(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】マイクロフリップチップの転写方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20240829BHJP
H01L 33/48 20100101ALI20240829BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20240829BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20240829BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240829BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
H01L21/60 311S
H01L33/48
H01L33/62
G09F9/33
G09F9/00 338
G09F9/30 338
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504471
(86)(22)【出願日】2023-04-14
(85)【翻訳文提出日】2024-01-23
(86)【国際出願番号】 CN2023088493
(87)【国際公開番号】W WO2024027201
(87)【国際公開日】2024-02-08
(31)【優先権主張番号】202210922999.X
(32)【優先日】2022-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504458976
【氏名又は名称】厦▲門▼大学
(71)【出願人】
【識別番号】524030569
【氏名又は名称】嘉庚創新実験室
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楊旭
(72)【発明者】
【氏名】黄凱
(72)【発明者】
【氏名】李金釵
(72)【発明者】
【氏名】張栄
【テーマコード(参考)】
5C094
5F044
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA43
5C094BA23
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5F142GA01
5G435AA17
5G435BB04
5G435KK05
(57)【要約】
本願は、マイクロフリップチップの転写方法を提供し、駆動基板を提供するステップと、一側の表面に複数のマイクロフリップチップが接着される仮基板を提供するステップであって、マイクロフリップチップの仮基板から離れる側の表面に材料が導電性接着剤である第1ボンディング部材を形成するステップと、複数のマイクロフリップチップを駆動基板に転写し、且つ第1ボンディング部材はマイクロフリップチップの第2電気接続部材とを駆動基板の第1電気接続部材を接続するステップと、複数のマイクロフリップチップを検出し、不良チップの駆動基板での滅点位置を決定するステップと、滅点位置にある第1ボンディング部材にレーザを照射し、不良チップを除去するステップと、を含む。上記方法は、マイクロフリップチップと駆動基板との安定したボンディングを確保することができ、第1電気接続部材のレーザ照射による損傷を回避し、元のボンディング溶接部を引き続き使用することができ、不良チップの除去効率が高い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロフリップチップの転写方法であって、
一側の表面に第1電気接続部材が形成される駆動基板を提供するステップと、
一側の表面に複数のマイクロフリップチップが接着される仮基板を提供するステップであって、前記マイクロフリップチップの前記仮基板から離れる側の表面に第2電気接続部材が形成されるステップと、
前記マイクロフリップチップの第2電気接続部材の前記仮基板から離れる側の表面に、材料が導電性接着剤である第1ボンディング部材を形成するステップと、
複数の前記マイクロフリップチップを前記駆動基板に転写し、且つ前記第1ボンディング部材は前記マイクロフリップチップの第2電気接続部材と前記第1電気接続部材を接続するステップと、
複数の前記マイクロフリップチップを検出し、不良チップの前記駆動基板での滅点位置を決定するステップと、
前記滅点位置にある前記第1ボンディング部材にレーザを照射し、前記不良チップを除去するステップと、を含む、ことを特徴とするマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項2】
前記マイクロフリップチップの第2電気接続部材の前記仮基板から離れる側の表面に第1ボンディング部材を形成するステップは、前記マイクロフリップチップの第2電気接続部材の前記仮基板から離れる側の表面に導電性接着剤をコーティングすること、
又は、前記マイクロフリップチップの第2電気接続部材の前記仮基板から離れる側の表面を導電性接着剤液に浸漬し、第2電気接続部材の一側の表面に導電性接着剤が被覆される前記マイクロフリップチップを前記導電性接着剤液から除去することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項3】
前記第1ボンディング部材の厚さは2μm~10μmである、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項4】
一側の表面に前記第2電気接続部材が形成される交換用チップを提供するステップと、
前記交換用チップの第2電気接続部材の一側の表面に、材料が導電性接着剤である第2ボンディング部材を形成するステップと、
前記不良チップを除去した後に、前記交換用チップを前記滅点位置に転写し、前記第2ボンディング部材は、前記交換用チップの第2電気接続部材と、前記滅点位置にある第1電気接続部材とを接続するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項5】
前記交換用チップの第2電気接続部材の一側の表面に前記第2ボンディング部材を形成するステップは、前記交換用チップの第2電気接続部材の一側の表面に導電性接着剤をコーティングすること、
又は、前記交換用チップの第2電気接続部材の一側の表面を導電性接着剤液に浸漬し、第2電気接続部材の一側の表面に導電性接着剤が被覆される前記交換用チップを前記導電性接着剤液から除去することを含む、ことを特徴とする請求項4に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項6】
前記交換用チップを前記滅点位置に転写するプロセスはレーザ転写プロセス、弾性シール転写プロセスを含む、ことを特徴とする請求項4に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項7】
前記第2ボンディング部材の厚さは2μm~10μmである、ことを特徴とする請求項4又は5に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項8】
前記導電性接着剤は有機接着液及び前記有機接着液中に均一に分散されたマイクロ・ナノレベルの導電性粒子を含み、前記導電性接着剤中の導電性粒子の体積分率は10%~40%である、ことを特徴とする請求項2又は4又は5に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項9】
前記導電性接着剤は等方性導電性接着剤を含む、ことを特徴とする請求項8に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項10】
前記導電性粒子は金属粒子又は複合金属粒子を含み、前記複合金属粒子は粒子本体及び前記粒子本体を包む金属層を含む、ことを特徴とする請求項8に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項11】
前記金属粒子の材料は銀、ニッケル、銅を含み、前記金属層の材料は銀を含み、前記粒子本体の材料は、ニッケル、銅、カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項10に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項12】
前記導電性粒子はシート状であり、前記導電性粒子の縦方向のサイズは前記導電性粒子の横方向のサイズよりも小さく、前記横方向のサイズは1μm~20μmである、ことを特徴とする請求項10に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項13】
前記有機接着液の材料は熱硬化性材料又は熱可塑性材料である、ことを特徴とする請求項8に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項14】
前記有機接着液の材料は熱硬化性材料である、ことを特徴とする請求項13に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項15】
前記熱硬化性材料はエポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂、ポリイミドを含む、ことを特徴とする請求項13又は14に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項16】
前記レーザのエネルギー密度は100mJ/cm
2~800mJ/cm
2である、ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項17】
前記レーザは紫外線レーザである、ことを特徴とする請求項16に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項18】
前記レーザの波長は240nm~380nmである、ことを特徴とする請求項16に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項19】
複数の前記マイクロフリップチップを駆動基板に転写するプロセスはレーザ転写プロセス、弾性シール転写プロセスを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項20】
前記第1電気接続部材は、前記駆動基板の一側の表面にあるアレイ状に配列されたコンタクト電極と、前記コンタクト電極の駆動基板から離れる側の表面にある第1バンプとを含み、
前記第2電気接続部材は前記マイクロフリップチップの電極であり、又は、前記第1電気接続部材は、前記マイクロフリップチップの電極及び前記電極を被覆する第2バンプを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項21】
前記マイクロフリップチップはMicro-LEDチップを含む、ことを特徴とする請求項1~20のいずれか1項に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2022年08月02日に中国特許庁に提出された、出願番号が202210922999.X、発明名称が「マイクロフリップチップの転写方法」である中国特許出願の優先権を主張しており、その全内容が引用によって本願に組み込まれている。
【0002】
本願は、チップ組立の技術分野に関し、具体的には、マイクロフリップチップの転写方法に関する。
【背景技術】
【0003】
Micro-LED表示技術は、自発光のMicro-LEDを発光画素ユニットとして駆動基板に組み立て、高密度のLEDアレイを形成する表示技術を指す。Micro-LEDチップは、寸法が小さく、集積度が高く、自発光である等の特徴を有するため、LCD、OLEDに比べて、輝度、解像度、コントラスト、エネルギー消費、耐用年数、応答速度及び熱安定性等の点でより大きな優位性を持ち、最も有望な新型の表示及び発光デバイスの1つと見なされている。現在の業界では、Micro-LED表示技術が従来のOLED及び液晶表示技術に取って代わることを一般的に期待している重要な切り口は、小型ウェアラブルデバイス、テレビ表示及び超大型表示壁など、中低解像度(PPI)表示シーンの応用に向けた表示製品である。中低PPI表示製品に対して、Micro-LEDチップウェハーと駆動基板を製造した後、物質移動技術で数百万さらに数千万個のMicro-LEDチップを駆動基板に移動し、駆動基板の第1電気接続部材とMicro-LEDチップの第2電気接続部材とを電気的に接続させる必要がある。
【0004】
転移歩留まりは物質移動プロセスにおける主な技術的課題の1つである。総合的な転移歩留まりが99.99%に達しても、1台の8Kテレビを転写すると50万個以上の不良チップを修復する必要があり、しかも不良チップはほとんどランダムに分布している。選択的レーザ修復技術は様々なMicro-LED滅点修復技術のうち、量産を実現できる最も潜在力のある技術であり、該技術は、レーザスキャナーによって迅速に走査し且つ変位プラットフォームと組み合わせて精密に制御し、大量のランダムな不良チップを高効率に除去することができる。
【0005】
しかしながら、選択的レーザ修復技術によって放射されたレーザが駆動基板の第1電気接続部材に不可逆的な損傷をもたらす場合はよくあり、その結果、交換用チップの接続に使用できなくなり、さらに元のボンディング位置が再利用できなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本願が解決しようとする技術的課題は、従来の選択的レーザ修復技術における不良チップを除去した後に元のボンディング位置を再使用できないという欠点を克服し、マイクロフリップチップの転写方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は、一側の表面に第1電気接続部材が形成される駆動基板を提供するステップと、
一側の表面に複数のマイクロフリップチップが接着される仮基板を提供するステップであって、前記マイクロフリップチップの前記仮基板から離れる側の表面に第2電気接続部材が形成されるステップと、前記マイクロフリップチップの第2電気接続部材の前記仮基板から離れる側の表面に、材料が導電性接着剤である第1ボンディング部材を形成するステップと、複数の前記マイクロフリップチップを前記駆動基板に転写し、且つ前記第1ボンディング部材は前記マイクロフリップチップの第2電気接続部材と前記第1電気接続部材を接続するステップと、複数の前記マイクロフリップチップを検出し、不良チップの前記駆動基板での滅点位置を決定するステップと、前記滅点位置にある前記第1ボンディング部材にレーザを照射し、前記不良チップを除去するステップと、を含む、マイクロフリップチップの転写方法を提供する。
【0008】
任意選択的に、前記マイクロフリップチップの第2電気接続部材の前記仮基板から離れる側の表面に第1ボンディング部材を形成するステップは、前記マイクロフリップチップの第2電気接続部材の前記仮基板から離れる側の表面に導電性接着剤をコーティングすること、又は、前記マイクロフリップチップの第2電気接続部材の前記仮基板から離れる側の表面を導電性接着剤液に浸漬し、第2電気接続部材の一側の表面に導電性接着剤が被覆される前記マイクロフリップチップを前記導電性接着剤液から除去することを含む。
【0009】
任意選択的に、前記第1ボンディング部材の厚さは2μm~10μmである。
【0010】
任意選択的に、前記マイクロフリップチップの転写方法は、一側の表面に前記第2電気接続部材が形成される交換用チップを提供するステップと、前記交換用チップの第2電気接続部材の一側の表面に、材料が導電性接着剤である第2ボンディング部材を形成するステップと、前記不良チップを除去した後に、前記交換用チップを前記滅点位置に転写し、前記第2ボンディング部材は、前記交換用チップの第2電気接続部材と、前記滅点位置にある第1電気接続部材とを接続するステップと、をさらに含む。
【0011】
任意選択的に、前記交換用チップの第2電気接続部材の一側の表面に前記第2ボンディング部材を形成するステップは、前記交換用チップの第2電気接続部材の一側の表面に導電性接着剤をコーティングすること、又は、前記交換用チップの第2電気接続部材の一側の表面を導電性接着剤液に浸漬し、第2電気接続部材の一側の表面に導電性接着剤が被覆される前記交換用チップを前記導電性接着剤液から除去することを含む。
【0012】
任意選択的に、前記交換用チップを前記滅点位置に転写するプロセスはレーザ転写プロセス、弾性シール転写プロセスを含む。
【0013】
任意選択的に、前記第2ボンディング部材の厚さは2μm~10μmである。
【0014】
任意選択的に、前記導電性接着剤は有機接着液及び前記有機接着液中に均一に分散されたマイクロ・ナノレベルの導電性粒子を含み、前記導電性接着剤中の導電性粒子の体積分率は10%~40%である。
【0015】
任意選択的に、前記導電性接着剤は等方性導電性接着剤を含む。
【0016】
任意選択的に、前記導電性粒子は金属粒子又は複合金属粒子を含み、前記複合金属粒子は粒子本体及び前記粒子本体を包む金属層を含む。
【0017】
任意選択的に、前記金属粒子の材料は銀、ニッケル、銅を含み、前記金属層の材料は銀を含み、前記粒子本体の材料は、ニッケル、銅、カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つを含む。
【0018】
任意選択的に、前記導電性粒子はシート状であり、前記導電性粒子の縦方向のサイズは前記導電性粒子の横方向のサイズよりも小さく、前記横方向のサイズは1μm~20μmである。
【0019】
任意選択的に、前記有機接着液の材料は熱硬化性材料又は熱可塑性材料である。
【0020】
任意選択的に、前記有機接着液の材料は熱硬化性材料である。
【0021】
任意選択的に、前記熱硬化性材料はエポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂、ポリイミドを含む。
【0022】
任意選択的に、前記レーザのエネルギー密度は100mJ/cm2~800mJ/cm2である。
【0023】
任意選択的に、前記レーザは紫外線レーザである。
【0024】
任意選択的に、前記レーザの波長は240nm~380nmである。
【0025】
任意選択的に、複数の前記マイクロフリップチップを駆動基板に転写するプロセスはレーザ転写プロセス、弾性シール転写プロセスを含む。
【0026】
任意選択的に、前記第1電気接続部材は、前記駆動基板の一側の表面にあるアレイ状に配列されたコンタクト電極と、前記コンタクト電極の駆動基板から離れる側の表面にある第1バンプとを含み、前記第2電気接続部材は前記マイクロフリップチップの電極であり、又は、前記第1電気接続部材は、前記マイクロフリップチップの電極及び前記電極を被覆する第2バンプを含む。
【0027】
任意選択的に、前記マイクロフリップチップはMicro-LEDチップを含む。
【発明の効果】
【0028】
本願の技術的解決手段は、以下の利点を有する。
【0029】
1.本願によるマイクロフリップチップの転写方法では、導電性接着剤は、マイクロフリップチップと駆動基板とを電気的に接続するための第1ボンディング部材として使用され、導電性接着剤はマイクロフリップチップと駆動基板との安定したボンディングを確保することができる一方で、滅点位置にある導電性接着剤中の有機材料はレーザ照射中にレーザエネルギーを吸収して気化し、有機材料の気化による気流により不良チップと駆動基板は分離され、レーザが導電性接着剤に照射される瞬間に不良チップと基板との分離が実現され、且つレーザのエネルギーは主に有機材料に吸収及び放出され、このようにして、実際に駆動基板の第1電気接続部材に作用するエネルギーは低く、第1電気接続部材のレーザ照射による損傷を回避し、元のボンディング溶接部を引き続き使用することができ、且つ不良チップの除去効率が高い。
【0030】
2.本願によるマイクロフリップチップの転写方法では、前記マイクロフリップチップはMicro-LEDチップを含む。上記マイクロフリップチップの転写方法では、第1電気接続部材は交換用チップの電気接続に使用でき、それにより、元のボンディング位置は画像の表示に使用でき、Micro-LED表示技術の表示効果の向上に有利である。
【0031】
3.本願によるマイクロフリップチップの転写方法では、前記第1ボンディング部材の厚さを2μm~10μmに限定することで、マイクロフリップチップと駆動基板の安定したボンディングを確保するとともに、レーザが第1ボンディング部材に作用する時間を短縮し、不良チップの除去効率を確保する。
【0032】
4.本願によるマイクロフリップチップの転写方法では、前記導電性接着剤中の導電性粒子の体積分率を10%~40%に限定することで、マイクロフリップチップと駆動基板の安定したボンディングを確保するとともに、マイクロフリップチップと駆動基板の電気接続の効果に有利である。
【0033】
5.本願によるマイクロフリップチップの転写方法では、前記有機接着液の材料は選択的に熱硬化性材料であり、すなわち、第1ボンディング部材と第2ボンディング部材中の有機材料は選択的に熱硬化性材料であり、熱硬化性材料は、最初の加熱硬化の後に安定した構造を得て、使用中に環境温度が高すぎるため軟化することがなく、マイクロフリップチップと駆動基板の安定したボンディングを確保する。
【0034】
本願の具体的な実施形態又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、具体的な実施形態又は従来技術の記述のために使用した図面を簡単に説明するが、明らかに、以下に記述した図面は本願のいくつかの実施形態であり、当業者にとって、創造的な労力をせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】
図1は選択的レーザ修復技術の概略図である。
【
図2】
図2は選択的レーザ修復技術の概略図である。
【
図3】
図3は本願の実施例によるマイクロフリップチップの転写方法のプロセスフローチャートある。
【
図4】
図4は本願の実施例のマイクロフリップチップの転写過程における構造概略図である。
【
図5】
図5は本願の実施例のマイクロフリップチップの転写過程における構造概略図である。
【
図6】
図6は本願の実施例のマイクロフリップチップの転写過程における構造概略図である。
【
図7】
図7は本願の実施例のマイクロフリップチップの転写過程における構造概略図である。
【
図8】
図8は本願の実施例のマイクロフリップチップの転写過程における構造概略図である。
【
図9】
図9は本願の実施例のマイクロフリップチップの転写過程における構造概略図である。
【
図10】
図10は本願の実施例のマイクロフリップチップの転写過程における構造概略図である。
【
図11】
図11は本願の実施例のマイクロフリップチップの転写過程における構造概略図である。
【
図12】
図12は本願の実施例のマイクロフリップチップの転写過程における構造概略図である。
【
図13】
図13は本願の実施例のマイクロフリップチップの転写過程における構造概略図である。
【
図14】
図14は本願の実施例のマイクロフリップチップの転写過程における構造概略図である。
【
図15】
図15は本願の実施例のマイクロフリップチップの転写過程における構造概略図である。
【
図16】
図16は本願の実施例のマイクロフリップチップの転写過程における構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
背景技術に記載されるように、従来の選択的レーザ修復技術で不良チップを除去すると、元のボンディング位置が再利用できなくなる。
【0037】
具体的には、通常、駆動基板の第1電気接続部材とマイクロフリップチップの第2電気接続部材の合金化により、マイクロフリップチップと駆動基板のボンディングを実現する。例示的に、
図1に示すように、前記第1電気接続部材は、前記駆動基板1’の一側の表面に位置するコンタクト電極11’、及び前記コンタクト電極11’の駆動基板1’から離れる側の表面に位置する第1バンプ13’を含み、前記第1電気接続部材は、前記マイクロフリップチップ3’の電極(図示せず)及び前記電極を被覆する第2バンプ31’を含み、第1バンプ13’と第2バンプ31’の接続部に合金が形成され、合金部にレーザ5’が照射され、
図2に示すように、合金にレーザを一定時間照射した後、合金が溶融して損傷し、それにより不良チップ32’が脱落し、このとき、第1電気接続部材は本来の形態をしておらず、すなわち、第1電気接続部材の形態が損傷しており、ボンディング修復の要件を満たすために交換用チップの接続に使用することができなくなり、すなわち、元のボンディング位置は再利用することができず、また、合金の融点が高いため、レーザ照射による溶接割れが発生するまでに比較的長い時間がかかり、不良チップの除去効率はある程度で制限される。
【0038】
このため、
図3を参照し、本実施例は、
一側の表面に第1電気接続部材が形成される駆動基板を提供するステップS1と、
一側の表面に複数のマイクロフリップチップが接着される仮基板を提供するステップであって、前記マイクロフリップチップの前記仮基板から離れる側の表面に第2電気接続部材が形成されるステップS2と、
前記マイクロフリップチップの第2電気接続部材の前記仮基板から離れる側の表面に、材料が導電性接着剤である第1ボンディング部材を形成するステップS3と、
複数の前記マイクロフリップチップを前記駆動基板に転写し、且つ前記第1ボンディング部材は前記マイクロフリップチップの第2電気接続部材と前記第1電気接続部材を接続するステップS4と、
複数の前記マイクロフリップチップを検出し、不良チップの前記駆動基板での滅点位置を決定するステップS5と、
前記滅点位置にある前記第1ボンディング部材にレーザを照射し、前記不良チップを除去するステップS6とを含む、マイクロフリップチップの転写方法を提供する。
【0039】
上記マイクロフリップチップの転写方法では、導電性接着剤は、マイクロフリップチップと駆動基板とを電気的に接続するための第1ボンディング部材として使用され、導電性接着剤はマイクロフリップチップと駆動基板との安定したボンディングを確保することができる一方で、滅点位置にある導電性接着剤中の有機材料はレーザ照射中にレーザエネルギーを吸収して気化し、有機材料の気化による気流により不良チップと駆動基板との分離が実現され、レーザが導電性接着剤に照射される瞬間に不良チップと基板との分離が実現され、且つレーザのエネルギーは主に有機材料に吸収及び放出され、このようにして、実際に駆動基板の第1電気接続部材に作用するエネルギーは低く、第1電気接続部材のレーザ照射による損傷を回避し、元のボンディング溶接部を引き続き使用することができ、且つ不良チップの除去効率が高い。
【0040】
レーザ照射による不良チップの剥離の具体的な原理は以下のとおりである。レーザが第1ボンディング部材を照射すると、第1ボンディング部材中の有機材料は光子を吸収し、光子により、有機高分子の化学結合は切断されて、有機小分子を形成する。レーザ中の光子密度が高いため、第1ボンディング部材中の化学結合の切断速度は、化学結合の再結合速度を超え、このようにして第1ボンディング部材中の有機高分子は有機小分子に急速に分解される。これらの有機小分子の存在のため、第1ボンディング部材の比容積が急激に大きくなり、圧力が急激に高くなり、体積が急速に膨張し、最終的に本体爆発が発生し、不良チップが剥離されて過剰な熱が奪われる。
【0041】
さらに、前記マイクロフリップチップはMicro-LEDチップを含む。上記マイクロフリップチップの転写方法では、第1電気接続部材は交換用チップの電気接続に使用でき、それにより、元のボンディング位置は画像の表示に使用でき、Micro-LED表示技術の表示効果の向上に有利である。
【0042】
具体的には、前記第1電気接続部材は、前記駆動基板の一側の表面にあるアレイ状に配列されたコンタクト電極と、前記コンタクト電極の駆動基板から離れる側の表面にある第1バンプとを含む。前記第2電気接続部材は前記マイクロフリップチップの電極であり、又は、前記第1電気接続部材は、前記マイクロフリップチップの電極及び前記電極を被覆する第2バンプを含む。
【0043】
以下では、前記第2電気接続部材がマイクロフリップチップの電極及び前記電極を被覆する第2バンプを含むことを例として、
図4~
図16を参照しながら本願の技術的解決手段を明瞭で完全に説明する。
【0044】
図4を参照し、一側の表面にアレイ状に配列されたコンタクト電極11が形成される駆動基板1を提供する。
【0045】
図5を参照し、前記コンタクト電極11の駆動基板1から離れる側の表面に第1初期バンプ12を形成する。
【0046】
具体的には、前記第1初期バンプ12の材料はIn、Sn、Ag、Au、Cuのうちの少なくとも1つを含むがこれらに限定されない。
【0047】
図6を参照し、第1初期バンプ12に対してリフローはんだ付けを行い、第1初期バンプ12を第1バンプ13にする。
【0048】
図7を参照し、一側の表面に接着層21が形成される仮基板2を提供する。
【0049】
図8を参照し、マイクロフリップチップ3のアレイを仮基板2に分類転写し、マイクロフリップチップ3を接着層21に接着させ、且つマイクロフリップチップ3の電極及び前記電極を被覆する第2バンプ31はいずれも仮基板2から離れ、前記電極と第2バンプ31は第2電気接続部材を構成する。
【0050】
図9~
図10を参照し、前記マイクロフリップチップ3の第2電気接続部材の前記仮基板2から離れる側の表面に、材料が導電性接着剤である第1ボンディング部材4を形成する。
【0051】
具体的には、前記マイクロフリップチップ3の第2電気接続部材の前記仮基板2から離れる側の表面に第1ボンディング部材4を形成するステップは、
図9を参照し、前記マイクロフリップチップ3の第2バンプ31の前記仮基板から離れる側の表面を導電性接着剤液41に浸漬し、
図10を参照し、第2バンプ31の一側の表面に導電性接着剤が被覆される前記マイクロフリップチップ3を前記導電性接着剤液41から除去することを含む。
【0052】
さらに、前記導電性接着剤は有機接着液及び前記有機接着液中に均一に分散されたマイクロ・ナノレベルの導電性粒子を含む。前記有機接着液の材料は、エポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂、ポリイミド、ポリイミド、シアノアクリレート、シリカゲルなどの熱硬化性材料又は熱可塑性材料であってもよく、前記導電性粒子は金属粒子又は複合金属粒子を含み、前記複合金属粒子は粒子本体及び前記粒子本体を包む金属層を含み、前記金属粒子の材料は銀、ニッケル、銅を含むがこれらに限定されず、前記金属層の材料は銀を含み、前記粒子本体の材料はニッケル、銅、カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つを含むがこれらに限定されない。
【0053】
選択的な実施形態として、前記有機接着液の材料は熱硬化性材料であり、すなわち、第1ボンディング部材4中の有機材料は選択的に熱硬化性材料である。熱硬化性材料は、最初の加熱硬化の後に安定した構造を得て、使用中に環境温度が高すぎるため軟化することがなく、マイクロフリップチップ3と駆動基板1の安定したボンディングを確保する。
【0054】
さらに、前記導電性接着剤中の導電性粒子の体積分率は10%~40%である。例示的に、前記導電性粒子の体積分率は10%、15%、20%、25%、30%、35%又は40%であってもよい。導電性粒子の体積分率が小さすぎると、有機接着液の体積分率が大きすぎなり、マイクロフリップチップ3と駆動基板1の安定したボンディングに有利であるが、ボンディング部材の導電性は悪くなり、その結果、マイクロフリップチップ3と駆動基板1の電気接続の効果は制限され、導電性粒子の体積分率が大きすぎると、有機接着液の体積分率が小さすぎなり、マイクロフリップチップ3と駆動基板1の電気接続の効果に有利であるが、マイクロフリップチップ3と駆動基板1の接続の安定性に有利ではない。前記導電性接着剤中の導電性粒子の体積分率を10%~40%に限定することで、マイクロフリップチップ3と駆動基板1の安定したボンディングを確保するとともに、マイクロフリップチップ3と駆動基板1の電気接続の効果に有利である。
【0055】
任意選択的に、前記導電性粒子はシート状であり、前記導電性粒子の縦方向のサイズは前記導電性粒子の横方向のサイズよりも小さく、前記横方向のサイズは1μm~20μmである。例示的に、前記導電性粒子の横方向のサイズは1μm、2.5μm、5μm、7.5μm、10μm、12.5μm、15μm、17.5μm又は20μmである。
【0056】
さらに、前記導電性接着剤は、等方性導電性接着剤を選択してもよいし、異方性導電性接着剤を選択してもよい。任意選択的に、前記導電性接着剤は等方性導電性接着剤を選択し、等方性導電性接着剤は第1ボンディング部材4の電気接続の能力を確保することができる。
【0057】
理解する必要があるものとして、第2バンプ31の表面に導電性接着剤をコーティングすることで前記第1ボンディング部材4を形成し、又はその他のマイクロ・ナノ加工方法によって前記第1ボンディング部材4を形成してもよい。
【0058】
さらに、前記第1ボンディング部材4の厚さは2μm~10μmである。例示的に、前記第1ボンディング部材4の厚さは2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm又は10μmであってもよい。第1ボンディング部材4が薄すぎる場合、マイクロフリップチップ3と駆動基板1の接着の安定性は確保できず、第1ボンディング部材4が厚過ぎる場合、不良チップの分離を実現するのにレーザ5を第1ボンディング部材4に長時間照射する必要があり、不良チップの除去効率が低下する。前記第1ボンディング部材4の厚さを2μm~10μmに限定することで、マイクロフリップチップ3と駆動基板1の安定したボンディングを確保するとともに、レーザ5が第1ボンディング部材4に作用する時間を短縮し、不良チップの除去効率を確保する。
【0059】
図11~
図12を参照し、複数の前記マイクロフリップチップ3を前記駆動基板1に転写し、且つ前記第1ボンディング部材4は前記マイクロフリップチップ3の第2電気接続部材と前記第1電気接続部材を接続し、前記マイクロフリップチップ3と駆動基板1を一体にボンディングさせる。
【0060】
具体的には、
図11を参照し、仮基板2と駆動基板1を対向して設置し、マイクロフリップチップ3の一側の第1ボンディング部材4を駆動基板1の表面の第1バンプ13とボンディングさせ、
図12を参照し、仮基板2を取り外し、前記仮基板2の一側の表面の接着層21も取り外す。複数の前記マイクロフリップチップ3を駆動基板1に転写するプロセスはレーザ転写プロセス、弾性シール転写プロセスを含むがこれらに限定されない。
【0061】
前記マイクロフリップチップ3と駆動基板1を一体にボンディングした後に、駆動基板1上の複数のマイクロフリップチップ3を検出し、不良チップの前記駆動基板1での滅点位置を決定する。具体的には、前記検出は光学的検出及び電気的検出を含み、不良チップの前記駆動基板1での滅点位置を決定した後、滅点位置の前記駆動基板1における座標値を取得し、前記座標系は駆動基板1のエッジを座標軸とする。
【0062】
図13~
図14を参照し、前記滅点位置にある前記第1ボンディング部材4にレーザ5を照射し、前記不良チップ32を除去する。
【0063】
具体的には、
図13を参照し、レーザ5が不良チップ32を経て第1ボンディング部材4に照射され、且つレーザスポットの寸法はマイクロフリップチップ3の寸法に適合し、すなわち、レーザスポットの寸法はマイクロフリップチップの寸法以上であり、且つ1つのみのマイクロフリップチップを被覆する。例示的に、複数のマイクロフリップチップはアレイ状に配列され、隣接するマイクロフリップチップの中心軸線の間のピッチ(Pitch)は同じであり、マイクロフリップチップのアレイ基板での投影は長方形(a×b)であり、この場合、レーザスポットの寸法はa×b以上であり、(Pitch×2-a)×(Pitch×2-b)以下であり、a=15μm、b=25μm、Pitch=35μmである場合、レーザスポットの寸法は15μm×25μm以上であり、55μm×45μm以下である。
【0064】
さらに、前記レーザ5のエネルギー密度は100mJ/cm2~800mJ/cm2である。例示的に、前記レーザ5のエネルギー密度は100mJ/cm2、200mJ/cm2、300mJ/cm2、400mJ/cm2、500mJ/cm2、600mJ/cm2、700mJ/cm2又は800mJ/cm2であってもよい。
【0065】
さらに、前記レーザ5は紫外線レーザであってもよい。第1ボンディング部材4中の有機材料は紫外線に対して強い吸収作用を有し、このようにして不良チップ32の剥離効率が高い。任意選択的に、前記レーザ5の波長は240nm~380nmであり、例示的に、前記レーザ5の波長は248nm、266nm、280nm、355nm、365nm又は375nmであってもよい。
【0066】
さらに、前記レーザ5は単一パルスレーザであり、パルス幅はナノ秒又はピコ秒のオーダーである。
【0067】
図15を参照し、一側の表面に前記第2電気接続部材が形成される交換用チップ6を提供し、前記交換用チップ6の第2電気接続部材の一側の表面に、材料が導電性接着剤である第2ボンディング部材7を形成する。交換用チップ6と滅点位置の元のマイクロフリップチップとは構造が同じである。
【0068】
具体的には、前記交換用チップ6の第2電気接続部材の一側の表面に前記第2ボンディング部材7を形成するステップは、前記交換用チップ6の第2バンプの一側の表面を導電性接着剤液41に浸漬し、第2バンプの一側の表面に導電性接着剤が被覆される前記交換用チップ6を前記導電性接着剤液41から除去することを含む。前記交換用チップ6の第2バンプの一側の表面に導電性接着剤をコーティングすることで前記第2ボンディング部材7を形成してもよい。前記第2ボンディング部材7の形成方法は上記方法を含むがこれらに限定されない。
【0069】
さらに、前記第2ボンディング部材7は第1ボンディング部材4と同じ材料を用いることができ、ここでは詳しく説明しない。
【0070】
さらに、前記第2ボンディング部材7の厚さは2μm~10μmである。例示的に、前記第2ボンディング部材7の厚さは、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm又は10μmであってもよい。前記第2ボンディング部材7の厚さを2μm~10μmに限定することで、マイクロフリップチップ3と駆動基板1の安定したボンディングを確保するとともに、レーザを第2ボンディング部材7に作用した後に、十分な気流を発生させ、不良チップ32の除去効率を確保する。
【0071】
図16を参照し、前記不良チップ32を除去した後に、前記交換用チップ6を前記滅点位置に転写し、前記第2ボンディング部材7は、前記交換用チップ6の第2電気接続部材と、前記滅点位置にある第1電気接続部材とを接続する。
【0072】
具体的には、前記交換用チップ6を前記滅点位置に転写するプロセスはレーザ転写プロセス、弾性シール転写プロセスを含むがこれらに限定されない。
【0073】
理解する必要があるものとして、前記不良チップ32を除去する前に、前記交換用チップ6の第2バンプの表面に前記第2ボンディング部材7を形成し、前記不良チップ32を除去した後に、交換用チップ6を前記滅点位置に直接転写するようにしてもよく、時間の短縮に有利である。
【0074】
理解する必要があるものとして、駆動基板のマイクロフリップチップの検出、不良チップの除去、及び交換用チップの転写は、原位置修復ステップを構成し、交換用チップを滅点位置に転写した後、駆動基板の表面に滅点がなくなるまで、原位置修復ステップを繰り返し実行することができる。
【0075】
明らかなように、上記実施例は明瞭に説明するための例に過ぎず、実施形態を限定するものではない。当業者にとって、上記説明に基づき様々な形態の変更や修正を行うことができる。ここで、あらゆる実施形態を網羅する必要がなく、網羅することもできない。これから派生する明らかな変更や修正は依然として本発明創造の保護範囲内にある。本願の説明では、用語「第1」、「第2」は、説明するためのものに過ぎず、対応する重要性を指示し又は暗示するものとして理解できない。
【符号の説明】
【0076】
1 駆動基板
11 コンタクト電極
12 第1初期バンプ
13 第1バンプ
2 仮基板
21 接着層
3 マイクロフリップチップ
31 第2バンプ
32 不良チップ
4 第1ボンディング部材
41 導電性接着剤液
5 レーザ
6 交換用チップ
7 第2ボンディング部材
1’ 駆動基板
11’ コンタクト電極
13’ 第1バンプ
3’ マイクロフリップチップ
31’ 第2バンプ
32’ 不良チップ
5’ レーザ
【手続補正書】
【提出日】2024-01-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
さらに、前記導電性接着剤は有機接着液及び前記有機接着液中に均一に分散されたマイクロ・ナノレベルの導電性粒子を含む。前記有機接着液の材料は、エポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂、ポリイミド、シアノアクリレート、シリカゲルなどの熱硬化性材料又は熱可塑性材料であってもよく、前記導電性粒子は金属粒子又は複合金属粒子を含み、前記複合金属粒子は粒子本体及び前記粒子本体を包む金属層を含み、前記金属粒子の材料は銀、ニッケル、銅を含むがこれらに限定されず、前記金属層の材料は銀を含み、前記粒子本体の材料はニッケル、銅、カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つを含むがこれらに限定されない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロフリップチップの転写方法であって、
一側の表面に第1電気接続部材が形成される駆動基板を提供するステップと、
一側の表面に複数のマイクロフリップチップが接着される仮基板を提供するステップであって、前記マイクロフリップチップの前記仮基板から離れる側の表面に第2電気接続部材が形成されるステップと、
前記マイクロフリップチップの第2電気接続部材の前記仮基板から離れる側の表面に、材料が導電性接着剤である第1ボンディング部材を形成するステップと、
複数の前記マイクロフリップチップを前記駆動基板に転写し、且つ前記第1ボンディング部材は前記マイクロフリップチップの第2電気接続部材と前記第1電気接続部材を接続するステップと、
複数の前記マイクロフリップチップを検出し、不良チップの前記駆動基板での滅点位置を決定するステップと、
前記滅点位置にある前記第1ボンディング部材にレーザを照射し、前記不良チップを除去するステップと、を含む、ことを特徴とするマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項2】
前記マイクロフリップチップの第2電気接続部材の前記仮基板から離れる側の表面に第1ボンディング部材を形成するステップは、前記マイクロフリップチップの第2電気接続部材の前記仮基板から離れる側の表面に導電性接着剤をコーティングすること、
又は、前記マイクロフリップチップの第2電気接続部材の前記仮基板から離れる側の表面を導電性接着剤液に浸漬し、第2電気接続部材の一側の表面に導電性接着剤が被覆される前記マイクロフリップチップを前記導電性接着剤液から除去することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項3】
前記第1ボンディング部材の厚さは2μm~10μmである、ことを特徴とする
請求項1に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項4】
一側の表面に前記第2電気接続部材が形成される交換用チップを提供するステップと、
前記交換用チップの第2電気接続部材の一側の表面に、材料が導電性接着剤である第2ボンディング部材を形成するステップと、
前記不良チップを除去した後に、前記交換用チップを前記滅点位置に転写し、前記第2ボンディング部材は、前記交換用チップの第2電気接続部材と、前記滅点位置にある第1電気接続部材とを接続するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項5】
前記交換用チップの第2電気接続部材の一側の表面に前記第2ボンディング部材を形成するステップは、前記交換用チップの第2電気接続部材の一側の表面に導電性接着剤をコーティングすること、
又は、前記交換用チップの第2電気接続部材の一側の表面を導電性接着剤液に浸漬し、第2電気接続部材の一側の表面に導電性接着剤が被覆される前記交換用チップを前記導電性接着剤液から除去することを含む、ことを特徴とする請求項4に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項6】
前記交換用チップを前記滅点位置に転写するプロセスはレーザ転写プロセス、弾性シール転写プロセスを含む、ことを特徴とする請求項4に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項7】
前記第2ボンディング部材の厚さは2μm~10μmである、ことを特徴とする
請求項4に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項8】
前記導電性接着剤は有機接着液及び前記有機接着液中に均一に分散されたマイクロ・ナノレベルの導電性粒子を含み、前記導電性接着剤中の導電性粒子の体積分率は10%~40%である、ことを特徴とする
請求項2に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項9】
前記導電性接着剤は等方性導電性接着剤を含む、ことを特徴とする請求項8に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項10】
前記導電性粒子は金属粒子又は複合金属粒子を含み、前記複合金属粒子は粒子本体及び前記粒子本体を包む金属層を含む、ことを特徴とする請求項8に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項11】
前記金属粒子の材料は銀、ニッケル、銅を含み、前記金属層の材料は銀を含み、前記粒子本体の材料は、ニッケル、銅、カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項10に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項12】
前記導電性粒子はシート状であり、前記導電性粒子の縦方向のサイズは前記導電性粒子の横方向のサイズよりも小さく、前記横方向のサイズは1μm~20μmである、ことを特徴とする請求項10に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項13】
前記有機接着液の材料は熱硬化性材料又は熱可塑性材料である、ことを特徴とする請求項8に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項14】
前記有機接着液の材料は熱硬化性材料である、ことを特徴とする請求項13に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項15】
前記熱硬化性材料はエポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂、ポリイミドを含む、ことを特徴とする請求項13又は14に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項16】
前記レーザのエネルギー密度は100mJ/cm
2~800mJ/cm
2である、ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項17】
前記レーザは紫外線レーザである、ことを特徴とする請求項16に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項18】
前記レーザの波長は240nm~380nmである、ことを特徴とする請求項16に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項19】
複数の前記マイクロフリップチップを駆動基板に転写するプロセスはレーザ転写プロセス、弾性シール転写プロセスを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項20】
前記第1電気接続部材は、前記駆動基板の一側の表面にあるアレイ状に配列されたコンタクト電極と、前記コンタクト電極の駆動基板から離れる側の表面にある第1バンプとを含み、
前記第2電気接続部材は前記マイクロフリップチップの電極であり、又は、前記第1電気接続部材は、前記マイクロフリップチップの電極及び前記電極を被覆する第2バンプを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【請求項21】
前記マイクロフリップチップはMicro-LEDチップを含む、ことを特徴とする
請求項1~3のいずれか1項に記載のマイクロフリップチップの転写方法。
【国際調査報告】