(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-04
(54)【発明の名称】インパルスワイヤモジュール、及びインパルスワイヤモジュールを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
H01F 5/00 20060101AFI20240828BHJP
H01F 41/04 20060101ALI20240828BHJP
H01F 27/28 20060101ALI20240828BHJP
H01F 27/29 20060101ALI20240828BHJP
【FI】
H01F5/00 E
H01F41/04 A
H01F27/28 128
H01F27/29 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508416
(86)(22)【出願日】2022-08-03
(85)【翻訳文提出日】2024-04-01
(86)【国際出願番号】 EP2022071814
(87)【国際公開番号】W WO2023016885
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】102021121065.8
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517258925
【氏名又は名称】フラバ ベスローテン ヴェンノーツハップ
【氏名又は名称原語表記】FRABA B.V.
【住所又は居所原語表記】Jan Campertstraat 11,6416 SG Heerlen,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】レーケン, ミヒャエル
【テーマコード(参考)】
5E043
5E062
【Fターム(参考)】
5E043AA02
5E043EA04
5E043EB05
5E062EE02
(57)【要約】
【課題】ワイヤ巻線(16)の巻線ワイヤ(20)を、材料結合接合部(32)を介して接点装置(22)に接続することで、低コストで製造することができるインパルスワイヤモジュール(10)を提供する。
【解決手段】本発明は、ハウジングチャンバ(14)を画定するモジュールハウジング(12)と、巻線ワイヤ(20)によって形成され、ハウジングチャンバ(14)内に少なくとも部分的に配置されるワイヤ巻線(16)と、ワイヤ巻線(16)内に少なくとも部分的に延在するインパルスワイヤ(18)と、モジュールハウジング(12)に取り付けられ、ワイヤ巻線(16)と電気的に接続される、インパルスワイヤモジュール(10)の外部電気接点のための接点装置(22)と、を備えるインパルスワイヤモジュール(10)、及びその製造方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インパルスワイヤモジュール(10)であって、
ハウジングチャンバ(14)を画定するモジュールハウジング(12)と、
巻線ワイヤ(20)によって形成され、前記ハウジングチャンバ(14)内に少なくとも部分的に配置されるワイヤ巻線(16)と、
前記ワイヤ巻線(16)内に少なくとも部分的に延在するインパルスワイヤ(18)と、
前記モジュールハウジング(12)に取り付けられ、前記ワイヤ巻線(16)と電気的に接続される前記インパルスワイヤモジュール(10)の外部電気接点のための接点装置(22)と、を備え、
前記巻線ワイヤ(20)は、材料結合接合部(32)を介して前記接点装置(22)と接続されることを特徴とするインパルスワイヤモジュール(10)。
【請求項2】
前記接点装置(22)は、少なくとも前記材料結合接合部(32)が配置される接続領域(34)において錫めっきされる、請求項1に記載のインパルスワイヤモジュール(10)。
【請求項3】
前記材料結合接合部(32)は、前記ハウジングチャンバ(14)内に配置され、
前記ハウジングチャンバ(14)は、前記材料結合接合部(32)が埋め込み用樹脂(38)によって囲まれるように前記埋め込み用樹脂(38)で充填される、請求項1又は2に記載のインパルスワイヤモジュール(10)。
【請求項4】
前記接点装置(22)が、
前記モジュールハウジング(12)に埋め込まれる本体(24)と、
前記モジュールハウジング(12)から突出し、前記材料結合接合部(32)が配置される接続要素(26)と、を備える、請求項1に記載のインパルスワイヤモジュール(10)。
【請求項5】
前記接続要素(26)は、前記モジュールハウジング(12)の表面(30)に当接するように下方に曲げられる、請求項4に記載のインパルスワイヤモジュール(10)。
【請求項6】
前記ワイヤ巻線(16)と電気的に接続される更なる接点装置(22)を更に備え、
前記巻線ワイヤ(20)は、更なる材料結合接合部(32)を介して前記更なる接点装置(22)と接続される、請求項1に記載のインパルスワイヤモジュール(10)。
【請求項7】
前記ワイヤ巻線(16)を前記モジュールハウジング(12)内に挿入し、
前記巻線ワイヤ(20)を前記接点装置(22)に導き、
前記巻線ワイヤ(20)と前記接点装置(22)との間の材料結合接合部(32)を製造する、方法ステップを含む、請求項1に記載のインパルスワイヤモジュール(10)を製造するための方法。
【請求項8】
前記材料結合接合部(32)は、自動化された方法で作製される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記材料結合接合部(32)は、熱溶接によって形成される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記材料結合接合部(32)が形成された後、前記ハウジングチャンバ(14)は、前記材料結合接合部(32)が埋め込み用樹脂(38)によって囲まれるように、前記埋め込み用樹脂(38)で充填される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記埋め込み用樹脂(38)が、UV光の照射によって硬化される、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジングチャンバを画定するモジュールハウジングと、巻線によって形成され、ハウジングチャンバ内に少なくとも部分的に配置されるワイヤ巻線と、ワイヤ巻線内に少なくとも部分的に延在するインパルスワイヤと、モジュールハウジングに取り付けられ、ワイヤ巻線と電気的に接続される、インパルスワイヤモジュールの外部電気接点のための接点装置と、を備えるインパルスワイヤモジュールを対象とする。本発明はまた、そのようなインパルスワイヤモジュールを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなインパルスワイヤモジュール(Wiegandモジュールとしても知られる)は、例えば、励磁磁石によって生成される励磁磁場を検出するための磁石ベースの回転角度測定装置に使用される。
【0003】
このようなインパルスワイヤモジュールは、DE 10 2020 100 732 A1から知られており、接点装置は、接点装置をワイヤ巻線と電気的に接続するために、巻線が巻回される接続要素を備える。開示されたインパルスワイヤモジュールは、いくつかの部品から構成され、これにより、接続要素の周りのワイヤ巻線の自動巻き付けが可能になる。しかしながら、複雑な多部品構造のために、開示されたインパルスワイヤモジュールの製造コストは比較的高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この背景に対して、課題は、インパルスワイヤモジュールの費用対効果の高い製造を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1の特徴を有するインパルスワイヤモジュールによって、並びに請求項7の特徴を有するインパルスワイヤモジュールを製造する方法によって解決される。
【0006】
本発明によるインパルスワイヤモジュールは、ハウジングチャンバを画定するモジュールハウジングを備える。典型的には、モジュールハウジングは、プラスチック製であり、射出成形部品である。モジュールハウジングは、典型的には、実質的にトラフ形状であるように設計され、その結果、一方の側(典型的には、モジュールハウジングの底面側)で開いているハウジングチャンバを画定する。典型的には、ハウジングチャンバは、ワイヤ巻線を受け入れるための円筒セグメント形状の部分を備える。モジュールハウジングは、組み立て中にモジュールハウジングを位置合わせし、位置決めするための特別な構造を備えることができる。
【0007】
本発明によるインパルスワイヤモジュールは、ワイヤ巻線とインパルスワイヤとを更に備える。ワイヤ巻線は、巻線ワイヤによって形成され、ハウジングチャンバ内に少なくとも部分的に配置される。好ましくは、ワイヤ巻線は、巻芯を有さない、いわゆる空芯コイルとして設計される。インパルスワイヤは、ワイヤ巻線内に少なくとも部分的に延在し、これは、ワイヤ巻線がインパルスワイヤを少なくとも部分的に半径方向に取り囲むことを意味する。好ましくは、コイルの内径は、インパルスワイヤの外径よりも僅かに大きく、その結果、インパルスワイヤは、半径方向にワイヤ巻線によって位置決めされ、支持される。典型的には、フェライト素子は、ワイヤ巻線の軸方向両側に配置され、それによって、インパルスワイヤの一端が支持される。フェライト素子は、モジュールハウジングに取り付けられ、フェライト素子は、好ましくは、モジュールハウジングによってオーバーモールドされる。インパルスワイヤは、好ましくは、UV光下で硬化する比較的柔らかい接着剤、例えばシリコンによって、2つのフェライト要素に接着的に取り付けられる。インパルスワイヤは、磁気的に双安定であり、Wiegandワイヤとしても知られている。外部磁場の影響下で、インパルスワイヤの磁化方向は急激に反転し、ワイヤ巻線に短い電圧パルスを生成する。
【0008】
本発明によるインパルスワイヤモジュールは、インパルスワイヤモジュールの外部電気接点のための少なくとも1つの接点装置をさらに備える。接点装置は、モジュールハウジングに取り付けられ、接点装置は、好ましくは、モジュールハウジングによってオーバーモールドされる。接点装置は、ワイヤ巻線に電気的に接続されており、ワイヤ巻線に発生する電圧パルスを、接点装置を介して外部から検出することができる。典型的には、接点装置は、インパルスワイヤモジュールが標準化された回路基板上に取り付けられることを可能にするために、互いに所定の距離だけ離れて配置される、接点脚、又は接点ピンとしても知られる幾つかの接点要素を備える。好ましくは、接点要素は、モジュールハウジングの底面に配置され、プリント回路基板の表面に取り付けられるように設計され、その結果、インパルスワイヤモジュールは、いわゆる「表面実装デバイス」(SMD)として設計される。
【0009】
本発明によれば、巻線は、材料結合接合部を介して接点装置に接続される。材料結合接合部は、特に溶接接続、又は半田付け接続とすることができる。しかしながら、材料結合接合部は、原則として、巻線と接点装置との間の電気的接続を提供する任意のタイプの材料結合接合部とすることができる。材料結合接合部は、原則として、接点装置の任意の領域に配置することができる。しかしながら、好ましくは、接点装置は、巻線との材料結合接合部を形成するための特別に構成された接続領域を備える。好ましくは、巻線は、材料結合接合部を介してのみ接点装置と接続され、材料結合接合部は、環境の影響から保護するために、保護層、例えばワニス、又は埋め込み用樹脂によって取り囲むことができることが確かに考えられる。しかしながら、ここでの保護層は、巻線と接点装置との間の接続に有意な寄与を与えず、材料結合接合部を保護するのに役立つだけである。材料結合接合部は、巻線と接点装置との間の信頼性の高い接続を提供し、これは、適切な機械を用いて比較的容易に自動化された方法で製造することができる。これは、本発明によるインパルスワイヤモジュールの特に費用対効果の高い製造を可能にする。
【0010】
好ましくは、接点装置は、少なくとも、巻線と接点装置との間の材料結合接合部が配置される接続領域において、錫めっき、すなわち錫で被覆される。これは、例えば、熱圧着溶接、又は半田付けによる、材料結合接合部の特に簡単で信頼性のある製造を可能にする。
【0011】
有利には、巻線と接点装置との間の材料結合接合部は、ハウジングチャンバ内に配置され、ハウジングチャンバは、巻線と接点装置との間の材料結合接合部が埋め込み用樹脂によって取り囲まれるように埋め込み用樹脂で充填される。埋め込み用樹脂は、環境の影響、特に湿気、及び機械的衝撃から材料結合接合部を確実に保護する。更に、埋め込み用樹脂は、ハウジングチャンバ内のワイヤ巻線、及びインパルスワイヤを確実に固定し、また、環境の影響からそれらを保護する。これは、特に耐久性のあるインパルスワイヤモジュールを提供する。好ましくは、埋め込み用樹脂を比較的迅速かつ確実に硬化させるために、埋め込み用樹脂はUV光下で硬化する。
【0012】
好ましくは、接点装置は、モジュールハウジング内に埋め込まれた本体と、モジュールハウジングから突出し、巻線との材料結合接合部が配置された接続要素とを備える。接続要素は、好ましくは、本体と一体に形成される。モジュールハウジングに埋め込まれた本体は、ハウジングへの接点装置の確実な取り付けを提供する。好ましくは、本体は、モジュールハウジングによって完全に、又は少なくとも部分的にオーバーモールドされる。典型的には、更に、幾つかの接点要素が本体上に形成され、これもモジュールハウジングから突出し、インパルスワイヤモジュールの外部電気接点のために使用される。接続要素は、好ましくは、ワイヤ巻線に面する本体の側に配置される。モジュールハウジングから突出する接続要素は、十分にアクセス可能であり、巻線との材料結合接合部の容易な製造を可能にする。
【0013】
特に好ましくは、接続要素は、モジュールハウジングの表面に当接するように下方に曲げられる。接続要素が下方に曲げられるので、材料結合接合部を製造するための比較的大きな接続面が簡単な方法で提供される。さらに、接続要素、ひいてはその上に配置された巻線ワイヤとの材料結合接合部は、モジュールハウジングの比較的近くに配置され、従って、外部の機械的影響に対して比較的良好に保護される。好ましくは、接続要素が当接するモジュールハウジングの表面は、接続要素及びその上に配置された巻線への材料結合接合部がハウジングチャンバ内に配置されるように、ハウジングチャンバ内に形成される。
【0014】
有利には、インパルスワイヤモジュールは、ワイヤ巻線と電気的に接続される更なる接点装置を備え、巻線は、更なる材料結合接合部を介して更なる接点装置と接続される。典型的には、2つの接点装置は、ワイヤ巻線の両側に配置され、各巻線の一端に接続され、その結果、ワイヤ巻線において生成される電圧パルスを、2つの別個の接点装置を介して簡単な方法で外部から検出することができる。好ましくは、2つの接点装置は、同じ構成要素が両方の接点装置に使用され得るように、同一に設計される。
【0015】
本発明によるインパルスワイヤモジュールの製造方法は、
- 電線巻線をモジュールハウジングに挿入し、
- 前記巻線を前記接点装置に導き、
- 前記巻線と前記接点装置との間の材料結合接合部を製造する、方法ステップを含む。
【0016】
ワイヤ巻線は、適切な巻線機で製造され、ワイヤ巻線を接点装置に接続するために、ワイヤ巻線の両端に十分に長い接続部が設けられる。ワイヤ巻線は、予め製造された部品としてモジュールハウジングに挿入される。
【0017】
続いて、巻線の接続部は、接点装置、特に接点装置の接続領域に運ばれる。
【0018】
次に、巻線と接点装置との間の材料結合接合部は、巻線を接点装置と導電的に恒久的に接続するために適切な工程、例えば溶接工程、又は半田付け工程によって行われる。典型的には、接点装置の接続領域の、ワイヤ巻線とは反対側に突出する巻線ワイヤの一部は、その後、切断される。好ましくは、巻線は、材料結合接合部が作られた後に材料結合接合部を介してのみ接点装置に取り付けられる。
【0019】
有利には、巻線と接点装置との間の材料結合接合部は、適切に構成された機械によって自動化された方法で行われる。これは、インパルスワイヤモジュールの特に費用対効果の高い製造を可能にする。
【0020】
好ましくは、巻線と接点装置との間の材料結合接合部は、熱溶接によって、特に好ましくは熱圧縮溶接によって行われる。熱成形機は、比較的安価であり、比較的小さな溶接部の製造を可能にする。これは、インパルスワイヤモジュールの費用対効果が高く、信頼性の高い製造を可能にする。
【0021】
有利には、巻線と接点装置との間の材料結合接合部が作られた後、モジュールハウジングのハウジングチャンバは、巻線と接点装置との間の材料結合接合部が埋め込み用樹脂によって取り囲まれるように埋め込み用樹脂で充填される。これは、特に耐久性のあるインパルスワイヤモジュールを提供する。
【0022】
好ましくは、ハウジングチャンバを充填した後、UV光を照射することによって、埋め込み用樹脂を比較的迅速かつ確実に硬化させる。
【0023】
本発明によるインパルスワイヤモジュールの実施形態を、添付の図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明によるインパルスワイヤモジュールの底面の平面図である。
【
図2】
図1のII-II線に沿ったインパルスワイヤモジュールの断面図である。
【
図3】
図1のインパルスワイヤモジュールの接点装置である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
各図は、ハウジングチャンバ14を画定するモジュールハウジング12を有するインパルスワイヤモジュール10を示す。本実施形態では、モジュールハウジング12は、プラスチック製の略トラフ形状の射出成形部品であり、ハウジングチャンバ14は、モジュールハウジング12の底面側に開口している。
【0026】
インパルスワイヤモジュール10は、ワイヤ巻線16と、ワイヤ巻線16を軸方向に貫通するインパルスワイヤ18と、を更に備える。従って、インパルスワイヤ18は、中央領域においてワイヤ巻線16によって半径方向に取り囲まれる。ワイヤ巻線16は、巻線ワイヤ20によって形成され、部分的にハウジングチャンバ14内に配置される。本実施形態では、ワイヤ巻線16は、空芯コイルとして設計され、インパルスワイヤ18の外径よりも僅かに大きい内径を備えるので、インパルスワイヤ18は、ワイヤ巻線16によって径方向に位置決めされて支持される。ワイヤ巻線16の軸方向両端部には、フェライト素子21が配置されており、その中にインパルスワイヤ18の軸方向一端部が延在している。本実施形態では、2つのフェライト素子21は、モジュールハウジング12によってオーバーモールドされ、インパルスワイヤ18の2つの端部はそれぞれ、接着接続部23を介してそれぞれのフェライト素子21に取り付けられる。本実施形態では、接着接続部23は、UV光下で硬化する比較的軟質の材料、特にシリコンからなる。
【0027】
本実施形態では、インパルスワイヤモジュール10の外部電気接点のために、インパルスワイヤモジュール10は、各々が一体に設計された2つの同一の接点装置22を備える。本実施形態では、2つの接点装置22は、完全に錫めっきされ、すなわち、錫で完全に被覆される。2つの接点装置22は、ワイヤ巻線16の両側に配置され、それぞれ、本体24と、接続要素26と、本実施形態では4つの接点要素28と、を備える。本実施形態では、2つの接点装置22の本体24が各モジュールハウジング12の側壁に埋め込まれ、2つの接点装置22の接続要素26、及び接点要素28が各モジュールハウジング12の底面から突出するように、2つの接点装置22がモジュールハウジング12によってオーバーモールドされる。
【0028】
本実施形態では、2つの接点装置22の接続要素26は、それぞれハウジングチャンバ14内に形成されたモジュールハウジング12の表面30に当接し、それぞれがハウジングチャンバ14内に完全に配置されるように下方に曲げられる。接続要素26はそれぞれ、材料結合接合部32を介して巻線ワイヤ20の一端と電気的に接続され、その結果、2つの接点装置22はそれぞれ、ワイヤ巻線16の一側と電気的に接続される。巻線ワイヤ20は、材料結合接合部32を介してのみ、それぞれの接点装置22に取り付けられる。材料結合接合部32は、モジュールハウジング12の表面30から離れて面する接続要素26の表面30によって画定される接続要素26の接続領域34上にそれぞれ配置される。
【0029】
本実施形態では、ハウジングチャンバ14は、完全に、すなわちハウジング下端36までが埋め込み用樹脂38で充填されており、その結果、接続要素26と接続要素26の接続領域34上に配置された材料結合接合部32とは、それぞれ埋め込み用樹脂38によって囲まれている。本実施例では、埋め込み用樹脂38は、UV光下で硬化する。
【0030】
インパルスワイヤモジュール10の製造中、ワイヤ巻線16は、予め製造された構成要素としてモジュールハウジング12のハウジングチャンバ14内に挿入され、ワイヤ巻線16を形成する巻線ワイヤ20の2つの端部はそれぞれ、それぞれの接点装置22の接続要素26の接続領域34にもたらされる。
【0031】
巻線ワイヤ20の2つの端部とそれぞれの接点装置22との間の材料結合接合部32は、本実施形態では、熱圧着溶接によって完全に自動化されており、巻線ワイヤ20を2つの接点装置22と電気的に接続するために作られている。
【0032】
ワイヤ巻線16がモジュールハウジング12内に挿入された後、インパルスワイヤ18は、ワイヤ巻線16内に挿入され、2つのフェライト素子21と接着接続される。
【0033】
ハウジングチャンバ14は、液体の埋め込み用樹脂38で完全に充填され、その結果、接続要素26、及びその上に配置された材料結合接合部32は、埋め込み用樹脂38によって囲まれる。埋め込み用樹脂38は、UV光の照射によって制御された方法で硬化される。
【符号の説明】
【0034】
10 インパルスワイヤモジュール
12 モジュールハウジング
14 ハウジングチャンバ
16 ワイヤ巻線
18 インパルスワイヤ
20 巻線ワイヤ
21 フェライト素子
22 接点装置
23 接着接続部
24 本体
26 接続要素
28 接点要素
30 表面
32 材料結合接合部
34 接続領域
36 ハウジング下端
38 埋め込み用樹脂
【国際調査報告】