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特表2024-532078マルチモダリティ回転光学システム及びその使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】マルチモダリティ回転光学システム及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20240829BHJP
   A61B 1/313 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
A61B1/00 711
A61B1/00 526
A61B1/00 500
A61B1/00 682
A61B1/00 718
A61B1/313 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506193
(86)(22)【出願日】2022-08-16
(85)【翻訳文提出日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 US2022040409
(87)【国際公開番号】W WO2023023017
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】63/233,639
(32)【優先日】2021-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521193441
【氏名又は名称】スペクトラウェーブ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ナマティ, エマン
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ, ツン-ハン
(72)【発明者】
【氏名】プシェンニー, ショーン エム.
(72)【発明者】
【氏名】ダーリン, カイル エス.
(72)【発明者】
【氏名】デパオリ, デイモン ティー.
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA22
4C161BB08
4C161CC06
4C161CC07
4C161FF11
4C161FF40
4C161FF46
4C161HH51
4C161JJ09
4C161MM10
4C161NN01
4C161QQ07
4C161QQ09
4C161RR01
4C161RR18
(57)【要約】
本明細書で開示するのは、特性評価システムである。特性評価システムは、静止ユニットを含んでもよい。特性評価システムは、存在する場合、静止ユニットに(たとえば、FORJを介して)光学的に接続される回転ユニットを含んでいてもよい。回転ユニットは、第1の光学チャネルと、第2の光学チャネルと、第1の特性評価モダリティ用の光を検出するための光検出器とを含んでいてもよい。光検出器は、カメラ、干渉計、または分光計であってもよい。第1の光学チャネル及び/または第2の光学チャネルは、シングルモード光ファイバ、マルチモード光ファイバ、または複数の導波路を含んでいてもよい。第1の光学チャネルは光検出器に光学的に接続されていてもよい。静止ユニットは、存在する場合、少なくとも部分的に第2の光学チャネルによって、回転ユニットに光学的に接続されていてもよい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特性評価システムであって、
回転ユニットに光学的に接続された静止ユニットを含み、
前記回転ユニットは、第1の光学チャネル、第2の光学チャネル、及び第1の検出器(たとえば、第1の光検出器)を含み、
前記静止ユニットは、第2の検出器(たとえば、第2の光検出器)を含み、
前記第1の光学チャネルは、第1の特性評価モダリティ用の光を検出するために前記第1の検出器に光学的に接続され、前記第2の光学チャネルは、第2の特性評価モダリティ用の光を検出するために前記第2の検出器に光学的に接続される、
前記特性評価システム。
【請求項2】
2つの光源(たとえば、少なくとも3つの光源)を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2の光学チャネルを通して(たとえば、同じ導波路を通して、または異なる同軸導波路を通して)前記2つの光源から照明を与えるために、前記2つの光源は、前記第2の光学チャネルに光学的に接続される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記2つの光源のうちの一方のみから照明を与えるために、前記2つの光源のうちの前記一方のみが、前記第2の光学チャネルに光学的に接続される、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記回転ユニットは第3の光学チャネルを含み、前記2つの光源のうちの一方のみが、前記第3の光学チャネルに光学的に接続される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記2つの光源のうちの少なくとも一方が掃引光源である、請求項2~5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記2つの光源のうちの少なくとも一方が広帯域光源である、請求項2~6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記2つの光源のうちの少なくとも一方が狭帯域光源である、請求項2~7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記回転ユニットに光学的に接続されたプローブを含む(たとえば、前記2つの光源のうちの一方が、前記プローブの先端に配置される)、請求項2~8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の光学チャネルは、前記第2の検出器にも光学的に接続される、請求項1~9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の光学チャネルがシングルモード導波路を含み、前記第2の光学チャネルがマルチモード導波路を含むか、または前記第1の光学チャネルがマルチモード導波路を含み、前記第2の光学チャネルがシングルモード導波路を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の光学チャネル及び前記第2の光学チャネルのうちの少なくとも一方が、前記回転ユニット内で直列に接続された2つ以上の光導波路を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記回転ユニットは、前記第1の検出器によって検出された信号に対応するデータ(たとえば、アナログまたはデジタルデータ)を無線で送信するように動作可能な無線送信機(たとえば、送受信機)を含む(たとえば、前記無線送信機は、RF送信機、電気スリップリング、または光送信機である)、請求項1~12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記回転ユニットは、前記第1の検出器によって検出された信号に対応するデータを電気的に送信するように動作可能な電気送信機(たとえば、送受信機)を含む(たとえば、ブラシによって、または前記電気送信機をドッキングすることによって)、請求項1~13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記回転ユニットは、前記回転ユニットの回転中に前記第1の検出器によって検出された信号に対応するデータを送信するように動作可能である、請求項1~14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記回転ユニットは、前記回転ユニットが静止している間(たとえば、排他的に静止している間)、前記第1の検出器によって検出された信号に対応するデータを送信するように動作可能である、請求項1~15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記回転ユニットは、前記第1の検出器によって検出された信号に対応するデータを記憶するように動作可能な情報記憶デバイスをさらに含む、請求項1~16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記回転ユニットは、電力を供給するためのエネルギー貯蔵デバイス(たとえば、バッテリ)をさらに含む、請求項1~17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記回転ユニットは、送信前に、前記第1の検出器によって検出された信号を処理する(たとえば、増強する)(たとえば、リアルタイムで)ように動作可能な回路(たとえば、調整回路、トランスインピーダンス増幅器、アナログ/デジタル変換器、単一/差動回路、またはそれらの組み合わせ)を含む、請求項1~18のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
前記回路は、ノイズ低減電気的遮蔽デバイス(たとえば、ファラデーケージ、たとえば、金属ケーシング、たとえば、アルミニウムブロック)によって部分的に封入される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記回転ユニットは、前記第1の検出器が配置される回転検出器ハウジングを含み、前記回転検出器ハウジングが円筒形である、請求項1~20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
前記回転ユニットは回路基板を含み、前記第1の検出器が前記回路基板上に配置される(たとえば、他の回路基板をさらに含む)、請求項1~21のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項23】
(i)前記回路基板及び前記第1の検出器は一緒に、軸の周りで回転的に重量バランスが取れており、(ii)前記回転ユニットは、軸の周りで回転的に重量バランスが取れており、または(iii)(i)及び(ii)の両方である、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記回路基板は円形である(たとえば、前記第2の光学チャネルの周りに配置される)、請求項22または請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
(i)前記第1の特性評価モダリティは、光コヒーレンストモグラフィ、反射率イメージング、可視分光法、NIRS、またはラマン分光法であり、(ii)前記第2の光学チャネルは、前記第1の特性評価モダリティとは異なる、前記第2の特性評価モダリティ用の照明チャネル(たとえば、前記第2の特性評価モダリティ用の収集チャネル)であり、前記第2の特性評価モダリティは、光コヒーレンストモグラフィ、反射率イメージング、可視分光法、NIRS、またはラマン分光法であり、または(iii)(i)及び(ii)の両方である、請求項1~24のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項26】
前記第1の光学チャネルは、前記第1の特性評価モダリティに対する第1の特性評価モダリティサブシステム内に含まれ、前記第2の光学チャネルは、前記第1の特性評価モダリティとは異なる、前記第2の特性評価モダリティに対する第2の特性評価モダリティサブシステム内に含まれる、請求項1~25のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項27】
前記第1のモダリティサブシステム及び前記第2のモダリティサブシステムのうちの少なくとも一方が、単一の光検出器を含む(たとえば、前記第1の検出器が、単一の光検出器を含む)、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記第1のモダリティサブシステム及び前記第2のモダリティサブシステムのうちの少なくとも一方が、複数の光検出器を含む(たとえば、前記第1の検出器が、複数の光検出器を含む)、請求項26または請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記第1のモダリティサブシステム及び前記第2のモダリティサブシステムのうちの少なくとも一方が、カメラ(たとえば、CMOSカメラ)を含む(たとえば、前記カメラが前記第1の検出器を含む)、請求項26~28のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項30】
前記第1のモダリティサブシステム及び前記第2のモダリティサブシステムのうちの少なくとも一方が、干渉計を含む(たとえば、前記干渉計が前記第1の検出器を含む)、請求項26~29のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項31】
前記第1のモダリティサブシステム及び前記第2のモダリティサブシステムのうちの少なくとも一方が、検出器の前に配置されたスペクトル分離デバイスを含む(たとえば、分光計が前記第1の検出器を含む)、請求項26に記載のシステム。
【請求項32】
前記第2の光学チャネルは、前記第1の特性評価モダリティ及び前記第2の特性評価モダリティ用の照明チャネルである、請求項26に記載のシステム。
【請求項33】
前記第2の光学チャネルは、前記第2の特性評価モダリティ用の収集チャネルである、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記第1の光学チャネルは、前記第1の特性評価モダリティ用の収集チャネルであり、前記第2の光学チャネルは、少なくとも前記第1の特性評価モダリティ用の照明チャネルである、請求項1に記載のシステム。
【請求項35】
回転ユニットは、光源と、前記光源に光学的に接続された第3の光学チャネルとを含む、請求項1~34のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項36】
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルのそれぞれの少なくとも一部が、血管内管腔を特性評価するようにサイズ設定及び成形される、請求項1~35のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項37】
前記回転ユニットは、10kHzよりも大きい空間サンプリングレートにおいて前記第1の特性評価モダリティに対する測定値を得るように動作可能である、請求項1~36のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項38】
シースを含み、前記回転ユニットの少なくとも一部(たとえば、相互接続によって、たとえば、前記第1の光学チャネル及び前記第2の光学チャネルに光学的に接続されたプローブを含む)が、前記シース内に配置される(たとえば、前記シースは、前記回転ユニットの回転中に静止したままである)、請求項1~37のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項39】
前記回転ユニットは相互接続を含み、前記第1の光学チャネル及び前記第2の光学チャネルは、前記相互接続に光学的に接続される、請求項1~38のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項40】
前記回転ユニットは、サンプル特性評価が行われる場所に最も近い遠位端を有し、前記相互接続は前記遠位端に配置される、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記回転ユニットは、FORJの少なくとも一部を含み、前記第2の光学チャネルの少なくとも一部は、前記相互接続と前記FORJとの間に配置される、請求項39または請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記FORJ及び前記相互接続は、前記回転ユニットの対向する端部(たとえば、回転ユニットハウジングの対向する端部)に配置される、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記第1の検出器は、前記FORJと前記相互接続との間の前記回転ユニット内に配置される、請求項42または請求項43に記載のシステム。
【請求項44】
前記第2の光学チャネルは、一端において前記FORJに物理的に接続され、対向する端部において前記相互接続に物理的に接続される、請求項41~43のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項45】
前記第1の光学チャネルは、一端において前記相互接続に物理的に接続され、対向する端部において前記第1の検出器に物理的に接続される、請求項41~44のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項46】
前記特性評価システムは、カテーテル(たとえば、心臓カテーテル)を含む、請求項1~45のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項47】
動脈プラークを特性評価するための特性評価ピークを含む(たとえば、それを中心とする)波長帯域において光を放出するように構築及び配置された光源をさらに含む、請求項1~46のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項48】
前記第2の特性評価モダリティは前記第1の特性評価モダリティとは異なり、前記第2の特性評価モダリティは光コヒーレンストモグラフィである、請求項1~46のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項49】
前記第1の特性評価モダリティは、反射率イメージング、蛍光分光法、可視分光法、NIRS、またはラマン分光法である、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記回転ユニットは、動作中に、3,500rpm超え、5,000rpm超え、または6,000rpm超えで回転する、請求項1~49のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項51】
前記回転ユニットは、動作中に、10,000rpm超えで回転する、請求項1~50のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項52】
前記システムの特性評価感度は、前記第1の特性評価モダリティ及び前記第2の特性評価モダリティのうちの少なくとも一方に対して100dB超えである、請求項1~51のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項53】
前記システムの特性評価感度は、前記第1の特性評価モダリティ及び前記第2の特性評価モダリティのうちの少なくとも一方に対して、90dB超え、95dB超え、または110dB超えである、請求項1~51のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項54】
回転サンプル特性評価に対する方法であって、
第2の光学チャネルを通してサンプルに照明光を与えることと、
前記第2の光学チャネル、第1の光学チャネル、及び第1の光検出器を(たとえば、モーターによって)回転させることと、
前記回転中に、前記第1の光検出器によって前記第1の光学チャネルを通して前記サンプルから第1の信号を収集することと、
を含む、前記方法。
【請求項55】
第2の(たとえば、静止)光検出器によって前記第2の光学チャネルを通して前記サンプルから第2の信号を(たとえば、前記回転中に)収集することを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記第1の光検出器によって収集された前記信号を用いて、第1のモダリティ(たとえば、NIRS)によって前記サンプルを特性評価することと、前記第2の光検出器によって収集された前記第2の信号を用いて、第2のモダリティ(たとえば、OCT)によって前記サンプルを特性評価することと(たとえば、前記第1の特性評価モダリティ及び前記第2の特性評価モダリティのうちの少なくとも一方に対する特性評価感度が、100dB超えである)(たとえば、前記第1の特性評価モダリティ及び前記第2の特性評価モダリティのうちの少なくとも一方に対する特性評価感度が、90dB超え、95dB超え、または110dB超えである)を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記第1の光検出器によって収集された前記信号の少なくとも一部と、前記第2の光検出器によって収集された前記信号の少なくとも一部とを用いて、第1のモダリティによって前記サンプルを特性評価することを含む、請求項54~56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記第1の光学チャネル及び前記第1の光検出器を回転させることは、前記第1の光検出器を前記第2の光学チャネルの周りで回転させることを含む、請求項54~57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記第1の光学チャネル、前記第2の光学チャネル、及び前記第1の光検出器を回転させることは、光源及び第3の光学チャネルを回転させることをさらに含み、前記方法は、前記回転中に前記第3の光学チャネルを通して前記光源から照明光を与えることを含む、請求項54~58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
前記回転が生じている間に、前記信号に対応するデータを(たとえば、無線で)送信することを含む、請求項54~59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
前記回転を終了した後に、前記信号に対応するデータを送信することを含む、請求項54~59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記信号を収集することは、前記サンプルから受け取った光を分割して、前記光の一部が前記第1の光学チャネルを通って進むようにすることを含む、請求項54~61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
10kHzよりも大きい空間サンプリングレートにおいて前記信号から測定値を取得することを含む、請求項54~62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
前記回転は、3,500rpm超え、5,000rpm超え、または6,000pm超えのレートにおいて生じる、請求項54~63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記回転は、10,000rpm超えのレートにおいて生じる、請求項54~64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
特性評価システムであって、
任意選択で、静止ユニットと、
回転ユニットであって、任意選択で、前記静止ユニットに(たとえば、FORJを介して)光学的に接続され、前記回転ユニットは、第1の光学チャネルと、第2の光学チャネル(たとえば、前記静止ユニットは、少なくとも部分的に前記第2の光学チャネルによって、前記回転ユニットに光学的に接続される)(たとえば、マルチモードファイバ及び/または複数の導波路を含む)と、照明光を与えるための光源と、を含み、前記第1の光学チャネルは前記光源に光学的に接続される、前記回転ユニットと、
を含む、前記特性評価システム。
【請求項67】
前記回転ユニットは光検出器をさらに含む、請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
前記回転部分から前記静止部分に検出信号を無線で送信する手段をさらに含む、請求項66または請求項67に記載のシステム。
【請求項69】
物理的接触による前記回転部分の回転中に、前記回転部分から前記静止部分に検出信号を送信する手段をさらに含む、請求項66~68のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項70】
前記回転ユニットは、エネルギー貯蔵デバイス(たとえば、バッテリ)をさらに含む、請求項66~69のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項71】
サンプル特性評価システム用の回転ユニットであって、
回転可能なハウジングと、
回路基板、及び前記回路基板上に配置された光検出器または光源であって、前記回路基板は前記ハウジング(たとえば、前記ハウジングの内部または外部)に取り付けられている、前記回路基板及び前記光検出器または光源と、
前記光検出器または光源に光学的に接続された第1の光学チャネルと、
軸に沿って前記ハウジングを通して配置された第2の光学チャネルであって、前記回路基板は少なくとも部分的に前記軸の周りにある、前記第2の光学チャネルと、
を含む、前記回転ユニット。
【請求項72】
前記プリント回路基板及び前記光検出器または光源は、前記軸に対して重量バランスが取れている、請求項71に記載のユニット。
【請求項73】
前記回路基板は、ノイズ低減電気的遮蔽デバイス(たとえば、ファラデーケージ、たとえば、アルミニウムブロック)によって部分的に封入される、請求項72または請求項72に記載のユニット。
【請求項74】
前記回路基板及び前記ハウジングはそれぞれ、円形断面を有する、請求項71~73のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項75】
近位面及び遠位面と、前記近位面上の近位光ポートと、前記遠位面上の遠位光ポートとを有するマルチモダリティ光デバイスであって、
第1の特性評価モダリティを送受信するように構成された第1の光導波路であって、前記第1の光導波路は、前記近位光ポートと前記遠位光ポートとの間の光接続を形成する、前記第1の光導波路と、
第2の特性評価モダリティを送受信するように構成された第2の光導波路であって、前記第2の光導波路は、前記遠位光ポートに光学的に接続され、(たとえば、前記デバイスの回転ユニット内に収容される)検出器に光学的に接続される、前記第2の光導波路と、
を含む、前記マルチモダリティ光デバイス。
【請求項76】
特性評価システムであって、
任意選択で、静止ユニットと、
回転ユニットであって、任意選択で、前記静止ユニットに(たとえば、FORJを介して)光学的に接続され、前記回転ユニットは、第1の光学チャネルと、第2の光学チャネル(たとえば、前記静止ユニットは、少なくとも部分的に前記第2の光学チャネルによって、前記回転ユニットに光学的に接続される)(たとえば、シングルモードファイバ及び/または複数の導波路を含む)と、第1の特性評価モダリティ用の光を検出するための光検出器(たとえば、カメラ、干渉計、または分光計)と、を含む前記回転ユニットと、を含み、
前記第1の光学チャネルは、前記光検出器に光学的に接続される(たとえば、前記第2の光学チャネルは、第2の特性評価モダリティ用の光を検出するために使用される)、
前記特性評価システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権出願
本出願は、米国仮特許出願第63/233,639号(2021年8月16日に出願)の利益を主張する。なお、この文献の開示は、その全体において参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は全般的に、身体管腔のマルチモーダル特性評価用の電磁放射線を検出する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの用途において、サンプルを特性評価するために、複数のサンプル特性評価モダリティが使用される。マルチモーダル特性評価を、単一のファイバまたは複数のファイバからの異なる形態の光放射を用いて行うことができる。回転特性評価システムの場合、光ビームを2本以上の光ファイバから光回転接合部上に高速で輸送することは困難である可能性がある。したがって、マルチモーダルシステムにおいて光回転接合部を使用すると、画質の低下が生じる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
サンプル特性評価(たとえば、材料の)を、回転プローブを通して与えられる電磁放射線(たとえば、光放射)を用いた回転様式で行うことができる。回転特性評価システムにおいて、電磁放射線は、多くの場合、静止した電磁放射線源(たとえば、光源)を使用して与えられ、電磁回転接合部(たとえば、光ファイバ回転継手(FORJ))を介して回転プローブに伝達される。光学的特性評価の2つ以上のモダリティ(たとえば、干渉イメージング及び拡散分光法)用の信号を、単一のFORJ上に送信することは、複雑である可能性があり、解決策によっては(たとえば、マルチチャネルFORJ)、特性評価結果(たとえば、画像、指標、または診断)の性能を、特に高い回転速度において低下させる可能性がある。
【0005】
実際に、血管内の特性評価(たとえば、イメージング)など、高忠実度、迅速なデータ及び画像収集が重要である生物医学的応用があり、100ミリメートルを超える心臓血管の特性評価を、血管のフラッシュ(たとえば、コントラストまたは生理食塩水)の間に単に数秒間で行うことが望ましい場合がある。回転特性評価に対する現在の技術は、単一の特性評価モダリティを使用したときに、これらのレートに近づくのみである。したがって、特性評価モダリティ用の信号を、サンプル特性評価システムの静止ユニット及び回転ユニットとの間で送信する付加的な手段が、高速マルチモーダル特性評価には重要である。本開示では、回転ユニット上で生成または検出された光ビーム、または両方を使用し、検出された情報を(たとえば、他の形態のエネルギーによって)静止ユニットに送信することによって、高忠実度及び高速のマルチモーダル特性評価が可能になり、これによって、従来の光学システムにおける課題が打開されると認識している。
【0006】
実際、回転デバイス上で電磁放射線信号を直接検出して、それらの情報を他の手段によって(たとえば、無線で)送信することは、マルチチャネルFORJの欠点に対する解決策である。光ファイバの接合の前にモダリティを分離すると、FORJの複雑さを減らし、デバイスサイズを小さくし、信号対雑音比(SNR)を高め、製造性を向上させ、システムコストを減らすことができる。これらの改善によって、複数の信号からの特性評価結果(たとえば、画像、指標、診断)を改善することができる(異なる信号は、たとえば、異なる波長の電磁放射線であってもよい)。本開示によって、とりわけ、マルチモーダル特性評価システムであって、組織(たとえば、冠状動脈)と相互作用した電磁放射線を、高い特性評価感度で(たとえば、90dB超え、95dB超え、100dB超え、または110dB超えの感度を有するOCTシステム)、高い回転速度(たとえば、3,500rpm超え、5,000rpm超え、6,000rpm超え、または10,000rpm超え)で回転的に伝達して検出するために使用できるマルチモーダル特性評価システムが提供される。
【0007】
回転光学システムは、デバイスの静止部分(たとえば、干渉計)を収容する静止ユニットと、デバイスの回転部分(たとえば、プローブ)を収容する回転ユニットとを含んでいてもよい。静止ユニットは、回転ユニットに回転トルクを与える手段を含んでいてもよく、回転ユニットは、内部身体構造をイメージングまたは特性評価するために、サンプルの一部(たとえば、動脈の管腔)に光を周囲方向に送信する目的で、回転可能なプローブ(たとえば、イメージングカテーテルの内側部分)を含んでいてもよい。通常、光は、光源から回転ユニットにFORJを介して送信される。回転プローブは通常、光をFORJから組織に運び、FORJを通して戻して静止部分によって検出されるように、少なくとも1つの光学チャネル(たとえば、少なくとも2つの光学チャネル)を含む。FORJは、動作に対する定格までの最大回転速度を有し得る。市販の従来技術の単一チャネルFORJは、高忠実度動作に対して定格で最大で20,000rpmである可能性があり、測定された挿入損失は、0.5dB未満であり、回転に対する挿入損失変動は0.5dB未満である。複数の信号がサンプルとの間で送信されているマルチモーダル特性評価の所望の場合、2つ以上の光学チャネル(たとえば、非同軸導波路)が望ましい場合がある。2つ以上の光学チャネルを有するFORJは現在、単一チャネルの対応物よりもはるかに低い回転速度であると評価され、高忠実度のマルチモーダル特性評価の速度を制限している。たとえば、マルチチャネル動作に対する従来技術のFORJは、高忠実度動作に対して定格で最大3000rpmであり、より高い挿入損失及び挿入損失変動(たとえば、回転に対して)を含む。また、ロバスト性(たとえば、寿命)、振動の低減、サイズの縮小、及びコスト削減など、単一チャネルFORJを使用することに対して製造上の利点が存在する。また、マルチチャネルFORJは、多重化することができる固有の光学チャネルの数が限定され得る。
【0008】
特定の特性評価シナリオでは、高忠実度で迅速な特性評価が必要とされ、たとえば、血液フラッシング中の管腔内特性評価の場合である。このような管腔内特性評価の間、プローブは高速に回転及び並進して(時には、10,000rpmを超える)、特性評価の引き戻しを行う。引き戻しの速度は極めて重要である。なぜなら、光学的特性評価が可能であるのは、多くの場合に、たとえば、放射線不透過性造影剤または生理食塩水を介して、血液がフラッシュによって動脈から除去されている間だけだからである。引き戻しの時間スケールは秒のオーダーである(たとえば、約2秒)。現在、マルチチャネルFORJは、これらの速度での高忠実度の特性評価はサポートしていない。本開示は、これらの制限を打開して、高速で高忠実度のマルチモーダルサンプル特性評価を可能にする手段を提供することを目的とする。
【0009】
これらの課題を考慮すると、本開示の目的の1つは、高速マルチモーダル特性評価を行うシステム、装置、及び方法の例示的な実施形態を提供することである。たとえば、マルチモーダル特性評価は、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)/光周波数ドメインイメージング(OFDI-本明細書ではOCTと交換可能に参照される)と併せて、拡散分光法を含んでいてもよい。拡散分光法は、拡散光(たとえば、多重散乱光)が測定される任意の形態のスペクトル測定を含んでいてもよい。拡散分光法は、限定することなく、反射率強度測定、蛍光分光法、ラマン分光法、UV分光法、可視分光法、近赤外分光法(NIRS)、短波赤外分光法(SWIRS)、及び赤外分光法を含んでいてもよい。
【0010】
管腔組織のマルチモーダル分析を行うために、分光法(たとえば、NIRS)と組み合わせてOCTを行うための例示的な方法を、カテーテル内に設けることができる。例示的な方法は、組織を照明して、組織からの散乱光を収集するために、本開示の例示的な実施形態による例示的な装置/デバイス/配置を用いることができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、マルチモーダル特性評価を、FORJの前にデバイスの回転ユニット内での特性評価モダリティの直接検出によって行い、単一の光学チャネルFORJの高忠実度の使用を、他の特性評価モダリティに対して用いることができる。いくつかの実施形態では、サンプルと相互作用した後に戻った光信号の一部の検出を回転ユニット内で行い、光信号を他の形態のエネルギー(たとえば、電気)に変換する。検出信号を、変換されたエネルギー形態で静止ユニットに送信してもよく、または送信の前にさらに変換してもよい(たとえば、無線通信機周波数(RF))。回転検出器を収集光学チャネルと結合することは、光路内にレンズを含んでいてもよいし、または含まなくてもよい(たとえば、導波路/検出器直接結合)。いくつかの実施形態では、回転ユニット内の検出信号は、特性評価セッション中に静止ユニットに連続的に送信される。いくつかの実施形態では、検出信号によって運ばれる情報は、特性評価セッションが完了するまで、回転ユニット内のコンピューティング記憶デバイス上に一時的に記憶してもよく、それから静止ユニットに送信される(たとえば、電気ドッキング接点を介して)。いくつかの実施形態では、検出信号は、電気回転接合部(たとえば、電気スリップリング)を使用して、特性評価セッション中に連続的に送信される。いくつかの実施形態では、検出信号は、特性評価中または特性評価セッションの終了時に、無線送信プロトコル(たとえば、RFベースの)を使用して無線で送信してもよい。いくつかの実施形態では、電気エネルギーを静止ユニットから回転ユニットに伝達して、回転ユニット内からソースエミッタとして光(たとえば、LED)を生成してもよい。いくつかの実施形態では、マルチモーダル特性評価シナリオの任意の組み合わせを行うために、複数の回転光学照明器及び回転光検出器の任意の組み合わせを展開してもよい。
【0012】
1つの例示的な実施形態によれば、第1の特性評価モダリティサブシステムは、分光サブシステム、たとえば、近赤外分光(NIRS)サブシステムであってもよい。第2の特性評価モダリティサブシステムは、イメージングサブシステム、たとえば、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)サブシステムであってもよい。各システムは、その独自の光源を使用してもよく、または同じ光源を使用してもよい。システムの配置は、サンプルに送信された光が、第1の照明光学チャネル(たとえば、シングルモードファイバ)を通って進み、サンプル(たとえば、冠状動脈)との相互作用の後に受け取った光が、2つ以上の光学チャネル(たとえば、シングルモードファイバ及びマルチモードファイバ)を通って進むように、行ってもよい。いくつかの実施形態では、両方のモダリティ用の光を、単一チャネルFORJを通して単一の導波路を通して送信し、第1の導波路(たとえば、静止ユニット内で終端する)と第2の導波路(たとえば、回転ユニット上で終端する)との両方を介して検出して、別個の光学的特性評価信号(たとえば、干渉分光法及び反射率強度)を与えてもよい。いくつかの実施形態では、サンプル特性評価システムは、カテーテルシステム、たとえば、マルチモーダル式で患者の管腔(たとえば、動脈)を迅速に特性評価するために使用できる心臓カテーテルである。
【0013】
いくつかの実施形態では、特性評価システムは、回転ユニットと、任意選択で、静止ユニットとを含む。存在する場合、静止ユニットは、任意選択で、回転ユニットに光学的に接続してもよい(たとえば、FORJを介して)。回転ユニットは、第1の光学チャネルと、第2の光学チャネルと、第1の特性評価モダリティ用の光を検出するための光検出器とを含む。光検出器は、カメラ、干渉計、または分光計であってもよい。静止ユニットは、少なくとも部分的に第2の光学チャネルによって、回転ユニットに光学的に接続されてもよい。第1の光学チャネル及び/または第2の光学チャネルは、それぞれ独立して、シングルモードファイバ、マルチモードファイバ、または複数の導波路(たとえば、マルチクラッドファイバ)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の光学チャネルは、光検出器に光学的に接続される。いくつかの実施形態では、第2の光学チャネルは、たとえば、第1の特性評価モダリティとは異なる、第2の特性評価モダリティ用の光を検出するために使用される。
【0014】
いくつかの実施形態では、回転サンプル特性評価に対する方法が使用される。本方法は、第2の光学チャネルを通してサンプルに照明光を与えることを含んでいてもよい。第2の光学チャネル、第1の光学チャネル、及び第1の光検出器は、回転させてもよい(たとえば、モーターによって)。信号は、回転中に、第1の光検出器によって、第1の光学チャネルを通してサンプルから収集してもよい。いくつかの実施形態では、第2の信号を、回転中に、第2の(たとえば、静止)光検出器によって、第2の光学チャネルを通してサンプルから収集してもよい。いくつかの実施形態では、サンプルを、第1の光検出器によって収集された信号を使用して、第1のモダリティ(たとえば、NIRS)によって特性評価してもよく、またサンプルを、第2の光検出器によって収集された第2の信号を使用して、第2のモダリティ(たとえば、OCT)によって特性評価してもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、特性評価システムは、回転ユニットと、任意選択で、静止ユニットとを含む。存在する場合、静止ユニットは、任意選択で、回転ユニットに光学的に接続してもよい(たとえば、FORJを介して)。回転ユニットは、第1の光学チャネルと、第2の光学チャネルと、照明光を与えるための光源とを含んでいてもよい。第1の光学チャネルは、光源に光学的に接続されていてもよい。静止ユニットは、少なくとも部分的に第2の光学チャネルによって、回転ユニットに光学的に接続されてもよい。第1の光学チャネル及び/または第2の光学チャネルは、それぞれ独立して、シングルモードファイバ、マルチモードファイバ、または複数の導波路(たとえば、マルチクラッドファイバ)を含んでいてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、サンプル特性評価システム用の回転ユニットは、回転可能なハウジングを含む。回転ユニットはさらに、回路基板、及び回路基板上に配置された光検出器または光源または両方を含んでもよい。回路基板は、ハウジングに、たとえばハウジングの内部または外部に取り付けられていてもよい。回転ユニットは、光検出器または光源に光学的に接続された第1の光学チャネルをさらに含んでいてもよい。回転ユニットはさらに、軸に沿ってハウジングを通して配置された第2の光学チャネルを含んでもよい。回路基板は、軸の周りに少なくとも部分的に配置されてもよい。光源及び光検出器の両方が回路基板上に配置される場合、第1の光学チャネルは、光源及び検出器の両方に光学的に接続してもよいし(たとえば、チャネル内の異なる導波路を使用して)、または光源が1つのチャネルに接続され、検出器が異なるチャネルに接続されるような、さらなる光学チャネルがあってもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、マルチモダリティ光デバイスは、近位面及び遠位面と、近位面上の近位光ポートと、遠位面上の遠位光ポートとを有する。光デバイスは、第1の特性評価モダリティを送受信するように構成された第1の光導波路を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、第1の光導波路は、近位光ポートと遠位光ポートとの間の光接続を形成する。光デバイスはさらに、第2の特性評価モダリティを送受信するように構成された第2の光導波路を含んでいてもよい。第2の光導波路は、遠位光ポートに光学的に接続されてもよい。第2の光導波路は、デバイスの回転ユニット内に収容され得る検出器に光学的に接続されてもよい。
【0018】
この概要セクションを含め、本明細書に記載する特徴のうち任意の2つ以上を組み合わせて、本明細書には具体的には明示的に説明されていない実施態様を形成してもよい。
【0019】
本明細書では、図面は例示を目的として示しており、限定するためではない。添付図面とともに以下の説明を参照することによって、本開示の前述及び他の目的、態様、特徴、及び利点が、より明らかになり、より良好に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本開示の実施形態を理解する際に有用な静止ユニット及び回転ユニットを有する従来のOCTイメージングシステムを例示する図である。
【0021】
図2】本開示の例示的な実施形態による、静止ユニット及び非光伝送デバイスを収容する回転ユニットを有するマルチモーダルOCT及び分光イメージングシステムを例示する図である。
【0022】
図3】本開示の実施形態を理解する際に有用なOCTシステム用の従来の近位回転ユニットの詳細図である。
【0023】
図4】本開示の例示的な実施形態による、回転検出及び無線送信を有する近位回転ユニットの詳細図である。
【0024】
図5】本開示の例示的な実施形態による、回転検出及び電気回転接合部を有する近位回転ユニットの詳細図である。
【0025】
図6】本開示の例示的な実施形態による、回転検出及びドッキングステーションを有する近位回転ユニットの詳細図である。
【0026】
図7】本開示の例示的な実施形態による、回転照明及び検出、ならびに電気回転接合部を有する近位回転ユニットの詳細図である。
【0027】
図8】本開示の例示的な実施形態による、複数の検出器及び光源を有する回転回路基板の断面図である。
【0028】
図9-1】図9A~Dは、本開示の例示的な実施形態による、光学チャネル/回転検出器結合方法の図である。
図9-2】図9A~Dは、本開示の例示的な実施形態による、光学チャネル/回転検出器結合方法の図である。
【0029】
図10A】本開示の例示的な実施形態による、マルチチャネルカテーテル相互接続の詳細図である。
【0030】
図10B】本開示の例示的な実施形態による、マルチチャネル遠位カテーテル先端の詳細図である。
【0031】
図11A】本開示の例示的な実施形態により構築された回転光学システムの高速な回転の間に同時に取得された高忠実度OCT及び分光データの画像である。
【0032】
図11B】本開示の例示的な実施形態により構築された高速に回転する回転光学システムの高速な引き戻しの間に同時に取得された高忠実度OCT及び分光データの画像である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
定義
本開示をより容易に理解するために、本明細書で使用する特定の用語を以下で定義する。以下の用語及び他の用語に対するさらなる定義を、明細書の全体に渡って述べる場合がある。本出願では、文脈から特に明らかでない限りまたは特に明記しない限り、(i)用語「a」は「少なくとも1つ」を意味するものと理解してもよく、(ii)用語「または」は「及び/または」を意味するものと理解してもよく、(iii)用語「含む(comprising)」及び「含む(including)」は、箇条書きにしたコンポーネントまたはステップを包含するものと理解してもよく、これは、それらだけで示しているかまたは1つ以上の追加コンポーネントまたはステップとともに示しているかにかかわらないことであり、(iv)用語「約」及び「ほぼ」は、当業者であれば理解するであろう標準偏差を許容するものと理解してもよく、(v)範囲が与えられた場合、端点が含まれる。約/ほぼの有無にかかわらず、本出願において使用する任意の数字は、当業者によって理解される任意の正常変動をカバーすることが意図されている。ある実施形態では、用語「ほぼ」または「約」は、特に明記しない限りまたは文脈から特に明らかでない限り、記載した基準値の両方向(よりも大きいかまたはよりも小さい)において、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ以下に含まれる値の範囲を指す(このような数が、可能な値の100%を超える場合を除く)。
【0034】
「光源」。本明細書で使用する場合、「光源」は、光を与える(たとえば、放出する)供給源を指す。光は電磁放射線(EMR)(たとえば、光子)である。本明細書で使用する場合、光の周波数(波長)は可視スペクトル内であってもよいし、そうでなくてもよい。光源は、可視光、近赤外光、赤外光、長波長赤外光、紫外光、深紫外光、及び極端紫外光のうちの1種以上を放出してもよい。いくつかの実施形態では、光源はテラヘルツ放射を放出してもよい。光源はx線、マイクロ波、または電波を放出してもよい。光源はレーザであってもよいが、必ずしもそうではでない。光源は、たとえば、時間的コヒーレンスが低減された光源、たとえば、発光ダイオード(LED)またはスーパールミネセントダイオード(SLD)を含む供給源であってもよい。光源は、掃引光源、調整可能な光源、または狭帯域光源であってもよい。ある実施形態では、光源は掃引光源レーザである。ある実施形態では、光源は広帯域光源である。
【0035】
「画像」。本明細書で用いる場合、用語「画像」にはたとえば、組織(または他のサンプル)の2次元または3次元画像の場合と同様に、任意の視覚表現、たとえば写真、ビデオフレーム、ストリーミングビデオ、ならびに写真、ビデオフレーム、またはストリーミングビデオの任意の電子的、デジタル、または数学的類似物が含まれる。本明細書に記載の任意のシステムまたは装置には、ある実施形態では、プロセッサによって生成される画像または任意の他の結果を表示するためのディスプレイが含まれている。本明細書に記載の任意の方法には、ある実施形態では、本方法によって生成される画像または任意の他の結果を表示するステップが含まれている。本明細書に記載の任意のシステムまたは装置は、ある実施形態では、画像を遠隔の受信デバイス[たとえば、クラウドサーバ、遠隔モニタ、または病院情報システム(たとえば、画像保存通信システム(PACS))]へ出力する。いくつかの実施形態では、画像を、蛍光イメージングシステム、分光イメージングシステム、蛍光イメージングシステム、及び/または反射率イメージングシステムを用いて生成する。ある実施形態では、トモグラフィ画像及び分光画像を共位置合わせして、合成画像を形成する。いくつかの実施形態では、画像は2次元(2D)画像である。いくつかの実施形態では、画像は3次元(3D)画像である。いくつかの実施形態では、画像は再構成画像である。画像(たとえば、3D画像)は単一画像または画像の組であってもよい。イメージング技術(たとえば、光源が与える光を用いて)によって、1つ以上の画像を形成してもよい。
【0036】
「プローブ」。本明細書で用いる場合、「プローブ」は、1つ以上の光源からサンプルに向けて光を送るデバイスまたは装置、またはサブシステムの一部を指す。プローブには1つ以上の光学素子(たとえば、非限定的な例として、1つ以上のレンズ、1つ以上のミラー、及び/または1つ以上の導波路(たとえば、光ファイバ))が含まれていてもよい。プローブには、1つ以上のシングルモードファイバ及び1つ以上のマルチモードファイバのいずれか一つまたは組み合わせが含まれていてもよい。たとえば、プローブには、1つ以上のマルチクラッドファイバ(たとえば、ダブルクラッドファイバ)が含まれていてもよい。プローブにはハウジング(たとえば、シース、たとえば、プローブがカテーテルの一部である場合)が含まれていてもよい。
【0037】
「サンプル」。本明細書で用いる場合、「サンプル」は、特性評価すべき物質を指す。全般的に、光による特性評価が可能な任意の材料、混合物、物質を、サンプルとして用いることができる。サンプルには1つ以上の材料が含まれていてもよい。サンプルは気体、流体、または固体であってもよい。サンプルは、たとえば、ゲル(たとえば、ヒドロゲル)、エラストマー、または複合材料であってもよい。サンプルは生物学的サンプルであってもよい。たとえば、サンプルは臓器または生体構造(たとえば、組織)またはその一部であってもよい。サンプルは生体内臓器または生体内組織であってもよい。たとえば、サンプルは生体内動脈またはその一部であってもよい。サンプルには、対象とする1つ以上の特徴物が含まれていてもよい。たとえば、対象とする特徴物は、たとえば、動脈プラーク(たとえば、脆弱性プラーク、たとえば、線維性被膜を有するもの)であってもよい。
【0038】
「分光法」。本明細書で使用する場合、「分光法」は、光源を用いたサンプルの任意の形態の特性評価を指す。光源は、狭帯域(たとえば、2nm未満)の波長範囲(たとえば、1210.01~1210.02nm、たとえば1210nm~1212nm)、広帯域の波長範囲(たとえば、1160nm~1280nm)、または2つ以上の非連続帯域の波長(たとえば、1205nm~1215nm及び1260nm~1360nm)を有していてもよい。たとえば、「可視分光法」は、可視波長(たとえば、550nm)においてサンプルを特性評価する(たとえば、イメージングする)ことを指してもよい。別の例として、「近赤外分光法/NIRS」は、NIRS波長(たとえば、1210nm)においてサンプルを特性評価する(たとえば、イメージングする)ことを指してもよい。いくつかの実施形態では、サンプルの任意の領域にわたって任意の光源をスキャンすることによって画像を生成することができ、このプロセスは、依然として分光法と言ってもよい。なぜなら、この画像は、特定の波長範囲におけるサンプルの吸収及び散乱特性に関するからである。
【0039】
「光学」は、可視光を指すことに限定されない。たとえば、光学チャネルは、可視スペクトルの外側の周波数(波長)を有する光、たとえば赤外光または紫外光を伝送するように構築してもよい。同様に、「光検出」、「光学モダリティ」、及び他の同様の用語は、可視スペクトルの外側の光(電磁放射線)、たとえば赤外光または紫外光を利用することができる。「光学的に接続された」2つのコンポーネントは、直接的に光学的に接続されていてもよいし、または1つ以上のさらなる光学部品(たとえば、導波路(複数可)、レンズ(複数可)、ビームスプリッタ(複数可)、マルチプレクサ(複数可))及び/または光路に沿ってそれらの間に配置された自由空間を有していてもよい。
【0040】
ある実施形態の詳細な説明
管腔内特性評価は全般的に、典型的なカテーテルベースの血管内特性評価システムにおいて行われるように、光源を高速に回転させて内部物体の内周をイメージングすることを含む。このような回転光学システムは、少なくとも1つの組織特性評価モード用の少なくとも1つの光源を含んでいてもよい。場合によっては、回転光学システムは、単一の光学チャネル(たとえば、シングルモードファイバ)を使用して、シングルモダリティ特性評価またはマルチモダリティサンプル特性評価を行ってもよい。別の場合では、たとえば、構造特性の特性評価(たとえば、OCTによるイメージングによる)及び吸収特性の特性評価(たとえば、拡散分光法による)を行うときに、マルチチャネル光学システム(たとえば、シングルモード光ファイバ及びマルチモード光ファイバ)が、サンプル特性評価に必要とされる。
【0041】
組織特性評価は、非干渉特性評価または干渉特性評価、または両方により行ってもよい。干渉特性評価(たとえば、OCTイメージング)の場合、光源をサンプル及び基準アームに分割するビームスプリッタ(たとえば、偏光ビームスプリッタ、ハーフミラー、キューブスプリッタ、またはプレートスプリッタ)が存在してもよい。サンプルアーム光はサンプルと相互作用してもよく、基準アーム光は基準反射器と相互作用してもよい。反射後、サンプル及び基準光は、再結合され、干渉され、及び少なくとも1つの検出器(たとえば、少なくとも2つ)に、ビーム再導波器(たとえば、サーキュレータ、たとえば、ファイバカプラ、たとえば、ビームスプリッタ、たとえば、偏光ビームスプリッタなど)を介して向けられて、干渉縞を形成し、干渉縞はその後に検出することができる。検出は、広帯域光源(たとえば、スペクトルドメインOCT(SDOCT))を配置するときは、スペクトル分離検出ユニット(たとえば、分光計)を使用して、または掃引光源(たとえば、掃引光源OCT(SSOCT))を配置するときは、時間領域検出ユニット(たとえば、少なくとも1つの光検出器)を使用して行ってもよい。広帯域光源は、時間領域検出器(たとえば、時間領域OCT(TDOCT)、光検出及び測距(LiDAR))とともに配置してもよい。検出器から、アナログ信号をデジタル形式に変換してもよく、コンピュータ記憶デバイス上で記憶及び処理して、特性評価結果(たとえば、スペクトル測定値、たとえば、画像)を表示してもよく、またはコンピュータ記憶デバイスに送信して特性評価結果を表示してもよい。
【0042】
非干渉特性評価(たとえば、NIRS)は、狭帯域光源(たとえば、単一波長)、広帯域光源、または可変波長光源を使用してもよい。光源は、少なくとも1つの(たとえば、少なくとも2つの)光学チャネルを通して伝達及び検出してもよい。検出は、スペクトル分離検出ユニット(たとえば、分光計)、または時間領域検出ユニット(たとえば、少なくとも1つの光検出器、たとえば、CMOS、たとえば、電荷結合検出器(CCD))、またはこれらのうちの2つ以上の任意の組み合わせを使用して行ってもよい。重要なことは、光が組織を照射するとき、反射は、起こり得る唯一の光学現象ではないことである。検出器を、少なくとも部分的に、反射された光、屈折された光、散乱された光、送信された光(たとえば、最初に入射した光の非吸収部分)、または任意の光源からの光がサンプルに衝突することに応答して、サンプルによって生成された光[たとえば、フォトルミネッセンス(たとえば、蛍光、リン光、またはラマン放射)、化学発光、または生物発光)によって]を検出するために配置してもよい。
【0043】
特性評価の組み合わせを行ってもよい。いくつかの実施形態では、単一の光源を使用してマルチモーダル特性評価を行ってもよい。いくつかの実施形態では、複数の光源を使用してマルチモーダル特性評価を行ってもよい。いくつかの実施形態では、光源を、光結合デバイス(たとえば、偏光ビームスプリッタ、波長分割マルチプレクサ)を使用して組み合わせて、単一の光学チャネルにしてもよい。
【0044】
光を回転様式でサンプルに送信するために、FORJを使用して、静止導波路と回転導波路との間からの光を結合してもよい。回転導波路は、モーター(たとえば、ダイレクトドライブ、たとえば、駆動ベルトを介した)などの回転デバイスによって回転させてもよく、集合(たとえば、静止導波路、FORJ、モーター、及び回転導波路)を長手方向に変位させて(たとえば、アクチュエータを使用して)、サンプルの部分をスキャン(たとえば、イメージング)してもよい。血管内プローブ(たとえば、カテーテル)の場合、他の回転可能な導波路(たとえば、プローブ)を、回転導波路に直列に接続してもよく、非回転の保護チューブ(たとえば、シース)内に収容してもよい。ドライブシャフトを使用して、プローブの近位端からその遠位先端部までトルクを伝達してもよい。
【0045】
また本開示によって、自由空間光通信を低減することによって回転光学システムのロバスト性を向上させる方法が提供される。いくつかの実施形態では、回転ユニットは、導波路(たとえば、低減自由空間ビーム導波器)を使用して、回転プローブ及び静止システムとの間で光エネルギーを伝達する。たとえば、FORJを、単回使用マルチチャネル回転プローブ内の導波路に直列に接続する(たとえば、光学的に結合される)多使用光ファイバに接続してもよい(たとえば、永続的に接続する、たとえば取り付ける、接着する、または接合する)。いくつかの実施形態では、0dBコネクタをファイバ接続点に配置して、システムの保守性を向上させてもよい。さらに、回転検出器は、それと物理的に接触する(たとえば、接着または接合される)他の多使用導波路であって、単回使用マルチチャネル回転プローブ内の導波路に直列に接続する他の多使用導波路を有していてもよい。このような直接接触によって信号収集効率が向上し得る。
【0046】
本開示のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの光源が静止ユニット内に設けられ、単一チャネルFORJを介して回転ユニットに送信される光を生成する。回転ユニットは、少なくとも1つの光検出器を有する少なくとも1つの光学チャネル、ならびに検出信号を静止ユニットに送信する手段を収容してもよい。光をサンプルに送信するために、光学チャネルを、回転プローブへの接続(たとえば、ファイバ相互接続)を介して延長してもよい。いくつかの実施形態では、サンプルに送信された光は、第1の照明光学チャネルを通って進んでもよく、サンプルとの相互作用の後に受け取った光は、少なくとも1つの光学チャネル(たとえば、照明光学チャネル及び収集光学チャネル)を通って進んでもよい。いくつかの実施形態では、両方のモダリティ用の光源を、静止ユニットから単一チャネルFORJを通して伝達してもよく、照明光学チャネル(たとえば、第1の特性評価モダリティの場合に、静止ユニット内で検出する)及び収集光学チャネル(たとえば、第2の特性評価モダリティの場合に、回転ユニット上で検出する)の両方を介して検出して、別個の光学的特性評価信号(たとえば、干渉分光法及び反射率強度)を与えてもよい。このような配置は、異なる特性評価モダリティに対して検出される信号間の強度に大きな差がある場合に、特に有用であり得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、回転検出信号を、回転ユニットが静止している間(たとえば、特性評価(たとえば、イメージング)を行っていない間)に接続される接点(たとえば、導電性)を介して静止受信機に送信してもよい。いくつかの実施形態では、回転検出信号を、回転ユニットに一時的に記憶してもよい。いくつかの実施形態では、検出信号を、無線手段(たとえば、RF、Bluetooth(登録商標))によって無線で送信してもよい。いくつかの実施形態では、検出信号は、たとえば、自由空間(たとえば、物理的接触なし)において、回転光学エミッタ(たとえば、LED)及び静止検出器(たとえば、光検出器)を使用して、検出信号に関する情報を伝達する光パルス/フラッシュを放出することによって、無線で再送信してもよい。いくつかの実施形態では、検出信号を、回転ユニットが回転している間(たとえば、特性評価を行っている間)、または回転ユニットが静止している間に、電気回転接合部(たとえば、スリップリング)を介して静止受信機に送信してもよい。いくつかの実施形態では、電気回転接合部は、回転ユニットが回転している間に電力を供給してもよいが、回転していない間(たとえば、特性評価を行った後(たとえば、カテーテルの引き戻しの後))に検出信号を送信して、信号忠実度の改善を図ってもよい。いくつかの実施形態では、タイミング及び/または取得信号を、静止システムから回転ユニットに、たとえば、回転ユニット内の無線送信機を通して無線で送信して戻してもよい。いくつかの実施形態では、検出信号を、位置合わせされた回転光源及び静止検出器(たとえば、光学スリップリング)を使用して、光学的に再送信してもよい。いくつかの実施形態では、検出信号を、位置合わせされていない回転光源及び静止検出器を使用して光学的に再送信してもよく、回転光源の一部(たとえば、反射)は、検出信号に関する情報を伝達するのに十分である。いくつかの実施形態では、検出信号を、光学的に再送信して、静止した円形(たとえば環状)の活性領域フォトダイオードを使用して検出してもよい。いくつかの実施形態では、検出されたアナログ信号を、任意の形式の回転/静止送信の前にデジタル形式に変換してもよい。いくつかの実施形態では、さらなる信号処理を、回転可能な処理ユニット(たとえば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))を使用して回転ハウジング内で行ってもよい。いくつかの実施形態では、未処理の信号、処理済みの信号、または両方を、小型のコンピュータ記憶デバイス(たとえば、マイクロコントローラ)または他の非一時的メモリ(たとえば、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブルROM、または電気的消去可能プログラマブルROM)を使用して、回転ユニット内に一時的に記憶してもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、回転ユニット上のコンポーネントは、動作するためにエネルギー(たとえば、電力)を必要としてもよい。いくつかの実施形態では、回転ユニットは、回転ユニットが動いていない間に(たとえば、電気接点を介して)充電されるエネルギー貯蔵デバイス(たとえば、バッテリ)を収容してもよい。いくつかの実施形態では、回転ユニットは、回転ユニットが動いている間に(たとえば、無線充電装置を介して)充電されるエネルギー貯蔵デバイス(たとえば、バッテリ)を収容してもよい。いくつかの実施形態では、エネルギーを、電気回転接合部(たとえば、スリップリング)を介して回転ユニットに供給してもよい。いくつかの実施形態では、エネルギーを、誘導プロセスによって回転ユニットに供給してもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、2つ以上の光源を、回転ユニット上に収容された単一の検出器を用いて検出してもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上の照明光学チャネル及び/または2つ以上の収集光学チャネルが存在してもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、2つ以上の収集光学チャネル(それぞれ、回転ユニット内に収容された別個の検出器において終端する)を有する単一の照明光学チャネルが存在してもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上の収集光学チャネルは、結合手段(たとえば、ファイバカプラ)後に同じ回転検出器上で終端してもよい。いくつかの実施形態では、照明光学チャネルを分割して、サンプル上の2つ以上の場所、たとえばプローブの遠位端に向けてもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、複数の収集チャネルを、たとえば、プローブの遠位端における相対位置に起因して、別個の場所を特性評価するように位置決めしてもよい。いくつかの実施形態では、任意の単一の収集光学チャネルを分割し(たとえば、波長分割マルチプレクサ(WDM)を使用して)、回転ユニット内(及び/または回転ユニット外)の2つ以上の光検出器に向けてもよい。いくつかの実施形態では、収集光学チャネルの一部を、照明光学チャネルと(たとえば、ファイバカプラを介して)組み合わせて、FORJ(たとえば、単一チャネルFORJ)を介して光学的に伝達して戻して、静止ユニット内での検出を図ってもよく、一方で、他の部分を回転ユニット上で検出する。いくつかの実施形態では、複数の導波路(たとえば、同軸導波路)を有する光ファイバが、回転プローブ内の照明及び収集光学チャネルとして機能してもよい。いくつかの実施形態では、多導波路光ファイバが、その導波路のいずれか、または両方からの信号の一部を分割してもよく、回転ユニット上の光信号の一部を検出して、単一光学チャネルプローブを可能にしてもよい。
【0051】
光学的ノイズ(たとえば、FORJの回転中のわずかな位置合わせ変動から生じる)が、検出信号のSNRに影響する場合がある。これを打開するために、いくつかの実施形態では、照明光学チャネルを分割し、収集光学チャネルから戻る光と同時検出を行うことによって、光学的コモンモード除去を行ってもよい。いくつかの実施形態では、FORJの前(たとえば、静止ユニット内)または後(たとえば、回転ユニット内)のいずれかで、照明光学チャネルからの光の一部を分割して、較正用の基準測定値を与えてもよい。ノイズの光源を最小化した後でさえ、電気ノイズも存在し得る。したがって、いくつかの実施形態では、回転検出信号の送信前に、電気波形を、SNRを向上させるための電気的手段によって(たとえば、電気回路を使用して)調整、消去、及び/または増幅してもよい。いくつかの実施形態では、信号改善に使用するデバイスは、少なくとも1つのトランスインピーダンス増幅器を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、信号改善に使用するデバイスは、利得回路またはレベルオフセット回路、または両方を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、光検出に使用するデバイスは、光学干渉を最小限にするために光学部品を光学的に分離する手段を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、光検出に使用するデバイスは、電気的干渉を最小限にするために電気部品を電気的に絶縁する手段を含んでいてもよい。電気ノイズが低減すると、最終的に、より高い忠実度測定が可能になる。いくつかの実施形態では、電気的遮蔽は、ファラデーケージ(たとえば、囲まれた金属容器、たとえば、アルミニウムブロック)を含んでいてもよい。さらに、長距離にわたって電気部品を完全に絶縁することは困難なままである可能性があり、意図しない電気的干渉が生じる場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、信号品質維持に使用されるデバイス(たとえば、単一/差動回路)を使用して、検出信号の送信中の波形忠実度を保持してもよい。いくつかの実施形態では、検出されたアナログ信号を、送信前にデジタル信号に変換してもよい(たとえば、アナログ/デジタル変換器(ADC)を介して)。このような処理ユニットによって、回転回路の複雑さが増す場合があるが、たとえば、検出の時点で同時に処理することによって、より高い忠実度測定が得られる可能性がある。いくつかの実施形態では、信号を、(たとえば、リモートコンピューティングデバイス)に送信した後に処理する。
【0052】
収集光学チャネルを回転検出器に、集光、製造の複雑さ、及びデバイスコストを最適化するいくつかの方法で結合してもよい。いくつかの実施形態では、光検出器の活性領域を、収集光学チャネル(たとえば、マルチモード光ファイバ)に直接(たとえば、物理的に接触するかまたは近接して安定化されて)光学的に結合してもよい。実際に、SNRを向上させることができる直接結合シナリオ(たとえば、中間光学部品上での損失の低減による)における信号収集改善が存在し得る。いくつかの実施形態では、光学チャネルから検出器上への光の収集を最適化するために、収集光学チャネルをビーム成形光学系と位置合わせしてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、集束、発散、またはコリメーティングレンズを、収集光学チャネルと光検出器との間に配置してもよい。同様に、スペクトル検出器(たとえば、分光計)を使用し得るいくつかの実施形態(たとえば、分光計)では、スペクトル発散要素(複数可)(たとえば、ファイバブラッググレーティング(複数可))を、収集光学チャネルと検出器との間で使用してもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの光源が回転ユニット内に配置される。いくつかの実施形態では、静止ユニット内に複数の光源があってもよい。いくつかの実施形態では、回転ユニット上に複数の光源があってもよい。さらに、ある実施形態では、任意の光源からの戻り光の一部が、照明光学チャネルを介して静止ユニット内で検出され得ることも理解される。
【0054】
いくつかの実施形態では、光源を、より低い強度の状態及びより高い強度の状態(たとえば、オン及びオフ、たとえば、明るい及び暗い)に変調して、交互のモダリティ特性評価をもたらし、たとえば、単一の光学チャネルに沿った異なる特性評価モダリティ用に異なる波長を使用することを可能にしてもよい。光源は、動作中に、以下のレートで、明相と暗相との間で交互に変わってもよい(たとえば、オンとオフとの間で交互に変わってもよい)。少なくとも10Hz、少なくとも100Hz、少なくとも1kHz、少なくとも2kHz、少なくとも5kHz、少なくとも10kHz、少なくとも15kHz、少なくとも20kHz、少なくとも50kHz、少なくとも75kHz、少なくとも200kHz、少なくとも1MHzまたは少なくとも10MHz(たとえば、10GHzを超えない、5GHzを超えない、2GHzを超えない、1GHzを超えない、500MHzを超えない、250MHzを超えない、100MHzを超えない、50MHzを超えない、10MHzを超えない)。いくつかの実施形態では、光源は、たとえば、心臓カテーテルなどのカテーテル内のプローブの回転数に対応する(たとえば、比例する)周波数で、明相と暗相との間で交互に変わってもよい。光源が掃引光源である場合、光源を、明相中にその波長範囲にわたってスキャンしてもよく、任意選択で、暗相中に回帰してもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、波長選択フィルター(たとえば、ハイパス、たとえば、ローパス、たとえば、ダイクロイックなど)を使用して、同時の照明(たとえば、同時の明相における少なくとも2つの光源)を用いたマルチモーダル特性評価をもたらしてもよい。いくつかの実施形態では、偏光フィルタリング手段(たとえば、偏光ビームスプリッタ)を使用して、マルチモーダル特性評価をもたらしてもよい。いくつかの実施形態では、カメラ(たとえば、バイエルフィルターを含む1つ以上)(たとえば、CMOSカメラ)を、回転検出器として使用してもよい。いくつかの実施形態では、分光計を、波長依存性反射信号を分離する回転検出器として使用してもよい。
【0056】
高速に回転するデバイスにコンポーネントを追加する場合、バランス及び空気流が、振動を最小限にする重要な要因である。いくつかの実施形態では、回路基板の製造は、回路基板上に配置され及び/または回路基板と光学的及び/または電気的に通信する光学部品及び電気部品が重量バランスを取り、回転ユニット内の振動を最小限にするように行う。いくつかの実施形態では、振動の最小化は、わずかなアンバランスも考慮する(たとえば、バランスの取れた回路基板と組み合わせて)ように、回転ユニットの構造部品(たとえば、回転デバイスハウジング)をデザインすることによって行ってもよい。いくつかの実施形態では、振動の最小化は、他の重量バランスコンポーネントを追加することによって行ってもよい。いくつかの実施形態では、回路基板は、円形(たとえば、環状)であってもよい。いくつかの実施形態では、回路基板は、回転軸を中心としてもよい。いくつかの実施形態では、回転ユニット内に2つ以上の回路基板が存在してもよい。たとえば、回転ユニット内(たとえば、回転円筒管内)に配置された2つの積層された回路基板(たとえば、中空中心を有する円形回路基板)が存在してもよい。いくつかの実施形態では、回路基板は、回転ユニットの外部に位置してもよい(たとえば、回転ハウジングに取り付けられていてもよい)。
【0057】
たとえば、患者と接触するデバイスをそうでないデバイスから分離するために、モジュラーシステムを有することは有利である。したがって、いくつかの実施形態では、回転ユニットを、取り外し可能なコンポーネント(たとえば、カテーテル内などのプローブ)に取り付けて、滅菌したワークフローを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では回転ユニット(たとえば、回転プローブ)の少なくとも一部を、このような取り外し可能なコンポーネント内に収容してもよい。いくつかの実施形態では、取り外し可能なコンポーネント及びその内容物は、回転プローブ(たとえば、心臓カテーテル)などの単回使用である。いくつかの実施形態では、取り外し可能なコンポーネント及び/または回転ハウジングは、情報記憶デバイス(たとえば、マイクロチップ)を含んでいてもよい。このデバイスは、情報の送信を、無線で(たとえば、無線周波数識別(RFID)などのRFを介して)、及び/または機械的接触(たとえば、レバー)を介して、及び/または電気接点を介して行う。いくつかの実施形態では、この情報は、システムのマルチモダリティのうちのどれを、所与の特性評価セッションにおいて使用すべきかを知らせる。いくつかの実施形態では、この情報は、特性評価セッション中の光源及び検出器の変調に関する他の側面(たとえば、いくつの光源または検出器を使用するか、たとえば、所与の光源または検出器をいつ使用するか、たとえば、明相及び暗相のどのデューティサイクルを、各光源または検出器に使用すべきか)を知らせる。
【0058】
また本開示は、自由空間光学系を減らす(たとえば、損失を被り得る光インターフェースを減らす)ことによって回転光学システムの感度を向上させ、犠牲コネクタを使用する(たとえば、永続的なファイバコンポーネントへの損傷を低減する)ことによって寿命を向上させる方法も含む。いくつかの実施形態では、回転ユニットは、主に導波路(たとえば、低減自由空間ビーム導波器)を使用して、回転プローブ及び静止システムとの間で光エネルギーを伝達する。いくつかの実施形態では、各光学チャネルは、直列の2つ以上の導波路からなる。たとえば、FORJは、多使用光ファイバに接続してもよく(たとえば、永続的に接続してもよく)、そして、相互接続を介して(たとえば、二重相互接続のシングルポートを介して)、回転プローブ内の単回使用導波路に接続してもよい。さらに、回転ユニット内に収容された回転検出器には、他の多使用導波路が物理的に接触していてもよく、これは、相互接続を介して(たとえば、二重相互接続のシングルポートを介して)、回転プローブ内の単回使用導波路に接続する。マルチチャネルプローブの場合、マルチチャネル相互接続(たとえば、二重相互接続)を使用して、自動化接続を最適化してもよい(たとえば、複数の単一シングルポート相互接続ではなくて、単一のマルチポート相互接続を、自動化された方法で位置合わせして接続する方が簡単であり得る)。いくつかの実施形態では、複数のシングルポート相互接続を接続するための2つ以上の光学チャネルを有するマルチチャネルプローブを、互いに取り付けて(たとえば、接着して、または接合して)、マルチポート(たとえば、二重)相互接続の利点を模倣してもよい。いくつかの実施形態では、犠牲低損失コネクタを、光学チャネルのセグメント間で使用してもよい(たとえば、デバイス寿命を向上させるために)。いくつかの実施形態では、多使用回転導波路が、FORJを、回転プローブ内の偏心導波路に光学的に接続してもよい。いくつかの実施形態では、多使用回転導波路が、回転プローブ内の偏心導波路からの光を、回転光検出器に直接に光学的に接続してもよい。いくつかの実施形態では、多使用回転導波路が、FORJを、回転プローブ内の回転軸を中心とする中心導波路に光学的に接続してもよい。いくつかの実施形態では、多使用回転導波路が、回転プローブ内の回転軸を中心とする中心導波路からの光を、回転光検出器に直接に光学的に接続してもよい。
【0059】
回転可能なプローブが、少なくとも1つの(たとえば、少なくとも2つの)光学チャネル(たとえば、ダブルクラッドファイバ)を含んでもいてよい。いくつかの実施形態では、回転可能なプローブが、1つの照明光学チャネル(たとえば、シングルモードファイバ)と1つの収集光学チャネル(たとえば、マルチモードファイバ)とを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、照明光学チャネルもしくは収集光学チャネル、または両方が、ビーム屈折及び/または反射(たとえば、ミラー)及び/または整形(たとえば、レンズ、たとえば、非平坦反射面)コンポーネントを、搬送導波路とサンプルとの間で、それらの光路内に有していてもよい。
【0060】
比較器として、図1に、従来のOCT(たとえば、光周波数ドメインイメージング(OFDI))イメージングシステム/装置のブロック図を示す。このようなイメージングシステムは、静止光学システム100からなる。静止光学システム100は、OCT光源102、干渉計104、OCT検出器装置106、及びコンピュータ記憶デバイス108を含んでいてもよい。静止システム100は、FORJ112を介して回転光学システム110に接続して機能することができる。たとえば、回転光学システム110は、回転デバイスハウジング114及び光学チャネル116(たとえば、直列の少なくとも1つのシングルモードファイバ)を含むことができる。このようなシステムは、光をOCT光源102からサンプルに送信し、同じ光学チャネルを介してOCT検出器106上で後方反射/散乱された信号を受け取って、サンプルの特性評価結果を取得し、コンピュータ/記憶デバイス/評価デバイス108を使用して結果を処理/記憶/表示する。光伝送は実線によって示し、電気伝送は破線で示す。光学チャネルは、同軸に(たとえば、同じ光路上に)配置された1つ以上の導波路(たとえば、シングルモードファイバ、たとえば、ダブルクラッドファイバ)を含んでいてもよい。
【0061】
図では、光伝送(光路(複数可)に沿った)を実線によって示し、電気伝送を破線によって示す。光学チャネルは、同軸に配置された1つ以上の導波路(たとえば、シングルモードファイバ、たとえば、ダブルクラッドファイバ)を含んでいてもよい。たとえば、各同軸導波路を、異なる特性評価モダリティ用の照明及び/または収集チャネルに使用するか、または各同軸導波路を、単一の特性評価モダリティ用の照明チャネルまたは収集チャネルのいずれかとして使用する。信号(たとえば、電気の)通信を、破線によって示す。点線入りのボックスは、デバイスの概念上のセクションを表し、説明のためにのみ設けている。
【0062】
図1に示したように、単一チャネルFORJを使用して、単一の特性評価モダリティシステムにおいて見られるような単一の光学チャネルのみを必要とする高い回転速度で光を送受信してもよい。本開示では、とりわけ、複数のチャネルを必要とするシステム(たとえば、2つ以上の特性評価モダリティを行うシステム)を用いて、高い回転速度でマルチモーダル特性評価を達成する方法について説明する。
【0063】
図2は、本開示の例示的な実施形態を示すブロック図である。マルチモーダルシステム/装置は、静止光学ユニット200を含む。静止光学ユニット200は、OCT光源202、分光光源204、基準チャネルを形成するビームスプリッタ206、2つの光源を結合するビーム結合器(たとえば、WDM)208、基準測定値を検出するための分光基準検出器210、干渉計212、OCT検出器214、コンピューティングデバイス216、及び送受信機デバイス218のうちの1つ以上を含んでいてもよい。静止システム200は、単一チャネルFORJ222を介して回転光学ユニット220と光学的に接続されて機能することができる。回転光学ユニット220は、たとえば、回転デバイスハウジング224、照明光学チャネル(たとえば、少なくとも1つの直列のシングルモードファイバ)226、収集光学チャネル(たとえば、少なくとも1つの直列のマルチモードファイバ)228、及び収集光検出器230のうちの1つ以上を含んでいてもよい。サンプルまで延びる光学チャネルは、保護及び安全性を考慮して、透明なシース232によって覆われていてもよい。シース232は、たとえば、血管内特性評価カテーテルの場合と同様に、動作中に静止したままであってもよい。収集検出器デバイス230は、分光検出器234、ならびに調整回路236(たとえば、検出信号のSNRを向上させるため)、及び送信機244(たとえば、スリップリング、RF送信機、または光送信機)を含んでいてもよい。送信機244は、送受信機であってもよい。
【0064】
図2のシステムは、OCT光源202及び分光光源204の両方からサンプルに光を送信してもよく、両光源からサンプルと相互作用した光を、照明光学チャネルを通してOCT検出器214(たとえば、干渉検出)上、ならびに収集光学チャネルを通して分光検出器234(たとえば、反射率検出)上の両方で受信してもよい。分光検出器234は、信号を電気フォーマットに変換してもよく、さらに、回転ユニット220内で信号保存変更を受けてもよい。そして、信号を、たとえば、静止ユニット200上のコンピュータ/記憶デバイス/評価デバイス218を使用して結果を処理/記憶/表示するために、受信機に送信してもよい。いくつかの実施形態では、送信は、リモートコンピューティングデバイス(たとえば、静止ユニット200の一部ではない)に対して行われる。
【0065】
比較器として、図3において、シングルモダリティ特性評価用の従来の回転ユニットの例を示す。このような例示的な回転ユニット300は、駆動ベルト306、FORJ308、多使用導波路312を収容するための回転デバイスハウジング310、及び単回使用の単一光学チャネルプローブ316に接続するための相互接続314からなる。回転デバイス全体は、直線並進ステージ318上に位置していてもよく、前後の並進運動を可能にする。プローブハウジング320は、回転ユニット用の静止ハウジング320に接続するようにデザインしもよく、したがって、内部光学プローブ316が回転及び並進される間、静止したままである。静止接続ファイバ302が、FORJ308を静止ユニットに接続する。駆動ベルト306は、(回転プローブ316に対して静止したままである)モーター304に接続している。
【0066】
図4は、高忠実度で高速のマルチモーダル回転特性評価を可能にする回転ユニットに対する例示的な実施形態を示す断面図である。回転ユニット400は、FORJ408(たとえば、その一部)、相互接続412を収容するための回転デバイスハウジング410、回路基板414、照明光学チャネル416、光検出デバイス420(たとえば、光検出器、任意選択で光学系を含む)上で終端する収集光学チャネル418、及びサンプルからの光を送受信するための多光学チャネルプローブ422を含んでいてもよい。静止ユニットが、FORJ408と接続されて機能する静止光ファイバ402を介して、回転ユニット400に光学的に接続して機能してもよい。回転ユニット400にトルクを伝達するために、回転ユニットに対して静止したままであるモーター404を使用して、駆動ベルト406を駆動してもよい。いくつかの実施形態では、ダイレクトドライブモーターを、駆動ベルトなしで配置してもよい。回転デバイスハウジング410の内部に、回路基板414に接続されて、回転ユニットから静止ユニット上の無線RF送受信装置426にデータを送信し及び/または情報を受信する無線送信機424(たとえば、無線送受信機)が存在していてもよい。回転ユニットの少なくとも一部を、直線並進ステージ428に取り付けて、前後の並進運動を可能にしてもよい。プローブハウジング430を、光学プローブ422を収容し、回転デバイス用の静止ハウジング432と接続して機能するように、たとえば、内部光学プローブ422が回転ユニット400の一部として回転及び並進される間、回転的に静止したままであるように、デザインしてもよい。図示のハウジング及びデバイスは、たとえば、丸い(たとえば、円形)または長方形であってもよい。
【0067】
図5は、高忠実度で高速のマルチモーダル回転特性評価を可能にする回転ユニットの例示的な実施形態を示す断面図である。回転ユニット500は、FORJ508(たとえば、その一部)、相互接続512を収容するための回転デバイスハウジング510、回路基板514、照明光学チャネル516、光検出器520上で終端する収集光学チャネル518、及びサンプルからの光を送受信するための多光学チャネルプローブ522のうちの1つ以上を含んでいてもよい。回転ユニット500にトルクを伝達するために、回転ユニットに対して静止したままであるモーター504を使用して、駆動ベルト506を駆動してもよい。いくつかの実施形態では、ダイレクトドライブモーターを、駆動ベルトなしで配置してもよい。静止ユニットが、FORJ508と接続されて機能する静止光ファイバ502を介して、回転ユニット500に光学的に接続して機能してもよい。回転デバイスハウジング510の外側に、静止接点と回転接点との間で電気信号を送信する電気回転継手524(たとえば、電気スリップリング)が存在していてもよい。電気回転継手524は、回転デバイスハウジング510の外部表面上に配置されていてもよい。回転ユニットの少なくとも一部を、直線並進ステージ526に取り付けて、前後の並進運動を可能にしてもよい。プローブハウジング528を、光学プローブ522を収容し、回転デバイス用の静止ハウジング530と接続して機能するように、たとえば、内部光学プローブ522が回転ユニット500の一部として回転及び並進される間、静止したままであるように、デザインしてもよい。例示的な図の断面の性質を考慮すると、ハウジング及びデバイスは、円形、長方形、または任意の他の有利な形状であってもよいことが理解される。照明光学チャネル516は、たとえば、第2の検出器が静止ユニット内に含まれる場合、第2の特性評価モダリティ用の光学収集チャネルとして使用してもよい。
【0068】
図6は、高忠実度で高速のマルチモーダル回転特性評価を可能にする回転ユニットの例示的な実施形態を示す断面である。回転ユニット600は、FORJ608(たとえば、その一部)、相互接続612を収容するための回転デバイスハウジング610、回路基板614、照明光学チャネル616、光検出デバイス620(たとえば、光学系を有する検出器)上で終端する収集光学チャネル618、及びサンプルからの光を送受信するための多光学チャネルプローブ622のうちの1つ以上を含んでいてもよい。静止ユニットは、FORJ608と接続されて機能する静止光ファイバ602を介して、回転ユニット600に光学的に接続して機能してもよい。回転ユニット600にトルクを伝達するために、回転ユニットに対して静止したままであるモーター604を使用して、駆動ベルト606を駆動してもよい。いくつかの実施形態では、ダイレクトドライブモーターを、駆動ベルトなしで配置してもよい。回転デバイスハウジング610上に、回路基板616に接続されて、電気接点624に接続された記憶コンポーネントが存在していてもよい。電気接点624は、回転ユニットが静止している間に特定の並進位置において回転ユニットに/から静止ユニットに/からデータを送信し及び/または情報を受信するために(黒い矢印によって示す)、静止した電気接点626に物理的に接触することができる。回転ユニットの少なくとも一部を、直線並進ステージ628に取り付けて、前後の並進運動を可能にしてもよい。プローブハウジング630(たとえば、シース)は、光学プローブ622を収容し、回転デバイス用の静止ハウジング632と接続して機能するように、たとえば、内部光学プローブ622が回転ユニット600の一部として回転及び並進される間、回転的に静止したままでいるように、デザインしてもよい。
図7は、高忠実度で高速のマルチモーダル回転特性評価を可能にする回転ユニットに対する例示的な実施形態を示す断面図である。回転ユニット700は、駆動ベルト706、FORJ708(たとえば、その一部)、相互接続712を収容するための回転デバイスハウジング710、回路基板714、照明光学チャネル716、光源718、第2の照明光学チャネル720、光検出デバイス724上で直接終端する収集光学チャネル722、及びサンプルからの光を送受信するための多光学チャネルプローブ726を含んでいてもよい。静止ユニットは、FORJ708と接続されて機能する静止光ファイバ702を介して、回転ユニット700に光学的に接続して機能してもよい。回転ユニット700にトルクを伝達するために、回転ユニットに対して静止したままであるモーター704を使用して、駆動ベルト706を駆動してもよい。いくつかの実施形態では、ダイレクトドライブモーターを、駆動ベルトなしで配置してもよい。回転デバイスハウジング上に、回路基板614に接続されて、回転ユニットから(たとえば、及び回転ユニットに)電気信号を送信し、任意選択で回転ユニットに電力を供給する電気回転継手(たとえば、回転変圧器、たとえば、誘導結合デバイス)724が存在していてもよい。回転ユニットの少なくとも一部を、長手方向並進ステージ730に取り付けて、前後の並進運動を可能にしてもよい。プローブハウジング732を、光学プローブ726を収容し、回転デバイス用の静止ハウジング732と接続して機能するように、たとえば、内部光学プローブ726が回転ユニット700の一部として回転及び並進される間、回転的に静止したままでいるように、デザインしてもよい。
【0069】
図8は、高忠実度で高速のマルチモーダル回転特性評価を可能にする回転ユニットに対する例示的な実施形態を示す断面図である。回転ユニット800は、環状の回路基板804、第1の検出器806、第2の検出器808、照明源810、無線送受信機812、及び処理ユニット814を収容するための回転デバイスハウジング802を含んでいてもよい。回路基板の環状構造に起因して、中空中心を通して見ると、FORJ816及び光学チャネル相互接続818が見える。モーター820が、回転トルクを与えるために回転デバイスハウジングに接続されている。いくつかの実施形態では、1つの検出器のみ、照明源のみ、または1つの検出器と照明源のみが、回路基板上に配置されている。回路基板804は、図示では環状であるが(たとえば、重量バランスをもたらすために)、必ずしも環状ではない。さらに、いくつかの実施形態では、第2の回路基板、たとえば、回路基板804とは異なる平面内に配置された他の環状の回路基板、または共通の断面平面内に配置された複数の回路基板(たとえば、それぞれが輪の弧を形成する)が含まれていてもよい。
【0070】
図9Aに、光学チャネルを回転光検出器に結合するための例示的な実施形態を示す。左側では、光学チャネル902が、光学チャネルと検出器との間の光路内に何らのビーム変更光学系も有さずに、光検出器デバイス906の活性領域904と光学的に結合されている。左側の配置では、光学チャネルが検出器と物理的に接触しているが、単に光検出器の付近に配置してもよい。右側では、光学チャネル902が、光学チャネル902と検出器906との間に配置されたレンズ908を使用して、光検出器デバイス906の活性領域904と光学的に結合されている。いくつかの実施形態では、ファイバが、検出器とインラインにならずに(たとえば、その間に配置された直角ミラー)、それと光学的に結合してもよい。図9Bの光学系は、検出器906を光学チャネル902に対して直角に位置決めすることを容易にするビームスプリッタ910(またはミラー)を含む。コンポーネントの好ましい配置に応じて、他の角度を使用することができる。図9Cの光学系は、たとえば、蛍光特性評価モダリティに有用であり得るダイクロイック/フィルター912を含む。図9Dの光学系は、スペクトル分離のためのファイバブラッググレーティング914と、検出器としてのカメラ916とを含み、これは、たとえば、広帯域分光法またはラマン分光法特性評価モダリティに有用であり得る。
【0071】
図10Aに、本開示の例示的な実施形態による特性評価に使用されるカテーテルの近位端を示す。カテーテルの近位端上には、インターロック機構1002を介して回転ユニット用の静止ハウジングに接続可能な静止部分1000がある。この説明図では、情報を記憶するためのRFID1004も、カテーテルの静止部分上にある。カテーテルの近位端には、他のインターロック機構1001を介して回転ユニットに接続可能である回転可能な部分1006もある。また、カテーテルの近位端の回転可能な部分上には、回転ユニット内からカテーテルの遠位端への光学チャネルの延長を可能にするマルチチャネル相互接続1010を示す。回転ユニットは、光学チャネルを回転させ、サンプルの回転特性評価を行うために、カテーテルの回転部分に回転トルクを与えてもよい。いくつかの実施形態では、接続されたら、カテーテルの回転部分は、回転ユニットの一部であると考えられることが理解される。
【0072】
図10Bに、本開示の例示的な実施形態による特性評価に使用されるカテーテルの遠位端を示す。回転的に静止しているシース1012、回転可能なドライブシャフト1014、第1の光学チャネル1016、及び第2の光学チャネル1018を示す。光学チャネルの先端には、回転中に周囲方向にイメージングするビーム再配向及び/または集光光学系があってもよい。このような光学系は、ここでは、各光学チャネルの先端における傾斜ボールレンズ1020の形態で例示している。
【0073】
図11Aに、本開示の例示的な実施形態による、特性評価に使用される回転光学システムの回転中にマルチモダリティにより同時に特性評価されたサンプルのマルチモーダル画像の例を示す。画像を形成するために使用されたモダリティは、OCT及びNIRS分光法である。この例では、OCTが、その深さに依存する散乱特性に基づいて、サンプルの構造画像を得るために使用され、一方で、NIRSが、そのバルク散乱及び吸収特性に基づいて、サンプル内の対象とする構造(たとえば、脂質)を局在化するために使用されている。この例では、NIRS脂質検出が、OCT画像上に、角度のあるライトハウススタイルのコントラスト、ならびに脂質が検出される各OCTラインの先端において角度を有して示されるコントラストの両方でオーバーレイされる。
【0074】
図11Bに、本開示の例示的な実施形態による、特性評価に使用される回転光学システムの回転及び引き戻しの間に、マルチモダリティにより同時に特性評価されたサンプルの3次元マルチモーダルデータセットの例を示す。上部画像は、引き戻しに沿ったOCT画像ボリュームの単一のスライスを示す。スライスは、イメージングプローブの中心の付近に配置されている。下部画像は、NIRSデータを分析するためのアルゴリズムの出力の平坦化された2次元表現を示す。明るい部分は、より高い脂質信号を示し、暗い部分は、より低い脂質信号を示す。OCTデータは、各次元が構造/位置次元を含む3次元データを取得する。NIRSデータも3次元であるが、2つの次元のみが構造/位置情報を含み、一方で、他の次元はNIRSスペクトルまたはむしろスペクトル次元を含む。この例では、NIRSデータは、スペクトル次元情報に基づいて、スペクトル次元を脂質の指標に変換するようにデザインされたアルゴリズムの結果を示す。
【0075】
図11A~Bに示すマルチモーダルデータは、10,000rpmを超える回転速度及び30mm/sを超える引き戻し速度において取得した。これは、最先端の単一モダリティOCTシステムと一致しており、本開示の実施形態による回転ユニットを使用して達成可能であった。図示したように、OCTモダリティは、NIRSモダリティの追加による影響を受けることなく、その理論上の高い感度(>100dB)ならびに高い軸方向の分解能(10μm)及び横方向の分解能(40μm)を維持している。OCTモダリティの性能を犠牲にすることなく高速マルチモーダル特性評価を行う能力は、開示した技術の実施形態の主な強みである。
【0076】
本開示のシステム、デバイス、方法、及びプロセスは、本明細書に記載の実施形態からの情報を使用して開発された変形及び適合を包含することが考えられる。本明細書に記載のシステム、デバイス、方法、及びプロセスの適合及び/または変更は、当業者によって行われ得る。
【0077】
説明の全体を通して、物品、デバイス、及びシステムが、特定のコンポーネントを有するか、含む(including)か、もしくは含む(comprising)と説明している場合、またはプロセス及び方法が、特定のステップを有するか、含む(including)か、もしくは含む(comprising)と説明している場合、さらに、列挙したコンポーネントから本質的になるか、または列挙したコンポーネントからなる本開示の特定の実施形態による物品、デバイス、及びシステムが存在し、また列挙した処理ステップから本質的になるか、または列挙した処理ステップからなる本開示の特定の実施形態によるプロセス及び方法が存在すると考えられる。
【0078】
ステップの順序または特定の行為を行うための順序は、実施可能性が失われない限り、重要ではないことを理解されたい。さらに、2つ以上のステップまたは行為を同時に行ってもよい。
【0079】
本明細書に記載の例示的な手順は、ハードドライブ、RAM、ROM(たとえば、EPROMまたはEEPROM)、リムーバブルディスク、CD-ROM、メモリスティックなどを含む任意のコンピューターアクセス可能な媒体上に記憶することができ、またプロセッサ、マイクロプロセッサ、ミニ、マクロ、メインフレームなど(それらの複数及び/またはそれらの組み合わせを含む)とすることができ及び/またはそれらを含むことができる処理装置及び/またはコンピューティング装置によって実行することができることを理解されたい。
【0080】
前述は、単に本開示の原理を例示する。説明した実施形態に対する種々の修正及び変更が、本明細書での教示を考慮すると、当業者には明らかである。
【0081】
本開示の例示的な実施形態による配置、システム、及び方法は、任意のOCTシステム、OFDIシステム、SD-OCTシステム、TD-OCTシステム、または他のイメージングシステムとともに使用することができ、及び/またはそれらを実施することができ、及び/またはそれら内で実施することができ、たとえば、以下の文献に記載されたものである。国際特許公報第WO2005/047813号として2005年5月26日に公開された国際特許出願PCT/US2004/029148号(2004年9月8日に出願)、米国特許出願公開2006/0093276号として2006年5月4日に公開された米国特許出願第11/266,779号(2005年11月2日に出願)、及び米国特許出願公開第2005/0018201号として2005年1月27日に公開された米国特許出願第10/501,276号(2004年7月9日に出願)、及び米国特許出願公開第2002/0122246号(2002年5月9日に公開)。なおこれらの文献の開示は、その全体において参照により本明細書に組み込まれている。したがって、当業者であれば、本明細書では明示的に図示も説明もしていないが、本開示の原理を具体化し、したがって本開示の範囲及び趣旨内であるとすることができる多くのシステム、配置、及び手順を考案することができるものと理解される。加えて、前述したすべての刊行物及び参考文献は、その全体において参照により本明細書に組み込むことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9-1】
図9-2】
図10A
図10B
図11A
図11B
【国際調査報告】