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特表2024-531999実質的に平行する2個の流量チャンバーと実質的に平行する3個のプレートを含むクーラー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-04
(54)【発明の名称】実質的に平行する2個の流量チャンバーと実質的に平行する3個のプレートを含むクーラー
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6568 20140101AFI20240828BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240828BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20240828BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240828BHJP
【FI】
H01M10/6568
H01M10/613
H01M10/6556
H01M10/625
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555567
(86)(22)【出願日】2022-02-21
(85)【翻訳文提出日】2023-09-11
(86)【国際出願番号】 KR2022002541
(87)【国際公開番号】W WO2022191469
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】102021105930.5
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102021210826.1
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516011246
【氏名又は名称】ハンオン システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビーレッガー, フローリアン
(72)【発明者】
【氏名】ロシュホルツ, ダヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】キント, イゴール
【テーマコード(参考)】
5H031
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK08
(57)【要約】
【課題】バッテリーモジュール用の改善されたクーラーを作ることを目的とする。
【解決手段】クーラー(10)は実質的に平行する2個の流動チャンバーと3個の実質的に平行するプレート(12、14)を含む。プレート(14)の中の2個はクーラーの外側から実質的に平面構造を形成し、2個の平面プレート(14)間に挿入される中間プレート(12)は流体流動(C)がクーラーに入った後、複数の流動(A、B)に分割されるように形成され、好ましくはクーラー(10)の両面の中の一つで活発に流れるが、両面で常に同時に流れるように形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に平行する2個の流動チャンバーを有するクーラー(10)において、実質的に平行する3個のプレート(12、14)の中の2個の外部プレート(14)は前記クーラーの外側から実質的に平面構造を形成し、前記2個の外部プレート(14)間に挿入されて前記クーラーに入った後、流体流動(C)が複数の流動(A、B)に分割されるように形成される、好ましくは前記クーラー(10)の両面の中の一つで活発に流れるが、常に両面で同時に流れるように形成される中間プレート(12)を含むことを特徴とするクーラー(10)。
【請求項2】
前記中間プレート(12)は円形穴、長い穴、スリット(20)及び/またはスタンピング形状を含むことを特徴とする請求項1に記載のクーラー(10)。
【請求項3】
少なくとも一つの外部プレート(14)は少なくとも一つの流入口(22)及び/または流出口(24)を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のクーラー(10)。
【請求項4】
少なくとも一つのプレート(12、14)の厚さは最大0.5mmであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち何れか一項に記載のクーラー(10)。
【請求項5】
流体が前記クーラー(10)を通じてミアンダリング(meandering)及び/またはU字状に案内されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうち何れか一項に記載のクーラー(10)。
【請求項6】
従来冷媒の最大作動圧力に対応する機械的内部圧力抵抗を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のうち何れか一項に記載のクーラー(10)。
【請求項7】
前記中間プレート(12)は前記外部プレート(14)と完全に平らであるか、少なくとも一方から内側にオフセットされることを特徴とする請求項1乃至請求項6のうち何れか一項に記載のクーラー(10)。
【請求項8】
冷却水クーラーまたは冷却のための直接冷媒蒸発器として提供されることを特徴とする請求項1乃至請求項7のうち何れか一項に記載のクーラー(10)。
【請求項9】
前記中間プレート(12)の板厚さと前記少なくとも一つの外部プレート(14)の板厚さの間の最小比率が55%未満であることを特徴とする 請求項1乃至請求項8のうち何れか一項に記載のクーラー(10)。
【請求項10】
チャンネル幅とプレート厚さ間の比率が9より大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項9のうち何れか一項に記載のクーラー(10)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は実質的に平行する2個の流動チャンバーと実質的に平行する3個のプレートを含むクーラーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のバッテリークーラーは実質的に平行する2個のプレートで構成され、その中の一つのプレートは本質的に平面であり、該モジュールを冷却するためにバッテリーモジュールと直接接触するように備えられる。他のプレートは一般的に冷却水または冷媒の流動チャンネルを定義し、一般的に先に言及したプレートにハンダ付けで機械的に結合される。熱放出を改善するために一つ以上の流入口がさらに備えられることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような背景において、本発明はバッテリーモジュール用の改善されたクーラーを作ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は請求項1に記載される手段により解決される。
【0005】
それによると、クーラーは実質的に平行する2個の流動チャンバーと実質的に平行する3個のプレートを含み、この中の2個の外部プレートは少なくとも外側から実質的に平面構造を形成して冷却されるバッテリーモジュールと良好に直接接触するように形成される。
【0006】
クーラーは2個のプレート間の中間プレートをさらに含み、中間プレートは流体流動がクーラーに流入した後、好ましくは流入口の直後に、すなわち、流入口付近から複数の流動に分割されるように形成される。したがって、流動は常にクーラーの両側、すなわち、並列流動チャンバーの両側に備えられるが、活性流動はクーラーの両側の中の一つにおいて備えられることが好ましい。
【0007】
2個の並列流動チャンバーによって、一つ以上のバッテリーモジュールをクーラーの両側にある程度配置して、バッテリーハウジング内のパッキング密度を上げることができる。本発明によれば、一般的に流動チャンネルを定義する中間プレートは効率的な構造が保障されるように本質的に両側流動チャンバーに使われることができる。それと同時に、熱放出が保障されることができ、本発明によるクーラーは多様な類型及び数のバッテリーモジュールに対して優れる適応性を有する。完成度のために3個のプレートが適切な方式で互い機械的に連結されて、特に、ハンダ付けされて全体的に強度の高いクーラーを得ることができるとしている。これは内部圧力に対する抵抗と、例えば、組立の過程でバッテリーモジュールに連結する間、発生し得る外部の機械的ストレスに対する全ての抵抗と関連がある。クーラーの2階構造によってクーラーの両側に適切な流動チャンネルを提供することができ、クーラーの両側で温度分布と熱放出を最適化することができる。それと同時に、下記で詳細に説明するとように、2個の並列流動チャンバー間の流動を分割する措置は簡単な構造を通じて簡単な方式で備えられることができる。
【0008】
完成度を高めるために、公差によって発生し得る不回避な間隙のためにクーラーと一つ以上のバッテリーモジュール間に充電材(filler material)を設けても良い。クーラーはまた車両の冷却システムに連結されることができる。本発明によるクーラーはまた前述したように低い圧力損失を示し、クーラーの外部表面領域で高い強度及び低い温度差を示す。
【0009】
したがって、クーラーは振動またはモジュールアセンブリーのようなストレスに対する抵抗に関する要求事項を有利に満たす。これはシステム及び顧客要求事項によって調整することができる。
【0010】
好ましい追加開発は追加請求範囲に説明される。
【0011】
説明された流動分割を誘発するために中間プレートに形成される構造及び形状は円形穴、長い穴、スリット及び/または適切なスタンピング(stamping)形状が現在選好されている。これらは成形工程の間、効率的な方式でプレートに導入でき、出力、質量流動、流体類型などのようなパラメーターにそれぞれ適用されることができる。
【0012】
少なくとも一つの外部プレートは少なくとも一つの流入口及び/または流出口を含むことが好ましい。これは本質的に車両の流体システムに対する連結手段を備え、それぞれ使われるシーリング及びコネクター概念と独立的に設計されることができる。原則的に、連結部はクーラーの両側及び3個のプレートのそれぞれに形成されることができる。
【0013】
それと同時に、少なくとも一つのプレートの厚さは強度を大幅に減少させず、0.5mm以下に減らせるという長所がある。製造工程及び各要求事項によってプレート厚さは互いに異なることができる。
【0014】
流動形状と関連して初期シミュレーションの結果、ミアンダリング(meandering)及び/またはU字状が有利なことが分かった。ミアンダー(meander)は比較的複雑であることができるので、要求事項に合うように特別に調整することができる。
【0015】
クーラーの機械的内部圧力抵抗と関連して、現在、特に安定したクーラーを形成するために既存冷媒(R134a及びR1234yf)の最大作動圧力に該当する内部圧力に抵抗できるものが好ましい。この値は特にプレートを複数の地点で互いに連結するか、複数の流動チャンネルに平行するように連結して、プレート間の自由スパン(span)領域を最小化することによって達成できる。そうすると、プレートの厚さが0.5mm以下である場合も内部圧力抵抗を保障することができる。
【0016】
必要によって、中間プレートは外部プレートと完全に平らであるか、少なくとも一方から内側にオフセット(offset)されることができる。
【0017】
冷却水クーラー及び直接冷媒蒸発器は本発明によるクーラーの現在選好される使用分野である。
【0018】
前述したプレート厚さと関連して、現在中間プレートと少なくとも一つの外部プレートの間のプレート厚さは55%未満の最小比率が選好される。しかし、同じ厚さの3個のプレートまたは厚さ比率が55%より大きいプレートも使われることができる。
【0019】
本発明によるチャンネル構造はチャンネル幅とプレート厚さの間の比率が9より大きくすることがさらに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明によるクーラーの基本構造を図示する図面である。
図2】発明によるクーラーと2個のバッテリーモジュールの組合を図示する図面である。
図3】本発明によるクーラーを詳細に図示する図面である。
図4】4a,4b,4cは、本発明によるクーラーをさらに詳細に図示する図面である。
図5】5a,5b,5c,5d,5eは、本発明によるクーラーの代替構成を図示する図面である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。図1から分かるように、本発明によるクーラー(10)は本質的に1個の中間プレート(12)と2個の外部プレート(14)で構成される。全てのプレートは典型的及び実質的に長方形であり、外部プレート(14)は少なくともその外側から実質的に平面である。中間プレート(12)は中間プレート(12)の両側、すなわち両側外部プレート(14)に向かう流動チャンネルを形成するために、下記で詳細に説明される構造物を含む。詳細な説明において、中間プレート及び後方外部プレートは図面にXで示す入口及び出口をさらに含み、これは下記でさらに詳細に説明され、顧客仕様に沿って調整できる。
【0022】
図2に図示するように、本発明によるクーラー(10)は2個のバッテリーモジュール(16)間にサンドイッチのような方式で配置されることができ、好ましい方式でこれらを效率的に冷却できる。
【0023】
図3は個別流動チャンネルを互いに区分するために中間プレート(12)にリーブ(18)がどのように形成されるか、そして矢印Cで示される流入冷却水をビューワー(viewer)に向かう側面の冷却水流動Aとビューワー(viewer)から遠くを向かう側面の冷却水流動Bに分けるために、一例にスリット(20)が各リーブ(18)の片方上流段にどのように形成されるかを詳細に図示する図面である。下記でさらに詳細に説明するように、実施例で流動方向に実質的に横方向に形成されるスリット(20)は他の角度に向かうか、流動方向に実質的に平行するように向かうか、または特別な縦方向延長無く開口部に構成されることができる。また、リーブ(18)の開始部にあるスリットの代わりにまたは追加で、中間プレート(12)の反対側に冷却水流動を可能にする一つ以上の開口部が中間プレート(12)に備えられることができる。
【0024】
図4は実質的に図1に対応して、流動チャンネルには追加的なミアンダー(meanders)が備えられ、冷却器の流入口(22)及び流出口(24)は大きく円形開口部の形態に図4bにさらに詳細に図示する。図4aの左側上段に図示するように、流出口は例えば、図4の上部外部プレートに備えられることができ、流入口は他の外部プレートに備えられることができる。図4cから、リーブ(18)と共に備えられる中間プレート(12)が外部プレート(14)と結合して互いに平行する流動チャンネルが定義されることが明白である。
【0025】
図5aにはリーブ(18)の開始部分のスリット(20)が流動方向に実質的に平行するように向かうことのできる方法と、リーブ(18)が流動方向に横に延びるスリット(20)と共にその追加コースにわたって備えられることのできる方法を図示する。流動方向に平行するスリット(20)と一つ以上の横断スリット(20)は全て省略でき、一つ以上の横断スリット(20)または流動方向に平行するスリット(20)だけを残すことができる。
【0026】
図5bの左側領域に特に明白になっているように、一つ以上のこのようなスリット(20)は特別な縦方向延長無く開口部として、特に円形開口部としてリーブ(18)の縦方向延長及び/またはその側面に対応する位置に対で形成されることができる。図3に図示したスリット(20)及び/または図4bに図示した流入口(22)及び流出口(24)と類似し、さらに大きい実質的に円形である開口部がリーブの開始部分に備えられることができる。
【0027】
これは図5eに図示し、ここには流入口(22)及び流出口(24)が追加で図示する。図5eで、リーブ(18)の開始部分に比較的大きい開口部(20)が存在し、これは本質的にリーブ(18)と同じ幅を有することは明白である。図示した開口部(20)は全体的に実質的に円形である。「A」はリーブ(18)となりの冷却水流動を示す。
【0028】
図5cから明白に分かるように、本質的に流動方向に横方向である一つ以上のスリットは図5aに図示のものより広いことができ、したがって本質的に長い穴に形成されることができる。最後に、図5bはスリット(20)が言わばリーブ(18)の周囲に形成されるように個別段階またはブリッジ(24)によりリーブ(18)が周辺板材に連結される実施例を図示し、スリットはブリッジ(24)によってのみ断絶されて、スリットの実質的に一つのU字状端部は図5bに明白に示した。
【0029】
例えば、図1及び図4から明確に分かるように、セクションで互いに対して実質的に平行する複数の流動チャンネルを互いから区分できるようにリーブは実質的に直線的であることができる。
【符号の説明】
【0030】
10 クーラー
12 中間プレート
14 外部プレート
16 バッテリーモジュール
18 リーブ
20 スリット、開口部
22 流入口
24 ブリッジ、流出口
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
【国際調査報告】