(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】ソフトパックバッテリエアセル型化成プローブ電力接続機構
(51)【国際特許分類】
H01M 10/058 20100101AFI20240829BHJP
【FI】
H01M10/058
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560103
(86)(22)【出願日】2022-09-19
(85)【翻訳文提出日】2023-10-26
(86)【国際出願番号】 CN2022119507
(87)【国際公開番号】W WO2024021257
(87)【国際公開日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】202210879271.3
(32)【優先日】2022-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518017118
【氏名又は名称】浙江杭可科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】郭▲凱▼▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】李▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】曹▲驥▼
(72)【発明者】
【氏名】曹政
【テーマコード(参考)】
5H029
【Fターム(参考)】
5H029AJ14
5H029BJ04
5H029CJ16
5H029CJ30
(57)【要約】
本発明は、互いに平行に間隔を空けて設置されたアルミニウム板により形成される列を含むソフトパックバッテリエアセル型化成プローブ電力接続機構を開示しており、アルミニウム板の左右両端部にはそれぞれ1つの電力接続装置が設置され、隣接するアルミニウム板の電力接続装置は縦方向に位置合わせされており、電力接続装置は、上スライダと、下スライダと、アルミニウム板の前面に設置された第1エアセルユニットと、アルミニウム板の後面に設置された第2エアセルユニットとを含み、第1エアセルユニットの外側にはタブリード接触板が取り付けられ、第2エアセルユニットの外側にはエアセル圧板が取り付けられ、アルミニウム板の端部は第1、第2エアセルユニットと上スライダ、下スライダとによって取り囲まれたスリーブ内に貫装されており、タブリード接触板の端部と上スライダ、下スライダとの間、及びエアセル圧板の端部と上スライダ、下スライダとの間にはいずれも、リセットばねを含むリセット機構が設けられており、タブリード接触板は電流ライン、電圧ラインによって外部電源に接続されている。本発明の有益な効果は、様々な厚さのソフトパックバッテリに自動的に適合し、動作の精度及び確定性が高いという点にある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行に間隔を空けて設置されたアルミニウム板(1)により形成される列を含み、前記アルミニウム板(1)は前記列の縦軸線に垂直であり、前記アルミニウム板(1)上には電熱部材(12)が設けられ、前記アルミニウム板(1)の表面は絶縁層(11)で覆われており、隣接する2つの前記アルミニウム板(1)の間の空間にバッテリを挟持するポジションが形成されており、前記列の縦軸線方向を縦方向、縦方向の一方を前向き、もう一方を後ろ向きと定義し、前記アルミニウム板(1)は矩形であり、アルミニウム板(1)の前向きの面を前面、アルミニウム板(1)の後ろ向きの面を後面、アルミニウム板(1)の一辺の延伸方向を左右方向、もう一辺の延伸方向を上下方向と定義している、ソフトパックバッテリエアセル型化成プローブ電力接続機構において、
前記アルミニウム板(1)の左右両端部にそれぞれ1つの電力接続装置(2)が設置され、隣接するアルミニウム板(1)の電力接続装置(2)は縦方向に位置合わせされており、
前記電力接続装置(2)は、アルミニウム板(1)の上辺に摺動可能に設置された上スライダ(25)と、アルミニウム板(1)の下辺に摺動可能に設置された下スライダ(26)と、アルミニウム板(1)の前面に設置された第1エアセルユニット(22a)と、アルミニウム板(1)の後面に設置された第2エアセルユニット(22b)とを含み、
電力接続装置(2)のアルミニウム板(1)寄りの方向を内側、逆を外側と定義し、第1エアセルユニット(22a)の外側にはタブリード接触板(21)が取り付けられ、第2エアセルユニット(22b)の外側にはエアセル圧板(23)が取り付けられ、タブリード接触板(21)、第1エアセルユニット(22a)、第2エアセルユニット(22b)及びエアセル圧板(23)の上下両端にはそれぞれ上スライダ(25)、下スライダ(26)が接続されており、アルミニウム板(1)の端部は、第1エアセルユニット(22a)及び第2エアセルユニット(22b)と、上スライダ(25)及び下スライダ(26)とに囲まれたスリーブ内に貫装されており、
タブリード接触板(21)の端部と上スライダ(25)、下スライダ(26)との間、及びエアセル圧板(23)の端部と上スライダ(25)、下スライダ(26)との間にはいずれも、リセットばね(282)を含むリセット機構(28)が設けられており、前記リセット機構(28)は、上スライダ(25)または下スライダ(26)上に設置された縦方向の孔を含み、孔内には孔の縦方向に沿って移動可能な皿ねじ(281)が設置され、皿ねじ(281)の尾部は孔の孔口から伸出してピン(283)と接続されており、皿ねじ(281)のキャップと孔の壁面との間には圧縮バネ(282)が設けられ、圧縮バネ(282)が皿ねじ(281)のキャップを孔の底部に押さえ付けており、孔口が前向きの孔に取り付けられているピン(283)のキャップはタブリード接触板(21)の外側に掛着され、孔口が後ろ向きの孔に取り付けられているピン(283)のキャップはエアセル圧板(23)の外側に掛着されており、
前記第1エアセルユニット(22a)は第1エアセル固定板(221)を含み、第1エアセル固定板(221)の外側には複数の第1エアセル(222)が設けられており、第2エアセルユニット(22b)は第2エアセル固定板(223)を含み、第2エアセル固定板(223)の外側には複数の第2エアセル(224)が設けられており、第1エアセル(222)及び第2エアセル(224)はいずれもストリップ状で、かつ外部のエア源と接続されており、タブリード接触板(21)が電流ライン(211)、電圧ライン(212)によって外部電源に接続されていることを特徴とする、
ソフトパックバッテリエアセル型化成プローブ電力接続機構。
【請求項2】
前記第1エアセル(222)及び第2エアセル(224)の数はいずれも2つであり、かつ第1エアセル(222)は第1エアセル固定板(221)の長手方向に沿って平行に設置され、第2エアセル(224)は第2エアセル固定板(223)の長手方向に沿って平行に設置されていることを特徴とする、請求項1に記載のソフトパックバッテリエアセル型化成プローブ電力接続機構。
【請求項3】
第2エアセルユニット(22b)のエアセル圧板(23)の外側にクッション(24)が取り付けられていることを特徴とする、請求項1~2のいずれかに記載のソフトパックバッテリエアセル型化成プローブ電力接続機構。
【請求項4】
前記タブリード接触板(21)の外表面には、タブリード接触板(21)の長手方向に沿って延伸する電流領域(213)、電圧領域(214)及び沈下領域(215)が横方向にこの順で設けられており、電流領域(213)と電圧領域(214)の間には絶縁ギャップが設けられ、電流領域(213)は電流ライン(211)と接続され、電圧領域(214)は電圧ライン(212)と接続されており、電流領域(213)の表面は電圧領域(214)の表面と面一であり、沈下領域(215)の表面は電圧領域(214)の表面より低いことを特徴とする、請求項3に記載のソフトパックバッテリエアセル型化成プローブ電力接続機構。
【請求項5】
第1エアセル(222)及び第2エアセル(224)は、弾性係数が大きく、耐熱性に優れたフレキシブル材料を用いて作製され、クッション(24)は、電気絶縁性で、かつ弾性のある材料を用いて作製されていることを特徴とする、請求項4に記載のソフトパックバッテリエアセル型化成プローブ電力接続機構。
【請求項6】
前記アルミニウム板(1)の上辺には上スライダ(25)を吸着するための磁石吸着板(13)が設けられ、前記アルミニウム板(1)の下辺にはスライドレール(14)が設けられ、下スライダ(26)が前記スライドレール(14)内に摺動可能に設置されていることを特徴とする、請求項5に記載のソフトパックバッテリエアセル型化成プローブ電力接続機構。
【請求項7】
前記上スライダ(25)の頂部にはバッテリをポジションに案内するための先端部が設けられ、底部には矩形溝(251)が開設されており、前記アルミニウム板(1)の上辺は前記矩形溝(251)を貫通し、かつ前記アルミニウム板(1)の厚さは前記矩形溝(251)の幅と整合しており、前記下スライダ(26)の頂部には前記スライドレール(14)と滑り嵌めされるスライド溝(261)が設けられ、前記スライド溝(261)の断面は逆T型であり、前記スライドレール(14)が前記スライド溝(261)の断面の水平領域を貫通していることを特徴とする、請求項6に記載のソフトパックバッテリエアセル型化成プローブ電力接続機構。
【請求項8】
サイドブロック(27)は分割可能なU型ブロックであり、サイドブロックの縦方向貫通溝(271)のノッチが上スライダ(25)または下スライダ(26)の側面に接続されていることを特徴とする、請求項7に記載のソフトパックバッテリエアセル型化成プローブ電力接続機構。
【請求項9】
請求項8に記載のソフトパックバッテリエアセル型化成プローブ電力接続機構を応用したホットプレス治具において、前記上スライダ(25)と下スライダ(26)の側面にはいずれもサイドブロック(27)が設けられ、サイドブロック(27)上には縦方向貫通溝(271)があり、
前記アルミニウム板(1)の端部上方には固定ブロック(16)が設けられ、下方には連動ブロック(17)が設けられ、前記固定ブロック(16)上には縦方向取付孔(162)があり、前記縦方向取付孔(162)内には直線軸受(161)が設けられており、
縦方向に位置合わせされた前記直線軸受(161)内にはガイド軸(4)が貫装されており、前記アルミニウム板(1)が前記ガイド軸(4)上に平行に直列接続されており、隣接する前記アルミニウム板(1)の連動ブロック(17)の間は連動部材によって相互に接続され、アルミニウム板(1)の間の連動を実現しており、縦方向に位置合わせされた前記電力接続装置(2)の縦方向貫通溝(271)内には接続軸(5)が貫装され、縦方向に位置合わせされた電力接続装置(2)が対応する接続軸(5)上に直列接続されていることを特徴とする、
ホットプレス治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオンポリマーバッテリの高温充放電化成設備の技術分野、特にソフトパックバッテリエアセル型化成プローブ電力接続機構に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーソフトパックバッテリは新エネルギー車に応用される主要なバッテリの1つである。パワーソフトパックバッテリは、生産の仕上げ工程で高温化成によってセルを活性化する必要があり、化成工程では、駆動ボックスによってバッテリに充放電を行う必要があるが、既存の工程では、パワーバッテリを高温治具である1対のクランプの間に投入し、クランプがパワーバッテリを高温で加圧すると同時に、接触板プローブ電力接続アセンブリがバッテリのタブリードをクランプし、パワーバッテリに対して充放電化成工程を行ってセルを活性化する。バッテリへの充放電過程では、接触板プローブ電力接続アセンブリとバッテリのタブリードが良好に接触することを保証しなければならない。
【0003】
従来の接触板プローブ電力接続アセンブリには、タワースプリング式の機構が多く採用されており、タワースプリングの変形によってタブリードに圧力をかけることで、バッテリのタブリードと接触板を良好に接触させる。実践においては、高温治具は様々な型番号のパワーソフトパックバッテリを処理する必要があるが、この時、タワースプリング式機構ではその限界が明らかである。パワーソフトパックバッテリの厚さパラメータは型番号の違いにより差が大きいので、高温治具が厚さの異なるバッテリに充放電化成処理を行う場合には、接触板プローブ電力接続アセンブリのために、厚さの異なるシリカゲルまたは厚さの異なる接触板ライナに交換する必要があり、しかも、現物のバッテリで治具を満たすことができない場合は、擬似バッテリで空きポジションを埋めなければ加圧することができず、そのようにしなければ接触板電力接続アセンブリ機構が損壊してしまう。
【0004】
タワースプリング式機構の接触板プローブ電力接続アセンブリは、処理されるバッテリの寸法の要求に対して融通が利かず、かつ調整に時間がかかり、煩雑である。異なる厚さのバッテリを処理する場合、器具の調整作業を大量に行う必要があり、このような状況が、パワーソフトパックバッテリの充放電化成の作業効率を大幅に低下させている。複雑な調整をしなければ、厚さの異なるバッテリの互換ができず、小ロット、多品種のバッテリを処理する任に堪えない。しかも、高温治具は壊れやすい。
【0005】
タワースプリング式機構の接触板プローブ電力接続アセンブリが、処理されるバッテリの寸法の変化に対して柔軟性に欠けるという欠点を克服するために、エアセルを利用して接触板プローブ電力接続アセンブリにストローク上の柔軟性を提供するインフレータブル機構による接触板プローブ電力接続アセンブリが提示されている。特許文献1で開示されている「バッテリ化成、グレーディング電力接続装置及びバッテリ化成、グレーディング治具」では、電力接続板の後ろにエアバッグを設置し、エアバッグの通気膨張によって電力接続板を押し動かし、隣接する積層板上に1つの対向するエアバッグを設置することで、バッテリタブリードをクランプしている。インフレータブル機構の欠点は、機械部品の動作の精度や確定性に欠けるという点にあるが、バッテリの化成、グレーディングの過程における治具の部品については、動作、空間姿勢の精度に対する要求が非常に高い。化成、グレーディング過程におけるバッテリのタブリードは積層板と平行であるが、電力接続板(即ちタブリード接触板)がエアバッグの膨張中にバッテリタブリードと平行な空間姿勢を保持することができなければ、電力接続板とバッテリタブリードは面接触を形成することができず、点接触または線接触しか形成できない。この状況では、電力接続板上の電流領域と電圧領域が同時にバッテリタブリードと導通することができず、動作の失敗が生じる。電力接続板とバッテリタブリードが面接触を形成することを確保するために、過大な圧力を無理に印加すると、バッテリタブリードの変形や損壊が容易に生じてしまう。
【0006】
また、治具の動作部品のリセットも正確ではない。高圧気体を注入した後のエアバッグの膨張度合いを制御するために、一般的には低弾性、高剛性係数の材料が採用されているが、高圧気体が出ていった後に、エアバッグ材料に残存変形が生じ、もとの状態に完全に回復することができず、電力接続板などの部品を正確にリセットできなくなる。使用回数が増えるにつれて、エアバッグの残存変形がますます大きくなり、電力接続板のリセット誤差も相応に増大する。その結果、治具のポジションの寸法が確定性を失い、バッテリを配置するポジションに影響する。
【0007】
特許文献1の電力接続板は第1エアバッグの外表面と直接接続されており、側面の位置限定板と位置限定ピンによって第1取付ベース及び第2取付ベース上に取り付けられている。このような設計には、以下の弊害が存在する。(一)第1エアバッグに空気を入れた後の断面はアーチ形なので、電力接続板に安定した支持を提供することができず、電力接続板が横方向に傾斜しやすい。(二)電力接続板のリセットの精度が悪く、第1エアバッグの排気時に、エアバッグに残存変形が生じ、かつ使用回数の増加に伴って残存変形が大きくなるため、電力接続板を正確にリセットすることができず、電力接続板と第2エアバッグの隙間(即ちポジションギャップ)を正確に制御できず、バッテリタブリードを挿入する際に、タブリードに干渉しやすく、タブリードの変形を引き起こす。電力接続板の端部に設置されている位置限定板及び位置限定ピンは、電力接続板の最大ストロークを制限することはできるが、電力接続板の動きの中での空間姿勢を保証することはできず、一旦電力接続板が傾斜すると、バッテリタブリードと電力接続板が良好に接触できなくなる。このことから、特許文献1の電力接続板とバッテリタブリードの接続は確定性及び信頼性が低く、タブリードに干渉することさえあり、空圧を引き起こしやすく、深刻な場合には、設備全体の重複使用に影響するので、実質的に生産ラインに応用することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】中国特許CN11186410A明細書
【発明の概要】
【0009】
従来技術の上記の欠点を克服するために、本発明では、ソフトパックバッテリエアセル型化成プローブ電力接続機構を提示している。
【0010】
本発明のソフトパックバッテリエアセル型化成プローブ電力接続機構は、処理されるバッテリの寸法の変化に対応する柔軟性を有するだけでなく、部品の動作の精度や確定性も有しているので、大規模生産において信頼性が高い。本発明は、調整の必要なく様々な厚さのソフトパックバッテリに適用でき、治具が満たせなくても擬似バッテリを補充しなくてよく、空圧でもよく、しかもタブリードと電力接続機構との間の接触の信頼性と確定性が向上している。
【0011】
本発明の上記ソフトパックバッテリエアセル型化成プローブ電力接続機構は、互いに平行に間隔を空けて設置されたアルミニウム板により形成される列を含み、上記アルミニウム板は上記列の縦軸線に垂直であり、上記アルミニウム板上には電熱部材が設けられ、上記アルミニウム板の表面は絶縁層で覆われており、隣接する2つの上記アルミニウム板の間の空間にはバッテリを挟持するポジション(箇所、位置)が形成されており、上記列の縦軸線方向を縦方向、縦方向の一方を前向き、もう一方を後ろ向きと定義し、上記アルミニウム板は矩形であり、アルミニウム板の前向きの面を前面、アルミニウム板の後ろ向きの面を後面、アルミニウム板の一辺の延伸方向を左右方向、もう一辺の延伸方向を上下方向と定義しており、
【0012】
上記アルミニウム板の左右両端部にはそれぞれ1つの電力接続装置が設置され、隣接するアルミニウム板の電力接続装置は縦方向に位置合わせされており、
上記電力接続装置は、アルミニウム板の上辺に摺動可能に設置された上スライダと、アルミニウム板の下辺に摺動可能に設置された下スライダと、アルミニウム板の前面に設置された第1エアセルユニットと、アルミニウム板の後面に設置された第2エアセルユニットとを含み、
電力接続装置のアルミニウム板寄りの方向を内側、逆を外側と定義し、第1エアセルユニットの外側にはタブリード接触板が取り付けられ、第2エアセルユニットの外側にはエアセル圧板が取り付けられ、タブリード接触板、第1エアセルユニット、第2エアセルユニット及びエアセル圧板の上下両端にはそれぞれ上スライダ、下スライダが接続されており、アルミニウム板の端部は、第1エアセルユニット及び第2エアセルユニットと、上スライダ及び下スライダにと囲まれたスリーブ内に貫装されており、
タブリード接触板の端部と上スライダ、下スライダとの間、及びエアセル圧板の端部と上スライダ、下スライダとの間にはいずれも、リセットばねを含むリセット機構が設けられており、
上記の第1エアセルユニットは第1エアセル固定板を含み、第1エアセル固定板の外側には複数の第1エアセルが設けられ、第2エアセルユニットは第2エアセル固定板を含み、第2エアセル固定板の外側には複数の第2エアセルが設けられており、第1エアセル及び第2エアセルはいずれもストリップ状で、かつ外部のエア源と接続されており、タブリード接触板は、電流ライン、電圧ラインによって外部電源に接続されている。
【0013】
好適には、上記の第1エアセル及び第2エアセルの数はいずれも2つであり、かつ第1エアセルは第1エアセル固定板の長手方向に沿って平行に設置され、第2エアセルは第2エアセル固定板の長手方向に沿って平行に設置される。
【0014】
好適には、上記のリセット機構は、上スライダまたは下スライダ上に設置された縦方向の孔を含み、孔内には孔の縦方向に沿って移動可能な皿ねじが設置されており、皿ねじの尾部は孔の孔口から伸出してピンと接続されており、皿ねじのキャップと孔の壁面との間には圧縮バネが設けられ、圧縮バネが皿ねじのキャップを孔の底部に押さえ付けており、そのうち、孔口が前向きの孔に取り付けられているピンのキャップはタブリード接触板の外側に掛着され、孔口が後ろ向きの孔に取り付けられているピンのキャップはエアセル圧板の外側に掛着されている。
【0015】
好適には、第2エアセルユニットのエアセル圧板の外側に、クッションが取り付けられている。
【0016】
好適には、上記タブリード接触板の外表面には、タブリード接触板の長手方向に沿って延伸する電流領域、電圧領域及び沈下領域が横方向にこの順で設けられており、電流領域と電圧領域の間には絶縁ギャップが設けられ、電流領域は電流ラインと接続され、電圧領域は電圧ラインと接続されており、電流領域の表面は電圧領域の表面と面一であり、沈下領域の表面は電圧領域の表面より低い。実践においては、電流領域の幅は電圧領域より遥かに広く、2つの平面が平行ではない情況では、電圧領域がバッテリタブリードと接触しない可能性が高い。沈下領域はバッテリタブリードを電圧領域へ傾斜させて、電圧領域とバッテリタブリードが導通する機会を増やしている。
【0017】
好適には、第1エアセル及び第2エアセルには、弾性係数が大きく、耐熱性に優れたフレキシブル材料、例えばTPUなどを用いて作製され、クッションは電気絶縁性で、かつ弾性のある材料、例えばシリカゲルシートなどを用いて作製される。
【0018】
好適には、上記アルミニウム板の上辺には上スライダを吸着するための磁石吸着板が設けられ、上記アルミニウム板の下辺にはスライドレールが設けられており、下スライダが上記スライドレール内に摺動可能に設置されている。
【0019】
好適には、上記上スライダの頂部にはバッテリをポジションに案内するための先端部が設けられ、底部には矩形溝が開設され、上記アルミニウム板の上辺が上記矩形溝を貫通しており、かつ上記アルミニウム板の厚さは上記矩形溝の幅と整合しており、上記下スライダの頂部には上記スライドレールと滑り嵌めされるスライド溝が設置され、上記スライド溝の断面は逆T型であり、上記スライドレールが上記スライド溝の断面の水平領域を貫通している。
【0020】
好適には、上記サイドブロックは分割可能なU型ブロックであり、サイドブロックの縦方向の貫通溝のノッチは上スライダまたは下スライダの側面に接続されている。
【0021】
本発明を応用したソフトパックバッテリエアセル型化成プローブ電力接続機構のホットプレス治具は、上記上スライダと下スライダの側面にいずれもサイドブロックが設けられ、サイドブロック上には縦方向の貫通溝があり、
上記アルミニウム板の端部上方には固定ブロックが設けられ、下方には連動ブロックが設けられ、上記固定ブロック上には縦方向取付孔があり、上記縦方向取付孔内には直線軸受が設けられており、
縦方向に位置合わせされた上記直線軸受内にはガイド軸が貫装されており、上記アルミニウム板が上記ガイド軸上に平行に直列接続されており、隣接する上記アルミニウム板の連動ブロック間は、連動部材によって相互に接続され、アルミニウム板間の連動を実現しており、縦方向に位置合わせされた上記電力接続装置の縦方向貫通溝内には接続軸が貫装され、縦方向に位置合わせされた電力接続装置を対応する接続軸上に直列接続している。
【0022】
本発明の作業過程は以下の通りである。
1)バッテリの型番号に基づいて2列の電力接続装置の横方向の間隔を調節することにより、バッテリのタブリードを上記電力接続装置と縦方向に位置合わせする。
2)バッテリをガイドブロック、上スライダの案内により垂直にポジションに挿入し、アルミニウム板の間隔を調整して、バッテリが前後2枚のアルミニウム板にクランプされるようにする。
3)第1エアセル及び第2エアセルに空気を入れると、第1エアセルと第2エアセルに空気が入って膨張し、縦方向に沿って外向きにタブリード接触板とエアセル圧板を突出させ、タブリード接触板と前方で隣接するアルミニウム板上のエアセル圧板に共同でバッテリのタブリードをクランプさせる。
4)タブリード接触板下端の電流ラインと電圧ラインを外部電源ボックスに接続してパワーバッテリに充放電化成プロセスを行う。
5)第1エアセルと第2エアセルの空気を抜くと、タブリード接触板とエアセル圧板がリセット機構の作用により初期位置に戻る。
ステップ3)において、タブリード接触板は複数の第1エアセルによって支持され、エアセル圧板は複数の第2エアセルによって支持されており、これはタブリード接触板とエアセル圧板が横方向で複数のアーチによって支持されることに相当しており、横方向の傾斜を防止し、タブリード接触板とエアセル圧板の空間姿勢の安定性及び確定性を向上させることに役立ち、タブリード接触板がバッテリタブリードと接触する際に横方向の傾斜が発生することを有効に回避することができる。
【0023】
タブリード接触板の傾斜を防止するもう一つのポイントは、タブリード接触板とエアセル圧板が、それ自体の長手方向において傾斜することをどのように防止するかという点にある。タブリード接触板とエアセル圧板の中部には、すべてエアセルが設けられており、その端部は上スライダ及び下スライダに接続されている。エアセルが膨張する際には、その端部と中部との間に傾斜が生じ、タブリード接触板とエアセル圧板の空間姿勢に影響することを防止する必要がある。本発明のタブリード接触板及びエアセル圧板の端部と上、下スライダとが接続される部分にはリセット機構が設置されており、リセット機構は弾性を有し、エアセルの膨張による引張力の下で、リセット機構はタブリード接触板とエアセル圧板の端部がその中部とともに外へ移動することを許しており、これにより、タブリード接触板とエアセル圧板の、それ自身の長手方向における平坦度が改善される。
【0024】
上記の措置により、タブリード接触板とエアセル圧板の空間姿勢の安定性と確定性が改善され、タブリード接触板の電圧領域と電流領域が同時にバッテリタブリードと導通することを確保し、タブリード接触板とバッテリタブリードの接触の信頼性を向上させている。
【0025】
ステップ4)において、クッションもタブリード接触板とバッテリタブリードの接触の信頼性を改善している。バッテリタブリードをクランプする際に、エアセル圧板とバッテリタブリードとの間の平行がわずかにずれている場合、クッション自身の変形によってその影響を相殺することができる。
ステップ5)において、第1エアセルと第2エアセルの空気を抜くと、リセット機構のばねがエアセルの残留変形を克服し、タブリード接触板とエアセル圧板を初期位置に引き戻す。これにより、本発明の動作部材が正確にリセットされ、ポジション寸法の、バッテリ化成グレーディングの過程における安定性が良くなる。
【0026】
本発明の有益な効果は、処理されるバッテリの寸法変化に自動的に適応する柔軟性を有し、各種の厚さのソフトパックバッテリに自動的に適応でき、複雑な調整や部品の交換をすることなく様々な型番号のバッテリの化成グレーディングを実現し、ホットプレス治具内がいっぱいでない時の空圧によっても損傷しないことを実現できるだけでなく、動作部品の精度や確定性が高く、器具全体が高い信頼性を有しており、大規模生産への応用に適しているという点にある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図2】本発明の熱治具アルミニウム板アセンブリの構造概略図である。
【
図10】本発明の第1エアセルユニットの構造図である。
【
図11】本発明の第2エアセルユニットの構造図である。
【
図12】本発明のホットプレス治具の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下では、図面と結び付けて、本発明の実施例における具体的な実施形態について詳細に説明している。ここに記載している具体的な実施形態は、本発明の実施例を説明及び解釈するためのものにすぎず、本発明の実施例を限定するためのものではないことを理解しておかなければならない。
【0029】
本発明の記述において理解しておかなければならないのは、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語が示す方位または位置関係は図面に示す方位または位置関係に基づいており、本発明を記述しやすくし、記述を簡略化するためのものであって、指している装置や素子が必ずしも特定の方位を有し、特定の方位により構成及び操作されることを示したり、暗示したりするものではないという点であり、よって本発明に対する限定と理解することはできない。
【0030】
また、用語の「第1」、「第2」は目的を記述するためのものであり、相対的な重要性を示したり、暗示したり、または指している技術的特徴の数を暗に示したりするものと理解することはできない。よって、「第1」、「第2」と限定されている特徴は、明らかに、または暗に、少なくとも1つの該特徴を含むことができる。本発明の記述において、「複数」とは、別途明確かつ具体的な限定がない限り、少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどを意味する。
【0031】
本発明においては、別途明確な規定及び限定がない限り、「取付」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は広義に理解しなければならず、例えば、固定接続でもよいし、着脱可能な接続でもよいし、一体を成すものでもよい。機械的な接続でもよいし、電気接続や相互の通信でもよい。直接的な連結でもよいし、中間媒体を介しての間接的な連結でもよいし、2つの素子内部の連通や、2つの素子の相互作用関係でもよいが、別途明確な限定のある場合は除く。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記の用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0032】
本発明において、別途明確な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」または「下」である場合、第1及び第2の特徴が直接接触していてもよいし、第1及び第2の特徴が中間媒体を介して間接的に接触していてもよい。また、第1特徴が第2特徴「の上」、「上方」、「上面」にある場合、第1特徴は第2特徴の直上または斜め上であってよく、または第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことを示すだけであってもよい。第1特徴が第2特徴「の下」、「下方」、「下面」にある場合、第1特徴は第2特徴の直下または斜め下であってよく、または第1特徴の水平高さが第2特徴より低いことを示すだけであってもよい。
【0033】
本明細書の記述において、用語の「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「例示」、「具体的例示」または「いくつかの例示」を参照するというような記述は、該実施例または例示に記述されている具体的な特徴、構造、材料または特長と結び付けて、本発明の少なくとも1つの実施例または例示に含まれることを意味している。本明細書では、上記の用語の概略的な表現は、必ずしも同じ実施例または例示に対するものである必要はない。また、記述されている具体的な特徴、構造、材料または特長は、1つまたは複数の実施例または例示の中で、適切な形で結合させることができる。また、互いに矛盾しない状況において、当業者は、本明細書に記述されている異なる実施例または例示、及び異なる実施例または例示の特徴を結合させたり、組み合わせたりすることができる。
【0034】
以下では、図面を参照し、例示的な実施例と結び付けて、本発明を詳細に説明する。
本発明の上記ソフトパックバッテリエアセル型化成プローブ電力接続機構は、互いに平行に間隔を空けて設置されているアルミニウム板1により形成された列を含み、上記アルミニウム板1は上記列の縦軸線に垂直であり、上記アルミニウム板1上には電熱部材12が設けられ、上記アルミニウム板1の表面は絶縁層11で覆われており、隣接する2つの上記アルミニウム板1の間の空間がバッテリを挟持するポジションを形成しており、上記列の縦軸線方向を縦方向、縦方向の一方を前向き、もう一方を後ろ向きと定義し、上記アルミニウム板1は矩形であり、アルミニウム板1の前向きの面を前面、アルミニウム板1の後ろ向きの面を後面、アルミニウム板1の一辺の延伸方向を左右方向、もう一辺の延伸方向を上下方向と定義しており、
【0035】
上記アルミニウム板1の左右両端部にはそれぞれ1つの電力接続装置2が設置され、隣接するアルミニウム板1の電力接続装置2は縦方向に位置合わせされており、
上記電力接続装置2は、アルミニウム板1の上辺に摺動可能に設置された上スライダ25と、アルミニウム板1の下辺に摺動可能に設置された下スライダ26と、アルミニウム板1の前面に設置された第1エアセルユニット22aと、アルミニウム板1の後面に設置された第2エアセルユニット22bとを含み、
電力接続装置2のアルミニウム板1寄りの方向を内側、逆を外側と定義し、第1エアセルユニット22aの外側にはタブリード接触板21が取り付けられ、第2エアセルユニット22bの外側にはエアセル圧板23が取り付けられ、タブリード接触板21、第1エアセルユニット22a、第2エアセルユニット22b及びエアセル圧板23の上下両端にはそれぞれ上スライダ25、下スライダ26が接続されており、アルミニウム板1の端部は、第1エアセルユニット22a及び第2エアセルユニット22bと、上スライダ25及び下スライダ26とに囲まれたスリーブ内に貫装されており、
タブリード接触板21の端部と上スライダ25、下スライダ26との間、及びエアセル圧板23の端部と上スライダ25、下スライダ26との間にはいずれも、リセットばね282を含むリセット機構28が設けられており、
上記の第1エアセルユニット22aは第1エアセル固定板221を含み、第1エアセル固定板221の外側には複数の第1エアセル222が設けられ、第2エアセルユニット22bは第2エアセル固定板223を含み、第2エアセル固定板223の外側には複数の第2エアセル224が設けられており、第1エアセル222及び第2エアセル224はいずれもストリップ状(細長い片)で、かつ外部のエア源と接続されており、タブリード接触板21は、電流ライン211、電圧ライン212によって外部電源に接続されている。
【0036】
本発明のいくつかの実施例では、上記の第1エアセル222及び第2エアセル224の数はいずれも2つであり、かつ第1エアセル222は第1エアセル固定板221の長手方向に沿って平行に設置され、第2エアセル224は第2エアセル固定板223の長手方向に沿って平行に設置されている。
【0037】
本発明のいくつかの実施例では、上記のリセット機構28は、上スライダ25または下スライダ26上に設置された縦方向の孔を含み、孔内には孔の縦方向に沿って移動可能な皿ねじ281が設置されており、皿ねじ281の尾部は孔の孔口から伸出してピン283と接続されており、皿ねじ281のキャップと孔の壁面との間には圧縮バネ282が設けられ、圧縮バネ282が皿ねじ281のキャップを孔の底部に押さえ付けており、そのうち、孔口が前向きの孔に取り付けられているピン283のキャップはタブリード接触板21の外側に掛着され、孔口が後ろ向きの孔に取り付けられているピン283のキャップはエアセル圧板23の外側に掛着されている。
【0038】
本発明のいくつかの実施例では、第2エアセルユニット22bのエアセル圧板23の外側にクッション24が取り付けられている。
【0039】
本発明のいくつかの実施例では、上記タブリード接触板21の外表面には、タブリード接触板21の長手方向に沿って延伸する電流領域213、電圧領域214及び沈下領域215が横方向にこの順で設けられており、電流領域213と電圧領域214の間には絶縁ギャップが設けられ、電流領域213は電流ライン211と接続され、電圧領域214は電圧ライン212と接続されており、電流領域213の表面は電圧領域214の表面と面一であり、沈下領域215の表面は電圧領域214の表面より低い。
【0040】
本発明のいくつかの実施例では、第1エアセル222及び第2エアセル224は、高圧気体を注入した時にエアセルの変形の確定性が増すように、弾性係数が大きく、かつ耐熱性に優れたTPUなどのフレキシブル材料を用いて作製されている。第1エアセル222及び第2エアセル224はいずれも上端が密封され、下端が空気を通すエアセルバッグであり、エアセルバッグの空気注入の高さを投入するバッテリの厚さによって調節できることで、異なる型番号のバッテリの充放電機能を実現することができ、エアセルバッグの圧縮可能な特性により、治具がいっぱいでない場合でも空圧可能な機能を実現することができる。
【0041】
本発明のいくつかの実施例では、2つの上記第1エアセル222は1つの第1通気口225を共用しており、上記第1通気口225は下向きに延伸して第1連通管226を形成しており、上記第1通気口225は漏斗型収縮口であり、頂角の角度αは90°であり、第1エアセル222の空気注入時に破裂が生じることを防止することができる。
【0042】
本発明のいくつかの実施例では、2つの上記第2エアセル224は1つの第2通気口227を共用しており、上記第2通気口227は下向きに延伸して第2連通管228を形成しており、上記第2通気口227は漏斗型収縮口で、頂角の角度βは90°であり、第1エアセル222の空気注入時に破裂が生じることを防止することができる。
【0043】
本発明の別のいくつかの実施例では、第1エアセル222、第2エアセル224が排気する際に負圧設備を採用して抽気することで、タブリード接触板21、リセット圧板23をいずれもアルミニウム板と貼り合わせ、タブリードの変形を防止することができる。
【0044】
本発明のいくつかの実施例では、クッション24は、例えばシリカゲルシートなど、電気絶縁性で、かつ弾性を有する材料で作製される。クッション24は絶縁作用を果たすことができるだけでなく、さらに、バッテリタブリードをクランプする際に、エアセル圧板とバッテリタブリードとの間の平行がわずかにずれている場合、クッション24自身の変形によってその影響を相殺し、それによりタブリードの変形によるバッテリの品質への影響及び化成接触不良問題を防止することもできる。
【0045】
本発明のいくつかの実施例では、上記アルミニウム板1の上辺には上スライダ25を吸着するための磁石吸着板13が設けられ、上記アルミニウム板1の下辺にはスライドレール14が設けられており、下スライダ26は上記スライドレール14内に摺動可能に設置されている。
【0046】
本発明のいくつかの実施例では、上記上スライダ25の頂部にはバッテリをポジションに案内するための先端部が設けられ、底部には矩形溝251が開設されており、上記アルミニウム板1の上辺は上記矩形溝251を貫通しており、かつ上記アルミニウム板1の厚さが上記矩形溝251の幅と整合(一致)することで、上記上スライダ25がアルミニウム板1の上辺を摺動する際に前後方向の揺動が発生するようにしており、上記下スライダ26の頂部には上記スライドレール14と滑り嵌めされるスライド溝261が設置され、上記スライド溝261の断面は逆T型であり、上記スライドレール14は上記スライド溝261の断面の水平領域を貫通している。
【0047】
本発明のいくつかの実施例では、上記サイドブロック27は分割可能なU型ブロックであり、サイドブロックの縦方向貫通溝271のノッチは上スライダ25または下スライダ26の側面に接続されている。本発明の別のいくつかの実施例では、上記縦方向貫通溝271の断面は矩形である。
【0048】
本発明のいくつかの実施例では、上記サイドブロック27は、エンドブロック272と、上下に対向して設置された上支持ブロック273、下支持ブロック274とを含み、エンドブロック272はほぞ接続方式で上支持ブロック273または下支持ブロック274の端部に接続され、U型の縦方向貫通溝271を共同で取り囲んでおり、かつ縦方向貫通溝271のノッチは上スライダ25または下スライダ26の側面に接続されている。本発明の別のいくつかの実施例では、縦方向貫通溝271の上下溝壁には複数の縦方向スライドランナ275が対称に設置されており、電力接続装置2全体をスムーズに交換することができる。
【0049】
本発明のいくつかの実施例では、上記アルミニウム板1の上辺には、間隔を空けて複数のガイドブロック18が設けられている。上記ガイドブロック18の頂部はバッテリをポジションに案内するためのガイド先端部を有し、前後に隣接するアルミニウム板1上のガイドブロック18は、ポジションの上方に、上が大きく、下が小さいラッパ口型のガイド領域を形成することができるので、バッテリのポジションへの挿入がスムーズである。
【0050】
本発明を応用した上記ソフトパックバッテリエアセル型化成プローブ電力接続機構のホットプレス治具では、上記上スライダ25と下スライダ26の側面にいずれもサイドブロック27が設けられており、サイドブロック27上には縦方向貫通溝271があり、
上記アルミニウム板1の端部上方には固定ブロック16が設けられ、下方には連動ブロック17が設けられ、上記固定ブロック16上には縦方向取付孔162があり、上記縦方向取付孔162内には直線軸受161が設けられており、
縦方向に位置合わせされた上記直線軸受161内にはガイド軸4が貫装されており、上記アルミニウム板1が上記ガイド軸4上に平行に直列接続されており、隣接する上記アルミニウム板1の連動ブロック17の間は連動部材によって相互に接続され、アルミニウム板1の間の連動を実現しており、縦方向に位置合わせされた上記電力接続装置2の縦方向貫通溝271内には接続軸5が貫装され、縦方向に位置合わせされた電力接続装置2を対応する接続軸5上に直列接続している。
【0051】
本発明のいくつかの実施例では、上記アルミニウム板1の下辺の中間位置に、電線を固定するための化成線固定部材15が設けられている。
【0052】
本発明の作業プロセスは以下の通りである。
1)バッテリの型番号に基づいて2列の電力接続装置2の横方向の間隔を調節することにより、バッテリ3のタブリード31を上記電力接続装置2と縦方向に位置合わせする。
2)バッテリ3をガイドブロック18、上スライダ25の案内により垂直にポジションに挿入し、アルミニウム板1の間隔を調整して、バッテリ3が前後2枚のアルミニウム板1にクランプされるようにする。
3)第1エアセル222及び第2エアセル224に空気を入れると、第1エアセル222と第2エアセル224に空気が入って膨張し、縦方向に沿って外向きにタブリード接触板21とエアセル圧板23を突出させ、タブリード接触板21及び前方で隣接するアルミニウム板1上のエアセル圧板23に共同でバッテリ3のタブリード31をクランプさせる。
4)タブリード接触板21下端の電流ライン211と電圧ライン212を外部電源ボックスに接続してパワーバッテリに充放電化成プロセスを行う。
5)第1エアセル222と第2エアセル224の空気を抜くと、タブリード接触板21とエアセル圧板23がリセット機構28の作用により初期位置に戻る。
【0053】
ステップ3)において、タブリード接触板21は2つの第1エアセルによって支持され222、エアセル圧板23は2つの第2エアセル224によって支持されており、これはタブリード接触板21とエアセル圧板23が横方向で複数のアーチによって支持されることに相当しており、横方向の傾斜を防止し、タブリード接触板21とエアセル圧板23の空間姿勢の安定性及び確定性を向上させることに役立ち、タブリード接触板21がバッテリ3のタブリード31と接触する際に横方向の傾斜が発生することを有効に回避することができる。
【0054】
タブリード接触板21の傾斜を防止するもう一つのポイントは、タブリード接触板とエアセル圧板が、それ自体の長手方向において傾斜することをどのように防止するかという点にある。タブリード接触板21とエアセル圧板23の中部には、すべてエアセルが設けられており、その端部は上スライダ25及び下スライダ26に接続されている。エアセルが膨張する際には、その端部と中部との間に傾斜が生じ、タブリード接触板21とエアセル圧板23の空間姿勢に影響することを防止する必要がある。本発明のタブリード接触板21及びエアセル圧板23の端部と上、下スライダとが接続される部分にはリセット機構28が設置されており、リセット機構28は弾性を有し、エアセルの膨張による引張力の下で、リセット機構28はタブリード接触板21とエアセル圧板23の端部がその中部とともに外へ移動することを許しており、これにより、タブリード接触板21とエアセル圧板23の、それ自身の長手方向における平坦度が改善されている。
【0055】
上記の措置により、タブリード接触板21とエアセル圧板23の空間姿勢の安定性と確定性が改善され、タブリード接触板21の電圧領域214及び電流領域213が同時にバッテリ3のタブリード31と導通することを確保し、タブリード接触板21とバッテリタブリード31の接触の信頼性を向上させている。
【0056】
ステップ4)において、クッション24もタブリード接触板21とバッテリタブリード31の接触の信頼性を改善している。バッテリタブリード31をクランプする際に、エアセル圧板23とバッテリタブリード31との間の平行がわずかにずれている場合、クッション24自身の変形によってその影響を相殺することができる。
【0057】
ステップ5)において、第1エアセル222と第2エアセル224の空気を抜くと、リセット機構28のリセットばね282がエアセルの残留変形を克服し、タブリード接触板21とエアセル圧板23を初期位置に引き戻す。これにより、本発明の動作部品が正確にリセットされ、ポジション寸法の、バッテリ化成グレーディングの過程における安定性が良くなる。
【0058】
以上のように、本発明の実施例を示し、記述してきたが、上記の実施例は例示的なものであり、本発明に対する限定と理解することはできず、当業者は、本発明の範囲内において、上記の実施例に対する変更や修正、置換、変形を行うことができるということを理解しているものとする。
【国際調査報告】