(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-03
(54)【発明の名称】積層型太陽電池
(51)【国際特許分類】
H10K 30/57 20230101AFI20240827BHJP
H10K 30/82 20230101ALI20240827BHJP
H10K 30/40 20230101ALN20240827BHJP
【FI】
H10K30/57
H10K30/82
H10K30/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515602
(86)(22)【出願日】2021-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 CN2021123383
(87)【国際公開番号】W WO2023039967
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】202111096360.2
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524091294
【氏名又は名称】北京載誠科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING ZENITHNANO TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 501, 5 Floor No. 1 Building, No. 13, Cuihu Nanhuan Road, Haidian District Beijing 100094, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】張 玉春
(72)【発明者】
【氏名】仲 樹棟
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251AA02
5F251AA05
5F251AA11
5F251DA07
5F251DA15
5F251FA02
5F251FA06
5F251XA32
5F251XA54
5F251XA55
5F251XA56
(57)【要約】
本出願は積層型太陽電池を開示する。この積層型太陽電池は、光吸収層群とヘテロ接合層群とを含む。光吸収層群は、励起層、前記励起層の第1側面に配置された第1電子輸送層群、及び前記励起層の第2側面に配置された第1正孔輸送層群を含む。前記ヘテロ接合層群の第1側面は第2電子輸送層であり、前記第1正孔輸送層群に接する。前記ヘテロ接合層群の第2側面は第2正孔輸送層であり、前記第2正孔輸送層の一側には反射層が設けられ、前記反射層は、前記光吸収層群及び前記ヘテロ接合層群を透過してそれに照射された太陽光を反射光として前記積層型太陽電池の内部に照射する。太陽光及び反射光の照射により、ヘテロ接合層群は、光吸収層群の励起によって発生する正孔・電子対の数を増幅する作用を有し、それによって積層型太陽電池の効率が大幅に向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層型太陽電池であって、光吸収層群と、ヘテロ接合層群とを含み、
前記光吸収層群は、励起層、前記励起層の第1側面に配置された第1電子輸送層群、前記励起層の第2側面に配置された第1正孔輸送層群を含み、
前記ヘテロ接合層群の第1側面は第2電子輸送層であり、前記第1正孔輸送層群に接し、前記ヘテロ接合層群の第2側面は第2正孔輸送層であり、
前記ヘテロ接合層群の前記第2正孔輸送層に近い側に反射層が設けられ、前記反射層は、前記光吸収層群及び前記ヘテロ接合層群を透過してそれに照射された太陽光を反射光として前記積層型太陽電池の内部に照射し、
ここで、太陽光及び前記反射光の照射により、前記励起層及びヘテロ接合層群の両方が励起され、前記励起層で発生した電子は、前記第1電子輸送層を通って前記積層型太陽電池の外に輸送され、前記励起層で発生した正孔は、前記第1正孔輸送層群を通って前記ヘテロ接合層群に流れ、前記ヘテロ接合層群で発生した電子と再結合し、前記ヘテロ接合層群で発生した正孔は、前記第2正孔輸送層から前記積層型太陽電池の外に輸送される、ことを特徴とする積層型太陽電池。
【請求項2】
前記第1正孔輸送層群は、前記励起層に接する正孔輸送層と、前記正孔輸送層に接するPN接合とを含み、前記PN接合は、前記第2電子輸送層に接する、ことを特徴とする請求項1に記載の積層型太陽電池。
【請求項3】
前記第2正孔輸送層と前記反射層との間に光輸送層が設けられ、前記光輸送層の屈折率は、前記第2正孔輸送層の屈折率より小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の積層型太陽電池。
【請求項4】
前記光輸送層の屈折率は1.15~1.35の間であり、厚さは50nm~200nmの間であり、
前記第2正孔輸送層の屈折率は3.5~4.2の間であり、厚さは0~30nmの間である、ことを特徴とする請求項3に記載の積層型太陽電池。
【請求項5】
前記光輸送層は、
前記第2正孔輸送層に接する第1導電層と、
前記第1導電層に接する第1保護層と、
前記第1保護層に接する第2導電層と、
前記第2導電層に接する第2保護層と、
前記第2保護層に接する光出射層と、を含み、
前記第1導電層は第1屈折率n1及び第1厚さd1を有し、前記第1保護層は第2屈折率n2及び第2厚さd2を有し、前記第2導電層は第3屈折率n3及び第3厚さd3を有し、前記第2保護層は第4屈折率n4及び第4厚さd4を有し、前記光出射層は第5屈折率n5及び第5厚さd5を有し、
ここで、n1は1.8~2.1の間、d1は20nm~80nmであり、n2は0.1~5の間、d2は0.5nm~10nmの間であり、n3は0.1~1.5の間、d3は5nm~50nmの間であり、n4は1.3~2.1の間、d4は0.5nm~25nmの間であり、n5は1.4~2.4の間、d5は20nm~80nmの間である、ことを特徴とする請求項4に記載の積層型太陽電池。
【請求項6】
前記第1導電層は導電性金属酸化物を含み、
前記第1保護層は、金属、導電性金属酸化物、及び導電性金属窒化物のうちの1つを含み、
前記第2導電層は、導電材料、ならびに金属酸化物及び/又は金属窒化物を含み、
前記第2保護層は、非金属酸化物、金属窒化物及び金属酸化物のうちの1つを含み、
前記光出射層は、非金属の酸化物、窒化物、硫化物、フッ化物及び炭化物のうちの1つを含む、ことを特徴とする請求項5に記載の積層型太陽電池。
【請求項7】
前記第1導電層の材料は、In
2O
3、SnO
2、ZnO、ITO、AZO、IZO、ITiO、IZTO及びFTOの中から選択される1つであり、
前記第1保護層の材料は、Si、Ti、Al、Ni、Cr、NiCr、TiN、ZnO、TiO
2、SnO
2、SiO
2、Nb
2O
5、Ta
2O
5及びSi
3N
4の中から選択される1つであり、
前記第2導電層の導電材料は、Ag、Cu、Al、Mo、Ag合金、Cu合金、Al合金及びMo合金の中から選択される1つであり、さらに前記第2導電層の導電材料の酸化物及び/又は窒化物で形成された介在物を含み、
前記第2保護層の材料は、TiN、ZnO、TiO
2、SnO
2、SiO
2、Si
3N
4、AZO、IZO及びYZOの中から選択される1つであり、
前記光出射層の材料は、TiO
2、SnO
2、ZnO、Nb
2O
5、Ta
2O
5、Si
3N
4、ZnS、SiO
2、Al
2O
3、MgF、MgS、SiC、AZO、GZO及びYZOの中から選択される1つである、ことを特徴とする請求項6に記載の積層型太陽電池。
【請求項8】
前記ヘテロ接合層群は、
N型Siウエハーと、
前記N型Siウエハーの第1表面上に位置し、酸素がドープされた第1真性非晶質シリコン層と、
前記第1真性非晶質シリコン層上に位置し、前記第2電子輸送層を形成するN型非晶質シリコン層と、
前記N型Siウエハーの第2表面上に位置し、前記第1真性非晶質シリコン層と同じである第2真性非晶質シリコン層と、
前記第2真性非晶質シリコン層上に位置し、前記第2正孔輸送層を形成するP型非晶質シリコン層と、を含む、ことを特徴とする2~7のいずれか一項記載の積層型太陽電池。
【請求項9】
前記第1真性非晶質シリコン層において、酸素の含有量は0~30wt%である、ことを特徴とする請求項8に記載の積層型太陽電池。
【請求項10】
前記PN接合は、前記第2電子輸送層に接するN型ナノシリコン層と、前記N型ナノシリコン層上に位置するP型ナノシリコン層とを含み、前記P型ナノシリコン層は前記正孔輸送層に接する、ことを特徴とする請求項2~6のいずれか一項に記載の表示モジュール。
【請求項11】
前記第1電子輸送層群は、前記励起層に接する電子輸送層と、前記電子輸送層に接する導電層とを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項12】
前記導電層の材料はIn
2O
3であり、ドーパントはGa
2O
3、ZnO
2、CeO
2、TiO
2、Mo
2O
3、ZrO
2及びWO
2のうちの1つ又は複数であり、In
2O
3の重量含有量は80wt%~100wt%であり、残りの部分はドーパント及び不可避的不純物であり、あるいは、
前記導電層の材料はZnOであり、ドーパントはSnO
2、Al
2O
3、Ga
2O
3、B
2O
3のうちの1つ又は複数であり、ZnOの重量含有量は80wt%~100wt%であり、残りの部分はドーパント及び不可避的不純物である、ことを特徴とする請求項11に記載の積層型太陽電池。
【請求項13】
前記反射層の材料は、Ag、Al、Cu及びMoのうちの1つである、ことを特徴とする請求項1に記載の積層型太陽電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、太陽光発電の分野に関し、特に積層型太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、太陽光を利用して直接発電する光電子半導体シートである。太陽電池の基本原理は、太陽光が半導体p-n接合に照射されて、正孔・電子対が形成され、p-n接合内に構築された電場の作用により、光で発生した正孔がp領域に流れ、光で発生した電子がn領域に流れ、回路が接続されると電流が発生するというものである。現在、太陽電池の変換効率は低く、改善が必要である。
【発明の概要】
【0003】
上記課題を解決するために、本発明は、積層型太陽電池を提案する。この積層型太陽電池は、光吸収層群と、ヘテロ接合層群とを含む。光吸収層群は、励起層、前記励起層の第1側面に配置された第1電子輸送層群、及び前記励起層の第2側面に配置された第1正孔輸送層群を含む。前記ヘテロ接合層群の第1側面は、第2電子輸送層であり、前記第1正孔輸送層群に接する。前記ヘテロ接合層群の第2側面は第2正孔輸送層である。前記ヘテロ接合層群の第2正孔輸送層に近い側には反射層が設けられ、前記反射層は、前記光吸収層群及び前記ヘテロ接合層群を透過してそれに照射された太陽光を反射光として前記積層型太陽電池の内部に照射する。ここで、太陽光及び前記反射光の照射により、前記励起層及びヘテロ接合層群の両方が励起され、前記励起層で発生した電子は、前記第1電子輸送層を通って前記積層型太陽電池の外に輸送される。前記励起層で発生した正孔は、前記第1正孔輸送層群を通って前記ヘテロ接合層群に流れ、前記ヘテロ接合層群で発生した電子と再結合し、前記ヘテロ接合層群で発生した正孔は、前記第2正孔輸送層から前記積層型太陽電池の外に輸送される。
【0004】
一実施例では、前記第1正孔輸送層群は、前記励起層に接する正孔輸送層と、前記正孔輸送層に接するPN接合とを含み、前記PN接合は、前記第2電子輸送層に接する。
【0005】
一実施例では、前記第2正孔輸送層と前記反射層との間に光輸送層が設けられ、前記光輸送層の屈折率は、前記第2正孔輸送層の屈折率より小さい。
【0006】
一実施例では、前記光輸送層の屈折率は1.15~1.35の間であり、厚さは50nm~200nmの間である。前記第2正孔輸送層の屈折率は3.5~4.2の間であり、厚さは0~30nmである。
【0007】
一実施例では、前記光輸送層は、前記第2正孔輸送層に接する第1導電層と、前記第1導電層に接する第1保護層と、前記第1保護層に接する第2導電層と、前記第2導電層に接する第2保護層と、前記第2保護層に接する光出射層とを含む。前記第1導電層は第1屈折率n1及び第1厚さd1を有し、前記第1保護層は第2屈折率n2及び第2厚さd2を有し、前記第2導電層は第3屈折率n3及び第3厚さd3を有し、前記第2保護層は第4屈折率n4及び第4厚さd4を有し、前記光出射層は第5屈折率n5及び第5厚さd5を有する。n1は1.8~2.1の間、d1は20nm~80nmであり、n2は0.1~5の間、d2は0.5nm~10nmの間であり、n3は0.1~1.5の間、d3は5nm~50nmの間であり、n4は1.3~2.1の間、d4は0.5nm~25nmの間であり、n5は1.4~2.4の間、d5は20nm~80nmの間である。
【0008】
一実施例では、前記第1導電層は、導電性金属酸化物を含み、前記第1保護層は、金属、導電性金属酸化物、及び導電性金属窒化物のうちの1つを含み、前記第2導電層は、導電材料、ならびに金属酸化物及び/又は金属窒化物を含み、前記第2保護層は、非金属酸化物、金属窒化物及び金属酸化物のうちの1つを含み、前記光出射層は、非金属の酸化物、窒化物、硫化物、フッ化物及び炭化物のうちの1つを含む。
【0009】
一実施例では、前記第1導電層の材料は、In2O3、SnO2、ZnO、ITO、AZO、IZO、ITiO、IZTO及びFTOの中から選択される1つである。前記第1保護層の材料は、Si、Al、Ti、Ni、Cr、NiCr、TiN、ZnO、TiO2、SnO2、SiO2、Nb2O5、Ta2O5及びSi3N4の中から選択される1つである。前記第2導電層の導電材料は、Ag、Cu、Al、Mo、Ag合金、Cu合金、Al合金及びMo合金の中から選択される1つであり、さらに前記第2導電層の導電材料の酸化物及び/又は窒化物で形成された介在物を含む。前記第2保護層の材料は、TiN、ZnO、TiO2、SnO2、SiO2、Si3N4、AZO、IZO及びYZOの中から選択される1つである。前記光出射層の材料は、TiO2、SnO2、ZnO、Nb2O5、Ta2O5、Si3N4、ZnS、SiO2、Al2O3、MgF、MgS、SiC、AZO、GZO及びYZOの中から選択される1つである。
【0010】
一実施例では、前記ヘテロ接合層群は、N型Siウエハーと、前記N型Siウエハーの第1表面上に位置し、酸素がドープされた第1真性非晶質シリコン層と、前記第1真性非晶質シリコン層上に位置し、前記第2電子輸送層を形成するN型非晶質シリコン層と、前記N型Siウエハーの第2表面上に位置し、前記第1真性非晶質シリコン層と同じである第2真性非晶質シリコン層と、前記第2真性非晶質シリコン層上に位置し、前記第2正孔輸送層を形成するP型非晶質シリコン層と、を含む。
【0011】
一実施例では、前記第1真性非晶質シリコン層において、酸素の含有量は0~30wt%である。
【0012】
一実施例では、前記PN接合は、前記第2電子輸送層に接するN型ナノシリコン層と、前記N型ナノシリコン層上に位置するP型ナノシリコン層とを含み、前記P型ナノシリコン層は前記正孔輸送層に接する。
【0013】
一実施例では、前記第1電子輸送層群は、前記励起層に接する電子輸送層と、前記電子輸送層に接する導電層とを含む。
【0014】
一実施例では、前記導電層の材料はIn2O3であり、ドーパントはGa2O3、ZnO2、CeO2、TiO2、Mo2O3、ZrO2及びWO2のうちの1つ又は複数であり、In2O3の重量含有量は80wt%~100wt%であり、残りの部分はドーパント及び不可避的不純物である。あるいは、前記導電層の材料はZnOであり、ドーパントはSnO2、Al2O3、Ga2O3、B2O3のうちの1つ又は複数であり、ZnOの重量含有量は80wt%~100wt%であり、残りの部分はドーパント及び不可避的不純物である。
【0015】
一実施例では、前記反射層の材料は、Ag、Al、Cu及びMoのうちの1つである。
従来技術と比較して、本発明の有益な効果は次のとおりである。本出願の積層型太陽電池において、ヘテロ接合層群は、光吸収層群の励起によって発生する正孔・電子対の数を増幅する作用を有し、それによって積層型太陽電池の効率が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
ここで説明される図面は、本出願のさらなる理解を提供するために使用され、本出願の一部を構成するものであり、本出願の例示的な実施例及びその説明は、本出願を説明するために使用されるものであり、本出願の不適切な制限を構成するものではない。図面では、
【
図1】本出願の一実施例による積層型太陽電池を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本出願の目的、技術的解決手段及び利点を更に明らかにするために、以下では、本出願の具体的な実施例及び対応する添付図面を参照しながら、本出願の実施例の技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。当然のことながら、ここで説明する実施例は本出願の実施例の全てではなく一部にすぎない。当業者が創造的な作業なしに本願の実施例に基づいて得られる全ての他の実施例は、本願の保護範囲に含まれるべきである。
【0018】
図1は、本出願の一実施例による積層型太陽電池1の構造を概略的に示す。
図1に示すように、積層型太陽電池1は、光吸収層群10と、光吸収層群10内側(即ち、外部環境から離れる方向)に位置し、それに接するヘテロ接合層群20とを含む。光吸収層群10は、励起層11、励起層11の第1側面に配置された第1電子輸送層群12、及び励起層11の第2側面に配置された第1正孔輸送層群13を含む。ヘテロ接合層群20の第1側面は、第2電子輸送層203であり、第1正孔輸送層群13に接する。ヘテロ接合層群20の第2側面は、第2正孔輸送層205である。ヘテロ接合層群20の第2正孔輸送層205に近い側には反射層41が設けられる。反射層41は、光吸収層群10及びヘテロ接合層群20を透過してそれに照射された太陽光を反射光として前記積層型太陽電池1の内部に照射する。
【0019】
このような積層型太陽電池1では、太陽光及び反射光の照射により、励起層11及びヘテロ接合層群20の両方が励起される。励起層11で発生した電子は、第1電子輸送層12を通って積層型太陽電池1の外に輸送される。励起層11で発生した正孔は、第1正孔輸送層群13を通ってヘテロ接合層群20に流れ、ヘテロ接合層群20で発生した電子と再結合する。ヘテロ接合層群20で発生した正孔は、第2正孔輸送層205から積層型太陽電池1の外に輸送される。このように、ヘテロ接合層群20は、光吸収層群10の励起によって発生する正孔・電子対の数を増幅する作用を有し、それによって積層型太陽電池1の効率が大幅に向上する。特に、反射層41は、積層型太陽電池1内入射する太陽光を反射して、ヘテロ接合層群20、さらには光吸収層群10をさらに励起して、入射光の利用率を最大化することができ、それによって積層型太陽電池1の効率が大幅に向上する。
【0020】
一実施例では、反射層41の材料は、Ag、Al、Cu及びMoのうちの1つである。これらの材料は、非常に薄く反射率の高いフィルム層にすることができ、積層型太陽電池1の効率の向上に役立つ。
【0021】
一実施例では、第1正孔輸送層群13は、励起層11に接する正孔輸送層40と、正孔輸送層40に接するPN接合42とを含む。発明者は、PN接合42も太陽光の照射下で励起され、光吸収層群10の励起によって発生する正孔・電子対の数をさらに増幅し、それによって積層型太陽電池1の効率がさらに向上することを見出した。
【0022】
一実施例では、第2正孔輸送層205と反射層41との間に光輸送層30が設けられている。光輸送層30の屈折率は、第2正孔輸送層205の屈折率よりも小さい。光輸送層30の屈折率は第2正孔輸送層205の屈折率よりも小さいため、増透層が形成される。これにより、積層型太陽電池1の内部に太陽エネルギーができるだけ多く照射され(即ち、ヘテロ接合層群20に太陽光がより多く照射され)、ヘテロ接合層群20が励起されやすくなり、積層型太陽電池1の効率が向上する。
【0023】
一実施例では、光輸送層30の屈折率は1.15~1.35の間であり、厚さは50nm~200nmの間であり、第2正孔輸送層205の屈折率は3.5~4.2の間であり、厚さは0~30nmである。本出願では、第2正孔輸送層205の厚さはゼロに等しくなく、ゼロよりも大きいことを理解されたい。本発明者は、光輸送層30及び第2正孔輸送層205をこのパラメータ範囲内に設定することにより、太陽光をより効果的に反射層41に照射し、且つ反射層41は光を積層型太陽電池1の内部に反射することができ、積層型太陽電池1の効率の向上に役立つ。
【0024】
図2に示すように、光輸送層30は、第2正孔輸送層205に接する第1導電層410と、第1導電層410に接する第1保護層411と、第1保護層411に接する第2導電層412と、第2導電層412に接する第2保護層413と、第2保護層413に接する光出射層414とを含む。即ち、第1導電層410、第1保護層411、第2導電層412、第2保護層413及び光出射層414は積層されて配置され、且つ第1導電層410はPN接合42に電気的に接し、光出射層414はヘテロ接合層群20と接している。
【0025】
第1導電層410は第1屈折率n1及び第1厚さd1を有し、第1保護層411は第2屈折率n2及び第2厚さd2を有し、第2導電層412は第3屈折率n3及び第3厚さd3を有し、第2保護層413は第4屈折率n4及び第4厚さd4を有し、光出射層414は第5屈折率n5及び第5厚さd5を有する。ここで、n1は1.8~2.1の間、d1は20nm~80nmであり、n2は0.1~5の間、d2は0.5nm~10nmの間であり、n3は0.1~1.5の間、d3は5nm~50nmの間であり、n4は1.3~2.1の間、d4は0.5nm~25nmの間であり、n5は1.4~2.4の間、d5は20nm~80nmの間である。本発明者は、光輸送層30をこれらの副層として構成することにより、光輸送層30の厚さを50nm~200nmの間に維持しながら、光輸送層30の屈折率を1.15~1.35の間で容易に調整することができることを見出した。このように、積層型太陽電池1の内部に太陽光及び反射光がより効果的に照射され、積層型太陽電池1の効率が向上する。
【0026】
光輸送層30の副層の数は、その厚さと屈折率が要件を満たす限り、多くても少なくても(1層であっても)よいことを理解されたいが、ここでは再度説明しない。
【0027】
第1導電層410は導電性金属酸化物を含み、例えば、第1導電層410の材料は、In2O3、SnO2、ZnO、ITO、AZO、IZO、ITiO、IZTO及びFTOの中から選択される1つである。ITOでは、Sn2Oドープ重量パーセントは0より大きく50%以下である。IZOでは、ZnOドープ重量パーセントは0より大きく50%以下である。AZOでは、Al2O3ドープ重量パーセントは0より大きく50%以下である。ITiOでは、TiO2ドープ重量パーセントは0より大きく10%以下である。IZTOでは、TiO2ドープ重量パーセントは0より大きく10%以下であり、ZnOドープ重量パーセントは0より大きく40%以下である。FTOでは、Fドープ重量パーセントは0より大きく10%以下である。発明者は、上記の材料を使用すると、必要な屈折率の達成、及び積層型太陽電池1の効率の向上に役立つことを見出した。
【0028】
第1保護層411は金属、導電性金属酸化物、及び導電性金属窒化物のうちの1つを含む。例えば、金属は、Si、Ti、Al、Ni、Cr及びNiCrのうちの1つであってもよい。金属酸化物は、ZnO、TiO2、SnO2、SiO2、Nb2O5、Ta2O5のうちの1つであってもよい。金属窒化物は、TiN、Si3N4のうちの1つであってもよい。本発明者は、第1保護層411としてこれらの材料を選択すると、必要な屈折率を達成できるだけでなく、良好な抗酸化特性も備え、これにより、酸素分子が第2導電層412に浸透するのを防ぐことができ、第2導電層412が良好な導電性を有することが保証されることを見出した。
【0029】
第2導電層412は、導電材料、ならびに不可避的金属酸化物及び/又は金属窒化物の介在物を含む。例えば、導電材料は、Ag、Cu、Al、Mo、Ag合金、Cu合金、Al合金及びMo合金の中から選択される1つである。具体的な一実施例では、Ag合金層において、Agの重量比は50%より大きく、残りの50%は、Zn、Cu、In、Pt、Pd、Au、Nb、Nd、B、Bi、Niなどの金属元素のうちの1つであってもよい。Cu合金において、Cuの重量比は50%よりも大きく、残りの50%は、Zn、Ag、In、Pt、Pd、Au、Nb、Nd、B、Bi、Niなどの金属元素のうちの1つであってもよい。Mo合金層において、Moの重量比は80%よりも大きく、残りの20%は、Zn、Cu、In、Pt、Pd、Au、Nb、Nd、B、Bi、Niなどの金属元素のうちの1つであってもよい。Al合金層において、Alの重量比は80%よりも大きく、残りの20%は、Zn、Cu、In、Pt、Pd、Au、Nb、Nd、B、Bi、Ni、などの金属元素のうちの1つであってもよい。金属酸化物及び/又は金属窒化物の介在物は、金属ターゲット材のコーティングプロセス中に、少量の酸素、窒素を導入して金属又は合金を酸化、窒化することによって形成される。これらの金属酸化物、金属窒化物は、第2導電層412の光透過性も向上させる。これは、積層型太陽電池1の効率の向上に役立つ。
【0030】
第2保護層413は、非金属酸化物、金属窒化物及び金属酸化物のうちの1つを含む。例えば、非金属酸化物、金属窒化物、金属酸化物はTiN、ZnO、TiO2、SnO2、SiO2、Si3N4であってもよい。これらの化合物により形成された第2保護層413は、良好な耐候性、良好な防水性を有し、第2導電層412に対する保護作用を向上させる。
【0031】
光出射層414は、非金属の酸化物、窒化物、硫化物、フッ化物、炭化物のうちの1つを含む。例えば、光出射層414の材料は、TiO2、SnO2、ZnO、Nb2O5、Ta2O5、Si3N4、ZnS、SiO2、Al2O3、MgF、MgS、SiC、AZO、GZO及びYZOの中から選択される1つである。これらの材料の屈折率は比較的高く、光取り出し層200の屈折率要件を満たすのに役立つ。
【0032】
また、
図1に示すように、PN接合42は、第2電子輸送層203に接するN型ナノシリコン層420と、N型ナノシリコン層420上に位置するP型ナノシリコン層421とを含み、P型ナノシリコン層421は、正孔輸送層40に接する。発明者は、PN接合42が励起層11に対する励起効果を増幅するだけでなく、界面抵抗を効果的に低減し、したがって積層型太陽電池1の効率の向上に役立つことを見出した。
【0033】
さらに
図1に示すように、ヘテロ接合層群20は、N型Siウエハー201と、N型Siウエハー201の第1表面上に位置し、酸素がドープされた第1真性非晶質シリコン層202と、第1真性非晶質シリコン層202上に位置し、前述した第2電子輸送層203を形成するN型非晶質シリコン層203と、N型Siウエハー201の第2表面上に位置し、第1真性非晶質シリコン層201と同じである第2真性非晶質シリコン層204と、第2真性非晶質シリコン層204上に位置し、第2正孔輸送層205を形成するP型非晶質シリコン層205と、を含む。また、発明者は、このヘテロ接合層群20では、N型Siウエハー201の両側に位置する半導体層群をいずれも励起することができるため、ヘテロ接合層群20の光励起効率が比較的高く、これにより光吸収層群10の光励起効果の増幅がさらに向上し、積層型太陽電池1の効率がさらに向上することを見出した。さらに、発明者は、第1真性非晶質シリコン層202及び第2真性非晶質シリコン層204に酸素をドープすると、第1真性非晶質シリコン層202及び第2真性非晶質シリコン層204の透光度をさらに増加することができ、ヘテロ接合層群20の励起効果の向上にさらに役立ち、それにより積層型太陽電池1の効率がさらに向上することを見出した。
【0034】
具体的な一実施例では、第1真性非晶質シリコン層202において、酸素の含有量は0~30wt%である。第1真性非晶質シリコン層202では、酸素の含有量がゼロより大きいことに留意されたい。発明者は、この酸素ドープ濃度で、第1真性非晶質シリコン層202及び第2真性非晶質シリコン層204の透光性が向上するだけでなく、Siが完全にSiO2に合成されず、その結果、第1真性非晶質シリコン層202及び第2真性非晶質シリコン層204が依然として高い電子/正孔輸送効果を有し、積層型太陽電池1の効率をさらに向上させることを見出した。
【0035】
第1電子輸送層群12は、励起層11に接する電子輸送層120と、電子輸送層120に接する導電層121とを含む。具体的な一実施例では、導電層121の材料はIn2O3であり、ドーパントは、Ga2O3、ZnO2、CeO2、TiO2、Mo2O3、ZrO2及びWO2のうちの1つ又は複数であり、In2O3の重量含有量は80wt%~100wt%であり、残りの部分はドーパント及び不可避的不純物である。あるいは、導電層121の材料はZnOであり、ドーパントは、SnO2、Al2O3、Ga2O3、B2O3のうちの1つ又は複数であり、ZnOの重量含有量は80wt%~100wt%であり、残りの部分はドーパント及び不可避的不純物である。従来技術で使用されているITOと比較して、本出願の導電層121の材料は、透光性がより良好であるだけでなく、導電性もより良好であるため、積層型太陽電池1の効率をさらに向上させることに役立つ。
【0036】
また、導電層121の外側に金属電極層50が設けられることに理解されたい。電極層50は、外部の導線と連通して導電するために使用されるが、これについてはここでは再度説明しない。
【0037】
〈実施例1〉
光吸収層10については、励起層11はペロブスカイト感光層MAPbI3である。電子輸送層120はZnOであり、厚さは20nmである。導電層121はITZOであり(即ち、In2O3にTiO2及びZnOがドープされ、In2O3の含有量は89wt%、ZnOの含有量は10wt%、残りの部分はTiO2及び不可避的不純物である)、正孔輸送層40はNiOである。
【0038】
PN接合42については、P型ナノシリコン層421の厚さは28nmであり、N型ナノシリコン層420の厚さは29nmである。
【0039】
光輸送層30において、第1導電層410はITOであり、厚さは47nm、屈折率は2.0であり、第1保護層411はTiであり、厚さは0.5nm、屈折率は1.9であり、第2導電層412はAgPdとAgPdOxの混合物であり、厚さは8nm、屈折率は0.3であり、第2保護層413はZnOであり、厚さは5nm、屈折率は2.0であり、光出射層414はTiO2であり、厚さは40nm、屈折率は1.9である。
【0040】
ヘテロ接合層群20については、N型Siウエハー201の厚さは0.2mmであり、第1真性非晶質シリコン層202及び第2真性非晶質シリコン層204では、酸素含有量は25wt%、厚さは10nmであり、N型非晶質シリコン層203の厚さは20nmであり、P型非晶質シリコン層205の厚さは20nmである。
【0041】
反射層41はAlであり、厚さは150nmである。
【0042】
金属電極層50はAgペーストである。
【0043】
実施例1の積層型太陽電池の効率を表1に示す。
【0044】
〈実施例2〉
光吸収層10については、励起層11はペロブスカイト感光層MAPbI3である。電子輸送層120はSnOであり、厚さは15nmである。導電層121はICOであり、(即ち、In2O3にCeO2がドープされ、In2O3の含有量は97.5wt%である)、正孔輸送層40はMoO3である。
【0045】
PN接合42については、P型ナノシリコン層421の厚さは20nmであり、N型ナノシリコン層420の厚さは30nmである。
【0046】
光輸送層30において、第1導電層410はAZOであり、厚さは50nm、屈折率は2.0であり、第1保護層411はSiであり、厚さは1nm、屈折率は3.8であり、第2導電層412はAlTiとAlTiOxの混合物であり、厚さは15nm、屈折率は1.0であり、第2保護層413はSnO2であり、厚さは10、屈折率は2.0であり、光出射層414はZnOであり、厚さは35nm、屈折率は2.0である。
【0047】
ヘテロ接合層群20については、N型Siウエハー201の厚さは0.2mmであり、第1真性非晶質シリコン層202及び第2真性非晶質シリコン層204では、酸素含有量は20wt%、厚さは7nmであり、N型非晶質シリコン層203の厚さは20nmであり、P型非晶質シリコン層205の厚さは20nmである。
【0048】
反射層41はCuであり、厚さは20nmnである。
【0049】
金属電極層50はAgペーストである。
【0050】
実施例2の積層型太陽電池の効率を表1に示す。
【0051】
〈実施例3〉
光吸収層10については、励起層11はペロブスカイト感光層MAPbI3である。電子輸送層120はSnO2であり、厚さは15nmである。導電層121はIWOであり(即ち、In2O3にCeO2がドープされ、In2O3の含有量は97.5wt%である)、正孔輸送層40はWO3である。
【0052】
PN接合42については、P型ナノシリコン層421の厚さは25nmであり、N型ナノシリコン層420の厚さは15nmである。
【0053】
光輸送層30において、第1導電層410はFTOであり、厚さは60nm、屈折率は1.9であり、第1保護層411はNiCrであり、厚さは1nm、屈折率は1.8であり、第2導電層412はAgZnとAgZnOxの混合物であり、厚さは9nm、屈折率は0.3であり、第2保護層413はTiO2であり、厚さは15nm、屈折率は2.0であり、光出射層414はZnOであり、厚さは35nm、屈折率は2.0である。
【0054】
ヘテロ接合層群20については、N型Siウエハー201の厚さは0.2mmであり、第1真性非晶質シリコン層202及び第2真性非晶質シリコン層204では、酸素含有量は30wt%、厚さは5nmであり、N型非晶質シリコン層203の厚さは20nmであり、P型非晶質シリコン層205の厚さは20nmである。
【0055】
反射層41はAgであり、厚さは120nmである。
【0056】
金属電極層50はAgペーストである。
【0057】
実施例3の積層型太陽電池の効率を表1に示す。
【0058】
〈実施例4〉
光吸収層10については、励起層11はペロブスカイト感光層MAPbI3である。電子輸送層120はTiO2であり、厚さは7nmである。導電層121はAGZOであり(即ち、ZnOにAl2O3及びGa2O3がドープされ、ZnOの含有量は98wt%、Al2O3の含有量は1wt%、残りの部分はGa2O3と不可避的不純物である)、正孔輸送層40はCu2Oである。
【0059】
PN接合42については、P型ナノシリコン層421の厚さは20nmであり、N型ナノシリコン層420の厚さは16nmである。
【0060】
光輸送層30において、第1導電層410はIn2O3であり、厚さは40nm、屈折率は1.9であり、第1保護層411はSnO2であり、厚さは5nm、屈折率は2.0であり、第2導電層412はCuNiとCuNiNxの混合物であり、厚さは20nm、屈折率は0.9であり、第2保護層413はSi3N4であり、厚さは10nm、屈折率は2.0であり、光出射層414はNb2O5であり、厚さは30nm、屈折率は2.0である。
【0061】
ヘテロ接合層群20については、N型Siウエハー201の厚さは0.2mmであり、第1真性非晶質シリコン層202及び第2真性非晶質シリコン層204では、酸素含有量は15wt%、厚さは5nmであり、N型非晶質シリコン層203の厚さは20nmであり、P型非晶質シリコン層205の厚さは20nmである。
【0062】
反射層41はAgであり、厚さは120nmである。
【0063】
金属電極層50はAgペーストである。
【0064】
実施例4の積層型太陽電池の効率を表1に示す。
【0065】
〈実施例5〉
光吸収層10については、励起層11はペロブスカイト感光層MAPbI3である。電子輸送層120はAI2O3であり、厚さは5nmである。導電層121はBGZOであり(即ち、ZnOにB2O3及びGa2O3がドープされ、ZnOの含有量は94wt%、B2O3の含有量は2.5%であり、残りの部分はGa2O3及び不可避的不純物である)、正孔輸送層40はCuOである。
【0066】
PN接合42については、P型ナノシリコン層421の厚さは30nmであり、N型ナノシリコン層420の厚さは12nmである。
【0067】
光輸送層30において、第1導電層410はITiOであり、厚さは38nm、屈折率は2.0であり、第1保護層411はAlであり、厚さは2nm、屈折率は0.9であり、第2導電層412はAgAlとAgAlOxの混合物であり、厚さは7nm、屈折率は0.3であり、第2保護層413はTiNであり、厚さは7nmであり、屈折率は2.0であり、光出射層414はSnO2であり、厚さは40nm、屈折率は2.0である。
【0068】
ヘテロ接合層群20については、N型Siウエハー201の厚さは0.2mmであり、第1真性非晶質シリコン層202及び第2真性非晶質シリコン層204では、酸素含有量は20wt%、厚さは6nmである。N型非晶質シリコン層203の厚さは20nmであり、P型非晶質シリコン層205の厚さは20nmである。
【0069】
反射層41はAgMg合金であり、厚さは130nmである。
【0070】
金属電極層50はAgペーストである。
【0071】
実施例5の積層型太陽電池の効率を表1に示す。
【0072】
〈比較例1〉
比較例は、従来技術における一般的なペロブスカイト太陽電池である。
【0073】
励起層はペロブスカイト感光層MAPbI3である。電子輸送層はZnOである。正孔輸送層はNiOである。
【0074】
比較例の積層型太陽電池の効率を表1に示す。
【0075】
【0076】
表1に示すように、本出願の実施例1~5による積層型太陽電池の効率は比較的高く、いずれも30%以上であり、一方、従来技術における太陽電池の効率は約20%である。これは、本出願による積層型太陽電池の効率がより高いことを示している。
【0077】
以上の説明は、本出願の実施例にすぎず、本出願を限定するためのものではない。当業者であれば、本出願に対して、様々な修正や変更を行うことができる。本出願の趣旨と原理内で行われるすべての補正、同等置換、改善などは、いずれも本出願の特許請求の範囲に含まれるべきである。
【国際調査報告】