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特表2024-532090集約信号のための通信装置および通信方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】集約信号のための通信装置および通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/08 20090101AFI20240829BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240829BHJP
   H04W 76/15 20180101ALI20240829BHJP
【FI】
H04W48/08
H04W84/12
H04W76/15
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507144
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(85)【翻訳文提出日】2024-02-06
(86)【国際出願番号】 SG2022050424
(87)【国際公開番号】W WO2023022650
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】10202109139S
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディン イェンイー
(72)【発明者】
【氏名】浦部 嘉夫
(72)【発明者】
【氏名】チトラカール ロジャン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA11
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
本開示は、集約信号を送信および/または受信する通信装置および通信方法を提供し、通信装置は、動作時、複数の動作チャネルの中の一つ以上の動作チャネルを、関連通信装置のグループに割り当てられた信号が送信されることになる前記関連通信装置のグループに通知し、前記関連通信装置のグループに割り当てられた信号および関連通信装置の他のグループに割り当てられた他の信号を生成するように構成されている回路と、動作時、前記信号および前記他の信号を同時に含む集約信号を送信する送信部と、を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作時、複数の動作チャネルの中の一つ以上の動作チャネルを、関連通信装置のグループに割り当てられた信号が送信されることになる前記関連通信装置のグループに通知し、前記関連通信装置のグループに割り当てられた信号および関連通信装置の他のグループに割り当てられた他の信号を生成するように構成されている回路と、
動作時、前記信号および前記他の信号を同時に含む集約信号を送信する送信部と、を備える、
基地通信装置。
【請求項2】
前記回路は、前記集約信号の信号パターンをさらに通知するように構成されている、
請求項1に記載の基地通信装置。
【請求項3】
前記一つ以上の動作チャネルは前記関連通信装置のグループに設定されたプライマリ動作チャネルを含み、前記回路は、前記複数の動作チャネルの中の、前記プライマリ動作チャネルとは異なる他のプライマリ動作チャネルを、前記関連通信装置の他のグループに通知するように構成され、前記送信部は、前記プライマリ動作チャネルで前記関連通信装置のグループに割り当てられた前記信号と、前記他のプライマリ動作チャネルで前記関連通信装置の他のグループに割り当てられた前記他の信号とを同時に含む前記集約信号を送信する、
請求項1または2に記載の基地通信装置。
【請求項4】
前記一つ以上の動作チャネルは、関連付けフェーズで以前に通知され、前記関連通信装置のグループと前記関連通信装置の他のグループの両方で共有されたプライマリ動作チャネル、および前記プライマリ動作チャネルと重ならない一つ以上のセカンダリ動作チャネルを含み、前記送信部は、前記プライマリ動作チャネルで前記関連通信装置のグループと前記関連通信装置の他のグループの両方に割り当てられたプライマリ信号、および前記一つ以上のセカンダリ動作チャネルで前記関連通信装置のグループに割り当てられたセカンダリ信号を同時に含む、前記集約信号を送信する、
請求項1に記載の基地通信装置。
【請求項5】
前記回路は、前記集約信号の複数の許容信号パターンをさらに通知するように構成されている、
請求項4に記載の基地通信装置。
【請求項6】
前記回路は前記一つ以上の動作チャネルを通知するフレームを生成ように構成され、前記送信部は前記集約信号の送信前に前記フレームを送信する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の基地通信装置。
【請求項7】
前記フレームは、前記関連通信装置のグループの関連識別子をさらに含む、
請求項6に記載の基地通信装置。
【請求項8】
前記基地通信装置はさらに、動作時、前記関連通信装置のグループからフィードバック信号を受信する受信部を備え、前記回路はさらに、受信した前記フィードバック信号に基づいて前記セカンダリ信号を生成するか否か判定するように構成されている、
請求項4~7のいずれか一項に記載の基地通信装置。
【請求項9】
前記回路は、前記信号の存在および前記関連通信装置のグループに割り当てられたリソースユニットのうちの一つを通知する信号フィールドをさらに含む、前記集約信号を生成するように構成されている、
請求項4~7のいずれか一項に記載の基地通信装置。
【請求項10】
前記回路は、前記関連通信装置のグループに前記プライマリ信号を割り当てないように構成されている、
請求項9に記載の基地通信装置。
【請求項11】
関連通信装置のグループの関連通信装置であって、
動作時、前記関連通信装置のグループに割り当てられた信号が送信されることになる複数の動作チャネルの中の一つ以上の動作チャネルに関する情報と、前記関連通信装置のグループに割り当てられた信号および関連通信装置の他のグループに割り当てられた他の信号を同時に含む集約信号とを、基地通信装置から受信する受信部と、
動作時、前記集約信号を復号するように構成されている回路と、を備える、
関連通信装置。
【請求項12】
前記情報は、前記集約信号の信号パターンをさらに含む、
請求項11に記載の関連通信装置。
【請求項13】
前記一つ以上の動作チャネルは、前記関連通信装置の他のグループに設定されたものとは異なる、前記関連通信装置のグループに設定されたプライマリ動作チャネルを含み、
前記回路はさらに、前記プライマリ動作チャネルのみで送信される前記関連通信装置のグループに割り当てられた前記信号を含む前記集約信号を復号するように構成されている、
請求項11または12に記載の関連通信装置。
【請求項14】
前記一つ以上の動作チャネルは、関連付けフェーズで以前に通知され、前記関連通信装置のグループと前記関連通信装置の他のグループの両方で共有されたプライマリ動作チャネル、および前記プライマリ動作チャネルと重ならない一つ以上のセカンダリ動作チャネルを含み、前記回路はさらに、前記プライマリ動作チャネルで前記関連通信装置のグループと前記関連通信装置の他のグループの両方に割り当てられたプライマリ信号、および前記一つ以上のセカンダリ動作チャネルで前記関連通信装置のグループに割り当てられたセカンダリ信号を同時に含む、前記集約信号を復号するように構成されている、
請求項11に記載の関連通信装置。
【請求項15】
前記受信部は、前記集約信号の複数の許容信号パターンに関する情報を受信する、
請求項14に記載の関連通信装置。
【請求項16】
前記受信部はさらに、前記一つ以上の動作チャネルを通知するフレームを受信し、前記回路は前記集約信号の復号前に前記フレームを処理するように構成されている、
請求項11~15のいずれか一項に記載の関連通信装置。
【請求項17】
前記関連通信装置はさらに、動作時、前記基地通信装置に、前記集約信号を受信する前に前記セカンダリ信号を生成するか否かを通知するフィードバック信号を送信する送信部を備える、
請求項14~16のいずれか一項に記載の関連通信装置。
【請求項18】
前記集約信号は、前記信号の存在および前記関連通信装置のグループに割り当てられたリソースユニットのうちの一つを通知する信号フィールドをさらに含み、前記回路はさらに、前記信号フィールドに基づいて、前記集約信号が前記関連通信装置に割り当てられた前記信号を含むか否か判定するように構成されている、
請求項14~17のいずれか一項に記載の関連通信装置。
【請求項19】
前記回路は、前記関連通信装置に割り当てられた前記信号を復号すると、前記集約信号の他の信号の復号を停止するように構成されている、
請求項14~18のいずれか一項に記載の関連通信装置。
【請求項20】
複数の動作チャネルの中の一つ以上の動作チャネルを、関連通信装置のグループに割り当てられた信号が送信されることになる前記関連通信装置のグループに通知し、
前記関連通信装置のグループに割り当てられた信号および関連通信装置の他のグループに割り当てられた他の信号を生成し、
前記信号および前記他の信号を同時に含む集約信号を送信する、
通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、全体的に集約信号のための通信装置および通信方法に関し、より具体的には、超高スループット無線ローカルエリアネットワーク(EHT WLAN:extremely high throughput wireless local area network)の状況下で、集約された物理層プロトコルデータユニット(A-PPDU:aggregated Physical Layer Protocol Data Unit)を送信および/または受信する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代WLANの標準化において、IEEE802.11beタスクグループでは、IEEE802.11a/b/g/n/ac/axの技術との互換性が必須である新しい無線アクセス技術が検討されている。
【0003】
IEEE802.11beのEHT WLANにおいて、大帯域幅におけるSTAの世代が混在するトラフィックで良好なスループットゲインを実現するために、複数のPPDUからなるA-PPDUを定めることが提案されている。しかしながら、A-PPDUの下りリンク(DL)送信、特に、選択的なサブチャネル送信(SST:selective subchannel transmisshion)がサポートされていないBSS(basic service set)内の、異なるアメンドのPPDUからなるA-PPDUのDL送信についてはあまり議論されていない。
【0004】
上述の課題を解決するため、集約信号を送信および/または受信する通信装置および通信方法が求められる。さらに、他の望ましい特徴および特性が、添付の図面および本開示の背景技術と併せることで、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0005】
非限定的かつ例示的な実施の形態は、集約信号を送信および/または受信する通信装置および通信方法を提供することに資する。
【0006】
第一の態様において、本開示は、動作時、複数の動作チャネルの中の一つ以上の動作チャネルを、関連通信装置のグループに割り当てられた信号が送信されることになる前記関連通信装置のグループに通知し、前記関連通信装置のグループに割り当てられた信号および関連通信装置の他のグループに割り当てられた他の信号を生成するように構成されている回路と、動作時、前記信号および前記他の信号を同時に含む集約信号を送信する送信部と、を備える、基地通信装置を提供する。
【0007】
第二の態様において、本開示は、関連通信装置のグループの関連通信装置であって、動作時、前記関連通信装置のグループに割り当てられた信号が送信されることになる複数の動作チャネルの中の一つ以上の動作チャネルに関する情報と、前記関連通信装置のグループに割り当てられた信号および関連通信装置の他のグループに割り当てられた他の信号を同時に含む集約信号とを、基地通信装置から受信する受信部と、動作時、前記集約信号を復号するように構成されている回路と、を備える、関連通信装置を提供する。
【0008】
第三の態様において、本開示は、複数の動作チャネルの中の一つ以上の動作チャネルを、関連通信装置のグループに割り当てられた信号が送信されることになる前記関連通信装置のグループに通知し、前記関連通信装置のグループに割り当てられた信号および関連通信装置の他のグループに割り当てられた他の信号を生成し、前記信号および前記他の信号を同時に含む集約信号を送信する、通信方法を提供する。
【0009】
開示されている実施の形態のさらなる恩恵および利点が、本明細書および図面から明らかになるであろう。これらの恩恵および/または利点は、本明細書および図面のさまざまな実施の形態および特徴によって、個別にうることができ、このような恩恵および/または利点の1つまたは複数をうる目的で、実施の形態および特徴すべてを設ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
同様の参照符号が別々の図全体を通して同一または機能的に類似の要素を示し、以下の詳細な説明と共に本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本実施の形態に従って、様々な実施形態を例示し、様々な原理および利点を説明するのに役立つ。
図1】A-PPDUを示す周波数-時間のグラフ
図2】異なるPPDUの組み合わせの4つのA-PPDUを示す図
図3】BSS内で送信される80MHzの信号に割り当てられた、20MHzのプライマリ動作チャネルの4つの異なる位置を示す図
図4】(SST)動作サポートをともなって送信されるA-PPDUを示す周波数-時間のグラフ
図5】SST動作サポートをともなわずに送信されるA-PPDUを示す周波数-時間のグラフ
図6A】順次送信される2つのアメンドのPPDUを示す図
図6B】HE STAとEHT STAの両方に送信される単一のHE PPDUを示す図
図7】A-PPDUにおける非HE(high efficiency)PPDUの、許容帯域幅の割り当てを示す表
図8】本開示に係る通信装置の構成例を示す概略図
図9】本開示の様々な実施形態に係る、A-PPDU送信のための通信方法を示すフローチャート
図10】本開示の第一の実施形態の例に係る、A-PPDU送信の流れを示す図
図11】ビーコンフレームまたはプローブ応答フレームで搬送されるA-PPDUエレメントのフォーマットの例を示す図
図12】本開示の第一の実施形態の他の例に係る、A-PPDU送信の流れを示す図
図13】MU-RTSトリガフレームのフォーマットの例を示す図
図14】MU-RTSトリガフレームのフォーマットの例を示す図
図15】NRFPトリガフレームのフォーマットの例を示す図
図16A】本開示の第一の実施形態の例に係る、非AP STAに送信されるA-PPDUを示す図
図16B】本開示の第一の実施形態の他の例に係る、非AP STAに送信されるA-PPDUを示す図
図17】本開示の第一の実施形態に係る、非AP STAの動作帯域幅および通知された第二プライマリチャネルを示す概略図
図18】本開示の第一の実施形態の例に係る、非AP STAによるA-PPDUの受信のための処理を示すフローチャート
図19】非AP STAの2つの異なるグループのためのチャネル構成の例を示す概略図
図20】非AP STAの2つの異なるグループのためのチャネル構成の他の例を示す概略図
図21】本開示の第一の実施形態のさらに他の例に係る、非AP STAに送信されるA-PPDUを示す図
図22】本開示の第一の実施形態の他の例に係る、非AP STAによるA-PPDUの受信のための処理を示すフローチャート
図23】HE MU PPDUのフォーマットの例を示す図
図24】本開示の第二の実施形態の例に係る、A-PPDUのPPDUおよびそのプリアンブルを示す図
図25A】本開示の第二の実施形態の例に係る、非AP STAに送信されるA-PPDUを示す図
図25B】本開示の第二の実施形態の他の例に係る、非AP STAに送信されるA-PPDUを示す図
図26】本開示の第三の実施形態に係る、異なるアメンドのPPDUのチャネル割り当ての例を示すフロー図
図27】本開示の第三の実施形態の例に係る、非AP STAに送信されるA-PPDUを示す図
図28】本開示の第三の実施形態の他の例に係る、非AP STAに送信されるA-PPDUを示す図
図29】本開示の第三の実施形態の他の例に係る、非AP STAによるA-PPDUの受信のための処理を示すフローチャート
図30】本開示の第四の実施形態の例に係る、A-PPDU送信の流れを示す図
図31】A-PPDU制御サブフィールドのフォーマットの例を示す図
図32】A-PPDUアナウンスフレームのフォーマットの例を示す図
図33】本開示の第四の実施形態の例に係る、非AP STAに送信されるA-PPDUを示す図
図34】本開示の第四の実施形態の例に係る、非AP STAによるA-PPDUの受信のための処理を示すフローチャート
図35】EHT MU PPDUのフォーマットの例を示す図
図36】本開示に係る、通信装置(例えば、AP)の構成を示す図
図37】本開示に係る、通信装置(例えば、STA)の構成を示す図
【0011】
当業者であれば、図中の要素が平易にかつ明確に説明されており、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことが理解できる。例えば、本実施の形態を正確に理解できるようにするために、図、ブロック図、またはフローチャート中の要素のうちのいくつかの寸法は、他の要素に関して誇張されうる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明は単なる例示に過ぎず、実施形態や適用、および実施形態の使用方法を制限する意図ではない。また、先の背景技術やこの詳細な説明で示されたいかなる理論にも縛られる意図はない。さらに、他の望ましい特徴および特性は、添付の図面および本開示の背景と併せて、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0013】
IEEE802.11(Wi-Fi)テクノロジーにおいて、STAとも呼ばれるステーションは、802.11プロトコルを使用する能力を有する通信装置である。IEEE802.11-2020の定義に基づいて、STAは、無線媒体(WM:wireless medium)へのIEEE802.11に準拠したメディアアクセス制御(MAC:media access control)および物理層(PHY:physical layer)インターフェースを含む任意のデバイスとすることができる。
【0014】
例えば、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)環境において、STAは、ノートパソコン、デスクトップパソコン(PC)、携帯情報端末(PDA)、アクセスポイント、またはWi-Fi電話機であり得る。STAは、固定であってもよいし、移動可能であってもよい。WLAN環境では、「STA」、「無線クライアント」、「ユーザ」、「ユーザ機器」、および「ノード」という用語は、しばしば、互換的に使用される。
【0015】
同様に、IEEE802.11(Wi-Fi)テクノロジーにおいて無線アクセスポイント(WAP:wireless access point)とも呼ばれ得るAPは、WLAN内のSTAが有線ネットワークに接続することを可能にする通信装置である。APは、通常、スタンドアロンデバイスとして(有線ネットワークを介して)ルータに接続するが、ルータと一体化されてもよく、またはルータ内に適用されてもよい。
【0016】
上述のように、WLAN内のSTAは、異なる状況でAPとして動作してもよく、逆もまた同様である。これは、IEEE802.11(Wi-Fi)テクノロジーにおける通信装置が、STAのハードウェア構成要素とAPのハードウェア構成要素の両方を含み得るからである。このように、通信装置は、実際のWLAN条件および/または要件に基づいて、STAモードとAPモードとを切り替えることができる。
【0017】
以下の様々な実施形態では、APは、基地通信装置と呼ばれることがあり、基本サービスセット(BSS)内のAPに関連付けられたSTAは、関連通信装置と呼ばれることがある。
【0018】
本開示の様々な実施形態では、「周波数セグメント」という用語は、「チャネル」という用語と互換的に使用されてよく、STAの動作チャネルは、STAが動作している周波数セグメントを意味し得る。本開示では、STAには、他のSTAまたはBSS内のAPとの間で信号を送受信するために一つ以上の動作チャネルが割り当てられてよい。
【0019】
本開示の様々な実施形態において、アメンドは、802.11規格におけるアメンドのことであってよい。異なるアメンドのSTAは、それぞれ異なる802.11規格において提供される動作モードおよび特性で動作するような互換性がある(または構成される)異なる世代のSTAのことであってよい。異なるアメンドのSTAの例として、それぞれ802.11n/ac/ac/be規格で提供される動作モードおよび特性で動作することができるHT(High Throughput)、VHT(Very High Throughput)、HE(High Efficiency)、およびEHT(Extremely High Throughput)のSTAが挙げられる。また、EHT STAよりも新しい世代のSTA(EHT後のアメンドのSTA)は、本開示ではEHT+ STAと呼ばれる。一般に、より新しい世代のSTA(例えば、EHT/EHT+ STA)は、自身の世代のすべての動作と同様、より古い世代の動作も依然として実行することができる(例えば、HE STA)。
【0020】
同様に、異なるアメンドのPPDUは、それぞれ規格において提供される自身の動作を実行するために、異なる世代のSTA(例えば、HE STA、EHT STA、EHT+ STA)によって送受信されるように構成されたPPDU(例えば、HE PPDU、EHT PPDU、EHT+ PPDU)のことであってよい。一般に、より新しい世代のSTA(例えば、EHT/EHT+ STA)は、自身の世代のPPDU(例えば、EHT/EHT+ PPDU)と同様、より古い世代のPPDU(例えば、HE PPDU)も依然として利用することができる。
【0021】
本開示の様々な実施形態では、STAのグループは、集約された信号内の信号(例えば、A-PPDU内のDL PPDU)が割り当てられるかまたは宛てられ得る、BSS内の2つ以上のSTAのことであってよい。一実施形態では、グループは、アメンドに従って分割され、STAのグループは、世代/アメンドのSTAのグループ(例えば、HE STAのグループ、EHT STAのグループ)を指す。別の実施形態では、異なるアメンドのSTAは、特性または動作モードに従ってSTAのグループを形成してもよい。
【0022】
以下の様々な実施形態では、PPDUのプリアンブル内のL-STF、L-LTF、L-SIGフィールド、およびRL-SIGフィールドは、一緒にグループ化され、PPDUのLパートと呼ばれ得る。
【0023】
802.11be EHTは、複数のPPDUからなるA-PPDUを定義することが言及されている。図1は、A-PPDUを示す周波数-時間グラフ100を示す。異なるアメンドのPPDU(この場合、HE PPDU102およびEHT PPDU104)がA-PPDUに含まれる。A-PPDUに構成されるPPDUは、周波数領域/セグメントにおいて、シンボル単位で直交している。換言すると、A-PPDUに含まれるHE PPDU102およびEHT PPDU104は、異なる周波数セグメントで同時に送信される。A-PPDUは、異なるアメンドのSTAへの高効率な同時送信を有利に可能にする。802.11axおよび11beにおいて、選択的サブチャネル送信(SST)は、オプション機能である。SST下では、非AP STAは、プライマリチャネルの代わりに、割り当てられたサブチャネルをリッスンしてよい。しかしながら、SST動作下では、SSTセットアップのオーバーヘッドが必要になる。
【0024】
A-PPDUは、異なる組み合わせを有することができる。図2は、異なるPPDUの組み合わせの4つのA-PPDU200、210、220、230を示す。A-PPDUは、異なる周波数セグメントにおける異なるアメンドのPPDUの組み合わせを有することができる。例えば、A-PPDU200は、HE PPDUとEHT PPDUとの組み合わせを含み、A-PPDU210は、EHT PPDUとEHT+ PPDUとの組み合わせを含み、A-PPDU220は、HE PPDUとEHT PPDUとEHT+ PPDUとの組み合わせを含む。A-PPDUはまた、異なる周波数セグメントにおける同じアメンドのPPDUの組み合わせを有することができる。例えば、A-PPDU230は、2つのEHT/EHT+ PPDUの組み合わせを含む。
【0025】
プライマリ動作チャネル(典型的には20MHzチャネル)は、基本サービスセットのメンバーであるすべてのSTAの動作の共通チャネルであり、一方、BSS内のその他のチャネルはすべてセカンダリチャネルである。プライマリ動作チャネルの位置は、基本サービスセットのAPとSTAとの関連付けフェーズの間にブロードキャストされる。図3は、基本サービスセット(BSS)内で送信される80MHz信号300、310、320、330において割り当てられた20MHzのプライマリ動作チャネルの4つの異なる位置を示す。例えば、20MHzのプライマリ動作チャネルは、信号300、310、320、330のそれぞれにおけるように、最も高い周波数、2番目に高い周波数、2番目に低い周波数、最も低い周波数の20MHzチャネルとすることができる。
【0026】
プライマリ動作チャネルと重複する40/80/160MHzのセグメントはプライマリ40/80/160MHzであり、プライマリ動作チャネルと重複しない40/80/160MHzのセグメントはセカンダリ40/80/160MHzである。
【0027】
考えられる解決策はSST動作でA-PPDUを送信することである。図4は、(SST)動作サポートをともなって送信されるA-PPDUを示す周波数-時間グラフ400を示す。この例では、HE STAは、プライマリ160MHzチャネル上に置かれ、EHT STAは、セカンダリ160MHzチャネル上に置かれる。APは、プライマリ160MHzチャネルのHEPPDUと、セカンダリ160MHzチャネルのEHT PPDUとを含むA-PPDUを送信する。それに対応して、HE STAおよびEHT STAは、自身のアメンドのPPDU、すなわち、HE PPDUまたはEHT PPDUのみを受信する。
【0028】
SSTがサポートされない場合、例えば、APまたはSTAがSSTをサポートしない場合、DL A-PPDU送信の実現は困難である。図5は、SST動作サポートをともなわずに送信されるA-PPDUを示す周波数-時間グラフを示す。この例では、SSTがサポートされないため、すべての関連HE/EHT STAは、プライマリ160MHzチャネルをリッスンする。それに対応して、EHT STAは、HE PPDUのプリアンブルからのみ情報を受信し、したがって、セカンダリ160MHzチャネルにおけるEHT PPDU送信は認識しない。
【0029】
従来、BSSがSSTをサポートしない場合、この問題を解決するために、APは、異なるアメンドのPPDUを順次送信してもよいし、異なるアメンドのすべてのSTAに単一のHE PPDUを送信してもよい。図6Aは、順次送信される2つのアメンドのPPDU602、604を示す。APは、HE STAにプライマリ160MHzチャネルでHE PPDUを送信し、次いで、SIFS(Short Interframe Spacing)の後、プライマリ160MHzチャネルとセカンダリ160MHzチャネルの両方でEHT PPDUを送信する。図6Bは、HE STAとEHT STAの両方に送信される単一のHE PPDU606を示す。APは、SSTがサポートされないとき、集約されたPPDUではなく、単一のHE PPDU606をHE STAとEHT STAとに送信する。
【0030】
本開示によれば、SSTをともなわないDL A-PPDU送信は、APが非AP STAに、サポートされているDL A-PPDUのパラメータを通知することによって実行され得、A-PPDUは、プライマリ動作チャネルと重複するプライマリPPDUおよびプライマリ動作チャネルと重複しない第二のPPDUといった2つ以上のPPDUを含む。なお、2つ以上のPPDUがA-PPDUに含まれる場合、2つ以上のセカンダリPPDUが存在し得る。続いて、パラメータを受信する受信側非AP STAは、プリアンブル復号フェーズの間に、DL PPDUがA-PPDUであるか否か、どのPPDUが割り当てられたデータを搬送するかを判定する。
【0031】
SSTなしのDL A-PPDU送信には3つの種類があり得、それぞれ、本開示の第一、第二、第三の実施形態において説明される。
【0032】
1.静的A-PPDU:送信機会(TXOP)または持続時間中に送信されるA-PPDUは、同じパターンであるものとする
2.動的A-PPDU:TXOP/持続時間中に送信されるA-PPDUは、様々なパターンであり得る
3.半動的A-PPDU:TXOP/持続時間中に送信されるA-PPDUの一部のパラメータは制限されるが、他のパラメータは変化し得る
【0033】
本開示の様々な実施形態は、APが、A-PPDUの中のセカンダリPPDU(セカンダリ動作チャネルにおいて送信されるPPDU)を、SSTをサポートしない、またはSSTをともなわないA-PPDUの受信をサポートしない非AP STAには送信しないという動作想定に基づく。言い換えれば、APは、プライマリ動作チャネルを割り当て、プライマリ動作チャネル内のプライマリPPDUを、SSTをサポートしない、またはSSTをともなわないA-PPDUの受信をサポートしない非AP STAに送信しなければならない。
【0034】
本開示の様々な実施形態では、A-PPDU帯域幅のルールは、SSTがサポートされるかどうかにかかわらず、すべてのA-PPDU送信に適用される。したがって、非AP STAは、帯域幅通知を通じて、A-PPPDU内の受信PPDUの最低周波数を識別し得る。
【0035】
802.11axのPPDU帯域幅ルールに従って、20/40/80/160MHzのHE PPDUは、プライマリ20/40/80/160MHzチャネルにおいて送信される。図7は、A-PPDUにおける非HE(high efficiency)PPDUの、許容帯域幅の割り当てを示す表700を示す。具体的に、
・A-PPDUにおけるHE PPDUおよび他のアメンドの20MHzのPPDUが送信されるとき、他のアメンドの20MHzのPPDUは、20MHzよりも大きいBSS帯域幅内のプライマリ20MHzを除いたいずれかの20MHzで送信され得る。
【0036】
・A-PPDUにおけるHE PPDUおよび他のアメンドの40MHzのPPDUが送信されるとき、他のアメンドの40MHzのものは、40MHzよりも大きいBSS帯域幅内のプライマリ40MHzを除いたいずれかの80MHzセグメントのいずれか半分で送信され得る。
【0037】
・A-PPDUにおけるHE PPDUおよび他のアメンドの80MHzのPPDUが送信されるとき、他のアメンドの80MHzのものは、80MHzよりも大きいBSS帯域幅内のプライマリ80MHzを除いたいずれかの80MHzセグメントで送信され得る。
【0038】
・A-PPDUにおけるHE PPDUおよび他のアメンドの160MHzのPPDUが送信されるとき、他のアメンドの160MHzのものは、160MHzよりも大きいBSS帯域幅内のセカンダリ160MHzで送信され得る。
【0039】
・A-PPDUにHE PPDUが含まれない一方、A-PPDUにおける他のアメンドの20MHzのPPDUが送信されるとき、他のアメンドの20MHzのPPDUは、20MHzよりも大きいBSS帯域幅内のいずれかの20MHzチャネルで送信され得る。
【0040】
・A-PPDUにHE PPDUが含まれない一方、A-PPDUにおける他のアメンドの40MHzのPPDUが送信されるとき、他のアメンドの40MHzのPPDUは、40MHzよりも大きいBSS帯域幅内のいずれかの80MHzセグメントのいずれか半分で送信され得る。
【0041】
・A-PPDUにHE PPDUが含まれない一方、A-PPDUにおける他のアメンドの80MHzのPPDUが送信されるとき、他のアメンドの80MHzのPPDUは、80MHzよりも大きいBSS帯域幅内のいずれかの80MHzセグメントで送信され得る。
【0042】
・A-PPDUにHE PPDUが含まれない一方、A-PPDUにおける他のアメンドの160MHzのPPDUが送信されるとき、他のアメンドの160MHzのPPDUは、160MHzよりも大きいBSS帯域幅内のプライマリ/セカンダリ160MHzで送信され得る。
【0043】
図8は、本開示に係る、通信装置800の構成例を示した概略図である。本開示によると、通信装置800はAPおよびSTAで実現され、集約信号を送信または受信するために構成される。図8に示されるように、通信装置800は、回路814と、少なくとも一つの無線送信部802と、少なくとも一つの無線受信部804と、少なくとも一つのアンテナ812とを含みうる(簡略化のため、説明を目的として一つのアンテナのみが図8に示される)。回路814は、少なくとも一つの制御部806を含んでよい。制御部806は、少なくとも一つの制御部806が実行するように設計されたタスクをソフトウェアおよびハードウェアの支援を受けて実行するように用いられる。タスクとは、MIMO(multiple input and multiple output)無線ネットワーク内の一つまたは複数の他の通信装置との通信の制御を含む。回路814は、少なくとも一つの送信信号生成部808と、少なくとも一つの受信信号処理部810とをさらに含んでよい。少なくとも一つの制御部806は、少なくとも一つの無線送信部802を介して送信されるMACフレーム(例えば、データフレーム、管理フレーム、アクションフレーム)を生成するための少なくとも一つの送信信号生成部808と、一つ以上の他の通信装置から少なくとも一つの無線受信部804を介して受信されるMACフレーム(例えば、データフレーム、管理フレーム、アクションフレーム)を処理するための少なくとも一つの受信信号処理部810とを制御してよい。少なくとも一つの送信信号生成部808および少なくとも一つの受信信号処理部810は、図8に示されるように、上述の機能のために少なくとも一つの制御部806と通信する通信装置800のスタンドアロンモジュールであってよい。あるいは、少なくとも一つの送信信号生成部808および少なくとも一つの受信信号処理部810は、少なくとも一つの制御部806に含まれうる。これらの機能モジュールの配置が柔軟であり、実際の必要性および/または要件に応じて変化してよいことは、当業者には明らかである。データ処理、格納、および他の関連する制御装置は、適切な回路基板上および/またはチップセット内に設けることができる。様々な実施の形態では、動作時、少なくとも一つの無線送信部802、少なくとも一つの無線受信部804、および少なくとも一つのアンテナ812は、少なくとも一つの制御部806によって制御されうる。
【0044】
通信装置800は、動作時、集約信号を送信または受信するために必要な機能を提供する。例えば、通信装置800はAPであってよく、回路814(例えば、回路814の少なくとも一つの送信信号生成部808)は、動作時、複数の動作チャネルの中の一つ以上の動作チャネルを、割り当てられた信号が送信されることになる関連STAのグループに通知し、前記関連STAのグループに割り当てられた信号および関連STAの他のグループに割り当てられた他の信号を生成するように構成され得る。無線送信部802は、動作時、前記信号と前記他の信号とを同時に含む集約信号を送信し得る。
【0045】
一実施形態において、回路814(例えば、回路814の少なくとも一つの送信信号生成部808)は、集約信号の信号パターンをさらに通知するように構成され得る。他の実施形態において、回路814(例えば、回路814の少なくとも一つの送信信号生成部808)は、集約信号の複数の許容信号パターンをさらに通知するように構成され得る。さらに他の実施形態において、回路814(例えば、回路814の少なくとも一つの送信信号生成部808)は、前記信号の存在および前記関連STAのグループに割り当てられたリソースユニットのうちの一つを通知する信号フィールドをさらに含む、前記集約信号を生成するように構成され得る。
【0046】
回路814(例えば、回路814の少なくとも一つの送信信号生成部808)は、前記一つ以上の動作チャネルを通知するフレームを生成ように構成されてよく、無線送信部802は前記集約信号の送信前に前記フレームを送信してよい。
【0047】
無線受信部804は、動作時、前記関連STAのグループからフィードバック信号を受信してよく、回路814(例えば、回路814の少なくとも一つの送信信号生成部808)は、受信した前記フィードバック信号に基づいて前記セカンダリ信号を生成するか否か判定するように構成されていてよい。
【0048】
例えば、通信装置800は、APに関連付けられたSTAのグループのSTAであってよく、無線受信部804は、動作時、前記関連通信装置のグループに割り当てられた信号が送信されることになる複数の動作チャネルの中の一つ以上の動作チャネルに関する情報と、前記STAのグループに割り当てられた信号および関連STAの他のグループに割り当てられた他の信号を同時に含む集約信号とを、前記APから受信してよい。前記回路(例えば、回路814の少なくとも一つの送信信号生成部808)は、前記集約信号を復号してよい。
【0049】
一実施形態において、前記STAのグループに設定されたプライマリ動作チャネルを含む前記一つ以上の動作チャネルが、前記関連STAの他のグループに設定されたものとは異なる場合、前記回路(例えば、回路814の少なくとも一つの送信信号生成部808)は、前記プライマリ動作チャネルのみで送信される前記関連STAのグループに割り当てられた前記信号を含む前記集約信号を復号するように構成されている。
【0050】
一実施形態において、前記一つ以上の動作チャネルが、前記APと前記関連STAとの間の関連付けフェーズで以前に通知され、前記関連STAのグループと前記関連STAの他のグループの両方で共有されたプライマリ動作チャネル、および前記プライマリ動作チャネルと重ならない一つ以上のセカンダリ動作チャネルを含む場合、前記回路(例えば、回路814の少なくとも一つの送信信号生成部808)は、前記プライマリ動作チャネルで前記関連通信装置のグループと前記関連通信装置の他のグループの両方に割り当てられたプライマリ信号、および前記一つ以上のセカンダリ動作チャネルで前記関連通信装置のグループに割り当てられたセカンダリ信号を同時に含む、前記集約信号を復号するように構成されている。
【0051】
無線受信部804は、前記一つ以上の動作チャネルを通知するフレームを受信してよく、前記回路(例えば、回路814の少なくとも一つの送信信号生成部808)は、前記集約信号の復号前に前記フレームを処理するように構成されている。
【0052】
前記回路(例えば、回路814の少なくとも一つの送信信号生成部808)は、前記AP、前記集約信号を受信する前に前記セカンダリ信号を生成するか否かを通知するフィードバック信号を生成するように構成され、無線送信部802は、動作時、前記APに前記フィードバック信号を送信し得る。
【0053】
回路814(例えば、回路814の少なくとも一つの送信信号生成部808)は、前記信号の存在および前記STAのグループに割り当てられたリソースユニットを通知する、前記集約信号の信号フィールドに基づいて、前記集約信号が前記関連通信装置に割り当てられた前記信号を含むか否か判定するように構成されている。
【0054】
回路814(例えば、回路814の少なくとも一つの送信信号生成部808)は、通信装置800に割り当てられた前記信号を復号すると、前記集約信号の他の信号の復号を停止するように構成されている。
【0055】
図9は、本開示の様々な実施形態に係る、A-PPDU送信のための通信方法を示すフローチャート900である。ステップ902において、複数の動作チャネルの中の一つ以上の動作チャネルを、関連通信装置のグループに割り当てられた信号が送信されることになる関連通信装置のグループに通知するステップが実行される。ステップ904では、関連通信装置のグループに割り当てられた信号および関連通信装置の他のグループに割り当てられた他の信号を生成するステップが実行される。ステップ906では、当該信号と当該他の信号とを同時に含む集約信号を送信するステップが実行される。
【0056】
以下の段落では、静的A-PPDUを使用するDL A-PPDU送信に関する本開示の第一の実施形態について説明する。この種類のDL A-PPDU送信では、TXOP/持続時間内には特定の信号パターンのみ許容される。TXOP/期間内のA-PPDU送信に関する信号パターンおよび制限についてのA-PPDU情報(例えば、A-PPDUパラメータ)は、DL A-PPDU送信の前に、意図された非AP STAのグループに通知される。信号パターンまたは制限の例として、アメンドの組み合わせ、PPDUの許容帯域幅、PPDUの許容位置が挙げられる。一つ以上の第二プライマリ動作チャネルもまた、非AP STAに通知されてよい。そのような第二プライマリ動作チャネルは、セカンダリPPDUと重複せず、プライマリ動作チャネルと同様に、意図された非AP STAのグループによってリッスンされる。セカンダリPPDUがあるときは、第二プライマリ動作チャネルはパンクチャされない。静的A-PPDU送信下では、通知されていないA-PPDUパターンは、TXOP/持続時間内で許可されない。
【0057】
A-PPDU情報は、A-PPDU送信前に管理フレーム(MAC(Media Access control)フレーム)を用いてブロードキャストされてよい。図10は、本開示の第一の実施形態の例に係る、A-PPDU送信の流れを示す図1000を示す。APは、TXOP/持続時間内の同じパターンのA-PPDU1004、1006の送信の前に、TXOP/持続時間内のA-PPDU送信に関する信号パターンまたは制限についての情報を搬送する管理フレーム1002を送信してよい。管理フレームの例として、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、マルチユーザ送信要求(MU-RTS:multi-user Request-To-Send)トリガフレーム、ヌルデータパケット(NDP)フィードバックレポートポーリング(NRFP)トリガフレームが挙げられる。
【0058】
図11は、ビーコンフレームまたはプローブ応答フレームで搬送されるA-PPDUエレメント1100のフォーマットの例を示す。A-PPDUエレメント1100は、A-PPDUの組み合わせフィールドと第二プライマリチャネル情報フィールドとを含む。A-PPDUの組み合わせフィールドは、A-PPDUに含まれるPPDUの許容されるアメンドおよび/または最大数についての情報を含み得る。第二プライマリチャネル情報フィールドは、第二プライマリチャネルのチャネル番号についての情報を含み得る。なお、ビーコンフレームは、APによって周期的に送信され、ネットワークに関する情報をアナウンスし、ブロードキャストされた情報は、ビーコン間隔(TXOPよりも大きくてもよい)を通じて有効である。
【0059】
図12は、本開示の第一実施形態の他の例に係る、A-PPDU送信の流れを示す図1200を示す。APは、TXOP/持続時間内のA-PPDU送信に関する信号パターンまたは制限を搬送するMU-RTSトリガフレーム1202をSTAに送信してよい。なお、MU-RTSトリガフレームは、通常、ネットワーク割り当てベクトル(NAV:network allocation vector)保護を設定するためにTXOP開始時に送信され、ブロードキャストされた情報は、TXOPを通じて有効である。トリガフレーム1202を受信するSTAは、フィードバック信号1204(例えば、CTS(Clear-to-send)信号)をAPに返信することになる。その後、TXOP/持続時間内に、APは、STAに割り当てられた信号を含むA-PPDU1206を送信する。そして、信号を受信し復号するSTAは、APにブロックACKフレーム1208を送信する。
【0060】
MU-RTSトリガフレーム1202は、フレーム制御フィールド、持続時間フィールド、受信者アドレス(RA)フィールド、送信者アドレス(TA)フィールド、共通情報フィールド、一つ以上のユーザ情報フィールド、パディングフィールド、およびフレームチェックシーケンス(FCS)フィールドを含む、現在の規格から再利用および修正されたものであり得る。フレーム制御フィールド、持続時間フィールド、RAフィールド、およびTAフィールドは、MACヘッダとしてグループ化されてよい。共通情報フィールドは、トリガタイプサブフィールド、モアトリガフレーム(TF)サブフィールド、CS要求サブフィールド、UL帯域幅(BW)サブフィールド、ガード間隔(GI)およびロングトレーニングフィールド(LTF)タイプサブフィールド、LDPC余剰シンボルセグメント、AP Tx電力サブフィールド、Pre-FECパディングファクタサブフィールド、パケット拡張(PE)Disambiguityサブフィールド、UL空間再利用サブフィールド、ドップラサブフィールド、およびUL HE-SIG-A2予備サブフィールドを備える。
【0061】
図13および図14はそれぞれ、MU-RTSトリガフレーム1202のフォーマットの例を示す。一実施形態では、MU-RTSトリガフレームの共通情報フィールドの、UL長、MU-MIMO HE-LTFモード、HE-LTFシンボルの数およびMidamble周期、UL STBC、LDPC余剰シンボルセグメント、AP Tx電力、Pre-FECパディングファクタ、PE Disambiguity、UL空間再利用、ドップラ、およびUL HE-SIG-A2予備サブフィールドがリザーブされ、リザーブされたフィールド1302、1304、1306の一部は再利用され、それぞれA-PPDU情報フラグサブフィールド1302、A-PPDUの組み合わせサブフィールド1304、第二プライマリチャネル情報フィールド1306を形成する。A-PPDU情報フラグサブフィールド1302は、A-PPDU情報関連フィールドの存在を通知する。A-PPDUの組み合わせサブフィールド1304は、A-PPDU情報を通知する。第二プライマリチャネル情報フィールド1306は、第二プライマリチャネルのチャネル番号を通知し得る。
【0062】
別の実施形態では、図14に示すように、ユーザ情報フィールドのUL HE-MCS、UL FEC符号化タイプ、UL DCM、SS割り当て/RA-RU情報、およびUL目標受信電力フィールドがリザーブされ、リザーブされたフィールドの一部は、A-PPDU情報フラグサブフィールド1402、A-PPDUの組み合わせサブフィールド1404、および第二プライマリチャネル情報フィールド1406を形成するために再利用される。同様に、A-PPDU情報フラグサブフィールド1402は、A-PPDU情報関連フィールドの存在を通知する。A-PPDUの組み合わせサブフィールド1404は、A-PPDU情報を通知する。第二プライマリチャネル情報フィールド1406は、第二プライマリチャネルのチャネル番号を通知し得る。
【0063】
NRFPトリガフレームは、フレーム制御フィールド、持続時間フィールド、RAフィールド、TAフィールド、共通情報フィールド、ユーザ情報フィールド、パディングフィールド、およびFCSフィールドを含む、現在の規格から再利用および修正されたものであり得る。フレーム制御フィールド、持続時間フィールド、RAフィールド、およびTAフィールドは、MACヘッダとしてグループ化されてよい。ユーザ情報フィールドは、開始AIDフィールド、フィードバックタイプフィールド、上りリンク(UL)目標受信電力フィールド、空間多重ユーザ数フィールド、ならびに2つの予備フィールド(9ビットおよび7ビット)を含む。図15は、NRFPトリガフレーム1500のフォーマットの例を示す。ユーザ情報フィールド内の2つの予備フィールドは再利用され、A-PPDUの組合せフィールドと第二プライマリチャネル情報フィールドとを形成し、A-PPDUの組合せサブフィールドはA-PPDU情報を通知し、第二プライマリチャネル情報フィールドは第二プライマリチャネルのチャネル番号を通知し得る。802.11axでリザーブされているフィードバックタイプフィールドの値「1」は、「A-PPDUのサポートフィードバック要求」を通知するために使用される。なお、NFRPトリガフレームによってブロードキャストされるA-PPDU情報は、TXOP/持続時間を通じて有効である。
【0064】
非AP STAによってNFRPトリガフレーム1500を受信すると、要請された非AP STAは、NDPフィードバック報告応答におけるFEEDBACK_STATUSビットのRU_TONE_SET_INDEXを再利用することによって、TXOP/持続時間において通知されたA-PPDUをサポートするか否かをフィードバックする。
【0065】
本開示によれば、APによる静的A-PPDU送信は、非AP STAによる並行復号とともに実行される。非AP STAは、プライマリチャネルおよび通知された第二プライマリチャネルを並行して、または同時にリッスンし、復号する。APからPPDUを受信すると、非AP STAは、(1)有効なセカンダリPPDU信号が検出されるか否かを判定することによって、(2)PPDUにおけるRU割り当ての復号結果の2つのオプションのうちの少なくとも1つを通じて、受信PPDUがA-PPDUであるか否かを判定する。
【0066】
有効なセカンダリPPDU信号の検出、およびA-PPDUの判定の例として、非AP STAが、プライマリ40MHzチャネルにおけるHE PPDU、および第三の40MHzチャネルにおけるEHT PPDUを検出することが挙げられる。このオプションでは、非AP STAのグループの受信側非AP STAは、PHYバージョン識別子(ID)、帯域幅、およびBSSカラーをチェックするため、HE-SIG-A/U-SIGフィールドまで復号する必要がある。受信側非AP STAは、プライマリPPDUの帯域幅外にある有効なセカンダリPPDU信号が検出されると、プライマリPPDUでの復号を停止する。2つ以上の有効なセカンダリPPDUが検出された場合、受信側非AP STAは、より高い周波数のPPDUを復号し続ける。このオプションでは、APは、プライマリチャネルおよび他のサブチャネルを同時にリッスンするSTAに、A-PPDUのプライマリPPDU内のデータを送信しないものとする。
【0067】
図16Aは、本開示の第一の実施形態の例に係る、非AP STAに送信されるA-PPDU1600を示す。A-PPDU1600は、第一および第二の40MHzチャネル(P40およびS40)で送信されるHE PPDU1602と、第三および第四の40MHzチャネル(T40およびF40)で送信されるEHT PPDU1604とを含む。この例では、第一の実施形態のオプション1のもとで、受信側非AP STAは、LパートからHE-SIG-AフィールドおよびU-SIGフィールドまで復号してよく、この場合、T40(第三の40MHzチャネル)においてそこに割り当てられた有効なセカンダリPPDU信号があることを検出する。そして、非AP STAは、プライマリPPDUの復号を停止し、T40のEHT-SIGフィールド1 1653およびEHT-SIGフィールド2 1663を含むセカンダリPPDUの復号を継続する。この例では、より高い周波数セグメントにおける複製フィールドが、より低い周波数セグメントにおける対応するフィールドを復号した後に復号されないと想定すると、A-PPDU1600を復号するために最低限必要な部分は、プライマリ40MHzチャネルのHE PPDU1602のLパート1611およびHE-SIG-Aフィールド1612と、T40のEHT PPDU1604のLパート1651、U-SIGフィールド1652、EHT-SIGフィールド1 1653、EHT-SIGフィールド2 1663、およびデータフィールド1654と、である。
【0068】
オプション2に関して、受信PPDUにおけるRU割り当ての復号結果は、非AP STAがHE-SIG-B/EHT-SIGフィールドにおけるRU割り当てフィールドを復号するときに判定され得る。したがって、このオプションでは、非AP STAは、HE-SIG-B/EHT-SIGフィールド内のRU割り当てフィールドまで復号し、自身の割り当てRUを見つけたら復号を停止する必要がある。このオプションでは、APは、プライマリサブチャネルと第二プライマリサブチャネルとを同時にリッスンする非AP STAに、A-PPDUのプライマリPPDU内のデータを送ってよい。
【0069】
図16Bは、本開示の第一の実施形態の他の例に係る、非AP STAに送信されるA-PPDU1605を示す。A-PPDU1605は、第一および第二の40MHzチャネル(P40およびS40)で送信されるHE PPDU1606と、第三および第四の40MHzチャネル(T40およびF40)で送信されるEHT PPDU1608とを含む。この例では、第一の実施形態のオプション2のもとで、受信側非AP STAは、Lパートから、HE PPDU1606のHE-SIG-BフィールドおよびEHT PPDU1608のEHT-SIGフィールドのRU割り当てフィールドまで並行して復号してよく、この場合、T40においてそこに割り振られたRUを検出する。そして、非AP STAは、自身の割り当てRUを見つけると、プリアンブルの復号を停止する。A-PPDUのプリアンブルを復号した後、非AP STAは、T40のデータフィールド1654において、自身の割り当てデータを見つける。この例では、より高い周波数セグメントにおける複製フィールドが、より低い周波数セグメントにおける対応するフィールドを復号した後に復号されないと想定すると、この例におけるA-PPDU1605を復号するために最低限必要な部分は、P40のHE-PPDU1606のLパート1616、HE-SIG-Aフィールド1617、HE-SIG-Bフィールド1 1618、およびHE-SIG-Bフィールド2 1628と、T40のEHT PPDU1604のLパート1651、U-SIGフィールド1652、EHT-SIGフィールド1 1653、EHT-SIGフィールド2 1663、およびデータフィールド1654と、である。
【0070】
APがビーコン/プローブ応答フレームまたはMU-RTSトリガフレームを再利用してA-PPDU情報を送信し、A-PPDU送信の前に第三の40MHzチャネルで第二プライマリチャネルを通知する場合、APは、並列復号をサポートするすべての非AP STAが二つ以上のチャネルをリッスンすると想定する。例えば、SSTをともなわないA-PPDUの受信や復号部の最大数といったSTAの能力が、APに知られ得る。一方、非AP STAは、フレームを受信すると、その動作帯域幅や能力に基づいて、追加のサブチャネルをリッスンするか否かを判定し、決定する。
【0071】
APがNFRPトリガフレームを再利用する場合、非AP STAは、NFRPトリガフレームの受信時にフィードバック信号を送信し、APは、フィードバックに基づいて、非AP STAにA-PPDUのセカンダリPPDUを送信するか否かを判定し、決定する。
【0072】
図17は、本開示の第一の実施形態に係る、非AP STAの動作帯域幅および通知された第二プライマリチャネルを示す概略図1700を示す。この例では、第二プライマリチャネルは、第三の40MHzチャネルの低い方の20MHzとして通知され、非AP STAの動作帯域幅は、80MHZより小さい。通知された第二プライマリチャネルは自身の動作帯域幅から外れていると判定され、非AP STAは、プライマリチャネルのみをリッスンし、追加のチャネルはリッスンしない。APは、A-PPDUのプライマリPPDUではないPPDUは非AP STAに送信しない。
【0073】
並列復号には、PPDUの数に等しい復号部が必要とされるという影響がある。追加のシグナリングは必要とされないが、高い復号化負荷を伴う。
【0074】
図18は、本開示の第一の実施形態の例に係る、非AP STAによるA-PPDUの受信のための処理を示すフローチャート1800を示す。ステップ1802において、A-PPDU情報を通知するフレームを受信するステップが実行される。ステップ1804において、非AP STAが、A-PPDU情報内のA-PPDUの通知されたパターンの受信をサポートができるか否かを判定するステップが実行される。非AP STAがサポート可能であると判定された場合はステップ1806が実行され、そうでない場合はステップ1807が実行される。ステップ1806では、プライマリチャネルおよび通知されたサブプライマリチャネル(または第二プライマリチャネル)を並行してリッスンするステップが実行される。ステップ1808では、PPDUを受信するステップが実行される。ステップ1810では、プライマリチャネルおよび通知されたサブプライマリチャネルにおけるプリアンブルを復号するステップが実行される。ステップ1812では、受信PPDUがA-PPDUであるか否かを判定するステップが実行される。A-PPDUであると判定された場合はステップ1814が実行され、そうでない場合はステップ1815が実行される。ステップ1814において、割り当てられたデータを搬送するサブPPDU(セカンダリPPDU)を見つけるステップが実行され、処理は終了してよい。
【0075】
ステップ1807において、非AP STAがA-PPDUの通知されたパターンの受信をサポートできないと判定された後、プライマリチャネルで受信されたPPDUのプリアンブルをリッスン、復号するステップが実行され、処理は終了してよい。ステップ1815において、受信PPDUがA-PPDUでないと判定された後、PPDUを通常のPPDUとして扱い、サブプライマリチャネルの復号を停止するステップが実行され、処理は終了してよい。
【0076】
本開示によれば、APによる静的A-PPDU送信は、各非AP STAがAPによって通知される単一の20MHzチャネルをリッスンするという現仕様の制約とともに実行される。これは、(1)異なるグループの非AP STAに異なるプライマリ動作チャネルを割り当てること、および(2)非AP STAの各グループが複数のプライマリ動作チャネルを有すること、という二つのオプションの少なくとも一つを通じて実現される。
【0077】
非AP STAの異なるグループが異なるプライマリチャネルを有するオプション1では、APは、非AP STAの異なるグループに対して異なる動作プライマリチャネルを通知する。通知されたプライマリ動作チャネルは、通知されたA-PPDUパターンと一致すべきである。一方、非AP STAの各グループは、BSSの寿命の間、通知されたプライマリチャネルのみをリッスンする。APは、ビーコンを含むフレームと、対応するプライマリ/第二プライマリチャネルと重なるグループ宛てのフレームとを、非AP STAの各グループに送信する。
【0078】
図19は、非AP STAの2つの異なるグループのためのチャネル構成の例を示す概略図1900を示す。この例では、グループは、アメンドによって非AP HE STAと非AP EHT STAとに分割される。プライマリ160MHzチャネル(P160)におけるHE PPDUおよびセカンダリ160MHzチャネル(S160)におけるEHT PPDUのA-PPDUパターンが通知される。APは、2つのプライマリチャネルを、P160およびS160において非AP HE STAおよび非AP EHT STAにそれぞれ通知し得る。図19に示すように、非AP HE STAは、プライマリチャネル1のみをリッスンし、非AP EHT STAは、プライマリチャネル2のみをリッスンする。
【0079】
非AP STAの各グループが複数のプライマリ動作チャネルを有し、グループがアメンドによって分割され得るオプション2に関して、APは、非AP STAの各グループが1つのプライマリ動作チャネルと1つの第二プライマリチャネルとを認識するように、プライマリ動作チャネル(STAのすべてのグループに共通)および1つの第二プライマリチャネルを非AP STAの各グループ(例えば、非APのポストHE STA)に通知してよい。非AP STAの各グループの第二プライマリチャネルは、通知されたA-PPDUパターンと一致するべきである。したがって、ポストHE非AP STAの各グループは、通知された第二プライマリチャネルのみをリッスンするが、通常のPPDUを受信するためにプライマリチャネルに切り替え、その後、第二プライマリチャネルに再び戻ることができる。APは、第二プライマリチャネルをリッスンする時間間隔(すなわち、切り替え間隔)を、第二プライマリチャネル情報とともに通知する。APは、対応するプライマリ/第二プライマリチャネルと重なるPPDUからなるA-PPDUを、非AP STAの各グループに送信する。
【0080】
図20は、非AP STAの2つの異なるグループのためのチャネル構成の他の例を示す概略図2000を示す。この例では、グループは、アメンドによって非AP HE STAと非AP EHT STAとに分割される。プライマリ160MHzチャネル(P160)におけるHE PPDUおよびセカンダリ160MHzチャネル(S160)におけるEHT PPDUのA-PPDUパターンが通知される。APは、P160において非AP HE STAおよび非AP EHT STAにプライマリチャネルを通知する一方、非AP EHT STAに追加の第二プライマリチャネルを通知し得る。図20に示すように、非AP HE STAはプライマリチャネルのみをリッスンし、非AP EHT STAは第二プライマリチャネルのみをリッスンする。しかしながら、EHT非AP STAは、プライマリチャネルの位置を依然として認識しており、必要に応じてそちらに切り替えることができる。
【0081】
図21は、本開示の第一の実施形態のさらに他の例に係る、非AP STAに送信されるA-PPDU2100を示す。A-PPDUは、第一および第二の40MHzチャネル(P40およびS40)で送信されるHE PPDU2102と、第三および第四の40MHzチャネル(T40およびF40)で送信されるEHT PPDU2104とを含む。この例では、T40のプライマリ動作チャネル(または、非AP STAが主に動作している第二プライマリ動作チャネル)が非AP STAに割り当てられ、したがって、非AP STAは、T40のみをリッスンする。この例では、非AP STAは、T40で送信されたEHT PPDUから復号してよく、T40のデータフィールド2154内に自身の割り当てデータを見つける。この例では、より高い周波数セグメントにおける複製フィールドが、より低い周波数セグメントにおける対応するフィールドを復号した後に復号されないと想定すると、この例におけるA-PPDU2100を復号するために最低限必要な部分は、T40のEHT PPDU2104のLパート2151、U-SIGフィールド2152、EHT-SIGフィールド1 2153、EHT-SIGフィールド2 2163、およびデータフィールド2154である。これは、802.11axと同じ復号化負荷を有利にもたらす。
【0082】
図22は、本開示の第一の実施形態の他の例に係る、非AP STAによるA-PPDUの受信のための処理を示すフローチャート2200を示す。ステップ2202において、A-PPDU情報およびプライマリ/第二プライマリチャネルを通知するフレームを受信するステップが実行される。ステップ2204では、通知されたプライマリ/第二プライマリチャネルをリッスンするステップが実行される。ステップ2206において、PPDUを受信するステップが実行される。ステップ2208では、リッスンされたプライマリ/第二プライマリチャネルのプリアンブルを復号するステップが実行される。ステップ2210において、割り当てデータを見つけるステップが実行される。
【0083】
以下の段落では、動的A-PPDUを使用するDL A-PPDU送信に関連する本開示の第二の実施形態が説明され、ここで、A-PPDUパターンは動的であり得る。この実施形態では、PPDUのパラメータ、例えば、帯域幅/重複サブチャネル(A-PPDU BWルールに従う)およびA-PPDUに含まれるアメンドの組み合わせは、TXOP/持続時間内で動的であることができる。TXOP/持続時間中のA-PPDUの存在は、例えば、ビーコン/プローブフレームまたはMU-RTSトリガフレームを使用して、APによって通知されてよい。第一の実施形態と同様に、APは、その動作帯域幅、能力、および/またはフィードバックに基づいて、A-PPDUのセカンダリPPDUを非AP STAに送信するか否かを決定し、非AP STAは、その動作帯域幅および能力に基づいて、(プライマリチャネル以外の)いずれかのセカンダリチャネルをリッスンするか否かを判定し、決定する。
【0084】
この実施形態では、非AP STAは、A-PPDU内のセカンダリPPDUのプライマリチャネルおよびすべての可能な最も低い40MHzを並列または同時にリッスンし、復号する。1つのオプション(オプション1)では、A-PPDUのプリアンブルに含まれるA-PPDU通知のためのシグナリングは存在しない。APからPPDUを受信すると、非AP STAは、(i)有効なセカンダリPPDU信号が検出されるかどうかを判定すること、および/または(ii)PPDUにおけるRU割り当ての復号結果を通じて、受信PPDUがA-PPDUであるか否かを、A-PPDUプリアンブルにおけるA-PPDU通知のためのシグナリングなしに判定する。
【0085】
受信側非AP STAは、有効なセカンダリPPDUが検出されたか否かを判定して、受信PPDUがA-PPDUであるか否かを判断する場合、非AP STAグループの受信側非AP STAは、PHYバージョンID、帯域幅、およびBSSカラーを確認するため、HE-SIG-A/U-SIGフィールドまで復号する必要がある。受信側非AP STAは、プライマリPPDUの帯域幅外にある有効なセカンダリPPDU信号が検出されると、プライマリPPDUでの復号を停止する。2つ以上の有効なセカンダリPPDUが検出された場合、受信側非AP STAは、より高い周波数のPPDUを復号し続ける。このオプションでは、APは、プライマリチャネルおよび他のサブチャネルを同時にリッスンするSTAに、A-PPDUのプライマリPPDU内のデータを送信しないものとする。
【0086】
一方、受信側非AP STAは、受信PPDUがA-PPDUであるか否かを、PPDUにおけるRU割り当ての復号結果に基づいて判断する場合、受信側非AP STAは、HE-SIG-B/EHT-SIGフィールドのRU割り当てフィールドまで復号する必要がある。受信側非AP STAは、割り当てられたRUを見つけると、復号を停止する。この場合、APは、プライマリサブチャネルと第二プライマリサブチャネルとを同時にリッスンする非AP STAに、A-PPDUのプライマリPPDU内のデータを送ってよい。
【0087】
A-PPDU通知のためのシグナリングなしで受信PPDUがA-PPDUであるか否かを決定するためのこのオプションの影響は、少なくともBW/40の復号部数が必要とされることである(BWは、受信側非AP STAの動作帯域幅)。
【0088】
また、他のオプション(オプション2)では、A-PPDUのプリアンブルに含まれるA-PPDU通知のための(例えば、L-SIGフィールド中の)シグナリングが存在する。APからPPDUを受信すると、非AP STAは、プライマリPPDUおよびセカンダリPPDUのL-SIGフィールドの第4ビット(B4)を用いて、受信PPDUがA-PPDUであるか否かを判断する。
【0089】
図23は、HE MU PPDU2300のフォーマットの例を示す。HE MU PPDU2300は、L-STF(short training field)、L-LTF、L-SIGフィールド、RL-SIGフィールド、HE-SIG Aフィールド、HE-SIG Bフィールド、HE-STFフィールド、HE-LTFフィールド、およびデータフィールドを含む。L-STF、L-LTF、L-SIGフィールド、およびRL-SIGフィールドは、一緒にグループ化され、Lパートと呼ばれることがある。L-SIGフィールドは、RATEフィールド、予備フィールド、長さフィールド、パリティフィールド、およびテールフィールドを含む。L-SIGフィールドのB4はリザーブされ、送信時には0に設定され、受信時には無視される。プライマリPPDUのL-SIGフィールドのB4が1に設定される場合、A-PPDU送信およびセカンダリPPDUの存在が通知される。サブチャネルのL-SIGのB4が0に設定される場合、セカンダリPPDUの最も低い周波数が通知される。したがって、受信側非AP STAは、様々なサブチャネルのL-SIGフィールド内の通知を読み取るときに、セカンダリPPDUの考えられる位置を知ることになるため、他の40MHzサブチャネルでの復号を停止することができる。受信側非AP STAは、考えられるセカンダリPPDUのBSSカラーが確認されるまで、プライマリチャネルを復号化し続ける。このオプションでは、APは、プライマリサブチャネルと第二プライマリサブチャネルとを同時にリッスンする非AP STAに、A-PPDUのプライマリPPDU内のデータを送信してはならない。
【0090】
図24は、本開示の第二の実施形態の例に係る、A-PPDU2400のPPDUおよびそのプリアンブルを示す。この例では、4つの40MHzチャネルがあり、各々が2つに細分され、合計8つの20MHzサブチャネルを形成することができる。80MHzのEHT PPDUは、第三の40MHzチャネル(T40)で送信され、40MHzのHE PPDUは、プライマリ40MHzチャネル(P40)で送信される。表2410は、それぞれの20MHzサブチャネルにおいて送信されるPPDUのプリアンブルおよびデータフィールドの内訳を示す。P40において送信されるHE PPDU(プライマリPPDU)は、各20MHzサブチャネルにレガシープリアンブルおよび、後続のHEプリアンブルとデータフィールドとを含む。プライマリPPDUのレガシープリアンブルのL-SIGフィールドのB4ビットは、セカンダリPPDUの存在を通知するために1に設定される。T40において送信されるEHT PPDU(セカンダリPPDU)は、各20MHzサブチャネルにレガシープリアンブルおよび、後続のEHTプリアンブルとデータフィールドとを含む。T40で送信されるセカンダリPPDUのレガシープリアンブルのL-SIGフィールドのB4ビットは、セカンダリPPDUの最も低い周波数を通知するために0に設定される。したがって、受信側非AP STAは、それがA-PPDUであると判定し、セカンダリPPDUがT40より上から送信される。
【0091】
図25Aは、本開示の第二の実施形態の例に係る、非AP STAに送信されるA-PPDU2500を示す。A-PPDUは、P40およびS40で送信されるHE PPDU2502と、T40およびF40で送信されるEHT PPDU2504とを含む。この例では、非AP STAが、A-PPDUのプリアンブルに含まれるA-PPDU通知のためのシグナリングなしでPPDUがA-PPDUであるか否かを判定する第二の実施形態のオプション1の下で、非AP STAは、P40およびセカンダリPPDUの考えられるすべての最も低い40MHz(この場合、S40、T40、F40)を同時にリッスンおよび復号する。具体的に、非AP STAは、HE PPDU2502およびEHT PPDU2504のすべてのサブチャネルにおいて、LパートからHE-SIG-B/EHT SIGフィールドまで並行して復号してよく、この場合、非AP STAは、T40においてそれに割り当てられたRUを検出する。そして、非AP STAは、割り当てられたRUを見つけると、プリアンブルの復号を停止する。A-PPDUのプリアンブルを復号した後、非AP STAは、T40のデータフィールド2554において、自身の割り当てデータを見つける。この例では、A-PPDU2500を復号するために最低限必要な部分は、P40のHE PPDU2502のLパート2511、HE-SIG-Aフィールド2512、HE-SIG-Bフィールド1 2513、およびHE-SIG-Bフィールド2 2523と、S40のHE PPDU2502の複製Lパート2531、2541、および複製HE-SIG-Aフィールド2532、2542と、T40のEHT PPDU2504のLパート2551、U-SIGフィールド2552、EHT-SIGフィールド1 2553、EHT-SIGフィールド2 2563、およびデータフィールド2554と、F40のEHT PPDU2504の複製Lパート2571、2581、および複製U-SIGフィールド2572、2582と、である。
【0092】
図25Bは、本開示の第二の実施形態の他の例に係る、非AP STAに送信されるA-PPDU2505を示す。A-PPDUは、P40およびS40で送信されるHE PPDU2506と、T40およびF40で送信されるEHT PPDU2508とを含む。この例では、非AP STAが、A-PPDUのプリアンブルに含まれるA-PPDU通知のためのシグナリングをともなってPPDUがA-PPDUであるか否かを判定する第二の実施形態のオプション2の下で、非AP STAは、P40およびセカンダリPPDUの考えられるすべての最も低い40MHz(この場合、S40、T40、F40)を同時にリッスンおよび復号する。具体的に、非AP STAは、P40のLパート2516およびHE-SIG-Aフィールド2517を復号してよい。受信側非AP STAは、Lパート2516のL-SIGフィールドのB4が1に設定されてセカンダリPPDUの存在を通知していることを検出し得る。そして、受信側非AP STAは、セカンダリPPDUの位置を決定するため、S40、T40およびF40でLパートのL-SIGフィールドを確認してよい。非AP STAは、T40のLパート2556のL-SIGフィールドのB4が、セカンダリPPDUの最も低い周波数および位置を通知する0に設定されていることを検出し、セカンダリPPDUの復号を継続し、T40のデータフィールド2559で自身の割り当てデータを見つけ得る。この例では、A-PPDU1605を復号するための最低限必要な部分は、P40のHE PPDU2506のLパート2516、HE-SIG-Aフィールド2517、HE-SIG-Bフィールド1 2518、およびHE-SIG-B2 2528と、S40のHE PPDU2506のLパート2536、2546の一部と、T40のEHT PPDU2504のLパート2556、U-SIGフィールド2557、EHT-SIGフィールド1 2558、EHT-SIGフィールド2 2568、およびデータフィールド2559と、F40のEHT PPDU2506のLパート2576、2586の一部と、である。
【0093】
以下の段落では、半動的A-PPDUを使用するDL A-PPDU送信に関する本開示の第三の実施形態が説明され、A-PPDUにおけるPPDUのいくつかのパラメータ(例えば、帯域幅/重複サブチャネル)は動的であり得るが、依然としてA-PPDU BWルールに従う。
【0094】
この実施形態では、並列復号サブチャネルの数を低減することで復号部の数を低減するために、A-PPDUに対するいくつかの制約が適用され、DL A-PPDU送信の前にブロードキャストされる。制約の例として、異なるPPDU間の周波数の最小距離や、A-PPDUに含まれるPPDUの最大数が挙げられる。
【0095】
APは、A-PPDU情報および制約を通知するため、ビーコン/プローブ応答フレームまたはMU-RTSトリガフレームを用いてよい。第一および第二の実施形態と同様に、APは、その動作帯域幅、能力、および/またはフィードバックに基づいて、A-PPDUのセカンダリPPDUを非AP STAに送信するか否かを決定し、非AP STAは、その動作帯域幅および能力に基づいて、(プライマリチャネル以外の)いずれかのセカンダリチャネルをリッスンするか否かを判定し、決定する。
【0096】
図26は、本開示の第三の実施形態に係る、異なるアメンドのPPDUのチャネル割り当てを示すフロー図2600を示す。この例では、異なるPPDU間の80MHzの最小距離が通知され、A-PPDUのHE PPDUがプライマリ40MHzチャネル(P40)で送信される場合、A-PPDUのEHT PPDUの考えられる最も低い周波数は、第三または第四の40MHzチャネル(T40またはF40)であるべきである。
【0097】
この実施形態では、非AP STAは、A-PPDU内のセカンダリPPDUのプライマリチャネル、および(通知されたパラメータに基づいて決定される)他のすべての最も低い40MHzを並列または同時にリッスンし、復号する。1つのオプション(オプション1)では、A-PPDUのプリアンブルに含まれるA-PPDU通知のためのシグナリングは存在しない。なお、非AP STAは、データを復号するために必要とされるすべての情報を取得するために、最大で40MHzのプリアンブルを判定する必要がある。APからPPDUを受信すると、非AP STAは、(i)有効なセカンダリPPDU信号が検出されるかどうかを判定すること、および/または(ii)PPDUにおけるRU割り当ての復号結果を通じて、受信PPDUがA-PPDUであるか否かを、A-PPDUプリアンブルにおけるA-PPDU通知のためのシグナリングなしに判定する。
【0098】
受信側非AP STAは、有効なセカンダリPPDUが検出されたか否かを判定して、受信PPDUがA-PPDUであるか否かを判断する場合、非AP STAグループの受信側非AP STAは、PHYバージョンID、帯域幅、およびBSSカラーを確認するため、HE-SIG-A/U-SIGフィールドまで復号する必要がある。受信側非AP STAは、プライマリPPDUの帯域幅外にある有効なセカンダリPPDU信号が検出されると、プライマリPPDUでの復号を停止する。2つ以上の有効なセカンダリPPDUが検出された場合、受信側非AP STAは、より高い周波数のPPDUを復号し続ける。このオプションでは、APは、プライマリチャネルおよび他のサブチャネルを同時にリッスンするSTAに、A-PPDUのプライマリPPDU内のデータを送信しないものとする。
【0099】
一方、受信側非AP STAは、受信PPDUがA-PPDUであるか否かを、PPDUにおけるRU割り当ての復号結果に基づいて判断する場合、受信側非AP STAは、HE-SIG-B/EHT-SIGフィールドのRU割り当てフィールドまで復号する必要がある。受信側非AP STAは、割り当てられたRUを見つけると、復号を停止する。この場合、APは、プライマリサブチャネルと第二プライマリサブチャネルとを同時にリッスンする非AP STAに、A-PPDUのプライマリPPDU内のデータを送ってよい。
【0100】
図27は、本開示の第三の実施形態の例に係る、非AP STAに送信されるA-PPDU2700を示す。A-PPDUは、P40およびS40で送信されるHE PPDU2702と、T40およびF40で送信されるEHT PPDU2704とを含む。この例では、非AP STAが、A-PPDUのプリアンブルに含まれるA-PPDU通知のためのシグナリングなしでPPDUがA-PPDUであるか否かを判定する第三の実施形態のオプション1の下で、非AP STAは、P40およびセカンダリPPDUの他のすべての最も低い40MHz(この場合、T40およびF40)を同時にリッスンおよび復号する。具体的に、非AP STAは、HE PPDU2702およびEHT PPDU2704のLパートからHE-SIG-B/EHT SIGフィールドまで並行して復号してよく、この場合、非AP STAは、T40においてそれに割り当てられたRUを検出する。そして、非AP STAは、割り当てられたRUを見つけると、プリアンブルの復号を停止する。A-PPDUのプリアンブルを復号した後、非AP STAは、T40のデータフィールド2754において、自身の割り当てデータを見つける。この例では、より高い周波数セグメントでの複製フィールドが、より低い周波数セグメントで対応するフィールドを復号した後に復号されないことを想定すると、この例でA-PPDU2700を復号するために最低限必要な部分は、P40のHE PPDU2702のLパート2711、HE-SIG-Aフィールド2712、HE-SIG-Bフィールド1 2713、およびHE-SIG-B2 2723と、T40のEHT PPDU2704のLパート2751、U-SIGフィールド2752、EHT-SIGフィールド1 2753、EHT-SIGフィールド2 2763、およびデータフィールド2754と、F40のEHT PPDU2704の複製Lパート2771および複製U-SIGフィールド2772と、である。
【0101】
また、他のオプション(オプション2)では、A-PPDUのプリアンブルに含まれるA-PPDU通知のための(例えば、L-SIGフィールド中の)シグナリングが存在する。APからPPDUを受信すると、非AP STAは、プライマリPPDUおよびセカンダリPPDUのL-SIGフィールドの第4ビット(B4)を用いて、受信PPDUがA-PPDUであるか否かを判断する。
【0102】
第二の実施形態と同様に、L-SIGフィールドにおけるB4は、A-PPDUのプリアンブルに含まれるA-PPDU通知のシグナリングとして使用することができる。L-SIGフィールドのB4はリザーブされ、送信時には0に設定され、受信時には無視される。プライマリPPDUのL-SIGフィールドのB4が1に設定される場合、A-PPDU送信およびセカンダリPPDUの存在が通知される。サブチャネルのL-SIGのB4が0に設定される場合、セカンダリPPDUの最も低い周波数が通知される。したがって、受信側非AP STAは、様々なサブチャネルのL-SIGフィールド内の通知を読み取るときに、セカンダリPPDUの考えられる位置を知ることになるため、他の40MHzサブチャネルでの復号を停止することができる。受信側非AP STAは、考えられるセカンダリPPDUのBSSカラーが確認されるまで、プライマリチャネルを復号化し続ける。このオプションでは、APは、プライマリサブチャネルと第二プライマリサブチャネルとを同時にリッスンする非AP STAに、A-PPDUのプライマリPPDU内のデータを送信してはならない。
【0103】
図28は、本開示の第三の実施形態の他の例に係る、非AP STAに送信されるA-PPDU2800を示す。A-PPDUは、P40およびS40で送信されるHE PPDU2802と、T40およびF40で送信されるEHT PPDU2804とを含む。この例では、非AP STAが、A-PPDUのプリアンブルに含まれるA-PPDU通知のためのシグナリングをともなってPPDUがA-PPDUであるか否かを判定する第三の実施形態のオプション2の下で、非AP STAは、プライマリ40MHzチャネル(P40)、およびセカンダリPPDUの他のすべての最も低い40MHz(この場合、T40およびF40)を同時にリッスンおよび復号する。具体的に、非AP STAは、P40のLパート2816およびHE-SIG-Aフィールド2817を復号してよい。受信側非AP STAは、Lパート2816のL-SIGフィールドのB4が1に設定されてセカンダリPPDUの存在を通知していることを検出し得る。そして、受信側非AP STAは、セカンダリPPDUの位置を決定するため、他の40MHzチャネルのLパート2856、2876のL-SIGフィールドを確認してよい。受信側非AP STAは、T40のLパート2856のL-SIGフィールドのB4が0に設定されて、セカンダリPPDUの最も低い周波数および位置を通知していることを検出し得る。非AP STAは、HE PPDU2802およびEHT PPDU2804のHE-SIG-B/EHT SIGフィールドまで並行して復号してよく、この場合、非AP STAは、T40においてそれに割り当てられたRUを検出する。そして、非AP STAは、自身の割り当てRUを見つけると、プリアンブルの復号を停止する。A-PPDUのプリアンブルを復号した後、非AP STAは、T40のデータフィールド2859において、自身の割り当てデータを見つける。この例では、より高い周波数セグメントでの複製フィールドが、より低い周波数セグメントで対応するフィールドを復号した後に復号されないことを想定すると、この例でA-PPDU2800を復号するために最低限必要な部分は、P40のHE PPDU2802のLパート2816、HE-SIG-Aフィールド2817、HE-SIG-Bフィールド1 2818、およびHE-SIG-Bフィールド2 2828と、T40のEHT PPDU2704のLパート2856、U-SIGフィールド2857、EHT-SIGフィールド1 2858、EHT-SIGフィールド2 2868、およびデータフィールド2859と、F40のEHT PPDU2804の複製Lパート2876の一部と、である。
【0104】
半動的A-PPDUのこのオプションには、A-PPDUパターンに柔軟性があり、完全な動的A-PPDUよりも復号化負荷が低いが、静的A-PPDUと比較してより多くの復号部が必要とされる、という影響がある。
【0105】
図29は、本開示の第三の実施形態の他の例に係る、非AP STAによるA-PPDUの受信のための処理を示すフローチャート2900を示す。ステップ2902において、A-PPDU情報を通知するフレームを受信するステップが実行される。ステップ2904において、非AP STAが、A-PPDUの通知されたパターンの受信をサポートができるか否かを判定するステップが実行される。非AP STAがサポート可能であると判定された場合はステップ2906が実行され、そうでない場合はステップ2907が実行される。ステップ2906では、プライマリチャネルおよびセカンダリPPDUの考えられる他の最も低い周波数を並行してリッスンするステップが実行される。ステップ2908において、PPDUを受信するステップが実行される。ステップ2910では、プライマリチャネルおよびセカンダリサブPPDUの考えられる他の最も低い周波数のプリアンブルを並行して復号するステップが実行される。ステップ2912において、PPDUがA-PPDUであるか否かを判定するステップが実行される。A-PPDUが判定された場合はステップ2914が実行され、そうでない場合はステップ2915が実行される。ステップ2914において、割り当てデータを搬送したPPDUを見つけるステップが実行され、処理は終了してよい。
【0106】
ステップ2907において、非AP STAがA-PPDUの通知されたパターンの受信をサポートできないと判定された後、プライマリチャネルで受信されたPPDUのプリアンブルをリッスン、復号するステップが実行され、処理は終了してよい。ステップ2915において、PPDUがA-PPDUではないと判定された後、PPDUを通常のPPDUとして扱い、セカンダリPPDUの考えられる他の最も低い周波数での復号を停止するステップが実行され、処理は終了してよい。
【0107】
以下の段落では、後続のPPDU送信のためのA-PPDU情報を通知するために、前に送信された信号(例えば、MACフレーム、A-制御フィールドを搬送するフレーム)を使用する、先行する通知をともなうDL A-PPDU送信に関する、本開示の第四の実施形態が示される。
【0108】
図30は、本開示の第四の実施形態の例に係る、A-PPDU送信の流れを示す図3000を示す。APは、後続のA-PPDU送信のためのA-PPDU情報を含む非HT/HE PPDU3002を送信し得る。A-PPDU情報は、セカンダリPPDUの非AP STAのグループ(例えば、意図された受信STA)のAIDと、セカンダリPPDUの最も低い周波数または第二プライマリチャネル番号とを含んでよい。例えば、APは、第三の40MHzチャネル(T40)のみにおいてプリアンブルをリッスン、復号することを非AP STAに通知してよい。SIFSの後、APは、PPDU3002の受信を確認応答するSTAのグループからブロックAckフレーム3004を受信し得る。そして、他のSIFSの後、APはA-PPDUを送信することができる。この例では、APは、P40およびS40のHE PPDU3008と、T40およびF40のEHT PPDU3006とを含むA-PPDUを送信する。非AP STAのグループは、先行するPPDU3002で通知されたように、最も低い周波数/または第二プライマリチャネルのみ(すなわちT40)においてEHT PPDU3006をリッスンし、復号する。なお、APは、意図された非AP STAがチャネルを切り替えられるようにするため、先行するPPDU3002に追加のパケット拡張パッドを追加してよい。
【0109】
図31は、PPDUによって搬送されるフレームのA-PPDU制御サブフィールド3100のフォーマットの例を示す。フレームのA-PPDU制御サブフィールドは、後続のA-PPDU送信を通知するために使用することができ、制御IDフィールドおよび制御情報フィールドを含んでよく、制御情報フィールドは、第二プライマリチャネルフィールドと、時間設定フィールドと、AIDリストとを含む。第二プライマリチャネルフィールドは、フレームを搬送するPPDUの受信後に意図されたSTAがリッスンする第二プライマリチャネルのチャネル番号を示す。時間設定フィールドは、意図されたSTAが第二プライマリチャネルをリッスンする必要がある時間を通知してよい。AIDリストは、意図されたSTAのAIDを含む。代替の実装態様では、A-PPDU制御サブフィールドを搬送するフレームのターゲット受信者が意図されたSTAである。別の代替実装形態では、通知されたアメンドのすべてのSTAが意図されたSTAであるように、意図されたアメンドが通知される。
【0110】
図32は、A-PPDUアナウンスフレーム3200のフォーマットの例を示す。A-PPDUアナウンスフレーム3200は、後続のA-PPDU送信を通知するために使用することができ、フレーム制御フィールド、持続時間フィールド、RAフィールド、TAフィールド、A-PPDUパラメータフィールド、AIDリストフィールド、およびFCSフィールドを含み得る。RAフィールドはブロードキャストアドレスとして設定される。A-PPDUパラメータフィールドは、フレームを搬送するPPDUの受信後に意図されたSTAがリッスンする第二プライマリチャネルのチャネル番号を示す第二プライマリチャネルフィールドと、意図されたSTAが第二プライマリチャネルをリッスンする必要がある時間を示す時間設定フィールドとを含む。AIDリストフィールドは、意図されたSTAのAIDを含む。
【0111】
図33は、本開示の第四の実施形態の例に係る、非AP STAに送信されるA-PPDU3300を示す。この例では、非AP STAは、T40において第二プライマリチャネルを通知する先行PPDUを復号していてよく、したがって、後続のA-PPDU送信においてT40をリッスンするのみであってよい。非AP STAは、P40およびS40のHE PPDU3302と、T40およびF40のEHT PPDU3304とを含むA-PPDU3300を受信すると、T40のみをリッスンし、T40のEHT PPDU3304を復号し、T40のデータフィールド3354に自身の割り当てデータを見つける。この例では、より高い周波数セグメントにおける複製フィールドが、より低い周波数セグメントにおける対応するフィールドを復号した後に復号されないと想定すると、この例におけるA-PPDU3300を復号するために最低限必要な部分は、T40のEHT PPDU3304のLパート3351、U-SIGフィールド3352、EHT-SIGフィールド1 3353、EHT-SIGフィールド2 3363、およびデータフィールド3354である。
【0112】
先行の信号を使用してA-PPDUを通知するこの実施形態には、A-PPDUパターンに柔軟性があり、802.11axと同じ復号化負荷および復号部の数を有するという影響がある。
【0113】
図34は、本開示の第四の実施形態に係る、非AP STAによるA-PPDUの受信のための処理を示すフローチャート3400を示す。ステップ3402において、後続のA-PPDU送信の情報を通知するフレームを受信するステップが実行される。ステップ3404において、通知された第二プライマリチャネルをリッスンするステップが実行される。ステップ3406では、PPDUを受信するステップが実行される。ステップ3408では、第二プライマリチャネルにおいてプリアンブルを復号し、第二プライマリチャネルで割り当てデータを見つけるステップが実行され、処理は終了してよい。
【0114】
本開示によれば、EHT+の装置が市場に出ると、EHT PPDUがA-PPDUのプライマリPPDUになることができる。この場合、EHT PPDUのU-SIGフィールドのDisregardサブフィールドのビットは、A-PPDU送信およびセカンダリPPDUの存在を通知するために再利用することができる。
【0115】
図35は、EHT MU PPDU3500のフォーマットの例を示す。EHT MU PPDU3500は、L-STF、L-LTF、L-SIGフィールド、RL-SIGフィールド、U-SIGフィールド、EHT-SIGフィールド、EHT-STFフィールド、EHT-LTFフィールド、およびデータフィールドを含む。U-SIGフィールドは、さらに、PHYバージョンIDフィールド、BWフィールド、UL/DLフィールド、BSSカラーフィールド、TXOPフィールド、Disregardフィールド、およびValidateフィールドを含む。EHT MU PPDU3500のU-SIGフィールドのDisregardフィールドは、EHT PPDUがプライマリPPDUになるとき、A-PPDU送信と、(例えば、EHT+ STAに割り当てられる)セカンダリPPDUの存在とを通知するために再利用することができる。
【0116】
図36は、本開示に係る、通信装置(例えばAP)の構成を示す。図8に示される通信装置800の概略例と同様に、通信装置3600は、回路3602と、少なくとも一つの無線送信部3610と、少なくとも一つの無線受信部3612と、少なくとも一つのアンテナ3614とを含みうる(簡略化のため、一つのアンテナのみが図36に示される)。回路3602は、制御部3608が集約信号のための通信を実行するように設計されたタスクをソフトウェアおよびハードウェアの支援を受けて実行するように用いられる少なくとも一つの制御部3608を含んでよい。回路3602は、送信信号生成部3604および受信信号処理部3606をさらに含み得る。少なくとも一つの制御部3608は、送信信号生成部3604および受信信号処理部3606を制御してよい。送信信号生成部3604は、フレーム生成部3622、制御信号生成部3624、およびPPDU生成部3626を含み得る。フレーム生成部3622は、MACフレーム(例えば、A-PPDUアナウンスフレーム、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、MU-RTSトリガフレーム、NFRPトリガフレーム)を生成してよい。制御信号生成部3624は、生成されるPPDUの制御シグナリングフィールド(例えば、HE PPDUのHE-SIG-AフィールドおよびHE-SIG-Bフィールド、EHT PPDUのU-SIGフィールドおよびEHT-SIGフィールド)を生成してよい。PPDU生成部3626は、PPDU(例えば、HE/EHT/EHT+PPDU)を生成してよい。
【0117】
受信信号処理部3606は、受信信号のデータ部分(例えば、HE/EHT/EHT+PPDUのデータフィールド)を復調および復号できるデータ復調/復号部3634を含み得る。受信信号処理部3606はさらに、受信信号の制御シグナリング部分(例えば、HE PPDUのHE-SIG-AおよびHE-SIG-B、EHT PPDUのU-SIGフィールドおよびEHT-SIGフィールド)を復調および復号できる制御復調/復号部3634を含み得る。少なくとも一つの制御部3608は、制御信号パーサ3642およびスケジューラ3644を含み得る。スケジューラ3644は、下りリンク送信の割り当てのためのRU情報およびユーザ固有の割り当て情報と、上りリンク送信の割り当てのためのトリガ情報とを決定してよい。制御信号パーサ3642は、受信信号の制御シグナリング部分と、スケジューラ3644によって共有される上りリンクMU送信の割り当てのためのトリガ情報とを分析し、データ復調/復号部3632が受信信号のデータ部分を復調、復号するのを支援してよい。
【0118】
図37は、本開示に係る、通信装置(例えばSTA)の構成を示す。図8に示される通信装置800の概略例と同様に、通信装置3700は、回路3702と、少なくとも一つの無線送信部3710と、少なくとも一つの無線受信部3712と、少なくとも一つのアンテナ3714とを含みうる(簡略化のため、一つのアンテナのみが図37に示される)。回路3702は、制御部3708が集約信号のための通信を実行するように設計されたタスクをソフトウェアおよびハードウェアの支援を受けて実行するように用いられる少なくとも一つの制御部3708を含んでよい。回路3702は、受信信号処理部3704と、送信信号生成部3706とをさらに含み得る。少なくとも一つの制御部3708は、受信信号処理部3704および送信信号生成部3706を制御してよい。受信信号処理部3704は、データ復調/復号部3732と、制御復調/復号部3734とを含み得る。制御復調/復号部3734は、受信信号の制御シグナリング部分(例えば、EHT MU PPDUのU-SIGフィールドおよびEHT-SIGフィールド)を復調および復号してよい。データ復調/復号部3732は、RU情報および自身の割り当てのユーザ固有割り当て情報に従って、受信信号のデータ部分(例えば、EHT MU PPDUのデータフィールド)を復調および復号してよい。
【0119】
少なくとも一つの制御部3708は、制御信号パーサ3742、スケジューラ3744、およびトリガ情報パーサ3746を含み得る。制御信号パーサ3742は、受信信号の制御シグナリング部分(例えば、EHT MU PPDUのU-SIGフィールドおよびEHT-SIGフィールド)を分析し、データ復調/復号部3732が受信信号のデータ部分(例えば、EHT MU PPDUのデータフィールド)を復調および復号するのを支援してよい。トリガ情報パーサ3748は、受信信号のデータ部分に含まれる受信トリガフレームから、自身の上りリンク割り当てのためのトリガ情報を分析してよい。送信信号生成部3704は、生成されるPPDUの制御シグナリングフィールド(例えば、HE PPDUのHE-SIG-AフィールドおよびHE-SIG-Bフィールド、EHT PPDUのU-SIGフィールドおよびEHT-SIGフィールド)を生成することができる制御シグナリング生成部3724を含み得る。送信信号生成部3704は、PPDU(例えば、HE/EHT/EHT+PPDU)を生成するPPDU生成部3726をさらに含み得る。送信信号生成部3704はさらに、MACフレーム(例えば、A-PPDUアナウンスフレーム、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、MU-RTSトリガフレーム、NFRPトリガフレーム)を生成することができるフレーム生成部3722を含み得る。
【0120】
上述のように、本開示の実施形態は、SSTのサポートをともなわずにA-PPDUを送受信する通信方法および通信装置を提供する。
【0121】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、または、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的にまたは全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的にまたは全体的に、一つのLSIまたはLSIの組み合わせによって制御されうる。LSIは個々のチップから設定され得、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから設定されうる。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサまたは専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理またはアナログ処理として実現されうる。さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0122】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。
【0123】
通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウォッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物または移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、および上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0124】
通信装置は、持ち運び可能または移動可能なものに限定されず、持ち運びできないまたは固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーターまたは計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在してよいあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0125】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0126】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続または連結される、制御部やセンサ等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、制御部やセンサが含まれる。
【0127】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【0128】
前述の実施例の詳細な説明において例示的な実施形態を示したが、多数の変形例が存在することを理解されたい。さらに、例示的な実施形態は一例にすぎず、本開示の範囲、適用性、動作、または構成をいかなるかたちでも限定することを意図していないことも理解されよう。むしろ、前述の詳細な説明は、例示的な実施形態を実施するために有用なロードマップを当業者に提供するものであり、添付の請求の範囲に記載された本開示の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に記載された機能、手順の配置、および動作方法に様々な変更を加えることができることが理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25A
図25B
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
【手続補正書】
【提出日】2024-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作時、複数の動作チャネルの中の一つ以上の動作チャネルを、関連通信装置のグループに割り当てられた信号が送信されることになる前記関連通信装置のグループに通知し、前記関連通信装置のグループに割り当てられた信号および関連通信装置の他のグループに割り当てられた他の信号を生成するように構成されている回路と、
動作時、前記信号および前記他の信号を同時に含む集約信号を送信する送信部と、を備える、
基地通信装置。
【請求項2】
前記回路は、前記集約信号の信号パターンをさらに通知するように構成されている、
請求項1に記載の基地通信装置。
【請求項3】
前記一つ以上の動作チャネルは前記関連通信装置のグループに設定されたプライマリ動作チャネルを含み、前記回路は、前記複数の動作チャネルの中の、前記プライマリ動作チャネルとは異なる他のプライマリ動作チャネルを、前記関連通信装置の他のグループに通知するように構成され、前記送信部は、前記プライマリ動作チャネルで前記関連通信装置のグループに割り当てられた前記信号と、前記他のプライマリ動作チャネルで前記関連通信装置の他のグループに割り当てられた前記他の信号とを同時に含む前記集約信号を送信する、
請求項に記載の基地通信装置。
【請求項4】
前記一つ以上の動作チャネルは、関連付けフェーズで以前に通知され、前記関連通信装置のグループと前記関連通信装置の他のグループの両方で共有されたプライマリ動作チャネル、および前記プライマリ動作チャネルと重ならない一つ以上のセカンダリ動作チャネルを含み、前記送信部は、前記プライマリ動作チャネルで前記関連通信装置のグループと前記関連通信装置の他のグループの両方に割り当てられたプライマリ信号、および前記一つ以上のセカンダリ動作チャネルで前記関連通信装置のグループに割り当てられたセカンダリ信号を同時に含む、前記集約信号を送信する、
請求項1に記載の基地通信装置。
【請求項5】
前記回路は、前記集約信号の複数の許容信号パターンをさらに通知するように構成されている、
請求項4に記載の基地通信装置。
【請求項6】
前記回路は前記一つ以上の動作チャネルを通知するフレームを生成ように構成され、前記送信部は前記集約信号の送信前に前記フレームを送信する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の基地通信装置。
【請求項7】
前記フレームは、前記関連通信装置のグループの関連識別子をさらに含む、
請求項6に記載の基地通信装置。
【請求項8】
前記基地通信装置はさらに、動作時、前記関連通信装置のグループからフィードバック信号を受信する受信部を備え、前記回路はさらに、受信した前記フィードバック信号に基づいて前記セカンダリ信号を生成するか否か判定するように構成されている、
請求項4または5に記載の基地通信装置。
【請求項9】
前記回路は、前記信号の存在および前記関連通信装置のグループに割り当てられたリソースユニットのうちの一つを通知する信号フィールドをさらに含む、前記集約信号を生成するように構成されている、
請求項4または5に記載の基地通信装置。
【請求項10】
前記回路は、前記関連通信装置のグループに前記プライマリ信号を割り当てないように構成されている、
請求項9に記載の基地通信装置。
【請求項11】
関連通信装置のグループの関連通信装置であって、
動作時、前記関連通信装置のグループに割り当てられた信号が送信されることになる複数の動作チャネルの中の一つ以上の動作チャネルに関する情報と、前記関連通信装置のグループに割り当てられた信号および関連通信装置の他のグループに割り当てられた他の信号を同時に含む集約信号とを、基地通信装置から受信する受信部と、
動作時、前記集約信号を復号するように構成されている回路と、を備える、
関連通信装置。
【請求項12】
前記情報は、前記集約信号の信号パターンをさらに含む、
請求項11に記載の関連通信装置。
【請求項13】
前記一つ以上の動作チャネルは、前記関連通信装置の他のグループに設定されたものとは異なる、前記関連通信装置のグループに設定されたプライマリ動作チャネルを含み、
前記回路はさらに、前記プライマリ動作チャネルのみで送信される前記関連通信装置のグループに割り当てられた前記信号を含む前記集約信号を復号するように構成されている、
請求項11または12に記載の関連通信装置。
【請求項14】
前記一つ以上の動作チャネルは、関連付けフェーズで以前に通知され、前記関連通信装置のグループと前記関連通信装置の他のグループの両方で共有されたプライマリ動作チャネル、および前記プライマリ動作チャネルと重ならない一つ以上のセカンダリ動作チャネルを含み、前記回路はさらに、前記プライマリ動作チャネルで前記関連通信装置のグループと前記関連通信装置の他のグループの両方に割り当てられたプライマリ信号、および前記一つ以上のセカンダリ動作チャネルで前記関連通信装置のグループに割り当てられたセカンダリ信号を同時に含む、前記集約信号を復号するように構成されている、
請求項11に記載の関連通信装置。
【請求項15】
前記受信部は、前記集約信号の複数の許容信号パターンに関する情報を受信する、
請求項14に記載の関連通信装置。
【請求項16】
前記受信部はさらに、前記一つ以上の動作チャネルを通知するフレームを受信し、前記回路は前記集約信号の復号前に前記フレームを処理するように構成されている、
請求項11または12に記載の関連通信装置。
【請求項17】
前記関連通信装置はさらに、動作時、前記基地通信装置に、前記集約信号を受信する前に前記セカンダリ信号を生成するか否かを通知するフィードバック信号を送信する送信部を備える、
請求項14または15に記載の関連通信装置。
【請求項18】
前記集約信号は、前記信号の存在および前記関連通信装置のグループに割り当てられたリソースユニットのうちの一つを通知する信号フィールドをさらに含み、前記回路はさらに、前記信号フィールドに基づいて、前記集約信号が前記関連通信装置に割り当てられた前記信号を含むか否か判定するように構成されている、
請求項14または15に記載の関連通信装置。
【請求項19】
前記回路は、前記関連通信装置に割り当てられた前記信号を復号すると、前記集約信号の他の信号の復号を停止するように構成されている、
請求項14または15に記載の関連通信装置。
【請求項20】
複数の動作チャネルの中の一つ以上の動作チャネルを、関連通信装置のグループに割り当てられた信号が送信されることになる前記関連通信装置のグループに通知し、
前記関連通信装置のグループに割り当てられた信号および関連通信装置の他のグループに割り当てられた他の信号を生成し、
前記信号および前記他の信号を同時に含む集約信号を送信する、
通信方法。
【国際調査報告】