(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】フィルタ装置
(51)【国際特許分類】
B01D 29/66 20060101AFI20240829BHJP
B01D 29/11 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
B01D29/38 510C
B01D29/10 510C
B01D29/10 520B
B01D29/10 530A
B01D29/38 520C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506212
(86)(22)【出願日】2022-06-07
(85)【翻訳文提出日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 EP2022065381
(87)【国際公開番号】W WO2023025425
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】102021004351.0
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500563201
【氏名又は名称】ハイダック プロセス テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ハンス-ユルゲン リンゲン
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル クライン
(72)【発明者】
【氏名】ゼバスティアン ヒリン
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116AA07
4D116BB01
4D116BC13
4D116BC23
4D116BC27
4D116BC45
4D116BC46
4D116BC47
4D116DD06
4D116FF15B
4D116KK04
4D116QC29
4D116RR01
4D116RR04
4D116RR14
4D116RR21
4D116RR26
(57)【要約】
本発明は、以下のフィルタ装置に関する。上記フィルタ装置は、個々のフィルタセグメントに分割される、フィルタ(14)と、洗浄装置(19)であって、上記洗浄装置(19)は、各フィルタセグメントに関連付けられた部分的洗浄ユニット(20、21、22)を有し、上記部分的洗浄ユニット(20、21、22)は、上記洗浄装置に沿って動かされることができ、かつ排出装置(23)と協働する、洗浄装置(19)と、制御装置(40)であって、上記制御装置(40)は部分的洗浄ユニットの少なくとも1つを洗浄のためにアクティブ化するが、一方では、この洗浄の間、部分的洗浄ユニットの少なくとも他の1つは非アクティブのままである、制御装置(40)と、から少なくとも成るフィルタ装置である。本発明では、上記制御装置(40)は、カップリング装置を有し、上記カップリング装置は、上記カップリング装置の1つの位置では、共通の回転運動のために上記洗浄装置(19)を上記排出装置(23)に連結し、かつ、上記カップリング装置の他の位置では、それらを互いに分離する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタ装置であって、
個々のセグメントに分割される、1つのフィルタ(14)と、
洗浄装置(19)であって、前記洗浄装置(19)は、各フィルタセグメントに関連付けられた部分的洗浄ユニット(20、21、22)を有し、前記部分的洗浄ユニット(20、21、22)は、前記洗浄装置に沿って動かされることができ、かつ個々の排出口(24、25、26)を有する回転可能な排出装置(23)と協働し、個々の前記排出口は、前記洗浄装置(19)内の通過ポイント(27、28、29)との少なくとも部分的な整列配置に持ち込まれ、前記フィルタ(14)から流体流を排出することに役立つ、洗浄装置(19)と、
制御装置(40)であって、前記制御装置(40)は部分的洗浄ユニットの少なくとも1つを洗浄のためにアクティブ化するが、一方では、この洗浄の間、部分的洗浄ユニットの少なくとも他の1つは非アクティブのままである、制御装置(40)と、から少なくとも成る、フィルタ装置において、
前記制御装置(40)は、カップリング装置(42)を有し、前記カップリング装置(42)は、前記カップリング装置(42)の1つの位置では、共通の回転運動のために前記洗浄装置(19)を前記排出装置(23)に連結し、かつ、前記カップリング装置(42)の他の位置では、それらを互いに連結解除する、ことを特徴とする、フィルタ装置。
【請求項2】
前記カップリング装置(42)は、制御部品として、爪カップリング(50)を備え、前記爪カップリングの爪は、結合位置では、前記洗浄装置(19)内の凹所と係合され、かつ結合解除位置では、係合解除される、ことを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項3】
前記制御装置(40)は、さらなる制御部品を備え、さらなる前記制御部品は、前記排出装置(23)の構成部分であり、かつ、前記排出装置(23)の回転運動中、前記カップリング装置(42)が前記洗浄装置(19)によって上昇位置に持ち込まれることによって前記係合解除位置に入るように、前記カップリング装置(42)の制御経路と協働する、ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のフィルタ装置。
【請求項4】
前記カップリング装置(42)の前記上昇位置への変位運動は、エネルギー蓄積器(48)によって支持される、ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項5】
前記部分的洗浄ユニット(20、21、22)は、前記洗浄装置(19)の長手方向軸(4)から見て上下に並んで配置され、前記部分的洗浄ユニットは、それらの1つの自由端で、前記フィルタセグメントに沿って運動させられることができ、かつ、それらの他の自由端で、少なくとも部分的には中空なチューブとして設計された前記洗浄装置(19)のそれぞれ関連付けられた前記通過ポイント(27、28、29)内へと開いている、ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項6】
さらなる中空なチューブ(38)が、前記排出装置(23)の部分として、前記洗浄装置(19)の前記中空なチューブ内に案内され、前記排出装置(23)の前記排出口(24、25、26)は、各例における通過ポイント(27、28、29)の1つが、次々に排出口(24、25、26)の1つとの整列配置に持ち込まれて流体通路を形成し、一方、他の可能な流体通路は、少なくとも部分的には、好ましくは全て、阻止されるように、前記さらなる中空なチューブ(38)の周囲に分配される、ことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項7】
前記カップリング装置(42)の前記制御経路は、前記部分的洗浄ユニット(20、21、22)を制御するための個々の経路セグメント(66、68)に分割され、前記結合状態では、少なくとも1つの流体通路は常にアクティブ化されており、かつ結合解除-結合サイクルを経た後には、少なくとも1つの他の流体通路がアクティブ化され、かつそれぞれのさらなる流体通路は非アクティブ化される、ことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項8】
前記制御装置(40)は、さらなる第3の制御部品を備え、前記第3の制御部品は、スラストピース(62)として構成され、その結合位置では前記エネルギー蓄積器(48)の作用に反して前記カップリング装置(42)を保持し、かつ、湾曲セグメント(66)に沿って動作することはできない前記スラストピース(62)が、結合動作をできるように、前記カップリング装置(42)の少なくとも1つの経路セグメント(64)と協働することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項9】
前記スラストピース(62)と係合している前記湾曲セグメント(68)の長さは、前記カップリング装置(42)の前記結合状態において、前記洗浄のシークエンス内に設けられた前記流体通路が前記洗浄装置(19)と前記排出装置(23)の間で具現化されるように寸法決めされている、ことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項10】
前記カップリング装置(42)の前記結合状態と前記結合解除状態の間での切り替え動作の間、前記洗浄装置(19)と前記排出装置(23)の間で相対運動が起こる、ことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ装置に関する。このフィルタ装置は、
個々のセグメントに分割される、1つのフィルタと、
洗浄装置であって、上記洗浄装置は、各フィルタセグメントに関連付けられた部分的洗浄ユニットを有し、上記部分的洗浄ユニットは、上記洗浄装置に沿って動かされることができ、かつ個々の排出口を有する回転可能な排出装置と協働し、個々の上記排出口は、上記洗浄装置内の通過ポイントとの少なくとも部分的な整列配置に持ち込まれ、上記フィルタから流体流を排出することに役立つ、洗浄装置と、
制御装置であって、上記制御装置は部分的洗浄ユニットの少なくとも1つを洗浄のためにアクティブ化するが、一方では、この洗浄の間、部分的洗浄ユニットの少なくとも他の1つは非アクティブのままである、制御装置と、から少なくとも成る。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、液体用の自動逆洗フィルタを開示しており、このフィルタは、入口、濾液出口、及びスラッジ排出口を有するフィルタハウジングから成る。このフィルタ内では、中空駆動シャフト上で同軸的に上下に並んで洗浄装置として配置された1つ以上のマルチチャンバノズルが、部分的洗浄ユニットとして円筒形のフィルタカートリッジ内で回転する。このフィルタカートリッジは、逆洗に関して、フィルタとして機能し、かつ個々のフィルタセグメントに機能的に分割されている。この公知の解決手段はまた、排出装置としても機能する制御チューブを有している。この制御チューブは、マルチチャンバノズルに対して異なる速度で強制的に回転させ、それによって、この結果として、その個々のチャンバは、それまではパッシブなチャンバとして機能していたマルチチャンバノズルがアクティブ化され、かつ同時にそれまでアクティブだったチャンバが閉鎖されるようにゆっくりと制御され、これにより、逆洗のプロセスは、すべてのチャンバがアクティブ化されるまで周期的に継続される。
【0003】
制御チューブが洗浄装置内でマルチチャンバノズルと同じ方向かつ同軸的に回転し続け、その両方はフィルタカートリッジ内で同軸的に一緒に取り付けられ、かつ洗浄装置及び排出装置の駆動部は共通のものである、という事実によって、逆洗体積流量、絶対圧力低下、及び単位時間あたりの圧力低下は低減され、逆洗のプロセスが実質的に高い強度で実施され得る。
【0004】
公知の解決手段は、各々独立したギアステージを備えている洗浄装置及び排出装置の両方のための独立した回転駆動部を必要としているが、もっとも、それらは単一の回転駆動部によって一緒に作動させられることができる。一方で、該回転駆動部は対応する設置スペースを要し、かつ、制御されるべきギアの駆動部のために、電気モータの形式である回転駆動部によって多量の駆動エネルギーが定期的に必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許発明第4208743号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この先行技術に基づき、本発明の目的は、公知のフィルタ装置をさらに改良し、エネルギー効率のよい駆動及び洗浄の改良を伴う省スペースの構成が達成されるようにすることである。請求項1の特徴を全体で有するフィルタ装置は、そのような目的を達成する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の特徴部分によれば、上記制御装置は、カップリング装置を有し、上記カップリング装置は、上記カップリング装置の1つの位置では、共通の回転運動のために上記洗浄装置を上記排出装置に連結し、かつ、上記カップリング装置の他の位置では、それらを互いに連結解除する。本発明による解決方法は、動力伝達ギアを必要とせず、このことは省スペース構成を可能にする。以下の事実は、このことに貢献する。即ち、言及されているカップリング装置は、省スペースな形で、管状の洗浄装置及び洗浄装置内に回転可能に案内された排出装置の各々と同軸的である配置で、収容され、かつフィルタ内部でこれら両方と係合しており、このカップリング装置は、この点においてバスケットのように構成されている、という事実は、上記のことに貢献する。さらに、カップリング装置は、洗浄をエネルギー効率がよいように全体的に改良すべく、洗浄装置及び排出装置の両方を適時制御することを可能にする。このカップリングの解決方法は、コスト効率よく実施することができ、好ましくは、結合位置においては、また洗浄装置は排出装置と共に駆動され、かつ結合解除位置においては、洗浄装置は直近の位置にとどまり、排出デバイスのみが永久的に駆動され続ける。
【0008】
このようにカップリングを用いる制御装置の解決方法の大きな有利な点の1つは、排出装置は永久に駆動され得る一方、洗浄装置はカップリングによって間欠的にのみ駆動される点である。しかしながら、一方では、逆の配置で、洗浄装置を永久的に駆動し、かつ排出装置をカップリングによって間欠的にのみ駆動することも、容易に可能であるので、ここでは適用例に応じて両方の駆動の概念を実施することができる。これ以外にも、逆洗装置の上側及び下側の両方で、カップリング装置をフィルタ装置上に設けることもできるので、モジュラー型設計の概念を実施することができる。従って、先行技術においてこれに相当するものはない。
【0009】
本発明によるフィルタ装置のさらなる好ましい実施形態においては、上記カップリング装置は、制御部品として、爪カップリングを備え、上記爪カップリングの爪は、結合位置では、上記洗浄装置内の凹所と係合され、かつ結合解除位置では、係合解除される、ことが提供される。このようにすると、カップリング内で嵌め込み式の連結が達成され、洗浄装置と排出装置の間での衝撃の少ない結合及び結合解除が可能になる。
【0010】
この例においては、上記制御装置は、好ましくは、さらなる制御部品を備え、さらなる上記制御部品は、上記排出装置の構成部分であり、かつ、上記排出装置の回転運動中、上記カップリング装置が上記洗浄装置によって上昇位置に持ち込まれることによって上記係合解除位置に入るように、上記カップリング装置の制御経路と協働する。この例においては、上記カップリング装置の上記上昇位置への変位運動は、好ましくはエネルギー蓄積器によって支持され、カップリングのための妨げのない動作が達成される。
【0011】
本発明によるフィルタ装置のさらなる好ましい実施形態では、上記部分的洗浄ユニットは、上記洗浄装置の長手方向軸から見て上下に並んで配置され、上記部分的洗浄ユニットは、それらの1つの自由端で、上記フィルタセグメントに沿って運動させられることができ、かつ、それらの他の自由端で、少なくとも部分的には中空なチューブとして設計された上記洗浄装置のそれぞれ関連付けられた上記通過ポイントへと開いている、ことが提供される。この例では、フィルタセグメントは、フィルタボウルの個々のサブユニットを形成することができる。しかしながら、好ましくは、フィルタボウルは全体的に一体的に形成され、各例において、フィルタセグメントによる構造は、個々の部分的洗浄ユニットを有する洗浄装置の機能によってのみ現れる。この点において、個々の部分的ユニットは、フィルタボウルの内周をセグメントごとに通過していくのである。
【0012】
本発明によるフィルタ装置の特に好ましいさらなる実施形態では、さらなる中空なチューブが、上記排出装置の部分として、上記洗浄装置の上記中空なチューブ内に案内され、上記排出装置の上記排出口は、各例における通過ポイントの1つが、次々に排出口の1つとの整列配置に持ち込まれて流体通路を形成し、一方、他の可能な流体通路は、少なくとも部分的には、好ましくは全て、阻止されるように、上記さらなる中空なチューブの周囲に分配される、ことが提供される。逆洗を受けるフィルタの領域のこのようなセグメント化によって、逆洗の強度は増加させられる。即ち、存在する「逆洗エネルギー」は、フィルタの小さな領域に集中させられ、一方では、その結果として、このシステムを用いてより細かい濾過が可能になり、他方では、このシステムはより少ない逆洗体積で処理することができ、環境に有益である。
【0013】
本発明によるフィルタ装置のさらなる好ましい実施形態では、上記カップリング装置の上記制御経路は、上記部分的洗浄ユニットを制御するための個々の経路セグメントに分割され、上記結合状態では、少なくとも1つの流体通路は常にアクティブ化されており、かつ結合解除-結合サイクルを経た後には、少なくとも1つの他の流体通路がアクティブ化され、かつそれぞれのさらなる流体通路は非アクティブ化される、ことが提供される。
【0014】
この例では、さらに好ましくは、上記制御装置は、さらなる第3の制御部品を備え、上記第3の制御部品は、スラストピースとして構成され、その結合位置では上記エネルギー蓄積器の作用に反して上記カップリング装置を保持し、かつ、湾曲セグメントに沿って動作することはできない上記スラストピースが結合動作をできるように、上記カップリング装置の1つの経路セグメントと協働する、ことが提供される。切り替え動作又は結合動作の際、排出装置と洗浄装置の間に生じる角度のずれは、管状の排出装置に分配された排出口の事前設定可能な角度ピッチに対応しているので、この点において、逆洗ユニットのセグメントは次々にアクティブ化される。
【0015】
好ましくは、上記スラストピースと係合している上記湾曲セグメントの長さは、上記カップリング装置の上記結合状態において、上記洗浄のシークエンス内に設けられた上記流体通路が上記洗浄装置と上記排出装置の間で具現化されるように寸法決めされている、ことが提供される。
【0016】
本発明によるフィルタ装置の特に好ましい実施形態では、上記カップリング装置の上記結合状態と上記結合解除状態の間での切り替え動作の間、排出装置が回転し続ける一方で、上記洗浄装置と上記排出装置の間で相対運動が起こる、ことがさらに提供される。排出装置の半径方向の排出口は、回転方向から見て、洗浄装置のそれぞれ割り当て可能な通過ポイントよりも長く構成され得る。このようにして、事前設定可能な角度的重なりが達成され、このことにより、逆洗をそれぞれ受けるフィルタセグメントが、その2つの装置間での相対運動中に洗浄され続けることが確実になる。この点で、逆洗されるフィルタセグメントが360度にわたって洗浄されることも、即ち完全に洗浄されることもまた確実になる。
【0017】
本発明は、以下で、図面による実施形態を参照しつつ、より詳細に説明される。図面は原理的に示され、縮尺どおりではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、1つの作動位置にあるフィルタ装置を貫く、中心を通る長手方向断面図である。
【
図2】
図2は、1つの作動位置にあるフィルタ装置を貫く、中心を通る長手方向断面図であり、
図1によるフィルタ装置をただ部分的に再現している。
【
図3】
図3は、1つの作動位置にあるフィルタ装置を貫く、中心を通る長手方向断面図であり、
図1によるフィルタ装置をただ部分的に再現している。
【
図4】
図4は、
図1から
図3において用いられたカップリング装置を参照した制御装置の一図である。
【
図5】
図5は、
図1から
図3において用いられたカップリング装置を参照した制御装置の一図である。
【
図6】
図6は、
図1から
図3において用いられたカップリング装置を参照した制御装置の一図である。
【
図7】
図7は、
図1から
図3において用いられたカップリング装置を参照した制御装置の一図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、全体として1で示されるフィルタハウジングを有する、本発明によるフィルタ装置の実施形態を示している。該フィルタハウジングは、ポットの形状であるハウジング主部2を有し、ハウジング主部2の基部3上には、ハウジングの長手方向中心軸4と同軸である軸受面5が存在する。基部3に隣接するハウジング空間6へのアクセスとして、未濾過媒体の供給のための側方入口7が設けられ、ハウジング空間6が未濾過媒体側を形成する。上方では、ハウジング主部2は、保持スクリューを用いて取り外し可能に取り付けられたハウジングカバー8によって閉鎖されており、ハウジングカバー8内では、基部3内と同様に、軸受面9が軸4と同軸的に形成されている。濾液出口10であって、側方入口7と並列な位置に配置されており、かつ、運転中に清浄側又は濾液側を形成する隣接するハウジング空間11から濾液がそこを介して流れ出す、濾液出口10が、ハウジング主部2内でハウジングカバー8に隣接して設けられている。全体として13で示され、以下でより詳細に記載される、未濾過媒体入口7の近傍に配置される逆洗フィルタアセンブリは、ハウジング主部2内で、ステップを形成する壁レッジ12の上方に配置される。
【0020】
アセンブリ13は、フィルタバスケットの形状のフィルタ14を備え、フィルタ14は、その自由端面がエンドキャップ15及び16にそれぞれ収容されている。フィルタ14は、フィルタハウジング1内でエンドキャップ15及び16を用いて支持されており、ハウジングカバー8を取り外した後で、フィルタ14をハウジング1から取り外すことができる。フィルタ14の濾材は、支持体17及び18の間に収容されており、内側の支持体18の流体通路ポイントは、そこ以外は連続的に形成されている円柱状の支持体が有する、スロット状の窓開口で形成されている。フィルタ14の濾材は、好ましくは、少なくとも1つの濾過層から成る襞状のフィルタマットウェブから成る。
【0021】
フィルタ14は、個々のフィルタセグメントに機能的に細分化され、かつアセンブリ13は、洗浄装置19を備える。洗浄装置19は、各フィルタセグメントに関連付けられた、部分的洗浄ユニット20、21、及び22を有する。部分的洗浄ユニット20、21、及び22は、洗浄装置に沿って運動させることができ、かつ、個々の排出口24、25、及び26を用いて、回転可能な排出装置23と協働する。排出口24、25、及び26は、洗浄装置19内の流体透過可能な通過ポイント27、28、及び29との少なくとも部分的な整列配置に持ち込まれると、フィルタ14から流体流を排出するのに役に立つ。部分的洗浄ユニット20、21、及び22の各々は、その自由端面に一種のスロット付きノズルを形成している。このスロット付きノズルは、洗浄装置19の一部としての逆洗アーム30を用いてフィルタ14の内周に沿って回転可能に配置されており、中空なチューブの形状である。粒子濾過の過程では、流れは内側から外側へとフィルタ14を通過し、そのプロセスにおいて、流体から除去された粒子コンタミネーションは内側に堆積させられる。清浄側又は濾液側であるハウジング空間11内での濾液圧により、このように堆積させられた粒子コンタミネーションは、外側から内側へと、部分的洗浄ユニット20、21、及び22のそれぞれのスロット付きノズル内へと逆流させられ、そして中空な逆洗アーム30を介して下方軸受点5を通過し、ハウジング空間6とは反対側の底部側からハウジング主部2に係合する、いわゆるスラッジ排出サイド31へと通過していく。この点において、逆洗アーム30の中空なチューブは、底部でスラッジ排出サイド31に媒体伝導可能に連結されている。
【0022】
図1からさらに見ることができるように、すべての部分的洗浄ユニット20、21、及び22は、それぞれのスロット付きノズルがフィルタ14の支持体18の内側に向けられかつ接している状態で、逆洗アーム30上で、鉛直方向で上下に並んだ配置で取り付けられている。これらの部分的洗浄ユニット20、21、及び22の循環案内を改良するために、各例において、バランスアーム32が、逆洗アーム30の上方及び下方に向かう対向する側で、径方向に対向して取り付けられている。電気モータ33が、装置19及び23の回転駆動のために用いられ、この駆動の従動シャフト34は、該排出装置に連結された駆動シャフト36を用い、ジャーナル連結部35を介して、永久的に排出装置23を駆動する。この目的のために、排出口24、25、及び26を有する排出装置23は、中空な逆洗アーム30内へと案内される。中空な逆洗アーム30内に回転可能に配置されたこの排出装置23は、全体的に40で示される制御装置と協働する、ある種の切り替えチューブ38を形成している。
【0023】
特に
図4による断面図が示しているように、従動シャフト34は、電気モータ33によって永久的に駆動され、永久的に回転する。従って、排出装置23のための駆動シャフト36もまた、永久的に回転する。関連付けられている切り替えチューブ38は、好ましくは精密鋼管の管状部分から形成され、自由に回転できるようにするためのすきまばめを介して逆洗アーム30内に取り付けられている。切り替えチューブ38は、長手方向軸4に対して径方向に反対側である2つの滑りキーピース44を介して駆動シャフト36に堅固に連結されているので、従って、電気モータ33の作動中は永久的に一緒に回転する。
図4の図によれば、2つの滑りキーピース44は、切り替えチューブ38を横方向に貫通して半径方向に突出しており、かつカップリング装置42の一部としての切り替えブッシュ46に軸方向の案内を提供し、制御装置40の実質的な一部分である、ある種の摺動シートを形成している。中央の開口で切り替えチューブ38を取り囲んでいる環状の切り替えブッシュ46は、この点で、切り替えチューブ38を中心として配置され、かつ、切り替えチューブ38及び駆動シャフト36のそれぞれに対して、2つの滑りキーピース44を介して接線方向に嵌め込み式で保持されている。前述した滑りキーの案内により、切り替えブッシュ46は電気モータ33の運転中に永久的に回転する。
図4の方向から見ると、切り替えブッシュ46の下方に配置された圧縮ばね48は、全体としてカップリング装置42のためのエネルギー蓄積器を形成し、切り替えブッシュ46に上向きの力を及ぼす。この場合、圧縮ばね48は、その一方の自由端が逆洗アーム30内の凹所内に配置され、かつその反対側の他の自由端が環状の切り替えブッシュ46の肩状の延長部上に着座している。電気モータ33に代わって、油圧駆動モータを用いてもよい。
【0024】
図5からさらにわかるように、逆洗アーム30の上側かつ切り替えブッシュ46の下側の外形は、長手方向軸4に沿って設けられた切り替えブッシュ46の軸方向の可動性により、カップリング装置42の一部としてみなされるべき切り替え可能な爪カップリング50を全体として形成しており、切り替えブッシュ46のための摺動シートを形成する滑りキーピース44は、制御装置40及びカップリング装置42のさらなる制御部品をそれぞれ形成している。爪カップリング50を形成する、洗浄装置19の逆洗アーム30は、その上側に、個々のウェブ52を有するポット形状の中空部を有しており、ウェブ52は、半径方向から見てそれらの間に凹所54を画定している。この凹所54は、切り替えブッシュ56の下側から突出している爪状の突出部56を収容するためであり、かつ、それらの間に、爪カップリング50の結合位置においてはウェブ52がそこで係合するという、内側に窪んだ半径方向セグメント58を有する。
【0025】
図6の図に従って、切り替えブッシュ46が逆洗アーム30に嵌め込まれている場合、カップリング装置42又は爪カップリング50が、それぞれ係合又は連結され、かつ逆洗アーム30は切り替えブッシュ46を介して駆動される。一方、切り替えブッシュ46が圧縮ばね48の作用下で軸方向上方に変位させられ、逆洗アーム30に嵌め込まれていないとき、
図7の図に従って、カップリング装置42は係合解除又は連結解除され、切り替えブッシュ46は切り替えチューブ38と回転を続け、一方で逆洗アーム30は静止している。
図1の図に示されているように、逆洗アーム30が嵌合内部における摩擦ロックによって望まれざる形で動かされることを阻止するために、下方軸受点5の上方の領域で逆洗アーム30の下側にOリング60が設けられており、この点において、逆洗アーム30に一定の制動トルクが生じさせられている。
図6及び7にさらに現れているように、制御装置40の内部には、圧縮ばね48の作用に反して切り替えブッシュ46に上方から力を及ぼすことができる、スラストピース62の形態であるさらなる第3の制御部品が存在する。このように、
図6及び7は、特に、ボールローラの形状であるスラストピース62と圧縮ばね48及び切り替えブッシュ46の相互作用を示している。
図6では係合結合状態が描かれており、かつ
図7では係合解除状態が描かれている。
図6の図によれば、切り替えブッシュ46は、圧縮ばね48によって上方へ押され、切り替えブッシュ46の上側は、ねじ込み部品として設計され上エンドキャップ15に堅く連結されたスラストピース42のボールローラに対して軸受けしている。この点において
図6に示されている状態では、すでに説明したように、爪カップリング50は、切り替えブッシュ46及び逆洗アーム30が一緒に回転するように係合され、切り替えブッシュ46は滑りキーピース44を介して回転運動に沿って切り替えチューブ38を動かす。
【0026】
特に
図5からさらにわかるように、切り替えブッシュ46の上側の外形は、個々の湾曲セグメント66に分割された中空部64を有している。中央湾曲セグメント66は、中空部64の最下点を形成し、かつ他の2つの湾曲セグメント66は、軸方向に不動であるスラストピース62のための進入用の傾斜面を形成している。この傾斜面は、中央湾曲セグメント66からはじまり、さらなる湾曲セグメント68へと外側に向かって開いている。この湾曲セグメント68は、長手方向軸4に直交する水平面を形成し、かつこの点において、切り替えブッシュ46内にスラストピース62のための最も高い進入点を形成する。従って、この点において、中空部64は、傾斜面66を経て切り替えブッシュ46の円柱領域68に移っていく。最も深い湾曲セグメント66を有する中空部64の角度領域において、切り替えブッシュ46は、圧縮ばね48によって軸方向上向きに動かされると、爪カップリング50は
図7の図に従って係合解除される。結果としては、逆洗アーム30は静止しているが、切り替えチューブ38は回転し続け、逆洗アーム30と切り替えチューブ38の間に相対角度のずれが生じさせられる。
図6の図に示されているように、切り替えブッシュ46がスラストピース62によって再び下向きに動かされた場合には、爪カップリング50は再び連結し、上記されたような所望の嵌め込み式の係合が生じる。切り替え作業の過程における、切り替えチューブ38と逆洗アーム30の間の角度のずれは、洗浄装置23の内部構成要素としての切り替えチューブ38にある各々半径方向にずらされた排出口24、25、及び26の、関連付けられた通過ポイント27、28、及び29との角度ピッチ、に対応する。このように、逆洗ユニット10の個々のセグメントは次々にアクティブ化されることができ、このことは、以下でさらに詳細に説明する。
【0027】
先行技術(独国特許出願公開第102017001968号明細書)においては、上下に並んで配置されたすべての部分的洗浄ユニットは、同時かつ一緒に逆洗に用いられる一方、本発明による解決方法は、部分的洗浄ユニットを一度に1つのみ使用することを提供しており、逆洗の改良の文脈においては、他の2つの部分的洗浄ユニットは、逆洗から除外されている。ここで示されている実施形態のように3つの部分的洗浄ユニット20、21、及び22が用いられ得るばかりではなく、本解決方法は、2つのみの部分的洗浄ユニット又は3つよりも多い数の部分的洗浄ユニットでも機能することは理解されたい。ここで、3つよりも多い数の部分的洗浄ユニットは、フィルタバスケットが
図1から
図3に従って示された解決方法よりも大きな軸方向設置長さを有する場合に、特に好適である。
【0028】
従って、
図1による逆洗用フィルタアセンブリ13のセグメント化された構造の解決方法は、下方で能動的に保持されたセグメントを介した逆洗を示している。従って、この点において、逆洗ユニット13は、軸方向で個々のセグメントに分割され、流れは逆洗ユニット13の一回転あたり一度に1つのセグメントを通過するのみである。
図1の図によれば、下方のセグメントは、排出装置23の下排出口24が洗浄装置19の下通過ポイント27と整列配置にあり、それによって流体経路を形成している。切り替えチューブ38及び逆洗アーム30の他の排出口及び通過ポイントは、互いに120度の角度で半径方向にずらされており、洗浄装置19のパイプ壁が排出装置23の排出口25、26に重なっているので、従って逆洗に用いることはできない。
【0029】
前述したように、各例において逆洗されるフィルタ14の領域をセグメント化することによって、逆洗強度は増加され、かつ存在する逆洗エネルギーはフィルタのより小さな領域に集中させられる。一方では、このことは、このシステムを用いてより細かい濾過が可能であることを意味しており、他方では、このシステムはより小さな逆洗体積で稼働できる。フィルタ14についての言及されたセグメント化は、一方では、その各種通過ポイント27、28、及び29により、逆洗アーム30が互いに分離された複数の流路を有するという点で実施され、他方では、切り替えチューブ38が逆洗アーム30の内側に配置されていることが、さらに提供される。そのチューブは周囲で半径方向にずらされた排出口24、25、及び26を有し、言及されている逆洗アーム30の流路は、切り替えチューブ38の逆洗アーム30に関する、120度である特定の相対角度ずれによって次々にアクティブ化される。従って、
図2は、フィルタ14の中央セグメントが逆洗のためにアクティブ化された状態を示しており、その結果としては、内側にある中央の排出口25が、外側にある通過ポイント28と流体透過可能に整列配置にある。その際、他の排出口及び通過ポイントは、再び互いに分離されており、流体通路は逆洗アーム30及び切り替えチューブ38の壁部を経るものである。
【0030】
次に、
図3は、フィルタ14の上部セグメントのアクティブ化を示している。そこでは、排出装置23の上排出口26が、洗浄装置19の上通過ポイント29と流体透過可能な位置にある。各例において、切り替えチューブ38の逆洗アーム30に対する、120度であるこの特定の角度ずれを生み出すことができるようにするためには、即ち、フィルタ14の個々のセグメントを次々にアクティブ化できるようにするためには、爪カップリング50を用いつつ、制御装置40によって逆洗ユニット13内での機械的切り替えプロセスを行う必要がある。それにより、中空部64の湾曲セグメント66は、水平方向に延びている湾曲セグメント68と共に、経路長さの観点から、排出口24、25、及び26の、通過ポイント27、28、及び29に対する、各々120度の角度ずれの切り替えサイクルが、スラストピース62と協働して達成されるように寸法決めされる。
【0031】
上述された実施形態では、切り替えブッシュ46に対する、上方にある対となる軸受は、フィルタバスケット14内に配置されたボールローラである。しかしながら、この対となる軸受はまた、例えば、カム、ピン、又はそれらに類する、他の構成要素によっても形成され得る。同様にして、この対となる軸受はまた、フィルタ内の他の固定された構成要素上にも配置され得るのであって、例えば、上エンドキャップ15の代わりにフィルタハウジング1上に直接配置されてもよい。この切り替え機構の概念はまた、例えば摩擦カップリング、ソレノイド作動式カップリング等の、他の形態の切り替え可能なカップリングによっても実施され得る。部分的洗浄ユニットを2つのみ有する場合、角度ずれは180度であり、4つの部分的洗浄ユニットを有する場合は、90度である。
【国際調査報告】