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特表2024-532063電磁弁、及びそれを有する空調システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】電磁弁、及びそれを有する空調システム
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/06 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
F16K31/06 305K
F16K31/06 305L
F16K31/06 305G
F16K31/06 305E
F16K31/06 305J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503959
(86)(22)【出願日】2022-09-15
(85)【翻訳文提出日】2024-02-21
(86)【国際出願番号】 CN2022118995
(87)【国際公開番号】W WO2023051263
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】202122391299.6
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】馬 小紅
(72)【発明者】
【氏名】張 錬
【テーマコード(参考)】
3H106
【Fターム(参考)】
3H106DA07
3H106DA13
3H106DA23
3H106DB02
3H106DB12
3H106DB23
3H106DB32
3H106DC04
3H106DC17
3H106DD03
3H106EE06
3H106EE36
3H106GA13
3H106GA15
3H106GA25
3H106GB01
3H106GB06
3H106KK23
3H106KK34
(57)【要約】
電磁弁(100)、及びそれを有する空調システム(200)。この電磁弁(100)は、弁スリーブ(10)及び弁体(20)を含み、弁スリーブ(10)は、弁体(20)に差し込まれて、弁体(20)に固定接続され、球状密封部材(30)は、弁室(11)内で弁スリーブ(10)の軸線方向に沿って移動して、弁口(21)を開閉することができ、弁体(20)の側部には、弁室(11)に連通する第1接続パイプ(40)が固定接続され、弁体(20)には、弁口(21)に連通する第2接続パイプ(50)が軸方向に沿って固定接続され、第1接続パイプ(40)の中心軸線は、弁口(21)の球状密封部材(30)に向いた一端と面一になるか、又は、弁口(21)の球状密封部材(30)に向いた一端に対して第2接続パイプ(50)から離れるように設けられる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁スリーブ及び弁体を含み、前記弁スリーブは前記弁体に固定接続され、前記弁スリーブ及び前記弁体の内部は共に弁室を取り囲んで形成し、前記弁室内には球状密封部材が設けられ、前記弁体内には弁口があり、前記球状密封部材は、前記弁室内で前記弁スリーブの軸線方向に沿って移動して、前記弁口を開閉する電磁弁であって、
前記弁体の側部には、前記弁室に連通する第1接続パイプが固定接続され、前記弁体には、前記弁口に連通する第2接続パイプが軸方向に沿って固定接続され、前記第1接続パイプの中心軸線は、前記弁口の前記球状密封部材に向いた一端と面一になるか、
又は、前記弁口の前記球状密封部材に向いた一端に対して前記第2接続パイプから離れるように設けられる、電磁弁。
【請求項2】
前記第1接続パイプの中心軸線から前記弁口までの高さをHとすると、Hは0mm≦H≦5mmの関係式を満たす、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項3】
前記弁口の口径の大きさをDとすると、Dは1mm≦D≦2.5mmの関係式を満たす、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項4】
前記球状密封部材の材質は、前記弁体の材質と異なる、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項5】
前記球状密封部材は鋼球である、請求項1又は4に記載の電磁弁。
【請求項6】
前記弁室内には、吸引部材及びバルブステム部材が更に設けられ、前記吸引部材は、前記弁スリーブの前記弁口から離れた一端に固定され、前記バルブステム部材は、前記弁スリーブの前記弁口に近い一端に設けられ、前記吸引部材の吸引力の作用により前記吸引部材に向かって移動することができ、
前記バルブステム部材は、前記球状密封部材に接続され、且つ前記弁室内をスライドして、前記球状密封部材を動かして、前記弁口を開閉することができる、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項7】
前記バルブステム部材は、芯金及び復帰バネを含み、前記復帰バネの一端は前記吸引部材に当接し、前記復帰バネの他端は前記芯金内に位置し、前記芯金は、前記吸引部材に近づく方向/前記吸引部材から離れる方向に向かって移動し、且つ前記球状密封部材を動かして移動させることができる、請求項6に記載の電磁弁。
【請求項8】
前記吸引部材の前記芯金に近い一端には分磁リングが固定設置され、前記芯金は、前記吸引部材に近づく方向に向かって移動して、前記分磁リングに当接することができる、請求項7に記載の電磁弁。
【請求項9】
前記弁スリーブはステンレス鋼スリーブであり、前記第1接続パイプ及び前記第2接続パイプはいずれも銅管である、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の電磁弁を含む、空調システム。
【請求項11】
弁スリーブ及び弁体を含み、前記弁スリーブは前記弁体に固定接続され、前記弁スリーブ及び前記弁体の内部は共に弁室を取り囲んで形成し、前記弁室内には球状密封部材が設けられ、前記弁体内には弁口があり、前記球状密封部材は、前記弁室内で前記弁スリーブの軸線方向に沿って移動して、前記弁口を開閉する電磁弁であって、
前記弁体の側部には、前記弁室に連通する第1接続パイプが固定接続され、前記弁体には、前記弁口に連通する第2接続パイプが軸方向に沿って固定接続され、前記第1接続パイプの中心軸線は、前記弁口の前記球状密封部材に向いた一端と面一になるか、又は、基本的に面一になる、電磁弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年9月29日に出願された、出願番号が202122391299.6であり、発明の名称が「電磁弁、及びそれを有する空調システム」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は引用により本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は冷却の技術分野に関し、特に、電磁弁、及びそれを有する空調システムに関する。
【背景技術】
【0003】
電磁弁は、電磁制御される部品であり、産業用制御システムにおいて媒体の導通・遮断を制御したり、媒体の流れ方向及び流量等のパラメータを調整したりして、目標とする制御を実現するために用いられる。
【0004】
関連技術における電磁弁は、低温高圧である場合、冷媒の粘度が高くなりすぎて、電磁弁内の芯金の作動中の抵抗が大幅に増加してしまうため、冷媒が弁口を通りにくくなり、弁開時間が増加し、電磁弁の作業効率に影響を与える。
【発明の概要】
【0005】
本出願の様々な実施例によれば、電磁弁、及びそれを有する空調システムを提供している。
【0006】
本出願は、弁スリーブ及び弁体を含み、弁スリーブは、弁体に差し込まれて、弁体に固定接続され、弁スリーブ及び弁体の内部は共に弁室を取り囲んで形成し、弁室内には球状密封部材が設けられ、弁体内には弁口があり、球状密封部材は、弁室内で弁スリーブの軸線方向に沿って移動して、弁口を開閉する電磁弁であって、弁体の側部には、弁室に連通する第1接続パイプが固定接続され、弁体には、弁口に連通する第2接続パイプが軸方向に沿って固定接続され、第1接続パイプの中心軸線は、弁口の球状密封部材に向いた一端と面一になるか、又は、弁口の球状密封部材に向いた一端に対して第2接続パイプから離れるように設けられる、電磁弁を提供する。
【0007】
一実施例では、第1接続パイプの中心軸線から弁口までの高さをHとすると、Hは0mm≦H≦5mmの関係式を満たす。
【0008】
一実施例では、弁口の口径の大きさをDとすると、Dは1mm≦D≦2.5mmの関係式を満たす。
【0009】
一実施例では、球状密封部材の材質は、弁体の材質と異なる。
【0010】
一実施例では、球状密封部材は鋼球である。
【0011】
一実施例では、弁室内には、吸引部材及びバルブステム部材が更に設けられ、吸引部材は、弁スリーブの弁口から離れた一端に固定され、バルブステム部材は、弁スリーブの弁口に近い一端に設けられ、吸引部材の吸引力の作用により吸引部材に向かって移動することができ、バルブステム部材は、球状密封部材に接続され、且つ弁室内をスライドして、球状密封部材を動かして、弁口を開閉することができる。
【0012】
一実施例では、バルブステム部材は、芯金及び復帰バネを含み、復帰バネの一端は吸引部材に当接し、復帰バネの他端は芯金内に位置し、芯金は、吸引部材に近づく方向/吸引部材から離れる方向に向かって移動し、且つ球状密封部材を動かして移動させることができる。
【0013】
一実施例では、吸引部材の芯金に近い一端には分磁リングが固定設置され、芯金は、吸引部材に近づく方向に向かって移動して、分磁リングに当接することができる。
【0014】
一実施例では、弁スリーブはステンレス鋼スリーブであり、第1接続パイプ及び第2接続パイプはいずれも銅管である。
【0015】
本出願は、上記のような電磁弁を含む空調システムを更に提供する。
【0016】
本出願の1つ以上の実施例の詳細は、以下の図面及び記述において提示する。本出願の他の特徴、目的及び利点は、明細書、図面及び特許請求の範囲により明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
ここに開示されているこれらの発明の実施例及び/又は例示をより良く記述及び説明するために、1つ以上の図面を参照することができる。図面を説明するために用いられる追加の詳細又は例示は、開示された発明、ここで説明する実施例及び/又は例示、並びにここで理解されるこれらの発明の最適な形態のうちのいずれかの範囲を制限するものとしてみなされるべきではない。
【0018】
図1】1つ以上の実施例による電磁弁の構成模式図である。
図2図1のAの部分拡大構成模式図である。
図3】1つ以上の実施例による空調システムの構成模式図である。
【0019】
図面における各符号の意味は、以下の通りである。
100 電磁弁、10 弁スリーブ、11 弁室、20 弁体、21 弁口、22 取り付け孔、30 球状密封部材、40 第1接続パイプ、50 第2接続パイプ、60 吸引部材、61 分磁リング、70 バルブステム部材、71 芯金、711 内孔、72 復帰バネ、200 空調システム。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本出願の目的、技術態様及び利点をより明確にするために、以下に、図面及び具体的な実施形態を参照して、本出願を更に詳細に説明する。ここで説明される具体的な実施形態は、本出願を解釈するためのものにすぎず、本出願の保護範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0021】
説明すべきこととして、アセンブリが別のアセンブリに「取り付けられる」とされる場合、別のアセンブリに直接取り付けられてもよく、又は、間に置かれるアセンブリが存在してもよい。1つのアセンブリが別のアセンブリに「設けられる」とみなされる場合、別のアセンブリに直接設けられてもよく、又は、間に置かれるアセンブリが同時に存在してもよい。1つのアセンブリが別のアセンブリに「固定される」とみなされる場合、別のアセンブリに直接固定されてもよく、又は、間に置かれるアセンブリが同時に存在してもよい。本文で使用される「垂直な」、「水平な」、「左」、「右」という用語及び類似した表現は、説明を目的とするものにすぎず、唯一の実施形態であることを表すものではない。
【0022】
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本出願の属する技術分野における当業者が通常理解している意味と同じである。ここで、本出願の明細書に使用される用語は、単に具体的な実施形態を説明することを目的とし、本出願を制限するものではない。本明細書に使用される「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目の1つ以上の任意の及び全ての組み合わせを含む。
【0023】
図1から図2を参照すると、電磁弁100は、電磁制御される産業用機器であり、流体を制御するための自動化された基本部品であり、アクチュエータに属するが、油圧式や気圧式には限定されない。電磁弁100は、産業用制御システムにおいて、媒体の方向、流量、速度及び他のパラメータを調整するために用いられる。電磁弁100は、異なる回路を組み合わせて、目標とする制御を実現することができ、制御の精度及び柔軟性をいずれも確保することができる。
【0024】
関連技術における電磁弁は、低温高圧である場合、冷媒の粘度が高くなりすぎるため、冷媒が弁口を通りにくくなり、弁開時間が増加し、電磁弁の作業効率に影響を与える。
【0025】
関連技術における電磁弁に存在する問題を解決するために、本出願は、弁スリーブ10及び弁体20を含み、弁スリーブ10は弁体20に固定接続され、弁スリーブ10は、弁体20に差し込むか、又は、弁体20の外部に嵌合することができる、電磁弁100を提供している。弁スリーブ10及び弁体20の内部は共に弁室11を取り囲んで形成し、弁室11内には球状密封部材30が設けられ、弁体20内には弁口21があり、球状密封部材30は、弁室11内で弁スリーブ10の軸線方向に沿って移動して、弁口21を開閉する。弁体20の側部には、弁室11に連通する第1接続パイプ40が固定接続され、弁体20には、弁口21に連通する第2接続パイプ50が軸方向に沿って固定接続される。
【0026】
いくつかの実施例では、第1接続パイプ40の中心軸線は、弁口21の球状密封部材30に向いた一端と面一になるか、又は、基本的に面一になる。具体的には、第1接続パイプ40の中心軸線は、弁口21の球状密封部材30に向いた一端と面一になってもよく、弁口21の球状密封部材30に向いた一端から予め定められた距離だけ離れていてもよい。これにより、冷媒がより容易に弁口21を通って流出するようになり、特に、低温低圧の状態で粘度の高い冷媒がより容易に弁口21から流出するようになり、弁口21の開弁速度が向上し、電磁弁100の作業効率が向上する。
【0027】
いくつかの実施例では、第1接続パイプ40の中心軸線に垂直な方向において、第1接続パイプ40の中心軸線の高さは、弁口21の球状密封部材30に向いた一端の高さ以上である。具体的には、第1接続パイプ40の中心軸線は、弁口21の球状密封部材30に向いた一端と面一になってもよく、又は、弁口21の球状密封部材30に向いた一端に対して第2接続パイプ50から離れるように設けられてもよい。即ち、図1に示すように、第1接続パイプ40の中心軸線の高さを弁口21の上端面の高さH以上とする。これらは例示的な説明にすぎず、本出願を限定するものとみなされてはならないことは言うまでもない。
【0028】
説明すべきこととして、本出願は、第1接続パイプ40の中心軸線が、弁口21の球状密封部材30に向いた一端と面一になるか、又は、弁口21の球状密封部材30に向いた一端に対して第2接続パイプ50から離れるように設けられることによって、冷媒がより容易に弁口21を通って流出するになり、特に、低温低圧の状態で粘度の高い冷媒がより容易に弁口21から流出するようになり、弁口21の開弁速度が向上し、電磁弁100の作業効率が向上する。
【0029】
選択的には、第1接続パイプ40の中心軸線から弁口21までの高さをHとすると、Hは0mm≦H≦5mmの関係式を満たす。
【0030】
注意すべきこととして、弁口21の位置をより低くすると、第1接続パイプ40の中心軸線から弁口21までの高さHが高くなるため、必然的に、弁スリーブ10内の他の部材の長さを長くする必要がある。第1接続パイプ40の中心軸線から弁口21までの高さHが高すぎると、電磁弁100の材料のコストが高くなる。従って、第1接続パイプ40の中心軸線から弁口21までの高さを0mm≦H≦5mmとすることによって、第1接続パイプ40の中心軸線から弁口21までの高さHが高すぎることに起因して電磁弁100の材料のコストが高くなることが回避される。
【0031】
図1に示すように、一実施例では、弁体20の弁スリーブ10に向いた方向には、弁スリーブ10を取り付けるための取り付け孔22が穿設され、弁スリーブ10の一端は、取り付け孔22内に入り込んで、弁体20に溶接固定される。
【0032】
本実施例では、弁スリーブ10は略円筒状構造をなし、弁体20は略段差円柱状構造をなす。弁スリーブ10は円筒状構造をなすことに限定されず、弁体20も段差円柱状構造をなすことに限定されず、別の実施例では、弁スリーブ10及び弁体20は角柱状構造をなしてもよいことは言うまでもなく、ここで限定はしない。
【0033】
更に、弁スリーブ10内には、吸引部材60及びバルブステム部材70が更に設けられる。吸引部材60は、弁スリーブ10の弁口21から離れた一端に固定され、バルブステム部材70は、弁スリーブ10の弁口21に近い一端に設けられ、吸引部材60の吸引力の作用により吸引部材60に向かって移動することができる。
【0034】
具体的には、バルブステム部材70は、芯金71及び復帰バネ72を含む。芯金71の中心には、内孔711が貫通するように穿設され、内孔711は段差孔であり、復帰バネ72は内孔711内に設けられ、復帰バネ72の一端は吸引部材60に当接し、他端は芯金71の内孔711内に収容される。球状密封部材30は、芯金71の吸引部材60から離れた一端に固定接続される。吸引部材60の作用により、芯金71は、吸引部材60に近づく方向、又は、吸引部材60から離れる方向に向かって移動し、且つ球状密封部材30を動かして移動させることによって、球状密封部材30を弁口21に当接させたり、弁口21から分離させたりして、弁口21を開閉することができる。
【0035】
弁スリーブ10の外壁にはコイル(図示せず)が更に嵌合される。コイルが通電されない場合、復帰バネ72の弾性作用により、芯金71は、弁体20に近い一端へ押され、球状密封部材30は、弁口21に当接して密封を実現し、この場合、弁口21は閉じられ、第1接続パイプ40及び第2接続パイプ50中の冷媒は互いに通じ合うことはない。コイルが通電される場合、電磁場の作用により、芯金71と吸引部材60との間に磁気吸引力が発生し、芯金71は、復帰バネ72の弾性作用を克服して吸引部材60に近づく方向に向かって移動し、球状密封部材30は弁口21から分離され、この場合、弁口21は開かれ、第1接続パイプ40から流入した冷媒は、弁口21を通って第2接続パイプ50へ流れる。
【0036】
更に、吸引部材60の芯金71に近い一端には分磁リング61が固定設置される。芯金71は、吸引部材60に近づく方向に向かって移動して、分磁リング61に当接することができる。
【0037】
説明すべきこととして、電磁弁100の作業中に、芯金71は、吸引部材60に吸引され続けて吸引部材60に近づく方向に向かって移動して、吸引部材60に当接するため、本実施例では、電磁弁100の作業過程で発生するノイズを低減させるために、芯金71に当接することができる分磁リング61を吸引部材60に設けることによって、電磁弁100の作業過程で発生するノイズを低減させる効果を実現している。
【0038】
更に、弁口21の口径の大きさをDとすると、Dは1mm≦D≦2.5mmの関係式を満たす。弁口21の口径が大きすぎることは、球状密封部材30が弁口21を封止する際の密封性能が高くなくなることにつながり、弁口21の口径が小さすぎると、冷媒の流れ量を確保することができなくなるため、弁口21の口径を最適な範囲に限定する必要がある。
【0039】
別の実施例では、弁口21の口径は、異なる状況に応じて適応的に調整する必要があることは言うまでもなく、ここで具体的な限定はしない。
【0040】
選択的には、球状密封部材30の材質は、弁体20の材質と異なる。電磁弁100の作業過程で、球状密封部材30は、弁口21の方向に向かって移動して、弁口21に当接するため、球状密封部材30と弁体20とを同じ材質で作製すると、球状密封部材30と弁体20とが接触する過程で摩耗や損失が発生して、球状密封部材30が弁口21に当接する際の密封性に影響を与える。従って、本実施例では、球状密封部材30と弁体20とを異なる材質とすることによって、球状密封部材30が弁体20に当接する際に、球状密封部材30と弁体20との摩耗を低減させて、球状密封部材30が弁口21に当接する際の密封性能を向上させる。
【0041】
本実施例では、球状密封部材30は鋼球であってもよい。これにより、弁体20は、鋼以外の材質を用いて作製する必要がある。別の実施例では、球状密封部材30は、アルミニウム等の他の材質を用いてもよいことは言うまでもなく、ここで限定はしない。
【0042】
選択的には、弁スリーブ10はステンレス鋼スリーブであり、第1接続パイプ40及び第2接続パイプ50はいずれも銅管である。別の実施例では、弁スリーブ10、第1接続パイプ40及び第2接続パイプ50は、アルミニウム等の他の材質を用いてもよいことは言うまでもなく、ここで限定はしない。
【0043】
説明すべきこととして、本実施例では、図1を参照すると、例示的に、電磁弁100は垂直な取り付けとされ、第1接続パイプ40は入口管とされ、第2接続パイプ50は出口管とされるが、これを例として電磁弁100の流れ過程を簡単に説明する。
【0044】
電磁弁100の作業過程では、弁口21が開かれた後に、冷媒は、第1接続パイプ40から電磁弁100に流入し、その大部分は、直接下方に向かって迅速に弁口21に流入してから、弁口21を通って第2接続パイプ50へ流出する。図1における構成では、第1接続パイプ40の中心軸線の高さを弁口21の上端面の高さH以上とすることによって、第1接続パイプ40内の冷媒がスムーズ且つ迅速に弁口21に流入することができるようにするため、粘度の高い冷媒が低温低圧の状態で弁口21の高さを克服するのに必要な抵抗及び時間を減少させて、電磁弁100の作業効率を向上させる。
【0045】
図3を参照すると、本出願は、以上の電磁弁100を含む空調システム200を更に提供する。
【0046】
以上の実施形態の各技術特徴は、任意に組み合わせてもよく、説明を簡潔にするために、上記の実施形態における各技術特徴の可能な組み合わせについて全て説明していないが、これらの技術特徴の組み合わせが矛盾しない限り、いずれも本明細書に記載されている範囲とみなすべきである。
【0047】
以上の実施例は、単に本出願のいくつかの実施形態を示したものにすぎず、その記述が比較的に具体的且つ詳細ではあるが、そのために本出願の特許請求の範囲を制限するものとして理解されるべきではない。当業者にとって、実用新案の趣旨を逸脱しないことを前提にいくつかの変形及び改善を行うこともでき、これらはいずれも本出願の保護範囲に含まれると指摘しておかなければならない。従って、本出願の特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に準ずるものとすべきである。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁スリーブ及び弁体を含み、前記弁スリーブは前記弁体に固定接続され、前記弁スリーブ及び前記弁体の内部は共に弁室を取り囲んで形成し、前記弁室内には球状密封部材が設けられ、前記弁体内には弁口があり、前記球状密封部材は、前記弁室内で前記弁スリーブの軸線方向に沿って移動して、前記弁口を開閉する電磁弁であって、
前記弁体の側部には、前記弁室に連通する第1接続パイプが固定接続され、前記弁体には、前記弁口に連通する第2接続パイプが軸方向に沿って固定接続され、前記第1接続パイプの中心軸線は、前記弁口の前記球状密封部材に向いた一端と面一になるか、
又は、前記弁口の前記球状密封部材に向いた一端に対して前記第2接続パイプから離れるように設けられる、電磁弁。
【請求項2】
前記第1接続パイプの中心軸線から前記弁口までの高さをHとすると、Hは0mm≦H≦5mmの関係式を満たす、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項3】
前記弁口の口径の大きさをDとすると、Dは1mm≦D≦2.5mmの関係式を満たす、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項4】
前記球状密封部材の材質は、前記弁体の材質と異なる、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項5】
前記球状密封部材は鋼球である、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項6】
前記弁室内には、吸引部材及びバルブステム部材が更に設けられ、前記吸引部材は、前記弁スリーブの前記弁口から離れた一端に固定され、前記バルブステム部材は、前記弁スリーブの前記弁口に近い一端に設けられ、前記吸引部材の吸引力の作用により前記吸引部材に向かって移動することができ、
前記バルブステム部材は、前記球状密封部材に接続され、且つ前記弁室内をスライドして、前記球状密封部材を動かして、前記弁口を開閉することができる、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項7】
前記バルブステム部材は、芯金及び復帰バネを含み、前記復帰バネの一端は前記吸引部材に当接し、前記復帰バネの他端は前記芯金内に位置し、前記芯金は、前記吸引部材に近づく方向/前記吸引部材から離れる方向に向かって移動し、且つ前記球状密封部材を動かして移動させることができる、請求項6に記載の電磁弁。
【請求項8】
前記吸引部材の前記芯金に近い一端には分磁リングが固定設置され、前記芯金は、前記吸引部材に近づく方向に向かって移動して、前記分磁リングに当接することができる、請求項7に記載の電磁弁。
【請求項9】
前記弁スリーブはステンレス鋼スリーブであり、前記第1接続パイプ及び前記第2接続パイプはいずれも銅管である、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の電磁弁を含む、空調システム。
【請求項11】
弁スリーブ及び弁体を含み、前記弁スリーブは前記弁体に固定接続され、前記弁スリーブ及び前記弁体の内部は共に弁室を取り囲んで形成し、前記弁室内には球状密封部材が設けられ、前記弁体内には弁口があり、前記球状密封部材は、前記弁室内で前記弁スリーブの軸線方向に沿って移動して、前記弁口を開閉する電磁弁であって、
前記弁体の側部には、前記弁室に連通する第1接続パイプが固定接続され、前記弁体には、前記弁口に連通する第2接続パイプが軸方向に沿って固定接続され、前記第1接続パイプの中心軸線は、前記弁口の前記球状密封部材に向いた一端と面一になるか、又は、基本的に面一になる、電磁弁。
【国際調査報告】