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特表2024-532007投射光学系を保持する部材を含む自動車用光モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-04
(54)【発明の名称】投射光学系を保持する部材を含む自動車用光モジュール
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/29 20180101AFI20240828BHJP
   H01L 33/58 20100101ALI20240828BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20240828BHJP
   B60Q 1/50 20060101ALI20240828BHJP
   F21S 41/25 20180101ALI20240828BHJP
   F21Y 105/10 20160101ALN20240828BHJP
【FI】
F21S41/29
H01L33/58
G02B7/02 B
G02B7/02 F
B60Q1/50
F21S41/25
F21Y105:10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501619
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 EP2022069327
(87)【国際公開番号】W WO2023285384
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】2107569
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】ダーキー、サケット
(72)【発明者】
【氏名】フランク、ディナン
(72)【発明者】
【氏名】エメリック、マドリー
(72)【発明者】
【氏名】フロレスタン、デベール
【テーマコード(参考)】
2H044
3K339
5F142
【Fターム(参考)】
2H044AB05
3K339AA04
3K339AA43
3K339BA12
3K339DA01
3K339EA02
3K339GB11
3K339HA30
5F142AA01
5F142AA41
5F142AA84
5F142BA32
5F142CD02
5F142DB12
5F142GA28
(57)【要約】
本発明は光モジュール(1)に関し、この光モジュール(1)は、
光源(2)の支持物として機能することを意図した固定取付具(7)と、
焦点面(F)を有し、光源(2)により放射される光線の光を投射するよう設計されている投射光学系(3)と、
投射光学系(3)を保持する部材(4)と、
を含む。
本発明によれば、保持部材(4)は第1支持要素(41)と、第2支持要素(42)と、を含む。第2支持要素(42)は投射光学系の支持物として機能する。第1支持要素(41)は第2支持要素を固定取付具へ連結する。支持要素(41、42)は、投射光学系の熱膨張にもかかわらず、光モジュールが投射画像の良好な品質を保証できる位置に焦点面を位置付けるように配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源(2)の支持物として機能することを意図した固定取付具(7)と、
焦点面(F)を有し、前記光源(2)により放射される光線の光を投射するよう設計されている投射光学系(3)と、
前記投射光学系(3)を保持する部材(4)であって、
第1支持要素(41)と、
前記投射光学系の支持物として機能する第2支持要素(42)と、
を含む前記部材(4)と、
を含み、
前記第2支持要素(42)は前記投射光学系(3)が熱膨張できるように配置され、これにより前記焦点面(F)は第1方向(D)へ移動し、
前記第1支持要素(41)は第1熱膨張率(α1)を示し、前記第2支持要素は前記第1熱膨張率とは異なる第2熱膨張率(α2)を示し、
前記第1支持要素(41)は、一方の側では前記固定取付具(7)に連結され、他方の側では前記第1支持要素(41)が変形している間に前記第2支持要素(42)を前記第1方向(D)とは反対の第2方向(C)へ移動させるように、前記第2支持要素(42)に連結される、
ことを特徴とする光モジュール(1)。
【請求項2】
温度が初期値(T0)から最終値(T1)へと変化した場合に、
前記投射光学系(3)の前記熱膨張により前記焦点面(F)が第1距離(d1)だけ移動し、
前記第1支持要素(41)の前記変形により前記第2支持要素が第2距離(d2)だけ移動し、
前記第1熱膨張率(α1)および前記第2熱膨張率(α2)は前記第1距離(d1)が前記第2距離(d2)と実質的に等しくなるように規定される、
請求項1に記載の光モジュール。
【請求項3】
前記第2熱膨張率(α2)は前記第1熱膨張率(α1)より低い、請求項1または請求項2に記載の光モジュール。
【請求項4】
前記第1支持要素(41)は第1接触領域(411)において前記取付具(7)と接触していて、前記第1接触領域(411)の反対側に位置する第2接触領域(412)において前記第2支持要素(42)と接触している、請求項1に記載の光モジュール。
【請求項5】
前記投射光学系(3)は前記光源(2)に向けられている第1の側(31)を有し、前記第2支持要素(42)は前記投射光学系(3)を前記第1の側(31)で支持する、請求項1から4のいずれか一項に記載の光モジュール(1)。
【請求項6】
前記投射光学系(3)は、光学的機能を実現する中央領域(311)と、前記中央領域(311)を取り囲む辺縁領域(312)とを含み、前記第2支持要素(42)は前記辺縁領域(312)の形状に少なくとも部分的に適合するように配置される、請求項5に記載の光モジュール(1)。
【請求項7】
前記投射光学系(3)は前記第1の側(31)とは反対側に第2の側(32)を有し、前記第2支持要素(42)は前記投射光学系の前記第2の側(32)を圧迫する弾性変形可能部材(421)を含む、請求項5または6に記載の光モジュール(1)。
【請求項8】
前記第2支持要素(42)は2つの別の部品(421、422)を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の光モジュール(1)。
【請求項9】
前記第2支持要素(42)は、第1部品(421)と、前記投射光学系(3)を収容する空間を形成するために前記第1部品にはめ込まれる第2部品(422)とを含み、前記2つの部品のうちの一方は前記投射光学系を前記投射光学系の前記第1の側(31)で支持し、他方の部品は前記投射光学系(3)を前記第1の側(31)とは反対側の前記第2の側(32)で圧迫する前記弾性変形可能部材を含む、請求項8に記載の光モジュール(1)。
【請求項10】
前記第2支持要素(42)は一部品で作られている、請求項1から7のいずれか一項に記載の光モジュール(1)。
【請求項11】
前記第1支持要素(41)および前記第2支持要素(42)は接着またはスナップ式締結により互いに連結されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の光モジュール(1)。
【請求項12】
前記光モジュール内の前記光線の伝搬方向で前記投射光学系(3)の上流に配置されるスライド(5)を含み、前記スライドは投射されるパターンが付けられて前記投射光学系の方に向けられている第1面(51)を有し、前記焦点面(F)の所望の位置は前記第1面または前記第1面の付近にある、請求項1から11のいずれか一項に記載の光モジュール(1)。
【請求項13】
前記固定取付具(7)は前記スライド(5)の支持物としても機能する、請求項12に記載の光モジュール(1)。
【請求項14】
前記投射光学系(3)は互いに重ねられて積層された複数のレンズ(30)を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の光モジュール(1)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の光モジュールを含む、自動車用照明装置。
【請求項16】
筐体を含み、前記光モジュール(1)の前記固定取付具(7)が前記筐体に連結される、請求項15に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用の照明装置に組み込むことを意図している光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
照明装置は、使用されている際にその内部に存在する光源により放出される熱のために熱くなることが知られている。照明装置内の温度が上昇し、これはこの装置に含まれる要素に影響を及ぼしうる。たとえば、照明装置に収容されているレンズは、照明装置が光を投射するのに用いられている場合、温度の上昇と共に膨張するのが一般的である。
【0003】
レンズの熱膨張によって、これらのレンズに対応する焦点、または焦点面が移動する可能性がある。照明装置がパターンを投射するよう設計される場合、移動した焦点面はもはやそのパターンの高さにはない。それゆえ、投射された画像はその鮮明さを失う。言い換えると、投射された画像の品質は低下する。この現象はデフォーカスとしても知られる。
【0004】
この問題を克服するために、熱的に安定していて温度上昇によく耐える材料であるガラスからレンズは製造される。しかし、こうしたレンズは高重量で高価である。さらに、レンズをガラスから製造するのは手間がかかる。これは、自動車のライトで用いるためには、ガラス製レンズの一部はしばしばプラスチックで作られ、そのためガラスの上にオーバーモールドする必要があり、製造工程を複雑化する。
【0005】
提案された別のソリューションは、レンズの膨張を防ぐために高温によく耐える支持要素内にレンズを設置することである。具体的には、支持要素がレンズまたはレンズ群の外周を締め付ける。したがって温度の上昇にもかかわらず支持要素は固定されたままであり、レンズまたはレンズ群に対して、膨張できないように荷重をかける。しかし、レンズの外周に局在化されたこの荷重は、熱膨張により引き起こされた変形を荷重がかかっていない領域、とりわけ、レンズの光学面が存在する中央領域へと移動させる。その結果、光学面は支持要素がない場合と比べてより広範囲に変形する。この変形は制御するのが難しく、焦点面の位置に不確かな結果をもたらしかねない。
【発明の概要】
【0006】
前述の事を踏まえ、本発明の目的は、照明装置内に取り付けることを意図した光モジュールを設計することであり、この光モジュールは、光学素子の熱膨張により引き起こされるデフォーカスの問題を低減、またはさらに取り除く。また、そのような光モジュールは、実現するのが簡単でありながら製造コストや重量に関連する要件も満たす。
【0007】
この目的を念頭に置いて、本発明は光モジュールを提供し、この光モジュールは、
光源の支持物として機能することを意図した固定取付具と、
焦点面を有し、光源により放射される光線の光を投射するよう設計されている投射光学系と、
投射光学系を保持する部材であって、
第1支持要素と、
投射光学系の支持物として機能する第2支持要素と、
を含む部材と、
を含む。
【0008】
本発明によれば、第2支持要素は投射光学系が熱膨張できるように配置され、これにより焦点面は第1方向へ移動する。
【0009】
さらに、第1支持要素は第1熱膨張率を示し、第2支持要素は第1熱膨張率とは異なる第2熱膨張率を示す。最後に、第1支持要素は、一方の側では固定取付具に連結され、他方の側では第1支持要素が変形している間に第2支持要素を第1方向とは反対の第2方向へ移動させるように、第2支持要素に連結される。
【0010】
この場合、固定取付具は基準系として機能する。固定取付具は、光モジュールの温度の変動に対して、たとえ反応したとしてもほとんど反応しない。例として、固定取付具は、温度に反応しない不活性な材料で作ることができる。第2支持要素は投射光学系を保有している。たとえば、第2支持要素は、投射光学系が据え付けられる凹部を含む。最後に、第1支持要素は、固定取付具と第2支持要素の間の中間部品として機能する。
【0011】
提案される光モジュールでは、投射光学系は光モジュール内部の温度上昇による熱膨張によって自由に変形する。この変形によってもたらされる焦点面の移動は、保持部材により補正される。
【0012】
具体的には、保持部材が投射光学系の膨張を妨げないと仮定すると、焦点面は規定される境界内で移動できる。しかし、第2保持部材要素は焦点面の移動を所与の方向へ向けるよう設計される。同時に、温度の影響で、保持部材も焦点面が移動する方向とは反対の方向に投射光学系を移動させるように変形する。
【0013】
その結果、焦点面は、投射光学系の熱膨張により移動するにもかかわらず、温度が上昇する前にあった位置の近く、またはその周辺に位置する。言い換えると、デフォーカス現象は、提案される光モジュールにおいては補正される。
【0014】
したがって、投射された画像は、光モジュールの動作時間に関係なく、常に鮮明なままで良好な画像品質となる。
【0015】
さらに、光モジュールは熱膨張によりもたらされるデフォーカスを補正することができるので、温度の変動に対して敏感であるが、その一方で安価である投射光学系の構成材料を利用することも考えられる。例として、投射光学系はポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、または、たとえばZeonex(ゼオネックス、登録商標)というブランドのシクロオレフィンポリマー(COP)で作ることができる。それでもなお、提案される保持部材はガラスの投射光学系に非常に適している。
【0016】
本明細書では、投射光学系は、モジュールの大きさと比べて(有限または無限の)非常に大きな(少なくとも30倍ほど、好ましくは100倍ほどの)距離で、モジュールの一部、たとえば光源自体、または光源の中間画像の実際の画像、および場合によってはアナモルフィックな画像を作り出す。この投射光学系は、1つもしくは複数の反射器、1つもしくは複数のレンズ、1つもしくは複数の導光板、またはさらにこれらの取り得る組み合わせから構成することができる。
【0017】
本発明に係る光モジュールは、任意選択で以下の特徴のうちの1つまたは複数を持ちうる:
- 温度が変動し、温度が初期値から最終値へと変化した場合に、投射光学系の熱膨張により焦点面が第1距離だけ移動し、第1支持要素の変形により第2支持要素が第2距離だけ移動し、さらに第1熱膨張率および第2熱膨張率は第1距離が第2距離と実質的に等しくなるように規定され、「実質的に等しい」とは第2距離が第1距離と等しくなりうる、または第1距離よりわずかに小さくなりうることを意味し、したがって、反対方向へ移動することに加えて、投射光学系と焦点面はおよそ同じ距離だけ移動し、投射光学系と焦点面のそれぞれの移動は方向およびベクトルとしての値で特徴づけられ、距離が等しい場合は投射光学系の移動を特徴づけるベクトルと焦点面の移動を特徴づけるベクトルは、この場合は互いに打ち消し合う2つの反対方向のベクトルであり、したがって、焦点面は光モジュール内の所望の位置に留まっており、ここで「所望の位置」とは、焦点面がその場所にある場合に光モジュールにより投射される画像が良好な鮮明さと輝度を有していることを意味する、
- 第1支持要素は第1接触領域において固定取付具と接触していて、第1接触領域の反対側に位置する第2接触領域において第2支持要素と接触している、言い換えると、第1支持要素は固定取付具との連結のために固定されている端部と、第2支持要素との連結のために自由になっている端部とを含み、このようにすることで、光モジュール内の温度が変動した場合に第1支持要素の構造的な変形が第2接触領域、または自由端で発生し、ここで「構造的な変形」とは、たとえば伸長または短縮からなる、第1支持要素の大きさの変更を意味すると理解され、さらに、第1支持要素の構造は、投射光学系の焦点面の移動を補正するのに効果的である一方で単純で容易に実現できる、
- 第1支持要素と固定取付具の間の第1接触領域は、スライドの第1面と実質的に同じ高さに位置する少なくとも一つの部分を含むことができて、したがって、第1要素の熱膨張に関する作動長は最大となり、もちろん、第1接触領域の他の部分は必ずしもスライドの第1面と同じ高さには位置しない、
- 投射光学系は光源に向けられている第1の側を有し、第2支持要素は投射光学系を第1の側で支持する、
- 投射光学系は、光学的機能を実現する中央領域と、中央領域を取り囲む辺縁領域とを含み、第2支持要素は辺縁領域の形状に少なくとも部分的に適合するように配置され、これにより、第2支持要素は投射光学系を容易につかむことができる、
- 投射光学系は第1の側とは反対側に第2の側を有し、第2支持要素は投射光学系の第2の側を圧迫する弾性変形可能部材を含み、したがって、通常は弾性変形可能部材により投射光学系が第2支持要素によって適切に保持されることが保証され、対照的に、温度が上昇している間はこの弾性変形可能部材は変形し、これにより投射光学系が膨張することが可能となる、
- 第2支持要素は2つの別の部品を含む、
- 一例によれば、第2投射要素は、第1部品と、投射光学系を収容する空間を形成するために第1部品にはめ込まれる第2部品とを含み、これら2つの部品のうちの一方は投射光学系を投射光学系の第1の側で支持し、他方の部品は第1の側とは反対側の第2の側で投射光学系を圧迫する弾性変形可能部材を含む、
- たとえば、第1部品および第2部品は、投射光学系を受け入れる空間を形成するために他方の部品にはめ込まれるよう設計されている中空の円筒であり、第1部品は固定取付具に隣接して位置する第1端部で投射光学系を支持するよう意図され、第2部品は第1部品に部分的にはめ込まれ、第2部品のはめ込まれていない部分は、弾性変形可能部材を形成するように投射光学系受け入れ空間の内側へ向けて折り曲げられた縁部を含み、折り曲げられた縁部は投射光学系の第2端部を圧迫する、
- あるいは、第2支持要素は一部品で作られていて、例として、第2支持要素は環状壁を有する中空円筒形の主部と、この環状壁から半径方向に突き出ているフランジとを含み、フランジは第1支持要素の端部を圧迫するよう意図されており、フランジは第1支持要素と第2支持要素との間に介在する接着層により第1支持要素に固定することができる、
- 第1支持要素および第2支持要素は接着またはスナップ式締結により互いに連結されて、例として、接着による固定はUV架橋式接着剤を用いることであるが、もちろん、他の固定手段も考えられる、
- 光モジュールは、光モジュール内の光線の伝搬方向で投射光学系の上流に配置されるスライドを含み、このスライドは投射されるパターンが付けられて投射光学系の方に向けられている第1面を有し、焦点面の所望の位置は前記第1面または前記第1面の付近にあり、本出願では「の付近」は、光源から出た光線が投射光学系の光軸と実質的に平行に現れるように、焦点面の位置が第1面から少し離れていることを意味するものと理解され、その距離は、たとえば投射光学系の焦点距離の10分の1に等しく、したがって、焦点面は投射されたパターンの鮮明さを確保するために常にスライドの第1面およびその付近に存在する、
- あるいは、光モジュールがスライドを持たない例では、焦点面の所望の位置は光源上に位置し、したがって、投射光学系は光源の像を投射する、
- 例示の一実施形態によれば、固定取付具はスライドの支持物としても機能し、したがって、光源およびスライドは互いに対して速やかに良い位置となり、これにより組立が簡単になる、
- 第2熱膨張率は第1熱膨張率より低く、本明細書では、熱膨張率はケルビンのマイナス1乗(K-1)での線熱膨張率である、
- 一例によれば、第1支持要素は90×10-6-1と180×10-6-1の間、好ましくは100×10-6-1と150×10-6-1の間の熱膨張率を有する材料から作られる、
- 第1支持要素はポリアミドから作られる、
- 第2支持要素は12×10-6-1と30×10-6-1の間、好ましくは15×10-6-1と24×10-6-1の間の熱膨張率を有する材料から作られる、
- 第2支持要素は、アルミニウムおよび鋼鉄から選ばれた材料から作られる、
- 投射光学系は第2支持要素の熱膨張率より大きな熱膨張率を示す、
- 投射光学系は互いに重ねられて積層された複数のレンズを含み、たとえば、レンズの個数は2から6の間とすることができて、任意選択で投射光学系は4つのレンズを含み、この4つのレンズは、ガラスとプラスチックから選ばれた同じ材料で作ることができる、または、ガラスレンズとプラスチックレンズの組み合わせである、
- 光モジュールは、光源と、光源により出力される光線の伝搬方向で光源の下流に配置されるコリメータも含み、コリメータは光源に面して配置される上流面とスライドに面して配置される下流面とを含み、したがって、コリメータから出る光は投射光学系の方向に向かう平行な光線で構成され、それゆえ、コリメータは光源により放射される光線の分散を制限することを可能とする、
- 光モジュールが照明装置に組み込まれる場合、固定取付具はこの装置の筐体に連結される。
【0018】
本発明の更なる主題は、本発明に係る光モジュールを含む自動車用照明装置である。
【0019】
例として、この照明装置は車両のどちらかの側に位置する空間を照らす補助機能を提供する。
【0020】
一実施形態によれば、この照明装置は筐体を含む。適切な固定手段により固定取付具が筐体に連結される。
【0021】
更なる革新的な特徴および利点は、添付の図面を参照して非限定的な指示として与えられる以下の説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の例示の一実施形態に係る光モジュールを含む自動車の側面図を示す。
図2図1の光モジュールの断面図を示す。
図3図1の光モジュールの詳細な断面図を示す。
図4図3に示される光モジュールの分解組立図を示す。
図5A】周囲温度T0での光モジュールの模式図を示す。
図5B】周囲温度より高い第1温度T1での光モジュールの模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
これらの図、特に図1を参照すると、自動車10は、示されている左側に前部ドア11と後部ドア13とを含む。光モジュール1(図1では見えない)を有する照明装置が前部ドア11と後部ドア13の下に位置するドア枠12に設置されている。示されている例では、照明装置はドア枠12の前端部に位置し、車両10の主軸線Pと平行に、車両10の後部まで広がる光照射野Sを地面へ投射するよう設計される。投射軸線は水平軸線に対して角度αを作る。
【0024】
照明装置は、前後の入口ドアに隣接して位置する空間用の側部照明手段として機能する。
【0025】
図2では、光モジュール1は光源2と、投射光学系3と、光源2と投射光学系3の間に配置されるスライド5とを含む。
【0026】
この場合、光源2はLED(“light-emitting diode”(発光ダイオード)の省略形)である。他の種類の光源は考えられる。光源2は1つまたは複数のLEDを含むことができる。
【0027】
示されている例では、投射光学系3は焦点面Fを有し、互いに重ねられて積層された複数のレンズ30で構成される。ここでは4つのレンズが存在する。
【0028】
レンズ30のそれぞれは、光学的機能を実現する屈折面を有する中央領域311と、中央領域311を取り囲む辺縁領域312とを含む。屈折面は、光源2により出力される光線を歪曲収差などの光学的収差を制限しながら投射するよう構成される。投射光学系3は、以下ではレンズ群3と呼ばれる。
【0029】
辺縁領域312は、隣接するレンズの辺縁領域において相補的係合手段と協調するよう意図された係合手段を備えている。例として、係合手段は溝またはリブを含みうる。
【0030】
スライド5は、この場合は、実例として四角断面を有する透明板53である。スライド5は、たとえばホウケイ酸ガラスであるガラスや、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)であるプラスチックで作ることができる。
【0031】
スライド5は、第1面51と第2面52を有する。スライドは、第1面51がレンズ群3に向けられ、第2面52が光源2に向けられるように、光モジュール1内に配置される。第1面51は下流面としても知られ、第2面52は上流面としても知られる。用語「上流」および「下流」は、光モジュール1内の光の伝搬方向において規定される。
【0032】
図3および図4は光モジュール1をより詳細に示し、光モジュール1の更なる要素、特に保持部材4と固定取付具7を示している。
【0033】
示されている例では、固定取付具7は光源2およびスライド5の支持物として機能する。この場合、固定取付具7は光源2が取り付けられる基板20を含む。基板20はプリント回路基板(すなわち、PCB)でありうる。
【0034】
また、固定取付具はスライド5を保持するフレーム50と、光源2とスライド5の間に設置されるコリメータ6も含む。この場合、コリメータ6はフレーム50に一体化された部分である。コリメータ6は、光源2に面して配置される上流面61と、スライド5に面して配置される下流面62とを含む。
【0035】
この例では、フレーム50は、2つの固定用タブ51および2つのピン52を用いて基板20に固定される。具体的には、固定用タブ51は基板20の第2面22に当接し、ピン52は基板20内に作られた対応する穴に係合される。このようにして、基板20およびフレーム50は固定取付具7を構成するブロックを形成する。
【0036】
投射光学系3は、保持部材4により固定取付具7に連結される。この場合、保持部材4は、レンズ30の支持物として、またスライド5に対してレンズを位置決めするための手段として機能する。
【0037】
本発明によれば、示されている例のように、保持部材4は第1支持要素41と第2支持要素42とを含む。
【0038】
第1支持要素41は、固定取付具7を第2支持要素42に連結する中間部品である。具体的には、第1支持要素41は、固定取付具7と第2支持要素42の間に介在する円筒形スリーブにより形成される。前記第1要素は、当業者の語彙においてはバレル(barrel)としても知られる。第1支持要素41は、第1支持要素41と固定取付具7という2つの要素を組み立てるために固定取付具7の中に作られたスロット513へと挿入することを意図した係合用タブ412を含む。
【0039】
組み立てられると、第1支持要素41は固定取付具7に向けられている第1端部411において固定取付具7と接触する。第1端部411は第1接触領域411としても知られる。
【0040】
この場合、第1接触領域411は複数の接触部を含む。そうした接触部のいくつかは、スライド5の第1面51と同じ高さに位置する。そのほかのもの、特に第1支持要素41とフレーム50の固定用タブ51の肩部の間の接触部はスライドよりも高い高さに位置する。言い換えると、第1接触領域411と第1面51の間の連結は異なる高さで実現されることがある。
【0041】
示されている例では、第1支持要素41は、第1端部411とは反対側に位置する第2端部412において第2支持要素42に連結される。この場合、第1支持要素41は、第1支持要素41と第2支持要素42を結び付ける接着層を介して第2支持要素42と接触する。他の連結手段も考えられる。接着による第1支持要素41と第2支持要素42の結合により、スライド5に対してレンズ群3の焦点面Fの位置を容易に調整することが可能となる。
【0042】
この場合、第2支持要素42は、レンズ群3を収容する空間を形成するために、一方が他方にはめ込まれる2つの別の部品を含む。第2支持要素42は、レンズボックスとしても知られる。
【0043】
具体的には、第1部品421は、両側が開いた中空で円筒形の主部を含む。しかし、両側のうちの一方の側での開口は他方の側での開口よりも小さい。具体的には、光源の方向を向いている方である第1部品421の第1の側は、環状台座423を作るために内向きに折り曲げられた縁部を含む。この場合、環状台座423は、この台座と直接接触するレンズ30の辺縁領域311の形状と相補的な形状を有する。このようにして、環状台座423は、第1部品421とレンズ30の間で正しい保持が確実に得られるようにするために、辺縁領域311の形状に完全に適合する。環状台座423は第1開口425の境界を定め、第1開口の直径はレンズ30の中央領域312の直径に相当する。
【0044】
第1の側とは反対側にある第1部品421の第2の側は、第1支持要素41の第2端部412の上に載せられて適切な手段、たとえばUV架橋可能な接着剤や熱接着剤、またはこれら2種類の接着剤の組み合わせにより第2端部412に固定されるフランジ424を含む。フランジ424は、第1開口425の直径よりも大きな直径を有する第2開口426を規定する。第2開口426は、第2支持要素42の第2部品422を受けるのに充分に広くなるよう意図されている。
【0045】
この場合、第2部品422は開放端となっていて中空で円筒形の主部も含む。第2部品422は、部分的に第1部品421にはめ込まれる。第2部品422のはめ込まれていない端部である自由端は、絞り33を圧迫する、内向きに折り曲げられた縁部428を含む。絞り33はレンズ群3の一部であり、レンズ群3の光学面を規定する開口を含む。
【0046】
第2部品422は、折り曲げられた縁部428が弾性変形挙動を示すように設計され、これは、縁部428は変形した場合にその初期位置へと戻る傾向があることを意味する。この場合、第2部品422は、縁部428において弾性挙動をもたらすように充分に小さな厚さを有する。図3に示される縁部428は、絞り33を圧迫する場合の初期位置にある。この支圧による接触は、複数のレンズ30の間の隙間を除去してレンズ群3を固定するために、環状台座423とレンズ群3の反対側での接触に追加される。
【0047】
このように設計される第2部品422は、弾性変形可能部材としても知られる。加えて、縁部428の弾性変形により、光モジュールの温度が上昇した場合にレンズ群3の膨張が許容される。具体的には、縁部428は、レンズ群3が膨張した場合にはレンズ群3が押してくる影響を受けて持ち上げられる。
【0048】
第1部品421と第2部品422が組み立てられると、これらの2つの部品はレンズ群3が収容される筐体を形成する。前記筐体は第2支持要素42を構成する。
【0049】
示されている例では、レンズ群3、第1支持要素41、第2支持要素42はそれぞれ、温度が変動した場合の膨張の影響を受ける。この場合、これらの要素のそれぞれは正の熱膨張率を有する材料から作られていて、これは、これらの要素は温度が上昇した場合には膨張してその大きさが増加することを意味する。しかし、これらの要素の熱膨張率は、具体的には投射光学系のデフォーカスを制限するのに寄与するように、上記の組立品では異なる。言い換えると、上記の光モジュールの配置とこの光モジュール内の特定の要素の異なる組成によって、モジュール内の温度上昇にもかかわらず焦点面Fを所望の位置、この場合は実質的にスライド5の第1面51に留めておくことが可能となる。
【0050】
これより、提示される概念の動作原理について図5を参照しながら詳細に説明する。
【0051】
図5は、周囲温度Tでの光モジュール1を示す一つ目の図5Aと、周囲温度Tより高い温度Tでの光モジュール1を示す二つ目の図5Bを含む。これらの図で分かるように、レンズ群3、第1支持要素41、および第2支持要素42は、周囲温度Tからより高い温度Tへと移るとその大きさ、および/または位置を変えるが、焦点面Fはいずれの場合でも同じ位置に留まる。
【0052】
示されている例では、第1支持要素41は第1熱膨張率α1を示す材料で作られる。第2支持要素42は第2熱膨張率α2を示す材料で作られる。レンズ群3は第3熱膨張率α3を示す。この場合、これらの熱膨張率は、その値の減少する順に以下のように分類される。
- 第1熱膨張率α1
- 第3熱膨張率α3
- 第2熱膨張率α2
【0053】
保持部材4が存在しなかった場合、モジュール内の温度上昇により引き起こされるレンズ群3の膨張により、焦点面Fは、図5Aに示される温度T1での焦点面F’の位置に到達するまで図5Aに示される矢印Dに沿って固定取付具7の方向へ移動したであろう。保持部材4がない場合のレンズ群3の膨張により引き起こされる焦点面Fの最終的な位置は、理解を容易にするために図5Aに描かれており、図5Aにおける周囲温度Tでの状況とは関連がないことに留意されたい。
【0054】
第2距離d2として知られる焦点面Fが移動する距離は、温度の変動により決まる:
d2=f(ΔT)
この場合、ΔT=T1-T0。
【0055】
示される例の光モジュールでは、温度が上昇した場合、保持部材4内に配置されるレンズ群3は、図5Bに示される矢印Cにより示される、固定取付具7から離れる方向へ膨張する。この膨張は、上記の弾性変形可能部材422を有する第2支持要素42の構成により可能である。さらに、第2支持要素42はレンズ群3の熱膨張率(α3)より低い熱膨張率α2を有するので、前記第2要素は、レンズ群3を他方向ではなく一方の方向へ膨張させる。この場合、レンズ群3は第1部品の側よりも第2部品422の側でより膨張する。加えて、温度が下降した場合は、第2支持要素42は、レンズ群3が確実に適切に締め付けられるように、レンズ群3よりも大きく収縮する。
【0056】
レンズ群3の膨張により焦点面Fが移動する。実際には、非限定の例として、所与の温度変動での焦点面Fの移動は、第1要素と固定取付具の間の支持面を基準点として利用した熱光学的シミュレーションにより計算される。この計算は、動作温度範囲内の各点に対して実行することができる。
【0057】
レンズ群3の挙動と焦点面の移動の知識において、第1要素41および第2要素42は、膨張にもかかわらず焦点面Fをスライドの第1面51に位置付けるように設計される。具体的には、第1要素41の熱膨張率(α1)と第2要素42の熱膨張率(α2)の間の差は、レンズ群3を焦点面Fの移動とは反対方向へ、焦点面Fが移動する距離と実質的に等しい距離だけ移動させるのに充分大きい必要がある。
【0058】
具体的には、温度が値Tへと上昇した場合、第1支持要素41は図5Bで矢印Aにより示される、固定取付具7から離れる方向へと伸びる。第1支持要素41の長さは、周囲温度Tでの初期値Lから温度Tでのより大きな値Lへと変化する。
【0059】
同時に、第2支持要素42は矢印Bにより示される固定取付具7の方向へ延びる。この場合、第1部品の他方の端部は第1支持要素41に連結されているので、固定取付具7へ向かって延びるのは第1部品421である。第2支持要素42の伸長は、レンズ群3の膨張を反映している。第2支持要素42は、レンズ群3の膨張を可能とすると同時に第1支持要素の変形により移動されるという中間物の役割を有する。この移動によって、レンズ群3は焦点面Fの動きとは反対方向に動く。動かされる距離の値は、第1支持要素41および第2支持要素42の熱膨張率により決まる。
【0060】
具体的には、第1支持要素41および第2支持要素42の変形の結果として、レンズ群3は矢印Eにより示される、固定取付具7から離れる方向へ第1距離d1だけ移動する。この距離は、第1支持要素41および第2支持要素42のそれぞれの伸長とそれらのそれぞれの熱膨張率により決まる。
d1=(α1-α2)×L0×ΔT
この場合、Lは第1支持要素41の初期長さであり、
ΔT=T1-T0
【0061】
レンズ群3に対応する焦点面Fは、このレンズ群と同様に移動する、つまり、固定取付具7から離れる方向へ第1距離d1の値だけ移動する。
【0062】
したがって、焦点面Fが初期位置の比較的近くに、またはさらに温度上昇の前と同じ位置に位置付けられるように、レンズ群3の上昇によって、膨張現象により引き起こされる焦点面Fの移動を補正する必要がある。
【0063】
言い換えると、レンズ群3と焦点面Fが2つの反対の方向へと移動するという事実に加えて、第1距離d1および第2距離d2は実質的に等しい必要がある:d1=d2(±10%)。これは、第1熱膨張率α1および第2熱膨張率α2を適切に選択することで達成される。
【0064】
得られた結果が図5Bに示されている。レンズ群3の上昇により、焦点面F’は位置F’’へと上昇し、位置F’’は周囲温度における焦点面Fと同じ位置にある。もちろん、位置F’’は厳密には初期位置ではない可能性があるが、この場合は、光モジュールにより投射される画像が良好な品質であることが保証されるように初期位置に近い。
【0065】
その結果、記載された光モジュール1は、モジュール内の温度が上昇した場合に引き起こされるデフォーカスの問題を解決する。焦点面はスライドの第1面に留まっているので、投射されたパターンはモジュールを使用している間は使用時間にかかわらず鮮明に表示される。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
【手続補正書】
【提出日】2024-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源(2)の支持物として機能することを意図した固定取付具(7)と、
焦点面(F)を有し、前記光源(2)により放射される光線の光を投射するよう設計されている投射光学系(3)と、
前記投射光学系(3)を保持する部材(4)であって、
第1支持要素(41)と、
前記投射光学系の支持物として機能する第2支持要素(42)と、
を含む前記部材(4)と、
を含み、
前記第2支持要素(42)は前記投射光学系(3)が熱膨張できるように配置され、これにより前記焦点面(F)は第1方向(D)へ移動し、
前記第1支持要素(41)は第1熱膨張率(α1)を示し、前記第2支持要素は前記第1熱膨張率とは異なる第2熱膨張率(α2)を示し、
前記第1支持要素(41)は、一方の側では前記固定取付具(7)に連結され、他方の側では前記第1支持要素(41)が変形している間に前記第2支持要素(42)を前記第1方向(D)とは反対の第2方向(C)へ移動させるように、前記第2支持要素(42)に連結される、
ことを特徴とする光モジュール(1)。
【請求項2】
温度が初期値(T0)から最終値(T1)へと変化した場合に、
前記投射光学系(3)の前記熱膨張により前記焦点面(F)が第1距離(d1)だけ移動し、
前記第1支持要素(41)の前記変形により前記第2支持要素が第2距離(d2)だけ移動し、
前記第1熱膨張率(α1)および前記第2熱膨張率(α2)は前記第1距離(d1)が前記第2距離(d2)と実質的に等しくなるように規定される、
請求項1に記載の光モジュール。
【請求項3】
前記第2熱膨張率(α2)は前記第1熱膨張率(α1)より低い、請求項1または請求項2に記載の光モジュール。
【請求項4】
前記第1支持要素(41)は第1接触領域(411)において前記取付具(7)と接触していて、前記第1接触領域(411)の反対側に位置する第2接触領域(412)において前記第2支持要素(42)と接触している、請求項1に記載の光モジュール。
【請求項5】
前記投射光学系(3)は前記光源(2)に向けられている第1の側(31)を有し、前記第2支持要素(42)は前記投射光学系(3)を前記第1の側(31)で支持する、請求項1に記載の光モジュール(1)。
【請求項6】
前記投射光学系(3)は、光学的機能を実現する中央領域(311)と、前記中央領域(311)を取り囲む辺縁領域(312)とを含み、前記第2支持要素(42)は前記辺縁領域(312)の形状に少なくとも部分的に適合するように配置される、請求項5に記載の光モジュール(1)。
【請求項7】
前記投射光学系(3)は前記第1の側(31)とは反対側に第2の側(32)を有し、前記第2支持要素(42)は前記投射光学系の前記第2の側(32)を圧迫する弾性変形可能部材(421)を含む、請求項5に記載の光モジュール(1)。
【請求項8】
前記第2支持要素(42)は2つの別の部品(421、422)を含む、請求項1に記載の光モジュール(1)。
【請求項9】
前記第2支持要素(42)は、第1部品(421)と、前記投射光学系(3)を収容する空間を形成するために前記第1部品にはめ込まれる第2部品(422)とを含み、前記2つの部品のうちの一方は前記投射光学系を前記投射光学系の前記第1の側(31)で支持し、他方の部品は前記投射光学系(3)を前記第1の側(31)とは反対側の前記第2の側(32)で圧迫する前記弾性変形可能部材を含む、請求項8に記載の光モジュール(1)。
【請求項10】
前記第2支持要素(42)は一部品で作られている、請求項1に記載の光モジュール(1)。
【請求項11】
前記第1支持要素(41)および前記第2支持要素(42)は接着またはスナップ式締結により互いに連結されている、請求項1に記載の光モジュール(1)。
【請求項12】
前記光モジュール内の前記光線の伝搬方向で前記投射光学系(3)の上流に配置されるスライド(5)を含み、前記スライドは投射されるパターンが付けられて前記投射光学系の方に向けられている第1面(51)を有し、前記焦点面(F)の所望の位置は前記第1面または前記第1面の付近にある、請求項1に記載の光モジュール(1)。
【請求項13】
前記固定取付具(7)は前記スライド(5)の支持物としても機能する、請求項12に記載の光モジュール(1)。
【請求項14】
前記投射光学系(3)は互いに重ねられて積層された複数のレンズ(30)を含む、請求項1に記載の光モジュール(1)。
【請求項15】
請求項1に記載の光モジュールを含む、自動車用照明装置。
【請求項16】
筐体を含み、前記光モジュール(1)の前記固定取付具(7)が前記筐体に連結される、請求項15に記載の照明装置。
【国際調査報告】