(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-04
(54)【発明の名称】3Dトポロジカル絶縁体フレークにおけるマヨラナ・ベースのキュービット
(51)【国際特許分類】
H10N 60/00 20230101AFI20240828BHJP
【FI】
H10N60/00 Z ZAA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506161
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(85)【翻訳文提出日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 US2022040155
(87)【国際公開番号】W WO2023034005
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】314015767
【氏名又は名称】マイクロソフト テクノロジー ライセンシング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ピクリン,ドミトリー
(72)【発明者】
【氏名】ルッチン,ロマン
【テーマコード(参考)】
4M113
【Fターム(参考)】
4M113AC45
4M113AC50
(57)【要約】
本開示の実施形態は、量子プロセッサのキュービット・アーキテクチャーおよびキュービット素子を含む。超伝導体領域は、3次元トポロジカル絶縁体層と重なる。渦領域は、超伝導体領域を通って3次元トポロジカル絶縁体層まで延在する。渦領域の周部分は、超伝導体領域のエッジに位置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元トポロジカル絶縁体層と;
前記3次元トポロジカル絶縁体層上に配置された超伝導体領域と;
前記超伝導体領域を通って前記3次元トポロジカル絶縁体層まで延在し、前記超伝導体領域のエッジ上に位置する周部分を有し、それにより前記超伝導体領域の外部へのマヨラナ・ゼロ・モードの結合を改善する渦領域とを有する、
量子プロセッサ。
【請求項2】
前記エッジにおいて前記周部分に隣接するゲート領域をさらに有し、前記ゲート領域は、前記3次元トポロジカル絶縁体層におけるトンネリングを活性化するように選択的に調整可能である、請求項1に記載の量子プロセッサ。
【請求項3】
前記超伝導体領域は、前記周部分において薄壁を含み、前記薄壁は、前記渦領域から前記超伝導体領域の外部への前記マヨラナ・ゼロ・モードの伝達を容易にする、請求項1に記載の量子プロセッサ。
【請求項4】
前記超伝導体領域における開口を、前記周部分においてさらに有する、請求項1に記載の量子プロセッサ。
【請求項5】
前記渦領域は、前記超伝導体領域を通って前記3次元トポロジカル絶縁体層の表面まで延在する空洞を含む、請求項1に記載の量子プロセッサ。
【請求項6】
前記渦領域は、前記超伝導体領域を通って延在する材料の領域を含み、前記材料は、前記超伝導体領域の超伝導体材料とは異なる電磁特性を有する、請求項1に記載の量子プロセッサ。
【請求項7】
前記3次元トポロジカル絶縁体層上に配置され、前記超伝導体領域を少なくとも部分的に囲む磁気絶縁体領域を有する、請求項1に記載の量子プロセッサ。
【請求項8】
前記磁気絶縁体領域上で第1の方向に延在する第1のゲート領域を含む量子ドット領域と;
前記磁気絶縁体領域上に配置され、前記第1のゲート領域と前記超伝導体領域との間に位置する第2のゲート領域とをさらに有しており、前記超伝導体領域は前記第1の方向に延在する、
請求項7に記載の量子プロセッサ。
【請求項9】
前記超伝導体領域は、前記3次元トポロジカル絶縁体上で前記磁気絶縁体領域に隣接している、請求項7に記載の量子プロセッサ。
【請求項10】
3次元トポロジカル絶縁体層と;
前記3次元トポロジカル絶縁体層上の第1の超伝導体領域と;
前記第1の超伝導体領域を通って前記3次元トポロジカル絶縁体層まで延在する第1の複数の渦領域と;
前記第1の超伝導体領域の第1のエッジに位置し、それにより前記第1の超伝導体領域へのマヨラナ・ゼロ・モードの結合を改善する、前記第1の複数の渦領域の第1の複数の周部分とを有する、
キュービット・アーキテクチャー。
【請求項11】
前記第1の複数の周部分のうちの一つまたは複数は、前記複数の渦領域のうちの渦領域の前記マヨラナ・ゼロ・モードを前記第1の超伝導体領域の外部に伝達することを容易にする薄壁を含む、請求項10に記載のキュービット・アーキテクチャー。
【請求項12】
前記第1の複数の周部分のうちの一つまたは複数は、前記第1の超伝導体領域の前記第1のエッジを通って延在する開口を含む、請求項10に記載のキュービット・アーキテクチャー。
【請求項13】
前記複数の渦領域のそれぞれは、前記第1の超伝導体領域を通って前記3次元トポロジカル絶縁体層の表面まで延在する空洞を含む、請求項10に記載のキュービット・アーキテクチャー。
【請求項14】
複数の渦領域のうちの一つまたは複数は、前記第1の超伝導体領域を通って延在する材料の領域を含み、前記材料は、前記第1の超伝導体領域の超伝導体材料とは異なる電磁特性を有する、請求項10に記載のキュービット・アーキテクチャー。
【請求項15】
前記第1の超伝導体領域の前記第1のエッジ上に位置し、前記第1の複数の周部分に隣接する複数のゲート領域をさらに有する、請求項10に記載のキュービット・アーキテクチャー。
【請求項16】
前記第1の超伝導体領域を通って前記3次元トポロジカル絶縁体層まで延在する第2の複数の渦領域と;
前記第1の超伝導体領域の第2のエッジに位置する前記第2の複数の渦領域の第2の複数の周部分とを有する、
請求項10に記載のキュービット・アーキテクチャー。
【請求項17】
前記3次元トポロジカル絶縁体層上の磁気絶縁体層と;
前記第1のエッジに沿って延在し、前記第1のエッジから離間された量子ドット領域と;
前記磁気絶縁体層上の複数のゲート領域であって、前記量子ドット領域と前記第1の複数の周部分との間に位置された複数のゲート領域とをさらに有する、
請求項10に記載のキュービット・アーキテクチャー。
【請求項18】
前記3次元トポロジカル絶縁体層上の第2の超伝導体領域と;
前記第2の超伝導体領域を通って前記3次元トポロジカル絶縁体層まで延在する第2の複数の渦領域と;
前記第2の超伝導体領域の第2のエッジ上に位置する前記第2の複数の渦領域の第2の複数の周部分とをさらに有する、
請求項10に記載のキュービット・アーキテクチャー。
【請求項19】
前記第1のエッジに沿って延在し、前記第1のエッジから離間された量子ドット領域と;
Fuワイヤと;
前記第1の超伝導体領域の側部に位置し、前記Fuワイヤを前記第1の複数の渦領域のうちのある渦領域に選択的に結合するように構成された第1の組のゲート領域とをさらに有する、
請求項10に記載のキュービット・アーキテクチャー。
【請求項20】
前記Fuワイヤは:
前記3次元トポロジカル絶縁体上に配置された第2の超伝導体領域と;
前記第2の超伝導体領域を通って前記3次元トポロジカル絶縁体層まで延在する第2の複数の渦領域と;
前記第2の超伝導体領域の側部に位置し、前記Fuワイヤを前記量子ドット領域に選択的に結合するように構成された第2の組のゲート領域とを含む、
請求項19に記載のキュービット・アーキテクチャー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、量子コンピューティング・システムに関し、より詳細には、トポロジカルに保護された量子計算を提供するための構造および技法に関する。
【背景技術】
【0002】
量子デコヒーレンスまたは「ノイズ」は、量子コンピューティング・システムの大規模な実装に対する困難な障害である。近年、量子凝縮系物理学者の焦点は、量子コンピューティング・システムにおいてフォールトトレラントなキュービットを提供する、マヨラナ・ゼロ・モード(Majorana zero mode、MZM)にある。MZMベースの量子コンピューティング・システムを改善するための進歩がなされてきたが、この技術の途中にはいくつかの障壁が残っている。たとえば、MZMを局所化する1つの手法は、磁気障壁を使用することであるが、MZMを操作するためにそのような磁気障壁を精密かつ効果的に実装することは困難である。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】一つまたは複数の実施形態による量子コンピューティング・プロセッサのキュービット素子の上面図を示す。
【
図2A】一つまたは複数の実施形態による量子コンピューティング・プロセッサの片側テトロンの第1の配置の上面図を示す。
【
図2B】一つまたは複数の実施形態による量子コンピューティング・プロセッサの片側テトロンの第2の配置の上面図である。
【
図3A】一つまたは複数の実施形態による、
図2Aの線A-Aに沿って取った断面の非限定的な第1の例を示す。
【
図3B】一つまたは複数の実施形態による、
図2Aの線A-Aに沿って取った断面300Bの非限定的な第2の例を示す。
【
図3C】一つまたは複数の実施形態による、
図2Bの線B-Bに沿って取った断面300Cの非限定的な第3の例を示す。
【
図4】一つまたは複数の実施形態による量子コンピューティング・プロセッサの両側テトロンの上面図を示す。
【
図5】一つまたは複数の実施形態によるFuワイヤの上面図を示す。
【
図6】一つまたは複数の実施形態による相互接続された両側テトロンの上面図を示す。
【
図7】一つまたは複数の実施形態による量子プロセッサの片側ヘキソンの上面図を示す。
【
図8】一つまたは複数の実施形態による、一対の片側テトロンに関わる量子コンピューティング演算を実施するための構成の上面図を示す。
【
図9】一つまたは複数の実施形態による、一対の片側テトロンに関わる量子コンピューティング演算を実装するための構成の上面図を示す。
【
図10】一つまたは複数の実施形態による、相互接続された両側テトロンの2次元アレイの上面図を示す。
【
図11】一つまたは複数の実施形態による片側テトロンの2次元アレイの上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
以下の説明では、説明の目的で、本開示の十全な理解を提供するために、多数の例および具体的な詳細が記載される。そのような例および詳細は、特許請求の範囲の要素または特許請求される主題を全体として不相応に限定するものと解釈されるべきではない。請求される主題が、これらの例における特徴の一部または全部を単独でまたは組み合わせにおいて含むことができ、本明細書で説明される特徴および技法の修正および均等物をさらに含みうることは、種々の請求項の文言に基づいて、当業者には明らかであろう。
【0005】
本明細書に開示される実施形態は、量子コンピューティング・システムに関し、より具体的には、量子コンピューティング・プロセッサのためのマヨラナ・ゼロ・モード(MZM)ベースの設計を実装するための構造および技法に関する。本明細書に開示される特徴は、少なくともいくつかの以前のMZMアーキテクチャーに対して実際的な利点をもたらす、より容易でより多用途の製造規則を提供する。本明細書の一つまたは複数の実施形態は、広く利用可能な2次元(「2D」)アーキテクチャーを、量子コンピューティング・システムにおけるフォールトトレランスを容易にする帯電エネルギー保護(charging energy protection)と組み合わせる。
【0006】
図1は、一つまたは複数の実施形態による量子コンピューティング・プロセッサのキュービット素子100の上面図を示す。本明細書で言及されるキュービット〔量子ビット〕素子は、量子状態を達成し制御するように構成された構造である。キュービット素子100は、渦領域102内の電磁束の閉じ込めを容易にする多層構造である。キュービット素子100は、磁気絶縁体材料の第1の領域104と、第1の領域104上に設けられた第2の領域106とを含む。第1の領域104は、キュービット素子100内の磁気絶縁体材料の領域である。第2の領域106は、超伝導体材料の領域である。第1の領域104は、第2の領域106を少なくとも部分的に囲む。第1の領域104は、第2の領域106の周に当接または接触している。
【0007】
キュービット素子100の渦領域102は、第1の領域104を通って延在する円い形状を有する。いくつかの実施形態では、渦領域102の円い形状は、長軸が短軸に等しい円である。いくつかの実施形態では、渦領域102の円い形状は、長軸が短軸とは異なる楕円である。いくつかの実施形態では、渦領域102は、第1の領域104を通って延在する長方形形状を有する。長方形形状は、いくつかの実施形態では、等しい長さの辺を有する正方形である。いくつかの実施形態では、長方形形状は、第2の対の対向する辺とは異なる長さを有する第1の対の対向する辺を有する長方形である。いくつかの実施形態では、長方形形状は、隣接する辺を接続する斜め線にした頂点〔角取りされた頂点(beveled vertices)〕を有する。いくつかの実施形態では、渦領域102は、第1の領域を通って延在する多角形の断面形状(たとえば、六角形、七角形、十角形)を有する。いくつかの実施形態では、渦領域102は、第1の領域104を通って、以下でより詳細に説明されるトポロジカル絶縁体層の上面まで延在する。
【0008】
いくつかの実施形態では、渦領域102は、第1の領域104および第2の領域106を通ってトポロジカル絶縁体層まで延在する空の空間の空洞である。いくつかの実施形態では、渦領域102は、以下でさらに詳細に説明するように、周囲の層とは異なり、その中への電磁束の閉じ込めを容易にする領域である。そのような実施形態における渦領域102は、非限定的な例として、周囲の層に対して異なる組成または濃度の材料を有していてもよい。
【0009】
結果として、渦領域102の一つまたは複数の電磁特性は、周囲の層の一つまたは複数の対応する電磁特性とは異なる。たとえば、渦領域102は、渦領域102を囲む第2の領域106とは異なる透磁率を有していてもよい。別の例として、渦領域102は、渦領域102を囲む第2の領域106とは異なる磁化率を有していてもよい。
【0010】
渦領域102は、第2の領域106のエッジ110に位置する周部分108を有する。より具体的には、エッジ110における周部分108の位置は、渦領域102の外部へのMZMの制御された接続またはトンネリングを改善する。いくつかの実施形態では、周部分108は、第2の領域106のエッジ110内の開口または穴である。いくつかの実施形態では、周部分108は、第2の領域106の薄壁または薄壁部分を含む。周辺部108の薄壁は、渦領域102と第2の領域206の外部との間の他の壁よりも薄い。薄壁は、MZMが周部分108を通じて第2の領域106の外部に結合されうるように十分に薄い。
【0011】
図2Aは、一つまたは複数の実施形態による量子コンピューティング・プロセッサのキュービット素子である片側テトロン200Aの上面図を示す。テトロン200Aのいくつかの特徴は、
図1および他の場所に関して説明されるキュービット素子100と実質的に同様であり、したがって、その反復説明は簡潔のため省略される。テトロン200Aは、4つの渦領域202A、202B、202C、および202D(まとめて「渦領域202」)内に電磁束を選択的に閉じ込めるように動作可能な多層構造である。テトロン200Aは、
図1に関して説明した第1の領域104に対応する磁気絶縁体材料の第1の領域204を含む。テトロン200Aはまた、
図1に関して説明された第1の領域104に対応する超伝導材料の第2の領域206を含む。渦領域202は、それぞれ、第2の領域206のエッジ210上に、またはエッジ210において、周部分208を含む。第2の領域206は、第1の領域204に沿って第1の方向(たとえば、図示のように水平)に延在する。渦領域202のそれぞれは、第2の領域206を通って延びる断面形状を有する。いくつかの実施形態では、渦領域202の断面形状は、第2の層206の下の3次元トポロジカル絶縁体層の中まで部分的に延びてもよい。渦領域202の断面形状は、
図1に関して説明したように、円い形、長方形、または多角形でありうる。
【0012】
テトロン200Aはまた、第2の領域206のエッジ210に沿って渦領域202A、202B、202C、および202Dにそれぞれ隣接する、または近い4つのゲート212A、212B、212C、および212D(まとめて「ゲート212」)を含む。ゲート212が渦領域202に近いと考えられるのは、
図3A~
図3Cおよび本明細書の他の箇所に関して説明される3次元トポロジカル絶縁体におけるトンネリングの活性化の結果として、渦領域202内のMZMが渦領域202の外部の領域(量子ドットなど)に結合される場合である。ゲート212は、第2の領域206のエッジ210から離間されていてもよく、それでも渦領域202の近くにあると考えられてもよい。渦領域202は、第1の方向に沿って配置され、渦領域202のうちの1つの中の電磁場が隣接する渦領域202から絶縁されるように互いに離間される。ゲート212は、渦領域202Cの周部分208およびエッジ210に隣接している。いくつかの実施形態では、ゲート212の一部が、周部分208において第2の領域206のエッジ210に当接する。ゲート212は、少なくともいくつかの実施形態では、半導体材料の領域である。
【0013】
いくつかの実施形態では、渦領域202の周部分208のうちの一つまたは複数は、渦領域202と第2の領域206の外部との間の、第2の領域206の他の壁よりも薄い薄壁または薄壁部分を含む。いくつかの実施形態では、渦領域202の周部分208のうちの一つまたは複数は、第2の領域206を通って第1の領域204まで延在する開口を含む。いくつかの実施形態では、周部分208のうちの一つまたは複数は開口を含み、周部分208のうちの一つまたは複数は薄壁を含む。結果として、テトロン200Aの性能を著しく変えることなく、テトロン200Aの製造プロセスの精密さを低下させることができる。
【0014】
ゲート212のそれぞれは、第1の状態と第2の状態との間で遷移するように選択的かつ個別に制御可能なトンネル障壁であり、第1の状態では、隣接する渦領域202内の電磁場が絶縁されるか、または3次元トポロジカル絶縁体(たとえば、
図3A参照)をトンネルすることが防止され、第2の状態では、隣接する渦領域202内の電磁場が3次元トポロジカル絶縁体をトンネルすることが許される。いくつかの実施形態では、ゲート212は、以下でより詳細に説明する磁気絶縁体部分と局所ゲート部分とを含む。
【0015】
テトロン200Aは、第1の方向に沿って延在する量子ドット領域214をさらに含み、ゲート212は、量子ドット領域214と渦領域202との間にある。いくつかの実施形態では、量子ドット領域214は、第2の領域206と平行に延在してもよい。量子ドット領域214の量子ドットは、量子ドット領域214に隣接するゲート212によって画定される。量子ドット領域214は、3次元トポロジカル絶縁体の周囲の領域とは異なるようにゲートされる。量子ドット領域214は、第1の領域204上で第2の領域206と離間される。量子ドット領域214は、テトロン200Aのキュービット素子の量子状態の測定を容易にする。量子ドット領域214は、それぞれが別個の量子ドットに対応するいくつかのサブ領域を含むことができる。テトロン200Aのキュービット(たとえば、渦領域202)の量子状態は、本明細書で以下に詳細に議論されるように、ゲート212の動作を介して、量子ドット領域214の量子ドットのうちの一つまたは複数において測定されることができる。
【0016】
図2Bは、一つまたは複数の実施形態による量子コンピューティング・プロセッサのキュービット素子である片側テトロン200Bの第2の配置の上面図を示す。テトロン200Bのいくつかの特徴は、テトロン200Aと実質的に同様であり、よって、その繰り返しの説明は簡潔のために省略される。テトロン200Bの4つのゲート212A、212B、212C、および212Dは、エッジ210において渦領域202A、202B、202C、および202Dの近くにある。特に、ゲート212A、212B、212C、および212Dは、
図3Cに関して以下に説明するように、それぞれ、エッジ210において渦領域202A、202B、202C、および202Dの少なくとも一部とそれぞれ重なる。
【0017】
図3Aは、一つまたは複数の実施形態による、
図2Aの線A-Aに沿って取られたテトロン200Aの断面300Aの非限定的な第1の例を示す。第1の断面300Aのいくつかの特徴は、
図2Aに関して説明された特徴に対応し、よって、その説明は簡潔のために省略される。渦領域202およびゲート212を含む断面は、第1の断面300Aと実質的に同様であり、よって、第1の断面300Aの説明は、対応する実施形態におけるそれらの断面に適用される。一つまたは複数の実施形態では、第1の断面300Aにおける渦領域202Cは、第2の領域206の上面302から3次元トポロジカル絶縁体層304の上面まで延在する空洞である。いくつかの実施形態では、3次元トポロジカル絶縁体層304の上面は、渦領域202Cにおいて露出される。
【0018】
ゲート212Cは、渦領域202Cの周部分208およびエッジ210に隣接している。いくつかの実施形態では、ゲート212Cの一部は、周部分208において第2の領域206のエッジ210に隣接する。ゲート212Cは、渦領域202Cに隣接し、第1の領域204上に位置する。いくつかの実施形態では、ゲート212は、第1の領域204上に直接位置する。いくつかの実施形態では、必ずしも磁気絶縁体材料ではない絶縁体材料の一つまたは複数の追加領域が、ゲート212と第1の領域204との間に配置されて、3次元トポロジカル絶縁体層304とゲート212との間の電磁分離を改善してもよい。
【0019】
ゲート212のそれぞれは、第1の領域204のゲート212の電磁特性を調整するために、個々におよび選択的に調整可能である。たとえば、隣接する渦領域202から量子ドット領域214へのMZMの移転を選択的に促進または禁止するために、ゲート212のそれぞれに電圧を印加することができる。ゲート領域212を調整することは、非限定的な例として、ある時間期間にわたって既知の振幅を有する電圧(たとえば、電圧パルス)を印加すること、2つ以上の異なる振幅および/または時間期間を有する電圧パルスのシーケンスを印加すること、ゲート212に時間変化する電圧(たとえば、正弦波形を有する電圧)、または変調された電圧(たとえば、振幅変調、周波数変調、パルス幅変調されたもの)を印加することを含みうる。
【0020】
ゲート212は、ゲート212および/または第1の領域204の透過特性を選択的に制御して渦領域202と量子ドット領域214との間の所望のレベルの透過(たとえば、電子透過)を達成するように(たとえば、外部磁気モードの印加を介して)動作させられる。より具体的には、ゲート212は、第1の領域204内の化学ポテンシャルを制御する。エッジ・スペクトル内のディラック点へ電磁エネルギーの印加を介してゲート212Cを個別に調整した結果として、3次元トポロジカル絶縁体304を横切るトンネリングが遮断され、渦領域202Cと量子ドット領域214との間の透過が防止される。ゲート212Cをディラック点から離れるように個別に調整した結果として、3次元トポロジカル絶縁体304を横切るトンネリングが活性化され、渦領域202Cと量子ドット領域214との間の透過が活性化されるか、または許されてもよい。3次元トポロジカル絶縁体304の表面は、少なくともいくつかの実施形態では、磁気絶縁体材料の第1の領域204と接触しており、3次元トポロジカル絶縁体304のバンドギャップ・エリアに化学ポテンシャルが提供される。動作中、ゲート212Cの活性化は、バンドギャップ・エリアの外側に化学ポテンシャルを移転させ、量子ドット領域214の少なくとも一部における伝導を活性化し、よって量子ドットを形成する。所望される量子コンピューティング・アプリケーションに基づいて、第1の領域204においてさまざまな透過設定を達成することができる。
【0021】
量子ドット領域214は、量子ドット領域214内またはその周囲の電磁特性を調整するために選択的に調整可能なゲート領域312を含む。ゲート領域312は、ゲート212と同様の仕方で、たとえば、ゲート領域312に電圧を印加するか、またはゲート領域210上の電圧を変調することによって制御されうる。ゲート領域312は、渦領域212C内のMZMを量子ドット領域214に移転するために、ゲート領域212のうちの一つまたは複数の制御と協調してまたは関連して制御されうる。たとえば、所与の時間期間において、電圧がゲート領域212Cおよびゲート領域312に印加されてもよい。渦領域202Cからゲート212Cに隣接する量子ドット領域214へMZMを移転させる結果として、ゲート212Cに隣接する3次元トポロジカル絶縁体304のエリアは伝導性になり、ゲート領域212の下で3次元トポロジカル絶縁体304の表面314に量子ドットを形成する。いくつかの実施形態において、ゲート領域312と3次元トポロジカル絶縁体304との間のエリア316は、第1の領域204の絶縁体材料以外の絶縁体材料を含んでいてもよい。
【0022】
2次元トポロジカル絶縁体(「2DTI」)は、単一Z2トポロジカル不変量によって特徴付けられる。2DTIでは、電子は、2次元系(たとえば、2D電子ガス)に効果的に閉じ込められ、すると、ギャップが2次元系において形成される。バルク電子構造がギャップを有する結果として、2次元トポロジカル絶縁体のエッジは伝導モードを有する。対照的に、3次元トポロジカル絶縁体304は、バンドギャップ当たり4つの単一Z2トポロジカル不変量によって特徴付けられる。結果として、3次元トポロジカル絶縁体304の表面は伝導モードを有し、電子は3次元系において移動することができる。
【0023】
3次元トポロジカル絶縁体層304は、いくつかの実施形態では、1990年以前の国際純粋応用化学連合(IUPAC)による旧周期表族分類による3族および/または5族元素の材料を含む3次元トポロジカル絶縁体材料の薄いスラブである。適切な3族および5族元素の例は、ガリウム、ビスマス、ヒ素、およびアンチモンを含む。いくつかの実施形態では、3次元トポロジカル絶縁体層は、2族および/または6族の元素を含む3次元トポロジカル絶縁体材料の薄いスラブである。適切な2族および6族元素の非限定的な例は、水銀、セレン、およびテルルを含む。2族および/または6族元素は、いくつかの例において、3族および5族元素と比較してトポロジカル絶縁体層304の製造に好ましいことがある。たとえば、2族および6族元素は、第3族および5族元素に対してトポロジカル絶縁体層304の磁気絶縁体特性を改善しうる。別の例として、2族および6族の元素は、3族および5族の元素と比較してトポロジカル絶縁体層304の一つまたは複数の構造的特性を改善することができ、これは、生成されるテトロン/ヘキソンの密度を改善しうる。トポロジカル絶縁体材料の特定の非限定的な例は、Cd2As3、BiTe、BiSe、HgTe、およびBiSbTeSeを含む。
【0024】
図3Bは、一つまたは複数の実施形態による、
図2Aの線A-Aに沿って取られた断面300Bの非限定的な第2の例を示す。第2の断面300Bのいくつかの特徴は、第1の断面300Aに関して説明された特徴に対応し、よって、その説明は簡潔のため省略される。第2の断面300Bにおいて、渦領域202Cは、渦領域202Cを囲む第2の領域206の超伝導体材料とは異なる電磁特性を有する材料の領域310を含む。たとえば、材料310は、渦領域202Cを囲む超伝導体材料とは異なる透磁率または誘電率を有してもよい。材料の領域310は、第2の領域206を通ってトポロジカル絶縁体層304まで延在する。いくつかの実施形態では、材料310の底面は、3次元トポロジカル絶縁体層304の上面と接触している。材料の領域310の断面形状は、
図1および本明細書の他の箇所に関して説明したように、円い形、長方形、または多角形であってもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、
図3Aおよび他の場所に関して説明される円い空洞は材料310で充填されて、第2の断面300Bを達成してもよい。いくつかの実施形態では、材料310は、第2の領域206の超伝導体材料の修正版であってもよい。たとえば、材料310は、前記超伝導体材料の領域であって、超伝導性がより弱い、第2の領域206の残りの部分よりも高い原子無秩序を有する、または第2の領域206に対して材料欠乏(material deficiency)を有するものであってもよい。材料310の電磁特性は、渦領域202C内に電磁束を選択的に閉じ込めるのに役立つ。材料310は、非限定的な例として、化学エッチング、コールドウェットエッチング、またはドライエッチングによって形成されてもよい。
【0026】
図3Cは、一つまたは複数の実施形態による、
図2Bの線B-Bに沿って取られたテトロン200Bの断面300Cの非限定的な第3の例を示す。第3の断面300Cのいくつかの特徴は、テトロン200Aおよび断面300Aに関して説明された特徴に対応し、よって、その説明は簡潔のため省略される。渦領域202およびゲート212を含む断面は、第1の断面300Cと実質的に同様であり、よって、第1の断面300Cの説明は、対応する実施形態におけるそれらの断面に適用される。
【0027】
ゲート212Cは、エッジ210において渦領域202Cの一部と重なる(
図2B参照)。断面300Cのゲート212Cは、第1の領域204の表面上に配置された絶縁体領域306と、絶縁体領域306上のゲート領域308とを含む。絶縁体領域306は、電気絶縁体材料(electric insulator material)、磁気絶縁体材料(magnetic insulator material)、またはその両方の領域である。絶縁体領域306は、ゲート領域308を第1の領域204の超伝導体材料から分離し、電磁的に絶縁する。
【0028】
いくつかの実施形態では、テトロン200Aおよび/または200Bは、第1の領域204の絶縁体材料と異なる絶縁体材料の第3の領域316を含んでいてもよい。非限定的な例として、第3の領域316は、誘電体材料(たとえば、二酸化ケイ素、チタン酸バリウム)などの従来の電気絶縁体材料で形成されてもよく、一方、第1の領域204は、磁気絶縁体材料(たとえば、イットリウムバリウム銅酸化物、ニッケル鉄合金、酸化鉄(III))で形成されてもよい。第3の領域316は、第1の領域204と実質的に同様の厚さを有しうる。
【0029】
図3A、3B、および3Cに示される領域および層の相対的な寸法は、説明を容易にするためのものであり、必ずしも商業的な実施形態の相対的な厚さおよび寸法に対応するものではない。いくつかの層または領域は、他の層または領域とは異なる厚さを有してもよい。たとえば、第1の領域204は、第2の領域206とは異なる厚さを有していてもよい。別の例として、第1の領域204は、3次元トポロジカル絶縁体層304とは異なる厚さを有していてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、テトロン200Aおよび/またはテトロン200Bは、第1の領域204上に配置された一つまたは複数の追加の絶縁層と、該一つまたは複数の追加の絶縁層上に配置された一つまたは複数の追加のゲート領域とを含む。そのような実施形態において、一つまたは複数の追加のゲート領域は、たとえばトンネリングを容易にするまたは防止するために、3次元トポロジカル絶縁体層304および/または第1の領域の磁気絶縁体材料の諸部分を所望の伝導性レジームに調整するように(たとえば、電磁変調を介して)動作させられてもよい。
【0031】
図4は、一つまたは複数の実施形態による量子コンピューティング・プロセッサのキュービット・アーキテクチャーである両側テトロン400の上面図を示す。両側テトロン400のいくつかの特徴は、キュービット素子100および/または片側テトロン200A、200Bと実質的に同様であるため、簡潔のためその説明は省略する。テトロン400は、4つの渦領域402A、402B、402C、および402D(まとめて「渦領域402」)内に電磁束を選択的に閉じ込めるように動作可能な多層構造である。テトロン400は、磁気絶縁体材料の第1の領域404と、超伝導体材料の第2の領域406とを含む。
【0032】
渦領域402Aおよび402Bは、それぞれ、第2の領域406の第1のエッジ410上にまたは第1のエッジ410において周部分408Aおよび408Bを含む。渦領域402Cおよび402Dは、第1のエッジ410とは反対側の第2の領域406の第2のエッジ412上にまたは第2のエッジ412においてそれぞれ周部分408Cおよび408Dを含む。いくつかの実施形態では、渦領域402Aおよび402Bの周部分408のうちの一つまたは複数は、渦領域402Aおよび402Bと第2の領域406の外部との間の、第2の領域406の他の壁よりも薄い薄壁または薄壁部分を含む。いくつかの実施形態では、渦領域402Aおよび402Bの周部分408のうちの一つまたは複数は、第2の領域406を通って第1の領域404まで延在する開口を含む。いくつかの実施形態では、周部分408のうちの一つまたは複数は開口を含み、周部分408のうちの一つまたは複数は薄壁を含む。結果として、テトロン400の製造プロセスにおける精密さは、テトロン400の性能を著しく変えることなく低減されうる。
【0033】
両側テトロン400はまた、第2の領域406の第1のエッジ410上または第1のエッジ410において渦領域402Aおよび402Bにそれぞれ隣接する第1の対のゲート領域414Aおよび414Bを含む。両側テトロン400は、第2の領域406の第2のエッジ412上または第2のエッジ412において渦領域402Cおよび402Dにそれぞれ隣接する第2の対のゲート領域414Cおよび414Dをさらに含む。渦領域402A、402B、402C、402Dは、渦領域402のうちの1つにおける電磁場が隣接する渦領域402から絶縁されるように、互いに離間される。
【0034】
両側テトロン400は、テトロン400の第1の方向(たとえば、水平方向)に沿って延在する第1の量子ドット領域416をさらに含む。ゲート領域414A、414Bは、第1の量子ドット領域416と渦領域402A、402Bとの間にそれぞれ配置される。また、両側テトロン400は、第1の量子ドット領域416と平行に第1の方向に沿って延びる第2の量子ドット領域418を含む。ゲート領域414C、414Dは、第2の量子ドット領域418と渦領域402C、402Dとの間にそれぞれ配置される。ゲート領域414A、414B、414C、414Dは、
図2Aおよび本明細書の他の箇所に関して説明されるように、第1の状態と第2の状態との間で遷移するように選択的かつ個別に制御可能なトンネル障壁である。
【0035】
図5は、本明細書の一つまたは複数の実施形態によるFuワイヤ500の上面図を示す。Fuワイヤ500は、異なるマヨラナ間の情報の移転を容易にする相互接続要素である。Fuワイヤ500は、超伝導体材料の第1の領域502と、第1の領域502の第1のエッジ506に位置する第1の渦領域504Aと、第1のエッジ506の反対側の第2のエッジ508に位置する第2の渦領域504Bとを含む。Fuワイヤ500は、量子プロセッサの異なる部分間のコヒーレントな相互接続である。Fuワイヤ500は、量子状態が、第1の量子構造(たとえば、第1のテトロン、第1のヘキソン)から、これがなければ第1の量子構造から隔離される第2の量子構造(たとえば、第2のテトロン、第2のヘキソン)に移転されることを可能にする。Fuワイヤ500を含む量子プロセッサの動作において、第1の渦領域504Aと第2の渦領域504Bとの間の量子状態の接続は、第1の領域502の帯電状態(charging state)によって可能にされる。超伝導材料の第1の領域502の帯電エネルギー(charging energy)が十分に大きくなる結果として、第1の渦領域504A内のMZMは、第2の渦領域504Bと結合され、その逆も同様である。
【0036】
Fuワイヤ500の第1の渦領域504Aは、第1のエッジ506上にまたは第1のエッジ506において周部分510Aを含む。Fuワイヤ500の第2の渦領域504Bは、第2のエッジ508上にまたは第2のエッジ508において周部分510Bを含む。いくつかの実施形態では、周部分510Aおよび510Bは、第1の領域502のそれぞれのエッジ506および508内の開口または穴である。いくつかの実施形態では、周部分510Aおよび510Bは、第1の領域502の薄壁部分である。
【0037】
Fuワイヤ500はまた、第1の領域502のそれぞれの第1のエッジ506および第2のエッジ508上のまたはそこにおける渦領域504Aおよび504Bにそれぞれ隣接する2つのゲート512Aおよび512B(まとめて「ゲート512」)を含む。ゲート512のそれぞれは、第1の状態と第2の状態との間で遷移するように選択的かつ個別に制御可能なトンネル障壁であり、第1の状態では、隣接する渦領域504内のMZMが3次元トポロジカル絶縁体514をトンネルすることを絶縁または防止され、第2の状態では、隣接する渦領域504内のMZMが3次元トポロジカル絶縁体514をトンネルすることを許される。いくつかの実施形態では、ゲート512Aおよび512Bの一方または両方は、本明細書の他の箇所に記載されるように、周部分510Aおよび510Bと重なる。
【0038】
Fuワイヤ500は、磁気絶縁体材料の第2の領域514と、3次元トポロジカル絶縁体516とを含む。ゲート512および超伝導材料の第1の領域502は、3次元トポロジカル絶縁体516上に配置される。渦領域504Aおよび504Bは、第1の領域502を貫通して3次元トポロジカル絶縁体516まで延在している。前記諸領域の配置およびFuワイヤ500の諸層は、
図3A、
図3B、および
図3Cに関して説明された断面300A、300B、および/または300Cと実質的に同様である。いくつかの実施形態では、渦領域504Aおよび504Bの一方または両方は、
図3Bの材料310に関して説明したように、渦領域504A、504Bを囲む第1の領域502の超伝導体材料とは異なる電磁特性を有する材料の領域を含むことができる。
【0039】
図6は、一つまたは複数の実施形態によるキュービット・アーキテクチャーである相互接続された両側テトロン600の上面図を示す。相互接続された両側テトロン600は、磁気絶縁体材料の領域610上に、両側テトロン602、Fuワイヤ604、第1の量子ドット606、および第2の量子ドット608を含む。両側テトロン602およびFuワイヤ604は、それぞれ、両側テトロン400およびFuワイヤ500と実質的に同様である。第1の量子ドット606は、テトロン602の第1の側のゲート領域612Aおよび612BからFuワイヤ604のゲート領域614Aまで延在する。第2の量子ドット608は、テトロン602の第2の側のゲート領域612Cおよび612DからFuワイヤ604のゲート領域614Bまで延在する。
【0040】
テトロン602のMZMの単一キュービット測定は、ゲート領域612およびゲート領域614の選択的動作によって実行できる。たとえば、渦領域616Aおよび渦領域616DのMZMに対応するキュービットを測定するために、ゲート領域612A、614A、612D、および614B内のトンネリングが活性化される。隣接するMZM(たとえば、渦領域616Aおよび616BのMZM、渦領域616Cおよび616DのMZM)の単一キュービット測定は、隣接する渦領域間で第1および第2の量子ドット606および608をさらに細分することによって達成することができる。渦領域616のそれぞれは、
図2および
図4に関して、ならびに本明細書の他の箇所で説明されるように、テトロン602の超伝導領域のエッジにおいて周部分を含む。
【0041】
図7は、一つまたは複数の実施形態による量子プロセッサのキュービット・アーキテクチャーである片側ヘキソン700の上面図を示す。ヘキソン700は、6つの渦領域702A、702B、702C、702D、702E、および702F(まとめて「渦領域702」)内に電磁束を選択的に閉じ込めるように動作可能な多層構造である。ヘキソン700のいくつかの特徴は、テトロン200Aおよび本明細書に記載される他の諸側面と実質的に同様であり、よって、その繰り返しの説明は簡潔のため省略される。ヘキソン700は、磁気絶縁体材料の第1の領域704と、超伝導体材料の第2の領域706とを含む。渦領域702のそれぞれは、第2の領域706のエッジ710上にまたはエッジ212において周部分708を含む。第2の領域706は、第1の領域704に沿って第1の方向(たとえば、図示のように水平)に延在する。いくつかの実施形態では、渦領域702の周部分708のうちの一つまたは複数は、渦領域702と第2の領域706の外部との間の、第2の領域706の他の壁よりも薄い薄壁または薄壁部分を含む。いくつかの実施形態では、渦領域702の周部分708のうちの一つまたは複数は、第2の領域706を通って第1の領域704まで延在する開口を含む。いくつかの実施形態では、周部分708のうちの一つまたは複数は開口を含み、周部分708のうちの一つまたは複数は薄い壁を含む。結果として、ヘキソン700の性能を著しく変えることなく、ヘキソン700の製造プロセスの精密さを低下させることができる。
【0042】
ヘキソン700はまた、第2の領域706のエッジ710上のまたはエッジ710における渦領域702A、702B、702C、702D、702E、および702Fにそれぞれ隣接する6つのゲート領域712A、712B、712C、712D、712E、および712F(まとめて「ゲート領域712」)を含む。渦領域702は、第1の方向に沿って配置され、渦領域702のうちの1つの中の電磁場が隣接する渦領域702から絶縁されるように互いに離間される。ヘキソン700は、第1の方向に沿って延在する量子ドット領域714をさらに含み、ゲート領域712は、量子ドット領域714と渦領域702との間にある。ゲート領域712および量子ドット領域714の構造および動作は、ゲート212および量子ドット領域214、ならびに本明細書に記載される他の諸側面と実質的に同様である。量子ドット領域714は、2つ以上の量子ドット領域に細分されて、単一の測定期間においてヘキソン700の2つのMZMの測定を可能にすることができる。
【0043】
図8は、一つまたは複数の実施形態による、一対の片側テトロンに関わる量子コンピュータ演算を実装するためのキュービット・アーキテクチャーの構成800の上面図を示す。構成800は、磁気絶縁体材料の第2の領域806上に設けられた超伝導体材料の第1の領域804を有する第1のテトロン802を含む。構成800はまた、第2の領域806上に設けられた超伝導体材料の第3の領域810を有する第2のテトロン808を含む。
【0044】
第1のテトロン802は、第1の領域804の第1のエッジ814上に設けられた4つの渦領域812A、812B、812C、および812D(まとめて「渦領域812」)を有する。第1のテトロン802はまた、第1のエッジ814において、または第1のエッジ814上に渦領域812A、812B、812C、および812Dにそれぞれ隣接する4つのゲート領域816A、816B、816C、および816D(まとめて「ゲート領域816」)を含む。第2のテトロン808は、第3の領域810の第2のエッジ820上に設けられた4つの渦領域818A、818B、818C、および818D(まとめて「渦領域818」)を有する。第2のテトロン808はまた、第2のエッジ820において、または第2のエッジ820上に渦領域818A、818B、818C、および818Dにそれぞれ隣接する4つのゲート領域822A、822B、822C、および822D(まとめて「ゲート領域822」)を含む。第3の領域810の第2のエッジ820は、第1の領域804の第1のエッジ814に対向する。渦領域812および818のそれぞれは、
図2、
図4、
図7、
図8および本明細書の他の箇所に関して記載されたように、ヘキソンの超伝導領域のエッジにおいて周部分を含む。
【0045】
構成800は、第1の量子ドット824と、第1の量子ドット824に隣接するゲート領域826と、第1のゲート領域826に隣接する第2の量子ドット828とをさらに含む。第1の量子ドット824、ゲート領域826、および第2の量子ドット828は、第1のテトロン802と第2のテトロン808との間に、構成800の第1の方向(たとえば、水平方向)に沿って配置される。
【0046】
構成800は、キュービットの量子状態に関わるさまざまな動作を実行するように制御されうる。たとえば、渦領域812Aおよび812B内のMZMの単一キュービット測定を実行するために、ゲート領域816Aおよび816B内のトンネリングが活性化されるかまたは開かれ、第1の量子ドット824に対して測定が実行される。渦領域818Bおよび816D内のMZMの単一キュービット測定を実行するために、ゲート領域816D、822B、および826内のトンネリングが活性化されるか、または開かれる。
【0047】
別の非限定的な例として、渦領域812Aおよび812B内でMZMの単一キュービット回転を実行するために、ゲート領域816Aおよび816B内のトンネリングが活性化されるかまたは開かれ、第1の量子ドット824上のゲートが変調される。さらなる例として、渦領域812Aおよび812B内のMZMの単一キュービット回転を実行するために、ゲート領域816A内のトンネリングが活性化されるかまたは開かれ、ゲート領域816Bがキュービット回転に十分な時間期間にわたって変調される。
【0048】
さらに別の非限定的な例として、渦領域812A、812D、818A、および818C内のMZMの2キュービット測定を実行するために、ゲート領域816A、816D、822A、および822C内のトンネリングが活性化されるかまたは開かれ、第1の量子ドット824および第2の量子ドット826の両方が測定される。いくつかの実装では、渦領域812A、812D、818A、および818C内のMZMの、より低忠実度の2キュービット測定を実行するために、ゲート領域816A、816D、822A、822C、および826内のトンネリングが活性化されるかまたは開かれ、第1の量子ドット824および第2の量子ドット826のうちの1つが測定される。第1のテトロン802および第2のテトロン808のさまざまなゲート領域は、汎用の一組の量子論理ゲートを実装するように、ゲート領域826と関連して動作させられることができる。他の動作は、量子コンピューティング演算および測定を実行するために、所望に応じて、ゲート領域および/または第1および第2の量子ドット824および826に関わる。
【0049】
図9は、
図8および他の箇所に関して説明されるように、一つまたは複数の実施形態による、一対の片側テトロンに関わる量子コンピューティング演算を実装するためのキュービット・アーキテクチャーの構成900の上面図を示す。より具体的には、構成900は、第1のテトロン802、第2のテトロン808、第1の量子ドット824、第1のゲート領域826、および第2の量子ドット828を含む。構成900はまた、第1の方向に沿って第1のテトロン802に隣接する第1のFuワイヤ部分902を含み、第1の方向に沿って第2のテトロン808に隣接する第2のFuワイヤ部分904を含む。第1のFuワイヤ部分902は、第1のFuワイヤの半分(たとえば、下半分)であり、第2のFuワイヤ部分904は、第2のFuワイヤの半分(たとえば、上半分)である。
【0050】
第1のFuワイヤ部分902は、第2の領域806上の超伝導体材料の第3の領域908上に渦領域906を含む。第1のFuワイヤ部分902はまた、第3の領域908のエッジ912において渦領域906に隣接する第1のゲート領域910を含む。渦領域906は、
図2Aおよび本明細書の他の箇所に関して説明されるように、エッジ912において周部分を含む。第2のFuワイヤ部分904は、第2の領域806上の超伝導体材料の第4の領域914上に渦領域912を含む。第2のFuワイヤ部分904はまた、第4の領域814のエッジ918において渦領域912に隣接する第2のゲート領域916を含む。渦領域912は、
図2Aおよび本明細書の他の箇所に関して説明されるように、エッジ918において周部分を含む。第3領域908のエッジ912は、第4領域914のエッジ918と対向する。
【0051】
構成900は、第2の量子ドット828に隣接する第2のゲート領域920と、第2のゲート領域920に隣接する第3のゲート領域922とをさらに含む。ゲート領域816、822、826、820、910、916、および922は、選択的に動作させられて、量子測定および動作を実行するよう量子プロセッサの異なる部分におけるテトロンのMZMを接続することができる。非限定的な例として、渦領域812BのMZMは、ゲート部分816B、826、920、922、および910内のトンネリングを活性化することによって、量子プロセッサの異なる部分(図示せず)における量子ドット構造に接続されうる。いくつかの実装では、ゲート部分816B、826、920、922、および910のうちのいくつかにおけるトンネリングは、MZMを構成900の異なる部分に接続するように相続いてアクティブ化されうる。いくつかの実装では、第1の量子ドット824および第2の量子ドット828の一方または両方は、MZMを接続することとの関連で、またはその一部として変調されてもよい。
【0052】
図10は、一つまたは複数の実施形態によるキュービット・アーキテクチャーの相互接続された両側テトロンのアレイ1000の上面図を示す。図示された両側テトロンのそれぞれは、
図6に関して説明された両側テトロン600に対応する。アレイ1000は、第1の両側テトロン1002と、第1の方向1006において第1のテトロン1002に隣接する第2の両側テトロン1004とを含む。アレイ1000は、第1のテトロン1002の第1の量子ドット1010と第2のテトロン1012の第1の量子ドット1012との間に位置付けられる第1のゲート領域1008を含む。アレイ1000は、第1のテトロン1002の第2の量子ドット1016と第2のテトロン1004の第2の量子ドット1018との間に位置する第2のゲート領域1014も含む。
【0053】
第1のゲート領域1008を通るトンネリングは、第1のテトロン1002の第1の量子ドット1010と第2のテトロン1004の第1の量子ドット1012とにおけるMZMを接続するために活性化され、または開かれる。第2のゲート領域1014を通るトンネリングは、第1のテトロン1002の第2の量子ドット1016と第2のテトロン1004の第2の量子ドット1018とのMZMを接続するように活性化されるか、または開かれうる。アレイ1000の追加的な両側テトロンが第1の方向1006に沿って続き、所望のサイズのテトロン・アレイを作成してもよい。それぞれ第1のテトロン1002および第2のテトロン1004のFuワイヤ1020および1022は、第1のテトロン1002および第2のテトロン1004の第1および第2の量子ドットのMZMを接続するように動作させられてもよい。
【0054】
アレイ1000は、第1の方向1006および/または第2の方向1024において、相互接続された片側テトロンを追加することによって所望のサイズにスケーリングされてもよい。たとえば、第3の片側テトロン1026(下半分のみ図示)は、第2の方向にアレイ1000を拡張するために、第1の量子ドット1010の、片側テトロン1002とは反対の側に位置されてもよい。いくつかの実施形態では、アレイ1000は、両側テトロンの代わりに両側ヘキソンから構成されてもよい。
【0055】
図11は、一つまたは複数の実施形態によるキュービット・アーキテクチャーの片側テトロンの2次元アレイ1100の上面図を示す。アレイ1100は、第1の方向1102に沿って列に配置された複数の片側テトロンと、第1の方向1102に直交する第2の方向1104に沿って行に配置された複数の片側テトロンとを含む。第2方向1104における隣接する片側テトロンの諸対は、量子ドットおよびゲート領域によって分離される。たとえば、片側テトロンの第1の列は、第2の方向1104に沿って配置されたテトロン1106、1108、1110、および1112を含む。第1の量子ドット1114、第1のゲート領域1116、および第2の量子ドット1118が、第1の方向1104においてテトロン1108とテトロン1110との間に位置付けられる。
【0056】
Fuワイヤが、第1の方向1102に沿って配置された片側テトロンを分離する。たとえば、Fuワイヤ1124は、テトロン1106と片側テトロン1126との間で第1の方向1102に沿って位置され、Fuワイヤ1128は、テトロン1112と片側テトロン1130との間で第1の方向1102に沿って位置される。アレイ110は、Fuワイヤ1120と1124との間に位置する第2のゲート領域1132および第3のゲート領域1134をさらに含む。第2および第3のゲート領域1132および1134は、Fuワイヤ1124および1128の制御に関連して制御されて、異なる行における片側テトロンおよび量子ドットのMZMを接続することができる。たとえば、第2および第3のゲート領域1132および1134におけるトンネリングは、Fuワイヤ1124の動作に関連してアクティブ化されて、第2の量子ドット上のMZMを、片側テトロン1106に動作可能に結合された量子ドット(図示せず)と接続することができる。
【0057】
追加的なゲート領域および量子ドットが、MZMを第1の方向1102に沿って配置された他の片側テトロンと接続するように制御されてもよい。アレイ1100は、たとえば、第1の方向1002において第3のゲート領域1134に隣接する第4のゲート領域1136と、第1の方向1102において第4のゲート領域1136に隣接する第3の量子ドット1138とを含む。第2、第3、および第4のゲート領域1132、1134、および1136におけるトンネリングは、第2の量子ドット1118のMZMを第4の量子ドット1138と接続するように活性化されうる。このアーキテクチャーは、アレイ1100のサイズをスケーリングするために、所望に応じて第1の方向1002および/または第2の方向1004において繰り返されてもよい。いくつかの実施形態では、アレイ1100は、片側テトロンの代わりに片側ヘキソンから構成されてもよい。
【0058】
有利なことに、アレイ1000およびアレイ1100のアーキテクチャーは、より多用途で効率的な製造を容易にする。特に、本明細書に示される構造は、広く利用可能な2次元製造技術をトポロジカル絶縁体アーキテクチャーの有益な帯電エネルギー保護と組み合わせる。提案されるアーキテクチャーは、磁気近接効果との関連で超伝導近接効果の2次元パターンを利用して、トポロジカル・キュービットを作成する。本明細書に記載されるアーキテクチャーおよび動作方法はまた、量子論理ゲートのフルセットを使用して汎用量子コンピューティングを可能にする。
【0059】
さらなる実施形態
本明細書のさまざまな実施形態では、本開示は、キュービット素子、キュービット・アーキテクチャー、および量子プロセッサを含む。以下の実施形態は、単独で、または種々の組み合わせで実装されてもよく、本明細書に説明される他の特徴とともにさらに具現されてもよい。
【0060】
本開示のいくつかの実施形態は、3次元トポロジカル絶縁体層と;3次元トポロジカル絶縁体層上に配置された超伝導体領域と;超伝導体領域を通って3次元トポロジカル絶縁体層まで延在し、超伝導体領域のエッジ上に位置する周部分を有する渦領域とを有する量子プロセッサを含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、量子プロセッサは、前記エッジにおいて前記周部分に隣接するゲート領域を有し、ゲート領域は、3次元トポロジカル絶縁体層におけるトンネリングを活性化するように選択的に調整可能である。
【0062】
いくつかの実施形態では、超伝導体領域は、周部分に薄壁を含み、薄壁は、渦領域から超伝導体領域の外部へのマヨラナ・ゼロ・モードの伝達を容易にする。いくつかの実施形態では、超伝導体領域は、前記周部分において開口を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、渦領域は、超伝導体領域を通って3次元トポロジカル絶縁体層の表面まで延在する空洞を含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、渦領域は、超伝導体領域を通って延在する材料の領域を含み、材料は、超伝導体領域の超伝導体材料とは異なる電磁特性を有する。
【0065】
いくつかの実施形態では、量子プロセッサは、3次元トポロジカル絶縁体層上に配置され、超伝導体領域を少なくとも部分的に囲む磁気絶縁体領域を有する。いくつかの実施形態では、量子プロセッサは、磁気絶縁体領域上で第1の方向に延在する第1のゲート領域を含む量子ドット領域と;磁気絶縁体領域上に配置され、第1のゲート領域と超伝導体領域との間に位置決めされた第2のゲート領域とを有しており、超伝導体領域は第1の方向に延在する。いくつかの実施形態において、超伝導体領域は、3次元トポロジカル絶縁体上で磁気絶縁体領域に隣接している。
【0066】
本開示のいくつかの実施形態は、3次元トポロジカル絶縁体層と;3次元トポロジカル絶縁体層上の第1の超伝導体領域と;第1の超伝導体領域を通って3次元トポロジカル絶縁体層まで延在する第1の複数の渦領域と;第1の超伝導体領域の第1のエッジに位置する第1の複数の渦領域の第1の複数の周部分とを有するキュービット・アーキテクチャーを含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、第1の複数の周部分のうちの一つまたは複数は、複数の渦領域のうちの渦領域のマヨラナ・ゼロ・モードを第1の超伝導体領域の外部に伝達することを容易にする薄い壁を含む。いくつかの実施形態では、第1の複数の周部分のうちの一つまたは複数は、第1の超伝導体領域の第1のエッジを通って延在する開口を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、複数の渦領域のそれぞれは、第1の超伝導体領域を通って3次元トポロジカル絶縁体層の表面まで延在する空洞を含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、複数の渦領域のうちの一つまたは複数は、第1の超伝導体領域を通って延在する材料の領域を含み、材料は、第1の超伝導体領域の超伝導体材料とは異なる電磁特性を有する。いくつかの実施形態では、キュービット・アーキテクチャーは、第1の超伝導体領域の第1のエッジ上に位置し、第1の複数の周部分に隣接する複数のゲート領域を有する。
【0070】
いくつかの実施形態では、キュービット・アーキテクチャーは、第1の超伝導体領域を通って3次元トポロジカル絶縁体層まで延在する第2の複数の渦領域と;第1の超伝導体領域の第2のエッジに位置する第2の複数の渦領域の第2の複数の周部分とを有する。
【0071】
いくつかの実施形態では、キュービット・アーキテクチャーは、3次元トポロジカル絶縁体層上の磁気絶縁体層と;第1のエッジに沿って延在し、第1のエッジから離間された量子ドット領域と;磁気絶縁体層上の複数のゲート領域であって、量子ドット領域と第1の複数の周部分との間に位置決めされた複数のゲート領域とを有する。
【0072】
いくつかの実施形態では、キュービット・アーキテクチャーは、3次元トポロジカル絶縁体層上の第2の超伝導体領域と;第2の超伝導体領域を通って3次元トポロジカル絶縁体層まで延在する第2の複数の渦領域と;第2の超伝導体領域の第2のエッジ上に位置する第2の複数の渦領域の第2の複数の周部分とを有する。
【0073】
いくつかの実施形態では、キュービット・アーキテクチャーは、第1のエッジに沿って延在し、第1のエッジから離間された量子ドット領域と;Fuワイヤと;第1の超伝導体領域の側部に配置され、Fuワイヤを第1の複数の渦領域のうちの渦領域に選択的に結合するように構成された第1の組のゲート領域とを有する。いくつかの実施形態では、Fuワイヤは、3次元トポロジカル絶縁体上に配置された第2の超伝導体領域と;第2の超伝導体領域を通って3次元トポロジカル絶縁体層まで延在する第2の複数の渦領域と;第2の超伝導体領域の側部に位置し、Fuワイヤを量子ドット領域に選択的に結合するように構成された第2の組のゲート領域とを有する。
【0074】
上記の説明は、本開示のさまざまな実施形態を、これらの実施形態の諸側面がどのように実装されうるかの例とともに示す。上記の例および実施形態は、唯一の実施形態であると見なされるべきではなく、以下の特許請求の範囲によって定義される本開示の柔軟性および利点を例示するために提示される。たとえば、ある種の実施形態が特定のプロセスフローおよびステップに関して説明されたが、本開示の範囲が説明されたフローおよびステップに厳密に限定されないことは当業者には明らかであるはずである。逐次的であるものとして説明されるステップは、並行して実行されてもよく、ステップの順序が変更されてもよく、ステップは、修正、組み合わせ、追加、または省略されてもよい。別の例として、ハードウェアとソフトウェアの特定の組み合わせを使用してある種の実施形態を説明したが、ハードウェアとソフトウェアの他の組み合わせも可能であり、ソフトウェアで実装されるものとして説明した特定の動作がハードウェアで実装されてもよく、その逆も同様であることを認識されたい。
【0075】
本明細書および図面は、制約する意味ではなく例示的な意味で考えられるべきである。本明細書におけるオブジェクトおよび特徴の比率および相対位置は、説明および/または例示を容易にするために与えられていることがあり、限定することは意図しないことが理解される。他の配置、実施形態、実装、および均等物が当業者には明らかであり、以下の特許請求の範囲に記載される本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく採用されうる。
【国際調査報告】