遠位方向DIR1に押し下げられた場合に、液体送達システム622のピストン678(図19)は、シリンジバレル674の遠位端部の開口部から、液体を押し出す。遠位方向DIR1に流れる液体は、好ましくは、液体送達チャネル668に進入するために、第2の単方向弁684を通過する。遠位方向に流れる液体は、好ましくは、アプリケータ先端部624のアプリケータ先端部基部626(図19)の液体コネクタ632を通過して、粉末送達及び液体送達複合デバイス600の遠位端部に送達される。
【0234】
図27A及び図27Bを参照すると、一実施形態では、その遠位端部から粉末及び液体を送達するための、粉末送達及び液体送達複合デバイス700は、好ましくは、近位端部702及び遠位端部704を有する。一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス700は、好ましくは、ハンドル725を有する送達デバイスハウジング706と、液体送達システム722を動作させるためにハウジング706と枢動可能に接続されるトリガ723と、を含む。
【0235】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス700は、望ましくは、送達デバイスハウジング706に連結されて粉末を供給するように構成されている、第1のバイアル瓶714(例えば、粉末バイアル瓶、止血薬粉末バイアル瓶)と、ハンドル725の下端部に連結されて液体を供給するように構成されている、液体タンク718と、を含む。
【0236】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス700は、好ましくは、接続接管734を介して、デバイスハウジング706の遠位端部に連結されている、アプリケータ先端部724を含む。アプリケータ先端部724は、好ましくは、粉末送達及び液体送達複合デバイス700の遠位端部704から、粉末及び液体を送達するように、適合されている。一実施形態では、アプリケータ先端部724は、好ましくは、粉末送達及び液体送達複合デバイス700の、粉末送達チャネル760と液体送達チャネル768とを、一緒に接合する、二重管腔粉末及び液体コネクタ794を含む。一実施形態では、アプリケータ先端部724は、粉末送達及び液体送達複合デバイスの遠位端部から、粉末を送達するための、粉末送達開口部738を含む。アプリケータ先端部724はまた、好ましくは、粉末送達及び液体送達複合デバイスの遠位端部から、液体を送達するための、液体噴霧カップ740を含む。
【0237】
一実施形態では、アプリケータ先端部724は、好ましくは、二重管腔粉末及び液体コネクタ794並びに/又はアプリケータ先端部724の遠位端部が、軸Aに沿って延在するアプリケータ先端部の近位部分に対して、角度を付けられることを可能にする、可撓性部分725を含む(図27A)。一実施形態では、好ましくは、粉末送達及び液体送達複合デバイス700は、デバイスハウジング706内へと粉末を引き込み、粉末送達及び液体送達複合デバイスの遠位端部704から粉末を分注するように構成されている、粉末送達システム720を含む。一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス700は、好ましくは、液体タンク718から液体を引き込み、粉末送達及び液体送達複合デバイスの遠位端部704から液体を分注するように適合されている、液体送達システム722を含む。
【0238】
図27Bを参照すると、一実施形態では、ベローズ752が、DIR1と指定された遠位方向に伸長する場合に、ある投与量の粉末が、粉末バイアル瓶714から粉末送達チャネル760の粉末チャンバ745内へと引き込まれる。ベローズ752が近位方向DIR2に圧縮された場合に、粉末送達チャネル760の粉末チャンバ745内にある粉末の投与量は、アプリケータ先端部724の遠位端部704における粉末送達開口部738から送達されるように、粉末送達チャネル760を通して、遠位方向に移動させられる。
【0239】
一実施形態では、液体送達システム722のトリガ723の下端部が、遠位方向DIR1に移動した場合に、液体タンク718に貯蔵された液体が、デバイスハウジング706の液体送達チャネル768内へと引き込まれる。トリガ723が、ハンドル725に向かって近位方向DIR2に圧縮された場合に、液体送達チャネル768内の液体は、アプリケータ先端部724の遠位端部704に配置された液体噴霧カップ740から噴霧されるように、アプリケータ先端部724を通って、下流に移動させられる。
【0240】
図28を参照すると、一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス700は、好ましくは、最初に、粉末バイアル瓶714の粉末区画742から、粉末チャンバ745内へと粉末を引き込み、次に、粉末送達チャネル760を介して、アプリケータ先端部724の遠位端部から粉末を分注するための、粉末送達システム720を含む。一実施形態では、デバイスハウジング706は、粉末バイアル瓶714の粉末チャンバ742内に粉末を収容する粉末バイアル瓶714の開放端部と嵌合するように適合されている、粉末バイアル瓶コネクタ712を含む。粉末コネクタ712は、好ましくは、粉末バイアル瓶714の粉末区画742と粉末チャンバ745との間の経路を提供する、粉末入口ポート715を含む。
【0241】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス700の粉末送達システム720は、好ましくは、ベローズ752と粉末チャンバ745との間に位置する、フィルタ746を含む。フィルタ746は、空気を通過させることが好ましいが、フィルタ746は、空気がベローズ752に出入りする際に、粉末がそれを通過してベローズ752内へと進入することを、防止する。
【0242】
一実施形態では、粉末区画742内に粉末を含有する粉末バイアル瓶714は、粉末が、粉末入口ポート715を通して、送達チャネル760の粉末チャンバ745内へと引き込まれ得るように、送達デバイスハウジング706の粉末コネクタ712に接続されている。一実施形態では、ベローズ752が遠位方向DIR1に伸長された場合に、ベローズ752を充填するためにフィルタ746を通して空気を引き込む、伸長するベローズ752によって、真空が生成される。粉末送達システム720の動作は、好ましくは、粉末チャンバ745内に真空を発生させるが、これは、粉末バイアル瓶714の粉末区画742から、粉末入口ポート715を通して、粉末送達チャネル760の粉末チャンバ745内へと、粉末を引き込む。
【0243】
一実施形態では、ベローズ752が、粉末送達チャネル760内に真空を生成した際に、単方向弁748のボール750は、粉末送達チャネル760内のいずれかの湿った空気が、デバイスハウジング706内に配置された粉末送達チャネル760の部分内へと引き込まれることを防止し、それによって、水分が、粉末チャンバ745内の粉末及び粉末送達チャネル760の近位端部と反応してデバイスを詰まらせ得る可能性を、最小限に抑える。
【0244】
一実施形態では、伸長するベローズ752が、粉末を、粉末チャンバ745内へと引き込むための真空を発生させた後に、ベローズ752は、粉末チャンバ745内の粉末を、粉末送達チャネル760を通して下流に流動させ、単方向弁748のボール750の周囲を流動させ、粉末送達及び液体送達複合デバイス700のアプリケータ先端部724内に配置された粉末送達チャネル760の遠位部分内へと流動させる、高圧空気を発生させるために、DIR2と指定される近位方向に圧縮されてもよい。
【0245】
一実施形態では、アプリケータ先端部724は、好ましくは、粉末送達チャネル760及び液体送達チャネル768の両方を含む(図28)。液体送達チャネル768は、望ましくは、アプリケータ先端部724の長さに沿って、粉末送達チャネル760から隔たれて離れて(例えば、分離されて)維持される。
【0246】
図29を参照すると、一実施形態では、液体送達システム722は、液体を、液体タンク718から粉末送達及び液体送達複合デバイスの液体送達チャネル768内へと引き込み、液体を、液体送達チャネル768を通って遠位方向に流して、粉末送達及び液体送達複合デバイス700のアプリケータ先端部の遠位端部から分注するために、利用されてもよい。一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス700は、好ましくは、その下端部から突出するハンドル725を有する、デバイスハウジング706を含む。粉末送達及び液体送達複合デバイス700は、好ましくは、その内部に液体を貯蔵するように適合されている液体リザーバ773を有する、液体タンク718を含む。一実施形態では、液体タンク718は、好ましくは、液体チャンバ775に液体を充填するために利用され得る、弁755を含む。一実施形態では、弁755はまた、真空が、液体送達システム722のトリガ723によって発生される場合など、空気を液体リザーバ773内へと引き込むために、利用されてもよい。
【0247】
一実施形態では、液体送達システム722は、粉末送達及び液体送達複合デバイス700の液体送達チャネル768内へと、液体及び/又は空気を引き込むために利用される、排液管765を含んでもよい。
【0248】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス700は、好ましくは、液体チャンバ775を画定する、格納装置774(例えば、バレル)を含む。粉末送達及び液体送達複合デバイス700は、好ましくは、トリガ723と連結される近位端部と、ピストン778と連結されている遠位端部と、を有する、プランジャ776を含む。プランジャ776の遠位端部及びピストン778は、バレル774の液体チャンバ775内に配置されている。
【0249】
一実施形態では、粉末送達及び液体送達複合デバイス700は、好ましくは、排液管765の遠位端部の下流に配置されている第1の単方向弁782と、バレル774の液体チャンバ775の下流に配置されている第2の単方向弁784と、を含む。
【0250】
一実施形態では、トリガ723は、液体チャンバ775内に真空を発生させて、液体タンク718から液体チャンバ775内へと液体を引き込むために、遠位方向DIR1に延在されてもよい。ばね727(図27A及び図27B)は、トリガを、図29に示される伸長位置に戻すために、トリガ723とハンドル725との間に延在してもよい。一実施形態では、トリガ723の下端部が、DIR1と指定される遠位方向に移動している場合に、シリンジプランジャ776及びピストン778は、液体チャンバ775内に真空を発生させるために、液体送達チャネル768から離れるように、移動する。真空は、液体タンク718から、液体チャンバ775内へと、液体を引き込む。液体タンク718から引き込まれた液体は、好ましくは、排液管765を通り、第1の単方向弁782を通って流れ、その結果、液体は、バレル774の液体チャンバ775内へと流れ込み、それを満たす。
【0251】
一実施形態では、液体チャンバ775が、液体で少なくとも部分的に充填された後に、トリガ723は、近位(DIR2)に引かれてもよいが、これは、液体を、液体チャンバ775から粉末送達及び液体送達複合デバイスの液体送達チャネル768内へと移動させる。トリガ723が絞られた際に、ばね727(図27A及び図27B)は、好ましくは、トリガ723とハンドル725との間で、圧縮される。トリガ723が絞られた際に、液体は、第2の単方向弁784を通って下流に流れ、アプリケータ先端部の遠位端部から分注されるために、液体送達チャネル768の下流部分内へと進入するように、強制される。
【0252】
図30を参照すると、一実施形態では、図27A図29に示され、上記で説明された粉末送達及び液体送達複合デバイスと同様の構造を有し得、同様に動作し得る、複合粉末液体送達デバイス800は、好ましくは、粉末送達及び液体送達複合デバイスに粉末を供給するために、粉末送達及び液体送達複合デバイスに接続し得る、粉末バイアル瓶アセンブリ802を含む。
【0253】
図31A及び図31Bを参照すると、一実施形態では、粉末バイアル瓶アセンブリ802は、好ましくは、粉末ハウジング804と、フィルタ806と、フィルタキャリッジ808と、固定誘導部810と、フィルタキャリッジ誘導シャフト878を有するアクチュエータアセンブリ812と、フィルタキャリッジ808の近位側とアクチュエータ812の遠位側との間に延在する、ばね814と、単方向弁816と、を含む。
【0254】
一実施形態では、フィルタ806は、フィルタキャリッジ808上に取り付けられ、フィルタ及びフィルタキャリッジのサブアセンブリは、アクチュエータアセンブリのフィルタキャリッジ誘導シャフト878上に取り付けられる。
【0255】
図32A図32Dを参照すると、一実施形態では、粉末ハウジング804は、好ましくは、近位開口部820を取り囲む近位端部818と(図32C)、粉末分注開口部826を取り囲む取り付けフランジ824を有する遠位端部822と、を有する。
【0256】
図32Bを参照すると、一実施形態では、接続フランジ824は、好ましくは、粉末ハウジング804の遠位端部822を、粉末送達及び液体送達複合デバイスに固定するために、粉末送達及び液体送達複合デバイス800(図30)の開口部に挿入されるように、適合されている。接続フランジ824は、粉末ハウジング804の粉末チャンバ824内に貯蔵された粉末を、粉末送達及び液体送達複合デバイス800(図30)内へと方向付けることを可能にするために、粉末分注開口部826を取り囲む。
【0257】
図32B図32Dを参照すると、一実施形態では、粉末ハウジング804は、好ましくは、粉末ハウジング804の遠位端部822において、粉末分注開口部826に隣接して配置されている、支持体828を含む。支持体828は、本明細書でより詳細に記載されるように、アクチュエータアセンブリ812(図31A)のフィルタキャリッジ誘導シャフト878を受容するように適合されている、中央開口部830を有する。
【0258】
図32C及び図32Dを参照すると、一実施形態では、粉末ハウジング804は、粉末バイアル瓶アセンブリの粉末分注開口部826から分注され得る粉末で充填されるように適合されている、粉末チャンバ832を取り囲む。
【0259】
一実施形態では、粉末ハウジング804の近位端部818は、好ましくは、粉末チャンバ832へのアクセスを提供する、近位開口部834を含む。一実施形態では、粉末ハウジング804の近位端部818は、本明細書でより詳細に記載されるように、固定誘導部810(図31A)の外側表面に形成された対応する一対の位置合わせノッチに係合するように適合されている、一対の位置合わせタブ836A、836Bを含む。
【0260】
図33A及び図33Bを参照すると、一実施形態では、フィルタキャリッジ808は、フィルタ806(図31A)を支持するように、適合されている。フィルタキャリッジ808は、好ましくは、フィルタの主面に係合するフィルタ支持基部838と、好ましくは、フィルタキャリッジ808上にフィルタを固定するためにフィルタの中央開口部を通過する中央ハブ840と、を含む。中央ハブ840は、好ましくは、フィルタキャリッジが、アクチュエータアセンブリ812(図31A)のフィルタキャリッジ誘導シャフト878上に取り付けられることを可能にするために、フィルタキャリッジ808の中心を通して延在する、中央開口部842を取り囲む。
【0261】
一実施形態では、フィルタキャリッジ808は、好ましくは、圧縮ばね814(図31A)の遠位端部に係合するように適合されている、フィルタ支持基部838から近位に突出する、ばねハブ844を含む。フィルタキャリッジ808を通って延在する中央開口部842はまた、フィルタキャリッジ808が、アクチュエータアセンブリ812のフィルタキャリッジ誘導シャフト878(図31A)上に取り付けられ得るように、フィルタ支持基部838及びばねハブ844を通過する。
【0262】
一実施形態では、フィルタキャリッジ808は、好ましくは、本明細書でより詳細に記載されるように、フィルタキャリッジ808を、固定誘導部810(図31A)にロック及び解放するために使用される、一対のフック846A、846Bを含む。
【0263】
図34A及び図34Bを参照すると、一実施形態では、固定誘導部810は、好ましくは、近位端部848と、遠位端部850と、近位端部848から遠位端部850まで延在する中央開口部852と、を有する。
【0264】
一実施形態では、固定誘導部810の近位端部848は、望ましくは、固定誘導部810を粉末ハウジングの近位端部に固定するために、粉末ハウジング804(図32D)の近位端部818に当接するように適合されている、環状フランジ854を含む。一実施形態では、固定誘導部810は、好ましくは、固定誘導部810と粉末ハウジング804(図32D)の近位端部における近位開口部との間に、気密嵌合を形成するために、粉末ハウジングの近位端部の内側表面に係合するように適合されている、環状バンド854を含む。環状バンド854は、好ましくは、粉末ハウジングの近位端部と気密嵌合を形成し、固定誘導部810が、粉末ハウジングの長手方向軸線に対して軸方向に移動することを、防止する。
【0265】
一実施形態では、固定誘導部810は、好ましくは、バンド854を通って延在する、一対の位置合わせノッチ856A、856Bを含む。一対の位置合わせノッチ856A、856Bは、好ましくは、固定誘導部810が、粉末ハウジングに対して回転することを防止するために、粉末ハウジング804の近位端部818(図32C及び図32D)において、それぞれの位置合わせタブ836A、836Bと噛み合う。
【0266】
したがって、一実施形態では、固定誘導部810が、粉末ハウジングの近位端部と組み立てられた場合に、固定誘導部は、粉末ハウジングに対して静止したままであり、粉末ハウジングに対して、それ以上軸方向に回転しない。
【0267】
一実施形態では、固定誘導部810の遠位端部850は、好ましくは、フィルタキャリッジ808(図33A及び図33B)を、固定誘導部810に最初にロックするために使用される、停止部とも称され得る、段状部858を含む。一実施形態では、固定誘導部810は、好ましくは、フィルタキャリッジ808のフック846A、846Bが固定誘導部810から解放されることを可能にするために、段状部858に形成された、一対の解放スロット860A、860Bを含む。一実施形態では、フィルタキャリッジのフック846A、846B(図33B)は、最初に、フィルタキャリッジ及びフィルタが粉末ハウジングの遠位端部に向かって軸方向に移動することを防止するために、固定誘導部810の段状部858に係合する。一実施形態では、フックは、フックが固定誘導部の解放スロット860A、860Bと位置合わせされるように、固定誘導部810に対して回転されてもよく、その結果、フィルタキャリッジ及びフィルタは、固定誘導部810に対して、軸方向に自由に移動する。
【0268】
一実施形態では、フィルタキャリッジのフックが、固定誘導部810の解放スロット860A、860Bと位置合わせされた場合に、圧縮ばね814(図31A)は、フィルタ/フィルタキャリッジサブアセンブリを付勢し、フィルタキャリッジ誘導シャフト878(図31A)上を遠位方向に摺動させるであろう。
【0269】
図35A及び図35Bを参照すると、一実施形態では、粉末バイアル瓶アセンブリ802(図30)のアクチュエータアセンブリ812は、好ましくは、近位面864と、固定誘導部810の近位端部848に当接するように適合されている遠位面886と、を有する、回転可能な作動ノブ862(図35A及び図35B)を含む。アクチュエータアセンブリ812は、好ましくは、回転可能な作動ノブ862を貫通する、吸気開口部868を含む。吸気開口部868は、空気が、粉末バイアル瓶アセンブリ内へと引き込まれることを可能にするために、単方向弁816(図31A)を受容するように、適合されている。吸気開口部868は、好ましくは、回転可能な作動ノブ862の遠位面866から下流に位置する空気チャネル870A、870Bと、連通している。空気チャネル870A、870Bは、好ましくは、吸気開口部868を通過する空気を、粉末バイアル瓶アセンブリの内部領域に方向付ける。
【0270】
一実施形態では、アクチュエータアセンブリ812は、好ましくは、アクチュエータアセンブリ812と固定誘導部810の近位端部との間に気密嵌合を形成するために、固定誘導部の近位端部848において、固定誘導部810(図34A及び図34B)の内側表面に係合するように適合されている、封止バンド872を含む。アクチュエータアセンブリ812は、アクチュエータアセンブリと固定誘導部との間の気密シールを維持しながら、固定誘導部に対して回転されてもよい。
【0271】
一実施形態では、アクチュエータアセンブリ812は、好ましくは、回転可能な作動ノブ862の遠位面866を越えて遠位に突出する、一対の作動脚部874A、874Bを含む。一実施形態では、作動脚部874A、874Bの遠位端部は、作動アセンブリ812を固定誘導部810に固定するために、固定誘導部810の遠位端部850(図34B)に係合するように適合されている、作動脚部フック876A、876Bをそれぞれ有する。
【0272】
一実施形態では、回転可能な作動ノブ862が回転された際に、作動脚部874A、874Bは、回転可能な作動ノブと同時に回転する。
【0273】
一実施形態では、アクチュエータアセンブリ812は、好ましくは、作動脚部874A、874Bの遠位端部を越えて遠位に突出する、フィルタキャリッジ誘導シャフト878を含む。一実施形態では、フィルタ806及びフィルタキャリッジ808(図31B)のサブアセンブリは、アクチュエータアセンブリ812のフィルタキャリッジ誘導シャフト878上に取り付けられてもよい。フィルタ/フィルタキャリッジサブアセンブリは、フィルタキャリッジ誘導シャフト878上を、その長さに沿って摺動するように、適合されている。
【0274】
一実施形態では、フィルタキャリッジ誘導シャフト878の遠位端部880は、好ましくは、フィルタ/フィルタキャリッジサブアセンブリをフィルタキャリッジ誘導シャフト878上に設置するために圧縮され得る、圧縮可能構造882を含む。一実施形態では、フィルタキャリッジ誘導シャフト878は、望ましくは、フィルタ/フィルタキャリッジサブアセンブリを誘導シャフト上に保持し、フィルタ/フィルタキャリッジサブアセンブリがフィルタキャリッジ誘導シャフト878の遠位端部880から滑り落ちることを防止する、誘導シャフトの遠位端部に隣接して配置された、環状停止部884を含む。
【0275】
一実施形態では、一対の吸気口チャネル870A、870Bは、フィルタキャリッジ誘導シャフト878の近位端部886に隣接して、配置されている。一実施形態では、一対の吸気口チャネル870A、870Bは、アクチュエータアセンブリのフィルタキャリッジ誘導シャフト878の外側表面の周りを流れるように、粉末ハウジング804(図31A)に進入する空気を誘導する。
【0276】
図31A図35Bを参照すると、一実施形態では、アクチュエータアセンブリ812の回転可能な作動ノブ862が回転された場合に、作動脚部874A、874Bは、回転可能な作動ノブ862と同時に回転する。一実施形態では、作動脚部874A、874Bが、フィルタキャリッジ誘導シャフト878の長手方向軸線を中心に回転した際に、作動脚部は、フィルタキャリッジ誘導シャフト878の長手方向軸線を中心にフィルタキャリッジを回転させるために、フィルタキャリッジ808のフック846A、846B(図33A及び図33B)に係合する。一実施形態では、フィルタキャリッジのフック846A、846Bが、フィルタキャリッジ誘導シャフト878の長手方向軸線を中心に回転した際に、フック846A、846Bは、フィルタキャリッジ808を、固定誘導部810との係合から解放するために、固定誘導部810の遠位端部850に配置される解放ノッチ860A、860Bと位置合わせするように、回転する(図34A及び図34B)。フィルタキャリッジ808の解放時に、圧縮下にあるばね814(図31B)は、フィルタキャリッジ808及びフィルタ806を押して、フィルタキャリッジ誘導シャフト878の遠位端部880に向かって移動させる。
【0277】
図36Aを参照すると、一実施形態では、粉末バイアル瓶アセンブリ802は、好ましくは、粉末チャンバ832を収容する、粉末ハウジング804を含む。粉末ハウジング804は、好ましくは、近位端部818と、粉末ハウジング804の遠位端部822を粉末送達及び液体送達複合デバイス800(図30)に固定するために利用される接続フランジ824を有する、遠位端部822と、を有する。粉末バイアル瓶アセンブリ802は、好ましくは、粉末ハウジング804の遠位端部822に配置される、粉末分注開口部826を含む。
【0278】
粉末バイアル瓶アセンブリ802は、好ましくは、粉末ハウジング804の近位端部818に隣接する固定誘導部810に固定された、アクチュエータアセンブリ812を含む。アクチュエータアセンブリ812は、好ましくは、フィルタキャリッジ誘導シャフト878上を摺動するように適合されている、フィルタ806及びフィルタキャリッジ808のサブアセンブリを支持する、フィルタキャリッジ誘導シャフト878を含む。
【0279】
一実施形態では、単方向弁816は、アクチュエータアセンブリ812の回転可能な作動ノブ862を通って延在する吸気開口部868(図35B)内に、配置されている。一実施形態では、フィルタキャリッジ808のフック846は、フィルタキャリッジ808及びフィルタ806が、粉末ハウジング804の遠位端部822に向かって遠位方向DIR1に摺動することを防止するために、固定誘導部810の段状部858(図34B)に係合する。
【0280】
図36Bを参照すると、一実施形態では、アクチュエータアセンブリ812のフック876は、アクチュエータアセンブリ812を、固定誘導部810と連結する。第1のOリング封止部885は、好ましくは、アクチュエータアセンブリ812と固定誘導部810との間に、気密シールを形成する。第2のOリング封止部887は、好ましくは、固定誘導部810の外側表面と粉末バイアル瓶アセンブリ802の粉末ハウジング804の内側表面との間に気密シールを形成する。
【0281】
一実施形態では、アクチュエータアセンブリ812の回転可能な作動ノブ862は、作動脚部874A、874B(図35A)を回転させるために回転されてもよいが、これは、次に、フィルタカートリッジ808のフック846A、846Bを、固定誘導部810の段状部858の解放スロット860A、860B(図34A及び図34B)と位置合わせして、フィルタキャリッジ808を固定誘導部810から解放するために、フック846A、846Bを係合する。この段階で、フィルタ806及びフィルタキャリッジ808のサブアセンブリは、フィルタキャリッジ誘導シャフト878上を、遠位方向DIR1に、自由に摺動する。
【0282】
図36B及び図36Cを参照すると、一実施形態では、フィルタキャリッジ808のフック846A、846Bが、固定誘導部810の段状部858から解放されると、圧縮ばね814がエネルギーを解放して、フィルタキャリッジ808及びフィルタ806を、遠位方向DIR1に押す。この段階で、フィルタ/フィルタキャリッジサブアセンブリは、粉末チャンバ832からある投与量の粉末を押し出すために、フィルタキャリッジ誘導シャフト878上を、遠位に摺動する。ある投与量の粉末は、好ましくは、粉末バイアル瓶アセンブリの粉末ハウジング804の遠位端部822に位置する、粉末分注開口部826を通過する。
【0283】
一実施形態では、周囲空気は、一対の空気チャネル870A、870Bを通して方向付けられるように、単方向弁816を通して引き込まれてもよい。一実施形態では、流入空気は、好ましくは、フィルタキャリッジ誘導シャフト878の外側表面の周りを、遠位方向に流れる。空気は、粉末チャンバ832内の粉末を、粉末ハウジング804の遠位端部822に配置された粉末分注開口部826に向かって流すための、正圧を提供する。
【0284】
ばね814は、フィルタキャリッジ808のフィルタ支持プレート838に、連続的な力を印加する。フィルタキャリッジ808誘導部が固定誘導部810から解放されると、粉末の各投与量が粉末チャンバ832から分注されるにつれて、粉末チャンバ内に空隙が形成され、その結果、圧縮ばね814は、粉末チャンバ832からある投与量の粉末を除去することによって生成される任意の過剰空間を塞ぐために、フィルタキャリッジ808を遠位方向に移動させる(例えば、フィルタキャリッジ誘導シャフト上を、方向DIR1に、遠位方向に摺動させる)力を、フィルタキャリッジに印加する。
【0285】
一実施形態では、粉末ハウジング804の遠位端部822に配置された粉末分注開口部826から、ある投与量の粉末が引き出された際に、ばね814が、フィルタキャリッジ808及びフィルタ806を、粉末ハウジング804の遠位端部822に向かって押して、ある投与量の粉末を押し出す際に生じた余分な空間を埋める。圧縮ばね814の作用は、粉末の各投与量が粉末ハウジング804から分注される場合に、継続する。
【0286】
本明細書に開示される粉末バイアル瓶アセンブリ802は、粉末を最適な状態及び/又は条件に維持するために、粉末送達及び液体送達複合デバイスから分離して離れて粉末を貯蔵する能力を含むが、それに限定されない、先行技術を上回る多数の利点を提供する。
【0287】
一実施形態では、粉末バイアル瓶アセンブリは、粉末送達チャネル内への粉末の供給を補助するように、特別に設計されている。一実施形態では、粉末バイアル瓶アセンブリは、粉末を、粉末ハウジングの粉末分注開口部内へと押すように構成されている、ばね/フィルタアセンブリを備えてもよい。一実施形態では、粉末バイアル瓶アセンブリは、粉末バイアル瓶アセンブリの近位端部に、ある投与量の粉末が粉末送達チャネル内へと吸引される場合に、空気が粉末バイアル瓶アセンブリに進入することを可能にする、空気弁を備えてもよい。
【0288】
前述の説明は本発明の実施形態に関するが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、本発明のその他の実施形態及び更なる実施形態が考案され得、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。例えば、本発明では、本明細書に記載されるか、本明細書に参照により組み込まれる実施形態のうちのいずれかに示される特徴のうちのいずれも、本明細書に記載されるか、本明細書に参照により組み込まれるその他の実施形態のうちのいずれかに示される特徴のうちのいずれかと共に組み込まれ、かつ本発明の範囲内に依然として含まれ得ることが、企図されている。
【0289】
〔実施の態様〕
(1) 粉末送達及び液体送達複合デバイスであって、
粉末チャンバ及び液体チャンバを有する送達デバイスハウジングであって、前記粉末チャンバ及び前記液体チャンバが、互いに分離されている、送達デバイスハウジングと、
アプリケータ先端部であって、前記粉末チャンバと流体連通している、前記アプリケータ先端部の近位端部と遠位端部との間に延在する粉末送達チャネルを有し、
前記液体チャンバと流体連通している、前記アプリケータ先端部の前記近位端部から前記遠位端部まで延在する液体送達チャネルを有する、アプリケータ先端部と、
前記粉末チャンバと流体連通している、粉末入口ポートと、
前記液体チャンバと流体連通している、液体入口ポートと、
前記粉末入口ポート、前記粉末チャンバ、及び前記粉末送達チャネルと流体連通している、粉末送達システムと、
前記液体入口ポート、前記液体チャンバ、及び前記液体送達チャネルと流体連通している、液体送達システムと、を備える、粉末送達及び液体送達複合デバイス。
(2) 前記送達デバイスハウジングに固定された粉末バイアル瓶コネクタであって、前記粉末バイアル瓶が、前記粉末入口ポートを含む、粉末バイアル瓶コネクタと、
前記送達デバイスハウジングに固定された液体バイアル瓶コネクタであって、前記液体バイアル瓶が、前記液体入口ポートを含む、液体バイアル瓶コネクタと、を更に備える、実施態様1に記載の粉末送達及び液体送達複合デバイス。
(3) 前記粉末バイアル瓶コネクタに連結された粉末バイアル瓶であって、粉末入口ポートと流体連通している開口部を有する、粉末バイアル瓶と、
前記液体バイアル瓶コネクタに連結された液体バイアル瓶であって、前記液体入口ポートと流体連通している開口部を有する、液体バイアル瓶と、を更に備える、実施態様2に記載の粉末送達及び液体送達複合デバイス。
(4) 前記粉末バイアル瓶内に配置された粉末と、
前記液体バイアル瓶内に配置された液体と、を更に備える、実施態様3に記載の粉末送達及び液体送達複合デバイス。
(5) 前記粉末が、止血薬粉末を含み、前記液体が、前記止血薬粉末を活性化して封止ゲルを形成する活性化液体を含む、実施態様4に記載の粉末送達及び液体送達複合デバイス。
【0290】
(6) 前記粉末送達システムが、押し下げられた構成と伸長された構成との間で移動可能であり、前記押し下げられた構成から前記伸長された構成へと移動した場合に、前記粉末送達システムが、前記粉末バイアル瓶から前記粉末チャンバ内へとある投与量の粉末を引き込むために、前記粉末チャンバ内に真空を発生させ、前記伸長された構成から前記押し下げられた構成へと移動した場合に、前記粉末送達システムが、前記粉末チャンバから前記ある投与量の粉末を押し出して前記粉末を前記粉末送達チャネル内へと流入させるために、前記粉末チャンバ内に正圧を発生させる、実施態様4に記載の粉末送達及び液体送達複合システム。
(7) 前記液体送達システムが、押し下げられた構成と伸長された構成との間で移動可能であり、前記押し下げられた構成から前記伸長された構成へと移動した場合に、前記液体送達システムが、前記液体バイアル瓶から前記液体チャンバ内へとある投与量の液体を引き込むために、前記液体チャンバ内に真空を発生させ、前記伸長された構成から前記押し下げられた構成へと移動した場合に、前記液体送達システムが、前記液体チャンバから前記ある投与量の液体を押し出して前記液体を前記液体送達チャネル内へと流入させるために、前記液体チャンバ内に正圧を発生させる、実施態様4に記載の粉末送達及び液体送達複合システム。
(8) 前記アプリケータ先端部の前記遠位端部に固定された二重管腔粉末及び液体コネクタを更に備え、前記二重管腔粉末及び液体コネクタが、前記粉末送達チャネルと流体連通している粉末出口開口部と、前記液体送達チャネルと流体連通している液体噴霧開口部と、を有する、実施態様1に記載の粉末送達及び液体送達複合システム。
(9) 前記粉末出口開口部と前記液体噴霧開口部とが、互いにずらされて配置されており、前記液体噴霧開口部は、前記液体送達チャネル内の水分が前記粉末送達チャネルに進入することを防止するために、前記粉末出口開口部の下流に配置されている、実施態様8に記載の粉末送達及び液体送達複合システム。
(10) 前記粉末チャンバの下流に配置され、粉末送達システムと流体連通している、単方向弁を更に備える、実施態様1に記載の粉末送達及び液体送達複合システム。
【0291】
(11) 前記単方向弁が、前記粉末送達チャネル内に配置されており、前記粉末チャンバと前記アプリケータ先端部の前記近位端部との間に配置されている、実施態様10に記載の粉末送達及び液体送達複合システム。
(12) 前記粉末送達システムが、前記粉末チャンバと流体連通している第1の吸気口と、前記粉末送達システムが前記押し下げられた構成から前記伸長された構成へと移動した際に周囲空気が前記粉末チャンバ内へと引き込まれることを可能にする、前記第1の吸気口に配置された単方向弁と、を更に備える、実施態様6に記載の粉末送達及び液体送達複合システム。
(13) 前記液体送達システムが、前記液体チャンバと流体連通している第2の吸気口と、前記液体送達システムが前記押し下げられた構成から前記伸長された構成へと移動した際に周囲空気が前記液体チャンバ内へと引き込まれることを可能にする、前記第2の吸気口に配置された単方向弁と、を更に備える、実施態様7に記載の粉末送達及び液体送達複合システム。
(14) 前記液体送達システムは、前記液体が前記液体バイアル瓶から前記送達デバイスハウジングの前記液体チャンバ内へと引き込まれることを可能にする、前記液体入口ポート内に配置された、第1の単方向弁と、前記液体チャンバ内の前記液体が前記液体送達チャネル内へと下流に流れることを可能にする、前記液体送達チャネル内に、かつ前記液体入口ポート内に配置された前記第1の単方向弁の下流に配置された、第2の単方向弁と、を更に備える、実施態様13に記載の粉末送達及び液体送達複合システム。
(15) 前記粉末送達システムが、ベローズアセンブリを備え、前記ベローズアセンブリが、前記ベローズアセンブリを前記送達デバイスハウジングの近位端部に解放可能に固定するためのねじ山を有し、前記ベローズアセンブリは、粉末が、前記粉末チャンバ内へと装填されることを可能にするために、前記送達デバイスハウジングから螺合解除されるように構成されている、実施態様6に記載の粉末送達及び液体送達複合デバイス。
【0292】
(16) 前記送達デバイスハウジングの前記近位端部が、前記粉末チャンバへのアクセスを提供するためのアクセス開口部を有し、前記アクセス開口部が、前記ベローズアセンブリを前記送達デバイスハウジングの前記近位端部に固定するために、前記ベローズアセンブリの前記ねじ山と噛み合うように構成されている、雌ねじ山を有する、実施態様15に記載の粉末送達及び液体送達複合デバイス。
(17) 閉鎖遠位端部を有する管状壁によって取り囲まれている前記粉末チャンバであって、前記閉鎖遠位端部が、前記粉末チャンバと前記粉末送達チャネルとの間の流体連通を提供する、前記閉鎖遠位端部内に形成された遠位出口開口部を有する、前記粉末チャンバと、
前記管状壁の前記閉鎖遠位端部から離間されている、前記粉末チャンバ内に配置された圧密防止壁であって、前記圧密防止壁が、前記管状壁の前記閉鎖遠位端部と前記粉末チャンバの近位端部との間に配置されており、前記圧密防止壁が、前記粉末チャンバを取り囲む前記管状壁の内側表面から離間されている外周を有する、圧密防止壁と、を更に備える、実施態様16に記載の粉末送達及び液体送達複合デバイス。
(18) 前記ベローズアセンブリが、
前記送達デバイスハウジングの前記アクセス開口部内に配置された、エンドキャップと、
前記エンドキャップの近位面から突出する、ベローズと、
前記エンドキャップの遠位面から突出する、細長いシャフトであって、前記細長いシャフトの前記遠位端部が、前記粉末チャンバ内に配置されており、前記圧密防止壁の近位面に対向する、細長いシャフトと、
前記エンドキャップと前記細長いシャフトの前記遠位端部との間で、前記細長いシャフト上に取り付けられた、フィルタホルダと、
前記フィルタホルダと前記細長いシャフトの前記遠位端部との間で、前記フィルタホルダ上に取り付けられた、フィルタと、
前記ベローズと前記フィルタホルダとの間に延在する、圧縮ばねであって、前記圧縮ばねが、前記ベローズ内に配置された近位端部と、前記フィルタホルダの近位面に隣接して配置された遠位端部と、を有する、圧縮ばねと、を備える、実施態様17に記載の粉末送達及び液体送達複合システム。
(19) 前記ベローズが前記粉末チャンバの遠位端部に向かって押し下げられた場合に、前記圧縮ばねが圧縮されて、それによって、前記圧縮ばねの前記遠位端部が、前記フィルタホルダ及び前記フィルタを付勢して、前記圧密防止壁に近づかせる、実施態様18に記載の粉末送達及び液体送達複合システム。
(20) 前記フィルタホルダ及び前記フィルタが、前記粉末チャンバ内で互いに同時に移動するように構成されており、前記フィルタホルダ及び前記フィルタが、それぞれの外径を有し、前記それぞれの外径が、前記フィルタホルダ及び前記フィルタの前記それぞれの外径と前記粉末チャンバを取り囲む前記管状壁の前記内側表面との間に気密シールを形成するために、前記粉末チャンバを取り囲む前記管状壁の内径に一致する、実施態様19に記載の粉末送達及び液体送達複合デバイス。
【0293】
(21) 粉末送達及び液体送達複合デバイスであって、
粉末チャンバ及び液体チャンバを有する送達デバイスハウジングであって、前記粉末チャンバ及び前記液体チャンバが、互いに分離されている、送達デバイスハウジングと、
アプリケータ先端部であって、前記粉末チャンバと流体連通している、前記アプリケータ先端部の近位端部と遠位端部との間に延在する粉末送達チャネルを有し、
前記液体チャンバと流体連通している、前記アプリケータ先端部の前記近位端部から前記遠位端部まで延在する液体送達チャネルを有する、アプリケータ先端部と、
前記粉末チャンバと流体連通している、粉末入口ポートと、
前記液体チャンバと流体連通している、液体入口ポートと、
前記粉末入口ポート、前記粉末チャンバ、及び前記粉末送達チャネルと流体連通している、粉末送達システムと、
前記液体入口ポート、前記液体チャンバ、及び前記液体送達チャネルと流体連通している液体送達システムであって、前記液体送達システムが、押し下げられた構成と伸長された構成との間で移動可能であり、前記押し下げられた構成から前記伸長された構成へと移動する場合に、前記液体送達システムが、ある投与量の液体を前記液体チャンバ内へと引き込むために、前記液体チャンバ内に真空を発生させ、前記伸長された構成から前記押し下げられた構成へと移動する場合に、前記液体送達システムが、前記液体チャンバから前記ある投与量の液体を押し出して前記液体を前記液体送達チャネル内へと流入させるために、前記液体チャンバ内に正圧を発生させる、液体送達システムと、を備える、粉末送達及び液体送達複合デバイス。
(22) 粉末バイアル瓶アセンブリであって、
粉末ハウジングであって、近位端部と、遠位端部と、前記近位端部と前記遠位端部との間に延在する外壁と、前記粉末ハウジングの前記近位端部に配置された近位開口部と、前記粉末ハウジングの前記遠位端部に配置された粉末分注開口部と、を含む、粉末ハウジングと、
前記粉末ハウジング内に配置され、前記粉末ハウジングの前記近位端部に隣接する前記外壁の内側表面に固定された、固定誘導部と、
前記固定誘導部内に配置されたアクチュエータアセンブリであって、前記アクチュエータアセンブリが、粉末ハウジングの前記近位端部でアクセス可能なノブと、前記ノブと前記粉末ハウジングの前記遠位端部との間で遠位方向に延在する誘導シャフトと、を含む、アクチュエータアセンブリと、
前記粉末分注開口部と流体連通している、前記アクチュエータアセンブリを通って延在する吸気口と、
前記吸気口内に配置された、単方向弁と、
前記アクチュエータアセンブリの前記誘導シャフト上に取り付けられ、前記粉末ハウジングの前記遠位端部に向かって、前記誘導シャフト上を摺動するように構成された、フィルタキャリッジと、
前記フィルタキャリッジと前記粉末ハウジングの前記遠位端部との間で前記フィルタキャリッジ上に取り付けられ、前記粉末ハウジングの前記遠位端部に向かって、前記フィルタキャリッジと同時に摺動するように構成された、フィルタと、
前記アクチュエータアセンブリの前記誘導シャフト上に取り付けられた圧縮ばねであって、前記圧縮ばねが、前記アクチュエータアセンブリと接触する近位端部と、前記フィルタキャリッジと接触し、前記フィルタキャリッジ及び前記フィルタを、前記粉末ハウジングの前記遠位端部に向かって付勢する、遠位端部と、を有する、圧縮ばねと、を備える、粉末バイアル瓶アセンブリ。
(23) 前記アクチュエータアセンブリは、前記フィルタキャリッジが前記粉末ハウジングの前記遠位端部に向かって移動することを防止するために、前記フィルタキャリッジが前記固定誘導部に連結されている、ロック位置と、前記圧縮ばねが、前記フィルタキャリッジ及び前記フィルタを、前記粉末ハウジングの前記遠位端部に向かって、前記誘導シャフト上で摺動させることを可能にするために、前記フィルタキャリッジが前記固定誘導部から連結解除される、ロック解除位置と、の間で、移動可能である、実施態様22に記載の粉末バイアル瓶アセンブリ。
(24) 停止部を含む、前記固定誘導部と、
前記アクチュエータアセンブリが前記ロック位置にある場合に、前記固定誘導部の前記停止部と接触する、1つ以上のフックを含む、前記フィルタキャリッジであって、前記フィルタキャリッジの前記1つ以上のフックは、前記アクチュエータアセンブリが前記ロック解除位置にある場合に、前記固定誘導部の前記停止部から連結解除される、前記フィルタキャリッジと、を更に備える、実施態様23に記載の粉末バイアル瓶アセンブリ。
(25) 前記フィルタと前記粉末分注開口部との間で、前記粉末ハウジング内に配置された、粉末チャンバと、
前記誘導シャフトの遠位端部を支持するために、前記粉末分注開口部に隣接して前記粉末ハウジング内に配置された、誘導シャフト支持体と、を更に備える、実施態様23に記載の粉末バイアル瓶アセンブリ。
【0294】
(26) 粉末送達及び液体送達複合デバイスであって、
粉末チャンバ及び液体チャンバを有する送達デバイスハウジングであって、前記粉末チャンバ及び前記液体チャンバが、互いに分離されている、送達デバイスハウジングと、
アプリケータ先端部であって、前記粉末チャンバと流体連通している、前記アプリケータ先端部の近位端部と遠位端部との間に延在する粉末送達チャネルを有し、
前記液体チャンバと流体連通している、前記アプリケータ先端部の前記近位端部から前記遠位端部まで延在する液体送達チャネルを有する、アプリケータ先端部と、
前記粉末チャンバと流体連通している、粉末入口ポートと、
前記粉末入口ポートに連結され、前記粉末チャンバ及び前記粉末送達チャネルと流体連通している、粉末バイアル瓶アセンブリと、
前記液体チャンバと流体連通している、液体入口ポートと、
前記液体入口ポート、前記液体チャンバ、及び前記液体送達チャネルと流体連通している、液体送達システムと、を備える、粉末送達及び液体送達複合デバイス。
(27) 前記粉末バイアル瓶アセンブリが、
粉末ハウジングであって、近位端部と、遠位端部と、前記近位端部と前記遠位端部との間に延在する外壁と、前記粉末ハウジングの前記近位端部に配置された近位開口部と、前記粉末ハウジングの前記遠位端部に配置された粉末分注開口部と、を含む、粉末ハウジングと、
前記粉末ハウジング内に配置され、前記粉末ハウジングの前記近位端部に隣接する前記外壁の内側表面に固定された、固定誘導部と、
前記固定誘導部内に配置されたアクチュエータアセンブリであって、前記アクチュエータアセンブリが、粉末ハウジングの前記近位端部でアクセス可能なノブと、前記ノブと前記粉末ハウジングの前記遠位端部との間で遠位方向に延在する誘導シャフトと、を含む、アクチュエータアセンブリと、
前記粉末分注開口部と流体連通している、前記アクチュエータアセンブリを通って延在する吸気口と、
前記吸気口内に配置された、単方向弁と、
前記アクチュエータアセンブリの前記誘導シャフト上に取り付けられ、前記粉末ハウジングの前記遠位端部に向かって、前記誘導シャフト上を摺動するように構成された、フィルタキャリッジと、
前記フィルタキャリッジと前記粉末ハウジングの前記遠位端部との間で前記フィルタキャリッジ上に取り付けられ、前記粉末ハウジングの前記遠位端部に向かって、前記フィルタキャリッジと同時に摺動するように構成された、フィルタと、
前記アクチュエータアセンブリの前記誘導シャフト上に取り付けられた圧縮ばねであって、前記圧縮ばねが、前記アクチュエータアセンブリと接触する近位端部と、前記フィルタキャリッジと接触し、前記フィルタキャリッジ及び前記フィルタを、前記粉末ハウジングの前記遠位端部に向かって付勢する、遠位端部と、を有する、圧縮ばねと、を備える、実施態様26に記載の粉末送達及び液体送達複合デバイス。
(28) 前記粉末バイアル瓶アセンブリが、
前記フィルタと前記粉末分注開口部との間で、前記粉末ハウジング内に配置された、粉末チャンバと、
前記粉末チャンバ内に配置された、粉末と、を更に備える、実施態様27に記載の粉末送達及び液体送達複合デバイス。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図19
図20
図21
図22
図23A
図23B
図24
図25A
図25B
図25C
図26
図27A
図27B
図28
図29
図30
図31A
図31B
図32A
図32B
図32C
図32D
図33A
図33B
図34A
図34B
図35A
図35B
図36A
図36B
図36C
【国際調査報告】